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特開2023-95057認知機能状態推定モデル生成装置、認知機能状態推定モデル及び認知機能状態推定装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095057
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】認知機能状態推定モデル生成装置、認知機能状態推定モデル及び認知機能状態推定装置
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/20 20180101AFI20230629BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20230629BHJP
【FI】
G16H50/20
G06N20/00 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021210714
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(71)【出願人】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】土井 千章
(72)【発明者】
【氏名】豊岡 継泰
(72)【発明者】
【氏名】檜山 聡
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 啓一
(72)【発明者】
【氏名】川島 隆太
(72)【発明者】
【氏名】野内 類
(72)【発明者】
【氏名】小川 徹
(72)【発明者】
【氏名】依田 信裕
(72)【発明者】
【氏名】白石 成
(72)【発明者】
【氏名】日原 大貴
(72)【発明者】
【氏名】阿部 真澄
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】人間の認知機能の状態を容易且つ高精度に推定する認知機能状態推定モデル生成装置、認知機能状態推定モデル及び認知機能状態推定装置を提供する。
【解決手段】認知機能状態推定モデル生成装置10は、認知機能状態情報の取得時期に対応する時期における対象者の口腔機能情報に基づいて、当該認知機能状態情報に対応させて認知機能状態推定モデルに入力するための入力特徴量を生成する特徴量生成部13と、入力特徴量を認知機能状態推定モデルに入力する特徴量入力部14と、特徴量入力部14による入力特徴量の入力に応じて認知機能状態推定モデルから出力された出力データと、学習データの認知機能状態情報との誤差に基づいて、認知機能状態推定モデルを構成する重み係数を更新する更新部15と、更新部15により重み係数が更新された認知機能状態推定モデルを出力するモデル出力部16と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の認知機能状態を推定する認知機能状態推定モデルを機械学習により生成する認知機能状態推定モデル生成装置であって、
前記認知機能状態推定モデルの機械学習に用いられる学習データは、前記対象者の認知機能状態情報と、前記対象者の口腔機能情報とからなり、
前記口腔機能情報は、対象者の口腔に関する口腔機能の状態を示す情報であり、
前記認知機能状態情報は、前記対象者に関して予め測定された該対象者の認知機能状態を示す情報であり、
前記認知機能状態推定モデルは、所定の機械学習により構築され、前記口腔機能情報に基づく入力特徴量の入力に応じて認知機能状態情報を出力し、
前記認知機能状態推定モデル生成装置は、
前記認知機能状態情報の取得時期に対応する時期における前記対象者の前記口腔機能情報に基づいて、当該認知機能状態情報に対応させて前記認知機能状態推定モデルに入力するための前記入力特徴量を生成する特徴量生成部と、
前記入力特徴量を前記認知機能状態推定モデルに入力する特徴量入力部と、
前記特徴量入力部による前記入力特徴量の入力に応じて前記認知機能状態推定モデルから出力された出力データと、前記学習データの前記認知機能状態情報との誤差に基づいて、前記認知機能状態推定モデルを更新することにより機械学習を行う更新部と、
前記更新部による学習済みの前記認知機能状態推定モデルを出力するモデル出力部と、
を備える認知機能状態推定モデル生成装置。
【請求項2】
前記口腔機能情報は、部位別状態スコア、状態スコア及び状態情報のうちの少なくとも一つを含み、
前記状態情報は、前記対象者に対する口腔に関する口腔機能の所定の測定により得られた測定データであり、
前記状態スコアは、前記状態情報に基づいて生成された前記口腔機能の程度を示すスコアであり、
前記部位別状態スコアは、前記状態スコアを、口腔に関する所定の部位ごとに集計して得られたスコアである、
請求項1に記載の認知機能状態推定モデル生成装置。
【請求項3】
前記口腔機能情報は、前記部位別状態スコアを少なくとも含み、
前記部位別状態スコアは、舌に関する舌スコア、口唇に関する口唇スコア、顎に関する顎スコア、頬に関する頬スコア及び目元に関する目スコアのうちの少なくともいずれか一つを含む、
請求項2に記載の認知機能状態推定モデル生成装置。
【請求項4】
前記特徴量生成部は、
前記認知機能状態情報の前記取得時期に対応する時期における前記対象者の前記口腔機能情報を、当該認知機能状態情報に対応させて前記認知機能状態推定モデルに入力するための入力特徴量とし、
前記認知機能状態情報の前記取得時期の所定期間前に相当する時期における前記対象者の前記口腔機能情報を、当該認知機能状態情報に対応させて前記認知機能状態推定モデルに入力するための入力特徴量とし、又は、
前記認知機能状態情報の前記取得時期に対応する所与の期間における前記口腔機能情報の所定の集計手法による集計値を、当該認知機能状態情報に対応させて前記認知機能状態推定モデルに入力するための入力特徴量とする、
請求項1~3のいずれか一項に記載の認知機能状態推定モデル生成装置。
【請求項5】
前記認知機能状態情報は、記憶力、判断力、MCI,認知症及びフレイルのうちの少なくともいずれか一つに関するスコアを含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の認知機能状態推定モデル生成装置。
【請求項6】
コンピュータを機能させ、対象者の認知機能状態を推定するための、機械学習による学習済みの認知機能状態推定モデルであって、
前記認知機能状態推定モデルの機械学習に用いられる学習データは、前記対象者の認知機能状態情報と、前記対象者の口腔機能情報とからなり、
前記口腔機能情報は、対象者の口腔に関する口腔機能の状態を示す情報であり、
前記認知機能状態情報は、前記対象者に関して予め測定された該対象者の認知機能状態を示す情報であり、
前記認知機能状態推定モデルは、
前記口腔機能情報に基づき生成された入力特徴量に対する所定の演算により認知機能状態情報を出力し、
前記認知機能状態情報の取得時期に対応する時期における前記対象者の前記口腔機能情報に基づいて生成された前記入力特徴量の入力に応じて出力された出力データと前記認知機能状態情報との誤差に基づいて当該認知機能状態推定モデルを更新する機械学習により構築される、
認知機能状態推定モデル。
【請求項7】
前記口腔機能情報は、部位別状態スコア、状態スコア及び状態情報のうちの少なくとも一つを含み、
前記状態情報は、前記対象者に対する口腔に関する口腔機能の所定の測定により得られた測定データであり、
前記状態スコアは、前記状態情報に基づいて生成された前記口腔機能の程度を示すスコアであり、
前記部位別状態スコアは、前記状態スコアを、口腔に関する所定の部位ごとに集計して得られたスコアである、
請求項6に記載の認知機能状態推定モデル。
【請求項8】
機械学習により構築された認知機能状態推定モデルを用いて、対象者の認知機能状態を推定する認知機能状態推定装置であって、
前記認知機能状態推定モデルの機械学習に用いられる学習データは、前記対象者の認知機能状態情報と、前記対象者の口腔機能情報とからなり、
前記口腔機能情報は、対象者の口腔に関する口腔機能の状態を示す情報であり、
前記認知機能状態情報は、前記対象者に関して予め測定された該対象者の認知機能状態を示す情報であり、
前記認知機能状態推定モデルは、前記認知機能状態情報の取得時期に対応する時期における前記対象者の前記口腔機能情報に基づいて生成された入力特徴量に対する所定の演算の結果として出力された出力データと前記認知機能状態情報との誤差に基づいて当該認知機能状態推定モデルを更新する機械学習により構築され、
前記認知機能状態推定装置は、
認知機能状態の推定の対象者の口腔機能情報であって、前記認知機能状態を推定する対象の時期に対応する時期における前記口腔機能情報に基づいて、前記認知機能状態推定モデルに入力するための入力特徴量を生成する入力特徴量生成部と、
前記入力特徴量生成部により生成された前記入力特徴量を前記認知機能状態推定モデルに入力する入力部と、
前記認知機能状態推定モデルから出力された出力データを、前記認知機能状態の推定の対象者の認知機能状態情報として出力する出力部と、
を備える認知機能状態推定装置。
【請求項9】
前記口腔機能情報は、部位別状態スコア、状態スコア及び状態情報のうちの少なくとも一つを含み、
前記状態情報は、前記対象者に対する口腔に関する口腔機能の所定の測定により得られた測定データであり、
前記状態スコアは、前記状態情報に基づいて生成された前記口腔機能の程度を示すスコアであり、
前記部位別状態スコアは、前記状態スコアを、口腔に関する所定の部位ごとに集計して得られたスコアである、
請求項8に記載の認知機能状態推定装置。
【請求項10】
前記入力特徴量生成部は、
前記認知機能状態を推定する対象の対象時期に対応する時期における前記対象者の前記口腔機能情報を、当該認知機能状態情報に対応させて前記認知機能状態推定モデルに入力するための入力特徴量とし、
前記認知機能状態を推定する前記対象時期の所定期間前に相当する時期における前記対象者の前記口腔機能情報を、当該認知機能状態情報に対応させて前記認知機能状態推定モデルに入力するための入力特徴量とし、又は、
前記認知機能状態を推定する前記対象時期に対応する所与の期間における前記口腔機能情報の所定の集計手法による集計値を、当該認知機能状態情報に対応させて前記認知機能状態推定モデルに入力するための入力特徴量とする、
請求項8または9に記載の認知機能状態推定装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認知機能状態推定モデル生成装置、認知機能状態推定モデル及び認知機能状態推定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機械学習により得られたモデルを用いて、対象者から取得した種々の心身に関するデータに基づいて、対象者の心身の機能及び状態に関する診断及び評価が行われている。例えば、特許文献1には、複数のセンサにより収集された神経障害に関するデータを、機械学習により生成された診断モデルに入力することにより、診断予測を出力するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-537579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、人間の口唇及び舌等の口腔機能と、記憶、判断、計算、理解、学習及び思考等の認知機能との間に相関があることが知られている。かかる知見に基づいて、高齢者等の認知機能の低下の防止のために、口腔機能の改善のためのトレーニングが推奨されており、トレーニングの効果の把握及び予測のために、認知機能状態を推定することが求められていた。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、人間の認知機能の状態を容易且つ高精度に推定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一形態に係る認知機能状態推定モデル生成装置は、対象者の認知機能状態を推定する認知機能状態推定モデルを機械学習により生成する認知機能状態推定モデル生成装置であって、認知機能状態推定モデルの機械学習に用いられる学習データは、対象者の認知機能状態情報と、対象者の口腔機能情報とからなり、口腔機能情報は、対象者の口腔に関する口腔機能の状態を示す情報であり、認知機能状態情報は、対象者に関して予め測定された該対象者の認知機能状態を示す情報であり、認知機能状態推定モデルは、所定の機械学習により構築され、口腔機能情報に基づく入力特徴量の入力に応じて認知機能状態情報を出力し、認知機能状態推定モデル生成装置は、認知機能状態情報の取得時期に対応する時期における対象者の口腔機能情報に基づいて、当該認知機能状態情報に対応させて認知機能状態推定モデルに入力するための入力特徴量を生成する特徴量生成部と、入力特徴量を認知機能状態推定モデルに入力する特徴量入力部と、特徴量入力部による入力特徴量の入力に応じて認知機能状態推定モデルから出力された出力データと、学習データの認知機能状態情報との誤差に基づいて、認知機能状態推定モデルを更新することにより機械学習を行う更新部と、更新部による学習済みの認知機能状態推定モデルを出力するモデル出力部と、を備える。
【0007】
上記の形態によれば、対象者の認知機能状態情報と口腔機能情報とからなる学習データにより認知機能状態推定モデルが機械学習される。認知機能状態情報の取得時期に対応する時期における口腔機能情報に基づいて生成された入力特徴量の入力に応じてモデルから出力された出力データと、当該認知機能状態情報との誤差に基づいて、当該モデルが更新されることにより、認知機能状態推定モデルが構築されるので、口腔機能と認知機能状態との相関関係が適切にモデルに学習される。従って、口腔機能情報といった容易に取得可能な情報に基づいて認知機能状態を高精度に推定できる認知機能状態推定モデルを得ることが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
人間の認知機能の状態を容易且つ高精度に推定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の認知機能状態推定モデル生成装置の機能的構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態の認知機能状態推定装置の機能的構成を示すブロック図である。
図3】認知機能状態推定モデル生成装置及び認知機能状態推定装置のハードブロック図である。
図4】認知機能状態推定モデルの概略構成を示す図である。
図5】学習データの概略構成を示す図である。
図6】認知機能状態情報の一例を示す図である。
図7】口腔機能情報の概略構成の例を示す図である。
図8】口腔機能情報の構成及び含まれるデータの一例を示す図である。
図9】認知機能状態推定モデル生成装置における認知機能状態推定モデル生成方法の処理内容を示すフローチャートである。
図10】認知機能状態推定装置における認知機能状態推定方法の処理内容を示すフローチャートである。
図11】認知機能状態推定モデル生成プログラムの構成を示す図である。
図12】認知機能状態推定プログラムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る認知機能状態推定モデル生成装置、認知機能状態推定装置及び認知機能状態推定モデルの実施形態について図面を参照して説明する。なお、可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0011】
本実施形態の認知機能状態推定モデルは、コンピュータを機能させ、対象者の認知機能状態を推定するための、機械学習により構築されるモデルである。認知機能状態推定モデルは、対象者の口腔機能情報に基づいて認知機能状態を推定可能であり、機械学習により生成されるモデルであれば、その種類は限定されない。認知機能状態推定モデルは、例えば、ニューラルネットワークを含み、口腔機能情報に基づき生成され入力された入力特徴量に対する重み係数による所定の演算により認知機能状態情報を出力するモデルであってもよい。口腔機能情報は、対象者の口腔に関する口腔機能の状態を示す情報である。認知機能状態情報は、対象者の認知機能状態を示す情報であり、認知機能を示す所定項目のスコアとして表される。
【0012】
本実施形態の認知機能状態推定モデル生成装置は、認知機能状態推定モデルを機械学習により生成する装置である。認知機能状態推定装置は、機械学習により構築された認知機能状態推定モデルを用いて、口腔機能情報の入力に応じて、認知機能状態情報を出力する装置である。
【0013】
図1は、本実施形態に係る認知機能状態推定モデル生成装置の機能的構成を示す図である。図1に示されるように、認知機能状態推定モデル生成装置10は、機能的には、口腔機能情報取得部11、認知機能状態情報取得部12、特徴量生成部13、特徴量入力部14,更新部15及びモデル出力部16を備える。これらの各機能部11~16は、一つの装置に構成されてもよいし、複数の装置に分散されて構成されてもよい。
【0014】
また、認知機能状態推定モデル生成装置10は、学習データ記憶部30及びモデル記憶部40といった記憶手段にアクセス可能に構成されている。学習データ記憶部30及びモデル記憶部40は、認知機能状態推定モデル生成装置10内に構成されてもよいし、図1に示されるように、認知機能状態推定モデル生成装置10の外部に、認知機能状態推定モデル生成装置10からアクセス可能な別の装置として構成されてもよい。
【0015】
学習データ記憶部30は、認知機能状態推定モデルの機械学習に用いられる学習データを記憶している記憶手段であって、ストレージ及びメモリ等により構成されることができる。モデル記憶部40は、学習済みまたは学習過程等の認知機能状態推定モデルを記憶している記憶手段であって、ストレージ及びメモリ等により構成されることができる。
【0016】
図2は、本実施形態に係る認知機能状態推定装置の機能的構成を示す図である。認知機能状態推定装置20は、図2に示されるように、認知機能状態推定装置20は、機能的には、入力データ取得部21、入力特徴量生成部22、入力部23及び出力部24を備える。これらの各機能部21~24は、一つの装置に構成されてもよいし、複数の装置に分散されて構成されてもよい。
【0017】
また、認知機能状態推定装置20は、学習済みの認知機能状態推定モデルを記憶しているモデル記憶部40にアクセス可能に構成されている。モデル記憶部40は、認知機能状態推定装置20内に構成されてもよいし、外部の別の装置に構成されてもよい。
【0018】
また、認知機能状態推定装置20は、口腔機能情報記憶部50といった記憶手段にアクセス可能に構成されている。口腔機能情報記憶部50は、認知機能推定の対象者の口腔機能情報を記憶している記憶手段である。口腔機能情報記憶部50は、認知機能状態推定装置20内に構成されてもよいし、外部の別の装置に構成されてもよい。
【0019】
また、本実施形態では、認知機能状態推定モデル生成装置10と認知機能状態推定装置20とがそれぞれ別の装置(コンピュータ)に構成されている例を示しているが、これらは一体に構成されてもよい。
【0020】
なお、図1及び図2に示したブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0021】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0022】
例えば、本発明の一実施の形態における認知機能状態推定モデル生成装置10及び認知機能状態推定装置20は、コンピュータとして機能してもよい。図3は、本実施形態に係る認知機能状態推定モデル生成装置10及び認知機能状態推定装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。認知機能状態推定モデル生成装置10及び認知機能状態推定装置20はそれぞれ、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0023】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。認知機能状態推定モデル生成装置10及び認知機能状態推定装置20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0024】
認知機能状態推定モデル生成装置10及び認知機能状態推定装置20における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0025】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、図1及び図2に示した各機能部11~16,21~24などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0026】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、認知機能状態推定モデル生成装置10及び認知機能状態推定装置20の各機能部11~16,21~24は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0027】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る認知機能状態推定モデル生成方法及び認知機能状態推定方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0028】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0029】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0030】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0031】
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0032】
また、認知機能状態推定モデル生成装置10及び認知機能状態推定装置20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0033】
図4は、本実施形態の認知機能状態推定モデルの一例の概略構成を示す図である。図4に示されるように、認知機能状態推定モデルmdは、ニューラルネットワークを含み、口腔機能情報ofに基づいて生成された入力特徴量fgを入力とし、ニューラルネットワークの入力層に入力された入力特徴量fgに対して各層に対応する重み係数及び応答関数等に基づく演算を行い出力層から認知機能状態情報cfを出力する。認知機能状態推定モデルmdは、例えば、多層パーセプトロン等により構成されるニューラルネットワークであってもよいが、認知機能状態推定モデルmdを構成するニューラルネットワークの種類は限定されない。
【0034】
再び図1を参照して、認知機能状態推定モデル生成装置10の機能部を説明する。口腔機能情報取得部11は、学習データとしての口腔機能情報ofを取得する。認知機能状態情報取得部12は、学習データとしての認知機能状態情報cfを取得する。
【0035】
図5は、学習データの概略構成を示す図である。図5に示されるように、認知機能状態推定モデルmdの機械学習に用いられる学習データldは、口腔機能情報of及び認知機能状態情報cfを含む。口腔機能情報of及び認知機能状態情報cfはそれぞれ、認知機能状態推定モデルmdにおける説明変数及び目的変数を構成する。
【0036】
本実施形態では、学習データldは、学習データ記憶部30に予め記憶されているので、口腔機能情報取得部11は、学習データ記憶部30を参照して、学習データldの口腔機能情報ofを取得する。また、認知機能状態情報取得部12は、学習データ記憶部30を参照して、学習データldの認知機能状態情報cfを取得する。
【0037】
図6は、認知機能状態情報の一例を示す図である。認知機能状態情報cfは、対象者であるユーザに関して予め測定された当該ユーザの認知機能状態を示す情報であって、ユーザを識別する識別情報及び日時に関連付けられた、記憶力、判断力、MCI(Mild Cognitive Impairment、軽度認知障害)、認知症及びフレイルのうちの少なくともいずれか一つに関するスコアを含む。
【0038】
具体的には、認知機能状態情報cfは、記憶力及び判断力の程度を示すスコアを含んでもよい。また、認知機能状態情報cfは、MCIの有無、認知症の有無及びフレイルの有無を1または0の2値で示すスコアを含んでもよい。なお、認知機能状態情報cfに含まれる日時の情報は、当該認知機能状態情報がある日時に対して関連付けを有することを意味しており、含まれる各項目の情報が必ずしも当該日時に測定された情報でなくともよい。
【0039】
図7は、口腔機能情報の概略構成の例を示す図である。図7に示される例では、口腔機能情報ofは、状態情報is、状態スコアss及び部位別状態スコアspを含む。図7に示す例では、口腔機能情報ofは、状態情報is、状態スコアss及び部位別状態スコアspの3種の情報を含んでいるが、本実施形態の認知機能状態推定モデル生成装置10及び認知機能状態推定装置20においては、口腔機能情報ofは、状態情報is、状態スコアss及び部位別状態スコアspのうちの少なくともいずれか一つを含んでいればよい。
【0040】
図8は、口腔機能情報の構成及び含まれるデータの一例を示す図である。図8に示されるように、口腔機能情報ofは、対象者であるユーザの口腔に関する口腔機能の状態を示す情報であって、ユーザを識別する識別情報及び日時に関連付けられた状態情報is、状態スコアss及び部位別状態スコアspを含む。
【0041】
状態情報isは、ユーザ(対象者)に対する口腔に関する口腔機能の所定の測定により得られた測定データである。状態情報isは、ユーザの顔画像及びユーザにより発せられた音声に基づく所定の解析により取得される。図8に示される状態情報isの一例では、状態情報isは、発音回数、クリアさ、及び維持時間を含むが、状態情報isの内容は、これらの例に限定されない。
【0042】
状態情報isにおける発音回数は、例えば、ユーザに「パ」、「タ」、「カ」、「ラ」等の所定の音の発声をさせ、所定時間内の発音回数を測定することにより得られる。状態情報isにおけるクリアさは、ユーザに発声させた所定の音の明りょうの程度を示すデータであって、発声音の所定の音声解析により得られる。状態情報isにおける維持時間は、ユーザによる所定の舌運動及び口唇運動等が継続維持される時間であって、ユーザの顔画像の画像解析により取得される。
【0043】
状態スコアssは、状態情報isに基づいて生成された、口腔機能の程度を示すスコアである。状態スコアssは、例えば、状態情報isとして取得された各種の測定データと、口腔機能の程度を示すスコアとを予め関連付けたテーブルを参照することにより取得される。ここで参照されるテーブルは、予め設定されたものであってもよいし、以前に取得された状態スコアssの分布に基づいて適宜更新されたものであってもよい。図8に示される状態スコアssの一例では、状態スコアssは、発音、舌運動、表情のスコアを含むが、状態スコアssの内容は、これらの例に限定されない。
【0044】
部位別状態スコアspは、状態スコアssを、口腔に関する所定の部位ごとに集計して得られたスコアである。部位別状態スコアspは、例えば、各状態スコアssと部位との関連付けを予め設定しておき、各部位に関連付けられた状態スコアssを所定の集計方法により集計することにより算出される。所定の集計方法は、例えば、一の部位に関連付けられた全ての状態スコアssの総計、平均の算出等であってもよいし、算出値に対する正規化が更に行われてもよい。また、平均の算出においては、予め設定された重みを付けて平均を算出してもよい。
【0045】
部位別状態スコアspは、舌に関する舌スコア、口唇に関する口唇スコア、顎に関する顎スコア、頬に関する頬スコア及び目元(眉毛を含む)に関する目スコアのうちの少なくともいずれか一つを含む。図8に示される部位別状態スコアspの一例では、部位別状態スコアspは、舌スコア、口唇スコア、顎スコア、頬スコア及び目スコアを含み、さらに、舌スコア、口唇スコア、顎スコア、頬スコア及び目スコアを集計(例えば、平均)した全体スコアを含む。
【0046】
このように、部位別状態スコアsp、状態スコアss及び状態情報isといった口腔機能の状態が適切に表現された情報が認知機能状態推定モデルmdの学習に用いられるので、認知機能状態を高精度に推定できる認知機能状態推定モデルmdを得ることが可能となる。
【0047】
また、口腔機能情報ofとして用いられる部位別状態スコアspには、対象者の認知機能との相関が強い口腔機能の状態が適切に表されているので、認知機能状態を高精度に推定できる認知機能状態推定モデルmdを得ることが可能となる。
【0048】
再び図1を参照して、特徴量生成部13は、認知機能状態情報cfの取得時期に対応する時期における対象者の口腔機能情報ofに基づいて、当該認知機能状態情報cfに関連付けて認知機能状態推定モデルmdに入力するための入力特徴量fgを生成する。
【0049】
具体的には、入力特徴量fgの生成の一例として、特徴量生成部13は、認知機能状態情報cfの取得時期に対応する時期における同対象者の口腔機能情報ofを、当該認知機能状態情報cfに対応させて認知機能状態推定モデルmdに入力するための入力特徴量fgとしてもよい。このように入力特徴量fgが構成されることにより、口腔機能情報ofの取得時期における認知機能状態を推定することが可能な認知機能状態推定モデルmdを構築できる。
【0050】
また、入力特徴量fgの生成の一例として、特徴量生成部13は、認知機能状態情報cfの取得時期を基準時としたラグ特徴量を入力特徴量fgとして生成してもよい。即ち、特徴量生成部13は、認知機能状態情報cfの取得時期の所定期間前に相当する時期における同対象者の口腔機能情報ofを、当該認知機能状態情報cfに対応させて認知機能状態推定モデルmdに入力するための入力特徴量fgとしてもよい。このように入力特徴量fgが構成されることにより、口腔機能情報ofの取得時期の所定期間後における認知機能状態を推定することが可能な認知機能状態推定モデルmdを構築できる。
【0051】
また、入力特徴量fgの生成の一例として、特徴量生成部13は、認知機能状態情報cfの取得時期を基準時としたWindow関数により入力特徴量fgを生成してもよい。即ち、特徴量生成部13は、認知機能状態情報cfの取得時期に対応する所与の期間における口腔機能情報ofの項目毎の所定の集計手法により集計値を、当該認知機能状態情報cfに対応させて認知機能状態推定モデルmdに入力するための入力特徴量としてもよい。
【0052】
具体的には、特徴量生成部13は、認知機能状態情報cfの取得時期に対応する所与の期間における口腔機能情報ofの各項目の全ての値の、最小値、最大値、中央値、平均値及び標準偏差のうちのいずれか又は複数を、入力特徴量fgとするための集計値としてもよい。
【0053】
このように入力特徴量fgが構成されることにより、集計値の算出に用いる口腔機能情報ofが取得された期間と認知機能状態情報cfの取得時期との対応関係に応じた時期における認知機能状態を推定することが可能な認知機能状態推定モデルmdを構築できる。
【0054】
このように、入力特徴量fgの生成に用いる口腔機能情報ofを取得時期に基づいて適宜選択することにより、任意の時期の認知機能状態の推定が可能な認知機能状態推定モデルmdを得ることが可能となる。
【0055】
特徴量入力部14は、特徴量生成部13により生成された入力特徴量fgを認知機能状態推定モデルmdに入力する。具体的には、特徴量入力部14は、入力特徴量fgを所定且つ周知の技術によりベクトル表現に変換し、ベクトル表現に変換した入力特徴量fgを認知機能状態推定モデルmdに入力する。
【0056】
更新部15は、特徴量入力部14による入力特徴量fgの入力に応じて認知機能状態推定モデルmdから出力された出力データと、学習データldの認知機能状態情報cfとの誤差に基づいて、当該認知機能状態推定モデルmdを更新する。認知機能状態推定モデルmdがニューラルネットワークを含んで構成される場合には、更新部15は、特徴量入力部14による入力特徴量fgの入力に応じて認知機能状態推定モデルmdから出力された出力データと、学習データldの認知機能状態情報cfとの誤差に基づいて、認知機能状態推定モデルmdを構成する重み係数を更新する。具体的には、更新部15は、例えば誤差逆伝搬法といった周知の技術により、出力データと認知機能状態情報cfとの誤差に基づいて重み係数を更新及び最適化する。
【0057】
モデル出力部16は、更新部15により重み係数が更新及び最適化された認知機能状態推定モデルmdを出力する。具体的には、モデル出力部16は、例えば、更新部15による最適化が完了し学習済みの認知機能状態推定モデルmdを、認知機能状態の推定に供するために、モデル記憶部40に記憶させる。
【0058】
学習済みの認知機能状態推定モデルmdは、コンピュータにより読み込まれ又は参照され、コンピュータに所定の処理を実行させ及びコンピュータに所定の機能を実現させるプログラムモジュールとして捉えることができる。
【0059】
即ち、本実施形態の学習済みの認知機能状態推定モデルmdは、CPU及びメモリを備えるコンピュータにおいて用いられる。具体的には、コンピュータのCPUが、メモリに記憶された学習済みの認知機能状態推定モデルmdからの指令に従って、ニューラルネットワークの入力層に入力された入力特徴量fgに対し、各層に対応する学習済みの重み係数及び応答関数等に基づく演算を行い、出力層から出力値を出力するよう動作する。
【0060】
次に、図2を参照して、認知機能状態推定装置20の機能部を説明する。入力データ取得部21は、認知機能状態を推定する対象者の口腔機能情報を取得する。具体的には、入力データ取得部21は、例えば口腔機能情報記憶部50に記憶されている口腔機能情報を取得する。入力データ取得部21により取得される口腔機能情報は、図7及び図8を参照して説明した口腔機能情報ofと同様の形式を有する。
【0061】
入力特徴量生成部22は、認知機能状態を推定する対象の時期に対応する時期における口腔機能情報に基づいて、認知機能状態推定モデルmdに入力するための入力特徴量fgを生成する。
【0062】
具体的には、入力特徴量生成部22は、認知機能状態推定モデル生成装置10の特徴量生成部13と同様に、口腔機能情報に基づいて入力特徴量fgを生成する。前述のとおり、認知機能状態推定モデルmdは、入力する口腔機能情報の取得時期に対応する任意の相対時期における認知機能状態が推定されるように構成されているので、入力特徴量生成部22は、認知機能状態を推定する対象の時期に対応する相対時期における口腔機能情報に基づいて入力特徴量を生成する。
【0063】
入力部23は、入力特徴量生成部22により生成された入力特徴量fgを認知機能状態推定モデルmdに入力する。具体的には、入力部23は、入力特徴量fgを所定且つ周知の技術によりベクトル表現に変換し、ベクトル表現に変換した入力特徴量fgを学習済みの認知機能状態推定モデルmdに入力する。
【0064】
出力部24は、認知機能状態推定モデルmdから出力された出力データを、認知機能状態の推定の対象者の認知機能状態情報として出力する。出力の態様は限定されず、出力部24は、認知機能状態推定モデルmdから出力された出力データである認知機能状態情報を、所定の記憶手段へ記憶させ、所定の表示装置に表示させ、または、所定のコンピュータに送信させてもよい。
【0065】
図9は、認知機能状態推定モデル生成装置10における認知機能状態推定モデル生成方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0066】
ステップS1において、認知機能状態推定モデル生成装置10は、学習データを取得する。具体的には、口腔機能情報取得部11は、学習データとしての口腔機能情報ofを取得する。認知機能状態情報取得部12は、学習データとしての認知機能状態情報cfを取得する。
【0067】
ステップS2において、特徴量生成部13は、認知機能状態情報cfの取得時期に対応する時期における対象者の口腔機能情報ofに基づいて、当該認知機能状態情報cfに関連付けて認知機能状態推定モデルmdに入力するための入力特徴量fgを生成する。
【0068】
ステップS3において、特徴量入力部14は、ステップS2において特徴量生成部13により生成された入力特徴量fgを認知機能状態推定モデルmdに入力する。
【0069】
ステップS4において、更新部15は、特徴量入力部14による入力特徴量fgの入力に応じて認知機能状態推定モデルmdから出力された出力データと、学習データldの認知機能状態情報cfとの誤差に基づいて、認知機能状態推定モデルmdを構成する重み係数を更新する。
【0070】
ステップS5において、認知機能状態推定モデル生成装置10は、認知機能状態推定モデルmdの学習を終了させるか否かを判断する。学習の終了の判断は、機械学習に供される全ての学習データによる機械学習が完了したこと、及び、認知機能状態推定モデルmdの重み係数等の更新及び最適化の収束等により判断されてもよい。
【0071】
認知機能状態推定モデルmdの学習を終了させると判断された場合には、処理はステップS6に進む。一方、認知機能状態推定モデルmdの学習を終了させると判断されなかった場合には、処理はステップS1に戻る。または、全ての学習データの取得及び入力特徴量の生成が完了している場合には、処理がステップS3に戻ることとしてもよい。
【0072】
ステップS6において、モデル出力部16は、重み係数が更新及び最適化された認知機能状態推定モデルmdを出力する。
【0073】
図10は、認知機能状態推定装置20における学習済みの認知機能状態推定モデルmdを用いた認知機能状態推定方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0074】
ステップS11において、入力データ取得部21は、認知機能状態を推定する対象者の口腔機能情報を取得する。
【0075】
ステップS12において、入力特徴量生成部22は、認知機能状態を推定する対象の時期に対応する時期における口腔機能情報に基づいて、認知機能状態推定モデルmdに入力するための入力特徴量fgを生成する。
【0076】
ステップS13において、入力部23は、ステップS12において入力特徴量生成部22により生成された入力特徴量fgを認知機能状態推定モデルmdに入力する。
【0077】
ステップS14において、出力部24は、認知機能状態推定モデルmdから出力された出力データを取得し、取得した出力データを認知機能状態の推定の対象者の認知機能状態情報として出力する。
【0078】
次に、図11を参照して、コンピュータを、本実施形態の認知機能状態推定モデル生成装置10として機能させるための認知機能状態推定モデル生成プログラムについて説明する。
【0079】
図11は、認知機能状態推定モデル生成プログラムの構成を示す図である。認知機能状態推定モデル生成プログラムP1は、認知機能状態推定モデル生成装置10における認知機能状態推定モデル生成処理を統括的に制御するメインモジュールm10、口腔機能情報取得モジュールm11、認知機能状態情報取得モジュールm12、特徴量生成モジュールm13、特徴量入力モジュールm14,更新モジュールm15及びモデル出力モジュールm16を備えて構成される。そして、各モジュールm11~m16により、口腔機能情報取得部11、認知機能状態情報取得部12、特徴量生成部13、特徴量入力部14,更新部15及びモデル出力部16のための各機能が実現される。
【0080】
なお、認知機能状態推定モデル生成プログラムP1は、通信回線等の伝送媒体を介して伝送される態様であってもよいし、図11に示されるように、記録媒体M1に記憶される態様であってもよい。
【0081】
次に、図12を参照して、コンピュータを、本実施形態の認知機能状態推定装置20として機能させるための認知機能状態推定プログラムについて説明する。
【0082】
図12は、認知機能状態推定プログラムの構成を示す図である。認知機能状態推定プログラムP2は、認知機能状態推定装置20における認知機能状態推定処理を統括的に制御するメインモジュールm20、入力データ取得モジュールm21、入力特徴量生成モジュールm22、入力モジュールm23及び出力モジュールm24を備えて構成される。そして、各モジュールm21~m24により、入力データ取得部21、入力特徴量生成部22、入力部23及び出力部24のための各機能が実現される。
【0083】
なお、認知機能状態推定プログラムP2は、通信回線等の伝送媒体を介して伝送される態様であってもよいし、図12に示されるように、記録媒体M2記憶される態様であってもよい。
【0084】
以上説明した本実施形態の認知機能状態推定モデル生成装置10、認知機能状態推定モデル生成方法及び認知機能状態推定モデル生成プログラムP1によれば、対象者の認知機能状態情報と口腔機能情報とからなる学習データにより認知機能状態推定モデルが機械学習される。認知機能状態情報の取得時期に対応する時期における口腔機能情報に基づいて生成された入力特徴量の入力に応じてモデルから出力された出力データと、当該認知機能状態情報との誤差に基づいて、重み係数が更新されることにより、認知機能状態推定モデルが構築されるので、口腔機能と認知機能状態との相関関係が適切にモデルに学習される。従って、口腔機能情報といった容易に取得可能な情報に基づいて認知機能状態を高精度に推定できる認知機能状態推定モデルを得ることが可能となる。
【0085】
また、別の形態に係る認知機能状態推定モデル生成装置では、口腔機能情報は、部位別状態スコア、状態スコア及び状態情報のうちの少なくとも一つを含み、状態情報は、対象者に対する口腔に関する口腔機能の所定の測定により得られた測定データであり、状態スコアは、状態情報に基づいて生成された口腔機能の程度を示すスコアであり、部位別状態スコアは、状態スコアを、口腔に関する所定の部位ごとに集計して得られたスコアであることとしてもよい。
【0086】
上記形態によれば、部位別状態スコア、状態スコア及び状態情報といった口腔機能の状態が適切に表現された情報が認知機能状態推定モデルの学習に用いられるので、認知機能状態を高精度に推定できる認知機能状態推定モデルを得ることが可能となる。
【0087】
また、別の形態に係る認知機能状態推定モデル生成装置では、口腔機能情報は、部位別状態スコアを少なくとも含み、部位別状態スコアは、舌に関する舌スコア、口唇に関する口唇スコア、顎に関する顎スコア、頬に関する頬スコア及び目元に関する目スコアのうちの少なくともいずれか一つを含むこととしてもよい。
【0088】
上記形態によれば、口腔機能情報として用いられる部位別状態スコアには、対象者の認知機能との相関が強い口腔機能の状態が適切に表されているので、認知機能状態を高精度に推定できる認知機能状態推定モデルを得ることが可能となる。
【0089】
また、別の形態に係る認知機能状態推定モデル生成装置では、特徴量生成部は、認知機能状態情報の取得時期に対応する時期における対象者の口腔機能情報を、当該認知機能状態情報に対応させて認知機能状態推定モデルに入力するための入力特徴量とし、認知機能状態情報の取得時期の所定期間前に相当する時期における対象者の口腔機能情報を、当該認知機能状態情報に対応させて認知機能状態推定モデルに入力するための入力特徴量とし、又は、認知機能状態情報の取得時期に対応する所与の期間における口腔機能情報の所定の集計手法による集計値を、当該認知機能状態情報に対応させて認知機能状態推定モデルに入力するための入力特徴量とすることとしてもよい。
【0090】
上記形態によれば、入力特徴量の生成に用いる口腔機能情報を適宜選択することにより、任意の時期の認知機能状態の推定が可能な認知機能状態推定モデルを得ることが可能となる。
【0091】
また、別の形態に係る認知機能状態推定モデル生成装置では、認知機能状態情報は、記憶力、判断力、MCI,認知症及びフレイルのうちの少なくともいずれか一つに関するスコアを含むこととしてもよい。
【0092】
上記形態によれば、記憶力及び判断力の程度、MCI、認知症及びフレイルの有無として、対象者の認知機能の状態を推定できる。
【0093】
上記課題を解決するために、本発明の一形態に係る認知機能状態推定モデルは、コンピュータを機能させ、対象者の認知機能状態を推定するための、機械学習による学習済みの認知機能状態推定モデルであって、認知機能状態推定モデルの機械学習に用いられる学習データは、対象者の認知機能状態情報と、対象者の口腔機能情報とからなり、口腔機能情報は、対象者の口腔に関する口腔機能の状態を示す情報であり、認知機能状態情報は、対象者に関して予め測定された該対象者の認知機能状態を示す情報であり、認知機能状態推定モデルは、口腔機能情報に基づき生成された入力特徴量に対する所定の演算により認知機能状態情報を出力し、認知機能状態情報の取得時期に対応する時期における対象者の口腔機能情報に基づいて生成された入力特徴量の入力に応じて出力された出力データと認知機能状態情報との誤差に基づいて当該認知機能状態推定モデルを更新する機械学習により構築される。
【0094】
上記の形態によれば、認知機能状態推定モデルが、対象者の認知機能状態情報と口腔機能情報とからなる学習データを用いた機械学習により構築される。認知機能状態情報の取得時期に対応する時期における口腔機能情報に基づいて生成された入力特徴量の入力に応じてモデルから出力された出力データと、当該認知機能状態情報との誤差に基づいて、当該モデルが更新されることにより、認知機能状態推定モデルが構築されるので、口腔機能と認知機能状態との相関関係が適切にモデルに学習される。従って、口腔機能情報といった容易に取得可能な情報に基づいて認知機能状態を高精度に推定できる。
【0095】
また、別の形態に係る認知機能状態推定モデルでは、口腔機能情報は、部位別状態スコア、状態スコア及び状態情報のうちの少なくとも一つを含み、状態情報は、対象者に対する口腔に関する口腔機能の所定の測定により得られた測定データであり、状態スコアは、状態情報に基づいて生成された口腔機能の程度を示すスコアであり、部位別状態スコアは、状態スコアを、口腔に関する所定の部位ごとに集計して得られたスコアであることとしてもよい。
【0096】
上記形態によれば、部位別状態スコア、状態スコア及び状態情報といった口腔機能の状態が適切に表現された情報が認知機能状態推定モデルの学習に用いられるので、認知機能状態を高精度に推定できる認知機能状態推定モデルが実現される。
【0097】
上記課題を解決するために、本発明の一形態に係る認知機能状態推定装置は、機械学習により構築された認知機能状態推定モデルを用いて、対象者の認知機能状態を推定する認知機能状態推定装置であって、認知機能状態推定モデルの機械学習に用いられる学習データは、対象者の認知機能状態情報と、対象者の口腔機能情報とからなり、口腔機能情報は、対象者の口腔に関する口腔機能の状態を示す情報であり、認知機能状態情報は、対象者に関して予め測定された該対象者の認知機能状態を示す情報であり、認知機能状態推定モデルは、認知機能状態情報の取得時期に対応する時期における対象者の口腔機能情報に基づいて生成された入力特徴量に対する所定の演算の結果として出力された出力データと認知機能状態情報との誤差に基づいて当該認知機能状態推定モデルを更新する機械学習により構築され、認知機能状態推定装置は、認知機能状態の推定の対象者の口腔機能情報であって、認知機能状態を推定する対象の時期に対応する時期における口腔機能情報に基づいて、認知機能状態推定モデルに入力するための入力特徴量を生成する入力特徴量生成部と、入力特徴量生成部により生成された入力特徴量を認知機能状態推定モデルに入力する入力部と、認知機能状態推定モデルから出力された出力データを、認知機能状態の推定の対象者の認知機能状態情報として出力する出力部と、を備える。
【0098】
上記の形態によれば、対象者の認知機能状態情報と口腔機能情報とからなる学習データを用いた機械学習により構築された認知機能状態推定モデルが、認知機能状態の推定に用いられる。認知機能状態情報の取得時期に対応する時期における口腔機能情報に基づいて生成された入力特徴量の入力に応じてモデルから出力された出力データと、当該認知機能状態情報との誤差に基づいて、当該モデルが更新されることにより、認知機能状態推定モデルが構築されるので、口腔機能と認知機能状態との相関関係が適切にモデルに学習される。従って、このモデルによれば、口腔機能情報といった容易に取得可能な情報に基づいて認知機能状態を高精度に推定できる。
【0099】
また、別の形態に係る認知機能状態推定装置では、口腔機能情報は、部位別状態スコア、状態スコア及び状態情報のうちの少なくとも一つを含み、状態情報は、対象者に対する口腔に関する口腔機能の所定の測定により得られた測定データであり、状態スコアは、状態情報に基づいて生成された口腔機能の程度を示すスコアであり、部位別状態スコアは、状態スコアを、口腔に関する所定の部位ごとに集計して得られたスコアであることとしてもよい。
【0100】
上記形態によれば、部位別状態スコア、状態スコア及び状態情報といった口腔機能の状態が適切に表現された情報を学習データとして学習された認知機能状態推定モデルにより認知機能状態が推定される。従って、認知機能状態を高精度に推定することが可能となる。
【0101】
また、別の形態に係る認知機能状態推定装置では、入力特徴量生成部は、認知機能状態を推定する対象の対象時期に対応する時期における対象者の口腔機能情報を、当該認知機能状態情報に対応させて認知機能状態推定モデルに入力するための入力特徴量とし、認知機能状態を推定する対象時期の所定期間前に相当する時期における対象者の口腔機能情報を、当該認知機能状態情報に対応させて認知機能状態推定モデルに入力するための入力特徴量とし、又は、認知機能状態を推定する対象時期に対応する所与の期間における口腔機能情報の所定の集計手法による集計値を、当該認知機能状態情報に対応させて認知機能状態推定モデルに入力するための入力特徴量とすることとしてもよい。
【0102】
上記形態によれば、入力特徴量の生成に用いる口腔機能情報を適宜選択することにより、任意の時期の認知機能状態の推定が可能となるとなる。
【0103】
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0104】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0105】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0106】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0107】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0108】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0109】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0110】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0111】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0112】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0113】
なお、本開示において説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0114】
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0115】
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。
【0116】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0117】
本開示で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0118】
本明細書で「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した場合においては、その要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0119】
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0120】
本明細書において、文脈または技術的に明らかに1つのみしか存在しない装置である場合以外は、複数の装置をも含むものとする。
【0121】
本開示の全体において、文脈から明らかに単数を示したものではなければ、複数のものを含むものとする。
【符号の説明】
【0122】
10…認知機能状態推定モデル生成装置、11…口腔機能情報取得部、12…認知機能状態情報取得部、13…特徴量生成部、14…特徴量入力部、15…更新部、16…モデル出力部、20…認知機能状態推定装置、21…入力データ取得部、22…入力特徴量生成部、23…入力部、24…出力部、30…学習データ記憶部、30…学習データ記憶部、40…モデル記憶部、50…口腔機能情報記憶部、M1…記録媒体、m10…メインモジュール、m11…口腔機能情報取得モジュール、m12…認知機能状態情報取得モジュール、m13…特徴量生成モジュール、m14…特徴量入力モジュール、m15…更新モジュール、m16…モデル出力モジュール、M2…記録媒体、m20…メインモジュール、m21…入力データ取得モジュール、m22…入力特徴量生成モジュール、m23…入力モジュール、m24…出力モジュール、md…認知機能状態推定モデル、P1…認知機能状態推定モデル生成プログラム、P2…認知機能状態推定プログラム。
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