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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095236
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】多段ラックユニット装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/14 20060101AFI20230629BHJP
   A47B 96/00 20060101ALI20230629BHJP
   A47B 87/02 20060101ALI20230629BHJP
   A47B 96/14 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
B65G1/14 F
A47B96/00 B
A47B87/02
A47B96/14 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211008
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】390037534
【氏名又は名称】オーエッチ工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592018629
【氏名又は名称】三進金属工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】清水 義久
(72)【発明者】
【氏名】新井 宏幸
【テーマコード(参考)】
3B260
3F022
【Fターム(参考)】
3B260BA01
3B260BB03
3B260BD01
3B260BE02
3B260BF02
3F022EE02
3F022FF02
3F022FF19
3F022MM52
(57)【要約】
【課題】 積み重ねたラックユニットをベルトで保護できるようにする。
【解決手段】 4本の支柱部材3の上部側を上枠Uで連結し、4本の支柱部材3の下部側を下枠Dで連結してラックユニットRを形成し、このラックユニットRを上下に複数段積み重ねて多段ラックユニットRを構成しており、上段と下段のラックユニットRの前面側の左右支柱部材3に、前面に頭付きピン5を突設したベルト取付金具Kを固定しており、右上頭付きピン5と左下頭付きピン5とに第1ベルトB1を取り付け、左上頭付きピン5と右下頭付きピン5とに第2ベルトB2を取り付けている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
4本の支柱部材(3)の上部側を上枠(U)で連結し、4本の支柱部材(3)の下部側を下枠(D)で連結してラックユニット(R)を形成し、このラックユニット(R)を上下に複数段積み重ねて多段ラックユニット(R)を構成しており、
上段と下段のラックユニット(R)の前面側の左右支柱部材(3)に、前面に頭付きピン(5)を突設したベルト取付金具(K)を固定しており、
右上頭付きピン(5)と左下頭付きピン(5)とに第1ベルト(B1)を取り付け、左上頭付きピン(5)と右下頭付きピン(5)とに第2ベルト(B2)を取り付けていることを特徴とする多段ラックユニット装置。
【請求項2】
前記下段のラックユニット(R)の後側の左右支柱部材(3)の上部と、前記上段のラックユニット(R)の後側の左右支柱部材(3)の下部との間に両者を連結する上下連結具(P)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の多段ラックユニット装置。
【請求項3】
前記下枠(D)とそれが連結している支柱部材(3)との間に筋交部材(S))が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の多段ラックユニット装置。
【請求項4】
前記ベルト取付金具(K)は、支柱部材(3)に嵌合する嵌合部材(4)の前面に頭付きピン(5)が突設され、嵌合部材(4)に嵌合部材(4)を支柱部材(3)に締結する締結具(6)が設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の多段ラックユニット装置。
【請求項5】
前記ベルト取付金具(K)の嵌合部材(4)は、前面壁(4a)の左右両端から後方へ左右側壁(4b)が形成され、この左右側壁(4b)に貫通穴(8)が形成され、前記締結具(6)は左右側壁(4b)の外方から貫通穴(8)に挿入されかつ互いに螺合する一対の螺合部材(6a,6b)で形成されていることを特徴する請求項4に記載の多段ラックユニット装置。
【請求項6】
前記頭付きピン(5)は嵌合部材(4)の前面の上下方向及び左右方向の略中央に固着されており、前記締結具(6)は頭付きピン(5)と略同高さでかつ支柱部材(3)の背面に当接可能に配置されていることを特徴する請求項4又は5に記載の多段ラックユニット装置。
【請求項7】
前記ラックユニット(R)の各支柱部材(3)は四角パイプで形成されており、その前面壁(3a)に上下方向多数の係合凹部(21)が形成され、その左右側壁(3b)に貫通穴(22)が形成されていることを特徴する請求項1~6のいずれか1項に記載の多段ラックユニット装置。
【請求項8】
前記ラックユニット(R)の上枠(U)及び下枠(D)は各支柱部材(3)に対向する部位に、支柱部材(3)に対して前方から嵌合する嵌合部材(24)と、この嵌合部材(24)を支柱部材(3)に嵌合した状態で貫通する締結具(6)とが設けられており、前記嵌合部材(24)の前面壁(24a)には支柱部材(3)の係合凹部(21)に挿入される舌片(26)が設けられていることを特徴する請求項7に記載の多段ラックユニット装置。
【請求項9】
前記ラックユニット(R)の上枠(U)が4本の支柱部材(3)の上部に連結する四角枠で形成され、下枠(D)が4本の支柱部材(3)の下端側を左右側桟杆(12)及び後桟杆(12)で連結して前面開口(Q)に形成されていることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の多段ラックユニット装置。
【請求項10】
下段のラックユニット(R)の上枠(U)の後部と上段のラックユニット(R)の後桟杆(12)との間に、上枠(U)の後部と後桟杆(12)とに嵌合する嵌合部材(14)とこの嵌合部材(14)を締め付ける締結具(15)とを有する上下連結具(P)が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の多段ラックユニット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多段ラックユニットにベルトを取り付けた多段ラックユニット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
荷物を収納する多段ラックユニットとしては、特許文献1に開示されているように、順ネステナ又は逆ネステナと称されるラックユニットは、4本の支柱部材の一端側を格子形状の四角枠の4隅と連結し、4本の支柱部材の他端側を左右桟杆と後桟杆とで連結して構成されている。
ラックユニットを上下に積み重ねる場合は、下段のラックユニットの4本の支柱部材の真上に上段のラックユニットの4本の支柱部材が載置される。この2段積みを左右に並置して4台組にして、4台組の中央を連結金具で連結して段組を固定するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6155350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術は、ラックユニットが4台組の場合は中央を連結金具で連結して固定しておけるが、上下2段のみのラックユニットの場合は、上下関係で前後左右の位置設定が行われ、地震等による上下振動、水平方向の撓み等に対して防護する手段を持たなく、また、荷物の脱落を防止する手段を設けるようにはなっていない。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした多段ラックユニット装置を提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、ラックユニットを上下に積み重ねて、2本のベルトをX字状に張り渡すことにより、上下振動、水平方向の撓み、荷物の脱落等に対して防護できるようにした多段ラックユニット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における課題解決のための具体的手段は、4本の支柱部材3の上部側を上枠Uで連結し、4本の支柱部材3の下部側を下枠Dで連結してラックユニットRを形成し、このラックユニットRを上下に複数段積み重ねて多段ラックユニットRを構成しており、
上段と下段のラックユニットRの前面側の左右支柱部材3に、前面に頭付きピン5を突設したベルト取付金具Kを固定しており、
右上頭付きピン5と左下頭付きピン5とに第1ベルトB1を取り付け、左上頭付きピン5と右下頭付きピン5とに第2ベルトB2を取り付けていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、積み重ねたラックユニットをベルトで保護することが可能になる。
即ち、本発明によれば、2本のベルトBをX字状に張り渡して、多段ラックユニットRの上下振動、水平方向の撓み、荷物の脱落等に対して保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の多段ラックユニット装置の第1実施形態を示す斜視図である。
図2】第1実施形態のベルト取付金具を示す斜視図である。
図3】同断面平面図である。
図4】同側面図である。
図5】同分解正面図である。
図6】多段ラックユニット装置の正面図である。
図7】同側面図である。
図8】同平面図である。
図9】本発明の多段ラックユニット装置の第2実施形態を示す正面図である。
図10】同正面分解図である。
図11図9のX-X線断面図である。
図12図9のX-X線断面の分解図である。
図13】同平面図である。
図14】同平面分解図である。
図15】第2実施形態のベルト取付金具の側面図である。
図16】ベルト取付金具の平面図である。
図17】上下連結具の側面図である。
図18】上下連結具正面分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1~8において、ベルト取付金具Kを使用した多段ラックユニット装置2(2A)の第1実施形態を示している。
図1、6~8において、多段ラックユニット装置2(2A)は、逆ネステナのラックユニットRを上下に2段積み重ねて多段ラックユニットRを構成し、上段と下段のラックユニットRの前面側の左右支柱部材3に、前面に頭付きピン5を突設したベルト取付金具Kを装着し、右上頭付きピン5と左下頭付きピン5とを第1ベルトB1で連結し、左上頭付きピン5と右下頭付きピン5とを第2ベルトB2で連結している。
【0010】
前記ラックユニットRは、枠内に格子部材を嵌めて四角枠形状の上枠Uを形成し、この上枠Uの4隅に四角パイプ製の4本の支柱部材3の一端(上端)側を連結し、4本の支柱部材3の他端(下端)側を下枠Dで連結しており、下枠Dは左右の前後2本の支柱部材3を連結する側桟杆12と奥側の左右2本の支柱部材3を連結する後桟杆12とを有し、前側の左右2本の支柱部材3間には桟杆12は存在しなく、前面開口Qを形成している。この前面開口QはラックユニットRの荷物搬入口となる。
【0011】
図6、7において、荷物Nはパレット上に物品を載置したものを例示している。
奥側の左右2本の支柱部材3は上枠Uの隅の直下に位置する。前側の左右2本の支柱部材3は上枠Uの隅の外側に位置し、かつ上端が上枠Uよりも上方へ突出していて、四角パイプの中空が開放されており、上段の前側支柱部材3の下端が四角パイプ内に係合するように形成されている。
【0012】
上枠Uの後部には、上段の後側支柱部材3の下端が当接する位置決め部材17が設けられている。
また、ラックユニットRには、左右各側桟杆12の上面の前後に受け部材18が設けられ、不使用重合時の上側ラックユニットRの左右側桟杆12を受持可能になっている。不使用重合時には、下側ラックユニットRに対して上側ラックユニットRの前側支柱部材3及び上枠Uをネスティング配置できる構造である。
【0013】
ラックユニットRを上下2段に積み重ねると、下段のラックユニットRの上枠Uの後部に、上段のラックユニットRの後桟杆12が載置され、この上枠Uの後部と後桟杆12とを連結するために上下連結具Pが設けられている。上下連結具Pは上枠Uの後部と後桟杆12に嵌合する嵌合部材14と、この嵌合部材14を締め付けるボルト等の締結具15とを有する。
【0014】
図1~8において、第1ベルトB1及び第2ベルトB2をラックユニットRに連結するためのベルト取付金具Kは、支柱部材3に嵌合する嵌合部材4と、この嵌合部材4の前面に突設された頭付きピン5と、嵌合部材4の後部に貫通された締結具6とを有している。
支柱部材3は四角パイプが使用されているので、嵌合部材4は前面壁4aの左右両端から後方へ左右側壁4bが形成され、平面視略コ字形状の型材になっている。支柱部材3に丸パイプが使用される場合は、嵌合部材4の前面壁4aを半円形又は円弧形に形成するのが好ましい。
【0015】
嵌合部材4の左右側壁4bの後部は支柱部材3より後方へ突出しており、この後部に貫通穴8が形成され、この貫通穴8に左右外方から締結具6が挿入されている。
締結具6は一対の螺合部材6a,6bで構成され、雌雄ネジ結合構造になっている。一
方の螺合部材6aは外端部にフランジ部aと六角穴bとを有し、内端部に雄ネジcを形成しており、他方の螺合部材6bは外端部にフランジ部aと六角穴bとを有し、内端部に雌ネジdを形成していて、雄ネジcと螺合結合する。
【0016】
そして、一方の螺合部材6aを一方の側壁4bの貫通穴8に挿入してフランジ部aを側壁4bの外面に当接し、他方の螺合部材6bを他方の側壁4bの貫通穴8に挿入して、フランジ部aを側壁4bの外面に当接するように、両螺合部材6a,6bの六角穴bに六角レンチを係合して、雌雄ネジc、dを螺合する。
両螺合部材6a,6bの雌雄ネジc、dを螺合すると、嵌合部材4の左右側壁4bで支柱部材3を締め付けるように挟持することになり、ベルト取付金具Kを支柱部材3に強固に固定できる。
【0017】
締結具6は頭付きピン5と略同高さでかつ支柱部材3の背面に当接可能に配置されている。
頭付きピン5は、嵌合部材4の前面の上下方向及び左右方向の略中央に固着(溶着)されており、ベルトB1、B2の両端に設けられている端末金具Fを引っ掛け可能であり、引っ掛けた端末金具Fをその頭部5aで抜け止めができるようになっている。
【0018】
第1ベルトB1及び第2ベルトB2は、2本のベルトをバックルで長さ調整自在に連結し、各ベルトの端部に端末金具Fを備えた荷締用のベルトである。両端の端末金具Fにはオープンフック型を用いてもよいが、実施形態ではセーフティフック型を例示している。
前記多段ラックユニット装置2Aの組み立ては、2台のラックユニットRを地上に置いた状態で、前面側の左右支柱部材3にベルト取付金具Kの嵌合部材4を嵌合し、その後部に締結具6を挿入して、支柱部材3の前面側に頭付きピン5が突出するように、支柱部材3にベルト取付金具Kを固着する。
【0019】
上段になるラックユニットRの左右ベルト取付金具Kに第1ベルトB1と第2ベルトB2の上端の端末金具Fを連結し、その状態で下段になるラックユニットRの上に上段ラックユニットRを載置し、上段の後桟杆12と下段の上枠Uの後部とを上下連結具Pで連結する。
そして、右上頭付きピン5に連結されている第1ベルトB1の下端の端末金具Fを左下頭付きピン5に連結し、左上頭付きピン5に連結されている第2ベルトB2の下端の端末金具Fを右下頭付きピン5に連結して、第1ベルトB1と第2ベルトB2とをX字状に架設して取り付ける。
【0020】
2本のベルトB1、B2をX字状に張ることにより、多段ラックユニットRの上下振動、水平方向の撓み等を柔軟に吸収して、多段ラックユニットRを破損、脱落等から防護することができるとともに、ラックユニットRの前面の荷物搬入口(前面開口Q)からの荷物Nの脱落等も防止できる。
前記ベルト取付金具K及び2本のベルトB1、B2は、多段ラックユニットRの背面側及び/又は左右側面側に配置することも可能である。また、多段ラックユニットRが3段以上の場合は、ベルト取付金具K及び2本のベルトB1、B2は、上段と中段との関係と中段と下段との関係で配置したり、中段を抜いて上段と下段との関係で配置したりすることができる。
【0021】
図9~18において、ベルトで保護する多段ラックユニット装置2(2B)の第2実施形態を示している。
図9~14において、多段ラックユニット装置2(2B)は、4本の支柱部材3と、4本の支柱部材3の上部側を連結する上枠Uと、4本の支柱部材3の下部側を連結する下枠DとでラックユニットRを構成しており、このラックユニットRを上下に複数段積み重ねて多段ラックユニットRとし、上段と下段のラックユニットRの前面側の左右支柱部材3に、前面に頭付きピン5を突設したベルト取付金具Kを固定しており、右上頭付きピン5と左下頭付きピン5とに第1ベルトB1を取り付け、左上頭付きピン5と右下頭付きピン5とに第2ベルトB2を取り付けている。
【0022】
多段ラックユニット装置2Bの支柱部材3は、第1実施形態の支柱部材3と同様に四角パイプで形成されているが、その前面壁3aに上下方向多数の係合凹部21が形成され、
その左右側壁3bに貫通穴22が形成されている。前側左右支柱部材3の間隔は、後側左右支柱部材3の間隔より広く設定されている。
各支柱部材3は下端に谷形状の接地具31が設けられ、上端には接地具31と嵌合可能な山形状の頂具32が設けられている。前記接地具31及び頂具32は合成樹脂又はゴム等で形成されている。
【0023】
上枠U及び下枠Dは略同一構造であり、左右対称形状の1対の前後部材35を前部材36と後部材37とで連結して四角枠形状に構成している。
前後部材35は支柱部材3と同様な四角パイプで形成され、その前後部の上壁に複数の係合凹部21が形成され、かつ左右側壁に貫通穴22が形成されている。前後部材35は前端にアーム部35aを左右外方に突出し、このアーム部35aの先端に断面コ字状の左右前側の嵌合部材24を固着している。
【0024】
前記嵌合部材24は左右前側の支柱部材3に嵌合可能であり、前面壁24aには支柱部材3の係合凹部21に挿入される舌片26が設けられ、左右側壁には支柱部材3の貫通穴22に対向する貫通穴が形成され、両者の貫通穴22に締結具6を貫通して締結している。締結具6は第1実施形態と同様な雌雄ネジ結合構造のものが使用されている。
嵌合部材24は舌片26を挿入する支柱部材3の係合凹部21を選択することができ、上枠U及び下枠Dは支柱部材3の係合凹部21の間隔で取り付け高さが変更可能になっている。
【0025】
前記後部材37は左右両端に断面コ字状の前後方向に長い取付部材41と、この各取付部材41より内側で断面コ字状の上下方向に長い左右後側の嵌合部材24とが設けられている。
この左右後側嵌合部材24は前側の嵌合部材24と同様に、舌片26及び貫通穴を有していて、左右後側の支柱部材3に
前方から嵌合して、その貫通穴及び側壁3bの貫通穴22に締結具6を貫通して締結している。
【0026】
前記前後方向に長い取付部材41は、前記各嵌合部材24と同一の材料が使用されていて、そのコ字形の開口が下向きになっており、前後部材35の後部に上側から嵌合して、取付部材41の舌片を前後部材35の係合凹部21に挿入し、前後部材35と取付部材41との貫通穴22に締結具6を貫通して締結している。
第2実施形態の多段ラックユニット装置2Bの第1ベルトB1及び第2ベルトB2は第1実施形態のものと同一であるが、ベルト取付金具Kは、図15、16に示すように、前面に突設された頭付きピン5を固着した嵌合部材4の前後寸法が短くなっており、締結具6は嵌合部材4の左右側壁4bの貫通穴8と支柱部材3の側壁3bの貫通穴22とを同時に貫通している。
【0027】
ラックユニットRを上下2段に積み重ねると、下段のラックユニットRの支柱部材3上に、上段のラックユニットRの支柱部材3の下端が載置される。左右後側の下段支柱部材3の上部と上段支柱部材3の下部との間に両者を連結するための上下連結具Pが設けられている。
図11、12、17、18において、前記上下連結具Pは、下段支柱部材3の上部に設けられていて雌雄ネジ結合構造の締結具にスペーサ44を嵌合した支軸45と、この支軸45に基部が枢支されたフック部材46と、このフック部材46の先端側にピン49を介して枢支されたロック片47と、上段支柱部材3の下部に設けられていて雌雄ネジ結合構造の締結具にスペーサ44を嵌合した係合ピン48とを有している。
【0028】
前記上下連結具Pは、フック部材46を支軸45回りに揺動することにより係合ピン48と係脱自在であり、フック部材46を係合ピン48に係合してロック片47でフック部材46のフックの開口を塞ぐことにより、フック部材46の安易な離脱を防止できるようになっている。
図9~12において、第2実施形態の多段ラックユニット装置2Bには、下枠Dとそれが連結している支柱部材3との間に筋交部材Sが設けられている。
【0029】
筋交部材Sの下端は、下枠Dの前後部材35の側面に取付座51を固定し、この取付座
51に雌雄ネジ結合構造の締結具6で連結しており、筋交部材Sの上端は、前支柱部材3の側面に取付部材53を当てて、側壁3bの貫通穴22を貫通する締結具6で連結している。
前述した実施形態の多段ラックユニット装置2は、4本の支柱部材3の上部側を上枠Uで連結し、4本の支柱部材3の下部側を下枠Dで連結してラックユニットRを形成し、このラックユニットRを上下に複数段積み重ねて多段ラックユニットRを構成しており、上段と下段のラックユニットRの前面側の左右支柱部材3に、前面に頭付きピン5を突設したベルト取付金具Kを固定しており、右上頭付きピン5と左下頭付きピン5とに第1ベルトB1を取り付け、左上頭付きピン5と右下頭付きピン5とに第2ベルトB2を取り付けている。
【0030】
これによって、2本のベルトB1、B2をX字状に掛け渡して、多段ラックユニットRの上下振動、水平方向の撓み、荷物の脱落等に対して保護することができる。
また、実施形態の多段ラックユニット装置2は、前記下段のラックユニットRの後側の左右支柱部材3の上部と、前記上段のラックユニットRの後側の左右支柱部材3の下部との間に両者を連結する上下連結具Pが設けられている。
【0031】
これによって、積み重ねられた上下段のラックユニットRの後部を連結して、多段ラックユニットRの上下振動、水平方向の撓み等に対して強固に防護することができる。
さらに、実施形態の多段ラックユニット装置2は、前記下枠Dとそれが連結している支柱部材3との間に筋交部材Sが設けられている。
これによって、ラックユニットRの下部に対する上部の揺れを防止でき、ラックユニットRを強固に保形できる。
【0032】
さらにまた、実施形態の多段ラックユニット装置2は、前記ベルト取付金具Kは、支柱部材3に嵌合する嵌合部材4の前面に頭付きピン5が突設され、嵌合部材4の後部に嵌合部材4を支柱部材3に締結する締結具6が設けられている。
これによって、支柱部材3にベルトB1、B2を取り付けるための頭付きピン5を突設することができる。
【0033】
また、実施形態の多段ラックユニット装置2は、前記ベルト取付金具Kの嵌合部材4は、前面壁4aの左右両端から後方へ左右側壁4bが形成され、この左右側壁4bに貫通穴8が形成され、前記締結具6は左右側壁4bの外方から貫通穴8に挿入されかつ互いに螺合する一対の螺合部材6a,6bで形成されている。
これによって、ベルト取付金具Kを支柱部材3に取り付けるための締結具6を簡単かつ容易に構成でき、かつ強固に固定できる。
【0034】
さらに、実施形態の多段ラックユニット装置2は、前記頭付きピン5は嵌合部材4の前面の上下方向及び左右方向の略中央に固着されており、前記締結具6は頭付きピン5と略同高さでかつ支柱部材3の背面に当接可能に配置されている。
これによって、締結具6は支柱部材3を貫通しなくとも、嵌合部材4を支柱部材3に固定することができ、しかも頭付きピン5にかかる負荷を能率良く支持することができる。
【0035】
さらにまた、実施形態の多段ラックユニット装置2は、前記ラックユニットRの各支柱部材3は四角パイプで形成されており、その前面壁3aに上下方向多数の係合凹部21が形成され、その左右側壁3bに貫通穴22が形成されている。
これによって、ラックユニットRの支柱部材3に嵌合部材を係合しながら装着したり、締結具6を貫通したりすることができる。
【0036】
また、実施形態の多段ラックユニット装置2は、前記ラックユニットRの上枠U及び下枠Dは各支柱部材3に対向する部位に、支柱部材3に対して前方から嵌合する嵌合部材24と、この嵌合部材24を支柱部材3に嵌合した状態で貫通する締結具6とが設けられており、前記嵌合部材24の前面壁24aには支柱部材3の係合凹部21に挿入される舌片26が設けられている。
【0037】
これによって、ラックユニットRを簡単に分解・組み立てできる。
さらに、実施形態の多段ラックユニット装置2は、前記ラックユニットRの上枠Uが4本の支柱部材3の上部に連結する四角枠形状に形成され、下枠Dが4本の支柱部材3の下
端側を左右側桟杆12及び後桟杆12で連結して前面開口Qに形成されている。
これによって、下部が前面開口QのラックユニットRを構成できる。
【0038】
さらにまた、実施形態の多段ラックユニット装置2は、下段のラックユニットRの上枠Uの後部と上段のラックユニットRの後桟杆12との間に、上枠Uの後部と後桟杆12とに嵌合する嵌合部材14とこの嵌合部材14を締め付ける締結具15とを有する上下連結具Pが設けられている。
これによって、下部が前面開口QのラックユニットRであっても、上下のラックユニットRの後部を連結して、多段ラックユニットRの上下振動、水平方向の撓み等に対して強固に防護することができる。
【0039】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、部材の形状、構成及び組み合わせ等を変更したりすることもできる。
例えば、ベルト取付金具Kと支柱部材3との間にゴム等の滑り止め兼クッション材を介在させてもよく、締結具6、15にはボルト・ナットを適用してもよい。
また、ベルト取付金具KはラックユニットRの支柱部材3の上下方向中央よりも上側に装着しているが、下段のラックユニットRでは、支柱部材3の中央よりも下側に装着して、2本のベルトで下段のラックユニットRからの荷物Nの突出を防止するようにしてもよい。
【0040】
さらに、ベルト取付金具K、第1ベルトB1及び第2ベルトB2は、逆ネステナを段組した多段ラックユニットRに適用したが、順ネステナを段組した多段ラックユニットにも同様に適用してもよい。
さらにまた、4本の支柱部材3の上端側を四角枠形状の上枠Uの4隅と連結し、4本の支柱部材3の下端側も下枠Dの4隅と連結し、下枠Dの枠材を4本の支柱部材3を相互に連結する桟杆12として利用することでラックユニットRを構成したり、前記2台の四角枠を天井壁、底壁として形成してラックユニットRを構成したりすることができ、このようなネステナ以外の荷物収納ラックユニットにも前記ベルト取付金具K、第1ベルトB1及び第2ベルトB2を適用可能である。
【符号の説明】
【0041】
2(2A、2B) 多段ラックユニット装置
3 支柱部材
3a 前面壁
3b 側壁
4 嵌合部材
4a 前面壁
4b 左右側壁
5 頭付きピン
5a 頭部
6 締結具
6a,6b 螺合部材
8 貫通穴
11 四角枠
12 桟杆
14 嵌合部材
15 締結具
17 位置決め部材
18 受け部材
21 係合凹部
22 貫通穴
24 嵌合部材
24a 前面壁
26 舌片
35 前後部材
35a アーム部
36 前部材
37 後部材
41 取付部材
44 スペーサ
45 支軸
46 フック部材
47 ロック片
48 係合ピン
49 ピン
51 取付座
53 取付部材
B1 第1ベルト
B2 第2ベルト
D 下枠
F 端末金具
K ベルト取付金具
N 荷物
P 上下連結具
Q 前面開口
R ラックユニット
S 筋交部材
U 上枠
a フランジ部
b 六角穴
c 雄ネジ
d 雌ネジ
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