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特開2023-95186軸部材、空気軸受機構、および振動発生機
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  • 特開-軸部材、空気軸受機構、および振動発生機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095186
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】軸部材、空気軸受機構、および振動発生機
(51)【国際特許分類】
   B06B 1/04 20060101AFI20230629BHJP
   F16C 32/06 20060101ALI20230629BHJP
   H02K 5/167 20060101ALI20230629BHJP
   G01M 7/04 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
B06B1/04 Z
F16C32/06 Z
H02K5/167 Z
G01M7/04
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021210925
(22)【出願日】2021-12-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】311008830
【氏名又は名称】株式会社振研
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】池田 克己
【テーマコード(参考)】
3J102
5D107
5H605
【Fターム(参考)】
3J102AA02
3J102BA17
3J102BA20
3J102CA36
3J102CA40
3J102EA02
3J102EA08
3J102EA13
3J102EA22
3J102GA20
5D107BB09
5D107CC09
5D107CC10
5D107DD11
5H605EB06
5H605EB13
5H605GG01
(57)【要約】
【課題】空気軸受が形成される隙間内の圧力の均一化を可能にすること。
【解決手段】軸部材は、空気軸受機構が備える筒状部材の内部に配置される軸部材であって、筒状部材の筒内形状に応じた外形状を有する本体部と、本体部の内部に形成された空気室と、空気室から本体部の外部に向けて本体部に穿設された複数の絞り孔とを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気軸受機構が備える筒状部材の内部に配置される軸部材であって、
前記筒状部材の筒内形状に応じた外形状を有する本体部と、
前記本体部の内部に形成された空気室と、
前記空気室から前記本体部の外部に向けて前記本体部に穿設された複数の絞り孔と
を備えることを特徴とする軸部材。
【請求項2】
前記複数の絞り孔の各々に配置される、複数の多孔質体を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の軸部材。
【請求項3】
前記複数の絞り孔の各々に配置され、貫通孔を有する複数の保持部材を備え、
前記複数の多孔質体の各々は、
前記保持部材の前記貫通孔内で保持された状態で、前記保持部材とともに前記絞り孔に配置される
ことを特徴とする請求項2に記載の軸部材。
【請求項4】
前記保持部材の外周面は、
前記絞り孔の内周面に螺合するネジ山を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の軸部材。
【請求項5】
前記保持部材の外周面は、
前記絞り孔の内周面に接着剤で固着されている
ことを特徴とする請求項3または4に記載の軸部材。
【請求項6】
前記多孔質体は、
前記保持部材の前記貫通孔に対する、前記本体部の外部の方向への抜け止めがなされる抜け止め形状を有する
ことを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の軸部材。
【請求項7】
前記多孔質体は、
樹脂素材が用いられて形成される
ことを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の軸部材。
【請求項8】
前記本体部には、
前記空気室から前記本体部の外部に向けて、互いに異なる8以上の半径方向の各々に、前記絞り孔が穿設されている
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の軸部材。
【請求項9】
前記本体部には、
軸方向における複数段に亘って、前記複数の絞り孔が千鳥状に穿設されている
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の軸部材。
【請求項10】
前記本体部の前記空気室内に配置され、弾性を有し、前記本体部の一端側の開口部と前記本体部の他端側の開口部とを接続する、排気管を備える
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の軸部材。
【請求項11】
前記本体部は、
前記空気室に面した内壁面にリブを有する
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の軸部材。
【請求項12】
前記筒状部材と、
前記筒状部材の内部に配置される、請求項1から11のいずれか一項に記載の軸部材と
を備えることを特徴とする空気軸受機構。
【請求項13】
請求項12に記載の空気軸受機構を備える
ことを特徴とする振動発生機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸部材、空気軸受機構、および振動発生機に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、振動テーブルの筒状軸の筒内に配置された軸状のガイド部に、軸方向空気供給通路および水平方向空気供給通路を設け、軸方向空気供給通路および水平方向空気供給通路を介して、シリンダの内周面とガイド部の外周面との間の隙間に圧縮空気を吐出することにより、当該隙間に空気軸受を形成し、当該空気軸受によって振動テーブルの筒状軸を支持する技術が開示されている。
【0003】
また、下記特許文献1には、ガイド部に対し、複数の水平方向空気供給通路を軸方向に並べて設けることにより、シリンダの内周面とガイド部の外周面との間の隙間に対し、ガイド部の外周面における軸方向の複数箇所から、圧縮空気を吐出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3035280号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術は、軸方向空気供給通路の下端部から軸方向空気供給通路内に圧縮空気が供給され、さらに、軸方向に並べて設けられた複数の水平方向空気供給通路の各々から、圧縮空気が吐出されるため、軸方向空気供給通路の下端部から離れた位置の軸方向空気供給通路から吐出される圧縮空気の空気圧が低下する虞があった。このため、特許文献1の技術は、シリンダの内周面とガイド部の外周面との間の隙間の軸方向において、当該隙間内の圧縮空気の圧力が不均一となる虞があった。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するため、空気軸受が形成される隙間内の圧力の均一化を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、一実施形態に係る軸部材は、空気軸受機構が備える筒状部材の内部に配置される軸部材であって、筒状部材の筒内形状に応じた外形状を有する本体部と、本体部の内部に形成された空気室と、空気室から本体部の外部に向けて本体部に穿設された複数の絞り孔とを備える。
【発明の効果】
【0008】
一実施形態に係る軸部材によれば、空気軸受が形成される隙間内の圧力の均一化を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る振動試験システムのシステム構成を示す図
図2】一実施形態に係る振動発生機の構成を示す縦断面図
図3】一実施形態に係る振動発生機が備える空気軸受機構の構成を説明するための縦断面図
図4】一実施形態に係る軸部材の側面図
図5】一実施形態に係る軸部材の縦断面図
図6】一実施形態に係る軸部材および振動テーブル(筒状軸部)の横断面図
図7】一実施形態に係る軸部材の一部(絞り孔の形成部)の構成を示す一部拡大横断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
【0011】
(振動試験システム10のシステム構成)
図1は、一実施形態に係る振動試験システム10のシステム構成を示す図である。図1に示す振動試験システム10は、振動発生機100によって振動を発生することにより、振動発生機100に保持された試料12の振動試験を行うシステムである。
【0012】
図1に示すように、振動試験システム10は、振動発生機100、制御装置20、および、空圧源ユニット30を備える。
【0013】
振動発生機100は、振動を発生する。振動発生機100は、試料12を保持した状態で振動を発生することにより、試料12に振動を加えることができる。振動発生機100は、制御装置20の制御により、加振力Fの振動を発生することができる。これにより、振動発生機100は、予め設定された所定の周波数で、試料12を振動させることができる。
【0014】
制御装置20は、振動発生機100の動作を制御する。制御装置20は、振動波形制御機21、電力増幅器22、励磁電源部23、および保護回路部24を有する。
【0015】
振動波形制御機21は、振動発生機100が備える加速度センサ(図示省略)から、振動発生機100により発生された振動の加速度を示す加速度信号を受信する。そして、振動波形制御機21は、受信した加速度信号に基づいて、振動発生機100を交流駆動するための交流駆動信号を生成する。
【0016】
電力増幅器22は、振動波形制御機21によって生成された交流駆動信号を増幅し、増幅された交流駆動信号を、振動発生機100の駆動コイル133(図2参照)へ出力する。
【0017】
励磁電源部23は、振動発生機100が備える上部励磁コイル112および下部励磁コイル113(図2参照)へ、直流励磁のための直流励磁信号を出力する。
【0018】
保護回路部24は、振動試験システム10全体の監視を行うものであり、異常信号を検出した場合に振動試験システム10の一部または全部を停止させる等により、安全を確保することができる。
【0019】
制御装置20は、振動発生機100が加振力Fの振動を発生するように、振動発生機100を駆動制御する。振動発生機100の加振力Fは、下記式(1)により算出することができる。
【0020】
F=(m0+m1+m)A・・・(1)
【0021】
但し、上記式(1)において、M0は、加振治具及び補助テーブルの質量である。また、M1は、供試体質量である。また、Aは、試験加速度である。また、試験加速度Aが不明の場合には、下記式(2)、または、下記式(3)により、試験加速度Aを求めることができる。
【0022】
A=2πfV/980・・・(2)
A=(2πf)2D/980・・・(3)
【0023】
空圧源ユニット30は、振動発生機100の空気軸受機構100A(図2および図3参照)へ空気圧を供給する。
【0024】
(振動発生機100の構成)
図2は、一実施形態に係る振動発生機100の構成を示す縦断面図である。図2に示すように、振動発生機100は、ホルダ部110、支持部材120、振動テーブル130、および軸部材140を備える。
【0025】
<ホルダ部110>
ホルダ部110は、ホルダ部材111、上部励磁コイル112、下部励磁コイル113、上部円筒部材115、下部円筒部材116、上部カバー部材117、および下部カバー部材118を有する。
【0026】
ホルダ部材111は、上部励磁コイル112および下部励磁コイル113を保持する。ホルダ部材111は、概ね上下方向(Z軸方向)を筒方向とする円筒状を有している。ホルダ部材111は、内周面の上部に上部コイル収納室111Aが形成されており、内周面の下部に下部コイル収納室111Bが形成されている。そして、ホルダ部材111は、上部コイル収納室111Aにおいて上部励磁コイル112を保持し、下部コイル収納室111Bにおいて下部励磁コイル113を保持する。
【0027】
上部励磁コイル112は、円環状を有しており、ホルダ部材111の上部コイル収納室111Aに保持されることで、駆動コイル133が上方位置に移動したとき、駆動コイル133と対向する位置に配置される。上部励磁コイル112は、励磁電源部23から直流励磁信号が供給されることにより、磁界を発生する。
【0028】
下部励磁コイル113は、円環状を有しており、ホルダ部材111の下部コイル収納室111Bに保持されることで、駆動コイル133が下方位置に移動したとき、駆動コイル133と対向する位置に配置される。下部励磁コイル113は、励磁電源部23から直流励磁信号が供給されることにより、磁界を発生する。
【0029】
上部円筒部材115は、ホルダ部材111の筒内の上部(すなわち、上部励磁コイル112の内側)に配置される円筒状の部材である。上部円筒部材115の筒内115Aには、振動テーブル130の筒状軸部132の下側の一部と、軸部材140の下側の一部とが配置される。
【0030】
下部円筒部材116は、ホルダ部材111の筒内の下部(すなわち、下部励磁コイル113の内側)に配置される円筒状の部材である。下部円筒部材116の筒内116Aには、給気管32および排気管33が配置される。
【0031】
上部カバー部材117は、ホルダ部材111の上端部に設けられる円盤状の部材であり、ホルダ部材111の上部コイル収納室111Aを閉塞する。下部カバー部材118は、ホルダ部材111の上端部に設けられる円盤状の部材であり、ホルダ部材111の下部コイル収納室111Bを閉塞する。
【0032】
なお、ホルダ部材111、上部円筒部材115、下部円筒部材116、上部カバー部材117、および下部カバー部材118は、電磁石のヨーク(鉄心)を構成する。
【0033】
<支持部材120>
支持部材120は、ホルダ部材111の両側部を支持する。支持部材120は、ベース部121、左右一対の腕部122、および左右一対の水平軸123を有する。ベース部121は、床面に設置される水平な部分である。左右一対の腕部122は、ベース部121の左右両端部から上方に延在する垂直な柱状の部分である。左右一対の水平軸123は、ホルダ部材111の左右両側面から外側に突出して設けられる。左右一対の水平軸123は、その左右両端部が、左右一対の腕部122によって回動可能に支持される。これにより、ホルダ部材111は、水平軸123を中心として回動可能となっている。
【0034】
<振動テーブル130>
振動テーブル130は、テーブル部131、筒状軸部132、および駆動コイル133を有する。テーブル部131は、上面に試料12が固定される水平部分である。筒状軸部132は、中心軸AXを中心として、テーブル部131から下方に延びる円筒状の部分である。筒状軸部132は、「筒状部材」の一例であり、内部に軸部材140が配置される。駆動コイル133は、薄い円筒状を有しており、振動テーブル130の下端部且つ外周面に設けられている。
【0035】
駆動コイル133は、薄い円筒状に形成されており、上部円筒部材115および下部円筒部材116の外周面と、上部励磁コイル112および下部励磁コイル113の内周面との間の隙間内において、上部円筒部材115、下部円筒部材116、上部励磁コイル112、および下部励磁コイル113と接触することなく、上下方向に移動可能に設けられている。
【0036】
<軸部材140>
軸部材140は、振動テーブル130が有する筒状軸部132の筒内に配置される。軸部材140は、振動テーブル130が有する筒状軸部132を、中心軸AXに平行な方向である振動方向Aに摺動可能に支持する。
【0037】
軸部材140は、本体部141、空気室142、複数の絞り孔143、下側蓋部材144、排気チューブ145、および上側蓋部材146を有する。
【0038】
本体部141は、振動テーブル130の筒状軸部132(筒状部材)の筒内形状に応じた外形状を有する。すなわち、本体部141は、円柱状の外形状を有する。
【0039】
空気室142は、本体部141の内部に形成されており、空圧源ユニット30から供給される圧縮空気を貯留する。
【0040】
複数の絞り孔143は、空気室142から本体部141の外部に向けて(すなわち、本体部141の半径方向に向けて)、本体部141の外周壁部141Aに穿設されている。
【0041】
軸部材140の本体部141の外周面と、振動テーブル130の筒状軸部132の内周面との間には、微小な隙間B(図6および図7参照)が設けられている。軸部材140の本体部141において、複数の絞り孔143は、上下方向(Z軸方向)において、複数段形成されている。また、軸部材140の本体部141において、複数の絞り孔143は、上下方向(Z軸方向)の各段において、半径方向に向けて所定角度間隔を有して放射状に形成されている。これにより、軸部材140の本体部141は、外周面の略全域から、均一に空気を吹き出すことができる。したがって、軸部材140は、本体部141の外周面と、振動テーブル130の筒状軸部132の内周面との間の隙間Bの略全域に亘り、均一な空気圧層(すなわち、空気軸受)を形成することができる。
【0042】
上側蓋部材146は、本体部141の上側の開口部に嵌め込まれることによって、本体部141の上側の開口部を閉塞する。上側蓋部材146の中央には、開口部146Aが、上下方向(Z軸方向)に貫通して形成されている。
【0043】
下側蓋部材144は、本体部141の下側の開口部が嵌め込まれることによって、本体部141の下側の開口部を閉塞する。下側蓋部材144には、給気路144Aおよび排気路144Bが、上下方向(Z軸方向)に貫通して形成されている。
【0044】
排気チューブ145は、「排気管」の一例であり、弾性を有する管状の部材である。排気チューブ145は、空気室142内に配置されている。排気チューブ145は、上端が、本体部141の上側蓋部材146の開口部146A(「一端側の開口部」の一例)に接続され、下端が、下側蓋部材144の排気路144B(「他端側の開口部」の一例)に接続されている。これにより、排気チューブ145は、空気ばね室134の圧縮空気を、下側蓋部材144の排気路144Bへ送出できるようになっている。
【0045】
以上のように構成された振動発生機100では、駆動コイル133が、電力増幅器22から交流駆動信号が供給されて交流駆動されることにより、方向が交番的に変化する磁束を発生する。このため、駆動コイル133は、上部励磁コイル112の発生する磁界への吸引、および、下部励磁コイル113の発生する磁界への反発による上方への移動と、上部励磁コイル112の発生する磁界への反発、および、下部励磁コイル113の発生する磁界への吸引による下方へ移動とを交互に繰り返す。これにより、駆動コイル133は、振動テーブル130を上下方向に振動させることができる。
【0046】
この際、振動テーブル130の筒状軸部132の内周面と、軸部材140の本体部141の外周面との間の隙間Bに、空気圧層(すなわち、空気軸受)が形成されているため、振動テーブル130の筒状軸部132の上下方向(Z軸方向)の移動は、空気圧層(すなわち、空気軸受)を介して、軸部材140の本体部141によってガイドされる。すなわち、振動テーブル130の筒状軸部132の上下方向(Z軸方向)の移動の際の摺動抵抗は、空気圧層(すなわち、空気軸受)によって抑制される。
【0047】
なお、振動発生機100では、ホルダ部材111が、水平軸123を中心として回動可能となっている。このため、振動発生機100は、振動テーブル130を、斜め方向および水平方向にも振動させることが可能となっている。
【0048】
(空気軸受機構100Aの構成)
図3は、一実施形態に係る振動発生機100が備える空気軸受機構100Aの構成を説明するための縦断面図である。図3に示すように、空気軸受機構100Aは、振動テーブル130の筒状軸部132(筒状部材)と、軸部材140とを有して構成されている。図3に示すように、軸部材140は、筒状軸部132の筒内に配置される。これにより、軸部材140は、振動テーブル130の上下方向(Z軸方向)の振動をガイドする。
【0049】
なお、筒状軸部132の内周面、および、軸部材140の本体部141の外周面の各々には、表面加工が施されている。これにより、筒状軸部132の内周面、および、軸部材140の本体部141の外周面の各々は、耐磨耗性および滑り性が向上されており、摺動抵抗が抑制されたものとなっている。
【0050】
また、図3に示すように、空圧源ユニット30は、コンプレッサ31および給気管32を備える。
【0051】
コンプレッサ31は、空気タンク31A、空気圧縮部31B、およびモータ31Cを有する。空気タンク31Aは、圧縮空気を貯留する。空気圧縮部31Bは、空気タンク31Aに圧縮空気を充填する。モータ31Cは、空気圧縮部31Bを駆動する。
【0052】
給気管32は、一端がコンプレッサ31の空気タンク31Aに接続されており、他端が軸部材140が備える下側蓋部材144の給気路144Aに接続されている。これにより、空気タンク31Aに貯留された圧縮空気は、給気管32および給気路144Aを介して、軸部材140の空気室142に供給される。
【0053】
空気室142に供給された圧縮空気は、軸部材140の本体部141の外周壁部141Aに形成されている複数の絞り孔143を介して、軸部材140の本体部141の外周面と、振動テーブル130の筒状軸部132の内周面との間の隙間B(図6および図7参照)に吐出される。これにより、軸部材140の本体部141の外周面と、振動テーブル130の筒状軸部132の内周面との間の隙間Bに、圧縮空気層(すなわち、空気軸受)が形成される。軸部材140の本体部141に対する、振動テーブル130の筒状軸部132の摺動抵抗は、この圧縮空気層(すなわち、空気軸受)によって抑制される。
【0054】
なお、複数の絞り孔143の各々には、絞り150が配置されている。これにより、複数の絞り孔143の各々における圧縮空気の吐出量は、絞り150によって適量に調整される。
【0055】
複数の絞り孔143から吐出された圧縮空気の一部は、筒状軸部132の筒内において軸部材140の上側に形成された空気ばね室134に供給される。空気ばね室134は、圧縮空気が貯留されることにより、振動テーブル130を弾力的に支持する空気ばねとして機能する。空気ばね室134に供給された圧縮空気は、軸部材140の空気室142に設けられた排気チューブ145と、下側蓋部材144に形成されている排気路144Bと、排気管33と、流量調整弁34とを介して、大気中に排出される。大気中に排出される圧縮空気の排気量は、流量調整弁34によって適量に調整される。これにより、空気ばね室134の内圧は、適切に調整される。
【0056】
なお、排気チューブ145は、弾性を有するため、空気室142内での配置自由度が高められている。例えば、排気チューブ145は、弾性を有するため、図3に示すように空気室142内に撓んだ状態で配置することができる。但し、排気チューブ145は、弾性を有しないものであってもよい。また、一実施形態に係る軸部材140は、排気チューブ145を設けたことにより、軸部材140の本体部141に排気管を形成する必要がないため、軸部材140の本体部141の構成を簡素化することができる。
【0057】
(軸部材140の構成)
図4は、一実施形態に係る軸部材140の側面図である。図5は、一実施形態に係る軸部材140の縦断面図である。図6は、一実施形態に係る軸部材140および振動テーブル130(筒状軸部132)の横断面図である。
【0058】
図4および図5に示すように、軸部材140の本体部141の外周壁部141Aには、上下方向(Z軸方向)における複数段に亘って、複数の絞り孔143が等間隔に穿設されている。
【0059】
例えば、図4に示す例では、軸部材140の本体部141の外周壁部141Aには、上下方向(Z軸方向)における12段に亘って、複数の絞り孔143が穿設されている。これにより、一実施形態に係る軸部材140は、本体部141の外周面と、振動テーブル130の筒状軸部132の内周面との間の隙間Bの上下方向(Z軸方向)において、当該隙間B内の圧縮空気の圧力を均一化することができる。
【0060】
特に、一実施形態に係る軸部材140は、本体部141が空気室142を有し、空気室142に圧縮空気を貯留することができるため、上下方向(Z軸方向)における絞り孔143の複数段において、空気室142から絞り孔143を介して隙間Bに吐出される圧縮空気の圧力を均一化することができる。したがって、一実施形態に係る軸部材140は、隙間Bの上下方向(Z軸方向)において、当該隙間B内の圧縮空気の圧力をより均一化することができる。
【0061】
なお、上下方向(Z軸方向)における絞り孔143の段数は12段に限らず、11段以下、または、13段以上であってもよい。
【0062】
図6に示すように、軸部材140の本体部141の外周壁部141Aにおいて、上下方向(Z軸方向)における複数段の各々には、空気室142から本体部141の外部に向けて、互いに異なる半径方向に、8本の絞り孔143が等角度間隔で穿設されている。すなわち、軸部材140の本体部141の外周壁部141Aには、45°間隔で、8本の絞り孔143が放射状に穿設されている。
【0063】
同様に、軸部材140の本体部141の外周壁部141Aにおいては、軸方向(Z軸方向)における複数段の各々に、45°間隔で、8本の絞り孔143が放射状に穿設されている。
【0064】
但し、図4に示すように、軸部材140の本体部141の外周壁部141Aには、軸方向(Z軸方向)における複数段に亘って、複数の絞り孔143が千鳥状に穿設されている。このため、上下方向(Z軸方向)における各段の8本の絞り孔143は、一つ上段の8本の絞り孔143、および、一つ下段の8本の絞り孔143に対して、22.5°異なる半径方向に穿設されている。
【0065】
したがって、軸部材140の本体部141の外周壁部141Aには、全体的に、従来の構造では困難であった、16の半径方向に等間隔(すなわち、22.5°間隔)で、絞り孔143が放射状に穿設されている。
【0066】
これにより、一実施形態に係る軸部材140は、比較的多数である16の半径方向に圧縮空気を吐出することができ、本体部141の外周面と、振動テーブル130の筒状軸部132の内周面との間の隙間Bの円周方向においても、当該隙間B内の圧縮空気の圧力を均一化することができる。
【0067】
特に、一実施形態に係る軸部材140は、軸部材140の本体部141の外周壁部141Aに、複数の絞り孔143が千鳥状に穿設されているため、各段の絞り孔143の形成本数(例えば、8本)よりも多くの半径方向(例えば、16方向)に圧縮空気を吐出することができる。したがって、一実施形態に係る軸部材140は、隙間Bの円周方向において、当該隙間B内の圧縮空気の圧力をより均一化することができる。その結果、軸部材140の本体部141を中心軸AXに対して高精度に調心することができる。
【0068】
なお、上下方向(Z軸方向)の各段における絞り孔143の本数は8本に限らず、7本以下、または、9本以上であってもよい。
【0069】
なお、本体部141の外周壁部141Aは、空気室142に面した内壁面141Bに、リブを有してもよい。リブとしては、例えば、内壁面141Bの上下方向(Z軸方向)に垂直に延びる複数本のリブ、内壁面141Bの周方向に水平に延びる複数本のリブ、等が挙げられる。これにより、外周壁部141Aの剛性を高めることができる。
【0070】
上記のように構成された軸部材140の本体部141は、金属素材(例えば、アルミ素材、鉄素材等)が用いられて製造される。この際、本体部141は、切削加工によって製造されてもよく、鋳造によって製造されてもよい。
【0071】
(絞り150の構成)
図7は、一実施形態に係る軸部材140の一部(絞り孔143の形成部)の構成を示す一部拡大横断面図である。
【0072】
図7に示すように、軸部材140の本体部141の外周壁部141Aには、空気室142から半径方向に、絞り孔143が穿設されている。そして、絞り孔143には、絞り150が配置されている。絞り150は、多孔質体151と、保持部材152とを有して構成されている。
【0073】
多孔質体151は、通気性を有する部材である。多孔質体151は、保持部材152の貫通孔152Aに対し、保持部材152の先端部(半径方向における内側の端部)側から嵌め込み可能な形状(丸棒状)を有する。多孔質体151は、保持部材152の先端部側から、保持部材152の貫通孔152Aに嵌め込まれることにより、貫通孔152A内を流れる圧縮空気(すなわち、空気室142から隙間Bに吐出される圧縮空気)の流量を調整する。
【0074】
なお、一実施形態に係る軸部材140では、多孔質体151は、樹脂素材(例えば、粒状のポリエチレンを焼結したもの(但し、これに限らない))が用いられて形成されている。これにより、一実施形態に係る軸部材140は、低コスト且つ高強度な多孔質体151を用いることが可能となっている。
【0075】
多孔質体151の後端部(半径方向における内側の端部)には、部分的に径が拡大された拡大部151Aが設けられている。これにより、多孔質体151は、空気室142に貯留された圧縮空気の圧力によって貫通孔152Aから外周壁部141Aの外側方向へ抜け落ちないように、抜け止めがなされる。なお、多孔質体151は、その他の抜け止め形状(例えば、円錐形状、円錐台形状等)を有するものであってもよい。
【0076】
また、貫通孔152Aは、多孔質体151よりも半径方向における外側の部分に、多孔質体151よりも小径の小径部152Aaを有しており、これによっても、多孔質体151の抜け止めがなされる。
【0077】
なお、多孔質体151の外周面は、貫通孔152Aの内周面に接着剤によって固着されてもよい。この場合であっても、多孔質体151自体が通気性を有するため、貫通孔152A内の圧縮空気の流れを阻害することなく、多孔質体151を確実に固定することができる。
【0078】
保持部材152は、当該保持部材152を当該保持部材152の軸方向に貫通する貫通孔152Aを有する。保持部材152は、貫通孔152A内に対し、空気室142側から多孔質体151が嵌め込まれることにより、貫通孔152A内で多孔質体151を保持する。
【0079】
保持部材152は、多孔質体151を保持した状態で、半径方向における外側から、絞り孔143内にねじ込まれることにより、絞り孔143内に固定的に配置される。このため、保持部材152の外周面152Bと、絞り孔143の内周面143Aとの各々には、互いに螺合するねじ山(図示省略)が形成されている。また、保持部材152の後端部(半径方向における外側の端部)には、マイナスドライバの先端部が嵌合可能な切り欠き152Cが形成されている。
【0080】
これにより、一実施形態に係る軸部材140は、絞り孔143への絞り150(保持部材152および多孔質体151)の取り付けおよび固定を容易且つ確実に行うことが可能となっている。さらに、一実施形態に係る軸部材140は、絞り孔143からの絞り150(保持部材152および多孔質体151)の取り外しも容易に行うことが可能となっており、よって、絞り150の交換も容易に行うことが可能となっている。
【0081】
なお、本実施形態の軸部材140では、さらに、保持部材152の外周面152Bは、絞り孔143の内周面143Aに接着剤で固着される。これにより、本実施形態の軸部材140では、保持部材152の緩みや抜け落ちが抑制されている。特に、本実施形態の軸部材140は、保持部材152の外周面152Bと、絞り孔143の内周面143Aとの間の隙間を、圧縮空気が流れる必要がないため、当該隙間を接着剤で埋めて、保持部材152を固着させることが可能となっている。
【0082】
(効果)
以上説明したように、一実施形態に係る軸部材140は、空気軸受機構100Aが備える筒状軸部132の内部に配置される軸部材140であって、筒状軸部132の筒内形状に応じた外形状を有する本体部141と、本体部141の内部に形成された空気室142と、空気室142から本体部141の外部に向けて本体部141に穿設された複数の絞り孔143とを備える。
【0083】
これにより、一実施形態に係る軸部材140は、空気室142に貯留された圧縮空気を、複数の絞り孔143から吐出できるため、複数の絞り孔143から筒状軸部132と軸部材140との間の隙間B内に吐出される圧縮空気の圧力が軸方向で非均一となることを抑制することができる。したがって、一実施形態に係る軸部材140によれば、空気軸受が形成される隙間B内の圧力の均一化を可能にすることができる。また、一実施形態に係る軸部材140は、本体部141に空気室142を設けたことにより、本体部141を軽量化でき、さらには、本体部141の加工を容易に行うことができる。
【0084】
また、一実施形態に係る軸部材140は、複数の絞り孔143の各々に配置される、複数の多孔質体151を備える。
【0085】
これにより、一実施形態に係る軸部材140は、複数の絞り孔143の各々から吐出される圧縮空気の流量を、複数の多孔質体151によって調整することができる。
【0086】
また、一実施形態に係る軸部材140は、複数の絞り孔143の各々に配置され、貫通孔152Aを有する複数の保持部材152を備え、複数の多孔質体151の各々は、保持部材152の貫通孔152A内で保持された状態で、保持部材152とともに絞り孔143に配置される。
【0087】
これにより、一実施形態に係る軸部材140は、多孔質体151を含む絞り150の絞り孔143への取り付けおよび固定を容易且つ確実に行うことができる。
【0088】
また、一実施形態に係る軸部材140において、保持部材152の外周面152Bは、絞り孔143の内周面143Aに螺合するネジ山を有する。
【0089】
これにより、一実施形態に係る軸部材140は、多孔質体151を含む絞り150の絞り孔143への取り付けおよび固定をより容易且つ確実に行うことができる。
【0090】
また、一実施形態に係る軸部材140において、保持部材152の外周面152Bは、絞り孔143の内周面143Aに接着剤で固着されている。
【0091】
これにより、一実施形態に係る軸部材140は、多孔質体151を含む絞り150の絞り孔143への固定をより確実に行うことができる。
【0092】
また、一実施形態に係る軸部材140において、多孔質体151は、保持部材152の貫通孔152Aに対する、本体部141の外部の方向への抜け止めがなされる抜け止め形状を有する。
【0093】
これにより、一実施形態に係る軸部材140は、保持部材152の貫通孔152Aからの、本体部141の外部の方向への、多孔質体151の抜け落ちを防止することができる。
【0094】
また、一実施形態に係る軸部材140において、多孔質体151は、樹脂素材が用いられて形成される。
【0095】
これにより、一実施形態に係る軸部材140は、低コスト且つ高強度な多孔質体151を用いることができる。
【0096】
また、一実施形態に係る軸部材140において、本体部141には、空気室142から本体部141の外部に向けて、互いに異なる8以上の半径方向の各々に、絞り孔143が穿設されている。
【0097】
これにより、一実施形態に係る軸部材140は、従来の構造では実現が困難であった、8以上の半径方向に圧縮空気を吐出することができ、本体部141の外周面と、筒状軸部132の内周面との間の隙間Bの周方向において、当該隙間B内の圧縮空気の圧力を均一化することができる。
【0098】
また、一実施形態に係る軸部材140において、本体部141には、軸方向における複数段に亘って、複数の絞り孔143が千鳥状に穿設されている。
【0099】
これにより、一実施形態に係る軸部材140は、各段の絞り孔143の形成本数よりも多くの半径方向に圧縮空気を吐出することができる。したがって、一実施形態に係る軸部材140によれば、隙間Bの円周方向において、当該隙間B内の圧縮空気の圧力をより均一化することができる。
【0100】
また、一実施形態に係る軸部材140は、本体部141の空気室142内に配置され、弾性を有し、本体部141の一端側の開口部と本体部141の他端側の開口部とを接続する、排気チューブ145を備える。
【0101】
これにより、一実施形態に係る軸部材140は、空気室142内での排気路の配置自由度を高めることができる。また、これにより、一実施形態に係る軸部材140は、本体部141に排気管を形成する必要がないため、本体部141の構成を簡素化することができる。
【0102】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【0103】
例えば、本発明は、垂直方向を軸方向とする軸部材を有する装置に限らず、水平方向を軸方向とする軸部材を有する装置(但し、振動発生装置に限らない)にも適用可能である。
【0104】
また、本発明は、筒状部材が軸方向に移動する構成に限らず、軸部材が軸方向に移動する構成、軸部材が筒状部材の筒内で回転する構成、筒状部材が軸部材の外側で回転する構成等にも適用可能である。
【0105】
また、本発明は、筒状部材の内周面および軸部材の外周面の断面形状が円形状を有する構成に限らず、筒状部材の内周面および軸部材の外周面の断面形状がその他の形状(例えば、多角形状、楕円形状、等)を有する構成にも適用可能である。
【符号の説明】
【0106】
10 振動試験システム
12 試料
20 制御装置
21 振動波形制御機
22 電力増幅器
23 励磁電源部
24 保護回路部
30 空圧源ユニット
31 コンプレッサ
31A 空気タンク
31B 空気圧縮部
31C モータ
32 給気管
33 排気管
34 流量調整弁
100 振動発生機
100A 空気軸受機構
110 ホルダ部
111 ホルダ部材
112 上部励磁コイル
113 下部励磁コイル
115 上部円筒部材
116 下部円筒部材
117 上部カバー部材
118 下部カバー部材
120 支持部材
130 振動テーブル
132 筒状軸部(筒状部材)
133 駆動コイル
134 空気ばね室
140 軸部材
141 本体部
141A 外周壁部
141B 内壁面
142 空気室
143 絞り孔
143A 内周面
144 下側蓋部材
144A 給気路
144B 排気路
145 排気チューブ(排気管)
146 上側蓋部材
146A 開口部
150 絞り
151 多孔質体
151A 拡大部
152 保持部材
152A 貫通孔
152Aa 小径部
152B 外周面
A 振動方向
B 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-04-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気軸受機構が備える筒状部材の内部に配置される軸部材であって、
前記筒状部材の筒内形状に応じた外形状を有する本体部と、
前記本体部の内部に形成された空気室と、
前記空気室から前記本体部の外部に向けて前記本体部に穿設された複数の絞り孔と
前記本体部の前記空気室内に配置され、弾性を有し、前記本体部の一端側の開口部と前記本体部の他端側の開口部とを接続する、排気管と
を備えることを特徴とする軸部材。
【請求項2】
空気軸受機構が備える筒状部材の内部に配置される軸部材であって、
前記筒状部材の筒内形状に応じた外形状を有する本体部と、
前記本体部の内部に形成された空気室と、
前記空気室から前記本体部の外部に向けて前記本体部に穿設された複数の絞り孔と
を備え
前記本体部は、
前記空気室に面した内壁面にリブを有する
ることを特徴とする軸部材。
【請求項3】
前記複数の絞り孔の各々に配置される、複数の多孔質体を備える
ことを特徴とする請求項1または2に記載の軸部材。
【請求項4】
前記複数の絞り孔の各々に配置され、貫通孔を有する複数の保持部材を備え、
前記複数の多孔質体の各々は、
前記保持部材の前記貫通孔内で保持された状態で、前記保持部材とともに前記絞り孔に配置される
ことを特徴とする請求項に記載の軸部材。
【請求項5】
前記保持部材の外周面は、
前記絞り孔の内周面に螺合するネジ山を有する
ことを特徴とする請求項に記載の軸部材。
【請求項6】
前記保持部材の外周面は、
前記絞り孔の内周面に接着剤で固着されている
ことを特徴とする請求項またはに記載の軸部材。
【請求項7】
前記多孔質体は、
前記保持部材の前記貫通孔に対する、前記本体部の外部の方向への抜け止めがなされる抜け止め形状を有する
ことを特徴とする請求項からのいずれか一項に記載の軸部材。
【請求項8】
前記多孔質体は、
樹脂素材が用いられて形成される
ことを特徴とする請求項からのいずれか一項に記載の軸部材。
【請求項9】
前記本体部には、
前記空気室から前記本体部の外部に向けて、互いに異なる8以上の半径方向の各々に、前記絞り孔が穿設されている
ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の軸部材。
【請求項10】
前記本体部には、
軸方向における複数段に亘って、前記複数の絞り孔が千鳥状に穿設されている
ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の軸部材。
【請求項11】
前記筒状部材と、
前記筒状部材の内部に配置される、請求項1から10のいずれか一項に記載の軸部材と
を備えることを特徴とする空気軸受機構。
【請求項12】
請求項11に記載の空気軸受機構を備える
ことを特徴とする振動発生機。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気軸受機構が備える筒状部材の内部に配置される軸部材であって、
前記筒状部材の筒内形状に応じた外形状を有する本体部と、
前記本体部の内部に形成された空気室と、
前記空気室から前記本体部の外部に向けて前記本体部に穿設された複数の絞り孔と、
前記本体部の前記空気室内に配置され、弾性を有し、前記本体部の一端側の開口部と前記本体部の他端側の開口部とを接続する、排気管と
を備えることを特徴とする軸部材。
【請求項2】
記本体部は、
前記空気室に面した内壁面にリブを有する
ることを特徴とする請求項1に記載の軸部材。
【請求項3】
前記複数の絞り孔の各々に配置される、複数の多孔質体を備える
ことを特徴とする請求項1または2に記載の軸部材。
【請求項4】
前記複数の絞り孔の各々に配置され、貫通孔を有する複数の保持部材を備え、
前記複数の多孔質体の各々は、
前記保持部材の前記貫通孔内で保持された状態で、前記保持部材とともに前記絞り孔に配置される
ことを特徴とする請求項3に記載の軸部材。
【請求項5】
前記保持部材の外周面は、
前記絞り孔の内周面に螺合するネジ山を有する
ことを特徴とする請求項4に記載の軸部材。
【請求項6】
前記保持部材の外周面は、
前記絞り孔の内周面に接着剤で固着されている
ことを特徴とする請求項4または5に記載の軸部材。
【請求項7】
前記多孔質体は、
前記保持部材の前記貫通孔に対する、前記本体部の外部の方向への抜け止めがなされる抜け止め形状を有する
ことを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の軸部材。
【請求項8】
前記多孔質体は、
樹脂素材が用いられて形成される
ことを特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載の軸部材。
【請求項9】
前記本体部には、
前記空気室から前記本体部の外部に向けて、互いに異なる8以上の半径方向の各々に、前記絞り孔が穿設されている
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の軸部材。
【請求項10】
前記本体部には、
軸方向における複数段に亘って、前記複数の絞り孔が千鳥状に穿設されている
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の軸部材。
【請求項11】
前記筒状部材と、
前記筒状部材の内部に配置される、請求項1から10のいずれか一項に記載の軸部材と
を備えることを特徴とする空気軸受機構。
【請求項12】
請求項11に記載の空気軸受機構を備える
ことを特徴とする振動発生機。