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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095267
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/3822 20150101AFI20230629BHJP
   H01Q 1/32 20060101ALI20230629BHJP
   H04B 1/401 20150101ALI20230629BHJP
【FI】
H04B1/3822
H01Q1/32 Z
H04B1/401
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211056
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鹿野 清一
(72)【発明者】
【氏名】倉石 栄一
(72)【発明者】
【氏名】櫻澤 成彰
(72)【発明者】
【氏名】岩本 大史
【テーマコード(参考)】
5J046
5K011
【Fターム(参考)】
5J046AA02
5J046MA09
5K011DA02
5K011GA01
5K011JA01
(57)【要約】
【課題】各通信ユニット動作状態を的確な切替契機で切り替えることが可能なアンテナ装置を提供する。
【解決手段】アンテナ装置は、車両に搭載された、アンテナを備える複数の通信ユニットを用いて、車々間通信や路車間通信を行うものであって、通信ユニットの各々が備えて、当該通信ユニットと接続されたアンテナの送受信動作を制御する通信制御部と、車両の状態と、通信制御部の動作状態とを検出する車両状態検出部と、通信ユニットの各々が備えて、車両状態検出部が検出した車両の状態と、通信制御部の動作状態とに応じて、当該通信制御部の動作状態を、通信ユニット毎に制御する動作制御部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された、アンテナを備える複数の通信ユニットを用いて、車々間通信や路車間通信を行うアンテナ装置であって、
前記通信ユニットの各々が備えて、当該通信ユニットと接続された前記アンテナの送受信動作を制御する通信制御部と、
前記車両の状態と、前記通信制御部の動作状態とを検出する車両状態検出部と、
前記通信ユニットの各々が備えて、前記車両状態検出部が検出した前記車両の状態と、前記通信制御部の動作状態とに応じて、当該通信制御部の動作状態を、前記通信ユニット毎に制御する動作制御部と、
を備えるアンテナ装置。
【請求項2】
前記車両状態検出部は、前記車両が走行中であることと、当該車両の走行場所と、前記通信制御部の動作状態とを検出するものであって、
前記動作制御部は、前記車両状態検出部が、前記車両がトンネルや地下駐車場のような閉空間を走行中であると検出した場合に、複数の前記通信制御部のうち、所定のアンテナと接続された通信制御部の送受信動作を停止させる、
請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記動作制御部は、前記車両状態検出部が、通信なしと判定したことを条件として、当該通信制御部と接続された前記アンテナの送受信動作を停止させる、
請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記車両状態検出部は、更に、前記車両が停止中であることを検出するものであって、
前記動作制御部は、前記車両状態検出部が、前記車両が停止していることを検出した場合に、複数の前記通信制御部のうち、所定のアンテナと接続された通信制御部の送受信動作を停止させる、
請求項2または請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記通信制御部が前記アンテナに送受信動作を行わせている通信ユニットに対して、所定の周期で温度の監視を行わせる温度監視部と、
前記温度監視部が前記通信ユニットの温度が第1の所定値よりも高いことを検出した場合に、当該通信ユニットの冷却を開始して、前記温度監視部が前記通信ユニットの温度が、前記第1の所定値以下の第2の所定値よりも低いことを検出した場合に、当該通信ユニットの冷却を停止する冷却ON/OFF判定部と、
前記冷却ON/OFF判定部の判定結果に基づいて、冷却装置を制御する冷却制御部と、を更に備える、
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前期温度監視部は、前記冷却制御部が冷却動作を行っている場合は、当該冷却制御部が冷却を行っている通信ユニットの温度の監視を行う温度測定周期を、前記冷却制御部が冷却を停止している場合に比べて短くする、
請求項5に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記第1の所定値は、前記第2の所定値よりも高い、
請求項5または請求項6に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記冷却ON/OFF判定部は、前記温度監視部が前記通信ユニットの温度が第1の所定値よりも第1の所定回数連続して高いことを検出した場合に、当該通信ユニットの冷却制御部に対して冷却を開始させて、前記温度監視部が前記通信ユニットの温度が第2の所定値よりも第2の所定回数連続して低いことを検出した場合に、当該通信ユニットの冷却制御部に対して冷却を停止させる、
請求項5から請求項7のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、コネクティッドカーの需要が高まっており、車両と、他車両、歩行者、路側機等との通信を行うV2X(Vehicle tо X)の技術が開発されている。特許文献1には、中央制御ユニットと複数の通信ユニットとを備えるアンテナ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第10779140号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、全ての通信ユニットを同時に制御するユースケースと、選択した個別の通信ユニットのみを制御するユースケースが開示されているが、これらの制御タイミングを切り替える切替契機については言及されていない。
【0005】
本開示は、各通信ユニットの動作状態を的確な切替契機で切り替えることが可能なアンテナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るアンテナ装置は、車両に搭載された、アンテナを備える複数の通信ユニットを用いて、車々間通信や路車間通信を行うアンテナ装置であって、前記通信ユニットの各々が備えて、当該通信ユニットと接続された前記アンテナの送受信動作を制御する通信制御部と、前記車両の状態と、前記通信制御部の動作状態とを検出する車両状態検出部と、前記通信ユニットの各々が備えて、前記車両状態検出部が検出した前記車両の状態と、前記通信制御部の動作状態とに応じて、当該通信制御部の動作状態を、前記通信ユニット毎に制御する動作制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係るアンテナ装置によれば、各通信ユニットの動作状態を的確な切替契機で切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係るアンテナ装置を車両に搭載した一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るアンテナ装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図3図3は、実施形態に係るアンテナ装置が実行する処理の流れの一例を示す第1のシーケンス図である。
図4図4は、実施形態に係るアンテナ装置が実行する処理の流れの一例を示す第2のシーケンス図である。
図5図5は、実施形態に係るアンテナ装置が実行する、車両状態および通信ユニット動作状態判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6図6は、実施形態に係るアンテナ装置が実行する、温度測定周期判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7A図7Aは、実施形態に係るアンテナ装置の冷却制御部が行う、通信ユニット冷却ON/OFF判定処理の流れの一例を示す第1のフローチャートである。
図7B図7Bは、実施形態に係るアンテナ装置の冷却制御部が行う、通信ユニット冷却ON/OFF判定処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。
図7C図7Cは、実施形態に係るアンテナ装置の冷却制御部が行う、通信ユニット冷却ON/OFF判定処理の流れの一例を示す第3のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本開示に係るアンテナ装置について説明する。
【0010】
(アンテナ装置の概略構成)
図1を用いて、アンテナ装置10の概略構成を説明する。図1は、実施形態に係るアンテナ装置を車両に搭載した一例を示す図である。
【0011】
アンテナ装置10は、車両5に搭載されて、中央制御ユニット40と、複数の通信ユニット22a,22b,22c,22d,22eとを備える。以後、複数の通信ユニット22a,22b,22c,22d,22eを総称して、通信ユニット22と呼ぶ。
【0012】
中央制御ユニット40は、車両5の各部の動作状態を取得して、車両5の状態を検出する。詳しくは後述する(図2参照)。また、中央制御ユニット40は、通信ユニット22と通信を行って、通信ユニット22の動作状態を取得する。また、中央制御ユニット40は、車両5の状態と通信ユニット22の各々の動作状態とに基づいて、通信ユニット22の各々に対して、個別に動作状態を制御する。更に、中央制御ユニット40は、通信ユニット22の中で、動作している通信ユニットに対して、当該通信ユニットの温度測定を行う周期を設定する。また、中央制御ユニット40は、動作している通信ユニットに対して、当該通信ユニットを冷却する冷却装置32(図2参照)のON/OFFを指示する。
【0013】
通信ユニット22a,22b,22c,22d,22eは、当該通信ユニット22a,22b,22c,22d,22eにそれぞれ接続されたアンテナ24a,24b,24c,24d,24eを備える。以後、複数のアンテナ24a,24b,24c,24d,24eを総称して、アンテナ24と呼ぶ。
【0014】
通信ユニット22及びアンテナ24は、車両5のルーフやトランクリッド等の上部に設置される。通信ユニット22及びアンテナ24は、車両5の周囲に存在する、通信機能を備えた通信機器を有する他車両や路側機や、通信機能を備えた通信機器を所持する歩行者、または車両5の周囲の通信ネットワークとの間で無線通信を行う。車両5は、このような無線通信を行うことによって、運転支援や自動運転に必要な情報を取得する。また、車両5の各種ソフトウエアや地図データ等のデータベースの更新を行う。また、車両5から外部に対して、車両5の存在を通知する。
【0015】
なお、車両5からできるだけ広範囲の通信機器と通信を行うことができるように、一般に、車両5には、通信ユニット22及びアンテナ24が、複数台設置される。設置場所及び設置台数は、車種毎に適宜決定される。
【0016】
また、通信ユニット22は、動作中である場合に、自身の温度を監視する。また、通信ユニット22は、動作中である場合に、中央制御ユニット40からの指示を受けて、自身を冷却する冷却手段のON/OFFを制御する。
【0017】
アンテナ24は、車両5の外部から、車両5に実装されているV2Xのアプリケーションに係る電波を受信するとともに、車両5の外部に、車両5に実装されているV2Xのアプリケーションに係る電波を送信する。なお、アンテナ24の具体的な構成は問わない。
【0018】
(アンテナ装置の機能構成)
図2を用いて、アンテナ装置10の機能構成を説明する。図2は、実施形態に係るアンテナ装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0019】
アンテナ装置10は、中央制御ユニット40と、通信ユニット22a,…,22nとを備える。
【0020】
中央制御ユニット40は、車両5の各部と接続されて、車両5の状態に係る情報を取得する。具体的には、中央制御ユニット40は、駆動部52の動作状態に係る情報を、ECU50aを介して取得する。駆動部52は、例えば、車両5を駆動するエンジンやモータである。また、中央制御ユニット40は、センサ54が検出した情報を、ECU50bを介して取得する。センサ54は、例えば、車両5の運転席に乗員が着座しているかを検出する着座センサ等である。また、中央制御ユニット40は、ドア56の状態に係る情報を、ECU50cを介して取得する。ドア56の状態に係る情報とは、例えば、ドア56の開閉状態を示す情報である。また、中央制御ユニット40は、パーキングブレーキ58の状態に係る情報を、ECU50dを介して取得する。パーキングブレーキ58の状態に係る情報とは、例えば、パーキングブレーキ58が作動しているか否かを示す情報である。また、中央制御ユニット40は、GNSS(Global Navigatiоn Satellite System)受信機60が受信した情報、より正確には、GNSS受信機60が受信した情報に基づいて、車両5のカーナビゲーション装置が計算した車両5の現在位置情報を、ECU50eを介して取得する。
【0021】
中央制御ユニット40は、非図示のCPU(Centrаl Prоcessing Unit)を内蔵するコンピュータの構成を有する。中央制御ユニット40は、CPUが制御プログラムを実行することによって、車両状態検出部41と、温度測定周期判定部42と、冷却ON/OFF判定部43とを、機能部位として実現する。
【0022】
車両状態検出部41は、車両5の状態と、通信ユニット22の動作状態とを検出する。また、車両状態検出部41は、動作制御部25に対して、当該動作制御部25に接続されたアンテナ24の送受信動作を、開始または停止させる。
【0023】
温度測定周期判定部42は、動作している通信ユニット22に対して、当該通信ユニット22の温度を測定する周期を決定する。より具体的には、温度測定周期判定部42は、動作している通信ユニット22に対して、当該通信ユニット22に接続される冷却装置32がONになっている、即ち冷却を行っている場合は、動作中の通信ユニット22に接続される冷却装置32がOFFになっている、即ち冷却を行っていない場合に比べて、より短い周期に決定する。また、温度測定周期判定部42は、決定した温度測定周期で、該当する通信ユニット22に温度測定タイミングを通知する。また、温度測定周期判定部42は、通信ユニット22から、温度測定結果を受信する。
【0024】
冷却ON/OFF判定部43は、温度測定周期判定部42が受信した通信ユニット22の温度が第1の所定値Hon(図7B参照)よりも高いことを検出した場合に、当該通信ユニット22の冷却を開始する。また、冷却ON/OFF判定部43は、温度測定周期判定部42が受信した通信ユニット22の温度が、第1の所定値Hon以下の第2の所定値Hoff(図7B参照)よりも低いことを検出した場合に、当該通信ユニット22の冷却を停止する。なお、第1の所定値Honと第2の所定値Hoffとは同じ値であってもよい。以下、説明を簡単にするため、第1の所定値Honと第2の所定値Hoffとを、それぞれ、閾値Hon、閾値Hoffと呼ぶ。
【0025】
通信ユニット22は、非図示のCPUを内蔵するコンピュータの構成を有する。通信ユニット22は、CPUが制御プログラムを実行することによって、動作制御部25と、通信制御部26と、温度監視部27と、冷却制御部28とを、機能部位として実現する。なお、以降の説明において、複数の通信ユニット22a,…,22nがそれぞれ備える動作制御部25と、通信制御部26と、温度監視部27と、冷却制御部28を区別して説明する必要がある場合、通信ユニット22nが備える各機能部位には、対応する通信ユニットの添字nを付して記載する。例えば、通信ユニット22nが備える通信制御部は、符号26nで表すものとする。
【0026】
動作制御部25は、通信ユニット22の各々が備えて、車両状態検出部41が検出した車両5の状態と、通信制御部26の動作状態とに応じて、当該通信制御部26の動作状態を、通信ユニット毎に制御する。
【0027】
例えば、動作制御部25は、車両状態検出部41が、車両5がトンネルや地下駐車場のような閉空間を走行中であると検出した場合に、複数の通信制御部26のうち、所定のアンテナ24と接続された通信制御部26の送受信動作を停止させる。より具体的には、車両5の進行方向と車両5の進行方向後方に送受信範囲を有するアンテナ24を除いて、送受信動作を停止させる。
【0028】
また、車車間通信の有無を判定するための一例として、動作制御部25は、車両状態検出部41が、通信制御部26の通信頻度が所定値よりも小さいと判定したことを条件として、通信なしと判定し、当該通信制御部26と接続されたアンテナ24の送受信動作を停止させる。
【0029】
また、動作制御部25は、車両状態検出部41が、車両5が停止していることを検出した場合に、複数の通信制御部26のうち、所定のアンテナ24と接続された通信制御部26の送受信動作を停止させる。
【0030】
なお、前述した例は、動作制御部25の機能の一例であって、動作制御部25の機能は、これらに限定されるものではない。その他、車両5の状態および通信制御部26の動作状態に応じて、適宜、アンテナ24の送受信動作を制御してもよい。
【0031】
通信制御部26は、通信ユニット22の各々が備えて、当該通信ユニット22と接続されたアンテナ24の送受信動作を制御する。
【0032】
温度監視部27は、通信制御部26が、アンテナ24に送受信動作を行わせている通信ユニット22に対して、所定の周期で温度の監視を行わせる。
【0033】
冷却制御部28は、冷却ON/OFF判定部43の判定結果に基づいて、冷却装置32を制御する。
【0034】
通信ユニット22には、アンテナ24と、温度センサ30と、冷却装置32とが接続されている。
【0035】
アンテナ24は、車両5に実装されているV2Xのアプリケーションに係る情報を、電波として送受信する。
【0036】
温度センサ30は、通信ユニット22の温度を測定するセンサである。温度センサ30は、例えばサーミスタや熱電対等が用いられる。
【0037】
冷却装置32は、通信ユニット22の冷却を行う。冷却装置32は、例えば冷却ファンである。また、冷却装置32として、ペルチェ素子等の熱電素子を用いてもよい。
【0038】
(アンテナ装置が行う処理の流れ(複数の通信ユニットの同時制御))
図3を用いて、アンテナ装置10が実行する処理の流れの一例を説明する。図3は、実施形態に係るアンテナ装置が実行する処理の流れの一例を示す第1のシーケンス図である。特に、図3は、中央制御ユニット40が、当該中央制御ユニット40に接続された全ての通信ユニット22(22a,…,22n)に対して、動作開始指示または動作停止指示を通知する例を示す。なお、初期状態として、全ての通信ユニット22は動作状態にあるものとする。
【0039】
中央制御ユニット40の車両状態検出部41は、車両5の車両状態および通信ユニット22の動作状態を判定する判定処理を行う(ステップS101)。なお、ステップS101で行われる具体的な処理の流れは後述する(図5参照)。以下、ステップS101において、中央制御ユニット40は、全ての通信ユニット22を動作させると判定したとして、以降の処理の流れを説明する。
【0040】
中央制御ユニット40の車両状態検出部41は、通信ユニット22aに対して、アンテナ24aの送受信動作を開始させる(ステップS102)。また、中央制御ユニット40は、通信ユニット22nに対して、アンテナ24nの送受信動作を開始させる(ステップS103)。なお、このとき、全ての通信ユニット22は動作中であるため、通信ユニット22aは、ステップS102の指示を受けても、何も行わない。また、通信ユニット22nは、ステップS103の指示を受けても、何も行わない。
【0041】
中央制御ユニット40の温度測定周期判定部42は、通信ユニット22の温度測定周期を判定する判定処理を行う(ステップS104)。なお、ステップS104で行われる具体的な処理の流れは後述する(図6参照)。
【0042】
中央制御ユニット40の温度測定周期判定部42は、通信ユニット22aに対して、通信ユニット22aの温度測定タイミングを指示する通知を行う(ステップS105)。また、中央制御ユニット40は、通信ユニット22nに対して、通信ユニット22nの温度測定タイミングを指示する通知を行う(ステップS106)。
【0043】
通信ユニット22aの温度監視部27aは、ステップS105による温度測定タイミングの通知を受信すると、温度センサ30aの出力をモニタすることによって温度測定を行う(ステップS107)。また、通信ユニット22nの温度監視部27nは、ステップS106による温度測定タイミングの通知を受信すると、温度センサ30nの出力をモニタすることによって温度測定を行う(ステップS108)。
【0044】
通信ユニット22aの温度監視部27aは、温度の測定結果を中央制御ユニット40に通知する。そして、中央制御ユニット40の温度測定周期判定部42は、通信ユニット22aから温度測定結果の通知を受信する(ステップS109)。また、通信ユニット22nの温度監視部27nは、温度の測定結果を中央制御ユニット40に通知する。そして、中央制御ユニット40は、通信ユニット22nから温度測定結果の通知を受信する(ステップS110)。
【0045】
中央制御ユニット40の冷却ON/OFF判定部43は、通信ユニット22の温度に応じて、当該通信ユニット22の冷却を開始するか、冷却を停止するかを判定する冷却ON/OFF判定処理を行う(ステップS111)。なお、ステップS111で行われる具体的な処理の流れは後述する(図7A図7B図7C参照)。
【0046】
中央制御ユニット40の冷却ON/OFF判定部43は、通信ユニット22aに対して、冷却を開始するか停止するかを指示する通知を行う(ステップS112)。また、中央制御ユニット40の冷却ON/OFF判定部43は、通信ユニット22nに対して、冷却を開始するか停止するかを指示する通知を行う(ステップS113)。
【0047】
通信ユニット22aの冷却制御部28aは、ステップS112による冷却の開始または停止を指示する通知を受信すると、通信ユニット22aの冷却を開始または停止する(ステップS114)。また、通信ユニット22nの冷却制御部28nは、ステップS113による冷却の開始または停止を指示する通知を受信すると、通信ユニット22nの冷却を開始または停止する(ステップS115)。以降、アンテナ装置10は、図3の処理を繰り返す。
【0048】
(アンテナ装置が行う処理の流れ(複数の通信ユニットの個別制御))
図4を用いて、アンテナ装置10が実行する処理の流れの一例を説明する。図4は、実施形態に係るアンテナ装置が実行する処理の流れの一例を示す第2のシーケンス図である。特に、図4は、中央制御ユニット40が、当該中央制御ユニット40に接続された通信ユニット22(22a,…,22n)に対して、個別に動作開始指示または動作停止指示を通知する例を示す。なお、初期状態として、全ての通信ユニット22は動作状態にあるものとする。
【0049】
中央制御ユニット40の車両状態検出部41は、車両5の車両状態および通信ユニット22の動作状態を判定する判定処理を行う(ステップS121)。なお、ステップS121で行われる具体的な処理の流れは後述する(図5参照)。以下、ステップS121において、中央制御ユニット40は、通信ユニット22aを動作させて、通信ユニット22nを停止させると判定したとして、以降の処理の流れを説明する。
【0050】
中央制御ユニット40の車両状態検出部41は、通信ユニット22aに対して、アンテナ24aの送受信動作を開始させる(ステップS122)。また、中央制御ユニット40は、通信ユニット22nに対して、アンテナ24nの送受信動作を停止させる(ステップS123)。なお、このとき、全ての通信ユニット22は動作中であるため、通信ユニット22aは、ステップS102の指示を受けても、何も行わない。一方、通信ユニット22nの動作制御部25nは、通信制御部26nに対して、アンテナ24nの送受信を停止させる(ステップS124)。
【0051】
中央制御ユニット40の温度測定周期判定部42は、通信ユニット22の温度測定周期を判定する判定処理を行う(ステップS125)。なお、ステップS125で行われる具体的な処理の流れは後述する(図6参照)。
【0052】
中央制御ユニット40の温度測定周期判定部42は、通信ユニット22aに対して、通信ユニット22aの温度測定タイミングを指示する通知を行う(ステップS126)。なお、通信ユニット22nは動作を停止しているため、中央制御ユニット40の温度測定周期判定部42は、通信ユニット22nに対して、温度測定タイミングの指示を通知しない。
【0053】
通信ユニット22aの温度監視部27aは、ステップS126による温度測定タイミングの通知を受信すると、温度センサ30aの出力をモニタすることによって温度測定を行う(ステップS127)。
【0054】
通信ユニット22aの温度監視部27aは、温度の測定結果を中央制御ユニット40に通知する。そして、中央制御ユニット40の温度測定周期判定部42は、通信ユニット22aから温度測定結果の通知を受信する(ステップS128)。
【0055】
中央制御ユニット40の冷却ON/OFF判定部43は、通信ユニット22の温度に応じて、当該通信ユニット22の冷却を開始するか、冷却を停止するかを判定する冷却ON/OFF判定処理を行う(ステップS129)。なお、ステップS129で行われる具体的な処理の流れは後述する(図7A図7B図7C参照)。
【0056】
中央制御ユニット40の冷却ON/OFF判定部43は、通信ユニット22aに対して、冷却を開始するか停止するかを指示する通知を行う(ステップS130)。なお、中央制御ユニット40の冷却ON/OFF判定部43は、通信ユニット22nから温度の測定結果を受信していないため、通信ユニット22nに対しては何も通知しない。
【0057】
通信ユニット22aの冷却制御部28aは、ステップS130による冷却の開始または停止を指示する通知を受信すると、通信ユニット22aの冷却を開始または停止する(ステップS131)。以降、アンテナ装置10は、図4の処理を繰り返す。なお、通信ユニット22の中のいずれの通信ユニットを動作させて、いずれの通信ユニットを停止させるかは、そのときの車両状態検出部41の検出結果によって変化する。
【0058】
(車両状態および通信ユニット動作状態判定処理の流れ)
図5を用いて、図3のステップS101および図4のステップS121で行われる車両状態および通信ユニット動作状態の判定処理の流れを説明する。図5は、実施形態に係るアンテナ装置が実行する、車両状態および通信ユニット動作状態判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0059】
車両状態検出部41は、駆動部52がON、即ち動作状態にあるかを判定する(ステップS11)。駆動部52がONであると判定される(ステップS11:Yes)とステップS12に進む。一方、駆動部52がONであると判定されない(ステップS11:No)とステップS20に進む。なお、駆動部52がONであるかは、車両状態検出部41が、ECU50aを介して取得した駆動部52の出力に基づいて判定される。
【0060】
ステップS11において、駆動部52がONであると判定されると、車両状態検出部41は、車両5のパーキングブレーキ58がかかっていないかを判定する(ステップS12)。車両5のパーキングブレーキ58がかかっていないと判定される(ステップS12:Yes)とステップS13に進む。一方、車両5のパーキングブレーキ58がかかっていないと判定されない(ステップS12:No)とステップS20に進む。なお、車両5のパーキングブレーキ58がかかっていないかは、車両状態検出部41が、ECU50dを介して取得したパーキングブレーキ58の出力に基づいて判定される。
【0061】
ステップS12において、車両5のパーキングブレーキ58がかかっていないと判定されると、車両状態検出部41は、車両5の運転席に運転者がいるかを判定する(ステップS13)。車両5の運転席に運転者がいると判定される(ステップS13:Yes)とステップS14に進む。一方、車両5の運転席に運転者がいると判定されない(ステップS13:No)とステップS20に進む。なお、車両5の運転席に運転者がいるかは、車両状態検出部41が、ECU50bを介して取得したセンサ54(例えば着座センサ)の出力に基づいて判定される。
【0062】
ステップS13において、車両5の運転席に運転者がいると判定されると、車両状態検出部41は、車両5の全てのドアが閉じているかを判定する(ステップS14)。車両5の全てのドアが閉じていると判定される(ステップS14:Yes)とステップS15に進む。一方、車両5の全てのドアが閉じていると判定されない(ステップS14:No)とステップS20に進む。なお、車両5の全てのドアが閉じているかは、車両状態検出部41が、ECU50cを介して取得したドア56の状態に係る情報(例えばドア56の開閉状態を示す情報)の出力に基づいて判定される。
【0063】
ステップS14において、車両5の全てのドアが閉じていると判定されると、車両状態検出部41は、全ての通信ユニット22の動作制御部25に対して、各通信ユニット22の通信状態をサーチさせる(ステップS15)。
【0064】
また、車両状態検出部41は、ステップS15の結果に基づいて、アンテナ装置10と車車間通信を行っている車両があるかを判定する(ステップS16)。アンテナ装置10と車車間通信を行っている車両があると判定される(ステップS15:Yes)とステップS17に進む。一方、アンテナ装置10と車車間通信を行っている車両があると判定されない(ステップS15:No)とステップS20に進む。なお、車車間通信を行っている車両がいないことは、前述したように、例えば、通信頻度が所定値よりも小さい場合に通信なしと判定することによって行えばよい。
【0065】
ステップS16において、アンテナ装置10と車車間通信を行っている車両があると判定されると、車両状態検出部41は、ECU50eを介して取得したGNSS受信機60の受信情報に基づいて、車両5の現在位置を検出する(ステップS17)。
【0066】
続いて、車両状態検出部41は、ステップS17で検出した車両5の現在位置が、トンネルまたは地下駐車場以外であるかを判定する(ステップS18)。車両5の現在位置が、トンネルまたは地下駐車場以外であると判定される(ステップS18:Yes)とステップS19に進む。一方、車両5の現在位置が、トンネルまたは地下駐車場以外であると判定されない(ステップS18:No)とステップS20に進む。
【0067】
ステップS18において、車両5の現在位置が、トンネルまたは地下駐車場以外であると判定されると、車両状態検出部41は、動作制御部25に対して、全ての通信ユニット22を動作させる(ステップS19)。その後、図3または図4のシーケンス図に戻る。
【0068】
また、ステップS11、ステップS12、ステップS13、ステップS14、ステップS16、ステップS18において、条件を満足しないと判定されると、車両状態検出部41は、動作制御部25に対して、通信ユニット22の中の個別の通信ユニットを動作させる(ステップS20)。いずれの通信ユニットを動作させるかは、適宜設定される。
【0069】
(温度測定周期判定処理の流れ)
図6を用いて、図3のステップS104および図4のステップS125で行われる温度測定周期判定処理の流れを説明する。図6は、実施形態に係るアンテナ装置が実行する、温度測定周期判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0070】
温度測定周期判定部42は、各通信ユニット22の冷却装置32がONであるかを判定する(ステップS31)。通信ユニット22の冷却装置32がONであると判定される(ステップS31:Yes)とステップS32に進む。一方、通信ユニット22の冷却装置32がONであると判定されない(ステップS31:No)とステップS33に進む。なお、ステップS31において、温度測定周期判定部42は、動作中の通信ユニット22についてのみ、冷却装置32がONであるかを判定すればよい。
【0071】
ステップS31において、通信ユニット22の冷却装置32がONであると判定されると、温度測定周期判定部42は、冷却装置32がONである通信ユニット22に対して、温度測定周期を、冷却装置32がOFFである場合の温度測定周期Tよりも所定時間Aだけ短くして、温度測定タイミングを通知する(ステップS32)。その後、図3または図4のシーケンス図に戻る。
【0072】
一方、ステップS31において、通信ユニット22の冷却装置32がONであると判定されないと、温度測定周期判定部42は、冷却装置32がONでない通信ユニット22に対して、温度測定周期Tで温度測定タイミングを通知する。その後、図3または図4のシーケンス図に戻る。
【0073】
なお、通信ユニット22の冷却装置32がOFFである場合の温度測定周期Tの値、および、通信ユニット22の冷却装置32がONである場合に温度測定周期を、通信ユニット22の冷却装置32がOFFである場合の温度測定周期Tより短くする所定時間Aの値は、適宜設定すればよい。
【0074】
(通信ユニット冷却ON/OFF判定処理の流れ(1))
図7Aを用いて、図3のステップS111および図4のステップS129で行われる通信ユニット冷却ON/OFF判定処理の流れの第1の例を説明する。図7Aは、実施形態に係るアンテナ装置の冷却制御部が行う、通信ユニット冷却ON/OFF判定処理の流れの一例を示す第1のフローチャートである。
【0075】
冷却ON/OFF判定部43は、通信ユニット22の温度監視部27から取得した当該通信ユニット22の温度が、閾値Honよりも高いかを判定する(ステップS41)。通信ユニット22の温度が閾値Honよりも高いと判定される(ステップS41:Yes)とステップS42に進む。一方、通信ユニット22の温度が閾値Honよりも高いと判定されない(ステップS41:No)と判定されるとステップS43に進む。なお、冷却ON/OFF判定部43は、動作中の通信ユニット22についてのみ、通信ユニット22の温度を判定すればよい。
【0076】
ステップS41において、通信ユニット22の温度が閾値Honよりも高いと判定されると、冷却ON/OFF判定部43は、当該通信ユニット22に接続された冷却装置32をONにする(ステップS42)。その後、ステップS44に進む。
【0077】
一方、ステップS41において、通信ユニット22の温度が閾値Honよりも高いと判定されないと、冷却ON/OFF判定部43は、当該通信ユニット22に接続された冷却装置32をOFFにする(ステップS43)。その後、ステップS44に進む。
【0078】
ステップS42またはステップS43に続いて、冷却ON/OFF判定部43は、動作中の全ての通信ユニット22の温度を確認したかを判定する(ステップS44)。動作中の全ての通信ユニット22の温度を確認したと判定される(ステップS44:Yes)と、図3または図4のシーケンス図に戻る。一方、動作中の全ての通信ユニット22の温度を確認したと判定されない(ステップS44:No)とステップS41に戻る。
【0079】
(通信ユニット冷却ON/OFF判定処理の流れ(2))
図7Bを用いて、図3のステップS111および図4のステップS129で行われる通信ユニット冷却ON/OFF判定処理の流れの第2の例を説明する。図7Bは、実施形態に係るアンテナ装置の冷却制御部が行う、通信ユニット冷却ON/OFF判定処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。
【0080】
冷却ON/OFF判定部43は、通信ユニット22の温度監視部27から取得した当該通信ユニット22の温度が、閾値Honよりも高いかを判定する(ステップS51)。通信ユニット22の温度が閾値Honよりも高いと判定される(ステップS51:Yes)とステップS52に進む。一方、通信ユニット22の温度が閾値Honよりも高いと判定されない(ステップS51:No)と判定されるとステップS53に進む。なお、冷却ON/OFF判定部43は、動作中の通信ユニット22についてのみ、通信ユニット22の温度を判定すればよい。
【0081】
ステップS51において、通信ユニット22の温度が、閾値Honよりも高いと判定されると、冷却ON/OFF判定部43は、当該通信ユニット22に接続された冷却装置32をONにする(ステップS52)。その後、ステップS55に進む。
【0082】
一方、ステップS51において、通信ユニット22の温度が閾値Honよりも高いと判定されないと、冷却ON/OFF判定部43は、通信ユニット22の温度が閾値Hoffよりも低いかを判定する(ステップS53)。通信ユニット22の温度が閾値Hoffよりも低いと判定される(ステップS53:Yes)とステップS54に進む。一方、通信ユニット22の温度が閾値Hoffよりも低いと判定されない(ステップS53:No)とステップS55に進む。
【0083】
ステップS53において、通信ユニット22の温度が閾値Hoffよりも低いと判定されると、冷却ON/OFF判定部43は、当該通信ユニット22に接続された冷却装置32をOFFにする(ステップS54)。その後、ステップS55に進む。
【0084】
ステップS52またはステップS54に続いて、あるいは、ステップS53において、通信ユニット22の温度が閾値Hoffよりも低いと判定されない場合、冷却ON/OFF判定部43は、動作中の全ての通信ユニット22の温度を確認したかを判定する(ステップS55)。動作中の全ての通信ユニット22の温度を確認したと判定される(ステップS55:Yes)と、図3または図4のシーケンス図に戻る。一方、動作中の全ての通信ユニット22の温度を確認したと判定されない(ステップS55:No)とステップS51に戻る。
【0085】
(通信ユニット冷却ON/OFF判定処理の流れ(3))
図7Cを用いて、図3のステップS111および図4のステップS129で行われる通信ユニット冷却ON/OFF判定処理の流れの第3の例を説明する。図7Cは、実施形態に係るアンテナ装置の冷却制御部が行う、通信ユニット冷却ON/OFF判定処理の流れの一例を示す第3のフローチャートである。
【0086】
冷却ON/OFF判定部43は、通信ユニット22の温度監視部27に対して、当該通信ユニット22の温度を、決定した温度測定周期で回数M連続して測定させる。そして、冷却ON/OFF判定部43は、通信ユニット22の温度監視部27から取得した当該通信ユニット22の温度が、M回連続して閾値Honよりも高いかを判定する(ステップS61)。通信ユニット22の温度が、M回連続して閾値Honよりも高いと判定される(ステップS61:Yes)とステップS62に進む。一方、通信ユニット22の温度が、M回連続して閾値Honよりも高いと判定されない(ステップS61:No)とステップS63に進む。なお、冷却ON/OFF判定部43は、動作中の通信ユニット22についてのみ、通信ユニット22の温度を判定すればよい。なお、回数Mは、本開示における第1の所定回数の一例である。
【0087】
ステップS61において、通信ユニット22の温度が、M回連続して閾値Honよりも高いと判定されると、冷却ON/OFF判定部43は、当該通信ユニット22に接続された冷却装置32をONにする(ステップS62)。その後、ステップS65に進む。
【0088】
一方、ステップS61において、通信ユニット22の温度が、M回連続して閾値Honよりも高いと判定されないと、冷却ON/OFF判定部43は、通信ユニット22の温度監視部27に対して、当該通信ユニット22の温度を、決定した温度測定周期で回数N連続して測定させる。そして、冷却ON/OFF判定部43は、通信ユニット22の温度監視部27から取得した当該通信ユニット22の温度が、N回連続して閾値Hoffよりも低いかを判定する(ステップS63)。通信ユニット22の温度が、N回連続して閾値Hoffよりも低いと判定される(ステップS63:Yes)とステップS64に進む。一方、通信ユニット22の温度が、N回連続して閾値Hoffよりも低いと判定されない(ステップS63:No)とステップS65に進む。なお、回数Nは、本開示における第2の所定回数の一例である。
【0089】
ステップS63において、通信ユニット22の温度が、N回連続して閾値Hoffよりも低いと判定されると、冷却ON/OFF判定部43は、当該通信ユニット22に接続された冷却装置32をOFFにする(ステップS64)。その後、ステップS65に進む。
【0090】
ステップS62またはステップS64に続いて、あるいは、ステップS63において、通信ユニット22の温度が、N回連続して閾値Hoffよりも低いと判定されない場合、冷却ON/OFF判定部43は、動作中の全ての通信ユニット22の温度を確認したかを判定する(ステップS65)。動作中の全ての通信ユニット22の温度を確認したと判定される(ステップS65:Yes)と、図3または図4のシーケンス図に戻る。一方、動作中の全ての通信ユニット22の温度を確認したと判定されない(ステップS65:No)とステップS61に戻る。
【0091】
(本実施の形態の作用効果)
以上説明したように、本実施形態に係るアンテナ装置10は、車両5に搭載された、アンテナ24を備える複数の通信ユニット22を用いて、車々間通信や路車間通信を行うものであって、通信ユニット22の各々が備えて、当該通信ユニット22と接続されたアンテナ24の送受信動作を制御する通信制御部26と、車両5の状態と、通信制御部26の動作状態とを検出する車両状態検出部41と、通信ユニット22の各々が備えて、車両状態検出部41が検出した車両5の状態と、通信制御部26の動作状態とに応じて、当該通信制御部26の動作状態を、通信ユニット22毎に制御する動作制御部25と、を備える。したがって、各通信ユニット22の動作状態を的確な切替契機で切り替えることができる。
【0092】
また、本実施形態に係るアンテナ装置10において、車両状態検出部41は、車両5が走行中であることと、当該車両5の走行場所と、通信制御部26の動作状態とを検出するものであって、動作制御部25は、車両状態検出部41が、車両5がトンネルや地下駐車場のような閉空間を走行中であると検出した場合に、複数の通信制御部26のうち、所定のアンテナ24と接続された通信制御部26の送受信動作を停止させる。したがって、通信ユニット22全体での消費電力を低減することができる。また、動作させる通信ユニット22の数を減らすことによって、電磁障害、いわゆるEMI(Electromagnetic Interference)や、電磁感受性、いわゆるEMS(Electromagnetic Susceptibility)の影響が減るため、ノイズによる性能劣化を抑制することができる。
【0093】
また、本実施形態に係るアンテナ装置10において、動作制御部25は、車両状態検出部41が、通信なしと判定したことを条件として、当該通信制御部26と接続されたアンテナ24の送受信動作を停止させる。したがって、通信ユニット22全体での消費電力を低減することができる。
【0094】
また、本実施形態に係るアンテナ装置10において、車両状態検出部41は、更に、車両5が停止中であることを検出するものであって、動作制御部25は、車両状態検出部41が、車両5が停止していることを検出した場合に、複数の通信制御部26のうち、所定のアンテナ24と接続された通信制御部26の送受信動作を停止させる。したがって、通信ユニット22全体での消費電力を低減することができる。これによって、車両5に搭載されたバッテリーの寿命の短縮を抑制することができる。
【0095】
また、本実施形態に係るアンテナ装置10は、通信制御部26がアンテナ24に送受信動作を行わせている通信ユニット22に対して、所定の周期で温度の監視を行わせる温度監視部27と、温度監視部27が通信ユニット22の温度が第1の所定値よりも高いことを検出した場合に、当該通信ユニット22の冷却を開始して、温度監視部27が通信ユニット22の温度が、第1の所定値以下の第2の所定値よりも低いことを検出した場合に、通信ユニット22の冷却を停止する冷却ON/OFF判定部43と、冷却ON/OFF判定部43の判定結果に基づいて、冷却装置32を制御する冷却制御部28と、を更に備える。したがって、動作している通信ユニット22のみを冷却することができる。これによって、通信ユニット22の動作不良や故障の発生を抑制することができる。
【0096】
また、本実施形態に係るアンテナ装置10において、温度監視部27は、冷却制御部28が冷却動作を行って場合は、当該冷却制御部28が冷却を行っている通信ユニット22の温度の監視を行う温度測定周期を、冷却制御部28が冷却を停止している場合に比べて短くする。したがって、動作している通信ユニット22のうち、冷却されている通信ユニット22に対して、効率的に温度上昇を抑制することができる。
【0097】
また、本実施形態に係るアンテナ装置10において、第1の所定値は、第2の所定値よりも高い。したがって、通信ユニット22の温度が十分に低下するまで、当該通信ユニット22の冷却を継続することができる。
【0098】
また、本実施形態に係るアンテナ装置10において、冷却ON/OFF判定部43は、温度監視部27が通信ユニット22の温度が第1の所定値よりも第1の所定回数連続して高いことを検出した場合に、当該通信ユニット22の冷却制御部28に対して冷却を開始させて、温度監視部27が通信ユニット22の温度が第2の所定値よりも第2の所定回数連続して低いことを検出した場合に、当該通信ユニット22の冷却制御部28に対して冷却を停止させる。したがって、ノイズなどによる測定誤差を吸収し、冷却装置32の頻繁なON/OFFの切り替えを抑えることで故障を防ぐことができる。また、通信ユニット22の温度が十分に低下するまで、当該通信ユニット22の冷却を継続することができる。
【0099】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上述した実施の形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能である。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。また、この実施の形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
5 車両
10 アンテナ装置
22,22a,22b,22c,22d,22e,22n 通信ユニット
24,24a,24b,24c,24d,24e,24n アンテナ
40 中央制御ユニット
41 車両状態検出部
42 温度測定周期判定部
43 冷却ON/OFF判定部
25,25n 動作制御部
26,26n 通信制御部
27,27a,27n 温度監視部
28,28a,28n 冷却制御部
30,30a,30n 温度センサ
32 冷却装置
Hon 閾値(第1の所定値)
Hoff 閾値(第2の所定値)
M 回数(第1の所定回数)
N 回数(第2の所定回数)
T 温度測定周期
A 所定時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C