(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023000951
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】適正なグリップが得られるゴルフ用グローブ
(51)【国際特許分類】
A63B 71/06 20060101AFI20221222BHJP
A63B 71/14 20060101ALI20221222BHJP
A63B 69/36 20060101ALI20221222BHJP
A41D 19/015 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
A63B71/06 U
A63B71/14 D
A63B69/36 Z
A41D19/015 210Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021102071
(22)【出願日】2021-06-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】517406722
【氏名又は名称】石田 峻之
(74)【代理人】
【識別番号】100103805
【弁理士】
【氏名又は名称】白崎 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100126516
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 綽勝
(74)【代理人】
【識別番号】100132104
【弁理士】
【氏名又は名称】勝木 俊晴
(74)【代理人】
【識別番号】100211753
【弁理士】
【氏名又は名称】岡崎 紳吾
(72)【発明者】
【氏名】石田 峻之
【テーマコード(参考)】
3B033
【Fターム(参考)】
3B033AA22
3B033AA24
3B033AA29
3B033AB08
3B033AB15
(57)【要約】
【課題】アドレス状態で、適正なグリップの仕方が目で的確に確認できるゴルフ用グローブを提供する。
【解決手段】ゴルフ用グローブAの人差し指の根本右側部に人差し指根元圧接スイッチS1が設けられ、且つ親指の基節腹部にも親指圧接スイッチS2が設けられ、これらの両圧接スイッチS1、S2は導線を介して電源Kに接続され、導線途中の人差し指の第3関節甲側部に発光電球L1が設けられており、適正なグリップをした場合に、人差し指根元圧接スイッチS1と親指圧接スイッチS2とが圧接し合ってON状態になり導通し、発光電球L1が点灯するゴルフ用グローブA。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
適正なグリップを得るため必要とする部分の圧を光で認識できるようにしたゴルフ用グローブ。
【請求項2】
ゴルフ用グローブの人差し指の根本右側部に人差し指根元圧接スイッチが設けられ、且つ親指の基節腹部にも親指圧接スイッチが設けられ、これらの両圧接スイッチは導線を介して電源に接続され、導線途中の人差し指の第3関節甲側部に発光電球が設けられており、適正なグリップをした場合に、人差し指根元圧接スイッチと親指圧接スイッチとが圧接し合ってON状態になり導通し、発光電球が点灯する請求項1記載のゴルフ用グローブ。
【請求項3】
小指の指先腹部に小指圧接スイッチが設けられ、この小指圧接スイッチは導線を介して電源に接続され、導線途中の中指の第3関節甲側部に発光電球が設けられており、適正なグリップをした場合に、小指圧接スイッチと握り部とが圧接し合ってON状態になり導通し、発光電球が点灯する請求項1又は2記載のゴルフ用グローブ。
【請求項4】
人差し指の指先腹部に人差し指指先圧接スイッチが設けられ、且つ親指の指先腹部に親指受圧板が設けられ、これらは導線を介して電源に接続され、導線途中の薬指の第3関節甲側部に発光電球が設けられており、適正なグリップをした場合に、人差し指指先圧接スイッチと親指受圧板とが圧接し合ってON状態になり導通し、発光電球が点灯する請求項1又は2記載のゴルフ用グローブ。
【請求項5】
手の掌の一方の掌端部から他方の掌端部にかけて左右に横断するグリップ誘導用目印ラインを設けた請求項2~4のいずれか1項記載のゴルフ用グローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、適正なグリップが得られるゴルフ用グローブに関し、更に詳しくは、適正なグリップの仕方が可視化により的確に確認できるゴルフ用グローブを提供するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ゴルフの基本はゴルフシャフトに対するグリップの仕方(いわゆる握り方)から始まるといわれている。
その理由は球、シャフト及び身体の唯一の接点が僅かの面積を有するグリップだからである。
指導者は、ゴルフを教える前に、そのことの重要性を初心者に強く伝えている。
間違ったとされているグリップを一旦覚えてしまうと、その癖がなかなか抜けにくい。
しかも続けていると下手を固めてしまうことになる。
そのため、初心者は、初期の段階でグリップの仕方に変な癖が付かないように、グリップの基本技術、すなわち上級者に共通する適正な基本技術を早めに習得する必要がある。
【0003】
一方、初心者ではなく、長年ゴルフプレーを経験している者の場合であっても、気づかない内にグリップが曖昧になって独自の悪い癖が付いてしまっているケースも多い。
このような場合、結果的にスコアーメーク、上達に悪影響を与えることになる。
【0004】
ところで、グリップの仕方(いわゆる握り方)には、いく通りかのグリップ方式があるが、それぞれにおいて違いがあり各々特徴を持っている。
例えば、ウイークグリップ、フックグリップ(ストロンググリップ)、スクウエアグリップ等によってクラブのグリップ部に対する握る指の使い方が多少異なる。
【0005】
また、ショートサム、ロングサム等などによっても同様である。
このようなグリップの仕方には、それを行う上での共通したキーポイントがある。
【0006】
それは、右利きの者が、左側から左手でゴルフシャフトのグリップ部を握る場合でいうならば、左手の人差し指と親指との間のV字の部分(付け根付近)に空間ができては駄目で、両者がピッタリ密着していることが極めて重要である。
このような空間が生じないコツは、上述したウイークグリップ、フックグリップ(ストロンググリップ)、スクウエアグリップ、ショートサム、ロングサム等の握り方を問わず共通している。
【0007】
しかし、特に、ゴルフをやり始めの頃の初心者には、なかなかこれがやりにくい。
すなわち、左手の人差し指と親指との間の密着性が悪く空間が生じてしまうのである。
人差し指の根本右側部と親指の基節腹部の間(いわゆるV字の部分)に隙間があり、ピタッと接触し圧接している状態ではない。
そのため、結果的に、クラブのグリップ部を握る力が弱まり、必要な手の機能が、効率よく、ゴルフクラブのグリップ部に伝わらない。
【0008】
例えば、インパクト時に最大のパワーが発揮できないことがある。
空間が生じては駄目で左手の人差し指と親指のV字の部分がピッタリ密着していなければならないのである。
このようにグリップの仕方は極めて重要であるところ、的確なグリップをできるだけ可能とするゴルフ用グローブ(ゴルフ手袋)が幾つか開発されている。〔特許文献1〕,〔特許文献2〕
【0009】
前者のゴルフグローブは、その表面に磁気材料を設けることによりシャフトのグリップ部に引き付けられることを利用してグリップを改善するものである。
しかし、磁気力には限界があり、また時間と共に磁力が低下することも欠点である。
【0010】
また後者のゴルフ用グローブは、例えば、左手のゴルフ用グローブと右手のゴルフ用グローブの表面において、面フアスナー片をそれぞれ必要とする部分に貼着して、それらが合致するように握ることで、正しいグリップをし易くしたものである。
【0011】
しかし薄暗いところでは合わせにくく、また面フアスナー片自体も使用時間の経過と共にすり減り精度が保てない欠点がある。
【0012】
一方、上述した2件の特許文献とは別のゴルフ用グローブ、すなわち、ゴルフ用グローブに感圧センサーを設け、グリップが不適正になると音による警告がなるようなものも開発されている。
しかし、以上述べた幾つかのゴルフ用グローブは、アドレスした状態で、グリップの良し悪しが自分自身の目で的確に確認できるようにはなっていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特表2000-517005号
【特許文献2】実用新案登録第3095738号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、このような従来の技術的な問題点を解決するものである。
すなわち、本発明の目的は、アドレス状態で、適正なグリップの仕方が目で的確に確認できるゴルフ用グローブを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
以上のような背景を基に、本発明者が研究を重ねた結果、ゴルフ用グローブAを手に装着し、アドレスしてシャフトの握り部をグリップした場合、少なくとも人差し指と親指の間に間隙が発生しない状態を光で知らせるようにすることで、適正なグリップの仕方が可視化により的確に確認できることを見出した。
この知見により、上記問題点を解決すべく、本発明を完成したものである。
【0016】
すなわち、本発明は、(1)、適正なグリップを得るため必要とする部分の圧を光で認識できるようにしたゴルフ用グローブAに存する。
【0017】
また、本発明は、(2)、ゴルフ用グローブAの人差し指の根本右側部に人差し指根元圧接スイッチS1が設けられ、且つ親指の基節腹部にも親指圧接スイッチS2が設けられ、これらの両圧接スイッチS1、S2は導線を介して電源Kに接続され、導線途中の人差し指の第3関節甲側部に発光電球L1が設けられており、適正なグリップをした場合に、人差し指根元圧接スイッチS1と親指圧接スイッチS2とが圧接し合ってON状態になり導通し、発光電球L1が点灯する上記(1)記載のゴルフ用グローブAに存する。
【0018】
また、本発明は、(3)、小指の指先腹部に小指圧接スイッチT1が設けられ、この小指圧接スイッチT1は導線を介して電源Kに接続され、導線途中の中指の第3関節甲側部に発光電球L2が設けられており、適正なグリップをした場合に、小指圧接スイッチT1と握り部B1とが圧接し合ってON状態になり導通し、発光電球L2が点灯する上記(1)又は(2)記載のゴルフ用グローブAに存する。
【0019】
また、本発明は、(4)、人差し指の指先腹部に人差し指指先圧接スイッチU1が設けられ、且つ親指の指先腹部に親指受圧板U2が設けられ、これらは導線を介して電源Kに接続され、導線途中の薬指の第3関節甲側部に発光電球L3が設けられており、適正なグリップをした場合に、人差し指指先圧接スイッチU1と親指受圧板U2とが圧接し合ってON状態になり導通し、発光電球L3が点灯する上記(1)又は(2)記載のゴルフ用グローブAに存する。
【0020】
また、本発明は、(5)、手の掌の一方の掌端部から他方の掌端部にかけて左右に横断するグリップ誘導用目印ラインMを設けた上記(2)~(4)のいずれか1項記載のゴルフ用グローブAに存する。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、(1)、適正なグリップを得るため必要とする部分の圧を光で認識できるようにしたゴルフ用グローブAであるので、簡単に適正なグリップを的確に行うことができる。
【0022】
また、(2)、ゴルフ用グローブAの人差し指の根本右側部に人差し指根元圧接スイッチS1が設けられ、且つ親指の基節腹部にも親指圧接スイッチS2が設けられ、これらの両圧接スイッチS1、S2は導線を介して電源Kに接続され、導線途中の人差し指の第3関節甲側部に発光電球L1が設けられており、適正なグリップをした場合に、人差し指根元圧接スイッチS1と親指圧接スイッチS2とが圧接し合ってON状態になり導通し、発光電球L1が点灯するので、人差し指の根本右側部と親指の基節腹部との間に間隙が生じるようなことはなく、アドレス状態で、適正なグリップの仕方が目で的確に確認できる。
【0023】
また、(3)、小指の指先腹部に小指圧接スイッチT1が設けられ、この小指圧接スイッチT1は導線を介して電源Kに接続され、導線途中の中指の第3関節甲側部に発光電球L2が設けられており、適正なグリップをした場合に、小指圧接スイッチT1と握り部B1とが圧接し合ってON状態になり導通し、発光電球L2が点灯するので、小指の指先腹部が、ゴルフクラブの握り部を一定の圧力でグリップすることができ、アドレス状態で、適正なグリップの仕方が目で的確に確認できる。
【0024】
また、(4)、人差し指の指先腹部に人差し指指先圧接スイッチU1が設けられ、且つ親指の指先腹部に親指受圧板U2が設けられ、これらは導線を介して電源Kに接続され、導線途中の薬指の第3関節甲側部に発光電球L3が設けられており、適正なグリップをした場合に、人差し指指先圧接スイッチU1と親指受圧板U2とが圧接し合ってON状態になり導通し、発光電球L3が点灯するので、人差し指の指先腹部と親指の指先腹部の間に隙間が生じるようなことはなく、アドレス状態で、適正なグリップの仕方が目で的確に確認できる。
【0025】
また、(5)、手の掌の一方の掌端部から他方の掌端部にかけて左右に横断するグリップ誘導用目印ラインMを設けたので、掌の適正な位置に、ゴルフクラブの握り部が対応することになり、アドレス状態で、適正なグリップの仕方が目で的確に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本発明のゴルフ用グローブの外観図であり、(A)は掌側、(B)は甲側を示す。
【
図2】
図2は、本発明のゴルフ用グローブを着用してゴルフシャフトの握り部をグリップした状態における発光電球の位置を示す図である。
【
図3】
図3は、ゴルフ用グローブの左手の掌側における「人差し指根元圧接スイッチ」と「親指圧接スイッチ」の位置を示す図である。
【
図4】
図4は、ゴルフ用グローブの左手の甲側における「人差し指根元圧接スイッチ」と「親指圧接スイッチ」の位置を示す図である。
【
図5】
図5は、発光電球が点灯するための回路を示す説明図である。
【
図6】
図6は、ゴルフ用グローブの掌側における小指圧接スイッチの位置を示す図である。
【
図7】
図7は、発光電球が点灯するための回路を示す説明図である。
【
図8】
図8は、ゴルフ用グローブの左手の掌側における人差し指指先圧接スイッチと親指受圧板の位置を示す図である。
【
図9】
図9は、発光電球が点灯するための回路を示す説明図である。
【
図10】
図10は、ゴルフ用グローブの掌側における誘導用目印ラインの位置を示す図である。
【
図11】
図11は、第2の機能と第3の機能を選択的に解除できるようにした場合の回路を示す説明図である。
【
図12】
図12は独立して第2の機能を発揮できる回路を示す説明図である。
【
図13】
図13は独立して第3の機能を発揮できる回路を示す説明図である。
【
図14】
図14は第1の機能と第2の機能が発揮できるような回路を示す説明図である。
【
図15】
図15は第1の機能と第3の機能が発揮できるような回路を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明のゴルフ用グローブAは、適正な(正しい)グリップが得られるゴルフ用グローブAであり、アドレス時、ゴルフクラブを握った場合の適正なグリップの仕方が目で的確に確認できるものである。
ゴルフ用グローブAにおける適正なグリップを行うため必要とする部分の圧を光で可視的に認識できるようになっている。
以下、その実施の形態について述べることとする。
【0028】
第1の実施の形態
図1は、本発明のゴルフ用グローブAの外観図であり、(A)は掌側、(B)は甲側を示す。
尚、ゴルフ用グローブにおいて、電源(電池)を含む導通のための回路は省略した(以下のゴルフ用グローブの図においても同様。)
本発明のゴルフ用グローブAは、適正なグリップ時に、光を認識して的確に確認できる機能を持つ。
先述したように、ゴルフシャフトBを握った場合、基本的な正しいグリップの仕方は、人差し指の根本右側部と親指の基節腹部の間(いわゆるV字の部分)に隙間が無くピタッと接触し圧接していることが極めて重要な条件(第1条件)である。
【0029】
ここで、「人差し指の根本右側部」とは、換言すると「人差し指における第3関節の下方の右側部」を示し、「親指の基節腹部」とは、換言すると「親指における第1関節と第2関節の間の腹部」を示す。
【0030】
図2は、本発明のゴルフ用グローブAを着用してゴルフシャフトBの握り部B1をグリップした状態における発光電球の位置を示す図である。
このように、人差し指の根本右側部と親指の基節腹部の間に隙間が無くピタッと圧接していることが適正なグリップを行う上で、極めて重要である。
【0031】
図3は、ゴルフ用グローブAの左手の掌側における「人差し指根元圧接スイッチS1」と「親指圧接スイッチS2」の位置を示す図である。
ここで圧接スイッチは、圧力を受けることによりONとなる機能を有するもので、公知のものが好適に採用可能である。
【0032】
図4は、ゴルフ用グローブAの左手の甲側における「人差し指根元圧接スイッチS1」と「親指圧接スイッチS2」の位置を示す図である。
本発明のゴルフ用グローブAは、このような人差し指根元圧接スイッチS1と親指圧接スイッチS2とを有することにより、最も重要な機能を果たすものである。
【0033】
人差し指根元圧接スイッチS1は、「人差し指の根本右側部」に設けられており、また、親指圧接スイッチS2は、「親指の基節腹部」に設けられている。
このような構造のため、本発明のゴルフ用グローブAを使用することにより、人差し指の根本右側部と親指の基節腹部の間に(いわゆるV字の部分)も隙間が無くピタッと圧接しているのを確認することができる(第1の機能)。
【0034】
ゴルフ用グローブAを着用し、左手でゴルフシャフトB1を握る場合(右利き)を想定すると、図に示すように、ゴルフ用グローブAの人差し指の根本右側部には、人差し指根元圧接スイッチS1が設けられており、また、親指の基節腹部にも同様に親指圧接スイッチS2が設けられている。
これらの2つの圧接スイッチは、後で図示する回路(導線)を介してゴルフ用グローブAの他所に設けた電源K(例えば電池)に接続されている。
尚、電源Kは、ゴルフ用グローブAの甲側における発光電球に邪魔にならない位置(例えば、中央部)に設けられる。
【0035】
そして、回路の途中には発光電球L1が設けられており、この発光電球L1の位置は、人差し指の第3関節甲側部(換言すると、甲側における人差し指の根元の延長部で一般にナックルと呼ばれる部分である)となっている。
ここで、発光電球L1は、例えば、LED電球、白熱電球等の小さい電球が採用される。
アドレスする際、ゴルフシャフトBの握り部B1に対して、適正なグリップを行うと、人差し指根元圧接スイッチS1と親指圧接スイッチS2は、互いに接触し圧接し合ってON状態となる。
【0036】
その結果、回路は導通し発光電球L1が点灯する。
発光電球L1の設けられている位置は、上述したように人差し指の第3関節甲側部であるので、アドレス状態では、この発光電球L1を容易に視認することができる。
【0037】
図5は、このように発光電球L1が点灯するための回路を示す説明図である。
人差し指根元圧接スイッチS1と親指圧接スイッチS2と電源Kと発光電球L1とが回路(導線)により直列に連結されている。
この回路においては、グリップした際、人差し指根元圧接スイッチS1と親指圧接スイッチS2との相互作用により回路が導通して、発光電球L1が点灯することとなる。
【0038】
(具体的使用例)
1)まず、本発明のゴルフ用グローブAを左手に装着する(右利きの人)。
2)ショットする前に、アドレスを行い、ゴルフシャフトBの握り部B1を左手でグリップする。
3)左手でグリップする際、人差し指の根本右側部と親指の基節腹部とが、互いに圧を受けてピッタリと接触するようにする。
いわゆるV字の部分がピッタリと接触し圧接状態となる。
【0039】
このように人差し指の根本右側部と親指の基節腹部とが互いに圧を受けると、人差し指根元圧接スイッチS1と親指圧接スイッチS2も、同様に圧を受けてON状態となる。
その結果、導通し発光電球L1に電流が流れて点灯する。
ゴルフシャフトB(詳しくは、握り部B1)を握って正しくアドレスした状態において、この点灯した発光電球L1の光は、目で可視的に容易に確認することができる。
これで適正なグリップであることが確認できたこととなる。
尚、グリップ状態では、アドレス時には、必ずこの発光電球L1が視野に入っている。
【0040】
ここで、人差し指の根本右側部と親指の基節腹部とがぴったりと接触しないで隙間が生じている場合はどうなるのか。
その場合は、人差し指根元圧接スイッチS1と親指圧接スイッチS2とが、相互に圧接しないためON状態とはならない。
結果的に回路は導通せず発光電球L1は消灯状態となったままである。
【0041】
そのため、親指と人差し指の位置を確かめながら再度、グリップし直すこととなる。
グリップをし直した結果、人差し指の根本右側部と親指の基節腹部とが、ピッタリと接触し互いに圧を受けた場合は、人差し指根元圧接スイッチS1と親指圧接スイッチS2も、圧を受けてON状態となり、回路が導通し発光電球L1が点灯する。
人差し指の第3関節甲側部にある発光電球L1は、アドレスした状態でその光を容易に視認することができる。
【0042】
このように、本発明のゴルフ用グローブAを使用することにより、アドレス状態で、人差し指の根本右側部と親指の基節腹部の間に隙間が無くピタッと接触し圧接している状態を維持することができ、適正なグリップの仕方が目で的確に確認できるのである。
【0043】
第2実施の形態
既に第1の実施の形態で述べたように、人差し指の根本右側部と親指の基節腹部の間に隙間が無くピタッと圧接していることが適正なグリップを行う上で極めて重要な条件(第1の条件)である。
しかし、適正なグリップを行うには、この条件の他に更なる条件が加わるとより好ましい。
すなわち、更なる条件とは小指の指先腹部がゴルフシャフトBの握り部B1に強く圧接していることである(第2の条件)。
【0044】
このような圧接状態を確認するため、小指の指先腹部に小指圧接スイッチT1が設けられている。
ここで小指の指先腹部とは、換言すると「小指における先端部と第2関節との間の腹部」を示す。
【0045】
図6は、ゴルフ用グローブAの掌側における小指圧接スイッチT1の位置を示す図である。
尚、人差し指根元圧接スイッチS1、親指圧接スイッチS2は、省略している。
この小指圧接スイッチT1は回路(導線)を介して電源Kに接続されている。
また、発光電球L2は導線途中の中指の第3関節甲側部(換言すると甲側における中指の根元の延長部)に設けられている。
【0046】
図7は、このように発光電球L2が点灯するための回路を示す説明図である。
小指圧接スイッチT1と電源Kと発光電球L2とが回路(導線)により、直列に連結されている。
この回路においては、グリップした際、小指圧接スイッチT1とゴルフシャフトBの握り部B1との相互作用により、回路が電源Kと導通して発光電球L2が点灯することとなる。
【0047】
(具体的使用例)
1)まず、本発明のゴルフ用グローブAを左手に装着する(右利きの人)。
2)ショットする前に、アドレスを行い、左手でゴルフシャフトBの握り部B1をグリップする。
3)左手でゴルフシャフトBをグリップするが、この時、小指の指先腹部が握り部B1に強く当接(圧接)するようにする。
【0048】
ゴルフシャフトBの握り部B1をグリップした場合に、小指の指先腹部が握り部B1に強く圧接していると、小指圧接スイッチT1が圧を受けてON状態となる。
その結果、回路は導通し、発光電球L2に電流が流れて点灯する。
【0049】
ゴルフシャフトB(詳しくは、握り部B1)を握って正しくアドレスした状態において、中指の第3関節甲側部に設けられている発光電球L2の点灯を目で容易に確認することができる。
これで小指の指先腹部がゴルフシャフトBの握り部B1に強く圧接していることが確認できる(第2の機能)。
小指による握り力が的確であることが確認できたこととなる。
尚、グリップ状態では、アドレス時には、必ずこの発光電球L2が視野に入っている。
【0050】
第3の実施の形態
既に第1の実施の形態で述べたように、人差し指の根本右側部と親指の基節腹部の間に隙間が無くピタッと圧接していることが適正なグリップを行う上で極めて重要な条件(第1の条件)である。
しかし、適正なグリップを行うには、この条件の他に更なる条件が加わるとより好ましい。
すなわち、更なる条件とは、アドレス時、左手でゴルフシャフトBの握り部B1をグリップした状態で、人差し指の指先腹部と親指の指先腹部とがピッタリと圧接していることである(第3の条件)。
【0051】
ここで人差し指の指先腹部とは、換言すると「人差し指における先端部と第1関節との間の腹部」を示し、また親指の指先腹部とは、親指における先端部と第1関節との間の腹部」を示す。
このような圧接状態を確認するため、人差し指の指先腹部に人差し指指先圧接スイッチU1が設けられ、且つ親指の指先腹部に親指受圧板U2が設けられている。
【0052】
図8は、ゴルフ用グローブAの掌側における人差し指指先圧接スイッチU1と親指受圧板U2の位置を示す図である。
ここでは人差し指根元圧接スイッチS1、親指圧接スイッチS2、小指圧接スイッチT1は省略している。
この人差し指指先圧接スイッチU1は、回路(導線)を介して電源Kに接続されている。
また、導線の途中に設けられている発光電球L3は薬指の第3関節甲側部に(換言すると甲側における薬指の根元の延長部)設けられる。
【0053】
図9は、このように発光電球L2が点灯するための回路を示す説明図である。
人差し指指先圧接スイッチU1と電源Kと発光電球L3とが回路(導線)により、直列に連結されている。
この回路においては、グリップした際、人差し指指先圧接スイッチU1と親指受圧板U2との相互作用により電源Kと導通して発光電球L3が点灯する。
【0054】
(具体的使用例)
1)まず、本発明のゴルフ用グローブAを左手に装着する(右利きの人)。
2)ショットする前に、アドレスを行い、ゴルフシャフトBの握り部B1を左手でグリップする。
3)左手でグリップする際、アドレス時、人差し指の指先腹部と親指の指先腹部とがピッタリと圧接するようにする。
【0055】
このように人差し指の指先腹部と親指の指先腹部とがピッタリと圧接すると、人差し指指先圧接スイッチU1と親指受圧板U2とが、互いに圧を受けて回路はON状態となり導通する。
その結果、発光電球L3に電流が流れて点灯する。
ゴルフシャフトB(詳しくは、握り部B1)を握って正しくアドレスした状態において、薬指の第3関節甲側部に設けられている発光電球L3の点灯を目で容易に確認することができる。
これで人差し指の指先腹部と親指の指先腹部との間において握り方が的確であることが確認できたこととなる(第3の機能)。
【0056】
第4の実施の形態
発光電球L1、発光電球L2、発光電球L3により光を認知することにより、的確なグリップを行うことは、既に述べた通りである。
ここでは発光電球を使用しないで、掌が適正に握り部B1に位置決めされてグリップされていることが目で見て確認できる手法を述べる。
【0057】
グリップの適切な位置決めを確認できるように、手の掌の一方の掌端部から他方の掌端部にかけて左右に横断するグリップ誘導用目印ラインMが設けられている。
例えば、手の掌の人差し指の付け根部から小指付け根部かけて左右に横断するグリップ誘導用目印ラインM1を付与する。
また、手の掌の人差し指の付け根部から小指付け根部にかけて左右に横断するグリップ誘導用目印ラインM2を付与する。
【0058】
図10は、ゴルフ用グローブAの掌側における誘導用目印ラインM1と誘導用目印ラインM2の位置を示す図である。
このグリップ誘導用目印ラインM1は、いわゆる「ショートサムグリップ」といわれるものである。
また、グリップ誘導用目印ラインM2は、いわゆる「ロングサムグリップ」といわれるものである。
尚、これらは「フインガーグリップ」または「パームグリップ」と呼ぶこともある。
【0059】
グリップする際は、ゴルフシャフトBの握り部B1をこの誘導用目印ラインMに合致するように添わせてグリップすることがキーポイントである。
これにより掌に対する、ゴルフシャフトBの握り部B1の適正な位置が容易に定まる(第4の機能)。
【0060】
このように、2種類の誘導用目印ラインM(M1、M2)があれば、選択が可能で有用である。
ここで、この誘導用目印ラインMは、一本でもよいが、略ゴルフシャフトBの太さに相当する間隔を有する2本のラインの方が、グリップする際、掌が位置決めし易い。
尚、
図10は、間隔を有する誘導用目印ラインM1と誘導用目印ラインM2を示している。
また、誘導用目印ラインMの色は、目立って可視化できる色彩が好ましい。
【0061】
(具体的使用例)
ショットする前に、アドレスを行い、ゴルフシャフトBの握り部B1を左手でグリップする。
この時、ゴルフシャフトBの握り部B1が、誘導用目印ラインM1又は誘導用目印ラインM2に対応するようにグリップする。
このようにグリップを行うことで、掌が適正に握り部B1に位置決めされていることが確認でき、アドレス状態で、適正なグリップの仕方が目で的確に確認できる。
【0062】
以上、実施の形態を挙げて説明してきたが、本発明は、これらの実施の形態に拘束されるものではない。
【0063】
例えば、発光電球の色は、可視的に認識できるものであれば、自由に選択可能である。
圧力スイッチの大きさや精度も最適なものを選択できる。
また、圧力スイッチ、回路、電源(電池)等の部品の具体的な設け方は、ゴルフを構成する材質(革や布等)を二重にして内蔵させることが好ましいが、必ずしもそれに限定されるものではない。
また発光電球は露出した状態で備わっている。
また、第3の実施の形態において、親指受圧板を圧接スイッチに変えることも可能である。
【0064】
(機能の解除)
例えば、第2の実施の形態で述べた第2の機能や第3の実施の形態で述べた第3の機能を作動しない構造にすることもできる。
ここで、この第2の実施の形態において、その機能(第2の機能)が作動しないように、すなわち回路において発光電球L2が点灯しないようにするための解除スイッチ部X1を設けることも可能である。
すなわち、回路の一部に直列に解除スイッチ部X1を設ける。
人によっては、小指の指先腹部がゴルフシャフトBの握り部B1に強く圧接していることを重要でないと考える場合、解除スイッチ部X1を切り替えて本機能(第2の機能)が作動しないようにすることができる。
【0065】
このことは、第2の実施の形態に限らず、第3の実施の形態においても同様なことがいえる。
第3の機能が作動しないように、すなわち回路において発光電球L3が点灯しないようにするための解除スイッチ部X2を設けることも可能である。
人によっては、人差し指の指先腹部と親指の指先腹部とがピッタリと圧接していることを重要でないと考える場合、解除スイッチ部X2を切り替えて本機能(第3の機能)が作動しないようにすることができる。
【0066】
図11は、第2の機能と第3の機能を選択的に解除できるようにした場合の回路を示す説明図である。
このような解除スイッチ部X1、解除スイッチ部X2を設けることで選択的に機能を生かすことができる。
【0067】
(機能の選択)
第1の実施の形態で述べた第1の機能、第2の実施の形態で述べた第2の機能、第3の実施の形態で述べた第3の機能については、全ての機能が発揮できるような回路(例えば、
図9参照)としてもよいが、各々単独に機能が発揮できるような回路や組み合わせて機能が発揮できるような回路としてもよい。
図12は独立して第2の機能を発揮できる回路を示す説明図であり、
図13は独立して第3の機能を発揮できる回路を示す説明図である。
また、
図14は第1の機能と第2の機能が発揮できるような回路を示す説明図であり、
図15は第1の機能と第3の機能が発揮できるような回路を示す説明図である。
【0068】
因みに、第1の機能、第2の機能、第3の機能を全部発揮できた時のみ(AND条件)点灯するように構成することも可能であり、そのような場合は、各機能を発揮する回路を直列にし、発光電球は一つとすればよい。
このように本発明のゴルフ用グローブAはその持つ機能の自由が高い。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明のゴルフ用グローブAは、アドレス状態で、適正なグリップの仕方が目で的確に確認できるものであり、この原理を利用するものであれば、アイアンやドライバー以外のものに対しても、適用が十分可能である。
【符号の説明】
【0070】
A…ゴルフ用グローブ
a…人の手
B…ゴルフシャフト
B1…握り部
K…電源(電池)
L1、L2、L3…発光電球
M、M1、M2…誘導用目印ライン
S1…人差し指根元圧接スイッチ
S2…親指圧接スイッチ
T1…小指圧接スイッチ
U1…人差し指指先圧接スイッチ
U2…親指受圧板
X1、X2…解除スイッチ
【手続補正書】
【提出日】2021-09-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
適正なグリップを得るため必要とする部分の圧を光で認識できるようにしたものであり、
人差し指の指先腹部に人差し指指先圧接スイッチが設けられ、且つ親指の指先腹部に親指受圧板が設けられ、これらは導線を介して電源に接続され、導線途中の薬指の第3関節甲側部に発光電球が設けられており、適正なグリップをした場合に、人差し指指先圧接スイッチと親指受圧板とが圧接し合ってON状態になり導通し、発光電球が点灯するゴルフ用グローブ。
【請求項2】
人差し指の根本右側部に人差し指根元圧接スイッチが設けられ、且つ親指の基節腹部にも親指圧接スイッチが設けられ、これらの両圧接スイッチは導線を介して電源に接続され、導線途中の人差し指の第3関節甲側部に発光電球が設けられており、適正なグリップをした場合に、人差し指根元圧接スイッチと親指圧接スイッチとが圧接し合ってON状態になり導通し、発光電球が点灯する請求項1記載のゴルフ用グローブ。
【請求項3】
小指の指先腹部に小指圧接スイッチが設けられ、この小指圧接スイッチは導線を介して電源に接続され、導線途中の中指の第3関節甲側部に発光電球が設けられており、適正なグリップをした場合に、小指圧接スイッチと握り部とが圧接し合ってON状態になり導通し、発光電球が点灯する請求項1又は2記載のゴルフ用グローブ。
【請求項4】
手の掌の一方の掌端部から他方の掌端部にかけて左右に横断するグリップ誘導用目印ラインを設けた請求項1~3のいずれか1項に記載のゴルフ用グローブ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
すなわち、本発明は、(1)、適正なグリップを得るため必要とする部分の圧を光で認識できるようにしたものであり、人差し指の指先腹部に人差し指指先圧接スイッチU1が設けられ、且つ親指の指先腹部に親指受圧板U2が設けられ、これらは導線を介して電源Kに接続され、導線途中の薬指の第3関節甲側部に発光電球L3が設けられており、適正なグリップをした場合に、人差し指指先圧接スイッチU1と親指受圧板U2とが圧接し合ってON状態になり導通し、発光電球L3が点灯するゴルフ用グローブAに存する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
また、本発明は、(2)、人差し指の根本右側部に人差し指根元圧接スイッチS1が設けられ、且つ親指の基節腹部にも親指圧接スイッチS2が設けられ、これらの両圧接スイッチS1、S2は導線を介して電源Kに接続され、導線途中の人差し指の第3関節甲側部に発光電球L1が設けられており、適正なグリップをした場合に、人差し指根元圧接スイッチS1と親指圧接スイッチS2とが圧接し合ってON状態になり導通し、発光電球L1が点灯する上記(1)記載のゴルフ用グローブAに存する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
また、本発明は、(4)、手の掌の一方の掌端部から他方の掌端部にかけて左右に横断するグリップ誘導用目印ラインMを設けた上記(1)~(3)のいずれか1つに記載のゴルフ用グローブAに存する。