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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095341
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】仕切部材
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/04 20060101AFI20230629BHJP
   A47B 96/04 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
F25D23/04 E
A47B96/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211164
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 雅久
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【弁理士】
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】尹 春姫
(72)【発明者】
【氏名】岩上 栄生
(72)【発明者】
【氏名】魚海 友佳
(72)【発明者】
【氏名】横尾 賢
(57)【要約】
【課題】状況に応じて折り畳むことができる仕切部材を提供する。
【解決手段】仕切部材10は、本体部11と、係合部12と、第1回転部材14と、第2回転部材15と、を具備する。本体部11は、第1主面111と、第1主面111に対向する第2主面112と、を有する。係合部12は、本体部11の第1主面111の側に配設され、収納壁部30に上方から係合できる形状を呈する。第1回転部材14は、本体部11に対して回転可能に接続される。第2回転部材15は、第1回転部材14に対して回転可能に接続される。収納状態では、第2回転部材15は、本体部11の第2主面112に接近する。仕切状態では、第2回転部材15は、本体部11の第2主面112に対して略垂直となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納壁部により囲まれる収納領域に配設される仕切部材であり、前記収納領域を仕切らない収納状態と、前記収納領域を仕切る仕切状態と、をとることができ、
本体部と、係合部と、第1回転部材と、第2回転部材と、を具備し、
前記本体部は、第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面と、を有し、
前記係合部は、前記本体部の前記第1主面の側に配設され、前記収納壁部に上方から係合できる形状を呈し、
前記第1回転部材は、前記本体部に対して回転可能に接続され、
前記第2回転部材は、前記第1回転部材に対して回転可能に接続され、
前記収納状態では、前記第2回転部材は、前記本体部の前記第2主面に接近し、
前記仕切状態では、前記第2回転部材は、前記本体部の前記第2主面に対して略垂直となることを特徴とする仕切部材。
【請求項2】
前記収納状態では、前記第1回転部材および前記第2回転部材は、前記本体部の前記第2主面に接近し、
前記仕切状態では、前記第1回転部材は、前記本体部の前記第2主面に対して略垂直であり、前記第2回転部材は、前記第1回転部材の主面に対して略垂直であることを特徴とする請求項1に記載の仕切部材。
【請求項3】
補強部を更に具備し、
前記補強部の一端は、前記第1回転部材に対して回転可能に接続され、
前記補強部の他端は、前記本体部に対してスライド可能とされることを特徴とする請求項2に記載の仕切部材。
【請求項4】
前記仕切状態において、前記補強部は前記第1回転部材に収納されることを特徴とする請求項3に記載の仕切部材。
【請求項5】
前記係合部は、係合本体部と、係合可動部と、を有し、
前記係合可動部の下端側に形成された回転軸部は、前記係合本体部の支持部により回転可能に支持され、
前記係合可動部の上端側に形成された係合突出部は、前記係合本体部の係合溝に係合し、
前記係合溝は、前記収納壁部の厚み方向に沿って複数が形成されることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の仕切部材。
【請求項6】
前記収納状態では、前記第1回転部材は、前記本体部の前記第2主面に接近した状態で、略水平方向に沿って長手方向を有し、
前記仕切状態では、前記第1回転部材は、前記本体部の前記第2主面に接近した状態で、略垂直方向に沿って長手方向を有することを特徴とする請求項1に記載の仕切部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕切部材に関し、特に、冷蔵庫の貯蔵室の内部を区切る仕切部材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な冷蔵庫は、貯蔵室として、冷蔵室、冷凍室および野菜室を有している。冷蔵室、冷凍室および野菜室の前面開口は、断熱扉により閉鎖されている。また、冷蔵室の前面開口は、回転式の断熱扉により閉鎖される。この断熱扉の内面には、板状樹脂部材により囲まれる収納ポケットが配設される。収納ポケットには、飲料容器や調味料容器を立てて収納することができる。しかしながら、収納ポケットは幅方向に細長く形成されるため、収納ポケットに飲料容器等を立てて収納しても、収納ポケットの内部で飲料容器等が倒れてしまう。よって、倒れた状態の飲料容器等を取り出すことが、ユーザの利便性を阻害する課題があった。
【0003】
特許文献1には、収納ポケットを仕切る仕切具が記載される。特許文献1に記載された仕切具は、仕切部材と、保持部材と、を有する。仕切部材は、冷蔵庫の収納空間を仕切る細長い板状とされる。保持部材は、仕切部材を収納空間の任意の位置に位置させるように摺動可能に装着される。保持部材に対して、仕切部材をその長手方向の中心軸回りに回転可能に装着する。これにより、仕切部材を水平姿勢にし、横方向の外力に対する強度及び撓み剛性を確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-23144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した背景技術に係る仕切具では、貯蔵室の内部空間をより効率的に区切る観点から、改善の余地があった。
【0006】
具体的には、特許文献1に記載された仕切部材と保持部材との相対位置および角度は固定されていた。よって、収納ポケットにおける仕切機能が不要とされた際には、仕切具を収納ポケットから取り外す必要があった。
【0007】
更には、保持部材には、収納ポケットの壁部に嵌合する嵌合溝が形成されるが、嵌合溝の幅を調整することができなかった。よって、収納ポケットの壁部が、保持部材の嵌合溝に嵌合できる厚さでなければ、保持部材を装着できない課題があった。
【0008】
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、状況に応じて折り畳むことができる仕切部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の仕切部材は、収納壁部により囲まれる収納領域に配設される仕切部材であり、前記収納領域を仕切らない収納状態と、前記収納領域を仕切る仕切状態と、をとることができ、本体部と、係合部と、第1回転部材と、第2回転部材と、を具備し、前記本体部は、第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面と、を有し、前記係合部は、前記本体部の前記第1主面の側に配設され、前記収納壁部に上方から係合できる形状を呈し、前記第1回転部材は、前記本体部に対して回転可能に接続され、前記第2回転部材は、前記第1回転部材に対して回転可能に接続され、前記収納状態では、前記第2回転部材は、前記本体部の前記第2主面に接近し、前記仕切状態では、前記第2回転部材は、前記本体部の前記第2主面に対して略垂直となることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の仕切部材では、前記収納状態では、前記第1回転部材および前記第2回転部材は、前記本体部の前記第2主面に接近し、前記仕切状態では、前記第1回転部材は、前記本体部の前記第2主面に対して略垂直であり、前記第2回転部材は、前記第1回転部材の主面に対して略垂直であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の仕切部材では、補強部を更に具備し、前記補強部の一端は、前記第1回転部材に対して回転可能に接続され、前記補強部の他端は、前記本体部に対してスライド可能とされることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の仕切部材では、前記仕切状態において、前記補強部は前記第1回転部材に収納されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の仕切部材では、前記係合部は、係合本体部と、係合可動部と、を有し、前記係合可動部の下端側に形成された回転軸部は、前記係合本体部の支持部により回転可能に支持され、前記係合可動部の上端側に形成された係合突出部は、前記係合本体部の係合溝に係合し、前記係合溝は、前記収納壁部の厚み方向に沿って複数が形成されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の仕切部材では、前記収納状態では、前記第1回転部材は、前記本体部の前記第2主面に接近した状態で、略水平方向に沿って長手方向を有し、前記仕切状態では、前記第1回転部材は、前記本体部の前記第2主面に接近した状態で、略垂直方向に沿って長手方向を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の仕切部材は、収納壁部により囲まれる収納領域に配設される仕切部材であり、前記収納領域を仕切らない収納状態と、前記収納領域を仕切る仕切状態と、をとることができ、本体部と、係合部と、第1回転部材と、第2回転部材と、を具備し、前記本体部は、第1主面と、前記第1主面に対向する第2主面と、を有し、前記係合部は、前記本体部の前記第1主面の側に配設され、前記収納壁部に上方から係合できる形状を呈し、前記第1回転部材は、前記本体部に対して回転可能に接続され、前記第2回転部材は、前記第1回転部材に対して回転可能に接続され、前記収納状態では、前記第2回転部材は、前記本体部の前記第2主面に接近し、前記仕切状態では、前記第2回転部材は、前記本体部の前記第2主面に対して略垂直となることを特徴とする。
【0016】
本発明の仕切部材によれば、状況に応じて折り畳むことができる仕切部材を提供する。具体的には、収納状態において、第2回転部材が本体部の第2主面に接近することにより、区切機能が不要な場合において、第2回転部材を容易に収納することができる。また、仕切状態では、第2回転部材を、本体部の第2主面に対して略垂直とすることで、区切機能が必要とされる場合において、第2回転部材により収納領域を任意の箇所で区切ることができる。
【0017】
また、本発明の仕切部材では、前記収納状態では、前記第1回転部材および前記第2回転部材は、前記本体部の前記第2主面に接近し、前記仕切状態では、前記第1回転部材は、前記本体部の前記第2主面に対して略垂直であり、前記第2回転部材は、前記第1回転部材の主面に対して略垂直であることを特徴とする。
【0018】
本発明の仕切部材によれば、仕切状態において、第2回転部材を、第1回転部材の主面に対して略垂直とすることで、第2回転部材の主面により収納領域を区切ることができる。
【0019】
また、本発明の仕切部材では、補強部を更に具備し、前記補強部の一端は、前記第1回転部材に対して回転可能に接続され、前記補強部の他端は、前記本体部に対してスライド可能とされることを特徴とする。
【0020】
本発明の仕切部材によれば、補強部により第1回転部材を支持することにより、仕切状態において第1回転部材が意図せず回転してしまうことを防止できる。
【0021】
また、本発明の仕切部材では、前記仕切状態において、前記補強部は前記第1回転部材に収納されることを特徴とする。
【0022】
本発明の仕切部材によれば、補強部を第1回転部材に収納することにより、補強部により、第1回転部材の回転位置を強固に固定することができる。
【0023】
また、本発明の仕切部材では、前記係合部は、係合本体部と、係合可動部と、を有し、前記係合可動部の下端側に形成された回転軸部は、前記係合本体部の支持部により回転可能に支持され、前記係合可動部の上端側に形成された係合突出部は、前記係合本体部の係合溝に係合し、前記係合溝は、前記収納壁部の厚み方向に沿って複数が形成されることを特徴とする。
【0024】
本発明の仕切部材によれば、収納壁部の厚みが異なった場合でも、係合可動部の係合突出部が係合する係合溝の位置を変えることにより、収納壁部に対して係合部を強固に係合させることができる。
【0025】
また、本発明の仕切部材では、前記収納状態では、前記第1回転部材は、前記本体部の前記第2主面に接近した状態で、略水平方向に沿って長手方向を有し、前記仕切状態では、前記第1回転部材は、前記本体部の前記第2主面に接近した状態で、略垂直方向に沿って長手方向を有することを特徴とする。
【0026】
本発明の仕切部材によれば、第1回転部材を、本体部の第2主面に接近した状態で回転させることで、収納状態と仕切状態とを容易に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態に係る仕切部材の収納状態を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る仕切部材を前方から見た場合の分解斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る仕切部材を後方から見た場合の分解斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る仕切部材の係合可動部を後方から見た場合の分解斜視図である。
図5A】本発明の実施形態に係る仕切部材において、係合部の内部空間の厚さが変化する構成を示す断面図である。
図5B】本発明の実施形態に係る仕切部材において、係合部の内部空間の厚さが変化する構成を示す断面図である。
図6】本発明の実施形態に係る仕切部材の回転状態を示す斜視図である。
図7】本発明の実施形態に係る仕切部材の仕切状態を示す斜視図である。
図8】本発明の実施形態に係る仕切部材により冷蔵庫の収納領域を仕切る状態を示す斜視図である。
図9】本発明の他形態に係る仕切部材の収納状態を示す斜視図である。
図10】本発明の他形態に係る仕切部材を示す分解斜視図である。
図11】本発明の他形態に係る仕切部材の回転状態を示す斜視図である。
図12】本発明の他形態に係る仕切部材の仕切状態を示す斜視図である。
図13A】本発明の他形態に係る仕切部材の仕切状態を示す切開斜視図である。
図13B】本発明の他形態に係る仕切部材の仕切状態を示す、拡大された切開斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態に係る仕切部材10を図面に基づき詳細に説明する。以下の説明では、同一の部材には原則的に同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。更に、以下の説明では、上下前後左右の各方向を適宜用いる。
【0029】
図1は、仕切部材10の収納状態を示す斜視図である。仕切部材10は、後述する冷蔵庫32の収納壁部30により囲まれる収納領域31に配設される部材である。後述するように、仕切部材10は、収納壁部30を仕切らない収納状態と、収納壁部30を仕切る仕切状態と、をとることができる。更に、仕切部材10は、収納状態と仕切状態との間の中間的な状態である回転状態をとることもできる。また、各状態間の遷移は、ユーザが仕切部材10を変形させることで行う。
【0030】
仕切部材10は、本体部11と、係合部12と、第1回転部材14と、第2回転部材15と、を主要に具備する。仕切部材10を構成する各部材は、射出成型等により所定形状とされた合成樹脂から成る。
【0031】
本体部11は、仕切部材10を構成する各部材を支える略直方体形状の部材である。本体部11は、後方を向く平坦面である第1主面111と、第1主面111に対向する平坦面である第2主面112と、を有する。
【0032】
係合部12は、本体部11の第1主面111の側、ここでは後方側に配設され、後述する収納壁部30に上方から係合できる形状を呈する。係合部12の詳細は、図4等を参照して後述する。
【0033】
第1回転部材14は、本体部11の第2主面112に対して回転可能に接続される。具体的には、第1回転部材14は上下に沿う長手方向を有する部材である。第1回転部材14の上端部は、左右方向に沿って伸びる回転軸18を介して、本体部11に対して回転可能に接続される。
【0034】
第2回転部材15は、第1回転部材14に対して回転可能に接続される略板状の部材である。図1に示す収納状態では、第2回転部材15の右端側の上下端部が、第1回転部材14に対して回転可能に接続される。後述するように、第2回転部材15が、実質的に仕切の為の部材として機能する。
【0035】
第1回転部材14および第2回転部材15は、図1に示す収納状態では、本体部11の第2主面112に接近する。具体的には、第1回転部材14の後面、および、第2回転部材15の後面は、本体部11の第2主面112に密着する。係る構成により、仕切部材10の収納状態において、第1回転部材14および第2回転部材15が前方に突出せず、仕切部材10を全体としてコンパクトにすることができる。
【0036】
補強部16は、第1回転部材14を補強すると共に、仕切部材10の回転範囲を規制する部材である。補強部16の上端部は、回転軸17を介して、第1回転部材14の中間部に接続する。補強部16の下端部は、本体部11の内部に配置され、本体部11に対してスライド可能に接続される。
【0037】
図2は、仕切部材10を前方から見た場合の分解斜視図である。図3は、仕切部材10を後方から見た場合の分解斜視図である。
【0038】
仕切部材10は、前方側から、第2回転部材15、第1回転部材14、補強部16、本体部11、係合部12および係合可動部13を有する。
【0039】
第2回転部材15は、仕切板として機能する略板状の部材である。第2回転部材15の右側辺の上端および下端には、凹状の回転軸凹部151が形成される。第2回転部材15は、回転軸凹部151を回転中心として回転可能とされる。
【0040】
第1回転部材14は、第2回転部材15を回転可能に支持する部材であり、上下方向に沿って伸びる略棒状の部材である。第1回転部材14には、挿通孔141、挿通孔142および回転軸凹部143が形成される。挿通孔141は、本体部11に対して回転可能に接続される部位である。挿通孔142は、補強部16が回転可能に接続される。回転軸凹部143は、第1回転部材14の上端部および下端部に形成された凹状部である。第2回転部材15の回転軸凹部151と、第1回転部材14の回転軸凹部143との間には、ここでは図示しない回転軸が挿入される。これにより、第2回転部材15と第1回転部材14とは、回転可能に接続される。
【0041】
補強部16は、中間部が曲折する略棒状の部材であり、挿通孔161と係止軸部162とを有する。挿通孔161は、補強部16の上端部を貫通する孔部である。第1回転部材14の挿通孔142と、補強部16の挿通孔161とを、回転軸17が貫通する。これにより、第1回転部材14の中間部と、補強部16の上端部とが、回転可能に接続される。係止軸部162は、補強部16の下端部を、右方向および左方向に向かって略円筒状に突出させた部位である。係止軸部162は、本体部11の内部に配置される。
【0042】
本体部11は、本体前部113と、本体後部114と、を有する。
【0043】
本体前部113は、本体部11の前方部分を形成する。具体的には、図3に示すように、本体前部113は、後方に開口する略蓋状の形状を呈する。また、図2に示すように、本体前部113の第2主面112には、取付部115およびスリット117が形成される。
【0044】
取付部115は、第2主面112の上端部から、前方に向かって立設された壁部である。取付部115は、所定間隔をおいて2つが形成される。取付部115を開口することで挿通孔116が形成される。取付部115どうしの間には、第1回転部材14の上端部が配置される。また、回転軸18は、第1回転部材14の挿通孔141、および、挿通孔116に挿通される。係る構成により、第1回転部材14は、回転軸18を回転中心として、本体部11に対して回転可能に接続される。
【0045】
スリット117は、本体部11の前面を、上下方向に沿ってスリット状に開口させた部位である。また、スリット117は、取付部115の下方に形成される。スリット117を介して、本体部11の内部に、補強部16の下方部分が収納される。
【0046】
本体後部114は、略板状の部材であり、本体後部114が本体前部113の後面開口を塞ぐことで、本体部11の内部空間が形成される。
【0047】
係合部12は、本体後部114の後面から後方に向かって突出する部位である。右方から見た場合、係合部12は、下方に向かう略鈎形状を呈する。係合部12は、後述する冷蔵庫32の収納壁部30に係合するための部位である。係合部12の構成は、図4を参照して後述する。
【0048】
係合可動部13は、係合部12に後方から組み付けられ、係合部12の内部間隙の厚さを調整する部位である。係合可動部13の詳細は、図4を参照して後述する。
【0049】
図3を参照して、第2回転部材15には、収納領域152が形成される。収納領域152は、補強部16の中間部に即した領域であり、第2回転部材15のリブにより囲まれる。後述するように、仕切状態において、補強部16の中間部が収納領域152に収納される。
【0050】
図4は、係合部12を後方から見た場合の分解斜視図である。係合部12は、係合本体部121と、係合可動部13と、を有する。
【0051】
係合本体部121は、右方から見た場合、本体後部114の上端から後方に向かって略鈎状に伸びる部位である。更に、係合本体部121は、後方から見た場合、略U字形状を呈する。これにより、係合本体部121に、係合可動部13を収納することができる。また、本体後部114の後面と、係合本体部121との間には、内部空間124が形成される。
【0052】
係合本体部121には、支持凹部122および係合溝123が形成される。支持凹部122は、係合本体部121の内側の下端を凹状とした部位である。係合溝123は、係合本体部121の上端部付近において、上面を溝状に成形した部位である。係合溝123は、後述する収納壁部30の厚み方向である前後方向に沿って複数が形成される。
【0053】
係合可動部13は、略板状を呈する部材であり、係合突出部131および回転軸部132を有する。
【0054】
係合突出部131は、係合可動部13の上端部から、左方側および右方側に向かって略円筒状に突出する部位である。係合突出部131は、係合本体部121の係合溝123に、上方から係合する。係合溝123と係合突出部131との関連構成は、図5を参照して後述する。
【0055】
回転軸部132は、係合可動部13の下端部から、左方側および右方側に向かって略円筒状に突出する部位である。係合可動部13の回転軸部132は、係合本体部121の支持凹部122に後方から挿入される。これにより、係合可動部13の下端部は、係合本体部121に対して回転軸部132の軸心周りに、回転可能に接続される。
【0056】
図5Aおよび図5Bは、係合部12の内部の間隙の幅が変化する構成を示す断面図である。
【0057】
前述したように、係合本体部121の上部には、前後方向に沿って複数の係合溝123が形成される。よって、係合可動部13の係合突出部131が係合する係合溝123を変化させることで、前後方向における係合可動部13の位置を変え、これにより内部空間124の幅を変化させることができる。
【0058】
具体的には、図5Aの左端に示した断面図では、係合可動部13の係合突出部131は、最後部の係合溝123に係合する。このようにすることで、係合可動部13の上端が後方側に配置される。よって、内部空間124の幅を、8mm程度にすることができる。
【0059】
図5Aの中央端に示した断面図では、係合可動部13の係合突出部131を、1つ前の係合溝123に係合させている。このようにすることで、係合可動部13の上端が前方側に移動し、内部空間124の幅を7mm程度にすることができる。尚、係合可動部13の下端である回転軸部132は、係合本体部121の支持凹部122の内部で回転するのみであり、前後方向には移動しない。
【0060】
図5Aの右端に示した断面図では、係合可動部13の係合突出部131を、更に1つ前の係合溝123に係合させている。このようにすることで、係合可動部13の上端が更に前方側に移動し、内部空間124の幅を6mm程度にすることができる。
【0061】
図5Bの左側に示した断面図では、係合可動部13の係合突出部131を、更に1つ前の係合溝123に係合させている。このようにすることで、係合可動部13の上端が更に前方側に移動し、内部空間124の幅を5mm程度にすることができる。
【0062】
図5Bの右側に示した断面図では、係合可動部13の係合突出部131を、最も前方側の係合溝123に係合させている。このようにすることで、係合可動部13の上端が最も前方側に移動し、内部空間124の幅を4mm程度にすることができる。
【0063】
係合部12の内部空間124には、後述する冷蔵庫32の収納壁部30が挿入される。本実施形態では、後述する冷蔵庫32の種類によって、収納壁部30の厚みが異なる場合であっても、係合溝123と係合突出部131の位置を調整することによって対処することができる。即ち、収納壁部30が厚い場合は、図5Aの左端の断面図の如く、係合可動部13の係合突出部131を、後方の係合溝123に係合させ、内部空間124の幅を長くする。一方、収納壁部30が薄い場合は、図5Bの右側の断面図の如く、係合可動部13の係合突出部131を、前方の係合溝123に係合させ、内部空間124の幅を短くする。
【0064】
図6は、仕切部材10の回転状態を示す斜視図である。回転状態とは、第1回転部材14のみを回転させた状態であり、収納状態と仕切状態との間の状態である。
【0065】
仕切部材10を収納状態から回転状態に遷移させる際、第1回転部材14を、第2回転部材15と共に、回転軸18を回転中心として略90度回転させる。右方から見た場合、第1回転部材14は、時計回りに略90度回転する。
【0066】
第1回転部材14が回転すると、同時に、補強部16も変位する。具体的には、補強部16の上端部は、回転軸17を介して第1回転部材14の中間部に接続されることから、上側前方に向かって移動する。これに伴い、補強部16の下端部分も上方に向かって移動し、スリット117の上端部に当接する。これにより、第1回転部材14の回転角度が規定される。
【0067】
図7は、仕切部材10の仕切状態を示す斜視図である。
【0068】
回転状態から仕切状態に移行する際には、第1回転部材14の回転軸凹部143を回転中心として、第2回転部材15を回転させる。具体的には、前方から見た場合、第2回転部材15を、反時計回りに略90度回転させる。
【0069】
第2回転部材15を回転させると、第2回転部材15の収納領域152に、補強部16の中間部が収納される。このようにすることで、第2回転部材15の回転位置が規定される。また、第2回転部材15の後側面が、本体部11の第2主面112に当接することで、第2回転部材15の回転位置も固定される。更には、第2回転部材15が補強部16により補強される。よって、使用状況下において、大型のペットボトル等が、第2回転部材15に寄りかかった場合でも、第2回転部材15の変形や破損を抑制できる。
【0070】
図8は、仕切部材10により収納領域31を仕切る状態を示す斜視図である。
【0071】
図8に、冷蔵庫32の断熱扉33を示す。断熱扉33は、冷蔵室の前面開口を塞ぐ、回転式の扉である。断熱扉33の内面下端には収納ポケット34が形成される。収納ポケット34は、収納壁部30により区画される収納空間であり、ペットボトル、調味料等が収納される。
【0072】
前述した仕切部材10は、仕切状態にて収納ポケット34に配置される。具体的には、仕切状態の仕切部材10の係合部12が、収納壁部30に上方から係合する。また、仕切部材10の第2回転部材15により、収納領域31が左右方向に区画される。このことから、ペットボトル等を収納領域31に収納した場合でも、第2回転部材15によりペットボトル等を受け止め、ペットボトル等が収納ポケット34の内部で倒れることを防止できる。
【0073】
また、収納壁部30の内部において仕切機能が不要な場合は、仕切部材10を図1に示す収納状態とすることで、仕切部材10を収納壁部30に装着した状態のまま、仕切を無くすことができる。
【0074】
図9ないし図12を参照して、本発明の他形態にかかる仕切部材10の構成を説明する。以下の説明においては 前述した実施形態に係るものと同等の部位に、同じ符号を適用する。
【0075】
図9は、他形態に係る仕切部材10の収納状態を示す斜視図である。
【0076】
仕切部材10は、本体部11と、第1回転部材14と、第2回転部材15と、回転部材支持部19と、係合部12と、係合可動部13とを有する。仕切部材10は、本体部11に対して回転可能とされる回転部位として、第1回転部材14および第2回転部材15を有しており、これらの回転構成が図1に示した仕切部材10と異なる。他の構成は、図1に示した仕切部材10と同様である。
【0077】
具体的には、第1回転部材14は、回転軸18を介して本体部11に回転可能に接続される。また、第1回転部材14は、回転部材支持部19により前方からも支持される。第2回転部材15は、回転軸20を介して、第1回転部材14に対して回転可能に接続する。ここで、回転軸18は前後方向に対して平行である。回転軸20は左右方向に対して平行である。
【0078】
図9に示す収納状態では、第1回転部材14は、本体部11の第2主面112に接近して密着した状態で、略水平方向に沿って長手方向を有する。また、第1回転部材14の後面は、第1主面111の第2主面112に密着する。係る構成により、第1回転部材14および第2回転部材15が外部に突出することがなく、仕切部材10が全体的にコンパクトな状態となる。
【0079】
図10は、他形態に係る仕切部材10を示す分解斜視図である。
【0080】
第1回転部材14の右端側には、回転軸18が形成されており、回転軸18は前方に向かって略円筒状に突出する。第1回転部材14の後面であって、回転軸18と重畳する位置には回転軸145が形成される。回転軸145は、後方に向かって略円筒状に突出し、本体部11の挿通孔119に挿入される。また、第1回転部材14の左右両端部には、回転軸凹部143が形成される。更に、第1回転部材14の後面の中間部には係合凸部144が形成される。係合凸部144は、後方に向かって突出する略円筒形状の部位であり、本体部11の案内溝118に挿入される。
【0081】
回転部材支持部19は、本体部11の右端側において、第1回転部材14の右端部分を前方から覆う略板状の部位である。回転部材支持部19の前面部分を貫通することで、挿通孔191が形成される。第1回転部材14の回転軸18は、回転部材支持部19の挿通孔191に回転可能な状態で挿入される。
【0082】
第2回転部材15の左側面および右側面の上端側には回転軸凹部151が形成される。第2回転部材15の回転軸凹部151、および、第1回転部材14の回転軸凹部143には、ここでは図示しない回転軸が挿入される。係る構成により、第2回転部材15の上端部は、前述した回転軸20が形成され、第1回転部材14に対して回転可能に接続される。
【0083】
本体部11の前面には、挿通孔119および案内溝118が形成される。挿通孔119は、略円形の孔であり、第1回転部材14の回転軸145が挿入される。案内溝118は、本体部11の前面を部分的に溝状に窪ませた領域である。前方から本体部11を見た場合、案内溝118は、挿通孔119を中心とする円弧に相当する形状を呈している。
【0084】
また、仕切部材10には、仕切状態における第1回転部材14の回転位置を規定するために、固定用リブ1111および固定用リブ146が設けられている。固定用リブ1111は、下壁部1110の上面に形成されている。ここで、下壁部1110は、本体部11の下側辺近傍を前方に向かって壁状に突出させた部位である。固定用リブ1111は、下壁部1110の上面を、上方に向かって壁状に突出させた部位であり、前後方向に沿って細長とされている。
【0085】
固定用リブ146は、第1回転部材14の左側面を、左方に向かって壁状に突出させた部位であり、前後方向に沿って細長とされている。固定用リブ1111と、固定用リブ146とは、仕切部材10を仕切状態とした際に係合する。係る係合構造は、図13を参照して後述する。
【0086】
図11は、他形態に係る仕切部材10の回転状態を示す斜視図である。前述した収納状態から回転状態に遷移する際には、第2回転部材15は回転軸20を回転中心として回転する。具体的には、仕切部材10を左方から見た場合、第2回転部材15は反時計回りに略90度回転する。一方、第1回転部材14は、ここでは回転せず、左右方向に沿って長手方向を有する状態を維持する。
【0087】
図12は、他形態に係る仕切部材10の仕切状態を示す斜視図である。回転状態から仕切状態に遷移する際には、第1回転部材14は、本体部11の第2主面112に密着した状態のまま回転する。具体的には、前方から仕切部材10を見た場合、第2回転部材15は、回転軸18を回転中心として反時計回りに略90度回転する。第1回転部材14が回転する際、図10に示した第1回転部材14の係合凸部144が、本体部11の案内溝118によりガイドされる。
【0088】
仕切状態では、第2回転部材15は、本体部11の第2主面112に対して略垂直となる。また、第2回転部材15は、最大面が左右方向を向くようになり、仕切材として機能する。また、第1回転部材14は、回転することにより、上下方向に沿って長手方向を有する状態を維持する。
【0089】
図13Aは、図12のA-A切断面により仕切部材10を切断面した場合の切開斜視図である。図13Bは、図13Aにおいて点線で囲まれる領域を拡大した図である。
【0090】
図13Aを参照して、仕切部材10を仕切状態とした場合、第1回転部材14の固定用リブ146が、本体部11の固定用リブ1111に係合する。
【0091】
図13Bを参照して、固定用リブ146は、第1回転部材14の下面から下方に向かって突出する。固定用リブ1111は、下壁部1110の上面から上方に向かって突出する。固定用リブ146は、回転状態から仕切状態に遷移する際に、第1回転部材14が反時計回り周りに回転することによって、固定用リブ1111を乗り越え、第1主面111に右方から係合する。これにより、仕切状態において、ペットボトル等が第2回転部材15に寄りかかった場合でも、第1回転部材14が不用意に時計回りに回転することを抑止できる。
【0092】
前述した他形態にかかる仕切部材10は、図8に示したように、冷蔵庫32の収納領域31を区切るために用いられる。
【0093】
本実施形態によれば、以下に記載する主要な効果を奏することができる。
【0094】
図1を参照して、収納状態において、第2回転部材15が本体部11の第2主面112に接近することにより、区切機能が不要な場合において、第2回転部材15を容易に収納することができる。また、図7に示す仕切状態では、第2回転部材15を、本体部11の第2主面112に対して略垂直とすることで、区切機能が必要とされる場合において、第2回転部材15により収納壁部30を任意の箇所で区切ることができる。
【0095】
図7を参照して、仕切状態において、第2回転部材15を、第1回転部材14の主面に対して略垂直とすることで、第2回転部材15の主面により収納壁部30を区切ることができる。
【0096】
図7を参照して、補強部16により第1回転部材14を支持することにより、仕切状態において第1回転部材14が意図せず回転してしまうことを防止できる。
【0097】
図7を参照して、補強部16を第1回転部材14に収納することにより、補強部16により、第1回転部材14の回転位置を強固に固定することができる。
【0098】
図5A等を参照して、収納壁部30の厚みが異なった場合でも、係合可動部13の係合突出部131が係合する係合溝123の位置を変えることにより、収納壁部30に対して係合部12を強固に係合させることができる。
【0099】
図12等を参照して、第1回転部材14を、本体部11の第2主面112に密着した状態で回転させることで、収納状態と仕切状態とを容易に切り替えることができる。
【0100】
本発明は、前述実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。また、前述した各形態は相互に組み合わせることが可能である。
【0101】
例えば、図7に示す仕切部材10に、図10に示した固定用リブ1111および固定用リブ146を形成することができる。例えば、固定用リブ1111を、第2回転部材15の、補強部16に接触する部分に形成する。また、固定用リブ146を、補強部16の、第2回転部材15に接する部分に形成する。更に、図7に示す仕切状態において、固定用リブ1111と固定用リブ146とを係合させる。このようにすることで、仕切状態において、第2回転部材15が不用意に回転することを抑制できる。
【符号の説明】
【0102】
10 仕切部材
11 本体部
111 第1主面
112 第2主面
113 本体前部
114 本体後部
115 取付部
116 挿通孔
117 スリット
118 案内溝
119 挿通孔
1110 下壁部
1111 固定用リブ
12 係合部
121 係合本体部
122 支持凹部
123 係合溝
124 内部空間
13 係合可動部
131 係合突出部
132 回転軸部
14 第1回転部材
141 挿通孔
142 挿通孔
143 回転軸凹部
144 係合凸部
145 回転軸
146 固定用リブ
15 第2回転部材
151 回転軸凹部
152 収納領域
16 補強部
161 挿通孔
162 係止軸部
17 回転軸
18 回転軸
19 回転部材支持部
191 挿通孔
20 回転軸
30 収納壁部
31 収納領域
32 冷蔵庫
33 断熱扉
34 収納ポケット
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B