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  • 特開-美容サロンシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094831
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】美容サロンシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230629BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021210364
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】503280112
【氏名又は名称】株式会社エスアイシーコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】山本 幹雄
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】美容サロンに関する情報発信ができるとともに美容サロンが取り扱う美容商材の販売を可能とする美容サロンシステムを提供することである。
【解決手段】美容サロンシステム10は、予め登録された複数の美容サロンに関する情報発信を行うための情報発信部12と、各美容サロンの中の1つの美容サロンに来店したユーザに対して美容サロンが提供した二次元コードに基づいて美容商材の購入を行った場合に、来店した美容サロンと購入した美容商材とを紐づけて登録する購入登録部14と、複数の美容サロンが夫々取り扱う複数の美容商材を所有して一括在庫管理を行う商材管理部18と、ユーザが購入した美容商材を美容サロンの代わりにユーザに発送するための手配をするとともに美容サロンにリベートを支払う発送支払部20と、を備える。
【選択図】図1



【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め登録された複数の美容サロンに関する情報発信を行うための情報発信部と、
前記各美容サロンの中の1つの美容サロンに来店したユーザに対して該美容サロンが提供した二次元コードに基づいて美容商材の購入を行った場合に、来店した前記美容サロンと購入した前記美容商材とを紐づけて登録する購入登録部と、
前記複数の美容サロンが夫々取り扱う複数の前記美容商材を所有して一括在庫管理を行う商材管理部と、
前記ユーザが購入した前記美容商材を前記美容サロンの代わりに前記ユーザに発送するための手配をするとともに前記購入登録部により登録された前記美容サロンにリベートを支払う発送支払部と、
を備えることを特徴とする美容サロンシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の美容サロンシステムにおいて、
前記二次元コードは、前記各美容サロン及び前記各美容商材に夫々対応して設けられており、
前記発送支払部は、前記ユーザが前記美容商材の購入に使用した前記二次元コードに対応する前記美容サロンにリベートを支払うことを特徴とする美容サロンシステム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の美容サロンシステムにおいて、
前記情報発信部により情報発信された前記複数の美容サロンの中から前記ユーザが希望する前記美容サロンを予約する予約部を備えることを特徴とする美容サロンシステム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の美容サロンシステムにおいて、
前記購入登録部は、実際に来店した前記美容サロンのみの登録を許可することを特徴とする美容サロンシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容サロンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、美容室などが集客などを目的として、宣伝広告を行う場合は、大手企業が運営する宣伝広告媒体に掲載する必要がある。
【0003】
本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、ネットワークを介して、美容室予約管理装置と、美容室予約サイト公開装置と、美容室に設置される美容室端末装置と、が接続されている美容室予約システムであって、美容室予約サイト公開装置は、インターネット上に公開している美容室の予約に関するサイトを介してユーザより美容室の予約要求を受け取ると、美容室予約管理装置に美容室の予約を要求し、美容室予約管理装置は、美容室予約サイト公開装置及び/又は美容室端末装置より美容室の予約の要求を受け取ると、記憶手段に保持している美容室のスタッフ毎の空き時間情報を用いて、予約の管理を行うことを特徴とする美容室予約システムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、理美容室の店舗内で使用される携帯型の情報端末と、データ通信ネットワークを介して該情報端末と相互に接続されたサーバ部とを具備し、前記情報端末は、数文字情報を入力するための入力手段と、数文字情報及び画像を表示可能な表示手段と、被写体を撮像して画像データとして処理可能な撮像手段と、前記データ通信ネットワークを介してサーバ部から受けたデータを処理し、前記表示手段に表示する画面を形成するとともに、該画像に対応して前記入力手段により入力された情報と前記撮像手段により取り込んだ画像データとを前記データ通信ネットワークを介してサーバ部へと送出する端末側処理手段と、を備え、前記サーバ部は、当該理美容室の顧客に関する個人情報、及び該顧客毎の施術履歴に関する情報を格納しておく顧客データベースと、前記顧客毎の施術履歴に関連付けて前記画像データを保存しておく画像保存手段と、前記情報端末からの要求に応じて、前記顧客データベース及び画像保存手段から目的とする情報を読み出し、前記端末側処理手段により表示画面を形成可能な形式で前記データ通信ネットワークを介して情報端末へと送出するサーバ側処理手段と、を備えることを特徴とする理美容室の顧客管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-334569号公報
【特許文献2】特開2004-29868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
大手企業が運営する宣伝広告媒体に掲載するためには膨大な費用が必要となる。また、これらの宣伝広告媒体は店を知ってもらうためのツールであり、美容室が取り扱う美容商材を販売することができない。
【0007】
本発明の目的は、美容サロンに関する情報発信ができるとともに、当該美容サロンが取り扱う美容商材の販売を可能とする美容サロンシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る美容サロンシステムは、予め登録された複数の美容サロンに関する情報発信を行うための情報発信部と、前記各美容サロンの中の1つの美容サロンに来店したユーザに対して該美容サロンが提供した二次元コードに基づいて美容商材の購入を行った場合に、来店した前記美容サロンと購入した前記美容商材とを紐づけて登録する購入登録部と、前記複数の美容サロンが夫々取り扱う複数の前記美容商材を所有して一括在庫管理を行う商材管理部と、前記ユーザが購入した前記美容商材を前記美容サロンの代わりに前記ユーザに発送するための手配をするとともに前記購入登録部により登録された前記美容サロンにリベートを支払う発送支払部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る美容サロンシステムにおいて、前記二次元コードは、前記各美容サロン及び前記各美容商材に夫々対応して設けられており、前記発送支払部は、前記ユーザが前記美容商材の購入に使用した前記二次元コードに対応する前記美容サロンにリベートを支払うことが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る美容サロンシステムにおいて、前記情報発信部により情報発信された前記複数の美容サロンの中から前記ユーザが希望する前記美容サロンを予約する予約部を備えることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る美容サロンシステムにおいて、前記購入登録部は、実際に来店した前記美容サロンのみの登録を許可することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、美容サロンに関する情報発信ができるとともに、当該美容サロンが取り扱う美容商材を販売することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る実施形態の美容サロンシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0015】
図1は、本発明に係る実施形態の美容サロンシステム10を示す図である。美容サロンシステム10は、複数の美容サロン6が夫々のサロンに関する情報発信を行いつつ、複数のユーザ4が美容サロン6の予約を行い、美容サロン6の美容商材を購入することを可能とするシステムである。
【0016】
美容サロンシステム10は、情報発信部12と、購入登録部14と、商材管理部18と、発送支払部20と、予約部22とを備えている。美容サロンシステム10は、ネットワーク2を介して、複数のユーザ4、複数の美容サロン6、及び在庫管理会社8に接続されている。
【0017】
情報発信部12は、予め登録された複数の美容サロン6に関する情報発信を行う機能を有する。情報発信部12は、例えば、ブログ機能を有している。このブログ機能を用いて、日々記事を書いていくことで、インターネット検索で上位表示されやすくなり、SEO対策に寄与する。
【0018】
また、ブログ機能を用いて、美容サロン6が行っている取り組みについて紹介することで、店舗の強みを嫌味なく宣伝することができる。さらに、このような記事などを継続して記載していくことで、店舗の強みやコンセプト、店舗が大切にしていること等をユーザ4に伝えることができるため、信頼関係を築くことが出来る。
【0019】
情報発信部12は、こだわりページを形成することができる。こだわりページにおいて、美容サロン6に所属する美容の専門家の独自の視点で人や物や世の中について伝えることで、ユーザ4に気付きを与えることができる。
【0020】
購入登録部14は、各美容サロン6の中の1つの美容サロン6に来店したユーザ4に対して、当該美容サロン6が提供した二次元コードに基づいて美容商材の購入を行った場合に、ユーザ4が来店した美容サロン6と購入した美容商材とを紐づけて登録する。
【0021】
例えば、美容サロン6に来店したユーザ4が、当該美容サロン6で取り扱っている美容商材(例えば、シャンプー、リンス、トリートメントなど)を購入したいと考えた場合に、当該美容サロン6から提供された二次元コードを用いて専用サイトにアクセスして購入する場合に登録される。
【0022】
ここで、上述したように、美容サロン6と美容商材とが、紐づけられた状態となっている。したがって、各美容サロン6は、ユーザ4にお薦めすべき美容商材が存在すると、当該美容商材に対する二次元コード(その美容サロン6と商品(美容商材)とが一対一で対応づけられたコード)を提供する。この二次元コードを受け取ったユーザ4が二次元コードを用いて美容商材の販売サイトで商品を購入した場合には、後述するリベートは、当該美容サロン6に提供されることになる。
【0023】
商材管理部18は、複数の美容サロン6が夫々取り扱う複数の美容商材を所有して一括在庫管理を行う機能を有する。在庫管理会社8は、複数の美容サロン6が取り扱う複数の美容商材を購入して、倉庫などに保管している。これにより、各美容サロン6は、在庫を抱えることなく美容商材を販売することが出来る。
【0024】
発送支払部20は、美容サロン6で渡された二次元コードを用いてアクセスした販売サイトでユーザ4が購入した美容商材を美容サロン6の代わりにユーザ4に発送するための手配をするとともに購入登録部14により登録された美容サロン6にリベートを支払う機能を有する。
【0025】
具体的には、購入登録部14の機能により、ユーザ4が登録された美容サロン6の美容商材の販売サイトに入って商品を購入すると、発送支払部20は該当する美容商材を保管された倉庫等から購入者であるユーザ4の住所等に発送する手配を行う。また、発送支払部20は、美容商材を取り扱っている美容サロン6に購入された美容商材に関するリベート(報酬)を支払う。
【0026】
例えば、ユーザ4が美容サロン6のサロンAに行き、シャンプーaを薦めてもらい、サロンAとシャンプーaが紐づいた二次元コードを受け取って、シャンプーaを購入した場合には、シャンプーaのリベートはサロンAに還元される。
【0027】
この後、このユーザがサロンAとは別のサロンBに行き、リンスbを薦めてもらい、サロンBとリンスbが紐づいた二次元コードを受け取って、リンスbを購入した場合には、リンスbのリベートはサロンBに還元される。このとき、例えば、ユーザ4がサロンAで受け取った二次元コードを用いてシャンプーaを購入した場合は、シャンプーaはサロンAに還元される。なぜなら、サロンBはリンスbについてユーザに薦めるという営業努力は行ったが、シャンプーaの購入分についてはサロンAによる営業努力が存在したからであり、このリベートはサロンAに還元されるべきだからである。
【0028】
これに対し、上記の状況において、ユーザ4がサロンAでシャンプーaを薦められてシャンプーaを購入した後、サロンBに通うようになって、サロンBでもシャンプーaを薦められ、サロンBとシャンプーaとが紐づいた二次元コードでシャンプーaを購入した場合には、シャンプーaのリベートはサロンAではなくサロンBに還元される。これは、サロンBによる営業努力もあったからこそ、継続して購入されたと考えることが出来るからである。
【0029】
予約部22は、情報発信部12により情報発信された複数の美容サロン6の中からユーザ4が希望する美容サロン6を予約する機能を有する。
【0030】
ユーザ4は、情報発信部12により発信された情報に基づいて、お気に入りの美容サロン6が見つかった場合に、美容室である美容サロン6にカットやカラーなどの予約をすることが出来る。これにより、美容室側は、電話での予約対応などが必要ないため、人件費などの削減につながる。
【0031】
宣伝広告部24は、複数の美容サロン6が宣伝広告を行いたい場合に、ユーザ4が検索エンジンに入力するキーワードに関連した広告を出し、また、ユーザ4の属性(地域、年齢、性別、興味、趣味など)を設定してサイトに誘導するためのクリック広告を設定する機能を有している。
【0032】
続いて、上記構成の美容サロンシステム10について説明する。従来、美容室などの美容サロン6が集客を行うためには、大手企業が運営している宣伝広告媒体に所定の費用を払って宣伝広告を行う必要がある。
【0033】
一般的に、大手企業の宣伝広告媒体は、宣伝広告費として支払う金額に応じて露出する回数や露出度などが変わり、お金をかけるほど目立つような仕組みとなっている。資本力のある大手の美容サロン6であれば、広告に投資する資本が十分あるものの、個人経営の美容サロン6などは、広告だけに予算をかけるわけにはいかない。
【0034】
従来の宣伝広告媒体は、カット代等の割引クーポンなどを掲載することで集客効果を高めている。このような宣伝広告の手法は、コストパフォーマンスを重視するユーザ4の集客をすることができるが、このようなユーザ4は、よりお得なクーポンが見つかると、他の美容室に流れてしまうことが多いため、広告費に投じた費用を十分回収できなくなる可能性がある。
【0035】
また、美容室などの美容サロン6では、店舗に保管している美容商材(例えば、シャンプー、リンス、トリートメントなど)の販売による収益も事業を支える収入源の1つであるが、従来の宣伝広告媒体では、美容商材の販売ができない。これらの課題に対して、美容サロンシステム10は、顕著な効果を発揮する。
【0036】
美容サロンシステム10によれば、情報発信部12の機能により、美容室の強みや美容室で行っている強みなどを自然で嫌味なく宣伝することができ、これらに共感したユーザ4が予約をしてくれる。
【0037】
例えば、自分のなりたい姿をより叶えてくれそうなお店を探している、こだわり重視のユーザ4が顧客となり得る。このような顧客は、美容室のサービスの質に満足した場合には、リピート客となる可能性が高い。したがって、美容サロン6は、不毛な価格競争をする必要がなく、質の良い顧客に対して、より良いサービスを提供することができる。
【0038】
また、美容サロンシステム10によれば、ユーザ4が美容サロン6に来店し、当該美容サロン6で提供された二次元コードを用いて、美容商材を購入した場合には、当該美容商材が保管された倉庫から商品が出荷されて、ユーザ4の自宅などに届けられる。そして、美容商材に関するリベートが美容サロン6に還元されることになる。
【0039】
上記のように、ユーザ4が美容商材を購入できることで、ユーザ4のメリットとしては、美容サロン6に足を運ばなくても商品を購入でき、自宅に商品を届けてもらうことができる。また、美容サロン6において、あまり必要でないと考えられる商品を売りつけられる心配がなく、自分の考えのみで商品を購入することが出来る。
【0040】
一方で、美容サロン6側のメリットとしては、ユーザ4に来店してもらわなくてもサロンの利益を生み出すことができ、美容商材の在庫を抱える必要がないため、不要なコストをカットすることが出来る。
【符号の説明】
【0041】
2 ネットワーク、4 ユーザ、6 美容サロン、8 在庫管理会社、10 美容サロンシステム、12 情報発信部、14 購入登録部、18 商材管理部、20 発送支払部、22 予約部、24 宣伝広告部。

図1