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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095241
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】二酸化炭素処理システム
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/14 20060101AFI20230629BHJP
   B01D 53/62 20060101ALI20230629BHJP
   B01D 53/82 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
B01D53/14 100
B01D53/62 ZAB
B01D53/82
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211018
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005119
【氏名又は名称】日立造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(74)【代理人】
【識別番号】100149607
【弁理士】
【氏名又は名称】宇田 新一
(72)【発明者】
【氏名】古林 通孝
【テーマコード(参考)】
4D002
4D020
【Fターム(参考)】
4D002AA09
4D002AC04
4D002AC10
4D002BA03
4D002CA07
4D002DA01
4D002DA59
4D002DA66
4D002GA02
4D002GA03
4D002GB01
4D002GB02
4D002GB11
4D020AA03
4D020BA01
4D020BA22
4D020BA30
4D020BB01
4D020CA01
4D020CC30
4D020DA01
4D020DA02
4D020DB01
4D020DB03
4D020DB06
(57)【要約】
【課題】二酸化炭素を大量に効率よく固定化処理するのに適した二酸化炭素処理システムを提供する。
【解決手段】本発明の処理システムX(二酸化炭素処理システム)は、ガス管10と、ガス供給ユニット20(ガス供給手段)と、二酸化炭素濃度検知手段50と、制御部80(制御手段)とを備える。ガス管10は、廃棄物を含む埋立層120に埋設されたガス放出部11を有する。ガス供給ユニット20は、二酸化炭素を含有するガスをガス管10に供給する。二酸化炭素濃度検知手段50は、埋立層120の内部および/または表面の二酸化炭素濃度を検知する。制御部80は、二酸化炭素濃度検知手段50によって検知される二酸化炭素濃度に基づいてガス供給ユニット20を制御し、ガス管10に供給される二酸化炭素含有ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を調節する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物を含む埋立層に埋設されたガス放出部を有するガス管と、
二酸化炭素を含有するガスを前記ガス管に供給するガス供給手段と、
前記埋立層の内部および/または表面の二酸化炭素濃度を検知する二酸化炭素濃度検知手段と、
前記二酸化炭素濃度検知手段によって検知される前記二酸化炭素濃度に基づいて前記ガス供給手段を制御し、前記ガス管に供給される前記ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を調節する、制御手段とを備える、二酸化炭素処理システム。
【請求項2】
前記二酸化炭素濃度検知手段が、前記埋立層において鉛直方向に離れた複数の部分の二酸化炭素濃度を検知する、請求項1に記載の二酸化炭素処理システム。
【請求項3】
前記二酸化炭素濃度検知手段が、前記埋立層において水平方向に離れた複数の部分の二酸化炭素濃度を検知する、請求項1または2に記載の二酸化炭素処理システム。
【請求項4】
前記埋立層の表面の酸素濃度を検知する酸素濃度検知手段を更に備え、
前記制御手段が、前記酸素濃度検知手段によって検知される前記酸素濃度に基づいて前記ガス供給手段を制御し、前記ガス管に供給される前記ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を調節する、請求項1から3のいずれか一つに記載の二酸化炭素処理システム。
【請求項5】
廃棄物を含む埋立層に埋設されたガス放出部を有するガス管と、
二酸化炭素を含有するガスを前記ガス管に供給するガス供給手段と、
前記埋立層の表面の酸素濃度を検知する酸素濃度検知手段と、
前記酸素濃度検知手段によって検知される前記酸素濃度に基づいて前記ガス供給手段を制御し、前記ガス管に供給される前記ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を調節する、制御手段とを備える、二酸化炭素処理システム。
【請求項6】
前記酸素濃度検知手段が、前記埋立層の表面において水平方向に離れた複数の部分の酸素濃度を検知する、請求項4または5に記載の二酸化炭素処理システム。
【請求項7】
前記埋立層の内部および/または表面の温度を検知する温度検知手段を更に備え、
前記制御手段が、前記温度検知手段によって検知される前記温度に基づいて前記ガス供給手段を制御し、前記ガス管に供給される前記ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を調節する、請求項1から6のいずれか一つに記載の二酸化炭素処理システム。
【請求項8】
廃棄物を含む埋立層に埋設されたガス放出部を有するガス管と、
二酸化炭素を含有するガスを前記ガス管に供給するガス供給手段と、
前記埋立層の内部および/または表面の温度を検知する温度検知手段と、
前記温度検知手段によって検知される前記温度に基づいて前記ガス供給手段を制御し、前記ガス管に供給される前記ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を調節する、制御手段とを備える、二酸化炭素処理システム。
【請求項9】
前記温度検知手段が、前記埋立層において鉛直方向に離れた複数の部分の温度を検知する、請求項7または8に記載の二酸化炭素処理システム。
【請求項10】
前記温度検知手段が、前記埋立層において水平方向に離れた複数の部分の温度を検知する、請求項7から9のいずれか一つに記載の二酸化炭素処理システム。
【請求項11】
前記ガス管を複数備え、当該複数のガス管における複数のガス放出部が水平方向に互いに離れている、請求項1から10のいずれか一つに記載の二酸化炭素処理システム。
【請求項12】
前記ガス放出部が前記埋立層の底部に配置されている、請求項1から11のいずれか一つに記載の二酸化炭素処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ごみ焼却施設の焼却炉および火力発電所のボイラからの各排ガスには、大量の二酸化炭素が含まれている。二酸化炭素は、温暖化ガスとして知られている。そのため、排ガス中の二酸化炭素を、大気に放出せずに適切に処理する必要がある。
【0003】
下記の特許文献1には、ガスタービン発電装置の排ガス(二酸化炭素を含有する)を処理する排ガス処理設備が記載されている。同設備は、加圧シリンダーと、浸透槽と、集積槽とを備える。加圧シリンダーでは、排ガスを加圧して二酸化炭素を水に溶解させる。これにより、炭酸水が生成する。浸透槽には、コンクリート材(廃材)が堆積されている。炭酸水は、浸透槽の上方から浸透槽に向けて散布される。その炭酸水が、浸透槽を通過する時、炭酸水とコンクリート材との接触により、炭酸カルシウム等の炭酸塩が生成する。炭酸塩は、炭酸水と共に浸透槽内を下方に流れる。浸透槽を通過した水は、集積槽に溜められる。集積槽内の水では、所定の処理によって炭酸塩が沈殿される。以上のようにして、ガスタービン発電装置の排ガス中の二酸化炭素が固定される。
【0004】
一方、下記の特許文献2には、最終処分場の廃棄物安定化処理システムが記載されている。同システムは、処分場において、二酸化炭素添加装置と、散水管と、浸出水集水管と、水処理施設とを備える。処分場の底には、浸出水集水管が敷設されている。処分場には、廃棄物が埋め立てられている。処分場の上には、散水管が設置されている。このシステムでは、二酸化炭素添加装置が、水に二酸化炭素ナノバブルを添加して二酸化炭素ナノバブル水を調製する。二酸化炭素ナノバブル水は、散水管により、処分場の上方から処分場に向けて散布される。その二酸化炭素ナノバブル水が、処分場を通過する時、二酸化炭素ナノバブルと廃棄物中のカルシウム成分との接触により、炭酸カルシウムが生成する。これにより、二酸化炭素が炭酸カルシウムとして処分場内に固定化される。そのため、処分場に浸入する雨水への、廃棄物からのカルシウム成分の溶出が、抑制される(処分場の安定化)。また、処分場では、雨水と二酸化炭素ナノバブル水とが、廃棄物との接触の後、浸出水として処分場の底部に至る。この浸出水は、浸出水集水管を介して水処理施設に回収される。水処理施設では、浸出水が浄化処理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7-213861号公報
【特許文献2】特開2020-99878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の排ガス処理設備を稼働し続けるには、浸透槽内のコンクリート材の取り換え、および、集積槽からの沈殿物の回収が必要である。このような設備は、大量の二酸化炭素を固定するのに適さない。また、特許文献2の廃棄物安定化処理システムによると、廃棄物処分場の浸出水が従来よりも多量になる。浸出水の処理には、時間およびコストがかかる。そのため、特許文献2の廃棄物安定化処理システムは、二酸化炭素の処理システムとしては、効率的でない。
【0007】
本発明は、二酸化炭素を大量に効率よく固定化処理するのに適した二酸化炭素処理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明[1]は、廃棄物を含む埋立層に埋設されたガス放出部を有するガス管と、二酸化炭素を含有するガスを前記ガス管に供給するガス供給手段と、前記埋立層の内部および/または表面の二酸化炭素濃度を検知する二酸化炭素濃度検知手段と、前記二酸化炭素濃度検知手段によって検知される前記二酸化炭素濃度に基づいて前記ガス供給手段を制御し、前記ガス管に供給される前記ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を調節する、制御手段とを備える、二酸化炭素処理システムを含む。
【0009】
このような二酸化炭素処理システムによると、廃棄物を含む埋立層に埋設された、ガス管のガス放出部から、二酸化炭素を含有するガス(二酸化炭素含有ガス)を埋立層内に放出できる。二酸化炭素含有ガスは、埋立層内を上方に通過する。当該ガス中の二酸化炭素の一部または全部は、埋立層内の廃棄物と接触することにより、廃棄物のアルカリ成分と固定化される。当該システムは、廃棄物の埋立層に対して二酸化炭素を固定できるので、二酸化炭素を大量に固定化処理するのに適する。また、当該システムは、二酸化炭素をガスの状態で処理するので、廃棄物の埋立層における浸出水の量を、従来の量より増加させない(浸出水の処理に要する時間およびコストを増やさない)。加えて、当該システムは、上記のように、埋立層の内部および/または表面の二酸化炭素濃度に基づいて、ガス管に供給される二酸化炭素含有ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を調節できる。埋立層における二酸化炭素濃度は、埋立層における二酸化炭素固定化の残存能力の把握に役立つ。したがって、当該システムは、埋立層における二酸化炭素固定化の残存能力の変化に応じて、埋立層への二酸化炭素供給量を調節できる。以上のような二酸化炭素処理システムは、二酸化炭素を大量に効率よく固定化処理するのに適する。
【0010】
本発明[2]は、前記二酸化炭素濃度検知手段が、前記埋立層において鉛直方向に離れた複数の部分の二酸化炭素濃度を検知する、上記[1]に記載の二酸化炭素処理システムを含む。
【0011】
このような二酸化炭素処理システムは、埋立層における二酸化炭素固定化の残存能力の変化を精度よく追跡するのに好ましい。これは、二酸化炭素を効率よく固定化処理するのに役立つ。
【0012】
本発明[3]は、前記二酸化炭素濃度検知手段が、前記埋立層において水平方向に離れた複数の部分の二酸化炭素濃度を検知する、上記[1]または[2]に記載の二酸化炭素処理システムを含む。
【0013】
このような二酸化炭素処理システムは、埋立層における二酸化炭素固定化の残存能力の変化を精度よく追跡するのに好ましい。これは、二酸化炭素を効率よく固定化処理するのに役立つ。
【0014】
本発明[4]は、前記埋立層の表面の酸素濃度を検知する酸素濃度検知手段を更に備え、前記制御手段が、前記酸素濃度検知手段によって検知される前記酸素濃度に基づいて前記ガス供給手段を制御し、前記ガス管に供給される前記ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を調節する、上記[1]から[3]のいずれか一つに記載の二酸化炭素処理システムを含む。
【0015】
埋立層表面の酸素濃度は、埋立層における二酸化炭素固定化の残存能力の把握に役立つ。したがって、このような二酸化炭素処理システムでは、埋立層表面の酸素濃度の観点からも、埋立層における二酸化炭素固定化の残存能力の変化に応じて、埋立層への二酸化炭素供給量を調節できる。
【0016】
本発明[5]は、廃棄物を含む埋立層に埋設されたガス放出部を有するガス管と、二酸化炭素を含有するガスを前記ガス管に供給するガス供給手段と、前記埋立層の表面の酸素濃度を検知する酸素濃度検知手段と、前記酸素濃度検知手段によって検知される前記酸素濃度に基づいて前記ガス供給手段を制御し、前記ガス管に供給される前記ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を調節する、制御手段とを備える、二酸化炭素処理システムを含む。
【0017】
このような二酸化炭素処理システムは、廃棄物の埋立層に二酸化炭素を固定できるので、二酸化炭素を大量に固定化処理するのに適する。また、当該システムは、二酸化炭素をガスの状態で処理するので、廃棄物の埋立層における浸出水の量を、従来の量より増加させない。加えて、当該システムは、上記のように、埋立層の表面の酸素濃度に基づいて、ガス管に供給される二酸化炭素含有ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を調節できる。埋立層表面の酸素濃度は、埋立層における二酸化炭素固定化の残存能力の把握に役立つ。したがって、当該システムは、埋立層における二酸化炭素固定化の残存能力の変化に応じて、埋立層への二酸化炭素供給量を調節できる。以上のような二酸化炭素処理システムは、二酸化炭素を大量に効率よく固定化処理するのに適する。
【0018】
本発明[6]は、前記酸素濃度検知手段が、前記埋立層の表面において水平方向に離れた複数の部分の酸素濃度を検知する、上記[4]または[5]に記載の二酸化炭素処理システムを含む。
【0019】
このような二酸化炭素処理システムは、埋立層における二酸化炭素固定化の残存能力の変化を精度よく追跡するのに好ましい。これは、二酸化炭素を効率よく固定化処理するのに役立つ。
【0020】
本発明[7]は、前記埋立層の内部および/または表面の温度を検知する温度検知手段を更に備え、前記制御手段が、前記温度検知手段によって検知される前記温度に基づいて前記ガス供給手段を制御し、前記ガス管に供給される前記ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を調節する、上記[1]から[6]のいずれか一つに記載の二酸化炭素処理システムを含む。
【0021】
このような二酸化炭素処理システムにおいては、埋立層内の廃棄物と二酸化炭素との接触による発熱を、温度検知手段によって検知できる。また、埋立層の内部および/または表面の温度は、埋立層における二酸化炭素固定化の残存能力の把握に役立つ。したがって、このような二酸化炭素処理システムでは、埋立層における温度の観点からも、埋立層の二酸化炭素固定化の残存能力の変化に応じて、埋立層への二酸化炭素供給量を調節できる。
【0022】
本発明[8]は、廃棄物を含む埋立層に埋設されたガス放出部を有するガス管と、二酸化炭素を含有するガスを前記ガス管に供給するガス供給手段と、前記埋立層の内部および/または表面の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段によって検知される前記温度に基づいて前記ガス供給手段を制御し、前記ガス管に供給される前記ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を調節する、制御手段とを備える、二酸化炭素処理システムを含む。
【0023】
このような二酸化炭素処理システムは、廃棄物の埋立層に二酸化炭素を固定できるので、二酸化炭素を大量に固定化処理するのに適する。また、当該システムは、二酸化炭素をガスの状態で処理するので、廃棄物の埋立層における浸出水の量を、従来の量より増加させない。加えて、当該システムは、上記のように、埋立層の内部および/または表面の温度に基づいて、ガス管に供給される二酸化炭素含有ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を調節できる。埋立層における温度は、埋立層の二酸化炭素固定化の残存能力の把握に役立つ。したがって、当該システムは、埋立層における二酸化炭素固定化の残存能力の変化に応じて、埋立層への二酸化炭素供給量を調節できる。以上のような二酸化炭素処理システムは、二酸化炭素を大量に効率よく固定化処理するのに適する。
【0024】
本発明[9]は、前記温度検知手段が、前記埋立層において鉛直方向に離れた複数の部分の温度を検知する、上記[7]または[8]に記載の二酸化炭素処理システムを含む。
【0025】
このような二酸化炭素処理システムは、埋立層における二酸化炭素固定化の残存能力の変化を精度よく追跡するのに好ましい。これは、二酸化炭素を効率よく固定化処理するのに役立つ。
【0026】
本発明[10]は、前記温度検知手段が、前記埋立層において水平方向に離れた複数の部分の温度を検知する、上記[7]から[9]のいずれか一つに記載の二酸化炭素処理システムを含む。
【0027】
このような二酸化炭素処理システムは、埋立層における二酸化炭素固定化の残存能力の変化を精度よく追跡するのに好ましい。これは、二酸化炭素を効率よく固定化処理するのに役立つ。
【0028】
本発明[11]は、前記ガス管を複数備え、当該複数のガス管における複数のガス放出部が水平方向に互いに離れている、上記[1]から[10]のいずれか一つに記載の二酸化炭素処理システムを含む。
【0029】
このような二酸化炭素処理システムは、埋立層における広い範囲に二酸化炭素含有ガスを供給するのに好ましい。二酸化炭素含有ガスの広範囲への供給は、二酸化炭素を大量に効率よく固定化処理するのに役立つ。
【0030】
本発明[12]は、前記ガス放出部が前記埋立層の底部に配置されている、上記[1]から[11]のいずれか一つに記載の二酸化炭素処理システムを含む。
【0031】
このような二酸化炭素処理システムでは、埋立層の鉛直方向全体を、二酸化炭素の固定化処理に有効活用できる。このことは、二酸化炭素を大量に効率よく固定化処理するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の二酸化炭素処理システムの一実施形態の全体構成図である。
図2】ガス管の配置を示す部分斜視図である。
図3】二酸化炭素濃度計の配置の一例を示す。図3Aは、第1方向(ガス放出部の延び方向)における配置を示し、図3Bは、第2方向(第1方向と直交する方向)における配置を示す。
図4】酸素濃度計の配置の一例を示す。図4Aは、第1方向における配置を示し、図4Bは、第2方向における配置を示す。
図5】温度計の配置の一例を示す。図5Aは、第1方向における配置を示し、図5Bは、第2方向における配置を示す。
図6】ガス管の変形例を示す。図6Aは、この変形例の、第1方向におけるガス放出部の配置を示し、図6Bは第2方向におけるガス放出部の配置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の二酸化炭素処理システムの一実施形態としての処理システムX(二酸化炭素処理システム)は、図1に示すように、ガス管10と、ガス供給ユニット20(ガス供給手段)と、第1タンク30と、第2タンク40と、二酸化炭素濃度検知手段50と、酸素濃度検知手段60と、温度検知手段70と、制御部80(制御手段)とを備える。処理システムXは、二酸化炭素を固定化処理するシステムである。処理システムXは、本実施形態では、廃棄物処分場100において用いられる。廃棄物処分場100としては、例えば、廃棄物の最終処分場が挙げられる。
【0034】
廃棄物処分場100には、貯留空間110が形成されている。貯留空間110は、壁面111および底面112によって囲まれた空間である。貯留空間110には廃棄物が投入される。このような貯留空間110は、例えば、土地の掘削によって形成される。壁面111および底面112には、遮水工(図示略)が形成されていてもよい。遮水工の材料としては、例えば、コンクリート、防水シート、および、これらの組み合わせが挙げられる。貯留空間110の深さは、例えば数メートル以上である。貯留空間110の広さは、例えば1000m以上である。
【0035】
このような貯留空間110に埋立層120が形成されている。埋立層120は、処理システムXにおいて二酸化炭素が固定される場である。埋立層120は、廃棄物を含む。廃棄物としては、例えば、ごみ焼却施設で発生する主灰・飛灰、および、火力発電所で発生する石炭灰が挙げられる。廃棄物は、粗大ごみおよび汚泥を含んでいてもよい。埋立層120は、例えば、廃棄物と土(覆土)とを貯留空間110に投入することによって形成できる。
【0036】
ガス管10は、後述の二酸化炭素含有ガスの通路である。ガス管10は、貯留空間110において、壁面111に沿って延びる部分と、底面112に沿って延びる部分とを有する。ガス管10は、ガス放出部11を有する。ガス放出部11は、図2に示すように、ガス管10においてガス放出用のガス孔12を有する部分である。ガス孔12は、ガス管10の管壁を、管壁厚さ方向に貫通する。ガス放出部11内の二酸化炭素含有ガスは、ガス孔12を介して、ガス放出部11外に放出される。本実施形態では、ガス放出部11には複数のガス孔12が形成されている。このようなガス放出部11は、図1に示すように、埋立層120に埋設されている。ガス孔12の目詰まりを抑制する観点から、ガス孔12は、ガス放出部11が配置されている水平レベルより下方に向かって開口しているのが好ましい。ガス孔12は、上方に向かって開口していてもよい(図2では、そのようなガス孔12を例示的に示す)。また、ガス孔12にはノズルが取り付けられていてもよい。このようなガス管10は、例えば、塩化ビニル製の中空パイプである。
【0037】
ガス放出部11は、好ましくは、図2に示すように、ガス管10において底面112に沿って延びる部分に設けられている。すなわち、ガス放出部11は、埋立層120の底部に配置されている。このようなガス放出部11の配置により、埋立層120の鉛直方向全体を、二酸化炭素の固定化処理に有効活用できる。このことは、埋立層120において二酸化炭素を大量に効率よく固定化処理するのに役立つ。貯留空間110に埋立層120を形成する前にガス管10を敷設することにより、ガス放出部11を埋立層120の底部に配置できる。
【0038】
処理システムXは、本実施形態では、複数のガス管10を備える。複数のガス管10における複数のガス放出部11は、好ましくは、水平方向に互いに離れている。このようなガス放出部11の配置は、埋立層120における広い範囲に二酸化炭素含有ガスを供給するのに好ましい。そのような広範囲への二酸化炭素含有ガスの供給は、二酸化炭素を大量に効率よく固定化処理するのに役立つ。また、複数のガス放出部11は、例えば、互いに平行に延びる。隣り合うガス放出部11間の距離は、二酸化炭素の固定化処理に埋立層120を全体的に有効活用する観点から、好ましくは100m以下、より好ましくは50m以下、更に好ましくは30m以下、一層好ましくは10m以下である。隣り合うガス放出部11間の距離は、処理システムXの設置コストの抑制の観点から、好ましくは2m以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは10m以上、一層好ましくは30m以上である。
【0039】
ガス供給ユニット20は、本実施形態では、複数のポンプ21を含む。ポンプ21は、ガスの吸入口21aと吐出口21bとを有する。ポンプ21は、吸入口21aにてガスを吸引しつつ吐出口21bにてガスを吐出する機能(ガス送流機能)を有する。吸入口21aは、第1タンク30と連結されている。具体的には、吸入口21aと第1タンク30は、配管としてのライン31(太線で示す)を介して、連結されている。一方、吐出口21bは、ガス管10と連結されている。本実施形態では、ガス管10ごとに一つのポンプ21が、ガス管10と連結されている。すなわち、ガス管10(ガス放出部11を有する)とポンプ21とは一対一で対応づけられている。このようなガス供給ユニット20は、第1タンク30からの二酸化炭素含有ガスを、ガス管10内に送流する。これにより、ガス供給ユニット20は、二酸化炭素含有ガスをガス管10に供給する。ガス供給ユニット20は、制御部80による制御に従って二酸化炭素含有ガスの流量を調節可能である。
【0040】
第1タンク30には、二酸化炭素を含有するガス(二酸化炭素含有ガス)が貯留されている。当該二酸化炭素は、処理システムXによる固定化処理の対象である。当該二酸化炭素は、燃焼で生じた排ガス(燃焼排ガス)から回収された二酸化炭素である。排ガスの発生源としては、例えば、ごみ焼却施設の焼却炉、および、火力発電所のボイラが挙げられる。第1タンク30内の二酸化炭素の濃度は、好ましくは40体積%以上、より好ましくは60体積%以上、更に好ましくは80体積%以上、特に好ましくは90体積%以上である。
【0041】
第2タンク40には、希釈ガスが貯留されている。希釈ガスとしては、例えば、大気および窒素が挙げられる。処理システムXの運転コストの抑制の観点から、希釈ガスとしては、大気が好ましい。第2タンク40は、ライン41を介して、ライン31と連結されている。第2タンク40は、ライン41およびライン31の一部を介して、ポンプ21と連結されている。ライン41には、調節弁42が設けられている。調節弁42は、制御部80による制御に従って、ライン41内の流路を開閉可能である。また、調節弁42は、制御部80による制御に従って、ライン41を通流するガスの流量を調節可能である。希釈ガスとして大気を用いる場合、第2タンク40の代わりに所定のコンプレッサーを用いて、ライン31に希釈ガスを供給してもよい。この場合、調節弁42の代わりに当該コンプレッサーが制御されて、希釈ガスの供給量が調節される。
【0042】
二酸化炭素濃度検知手段50は、埋立層120の内部および/または表面の二酸化炭素濃度を検知する。二酸化炭素濃度検知手段50は、好ましくは、複数の二酸化炭素濃度計を含み、本実施形態では、複数の二酸化炭素濃度計51である。二酸化炭素濃度計51は、気体状の二酸化炭素の濃度(CO濃度)を測定可能である。すなわち、二酸化炭素濃度検知手段50は、複数の二酸化炭素濃度計51によるCO濃度の測定により、埋立層120の二酸化炭素濃度(分布を有する)を検知する。二酸化炭素濃度計51は、測定されたCO濃度(測定CO濃度)を信号として制御部80に出力する。二酸化炭素濃度計51としては、例えば、吸引式の二酸化炭素濃度計、および、拡散式の二酸化炭素濃度計が挙げられる。
【0043】
図3Aおよび図3Bは、複数の二酸化炭素濃度計51の配置の一例を示す。図3Aは、第1方向D1における二酸化炭素濃度計51の配置を示す。第1方向D1は、ガス放出部11の延びる方向である。図3Bは、第2方向D2における二酸化炭素濃度計51の配置を示す。第1方向D1と第2方向D2とは直交する。図3Aおよび図3Bに示すように、複数の二酸化炭素濃度計51(二酸化炭素検知手段50)は、埋立層120において水平方向に離れた複数の二酸化炭素濃度計51を含む。図3Aおよび図3Bに示す配置例では、鉛直方向における三つの高さ位置(最下位置,中間位置,最上位置)のそれぞれに、二酸化炭素濃度計51がマトリックス状に配置されている。すなわち、複数の二酸化炭素濃度計51は、埋立層120において鉛直方向に離れた複数の二酸化炭素濃度計51を含む。これにより、二酸化炭素濃度検知手段50は、埋立層120において鉛直方向に離れた複数の部分の二酸化炭素濃度を、検知可能である。また、複数の二酸化炭素濃度計51は、埋立層120において水平方向に離れた複数の二酸化炭素濃度計51を含む。これにより、二酸化炭素濃度検知手段50は、埋立層120において水平方向に離れた複数の部分の二酸化炭素濃度を、検知可能である。二酸化炭素濃度計51の配置は、具体的には次のとおりである。
【0044】
最下位置に、複数の二酸化炭素濃度計51aがマトリックス状に配置されている。二酸化炭素濃度計51aは、ガス放出部11より上に配置されている。二酸化炭素濃度計51aは、貯留空間110の底面112から例えば100cm以内に配置されている。また、図3Aに示すように、ガス放出部11に沿って複数の二酸化炭素濃度計51aが一列に配置されている。当該一列の二酸化炭素濃度計51aにおいて、隣り合う二酸化炭素濃度計51a間の距離Lは、二酸化炭素濃度の検知精度の観点から、好ましくは100m以下、より好ましくは50m以下、更に好ましくは30m以下、一層好ましくは10m以下である。距離Lは、処理システムXの設置コストの抑制の観点から、好ましくは2m以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは10m以上、一層好ましくは30m以上である。第2方向D2において隣り合う二酸化炭素濃度計51a間の好ましい距離については、距離Lと同様である。また、図3Bに示すように、第2方向D2において隣り合う二酸化炭素濃度計51a間の距離は、第2方向D2において隣り合うガス放出部11間の距離と実質的に同じであってもよい。
【0045】
中間位置に、複数の二酸化炭素濃度計51bがマトリックス状に配置されている。二酸化炭素濃度計51bは、埋立層120の厚さ方向における中心位置から例えば500cm以内に配置されている。また、図3Aに示すように、ガス放出部11に沿って複数の二酸化炭素濃度計51bが一列に配置されている。当該一列の二酸化炭素濃度計51bにおいて、隣り合う二酸化炭素濃度計51b間の距離Lは、二酸化炭素濃度の検知精度の観点から、好ましくは100m以下、より好ましくは50m以下、更に好ましくは30m以下、一層好ましくは10m以下である。隣り合う二酸化炭素濃度計51b間の距離Lは、処理システムXの設置コストの抑制の観点から、好ましくは2m以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは10m以上、一層好ましくは30m以上である。距離Lは、上述の距離Lと同じであってもよいし、異なってもよい。第2方向D2において隣り合う二酸化炭素濃度計51b間の好ましい距離については、距離Lと同様である。また、図3Bに示すように、第2方向D2において隣り合う二酸化炭素濃度計51b間の距離は、第2方向D2において隣り合うガス放出部11間の距離と実質的に同じであってもよい。
【0046】
最上位置に、複数の二酸化炭素濃度計51cがマトリックス状に配置されている。二酸化炭素濃度計51cは、好ましくは、埋立層120の露出面(表面)に配置されている。また、図3Aに示すように、ガス放出部11に沿って複数の二酸化炭素濃度計51cが一列に配置されている。当該一列の二酸化炭素濃度計51cにおいて、隣り合う二酸化炭素濃度計51c間の距離Lは、二酸化炭素濃度の検知精度の観点から、好ましくは100m以下、より好ましくは50m以下、更に好ましくは30m以下、一層好ましくは10m以下である。距離Lは、処理システムXの設置コストの抑制の観点から、好ましくは2m以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは10m以上、一層好ましくは30m以上である。距離Lは、上述の距離L,Lと同じであってもよいし、異なってもよい。第2方向D2において隣り合う二酸化炭素濃度計51c間の好ましい距離については、距離Lと同様である。また、図3Bに示すように、第2方向D2において隣り合う二酸化炭素濃度計51c間の距離は、第2方向D2において隣り合うガス放出部11間の距離と実質的に同じであってもよい。
【0047】
鉛直方向における二酸化炭素濃度計51a,51b間の距離(最下位置と中間位置との差)は、例えば100m以下、好ましくは30m以下、より好ましくは10m以下である。鉛直方向における二酸化炭素濃度計51b,51c間の距離(中間位置と最上位置との差)は、例えば100m以下、好ましくは30m以下、より好ましくは10m以下である。
【0048】
酸素濃度検知手段60は、埋立層120の表面の酸素濃度を検知する。酸素濃度検知手段60は、好ましくは、複数の酸素濃度計を含み、本実施形態では、複数の酸素濃度計61である。酸素濃度計61は、気体状の酸素の濃度(O濃度)を測定可能である。すなわち、酸素濃度検知手段60は、複数の酸素濃度計61によるO濃度の測定により、埋立層120の酸素濃度(分布を有する)を検知する。酸素濃度計61は、測定されたO濃度(測定O濃度)を示す信号を制御部80に出力する。酸素濃度計61としては、例えば、吸引式の酸素濃度計、および、拡散式の酸素濃度計が挙げられる。
【0049】
図4Aおよび図4Bは、複数の酸素濃度計61の配置の一例を示す。図4Aは、第1方向D1における酸素濃度計61の配置を示す。図4Bは、第2方向D2における酸素濃度計61の配置を示す。複数の酸素濃度計61は、埋立層120の露出面(表面)にマトリックス状に配置されている(即ち、酸素濃度検知手段60は、水平方向に離れた複数の酸素濃度計61を含む)。これにより、酸素濃度検知手段60は、埋立層120の表面において水平方向に離れた複数の部分の酸素濃度を、検知可能である。また、図4Aに示すように、ガス放出部11に沿って複数の酸素濃度計61が一列に配置されている。当該一列の酸素濃度計61において、隣り合う酸素濃度計61c間の距離Lは、酸素濃度の検知精度の観点から、好ましくは100m以下、より好ましくは50m以下、更に好ましくは30m以下、一層好ましくは10m以下である。距離Lは、処理システムXの設置コストの抑制の観点から、好ましくは2m以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは10m以上、一層好ましくは30m以上である。距離Lは、上述の距離L,L2,と同じであってもよいし、異なってもよい。第2方向D2において隣り合う酸素濃度計61間の好ましい距離については、距離Lと同様である。また、図4Bに示すように、第2方向D2において隣り合う酸素濃度計61間の距離は、第2方向D2において隣り合うガス放出部11間の距離と実質的に同じであってもよい。
【0050】
温度検知手段70は、埋立層120の内部および/または表面の温度を検知する。温度検知手段70は、好ましくは、複数の温度計を含み、本実施形態では、複数の温度計71である。温度計71は、温度を測定可能である。すなわち、温度検知手段70は、複数の温度計71による温度測定により、埋立層120の温度(分布を有する)を検知する。温度計71は、測定された温度(測定温度)を示す信号を制御部80に出力する。
【0051】
図5Aおよび図5Bは、複数の温度計71の配置の一例を示す。図5Aは、第1方向D1における温度計71の配置を示す。図5Bは、第2方向D2における温度計71の配置を示す。図5Aおよび図5Bに示すように、複数の温度計71(温度検知手段70)は、埋立層120において水平方向に離れた複数の温度計71を含む。また、図5Aおよび図5Bに示す配置例では、鉛直方向における三つの高さ位置(最下位置,中間位置,最上位置)のそれぞれに、温度計71がマトリックス状に配置されている。すなわち、複数の温度計71は、埋立層120において鉛直方向に離れた複数の温度計71を含む。これにより、温度検知手段70は、埋立層120において鉛直方向に離れた複数の部分の温度を、検知可能である。また、複数の温度計71は、埋立層120において水平方向に離れた複数の温度計71を含む。これにより、温度検知手段70は、埋立層120において水平方向に離れた複数の部分の温度を、検知可能である。温度計71の配置は、具体的には次のとおりである。
【0052】
最下位置に、複数の温度計71aがマトリックス状に配置されている。温度計71aは、ガス放出部11より上に配置されている。温度計71aは、貯留空間110の底面112から例えば100cm以内に配置されている。また、図5Aに示すように、ガス放出部11に沿って複数の温度計71aが一列に配置されている。当該一列の温度計71aにおいて、隣り合う温度計71a間の距離Lは、温度の検知精度の観点から、好ましくは100m以下、より好ましくは50m以下、更に好ましくは30m以下、一層好ましくは10m以下である。距離Lは、処理システムXの設置コストの抑制の観点から、好ましくは2m以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは10m以上、一層好ましくは30m以上である。第2方向D2において隣り合う温度計71a間の好ましい距離については、距離Lと同様である。また、図5Bに示すように、第2方向D2において隣り合う温度計71a間の距離は、第2方向D2において隣り合うガス放出部11間の距離と実質的に同じであってもよい。温度計71aと二酸化炭素濃度計51aとは、実質的に同じ位置に配置されてもよい。
【0053】
中間位置に、複数の温度計71bがマトリックス状に配置されている。温度計71bは、埋立層120の厚さ方向における中心位置から例えば500cm以内に配置されている。また、図5Aに示すように、ガス放出部11に沿って複数の温度計71bが一列に配置されている。当該一列の温度計71bにおいて、隣り合う温度計71b間の距離Lは、温度の検知精度の観点から、好ましくは100m以下、より好ましくは50m以下、更に好ましくは30m以下、一層好ましくは10m以下である。距離Lは、上述の距離Lと同じであってもよいし、異なってもよい。距離Lは、処理システムXの設置コストの抑制の観点から、好ましくは2m以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは10m以上、一層好ましくは30m以上である。距離Lは、上述の距離Lと同じであってもよいし、異なってもよい。第2方向D2において隣り合う温度計71b間の好ましい距離については、距離Lと同様である。また、図5Bに示すように、第2方向D2において隣り合う温度計71b間の距離は、本実施形態では、第2方向D2において隣り合うガス放出部11間の距離と実質的に同じであってもよい。温度計71bと二酸化炭素濃度計51bとは、実質的に同じ位置に配置されてもよい。
【0054】
最上位置に、複数の温度計71cがマトリックス状に配置されている。温度計71cは、好ましくは、埋立層120の露出面上に配置されている。また、図5Aに示すように、ガス放出部11に沿って複数の温度計71cが一列に配置されている。当該一列の温度計71cにおいて、隣り合う温度計71c間の距離Lは、温度の検知精度の観点から、好ましくは100m以下、より好ましくは50m以下、更に好ましくは30m以下、一層好ましくは10m以下である。距離Lは、処理システムXの設置コストの抑制の観点から、好ましくは2m以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは10m以上、一層好ましくは30m以上である。距離Lは、上述の距離L5,と同じであってもよいし、異なってもよい。第2方向D2において隣り合う温度計71c間の好ましい距離については、距離Lと同様である。また、図5Bに示すように、第2方向D2において隣り合う温度計71c間の距離は、本実施形態では、第2方向D2において隣り合うガス放出部11間の距離と実質的に同じであってもよい。温度計71cと二酸化炭素濃度計51cとは、実質的に同じ位置に配置されてもよい。
【0055】
鉛直方向における温度計71a,71b間の距離(最下位置と中間位置との差)は、例えば100m以下、好ましくは30m以下、より好ましくは10m以下である。鉛直方向における温度計71b,71c間の距離(中間位置と最上位置との差)は、例えば100m以下、好ましくは30m以下、より好ましくは10m以下である。
【0056】
温度検知手段70は、最上位の複数の温度計71cの代わりに、埋立層120の表面全体の温度を測定可能なサーモグラフィーを備えてもよい。
【0057】
制御部80は、例えば、演算部と、記憶部と、比較部と、動作制御部とを含む。制御部80は、コンピュータによって構成される。当該コンピュータは、例えば、廃棄物処分場100の管理棟(図示略)に設置される。制御部80には、ポンプ21、調節弁42、二酸化炭素濃度計51、酸素濃度計61、および温度計71が、有線または無線を介して、通信可能に接続されている。
【0058】
処理システムXにおける二酸化炭素の固定化処理は、次のとおりである。
【0059】
第1タンク30内の二酸化炭素含有ガスが、ライン31を介して、ガス供給ユニット20の各ポンプ21に送られる。必要に応じて、第2タンク40内の希釈ガスも、ライン41およびライン31の一部を介して、各ポンプ21に送られる。そして、ポンプ21(ガス供給ユニット20)から、所定のCO濃度の二酸化炭素含有ガスが、ガス管10に供給される。その二酸化炭素含有ガスは、ガス放出部11から埋立層120内に放出される。二酸化炭素含有ガスが、埋立層120を上方に通過する時、同ガス内の二酸化炭素と廃棄物中のアルカリ成分との接触により、アルカリ成分の炭酸塩が生成する。アルカリ成分としては、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウム等が挙げられる。これにより、二酸化炭素が炭酸塩として埋立層120内に固定化される。
【0060】
また、処理システムXにおいて、制御部80の演算部は、例えば次の第1~第3情報に基づき、ポンプ21からガス管10に供給される二酸化炭素含有ガスのCO濃度(供給CO濃度)を演算する。第1情報は、第1タンク30内の二酸化炭素含有ガスのCO濃度である。第2情報は、第2タンク40内のガスのCO濃度である。第3情報は、ライン41の調節弁42の開度である。演算された供給CO濃度は、記憶部に記憶される。そして、制御部80は、本実施形態では、上述の測定CO濃度、測定O濃度および測定温度に基づき、ガス供給ユニット20をポンプ21ごとに制御し、ガス管10に供給されるガスの流量および/または二酸化炭素濃度を調節する。具体的には、以下のとおりである。
【0061】
制御部80において、記憶部は、二酸化炭素濃度の閾値(CO閾値濃度)を予め記憶している。CO閾値濃度として、例えば5体積%以上の値が設定される。CO閾値濃度は、一つのガス放出部11に対応づけられた二酸化炭素濃度計51ごとに個別に設定されてもよし、当該二酸化炭素濃度計51に共通の閾値濃度として設定されてもよい。例えば、設定されるCO閾値濃度は、二酸化炭素濃度計51a、二酸化炭素濃度計51bおよび二酸化炭素濃度計51cの順に小さい。一方、制御部80には、各二酸化炭素濃度計51から測定CO濃度が信号として入力される。制御部80は、入力された測定CO濃度を記憶部にて記憶する。比較部は、各二酸化炭素濃度計51からの測定CO濃度を、当該二酸化炭素濃度計51に設定されているCO閾値濃度と比較する。そして、CO閾値濃度を超える測定CO濃度がある場合、動作制御部が、測定濃度がCO閾値濃度を超えた当該二酸化炭素濃度計51と対応付けられるポンプ21によってガス管10に供給される二酸化炭素含有ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を、低下させるように調節する。測定濃度がCO閾値濃度を超えた二酸化炭素濃度計51と対応付けられるポンプ21とは、当該二酸化炭素濃度計51が検出する二酸化炭素の供給元であると合理的に特定できるポンプ21であり、例えば、当該二酸化炭素濃度計51と最も近いガス放出部11を有するガス管10に二酸化炭素含有ガスを供給するポンプ21である。流量は、ポンプ21の吐出量の制御によって調節される。二酸化炭素濃度は、開閉弁42の開度の制御によって調節される。これら調節の後、演算部が供給CO濃度を演算する。当該新たな供給CO濃度は、記憶部に記憶される(供給CO濃度の更新)。一方、当該二酸化炭素濃度計51からの測定CO濃度が、当該二酸化炭素濃度計51に設定されたCO閾値濃度を下回った場合、動作制御部が、当該二酸化炭素濃度計51と対応づけられるポンプ21によってガス管10に供給される二酸化炭素含有ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を、上昇させる(例えば、上述の低下の前の値に戻す)ように調節する。この調節の後、供給CO濃度の更新が実行される。処理システムXにおいては、二酸化炭素濃度に基づく以上の制御が定期的または常時的に実行される。
【0062】
制御部80において、記憶部は、酸素濃度の閾値(O閾値濃度)も予め記憶している。O閾値濃度は、例えば19体積%である(即ち、埋立層120表面においてO濃度が例えば19体積%を下回らないようにO閾値濃度が設定される)。O閾値濃度は、一つのガス放出部11に対応づけられた酸素濃度計61ごとに個別に設定されてもよし、当該酸素濃度計61に共通の閾値濃度として設定されてもよい。一方、制御部80には、各酸素濃度計61から測定O濃度が信号として入力される。制御部80は、入力された測定O濃度を記憶部にて記憶する。比較部は、各酸素濃度計61からの測定O濃度を、当該酸素濃度計61に設定されているO閾値濃度と比較する。そして、O閾値濃度を下回る測定O濃度がある場合、動作制御部が、測定濃度がO閾値濃度を下回る当該酸素濃度計61が対応づけられるポンプ21によってガス管10に供給される二酸化炭素含有ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を、低下させるように調節する。測定濃度がO閾値濃度を下回る酸素濃度計61と対応付けられるポンプ21とは、当該酸素濃度計61が検出するガスに含まれる二酸化炭素の供給元であると合理的に特定できるポンプ21であり、例えば、当該酸素濃度計61と最も近いガス放出部11を有するガス管10に二酸化炭素含有ガスを供給するポンプ21である。そして、当該調節の後、上述の供給CO濃度の更新が実行される。一方、当該酸素濃度度計61からの測定O濃度が、当該酸素濃度計61に設定されたO閾値濃度を上回った場合、動作制御部が、当該酸素濃度計61と対応づけられるポンプ21によってガス管10に供給される二酸化炭素含有ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を、上昇させる(例えば、上述の低下の前の値に戻す)ように調節する。この調節の後、供給CO濃度の更新が実行される。処理システムXにおいては、酸素濃度に基づく以上の制御が定期的または常時的に実行される。
【0063】
制御部80において、記憶部は、温度の閾値(閾値温度)を予め記憶している。閾値温度は、一つのガス放出部11に対応づけられた温度計71ごとに個別に設定されてもよし、当該温度計71に共通の閾値温度として設定されてもよい。一方、制御部80には、各温度計71から測定温度が信号として入力される。制御部80は、入力された測定温度を記憶部にて記憶する。比較部は、各温度計71からの測定温度を、当該温度計71に設定されている閾値温度と比較する。そして、閾値温度を超える測定温度がある場合、動作制御部が、測定温度が閾値温度を超える当該温度計71と最も近いガス放出部11を有するガス管10に二酸化炭素含有ガスを供給するポンプ21(第1のポンプ21)によってガス管10に供給される二酸化炭素含有ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を、低下させるように調節する。また、動作制御部は、必要に応じて、当該温度計71に対して二番目に近いガス放出部11を有するガス管10に二酸化炭素含有ガスを供給するポンプ21(第2のポンプ21)によってガス管10に供給される二酸化炭素含有ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を、低下させるように調節する。さらに、動作制御部は、必要に応じて、当該温度計71に対して三番目に近いガス放出部11を有するガス管10に二酸化炭素含有ガスを供給するポンプ21(第3のポンプ21)によってガス管10に供給される二酸化炭素含有ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を、低下させるように調節する。このような調節の後、上述の供給CO濃度の更新が実行される。一方、当該温度計71からの測定温度が、当該温度計71に設定された閾値温度を下回った場合、動作制御部が、第1のポンプ21によってガス管10に供給される二酸化炭素含有ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を、上昇させる(例えば、上述の低下の前の値に戻す)ように調節する。また、動作制御部は、必要に応じて、第2のポンプ21によってガス管10に供給される二酸化炭素含有ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を、上昇させるように調節する。さらに、動作制御部は、必要に応じて、第3のポンプ21によってガス管10に供給される二酸化炭素含有ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を、上昇させるように調節する。この調節の後、供給CO濃度の更新が実行される。処理システムXにおいては、温度に基づく以上の制御が定期的または常時的に実行される。
【0064】
処理システムXでは、ガス管10への二酸化炭素供給量が以上のように調節されつつ、二酸化炭素が固定化処理される。このような処理システムXによると、廃棄物の埋立層120に対して二酸化炭素を固定できる。したがって、処理システムXは、二酸化炭素を大量に固定化処理するのに適する。また、処理システムXによると、二酸化炭素をガスの状態で処理できる。そのため、処理システムXによると、埋立層120における浸出水の量は、従来の量より増加されない(浸出水の処理に要する時間およびコストは増えない)。
【0065】
また、処理システムXは、上述のように、埋立層120の内部および/または表面の二酸化炭素濃度に基づいて、ガス管10に供給される二酸化炭素含有ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を調節できる。埋立層120における二酸化炭素濃度は、埋立層120における二酸化炭素固定化の残存能力の把握に役立つ。したがって、処理システムXは、埋立層120における二酸化炭素固定化の残存能力の変化に応じて、埋立層120への二酸化炭素供給量を調節できる。
【0066】
加えて、処理システムXは、上述のように、埋立層120の表面の酸素濃度に基づいて、ガス管10に供給される二酸化炭素含有ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を調節できる。埋立層120表面の酸素濃度は、埋立層120における二酸化炭素固定化の残存能力の把握に役立つ。したがって、処理システムXでは、埋立層120の表面の酸素濃度の観点からも、埋立層120の二酸化炭素固定化の残存能力の変化に応じて、埋立層への二酸化炭素供給量を調節できる。
【0067】
更に加えて、処理システムXは、上述のように、埋立層120の内部および/または表面の温度に基づいて、ガス管10に供給される二酸化炭素含有ガスの流量および/または二酸化炭素濃度を調節できる。埋立層120の内部および/または表面の温度は、埋立層120における二酸化炭素固定化の残存能力の把握に役立つ。したがって、処理システムXでは、埋立層120における温度の観点からも、埋立層120の二酸化炭素固定化の残存能力の変化に応じて、埋立層120への二酸化炭素供給量を調節できる。
【0068】
以上のような処理システムXは、二酸化炭素を大量に効率よく固定化処理するのに適する。
【0069】
処理システムXでは、上述のように、二酸化炭素濃度検知手段50は、埋立層120において鉛直方向に離れた複数の部分の二酸化炭素濃度を検知する。また、二酸化炭素濃度検知手段50は、埋立層120において水平方向に離れた複数の部分の二酸化炭素濃度を検知する。このような処理システムXは、埋立層120における二酸化炭素固定化の残存能力の変化を精度よく追跡するのに好ましい。これは、二酸化炭素を効率よく固定化処理するのに役立つ。
【0070】
処理システムXでは、上述のように、酸素濃度検知手段60は、埋立層120において水平方向に離れた複数の部分の酸素濃度を検知する。このような処理システムXは、埋立層120における二酸化炭素固定化の残存能力の変化を精度よく追跡するのに好ましい。これは、二酸化炭素を効率よく固定化処理するのに役立つ。
【0071】
処理システムXでは、上述のように、温度検知手段70は、埋立層120において鉛直方向に離れた複数の部分の温度を検知する。また、温度検知手段70は、埋立層120において水平方向に離れた複数の部分の温度を検知する。このような処理システムXは、埋立層120における二酸化炭素固定化の残存能力の変化を精度よく追跡するのに好ましい。これは、二酸化炭素を効率よく固定化処理するのに役立つ。
【0072】
処理システムXにおいて、二酸化炭素濃度検知手段50は、鉛直方向に離れた複数の二酸化炭素濃度計51を含まなくてもよく、水平方向に離れた複数の二酸化炭素濃度計51を含まなくてもよい。酸素濃度検知手段60は、水平方向に離れた複数の酸素濃度計61を含まなくてもよい。また、温度検知手段70は、鉛直方向に離れた複数の温度計71を含まなくてもよく、水平方向に離れた複数の温度計71を含まなくてもよい。
【0073】
処理システムXにおいて、ガス管10のガス放出部11は、埋立層120の底部に配置されていなくてもよい。ガス放出部11は、埋立層120の鉛直方向中間部に配置されていてもよい。
【0074】
ガス管10は、埋立層120の上表面から当該埋立層120に対して挿入されたガス放出部11を有してもよい。このようなガス管10によると、既に形成されている埋立層120内にガス放出部11を配置しやすい。図6Aおよび図6Bは、そのようなガス放出部11を有するガス管10の一例を表す。図6Aおよび図6Bに示す複数のガス管10は、それぞれ、鉛直方向に延びるガス放出部11を有する(ガス放出部11は複数のガス孔12を有する)。ガス管10は、そのガス放出部11が埋立層120の底部(即ち、貯留空間110の底面112近く)に配置されるまで埋立層120に挿入されるのが好ましい。ガス管10およびそのガス放出部11は、鉛直方向・水平方向に対して斜めに、埋立層120に挿入されてもよい。ガス放出部11において、ガス孔12は、埋立層120の下層部(例えば、埋立層120の鉛直方向における下側半分)または底部に位置するように設けられるのが好ましい。また、複数のガス管10における複数のガス放出部11は、図6Aに示すように第1方向D1に離れていてもよく、且つ、図6Bに示すように第2方向D2に離れていてもよい。このような変形例において、隣り合うガス放出部11間の距離は、二酸化炭素の固定化処理に埋立層120を全体的に有効活用する観点から、好ましくは100m以下、より好ましくは50m以下、更に好ましくは30m以下、一層好ましくは10m以下である。隣り合うガス放出部11間の距離は、処理システムXの設置コストの抑制の観点から、好ましくは2m以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは10m以上、一層好ましくは30m以上である。
【0075】
また、ガス管10は、鉛直方向に延びる部分と、これに連結されて水平方向に延びる部分とを有するガス放出部11(L字状のガス放出部)を、埋立層120内に有してもよい。ガス管10は、鉛直方向および水平方向と交差する方向に延びる部分(傾斜部分)と、これに連結されて水平方向に延びる部分とを有するガス放出部11を、埋立層120内に有してもよい。
【0076】
処理システムXにおいて、ポンプ21の吸入口21aは、第1タンク30の代わりに、燃焼排ガスから二酸化炭素を回収するプラント(CO回収プラント)と連結されていてもよい。
【0077】
処理システムXは、ガス管10ごとに一つのポンプ21が設けられる(即ち連結される)上述の構成に代えて、近接するガス放出部11を有する複数で一組のガス管10ごとに一つのポンプ21が設けられる(即ち連結される)構成を有してもよい。また、処理システムXは、ガス管10ごとに一つのポンプ21が設けられる上述の構成に代えて、全てのガス管10に対して一つのポンプ21が設けられる(即ち連結される)構成を有してもよい。
【0078】
処理システムXにおいて、ポンプ21の吸入口21aは、第1タンク30の代わりに、燃焼排ガスから二酸化炭素を回収するプラント(CO回収プラント)と連結されていてもよい。
【0079】
また、処理システムXは、上述の酸素濃度検知手段60を備えなくてもよい。すなわち、処理システムXは、上述の二酸化炭素濃度検知手段50と上述の温度検知手段70とを備えて、二酸化炭素濃度に基づく上述の制御と、温度に基づく上述の制御とを実行してもよい。処理システムXは、温度検知手段70を備えなくてもよい。すなわち、処理システムXは、二酸化炭素濃度検知手段50と酸素濃度検知手段60とを備えて、二酸化炭素濃度に基づく上述の制御と、酸素濃度に基づく上述の制御とを実行してもよい。処理システムXは、酸素濃度検知手段60および温度検知手段70を備えなくてもよい。すなわち、処理システムXは、二酸化炭素濃度検知手段50を備えて、二酸化炭素濃度に基づく上述の制御を実行してもよい。処理システムXは、二酸化炭素濃度検知手段50を備えなくてもよい。すなわち、処理システムXは、酸素濃度検知手段60と温度検知手段70とを備えて、酸素濃度に基づく上述の制御と、温度に基づく上述の制御とを実行してもよい。処理システムXは、二酸化炭素濃度検知手段50および温度検知手段70を備えなくてもよい。すなわち、処理システムXは、酸素濃度検知手段60を備えて、酸素濃度に基づく上述の制御を実行してもよい。
【符号の説明】
【0080】
X 処理システム(二酸化炭素処理システム)
10 ガス管
11 ガス放出部
12 ガス孔
20 ガス供給ユニット(ガス供給手段)
30 第1タンク
40 第2タンク
50 二酸化炭素濃度検知手段
51 二酸化炭素濃度計
60 酸素濃度検知手段
61 酸素濃度計
70 温度検知手段
71 温度計
80 制御部(制御手段)
100 廃棄物処分場
110 貯留空間
120 埋立層
D1 第1方向
D2 第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6