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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095051
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】ミックス粉の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A21D 6/00 20060101AFI20230629BHJP
   A21D 2/14 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
A21D6/00
A21D2/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021210707
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000178594
【氏名又は名称】山崎製パン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100126985
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 充利
(72)【発明者】
【氏名】貝沼 謙
(72)【発明者】
【氏名】池田 裕一
(72)【発明者】
【氏名】谷村 沙織
【テーマコード(参考)】
4B032
【Fターム(参考)】
4B032DB01
4B032DB05
4B032DB24
4B032DB35
4B032DK11
4B032DK18
4B032DP08
4B032DP12
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、粉状原料中に油脂が均一に分散したミックス粉を効率良く製造する技術を開発することである。
【解決手段】ミキサーを用いて機械的に撹拌されている粉状原料に対して液状油脂を噴射して添加することによって、穀物粉を含有する粉状原料に油脂が良好に分散したミックス粉を製造する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀物粉を含有する粉状原料に液状油脂が分散したミックス粉を製造する方法であって、
ミキサーを用いて機械的に撹拌されている粉状原料に対して液状油脂を噴射して添加する工程を含む、上記方法。
【請求項2】
前記ミキサーが、粉状原料を全体的に撹拌するための第1の撹拌子と部分的に撹拌するための第2の撹拌子とを備えており、粉状原料に対して液状油脂が噴射される際、第1の撹拌子によって粉状原料が全体的に撹拌されながら、第1の撹拌子と回転方向が異なる第2の撹拌子によって粉状原料が部分的に撹拌されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第2の撹拌子の方が、第1の撹拌子と比較してより高い回転数で粉状原料を撹拌している、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第1の撹拌子が粉状原料を全体的に撹拌する回転数が、30~450rpmであり、第2の撹拌子が粉状原料を部分的に撹拌する回転数が、500~5000rpmである、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
第2の撹拌子の方が、第1の撹拌子と比較してより高速で粉状原料を撹拌している、請求項2~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
第1の撹拌子が粉状原料を撹拌する速度が、50~500m/分であり、第2の撹拌子が粉状原料を撹拌する速度が、第1の撹拌子が粉状原料を撹拌する速度よりも高速である、請求項2~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
第2の撹拌子によって撹拌されている粉状原料の近傍に液状油脂を衝突させる、請求項2~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
粉状原料に対する液状油脂の噴射圧力が0.1MPa以上である、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
粉状原料がベーキングパウダーをさらに含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
粉状原料が糖をさらに含む、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
請求項1~10のいずれかの方法で製造された、穀物粉を含有する粉状原料に液状油脂が分散したミックス粉。
【請求項12】
請求項1~10のいずれかの方法で製造したミックス粉から生地を調製し、その生地を加熱する工程を含む、食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミックス粉を製造する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
粉状原料に油脂を混合してミックス粉を製造する方法として、粉状原料に固体油脂を落下させてから混合する方法や、粉状原料に液状油脂を流し入れた後に混合する方法が従来から知られている。
【0003】
また、特許文献1には、ホットケーキ用プレミックスの粉を混合中に、微滴状の油脂を噴霧することを特徴とするホットケーキ用プレミックスの製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5-153900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
油脂として固体油脂を使用してミックス粉を製造する場合、従来の技術では、投入後の固体油脂の均一分散が困難となることがあった。また、油脂として液状油脂を使用する場合、いわゆるダマが生じてしまい、粉状原料中に油脂を均一に混合できない場合があった。
【0006】
油脂が粉状原料中に均一に分散されていないと、ミックス粉から製造される製品の品質が不安定になってしまう。この傾向は、とくに大型の容器を備えたミキサーで大量の粉状原料に対して液状油脂を高速で混合する場合に顕著である。そこで、粉状原料に液状油脂をゆっくりと滴下して添加する方法でミックス粉を製造することが考えられるが、この方法では粉状原料中に油脂を均一に分散させることが難しい。また、特許文献1で提案されているように、液状油脂を細かな霧状にして粉状原料に添加する方法も考えられるが、特に、大量の粉状原料を大型のミキサーで高速で混合しているところへ霧状の液状油脂を導入すると、霧状の液状油脂が容器中で舞ってしまい、高速で混合される粉状原料中に液状油脂が混ざり込んでいかないため、やはり粉状原料中に油脂を均一に分散させることができない。
【0007】
このような状況に鑑み、本発明の課題は、大量の粉状原料に対して液状油脂を高速で混合する場合であっても、粉状原料中に油脂が均一に分散したミックス粉を効率良く製造する技術を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ミキサーを用いて機械的に撹拌されている粉状原料に対して液状油脂を噴射し、強く衝突させることにより粉状原料を混合することを特徴とする。
これに限定されるものではないが、本発明は、以下の態様を包含する。
[1] 穀物粉を含有する粉状原料に液状油脂が分散したミックス粉を製造する方法であって、ミキサーを用いて機械的に撹拌されている粉状原料に対して液状油脂を噴射して添加する工程を含む、上記方法。
[2] 前記ミキサーが、粉状原料を全体的に撹拌するための第1の撹拌子と部分的に撹拌するための第2の撹拌子とを備えており、粉状原料に対して液状油脂が噴射される際、第1の撹拌子によって粉状原料が全体的に撹拌されながら、第1の撹拌子とは回転方向の異なる第2の撹拌子によって粉状原料が部分的に撹拌されている、[1]に記載の方法。
[3] 第2の撹拌子の方が、第1の撹拌子と比較してより高い回転数で粉状原料を撹拌している、[2]に記載の方法。
[4] 第1の撹拌子が粉状原料を全体的に撹拌する回転数が、30~450rpmであり、第2の撹拌子が粉状原料を部分的に撹拌する回転数が、500~5000rpmである、[2]または[3]に記載の方法。
[5] 第2の撹拌子の方が、第1の撹拌子と比較してより高速で粉状原料を撹拌している、[2]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6] 第1の撹拌子が粉状原料を撹拌する速度が、50~500m/分であり、第2の撹拌子が粉状原料を撹拌する速度が、第1の撹拌子が粉状原料を撹拌する速度よりも高速である、[2]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7] 第2の撹拌子によって撹拌されている粉状原料の近傍に液状油脂を衝突させる、[2]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8] 粉状原料に対する液状油脂の噴射圧力が0.1MPa以上である、[1]~[7]のいずれかに記載の方法。
[9] 粉状原料がベーキングパウダーをさらに含む、[1]~[8]のいずれかに記載の方法。
[10] 粉状原料が糖をさらに含む、[1]~[9]のいずれかに記載の方法。
[11] [1]~[10]のいずれかの方法で製造された、穀物粉を含有する粉状原料に液状油脂が分散したミックス粉。
[12] [1]~[10]のいずれかの方法で製造したミックス粉から生地を調製し、その生地を加熱する工程を含む、食品の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、液状油脂が粉状原料に均一に分散したミックス粉を効率良く製造することができる。また、本発明によれば、粉状原料中に油脂を均一に分散させるとともに、粉状原料の一つ一つの粒の表面に油脂が均一にコーティングされた状態にすることができるため、本発明によって得られたミックス粉を用いることによって優れた品質を有する食品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実験1で製造したドーナツ(オールドファッション)の外観写真である(上:上面写真、下:側面写真)。
図2図2は、実験1で製造したミックス粉の拡大写真である(左:比較例、右:実施例)。
図3図3は、実験2で製造したメロンパンの外観写真である。
図4図4は、実験3で製造したパウンドケーキの外観写真である。
図5図5は、実験4で製造したココアスポンジの断面写真である(上:比較例、下:実施例)。
図6図6は、本発明の実施例のミキサーの斜視図である。
図7図7は、本発明の実施例のミキサーを横から見た図である。
図8図8は、本発明の実施例の第1の撹拌子を上から見た斜視図である。
図9図9は、本発明の実施例の第1の撹拌子を下から見た斜視図である。
図10図10は、本発明の実施例の第2の撹拌子の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、油脂が均一に分散したミックス粉を製造する技術に関する。本発明に係るミックス粉は、粉状原料および油脂を少なくとも含有し、粉状原料の表面が油脂によって万遍なく均一にコーティングされていることが好ましい。粉状原料の表面が油脂によってコーティングされることにより、粉状原料の過度の吸水を抑制したり、水分移動を調整したりすることができる。例えば、本発明に係るミックス粉から生地を作製すると、生地にしたときの吸水が抑制されるので、生地のしまりが抑制され、粘度を安定させることができる。したがって、本発明に係るミックス粉は、ベーカリー製品に好適に用いることができる。
【0012】
本発明においては、ミキサーを用いて機械的に撹拌されている粉状原料に対して液状油脂を噴射して添加することによって、粉状原料に油脂が分散したミックス粉を製造する。本発明においては、静止している粉状原料ではなく、撹拌されている粉状原料に対して、液状油脂を衝突させるように噴射することによって、粉状原料に油脂を添加している。例えば、液状の油脂を単に粉状原料に滴下するだけでは、油脂を均一に分散させることが難しいところ、本発明によれば、油脂を均一に粉状原料に分散させることが可能になる。また、液状油脂を単に霧状にして添加する方法だと、粉状原料および油脂が容器中で舞ってしまい、粉末が飛散して均一な混合を実現することが難しい。
【0013】
本発明に用いるミキサーとしては、例えば、図6に示されるような一般的なミキサー(混合機)があり、これは、円筒状の容器と、該容器内で粉状原料を全体的に回転して撹拌する撹拌子(第1の撹拌子)と、これよりも高速に回転して粉状原料を部分的に撹拌する撹拌子(第2の撹拌子)とを備えている。
【0014】
本発明の好ましい態様において、液状油脂が噴射される際、第1の撹拌子によって粉状原料が全体的に撹拌されながら、これとは回転方向の異なる第2の撹拌子によって粉状原料が部分的に撹拌される。また、好ましい態様において、第2の撹拌子の方が、第1の撹拌子と比較してより高速で粉状原料を撹拌する。このように粉状原料を撹拌することによって、油脂を粉状原料の表面に付着させるとともに、油脂をミックス粉全体に行き渡らせることが容易になる。
【0015】
粉状原料を撹拌子で撹拌する際の回転数は特に制限されないが、第1の撹拌子が粉状原料を全体的に撹拌する回転数は、例えば、30~450rpmが好ましく、40~350rpmや50~200rpmとしてもよい。また、第2の撹拌子が粉状原料を部分的に撹拌する回転数は、例えば、500~5000rpmであり、1000~4000rpmであることが好ましい。
【0016】
また本発明においては、第1の撹拌子が粉状原料を撹拌する速度は、例えば、50~500m/分であり、100~450m/分や100~400m/分としてもよい。また、第2の撹拌子が粉状原料を撹拌する速度が、第1の撹拌子が粉状原料を撹拌する速度よりも高速であることが好ましい。
【0017】
さらに本発明においては、第2の撹拌子により撹拌されている付近で粉状原料に液状油脂を衝突させることが好ましい。このように液状油脂を噴射することによって、粉状原料の表面に均一にムラなく油脂を付着させることが容易になる。
【0018】
本発明においては、撹拌されている粉状原料に対して、液状油脂を噴射して添加する。液状油脂の噴射方法は、液状の油脂を微細な液滴にして噴射できれば特に制限されず、例えば、1流体ノズルや2流体ノズルなどのノズルから液状油脂を噴射するなどすればよい。1流体ノズルとは、液圧だけで液体を噴出させる装置であり、2流体ノズルとは、気体の流れにより液体を粉砕・微粒化して噴出させる装置である。液状油脂の噴射圧力は状況に応じて調整すればよいが、例えば、0.1MPa以上とすることができ、好ましくは0.2~20MPaであり、より好ましくは0.3~10MPaとするとよい。また、本発明において粉状原料への液状油脂の噴射速度は特に制限されないが、ノズル1つあたり、例えば、1~50kg/minとすることが好適であり、3~40kg/minが好ましく、より好ましくは5~30kg/minとするとよい。
【0019】
本発明において、粉状原料に液状油脂を噴射する時間は特に制限されないが、本発明によれば効率的に油脂を粉状原料に分散できるため、例えば、噴射時間を20分以内や10分以内とすることができる。
【0020】
本発明に用いる装置については、本発明を実施できれば特に制限はなく、例えば、容器の中でバッチ式または連続式で粉状原料と油脂を混合すればよい。例えば、バッチ式でミックス粉を製造する場合、1バッチあたりの粉状原料は50kg以上であることが好ましく、本発明によれば、100kg以上や500kg以上の粉状原料を取り扱うことも可能である。粉状原料の量は、撹拌が可能であれば特に制限されないが、例えば、10000kg以下や5000kg以下とすることができ、一度に大量のミックス粉を製造することができる。
【0021】
本発明に係るミックス粉の製造においては、乾燥や攪拌などのための公知の装置を使用することができる。本発明において、粉状原料と油脂を混合する際の温度は特に制限されないが、例えば、1~100℃とすることができ、5~80℃や10~50℃としてもよい。処理時間は、適宜調節することが可能であるが、例えば、3分以上撹拌を継続することが好ましく、10分間以上や20分間以上の撹拌が好ましい。
【0022】
粉状原料と油脂を混合した後は、自然放熱、通風や間接水流による強制冷却などによってミックス粉の温度を室温程度に下がるまで適宜調節してもよい。
粉状原料
本発明に係るミックス粉は、小麦粉を含む粉状原料を含有する。本発明における「粉状」には顆粒も含まれるものであり、粉状原料の平均粒子径は、特に限定されないが、1~1000μmが好ましく、10~500μmがより好ましい。ここで、平均粒子径は、レーザー回折式の粒子径測定機などにより測定可能なメジアン径(D50)を意味する。
【0023】
本発明に係るミックス粉は、小麦粉を含有する。ミックス粉中の小麦粉の含有量については、用途に応じて適宜設定すればよいが、10%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、70%以上がさらに好ましい。
【0024】
本発明に係るミックス粉は、粉状原料として小麦粉を含有することが好ましく、小麦粉以外の穀物粉を含有してもよい。小麦粉以外の穀物粉としては、例えば、ライ麦粉、大麦粉、米粉、オーツ粉、そば粉、ヒエ粉、アワ粉、とうもろこし粉などが挙げられる。
【0025】
本発明に係る粉状原料は、穀物粉以外の粉末を含有していてもよい。具体的には、例えば、穀物粉類、糖類、乳成分、卵成分、増粘多糖類、酵素製剤、食塩、炭酸カルシウムなどの無機塩類、ビタミン類、イースト、イーストフード、ベーキングパウダー、膨張剤、着色料、香料などの他の原料を含有してもよい。また、粉状原料には、食物繊維の粉末を配合してもよく、食物繊維の例としては、セルロース、結晶セルロース、リグニン、キチン、キトサン、おから、ココア、ふすま(小麦ふすま、大麦ふすま、ライ麦ふすま、オーツ麦ふすま等)、大豆、小豆、インゲン豆、エンドウ豆、サトウキビ、竹、アーモンド、柑橘類の果皮(シトラス)、ヨモギ、しそ、パセリ、アボガド、グリーンピース、モロヘイヤ、オクラ、ゆり根、きな粉、ゴボウ、紅茶、及び抹茶などが挙げられる。
【0026】
油脂
本発明のミックス粉に用いる油脂としては、粉状原料に噴射する際に液状となる油脂であり、食用に適するものであれば特に限定されない。具体的には、例えば、なたね油、ヤシ油、パーム油、サフラワー油、オリーブ油、綿実油、コーン油、こめ油、大豆油、ヒマワリ油、パーム軟質油、パーム核油などの植物性油脂;ラード、牛脂、乳脂、魚油等の動物性油脂;それらの水素添加油、分別油、エステル交換油などが挙げられる。これらの油脂は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0027】
本発明のミックス粉に用いる油脂は、常温(20℃)において液状であっても固体であってもよいが、常温で固体の油脂については、噴射の際に油脂を液状にして噴射する必要がある。好ましい態様において本発明に用いる油脂の融点は5~60℃であり、融点が20~55℃や30~50℃であることがより好ましい。
【0028】
本発明においてミックス粉に配合する油脂の量は、0.1~20%が好ましく、0.5~15%がより好ましく、1~10%がさらに好ましい。ミックス粉に配合する油脂が多くなりすぎると、得られたミックス粉を保存する際などに、ミックス粉を収容する袋の表面に溶け出した油脂が滲んでしまい、運搬の際などに作業者の手や服に油脂が付着するため衛生的に好ましくなく、また、作業性が低下してしまうことがある。
【0029】
本発明においてミックス粉に用いる油脂には、乳化剤を配合してもよい。乳化剤としては、食用に適するものであれば特に限定されない。例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレート、ソルビタン脂肪酸エステルおよび有機酸モノグリセリドからなる群より選ばれた1または2以上が挙げられる。好ましい乳化剤としては、例えば、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレート、ソルビタンモノラウレート、及びクエン酸モノオレートが挙げられ、ジグリセリン脂肪酸エステルが最も好ましい。
【0030】
油脂に対する乳化剤の添加量は特に制限されないが、例えば、油脂100質量部に対して0.1~6.0質量部が好ましく、0.5~5.0質量部がより好ましい。
その他の原料
本発明に係るミックス粉は、粉状原料として小麦粉以外の原料を含んでいてよい。本発明に係るミックス粉は、上記以外にも、各種食品素材や食品添加物が含まれていてもよい。このような食品素材や食品添加物としては、例えば、穀物粉類、糖類、他の植物性タンパク質、動物性タンパク質、油脂、酸味料、調味料、甘味料、塩、色素、香料、日持ち向上剤、保存料、膨張剤、酸化防止剤、エキス、乳化剤、pH調整剤、ミネラル類などが挙げられる。
【0031】
本発明に係るミックス粉は、例えば、ヒトの消化酵素で消化されにくい難消化性素材を含んでいてよい。難消化性素材の含有量としては、例えば、ミックス粉の0.1~50%とすることができ、0.5~30%や1~15%としてもよい。難消化性素材としては、例えば、レジスタントスターチ、難消化性デキストリン、イヌリン、小麦ふすま粉、全粒粉、大豆粉、オーツ麦粉、こんにゃく粉等が挙げられる。
【0032】
ミックス粉の用途
本発明によって得られたミックス粉は、種々の用途に用いることができる。好ましい態様において、本発明に係るミックス粉から生地を作成し、得られた生地を、焼成、蒸煮、油調などの方法で加熱して食品を製造することができる。
【0033】
本発明に係るミックス粉から製造される食品は特に制限されないが、例えば、食パン、フランスパン、デニッシュペストリー、クロワッサン、ドーナツ、ピザ、調理パン、蒸しパン、菓子パンなどのパン類;ビスケット、クッキー、クラッカー、シュー菓子、パイ、タルト、カステラ、回転焼き、たい焼き、どら焼き、スポンジケーキ、ホットケーキ、バターケーキなどの菓子・ケーキ類;餃子の皮、焼売の皮、春巻きの皮、焼き麩、生麩、麩饅頭、中華まんの皮、うどん、中華麺、和そば、ひやむぎ、そうめん、パスタなどの麺類などが挙げられる。その他にも、本発明に係るミックス粉から、てんぷらの衣、カツの衣などに用いるバッターを調製することもできる。
【0034】
好ましい態様において、本発明に係るミックス粉からパンや菓子などのベーカリー食品を製造する。本発明に係るベーカリー食品は、型に入れて焼成するものだけでなく、型に入れずに焼成するものを包含し、イースト発酵の有無は問わない。ベーカリー食品としては、例えば、食パン、フランスパン、菓子パン、ナン、フォカッチャ、イングリッシュマフィン、テーブルロール、バンズ、ベーグル、デニッシュ、ポンデケージョ、ピザ、トルティーヤ、中華まん、蒸しパン、ペストリー、スポンジケーキ、バターケーキ、パウンドケーキ、ホットケーキ、マドレーヌ、蒸しケーキ、パイ、タルト、ドーナツ、ビスケット、クラッカー、プレッツェル、ボーロ、どら焼き、饅頭のようなパン・菓子類などが挙げられる。
【0035】
本発明に係るミックス粉から生地を調製する場合は、水などを適宜添加して常法により混捏すればよい。生地を調製する際には、本発明に係るミックス粉の他に、別の原料を添加してもよく、例えば、ドライイースト、生イースト等のイースト類;ブドウ糖、果糖、乳糖、砂糖、イソマルトースなどの糖類;卵黄、卵白、全卵及びそれらを粉末化したものやその他の卵に由来する成分である卵成分;牛乳、粉乳、脱脂粉乳、大豆粉乳等の乳成分;小麦蛋白、大豆蛋白、乳蛋白、緑豆蛋白等の蛋白類;ショートニング、ラード、マーガリン、バター、液状油等の油脂類;ベーキングパウダーなどの発泡剤;乳化剤;食塩等の無機塩類;保存料;香料;香辛料;ビタミン;カルシウム等の強化剤、水などを配合することができる。
【0036】
ミキサー
本発明に用いるミキサーとしては、具体的には、例えば、図6に示されるようなミキサー(混合機)があり、これは、円筒状の容器と、該容器内で粉状原料を全体的に回転して撹拌する撹拌子(第1の撹拌子)と、これよりも高速に回転して粉状原料を部分的に撹拌する撹拌子(第2の撹拌子)とを備えている。撹拌子の個数は特に制限されないが、第1の撹拌子の数は、例えば、2~20個や4~15個とすることができ、第2の撹拌子の数は、例えば、1~10個や2~5個としてもよい。ミキサーの容量は特に制限されないが、例えば、10~10000Lとすることができ、100~8000Lや1000~8000Lとしてもよい。
【0037】
より具体的には、第1の撹拌子は、例えば、全体的にはシャベルのような形状で、棒状部材とその片側の端部に接合された三角形状部材とからなるものとすることができる。このような第1の撹拌子はミキサーの中心軸に均等間隔で棒状部材が複数設けられており、棒状部材の、三角形状部材が接合された端部とは逆側の端部が中心軸に固定され、主としてその三角形状部材が設けられた先端部分で粉状原料を撹拌する。第1の撹拌子の形状は図8図9に示されるとおりで、第1の撹拌子の数は任意に設けることができる。また、図7に示されるとおり、第1の撹拌子は中心軸に対して任意の位置に任意の角度で設けることができる。
【0038】
また、第2の撹拌子は、棒状部材とその片側の端部付近に設けられる一または複数の十字形状の回転羽根(プロペラ)とからなるものとすることができる。このような第2の撹拌子は、棒状部材の、回転羽根が設けられた端部とは逆側の端部が円筒状容器の内壁の任意の位置に固定されて設けられる。第2の撹拌子の形状は図10に示されるとおりで、第2の撹拌子は円筒状容器の内壁に対して任意の位置に任意の数を設けることができる。
【実施例0039】
以下、具体的な例を説明しながら本発明について詳述するが、本発明は、下記の具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において、特に記載しない限り、数値範囲はその端点を含むものして記載され、濃度などは重量基準である。
【0040】
実験1.ドーナツの製造と評価
1-1.ミックス粉の調製
下表の配合に基づいて、バッチ式で500kgのミックス粉を調製した。すなわち、小麦粉(薄力粉)、ベーキングパウダー(重曹)、ショートニング、副原料を含む粉状原料を3000L容の容器中で撹拌しながら、そこに、約50℃に加温した液状油脂(融点:31.6℃)を噴射して混合した(実施例)。本発明によれば、粉状原料がダマになることもなく、油脂が全体的に均一に分散したミックス粉を得ることができた。
【0041】
本実験においては、第1の撹拌子の数が8個、第2の撹拌子の数が3個であるミキサー(容量:3000L)を使用し、粉状原料を第1の撹拌子によって全体的に撹拌しつつ、第2の撹拌子によって粉状原料を部分的に撹拌した。前記3つの第2の撹拌子によって撹拌されている粉状原料の付近へ、これら撹拌子に対応した3つの1流体ノズルから水平方向に対して約45度の角度で液状油脂を3箇所に噴射して衝突させて粉状原料と液状油脂を混合した(ノズル孔径:約4.0mm、ノズルあたりの噴射速度:約10kg/min、噴射圧:約0.3MPa)。ここで、第1の撹拌子の回転数は約110rpm、第1の撹拌子が粉状原料を撹拌する速度は約332m/minであり、第2の撹拌子の回転数は約3000rpm、第2の撹拌子が粉状原料を撹拌する速度は約3391m/minであった。
【0042】
なお、比較例として、粉状原料を収容する容器において、霧状にした液状油脂を噴霧したところ、粉状原料や液状油脂が飛散してしまい、両者を上手く混合することができなかった。
【0043】
【表1-1】
【0044】
1-2.ドーナツの製造
得られたミックス粉に対して、下表の配合に基づいて他の材料を添加し、低速で1分30秒、中速で1分30秒ミキシングして生地を調製した(捏上温度:約22℃)。約20分間のフロアタイムの後、生地を2分40秒フライして18個のドーナツ(オールドファッション)を製造し、ラックにて30分間クーリングした。
【0045】
また、比較例として、油脂を液状にせずに固体のままで粉状原料へ添加した以外は上記と同様にしてドーナツを製造した。
【0046】
【表1-2】
【0047】
1-3.評価
評価結果を下表に示すが、本発明のミックス粉を用いて調製した生地は、比較例と比べて滑らかで扱いやすいものであった。また、本発明のミックス粉を用いて製造したドーナツは、固体油脂を用いた比較例と比べて食感が軽く良好であった。さらに、得られた18個のドーナツについて外観および大きさを確認したところ、本発明のドーナツは製品高さおよび中央部割れ高さが大きく、形状が安定していた。なお、下表に示す圧縮荷重などは、テクスチャーアナライザー(TA.XT plus、英弘精機)を用いて測定した。
【0048】
さらに、油脂の分散状態を確認するため、ミックス粉を顕微鏡で確認した。図2に示したように、比較例のように油脂を固体粉末の状態で添加すると白い部分が多く油脂が粉状原料に均一に分散していないのに対し、本発明によれば、油脂が全体に均一に分散していた(この実験では、油脂の分散状態を確認するため、油脂に緑色色素を添加した)。
【0049】
以下の推論に拘束されるものではないが、油脂が小麦粉へ均一に分散することによって、ミックス粉から生地を調製する際に過剰なグルテンネットワークの形成が抑制され、軽い食感のドーナツが得られたものと考えられる。また、小麦粉表面に油脂が均一に付着することによって、小麦粉の水和を抑制し、生地が滑らかになると考えられる。さらに、ベーキングパウダー表面に油脂が均一に付着することによって、生地をフライする際に多くのガスが安定的に発生することにより、優れたドーナツを安定的に製造できるようになると考えられる。
【0050】
【表1-3】
【0051】
実験2.メロンパンの皮用生地の製造と評価
2-1.ミックス粉の調製
下表の配合に基づいて、バッチ式で500kgのミックス粉を調製した。すなわち、小麦粉(薄力粉)、を3000L容の容器中で撹拌しながら、そこに、約50℃に加温した液状油脂(融点:31.6℃)を噴射して混合した。その後、当該混合後の原料に、ベーキングパウダー(重曹)、ショートニング、副原料を含む粉状原料を添加し、さらに混合した。
【0052】
本実験においては、実験1と同じミキサーを用いて、粉状原料を第1の撹拌子によって全体的に撹拌しつつ、第2の撹拌子によって粉状原料を部分的に撹拌した。実験1と同様に、第2の撹拌子によって撹拌されている3箇所の粉状原料の付近へ、液状油脂を3つの1流体ノズルから約45度の角度で噴射して衝突させて粉状原料と液状油脂を混合した(ノズル孔径:約4.0mm、ノズルあたりの噴射速度:約10kg/min、噴射圧:約0.3MPa)。ここで、第1の撹拌子の回転数は約110rpm、第1の撹拌子が粉状原料を撹拌する速度は約332m/minであり、第2の撹拌子の回転数は約3000rpm、第2の撹拌子が粉状原料を撹拌する速度は約3391m/minであった。
【0053】
【表2-1】
【0054】
2-2.メロンパンの皮用生地の製造
得られたミックス粉に対して、下表の配合に基づいて他の材料を添加し、低速で4分、中速で3分ミキシングしてメロンパンの皮用の生地を調製した。次いで、クラム部分の生地と皮部分の生地を合わせてからメロンパンを焼成した(図3)。
【0055】
また、比較例として、油脂を液状にせずに固体のままで粉状原料へ添加した以外は上記と同様にしてメロンパンを製造した。
【0056】
【表2-2】
【0057】
2-3.評価
評価結果を下表に示すが、本発明のミックス粉を用いて調製した生地は、比較例と比べて弾力があり扱いやすいものであった。また、本発明のミックス粉を用いて製造したメロンパンは、比較例と比べて、皮部分の食感がサクい一方、クラム部分の食感はしっとりしており、良好であった。
【0058】
一般にメロンパンにおいては、クラム部分と比較して皮部分に糖が多く含まれており、糖が経時的に吸水することによってクラム部分の水分が皮部分に移行して皮部分のサクさが損なわれることがある。以下の推論に拘束されるものではないが、本発明においては、小麦粉およびグラニュー糖の表面に油脂が均一に付着することによって、糖の吸水による水分移行が抑制され、食感が良好なメロンパンが製造できたものと考えられる。
【0059】
【表2-3】
【0060】
実験3.パウンドケーキの製造と評価
3-1.ミックス粉の調製
下表の配合に基づいて、バッチ式で500kgのミックス粉を調製した。すなわち、粉状原料(小麦粉)を3000L容の容器中で撹拌しながら、そこに、約50℃に加温した液状油脂(融点:32.1℃、主成分:パーム油)を噴射して混合した。その後、当該混合後の原料に、ベーキングパウダー(重曹)、ショートニング、副原料を含む粉状原料を添加し、さらに混合した。
【0061】
本実験においては、実験1と同じミキサーを用いて、粉状原料を第1の撹拌子によって全体的に撹拌しつつ、第2の撹拌子によって粉状原料を部分的に撹拌した。実験1と同様に、第2の撹拌子によって撹拌されている3箇所の粉状原料の付近へ、液状油脂を3つの1流体ノズルから約45度の角度で噴射して衝突させて粉状原料と液状油脂を混合した(ノズル孔径:約4.0mm、ノズルあたりの噴射速度:約10kg/min、噴射圧:約0.3MPa)。ここで、第1の撹拌子の回転数は約110rpm、第1の撹拌子が粉状原料を撹拌する速度は約332m/minであり、第2の撹拌子の回転数は約3000rpm、第2の撹拌子が粉状原料を撹拌する速度は約3391m/minであった。
【0062】
【表3-1】
【0063】
3-2.パウンドケーキの製造
得られたミックス粉に対して、下表の配合に基づいて他の材料を添加して生地を調製した。次いで、生地275gを型に入れ、180℃にて45分間焼成してパウンドケーキを製造した(図4)。
【0064】
また、比較例として、油脂を液状にせずに固体のままで粉状原料へ添加した以外は上記と同様にしてパウンドケーキを製造した。
【0065】
【表3-2】
【0066】
3-3.評価
評価結果を下表に示すが、本発明のミックス粉を用いて調製した生地は、比較例と比べて滑らかで扱いやすいものであった。また、本発明のミックス粉を用いて製造したパウンドケーキは、比較例と比べてボリュームがあり、食感が軽く良好であった。さらに、本発明のミックス粉を使用すると、パウンドケーキを焼成する際の窯伸びが後半まで持続し、良好であった。なお、下表に示す最大荷重(サンプルが破断する際の荷重)などは、テクスチャーアナライザー(TA.XT plus、英弘精機)を用いて測定した。
【0067】
本発明に基づいて製造したミックス粉は、油脂が小麦粉へ均一に分散しており、それによって、生地中での水分の吸収が抑制されて生地が滑らかになり、焼成中の生地の対流が促進されて、ボリュームが向上し、内相が均一になり、食感の軽さにつながったと考えられる。
【0068】
【表3-3】
【0069】
実験4.ココアスポンジの製造と評価
4-1.ミックス粉の調製
下表の配合に基づいて、バッチ式で500kgのミックス粉を調製した。すなわち、小麦粉(薄力粉)とココアパウダーを混合した粉状原料を3000L容の容器中で撹拌しながら、そこに、約50℃に加温した液状油脂(融点:32.1℃、主成分:パーム油)を噴射して混合した。その後、当該混合後の原料に、ベーキングパウダー(重曹)、ショートニング、副原料を含む粉状原料を添加し、さらに混合した。
【0070】
本実験においては、実験1と同じミキサーを用いて、粉状原料を第1の撹拌子によって全体的に撹拌しつつ、第2の撹拌子によって粉状原料を部分的に撹拌した。実験1と同様に、第2の撹拌子によって撹拌されている3箇所の粉状原料の付近へ、液状油脂を3つの1流体ノズルから約45度の角度で噴射して衝突させて粉状原料と液状油脂を混合した(ノズル孔径:約4.0mm、ノズルあたりの噴射速度:約10kg/min、噴射圧:約0.3MPa)。ここで、第1の撹拌子の回転数は約110rpm、第1の撹拌子が粉状原料を撹拌する速度は約332m/minであり、第2の撹拌子の回転数は約3000rpm、第2の撹拌子が粉状原料を撹拌する速度は約3391m/minであった。
【0071】
【表4-1】
【0072】
4-2.ココアスポンジの製造
得られたミックス粉に対して、下表の配合に基づいて他の材料を添加して生地を調製した。具体的には、糖、液全卵、その他の材料を湯煎しながら30℃にて低速でミキシングしながら、そこに、ミックス粉、小麦粉、ベーキングパウダーを投入し、比重が約0.55になるまで中速でエアレーションした後、低速で1分撹拌して気泡を整えた。次いで、生地360gを型に入れ、165℃にて38分間焼成してココアスポンジを製造した(図5)。
【0073】
また、比較例として、油脂を液状にせずに固体のままで粉状原料へ添加した以外は上記と同様にしてココアスポンジを製造した。
【0074】
【表4-2】
【0075】
4-3.評価
評価結果を下表に示すが、本発明のミックス粉を用いて製造したココアスポンジは、比較例と比べてボリュームがあり、内相は適度に開いており、食感が軽く、口溶けが良好であった。
【0076】
一般にココアパウダーを生地に配合すると、ココアパウダーによって水分が奪われるため、生地の流動性が低下し、食感が固くパサつく傾向がある。以下の推論に拘束されるものではないが、本発明に基づいて製造したミックス粉は、油脂が小麦粉およびココアパウダーの表面に均一に分散しており、それによって、生地中での水分の吸収が抑制されて生地が滑らかになり、焼成中の生地の対流が促進されて、ボリュームが向上し、内相が均一になり、食感の軽さにつながったと考えられる。
【0077】
【表4-3】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10