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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095370
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】湯水供給装置
(51)【国際特許分類】
   F24D 17/00 20220101AFI20230629BHJP
   F24H 15/395 20220101ALI20230629BHJP
【FI】
F24D17/00 L
F24H1/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211211
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【弁理士】
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】藤原 雛子
(72)【発明者】
【氏名】坪禰 怜
(72)【発明者】
【氏名】金城 政信
【テーマコード(参考)】
3L073
3L122
【Fターム(参考)】
3L073AA02
3L073AA18
3L073AC07
3L073AE06
3L122AA03
3L122AA34
3L122AA63
3L122BA02
3L122BA13
3L122BA23
3L122FA02
3L122FA12
3L122FA13
3L122GA09
(57)【要約】
【課題】本発明は、故障などが発生した場合でも過度に高温の湯が吐水されることを防止することができる湯水供給装置を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明の湯水供給装置2は、給水源に接続される水供給路10と、給水源から水供給路への給水を制御する水側電磁弁14と、給湯源に接続される湯供給路20と、給湯源から湯供給路への給湯を制御する湯側電磁弁24と、水供給路から供給された水と湯供給路から供給された湯とを混合して混合水として下流側へ供給する湯水混合装置6と、湯水混合装置の下流側の前記混合水の温度を検知する混合水温度センサ32と、水側電磁弁及び湯側電磁弁を開閉させる制御部40と、を備え、制御部40は、混合水温度センサ32による検知温度が第1閾値以上であると判定する場合、高温出湯防止制御として、水側電磁弁14を開弁させると共に湯側電磁弁24を閉弁させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水源に接続される水供給路と、
前記給水源から前記水供給路への給水を制御する水側電磁弁と、
給湯源に接続される湯供給路と、
前記給湯源から前記湯供給路への給湯を制御する湯側電磁弁と、
前記水供給路から供給された水と前記湯供給路から供給された湯とを混合して混合水として下流側へ供給する湯水混合装置と、
前記湯水混合装置の下流側の前記混合水の温度を検知する温度検知手段と、
前記水側電磁弁及び前記湯側電磁弁を開閉させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記温度検知手段による検知温度が第1閾値以上であると判定する場合、高温出湯防止制御として、前記水側電磁弁を開弁させると共に前記湯側電磁弁を閉弁させる
ことを特徴とする湯水供給装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記高温出湯防止制御中に、前記温度検知手段による検知温度が前記第1閾値よりも低い第2閾値以下の温度であると判定する場合、前記水側電磁弁を閉弁させる
ことを特徴とする請求項1に記載の湯水供給装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記高温出湯防止制御中に前記水側電磁弁が閉弁している間に、前記温度検知手段による検知温度が前記第1閾値よりも低く第2閾値よりも高い第3閾値以上の温度であると判定する場合、前記水側電磁弁を開弁させる
ことを特徴とする請求項2に記載の湯水供給装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記高温出湯防止制御中に前記水側電磁弁が閉弁してから第1所定時間を経過する迄に、前記温度検知手段による検知温度が前記第1閾値よりも低く第2閾値よりも高い第3閾値以上の温度であると判定する場合、前記水側電磁弁を開弁させる
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の湯水供給装置。
【請求項5】
前記湯水混合装置は、前記湯供給路からの流量と前記水供給路からの流量との比率を調整する温度調整機構を備え、
前記制御部は、前記高温出湯防止制御中に、前記湯供給路からの流量が前記水供給路からの流量よりも小さくなるように前記温度調整機構を制御する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の湯水供給装置。
【請求項6】
前記湯水混合装置は、前記湯供給路及び前記水供給路からの流量を調整する流量調整機構を備え、
前記制御部は、前記高温出湯防止制御中に、前記湯供給路及び前記水供給路からの合計流量が最大より小さくなるように前記流量調整機構を制御する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の湯水供給装置。
【請求項7】
警告するための報知手段を備え、
前記制御部は、前記高温出湯防止制御が開始されると前記報知手段による第1報知を実行させ、前記第1報知開始から第2所定時間が経過する迄に、前記温度検知手段による検知温度が第1閾値未満の温度以下であると判定しない場合、前記報知手段による第2報知を実行させる
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の湯水供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湯水供給装置に関し、特には、故障などが発生した場合でも過度に高温の湯が吐水されることを防止することができる湯水供給装置に関している。
【背景技術】
【0002】
浴槽などへ湯水を供給する湯水供給装置において、湯水の各々の供給路を通水又は止水させるために、当該供給路の途中に電気で動く弁体(電磁弁)を設けることが広く知られている。例えば、特許文献1の流量調整バルブは、そのような電磁弁の一例であり、モータを電気で駆動させることにより弁体が開弁又は閉弁されるようになっている。
【0003】
また、浴槽などへ湯水を供給する湯水供給装置において、湯水を混合して混合水として下流側へ供給する湯水混合装置を設けることが広く知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-201200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、湯水の各々の供給路に設けられた電磁弁が、予期せぬ故障状態に陥ったり、ゴミや塵が混入して動作不良状態に陥ったりして、意に反して過度に高温の湯が吐水される場合がある。
【0006】
あるいは、湯水混合装置が、予期せぬ故障状態に陥ったり、ゴミや塵が混入して動作不良状態に陥ったりした場合にも、意に反して過度に高温の湯が吐水される場合がある。
【0007】
いずれの場合においても、利用者が高温の湯を触ってしまう可能性がある。
【0008】
従って、本発明は、故障などが発生した場合でも過度に高温の湯が吐水されることを防止することができる湯水供給装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は、給水源に接続される水供給路と、給水源から水供給路への給水を制御する水側電磁弁と、給湯源に接続される湯供給路と、給湯源から湯供給路への給湯を制御する湯側電磁弁と、水供給路から供給された水と湯供給路から供給された湯とを混合して混合水として下流側へ供給する湯水混合装置と、湯水混合装置の下流側の前記混合水の温度を検知する温度検知手段と、水側電磁弁及び湯側電磁弁を開閉させる制御部と、を備え、制御部は、温度検知手段による検知温度が第1閾値以上であると判定する場合、高温出湯防止制御として、水側電磁弁を開弁させると共に湯側電磁弁を閉弁させることを特徴とする湯水供給装置である。
【0010】
このように構成された本発明においては、例えば湯側電磁弁が故障等して湯側電磁弁を通過する湯量が過大となった場合や、水側電磁弁が故障等して水側電磁弁を通過する水量が過小となった場合や、湯水混合装置が故障等して温調機能が適切に機能しなくなった場合でも、第1閾値以上の温度が検知されたと判定されると、高温出湯防止制御として水側電磁弁を開弁させ、且つ、湯側電磁弁を閉弁させるため、湯側電磁弁が作動可能な状態であれば閉弁され、且つ、水側電磁弁が作動可能な状態であれば開弁が維持されて、湯水供給装置から過度に高温の混合水が吐水され続けることを防止することができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、制御部は、高温出湯防止制御中に、温度検知手段による検知温度が第1閾値よりも低い第2閾値以下の温度であると判定する場合、水側電磁弁を閉弁させるようになっている。
【0012】
このように構成された本発明によれば、混合水が第2閾値以下の温度(例えば温めの安全な温度)になったと判定される場合、水側電磁弁を閉じるため、必要以上に水が吐水されることを防止することができる。
【0013】
また、本発明において、好ましくは、制御部は、高温出湯防止制御中に水側電磁弁が閉弁している間に、温度検知手段による検知温度が第1閾値よりも低く第2閾値よりも高い第3閾値以上の温度であると判定する場合、水側電磁弁を開弁させるようになっている。その後は、何らかのリセット信号を制御部が受信するまで水側電磁弁の開弁を継続させるとより好ましい。
【0014】
このように構成された本発明によれば、高温出湯防止制御中に水側電磁弁が閉弁している間に、第1閾値よりも低い第3閾値以上の温度が検知されたと判定される場合に水側電磁弁を再度開けるようにしているため、依然として故障などが続いている場合において、過度に高温の湯が吐水されることをより効果的に(より早めに)防止できる。また、湯がごく少量だけ漏れるような湯側電磁弁の故障を起こしている場合、水側電磁弁を開弁させれば大量の水と少量の湯が混合して検知温度が低下し、水側電磁弁を閉弁させれば少量の湯だけが流れて検知温度が徐々に上昇するような事態が考えられる。水側電磁弁が閉弁した後に第3閾値以上の温度が検知された場合には、少量の湯漏れが起きているとみなして、水側電磁弁の開弁を維持させておくことが安全上好ましい。
【0015】
本発明において、好ましくは、制御部は、高温出湯防止制御中に水側電磁弁が閉弁してから第1所定時間を経過する迄に、温度検知手段による検知温度が第1閾値よりも低く第2閾値よりも高い第3閾値以上の温度であると判定する場合、水側電磁弁を開弁させるようになっている。その後は、何らかのリセット信号を制御部が受信するまで水側電磁弁の開弁を継続させるとより好ましい。
【0016】
このように構成された本発明によれば、高温出湯防止制御中に水側電磁弁が閉弁してから第1所定時間を経過する迄に第1閾値よりも低い第3閾値以上の温度が検知されたと判定される場合に水側電磁弁を再度開けるようにしているため、依然として故障などが続いている場合において、過度に高温の湯が吐水されることをより効果的に(より早めに)防止できる。高温出湯防止制御中に水側電磁弁が閉弁してから第1所定時間を経過する迄に第1閾値よりも低い第3閾値以上の温度が検知されない場合には、例えば高温出湯防止制御が終了される。
【0017】
また、本発明において、好ましくは、湯水混合装置は、湯供給路からの流量と水供給路からの流量との比率を調整する温度調整機構を備え、制御部は、高温出湯防止制御中に、湯供給路からの流量が水供給路からの流量よりも小さくなるように温度調整機構を制御するようになっている。
【0018】
このように構成された本発明によれば、高温出湯防止制御中において、湯水混合装置が作動可能な状態であれば、湯水混合装置の温度調整機構により、湯供給路からの流量が水供給路からの流量よりも小さくなるように制御されるので、過度に高温の混合水が供給されることをより効果的に防止できる。
【0019】
本発明において、好ましくは、湯水混合装置は、湯供給路及び水供給路からの流量を調整する流量調整機構を備え、制御部は、高温出湯防止制御中に、湯供給路及び水供給路からの合計流量が最大より小さくなるように流量調整機構を制御するようになっている。
【0020】
このように構成された本発明によれば、高温出湯防止制御中において、湯水混合装置が作動可能な状態であれば、湯水混合装置の流量調整機構により、湯供給路及び水供給路からの合計流量が最大より小さくなるように制御されるので、必要以上に水及び/又は湯が供給されることをより効果的に防止することができる。
【0021】
また、本発明において、好ましくは、警告するための報知手段を備え、制御部は、高温出湯防止制御が開始されると報知手段による第1報知を実行させ、第1報知開始から第2所定時間が経過する迄に、温度検知手段による検知温度が第1閾値未満の温度以下であると判定しない場合、報知手段による第2報知を実行させるようになっている。
【0022】
このように構成された本発明によれば、第1報知及び第2報知の2段階の報知を実行することにより、故障などが生じている状態をより的確にユーザに認識させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、例えば湯側電磁弁が故障等して湯側電磁弁を通過する湯量が過大となった場合や、水側電磁弁が故障等して水側電磁弁を通過する水量が過小となった場合や、湯水混合装置が故障等して温調機能が適切に機能しなくなった場合でも、第1閾値以上の温度が検知されたと判定されると、高温出湯防止制御として水側電磁弁を開弁させ、且つ、湯側電磁弁を閉弁させるため、湯側電磁弁が作動可能な状態であれば閉弁され、且つ、水側電磁弁が作動可能な状態であれば開弁が維持されて、湯水供給装置から過度に高温の混合水が吐水され続けることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態による湯水供給装置を浴槽システムに適用した場合の概略図である。
図2】本発明の一実施形態による湯水供給装置の概略図である。
図3】本発明の一実施形態による湯水供給装置の高温出湯防止制御の一例を示すフローチャートである。
図4図3に示すフローチャートの制御内容に対応した混合水の温度の経時的変化を示す図である。
図5】本発明の一実施形態による湯水供給装置の高温出湯防止制御の第1の変形例を示すフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態による湯水供給装置の高温出湯防止制御の第2の変形例を示すフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態による湯水供給装置の高温出湯防止制御の第3の変形例を示すフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態による湯水供給装置の第4の変形例を示す概略図である。
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態による湯水供給装置2について説明する。
【0026】
(全体構成)
図1は、本発明の一実施形態による湯水供給装置2を浴槽システムに適用した場合の概略図であり、図2は、本発明の一実施形態による湯水供給装置2の概略図である。
【0027】
図1を参照して、本発明の一実施形態による湯水供給装置2は、耐火区画用の壁50及びユニットバスの壁52を介して浴槽54に接続されている。
【0028】
湯水供給装置2は、その上流側に水道管などの給水源(図示せず)と接続する水供給路10を備えて、水が給水源から水供給路10を通って流入するようになっている。また、湯水供給装置2は、その上流側にボイラーなどの給湯源(図示せず)と接続する湯供給路20を備えて、湯が給湯源から湯供給路20を通って流入するようになっている。湯水供給装置2は、その下流側に浴槽54と接続する混合水供給路30を備えて、混合水が混合水供給路30を通って流出するようになっている。
【0029】
湯水供給装置2は、商用電源56に接続されて、電源56から電気が供給されて作動するようになっている。また、湯水供給装置2は、リモコン58に接続され、利用者のリモコン58の操作に応じて作動するようになっている。混合水の温度及び流量は、リモコン58の操作によって設定される。
【0030】
湯水供給装置2は、浴槽54と接続して、浴槽54に溜まった混合水の水位を検知するための水位検知センサ配管60を備えている。水位検知センサ配管60によって検知された浴槽54内の水位が所定水位に達したと判定された場合、浴槽54への混合水の供給が停止されるようになっている。
【0031】
図2を参照して、本発明の一実施形態による湯水供給装置2は、ケース4内に、混合水の温度及び流量を調整する湯水混合装置6と、湯水混合装置6の上流側の水供給路10及び湯供給路20と、湯水混合装置6の下流側の混合水供給路30と、湯水供給装置2を作動させる制御部40と、を備えている。
【0032】
水供給路10内には、水側止水栓12、水側電磁弁14、及び水温度センサ16が設けられている。湯供給路20内には、湯側止水栓22、湯側電磁弁24、及び湯温度センサ26が設けられている。混合水供給路30内には、混合水温度センサ32、監視温度センサ34が設けられている。
【0033】
湯水混合装置6は、湯供給路20からの流量と水供給路10からの流量との比率を調整することで混合水の温度を調整する温度調整機構6aと、湯供給路20及び水供給路10からの合計流量を調整する流量調整機構6bと、を備えている。
【0034】
詳細の図示は省略するが、湯水混合装置6は、中空円筒状のシリンダと、シリンダの外壁に設けられた水流入孔、湯流入孔、及び湯水流出孔と、シリンダを軸方向に移動可能且つ回転可能に収容するハウジングと、を備えている。また、ハウジングには、その内部空間に連通するように、水供給路10、湯供給路20、及び混合水供給路30が設けられている。
【0035】
温度調整機構6aは、水流入孔及び湯流入孔が設けられたシリンダをハウジング内で回転させることにより、ハウジングに設けられた水供給路10及び湯供給路20と、水流入孔及び湯流入孔と、の連通量が変化するようになっている。これにより、水供給路10から供給された水と湯供給路20から供給された湯とが混合する比率が変化して、混合水の温度調整が実現するようになっている。温度調整機構6aは、リモコン58の操作によって設定された温度に基づいてシリンダを自動で回転させるようになっている。
【0036】
流量調整機構6bは、水流入孔及び湯流入孔が設けられたシリンダをハウジング内で軸方向に移動させることにより、ハウジングに設けられた水供給路10及び湯供給路20と、水流入孔及び湯流入孔と、の連通量が変化するようになっている。これにより、水供給路10からの流量と湯供給路20からの流量との合計流量が変化して、混合水の流量調整が実現するようになっている。流量調整機構6bは、リモコン58の操作によって設定された流量に基づいてシリンダを自動で軸方向に移動させるようになっている。
【0037】
水供給路10は、ケース4内を上下方向に延びる中空円筒状の配管であり、その上流端が給水源に接続され、その下流端が湯水混合装置6に接続されている。水供給路10の管内には、1~40℃程度の温度の水が流れるようになっている。
【0038】
水側止水栓12は、ケース4外の上流側の水供給路10に配置され、市販の工具などによって閉弁又は開弁させることできるようになっている。
【0039】
水側電磁弁14は、水供給路10を流れる水を通水又は止水する弁体と、制御部40からの信号に基づいて弁体を電気により駆動させるモータと、を備えている。水側電磁弁14は、水側止水栓12より下流側のケース4内の水供給路10に設けられている。水側電磁弁14には、水に含まれているゴミや塵などを収集するフィルタ(図示せず)が設けられている。
【0040】
水温度センサ16は、水側電磁弁14より下流側のケース4内の水供給路10に設けられている。水温度センサ16は、水供給路10内の水の温度を検知して制御部40へ送信するようになっている。
【0041】
湯供給路20は、ケース4内を上下方向に延びる中空円筒状の配管であり、その上流端が給湯源に接続され、その下流端が湯水混合装置6に接続されている。湯供給路20の管内には、高温である55~65℃程度の温度の湯が流れるようになっている。
【0042】
湯側止水栓22は、ケース4外の上流側の湯供給路20に配置され、市販の工具などによって閉弁又は開弁させることできるようになっている。
【0043】
湯側電磁弁24は、湯供給路20を流れる湯を通水又は止水する弁体と、制御部40からの信号に基づいて弁体を電気により駆動させるモータと、を備えている。湯側電磁弁24は、水側止水栓12の下流側のケース4内の湯供給路20に設けられている。湯側電磁弁24には、湯に含まれているゴミや塵などを収集するフィルタ(図示せず)が設けられている。
【0044】
湯温度センサ26は、湯側電磁弁24より下流側のケース4内の湯供給路20に設けられている。湯温度センサ26は、湯供給路20内の湯の温度を検知して制御部40へ送信するようになっている。
【0045】
混合水供給路30は、ケース4内を上下方向に延びる円筒状の配管であり、その上流端が湯水混合装置6に接続され、その下流端が浴槽54に接続されている。混合水供給路30の管内には、リモコン58の操作によって設定された温度の混合水が流れるようになっている。混合水供給路30内には、混合水が逆流するのを防止するために逆流防止弁36が設けられている。
【0046】
混合水温度センサ32(温度検知手段)は、湯水混合装置6に隣接して配置され、ケース4内の混合水供給路30に設けられている。混合水温度センサ32は、混合水供給路30内の混合水の温度を、所定時間毎に検知して、制御部40へ送信するようになっている。
【0047】
監視温度センサ34は、混合水温度センサ32の下流側のケース4内の混合水供給路30に設けられている。混合水温度センサ32は、混合水温度センサ32が正常であるか否かを監視するために、混合水供給路30内の混合水の温度を、所定時間毎に検知して、制御部40へ送信するようになっている。
【0048】
制御部40は、水側電磁弁14、水温度センサ16、湯側電磁弁24、湯温度センサ26、湯水混合装置6、混合水温度センサ32、監視温度センサ34、リモコン58、及び電源56と接続されている。制御部40は、混合水温度センサ32によって検知された温度に基づいて、水側電磁弁14及び湯側電磁弁24へ開弁信号又は閉弁信号を送信して水側電磁弁14及び湯側電磁弁24を開閉させるようになっている。制御部40は、リモコン58の操作によって設定された温度と、混合水温度センサ32によって検知された温度に基づいて、混合水の温度を調整するために湯水混合装置6に信号を送信して湯水混合装置6(温度調整機構6a、流量調整機構6b)を作動させるようになっている。
【0049】
(本実施形態の特徴的な構成)
以上の通り、本実施形態の湯水供給装置2は、給水源に接続される水供給路10と、給水源から水供給路10への給水を制御する水側電磁弁14と、給湯源に接続される湯供給路20と、給湯源から湯供給路20への給湯を制御する湯側電磁弁24と、水供給路10から供給された水と湯供給路20から供給された湯とを混合して混合水として下流側へ供給する湯水混合装置6と、湯水混合装置6の下流側の混合水の温度を検知する混合水温度センサ32(温度検知手段)と、水側電磁弁14及び湯側電磁弁24を開閉させる制御部40と、を備えている。
【0050】
そして、本実施形態の湯水供給装置2の特徴として、制御部40が、混合水温度センサ32による検知温度が第1閾値以上の温度であると判定する場合、高温出湯防止制御として、水側電磁弁14を開弁させると共に湯側電磁弁24を閉弁させるようになっている。第1閾値は、好ましくは50~60℃の範囲内で設定される温度値、例えば55℃、である。
【0051】
また、本実施形態の湯水供給装置2の制御部40は、高温出湯防止制御中に、混合水温度センサ32による検知温度が第1閾値よりも低い第2閾値以下の温度であると判定する場合、水側電磁弁14を閉弁させるようになっている。第2閾値は、第1閾値より低い温度であり、好ましくは40~50℃の範囲内で設定される温度値、例えば45℃、である。
【0052】
また、本実施形態の湯水供給装置2の制御部40は、高温出湯防止制御中に水側電磁弁14が閉弁してから第1所定時間を経過する迄に、混合水温度センサ32による検知温度が第1閾値よりも低く第2閾値よりも高い第3閾値以上の温度であると判定する場合、水側電磁弁14を開弁させるようになっている。第1所定時間は、好ましくは5~30min(分)の範囲内で設定される時間、例えば10min、である。第3閾値は、第1閾値より低く第2閾値よりも高い温度であり、好ましくは45~55℃の範囲内で設定される温度値、例えば50℃、である。
【0053】
また、本実施形態の湯水供給装置2の制御部40は、高温出湯防止制御中に、湯供給路からの流量が水供給路からの流量よりも小さくなるように温度調整機構6aを制御するようになっている。
【0054】
また、本実施形態の湯水供給装置2の制御部40は、高温出湯防止制御中に、湯供給路及び水供給路からの合計流量が最大より小さくなるように流量調整機構6bを制御するようになっている。
【0055】
また、本実施形態の湯水供給装置2の制御部40は、高温出湯防止制御が開始されるとスピーカ(図示せず)による第1報知を実行させ、第1報知開始から第2所定時間が経過する迄に、混合水温度センサ32による検知温度が第1閾値未満の温度以下であると判定しない場合、スピーカ(図示せず)によって第2報知を実行させるようになっている。第2所定時間は、好ましくは1~20sec(秒)の範囲内で設定される時間、例えば10sec、である。
【0056】
また、本実施形態の湯水供給装置2の制御部40は、混合水温度センサ32及び監視温度センサ34によって検知された温度を所定時間毎に比較して、混合水温度センサ32が正常であるか否かを監視するようになっている。
【0057】
スピーカ(報知手段)は、例えばリモコン58に設けられ(図示せず)、制御部40からの信号に基づいて、音量や種類が異なる2つ以上の音を発生又は停止させることができるようになっている。
【0058】
(動作の一例)
次に、本発明の一実施形態による湯水供給装置2の動作の一例について説明する。図3は、本発明の一実施形態による湯水供給装置2の高温出湯防止制御の一例を示すフローチャートである。図3において、「S」は各ステップを示す。
【0059】
まず、図3を参照して、利用者によってリモコン58で吐水の操作がされると、リモコン58から操作信号が送信され、通常の吐水状態として混合水が吐出口30aから浴槽54へ吐水される(S1)。詳細には、制御部40が、通常の吐水動作として、リモコン58から操作信号を受信して、湯側電磁弁24及び水側電磁弁14を開弁させ、同時に、リモコン58で設定された所定温度及び混合水量になるように湯水混合装置6の温度調整機構6a及び流量調整機構6bを作動させる。
【0060】
その後、混合水温度センサ32の検知温度が第1閾値未満であると制御部40によって判定されている間は(S2:No)、通常の吐水状態が継続される(S1)。
【0061】
一方、例えば吐水中に水側電磁弁14や湯側電磁弁24や湯水混合装置6が故障などして、混合水温度センサ32の検知温度が第1閾値以上であると制御部40によって判定された場合(S2:Yes)、制御部40によって、リモコン58からの操作信号に基づく湯水混合装置6の温度調整の制御が停止されて(S3)、高温出湯防止制御が実行される(S4)。この場合、高温出湯防止制御として、制御部40によって水側電磁弁14を開弁させ、同時に、湯側電磁弁24を閉弁させる。これにより、湯側電磁弁24が作動可能な状態であれば閉弁され、且つ、水側電磁弁14が作動可能な状態であれば開弁が維持されて、湯水供給装置2から過度に高温の混合水が吐水され続けることを防止することができる。
【0062】
また、本実施形態では、高温出湯防止制御中に、湯水混合装置6が作動可能な状態であれば、制御部40によって湯水混合装置6の温度調整機構6aが制御される(S5)。具体的には、温度調整機構6aが、湯供給路20と湯流入孔との連通量が小さくなるように、且つ、水供給路10と水流入孔との連通量が大きくなるように制御される。これにより、高温出湯防止制御中において、湯供給路20からの流量が水供給路10からの流量よりも小さくされるため、湯水供給装置2から高温の混合水が吐水され続けることをより効果的に防止することができる。
【0063】
更に、本実施形態では、高温出湯防止制御中に、湯水混合装置6が作動可能な状態であれば、制御部40によって湯水混合装置6の流量調整機構6bが制御される(S6)。具体的に、流量調整機構6bが、水供給路10からの流量と湯供給路20からの流量との合計流量が最大より小さくなるように制御される。これにより、高温出湯防止制御中に、混合水の流量が小さくされるため、必要以上に水及び/又は湯が供給されることをより効果的に防止することができる。
【0064】
また、高温出湯防止制御の開始と同時に、利用者に対して過度に高温の湯が出ていることを警告するために、第1報知が実行される(S7)。制御部40は、第1報知としてスピーカ(図示せず)から音を発生させる。
【0065】
その後、混合水の温度が第2閾値の温度以下にならずに、制御部40によって高温出湯防止制御が開始されてから第2所定時間が経過したと判定された場合(S8:Yes)、利用者に対して過度に高温の湯が出続けていることを警告するために、第2報知が実行される(S9)。制御部40は、第2報知としてスピーカ(図示せず)から、例えば第1報知とは異なる音を発生させ、利用者によってリモコンが操作されても、例えば湯張り動作を実行させないようになっている。
【0066】
一方、高温出湯防止制御が開始されてから第2所定時間が経過する迄に(S8:No)、混合水温度センサ32の検知温度が制御部40によって第2閾値以下であると判定された場合(S10:Yes)、制御部40によって水側電磁弁14を閉弁させる(S11)。これにより、水側電磁弁14が閉弁されて混合水の吐水が止まり、止水状態となる(S12)。
【0067】
ここで、高温出湯防止制御により湯側電磁弁24へ閉弁信号が送信されていても、例えば湯側電磁弁24に故障などが生じていると湯側電磁弁24が完全に閉弁せず開弁されたままとなっているので、S11によって水側電磁弁14が閉弁すると湯側電磁弁24からの湯だけが流れて混合水の温度が再び上昇する。
【0068】
そこで、水側電磁弁14が閉弁されてから第1所定時間が経過する迄に(S13:No)、混合水温度センサ32の検知温度が制御部40によって第3閾値以上であると判定された場合(S14:Yes)、制御部40によって水側電磁弁14が開弁され、その後も水側電磁弁14の開弁が維持される(S15)。これにより、水側電磁弁14の開弁が維持され続け、吐出口30aから過度に高温の混合水が吐水されることが防止される。
【0069】
一方、混合水が第3閾値以上の温度にならずに、水側電磁弁14が閉弁されてから制御部40によって第1所定時間が経過したと判定された場合(S13:Yes)、高温出湯防止制御が終了される(S16)。
【0070】
次に、図4を参照して、本発明の一実施形態による湯水供給装置2における混合水の温度の経時的変化の一例を説明する。図4は、図3に示すフローチャートの制御内容に対応した混合水の温度の経時的変化を示している。「T」は各時間を示す。
【0071】
まず、T0で、利用者によって吐水の操作がされると、リモコン58の操作によって設定された温度になるように混合水の温度が上昇するが、例えば湯水混合装置6などが故障していると、混合水の温度が設定温度を超えて急上昇する。
【0072】
次に、T1で、混合水の温度が第1閾値以上になると(S2:Yes)、制御部40によって高温出湯防止制御が実行されて、湯側電磁弁24が閉弁すると共に、水側電磁弁14の開弁が維持される(S4)。また、制御部40は、温度調整機構6a及び流量調整機構6bを制御する(S5,S6)。これらにより、混合水の温度は、多少の時間遅れを伴うものの、低下に転じる。
【0073】
T2で、混合水の温度が第1閾値より小さい第2閾値以下になると(S10:Yes)、制御部40によって水側電磁弁14が閉止される(S11)。
【0074】
その後、例えば湯側電磁弁24が故障して完全に閉弁せずに開弁されたままとなっている場合、混合水の温度は、再び上昇に転じる。
【0075】
T3で、混合水の温度が第1閾値より小さく第2閾値より大きい第3の閾値になると(S14)、制御部40によって水側電磁弁14が再び開弁され、その後も水側電磁弁14の開弁が維持される(S15)。これにより、混合水の温度は、再び低下に転じる。
【0076】
(作用効果のまとめ)
以上説明したように、本発明の一実施形態の湯水供給装置2によれば、例えば湯側電磁弁24が故障等して湯側電磁弁24を通過する湯量が過大となった場合や、水側電磁弁14が故障等して水側電磁弁14を通過する水量が過小となった場合や、湯水混合装置6が故障等して温調機能が適切に機能しなくなった場合でも、第1閾値以上の温度が検知されたと判定されると(S2:Yes)、高温出湯防止制御として水側電磁弁14を開弁させ、且つ、湯側電磁弁24を閉弁させるため(S4)、湯側電磁弁24が作動可能な状態であれば閉弁され、且つ、水側電磁弁14が作動可能な状態であれば開弁が維持されて、湯水供給装置2から過度に高温の混合水が吐水され続けることを防止することができる。
【0077】
また、本発明の一実施形態の湯水供給装置2によれば、混合水が第2閾値以下の温度(例えば温めの安全な温度)になったと判定される場合(S10:Yes)、水側電磁弁14を閉じるため(S11)、必要以上に水が吐水されることを防止することができる。
【0078】
本発明の一実施形態の湯水供給装置2によれば、高温出湯防止制御中に水側電磁弁14が閉弁している間に、第1閾値よりも低い第3閾値以上の温度が検知されたと判定される場合に(S13)、水側電磁弁14を再度開けるようにしているため(S15)、依然として故障などが続いている場合において、過度に高温の湯が吐水されることをより効果的に(より早めに)防止できる。また、湯がごく少量だけ漏れるような湯側電磁弁24の故障を起こしている場合、水側電磁弁14を開弁させれば大量の水と少量の湯が混合して検知温度が低下し、水側電磁弁14を閉弁させれば少量の湯だけが流れて検知温度が徐々に上昇するような事態が考えられる。水側電磁弁14が閉弁した後に第3閾値以上の温度が検知された場合には、少量の湯漏れが起きているとみなして、水側電磁弁14の開弁を維持させておくことが安全上好ましい。
【0079】
また、本発明の一実施形態の湯水供給装置2によれば、高温出湯防止制御中に水側電磁弁14が閉弁してから第1所定時間を経過する迄に(S13:No)、第1閾値よりも低い第3閾値以上の温度が検知されたと判定される場合に(S14:Yes)、水側電磁弁14を再度開けるようにしているため(S15)、依然として故障などが続いている場合において、過度に高温の湯が吐水されることをより効果的に(より早めに)防止できる。高温出湯防止制御中に水側電磁弁14が閉弁してから第1所定時間を経過する迄に第1閾値よりも低い第3閾値以上の温度が検知されない場合には(S14:No,S13:Yes)、例えば高温出湯防止制御が終了される(S16)。
【0080】
本発明の一実施形態の湯水供給装置2によれば、高温出湯防止制御中において、湯水混合装置6が作動可能な状態であれば、湯水混合装置6の温度調整機構6aにより、湯供給路20からの流量が水供給路10からの流量よりも小さくなるように制御されるので、過度に高温の混合水が供給されることをより効果的に防止できる。
【0081】
また、本発明の一実施形態の湯水供給装置2によれば、高温出湯防止制御中において、湯水混合装置6が作動可能な状態であれば、湯水混合装置6の流量調整機構6bにより、湯供給路20及び水供給路10からの合計流量が最大より小さくなるように制御されるので、必要以上に水及び/又は湯が供給されることをより効果的に防止することができる。
【0082】
本発明の一実施形態の湯水供給装置2によれば、第1報知(S7)及び第2報知(S9)の2段階の報知を実行することにより、故障などが生じている状態をより的確にユーザに認識させることができる。
【0083】
次に、本一実施形態による湯水供給装置2の制御部40の制御の変形例について説明する。図5は、第1の変形例を示すフローチャートであり、図6は、第2の変形例を示すフローチャートであり、図7は、第3の変形例を示すフローチャートである。
【0084】
図5を参照して、第1の変形例においては、水側電磁弁14が閉弁(S11)されてからの経過時間に関係なく、混合水温度センサ32の検知温度が制御部40によって第3閾値以上であると判定された場合(S14:Yes)、制御部40によって水側電磁弁14が開弁され、その後も水側電磁弁14が開弁され続ける(S15)。一方、第3閾値以上の温度が検知されなかった場合(S14:No)、止水状態が継続される(S12)。
【0085】
図6を参照して、第2の変形例においては、水側電磁弁14が閉弁(S11)されてから第1所定時間が経過する迄に(S13:No)、混合水温度センサ32の検知温度が制御部40によって第3閾値以上であると判定された場合(S14:Yes)、制御部40によって再び高温出湯防止制御(S4)以後が繰り返される。一方、水側電磁弁14が閉弁(S11)されてから第1所定時間が経過する迄に第3閾値以上の温度が検知されずに、水側電磁弁14が閉弁されてから制御部40によって第1所定時間が経過したと判定された場合(S13:Yes)、高温出湯防止制御が終了される(S16)。
【0086】
図7を参照して、第3の変形例においては、水側電磁弁14が閉弁(S11)されてからの経過時間に関係なく、混合水温度センサ32の検知温度が制御部40によって第3閾値以上であると判定された場合(S14:Yes)、制御部40によって再び高温出湯防止制御(S4)以後が繰り返される。一方、第3閾値以上の温度が検知されなかった場合(S14:No)、止水状態が継続される(S12)。
【0087】
次に、図8は、本実施形態による湯水供給装置2の第4の変形例を示す概略図である。
【0088】
図8を参照して、第4の変形例による湯水供給装置2は、湯水供給系統を2つ備えている。具体的には、2つの湯水混合装置6,7と、湯水混合装置の上流側の2つの水供給路10,11及び湯供給路20,21と、湯水混合装置6,7の下流側の2つの混合水供給路30,31と、を備えている。
【0089】
また、図8を参照して、水供給路10,11内には、上流からゴミや塵を収集するフィルタ13、水側電磁弁14,15、水温度センサ16,17が各々設けられている。湯供給路20,21内には、上流からゴミや塵を収集するフィルタ23、湯側電磁弁24,25、湯温度センサ26,27が各々設けられている。混合水供給路30,31には、上流から混合水温度センサ32,33、監視温度センサ34,35が各々設けられている。
【0090】
湯供給路20,21は上流で合流しており、この合流した湯供給路28内に、上流から湯側止水栓22、ゴミや塵を収集する2つのフィルタ29が設けられている。同様に、水供給路10,11は上流で合流しており、この合流した水供給路18内に、上流から水側止水栓12、ゴミや塵を収集する2つのフィルタ19が設けられている。混合水供給路30,31は下流で合流しており、この合流した混合水供給路38に逆流防止弁36が設けられている。
【0091】
第4の変形例による湯水供給装置2よれば、湯水供給系統を2つ備えているので、湯水供給系統を1つしか備えていない場合と比べて、浴槽内へ混合水を早く溜めることができる。
【0092】
また、以上に説明した実施形態の制御部40は、高温出湯防止制御として、水側電磁弁を開弁させると共に湯側電磁弁を閉弁させるようになっているが、水側電磁弁が故障して作動不能な状態であれば、水側電磁弁へ開弁信号を送信しても意味がないし、同様に、湯側電磁弁が故障して作動不能な状態であれば、湯側電磁弁へ閉弁信号を送信しても意味がない。
【0093】
従って、例えば何らかの方法で水側電磁弁が故障して作動不能であることが認識されている状態においては、高温出湯防止制御として、水側電磁弁へ開弁信号を送信する機能を省略することができる。すなわち、少なくとも本願出願の時点では、高温出湯防止制御として、「水側電磁弁を開弁させると共に湯側電磁弁を閉弁させる」の代わりに「湯側電磁弁を閉弁させる」のみを要件とした態様も、本件発明の範囲内のものである。
【0094】
同様に、例えば何らかの方法で湯側電磁弁が故障して作動不能であることが認識されている状態においては、高温出湯防止制御として、湯側電磁弁へ閉弁信号を送信する機能を省略することができる。すなわち、少なくとも本願出願の時点では、高温出湯防止制御として、「水側電磁弁を開弁させると共に湯側電磁弁を閉弁させる」の代わりに「水側電磁弁を開弁させる」のみを要件とした態様も、本件発明の範囲内のものである。
【0095】
上述した実施形態では、本発明を浴槽に設けられる湯水供給装置に適用した場合の例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、シャワーやカランから吐水する浴室用の湯水供給装置や、キッチンや手洗い器、洗面化粧台に設けられる湯水供給装置に適用してもよい。キッチンや洗面所に設けられる湯水供給装置の場合は、意図的に高温を吐水させたい場合もあるため、本発明を適応する場合であっても、高温出湯防止制御を一時的に解除できる高温出湯モードを備えることが好ましい。
【符号の説明】
【0096】
2 湯水供給装置
6 湯水混合装置
6a 温度調整機構
6b 流量調整機構
10 水供給路
14 水側電磁弁
16 水温度センサ
20 湯供給路
24 湯側電磁弁
26 湯温度センサ
30 混合水供給路
32 混合水温度センサ
40 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8