(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095226
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】情報管理方法、情報管理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20120101AFI20230629BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021210988
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】300092611
【氏名又は名称】株式会社シフラ
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】竹熊 俊哉
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC01
(57)【要約】
【課題】食品の生産から流通に至る情報を販売単位で一元管理して、マーケティングや消費者への情報提供に活用する。
【解決手段】食品の生産者、栽培履歴、及び流通に関する関連情報を、前記食品の生産者名及び品目名の組み合わせにより特定されるIDに紐づけて生産者・栽培履歴DBで管理している。そして、食品に対して、当該食品の生産者名及び品目名に応じたIDが印刷されたラベルを販売単位で貼付する。その後、IDの情報を店舗端末やユーザ端末等の端末装置から受信した場合に、受信したIDの情報に紐づけて管理される関連情報を生産者・栽培履歴DBから抽出して、送信元の端末装置に対して送信する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品の生産者、栽培履歴、及び流通に関する関連情報を管理する情報管理方法であって、
前記食品の前記関連情報を、前記食品の生産者名及び品目名の組み合わせにより特定されるIDに紐づけて管理するとともに、
前記食品に対して、当該食品の生産者名及び品目名に応じた前記IDを販売単位で付与した後で、前記IDの情報を端末装置から受信した場合に、受信した前記IDに紐づけて管理される前記関連情報を前記端末装置に対して送信することを特徴とする情報管理方法。
【請求項2】
食品の生産者、栽培履歴、及び流通に関する関連情報を管理する情報管理装置であって、
前記食品の前記関連情報を、前記食品の生産者名及び品目名の組み合わせにより特定されるIDに紐づけてデータベースで管理する管理手段と、
前記食品に対して、当該食品の生産者名及び品目名に応じた前記IDを販売単位で付与した後で、前記IDの情報を端末装置から受信した場合に、受信した前記IDに紐づく前記関連情報を前記データベースから抽出して、抽出された前記関連情報を前記端末装置に対して送信する送信手段と、
を有することを特徴とする情報管理装置。
【請求項3】
前記関連情報が、圃場情報、及び種苗情報のうちの少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする請求項2に記載の情報管理装置。
【請求項4】
前記関連情報が、生産者の動画コンテンツを含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の情報管理装置。
【請求項5】
前記食品が、農産物、及び水産物のうちの少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の情報管理装置。
【請求項6】
前記送信手段は、前記関連情報のうち、公開可能に設定されている情報を抽出して、前記端末装置に対して送信することを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の情報管理装置。
【請求項7】
前記データベースで管理される情報に基づいて、前記食品に対して販売単位で貼付するためのラベルのデータを生成する生成手段を、更に有することを特徴とする請求項2乃至6の何れか1項に記載の情報管理装置。
【請求項8】
前記生成手段は、前記データベースで管理される前記IDのうち、所定の審査基準を満たす前記IDに紐づけられる前記関連情報を抽出して、前記ラベルのデータを生成することを特徴とする請求項7に記載の情報管理装置。
【請求項9】
請求項2乃至8の何れか1項に記載の情報管理装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品に関する情報を管理する情報管理方法、情報管理装置、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
食の安全・安心を追求する取組みとして、農産物に対して当該農産物に関する情報を付与して販売する方法が提案されている。特許文献1には、農産物を搬出する搬出コンベアで搬出された農産物を箱詰めして送り出す際に、農産物の名称(品目名)、品種名、及び生産者名等が記載されたラベルを貼り付ける方法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の方法を含め従来の方法では、農産物に関する詳細な情報を、農産物の販売単位で一元的に管理して販売することはできていない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、食品の生産から流通に至る情報を販売単位で一元管理して、マーケティングや消費者への情報提供に活用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報管理方法は、食品の生産者、栽培履歴、及び流通に関する関連情報を管理する情報管理方法であって、前記食品の前記関連情報を、前記食品の生産者名及び品目名の組み合わせにより特定されるIDに紐づけて管理するとともに、前記食品に対して、当該食品の生産者名及び品目名に応じた前記IDを販売単位で付与した後で、前記IDの情報を端末装置から受信した場合に、受信した前記IDに紐づけて管理される前記関連情報を前記端末装置に対して送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、食品の生産から流通に至る情報を販売単位で一元管理して、マーケティングや消費者への情報提供に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報管理システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】サーバーのハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】サーバーが保持するDBに格納されるデータの例を示す図である。
【
図6】情報管理システムで実行される処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る情報管理システムの全体構成の一例を示す図である。
本実施形態に係る情報管理システムは、野菜に関する関連情報を管理するシステムである。本実施形態では、本発明を野菜に適用した例について説明するが、野菜に限らず、果物、米等他の農産物、養殖漁業や栽培漁業による水産物等の様々な食品に適用可能である。また食品は、生鮮食品に限らず、燻製、干物、漬物等の加工食品も含む。
【0011】
図1の下側に示すように、生産者151の圃場で収穫された野菜150が物流工程を経て流通拠点に運ばれる。そして当該流通拠点にて、野菜150に対して、野菜150の生者名及び品目名(野菜150の名称)に応じたIDが印刷されたラベル152が販売単位で貼付され、店舗に運ばれる。以下では、上記のような一連の流れについて説明する。
【0012】
情報管理システムは、野菜150に関する関連情報等を管理するサーバー100、ラベル152を印刷するラベル印刷装置101、野菜150を販売する店舗に設けられた店舗端末102、及び消費者のユーザ端末103を含む。サーバー100、店舗端末102、及びユーザ端末103は、ネットワーク104を介して互いに通信可能である。またサーバー100は、ラベル印刷装置101に接続されており、サーバー100とラベル印刷装置101が相互に情報をやり取りする。
【0013】
本実施形態の処理を実行する主体は、単体の情報管理装置であるサーバー100とする。しかし、複数の機器からなるシステムやネットワークを介して接続された複数の機器からなるシステム等が本実施形態の処理を実行するとしてもよい。
【0014】
サーバー100には、野菜を生産した生産者の生産者情報121、当該野菜の栽培履歴情報122、及び当該野菜の流通に関わる流通情報123が入力される。本実施形態では、生産者情報121、栽培履歴情報122及び流通情報123を、サーバー100の管理者の操作により入力するが、外部装置からネットワーク104を介して入力する構成でも構わない。
【0015】
ラベル印刷装置101は、
図5に示すようなラベルを印刷する印刷装置である。本実施形態において、ラベル印刷装置101は、流通拠点毎に設けられており、当該流通拠点を通過する野菜150に対して貼付するためのラベル152を印刷する。なお、他の流通拠点のラベル印刷装置101で印刷されたラベル152を貼付しても構わない。本実施形態では、ラベル印刷装置101は、サーバー100の制御により印刷を行う構成とするが、ラベル印刷装置101の有する制御部の制御により印刷を行う構成でも構わない。また、本実施形態では、IDが印刷されたシール状のラベルを用いるが、これに代えて、IDの情報が埋め込まれたRFIDを用いても構わない。また、IDが印刷された梱包用の袋、ロール、タグ等を用いても構わない。
【0016】
店舗端末102は、店舗に設けられたPC(パーソナルコンピュータ)等の端末装置である。店舗端末102は、店舗に来店した消費者に対して、サーバー100から受信した販促動画(生産者動画、レシピ動画等)を提供するための表示部や音声出力部を有している。ユーザ端末103は、消費者の所有するスマートフォン等の端末装置である。
【0017】
また、サーバー100は、生産者・栽培履歴DB111、IDDB112、ラベルDB113、及びレシピDB114を保持している。
生産者・栽培履歴DB111は、野菜の生産者、栽培履歴、及び流通に関する関連情報を格納するデータベースである。生産者・栽培履歴DB111は、野菜の生産者名及び品目名の組み合わせを識別するIDに紐づけて、野菜の関連情報を管理している。
IDDB112は、生産者・栽培履歴DB111に格納されているIDのうち、所定の審査基準を満たしたIDのみを格納するデータベースである。
ラベルDB113は、ラベルを印刷する際に用いるラベルデータを格納するデータベースである。
レシピDB114は、野菜を用いたレシピのデータを格納するデータベースである。
【0018】
図2は、サーバーのハードウェア構成の一例を示す図である。
サーバー100は、サーバー装置等のコンピュータであり、制御部201、記憶部202、通信部203、入力部204、表示部205、及びこれらの構成部を接続するバス206を有する。以下各構成について説明する。なお、サーバー100は、物理的なサーバーに限られず、仮想的なサーバーも含まれてよい。
【0019】
制御部201は、CPU等であって、サーバー100の全体を制御する。制御部201が、記憶部202等に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによって、
図6に示すフローチャートの処理のうちサーバー100にて実行される処理や、サーバー100の各種の機能が実現される。
記憶部202は、RAM、ROM、HDD等であって、プログラムを記憶したり、制御部201がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶したりする。記憶部202には、生産者・栽培履歴DB111、IDDB112、ラベルDB113、及びレシピDB114が保持されている。各DB111~114に格納される情報は、入力部204や通信部203から取得された情報に基づき、適宜更新及び追加が行われる。なお、記憶部202は、DB111~114に限られず、他の情報を管理するDBを保持していてもよい。
【0020】
通信部203は、通信インタフェース等であって、ネットワーク104を介して外部装置との間で各種のデータを送受信する。通信部203は、店舗端末102やユーザ端末103からIDの情報を受信すると、制御部201の制御下で、受信したIDに紐づく情報のうちの一部を生産者・栽培履歴DB111から抽出して、送信元の端末装置へ送信する。
入力部204は、マウス、キーボード等であり、サーバー100の管理者の操作によりデータの入力を受け付ける。入力部204は、入力されたデータを制御部201へ出力する。
表示部205は、液晶ディスプレイ等であり、制御部201の制御により、各DB111~114に格納されるデータ等を表示する。
【0021】
図3は、各DB111~114に格納されているデータの例を示す。
図3(a)は、生産者・栽培履歴DB111に格納されているデータの例を示す。生産者・栽培履歴DB111には、取得した生産者情報121、栽培履歴情報122、及び流通情報123が登録されている。これらの情報の登録時には、野菜の生産者名及び品目名の組み合わせを識別するIDが用いられる。
図3(a)に示すように、生産者・栽培履歴DB111には、IDを主キーとして、生産者情報、種苗情報、圃場情報、生産者動画、及び流通情報等が登録されている。
【0022】
また生産者・栽培履歴DB111では、公開可能か否かの情報が項目毎にタグ付けされている。これにより、当該項目の情報を公開するか否かを適宜設定することができる。また、制御部201は、公開可能な項目の情報を抽出し、抽出した情報を所定のレイアウトで配置したWebページをID毎に生成し、生成したWebページのURLを、生産者・栽培履歴DB111に格納している。
【0023】
生産者情報は、生産者名、生産者の顔画像、生産者のイラスト画像、野菜の栽培画像、産地表記、認証の取得情報、生産者のPRコメント等の情報である。
品目情報は、野菜の品目名等の情報である。
種苗情報は、野菜の種や苗の情報である。なお、食品として魚を対象とする場合、卵や稚魚の情報である。
圃場情報は、圃場の住所、面積、前作、栽培方法、収穫時期等の情報である。なお、圃場情報には、圃場を識別可能な圃場番号が割り当てられており、圃場番号と紐づけて、その圃場で使用される資材、農薬等の詳細な情報が管理されている。
生産者動画は、生産者のPR動画等の動画コンテンツである。なお、生産者動画がIDと対応付けて格納されている生産者動画DBが別途設けられてもよい。
流通情報は、野菜が圃場から店舗毎の仕分けを行う流通拠点に至るまでの流通経路を示す流通事業者情報を含む。流通事業者情報を用いることで、誰がどのように流通拠点まで運んでいるのか、各流通拠点でどのような作業が野菜に対して行われているかが特定できる。ここでいう作業は、例えば洗浄、選別、袋詰め、加工である。また、流通情報は、野菜を商品として販売するための商品情報も含む。商品情報には、JANコード、商品の規格、SKU(Stock Keeping Unit)、販売場所、販売期間等の情報が含まれる。商品情報は、野菜を販売単位にパック詰めしたり、ラベルデータを生成したり、商品を輸送・販売する際に利用可能である。
【0024】
図3(b)は、IDDB112に格納されているデータの例を示す。
IDDB112には、生産者・栽培履歴DB111に格納されるIDのうち、所定の審査に合格したIDのみが格納されている。所定の審査とは、農薬が基準をクリアしているか等の審査である。IDDB112には、審査合格日がID毎に格納されている。なお、生産者・栽培履歴DB111に格納されるIDのうち、所定の審査に合格したIDに対して、審査に合格したことを示す情報を付加してもよい。これにより、生産者・栽培履歴DB111を用いて、審査に合格したIDのみを抽出することが可能になるため、単体のIDDB112を別途用意する必要がなくなる。
【0025】
図3(c)は、ラベルDB113に格納されているデータの例を示す。
ラベルDB113には、ラベルを印刷する際に用いるラベルデータがID毎に格納されている。ラベルデータは、生産者・栽培履歴DB111に格納されている情報から、ラベルの印刷に必要な情報を抽出して生成されたデータである。ラベルデータは、生産者・栽培履歴DB111に格納されている情報のうち、公開可能に設定されている情報であり、例えば品目情報、生産者名、産地表記等を含む。また、ラベルデータを生成するのに必要な商品情報を含む。また、ラベルDB113に格納されるIDは、IDDB112に格納されているIDであって、且つ商談がクリアしたIDである。即ち、生産者・栽培履歴DB111に格納されている情報のうち、販売許可されたIDに紐づく情報のみを抽出して生成されたラベルデータが、ラベルDB113に格納されている。
【0026】
図3(d)は、レシピDB114に格納されているデータの例を示す。レシピDB114には、例えば品目情報に対応付けられて、野菜を用いたレシピ動画が格納されている。
【0027】
図4は、ラベル印刷装置101にてラベルを印刷する際に用いるラベル印刷画面を示す図である。本実施形態では、
図4に示すラベル印刷画面400が、制御部201の制御により、サーバー100の表示部205に表示されるとするが、ラベル印刷装置101の表示部に表示されても構わない。
ラベル印刷装置101にて印刷を行う場合、サーバー100は、ラベルDB113からすべてのラベルデータを読み出し、ラベル印刷画面400のUI(ユーザインタフェース)の操作により、読み出したラベルデータから印刷データを生成する。そして、ラベル印刷装置101に対して当該印刷データを送信して、ラベル用の専用紙に印刷する指示を行う。また、サーバー100の記憶部202は、ラベルのレイアウトを規定する印刷レイアウト情報を記憶している。サーバー100は、記憶部202から印刷レイアウト情報を、適宜読み出して利用する。
【0028】
図4に示すように、ラベル印刷画面400には、品目401、商品名402、シールパターン403、産地404、及び生産者名405の各領域が設けられており、各領域にはラベルデータに含まれる情報が選択可能に表示されている。またラベル印刷画面400には、プリンタ407の領域が設けられている。プリンタ407では、ラベルを印刷するラベル印刷装置101が選択可能に表示されている。拠点ID408では、流通拠点を識別するための情報が選択可能に表示されている。
【0029】
品目401では、品目名が選択できる。品目401で品目名が選択されると、商品名402では、選択された品目名に対応する商品名(JANコード)が選択できる。シールパターン403では、上記の印刷レイアウト情報に含まれるレイアウト(縦パターン、横パターン等)が選択できる。産地404では、産地が選択できる。生産者名405では、生産者名が選択できる。品目名及び生産者名が選択されると、IDが特定できる。サーバー100は、特定されたIDのWebページのURLからQRコード(登録商標)を生成する。拠点ID408では、ラベル印刷を行うラベル印刷装置101が設置される流通拠点が選択できる。そして、印刷ボタン406が押下されると、制御部201は、品目401、商品名402、産地404、及び生産者名405で選択された情報、特定されたID、及び生成されたQRコードを、シールパターン403で選択されたレイアウトで配置した印刷データを生成する。そして、当該印刷データをプリンタ407で選択されたラベル印刷装置101に対して送信する。終了ボタン409が押下されると、ラベル印刷画面400が閉じられて、ラベルの印刷が終了する。
【0030】
また、サーバー100の記憶部202は、ラベル印刷画面400のUIの操作に対して所定の制限をかけるためのフィルタ情報を記憶している。サーバー100は、記憶部202からフィルタ情報を読み出して、ラベル印刷画面400にて所定の組み合わせが選択される操作を制限するよう制御する。フィルタ情報は、印字可能な拠点ID、品目名、生産者名、SKU、レイアウト等のデータの組み合わせを指定する情報であり、フィルタ情報を用いることで、指定された組み合わせを選択する操作が制限される。なお、フィルタ情報で指定される組み合わせは、生産者名と商品名の組み合わせ、生産者名とレイアウトの組み合わせのように、2つのデータの組み合わせでもよく、2つ以上のデータの組み合わせでも構わない。
本実施形態では、ラベル印刷装置101が流通拠点毎に設けられている。そのため、フィルタ情報を用いて拠点IDと、品目名等のデータとの組み合わせを指定することで、その流通拠点を通過するはずのない野菜のIDのラベルの印刷データが生成されないよう制御することができる。このフィルタ情報の生成には、生産者・栽培履歴DB111に格納されている流通事業者情報を用いてもよい。更に、フィルタ情報には、IDの有効期間を指定する情報が含まれていてもよい。このフィルタ情報を用いることで、IDの有効期間外に当該IDの品目名と生産者名の組み合わせを選択する操作が制限される。以上のようにして、ラベルを用いて、野菜の販売許可情報、販売期間、及び流通を包括的に管理することができる。
更に、サーバー100は、ラベル印刷画面400にて所定の組み合わせが選択された場合には、印刷データに所定の情報を含めるよう制御してもよい。この場合、フィルタ情報には、所定の組み合わせと、ラベル152に印刷する所定の情報(例えば、プラマーク、「洗ってから使ってください。」等の文言)とを対応付ける情報が含まれてもよい。
【0031】
図5は、ラベルの一例を示す図である。ラベル152には、品目名501、生産者名502、生産者のイラスト画像503、ID番号504、QRコード505、産地表記506が印刷されている。これらの情報は、生産者・栽培履歴DB111に格納されている情報に対応している。なおラベル152に印刷される情報は、これらに限られず、生産者・栽培履歴DB111に格納されている情報から抽出する情報に応じて、適宜変更することが可能である。なお、
図5に示すラベル152は一例であり、ラベル152には、認証ロゴマーク、JANコード、プラマーク、その他文言が印刷されてもよい。
【0032】
図6は、本実施形態に係る情報管理システムによって実行される処理の流れを示すフローチャートである。なお、以下のステップのうち、サーバー100の制御部201が実行するステップの一部が、サーバー100の管理者により手動で行われる場合もある。
【0033】
まず、ステップS101にて、制御部201が、野菜の生産者、栽培及び流通に関する各種の情報を取得する。
次に、ステップS102にて、制御部201が、野菜の生産者名及び品目名の組み合わせを識別するIDに紐づけて、ステップS101にて取得した各種の情報を、生産者・栽培履歴DB111に登録し、管理する。
次に、ステップS103にて、制御部201が、生産者・栽培履歴DB111に格納されている情報について所定の審査を行う。
次に、ステップS104にて、制御部201が、ステップS103の審査に合格したIDの情報をIDDB112に登録し、管理する。
【0034】
次に、ステップS105にて、制御部201が、生産者・栽培履歴DB111に格納されている情報のうち、IDDB112に格納されているIDに紐づく情報であって、且つ公開可能に設定されている情報を抽出する。そして、抽出した情報からラベルデータを生成して、ラベルDB113に登録する。
次に、ステップS106にて、制御部201が、ラベルDB113に格納されている情報を用いて、ラベルに印刷する印刷データを生成し、生成した印刷データをラベル印刷装置101に対して送信する。
【0035】
次に、ステップS107にて、ラベル印刷装置101が、サーバー100から受信した印刷データを用いてラベルを印刷する。
その後、流通拠点にて作業者が、圃場から収穫されて流通拠点に運ばれてきた野菜に対して、野菜の生者名及び品目名に応じたIDが印刷されたラベルを販売単位で貼付する。その後ラベルが貼付された野菜は、各店舗に仕分けられて運ばれる。このラベルには、IDの他に、当該IDのWebページのURLが埋め込まれたQRコードが印刷されている。
【0036】
次に、ステップS108にて、野菜が運ばれた店舗では、店舗端末102やユーザ端末103が、野菜に貼付された野菜に貼付されたラベルに印刷されたQRコードを読み取って、Webページにアクセスする。または、店舗端末102やユーザ端末103が、サーバー100が提供するWebサイトにアクセスし、ラベルに印刷されたIDに関連する情報を検索してもよい。
次に、ステップS109にて、サーバー100は、該当するWebページの情報を生産者・栽培履歴DB111から抽出して、店舗端末102やユーザ端末103に対して送信する。また、サーバー100は、検索に用いられたIDに基づいて、生産者・栽培履歴DB111に格納されている情報のうち公開可能な情報を抽出して、店舗端末102やユーザ端末103に対して送信してもよい。また、サーバー100は、該当するIDに紐づく品目情報を用いて、レシピDB114からレシピ動画を抽出して、店舗端末102やユーザ端末103に対して送信してもよい。
次に、ステップS110にて、店舗端末102やユーザ端末103は、サーバー100から受信したWebページ等を表示する。店舗端末102の店舗では、来店客に対して野菜の生産者のPR動画やレシピ動画等を提供することができる。また、ユーザ端末103を所有する消費者は、野菜の生産や栽培に関わる詳細な情報を知ることができる。以上のようにして、一連のフローチャートの処理が終了する。
【0037】
以上のような本実施形態によれば、野菜の生産から流通に至るまでの情報を販売単位で一元管理して、店頭でのデジタルサイネージに活用したり消費者への情報提供に利用したりすることができる。例えば、野菜の生産者は野菜に対するこだわり等を消費者に対してダイレクトに伝えることが可能になる。更に、ユーザ端末103からサーバー100に対してIDと共にコメント等が送信されると、サーバー100側でIDから生産者を特定できるため、特定した生産者に対して当該コメント等をフィードバックすることも可能になる。即ち、野菜の生産者と消費者の双方向のやり取りが実現できる。
また、IDに対応付けて野菜の販売に関するマーケティング情報等を管理することで、様々な分析に役立てることも可能になる。更に、IDとJANコードとを紐づけることで、生産者・栽培履歴DB111で格納されている情報等を野菜の受発注にも活用することも可能になる。
【0038】
以上、本発明を実施形態と共に説明したが、上記実施形態は本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0039】
100:サーバー、101:ラベル印刷装置、102:店舗端末、103:ユーザ端末、111:生産者・栽培履歴DB、112:IDDB、113:ラベルDB、114:レシピDB