(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095081
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20230629BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20230629BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
G06F3/12 326
G06F3/12 303
G06F3/12 329
G06F3/12 332
G06F3/12 331
G06F3/12 334
B41J29/38 401
H04N1/00 127
H04N1/00 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021210754
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】須田 駿
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AR01
2C061AS02
2C061HJ08
2C061HK05
2C061HN05
2C061HN26
2C061HN27
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC42
5C062AC51
5C062AC58
5C062AE03
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF02
5C062AF15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】機能性を向上する情報処理装置及び情報処理システムを提案する。
【解決手段】情報処理装置は、撮影したARマーカー設定情報から、画像形成装置が使用可能な状態であるかを示すステータス情報と、画像形成装置が有する印刷に関する機能を示す機能情報とを含む設定データを取得し、設定データに基づき、撮影画面表示部SH3内に存在する画像形成装置が使用可能な状態であるか否かを確認すると共に、機能情報と、画像形成装置に送信される印刷データにおいて設定されている印刷設定とに基づき、画像形成装置が印刷データの印刷設定に対応しているか否かを確認することにより、画像形成装置の状態を判定し、撮影画面表示部SH3に重ねて、撮影画面表示部SH3内に存在する画像形成装置の位置において、判定された該画像形成装置の状態を示す印刷可否記号SBを表示する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲を撮影する撮影部と、
前記撮影部が識別マーカーを撮影すると、該識別マーカーに設定されている情報から、画像形成装置が使用可能な状態であるかを示すステータス情報と、画像形成装置が有する印刷に関する機能を示す機能情報とを含む設定データを取得する設定データ取得部と、
前記設定データに基づき、前記撮影部が撮影している周囲の様子を表示する撮影画面表示部内に存在する画像形成装置が使用可能な状態であるか否かを確認すると共に、前記機能情報と、画像形成装置に送信される印刷データにおいて設定されている印刷設定とに基づき、画像形成装置が前記印刷データの印刷設定に対応しているか否かを確認することにより、画像形成装置の状態を判定する判定部と、
前記撮影画面表示部に重ねて、前記撮影画面表示部内に存在する画像形成装置の位置において、判定された該画像形成装置の状態を示す印刷可否記号を表示する表示部と
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記判定部は、
画像形成装置が使用可能な状態であり、且つ該画像形成装置が印刷データの印刷設定に対応している場合、該画像形成装置の状態は、印刷可能状態であると判定し、
前記表示部は、
前記印刷可能状態であると判定された前記画像形成装置に、印刷可能状態であることを示す前記印刷可否記号を表示する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定部は、
画像形成装置が使用可能な状態であり、且つ該画像形成装置が印刷データの印刷設定と互換性がある機能を有している場合、該画像形成装置の状態は、制限付き印刷可能状態であると判定し、
前記表示部は、
前記制限付き印刷可能状態であると判定された前記画像形成装置に、制限付き印刷可能状態であるとことを示す前記印刷可否記号を前記印刷可能状態とは異なる態様で表示する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、
画像形成装置が使用不能な状態である場合、該画像形成装置の状態は、印刷不能状態であると判定し、
前記表示部は、
前記印刷不能状態であると判定された前記画像形成装置に、印刷不能状態であることを示す前記印刷可否記号を、前記印刷可能状態及び前記制限付き印刷可能状態とは異なる態様で表示する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、
エラーが解消されれば画像形成装置が使用可能な状態である場合、該画像形成装置の状態は、ユーザ操作要印刷可能状態であると判定し、
前記表示部は、
前記ユーザ操作要印刷可能状態であると判定された前記画像形成装置に、前記ユーザ操作要印刷可能状態であることを示す前記印刷可否記号を、前記印刷可能状態及び前記制限付き印刷可能状態とは異なる態様で表示する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置の位置及び向きを検出する位置方向特定部をさらに有し、
前記表示部は、
前記撮影部が前記識別マーカーを撮影してからの、前記位置方向特定部により検出された前記情報処理装置の位置及び向きの変化に応じて、前記撮影画面表示部における前記印刷可否記号の位置を更新する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示部は、
前記情報処理装置の位置に対する、使用可能な画像形成装置が設置されている方向を示す方向指示部を表示する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記情報処理装置の位置及び向きを検出する位置方向特定部をさらに有し、
前記表示部は、
前記撮影部が前記識別マーカーを撮影してからの、前記位置方向特定部により検出された前記情報処理装置の位置及び向きの変化に応じて、前記撮影画面表示部における前記方向指示部の向きを更新する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記印刷可否記号がユーザに選択されると、該印刷可否記号と対応する画像形成装置へ印刷データを送信する印刷データ送信部
をさらに有する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記印刷データ送信部は、
前記撮影部が前記画像形成装置に設けられた前記識別マーカーを撮影していない状態において、前記印刷可否記号がユーザに選択されると、該印刷可否記号と対応する前記画像形成装置へ印刷データを送信する
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
互いに通信可能な情報処理装置及びサーバを具え、
前記情報処理装置は、
周囲を撮影する撮影部と、
前記撮影部が識別マーカーを撮影すると、該識別マーカーに設定されている情報から、画像形成装置が使用可能な状態であるかを示すステータス情報と、画像形成装置が有する印刷に関する機能を示す機能情報とを含む設定データを前記サーバから取得する設定データ取得部と、
前記設定データに基づき、前記撮影部が撮影している周囲の様子を表示する撮影画面表示部内に存在する画像形成装置が使用可能な状態であるか否かを確認すると共に、前記機能情報と、画像形成装置に送信される印刷データにおいて設定されている印刷設定とに基づき、画像形成装置が前記印刷データの印刷設定に対応しているか否かを確認することにより、画像形成装置の状態を判定する判定部と、
前記撮影画面表示部に重ねて、前記撮影画面表示部内に存在する画像形成装置の位置において、判定された該画像形成装置の状態を示す印刷可否記号を表示する表示部と
を有し、
前記サーバは、
前記設定データを前記情報処理装置へ送信する通信部
を有する情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置及び情報処理システムに関し、例えば携帯端末による画像形成装置の検索及び検索結果を表示する情報処理装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、サーバが携帯端末から画像形成装置の検索要求を受け取ると、画像形成装置を検索し、携帯端末の現在位置を中心として、検索により見つかった各画像形成装置の所在と共に種類及びステータスを表すアイコンが表示された地図画像をWebページとして生成し、該地図画像を携帯端末に送信して表示させることにより、携帯端末の近辺に存在する画像形成装置を提示する情報処理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなシステムにおいては、検索により見つけられた画像形成装置として表示する情報が簡素であったため、例えば、複数台設置された画像形成装置のうち、使用可能であり、且つ使用目的に合う画像形成装置を判別しにくいという問題があった。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、機能性を向上し得る情報処理装置及び情報処理システムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明の情報処理装置においては、周囲を撮影する撮影部と、撮影部が識別マーカーを撮影すると、該識別マーカーに設定されている情報から、画像形成装置が使用可能な状態であるかを示すステータス情報と、画像形成装置が有する印刷に関する機能を示す機能情報とを含む設定データを取得する設定データ取得部と、設定データに基づき、撮影部が撮影している周囲の様子を表示する撮影画面表示部内に存在する画像形成装置が使用可能な状態であるか否かを確認すると共に、画像形成装置に送信される印刷データにおいて設定されている印刷設定と、機能情報とに基づき、画像形成装置が印刷データの印刷設定に対応しているか否かを確認することにより、画像形成装置の状態を判定する判定部と、撮影画面表示部に重ねて、撮影画面表示部内に存在する画像形成装置の位置において、判定された該画像形成装置の状態を示す印刷可否記号を表示する表示部とを設けるようにした。
【0007】
また発明の情報処理システムにおいては、互いに通信可能な情報処理装置及びサーバを設け、情報処理装置は、周囲を撮影する撮影部と、撮影部が識別マーカーを撮影すると、該識別マーカーに設定されている情報から、画像形成装置が使用可能な状態であるかを示すステータス情報と、画像形成装置が有する印刷に関する機能を示す機能情報とを含む設定データをサーバから取得する設定データ取得部と、ステータス情報に基づき、撮影部が撮影している周囲の様子を表示する撮影画面表示部内に存在する画像形成装置が使用可能な状態であるか否かを確認すると共に、画像形成装置に送信される印刷データにおいて設定されている印刷設定と、機能情報とに基づき、画像形成装置が印刷データの印刷設定に対応しているか否かを確認することにより、画像形成装置の状態を判定する判定部と、撮影画面表示部に重ねて、撮影画面表示部内に存在する画像形成装置の位置において、判定された該画像形成装置の状態を示す印刷可否記号を表示する表示部とを有し、サーバは、設定データを情報処理装置へ送信する通信部を有するようにした。
【0008】
本発明は、使用可能であり、且つ使用目的に合う画像形成装置をユーザにひと目で認識させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、機能性を向上し得る情報処理装置及び情報処理システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】専用アプリの機能構成を示すブロック図である。
【
図7】ARマーカー及びARマーカー設定情報を示す図である。
【
図8】印刷処理手順(1)を示すフローチャートである。
【
図9】印刷処理手順(2)を示すフローチャートである。
【
図10】印刷処理手順(3)を示すフローチャートである。
【
図11】専用アプリにおける画面を示す図(1)であり、(A)及び(B)は印刷設定画面、(C)は印刷データ確認画面、(D)はカメラ起動確認画面である。
【
図12】専用アプリにおける画面を示す図(2)であり、(A)はカメラ動作中画面、(B)はARマーカー撮影中画面、(C)はマーカー読込画面、(D)はARマーカー撮影中画面である。
【
図13】専用アプリにおける画面を示す図(3)であり、(A)はマーカー読込画面、(B)は誘導画面、(C)は印刷実行確認画面、(D)は印刷可否提示画面である。
【
図14】専用アプリにおける画面を示す図(4)であり、(A)は印刷実行確認画面、(B)、(C)及び(D)は印刷可否提示画面である。
【
図15】専用アプリにおける印刷可否提示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.情報処理システムの構成]
図1に示すように、情報処理システム1は、画像形成装置2、携帯端末4及びサーバ6により構成されている。情報処理システム1においては、画像形成装置2と携帯端末4とが無線ネットワークである通信ネットワークNT1により接続されており、画像形成装置2とサーバ6とが無線ネットワーク又は有線ネットワークである通信ネットワークNT2により接続されており、携帯端末4とサーバ6とが無線ネットワークである通信ネットワークNT3により接続されている。
【0012】
画像形成装置2は、用紙に対し印刷を行うプリンタであり、
図1においては1台のみ図示するものの、例えば同一の社内に複数台が設置されている。またそれぞれの画像形成装置2は、画像形成装置2の現在の稼働状態等を示す装置設定12を記憶部11に記憶している。さらにそれぞれの画像形成装置2は、ネットワーク通信部10により通信ネットワークNT2を介してサーバ6へ自身の装置設定12を送信し、サーバ6における記憶部15に設定データ16として保存すると共に、定期的に装置設定12を送信することにより、設定データ16を更新する。
【0013】
携帯端末4は、例えばスマートフォン等の可搬型機器であり、画像形成装置2を使用するユーザにより把持されて持ち運ばれる。また携帯端末4は、ネットワーク通信部21により通信ネットワークNT1を介して画像形成装置2を検索する。さらに携帯端末4は、ネットワーク通信部21により通信ネットワークNT3を介してサーバ6から設定データ16を取得する。
【0014】
サーバ6は、例えばパーソナルコンピュータであり、ネットワーク通信部14により通信ネットワークNT2を介してそれぞれの画像形成装置2から装置設定12を受信すると記憶部15に設定データ16として保存する。またサーバ6は、ネットワーク通信部14により通信ネットワークNT3を介して携帯端末4へ設定データ16を送信する。
【0015】
[2.携帯端末の構成]
図2に示すように、携帯端末4は、CPU20、ネットワーク通信部21、GPS通信部22、カメラ23、内部ストレージ24及び表示操作部25により構成されている。
【0016】
CPU(Central Processing Unit)は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等でなる内部ストレージ24から所定のプログラムを読み出して実行することにより種々の処理を行い、携帯端末4全体を統括制御すると共に、
図5に示す専用アプリ26を実行する。ネットワーク通信部21は、通信ネットワークNT1を介して画像形成装置2と通信を行うと共に、通信ネットワークNT3を介してサーバと通信を行う。
【0017】
GPS通信部22は、携帯端末4の現在の位置情報を取得する。カメラ23は、携帯端末4の周囲を撮影する。内部ストレージ24は、印刷ファイル等を記憶している。表示操作部25は、例えばタッチパネルにより構成されており、ユーザへ情報を出力すると共に、ユーザからの操作入力を取得する。
【0018】
[3.専用アプリの構成]
専用アプリ26は、
図7に示すようなAR(Augmented Reality(拡張現実))マーカー40をユーザに撮影させ画像形成装置2を検索し画像形成装置2を用いて印刷を行う専用のアプリケーションである。この専用アプリ26は、
図3に示すように、制御部30、表示部31、入力部32、印刷データ設定部33、記憶部35、位置方向特定部36、状態特定部37及び撮影部38により構成されている。
【0019】
制御部30は、表示部31、入力部32、印刷データ設定部33、記憶部35、位置方向特定部36、状態特定部37及び撮影部38を制御する。表示部31は、専用アプリ26における各画面を表示操作部25(
図2)に表示させる。入力部32は、表示操作部25(
図2)からユーザの操作入力を取得する。印刷データ設定部33は、画像形成装置2に送信する印刷データ34を設定する。位置方向特定部36は、GPS通信部22(
図2)と、図示しない磁気センサーとを用いて、携帯端末4の現在位置を示す位置座標と携帯端末4が向いている方向(方角)とを特定し更新する。状態特定部37は、画像形成装置2の状態を特定する。撮影部38は、カメラ23(
図2)を制御し、携帯端末4の周囲を撮影して撮影データを取得する。
【0020】
記憶部35は、
図6に示す特定テーブル39を記憶していると共に、サーバ6から受信した
図5に示す設定データ16を記憶する。特定テーブル39は、画像形成装置2の現在の状態を特定し、その状態に応じて、画像形成装置2の状態が専用アプリ26に表示されたときの印刷可否記号SB(後述する)を特定するためのテーブルである。
【0021】
特定テーブル39は、「電源」、「ネットワーク」、「機能」、「印刷データ」、「状態」、「印刷可否記号」及び「色」の情報を有している。「電源」は、画像形成装置2の電源が投入されているか否かを示している。「ネットワーク」は、画像形成装置2が携帯端末4と同じネットワーク上に存在するか否かを示している。「機能」は、画像形成装置2において対応可能な印刷に関する機能を示している。「印刷データ」は、印刷データ34の印刷設定において設定されている、ユーザが希望する印刷設定を示している。「状態」は、「電源」、「ネットワーク」、「機能」及び「印刷データ」に応じ設定されており、印刷データ34の印刷設定通りに画像形成装置2において印刷可能であるかを示している。この「状態」は、印刷可能状態、制限付き印刷可能状態及び印刷不能状態の何れかが設定される。
【0022】
印刷可能状態は、ユーザが印刷を希望する印刷データ34の印刷設定通りに画像形成装置2において印刷可能な状態であることを示している。例えば、「電源」が「オン」、「ネットワーク」が「携帯端末と同じネットワーク」、「機能」が「カラー」、「印刷データ」が「カラー」である場合、「状態」が「印刷可能状態」となる。これは、画像形成装置2の電源が投入されており、その画像形成装置2は印刷データ34送信元の携帯端末4と同じネットワークに属しており、その画像形成装置2はカラー印刷が可能であり、印刷データ34送信元の携帯端末4が印刷しようとしている印刷データ34の印刷設定においてカラーが指定されているため、この画像形成装置2は、ユーザが印刷を希望する印刷データ34の印刷設定通りに印刷可能な状態であることを示している。
【0023】
制限付き印刷可能状態は、制限付きではあるものの、ユーザが印刷を希望する印刷データ34の概ね印刷設定通りに画像形成装置2において印刷可能な状態であることを示している。例えば、「電源」が「オン」、「ネットワーク」が「携帯端末と同じネットワーク」、「機能」が「モノクロ」、「印刷データ」が「カラー」である場合、「状態」が「制限付き印刷可能状態」となる。これは、画像形成装置2の電源が投入されており、その画像形成装置2は印刷データ34送信元の携帯端末4と同じネットワークに属しており、その画像形成装置2はカラー印刷が不能でありモノクロ印刷が可能であり、印刷データ34送信元の携帯端末4が印刷しようとしている印刷データ34の印刷設定においてカラーが指定されているため、この画像形成装置2は、印刷データ34をカラー画像ではなくモノクロ画像として印刷するものの、印刷設定で指定された設定と互換性を有する機能を有しており、概ねユーザが印刷を希望する印刷データ34の印刷設定通りに印刷可能な状態であることを示している。
【0024】
印刷不能状態は、ユーザが印刷を希望する印刷データ34の印刷設定通りに画像形成装置2において印刷不能な状態であることを示している。例えば、「電源」が「オフ」、「ネットワーク」が「携帯端末と同じネットワーク」である場合、「状態」が「印刷不能状態」となる。これは、画像形成装置2が印刷データ34送信元の携帯端末4と同じネットワークに属しているものの、画像形成装置2の電源が投入されていないため、この画像形成装置2は、ユーザが印刷を希望する印刷データ34の印刷設定通りに印刷不能な状態であることを示している。また例えば、「電源」が「オン」、「ネットワーク」が「携帯端末と異なるネットワーク」である場合、「状態」が「印刷不能状態」となる。これは、画像形成装置2の電源が投入されているものの、この画像形成装置2が印刷データ34送信元の携帯端末4と異なるネットワークに属しているため、この画像形成装置2は、この携帯端末4からは、印刷データ34の印刷が不能な状態であることを示している。
【0025】
「印刷可否記号」は、カメラ23により撮影され表示操作部25に表示された、携帯端末4の周囲の風景に画像形成装置2の状態をARで示す際の印刷可否記号SBを示している。この「印刷可否記号」は、「状態」と対応している。「状態」が「印刷可能状態」である場合、「印刷可否記号」は「○」となる。「状態」が「制限付き印刷可能状態」である場合、「印刷可否記号」は「△」となる。「状態」が「印刷不能状態」である場合、「印刷可否記号」は「×」となる。「色」は、印刷可否記号SBの色を示している。「制限付き印刷可能状態」の場合、印刷可否記号SBの色は、制限付きとなる要因に応じて互いに異なる色に設定されている。
【0026】
[4.専用アプリの機能構成について]
ここで、専用アプリ26における印刷処理に関係する基本的な機能を機能ブロック図により表すと、
図4のようになる。制御部30(
図3)は、所定の印刷処理プログラムを実行することにより、撮影部50、設定データ取得部52、判定部54及び表示部56の各機能ブロックを実現する。
【0027】
撮影部50は、撮影部38と対応しており、周囲を撮影する。設定データ取得部52は、制御部30(
図3)及びネットワーク通信部21(
図2)と対応しており、撮影部50が識別マーカーとしてのARマーカー40(
図7)を撮影すると、該ARマーカー40に設定されている情報であるARマーカー設定情報42(
図7)に含まれるサーバアドレスから、画像形成装置2が使用可能な状態であるかを示すステータス情報と、画像形成装置2が有する印刷に関する機能を示す機能情報とを含む設定データ16(
図5)を取得する。
【0028】
判定部54は、状態特定部37(
図3)と対応しており、設定データに基づき、撮影部50が撮影している周囲の様子を表示する撮影画面表示部SH3(
図13(B))内に存在する画像形成装置2が使用可能な状態であるか否かを確認すると共に、機能情報と、画像形成装置2に送信される印刷データ34において設定されている印刷設定とに基づき、画像形成装置2が印刷データ34の印刷設定に対応しているか否かを確認することにより、画像形成装置2の状態を判定する。
【0029】
表示部56は、表示部31(
図3)と対応しており、撮影画面表示部SH3に重ねて、撮影画面表示部SH3内に存在する画像形成装置2の位置において、判定された該画像形成装置2の状態を示す印刷可否記号SB(
図13(D))を表示する。
【0030】
[5.設定データについて]
かかる構成において、それぞれの画像形成装置2は、記憶部11の装置設定12をサーバ6へ通信ネットワークNT2を介して定期的に送信することにより、設定データ16として記憶部15に保存する。この設定データ16には、「192.168.xxx.yyy」というアドレスが割り当てられている。
図5に示すように、設定データ16は、例えば同一の社内に設置された複数の画像形成装置2の設定情報と、社内のフロアのランドマークに貼り付けられた複数のARマーカー40の設定情報が含まれている。
【0031】
この設定データ16は、例えば、「識別子」、「ステータス」、「設置階層」、「位置座標」、「IPアドレス」及び「機能」の情報を有している。また、図示しないものの、設定データ16は、画像形成装置2において現在発生しているエラーの種類を特定する情報も有している。
【0032】
「識別子」は、画像形成装置2及びARマーカー40毎に固有の文字列を示している。Device1、Device2、Device3、Device4、Device5及びDevice6は、それぞれ、画像形成装置2a、2b、2c、2d、2e及び2f(図示せず)の識別子を示している。以下では、画像形成装置2a、2b、2c、2d、2e及び2fをまとめて画像形成装置2とも呼ぶ。またMarker1及びMarker2は、それぞれ、ARマーカー40a及び40b(図示せず)の識別子を示している。以下では、ARマーカー40a及び40bをまとめてARマーカー40とも呼ぶ。
【0033】
「ステータス」は、画像形成装置2の稼働状態を示しており、「オンライン」は、通信可能であり印刷可能である状態、「オフライン」は、通信可能であるもののエラーが発生しており印刷不可である状態、「--」は、画像形成装置2の電源が投入されていない状態を示している。「設置階層」は、画像形成装置2が設置されている階層を示している。「位置座標」は、画像形成装置2が設置されている場所の緯度及び経度を示している。「IPアドレス」は、画像形成装置2のIPアドレスを示している。このIPアドレスは、画像形成装置2が携帯端末4と同じネットワーク上にあるか否かが判定される際に用いられる。
【0034】
「機能」は、両面印刷ユニットの有無やそれぞれのトレイの用紙サイズ等の画像形成装置2の機能を示している。この「機能」により示される機能情報は、ユーザが印刷を希望する印刷データ34の印刷設定と比較され、その印刷設定通りに画像形成装置2で印刷することが可能であるか否かが判定される際に用いられる。
【0035】
例えば画像形成装置2bの場合、「識別子」は画像形成装置2bの識別子である「Device2」が、「ステータス」は画像形成装置2bが現在オンラインであるため「オンライン」が、「設置階層」は画像形成装置2bが設置されている階層である「3F」が、「位置座標」は画像形成装置2bが設置されている場所の緯度及び経度が、「IPアドレス」は画像形成装置2bのIPアドレスが、「機能」は画像形成装置2bが両面印刷ユニットを有しているため「両面印刷ユニット」として「有」、トレイ1の用紙サイズがA4であるため「トレイ1用紙サイズ」として「A4」が設定されている。
【0036】
それぞれの画像形成装置2は、記憶部11の装置設定12をサーバ6へ通信ネットワークNT2を介して定期的に送信することにより、設定データ16における自身の識別子の行の情報を更新する。またそれぞれの画像形成装置2は、トレイが開いている等、現在印刷できないエラーが発生している場合、そのエラーを示す情報もサーバ6へ通信ネットワークNT2を介して送信することにより、設定データ16における自身の識別子の行の情報を更新する。
【0037】
またARマーカー40の設定情報は、例えば、ARマーカー40が貼り付けられているランドマークが設置されている階層を示す「設置階層」と、ARマーカー40が貼り付けられているランドマークが設置されている場所の緯度及び経度を示す「位置座標」とを有している。
【0038】
例えばARマーカー40aの場合、「識別子」はARマーカー40aの識別子である「Marker1」が、「ステータス」、「IPアドレス」及び「機能」はARマーカー40の場合は空欄である「--」が、「設置階層」はARマーカー40aが貼り付けられているランドマークが設置されている階層である「3F」が、「位置座標」はARマーカー40aが貼り付けられているランドマークが設置されている場所の緯度及び経度が設定されている。設定データ16におけるARマーカー40の行の情報は、予めサーバ6が保持している。
【0039】
[6.ARマーカーについて]
ARマーカー40は、フロア上のランドマーク又は画像形成装置2に貼り付けられており、模様に応じて、異なる情報が予め設定されている。
図7に示すように、ARマーカー40に含まれる情報であるARマーカー設定情報42は、「識別子」、「設置階層」、「位置座標」及び「サーバアドレス」の情報を有している。
【0040】
「識別子」は、ARマーカー40が貼り付けられたランドマーク又は画像形成装置2毎に固有の文字列を示している。「設置階層」は、ARマーカー40が貼り付けられたランドマーク又は画像形成装置2が設置されている階層を示している。「位置座標」は、ARマーカー40が貼り付けられたランドマーク又は画像形成装置2が設置されている場所の緯度及び経度を示している。「サーバアドレス」は、サーバ6における記憶部15の設定データ16(
図1)のアドレスを示している。携帯端末4は、サーバアドレスで示されるアドレスにアクセスすることにより、サーバ6における記憶部15の設定データ16を取得する。
【0041】
例えば画像形成装置2bの筐体に貼り付けられたARマーカー40のARマーカー設定情報42の場合、
図7に示すように、「識別子」は画像形成装置2bの識別子である「Device2」が、「設置階層」は画像形成装置2bが設置されている階層である「3F」が、「位置座標」は画像形成装置2bが設置されている場所の緯度及び経度が設定されている。
【0042】
また例えば3Fのフロアのランドマークに貼り付けられたARマーカー40のARマーカー設定情報42の場合、図示しないものの、「識別子」はフロア上のランドマークの識別子である「Marker1」が、「設置階層」はフロア上のランドマークが設置されている階層である「3F」が、「位置座標」はフロア上のランドマークが設置されている場所の緯度及び経度が設定されている。
【0043】
[7.印刷処理]
次に、携帯端末4の制御部30により実行される、カメラ23で撮像した携帯端末4の周囲の映像をユーザに確認させつつ画像形成装置2を検索し、画像形成装置2を用いて印刷を行う処理である印刷処理の具体的な処理手順である印刷処理手順RT1について、
図8、
図9及び
図10のフローチャートを用いて説明する。制御部30は、ユーザによって専用アプリ26が起動されると、印刷処理手順RT1を開始し、ステップSP1へ移る。この印刷処理手順RT1において制御部30は、ステップSP1~SP6において、印刷データ34をユーザにより設定させてからカメラ23を起動する印刷設定処理を行い、ステップSP7~SP21において、カメラ23を起動した後に、画像形成装置2の位置をユーザに提示し、画像形成装置2へ印刷データ34を送信して画像形成装置2において印刷データ34を印刷する印刷処理を行う。
【0044】
ステップSP1において制御部30は、通信ネットワークNT1を介して、例えば同一の会社内のうちの同一の部署内等の同一ネットワーク上にある画像形成装置2の検索を行って検索結果を画像形成装置検索結果情報として記憶部35に保存し、ステップSP2へ移る。このとき制御部30は、バックグラウンドでこの処理を行い、表示操作部25にはこの処理の内容は表示させない。具体的に制御部30は、応答を要求する信号を送信し、応答があった同一ネットワーク上の画像形成装置2の識別子(例えば、Device1やDevice2等)を画像形成装置検索結果情報として記憶部35に保存し、ステップSP2へ移る。このとき、携帯端末4と異なるネットワーク上にある画像形成装置2と、携帯端末4と同一のネットワーク上にあるものの電源が投入されていない画像形成装置2とからは応答がないため、これらの画像形成装置2の識別子は画像形成装置検索結果情報としては記憶部35に保存されない。
【0045】
ステップSP2において制御部30は、印刷データ34をユーザに設定させる。具体的にステップSP2において制御部30は、表示操作部25に
図11(A)に示す印刷設定画面DIP1を表示部31により表示させる。印刷設定画面DIP1と後述する印刷設定画面DIP2とは、ユーザの操作に基づき印刷データ34を設定する、専用アプリ26における画面である。印刷設定画面DIP1においてフォルダ開ボタンBT1がユーザにより押下されると、制御部30は、内部ストレージ24を参照してフォルダ内のファイルをユーザに提示し、印刷対象のファイルである印刷ファイルをユーザに選択させる。印刷ファイルがユーザにより選択されると、制御部30は、表示操作部25に
図11(B)に示す印刷設定画面DIP2を表示部31により表示させる。この印刷設定画面DIP2は、印刷プレビュー表示部SH1に印刷プレビューを表示する。印刷設定画面DIP2の印刷設定選択部SL1における各印刷設定項目が設定され、次ボタンBT2がユーザにより押下されると、制御部30は、表示操作部25に
図11(C)に示す印刷データ確認画面DIP3を表示部31により表示させる。この印刷データ確認画面DIP3は、印刷設定画面DIP2(
図11(B))においてユーザにより設定された印刷設定をユーザに確認させる画面であり、設定された印刷設定を印刷設定表示部SH2として表示する。ユーザは、印刷設定表示部SH2に表示された印刷設定で印刷を行う場合、OKボタンBT3を押下する。一方、ユーザは、印刷設定表示部SH2に表示された印刷設定で印刷を行わない場合、キャンセルボタンBT4を押下する。
【0046】
ステップSP3において制御部30は、印刷設定が完了したか否かを判定する。印刷データ確認画面DIP3においてOKボタンBT3がユーザにより押下されると、制御部30は、ステップSP3において肯定結果を得て、ステップSP4へ移る。一方、印刷データ確認画面DIP3においてキャンセルボタンBT4がユーザにより押下されると、制御部30は、ステップSP3において否定結果を得て、ステップSP2へ戻り、上述した処理を繰り返す。ステップSP4において制御部30は、印刷データ34を印刷データ設定部33へ保存し、ステップSP5へ移る。
【0047】
ステップSP5において制御部30は、表示操作部25に
図11(D)に示すカメラ起動確認画面DIP4を表示部31により表示させ、印刷データ34を印刷する画像形成装置2を指定するためにカメラ23を起動するか否かをユーザに選択させる。カメラ起動確認画面DIP4は、印刷データ確認画面DIP3(
図11(C))に重ねて、カメラ23を起動するか否かをユーザに選択させるカメラ起動選択部SL2を表示している。ユーザは、印刷する画像形成装置2を指定するためにカメラ23を起動する場合、カメラ起動ボタンBT5を押下する。一方、ユーザは、印刷する画像形成装置2を指定するためにカメラ23を起動しない場合、キャンセルボタンBT6を押下する。カメラ起動確認画面DIP4においてカメラ起動ボタンBT5がユーザにより押下されると、制御部30は、ステップSP6において肯定結果を得て、ステップSP6へ移る。一方、カメラ起動確認画面DIP4においてキャンセルボタンBT6がユーザにより押下されると、制御部30は、ステップSP6において否定結果を得て、ステップSP2へ戻り、上述した処理を繰り返す。ステップSP6において制御部30は、撮影部38によりカメラ23を起動し、ステップSP7(
図9)へ移る。
【0048】
ステップSP7において制御部30は、表示操作部25に
図12(A)に示すカメラ動作中画面DIP11を表示部31により表示させることにより、携帯端末4がARマーカー40にかざされるまで待機し、ステップSP8へ移る。このカメラ動作中画面DIP11は、カメラ動作中の画面であり、カメラ23が現在撮影している周囲の様子を映す撮影画面表示部SH3を表示しており、撮影画面表示部SH3に重ねて、カメラ23がARマーカー40にかざされるまで待機していることを示すメッセージMS1を表示している。またカメラ動作中画面DIP11は、撮影画面表示部SH3よりも下側において、携帯端末4の外カメラと内カメラとが切り替えられる際に押下されるカメラ切替ボタンBT7を左側に、カメラ23がかざされたARマーカー40が読み取られる際に押下される認識ボタンBT8を中央部に、カメラ動作が終了される際に押下されるカメラ終了ボタンBT9を右側に、それぞれ配置している。
【0049】
ステップSP8において制御部30は、携帯端末4がARマーカー40にかざされたか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、制御部30は、ステップSP9へ移る。一方、ステップSP8において否定結果が得られると、制御部30は、ステップSP7へ戻り、携帯端末4がARマーカー40にかざされるまで待機する。
【0050】
上述したように、ARマーカー40は、フロア上のランドマーク又は画像形成装置2に貼り付けられている。まず、フロア上のランドマークのARマーカー40に携帯端末4がかざされ、制御部30がARマーカー40を認識した場合、ステップSP9において制御部30は、表示操作部25に、フロア上にあるARマーカー40が貼り付けられているランドマークを撮影している時の画面である
図12(B)に示すARマーカー撮影中画面DIP12を表示部31により表示させ、ユーザにより認識ボタンBT8が押下されるまで待機する。ARマーカー撮影中画面DIP12は、認識されたARマーカー40を囲うように認識マークMK1を表示している。ユーザにより認識ボタンBT8が押下されると、制御部30は、ステップSP10へ移り、表示操作部25に
図12(C)に示すマーカー読込画面DIP13を表示部31により表示させ、ARマーカー40の読み込みを開始する。
【0051】
一方、画像形成装置2に貼り付けられたARマーカー40に携帯端末4がかざされ、制御部30がARマーカー40を認識した場合、ステップSP9において制御部30は、表示操作部25に、ARマーカー40が貼り付けられている画像形成装置2を撮影している時の画面である
図12(D)に示すARマーカー撮影中画面DIP14を表示部31により表示させ、ユーザにより認識ボタンBT8が押下されるまで待機する。ARマーカー撮影中画面DIP14は、認識されたARマーカー40を囲うように認識マークMK1を表示している。ユーザにより認識ボタンBT8が押下されると、制御部30は、ステップSP10へ移り、表示操作部25に
図13(A)に示すマーカー読込画面DIP15を表示部31により表示させ、ARマーカー40の読み込みを開始する。
【0052】
ステップSP10において制御部30は、ARマーカー40から取得したサーバアドレス(
図7)により示されるサーバ6へ通信ネットワークNT3を介して接続して設定データ16を取得して記憶部35へ保存し、ステップSP11へ移る。
【0053】
ステップSP11において制御部30は、ステップSP10において取得した設定データ16を参照し、ステップSP1(
図8)において記憶部35に保存した画像形成装置検索結果情報を取得する。続いて制御部30は、設定データ16に含まれる、画像形成装置検索結果情報により示される識別子が付された画像形成装置2における設置階層と、位置座標と、携帯端末4の位置方向特定部36とを利用して、表示操作部25に
図13(B)に示す誘導画面DIP16を表示部31により表示させ、ステップSP12へ移る。誘導画面DIP16は、撮影画面表示部SH3に重ねて、携帯端末4の現在位置を中心とした、検索された各画像形成装置2が配置された方向を示す矢印ARRl及びARRrをARで表示している。ここでは、ユーザは3Fにおり、同階層に設置された2台の画像形成装置2b及び2d(Device2及びDevice4)それぞれの、ユーザの現在位置に対する方向を示す矢印ARRl及びARRrが表示されている。以下では、矢印ARRl及びARRrをまとめて方向指示部としての矢印ARRとも呼ぶ。制御部30は、ユーザが移動する度に矢印ARRの向きを位置方向特定部36により特定された携帯端末4の位置及び方向に基づき更新する。ユーザは、矢印ARRを辿ることで、印刷先とする画像形成装置2の位置まで行くことができる。
【0054】
また、検索された画像形成装置2のうちユーザとは別階層に位置している画像形成装置2が存在する場合、誘導画面DIP16は、撮影画面表示部SH3に重ねて、検索された画像形成装置2のうちユーザとは別階層に位置している画像形成装置2a及び2c(Device1及びDevice3)の名称(識別子)及び階層を示す別階層表示部SH4を表示する。
【0055】
ステップSP12において制御部30は、現在矢印ARRで案内している画像形成装置2において印刷データ34の印刷設定通りに印刷することが可能であるか否かを状態特定部37により特定された携帯端末4の状態に基づき判定し、ステップSP13へ移る。具体的に制御部30は、設定データ16に含まれる、矢印ARRで案内している画像形成装置2(すなわち画像形成装置2b及び2d)の識別子に対応した「機能」を参照し、記憶部35に保存している印刷データ34の印刷設定の機能を画像形成装置2が有しているか否かを確認する。
【0056】
例えば、画像形成装置2が両面印刷ユニットを有しトレイ1用紙サイズがA4であり、印刷データ34の印刷設定でA4用紙での両面印刷が指定されている場合、制御部30は、特定テーブル39を参照し、その画像形成装置2は印刷データ34の印刷設定の機能を有しており、印刷データ34の印刷設定通りに印刷することが可能であると判定する。これにより制御部30は、その画像形成装置2の状態が印刷可能状態であると特定する。
【0057】
一方、例えば、画像形成装置2が両面印刷ユニットを有しておらずトレイ1用紙サイズがA4であり、印刷データ34の印刷設定でA4用紙での両面印刷が指定されている場合、片面で印刷を行うこと自体は可能であるため、制御部30は、特定テーブル39を参照し、その画像形成装置2は印刷データ34の印刷設定の機能を完全ではないが概ね有しており、印刷データ34の概ね印刷設定通りに印刷することが可能であると判定する。これにより制御部30は、その画像形成装置2の状態が制限付き印刷可能状態であると特定する。
【0058】
ステップSP13において制御部30は、特定テーブル39の「印刷可否記号」及び「色」を参照し、誘導画面DIP16において矢印ARRで案内している画像形成装置2の位置に、該画像形成装置2の状態に対応する印刷可否記号SBをARで表示し、ステップSP14(
図9)へ移る。なおこのとき誘導画面DIP16は、撮影画面表示部SH3に重ねて、矢印ARR、印刷可否記号SB及び別階層表示部SH4をARで表示し続けている。ユーザは、誘導画面DIP16に表示された「○」又は「△」の印刷可否記号SBを押下することにより、その印刷可否記号SBが表示された位置に設置されている画像形成装置2を利用して印刷データ34の印刷を行うことが可能である。
【0059】
これ以降、何れかのARマーカー40に再度携帯端末4がかざされ、ARマーカー40の読み込みを再度行うまで、制御部30は、表示操作部25に誘導画面DIP16を表示させ続ける。制御部30は、ユーザが移動する度に矢印ARRの位置を位置方向特定部36により特定された携帯端末4の位置及び方向に基づき更新する。ユーザは、矢印ARRを見ることで、印刷先とする画像形成装置2が設置されている位置の方向を認識できる。なおステップSP11の説明においては、フロア上のランドマークに貼り付けられたARマーカー40に携帯端末4がかざされた場合について説明したが、画像形成装置2に貼り付けられたARマーカー40に携帯端末4がかざされた場合も、制御部30は、
図13(D)に示すように、例えば矢印ARRr及び印刷可否記号SBを表示させる。
【0060】
ステップSP14において制御部30は、誘導画面DIP16において印刷可否記号SBがユーザにより押下されると、表示操作部25に
図13(C)に示す印刷実行確認画面DIP17を表示部31により表示させ、ユーザが押下した印刷可否記号SBが表示された位置に設置されている画像形成装置2において印刷を行うか否かをユーザに選択させる。印刷実行確認画面DIP17は、誘導画面DIP16(
図13(B))に重ねて、ユーザが押下した印刷可否記号SBが表示された位置に設置されている画像形成装置2において印刷を行うか否かをユーザに選択させる印刷実行選択部SL3を表示している。ユーザは、ユーザが押下した印刷可否記号SBが表示された位置に設置されている画像形成装置2において印刷を行う場合、OKボタンBT10を押下する。一方、ユーザは、ユーザが押下した印刷可否記号SBが表示された位置に設置されている画像形成装置2において印刷を行わない場合、キャンセルボタンBT11を押下する。印刷実行確認画面DIP17においてOKボタンBT10がユーザにより押下されると、制御部30は、ステップSP14において肯定結果を得て、ステップSP21へ移る。
【0061】
ステップSP21において制御部30は、ユーザが押下した印刷可否記号SBが表示された位置に設置されている画像形成装置2へ印刷データ34を通信ネットワークNT1を介して送信することにより、画像形成装置2において印刷を行わせ、ステップSP22へ移り印刷処理手順RT1を終了する。
【0062】
一方、印刷実行確認画面DIP17においてキャンセルボタンBT11がユーザにより押下されると、制御部30は、ステップSP14において否定結果を得て、矢印ARR及び印刷可否記号SBによりユーザに対する画像形成装置2の位置までの案内を続行しつつ、ステップSP15へ移る。
【0063】
ステップSP15において制御部30は、設定データ16の識別子を参照することにより、ステップSP10(
図9)において読み込んだARマーカー40が画像形成装置2に貼り付けられたARマーカー40であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このとき制御部30は、ステップSP16へ移る。一方、ステップSP15において否定結果が得られると、このとき制御部30は、矢印ARR及び印刷可否記号SBによりユーザに対する画像形成装置2の位置までの案内を続行しつつ、ステップSP8へ戻る。
【0064】
ステップSP16において制御部30は、読み込んだARマーカー40が貼り付けられた画像形成装置2において印刷データ34の印刷設定通りに印刷することが可能であるか否かをステップSP12(
図9)と同様に状態特定部37により特定された携帯端末4の状態に基づき判定し、ステップSP17へ移る。具体的に制御部30は、設定データ16に含まれる、読み込んだARマーカー40が貼り付けられた画像形成装置2の識別子に対応した「機能」を参照し、記憶部35に保存している印刷データ34の印刷設定の機能を画像形成装置2が有しているか否かを確認する。またこのとき制御部30は、設定データ16に含まれる、読み込んだARマーカー40が貼り付けられた画像形成装置2の識別子に対応した「ステータス」を参照し、画像形成装置2においてエラーが発生しているか否かを確認する。
【0065】
[7-1.画像形成装置の状態に応じた処理]
以下のステップSP17~SP22における処理については、読み込んだARマーカー40が貼り付けられた画像形成装置2の状態が、印刷可能状態、ユーザ操作要印刷可能状態、制限付き印刷可能状態又は印刷不能状態のそれぞれの場合について説明する。なおフローチャートにおいては図示しないものの、印刷処理手順RT1の実行中においてユーザによって専用アプリ26が終了されると、制御部30は、ステップSP22へ移り印刷処理手順RT1を終了する。
【0066】
[7-1-1.印刷可能状態の場合]
まず、画像形成装置2が印刷可能状態である場合について説明する。この場合、ステップSP17において制御部30は、表示操作部25に
図13(D)に示す印刷可否提示画面DIP18を表示部31により表示させ、ステップSP18へ移る。印刷可否提示画面DIP18は、撮影画面表示部SH3に重ねて大きく印刷可否記号SBをARで表示する。なおこのとき印刷可否提示画面DIP18は、撮影画面表示部SH3に重ねて、矢印ARR及び別階層表示部SH4をARで表示し続けている。
【0067】
設定データ16(
図5)及び特定テーブル39(
図6)を参照し、画像形成装置2が印刷可能状態である場合、ステップSP17において制御部30は、印刷可否記号SBとして、
図13(D)に示すように、この画像形成装置2であれば印刷データ34の印刷設定通りに印刷可能であることを示す「〇」を表示させる。さらに印刷可否提示画面DIP18は、撮影画面表示部SH3に重ねて、印刷可能な状態であるか否かを示す状態メッセージMS2を表示し、今回の例においては、印刷可能であることを状態メッセージMS2に表示する。
【0068】
ステップSP18において制御部30は、画像形成装置2に貼り付けられたARマーカー40から取得したサーバアドレス(
図7)により示されるサーバ6へ通信ネットワークNT3を介して接続して設定データ16を取得して記憶部35へ保存し、ステップSP19へ移る。
【0069】
ステップSP19において制御部30は、画像形成装置2が印刷不能状態ではないか否かを状態特定部37により判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、携帯端末4がかざされた画像形成装置2において印刷データ34を期待通りに印刷可能であることを表し、このとき制御部30は、ステップSP20へ移る。一方、ステップSP19において否定結果が得られると、このことは、携帯端末4がかざされた画像形成装置2において印刷データ34を期待通りに印刷不能であることを表し、このとき制御部30は、矢印ARR及び印刷可否記号SBによりユーザに対する画像形成装置2の位置までの案内を続行しつつ、ステップSP8(
図9)へ戻る。この例においては、画像形成装置2が印刷可能状態であるため、ステップSP19において制御部30は肯定結果を得て、ステップSP20へ移る。ユーザは、印刷可否提示画面DIP18に表示された「○」又は「△」の印刷可否記号SBを押下することにより、その印刷可否記号SBが表示された位置に設置されている画像形成装置2を利用して印刷データ34の印刷を行うことが可能である。この例においては、ユーザは、印刷可否提示画面DIP18に表示された「○」の印刷可否記号SBを押下することにより、その印刷可否記号SBが表示された位置に設置されている画像形成装置2を利用して印刷データ34の印刷を行うことが可能である。
【0070】
ステップSP20において制御部30は、印刷可否提示画面DIP18において「○」の印刷可否記号SBがユーザにより押下されると、表示操作部25に
図14(A)に示す印刷実行確認画面DIP19を表示部31により表示させ、印刷実行確認画面DIP19に映っている画像形成装置2において印刷を行うか否かをユーザに選択させる。印刷実行確認画面DIP19は、印刷可否提示画面DIP18(
図13(D))に重ねて、印刷実行確認画面DIP19に映っている画像形成装置2において印刷を行うか否かをユーザに選択させる印刷実行選択部SL3を表示している。ユーザは、印刷実行確認画面DIP19に映っている画像形成装置2において印刷を行う場合、OKボタンBT10を押下する。一方、ユーザは、印刷実行確認画面DIP19に映っている画像形成装置2において印刷を行わない場合、キャンセルボタンBT11を押下する。印刷実行確認画面DIP19においてOKボタンBT10がユーザにより押下されると、制御部30は、ステップSP20において肯定結果を得て、ステップSP21へ移る。一方、印刷実行確認画面DIP19においてキャンセルボタンBT11がユーザにより押下されると、制御部30は、ステップSP20において否定結果を得て、矢印ARR及び印刷可否記号SBによりユーザに対する画像形成装置2の位置までの案内を続行しつつ、ステップSP8(
図9)へ戻る。
【0071】
ステップSP21において制御部30は、印刷実行確認画面DIP19に映っておりユーザが押下した印刷可否記号SBが表示された位置に設置されている画像形成装置2へ印刷データ34を通信ネットワークNT1を介して送信することにより、画像形成装置2において印刷を行わせ、ステップSP22へ移り印刷処理手順RT1を終了する。
【0072】
[7-1-2.ユーザ操作要印刷可能状態の場合]
次に、画像形成装置2がユーザ操作要印刷可能状態である場合について説明する。このユーザ操作要印刷可能状態は、画像形成装置2は印刷データ34を印刷設定通り印刷する機能を有しているものの、ステータスがオフラインであり画像形成装置2において印刷を行うためにはユーザの操作が必要な状態である。この場合、ステップSP17において制御部30は、表示操作部25に
図14(B)に示す印刷可否提示画面DIP20を表示部31により表示させ、ステップSP18へ移る。印刷可否提示画面DIP20は、撮影画面表示部SH3に重ねて大きく印刷可否記号SBをARで表示する。なおこのとき印刷可否提示画面DIP20は、撮影画面表示部SH3に重ねて、矢印ARR及び別階層表示部SH4をARで表示し続けている。
【0073】
設定データ16(
図5)を参照し、画像形成装置2がエラー発生中でありユーザ操作要印刷可能状態である場合、ステップSP17において制御部30は、印刷可否記号SBとして、
図14(B)に示すように、現在エラー発生中でありこのままでは印刷できないがエラーとなっている原因をユーザの操作により解消すれば、この画像形成装置2であれば印刷データ34を印刷設定通り印刷することが可能であることを示す、「○」の内部に「!」を加えた記号を表示させる。さらに印刷可否提示画面DIP20は、今回の例においては、トレイが開いていることを状態メッセージMS2に表示する。
【0074】
ステップSP18において制御部30は、画像形成装置2に貼り付けられたARマーカー40から取得したサーバアドレスにより示されるサーバ6へ通信ネットワークNT3を介して接続して設定データ16を取得して記憶部35へ保存し、ステップSP19へ移る。例えばユーザによりトレイが閉じられ、エラーが解消すると、設定データ16における画像形成装置2の「ステータス」が「オンライン」に変化する。制御部30は、設定データ16(
図5)及び特定テーブル39(
図6)を参照し、画像形成装置2が印刷可能状態となった場合、ステップSP17において制御部30は、印刷可否提示画面DIP20に表示させる印刷可否記号SBを、「○」の内部に「!」を加えた記号から、「○」へ変更する。
【0075】
エラーが解消すると、ステップSP19、SP20及びSP21において制御部30は、上述した印刷可能状態の場合と同様の処理を行い、ステップSP22へ移り印刷処理手順RT1を終了する。
【0076】
[7-1-3.制限付き印刷可能状態の場合]
次に、画像形成装置2が制限付き印刷可能状態である場合について説明する。この場合、ステップSP17において制御部30は、表示操作部25に
図14(C)に示す印刷可否提示画面DIP21を表示部31により表示させ、ステップSP18へ移る。印刷可否提示画面DIP21は、撮影画面表示部SH3に重ねて大きく印刷可否記号SBをARで表示する。なおこのとき印刷可否提示画面DIP21は、撮影画面表示部SH3に重ねて、矢印ARR及び別階層表示部SH4をARで表示し続けている。
【0077】
設定データ16(
図5)及び特定テーブル39(
図6)を参照し、画像形成装置2が制限付き印刷可能状態である場合、ステップSP17において制御部30は、印刷可否記号SBとして、
図14(C)に示すように、この画像形成装置2であれば制限付きではあるものの概ね印刷データ34の印刷設定通りに印刷可能であることを示す「△」を表示させる。さらに印刷可否提示画面DIP21は、今回の例においては、例えば、印刷データ34では印刷設定としてカラーが設定されているが印刷可否提示画面DIP21に表示されている画像形成装置2はカラー印刷には対応していないものの、モノクロ印刷で印刷自体は可能であることを状態メッセージMS2に表示する。
【0078】
それ以外にも制御部30は、印刷に関する制限が複数存在すると判定する可能性がある。この場合、ステップSP17において制御部30は、表示操作部25に
図14(D)に示す印刷可否提示画面DIP22を表示部31により表示させる。このとき制御部30は、印刷可否記号SBとして、
図14(D)に示すように、互いに異なる色からなる複数個の「△」を表示させる。例えば、印刷に関する制限が3つ存在すると判定した場合、制御部30は、印刷可否記号SBとして、互いに異なる色からなる3個の「△」を表示させる。具体的に、制御部30は、特定テーブル39(
図6)における「色」の情報を参照し、カラー印刷に対応していないことを表す青色の「△」と、指定用紙がセットされていないことを表す橙色の「△」と、両面印刷に対応していないことを表す緑色の「△」とを、印刷可否記号SBとして表示させる。
【0079】
さらに印刷可否提示画面DIP21は、状態メッセージMS2において、印刷可否記号SBにおける3個の「△」のそれぞれの色と同じ色で、制限を表示する。具体的に印刷可否提示画面DIP22は、今回の例においては、例えば、印刷データ34ではカラーが設定されているが印刷可否提示画面DIP22に表示されている画像形成装置2はカラー印刷には対応していないことと、印刷データ34で指定されたサイズの用紙が印刷可否提示画面DIP22に表示されている画像形成装置2にセットされていないことと、印刷データ34で両面印刷が指定されたが印刷可否提示画面DIP22に表示されている画像形成装置2は両面印刷に対応していないこととを、それぞれ印刷可否記号SBにおける3個の「△」のそれぞれの色と同じ色で状態メッセージMS2に表示する。
【0080】
画像形成装置2が制限付き印刷可能状態である場合、ステップSP19において制御部30は肯定結果を得て、ステップSP20へ移る。この例においては、ユーザは、印刷可否提示画面DIP21に表示された「△」の印刷可否記号SBを押下することにより、その印刷可否記号SBが表示された位置に設置されている画像形成装置2を利用して印刷データ34の印刷を行うことが可能である。ステップSP20及びSP21において制御部30は、上述した印刷可能状態の場合と同様の処理を行い、ステップSP22へ移り印刷処理手順RT1を終了する。
【0081】
[7-1-4.印刷不能状態の場合]
次に、例えば画像形成装置2が印刷不能状態である場合について説明する。この場合、ステップSP17において制御部30は、表示操作部25に
図15に示す印刷可否提示画面DIP23を表示部31により表示させ、ステップSP18へ移る。印刷可否提示画面DIP23は、撮影画面表示部SH3に重ねて大きく印刷可否記号SBをARで表示する。なおこのとき印刷可否提示画面DIP23は、撮影画面表示部SH3に重ねて、矢印ARR及び別階層表示部SH4をARで表示し続けている。
【0082】
設定データ16(
図5)及び特定テーブル39(
図6)を参照し、画像形成装置2が印刷不能状態である場合、ステップSP17において制御部30は、印刷可否記号SBとして、
図15に示すように、この画像形成装置2では印刷データ34の印刷設定通りに印刷不能であることを示す「×」を表示させる。さらに印刷可否提示画面DIP23は、撮影画面表示部SH3に重ねて、印刷可能な状態であるか否かを示す状態メッセージMS2を表示し、今回の例においては、印刷不能であることを状態メッセージMS2に表示する。このとき印刷可否提示画面DIP23は、例えば、印刷可否提示画面DIP23に表示されている画像形成装置2は、携帯端末4とは異なるネットワークに属していることや、電源が遮断されていること等を状態メッセージMS2に表示しても良い。
【0083】
画像形成装置2が印刷不能状態である場合、ステップSP19において制御部30は否定結果を得て、矢印ARR及び印刷可否記号SBによりユーザに対する画像形成装置2の位置までの案内を続行しつつ、ステップSP8(
図9)へ戻る。
【0084】
[8.効果等]
以上の構成において携帯端末4は、携帯端末4で画像形成装置2を検索する際にARマーカー40を撮影すると、電源が投入されており且つ携帯端末4と同じネットワークに接続されている画像形成装置2の位置を示す印刷可否記号SBを、表示操作部25における撮影画面表示部SH3に重ねて表示するようにした。また携帯端末4は、ユーザが移動又は向きを変える度に、画像形成装置2の位置に合わせて印刷可否記号SBの位置を更新するようにした。このため携帯端末4は、電源が投入されており携帯端末4と同じネットワークに接続されている、使用可能な画像形成装置2の位置をユーザに提示でき、利便性を向上させることができる。
【0085】
また携帯端末4は、画像形成装置2の状態(印刷可能状態、ユーザ操作要印刷可能状態、制限付き印刷可能状態又は印刷不能状態)に応じて、印刷可否記号SBにおいて異なる記号を表示するようにした。このため携帯端末4は、撮影画面表示部SH3に存在しており印刷可否記号SBが位置する箇所に設置された画像形成装置2において、ユーザが印刷しようとしている印刷データ34をユーザが所望する状態で印刷可能であるか否かを、印刷可否記号SBによりユーザに対しひと目で認識させることができる。これにより携帯端末4は、複数台設置された画像形成装置2のうち、使用可能であり且つユーザが所望する状態で印刷可能な画像形成装置2をユーザに容易に認識させることができる。
【0086】
さらに携帯端末4は、画像形成装置2に貼り付けられたARマーカー40に携帯端末4がかざされると、印刷可否記号SBを表示操作部25における撮影画面表示部SH3に重ねて表示するようにした。このため携帯端末4は、ユーザが対峙している画像形成装置2において、ユーザが印刷しようとしている印刷データ34をユーザが所望する状態で印刷可能であるか否かを、ユーザに対しひと目で認識させることができる。
【0087】
また携帯端末4は、撮影画面表示部SH3に存在はするものの他の装置等の陰に隠れており携帯端末4を把持しているユーザからは視認できない画像形成装置2であっても、その画像形成装置2の位置と、その画像形成装置2において印刷データ34通りに印刷可能であるか(すなわち画像形成装置2の状態)とを、ユーザに認識させることができる。
【0088】
さらに携帯端末4は、画像形成装置2に貼り付けられたARマーカー40に携帯端末4がかざされた場合、印刷可否記号SBがユーザにより押下されると、ARマーカー40が貼り付けられた画像形成装置2へ印刷データ34を送信して印刷させるようにした。
【0089】
さらに携帯端末4は、画像形成装置2に貼り付けられたARマーカー40に携帯端末4がかざされた場合に限らず、ユーザが対峙はしてないものの撮影画面表示部SH3に表示した印刷可否記号SBがユーザにより押下されると、該印刷可否記号SBが位置する箇所に設置されている画像形成装置2へ印刷データ34を送信して印刷させるようにした。このため携帯端末4は、画像形成装置2の近傍までユーザが移動し画像形成装置2に貼り付けられたARマーカー40に携帯端末4をかざさせる必要なく、ユーザから離れた位置に設置されている画像形成装置2において印刷を実行させることができ、ユーザの手間を削減できる。
【0090】
さらに携帯端末4は、ARマーカー40を撮影すると、電源が投入されており、携帯端末4と同じネットワークに接続されており、且つ印刷可能状態又は制限付き印刷可能状態の画像形成装置2の方向を指示する矢印ARRを、表示操作部25における撮影画面表示部SH3に重ねて表示するようにした。また携帯端末4は、ユーザが移動又は向きを変える度に、画像形成装置2の位置に合わせて矢印ARRの向きを更新するようにした。このため携帯端末4は、電源が投入されており携帯端末4と同じネットワークに接続されている、使用可能な画像形成装置2までユーザを案内でき、利便性を向上させることができる。
【0091】
以上の構成によれば携帯端末4は、周囲を撮影する撮影部50と、撮影部50がARマーカー40を撮影すると、該ARマーカー40のARマーカー設定情報42に含まれるサーバアドレスから、画像形成装置2が使用可能な状態であるかを示すステータス情報と、画像形成装置2が有する印刷に関する機能を示す機能情報とを含む設定データ16を取得する設定データ取得部52と、設定データ16に基づき、撮影部50が撮影している周囲の様子を表示する撮影画面表示部SH3内に存在する画像形成装置2が使用可能な状態であるか否かを確認すると共に、機能情報と、画像形成装置2に送信される印刷データ34において設定されている印刷設定とに基づき、画像形成装置2が印刷データ34の印刷設定に対応しているか否かを確認することにより、画像形成装置2の状態を判定する判定部45と、撮影画面表示部SH3に重ねて、撮影画面表示部SH3内に存在する画像形成装置2の位置において、判定された該画像形成装置2の状態を示す印刷可否記号SBを表示する表示部56とを設けるようにした。
【0092】
これにより携帯端末4は、使用可能であり、且つ使用目的に合う画像形成装置2をユーザにひと目で認識させることができる。
【0093】
[9.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、携帯端末4が、それぞれ、印刷可能状態である画像形成装置2には「○」を、ユーザ操作要印刷可能状態である画像形成装置2には「○」の内部に「!」を加えた記号を、制限付き印刷可能状態である画像形成装置2には「△」を、印刷不能状態である画像形成装置2には「×」を、印刷可否記号SBとして表示する場合について述べた。本発明はこれに限らず、携帯端末4は、印刷可能状態、ユーザ操作要印刷可能状態、制限付き印刷可能状態及び印刷不能状態に応じて、他の種々の文字や記号を印刷可否記号SBとして表示しても良い。
【0094】
また上述した実施の形態においては、携帯端末4が、ランドマークに貼り付けられたARマーカー40を読み込んだ場合、誘導画面DIP16(
図13(B))において印刷可否記号SBとして「○」又は「△」のみを表示する場合について述べた。本発明はこれに限らず、携帯端末4が、誘導画面DIP16(
図13(B))において印刷可否記号SBとして「○」のみを表示したり、「○」及び「△」に加えて「×」や「○」の内部に「!」を加えた記号を表示したりしても良い。
【0095】
また携帯端末4は、ランドマークに貼り付けられたARマーカー40を読み込んだ場合は、誘導画面DIP16(
図13(B))において印刷可否記号SBを表示せずに、画像形成装置2に貼り付けられたARマーカー40を読み込んだ場合にのみ、印刷可否提示画面DIP18(
図13(D))において印刷可否記号SBを表示しても良い。それ以外の誘導画面においても同様である。
【0096】
さらに携帯端末4は、誘導画面DIP16(
図13(B))において、例えば、印刷可能状態の画像形成装置2のうち、他のユーザが現在印刷に使用しておらず直ちに印刷に使用できる画像形成装置2のみの印刷可否記号SBや矢印ARRを表示したり、該印刷可否記号SBや矢印ARRを強調表示したりすることにより、他の印刷可否記号SBや矢印ARRとは異なる表示態様としても良い。
【0097】
さらに上述した実施の形態における誘導画面DIP16(
図13(B))において、携帯端末4が、印刷可否記号SBを表示した位置に設置されている画像形成装置2で印刷を行うには印刷可否記号SBを押下することを促す内容を表示しても良い。それ以外の誘導画面においても同様である。
【0098】
さらに上述した実施の形態における誘導画面DIP16(
図13(B))において、別階層表示部SH4を表示しないようにし、携帯端末4と同じ階層に配置された画像形成装置2のみを案内しても良い。それ以外の誘導画面においても同様である。
【0099】
さらに上述した実施の形態においては、携帯端末4が、印刷可否提示画面DIP22(
図14(D))において互いに異なる色の「△」を印刷可否記号SBとして表示する場合について述べた。本発明はこれに限らず、携帯端末4が、例えば互いに異なる線種等、互いに異なる他の種々の態様の「△」を印刷可否記号SBとして表示しても良い。
【0100】
さらに上述した実施の形態においては、携帯端末4が、ARマーカー40を読み込んだ際にサーバ6から設定データ16を取得する場合について述べた。本発明はこれに限らず、携帯端末4が、ARマーカー40を読み込んだ後に、サーバ6から設定データ16を適宜再取得し更新しても良い。
【0101】
さらに上述した実施の形態においては、それぞれの画像形成装置2が、通信ネットワークNT2を介してサーバ6へ自身の装置設定12を送信し、サーバ6における記憶部15に設定データ16として保存すると共に、定期的に装置設定12を送信することにより、設定データ16を更新する場合について述べた。本発明はこれに限らず、サーバ6へそれぞれの画像形成装置2の装置設定12をユーザ又は管理者が手動で送信しサーバ6に保存しても良い。また設定データ16のうち、例えば「ステータス」は画像形成装置2からサーバ6へ送信し、それ以外はユーザ又は管理者が手動で設定データ16に設定する等、各設定情報を適宜自動又は手動で更新しても良い。
【0102】
さらに上述した実施の形態においては、ARマーカー40が画像形成装置2の筐体に貼り付けられている場合について述べた。本発明はこれに限らず、ARマーカー40は画像形成装置2が表示操作部25上に表示しても良い。
【0103】
さらに上述した実施の形態においては、画像形成装置2で印刷を行う携帯端末4に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えばファクシミリ、MFP(MultiFunction Printer:複合機)、複写機等、画像に関する種々の処理を行う種々の機器で処理を行う携帯端末に本発明を適用しても良い。
【0104】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態にも本発明の適用範囲が及ぶものである。また、本発明は、上述した各実施の形態及び上述した他の実施の形態のうち任意の実施の形態に記載された構成の一部を抽出し、上述した実施の形態及び他の実施の形態のうちの任意の実施の形態の構成の一部と置換・転用する場合や、該抽出された構成の一部を任意の実施の形態に追加する場合にも本発明の適用範囲が及ぶものである。
【0105】
さらに上述した実施の形態においては、撮影部としての撮影部50と、設定データ取得部としての設定データ取得部52と、判定部としての判定部54と、表示部としての表示部56とによって、情報処理装置としての携帯端末4を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる撮影部と、設定データ取得部と、判定部と、表示部とによって、情報処理装置を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、例えば携帯端末で利用できる。
【符号の説明】
【0107】
1……情報処理システム、2……画像形成装置、4……携帯端末、6……サーバ、10……ネットワーク通信部、11……記憶部、12……装置設定、NT1、NT2、NT3……通信ネットワーク、14……ネットワーク通信部、15……記憶部、16……設定データ、20……CPU、21……ネットワーク通信部、22……GPS通信部、23……カメラ、24……内部ストレージ、25……表示操作部、26……専用アプリ、30……制御部、31……表示部、32……入力部、33……印刷データ設定部、34……印刷データ、35……記憶部、36……位置方向特定部、37……状態特定部、38……撮影部、39……特定テーブル、40……ARマーカー、42……ARマーカー設定情報、50……撮影部、52……設定データ取得部、54……判定部、56……表示部、DIP1、DIP2……印刷設定画面、DIP3……印刷データ確認画面、DIP4……カメラ起動確認画面、DIP11……カメラ動作中画面、DIP12、DIP14……ARマーカー撮影中画面、DIP13、DIP15……マーカー読込画面、DIP16……誘導画面、DIP17、DIP19……印刷実行確認画面、DIP18、DIP20、DIP21、DIP22、DIP23……印刷可否提示画面、BT1……フォルダ開ボタン、SH1……印刷プレビュー表示部、SL1……印刷設定選択部、BT2……次ボタン、SH2……印刷設定表示部、BT3……OKボタン、BT4……キャンセルボタン、SL2……カメラ起動選択部、BT5……カメラ起動ボタン、BT6……キャンセルボタン、SH3……撮影画面表示部、MS1……メッセージ、BT7……カメラ切替ボタン、BT8……認識ボタン、BT9……カメラ終了ボタン、MK1……認識マーク、ARRl、ARRr……矢印、SH4……別階層表示部、SB……印刷可否記号、MS2……状態メッセージ、SL3……印刷実行選択部、BT10……OKボタン、BT11……キャンセルボタン。