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特開2023-94908乗客人数カウントシステム、及び運行管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094908
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】乗客人数カウントシステム、及び運行管理システム
(51)【国際特許分類】
   B61L 25/02 20060101AFI20230629BHJP
【FI】
B61L25/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021210503
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】東洋インキSCホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(74)【代理人】
【識別番号】100124936
【弁理士】
【氏名又は名称】秦 恵子
(72)【発明者】
【氏名】丸山 健二郎
(72)【発明者】
【氏名】池上 智紀
【テーマコード(参考)】
5H161
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161AA02
5H161BB20
5H161DD20
5H161DD23
5H161DD50
5H161GG02
5H161GG16
(57)【要約】
【課題】車両に乗車している乗客の人数を正確に求めることが可能な乗客人数カウントシステムを提供することである。
【解決手段】本発明の一態様にかかる乗客人数カウントシステム1は、車両に乗車している乗客を検知する乗客検知センサ11と、車両が走行した区間を判定する走行区間判定部12と、乗客検知センサ11の検知結果と走行区間判定部12の判定結果とに基づいて、所定の走行区間において車両に乗車している乗客の人数を決定する乗客人数決定部13と、を備える。乗客人数決定部13は、所定の走行区間における乗客の人数の検知頻度に基づいて、車両に乗車している乗客の人数を決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に乗車している乗客を検知する乗客検知センサと、
前記車両が走行した区間を判定する走行区間判定部と、
前記乗客検知センサの検知結果と前記走行区間判定部の判定結果とに基づいて、所定の走行区間において前記車両に乗車している乗客の人数を決定する乗客人数決定部と、を備え、
前記乗客人数決定部は、前記所定の走行区間における前記乗客の人数の検知頻度に基づいて、前記車両に乗車している乗客の人数を決定する、
乗客人数カウントシステム。
【請求項2】
前記乗客人数決定部は、
前記乗客検知センサの検知結果を用いて前記乗客の人数を所定の時間間隔毎に算出し、
前記算出された乗客の人数を前記所定の走行区間毎に集計し、
前記所定の走行区間における前記算出された乗客の人数の頻度が最も高い人数を、前記所定の走行区間における乗客の人数と決定する、
請求項1に記載の乗客人数カウントシステム。
【請求項3】
前記乗客検知センサは、前記車両の座席に設置され、前記乗客の着座の有無を検知する着座センサであり、
前記乗客人数決定部は、前記所定の走行区間における前記乗客の人数の検知頻度に基づいて、前記車両の座席に着座している乗客の人数を決定する、
請求項1または2に記載の乗客人数カウントシステム。
【請求項4】
前記着座センサは、少なくとも2人以上が着座可能な座席に複数設けられており、
前記複数の着座センサは、前記座席の長手方向に離間して並ぶように、かつ、1人の検知に2つ以上の着座センサが用いられるように配置されており、
前記乗客人数決定部は、隣接する2つの着座センサが着座を検知した場合に着座人数を1人とカウントする、
請求項3に記載の乗客人数カウントシステム。
【請求項5】
前記複数の着座センサは、前記座席に着座可能な人数の2倍以上の着座センサが前記座席の長手方向に並ぶように配置されている、請求項4に記載の乗客人数カウントシステム。
【請求項6】
前記座席に2人の人が着座した際の各々の着座位置を着座予定位置とした場合、各々の着座予定位置にはそれぞれ2つの着座センサが設けられており、
前記乗客人数決定部は、前記座席に設けられた4つの着座センサのうちの中央2つの着座センサが着座を検知した場合、2つの前記着座予定位置に渡って1人の人が着座したとカウントする、請求項4に記載の乗客人数カウントシステム。
【請求項7】
前記乗客検知センサは、前記車両に乗車している乗客を検知可能なカメラである、請求項1~6のいずれか一項に記載の乗客人数カウントシステム。
【請求項8】
前記走行区間判定部は、前記車両の位置を検知する位置センサ、前記車両の加速度を検知する加速度センサ、及び前記車両の向きを検知するジャイロセンサの少なくとも一つの検知結果を用いて、前記車両が走行した区間を判定する、請求項1~7のいずれか一項に記載の乗客人数カウントシステム。
【請求項9】
前記走行区間判定部は、前記車両のドアの開閉を検知するドア開閉検知センサの検知結果を用いて、前記車両が走行した区間を判定する、請求項1~8のいずれか一項に記載の乗客人数カウントシステム。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか一項に記載の乗客人数カウントシステムが各々搭載された複数の車両と、
前記複数の車両を遠隔管理する遠隔管理部と、を備え、
前記各々の車両に搭載された前記各々の乗客人数カウントシステムから前記遠隔管理部に前記各々の車両に乗車している乗客の人数に関する情報を送信可能に構成されている、
運行管理システム。
【請求項11】
前記遠隔管理部は、前記各々の乗客人数カウントシステムから受信した前記乗客の人数に関する情報を用いて、前記車両の運行スケジュールを決定する、請求項10に記載の運行管理システム。
【請求項12】
前記遠隔管理部は、前記各々の乗客人数カウントシステムから受信した前記乗客の人数に関する情報を用いて、前記各々の車両の混雑状況に関する情報を生成し、当該混雑状況に関する情報をユーザに提供可能に構成されている、請求項10に記載の運行管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乗客人数カウントシステム、及び運行管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バスや鉄道などの交通機関において、安全運行等のために車両内の乗客をモニタリングしたり、車両に乗車している乗客の人数を正確にカウントしたりすることが重要となってきている。特許文献1には、監視領域内の混雑状況に応じて、少ないカメラ台数で効率よく監視を行うことができる監視システムに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-69022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、近年、バスや鉄道などの交通機関において、当該交通機関に乗車している乗客の人数を正確にカウントすることが重要となってきている。特に、自動運転システムを導入した交通機関では、当該交通機関に乗車している乗客の人数を正確にカウントする必要がある。
【0005】
しかしながら、車両が加減速したり、カーブを曲がったり、悪路を走行したりした際は、車両が大きく揺れる場合がある。このように車両が大きく揺れると、乗車している乗客の体も揺れる場合がある。また、乗車している乗客が乗車中に姿勢を変えたりする場合もある。このように乗客の体が揺れたり乗客が姿勢を変えたりすると、車両に乗車している乗客の人数を正確に求めることができないという問題がある。
【0006】
上記課題に鑑み本発明の目的は、車両に乗車している乗客の人数を正確に求めることが可能な乗客人数カウントシステム、及び運行管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様にかかる乗客人数カウントシステムは、車両に乗車している乗客を検知する乗客検知センサと、前記車両が走行した区間を判定する走行区間判定部と、前記乗客検知センサの検知結果と前記走行区間判定部の判定結果とに基づいて、所定の走行区間において前記車両に乗車している乗客の人数を決定する乗客人数決定部と、を備え、前記乗客人数決定部は、前記所定の走行区間における前記乗客の人数の検知頻度に基づいて、前記車両に乗車している乗客の人数を決定する。
【0008】
本発明の一態様にかかる運行管理システムは、上述の乗客人数カウントシステムが各々搭載された複数の車両と、前記複数の車両を遠隔管理する遠隔管理部と、を備え、前記各々の車両に搭載された前記各々の乗客人数カウントシステムから前記遠隔管理部に前記各々の車両に乗車している乗客の人数に関する情報を送信可能に構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、車両に乗車している乗客の人数を正確に求めることが可能な乗客人数カウントシステム、及び運行管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態にかかる乗客人数カウントシステムを説明するためのブロック図である。
図2】実施の形態にかかる乗客人数カウントシステムの動作を説明するためのグラフである。
図3】実施の形態にかかる乗客人数カウントシステムの動作を説明するための表である。
図4】乗客検知センサの構成例を示す図である。
図5】乗客検知センサの構成例を示す図である。
図6】乗客検知センサの構成例を示す図である。
図7】乗客検知センサの構成例を示す図である。
図8】乗客検知センサの構成例を示す図である。
図9】実施の形態にかかる運行管理システムを説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態にかかる乗客人数カウントシステムを説明するためのブロック図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる乗客人数カウントシステム1は、乗客検知センサ11、走行区間判定部12、及び乗客人数決定部13を備える。本実施の形態にかかる乗客人数カウントシステム1は、例えば、バス、鉄道などの交通機関である車両に設置して、車両に乗車している乗客の人数をカウントするシステムである。
【0012】
乗客検知センサ11は、車両に乗車している乗客を検知するセンサである。例えば、乗客検知センサ11は、車両の座席に設置され、乗客の着座の有無を検知する着座センサである。着座センサは、例えば静電容量センサを用いて構成することができる。また、着座センサは、メンブレンスイッチなどのスイッチ素子を用いて構成してもよい。例えば、スイッチ素子は、乗客が着座した際に導通状態となり、乗客が起立した際に非導通状態となるスイッチ素子である。着座センサの詳細な構成例については後述する。
【0013】
また、乗客検知センサ11は、車両に乗車している乗客を検知可能なカメラであってもよい。カメラを用いる場合は、車両内の座席に着座している乗客が、立って乗車している乗客によって隠れないような位置にカメラを配置することが好ましい。乗客検知センサ11として複数台のカメラを用いてもよい。
【0014】
また、乗客検知センサ11は、車両の床に設置され、乗客の足(足裏)を検出する床センサであってもよい。床センサは、乗客の足(足裏)が床センサに接することで印加された圧力を検出することで、車両に乗車している乗客を検知する。例えば、床センサは、複数の検出セルがマトリックス状に配置されたフロアセンサ、感圧素子を用いた圧力センサ、静電容量を用いた圧力センサ等を用いて構成することができる。
【0015】
また、本実施の形態では、上述した着座センサ、カメラ、及び床センサの少なくとも2つを組み合わせて乗客検知センサ11を構成してもよい。例えば、カメラを用いて求めた乗客の人数を、着座センサや床センサを用いて補正するようにしてもよい。
【0016】
走行区間判定部12は、車両が走行した区間を判定する。例えば車両がバスである場合、車両が走行した区間とは、バス停から次のバス停までの区間である。例えば、車両が鉄道である場合、車両が走行した区間とは、駅から次の駅までの区間である。つまり、車両が走行した区間とは、車両に乗客が乗降車する位置から、次に乗客が車両に乗降車する位置までの区間である。
【0017】
例えば、走行区間判定部12は、車両の位置を検知する位置センサ(GPS:Global Positioning System)、車両の加速度を検知する加速度センサ、及び車両の向きを検知するジャイロセンサの少なくとも一つの検知結果を用いて、車両が走行した区間を判定してもよい。例えば、位置センサ、加速度センサ、及びジャイロセンサの各々に対して、予め所定の閾値を設定しておき、各々のセンサが設定した閾値を超えた場合に車両が動き出したことを検知してもよい。
【0018】
また、走行区間判定部12は、車両のドアの開閉を検知するドア開閉検知センサの検知結果を用いて、車両が走行した区間を判定してもよい。すなわち、ドア開閉検知センサが車両のドアの開閉を検知した位置は、車両に乗客が乗降車する位置(バス停や駅)に対応している。よって、走行区間判定部12は、ドア開閉検知センサが車両のドアの開閉を検知した位置から、次にドア開閉検知センサが車両のドアの開閉を検知した位置までを、車両が走行した区間と判定できる。
【0019】
また、バスや鉄道などの交通機関は予めルートや乗降車位置(駅、バス停)が決められているので、走行区間判定部12は、予め設定されている車両のルート・乗降車位置と車両の現在位置とを用いて、車両が走行した区間を判定してもよい。
【0020】
乗客人数決定部13は、乗客検知センサ11の検知結果と走行区間判定部12の判定結果とに基づいて、所定の走行区間において車両に乗車している乗客の人数を決定する。このとき乗客人数決定部13は、所定の走行区間における乗客の人数の検知頻度に基づいて、車両に乗車している乗客の人数を決定する。
【0021】
具体的には、乗客人数決定部13は、乗客検知センサ11の検知結果を用いて乗客の人数を所定の時間間隔毎に算出し、当該算出された乗客の人数を所定の走行区間毎に集計する。そして、乗客人数決定部13は、所定の走行区間において算出された乗客の人数の頻度が最も高い人数を、所定の走行区間における乗客の人数と決定する。
【0022】
図2は、本実施の形態にかかる乗客人数カウントシステムの動作を説明するためのグラフであり、乗客人数決定部13の処理を説明するためのグラフである。図2に示すグラフにおいて、横軸は時間を示しており、縦軸は乗客検知センサ11の検知結果を用いて乗客人数決定部13が算出した乗客の人数を示している。
【0023】
つまり、図2に示すグラフにおいて横軸は車両が走行した時間であり、横軸の走行区間A~Cは、車両が走行した走行区間A~Cにそれぞれ対応している。また、縦軸は、乗客人数決定部13が、乗客検知センサ11の検知結果を用いて乗客の人数を所定の時間間隔毎に算出した値(人数)を示している。ここで所定の時間間隔とは、乗客人数決定部13が乗客検知センサ11の検知結果を用いて乗客の人数を更新する間隔に対応しており、ユーザが任意に設定できる。例えば、所定の時間間隔は、数秒間隔であってもよく、また数分間隔であってもよい。
【0024】
図2に示すように、乗客人数決定部13は、走行区間Aにおいて乗客の人数を20回算出しており、走行区間Bにおいて乗客の人数を25回算出しており、走行区間Cにおいて乗客の人数を33回算出している。ここで、乗客人数決定部13が乗客の人数を算出する回数は、車両の走行時間に対応している。つまり、乗客人数決定部13が乗客の人数を算出する回数が多くなるほど、車両の走行区間における走行時間が長くなる。逆に、乗客人数決定部13が乗客の人数を算出する回数が少なくなるほど、車両の走行区間における走行時間が短くなる。
【0025】
本実施の形態において乗客人数決定部13は、乗客検知センサ11の検知結果を用いて時間間隔毎に算出された乗客の人数を、走行区間A~C毎に集計している。そして、走行区間A~Cにおける算出された乗客の人数の頻度が最も高い人数を、走行区間A~Cにおける乗客の人数と決定している。
【0026】
走行区間Aを用いて具体的に説明すると、図3に示すように、走行区間Aには乗客の人数のデータが20個あり、このうち、検知人数が「1人」のデータの頻度(度数)は4、検知人数が「2人」のデータの頻度(度数)は10、検知人数が「3人」のデータの頻度(度数)は6である。したがって、乗客人数決定部13は、走行区間Aにおける乗客の人数の頻度が最も高い検知人数である「2人」を、走行区間Aにおける乗客の人数と決定する。走行区間B、Cについても同様に乗客の人数を決定できる。
【0027】
なお、乗客人数決定部13は、位置センサ、加速度センサ、ジャイロセンサの検知データにより、例えば、カーブに差し掛かる、急ブレーキ状態、振動が多い等、身体が安定していない状況と推察される状況下でのデータを省くようにしてもよい。
【0028】
このように、本実施の形態にかかる乗客人数カウントシステムでは、所定の走行区間における乗客の人数の検知頻度に基づいて、車両に乗車している乗客の人数を決定している。したがって、車両に乗車している乗客の人数を正確に求めることが可能な乗客人数カウントシステムを提供することができる。
【0029】
すなわち、上述のように、近年、バスや鉄道などの交通機関において、当該交通機関に乗車している乗客の人数を正確にカウントすることが重要となってきている。特に、自動運転システムを導入した交通機関では、当該交通機関に乗車している乗客の人数を正確にカウントする必要がある。
【0030】
しかしながら、車両が加減速したり、カーブを曲がったり、悪路を走行したりした際は、車両が大きく揺れる場合がある。このように車両が大きく揺れると、乗車している乗客の体も揺れる場合がある。また、乗車している乗客が乗車中に姿勢を変えたりする場合もある。このように乗客の体が揺れたり乗客が姿勢を変えたりすると、車両に乗車している乗客の人数を正確に求めることができないという問題があった。
【0031】
これに対して本実施の形態にかかる乗客人数カウントシステムでは、所定の走行区間における乗客の人数の検知頻度に基づいて、車両に乗車している乗客の人数を決定している。したがって、走行中に乗客の体が揺れたり、乗客が乗車中に姿勢を変えたりして、乗客検知センサ11で検知した乗客の人数が変動した場合でも、車両に乗車している乗客の人数を正確に求めることができる。
【0032】
次に、本実施の形態にかかる乗客人数カウントシステムが備える乗客検知センサの構成例について、図4図7を用いて説明する。図4図7では、乗客検知センサ11として着座センサ11a、11b、11_1~11_4を用いた場合について説明する。
【0033】
図4に示す着座センサ11a、11bは、座席20の着座予定位置22a、22bにそれぞれ1つずつ配置されている。着座センサ11aは、着座予定位置22aに乗客が着座した際に、乗客の着座を検知する。同様に、着座センサ11bは、着座予定位置22bに乗客が着座した際に、乗客の着座を検知する。着座センサ11a、11bは、例えば静電容量センサを用いて構成することができる。また、着座センサ11a、11bは、メンブレンスイッチなどのスイッチ素子を用いて構成してもよい。例えば、スイッチ素子は、人が着座した際に導通状態となり、人が起立した際に非導通状態となるスイッチ素子である。
【0034】
図5に示す着座センサ11_1~11_4は、少なくとも2人以上が着座可能な座席に設けられており、座席20に着座した人を検知するように構成されている。図5に示すように、座席20は少なくとも2人以上が着座可能(図5に示す例では2人が着座可能)であり、複数の着座センサ11_1~11_4は、座席20の長手方向に離間して並ぶように、かつ、1人の検知に2つ以上の着座センサが用いられるように配置されている。換言すると、複数の着座センサ11_1~11_4は、座席20に着座可能な人数(定員)の2倍以上の着座センサ11_1~11_4(図5に示す場合は、定員2人×2=4)が座席20の長手方向に並ぶように配置されている。
【0035】
図5に示す例では、座席20には2人が着座可能であり(つまり定員が2人)、座席20に2人の人が着座した際の各々の着座位置を着座予定位置22_1、22_2として示している。各々の着座予定位置22_1、22_2にはそれぞれ2つの着座センサが設けられている。つまり、図5に示す例では、座席20に着座可能な人数が2人であり、4つの着座センサ11_1~11_4が座席20の長手方向に並ぶように配置されている。このとき、着座予定位置22_1に2つの着座センサ11_1、11_2を配置し、着座予定位置22_2に2つの着座センサ11_3、11_4を配置している。着座センサ11_1~11_4は、例えば静電容量センサを用いて構成することができる。また、着座センサ11_1~11_4は、メンブレンスイッチなどのスイッチ素子を用いて構成してもよい。
【0036】
乗客人数決定部13は、複数の着座センサ11_1~11_4の検知結果に基づいて、座席20に着座している乗客の人数をカウントする。本実施の形態において乗客人数決定部13は、隣接する2つの着座センサが着座を検知した場合に1人の人が着座したと判定する。例えば、図6に示すように、乗客人数決定部13は、着座センサ11_3および着座センサ11_4の2つの隣接する着座センサが着座を検知した場合に、着座予定位置22_2に乗客24が着座したと判定する。
【0037】
また、図7に示すように、乗客人数決定部13は、座席20に設けられた4つの着座センサ11_1~11_4のうちの中央2つの着座センサ11_2、11_3(隣接する2つの着座センサ)が着座を検知した場合、2つの着座予定位置22_1、22_2に渡って1人の人25が着座したと判定する。
【0038】
つまり、図5図7に示す着座センサ11_1~11_4では、着座予定位置22_1に2つの着座センサ11_1、11_2を配置し、着座予定位置22_2に2つの着座センサ11_3、11_4を配置している。また、1人の検知に2つ以上の着座センサが用いられるように着座センサ11_1~11_4を配置している。よって、図7に示すように、乗客25が2つの着座予定位置22_1、22_2に渡って座った場合であっても、2つの着座センサ11_2、11_3を用いて1人の乗客25を検知できる。
【0039】
例えば、図4に示した構成例では、着座センサ11a、11bは、座席20の着座予定位置22a、22bにそれぞれ1つずつ配置されている。このような構成の場合は、例えば図8に示すように、乗客26が座席22aと座席22bとに渡って着座した際に、2つの着座センサ11a、11bが乗客26の着座を検知してしまい、1人の乗客26が着座したのに対して着座した人が2人であると誤検知してしまう場合がある。
【0040】
これに対して図5図7に示した構成例では、着座予定位置22_1に2つの着座センサ11_1、11_2を配置し、着座予定位置22_2に2つの着座センサ11_3、11_4を配置している。また、1人の検知に2つ以上の着座センサが用いられるように着座センサ11_1~11_4を配置している。よって、図7に示すように、人25が2つの着座予定位置22_1、22_2に渡って座った場合であっても、座席に着座した人を正確に検知できる。
【0041】
次に、本実施の形態にかかる運行管理システムについて説明する。図9は、本実施の形態にかかる運行管理システムを説明するためのブロック図である。図9に示すように、本実施の形態にかかる運行管理システム2は、上述した本実施の形態にかかる乗客人数カウントシステム1a~1cが各々搭載された複数の車両30a~30cと、複数の車両30a~30cを遠隔管理する遠隔管理部31と、を備える。
【0042】
各々の車両30a~30cに搭載された各々の乗客人数カウントシステム1a~1cは、各々の車両30a~30cに乗車している乗客の人数に関する情報を遠隔管理部31に送信可能に構成されている。例えば、各々の乗客人数カウントシステム1a~1cは、各々の車両30a~30cの所定の走行区間における乗客の人数をリアルタイムで遠隔管理部31に無線送信することができる。
【0043】
遠隔管理部31は、各々の乗客人数カウントシステム1a~1cから受信した乗客の人数に関する情報を用いて、車両の運行スケジュールを決定してもよい。遠隔管理部31は、車両30aの乗客の人数が所定の人数よりも多い場合、車両30aが走行している路線aが混雑していると判断し、路線aを走行する車両30aを増便するようにしてもよい。例えば、遠隔管理部31は、車両30aの路線aに含まれる特定の走行区間aにおいて乗客の人数が所定の人数よりも多い場合、車両30aの走行区間aを走行する車両30aを増便するようにしてもよい。遠隔管理部31は、車両30aの乗客の人数が所定の人数よりも少ない場合、車両30aが走行している路線aが空いていると判断し、路線aを走行する車両30aを減便するようにしてもよい。このような増便、減便の判断は、遠隔管理部31がリアルタイムで実施してもよく、また、車両30a~30cの運行計画を作成する際に活用するようにしてもよい。本実施の形態にかかる乗客人数カウントシステム1a~1cを用いた場合は、車両に乗車している乗客の人数を正確に求めることができるので、運行計画の作成を正確に行うことができる。また、各々の乗客人数カウントシステム1a~1cから受信した乗客の人数に関する情報は、停留所を設置する場所としての有用性の判断をする際に活用してもよい。
【0044】
また、遠隔管理部31は、各々の乗客人数カウントシステム1a~1cから受信した乗客の人数に関する情報を用いて、車両の運賃を設定するようにしてもよい。遠隔管理部31は、車両30aの乗客の人数が所定の人数よりも多い場合、車両30aが走行している路線aが混雑していると判断し、路線aを走行する車両30aの運賃を高く設定してもよい。例えば、遠隔管理部31は、車両30aの路線aに含まれる特定の走行区間aにおいて乗客の人数が所定の人数よりも多い場合、車両30aの走行区間aにおける運賃を高く設定するようにしてもよい。遠隔管理部31は、車両30aの乗客の人数が所定の人数よりも少ない場合、車両30aが走行している路線aが空いていると判断し、路線aを走行する車両30aの運賃を低めに設定してもよい。このような運賃設定は、遠隔管理部31がリアルタイムで実施してもよく、また、車両30a~30cの運行計画を作成する際に活用するようにしてもよい。本実施の形態にかかる乗客人数カウントシステム1a~1cを用いた場合は、車両に乗車している乗客の人数を正確に求めることができるので、運賃設定を正確に行うことができる。また、各々の乗客人数カウントシステム1a~1cから受信した乗客の人数に関する情報は、停留所での乗降者数に応じた、停留所周辺の施設のテナント料の算定の決定等に活用してもよい。
【0045】
また、遠隔管理部31は、各々の乗客人数カウントシステム1a~1cから受信した乗客の人数に関する情報を用いて、各々の車両30a~30cの混雑状況に関する情報を生成し、当該混雑状況に関する情報をユーザに提供するようにしてもよい。例えば、遠隔管理部31は外部のネットワークと接続されており、車両30a~30cの混雑状況に関する情報を外部のネットワークを介してユーザ端末に配信してもよい。例えば、遠隔管理部31は、車両30a~30cのリアルタイムの混雑状況をユーザ端末に配信してもよい。ユーザは、ユーザ端末のアプリケーションやウェブサイトから車両30a~30cの混雑状況を確認することができる。
【0046】
また、本実施の形態において車両30a~30cは、自動運転システムを備えていてもよい。この場、各々の車両30a~30cの運行管理は、遠隔管理部31を用いて実施してもよい。
【0047】
以上、本発明を上記実施の形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0048】
1 乗客人数カウントシステム
2 運行管理システム
11 乗客検知センサ
11a、11b、11_1~11_4 着座センサ
12 走行区間判定部
13 乗客人数決定部
20 座席
22a、22b、22_1、22_2 着座予定位置
24、25、26 乗客
図1
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