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特開2023-95376情報提供装置およびアクセスポイント選定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095376
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】情報提供装置およびアクセスポイント選定方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/24 20090101AFI20230629BHJP
   H04W 36/08 20090101ALI20230629BHJP
   H04W 36/36 20090101ALI20230629BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20230629BHJP
【FI】
H04W36/24
H04W36/08
H04W36/36
H04W84/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211218
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】臼井 章郎
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH23
5K067JJ39
(57)【要約】      (修正有)
【課題】データ通信の目的に応じて適切なアクセスポイントを選定し、ユーザの意図しないアクセスポイントと接続したまま大容量のデータ通信が実行されることを防止することでユーザビリティをより向上させることができる方法および装置を提供する。
【解決手段】アクセスポイント200を経由して無線でデータ通信を行う情報提供装置100であって、アクセスポイント200毎にデータ通信の使用実績に関する情報が登録されたAP使用実績情報121を記憶する記憶部120と、所定目的のデータ通信を行う際、使用実績情報を用いて、1回の接続あたりの使用実績値がより多いアクセスポイント200を選定するAP選定部117と、接続中のアクセスポイント200と、選定されたアクセスポイント200とが異なる場合、選定されたアクセスポイント200に接続先を切り替えるAP接続部113と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスポイントを経由して無線でデータ通信を行う情報提供装置であって、
前記アクセスポイントごとにデータ通信の使用実績に関する情報が登録された使用実績情報を記憶する記憶部と、
所定目的の前記データ通信を行う際、前記使用実績情報を用いて、1回の接続あたりの使用実績値がより多い前記アクセスポイントを選定する選定部と、
接続中の前記アクセスポイントと、選定された前記アクセスポイントと、が異なる場合、選定された前記アクセスポイントに接続先を切り替える接続部と、を備える
ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供装置であって、
前記使用実績値は、1回の接続あたりの平均通信量である
ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報提供装置であって、
前記記憶部は、
前記データ通信の目的ごとに接続を許可するアクセスポイントをユーザが設定したユーザ設定情報をさらに記憶し、
前記選定部は、
前記ユーザ設定情報に基づいて、前記データ通信の目的に応じたアクセスポイントを選定する
ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報提供装置であって、
前記アクセスポイントごとに、前記データ通信の目的を示すアイコンを並べてタッチ操作を受付可能に表示した設定画面情報を生成する出力情報生成部と、
前記アイコンに対するタッチ操作を受け付ける入力受付部と、
前記タッチ操作に基づいて、前記アイコンに対応する前記データ通信の目的に使用する際の接続許可に関する設定を切り替えることで、前記ユーザ設定情報を更新する情報更新部と、をさらに備え、
前記選定部は、
前記ユーザ設定情報に基づき、前記データ通信の目的に応じて接続が許可されている前記アクセスポイントを選定する
ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報提供装置であって、
前記選定部は、
前記ユーザ設定情報を用いて選定した前記アクセスポイントが複数ある場合、当該複数のアクセスポイントの中から前記使用実績値がより多いアクセスポイントを選定する
ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項6】
請求項3~5のいずれか一項に記載の情報提供装置であって、
前記データ通信の目的は、ファームウェアのアップデートファイルのダウンロード、および、メディアコンテンツの再生である
ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項7】
請求項3~6のいずれか一項に記載の情報提供装置であって、
前記選定部は、
前記使用実績値がより多い前記アクセスポイントであっても、前記ユーザの設定に基づき当該アクセスポイントへの接続が許可されていない場合、当該アクセスポイントを前記切り替え後の接続先となるアクセスポイントには選定しない
ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項8】
アクセスポイントを経由して無線でデータ通信を行う情報提供装置のアクセスポイント選定方法であって、
前記情報提供装置は、
前記アクセスポイントごとにデータ通信の使用実績に関する情報が登録された使用実績情報を記憶する記憶ステップと、
所定目的の前記データ通信を行う際、前記使用実績情報を用いて、1回の接続あたりの使用実績値がより多い前記アクセスポイントを選定する選定ステップと、
接続中の前記アクセスポイントと、選定された前記アクセスポイントと、が異なる場合、選定された前記アクセスポイントに接続先を切り替える接続ステップと、を行う
ことを特徴とするアクセスポイント選定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置およびアクセスポイント選定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アクセスポイント選択方法に関し、「無線LANシステムの複数のアクセスポイントとの無線接続が可能なクライアント端末装置であって、前記アクセスポイントと無線通信を行う無線通信部と、前記アクセスポイントから該アクセスポイントの現在の無線接続の負荷率を取得する負荷率取得部と、前記アクセスポイントへの自端末装置の接続率を算出する接続率算出部と、前記無線通信部で受信した前記アクセスポイントからの無線信号の通信品質と、前記負荷率取得部が取得した前記負荷率と、前記接続率算出部が算出した前記接続率と、に基づき、前記アクセスポイントとの無線接続を選択制御する制御部とを有し、該制御部は、前記通信品質と前記負荷率と前記接続率と、を優先パラメータとしたとき、それぞれの積を第1の優先度とし、該第1の優先度に基づき、前記アクセスポイントとの接続を選択制御することを特徴とする」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5837690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車載器などの情報提供装置は、例えばWi-Fi(登録商標:Wireless Fidelity)といった無線通信規格により、車両に乗車しているユーザ所有のスマートフォンやモバイルルータ等のアクセスポイントに接続することで、インターネット上の外部装置との間で情報通信を行っている。従来の情報提供装置は、このようなアクセスポイントへの接続を試みる場合、例えば前回接続したアクセスポイントに優先的に接続しようとするため、ユーザが意図しないアクセスポイントに接続されてしまうという問題が生じる場合がある。
【0005】
なお、特許文献1には、アクセスポイントへの接続に関し、アクセスポイントの現在の負荷率と、自端末装置からアクセスポイントへの接続率と、アクセスポイントの通信品質と、に基づいて、各アクセスポイントに対する優先度を算出し、かかる優先度に基づいて接続先のアクセスポイントを選択する技術が開示されている。
【0006】
しかしながら、各々のアクセスポイントは、通信事業者との契約内容によって、通信速度、料金プランおよび通信量制限等の条件が異なる。そのため、特許文献1に記載の優先度に基づいてアクセスポイントを選択した場合、ユーザが意図しないアクセスポイントに接続したまま大容量のデータ通信が行われる可能性があり、その場合は高額な料金が発生したり、料金プランにおける通信量の上限を超過するような事態が生じる虞がある。
【0007】
そこで、本発明は、データ通信の目的に応じて適切なアクセスポイントを選定し、ユーザの意図しないアクセスポイントと接続したまま大容量のデータ通信が実行されることを防止することで、ユーザビリティをより向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記の課題を解決する本発明の一態様に係る情報提供装置は、アクセスポイントを経由して無線でデータ通信を行う情報提供装置であって、前記アクセスポイントごとにデータ通信の使用実績に関する情報が登録された使用実績情報を記憶する記憶部と、所定目的の前記データ通信を行う際、前記使用実績情報を用いて、1回の接続あたりの使用実績値がより多い前記アクセスポイントを選定する選定部と、接続中の前記アクセスポイントと、選定された前記アクセスポイントと、が異なる場合、選定された前記アクセスポイントに接続先を切り替える接続部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、データ通信の目的に応じて適切なアクセスポイントを選定し、ユーザの意図しないアクセスポイントと接続したまま大容量のデータ通信が実行されることを防止することで、ユーザビリティをより向上させることができる。
【0010】
なお、上記以外の課題、構成および効果等は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】情報提供装置の処理イメージの一例を示した図である。
図2】情報提供装置の概略構成の一例を示した図である。
図3】AP使用実績情報の一例を示した図である。
図4】第一実施形態に係るAP選定処理の一例を示したフロー図である。
図5】ユーザ設定情報の設定画面の一例を示した図である。
図6】第二実施形態に係るAP選定処理の一例を示したフロー図である。
図7】情報提供装置のハードウェア構成の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の各実施形態について図面を用いて説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る情報提供装置100の処理イメージの一例を示した図である。図示するように、情報提供装置100は、スマートフォン210やモバイルルータ220あるいは自宅のWi-Fiルータ(図示せず)といった所定のアクセスポイント200(以下では、APと表現する場合がある)との間でWi-Fiによる通信接続を行い、アクセスポイント200を介してインターネットやLAN(Local Area Network)などの通信ネットワーク上にあるサーバ等の各種デバイスとの間で無線で情報通信を行う。
【0014】
このようなアクセスポイント200について、情報提供装置100は、データ通信の目的に応じたより適切なアクセスポイント200を選定し、ユーザの意図しないアクセスポイント200と接続したまま大容量のデータ通信が実行されることを防止することでユーザビリティを向上させる。
【0015】
図2は、本実施形態に係る情報提供装置100の概略構成の一例を示した図である。情報提供装置100は、情報処理を実行することにより、種々の情報をユーザに提供する装置である。具体的には、情報提供装置100は、例えば地図情報や道路交通情報の表示、あるいは、出発地と目的地とを結ぶ推奨経路の探索や表示など、いわゆるナビゲーション機能を搭載したナビゲーション装置で実現することができる。
【0016】
なお、情報提供装置100は、例えば音楽や映像のストリーミングサービスを行っているメディアコンテンツを利用するためのアプリケーションプログラム(以下、アプリという場合がある)がインストールされたオーディオデバイスであっても良い。あるいは、情報提供装置100は、メディアコンテンツを利用するためのアプリを含む各種のアプリをインストールしたスマートフォンやタブレット端末であっても良い。また、情報提供装置100は、例えばパーソナルコンピュータや車両内においてインフォテイメントを提供する車載装置などの情報処理装置であっても良い。
【0017】
このような情報提供装置100は、図示するように、処理部110と、記憶部120と、通信部130と、を有している。
【0018】
処理部110は、情報提供装置100で実行される様々な情報処理を行う機能部である。具体的には、処理部110は、入力受付部111と、出力情報生成部112と、AP接続部113と、アップデートファイル確認部114と、アプリ実行部115と、データ通信制御部116と、AP選定部117と、情報更新部118と、を有している。
【0019】
入力受付部111は、情報提供装置100が備える入力装置(例えば、タッチパネル)を介して、ユーザからの指示や情報の入力を受け付ける機能部である。例えば、入力受付部111は、入力装置を介して、現在接続されているアクセスポイント200から、選定したアクセスポイント200に接続先を変更するか否か等の指示を受け付ける。また、入力受付部111は、データ通信の目的ごとに、接続を許可するアクセスポイント200に関するユーザ設定の入力を受け付ける。
【0020】
出力情報生成部112は、情報提供装置100から出力される各種の情報を生成する機能部である。具体的には、出力情報生成部112は、アクセスポイント200を変更するか否かの通知画面やユーザ設定時に用いられる設定画面の画面情報を生成し、情報提供装置100が備えるディスプレイなどの出力装置に出力する。なお、出力情報生成部112は、音声情報を生成し、情報提供装置100が備えるスピーカなどの音声出力装置に出力しても良い。
【0021】
AP接続部113は、情報提供装置100をアクセスポイント200に接続する機能部である。具体的には、AP接続部113は、情報提供装置100の起動とともに、記憶部120に格納されているアクセスポイント200への接続履歴情報(図示せず)を参照し、通信部130を介して、前回接続されていたアクセスポイント200との間にWi-Fiによるリンクを確立する(接続する)。また、AP接続部113は、現在接続されているアクセスポイント200とは異なるアクセスポイント200がAP選定部117により選定された場合、Wi-Fiによるリンク先(接続先)を選定されたアクセスポイント200に変更する(切り替える)。なお、AP接続部113は、通信部130を介して、情報提供装置100から通信可能範囲内(例えば、半径5m以内)にあるアクセスポイント200を検知する。
【0022】
アップデートファイル確認部114は、アップデートファイルの有無を確認する機能部である。例えば、アップデートファイル確認部114は、通常、ファイル容量が大きく、それに比例してダウンロードする際のデータ通信量も多くなる情報提供装置100のファームウェアやOS(Operating System)のOTA(Over The Air)アップデートに使用されるファイル(以下、OTAアップデートファイルまたはアップデートファイルという場合がある)の有無を確認する。
【0023】
具体的には、アップデートファイル確認部114は、現在接続されているアクセスポイント200を介して、外部装置(例えば、アップデートファイルの保有デバイス)に対して、アップデートファイルの有無を確認する。また、アップデートファイル確認部114は、アップデートファイルがあることを確認すると、データ通信制御部116にデータ通信(この場合、アップデートファイルのダウンロード)の開始要求を出力する。また、アップデートファイル確認部114は、データ通信制御部116からデータ通信の開始許可を取得すると、通信部130を介して、接続されているアクセスポイント200を経由したアップデートファイルのダウンロード(データ通信)を実行する。
【0024】
なお、アップデートファイル確認部114がその有無を確認するデータファイルはOTAアップデートファイルに限定されるものではなく、アップデートファイル確認部114は、例えば所定以上(例えば、500MB以上あるいは1.0GB以上)のデータ容量のデータファイルを対象として有無の確認およびダウンロードを行っても良い。
【0025】
アプリ実行部115は、記憶部120に格納されているアプリケーションプログラムを実行する機能部である。具体的には、アプリ実行部115は、例えば音楽や映像のストリーミングを行うメディアコンテンツの再生アプリを実行する。
【0026】
より具体的には、アプリ実行部115は、例えば音楽や映像のストリーミングを行う際に、データ通信制御部116にデータ通信(この場合、ストリーミングデータの取得)の開始要求を出力する。また、アプリ実行部115は、データ通信制御部116からデータ通信の開始許可を取得すると、通信部130を介して、接続されているアクセスポイント200を経由したストリーミングデータの取得(データ通信)を実行する。
【0027】
データ通信制御部116は、データ通信を制御する機能部である。具体的には、データ通信制御部116は、アップデートファイル確認部114あるいはアプリ実行部115からデータ通信の開始要求を受け付けると、AP選定部117に対して、より適切なアクセスポイント200の選定を行うように指示を出力する。また、データ通信制御部116は、接続先のアクセスポイント200がAP選定部117により選定されたアクセスポイント200に変更された場合または接続されているアクセスポイント200によるデータ通信の実行許可をユーザから受け付けた場合にデータ通信の開始許可を出力する。
【0028】
なお、データ通信制御部116は、これら以外の機能部(図示せず)から例えばウェブサイトの閲覧や比較的小さい容量(例えば、200MB未満)のデータファイルのダウンロード等を目的としたデータ通信の開始要求を受け付けても、AP選定部117に対するアクセスポイント200の選定指示を出力しない。
【0029】
AP選定部117は、データ通信の目的に応じて適切なアクセスポイント200を選定する機能部である。具体的には、AP選定部117は、AP使用実績情報121を用いてAP選定処理を実行することで、データ通信の目的に応じた適切なアクセスポイント200を選定する。なお、AP選定処理の詳細については後述する。
【0030】
情報更新部118は、記憶部120内の各種情報を更新する機能部である。具体的には、情報更新部118は、アクセスポイント200を介して情報提供装置100がデータ通信を行った場合、AP使用実績情報121に登録されている対応するアクセスポイント200の接続回数および累計通信量を更新する。また、情報更新部118は、入力受付部111を介してユーザ設定を受け付けると、アクセスポイント200ごとにデータ通信の目的に応じた接続の可否を登録したユーザ設定情報122を更新する。具体的には、情報更新部118は、入力受付部111を介してユーザから取得した設定に関する入力情報に基づきユーザ設定情報122を更新する。
【0031】
次に、情報提供装置100の記憶部120について説明する。記憶部120は、各種の情報を記憶する機能部である。具体的には、記憶部120は、AP使用実績情報121と、ユーザ設定情報122と、アプリ123と、を記憶している。
【0032】
図3は、AP使用実績情報121の一例を示した図である。AP使用実績情報121は、アクセスポイント200の過去の使用実績が登録されている情報である。具体的には、AP使用実績情報121は、アクセスポイント名121aと、使用可否121bと、接続回数121cと、累計通信量121dと、が対応付けられたレコードを有している。
【0033】
アクセスポイント名121aは、情報提供装置100が検知したアクセスポイント200すなわち情報提供装置100から通信可能範囲内(例えば、情報提供装置100が前述の車載装置であれば車内)に存在しているアクセスポイント200の名称を示す情報である。なお、アクセスポイント名121aは、例えばSSID(Service Set Identifier)である。また、周辺にあるアクセスポイント200は、例えばAP接続部113が通信部130を介して検知すれば良い。使用可否121bは、アクセスポイント名121aに対応するデバイスの使用可否を示す情報である。例えば、過去に接続されたことのあるアクセスポイント200すなわち接続の際に用いたパスワードを記憶しているアクセスポイント200については使用可否に「可」が登録され、未だ接続したことのないアクセスポイント200については「不可」が登録される。図3の例では、例えば「SmartPhone-AP01」は、情報提供装置100の周辺(例えば、車内)に存在するものの、過去に接続して使用したことがないアクセスポイント200であることを示している。一方で、例えば「SmartPhone-AP02」や「MobileRouter-AP03」は過去に接続して使用したアクセスポイント200であることを示している。また、接続回数121cは、アクセスポイント名121aに対応するデバイスへの過去の接続回数(使用回数)が登録されている。累計通信量121dは、アクセスポイント名121aに対応するデバイスを用いて行ったデータ通信の累計通信量を示す情報である。
【0034】
なお、AP使用実績情報121は、情報提供装置100によるデータ通信の実行に伴い情報更新部118により更新される。
【0035】
ユーザ設定情報122は、データ通信の目的に応じて接続を許可するアクセスポイント200をユーザが設定した情報である。なお、ユーザ設定情報122については、後述の第二実施形態で詳細に説明する。
【0036】
アプリ123は、例えば音楽や映像のストリーミング再生といったメディアコンテンツを利用するためのアプリ123である。
【0037】
通信部130は、外部装置とデータ通信を行うための機能部である。具体的には、通信部130は、アクセスポイント200を介して接続される外部装置(例えば、アップデートファイルの保有デバイス)からアップデートファイルを取得(ダウンロード)する。また、通信部130は、例えばアクセスポイント200を介して接続されるメディアコンテンツの配信サーバから音楽や映像のストリーミングデータを取得する。
【0038】
以上、情報提供装置100の概略構成の一例について説明した。
【0039】
<第一実施形態>
[動作の説明]
次に、第一実施形態に係るAP(アクセスポイント)選定処理について説明する。なお、AP選定処理は、データ通信の目的に応じてより適切なアクセスポイント200を選定するための処理である。
【0040】
図4は、AP選定処理の一例を示したフロー図である。AP選定処理は、データ通信制御部116がデータ通信の開始要求をアップデートファイル確認部114から受け付けると開始される。なお、現時点で情報提供装置100が接続されているアクセスポイント200は、例えば前回接続されていたアクセスポイント200である。
【0041】
処理が開始されると、データ通信制御部116は、アクセスポイント200の選定を行うようにAP選定部117に指示を出力する。AP選定部117は、AP使用実績情報121を用いて、より適切なアクセスポイント200を選定する(ステップS001)。具体的には、AP選定部117は、AP使用実績情報121に登録されている各アクセスポイント200の使用実績に基づいて、適切なアクセスポイント200を選定する。
【0042】
より具体的には、AP選定部117は、使用可否に「可」が登録されているアクセスポイント200のレコードを特定する。なお、図3の例では、レコードR2~R4が特定される。
【0043】
また、AP選定部117は、特定したレコードに対応する接続回数と、累計通信量と、に基づいて複合的に適切なアクセスポイント200を選定する。具体的には、AP選定部117は、各アクセスポイント200の接続回数と、累計通信量と、を用いて所定のルールに従った適切なアクセスポイント200を選定する。
【0044】
ここで、接続回数と、累計通信量と、を用いたアクセスポイント200の選定ルールについて説明する。一例として、AP選定部117は、接続回数1回あたりの平均通信量に基づいて適切なアクセスポイント200を選定する。例えば、AP使用実績情報121のレコードR3について、AP選定部117は、接続回数1回あたりの平均通信量を2.0GB/10回=200MBと算出する。同様に、レコードR4について、AP選定部117は、接続回数1回あたりの平均通信量を18.0GB/25回=720MBと算出する。
【0045】
また、AP選定部117は、接続回数1回あたりの平均通信量が最も多いアクセスポイント200を使用実績値がより大きいアクセスポイントであると判定し、より適切なアクセスポイント200に選定する。すなわち、この選定ルールでは、レコードR4に登録されている「Mobiloe Router-AP04」が適切なアクセスポイント200として選定される。このようにアクセスポイント200を選定したのは、過去の使用実績から、ユーザがそのアクセスポイント200を用いて比較的容量の大きいデータ通信を許容していると推定できるためである。
【0046】
なお、アクセスポイント200の選定ルールは、上記の例に限定されるものではなく、接続回数と累計通信量とを複合的に用いる方法であれば、どのようなルールを適用しても良い。
【0047】
次に、AP選定部117は、現在接続されているアクセスポイント200と、選定したアクセスポイント200とが異なるか否かを判定する(ステップS002)。具体的には、AP接続部113によって現在接続されているアクセスポイント名と、AP選定部117により選定されたアクセスポイント名と、を比較することで判定が行われる。
【0048】
そして、これらのアクセスポイント200が異なっていない、と判定した場合(ステップS002でNo)、AP選定部117は、処理をステップS006に移行する。一方で、これらのアクセスポイント200が異なっている、と判定した場合(ステップS002でYes)、AP選定部117は、処理をステップS003に移行する。
【0049】
ステップS003では、AP選定部117は、アクセスポイント200を変更するか否かを通知し、ユーザ指示を受け付ける。具体的には、AP選定部117は、出力情報生成部112を介して、例えば現在接続されているアクセスポイント名と、変更後のアクセスポイント名すなわちAP選定部117により選定されたアクセスポイント名と、アクセスポイント200を変更する理由(この場合、比較的大きな容量のデータ通信を行う、という理由)と、ユーザ指示を受け付けるための指示受付領域(例えば、「変更する」および「変更しない」の受付アイコンを表示した領域)と、を含む画面情報を生成し、表示装置(ディスプレイ)にポップアップ表示する。また、AP選定部117は、入力受付部111を介して、アクセスポイント200を変更するか否かのユーザ指示を受け付ける。
【0050】
次に、AP選定部117は、ユーザ指示がアクセスポイント200を変更する指示か否かを判定する(ステップS004)。具体的には、AP選定部117は、入力受付部111を介して取得したユーザ指示に基づき判定を行う。
【0051】
そして、ユーザ指示がアクセスポイント200を変更する指示ではないと判定した場合(ステップS004でNo)、AP選定部117は、処理をステップS008に移行する。一方で、かかる指示がアクセスポイント200を変更する指示と判定した場合(ステップS004でYes)、AP選定部117は、処理をステップS005に移行する。
【0052】
ステップS005では、AP選定部117は、AP接続部113を介して、現在接続されているアクセスポイント200からステップS001で選定したアクセスポイント200に接続先を変更する(切り替える)。
【0053】
また、次に、データ通信制御部116は、データ通信を実行する(ステップS006)。具体的には、データ通信制御部116は、アップデートファイル確認部114に対してデータ通信の開始許可を出力する。また、アップデートファイル確認部114は、かかる許可を取得すると、例えばOTAアップデートファイルをダウンロードするデータ通信を開始する。
【0054】
また、次に、情報更新部118は、AP使用実績情報121を更新する(ステップS007)。具体的には、情報更新部118は、変更された接続先のアクセスポイント200に関する接続回数および累計通信量を更新し、本フローを終了する。
【0055】
なお、ステップS004において、ユーザ指示がアクセスポイント200を変更する指示ではないと判定された場合(ステップS004でNo)に移行するステップS008では、AP選定部117は、現在接続されているアクセスポイント200によるデータ通信の実行可否をユーザに確認する。具体的には、AP選定部117は、出力情報生成部112を介して、例えば現在接続されているアクセスポイント名と、当該アクセスポイント200を経由したデータ通信の実行可否を確認するメッセージと、ユーザ指示を受け付けるための指示受付領域(例えば、「実行する」および「実行しない」の受付アイコンを表示した領域)と、を含む画面情報を生成し、表示装置(ディスプレイ)にポップアップ表示する。また、AP選定部117は、入力受付部111を介して、ユーザ指示を受け付ける。
【0056】
次に、AP選定部117は、ユーザ指示がデータ通信の実行指示か否かを判定する(ステップS009)。具体的には、AP選定部117は、入力受付部111を介して取得したユーザ指示に基づき判定を行う。
【0057】
そして、ユーザ指示がデータ通信の実行指示ではないと判定した場合(ステップS009でNo)、AP選定部117は、本フローを終了する。一方で、かかる指示がデータ通信の実行指示と判定した場合(ステップS009でYes)、AP選定部117は、処理をステップS006に移行する。なお、この場合(ステップS009を経由して実行されるステップS006の処理)は、現在接続されているアクセスポイント200を使用したデータ通信が実行される(ステップS006)。
【0058】
以上、第一実施形態に係る情報提供装置100について説明した。このような情報提供装置100によれば、データ通信の目的に応じて適切なアクセスポイントを選定し、ユーザの意図しないアクセスポイントと接続したまま大容量のデータ通信が実行されることを防止することで、ユーザビリティをより向上させることができる。特に、情報提供装置100は、例えばOTAアップデートファイルのダウンロードといった比較的大容量のデータ通信を目的とする場合、過去の使用実績に基づいて、ユーザが比較的容量の大きいデータ通信を許容していると推定できるアクセスポイントをより適切なアクセスポイントとして選定するため、ユーザビリティを向上させることができる。
【0059】
また、情報提供装置100によれば、現在接続されているアクセスポイントからデータ通信の目的に応じて選定したアクセスポイントに接続先を変更するか否かをユーザに確認し、ユーザからの指示を受け付けるようにしている。これにより、ユーザは、意図しないアクセスポイントに変更されてしまうという不安感がなくなり、安心して情報提供装置100によるデータ通信を行うことができる。
【0060】
<第二実施形態>
第二実施形態に係る情報提供装置100は、ユーザ設定情報122が存在する場合、ユーザ設定情報122を用いてデータ通信の目的に応じたアクセスポイント200を選定する。なお、以下では、ユーザ設定情報122およびユーザ設定情報122を用いてアクセスポイント200を選定する処理の詳細について説明する。
【0061】
図5は、ユーザ設定情報122の設定画面300の一例を示した図である。ユーザ設定情報122は、前述の通り、データ通信の目的に応じて接続可能なアクセスポイント200についてユーザが設定した情報であり、ユーザはかかる設定画面300を介して設定を行う。
【0062】
図示するように、設定画面300には、アクセスポイントリスト310~313が表示されている。これらのアクセスポイントリスト310~313には、AP使用実績情報121と同様、情報提供装置100が検知したアクセスポイント200すなわち情報提供装置100から通信可能範囲内(例えば、情報提供装置100が前述の車載装置であれば車内)に存在しているアクセスポイント200の名称と、ユーザがかかるアクセスポイント200への接続を許可するデータ通信の目的を示すアイコンと、が含まれている。また、過去に接続したことのないアクセスポイント200(例えば、アクセスポイントリスト310)については、図示するように、操作を受け付けないことを示すグレーアウト表示となっている。
【0063】
なお、データ通信の目的には、メディアコンテンツの再生と、大容量ファイル(例えば、OTAアップデートファイル)のダウンロードと、がある。メディアコンテンツの再生を目的としたデータ通信とは、例えば音楽や映像のストリーミングサービスを提供するメディアコンテンツの配信サーバからストリーミングデータを取得することである。なお、アップデートファイルなど大容量ファイルのダウンロードについては既述のため、詳細な説明は省略する。
【0064】
アクセスポイントリスト310~313のアイコンは、このようなデータ通信の目的を簡略化した絵柄により示している。具体的には、アイコン350は、メディアコンテンツの再生というデータ通信の目的を示している。また、アイコン351は、大容量ファイルのダウンロードというデータ通信の目的を示している。
【0065】
ユーザは、入力装置(例えば、タッチパネル)を介してアイコンをタッチ操作することで、アクセスポイント200ごとに接続を許可する際のデータ通信の目的を設定する。具体的には、入力受付部111は、入力装置を介してアイコンへのタッチを受け付けると、かかるアイコンに対応するデータ通信の目的の設定をON状態またはOFF状態にする。例えば、入力受付部111は、OFF状態の際にアイコン350、351へのタッチ操作を受け付けると、かかるアイコンに対応するデータ通信の目的の設定をON状態にする。
【0066】
なお、設定がON状態になると、かかる設定のアイコンに対応するアクセスポイント200をそのデータ通信の目的に使用する際の接続が許可されたことになる。例えば、SmartPhone-AP02に対応付けられたアイコン350へのタッチ操作により、かかるアイコンに対応する設定がON状態になると、SmartPhone-AP02をメディアコンテンツの再生を目的としたデータ通信に使用する際の接続が許可されている状態となる。
【0067】
また、設定画面300を介して、メディアコンテンツの再生に関する設定と、大容量ファイルのダウンロードに関する設定と、の両方がOFF状態に設定された場合、情報更新部118は、AP使用実績情報121の対応するアクセスポイント200が登録されているレコードの使用可否に「不可」を登録して情報を更新する。
【0068】
なお、図示する設定画面300は、出力情報生成部112により生成され、出力装置420(ディスプレイ)に表示される。また、出力情報生成部112は、設定がON状態のアイコンについては濃い濃度で表示し、設定がOFF状態のアイコンについては薄い濃度で表示する画面情報を生成して表示する。例えば、図示する設定画面300におけるアクセスポイント200「SmartPhone-AP02」の設定状態は、メディアコンテンツの再生を目的としたデータ通信の際の接続が許可され、大容量ファイルのダウンロードを目的としたデータ通信の際の接続は許可されていないことを示している。
【0069】
このような設定画面300を介して設定されたユーザ設定情報122は、情報更新部118により更新され、記憶部120に格納される。
【0070】
[動作の説明]
次に、第二実施形態に係るAP(アクセスポイント)選定処理について説明する。
【0071】
図6は、AP選定処理の一例を示したフロー図である。AP選定処理は、データ通信制御部116がデータ通信の開始要求をアップデートファイル確認部114またはアプリ実行部115から受け付けると開始される。なお、現時点で情報提供装置100が接続されているアクセスポイント200は、例えば前回接続されていたアクセスポイント200である。
【0072】
かかる処理が開始されると、AP選定部117は、アクセスポイント200の接続先に関するユーザ設定情報122があるか否かを判定する(ステップS021)。具体的には、AP選定部117は、記憶部120内にユーザ設定情報122が格納されているか否かを判定する。
【0073】
そして、ユーザ設定情報122がないと判定した場合(ステップS021でNo)、AP選定部117は、処理をステップS001(図4参照)へ移行する。この場合、第一実施形態で説明したように、AP選定部117は、AP使用実績情報121を用いた適切なアクセスポイント200の選定、および、それに続く処理を実行する(ステップS002~ステップS007またはステップS002~ステップS004およびステップS008~ステップS009)。
【0074】
一方で、ユーザ設定情報122があると判定した場合(ステップS021でYes)、AP選定部117は、処理をステップS022に移行する。
【0075】
ステップS022では、AP選定部117は、データ通信の目的を特定する。具体的には、AP選定部117は、アップデートファイル確認部114またはアプリ実行部115のどちらからデータ通信制御部116がデータ通信の開始要求を受け付けたのか、に基づいてデータ通信の目的を特定する。より具体的には、AP選定部117は、データ通信制御部116がアップデートファイル確認部114からデータ通信の開始要求を受け付けた場合、データ通信の目的がOTAアップデートファイルのような大容量ファイルのダウンロードであることを特定する。また、AP選定部117は、データ通信制御部116がアプリ実行部115からデータ通信の開始要求を受け付けた場合、データ通信の目的がメディアコンテンツの再生であることを特定する。
【0076】
次に、AP選定部117は、特定した目的のデータ通信を行う際の接続が許可されているアクセスポイント200をユーザ設定情報122から選定する(ステップS023)。例えば、特定されたデータ通信の目的がメディアコンテンツの再生であって、図5に示すユーザ設定情報122が記憶部120内に格納されている場合、AP選定部117は、「SmartPhone-AP02」、「MobileRouter-AP03」および「MobileRouter-AP04」を選定する。
【0077】
次に、AP選定部117は、選定したアクセスポイント200が複数あるか否かを判定する(ステップS024)。そして、複数ないと判定した場合(ステップS024でNo)、AP選定部117は、処理をステップS002(図4参照)へ移行する。この場合、第一実施形態で説明したように、AP選定部117は、現在接続されているアクセスポイント200と、ステップS023で選定したアクセスポイント200と、が異なるか否かを判定し(ステップS002)、それに続く処理を実行する(ステップS003~ステップS007またはステップS003~ステップS004およびステップS008~ステップS009)。
【0078】
一方で、選定したアクセスポイント200が複数あると判定した場合(ステップS024でYes)、AP選定部117は、処理をステップS025に移行する。
【0079】
ステップS025では、AP選定部117は、AP使用実績情報121を用いて、より適切なアクセスポイント200を選定する。具体的には、AP選定部117は、AP使用実績情報121を用いて、ステップS023で選定した複数のアクセスポイント200の中からより適切なアクセスポイント200を選定する。なお、適切なアクセスポイント200の選定は、第一実施形態の場合(接続回数と累計通信量とを用いて所定のルールに従って選定する方法)と同様のため、詳細な説明は省略する。
【0080】
そして、AP選定部117は、より適切なアクセスポイント200を選定すると、処理をステップS002(図4参照)へ移行する。この場合、第一実施形態で説明したように、AP選定部117は、現在接続されているアクセスポイント200と、ステップS025で選定したアクセスポイント200と、が異なるか否かを判定し(ステップS002)、それに続く処理を実行する(ステップS003~ステップS007またはステップS003~ステップS004およびステップS008~ステップS009)。
【0081】
以上、第二実施形態に係る情報提供装置100について説明した。このような情報提供装置100によれば、データ通信の目的に応じて適切なアクセスポイントを選定し、ユーザの意図しないアクセスポイントと接続したまま大容量のデータ通信が実行されることを防止することで、ユーザビリティをより向上させることができる。
【0082】
特に、情報提供装置100は、ユーザ設定情報に基づいて適切なアクセスポイントを選定する。ユーザは、データ通信の目的に応じて接続を許可するアクセスポイントを自身で設定することができる。また、ユーザは、OTAアップデートファイル等の大容量ファイルのダウンロードに関する場合だけではなく、大容量ファイルのダウンロードに比べてデータ通信量は少ないが、例えばウェブサイトの閲覧等に比べて比較的データ通信量が大きいメディアコンテンツの再生を目的としたデータ通信の場合についても、接続を許可するアクセスポイントを設定することができる。
【0083】
これにより、ユーザは、比較的利用頻度が高い一方で、経時的にデータ通信量が大きくメディアコンテンツの再生を目的としたデータ通信についても、接続先のアクセスポイントを自身で設定することができる。その結果、ユーザは、接続先のアクセスポイントにおける通信量を気にすることなく、安心して情報提供装置によるデータ通信を行うことができる。
【0084】
さらに、情報提供装置100によれば、選定されたアクセスポイントが複数ある場合、そのデータ通信の目的に対してどのアクセスポイントに接続するか、を過去の使用実績に基づいて選定するため、よりユーザビリティを向上させることができる。
【0085】
<変形例>
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が可能である。例えば、前述の実施形態では、選定したアクセスポイント200が複数ある場合には、AP使用実績情報121を用いて所定のルールに従ったより適切なアクセスポイント200を選定したが、本発明はこれに限られない。例えば、AP選定部117は、出力情報生成部112を介して、複数あるアクセスポイント200の候補を選択可能に表示し、AP接続部113を介して、ユーザが選択したアクセスポイント200に接続するようにしても良い。
【0086】
このようにすれば、ユーザは、提示されたアクセスポイント200の候補の中から自身の意図するアクセスポイント200を選択することができる。
【0087】
また、第二実施形態では、アイコンに対応するデータ通信の目的が両方ともOFF状態になった場合にAP使用実績情報121の対応するアクセスポイント200の使用可否も「不可」となることを説明したが、本発明はこれに限られない。
【0088】
例えば、AP使用実績情報121の使用可否は、データ通信の目的ごとに「可」または「不可」が登録されるようにしても良い。また、この場合、第二実施形態の設定画面からメディアコンテンツの再生に関する設定および大容量ファイルのダウンロードに関する設定に連動して、AP使用実績情報121の対応するアクセスポイント200の使用可否も「可」(ON状態に連動)または「不可」(OFF状態に連動)が登録されるようにしても良い。
【0089】
このようにすれば、ユーザ設定情報に基づいて選定したアクセスポイントが複数ある場合の処理に用いられるAP使用実績情報においても、データ通信の目的に応じた接続可否をより細かく設定することができる。
【0090】
次に、情報提供装置100のハードウェア構成について説明する。
【0091】
図7は、情報提供装置100のハードウェア構成の一例を示した図である。図示するように、情報提供装置100は、入力装置410と、出力装置420と、処理装置430と、主記憶装置440と、補助記憶装置450と、通信装置460と、これらの各装置を電気的に接続するバス470と、を有している。
【0092】
入力装置410は、ユーザが情報提供装置100に情報や指示を入力するための装置である。入力装置410には、情報提供装置100を実現する装置の種類に応じて、タッチパネルあるいはキーボード、マウスおよびテンキーなどのポインティングデバイスやマイクロフォンのような音声入力装置などがある。
【0093】
出力装置420は、情報提供装置100により生成された情報や外部装置から取得した情報を出力(表示)する装置である。出力装置420には、例えばディスプレイやスピーカなどがある。
【0094】
処理装置430は、例えば演算処理を行うCPU(Central Prosessing Unit)である。主記憶装置440は、読み出した各種情報を一時的に格納するRAM(Random Access Memory)やCPUで実行されるプログラムやアプリ123などを格納するROM(Read Only Memory)などのメモリ装置である。補助記憶装置450は、デジタル情報を記憶可能なHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。
【0095】
通信装置460は、アクセスポイント200との間でWi-Fiによるリンクを確立し、アクセスポイント200を介してネットワーク上の機器と情報通信を行う装置である。また、バス470は、これらの装置を相互通信可能に接続する通信線である。
【0096】
以上、情報提供装置100のハードウェア構成について説明した。
【0097】
なお、情報提供装置100の処理部110は、処理装置430のCPUに処理を行わせるプログラムによって実現される。これらのプログラムは、例えば主記憶装置440あるいは補助記憶装置450に格納されており、実行にあたって主記憶装置440上にロードされ、CPUにより実行される。また、記憶部120は、主記憶装置440あるいは補助記憶装置450によって実現されても良く、これらの組み合わせによって実現されても良い。また、通信部130は、通信装置460によって実現される。
【0098】
なお、情報提供装置100の各機能ブロックは、本実施形態において実現される各機能を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。したがって、各機能の分類の仕方やその名称によって、本発明が制限されることはない。また、情報提供装置100の各構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0099】
また、各機能部の全部または一部は、コンピュータに実装されるハードウェア(ASICといった集積回路など)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0100】
また、本発明は、上記の実施形態や変形例などに限られるものではなく、これら以外にも様々な実施形態および変形例が含まれる。例えば、上記の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態や変形例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0101】
100・・・情報提供装置、110・・・処理部、111・・・入力受付部、112・・・出力情報生成部、113・・・AP接続部、114・・・アップデートファイル確認部、115・・・アプリ実行部、116・・・データ通信制御部、117・・・AP選定部、118・・・情報更新部、120・・・記憶部、121・・・AP使用実績情報、122・・・ユーザ設定情報、123・・・アプリ、130・・・通信部、200・・・アクセスポイント、210・・・スマートフォン、220・・・モバイルルータ、410・・・入力装置、420・・・出力装置、430・・・処理装置、440・・・主記憶装置、450・・・補助記憶装置、460・・・通信装置、470・・・バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7