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特開2023-94839仕分けシステム及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094839
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】仕分けシステム及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/46 20060101AFI20230629BHJP
   B07C 5/20 20060101ALI20230629BHJP
   B07C 5/10 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
B65G47/46 B
B65G47/46 H
B07C5/20
B07C5/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021210377
(22)【出願日】2021-12-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年6月3日、株式会社国際エキスプレス・東京営業所第一倉庫に納品
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100088856
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(74)【代理人】
【識別番号】100205648
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 真一
(72)【発明者】
【氏名】荻野 真奈美
【テーマコード(参考)】
3F015
3F079
【Fターム(参考)】
3F015AA06
3F015FA02
3F015GA01
3F079CA18
3F079CA19
3F079CA20
3F079CA23
3F079CA29
3F079CB12
3F079CB25
3F079CB28
3F079CB29
3F079CB32
3F079DA06
3F079DA12
3F079DA13
3F079DA21
3F079DA31
(57)【要約】
【課題】物品に応じて安定した仕分けを行う。
【解決手段】
物品Wを搬送する搬送路と、搬送路上の物品をシュート部131、132、141、142に案内する押出部33と、押出部を搬送路上に突出させて移動させる制御を行う制御部105と、を有し、制御部は、押出部を搬送路の搬送面1302の下方まで稼働させて物品をシュート部に押し出す第1制御と、押出部を搬送路の搬送面上で停止させることで物品をシュート部に案内する第2制御と、を実行する、ことを特徴とする仕分けシステム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する搬送路と、
前記搬送路上の前記物品をシュート部に案内する押出部と、
前記押出部を前記搬送路上に突出させて移動させる制御を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、前記押出部を前記搬送路の搬送面の下方まで稼働させて前記物品を前記シュート部に押し出す第1制御と、前記押出部を前記搬送路の搬送面上で停止させることで前記物品を前記シュート部に案内する第2制御と、を実行する、
ことを特徴とする仕分けシステム。
【請求項2】
前記第2制御は、前記押出部を、前記搬送面上に突出している状態で一旦停止させた後に前記搬送面の下方まで移動させる、
請求項1記載の仕分けシステム。
【請求項3】
前記制御部は、前記物品の重量が所定の重量を超える場合には前記第1制御を行い、前記所定の重量以下の場合には前記第2制御を行う、
請求項1又は2記載の仕分けシステム。
【請求項4】
前記制御部は、前記物品が所定の形状である場合には前記第2制御を行い、前記所定の形状以外である場合には前記第1制御を行う、
請求項1乃至3のいずれかに記載の仕分けシステム。
【請求項5】
物品を搬送する搬送路と、
前記搬送路上の前記物品をシュート部に押し出す押出部と、を有する仕分けシステムに対し、
前記押出部を前記搬送路上に突出させて移動させる制御を行う制御命令を実行し、
前記制御命令は、前記押出部を前記搬送路の搬送面の下方まで稼働させて前記物品を前記シュート部に押し出す第1制御と、前記押出部を前記搬送路の搬送面上で停止させることで前記物品を前記シュート部に案内する第2制御と、を実行する、
コンピュータプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送過程で物品を仕分ける仕分けシステム及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
物流システムにおいては、物品の寸法、配送先や配送を担う配送業者等により、物品の仕分けが行われる。
この点、物品の仕分けを行う装置としては例えば、搬送ラインでの搬送中は把持部材によって物品を弾性的に把持する一方、仕分け箇所では仕分け機構の物品送り出し作用によって把持を解除して物品を仕分けラインに向けて送り出す物品仕分装置が知られている。(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5797501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、物品を仕分けるシステムでは、一律の制御で仕分けを行っていたため、薄型の荷物や袋状の物品は仕分けの過程で装置に巻き込まれてしまうおそれがあった。
【0005】
そこで本発明は、物品に応じて安定した仕分けを行うことを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る仕分けシステムは、物品を搬送する搬送路と、前記搬送路上の前記物品をシュート部に案内する押出部と、前記押出部を前記搬送路上に突出させて移動させる制御を行う制御部と、を有し、前記制御部は、前記押出部を前記搬送路の搬送面の下方まで稼働させて前記物品を前記シュート部に押し出す第1制御と、前記押出部を前記搬送路の搬送面上で停止させることで前記物品を前記シュート部に案内する第2制御と、を実行する、ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る仕分けシステムの全体像を示した外観斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る仕分けシステムの採寸計量部を示した側面図である。
図3】本発明の実施形態に係る仕分けシステムの採寸計量部を示した断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る仕分けシステムの分岐部を示す外観斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る仕分けシステムの分岐部を示す断面斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係る仕分けシステムの分岐部を示す縦断面図である。
図7】本発明の実施形態に係る仕分けシステムの機能構成を示した図である。
図8】関連技術の仕分けシステムが物品を搬送する様子の1例を示した図である。
図9】本発明の実施形態に係る仕分けシステムが第2制御により物品を搬送する様子の1例を示した図である。
図10】本発明の実施形態に係る仕分けシステムにおいて、物品情報の取得から仕分けが実行されるまでの処理の流れを示した処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
●概要
以下、本発明の実施形態に係る仕分けシステムについて、図を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る仕分けシステム1を示している。
仕分けシステム1は、物品Wを搬送過程で採寸、計量等し、シュート部131、132、141、142に当該物品Wを仕分ける。
【0009】
この仕分けシステム1はシュート部131、132、141、142への物品Wの仕分けにおいて、物品Wに関する情報に応じて異なる仕分け制御を択一的に実行するシステムである。図4に示されるように、仕分けシステム1は、押出部33によって物品Wをシュート部131(132、141、142)に送り出す。本実施形態では、第1制御として相対的に重量のある物品Wを仕分ける第1制御を、第2制御として相対的に軽量な物品Wを仕分ける第2制御を実行する。
【0010】
●仕分けシステム1の全体像
図1および図4に示されるように、本実施形態に係る仕分けシステム1は、物品Wの採寸や計量を行う採寸計量部1aと、物品Wの仕分けを行う仕分け部1bによって構成されている。この仕分けシステム1は、図1及び図7に示されるとおり、ベルトコンベア10、センサ群20、仕分け機構30、40、シュート部131、132、141、142を備え、物品Wを所定のシュート部131、132、141、142に仕分けする。
【0011】
なお、ベルトコンベア10はベルトコンベア11、12、13、14、15と分岐部130、140を総称したものであり、センサ群20は物品検出センサ21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21h、及びゲートセンサ23を総称したものである。
また、図1では、4つのシュート部131、132、141、142を示したが、適宜の仕様によってより多数のシュート部が設けられる。例えば、最後尾等にエラー物品を仕分けするための排出シュート部が設けられる場合もある。この点は、分岐部130、140等も同様であり、適宜の仕様によってより多数の分岐部が設けられることがある。
また、複数のシュート部131、141は、必ずしも互いに同じ長さによって構成されるものではなく、仕分けの便宜のために異なる長さで構成されている場合がある。図1の例もそのような例を示しており、シュート部141はシュート部131に比して長く構成されている。
また、シュート部131、132、141、142は、図1中においては、分岐部130、140の搬送方向左右両側に設けられているが、右側又は左側のみに設けられていてもよいし、分岐部130、140ごとに右側又は左側と異なる側に設けられていてもよい。
【0012】
●採寸計量部1a
ベルトコンベア10は、物品Wの搬送路を構成すると共に、当該物品Wを搬送する搬送手段である。
このベルトコンベア10は、直列且つ隣接して一直線上に配置された複数のベルトコンベア11、12、13、14、15と、ベルトコンベア13、14の間及びベルトコンベア14、15の間にそれぞれ設けられた分岐部130、140によって構成されている。
このうち、ベルトコンベア11、12は採寸計量部1aの一部を構成しており、このベルトコンベア11、12には、搬送される物品Wの通過を検出するセンサ群20が設けられている。
【0013】
センサ群20は、ベルトコンベア10上を搬送される物品Wから物品情報を取得する物品情報取得手段を構成する。物品情報には、物品Wの外形寸法のほか、物品Wの搬送面上の高さや、物品Wの搬送面上の位置に係る情報が含まれる。なお、実際的には、センサ群20によって取得されるデータは所謂生データであり、適宜の計算や編集がなされることによって物品情報を構成する。
【0014】
このセンサ群20は、図2に示されるように、物品検出センサ21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21hとゲートセンサ23によって構成される。
【0015】
センサ群20のうち、物品検出センサ21a~21hは、ベルトコンベア11、12の搬送方向に沿って一定間隔で連続的に設けられており、搬送される物品Wの移動を検出する。この物品検出センサ21a~21hは夫々、ベルトコンベア11、12の幅方向に対向して設けられた発光部と受光部からなるフォトセンサによって構成され、発光部と受光部の間に形成される光路の遮断を検出することにより、所定の位置における物品Wの移動を検出する。
【0016】
ゲートセンサ23は、図3にも示されるように、ベルトコンベア11、12上を搬送される物品Wについて、その寸法や端部を検出するためのセンサであり、ベルトコンベア11とベルトコンベア12の間に設けられている。このゲートセンサ23は、ベルトコンベア11、12の搬送面を跨ぐゲート型のフレーム231と、該フレーム231に備えられ、ベルトコンベア11、12の搬送面を挟んで上下に対向して配置された複数の発光部23aと受光部23bからなるフォトセンサ、及び搬送路の幅方向に対向して配置された複数の発光部23cと受光部23dからなるフォトセンサとによって構成される。フォトセンサは、発光部23a(23c)からの光を受光部23b(23d)が受けて信号としており、ベルトコンベア11、12上を搬送される物品Wが、発光部23a(23c)と受光部23b(23d)の間に形成される光路を遮ることで発生する信号の変化を読み取り、物品Wを検出することができる。さらには、信号をサンプリングし、順次のサンプル値が大きく変化するのを検知することにより、物品Wの端部(搬送方向に沿った先端あるいは後端)を判定することができる。また、発光部23cと受光部23dは、最も低い位置では搬送面上に配置されると共に、鉛直方向に順次配置されていることから、物品Wの高さ方向の端部が検出される。
このような構成からなるセンサ群20によって取得された情報により、搬送面上における物品Wの高さや位置を判別することができる。
【0017】
なお、上述の通り、ゲートセンサ23を構成する発光部23aと受光部23bは、ベルトコンベア11、12の搬送面111を挟んで上下に対向して配置されているため、物品Wの厚さによらず、どのような形状からなる場合でもその移動を検出することができる。
【0018】
発光部23cと受光部23dは、鉛直方向に連続的に配置されているため、物品Wの高さ方向の端部を検出できる。発光部23cと受光部23dによって検出された情報は物品Wの高さ等のサイズや形状を算出ないしは計測するための情報となる。
【0019】
発光部23cと受光部23dは、最も低い位置では物品Wの搬送面111よりも下方に配置されている。発光部23cと受光部23dは、ベルトコンベア11とベルトコンベア12の間に配設されていることから、搬送面111の下方においても発光部23cから照射された検出光を、間隙Sを介して受光部23dで受光でき、これにより厚みの薄い物品Wでも確実に検出できる。
【0020】
また、図示省略しているが、ベルトコンベア11、12には物品情報取得手段として他に、搬送される物品Wの重量を計量する計量部が備えられているほか、物品Wに貼付又は印字等されたバーコード等の情報や物品Wの形状を撮像するカメラなどが適宜に備え付けられている。
【0021】
物品検出センサ21a~21hのほかに、物品Wが分岐部130、140に到達するタイミングを測るためのセンサ133、143が設けられている。このセンサ133(143)は例えば、ベルトコンベア13、14の幅方向に対向して設けられた発光部133a(143a)と受光部133b(143b)からなるフォトセンサによって構成することができ、例えば、分岐部130、140よりも僅かに手前の位置に設けられる。
【0022】
センサ133(143)は、搬送ローラ1301の稼働中において物品Wを検出することで、物品Wの搬送ローラ1301による搬送方向の長さを計測する。搬送ローラ1301は、センサ133(143)で計測された物品の長さに応じて停止し、物品Wを押出部33による押出領域に載置する。押出領域とは、幅方向に並列する複数の押出部33の、幅方向両端の間に画定される領域である。この構成によれば、押出領域に載置された物品Wは、押出部33により確実に押圧され、搬送ローラ1301上をx方向に平行移動できる。なお、搬送ローラ1301の停止タイミングは、物品Wの重量および搬送ローラ1301の搬送速度から物品Wの滑り量を考慮して決定されていてもよい。
●仕分け部1b
【0023】
ベルトコンベア13、14、15と分岐部130、140は、仕分け部1bの一部を構成しており、分岐部130、140では物品Wがシュート部131、132、141、142に送り出され、これにより物品Wが仕分けられる。
なお、以下の分岐部130、140に関する説明では、分岐部130を例にとって説明するが、分岐部140の構成も分岐部130と同様であり、分岐部140には分岐部130が備える仕分け機構30に対応する仕分け機構40が設けられている。
【0024】
図5に示すように、分岐部130には、物品Wを搬送方向下流に搬送するための複数の搬送ローラ1301が設けられている。
各搬送ローラ1301は、物品Wの搬送方向と直交する向きに長さを有し、搬送方向に沿って、一定幅の間隙G1を設けながら配設されている。複数の搬送ローラ1301は、物品Wを搬送する搬送路を構成し、その上面は物品Wの搬送面1032を構成する。複数の搬送ローラ1301が搬送方向に回転駆動すると、搬送面1302上の物品Wが搬送方向(+y方向)に搬送される。
【0025】
また、分岐部130には、分岐部130に到達した物品Wをシュート部131へ送り出すことにより物品Wを仕分ける仕分け機構30として、ベルト31、駆動ローラ32、押出部33が設けられている。
なお、この仕分け機構30は、複数の搬送ローラ1301の間ごと、すなわち複数の間隙G1にそれぞれ設けられており、いずれも同じ構成からなる。分岐部130に設ける仕分け機構30の数は特に限られないが、複数設けるのが好適である。
【0026】
ベルト31は、本実施形態において、無端ベルトであって、一対の駆動ローラ32周りに巻回され、駆動ローラ32が回転駆動するのに応じて回転する。このベルト31は、搬送ローラ1301による物品Wの搬送方向と直交する向きであって、分岐部130にシュート部131又はシュート部132が接続している向き、すなわち+x方向又は-x方向に回転する。
ベルト31の幅は少なくとも、隣り合う搬送ローラ1301間に僅かに形成される間隙G1の幅よりも小さい。これにより、隣り合う搬送ローラ1301間に設けられているベルト31が搬送ローラ1301に接触しないようになっており、間隙G1から押出部33が搬送面1302上に突出するようになっている。
【0027】
なお、ベルト31は、押出部33を取り付けた状態で回転できる限り、チェーンやコードなどによって構成することもでき、本実施形態のように無端ベルトに限られることはない。
【0028】
駆動ローラ32は、ベルト31を回転させるための駆動部であり、互いに離間して一対、搬送面1302下に設けられており、搬送方向に対して直交する向きに回転駆動する。この一対の駆動ローラ32には、無端のベルト31が巻回されており、駆動ローラ32が回転駆動することにより、ベルト31を回転させることができる。
なお、一対の駆動ローラ32は、いずれもが能動的に駆動するローラであってもよいし、一方のみが駆動するローラであって、他方が従動的に回転するローラであってもよい。
【0029】
押出部33は、分岐部130の搬送路上の物品Wをシュート部131へ押し出す押出手段を構成し、本実施形態においてはベルト31の外周面に4つ設けられている。
なお、以下の説明において、4つの押出部33を区別して言及する場合には、押出部33a、33b、33c、33dと指称する。
【0030】
この押出部33は、直角三角形状の底面を備えた三角柱形状からなる。このような形状からなる押出部33は、三角柱形状の一の側面がベルト31の外周面に当接するようにベルト31に取り付けられると共に、三角柱形状のうち、直角を挟んで該側面に隣接する底面が搬送方向に対して直角をなすように設けられている。なお、押出部の形状は、上述した三角柱状には限られず、適宜の形状が採用できる。
なお、押出部33をベルト31に取り付ける方法は問わないが、例えば、接着剤等によってベルト31に接着して取り付けることができる。
【0031】
4つの押出部33a、33b、33c、33dは、2つで一組を構成し、一組の押出部33a、33bともう一組の押出部33c、33dとは、ベルト31の外周面において、点対称な位置をとるように設けられている。即ち、図5に示されるように、一組の押出部33a、33bが図示右側にくるとき、もう一組の押出部33c、33dは図示左側にくる。本実施形態では、図5に示されるように一組の押出部33a、33bともう一組の押出部33c、33dが左右対称な位置にくるとき、いずれの押出部33a、33b、33c、33dも搬送面1302下に潜在している。
【0032】
また、一組を構成する押出部33a、33bは互いに近接して設けられると共に、それぞれの三角柱形状の直角の部分が互いから離れる位置となるように設けられている。一組を構成する押出部33a、33bがこのように設けられていることにより、一組の押出部33a、33bの外側はベルト31に対して直角に立設するように設けられている。この一組の押出部33a、33bの外側部分は、物品Wに当接して押し出す押出面となっている。
なお、もう一組の押出部33c、33dについても押出部33a、33bと同様にしてベルト31上に設けられている。
【0033】
押出部33は、隣り合う搬送ローラ1301間の間隙G1よりも狭い幅で構成されており、駆動ローラ32が回転駆動してベルト31が一対の駆動ローラ32周りを回転すると、間隙G1から搬送面1302上へ突出したり、搬送面1302下に潜在したりする。
【0034】
押出部33は通常、図5に示されるように搬送面下に潜在しているが、図6に示されるように、駆動ローラ32が回転すると、これに応じて搬送面上へ突出し、隣接する搬送ローラ1301間の間隙G1に沿ってシュート部131側へスライドする。そして、シュート部131側へスライドすることによって搬送面1302上の物品Wに当接し、物品Wをシュート部131へ案内する。物品Wをシュート部131へ案内した後、押出部33は再び搬送面1302下へ潜在し、駆動ローラ32が駆動停止するのに応じて停止し、次の物品Wを仕分ける仕分け制御を実行可能に待機する。
【0035】
ここで、一組の押出部33a、33bともう一組の押出部33c、33dがベルト31上の点対称な位置に設けられていることから、図6に示される状態からベルト31が半回転して物品Wが押出部33aによってシュート部131に押し出されると、一組の押出部33a、押出部33bともう一組の押出部33c、33dの位置がちょうど入れ替わった状態となる。そして、次の物品Wをシュート部131へ押し出す際には、押出部33cで物品Wを押し出すことになる。このように連続して物品を押し出す場合、押出部33aと押出部33cが交互に物品Wをシュート部131へ押し出すことになり、押出部33a、33cにかかる負担が分担される。
【0036】
また、シュート部131に物品Wを押し出す際には押出部33a、33cが用いられ、シュート部132に物品Wを押し出す際には押出部33b、33dが用いられる。その結果、物品Wを押し出すことによって押出部33にかかる負担が4つの押出部33a、33b、33c、33dに分散され、押出部33の耐久性を向上させられる。
【0037】
シュート部131、132、141、142は、仕分け情報に応じて物品Wを送り出すためのベルトコンベア10の出口であり、複数の出荷方面やパレット倉庫に物品Wを仕分けられるように複数設けられている。シュート部131、132、141、142とは、業界ではソータなどで仕分け先別に仕分けされた物品Wをコンテナへ落下(投入)して物品Wを滞留させ、あるいは一時保管する装備を意味し、傾斜式のフリーローラコンベア、駆動コンベア等、様々な部分から構成されたり、そのような様々な部分自体をそのように呼んだりする。
【0038】
また、本実施形態では、「仕分け先」を「シュート(シュート部)」と同じ意味で用いることがある。一般的には、「仕分け先」といった場合、配送会社別に仕分けを行うときは配送会社のことを意味するが、本実施形態では、仕分け条件によって仕分けされて物品Wが搬送される場所、即ち、シュート部131、132、141、142と同義で用いられ、単に「仕分け条件による仕分け先」といった場合にはシュート部131、132、141、142のことを意味している。
【0039】
なお、図1では、シュート部141には、所定の長さ毎にセンサ1411、1412、1413が設けられている。かかるセンサ1411、1412、1413は、制御種に関して後述するとおり、シュート部141の搬送面上の物品Wを検出しており、これによりシュート部141における物品Wの滞留状態を判断できるようになっている。
【0040】
●機能部
仕分けシステム1は、図7(a)に示されるように、ハードウェア資源として、情報処理を実行するためのCPU(Central Processing Unit)などの演算装置、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの記憶装置を備え、インターフェース回路を介して、ベルトコンベア10、センサ群20、及び仕分け機構30(40)が接続されている。
また、これによりソフトウェア資源として少なくとも、図7(b)に示されるように、仕分け条件記憶部101、制御種情報記憶部102、仕分け情報生成部103、決定処理部104、及び制御部105を備える。
【0041】
仕分け条件記憶部101は、仕分け条件を記憶する記憶部である。
仕分け条件は、物品Wの仕分けを行う際、物品Wに適用される条件である。具体的に、仕分け条件は、物品Wの寸法や重量の閾値、配送会社、物品Wのサイズ別運賃、配送条件、締め時間、物品の扱い条件などの情報等によって構成される。物品Wごとの寸法や重量、その他の仕分け条件を適用する際に必要となる情報に対し、仕分け条件を適用することで、物品Wの仕分け先、即ちシュート部131、132、141、142が決定される。
【0042】
制御種情報記憶部102は、物品Wの仕分け制御の内容を所定の種別(制御種)に分類して記憶した記憶部である。仕分け制御の内容は制御種ごとに異なっており、決定処理部104により、物品Wに応じた制御種が決定される。
制御種は本実施形態において、物品Wの重量が所定値よりも重い場合に応じたものと、物品Wの重量が所定値よりも軽い場合に応じたものがあり、ここでは上述のとおり前者を第1制御、後者を第2制御と称している。
【0043】
仕分け情報生成部103は、物品Wの寸法や重量、その他の仕分け条件を適用するために必要な情報をもとに、仕分け条件を適用することによって物品Wの仕分け先、即ちいずれかのシュート部131、132、141、142を決定し、物品Wを仕分けるための仕分け情報を生成する。
この仕分け情報には少なくとも、物品Wの仕分け先、即ち、物品Wを送り出すべきシュート部131、132、141、142に係る情報が含まれるほか、適宜、物品Wの寸法や重量といった物品W自体の情報等を含めることができる。
【0044】
決定処理部104は、物品情報に基づき、制御種情報記憶部102を参照して、搬送路上の物品Wに適用する仕分け制御の内容として所定の制御種を決定する。より具体的には、物品Wの情報に応じて二種類の制御種のうちのいずれか一方の制御種を択一的に決定する。
なお、決定処理部104は、制御種を決定する以外に、物品Wの高さと位置に係る情報に基づき、所定の計算式に従って、ベルト31の回転速度や押出部33のスライド動作開始位置など、付加的な制御内容を決定することもできる。
【0045】
決定処理部104は、物品Wの重量情報に応じて第1制御と、第2制御を択一的に実行する。また、これに加えて又は代えて、物品Wの寸法や物品Wの特性に係る情報に応じて第1制御又は第2制御を実行するようにしてもよい。物品Wの特性に係る情報とは例えば、割れ物など、物品の内容等に基づいた物品の取り扱いに係る情報であり、所定の記憶部に記憶しておくことができる。決定処理部104は、カメラ等の撮像部により物品Wの形状を取得し、物品Wが箱状か袋状かを判別してもよい。この撮像部は、例えばベルトコンベア11、12に備えられている他、ベルトコンベア11、12上を撮像範囲とする適宜の位置に配設されておいてよく、ベルトコンベア11、12等とは離間して配設され、ベルトコンベア11、12等を上方から撮像するカメラであってもよい。例えば、決定処理部104は撮像部により取得される画像を適宜の手法で画像解析することにより、物品Wの形状を取得する。決定処理部104は、例えば物品Wの端部の角度を計測し、角が所定の条件となっている場合には箱状であると判定し、条件に当てはまらない場合には袋状と判定してもよい。所定の条件は、例えば略直角であることでもよいし、角が尖っていることであってもよい。角が尖っているか否かは、例えば端辺上の点を抽出して補完近似した曲線の曲率を求めることで判定する。また、決定処理部104は、当該画像を画像解析することにより、形状以外の情報を参照して箱状か袋状か判別してもよい。具体的には例えば、物品W表面の反射率、凹凸の程度、又は透過率等に基づいて、物品Wが袋に包装されている物か否かを判別してもよい。
決定処理部104は、物品Wが箱状である場合には第1制御を実行し、物品Wが袋状である場合には第2制御を実行する。後に詳述するが、袋状のものは特に端部が薄く、第1制御で搬送するものとすると押出部33と搬送ローラ1301との間に挟み込むおそれがあるためである。
また、ベルトコンベア11、12に備え付けられたカメラ等の撮像部によって物品Wに貼付又は印字等されたバーコードを読み取ると、当該物品Wを識別することができ、これにより所定の記憶部を参照して、当該物品Wの特性に係る情報を取得するものとしてもよい。バーコードには物品Wの形状に関するデータが紐づけられていてもよい。決定処理部104は当該形状に関するデータに基づいて、第1制御および第2制御のいずれを実行するか決定する。形状に関するデータは、例えば箱状か袋状かを示す情報であってもよい。
【0046】
決定処理部104は、物品Wの重量に代えて、物品Wの寸法に応じて制御種を決定する場合、物品情報に含まれる物品Wの寸法を所定の閾値と対比し、物品Wの寸法が所定の閾値を超える場合には第1制御の実行を決定する。一方、対比の結果、物品Wの寸法が所定の閾値に満たない場合には第2制御の実行を決定する。決定処理部104は、物品Wの高さ方向の大きさ、すなわち厚さに応じて制御種を異ならせてもよい。この場合、決定処理部104は、物品Wの厚さが所定の閾値を超える場合には第1制御の実行を決定し、厚さが所定の閾値に満たない場合には第2制御の実行を決定する。物品Wの寸法が所定の閾値に満たないとの条件は、物品Wの所定の形状を特定する条件の1例である。
【0047】
また、決定処理部104は、物品Wの寸法と重量の両方に基づいて制御種を決定する場合には、例えば、物品Wの寸法が所定の閾値を超え、物品Wの重量も所定の閾値を超える場合には第1制御の実行を決定し、物品Wの寸法が所定の閾値に満たず、物品Wの重量も所定の閾値に満たない場合には第2制御の実行を決定する。なお、物品Wの寸法が所定の閾値に満たないが、物品Wの重量が所定の閾値を超える場合、又は物品Wの寸法が所定の閾値を超えるが、物品Wの重量が所定の閾値に満たない場合には、寸法又は重量のいずれかを優先するなど、予め定めた条件に従って第1制御又は第2制御の実行を決定する。
【0048】
物品Wの重量や寸法に代えて、物品Wの特性に応じて制御種を決定する場合、決定処理部104は、物品Wの特性に応じて予め決められた制御種の実行を決定する。
このような物品Wの特性に係る情報も含め、物品Wの寸法や重量の情報と合わせて複合的な判断によって制御種を決定することもできる。例えば、物品Wの特性に基づき、第1制御又は第2制御のいずれの制御でもかまわない場合には、物品Wの寸法と重量に基づいて制御種を決定し、物品Wの特性上、第1制御又は第2制御のいずれかしか許容できない場合には、物品Wの寸法や重量の情報に基づいた判断よりも、当該物品Wの特性に基づいた判断を優先して制御種を決定する。
【0049】
制御部105は、仕分け機構30(40)に対し、仕分け情報、及び決定処理部104によって決定された制御種に基づいた制御信号を出力し、これにより仕分け作業を実行する。制御部105は、押出部33を搬送路上に突出させて移動させる。より具体的には、制御部105は、物品Wに関する情報に応じて、押出部33を搬送路の搬送面1302の下方まで稼働させて物品Wをシュート部131(132、141、142)に押し出す第1制御と、押出部33を搬送路の搬送面1302上で停止させることで物品をシュート部131(132、141、142)に案内する第2制御と、を実行する。第1制御において押出部33が稼働して到達する位置は、少なくとも搬送面1302の下方であるが、例えば待機位置まで稼働するものとしてもよい。これに伴い、押出部33は、物品Wに当接し、物品Wを搬送ローラ1301の搬送方向と直交する方向に搬送する。
【0050】
仕分け機構30(40)は、制御部105から入力された制御信号に基づき、各物品Wを所定のシュート部131(141)へ送り出す。
【0051】
●処理の流れ
続いて、物品Wの重量が所定値よりも重い場合に実行される第1制御と、当該物品Wの重量が所定値よりも軽い場合に実行される第2制御による動作について、処理の流れと共に詳述する。以下の第1制御と第2制御の説明では、分岐部130において、物品Wをシュート部131に仕分ける場合を例にとるが、物品Wをシュート部132に仕分ける場合にもベルト31の回転が逆方向となる以外は同様に制御される。また、分岐部140においても同様に制御される。
【0052】
なお、仕分けシステム1において、決定処理部104は、搬送されてくる物品Wごとに第1制御又は第2制御のいずれの仕分け制御を実行するか決定する。一方、仕分け機構30は、決定処理部104によって決定した仕分け制御に応じた動作を開始するまで所定の待機状態にあり、制御部105が決定された仕分け制御を実行すると動作を開始する。また、仕分け機構30は、仕分け制御が実行された後には再び所定の待機状態に戻る。
ここで、本実施形態における待機状態は、図5に示される状態であり、押出部33は搬送面上に突出することなく、搬送面下に潜在した状態にある。以下の説明においては、かかる状態を単に「待機状態」と称することがある。また、この待機状態における押出部33の位置を「待機位置」と称することがある。
【0053】
第1制御は、押出部33を搬送路の搬送面1302の下方まで稼働させて物品Wをシュート部131、141に押し出す制御である。第1制御では、押出部33は、物品Wに当接してから搬送面1302の下方に移動するまで停止せず、例えば一定速度で動作しながら下方に潜り込む。押出部33は、搬送面1302端部において駆動ローラ32の外縁に沿って円弧を描きながら下降し、物品Wとの当接面が下方を向くに従い物品Wから離間する。このとき、物品Wは、シュート部131の搬送面を構成する傾斜式のフリーローラに当接しており、押出部33から与えられた運動量と重力に応じて、フリーローラの表面を滑降する。
【0054】
第2制御は、押出部33を搬送路の搬送面1302上で停止させることで物品Wをシュート部131、141に案内する制御である。第2制御では、押出部33は、搬送面1302の端部にて物品Wに当接している状態で停止する。より具体的には、押出部33は、物品Wとの当接面が搬送面1302の下方に潜り込む前に停止するとよい。本実施形態の形状においては、当該当接面は、搬送面1302上では搬送面1302に対して略直交しているところ、当該当接面が駆動ローラ32に沿って約45度傾いた時点で一旦停止すると好適である。その結果、物品Wは、押出部33により与えられた運動量に応じて搬送面1302からはじき出され、シュート部131、141に移動する。はじき出された物品Wは、シュート部131、141の搬送面を構成する傾斜式のフリーローラまで到達し、運動量と重力に従ってシュート部131、141上を滑降する。
【0055】
第2制御は、押出部33を、搬送面1302上に突出している状態で一旦停止させた後に搬送面1302の下方まで稼働させる。物品Wは、押出部33が停止している間に搬送面1302からはじき出され、シュート部131、141に移動する。第2制御における停止時間は、例えば物品Wがシュート部131、141に到達するのに要する時間より十分長く規定されており、押出部33は、物品Wがはじき出された後に搬送面1302の下方に移動する。また、第2制御における停止時間は、物品Wがシュート部131、141に到達するのに要する時間より短くてもよく、この場合の停止時間は停止後に稼働する押出部33が再び物品Wに当接しない程度の長さである。
【0056】
第1制御と第2制御とにおいて、待機位置から動作を行い再度待機位置に戻るまでの時間、すなわち動作周期は、略同一である。第2制御の場合には停止時間を有するため、第2制御における押出部33の移動速度は、第1制御における移動速度よりも速くなっている。この構成によれば、第2制御において押出部33は物品Wをより速く押圧するため、物品Wに勢いをつけてはじき出すことができる。また、第1制御および第2制御のいずれであっても、ほぼ同時点に待機位置の状態に戻ることができるので、全体の処理能力を維持できる。
【0057】
ここで、図8を用いて関連技術における仕分けシステムによる搬送の様子を説明する。この仕分けシステムは、袋状等の薄い物品Wを本実施形態の第1制御により搬送するものである。本実施形態の仕分けシステムと同様の構成には、同じ符号を付した。第1制御においては、押出部33がベルト31上の軌道の限りにおいて物品Wを押圧するので、物品Wを確実にシュート部131へと案内することができる。一方、押出部33と搬送ローラ1301との間の空隙G3が次第に小さくなっていく結果、物品Wが袋状等、特に端部が薄い形状の場合には、物品Wの端部が当該空隙G3に挟まれてしまう恐れがある。そこで、物品Wに関する情報が所定の条件を満たす場合には、以下に説明する第2制御を行う。
【0058】
図9は、本実施形態の仕分けシステムにおいて物品Wを第2制御により搬送する様子を示す模式図である。同図においては、押出部33が搬送面1302上に突出している状態で停止している様子を示している。この制御において押出部33は、押出部33と搬送ローラ1301との間の空隙G3が所定の大きさに保たれた状態で停止する。その結果、物品Wは押出部33が停止している間にシュート部131、141にはじき出される。したがって、第2制御によれば、袋状等、物品Wの端部が薄い場合であっても空隙G3に挟まれることなく、物品Wを確実にシュート部131、141に案内することができる。
【0059】
ここで、物品Wは、薄型の形状の場合には重量が小さい蓋然性が高い。この点、本装置においてはベルトコンベア11、12に配設されている計量部により物品Wの重量を正確かつ迅速に計測することができる。そこで、重量を用いて制御種を異ならせることで、様々な形状の物品Wを確実に搬送することができる。
【0060】
図10は、物品Wの仕分け処理の全体的な流れを示す。
採寸計量部1aは、センサ群20により物品Wの物品情報を取得する(S1)。この物品情報に基づき、物品Wの寸法や重量などが把握される。
【0061】
仕分け情報生成部103は、物品情報及び仕分け条件記憶部101を参照して、物品Wの寸法や重量、その他の仕分け条件を適用するために必要な情報をもとに、仕分け条件を適用することによって物品Wの仕分け先として所定のシュート部131、132、141、142を決定し、当該仕分け先に係る情報を含む仕分け情報を生成する。
【0062】
決定処理部104は、物品Wの重量に基づき、制御種情報記憶部102を参照して、物品Wの重量に応じた制御種として、第1制御又は第2制御のいずれかの実行を決定する(S2)。
【0063】
制御部105は、決定処理部104によって決定された制御種に係る仕分け制御を実行し、仕分け情報と制御種に応じた制御信号が仕分け機構30に出力されると、これに応じて仕分け機構30は物品Wの仕分けを行う(S3)。
【0064】
なお、仕分け機構30が所定の仕分け制御に応じた動作を開始するタイミングは例えば、物品Wの仕分けが行われる分岐部130、140よりも上流に設けたセンサ133、143により、分岐部130、140に物品Wが接近したのを検知し、これによりタイミングを計る。また、当該センサ133、143によって物品Wの接近を検知したタイミングから、仕分けを行う分岐部130、140までの搬送速度や距離に基づき、当該仕分けを行う分岐部130、140に物品Wが到来するまでの時間を算出し、これによりタイミングを計ってもよい。
【0065】
以上の本実施形態に係る仕分けシステム1によれば、物品Wに応じて安定した仕分けを行うことができる。具体的には、搬送面1302上における物品Wの重量に応じて安定的且つ的確な仕分けを行うことができる。第1制御だけでは、薄い物品Wを押出部33と搬送ローラ1301との間に挟んでしまうおそれがあった。これに対して本実施形態に係る仕分けシステム1は、第1制御と第2制御という二種類の制御を実行でき、これによりどのような物品Wにも対応できる。
【0066】
なお、以上の本実施形態においては、図5に示されるように、隣り合う搬送ローラ1301間にはベルト31や押出部33を突出させるための間隙G1が設けられ、図1に示すように、分岐部130とシュート部131の間にも間隙G2が設けられる。
物品Wはこの間隙G1、G2を跨ぐようにして搬送されるため、この間隙G1、G2の幅よりも小さい幅の物品Wが搬送される場合、当該物品Wが間隙G1、G2にはまり込んだり、間隙G1、G2から落ちたりする可能性がある。これを回避すべく、採寸計量部1aによって物品Wが採寸、軽量された結果、間隙G1、G2の幅よりも狭い幅を有する物品Wが検知された場合には、そのような物品Wが検知されたことを報知するようにしてもよい。
【0067】
また、本実施形態において、回転するベルト31上の押出部33の位置を検出したり、押出部33そのものがベルト31から外れてしまっていないかを検出したりするセンサを配設するようにしてもよい。センサは、押出部33が待機位置にあることを検出する。センサは、例えば投光器および受光器よりなる透過型光電センサを用いることができる。センサは、例えば物品Wを押し出した後、すなわち第1制御又は第2制御が実行された後に、待機位置に到達しているか判定する。待機位置に到達していない場合には、エラーを報知する。待機位置に到達していない場合、押出部33と搬送ローラ1301との間に物品Wを挟んでしまっているおそれがあるため、エラーの報知内容に物品Wを挟み込んでいる旨の情報が含まれていてもよい。また、第1制御又は第2制御が実行された後の所定の時点で待機位置に到達していないと判定される場合、駆動ローラ31を直前の第1制御又は第2制御とは逆方向に回転させ、押出部33を後退させてもよい。この構成によれば、挟み込んだ物品Wを解放することができる。この処理は、直前に行われた制御が第2制御で有る場合のみ行い、第1制御の場合には行わないものとしてもよい。さらに、上述の逆回転の処理が行われた場合には、当該処理が行われた物品Wの形状等を記憶し、決定処理部104は、同様の条件を有する物品Wに対して第2制御を行うものとしてもよい。この構成によれば、第2制御をより適切に適用することができるようになるため、押出部33による挟み込みを一層少なくすることができる。
なお、待機位置にある押出部33が検出可能である限り、センサの種類や設け方は特に限られず、他の態様によるものであってもよい。
【0068】
なお、シュート部141について上記で言及したとおり、シュート部141には所定の長さ毎にセンサ1411、1412、1413が設けられており、これにより物品Wの滞留状態を判断できる。また、採寸計量部1aにおいては、物品Wの寸法や重量、物品の特性といった物品情報を取得することができる。そこで、これら物品Wの滞留状態に係る情報、物品情報、及び物品Wに対して適用した制御種に係る情報の相関関係を機械学習し、搬送されてくる物品Wに適用する制御種を決定あるいは切り替えるようにしてもよい。
【0069】
即ち、機械学習により、所定の物品情報をもつ物品Wに対して第1制御又は第2制御を実行した場合、あるいは所定の条件に沿って物品Wに適用する制御種を決定した場合、その結果として物品Wの滞留が発生しているか否かを判断することができる。このような判断ができた場合に、ある特定の条件下では、物品Wに適用する制御種を第1制御から第2制御に切り替えたり、逆に第2制御から第1制御に切り替えたりする。これにより、シュート部141における物品Wの滞留を防いだり、解消させたりし、効率的な仕分けを行うことができる。
【0070】
また、本実施形態に係る仕分けシステム1において、採寸計量部1aと仕分け部1bの間には、物品Wの物品情報や送り状伝票等を印刷情報としてラベル用紙に印刷してラベルを発行するラベル発行装置や、当該ラベルを物品Wに貼付するラベル貼付装置等を設けることもできる。
さらに、ラベル発行装置を各シュート部131、132、141、142に配置することで、例えばキャリア別仕分けを仕分け条件で選択している場合は、シュート部131、132、141、142(仕分け先、仕分け先のキャリア)に当該キャリア用ラベルを発行することができる。伝票の書式や印字内容はキャリア毎に異なるため、出力する仕分け情報に印字情報を含んで出力することでシステム化、ライン化を実現する。なお、伝票が統一できる場合には、各々のシュート部131、132、141、142に配置する必要はなく、採寸計量部1aから仕分け部1bまでの間にラベル発行装置を配置することもできる。
【0071】
また、物品Wの仕分け作業をスムーズにするための機能として、例えば、物品Wが連続して搬送されてきた場合に、物品Wの重量に応じて搬送速度を変更する機能や、物品Wを各シュート部131、132、141、142へ送出する送出速度や押圧量を調整する機能が適宜に設けられていてもよい。
そうすることで、取扱注意の物品Wや、天地無用や高さのある物品Wの破損や転倒を回避できるので、そのような破損や転倒による損害を無くし、また、それらの報告や追加作業の指示工数などの無駄な工数発生を防止することができる。
【0072】
また、上述したソフトウェア資源は適宜の設計によりいずれかのハードウェア資源に分散又は集約させることができるし、ハードウェア資源も物理的に一体をなす装置あるいは別体をなす装置として構成することもできる。これにより例えば、ソフトウェア資源はその一部又は全てを、中央集権的な上位の装置やコントローラにもたせるように構成することもできるし、所定のネットワークによって接続された外部のサーバにもたせることもできる。
【0073】
●実施形態総括
本発明は、搬送過程で物品を仕分ける仕分けシステム及びコンピュータプログラムに関する。
【0074】
物流システムにおいては、物品の寸法、配送先や配送を担う配送業者等により、物品の仕分けが行われる。
【0075】
この点、物品の仕分けを行う装置としては例えば、搬送ラインでの搬送中は把持部材によって物品を弾性的に把持する一方、仕分け箇所では仕分け機構の物品送り出し作用によって把持を解除して物品を仕分けラインに向けて送り出す物品仕分装置が知られている。(特許第5797501号公報参照)。
【0076】
従来、物品を仕分けるシステムでは、一律の制御で仕分けを行っていたため、薄型の荷物や袋状の物品は仕分けの過程で装置に巻き込まれてしまうおそれがあった。
【0077】
そこで本発明は、物品に応じて安定した仕分けを行うことを目的の一つとする。
【0078】
上記目的を達成するため、本発明に係る仕分けシステムは、物品を搬送する搬送路と、前記搬送路上の前記物品をシュート部に案内する押出部と、前記押出部を前記搬送路上に突出させて移動させる制御を行う制御部と、を有し、前記制御部は、前記押出部を前記搬送路の搬送面の下方まで稼働させて前記物品を前記シュート部に押し出す第1制御と、前記押出部を前記搬送路の搬送面上で停止させることで前記物品を前記シュート部に案内する第2制御と、を実行する、ことを特徴とする。
【0079】
前記第2制御は、前記押出部を、前記搬送面上に突出している状態で一旦停止させた後に前記搬送面の下方まで移動させるものとしてもよい。
【0080】
前記制御部は、前記物品の重量が所定の重量を超える場合には前記第1制御を行い、前記所定の重量以下の場合には前記第2制御を行うものとしてもよい。
【0081】
前記制御部は、前記物品が所定の形状である場合には前記第2制御を行い、前記所定の形状以外である場合には前記第1制御を行うものとしてもよい。
【0082】
また、上記目的を達成するため、本発明に係るコンピュータプログラムは、物品を搬送する搬送路と、前記搬送路上の前記物品をシュート部に押し出す押出部と、を有する仕分けシステムに対し、前記押出部を前記搬送路上に突出させて移動させる制御を行う制御命令を実行し、前記制御命令は、前記押出部を前記搬送路の搬送面の下方まで稼働させて前記物品を前記シュート部に押し出す第1制御と、前記押出部を前記搬送路の搬送面上で停止させることで前記物品を前記シュート部に案内する第2制御と、を実行する。
なお、コンピュータプログラムに係る発明として構成した場合には、コンピュータプログラムは、各種のコンピュータ読取可能な記録媒体に格納して提供したり、インターネット等のネットワークを介してダウンロード可能に提供したりすることができる。
【0083】
本発明によれば、物品に応じて安定した仕分けを行うことができる。
【符号の説明】
【0084】
1 :仕分けシステム
101 :仕分け条件記憶部
102 :制御種情報記憶部
103 :仕分け情報生成部
104 :決定処理部
105 :制御部
1a :採寸計量部
1b :仕分け部
10-15 :ベルトコンベア
20 :センサ群
21a-21h :物品検出センサ
23 :ゲートセンサ
30、40 :仕分け機構
31 :ベルト
32 :駆動ローラ
33(33a-33d) :押出部
130、140 :分岐部
1301 :搬送ローラ
131、132、141、142 :シュート部
G1、G2、G3、S :間隙
W :物品

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10