(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095351
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】インクジェットプリンタ
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20230629BHJP
【FI】
B41J2/01 125
B41J2/01 305
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211181
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】野中 亮佑
(72)【発明者】
【氏名】徳永 行洋
(72)【発明者】
【氏名】壽 直樹
(72)【発明者】
【氏名】馬場 亮
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 雄介
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056FA10
2C056HA27
2C056HA47
2C056HA49
(57)【要約】
【課題】ガイド部材と対向するように配置された乾燥装置を備えたインクジェットプリンタにおいて、ガイド部材が高温となることを防止すること。
【解決手段】インクジェットプリンタ10は、プラテン16より前方に配置されたガイド部材14と、ガイド部材14の上壁14Uに対向し、記録媒体5に向けて熱風を送る乾燥装置50と、を備える。ガイド部材14の内部には、流入口14aから流出口14bに向かう空気流路14Eが形成されている。インクジェットプリンタ10は、流入口14aから吸い込まれた空気が空気流路14Eを流れて流出口14bから排出されるように、空気流路14Eに空気を送風する冷却ファン140を備えている。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体が載置されるプラテンと、
前記プラテンより上方に配置され、左右方向に移動するキャリッジと、
前記キャリッジに搭載され、前方に搬送される前記記録媒体にインクを吐出するインクヘッドと、
前方かつ下方に延びる上壁を有し、前記プラテンより前方に配置され、前記記録媒体の移動をガイドするガイド部材と、
前記ガイド部材の前記上壁に対向し、前記記録媒体に向けて熱風を送る乾燥装置と、を備え、
前記ガイド部材は、
前記上壁を含み、左右方向に延設されたケースと、前記ケースに形成され、前記ケースの外部から内部に空気を取り入れる流入口と、
前記ケースに形成され、前記ケースの内部から外部に空気を放出する流出口と、を備え、
前記ケースの内部に、前記流入口から前記流出口に向かう空気流路が形成され、
前記流入口から吸い込まれた空気が前記空気流路を流れて前記流出口から排出されるように、前記ガイド部材の前記空気流路に空気を送風する冷却ファンを備えている、インクジェットプリンタ。
【請求項2】
前記ガイド部材の前記ケースは、
前記上壁の後端から下方に延びる後壁と、
前記上壁の下端から後方に延びる下壁と、
前記上壁、前記後壁、および前記下壁の左方に配置された左壁と、
前記上壁、前記後壁、および前記下壁の右方に配置された右壁と、を有し、
前記流入口は、前記下壁、前記左壁、または前記右壁に形成され、
前記流出口は、前記下壁、前記左壁、または前記右壁に形成され、
前記空気流路は、前記上壁、前記後壁、前記下壁、前記左壁、および前記右壁により形成されている、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項3】
前記流入口は前記下壁に形成されている、請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項4】
前記流出口は前記下壁に形成されている、請求項2または3に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項5】
前記流入口は、前記ケースを左右方向に三等分したときの中央部分に配置され、
前記流出口は、前記ケースを左右方向に三等分したときの左側部分に配置された左流出口と、右側部分に配置された右流出口とを含んでいる、請求項1~4のいずれか一つに記載のインクジェットプリンタ。
【請求項6】
前記流入口は、左流入口と、前記左流入口よりも右方に配置された右流入口とを含んでいる、請求項5に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項7】
前記左流入口と前記右流入口との中心間の距離は、前記左流入口と前記左流出口との中心間の距離よりも短く、前記右流入口と前記右流出口との中心間の距離よりも短い、請求項6に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項8】
前記冷却ファンは、前記ガイド部材の前記流出口に接続された排気ファンを含んでいる、請求項1~7のいずれか一つに記載のインクジェットプリンタ。
【請求項9】
前記冷却ファンは、前記ガイド部材の前記流入口に接続された吸気ファンを含んでいる、請求項1~8のいずれか一つに記載のインクジェットプリンタ。
【請求項10】
前記乾燥装置は、
本体ケースと、
前記本体ケースの内部を送風室と加熱室に仕切る第1仕切り壁と、
前記送風室に設けられた第1送風室ファンと、
前記加熱室に設けられた加熱室ファンと、
前記加熱室に設けられ、前記加熱室ファンによって送風される空気を加熱するヒーターと、
前記本体ケースに形成され、前記本体ケースの外部の空気を前記送風室に取り入れる送風室吸気口と、
前記本体ケースに形成され、前記プラテンに向けて開口し、前記送風室の空気を排出する第1送風室排気口と、
前記本体ケースに形成され、前記ガイド部材の前記上壁に向けて開口し、前記本体ケースの外部の空気を前記加熱室に取り入れる加熱室吸気口と、
前記本体ケースにおける前記第1送風室排気口より下方に形成され、前記ガイド部材の前記上壁に向けて開口し、前記ヒーターによって加熱された前記加熱室の空気を排出する加熱室排気口と、
を有している、請求項1~9のいずれか一つに記載のインクジェットプリンタ。
【請求項11】
前記乾燥装置は、前記送風室の内部を第1送風室と第2送風室とに仕切る第2仕切り壁を有し、
前記第1仕切り壁は、前記第2送風室と前記加熱室とを仕切っており、
前記第1送風室ファンは、前記第1送風室の空気を送風するように構成され、
前記第1送風室排気口は、前記第1送風室の空気を排出するように構成され、
前記乾燥装置は、
前記本体ケースに形成され、前記第2送風室の空気を排出する第2送風室排気口と、
前記第2送風室の空気を送風する第2送風室ファンと、
を有している、請求項10に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項12】
前記インクは水性インクである、請求項1~11のいずれか一つに記載のインクジェットプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インクジェット方式により記録媒体に印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。この種のインクジェットプリンタは、例えば、記録媒体が載置されるプラテンと、プラテンに載置された記録媒体にインクを吐出するインクヘッドとを備えている。また、使用するインクの種類によっては、記録媒体に吐出されたインクを乾燥させる乾燥装置を備えたインクジェットプリンタも存在する。
【0003】
例えば、特許文献1には、プラテンと、プラテンの前方に配置された前斜め下方に延びる下流側プラテン(以下、ガイド部材という)と、ガイド部材に対向するように配置された乾燥装置とを備えたインクジェットプリンタが開示されている。かかる乾燥装置は、ヒーターおよびファンが内蔵された本体ケースと、ガイド部材に対向する対向板とを有している。対向板には複数の排出孔が形成されており、ガイド部材上の記録媒体に対して、それら排出孔から熱風が吹き付けられる。これにより、記録媒体に吐出されたインクの乾燥を効率的に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
記録媒体はガイド部材上を移動するので、記録媒体の特定の部分が乾燥装置からの熱風によって加熱され続けることはない。一方、ガイド部材は記録媒体を介して、乾燥装置からの熱風によって加熱され続ける。そのため、上記インクジェットプリンタでは、ガイド部材が高温になりやすいという課題がある。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガイド部材と対向するように配置された乾燥装置を備えたインクジェットプリンタにおいて、ガイド部材が高温となることを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るインクジェットプリンタは、記録媒体が載置されるプラテンと、前記プラテンより上方に配置され、左右方向に移動するキャリッジと、前記キャリッジに搭載され、前方に搬送される前記記録媒体にインクを吐出するインクヘッドと、前方かつ下方に延びる上壁を有し、前記プラテンより前方に配置され、前斜め下方に延びる上壁を有し、前記記録媒体の移動をガイドするガイド部材と、前記ガイド部材の前記上壁に対向し、前記記録媒体に向けて熱風を送る乾燥装置と、を備える。前記ガイド部材は、前記上壁を含み、左右方向に延設されたケースと、前記ケースに形成され、前記ケースの外部から内部に空気を取り入れる流入口と、前記ケースに形成され、前記ケースの内部から外部に空気を放出する流出口と、を備える。前記ケースの内部に、前記流入口から前記流出口に向かう空気流路が形成されている。前記インクジェットプリンタは、前記流入口から吸い込まれた空気が前記空気流路を流れて前記流出口から排出されるように、前記ガイド部材の前記空気流路に空気を送風する冷却ファンを備えている。
【0008】
上記インクジェットプリンタによれば、ガイド部材の内部に空気流路が形成され、ガイド部材の外部の空気が吸気口から吸い込まれて空気流路を流れ、排気口から排出される。そのため、ガイド部材は、上記空気流路を流れる空気によって冷却される。したがって、ガイド部材が高温となることが防止される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ガイド部材と対向するように配置された乾燥装置を備えたインクジェットプリンタにおいて、ガイド部材が高温となることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図10】ガイド部材の一部を消去して示す斜視図である。
【
図12】他の実施形態に係るインクジェットプリンタの断面図である。
【
図13】変形例に係るインクジェットプリンタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下単に「プリンタ」と称する)について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
【0012】
図1は、一実施形態に係るプリンタ10の斜視図である。
図2はプリンタ10の正面図である。なお、
図2では、後述する非加熱室吸気口103aおよび非加熱室排気口103bの図示は省略している。プリンタ10は記録媒体5に印刷を行う。
【0013】
記録媒体5は、例えば、記録紙である。ただし、記録媒体5は記録紙に限定されない。記録媒体5には、普通紙やインクジェット用印刷紙等の紙類以外に、ポリ塩化ビニル(PVC)やポリエステル等の樹脂材料から形成されたものや、アルミや鉄等から形成された金属板、ガラス板、木材板および段ボール等から形成されたものが含まれる。
【0014】
図3に示すように、プリンタ10は、記録媒体5が載置されるプラテン16と、プラテン16の真上に位置するインクヘッド35とを備える。本明細書では、プラテン16上において記録媒体5に印刷が行われるときに、プラテン16上で記録媒体5が搬送される方を前方とし、その逆方向を後方とする。左、右、上、下とは、プリンタ10の正面にいる作業者から見た左、右、上、下をそれぞれ意味することとする。なお、作業者がプリンタ10の正面を向いているときに、プリンタ10の後部から作業者に向かう方向は前方となり、作業者からプリンタ10の後部に向かう方向は後方となる。図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表す。
【0015】
後述するキャリッジ30(
図2参照)は、左方および右方に移動可能に設けられている。キャリッジ30は左右方向に移動可能である。プリンタ10の後側を上流側と称し、プリンタ10の前側を下流側としたとき、記録媒体5は上流側から下流側に向けて搬送される。前側は、記録媒体5の搬送方向の下流側に対応する。後側は、記録媒体5の搬送方向の上流側に対応する。本実施形態では、キャリッジ30の移動方向を主走査方向Yといい、記録媒体5の搬送方向を副走査方向Xという。ここでは、主走査方向Yは左右方向に対応し、副走査方向Xは前後方向に対応する。主走査方向Yと副走査方向Xとは直交している。ただし、主走査方向Yおよび副走査方向Xは特に限定される訳ではなく、プリンタ10の形態等に応じて適宜に設定可能である。
【0016】
図1に示すように、プリンタ10は、本体部10aと、脚11と、操作パネル12と、フロントカバー13と、を備えている。本体部10aは、主走査方向Yに延びたケーシングを有する。脚11は、本体部10aを支持するものであり、本体部10aの下面に設けられている。操作パネル12は、例えば本体部10aの右側の前面に設けられている。ただし、操作パネル12の位置は特に限定されない。操作パネル12は、ユーザが印刷に関する操作を行うものである。フロントカバー13は、本体部10aに回動可能に設けられている。フロントカバー13は、キャリッジ30よりも前方に配置されている。フロントカバー13は、例えば、透明なアクリル樹脂で形成されている。なお、
図2では、フロントカバー13の図示を省略している。
【0017】
図3に示すように、プリンタ10はプラテン16を備えている。プラテン16には、記録媒体5が載置される。記録媒体5への印刷は、プラテン16上で行われる。プラテン16は主走査方向Yに延びている。プラテン16の上面16Aは平坦状に形成されている。
【0018】
プリンタ10は、上流側のガイド部材17および下流側のガイド部材14を備えている。本実施形態では、ガイド部材14は、下流側ガイド部材18および補助ガイド部材15によって構成されている。上流側のガイド部材17は、プラテン16の後方に配置されている。上流側のガイド部材17は、プラテン16への記録媒体5の移動をガイドする。下流側のガイド部材14は、プラテン16の前方に配置されている。下流側のガイド部材14は、プラテン16からの記録媒体5の移動をガイドする。
【0019】
図2に示すように、プリンタ10は、インクを吐出するインクヘッド35を備えている。インクヘッド35は、記録媒体5に水性インクを吐出する。インクヘッド35は、プラテン16より上方に配置されている。インクヘッド35は、主走査方向Yに移動可能に設けられている。本実施形態では、インクヘッド35は、図示しないインク供給路によって、インクカートリッジ37と接続されている。
【0020】
水性インクとして、例えば、ラテックスインクを好ましく用いることができる。ラテックスインクは、溶媒、色材およびバインダ樹脂を含む。ラテックスインクにおいて、バインダ樹脂は、溶媒に分散または乳濁している。溶媒としては、例えば、水や水と均一に混合し得る水溶性有機溶剤(低級アルコール、低級ケトン等)の一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。ラテックスインクは、ラテックスインクの全質量に対して50質量%以上90質量%以下の溶媒を含む。色材としては、ラテックスインク中に含まれる従来の色材を適宜選択することができる。色材としては、例えば、水溶性染料等の染料や顔料等が挙げられる。バインダ樹脂としては、ラテックスインク中に含まれる従来のバインダ樹脂を適宜選択することができる。
【0021】
図2に示すように、プリンタ10はヘッド移動機構31を備えている。ヘッド移動機構31は、プラテン16に載置された記録媒体5に対して、インクヘッド35を相対的に主走査方向Yに移動させる機構である。本実施形態では、ヘッド移動機構31は、インクヘッド35を主走査方向Yに移動させる。ここでは、ヘッド移動機構31は、ガイドレール20と、第1プーリ21と、第2プーリ22と、無端状のベルト23と、第1駆動モータ24と、キャリッジ30と、を有している。ガイドレール20は、キャリッジ30の主走査方向Yへの移動をガイドするものである。
図3に示すように、ガイドレール20は、プラテン16の上方に配置されている。
図2に示すように、ガイドレール20は、主走査方向Yに延びている。第1プーリ21は、ガイドレール20の左端部分に設けられている。第2プーリ22は、ガイドレール20の右端部分に設けられている。ベルト23は、第1プーリ21と第2プーリ22とに巻き掛けられている。本実施形態では、第2プーリ22には、第1駆動モータ24が接続されている。ただし、第1駆動モータ24は、第1プーリ21に接続されていてもよい。第1駆動モータ24が駆動して、第2プーリ22が回転することで、第1プーリ21と第2プーリ22との間においてベルト23が走行する。
【0022】
図2に示すように、キャリッジ30はベルト23に取り付けられている。キャリッジ30は、プラテン16より上方に配置されている。
図3に示すように、キャリッジ30は、ガイドレール20に係合しており、ガイドレール20に摺動自在に設けられている。キャリッジ30には、インクヘッド35が搭載されている。本実施形態では、ヘッド移動機構31は、第1駆動モータ24の駆動によってベルト23が走行して、キャリッジ30が主走査方向Yに移動することに伴い、キャリッジ30に搭載されたインクヘッド35を主走査方向Yに移動させる。
【0023】
プリンタ10は媒体搬送機構32を備えている。媒体搬送機構32は、プラテン16に載置された記録媒体5をインクヘッド35に対して副走査方向Xに相対的に移動させるものである。ここでは、媒体搬送機構32は、プラテン16に載置された記録媒体5を副走査方向Xに移動させる。なお、媒体搬送機構32の構成は特に限定されない。
図3に示すように、本実施形態では、媒体搬送機構32は、グリットローラ25と、ピンチローラ26と、グリットローラ25を駆動する第2駆動モータ(図示せず)とを有している。グリットローラ25は、プラテン16に設けられている。ここでは、グリットローラ25の少なくとも一部はプラテン16に埋設されている。ピンチローラ26は、記録媒体5を上から押さえつけるものである。ピンチローラ26は、グリットローラ25の上方に配置されている。ピンチローラ26は、グリットローラ25と対向する位置に設けられている。ピンチローラ26は、上下方向に移動可能に構成されている。グリットローラ25とピンチローラ26との間に記録媒体5が挟まれた状態で、第2駆動モータが駆動してグリットローラ25が回転すると、記録媒体5は副走査方向Xに搬送される。なお、グリットローラ25およびピンチローラ26のそれぞれの設置位置および数は特に限定されない。
【0024】
図1に示すように、プリンタ10は乾燥装置50を備えている。乾燥装置50は、記録媒体5に吐出されたインクを乾燥させる装置である。乾燥装置50は、プラテン16に載置された記録媒体5に向けて風を送る。また、乾燥装置50は、ガイド部材14によってガイドされる記録媒体5に向けて風を送る。以下では、プラテン16に載置された記録媒体5に風を送ることを初期乾燥と称する。ガイド部材14にガイドされる記録媒体5に風を送ることを完全乾燥と称する。
【0025】
図3に示すように、乾燥装置50は、プラテン16より前方に配置されている。乾燥装置50は、ガイド部材14に対向する。乾燥装置50の少なくとも一部は、平面視でガイド部材14と重なる。
図2に示すように、乾燥装置50の少なくとも一部は、正面視でガイド部材14と重なる。乾燥装置50は、本体部10aに着脱可能に設けられている。
【0026】
図3に示すように、乾燥装置50の内部には、送風室101と加熱室102と非加熱室103とが設けられている。乾燥装置50は、左右方向に延びる本体ケース51と、本体ケース51の内部を送風室101と加熱室102とに仕切る仕切り壁111と、本体ケース51の内部を送風室101と非加熱室103とに仕切る仕切り壁112と、本体ケース51の内部を加熱室102と非加熱室103とに仕切る仕切り壁113と、を有している。また、乾燥装置50は、送風室101の内部を第1送風室121と第2送風室122とに仕切る仕切り壁114を有している。乾燥装置50は、加熱室102の内部を後述する加熱室ファン132が配置される上流室102Aと下流室102Bとに仕切る仕切り壁116と、加熱室102内で下流室102Bおよび上流室102Aから出口室102Cを区画する仕切り壁117および整流板127を有している。
【0027】
加熱室102は、仕切り壁111、仕切り壁113、および後壁51Bにより形成されている。仕切り壁111および仕切り壁113は屈曲板状に形成されている。上流室102Aは、仕切り壁111、仕切り壁116、および仕切り壁117により形成されている。下流室102Bは、仕切り壁111、仕切り壁113、仕切り壁116、整流板127、および後壁51Bにより形成されている。出口室102Cは、仕切り壁117、整流板127、および後壁51Bにより形成されている。下流室102Bの容積は上流室102Aの容積よりも大きく、上流室102Aの容積は出口室102Cの容積よりも大きい。加熱室102を流れる空気は、加熱室吸気口102aから上流室102Aに流入し、仕切り壁116に取り付けられた加熱室ファン132によって上流室102Aから下流室102Bに送られ、整流板127の貫通穴120hを通って下流室102Bから出口室102Cに流入し、加熱室排気口102bを通って出口室102Cから加熱室102の外部に排出される。上流室102Aの圧力は負圧に設定され、下流室102Bの圧力は正圧に設定され、出口室120Cの圧力は下流室102Bの圧力よりも低い正圧に設定される。
図3に示すように、整流板127は加熱室ファン132よりも後方に配置されており、整流板127の貫通穴120hは、複数の加熱室ファン132の出口と対向する位置を避けて配置されている。整流板127には、下流室120Bを流れる空気を加熱室排気口102bへ向かわせる案内板117Aが設けられている。ここでは、案内板117Aは、仕切り壁117の一部により形成されている。すなわち、仕切り壁117の一部が案内板117Aを兼用している。ただし、案内板117Aの構成は何ら限定されず、案内板117Aは仕切り壁117と別体であってもよい。
【0028】
本体ケース51は、上方に延びる前壁51Fと、前壁51Fの上端51Ftから後方に延びる上壁51Uと、前壁51Fの下端51Fdから後方に延びる下壁51Dと、下壁51Dの後端51Dbから上方に延びる後壁51Bとを有している。下壁51Dは上壁51Uよりも下方に配置され、後壁51Bは前壁51Fよりも後方に配置されている。また、本体ケース51は、前壁51F、上壁51U、下壁51D、および後壁51Bの左方、右方にそれぞれ配置された左壁51L、右壁51Rを有している(
図4参照)。なお、前壁51F、上壁51U、下壁51D、後壁51B、左壁51L、および右壁51Rは、平板状であってもよく、湾曲していてもよく、屈曲していてもよい。前壁51F、上壁51U、下壁51D、後壁51B、左壁51L、および右壁51Rは、単一の部材により形成されていてもよく、複数の部材が組み合わされることによって形成されていてもよい。前壁51F、上壁51U、下壁51D、後壁51B、左壁51L、および右壁51Rの少なくとも一つの一部または全部は、他の少なくとも一つの一部または全部と一体化されていてもよい。
【0029】
乾燥装置50は、下壁51Dまたは後壁51Bから下方に延びる延長壁119を有している。ここでは、延長壁119は下壁51Dに取り付けられている。延長壁119は、下壁51Dの下端から前方かつ下方に延びている。ただし、延長壁119の取付位置は特に限定されない。延長壁119は後壁51Bに取り付けられていてもよい。延長壁119は後壁51Bの下端から前方かつ下方に延びていてもよい。また、延長壁119は無くてもよい。
【0030】
図4は乾燥装置50の平面図である。本体ケース51の上壁51Uには、送風室吸気口101aが形成されている。送風室吸気口101aは、本体ケース51の外部と送風室101とを連通している。送風室吸気口101aは複数形成され、左右方向に並んでいる。
【0031】
図5は乾燥装置50の正面図である。本体ケース51の前壁51Fには、非加熱室吸気口103aが形成されている。
図3に示すように、前壁51Fは、垂直壁51FAと、垂直壁51FAの下端から後方かつ下方に延びる傾斜壁51FBとを有している。本実施形態では、非加熱室吸気口103aは傾斜壁51FBに形成されている。本体ケース51の下壁51Dには、非加熱室排気口103bが形成されている。本実施形態では、下壁51Dは後方かつ下方に延びている。非加熱室吸気口103aおよび非加熱室排気口103bの各々は、本体ケース51の外部と非加熱室103とを連通している。非加熱室吸気口103aは、非加熱室排気口103bよりも前方に形成されている。非加熱室排気口103bは、後方かつ下方に延びる傾斜壁51FBに貫通形成されているので、前方かつ下方に向けて開口している。
【0032】
図6は乾燥装置50の背面図である。
図7は、本体ケース51の後壁51Bの一部を拡大して示す斜視図である。後壁51Bには、第1送風室排気口121bおよび第2送風室排気口122bが形成されている。第1送風室排気口121bは、第1送風室121と本体ケース51の外部とを連通している。第2送風室排気口122bは、第2送風室122と本体ケース51の外部とを連通している。第1送風室排気口121bおよび第2送風室排気口122bは、スリット状に形成されており、左右方向に延びている。第1送風室排気口121bおよび第2送風室排気口122bは、本体ケース51の左右方向の全域にわたって形成されている。第2送風室排気口122bは、第1送風室排気口121bより下方に配置されている。
【0033】
図3に示すように、第1送風室121には、後方に行くほど上下幅が小さくなる排出流路121Aが形成されている。第1送風室排気口121bは、排出流路121Aに繋がっている。第1送風室排気口121bは、プラテン16に向けて開口している。ここでは、第1送風室排気口121bは、水平方向に沿って後方に開口している。
【0034】
後壁51Bは、後方かつ下方に延びる吹き出し壁122Bおよび122Cを含んでいる。吹き出し壁122Cは吹き出し壁122Bの上方に配置されており、吹き出し壁122Bと吹き出し壁122Cとの間に隙間が形成されている。この隙間により、第2送風室排気口122bが形成されている。第2送風室排気口122bは、ガイド部材14の上壁14Uに向けて後方かつ下方に開口している。
【0035】
図6に示すように、後壁51Bには、複数の加熱室吸気口102aおよび複数の加熱室排気口102bが形成されている。加熱室吸気口102aは、本体ケース51の外部と加熱室102の上流室102A(
図3参照)とを連通している。加熱室排気口102bは、加熱室102の下流室102Bと本体ケース51の外部とを連通している。加熱室吸気口102aおよび加熱室排気口102bは、それぞれ左右方向に並んでおり、本体ケース51の左右方向の全域にわたって形成されている。加熱室吸気口102aは第2送風室排気口122bより下方に配置されている。加熱室排気口102bは加熱室吸気口102aより下方に配置されている。各加熱室吸気口102aおよび各加熱室排気口102bの形状は特に限定されない。ここでは
図7に示すように、各加熱室吸気口102aは縦長のスリット状に形成され、各加熱室排気口102bは横長のスリット状に形成されている。
図3に示すように、加熱室吸気口102aおよび加熱室排気口102bは、ガイド部材14に向けて後方かつ下方に開口している。第1送風室排気口121bおよび第2送風室排気口122bは、加熱室排気口102bより後方に配置されている。
【0036】
図3に示すように、乾燥装置50は、少なくとも一部が本体ケース10の内部に配置された取付板115を有している。取付板115の一部は送風室101に配置され、他の一部は非加熱室103に配置されている。取付板115の一部は、送風室101の内部を吸気室123と第1送風室121とに仕切ると共に、吸気室123と第2送風室122とに仕切っている。
図8に示すように、取付板115は左右方向および上下方向に延びる平板状に形成されている。取付板115には、それぞれ左右に並んだ複数の第1開口115a、複数の第2開口115b、および複数の第3開口115cが形成されている。第1開口115a、第2開口115b、および第3開口115cは、上下に並んでいる。ここでは、第2開口115bは第1開口115aの真下に配置されている。第3開口115cは第2開口115bの真下に配置されている。第1開口115a、第2開口115b、および第3開口115cは、前後に開口している。
【0037】
図3に示すように、乾燥装置50は、送風室101に設けられた複数の第1送風室ファン131Aおよび複数の第2送風室ファン131Bと、加熱室102に設けられた複数の加熱室ファン132と、非加熱室103に設けられた複数の非加熱室ファン133とを有している。第1送風室ファン131Aおよび第2送風室ファン131Bは、送風室101のうちの吸気室123に配置されている。加熱室ファン132は、加熱室102のうちの上流室102Aに配置されている。
【0038】
図8に示すように、第1送風室ファン131A、第2送風室ファン131B、および非加熱室ファン133は、取付板115に取り付けられている。複数の第1送風室ファン131A、複数の第2送風室ファン131B、および複数の非加熱室ファン133は、それぞれ左右に並んでいる。第1送風室ファン131A、第2送風室ファン131B、および非加熱室ファン133は、上下に一直線上に並んでいる。第2送風室ファン131Bは第1送風室ファン131Aの真下に配置され、非加熱室ファン133は第2送風室ファン131Bの真下に配置されている。第1送風室ファン131A、第2送風室ファン131B、および非加熱室ファン133は、それぞれ水平方向後向きに送風するように、互いに平行に配置されている。本実施形態では、第1送風室ファン131A、第2送風室ファン131B、および非加熱室ファン133は、軸流ファンにより構成されている。
【0039】
取付板115の第1開口115aは、吸気室123と第1送風室121とを連通している。第1送風室ファン131Aは、取付板115の第1開口115aに取り付けられている。第1送風室ファン131Aは、送風室吸気口101aから吸気室123に空気を取り入れ、第1開口115aを通じて吸気室123の空気を第1送風室121に送り、第2送風室121の空気を第1送風室排気口121bから排出させる。このように、第1送風室ファン131Aは、第1送風室121の空気を送風するように構成されている。第1送風室ファン131Aは、空気を水平方向後向きに送風するように配置されている。
【0040】
取付板115の第12開口115bは、吸気室123と第2送風室122とを連通している。第2送風室ファン131Bは、取付板115の第2開口115bに取り付けられている。第2送風室ファン131Bは、送風室吸気口101aから吸気室123に空気を取り入れ、第2開口115bを通じて吸気室123の空気を第2送風室122に送り、第2送風室122の空気を第2送風室排気口122bから排出させる。第2送風室ファン131Bは、第2送風室122の空気を送風するように構成されている。第2送風室ファン131Bは、空気を水平方向後向きに送風するように配置されている。
【0041】
第1送風室ファン131Aおよび第2送風室ファン131Bは、互いに同一仕様のファンであってもよく、異なる仕様のファンであってもよい。第1送風室ファン131Aおよび第2送風室ファン131Bの風量は、互いに等しくてもよく、異なっていてもよい。ここでは、第1送風室ファン131Aおよび第2送風室ファン131Bは、第2送風室排気口122bの空気の吹き出し速度が第1送風室排気口121bの空気の吹き出し速度よりも大きくなるように設定されている。
【0042】
第1送風室ファン131Aおよび第2送風室ファン131Bは、送風室吸気口101aの真下に配置されていてもよいが、本実施形態では、送風室吸気口101aの真下からずれた位置に配置されている。第1送風室ファン131Aおよび第2送風室ファン131Bは、送風室吸気口101aよりも左方または右方に配置されている(
図4参照)。これにより、送風室吸気口101aから異物が吸い込まれた場合であっても、第1送風室ファン131Aおよび第2送風室ファン131Bから左右方向にずれた位置に異物が落下する可能性が高いので、その異物が第1送風室ファン131Aおよび第2送風室ファン131Bに巻き込まれることを防止することができる。第1送風室ファン131Aおよび第2送風室ファン131Bの異物の巻き込みによる故障を防止することができる。
【0043】
非加熱室ファン133は、取付板115の第3開口115cに取り付けられている。非加熱室ファン133は、非加熱室吸気口103aから非加熱室103に空気を取り入れ、第3開口115cを通じて非加熱室103の空気を取付板115の前方から後方に送り、その空気を非加熱室排気口103bから排出させる。非加熱室ファン133は、非加熱室103の空気を送風するように構成されている。非加熱室ファン133は、前方から見て非加熱室吸気口103aと重なる位置に配置されていてもよいが、本実施形態では、非加熱室吸気口103aからずれた位置に配置されている。非加熱室ファン133は、非加熱室吸気口103aよりも左方または右方に配置されている(
図5および
図8参照)。これにより、非加熱室吸気口103aから異物が吸い込まれた場合に、非加熱室ファン133に異物が巻き込まれることを防止することができ、非加熱室ファン133の故障を防止することができる。
【0044】
図3に示すように、加熱室ファン132は仕切り壁116に取り付けられている。仕切り壁116には、第4開口116aが形成されている。第4開口116aは、加熱室102の上流室102Aと下流室102Bとを連通している。加熱室ファン132は、仕切り壁116の第4開口116aに取り付けられている。加熱室ファン132は、加熱室吸気口102aから加熱室102に空気を取り入れ、第4開口116aを通じて上流室102Aの空気を下流室102Bに送り、下流室102Bの空気を加熱室排気口102bから排出させる。加熱室ファン132は、加熱室102の空気を送風するように構成されている。本実施形態では、加熱室ファン132は軸流ファンにより構成されている。なお、加熱室102における加熱室ファン132の下流側が加圧空間となるよう、加熱室排気口102bの総開口面積は、加熱室ファン132の流路断面積よりも小さくてもよい。
【0045】
乾燥装置50は、加熱室102に配置されたヒーター135を有している。ヒーター135は、加熱室ファン132によって送風される空気を加熱する。ヒーター135の構成は何ら限定されない。ここではヒーター135は、断面が八角形状の筒135Aと、筒135Aの内部に配置された図示しない電熱線とを有している。空気は、筒135Aの内部を通過するときに上記電熱線によって加熱される。加熱室102は、空気を加熱するように構成されている。
【0046】
図8に示すように、乾燥装置50は、第1送風室ファン131A、第2送風室ファン131B、および非加熱室ファン133に電線151を介して接続されたプリント基板150を有している。プリント基板150は、第1送風室ファン131A、第2送風室ファン131B、および非加熱室ファン133に電気を供給する。プリント基板150の個数は1つでも構わないが、本実施形態では乾燥装置50は、左右に並ぶ複数のプリント基板150を有している。プリント基板150は、取付板115に取り付けられている。すなわち、プリント基板150、第1送風室ファン131A、第2送風室ファン131B、および非加熱室ファン133は、共通の取付板115に取り付けられている。第1送風室ファン131A、第2送風室ファン131B、および非加熱室ファン133の近くにプリント基板150を配置することとすれば、第1送風室ファン131A、第2送風室ファン131B、および非加熱室ファン133をプリント基板150につなぐ電線151の長さを短くすることができ、好ましい。プリント基板150は、送風室101の吸気室123に配置されている。吸気室123には、第1送風室ファン131Aおよび第2送風室ファン131Bにより、気流が発生している。プリント基板150は、上記気流により冷却される。ただし、プリント基板150の配置は特に限定されない。プリント基板150は非加熱室103に配置されていてもよい。この場合、プリント基板150は、非加熱室ファン133によって形成される気流により冷却される。
【0047】
本実施形態では、仕切り壁112および仕切り壁114は鉄により形成されている。加熱室102を仕切る仕切り壁111および仕切り壁113は、ステンレスにより形成されている。仕切り壁111および仕切り壁113の熱伝導率は、仕切り壁112および仕切り壁114の熱伝導率よりも低い。加えて、加熱室102の熱が送風室101および非加熱室103に伝わることを更に抑制するために、仕切り壁111の送風室101側および仕切り壁113の非加熱室103側には、断熱材155が設けられている。本実施形態では、断熱材155は可撓性を有しており、変形容易である。
【0048】
取付板115は、前方から断熱材155に押し当てられている。取付板115は、断熱材155を介して仕切り壁111および仕切り壁113に押し当てられている。取付板115は、仕切り壁111および仕切り壁113に押し当てられることにより、所定の位置に位置決めされている。取付板115と仕切り壁111および仕切り壁113との間に断熱材155が介在しているので、取付板115に取り付けられたプリント基板150、第1送風室ファン131A、第2送風室ファン131B、および非加熱室ファン133が加熱室102の熱によって加熱されることを抑制することができる。
【0049】
ただし、仕切り壁111および仕切り壁113の材料は特に限定されない。断熱材155は必ずしも必要ではなく、省略することも可能である。
【0050】
第1送風室121および第1送風室排気口121bは左右方向に延びているが、第1送風室ファン131Aは左右方向に分散して配置されている(
図8参照)。そこで、第1送風室121を流れる空気の速度分布を均一化させる整流部材を設けてもよい。例えば、整流部材として、
図9に示すように、複数の貫通孔120hが形成された整流板120を設けてもよい。整流板120として、例えばパンチングメタルを好適に用いることができる。ここでは
図3に示すように、第1送風室121の内部に、上記整流板120からなる第1整流板125が配置されている。第1整流板125は第1送風室排気口121bと同じように左右方向に延びており、本体ケース51の左右方向の全域にわたって延びている。
【0051】
同様に、第2送風室122および第2送風室出口122bは左右方向に延びているが、第2送風室ファン131Bは左右方向に分散して配置されている。そこで、第2送風室122を流れる空気の速度分布を均一化させる整流部材を設けてもよい。ここでは、第2送風室122の内部に、整流板120(
図9参照)からなる第2整流板126が配置されている。第2整流板126は、第2送風室排気口122bと同じように左右方向に延びており、本体ケース51の左右方向の全域にわたって延びている。
【0052】
加熱室102は左右方向に延び、加熱室排気口102bは左右方向の全域にわたって配置されているが、加熱室ファン132は左右方向に分散して配置されている。そこで、加熱室排気口102bから排出される空気の速度分布を均一化させる整流部材を設けてもよい。ここでは、加熱室102の下流室102Bに、整流板120(
図9参照)からなる第3整流板127が配置されている。第3整流板127は、左右方向に延びており、本体ケース51の左右方向の全域にわたって延びている。整流効果を高めるために、第3整流板127は加熱室排気口102bに近い位置に配置することが好ましい。ただし、第3整流板127の位置は特に限定される訳ではない。また、特に限定される訳ではないが、ここでは第3整流板127の貫通孔の総開口面積は、加熱室排気口102bの総開口面積よりも大きい。
【0053】
次に、ガイド部材14について説明する。
図3に示すように、ガイド部材14のケース14Xは、前方かつ下方に延びる上壁14Uを有している。ガイド部材14のケース14Xは左右方向に延設されている。
図10は、上壁14Uおよび補助ガイド部材15を消去したガイド部材14の斜視図である。ガイド部材14は、後壁14Bと、上壁14Uから後方に延びる下壁14Dと、上壁14U、後壁14Bおよび下壁14Dの左方に配置された左壁14Lと、上壁14U、後壁14Bおよび下壁14Dの右方に配置された右壁14Rとを有している。
【0054】
下壁14Dには、流入口14aおよび流出口14bが形成されている。上壁14U、後壁14B、下壁14D、左壁14L、および右壁14Rにより、流入口14aから流出口14bに向かう空気流路14Eが形成されている。流入口14aは、ガイド部材14を左右方向に三等分したときの中央部分14CAに形成されている。流入口14aの数は1つであってもよく、複数であってもよい。ここでは、流入口14aは2つ形成されている。流入口14aは、左流入口14aLと、左流入口14aLの右方に形成された右流入口14aRとを含んでいる。流出口14bの数は1つであってもよく、複数であってもよい。ここでは、流出口14bは2つ形成されている。流出口14bは、左流出口14bLおよび右流出口14bRを含んでいる。左流出口14bL、右流出口14bRは、それぞれガイド部材14を左右方向に三等分したときの左側部分14LA、右側部分14RAに形成されている。左流入口14aLと右流入口14aRとの中心間の距離14LRは、左流入口14aLと左流出口14bLとの中心間の距離14LLよりも短く、右流入口14aRと右流出口14bRとの中心間の距離14RRよりも短い。
【0055】
ガイド部材14には、流入口14aから吸い込まれた空気が空気流路14Eを流れて流出口14bから流出するように、空気流路14Eに空気を流す冷却ファンが設けられている。冷却ファンは、上壁14Uにより区画された空気流路14Eに空気を流すことにより、上壁14Uを冷却する役割を果たす。ここでは、冷却ファンは、ガイド部材14の内部かつ流入口14aに接続された吸気ファン140Aと、ガイド部材14の内部かつ流出口14bに接続された排気ファン140Bとを含んでいる。吸気ファン140Aは、ガイド部材14の外部の空気を下方から空気流路14Eに吸い込む。排気ファン140Bは、空気流路14Eの空気を下方に向けてガイド部材14の外部に吐き出す。本実施形態では、吸気ファン140Aおよび排気ファン140Bは、軸流ファンにより構成されている。
【0056】
ガイド部材14の材料は熱伝導率が低い材料であることが好ましいが、熱伝導率の高い材料を用いつつ断熱材を付加してもよい。上壁14U、後壁14B、下壁14D、左壁14L、および右壁14Rは、例えば、ステンレスにより形成されていてもよく、断熱材が貼られた鉄製の板であってもよい。
【0057】
次に、乾燥装置50の動作について説明する。乾燥装置50は、記録媒体5に空気を吹き付けることにより、記録媒体5のインクの乾燥を促進するものである。詳しくは、乾燥装置50は、プラテン16上の記録媒体5に常温の空気を吹き付けることにより、インクの初期乾燥を促進する。加えて、乾燥装置50は、ガイド部材14上の記録媒体5に高温の空気を吹き付けることにより、インクの完全乾燥を促進する。
図11は、乾燥装置50における空気の流れを示す図である。
【0058】
図11に示すように、本体ケース51の外部の空気は、第1送風室ファン131Aおよび第2送風室ファン131Bにより、送風室吸気口101aから吸気室123に吸い込まれる(矢印A123参照)。矢印A121に示すように、第1送風室ファン131Aは、吸気室123から第1送風室121に空気を送り、第1送風室排気口121bからプラテン16に向けて空気を排出する。第1送風室排気口121bから排出された常温の空気A121bは、プラテン16上の記録媒体5に吹き付けられ、記録媒体5のインクの乾燥を促進する。
【0059】
加熱室ファン132は、矢印A102aに示すように、加熱室吸気口102aから本体ケース51の外部の空気を吸い込み、上流室102Aから下流室102Bに送る。下流室102Bの空気はヒーター135によって加熱される。加熱後の空気の温度は特に限定されないが、例えば50℃~110℃とすることができる。加熱されて高温となった空気は、矢印A102bに示すように、加熱室排気口102bから排出される。加熱室排気口102bから排出された高温の空気は、ガイド部材14上の記録媒体5に吹き付けられ、記録媒体5のインクの乾燥を促進する。
【0060】
ところで、加熱室102の空気は高温となるため、加熱室102と送風室101とを仕切る仕切り壁111は、加熱室102の空気によって暖められる。乾燥装置50の運転時間の経過と共に、仕切り壁111の温度は上昇する。そのため、送風室101の空気のうち、仕切り壁111と接触する空気は加熱されて温度が上昇する。このため、第2送風室122が設けられていない場合には、第1送風室121を流れる空気A121が、仕切り壁111により温められて、外気より高温となってしまう。この高温となった空気がプラテン16上に流出すると、画質形成の為の前処理剤が乾きすぎてしまい、インクとの反応を阻害してしまう場合がある。また、プラテン16上に流れ込んだ温風がインクシステム(キャップやワイパー等)側にも到達した場合は、インクシステムに付着したインクが乾燥しやすくなり、ノズルつまりの原因となる場合がある。しかし、本実施形態によれば、第1送風室121と加熱室102との間に第2送風室122が設けられている。第1送風室121の空気A121は、仕切り壁111と接触しない。そのため、第1送風室121の空気A121の温度上昇は抑制される。第2送風室122を流れる空気A122は、第1送風室121の空気A121の温度上昇を抑制する断熱機能を果たす。したがって、プラテン16上の記録媒体5に比較的高温の空気が吹き付けられることを防止することができる。なお、第2送風室122を流れる空気A122の温度は、第1送風室121を流れる空気A121の温度よりも高くなる。第2送風室排気口122bから排出される空気の温度は、例えば、第1送風室排気口121bから排出される空気の温度よりも10℃~20℃程度高くなる。
【0061】
第2送風室排気口122bは、第1送風室排気口121bの下方かつ加熱室吸気口102aの上方に配置されている。第2送風室排気口122bは、第1送風室排気口121bと加熱室吸気口102aとの間に配置されている。これにより、本体ケース51の後壁51Bとガイド部材14との間において、高温の空気が第1送風室排気口121bまで上昇することが抑制される。また、第2送風室排気口122bは、後方かつ下方に開口している。第2送風室排気口122bから排出された空気は、後壁5Bおよびガイド部材14に沿って下方に流れる(矢印AH参照)。そのため、第1送風室排気口121bから排出される常温の空気に高温の空気が混じってしまうことが抑制される。プラテン16上の記録媒体5に吹き付けられる空気の温度が上昇してしまうことを抑制することができる。
【0062】
本実施形態によれば、乾燥装置50は、下壁51Dまたは後壁51Bから前方かつ下方に延びる延長壁119を有している。そのため、高温の空気AHが後壁51Bから下壁51Dに回り込むことが抑制される。また、非加熱室ファン133は、非加熱室吸気口103aから非加熱室103に常温の空気を取り入れ、常温の空気を非加熱室排気口103bから吹き出す。仮に、高温の空気Ahが下壁51Dに回り込んだとしても、非加熱室排気口103bから吹き出された常温の空気A103により、高温の空気Ahが下壁51Dから前壁51Fに回り込むことは抑制される。すなわち、非加熱室排気口103bから吹き出された常温の空気A103は、高温の空気Ahの上昇を遮断する役割を果たす。したがって、本実施形態によれば、高温の空気Ahが前壁51Fに沿って上昇することが抑制される。前壁51Fの温度が高くなることは抑制される。なお、非加熱室排気口103bは、前方かつ下方に向けて開口している。本実施形態では、非加熱室排気口103bの向きと後壁51Bの向きとは平行である。これにより、後壁51Bに沿って下方に流れる高温の空気AHを、そのまま下方に向けてより遠くに拡散させることができる。
【0063】
本実施形態では、高温の空気Ahが前壁51Fに沿って上昇することが抑制されるので、送風室吸気口101aから高温の空気Ahが取り入れられることが抑制される。このことによっても、第1送風室排気口121bおよび第2送風室排気口122bから排出される空気の温度上昇を抑えることができるので、プラテン16上の記録媒体5に吹き付けられる空気の温度が上昇してしまうことを更に効果的に抑制することができる。
【0064】
前述したように、加熱室排気口102bから排出された高温の空気A102bは、ガイド部材14の上壁14U上の記録媒体5に吹き付けられる。ここで、記録媒体5は前斜め下方に移動するので、記録媒体5の同一部分が長時間にわたって加熱され続けることはない。一方、ガイド部材14の上壁14Uは、記録媒体5を介して、高温の空気A102bに長時間にわたって加熱され続ける。そのため、ガイド部材14の上壁14Uの温度が高くなってしまうおそれがある。しかし、本実施形態によれば、
図10に示すように、ガイド部材14の内部に、空気が流れる空気流路14Eが形成されている。空気は流入口14aから空気流路14Eに吸い込まれ、空気流路14Eを流れた後、流出口14bから吐き出される。この空気は、空気流路14Eを流れるときに、上壁14Uを冷却する。そのため、上壁14Uの温度が高くなってしまうことが抑制される。
【0065】
ガイド部材14上の記録媒体5に吹き付けられた高温の空気AHは、後壁51Bとガイド部材14との間の空間を下方に向かって流れる。ところで、高温の空気AHは比重が小さいため、上昇する性質がある。高温の空気AHがケース本体51の後壁51Bの下方に流れた後、下壁51Dから前壁51Fに回り込み、前壁51Fに沿って上昇する場合がある。その場合、前壁51Fは高温の空気により加熱されてしまい、前壁51Fの温度が高くなるおそれがある。前壁51Fは、プリンタ10のうち、プリンタ10の前で作業する作業者にとって最も近い部分である。そのため、作業者にとって、前壁51Fの温度が高くなることは好ましくない。
【0066】
次に、本実施形態に係るプリンタ10によってもたらされる様々な効果について説明する。
【0067】
本実施形態に係るプリンタ10によれば、ガイド部材14は、流入口14aおよび流出口14bが形成された空気流路14Eと、冷却ファン140とを有している。ガイド部材14の外部の空気が流入口14aから吸い込まれて空気流路14Eを流れ、流出口14bから排出される。そのため、ガイド部材14は、空気流路14Eを流れる空気によって冷却される。したがって、ガイド部材14が高温となることが防止される。
【0068】
流入口14aおよび流出口14bの位置は特に限定されないが、本実施形態では、流入口14aは、ガイド部材14の中央部分14CAに配置されている。流出口14bは、ガイド部材14の左側部分14LAに配置された左流出口14bLと、ガイド部材14の右側部分14RAに配置された右流出口14bRとを含んでいる。ガイド部材14の中央部分14CAは、左側部分14LAおよび右側部分14RAよりも熱がこもりやすいため、高温になりやすい傾向がある。しかし、流入口14aが中央部分14CAに配置されているので、中央部分14CAには、外部から取り込んだばかりの比較的低温の空気が流れる。よって、中央部分14CAを十分に冷却することができる。本実施形態によれば、ガイド部材14を効率的に冷却することができる。
【0069】
空気流路14Eの流入口14aの数は特に限定されないが、本実施形態では、複数の流入口14aが設けられている。流入口14aは、左流入口14aLおよび右流入口14aRを含んでいる。これにより、空気流路14Eに十分な量の空気を取り入れることができ、ガイド部材14を効率的に冷却することができる。
【0070】
本実施形態では、左流入口14aLと右流入口14aRとの中心間の距離14LRは、左流入口14aLと左流出口14bLとの中心間の距離14LLよりも短く、右流入口14aRと右流出口14bRとの中心間の距離14RRよりも短い。空気流路14Eにおける左流入口14aLと右流入口14aRとの間の領域には空気が滞留する傾向があるが、本実施形態では左流入口14aLと右流入口14aRとの間の距離14LRが短いので、空気が滞留する領域は小さい。よって、ガイド部材14を効率的に冷却することができる。
【0071】
流入口14bは、左壁14Lまたは右壁14Rに形成されていてもよいが、本実施形態では下壁14Dに形成されている。流入口14aからの空気の流入が、上壁14U上の記録媒体5の乾燥に影響を及ぼすことを避けることができる。
【0072】
流出口14bは、左壁14Lまたは右壁14Rに形成されていてもよいが、本実施形態では下壁14Dに形成されている。流出口14bから排出される空気が、上壁14U上の記録媒体5の乾燥に影響を及ぼすことを避けることができる。
【0073】
本実施形態によれば、冷却ファン140は、流出口14bに接続された排気ファン140Bを含んでいる。このことにより、空気流路14Eの空気を良好に排出することができる。
【0074】
本実施形態によれば、冷却ファン140は、流入口14aに接続された吸気ファン140Aを含んでいる。このことにより、空気流路14Eに空気を良好に吸入することができる。
【0075】
本実施形態に係るプリンタ10によれば、乾燥装置50は、第1送風室排気口121bからプラテン16上の記録媒体5に向けて、常温の空気を排出する。そのため、プラテン16上において絵や文字を形成できる程度まで水性インクの乾燥が促進され、記録媒体5に形成された画像の品質を高めることができる。さらに、乾燥装置50は、加熱室排気口102bからガイド部材14上の記録媒体に向けて、ヒーター135によって加熱された高温の空気を排出する。これにより、記録媒体5に吐出された水性インクの乾燥を、ガイド部材14上において更に促進させることができるので、裏写りや、裏写りした状態でインキが乾くことにより紙が板状に貼りついてしまうブロッキングの発生を防止できる。
【0076】
本実施形態に係るプリンタ10によれば、乾燥装置50は、第1送風室121と加熱室102との間に、常温の空気が流れる第2送風室122が設けられている。そのため、第1送風室121を流れる空気が加熱室102の空気によって加熱されることを抑制することができる。第1送風室排気口121bから排出される空気の温度が高くなることを抑制することができる。プラテン16上の記録媒体5にはインクヘッド35からインクが吐出されるが、記録媒体5に着弾したインクが直ぐに乾燥すると、記録媒体5に形成された画像の品質が低下する場合がある。しかし、本実施形態によれば、プラテン16上の記録媒体5に吹き付けられる空気の温度は高くならないので、画像の品質を低下させずにインクの乾燥を促進することができる。
【0077】
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の実施形態は例示に過ぎず、本発明は他にも種々の形態で実施することができる。
【0078】
他の実施形態として、
図12に示す構成を有するインクジェットプリンタ10に対して本発明を適用することも可能である。図示は省略するが、
図12に示すインクジェットプリンタ10では、送風室吸気口101aは本体ケース51の右壁51Rに形成されている。
図12に示すように、乾燥装置50は、吸気室123、第2送風室122、および第2送風室ファン131Bを有していなくてもよい。
図12に示す構成において、ガイド部材14の内部に前述のような空気流路14Eおよび冷却ファン140を設けるようにしてもよい。
【0079】
前述の実施形態では、送風室吸気口101aは、本体ケース51の上壁51Uに形成されていた(
図3参照)。しかし、
図13に示すように、送風室吸気口101aは、本体ケース51の前壁51Fの上部に形成されていてもよい。送風室吸気口101aが本体ケース51の上壁51Uに形成される場合は、落下物が送風室吸気口101aを介して本体ケース51の内部に侵入した場合に、落下物が第1送風室ファン131Aおよび第2送風室ファン131Bに巻き込まれないように、送風室吸気口101aの位置や範囲に制約が生じる。また、本体ケース51の上壁51Uに物を置いた場合は、送風室吸気口101aの一部がその物によって塞がれてしまい、本体ケース51内に取り入れられる空気量が変化する場合があり得る。送風室吸気口101aの塞がれる範囲が広いと、本体ケース51内に取り入れられる空気量を確保できない場合も生じ得る。これに対して、送風室吸気口101aが本体ケース51の前壁51Fに形成されている場合、上述した問題は生じない。一方で、送風室吸気口101aが配置される、本体ケース51の前壁51Fの上部は、送風室101の第2送風室122のうち前後方向に延びる部分と正面視で重なる部分であり、本体ケース51の最も高い位置に設定されている。よって、本体ケース51の前壁51Fであっても、本体ケース51の最も高い位置であれば、その部分に送風室吸気口101aを配置しても、送風室吸気口101aから取り入れられる空気の温度を適切に保つことができる。
【0080】
上述した実施形態の各種の吸気口および排気口の形状は何ら限定されない。吸気口および排気口は、例えば、円形状、楕円形状、矩形状、スリット状などであってもよい。
【0081】
上述した実施形態では、ガイド部材14の下流側ガイド部材18と補助ガイド部材15とは別体に形成されていたが、下流側ガイド部材18と補助ガイド部材15とは一体に形成されていてもよい。また、プリンタ10は、補助ガイド部材15を備えていなくてもよい。
【0082】
プリンタ10は、プラテン16を加熱するプラテン用ヒーターを備えていてもよい。プリンタ10がプラテン用ヒーターを備える場合には、例えば、プラテン用ヒーターは、プラテン16の裏面に設けられる。また、プリンタ10は、下流側ガイド部材18を加熱する下流側ガイド部材用ヒーターを備えていてもよい。プリンタ10が下流側ガイド部材用ヒーターを備える場合には、例えば、下流側ガイド部材用ヒーターは、下流側ガイド部材18の裏面に設けられる。
【0083】
ガイド部材14の空気流路14Eの流入口14aおよび流出口14bの位置および個数は特に限定されない。例えば、流入口14aおよび流出口14bは、ガイド部材14の左壁14Lおよび右壁14Rの一方、他方にそれぞれ形成されていてもよい。
【0084】
冷却ファン140は、吸気ファン140Aおよび排気ファン140Bのいずれか一方のみを含んでいてもよい。吸気ファン140Aはガイド部材14の外部に配置されていてもよい。排気ファン140Bはガイド部材14の外部に配置されていてもよい。吸気ファン140Aは流入口14aに接続されていなくてもよい。排気ファン140Bは流出口14bに接続されていなくてもよい。
【0085】
送風室101は、必ずしも第2送風室122を含んでいなくてもよい。この場合、第2送風室ファン131Bはなくてもよい。
【0086】
インクは水性インクに限定されない。乾燥装置50によって乾燥することが好ましい各種のインクを用いることができる。
【符号の説明】
【0087】
5 記録媒体
10 インクジェットプリンタ
14 ガイド部材
14E 空気流路
14a 流入口
14b 流出口
16 プラテン
30 キャリッジ
35 インクヘッド
50 乾燥装置
140 冷却ファン
140A 吸気ファン
140B 排気ファン