(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095098
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】電子機器、電子機器の制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20230629BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20230629BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
G07G1/00 331Z
H04N5/232
G06K19/06 112
G07G1/00 311D
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021210782
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(72)【発明者】
【氏名】布施 竜一
(72)【発明者】
【氏名】片岡 新
(72)【発明者】
【氏名】高見澤 亮
(72)【発明者】
【氏名】田路 賢太郎
(72)【発明者】
【氏名】関 悠一
【テーマコード(参考)】
3E142
5C122
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142BA01
3E142CA12
3E142GA16
3E142GA32
3E142GA35
5C122FH12
5C122FK28
5C122GA34
5C122HA46
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】 画像からの対象物の検出結果を用いて、対象物をより容易に管理できる仕組みを提供する
【解決手段】 撮影された画像から複数の対象物についての検出処理を行うように制御する制御手段と、
前記検出処理で前記複数の対象物のうち少なくとも1つが検出された場合に、前記複数の対象物のそれぞれに対応するコード情報のうち、前記検出処理で検出された対象物に対応するコード情報を表示するように制御する表示制御手段と
を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影された画像から複数の対象物についての検出処理を行うように制御する制御手段と、
前記検出処理で前記複数の対象物のうち少なくとも1つが検出された場合に、前記複数の対象物のそれぞれに対応するコード情報のうち、前記検出処理で検出された対象物に対応するコード情報を表示するように制御する表示制御手段と
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
撮影された画像から対象物を検出する検出処理を行うように制御する制御手段と、
前記検出処理で検出された対象物に対応するインストアコードのコード情報を表示するように制御する表示制御手段と
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項3】
前記コード情報は1次元コードまたは2次元コードのコード画像であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記コード情報はバーコードであることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記コード情報は店舗、団体、事業者の少なくともいずれかが任意に付番できるコードの情報であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記検出処理で前記複数の対象物のうち2以上の対象物が検出された場合、前記表示制御手段は、前記2以上の対象物にそれぞれ対応する2以上のコード情報を表示するように制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記検出処理で検出された前記2以上の対象物を被写体として含む画像を表示するとともに、前記2以上のコード情報を、表示された画像とは異なる位置に並べて表示するように制御することを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記検出処理で前記複数の対象物のうち同一の種類の対象物が複数検出された場合、前記表示制御手段は、検出された前記同一の種類の対象物の数に対応する複数のコード情報を表示するように制御することを特徴とする請求項6または7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記複数のコード情報は互いに同一のコード情報であることを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記制御手段は、撮影手段で撮影されているライブビュー画像の動きが安定した場合に前記検出処理を行うように制御し、前記表示制御手段は、前記コード情報を前記ライブビュー画像の動きが安定しなくなるまで表示するように制御することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項11】
コード情報に対応づけて対象物を検出するための情報を登録する登録処理を行う処理手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至11に記載の電子機器。
【請求項12】
前記検出処理は、学習済みモデルに撮影された画像を入力する処理を含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項13】
前記表示制御手段によって表示されたコード情報は、外部装置の読取部で読み取ることによって前記外部装置での処理に用いることが可能であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項14】
前記外部装置はレジであり、前記処理は会計処理であることを特徴とする請求項13に記載の電子機器。
【請求項15】
撮影された画像から複数の対象物についての検出処理を行うように制御する制御ステップと、
前記検出処理で前記複数の対象物のうち少なくとも1つが検出された場合に、前記複数の対象物のそれぞれに対応するコード情報のうち、前記検出処理で検出された対象物に対応するコード情報を表示するように制御する表示制御ステップと
を有することを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項16】
撮影された画像から対象物を検出する検出処理を行うように制御する制御ステップと、
前記検出処理で検出された対象物に対応するインストアコードのコード情報を表示するように制御する表示制御ステップと
を有することを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項17】
コンピュータを、請求項1乃至14のいずれか1項に記載された電子機器の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像から対象物を検出することによって対象物を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像から対象物(例えば商品)を検出して自動的な処理をするシステムが知られている。
【0003】
特許文献1には、購入者が商品カートに収めた商品の画像情報を取得して商品清算装置に通知し、商品清算装置が画像認識により商品を認識し、商品カートに収められた各商品の合計価格の清算を受け付けることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の商品清算装置のように、既存のシステム(例えばレジ)と別のシステムを導入すると、システム構築が煩雑になる。例えば、店舗において、レジを用いて決済する商品と、画像認識を用いてレジを使わずに自動決済をする商品が混在すると、レジとは別に自動決済のためのシステムを導入する必要がある。そうすると、システムの導入費用や設置スペースなどのコストが増大する。また、決済方法が複数となり、商品の売り上げ管理などが煩雑になる。店舗での商品管理に限らず、工場での部品管理や物流における物品管理などでも同様である。
【0006】
そこで本発明は、画像からの対象物の検出結果を用いて、対象物をより容易に管理できる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に鑑み、本発明の電子機器は、
撮影された画像から複数の対象物についての検出処理を行うように制御する制御手段と、
前記検出処理で前記複数の対象物のうち少なくとも1つが検出された場合に、前記複数の対象物のそれぞれに対応するコード情報のうち、前記検出処理で検出された対象物に対応するコード情報を表示するように制御する表示制御手段と
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像からの対象物の検出結果を用いて、対象物をより容易に管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】電子機器100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】商品認識アプリ処理のフローチャートである。
【
図5】商品認識アプリ処理における商品認識結果の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態におけるシステム構成の一例を示す図である。
【0012】
電子機器100は、カメラ付きのタブレット端末などの電子機器である。レジ200は店舗において会計を行うためのレジシステムであり、バーコード読取部201はレジ200に接続されたバーコードリーダーである。商品41~45は本システムにおいて認識対象となる商品である。本実施形態における認識対象の商品はバーコードを記載した紙やシールなどが直接添付さえていない商品(例えば惣菜パン)を想定している。トレイ30は商品をのせたトレイである。置き台20はトレイ30を載せるための台(載置台)であり、店のカウンターなどである。管理者10は本システムを操作する人物(例えば店員)である。本システムでは、トレイに商品を載せた客(不図示)または作業者10(例えば店員)は、商品41~45が載ったトレイ30を置き台20の上に載せて、電子機器100に搭載されたカメラでトレイ30および商品41~45を撮影する。その後、電子機器100は、撮影された画像から商品41~45それぞれの商品種類(品目)を自動で認識し、認識した商品に対応するバーコードを電子機器100の表示部に表示する。作業者10はこのバーコードをバーコード読取部201で読取り、レジ200にて決済(会計)を行う。セルフレジであればこの作業は客が行ってもよい。このようにして、既存のシステム(レジ200)に対して、電子機器100を導入するだけで、既存のシステム(レジ200)を用いた決済及び商品管理が可能となる。
【0013】
図2に、本発明を適用可能な装置の一例としての電子機器100の構成の一例を示す。電子機器100は、タブレット端末やスマートフォン、パーソナルコンピュータ(以下、PC)などを用いて構成可能なものである。
【0014】
図2において、内部バス150に対してCPU101、メモリ102、不揮発性メモリ103、画像処理部104、ディスプレイ105、操作部106、記録媒体I/F107、外部I/F109、通信I/F110が接続されている。内部バス150に接続される各部は、内部バス150を介して互いにデータのやりとりを行うことができるようにされている。
メモリ102は、例えばRAM(半導体素子を利用した揮発性のメモリなど)からなる。CPU101は、例えば不揮発性メモリ103に格納されるプログラムに従い、メモリ102をワークメモリとして用いて、電子機器100の各部を制御する。不揮発性メモリ103には、画像データや音声データ、その他のデータ、CPU101が動作するための各種プログラムなどが格納される。不揮発性メモリ103は例えばハードディスク(HD)やROMなどで構成される。
【0015】
画像処理部104は、CPU101の制御に基づいて、不揮発性メモリ103や記録媒体108に格納された画像や、外部I/F109を介して取得した映像信号、通信I/F110を介して取得した画像、撮像された画像などに対して各種画像処理を施す。画像処理部104が行う画像処理には、A/D変換処理、D/A変換処理、画像データの符号化処理、圧縮処理、デコード処理、拡大/縮小処理(リサイズ)、ノイズ低減処理、色変換処理などが含まれる。画像処理部104は特定の画像処理を施すための専用の回路ブロックで構成しても良い。また、画像処理の種別によっては画像処理部104を用いずにCPU101がプログラムに従って画像処理を施すことも可能である。
【0016】
ディスプレイ105は、CPU101の制御に基づいて、画像やGUI(Graphical User Interface)を構成するGUI画面などを表示する。CPU101は、プログラムに従い表示制御信号を生成し、ディスプレイ105に表示するための映像信号を生成してディスプレイ105に出力するように電子機器100の各部を制御する。ディスプレイ105は出力された映像信号に基づいて映像を表示する。なお、電子機器100自体が備える構成としてはディスプレイ105に表示させるための映像信号を出力するためのインターフェースまでとし、ディスプレイ105は外付けのモニタ(テレビなど)で構成してもよい。
【0017】
操作部106は、キーボードなどの文字情報入力デバイスや、マウスやタッチパネルといったポインティングデバイス、ボタン、ダイヤル、タッチセンサ、タッチパッドなどを含む、ユーザー操作を受け付けるための入力デバイス(受付デバイス)である。なお、タッチパネルは、ディスプレイ105に重ね合わせて平面的に構成され、接触された位置に応じた座標情報が出力されるようにした入力デバイスである。
【0018】
記録媒体I/F107は、メモリーカードやCD、DVDといった記録媒体108が装着可能とされ、CPU101の制御に基づき、装着された記録媒体108からのデータの読み出しや、当該記録媒体108に対するデータの書き込みを行う。外部I/F109は、外部機器と有線ケーブルや無線によって接続し、映像信号や音声信号の入出力を行うためのインターフェースである。通信I/F110は、外部機器やインターネット111などと通信して、ファイルやコマンドなどの各種データの送受信を行うためのインターフェースである。
【0019】
カメラ部112は、光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子(撮像センサー)等で構成されるカメラユニットである。カメラ部112には、ズームレンズやフォーカスレンズを含むレンズ群(撮影レンズ)、絞り機能を備えるシャッター、撮像素子、撮像素子から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器、撮像系を覆って汚れや破損を防止するバリアを含む。画像処理部104は、カメラ部112で撮像して取得したデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。画像処理部104により得られた演算結果に基づいてCPU101が露光制御、測距制御、AWB(オートホワイトバランス)処理を行う。カメラ部112で撮像され、画像処理部104で画像処理された表示用の画像データはディスプレイ105により表示される。カメラ部112で撮像され、A/D変換器によって一度A/D変換されメモリ102に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器でアナログ変換し、ディスプレイ105に逐次転送して表示することで、ライブビュー表示(LV表示)を行える。ライブビューは、静止画の撮影待機状態、動画の撮影待機状態、動画の記録時に表示可能であり、撮像された被写体像がほぼリアルタイムに表示される。CPU101は、操作部106で行われたユーザー操作に基づく撮影準備指示に応じて、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB処理等の動作を開始するように、カメラ部112、画像処理部104を制御する。CPU101は、撮影指示に応じて、本露光して撮像部素子からの信号を読み出し、撮像された画像を画像処理部104で画像処理して画像ファイルを生成し、記録媒体108に記録するまでの一連の撮影処理(本撮影)の動作を開始ように制御する。撮影指示は、操作部106に対するユーザー操作によって行うことができる。カメラ部112は、静止画及び動画の撮影が可能である。なお、電子機器100自体が備える構成としてはカメラで撮影された画像を入力するためのインターフェースまでとし、カメラ部112は外付けのカメラで構成してもよい。
【0020】
図3は、電子機器100における商品認識アプリにおける会計時の処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートにおける各処理はCPU101が不揮発性メモリ103に格納されたプログラムをメモリ102に展開して実行することにより実現される。電子機器100にインストールされた本実施形態にかかるアプリケーションソフトウェア(商品認識アプリ)が起動されると
図3の承認認識アプリ処理が開始される。
【0021】
S301では、CPU101は、カメラ部112からの画像の取り込みを開始し、メモリ102にLV表示用の画像(LV画像)を所定フレーム分、逐次保持し、ディスプレイ105におけるLV表示を行う。
【0022】
S302では、CPU101は、メモリ102に保持した画像に基づいて、トレイ30が置き台20に置かれたかどうか(カメラ部112の画角内に収まったか)を判定する。例えば、トレイと想定される直線成分の多い被写体が画角内に進入してきたことをもって、トレイ30が新たに置かれたことを検出できる。置かれた場合はS303へ進み、、置かれていない場合はS304に進む。
【0023】
S303では、CPU101は、メモリ102に保持した画像に基づいて、画像が安定したか(静止したか)否かを判定する。例えば前後のフレームの画像の輝度の変化量を計算し、画像が安定したか(トレイ30が完全に停止したか)を判定する。また例えば、前後のフレームから検出した動きベクトルが所定値以下などの条件によって画像が安定したこと(動きの量が所定量以下である事)を検知してもよい。画像が安定している場合はS304に進み、安定していない場合はS308に進む。
【0024】
S304では、CPU101は、不揮発性メモリ103に記憶され、メモリ102に保持した学習済みモデルに、メモリ102に保持したLV画像(カメラ部112で撮影された画像)を入力し、トレイ30の上に置かれた商品の種類(品目)を推論する。推論結果はメモリ102に保持する。この処理は、カメラ部112で撮影された画像を解析して、撮影された画像に、後述する商品登録処理で登録された登録済みの対象物(商品)が含まれているかの画像認識処理である。言い換えると、カメラ部112で撮影された画像から、複数の登録済みの対象物(商品)のそれぞれについて検出する処理である。これにより、例えば、カメラ部112で撮影した画像から「ロールパン」や「メロンパン」といった品目の商品を検出することができる。なお、S304における認識処理自体は、電子機器100と通信可能な不図示の外部機器(例えばサーバ装置)で行うようにしてもよい。この場合、CPU101は、カメラ部112で撮影された画像を外部機器に送信して認識処理を行わせるように制御する。そして、外部機器から認識結果(推論結果を)受信してメモリ102に記録する。
【0025】
S305では、CPU101は、メモリ102に保持した商品の種類の推論結果を参照し、登録済みの複数の商品(対象物)のいずれかを検出したか否かを判定する。登録済みの複数の商品(対象物)のいずれかを検出した場合はS306に進み、そうでない場合、すなわち登録済みの複数の商品(対象物)のいずれも検出されなかった場合にはS307へ進む。
【0026】
S308では、CPU101は、S306で検出された商品の品目に関連づけて記録した商品の識別情報(例えば商品コード、商品番号)を不揮発性メモリ103から読み出す。そして、読みだした識別情報に基づいてバーコードを生成し、そのバーコードの画像をディスプレイ105に表示する。識別情報は商品の品目(対象物の種別)に対応する情報であり、バーコードを生成するために必要な情報である。具体的には、後述する
図8の登録情報テーブルから、商品に対応付けて記憶しているインストアコード用の先頭2桁の数字列、アイテムコード、チェックデジットを読み出し、これらを組み合わせた13桁の数字列(商品コード)を表すバーコードを生成する。なお、チェックデジットは登録情報テーブルから読み出すのではなく、その手前の12桁の数字列に基づいて算出するようにしてもよい。S306における表示例を
図5に示す。
【0027】
図5は、ディスプレイ105における商品認識結果の表示例である。撮影画像500はカメラ部112で撮影した画像であり、S304での検出対象となった静止画像である。なお、静止画像に代えて、カメラ部112で撮影しているLV画像を表示するものとしてもよい。図示の例では、撮影画像500には、商品501~504が含まれており、これらが検出されている。画像500のうち商品が検出された部分にはそれぞれ、商品名を示す商品ラベルと、検出された対象を示す商品検出枠が表示される。例えば、商品501を囲う位置に、商品501が検出されたことを示す商品検出枠508が表示される。また、商品501が検出された位置に対応する位置(本実施形態では商品検出枠508の上部)に、商品501の商品名が表示される商品ラベル507が表示される。図示の商品ラベル507では便宜上「商品名1」としているが、実際には商品501の名前として例えば「ロールパン」と表示される。同様に商品502~504に対してもそれぞれ商品ラベルと商品検出枠が表示される。
【0028】
バーコード表示領域510は、撮影画像500から検出(認識)された商品の名称とバーコードをまとめて(一覧で)表示する領域である。バーコード表示領域510には、認識した全商品の商品名とバーコードを一覧で表示する。バーコード511~514は、それぞれ、検出された商品501~504に対応するバーコードである。このバーコード511~514をバーコード読取部201で読み取ることで、商品を特定する情報がレジ200に入力され、商品の名称や価格などの会計に必要な情報が取得できる。すなわち、通常のレジでの会計と同様の会計処理が可能となる。
【0029】
商品名515~518は、それぞれ、検出された商品501~504の名称である。便宜上、「商品名1」、「商品名2」と図示しているが、実際には例えば「ロールパン」、「メロンパン」といった商品名(品目を識別する情報)が表示される。
【0030】
バーコード表示領域510に、検出した複数の商品のバーコードをまとめて表示することで、バーコード読取部201での読取動作を行いやすくしている。バーコード511~514を、それぞれ撮影画像500上の対応する商品の付近(例えばそれぞれの商品ラベルの位置)に表示してもよいが、こうするとバーコード読取部201を各バーコードの位置に移動して読み取る動作が必要となる。これはバーコード読取部201を動かす移動量が大きくなってしまうばかりか、画一的な動きではなくパンの配置によって異なる動きをしなければならず、素早い読取が行えない。そのため、作業者10の作業負荷と会計処理に要する時間の増大を招いてしまう可能性がある。これに対し本実施形態では、撮影画像500における検出された商品の付近ではなく、バーコード表示領域510に、検出された複数の商品にそれぞれ対応する複数のバーコードをまとめて表示する。このように表示することで、バーコード表示領域510内という限られた範囲内でバーコード読取部201を移動させればすべてのバーコードを読み取れるため、バーコード読取部201の移動距離を短くすることができる。また、複数のバーコードを整列して配置している(本実施形態では縦一列に並べて表示している)。そのため、バーコード読取部201を画一的な動きで動かすことで(本実施形態では縦に一回移動させるように動かすことで)全てのバーコードを読み取ることができる。このため、作業者10は慣れた簡単な動きで素早くバーコードを読み取らせることが可能となり、作業負荷と会計処理に要する時間を削減することができる。
【0031】
さらに、撮影画像500から同じ商品(同じ品目の商品、同一種類の商品)が複数検出された場合には、バーコード表示領域510には、検出した数だけの複数のバーコードを表示する。図示の例では、商品名2の商品(例えばメロンパン)が2つ検出されている(商品502と商品504が同じ品目の商品)。そのため、バーコード表示領域510には、商品名2のバーコードを2つ表示している(バーコード512と513)。従って、バーコード512と513は同じバーコード(同一のバーコード)である。このように表示することで、商品個数の入力をすることなく、バーコード読取部201で表示されたバーコードを順番に読み取っていくだけで検出された全ての商品と、正しい商品個数をレジ200に入力することができる。すなわち、レジ200で商品個数を入力する数値入力操作を省くことができる。従ってオペレーションを単純化でき、作業効率が向上する。
【0032】
S307では、CPU101は、S303と同様に、画像が安定しているか否かを判定する。画像が安定している場合にはS307の処理を繰り返し、画像が安定しなくなった場合(画像の変化を検出した場合)にはS308に進む。画像に変化があった場合には、トレイ30が抜かれた場合や、追加で商品(パン)がトレイ30の上に置かれた場合、トレイ30から商品(パン)が抜き取られた場合などがある。このような場合には再度、S304の画像認識処理を行う必要がある。逆に、画像に変化があるまでは画像認識処理を行わず、一度S306で表示したバーコードの表示を継続するため、画像認識処理による表示のバタつきを防止でき、作業者10は安定してバーコードをバーコード読取部201で読み取らせることができる。
【0033】
S308では、CPU101は、メモリ102に保持した画像に基づいて、トレイ30が置き台20から抜かれた(移動された)か否かを判定する。例えば、トレイ30と想定される直線成分の多い被写体が画角内から出ていくように移動したことをもって、トレイ30が抜かれたことを検出できる。抜かれた場合はS309に進み、抜かれていない場合はS303に進む。商品がトレイ30に追加されたり抜き取られたりした場合には、S308でNoと判定され、S303で画像が安定するのを待ってからS304での画像認識処理を行う。これにより、置いたままのトレイ30に商品が追加された状況または抜き取られた状況での商品を検出し、
図5で説明した画面を更新することができる。また、S308でトレイ30が抜かれたことを検知したことに応じて、バーコード表示領域510に表示されたバーコードを全て非表示とし、商品ラベル、商品検出枠を非表示とするように画面を更新してもよい。このようにすることで、正常な画像認識の処理が行われていることを作業者10が認識できる。また、すでに会計処理が済んだ商品を再度会計してしまう(2重会計してしまう)といった誤操作も防止することができる。
【0034】
S309では、CPU101は、商品登録モードに移行する指示操作があったか否かを判定する。例えば、ディスプレイ105に表示された登録モードへの切り替えアイコン(不図示)が操作されると、商品登録モードに移行する指示操作があったと判定する。商品登録モードに移行する指示操作があった場合はS310に進み、そうでない場合はS311に進む。
【0035】
S310では、CPU101は、商品登録処理を行う。商品登録処理の詳細は
図4を用いて後述する。
【0036】
S311では、CPU101は、本実施形態にかかるアプリケーションソフトウェアを閉じる、電子機器100の電源をオフにするといった終了イベントがあったか否かを判定する。終了イベントが無い場合にはS302に進み、終了イベントがあった場合には
図3の処理を終了する。
【0037】
図8に、不揮発性メモリ103に記録された、商品の登録状況(登録内容)が記録された登録情報テーブル(単に登録情報とも称する)の例を示す。S310の商品登録処理によって、商品が登録情報テーブルに登録される。登録情報テーブルに登録された情報を用いて、S304の画像認識処理とS306のバーコードの表示が行われる。登録情報テーブルには、インストアコード用の先頭2桁の数字列、アイテムコード(10桁の数字列)、チェックデジット(1桁の数字)、登録済みか否か、商品名、認識条件が関連付けて記憶されている。なお、図示の「-」はデータ無し(NULL)を表す。本実施形態では登録情報は不揮発性メモリ103に記録されるものとして説明するが、電子機器100と通信可能なサーバ装置や、取り外し可能な記録媒体108に記録するようにしてもよい。このようにすることで、1つの登録情報を複数の電子機器で共通して利用することが可能であり、複数のレジにそれぞれ対応する複数の電子機器で利用することが可能となる。
【0038】
インストアコードとは、店舗、団体、事業者の少なくともいずれかが任意に付番できるコードのことである。本実施形態では、商品登録処理で商品を登録する際は、20~29で始まる13桁のJANコードであるインストアコードを登録する商品に対応付けて記憶するものとする。登録するコードをインストアコードとすることで、流通用のJANコードと重複してしまうことを防止することができる。
【0039】
図8の登録情報テーブルのうち、インストアコード用の先頭2桁の数字列は、インストアコードであることを示す20~29の数字列である。アイテムコードは、商品を識別するための番号である。チェックデジットは、数字列の誤りを検知するために付加される検査用の数字であり、20~29の2桁とアイテムコード10桁の合計12桁の数字列に基づいて定まる数値である。各行のインストアコード用の先頭2桁の数字列、アイテムコード(10桁の数字列)、チェックデジット(1桁の数字)を組み合わせた13桁の数字列が商品コード(インストアコード)である。すなわち、登録情報テーブルのうち、各行が1つの商品コード(イントアコード)に対応している。前述のS306では、登録済みの商品が検知された場合、その商品に対応づけられた、この13桁の商品コードを表すバーコードが生成される。
【0040】
図8の登録情報テーブルのうち、登録済か否かを表す列の情報(登録済み情報)は、各行の商品コードに対して、商品が対応づけて登録されているか否かを示す。
【0041】
図8の登録情報テーブルのうち、商品名の列の情報は、各行の商品コードに対応づけて登録された商品の商品名である。
【0042】
図8の登録情報テーブルのうち、認識条件の列の情報は、各行の商品コードに対応付けて登録された商品を画像認識で検出するために必要な情報である。この情報は、学習済みモデルの情報や、商品の特徴量といった情報が記録される。この部分の情報量は多いため、登録情報テーブルに条件となるデータを直接記録するものに限らず、認識条件となるデータにアクセスするためのリンク情報や、認識条件となるデータを識別する(特定する)情報などであってもよい。前述の
図3のS304の画像認識処理では、登録情報テーブルに登録された複数の商品について、この認識条件に基づいた検出処理を行う。
【0043】
図4に、商品登録処理のフローチャートを示す。この処理は、前述した
図3のS310の詳細処理である。このフローチャートおける各処理は、CPU101が不揮発性メモリ103に格納されたプログラムをメモリ102に展開して実行することにより実現される。この処理は、会計処理における検出対象(より詳しくはS304での認識対象)となる商品を登録する処理である。ユーザーは、新たな商品を管理対象(検出対象)に加える場合、本処理によって電子機器100に商品を画像認識するための認識情報(認識条件)と、対応するバーコードを表示するための情報、商品名とを関連付けて記録する。それとともにユーザーは、レジ200に新たな商品に関する情報を登録し、電子機器100に表示されたバーコードを読み込んだ際に、その商品がレジ200で特定できるようにする。
【0044】
S401では、CPU101は、ディスプレイ105に商品名入力画面を表示する。
図6(a)に、ディスプレイ105における商品名入力画面の表示例を示す。テキストボックス601は、これから新規に登録する商品の名前の入力をユーザーから受け付ける領域である。
【0045】
S402では、CPU101は、ユーザーからの商品名入力操作を受け付ける。ユ―ザーはテキストボックス601をタッチで指定し、ソフトウェアキーボードなどからの文字入力により、任意の商品名称を入力することができる。図示の例では、ユーザー操作に応じて「カリカリカレーパン」と入力されている。入力された商品名はメモリ102に保持する。
【0046】
S403では、CPU101は、次へボタン602が操作されたかを判定する。次へボタン602への操作が行われた場合はS404へ進み、そうでないはS402に進む。
【0047】
S404では、CPU101は、メモリ102に保持している入力済みの商品名(S402で入力された商品名)と、登録情報テーブルに登録されている登録済みの商品名を比較し、登録済みの商品名と同じである(重複している)かどうかを判定する。重複している場合はS405に進み、重複していない場合はS404へ進む。
【0048】
S405では、CPU101は、ディスプレイ105に商品名が重複している旨のエラーを表示し、S401で再度商品名入力画面を表示する。
【0049】
S410では、CPU101は、インストアコードの空き番号を取得する。具体的には、CPU101は、登録情報テーブルを参照し、登録済みの列が空きとなっている(すなわち未登録の)の行を検索し、未登録の行のインストアコードを1つ取得してメモリ102に保持する。なお、S410で採番する番号は、インストアコードを表す20~29の先頭二桁のうち、特定の2桁の数字(本実施形態では29)で始まるインストアコードの番号を取得するものとする。このようにすることで、特定の2桁の数字(29)で始まるインストアコードを本アプリケーションソフトで登録する商品のカテゴリ(本実施形態ではパン)のための番号とすることができる。そして、他の2桁の数字(例えば28)で始まるインストアコードの番号は他のカテゴリ(例えば魚介類)のための番号とするといったような分類に活用でき、商品管理が容易となる。
【0050】
S411では、CPU101は、S410で取得した未登録のインストアコードからバーコードを生成してディスプレイ105に表示する。
図6(b)にこの時のディスプレイ105における表示例を示す。登録対象番号611はS410で取得したインストアコードである。バーコード612はS410で取得したインストアコードから生成したバーコード画像を表示したものである。ユーザーは、バーコード612をレジ200のバーコード読取部201で読み取り、レジ200においてこのインストアコードに対して既に他の商品が登録済みでないかを確認する。バーコード612が表すインストアコードがレジ200でも空き番号であることがわかればこのインストアコードは商品を新たに登録する対象として採用できると判断できる。例えば、バーコード612が表すインストアコードがレジ200ですでに他の商品の番号として登録済みである場合には、このインストアコードは商品を新たに登録する対象として採用せず、別の番号を取得したほうがよいと判断できる。このように、後述す登録対象商品の撮影や学習の前に、登録対象番号の候補をバーコードとして表示するため、先にその登録対象番号がレジ200においても空き番号となっているかを確認したうえで、その先の処理を行うことができる。従って無駄な手戻りを減らすことが可能となる。ここでいうその先の処理は、登録操作の一つであるS432で受け付ける撮影指示に応じたS434~S438の処理を含む(詳細は後述する)。なお、本実施形態では商品名の入力はS411でのバーコード表示の前に受け付けるものとしているが、登録対象番号の関連情報としての商品名の入力(S401~S405の処理)も、S411の後に行うようにしてもよい。
【0051】
S412では、CPU101は、ボタン614がタッチ(操作)されたか否かを判定する。例えば、バーコード612が表すインストアコードをバーコード読取部201で読み取ったところ、空き番号でなかったことがわかった場合には、ユーザーは別のインストアコードを採番するべく、操作アイテムであるボタン614をタッチする。ボタン614がタッチされた場合には413に進み、そうでない場合にはS414に進む。
【0052】
S413では、S410de取得し、登録対象番号611として表示していたインストアコードについて、登録情報テーブルの登録済みの列に登録済みである旨を記録し、S410に進んで、インストアコードの別の空き番号をあらためて取得する。このようにすることで、一度使用しないとされた番号は、登録済として記録されてS410での取得対象ではなくなるため、次回以降は自動では提示されなくなる。
【0053】
S414では、CPU101は、詳細設定ボタン613がタッチされたか否かを判定する。詳細設定ボタン613は、提示された登録対象番号611ではなく、ユーザーが任意の番号を登録対象番号とするに番号を入力する画面を表示させるための操作アイテムである。詳細設定ボタン613がタッチされた場合はS420に進み、そうでない場合はS415に進む。
【0054】
S415では、CPU101は、前へボタン615がタッチされたか否かを判定する。タッチされた場合はS401に進み、そうでない場合はS416へ進む。
【0055】
S416では、CPU101は、次へボタン616がタッチされたか否かを判定する。次へボタン616は、表示された登録対象番号611を、これから登録する商品に対応づける登録対象番号として確定する指示を受け付ける操作アイテムである。次へボタン616がタッチされた場合はS417に進み、そうでない場合はS412に進む。
【0056】
S417では、CPU101は、メモリ102に保持しているインストアコードを、登録対象の番号として確定する。具体的には、確定された番号として引き続き保持する。
【0057】
S420では、CPU101は、ディスプレイ105に、詳細設定画面を表示する。
図6(c)に、ディスプレイ105における詳細設定画面の表示例を示す。
【0058】
図6(c)は登録対象番号を、ユーザーが任意の値に設定するための画面である。
登録対象番号611はメモリ102に保持している登録対象番号を表示したラベルであり、バーコード612は登録対象番号をバーコード画像に変換して表示したものでる。入力フィールド621はインストアコードであることを示す2桁の数字列を入力する欄であり、ユーザーは入力フィールド621を選択してソフトウェアキーボードやプルダウンメニュから、20~29のうち任意の数字を入力することができる。入力フィールド622はアイテムコードを入力する欄であり、ユーザーは入力フィールド621を選択してソフトウェアキーボードを操作することにより、10桁の任意の数字列を入力することができる。CPU101は入力フィールド621と622に数字が入力されると、その組み合わせを含むインストアコードが既に登録済みとして記録されているか、登録情報テーブルを検索して確認する。登録済みとして記録されている(登録済みの列に登録済み旨が記録されている)場合には、メッセージ623を表示し、この番号が既に登録済みで使えない旨をユーザーに通知する。登録対象番号624は、入力フィールド621と622に入力された数字からなるインストアコードである。バーコード625は登録対象番号624をバーコードとして表示したものである。操作アイテムであるボタン626がタッチされると、入力フィールド621と622に入力された数字を含むインストアコードは破棄して、
図6(b)の画面に戻り、S410で取得したインストアコードを登録対象番号とした画面を表示する。操作アイテムである前へボタン627がタッチされると、S401に戻って
図6(a)の画面が表示される。操作アイテムである次へボタン628がタッチされると、S417に進み、入力フィールド621と622に入力された数字とチェックデジットの組み合わせからなるインストアコードを登録対象番号として確定してメモリ102に保持する。入力フィールド621と622に入力された数字の組み合わせを含むインストアコードが既に登録済みでメッセージ623が表示されている状況では、次へボタン628は非アクティブ状態での表示となり、タッチ操作を受け付けないものとする。非アクティブ状態の次へボタン628がタッチされてもS417へ進まない。
【0059】
S421では、CPU101はインストアコードであることを示す2桁の数字とアイテムコードの入力を受け付ける。すなわち、入力フィールド621と622への入力操作を受け付ける。入力された番号をメモリ102に保持する。
【0060】
S422では、CPU101は、S421で入力された番号を含むインストアコードが、登録情報テーブルに登録済みとして記録されているか否かを判定する。登録済みである場合にはS423へ進み、そうでない場合、すなわち空き番号である場合にはS424に進む。
【0061】
S423では、CPU101は、エラー表示としてディスプレイ105にメッセージ623を表示する。
【0062】
S424では、CPU101は、S421で入力された番号を含むインストアコードに基づいて登録対象番号624とバーコード625とをディスプレイ105に表示する。
【0063】
S425では、CPU101は、次へボタン628がタッチされたか否かを判定する。次へボタン628がタッチされた場合にはS417へ進み、そうでない場合にはS421へ進む。
【0064】
S430では、CPU101は、メモリ102に保持する変数nを1に初期化する。変数nは、登録する商品の学習用の画像の毎数(撮影の回数)をカウントするための変数である。
【0065】
S431では、CPU101は、登録する商品の学習用のn枚目の画像を取得するための撮影画面をディスプレイ105に表示する。この時の表示例を
図6(d)に示す。
【0066】
図6(d)は、登録する商品を撮影する撮影画面の表示例である。画像631はカメラ部112で撮影されているライブビュー画像(LV画像)である。商品632は画像631に被写体として写っている登録対象の商品である。ガイド線633は商品を置く位置を示す補助線である。ユーザー(作業者10)はガイド線が示す位置に登録したい商品が写るように電子機器100フレーミングするか、固定設置された電子機器100の固定された画角内におけるガイド線633が示す位置に登録したい商品を置く。表示アイテム635は、分母が商品の登録に必要な画像の枚数(撮影の回数)を示し、分子が次の撮影で得られる画像が何枚目か(次の撮影が何回目の撮影か)を示している。図示の例では合計10枚の撮影が必要で、そのうち現在は1枚目の撮影のための撮影画面(次の撮影が1枚目の撮影)であることを示している。撮影ボタン634、前へボタン636、次へボタン637はそれぞれ、ユーザーがタッチ操作可能な操作アイテムである。次へボタン637は、商品の登録に必要な撮影の回数分の撮影(図示の例では10回の撮影)が行われるとタッチ可能となり、それまではタッチしても反応しない非アクティブな状態で表示される。
【0067】
S432では、CPU101は、撮影ボタン634がタッチされたか否かを判定する。撮影ボタン634がタッチされるとS434に進み、そうでない場合はS433へ進む。
【0068】
S433では、CPU101は、前へボタン636がタッチされたか否かを判定し、タッチされた場合はS411へ進み、そうでない場合はS432へ進む。
【0069】
S434では、CPU101は、カメラ部112による本撮影を行わせる。すなわち撮影制御を行う。本実施形態での本撮影は静止画撮影であるものとするが、動画の撮影であってもよい。
【0070】
S435では、CPU101は、画像処理部104を用いて、S434での本撮影で撮影された画像に基づいた学習処理を行う。具体的には、撮影された画像のうち、ガイド線633が示す部分を抽出(トリミング)して学習モデルに入力し、学習結果として学習済みモデルを生成する。あるいは、撮影された画像のうち、ガイド線633が示す部分を抽出(トリミング)した画像から特徴量を抽出する。そして、CPU101は、生成された学習済みモデルや抽出した特徴量を、
図8で前述した登録情報テーブルのうち、メモリ102に保持している確定した登録対象番号のインストアコードに対応する行の認識条件として、不揮発性メモリ103に記録する。この情報が多いほど正確な画像認識が期待できる(認識精度が向上する)ため、学習は1枚の画像からだけではなく、複数の画像(本実施形態では10枚)について行うものとしている。この記録制御によって、登録対象番号のインストアコードに対応付けて、登録操作の一種である撮影指示に応じて取得された、関連情報としての認識条件が記録される。
【0071】
S436では、CPU101は、変数nが1であるか否かを判定する。n=1である場合にはS437へ進み、そうでない場合にはS438へ進む。メモリ102に保持している商品登録時の撮影枚数の値が1かどうかを判定する。1の場合はS437に進み、1でない場合はS438に進む。
【0072】
S437では、CPU101は、メモリ102に保持している確定した登録対象番号を登録済みとして商品名と対応付けて不揮発性メモリ103に記録する。具体的には、登録情報テーブルにおけるメモリ102に保持している確定した登録対象番号のインストアコードに対応する行のうち、登録済みの列に「登録済」を示す情報を記録し、商品名の列に、メモリ102に保持しているS402で入力された商品名を記録する。こうして、新たな商品の商品名、インストアコード、認識条件が登録される。なお、S435の処理が少なくとも1回行われるまでは商品名と登録済みの旨の情報は記録しないようにしている。これは、商品名の入力や登録対象番号の確定の後に、学習処理を一回も行わないうちに処理を中断してしまった場合に、認識条件がなく実質的に商品の情報が未登録であるにもかかわらずインストアコードが登録済みとなってしまうことを防止するためである。
【0073】
S438では、CPU101は、変数nがNmaxと等しいか否かを判定する。Nmaxは、表示アイテム635に表示された分母であり、商品の登録に必要な画像の枚数として予め定められた数である。本実施形態では10である。n=Nmaxでない場合はS439に進んで変数nを1つインクリメントし、S431へ進んで次の回の撮影の処理を行う。n=Nmaxである場合にはS450に進む。
【0074】
S450では、CPU101は、メモリ102に保持する変数mを1に初期化する。変数mは、登録した商品を正しく検出するかを確認する回数をカウントするための変数である。
【0075】
S451では、CPU101は、登録した商品を正しく認識するかを確認するためのm枚目の画像を取得するための確認画面をディスプレイ105に表示する。この時の表示例を
図7(a)に示す。
【0076】
図7(a)は、登録した商品を正しく認識するかを確認するためのm枚目の画像を取得するための確認画面の表示例である。領域708は、認識した結果が正しいか否かと、認識した商品名を示すための表示領域である。図示の例では1枚目の確認の前なので認識結果と商品名は表示されていない。画像701はカメラ部112で撮影されているLV画像である。商品702は、画像701に被写体として写っている確認したい商品(S434で撮影した商品と同じ個体や、同じ品目の別の個体)である。ガイド線703は商品を置く位置を示す補助線である。ユーザー(作業者10)はガイド線が示す位置に確認したい商品が写るように電子機器100フレーミングするか、固定設置された電子機器100の固定された画角内におけるガイド線703が示す位置に確認したい商品を置く。表示アイテム705は、分母が商品の確認をする画像の枚数(撮影の回数)として予め定まった数を示し、分子が次の撮影で得られる確認用の画像が何枚目か(次の撮影が何回目の確認のための撮影か)を示している。図示の例では合計5枚の確認を行う予定であり、そのうち現在は1枚目の撮影のための撮影画面(次の撮影が1枚目の撮影)であることを示している。チェックボタン704、前へボタン706、次へボタン707はそれぞれ、ユーザーがタッチ操作可能な操作アイテムである。
【0077】
S452では、CPU101は、前へボタン706がタッチされたか否かを判定し、タッチされた場合はS430に進み、そうでない場合はS453に進む。
【0078】
S453では、CPU101は、チェックボタン704がタッチされたか否かを判定し、タッチされた場合はS454へ進み、そうでな場合はS452に戻る。
【0079】
S454では,CPU101は、不揮発性メモリ103に記憶され、メモリ102に保持した学習済みモデルに、メモリ102に保持したLV画像を入力し、トレイ30の上に置かれた商品の種類(品目)を推論する。この処理は前述したS304の処理と同様であり、S435の学習処理で登録された認識条件を用いて行われる。また、推論に用いた画像(チェックボタン704がタッチされた際のLV画像の1フレーム分の静止画像)はメモリ102に保持しておく。
【0080】
S456では、CPU101は、メモリ102に保持した商品の種類の推論結果を参照し、登録済みの複数の商品(対象物)のうち、S437で記録した登録対象番号の商品を検出したか否かを判定する。登録対象番号の商品を検出した場合はS461に進み、そうでない場合、すなわち、登録済みのいずれの商品も検出されないか、登録済の商品が検出されたが、登録対象番号の商品と一致しない商品を検出した場合にはS457へ進む。
【0081】
S457では、CPU101は、ディスプレイ105にNG画面を表示する。この時の表示例を
図7(b)に示す。
【0082】
図7(b)は、ディスプレイ105におけるNG画面の表示例である。NG画面は、商品認識結果が登録内容と違っていた場合に出力する画面ある。なお、
図7(a)と同じ表示要素については、
図7(a)と同じ符号を付す。領域708には、「認識結果:NG」と表示され、商品認識結果が登録内容と違っていた旨が表示される。また、「商品名:激辛カレーパン」と表示され、ユーザーが登録した「カリカリジューシーカレーパン」とは異なる商品として検出されてしまっていることがわかるようになっている。画像711は、S454で画像認識処理に用いた画像であり、チェックボタン704がタッチされた際のLV画像の1フレーム分の静止画像を表示したものである。商品712は、画像711に被写体として写っている確認したい商品(S434で撮影した商品と同じ個体や、同じ品目の別の個体)である。ガイダンス710は、画像711も登録対象番号の正しい画像(この例ではカリカリジューシーカレーパンの画像)として学習(特徴量抽出)に用いることで、認識精度の向上が期待できる旨をユーザーに通知する文章である。ガイダンス710は、追加登録ボタン714を押す(タッチする)ことで、画像711を用いた学習処理(特徴量抽出処理)を指示できることを示している。
【0083】
S458では、CPU101は、追加登録ボタン714がタッチされたか否かを判定する。追加登録ボタン714がタッチされた場合にはS459に進み、そうでない場合にはS460へ進む。
【0084】
S459では、CPU101は、メモリ102に保持しているチェックボタン704がタッチされた際のLV画像の1フレーム分の静止画像(すなわち、NG判定された画像)のうち、ガイド線703が示す部分を抽出(トリミング)して学習モデルに入力する。こうして、学習済みモデルを生成する。あるいは、ガイド線703が示す部分を抽出(トリミング)した画像から特徴量を抽出する。そして、CPU101は、生成された学習済みモデルや抽出した特徴量を、
図8で前述した登録情報テーブルのうち、メモリ102に保持している確定した登録対象番号のインストアコードに対応する行の認識条件として、不揮発性メモリ103に記録する。この処理は、入力する画像以外はS435と同様の処理である。
【0085】
S460では、CPU101は、前へボタン706がタッチされたか否かを判定し、タッチされた場合はS451へ進み、そうでない場合はS458へ進む。
【0086】
S461では、CPU101は、ディスプレイ105に、正しく認識できた旨を示すOK画面を所定時間(例えば3秒)、表示する。OK画面では、領域708に「認識結果:OK」と表示し、認識された商品名(この例では「カリカリジューシーカレーパン」)を表示する。
【0087】
S462では、CPU101は、変数mがMmaxと等しいか否かを判定する。Mmaxは、表示アイテム705に表示された分母であり、商品の確認をする画像の枚数(撮影の回数)として予め定まった数である。本実施形態では5である。m=Mmaxでない場合はS463に進んで変数mを1つインクリメントし、S451へ進んで次の回の撮影の処理を行う。m=Mmaxである場合にはS464に進む。
【0088】
S464では、CPU101、ディスプレイ464に登録完了画面を表示する。この時の表示例を
図7(c)に示す。
【0089】
図7(c)に、登録間完了画面の表示例を示す。商品名721は、登録対象番号に関連付けて登録した商品名であり、S402で入力された商品名である。商品画像722は登録された商品の画像であり、S434で撮影され、S435での学習処理に用いた画像の1つである。なお、この商品画像722はメモリ102に保持していたものであるが、登録情報テーブルの登録対象番号のインストアコードに対応付けて不揮発性メモリ103に記録しておいてもよい。バーコード723はS417で確定した登録対象番号に基づいて生成された、登録対象番号の情報をもつバーコードである。前へボタン724と完了ボタン725はそれぞれ操作アイテムである。ユーザー(作業者10)は、ディスプレイ105に表示されたバーコード723をバーコード読取部201で読み取り、レジ200にも同じインストアコードの商品を登録する。例えばレジ200でインストアコードを新規登録する操作をしたうえでバーコード723を読みとり、レジ200への登録対象となるインストアコードをレジ200に入力する。バーコード723にはインストアコードの数字列自体も表示されるため、バーコード読取部201でのバーコード読取ではなく、表示された数字列を見てレジの数字キーを操作して登録対象のインストアコードを入力してもよい。そして作業者10はレジ200を操作して、入力されたインストアコードに対応付けて、商品名、商品カテゴリ、価格などの各種情報を登録する。こうすることで、会計時にバーコード723と同じバーコードを読み取ると、レジでの会計が行えるようになる。このように、
図4の商品登録処理によれば、バーコードの読み取りを行う装置(レジ200)とは別の装置(電子機器100)で対象物に対応付けてコード情報(インストアコード)を登録する際に、登録対象のバーコードを表示する。従ってバーコードの読み取りを行う装置(レジ200)にも、容易に連動して登録することができる。
【0090】
S465では、CPU101は、完了ボタン725がタッチされたか否かを判定する。完了ボタン725がタッチされていない場合はS465で待機し、完了ボタン725がタッチされた場合には
図4の商品登録処理を終了する。
【0091】
上述の商品登録処理によれば、登録対象のコード情報(インストアコード)に対応付けて対象物(商品)を検出するための認識条件を学習させ、コード情報に対応付けて認識条件を記録することができる。
【0092】
また、電子機器100に対象物とコード情報とを対応付けて登録するだけでなく、コード情報を読み取る外部装置(レジ200)においても、対象物に関する情報(価格や名称など)とコード情報を対応付けて登録する必要がある。これに対し本実施形態においては、商品登録処理における好適なタイミングで電子機器100のディスプレイ105に、登録対象のコード情報のバーコードまたは数字列を表示するため、外部装置での登録作業も容易に行うことができる。電子機器100とレジ200が通信を行えず、登録情報テーブルを共有することができない構成であっても、本実施形態によれば、それぞれの装置で容易に連動した登録作業を行うことができる。
【0093】
以上説明した本実施形態によれば、撮影された画像からの対象物(例えば商品)の検出結果を用いて、対象物をより容易に管理することができる。なお、上記の実施形態では、対象物として店舗で会計される商品を例に説明したが、これに限るものではない。商品以外の対象物であっても、撮影された画像から検出することが可能で、バーコード(1次元コード)やQRコード(商標)(2次元コード)などのコード画像を表示し、表示されたコード画像を既存のシステムなどで読み取ることで管理できるものであれば適用可能である。例えば、対象物として、物流における配送物、郵送物、工場における原料、資材、部品などに適用可能である。
【0094】
なお、CPU101が行うものとして説明した上述の各種制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェア(例えば、複数のプロセッサーや回路)が処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0095】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0096】
また、上述した実施形態においては、本発明を電子機器100に適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず、撮影画像を取得可能な装置であれば適用可能である。すなわち、本発明はパーソナルコンピュータやPDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ゲーム機、電子ブックリーダーなどに適用可能である
【0097】
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0098】
100…電子機器 200…レジ