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特開2023-95406情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095406
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/70 20170101AFI20230629BHJP
   G06T 5/50 20060101ALI20230629BHJP
   B66C 13/00 20060101ALI20230629BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
G06T7/70 A
G06T5/50
B66C13/00 D
H04N7/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211276
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】514274487
【氏名又は名称】リコーインダストリアルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】岸和田 潤
(72)【発明者】
【氏名】安田 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】天野 聖也
(72)【発明者】
【氏名】酒匂 史子
【テーマコード(参考)】
5B057
5C054
5L096
【Fターム(参考)】
5B057AA19
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA13
5B057CA16
5B057CB01
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CE08
5B057CE14
5B057DA07
5B057DA12
5B057DA16
5B057DB02
5B057DB09
5B057DC03
5B057DC33
5B057DC40
5C054CE00
5C054FC12
5C054FE12
5C054HA18
5L096AA02
5L096AA06
5L096AA09
5L096BA02
5L096CA04
5L096DA01
5L096FA16
5L096FA66
5L096FA67
5L096FA69
5L096GA51
5L096JA09
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】対象物と基準位置の位置関係を容易に識別すること。
【解決手段】情報処理装置の一例である処理装置は、撮影画像に基づき、撮影画像に含まれる対象物の位置を示す識別画像を生成する画像生成手段の一例である画像生成部を備え、画像生成部は、対象物の基準位置からの距離に応じて、識別画像を生成するか否かを決定、または識別画像を表示させるときの表示形態を変更する。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影画像に基づき、前記撮影画像に含まれる対象物の位置を示す識別画像を生成する画像生成手段を備え、
前記画像生成手段は、前記対象物の基準位置からの距離に応じて、前記識別画像を生成するか否かを決定、または前記識別画像を表示させるときの表示形態を変更する情報処理装置。
【請求項2】
前記対象物が人であり、前記基準位置が荷物を吊るしたクレーンのフックまたは前記フックにより吊るされた荷物の位置である請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記対象物が荷物であり、前記基準位置がクレーンのフックの位置である請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記対象物がクレーンのフックにより吊るされた荷物であり、前記基準位置が前記フックにより吊るされる前の前記荷物の位置である請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記画像生成手段は、前記対象物の前記基準位置からの距離、および前記基準位置の第2の基準位置からの距離に応じて異なる表示形態となるように、前記識別画像を生成する請求項1~4の何れか記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記対象物が人であり、前記基準位置がクレーンのフックにより吊るされた荷物の位置であり、前記第2の基準位置が前記フックにより吊るされる前の前記荷物の位置である請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記撮影画像と、前記識別画像を含む表示画像を表示部に表示させる表示制御手段を備えた請求項1~6の何れか記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記情報処理装置と通信可能な通信端末に対して、前記撮影画像と前記識別画像を送信する送信手段を備えた請求項1~7の何れか記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な通信端末を備えた情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
撮影画像に基づき、前記撮影画像に含まれる対象物の位置を示す識別画像を生成する画像生成手段と、
前記通信端末に対して、前記撮影画像と前記識別画像を送信する送信手段と、を備え、
前記画像生成手段は、前記対象物の基準位置からの距離に応じて、前記識別画像を生成するか否かを決定、または前記識別画像を表示させるときの表示形態を変更し、
前記通信端末は、
前記撮影画像と前記識別画像を受信する受信手段と、
前記撮影画像と前記識別画像を含む表示画像を表示部に表示させる表示制御手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項10】
情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な仲介装置と、前記仲介装置と通信可能な通信端末を備えた情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
撮影画像に基づき、前記撮影画像に含まれる対象物の位置を示す識別画像を生成する画像生成手段と、
前記仲介装置に対して、前記撮影画像と前記識別画像を送信する送信手段と、を備え、
前記画像生成手段は、前記対象物の基準位置からの距離に応じて、前記識別画像を生成するか否かを決定、または前記識別画像を表示させるときの表示形態を変更し、
前記仲介装置は、
前記撮影画像と前記識別画像を受信する受信手段と、
前記通信端末に対して、前記撮影画像と前記識別画像を含む合成画像を送信する送信手段と、を備え、
前記通信端末は、
前記合成画像を受信する受信手段と、
前記合成画像を表示部に表示させる表示制御手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項11】
撮影画像に基づき、前記撮影画像に含まれる対象物の位置を示す識別画像を生成する画像生成ステップを備え、
前記画像生成ステップは、前記対象物の基準位置からの距離に応じて、前記識別画像を生成するか否かを決定、または前記識別画像を表示させるときの表示形態を変更する処理を含む情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、請求項11記載の情報処理方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、クレーンのフックが移動可能な空間から少なくとも水平方向に離れて配置され、空間を少なくとも水平方向に向かって撮影するカメラと、カメラにより生成された画像に含まれる、フックに吊られた吊り荷、及び人を識別する識別部と、画像で識別された吊り荷と人との位置関係に基づいて、危険状態であるか否かを判定する判定部と、危険状態であると判定された場合に、警報を出力する警報出力部と、を備えるクレーン作業監視システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020―093890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、対象物と基準位置の位置関係を容易に識別することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る情報処理装置は、撮影画像に基づき、前記撮影画像に含まれる対象物の位置を示す識別画像を生成する画像生成手段を備え、前記画像生成手段は、前記対象物の基準位置からの距離に応じて、前記識別画像を生成するか否かを決定、または前記識別画像を表示させるときの表示形態を変更する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、対象物が基準位置の位置関係を容易に識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る通信システムの全体構成図である。
図2】本実施形態に係る処理装置、管理サーバのハードウエア構成図である。
図3】本実施形態に係るデータ取得装置のハードウエア構成図である。
図4】本実施形態に係る通信システムの機能ブロック図である。
図5】本実施形態に係る教師データ管理テーブルの一例を示す概念図である。
図6】本実施形態に係る処理の一例を示すシーケンス図である。
図7】本実施形態に係る作業判定処理の一例を示すフローチャートである。
図8】本実施形態に係る画像生成処理の一例を示すフローチャートである。
図9】本実施形態に係る画像生成処理の第二の例を示すフローチャートである。
図10】本実施形態に係る画像生成処理の第三の例を示すフローチャートである。
図11】本実施形態に係る画像生成処理の第四の例を示すフローチャートである。
図12】本実施形態に係る作業前と判定された状態を示す表示画像の説明図である。
図13】本実施形態に係る作業中と判定された状態を示す表示画像の説明図である。
図14】本実施形態に係る地切り中と判定された状態を示す表示画像の説明図である。
図15】本実施形態に係る吊り荷中と判定された状態を示す表示画像の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの一例である通信システムの全体構成図である。本実施形態の通信システム1は、データ取得装置9、通信端末10、情報処理装置の一例である処理装置30、及び通信端末、仲介装置の一例である管理サーバ50によって構築されている。
【0009】
データ取得装置9、通信端末10、処理装置30、及び管理サーバ50は、通信ネットワーク100を介して通信することができる。通信ネットワーク100は、インターネット、移動体通信網、LAN(LocalAreaNetwork)等によって構築されている。通信ネットワーク100には、有線通信だけでなく、3G(3rdGeneration)、WiMAX(WorldwideInteroperabilityforMicrowaveAccess)、LTE(LongTermEvolution)等の無線通信によるネットワークが含まれてもよい。
【0010】
データ取得装置9と処理装置30は、クレーン210の作業現場に設けられており、それぞれクレーン210と一体で構成されていてもよい。現場のオペレータは、処理装置30により、現場の作業内容を確認することができる。また、遠隔地の管理者は、通信端末10により、現場の作業内容を確認することができる。
【0011】
データ取得装置9は、撮影装置7、および距離センサ8を備える。撮影装置7は、クレーン210に設けられ、クレーン210のフック221、荷物P、およびその周辺の物体や人等の被写体を撮影して撮影画像を取得する。距離センサ8は、クレーン210に設けられ、撮影装置7によって撮影された被写体との距離を計測して、距離情報を取得する。
【0012】
撮影装置7は、タイムラプス画像や動画を取得してもよく、その場合、距離センサ8は、撮影装置7のフレームレートに同期して、距離情報を取得する。
【0013】
距離センサ8は、ToFセンサ(Time of Flight)であり、光源から物体にレーザ光を照射し、その散乱や反射光を計測することにより、光源から物体までの距離を測定する。
【0014】
具体的には、距離センサ8は、LiDAR(Light Detection and Ranging)センサである。LiDARとは、パルスを用いて光飛行時間を測定する方式であるが、ToFセンサのその他の方式として、位相差検出方式で距離を計測してもよい。位相差検出方式では、基本周波数で振幅変調したレーザ光を計測範囲に照射し、その反射光を受光して照射光と反射光との位相差を測定することで時間を求め、その時間に光速をかけて距離を算出する。
【0015】
なお、データ取得装置9は、撮影装置7と距離センサ8に代えてステレオカメラを備え、ステレオカメラにより撮影画像および距離情報を取得しても良い。
【0016】
<ハードウエア構成>
図2は、本実施形態に係る処理装置、管理サーバのハードウエア構成図である。処理装置30の各ハードウエア構成は、300番台の符号で示されている。管理サーバ50の各ハードウエア構成は、括弧内の500番台の符号で示されている。また、通信端末10も、処理装置30、管理サーバ50と同様のハードウエア構成を備えているが、説明は省略する。
【0017】
処理装置30は、CPU(CentralProcessingUnit)301、ROM(ReadOnlyMemory)302、RAM(RandomAccessMemory)303、HD(HardDisk)304、HDD(HardDiskDrive)305、記録メディア306、メディアI/F307、ディスプレイ308、ネットワークI/F309、キーボード311、マウス312、CD-RW(CompactDisc-ReWritable)ドライブ314、及び、バスライン310を備えている。
【0018】
これらのうち、CPU301は、処理装置30全体の動作を制御する。ROM302は、CPU301の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。HD304は、プログラム等の各種データを記憶する。HDD305は、CPU301の制御にしたがってHD304に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。メディアI/F307は、フラッシュメモリ等の記録メディア306に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。ディスプレイ308は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。ネットワークI/F309は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。キーボード311は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。マウス312は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。CD-RWドライブ314は、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD-RW313に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0019】
また、管理サーバ50は、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD505、記録メディア506、メディアI/F507、ディスプレイ508、ネットワークI/F509、キーボード511、マウス512、CD-RWドライブ514、及び、バスライン510を備えている。これらは、それぞれ上述の構成(CPU301、ROM302、RAM303、HD304、HDD305、記録メディア306、メディアI/F307、ディスプレイ308、ネットワークI/F309、キーボード311、マウス312、CD-RWドライブ314、及び、バスライン310)と同様の構成であるため、これらの説明を省略する。
【0020】
なお、CD-RWドライブ314(514)ではなく、CD-Rドライブ等であってもよい。また、処理装置30、及び管理サーバ50は、それぞれ単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能、手段、又は記憶部)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。
【0021】
○データ取得装置のハードウエア構成○
図3は、データ取得装置のハードウエア構成の一例を示す図である。データ取得装置9は、図1に示されているような撮影装置7およびセンサ装置8とともに、データ取得装置9の処理または動作を制御するコントローラ900を備える。
【0022】
コントローラ900は、撮影装置I/F(Interface)901、センサ装置I/F902、バスライン910、CPU(Central Processing Unit)911、ROM(Read Only Memory)912、RAM(Random Access Memory)913、HD(Hard Disk)914、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ915、ネットワークI/F916、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ918、メディアI/F922、外部機器接続I/F923およびタイマ924を備えている。
【0023】
これらのうち、撮影装置I/F901は、撮影装置7との間で各種データまたは情報の送受信を行うためのインターフェースである。センサ装置I/F902は、センサ装置8との間で各種データまたは情報の送受信を行うためのインターフェースである。バスライン910は、図3に示されているCPU911等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0024】
また、CPU911は、データ取得装置9全体の動作を制御する。ROM912は、IPL等のCPU911の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM913は、CPU911のワークエリアとして使用される。HD914は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ915は、CPU911の制御にしたがってHD914に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。ネットワークI/F916は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。
DVD-RWドライブ918は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW917に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-RやBlu-ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等であってもよい。メディアI/F922は、フラッシュメモリ等の記録メディア921に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。外部機器接続I/F923は、外部PC930等の外部機器を接続するためのインターフェースである。タイマ924は、時間計測機能を有する計測装置である。タイマ924は、コンピュータによるソフトタイマでもよい。
【0025】
図4は、本実施形態に係る通信システムの機能ブロック図である。
【0026】
<処理装置の機能構成>
処理装置30は、通信部31、受付部32、表示制御部33、判断部34、画像生成部35、検出部36および記憶・読出部39を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、HD304からRAM303上に展開されたプログラムに従ったCPU301からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、処理装置30は、図2に示されているRAM303及びHD304によって構築される記憶部3000を有している。記憶部3000は、記憶手段の一例である。
【0027】
<処理装置の各機能構成>
通信部31は、送信手段の一例であり、図2に示されているCPU301からの命令、並びにネットワークI/F309によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0028】
受付部32は、受付手段の一例であり、主に、図2に示されているCPU301からの命令、並びにキーボード311及びマウス312によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。
【0029】
表示制御部33は、表示制御手段の一例であり、図2に示されているCPU301からの命令によって実現され、表示部の一例であるディスプレイ308に、各種画像や画面を表示させる。
【0030】
判断部34は、判断手段の一例であり、CPU301の処理によって実現され、各種判断を行う。
【0031】
画像生成部35は、画像生成手段の一例であり、CPU301の処理によって実現され、画像生成処理を行う。
【0032】
検出部36は、検出手段の一例であり、CPU301の処理によって実現され、各種検出を行う。
【0033】
記憶・読出部39は、記憶制御手段の一例であり、図2に示されているCPU301からの命令、並びに、HDD305、メディアI/F307、及びCD-RWドライブ314によって実行され、記憶部3000、記録メディア306、及びCD-RW313に各種データを記憶したり、記憶部3000、記録メディア306、及びCD-RW313から各種データを読み出したりする処理を行う。記憶部3000、記録メディア306、及びCD-RW313は、記憶手段の一例である。
【0034】
記憶部3000には、教師データ管理テーブルによって構成されている教師データ管理DB3001が構築されている。
【0035】
教師データ管理DB3001は、画像中から物体を検出するための教師画像を記憶、管理する。
【0036】
<管理サーバの機能構成>
管理サーバ50は、通信部51、受付部52、表示制御部53、処理部54、及び記憶・読出部59を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開されたプログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、管理サーバ50は、図2に示されているRAM503及びHD504により構築される記憶部5000を有している。記憶部5000は、記憶手段の一例である。
【0037】
<管理サーバの各機能構成>
通信部51は、送信手段の一例であり、図2に示されているCPU501からの命令、並びにネットワークI/F509によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0038】
受付部52は、受付手段の一例であり、主に、図2に示されているCPU501からの命令、並びにキーボード511及びマウス512によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。
【0039】
表示制御部53は、表示制御手段の一例であり、図2に示されているCPU501からの命令によって実現され、表示部の一例であるディスプレイ508に、各種画像や画面を表示させる。
【0040】
処理部54は、図2に示されているCPU501からの命令によって実現され、画像生成処理等の各種処理を行なう。
【0041】
判断部55は、図2に示されているCPU501からの命令によって実現され、各種判断を行なう。
【0042】
設定部57は、図2に示されているCPU501からの命令によって実現され、各種設定、決定を行なう。
【0043】
記憶・読出部59は、記憶制御手段の一例であり、図2に示されているCPU501からの命令、並びに、HDD505、メディアI/F507、及びCD-RWドライブ514によって実行され、記憶部5000、記録メディア506、及びCD-RW513に各種データを記憶したり、記憶部5000、記録メディア506、及びCD-RW513から各種データを読み出したりする処理を行う。記憶部5000、記録メディア506、及びCD-RW513は、記憶手段の一例である。
【0044】
記憶部5000には、教師データ管理テーブルによって構成されている教師データ管理DB5001が構築されている。
【0045】
教師データ管理DB5001は、画像中から物体を検出するための教師画像を記憶、管理する。
【0046】
<通信端末の機能構成>
通信端末10は、通信部11、受付部12、表示制御部13、判断部14および記憶・読出部15を有している。これら各部は、図2に示されているような各構成要素のいずれかが、HDからRAM上に展開され通信端末用のプログラムに従ったCPUからの命令によって動作することで実現される機能または手段である。また、通信端末10は、図2に示されているようなROMおよびHDによって構築される記憶部16を有している。
【0047】
<通信端末の各機能構成>
通信部11は、主に、ネットワークI/Fに対するCPUの処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して、他の装置との間で各種データまたは情報の送受信を行う。
【0048】
受付部12は、主に、キーボードまたはポインティングデバイスに対するCPUの処理によって実現され、利用者から各種の選択または入力を受け付ける。
【0049】
表示制御部13は、表示制御手段の一例であり、主に、CPUの処理によって実現され、表示部の一例であるディスプレイに、各種画像や画面を表示させる。
【0050】
判断部14は、CPUの処理によって実現され、各種判断を行う。
【0051】
記憶・読出部15は、図2に示されているようなCPUからの命令、並びに、HDD、メディアI/F、及びCD-RWドライブによって実行され、記憶部16に、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部16から各種データ(または情報)を読み出したりする。
【0052】
<データ取得装置の機能構成>
データ取得装置9は、通信部91、判断部92、撮影装置制御部93、センサ装置制御部94、撮影画像データ取得部95、センサデータ取得部96、時刻データ取得部97、要求受付部98および記憶・読出部99を有している。これら各部は、図3に示されている各構成要素のいずれかが、HD914からRAM913上に展開されたデータ取得装置用のプログラムに従ったCPU911からの命令によって動作することで実現される機能または手段である。また、データ取得装置9は、図3に示されているROM912およびHD914によって構築される記憶部9000を有している。
【0053】
<データ取得装置の各機能構成>
通信部91は、主に、ネットワークI/F916に対するCPU911の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して、他の装置との間で各種データまたは情報の通信を行う。通信部91は、例えば、撮影画像データ取得部95およびセンサデータ取得部96によって取得された取得データを、処理装置30に対して送信する。判断部92は、CPU911の処理によって実現され、各種判断を行う。
【0054】
撮影装置制御部93は、主に、撮影装置I/F901に対するCPU911の処理によって実現され、撮影装置7による撮影処理を制御する。センサ装置制御部94は、主に、センサ装置I/F902に対するCPU911の処理によって実現され、センサ装置8に対するデータ取得処理を制御する。
【0055】
撮影画像データ取得部95は、主に、撮影装置I/F901に対するCPU911の処理によって実現され、撮影装置7によって撮影された撮影画像に係る撮影画像データを取得する。センサデータ取得部96は、主に、センサ装置I/F902に対するCPU911の処理によって実現され、センサ装置8による検知結果であるセンサデータを取得する。時刻データ取得部97は、主に、タイマ924に対するCPU911の処理によって実現され、撮影画像データ取得部95またはセンサデータ取得部96によってデータが取得された時刻を示す時刻データを取得する。
【0056】
要求受付部98は、主に、外部機器接続I/F923に対するCPU911の処理によって実現され、CPU911の処理によって実現され、外部PC930等から所定の要求を受け付ける。
【0057】
記憶・読出部99は、主に、CPU911の処理によって実現され、記憶部9000に、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部9000から各種データ(または情報)を読み出したりする。
【0058】
図5は、本実施形態に係る教師データ管理テーブルの一例を示す概念図である。
【0059】
設定情報管理テーブルは、画像中から物体を検出するための教師画像を管理するためのテーブルである。記憶部3000には、図5に示されているような教師データ管理テーブルによって構成されている教師データ管理DB3001が構築されている。また、記憶部5000にも、図5に示されているような教師データ管理テーブルによって構成されている教師データ管理DB5001が構築されている。この教師データ管理テーブルでは、種別NO.ごとに、検出する物体の種別名、および教師画像が関連づけられて管理されている。
【0060】
図6は、本実施形態に係る処理の一例を示すシーケンス図である。
【0061】
データ取得装置9の撮影装置7は、クレーン210に設けられ、クレーン210のフック221、荷物P、およびその周辺の物体や人等の被写体を撮影して撮影画像を取得し、距離センサ8は、撮影装置7によって撮影された被写体との距離を計測して、距離情報を取得する(ステップS1)。
【0062】
データ取得装置9の通信部91は、処理装置30に対して、取得した撮影画像と距離情報を送信し、処理装置30の通信部31は、データ取得装置9から送信された撮影画像と距離情報を受信する。(ステップS2)。
【0063】
検出部36は、ステップS2で受信された撮影画像に基づき、教師データ管理DB3001に示されている教師画像を用いた画像マッチング処理によって、撮影画像中に含まれる物体の種別を検出する(ステップS3)。
【0064】
判断部34は、ステップS2で受信された距離情報と、ステップS3で検出された物体を示す物体情報に基づき、現在の作業内容を判定する(ステップS4)。
【0065】
具体的には、判断部34は、作業前であるか作業中であるか、フック221に吊るされた荷物Pが揺れているか否か、作業者が安全であるか否か等の作業内容を判定する。
【0066】
画像生成部35は、ステップS2で受信された撮影画像および距離情報と、ステップS3で検出された物体情報と、ステップS4で判定された作業内容に基づき、撮影画像に含まれる対象物の位置を示す識別画像を生成する(ステップS5)。ステップS5は、画像形成ステップの一例である。なお、識別画像の詳細については、後述する。
【0067】
表示制御部33は、撮影画像に識別画像を重畳させた表示画像をディスプレイ308に表示させる(ステップS6)。表示制御部33は、撮影装置7がタイムラプス画像や動画を取得する場合、タイムラプス画像や動画により表示画像を表示させる。また、表示制御部33は、表示画像とともに、ステップS4で判定された作業内容をディスプレイ308に表示させてもよい。
【0068】
処理装置30の通信部31は、管理サーバ50に対して、撮影画像と識別画像を別々のデータで送信し、管理サーバ50の通信部51は、処理装置30から送信された撮影画像と識別画像を受信する。(ステップS7)。
【0069】
ここで、処理装置30の通信部31は、撮影装置7がタイムラプス画像や動画を取得する場合、管理サーバ50に対して、生成された識別画像とそれに対応する撮影画像の全てや動画を送信するのではなく、一部の撮影画像と識別画像を送信する。
【0070】
一例として、通信部31は、ステップS4で作業者が安全ではないと判定された場合等、所定の条件が成り立った場合のみ、管理サーバ50に対して、撮影画像と識別画像を送信する。
【0071】
また、通信部31は、撮影画像と識別画像に対応付けて、ステップS4で判定された作業内容を管理サーバ50に対して送信しても良い。
【0072】
管理サーバ50の処理部54は、ステップS7で受信した撮影画像に識別画像を重畳させた合成画像を生成し、表示制御部53は、合成画像をディスプレイ508に表示させる(ステップS8)。
【0073】
管理サーバ50の通信部51は、通信端末10に対して、ステップS8で生成した合成画像を送信し、通信端末10の通信部11は、管理サーバ50から送信された合成画像を受信する。(ステップS9)。管理サーバ50の通信部51は、撮影画像と識別画像に対応付けて、ステップS4で判定された作業内容を通信端末10に対して送信しても良い。
【0074】
通信端末10の表示制御部13は、合成画像をディスプレイに表示させる(ステップS10)。
【0075】
管理サーバ50の記憶・読出部59は、メディアI/F、CD-RWドライブ等に記憶された新たな教師画像や、ステップS7で受信した撮影画像と識別画像を学習処理した結果に基づき、教師データ管理DB5001で管理される教師画像を更新する(ステップS11)。
【0076】
通信部51は、処理装置30に対して、ステップS11で更新した教師画像のデータを送信し、処理装置30の通信部31は、管理サーバ50から送信された教師画像のデータを受信する(ステップS12)。
【0077】
処理装置30の記憶・読出部39は、ステップS12で受信した教師画像データに基づき、教師データ管理DB3001で管理される教師画像を更新する(ステップS13)。これにより、教師データ管理DB3001で管理される教師画像を、教師データ管理DB5001で管理される教師画像と同一にすることができる。
【0078】
図7は、本実施形態に係る作業判定処理の一例を示すフローチャートであり、図6のステップS4に対応する処理を示す。
【0079】
処理装置30の検出部36は、図6に示したステップS3で検出された物体の撮影画像中の位置を検出する(ステップS21)。
【0080】
検出部36は、ステップS2で受信された距離情報に基づき、ステップS21で検出された物体の三次元の位置を検出する(ステップS22)。
【0081】
検出部36は、ステップS22で検出された物体の三次元の位置と、当該物体について前回の作業判定時に検出された物体の三次元の位置を比較して、移動量、移動速度および移動方向等を含む物体の移動情報を検出する(ステップS23)。
【0082】
判断部34は、ステップS22で検出されたフック221と荷物Pの位置情報に基づき、これらの距離が所定範囲内か判断し(ステップS24)、所定範囲外の場合は、作業前であると判定する(ステップS25)。
【0083】
判断部34は、ステップS24でフック221と荷物Pの距離が所定範囲内であると判断した場合は、ステップS23で検出したフック221または荷物Pの移動量が閾値範囲内か判断する(ステップS26)。
【0084】
判断部34は、ステップS26でフック221または荷物Pの移動量が閾値範囲外であると判断した場合は、荷物Pが揺れていると判定する(ステップS27)。
【0085】
判断部34は、ステップS26でフック221または荷物Pの移動量が閾値範囲内であると判断した場合は、作業中であると判定し、ステップS21で検出された物体の三次元の位置およびステップS23で検出された移動情報に基づき、具体的な作業内容を判定する(ステップS28)。
【0086】
例えば、判断部34は、作業前の荷物Pの位置と作業中の荷物Pの位置が変わらない場合は玉掛け中と判定し、作業前の荷物Pの位置と作業中の荷物Pの位置が所定値(例えば30cm)以内の場合は地切り中であると判定し、作業前の荷物Pの位置と作業中の荷物Pの位置が所定値を超える場合は吊り荷中であると判定し、作業前の荷物Pの移動方向が降下方向の場合は荷降ろし中であると判定する。
【0087】
判断部34は、ステップS22で検出されたフック221または荷物Pと、作業者の位置情報に基づき、作業者とフック221または荷物Pの距離が所定範囲内か判断し(ステップS29)、所定範囲外の場合は、安全であると判定する(ステップS30)。
【0088】
一方、判断部34は、ステップS28で地切り中または吊り荷中であると判定されており、作業者とフック221または荷物Pの距離が所定範囲内の場合は、危険であると判定する(ステップS31)。
【0089】
図8は、本実施形態に係る画像生成処理の一例を示すフローチャートであり、図6のステップS5に対応する処理を示す。
【0090】
図7のステップS24で説明したように、判断部34が、荷物Pとフック221の距離が所定範囲内と判断した場合には(ステップS41)、画像生成部35は、荷物Pの位置を示す識別画像を生成する(ステップS42)。一例として、画像生成部35は、第1の表示形態として、荷物Pを囲う枠形状の識別画像を生成する。
【0091】
すなわち、画像生成部35は、荷物Pのフック221からの距離に応じて、識別画像を生成するか否かを決定する。この場合、荷物Pは対象物の一例であり、フック221の位置は基準位置の一例である。
【0092】
そして、表示制御部が、撮影画像に識別画像を重畳させた表示画像をディスプレイに表示させることにより、オペレータや管理者は、荷物Pがフック221に近いか否か、すなわち荷物Pをフック221に取り付ける作業中であるか否かを容易に識別することができる。
【0093】
次に、図7のステップS28で説明したように、判断部34が、荷物Pが上昇したと判断し(ステップS43)、荷物Pが上昇した距離が所定値未満であると判断した場合には(ステップS44)、画像生成部35は、荷物Pの位置を示す識別画像を第2の表示形態に変更する(ステップS45)。一例として、画像生成部35は、荷物Pを囲う枠形状の内部を青色で塗りつぶした識別画像を生成する。
【0094】
一方、ステップS44で、判断部34が、荷物Pが上昇した距離が所定値以上であると判断した場合には、画像生成部35は、荷物Pの位置を示す識別画像を第3の表示形態に変更する(ステップS46)。一例として、画像生成部35は、荷物Pを囲う枠形状の内部を赤色で塗りつぶした識別画像を生成する。
【0095】
すなわち、画像生成部35は、フック221により吊るされた荷物Pと、フック221により吊るされる前の荷物Pの距離、換言すると荷物Pの高さに応じて、識別画像を表示させるときの表示形態を変更する。この場合、フック221により吊るされた荷物Pが対象物の一例であり、フック221により吊るされる前の荷物Pの位置が基準位置の一例である。
【0096】
そして、表示制御部が、撮影画像に識別画像を重畳させた表示画像をディスプレイに表示させることにより、オペレータや管理者は、荷物P高さが所定範囲内か否か、すなわち地切り中か吊り荷中かを容易に識別することができる。
【0097】
図9は、本実施形態に係る画像生成処理の第二の例を示すフローチャートである。
【0098】
判断部34が、フック221と荷物Pの距離が所定範囲内と判断した場合には(ステップS51)、画像生成部35は、荷物Pの位置を示す識別画像を生成する(ステップS52)。一例として、画像生成部35は、第1の表示形態として、荷物Pを囲う枠形状の識別画像を生成する。
【0099】
そして、判断部34が、荷物Pが上昇したと判断し(ステップS53)、荷物Pと障害物の距離が所定範囲外であると判断した場合には(ステップS54)、画像生成部35は、荷物Pの位置を示す識別画像を第2の表示形態に変更する(ステップS55)。一例として、画像生成部35は、荷物Pを囲う枠形状の内部を青色で塗りつぶした識別画像を生成する。
【0100】
ここで、判断部34は、図7のステップS23で検出された荷物Pの移動情報に基づき、荷物Pの移動方向の延長線上に位置する物体を障害物として特定する。
【0101】
一方、ステップS54で、判断部34が、荷物Pと障害物の距離が所定範囲内であると判断した場合には、画像生成部35は、荷物Pの位置を示す識別画像を第3の表示形態に変更する(ステップS56)。一例として、画像生成部35は、荷物Pを囲う枠形状の内部を赤色で塗りつぶした識別画像を生成する。
【0102】
すなわち、画像生成部35は、荷物Pの障害物からの距離に応じて、識別画像を表示させるときの表示形態を変更する。この場合、荷物Pが対象物の一例であり、障害物の位置が基準位置の一例である。
【0103】
そして、表示制御部が、撮影画像に識別画像を重畳させた表示画像をディスプレイに表示させることにより、オペレータや管理者は、荷物Pと障害物の距離が所定範囲内か否かを容易に識別することができる。
【0104】
図10は、本実施形態に係る画像生成処理の第三の例を示すフローチャートである。
【0105】
判断部34が、フック221と荷物Pの距離が所定範囲内と判断した場合には(ステップS61)、画像生成部35は、荷物Pの位置を示す識別画像を生成する(ステップS62)。一例として、画像生成部35は、第1の表示形態として、荷物Pを囲う枠形状の識別画像を生成する。
【0106】
そして、判断部34が、図7のステップS26で説明したように、荷物Pが揺れていると判断した場合には(ステップS63)、画像生成部35は、荷物Pの位置を示す識別画像を第2の表示形態に変更する(ステップS64)。一例として、画像生成部35は、荷物Pを囲う枠形状の内部を赤色で塗りつぶした識別画像を生成する。
【0107】
すなわち、画像生成部35は、移動前後の荷物Pの距離、換言すると荷物Pの揺れに応じて、識別画像を表示させるときの表示形態を変更する。この場合、移動後の荷物Pが対象物の一例であり、移動前の荷物Pの位置が基準位置の一例である。
【0108】
そして、表示制御部が、撮影画像に識別画像を重畳させた表示画像をディスプレイに表示させることにより、オペレータや管理者は、荷物Pの揺れを容易に識別することができる。
【0109】
図11は、本実施形態に係る画像生成処理の第四の例を示すフローチャートである。
【0110】
図7のステップS22で説明したように、検出部36が、人の三次元の位置を検出すると(ステップS71)、画像生成部35は、人Mの位置を示す識別画像を生成する(ステップS72)。一例として、画像生成部35は、第1の表示形態として、人Mを囲う枠形状の識別画像を生成する。
【0111】
判断部34が、フック221と荷物Pの距離が所定範囲内と判断し(ステップS73)、人Mとフック221の距離が所定範囲外と判断した場合には(ステップS74)、画像生成部35は、人Mの位置を示す識別画像を第2の表示形態に変更する(ステップS75)。一例として、画像生成部35は、人Mを囲う枠形状の内部を緑色で塗りつぶした識別画像を生成する。
【0112】
すなわち、画像生成部35は、人Mと、荷物Pを取り付けるクレーン210のフック221またはフック221に取り付けられる荷物Pの距離に応じて、識別画像を表示させるときの表示形態を変更する。この場合、人Mは対象物の一例であり、荷物Pを取り付けるクレーン210のフック221またはフック221に取り付けられる荷物Pの位置が基準位置の一例である。
【0113】
そして、表示制御部が、撮影画像に識別画像を重畳させた表示画像をディスプレイに表示させることにより、オペレータや管理者は、人Mと、荷物Pを取り付けるクレーン210のフック221またはフック221に取り付けられる荷物Pの距離が所定範囲外か否かであることを容易に識別することができる。
【0114】
そして、ステップS74の判断結果が所定範囲内で、判断部34が、荷物Pが上昇していないと判断した場合には(ステップS76)、画像生成部35は、人Mの位置を示す識別画像を第3の表示形態に変更する(ステップS77)。一例として、画像生成部35は、人Mを囲う枠形状の内部を青色で塗りつぶした識別画像を生成する。
【0115】
一方、ステップS76で、判断部34が、荷物Pが上昇していると判断した場合には、画像生成部35は、人Mの位置を示す識別画像を第4の表示形態に変更する(ステップS78)。一例として、画像生成部35は、人Mを囲う枠形状の内部を赤色で塗りつぶした識別画像を生成する。
【0116】
すなわち、画像生成部35は、人Mとフック221に取り付けられる荷物Pの距離、およびフック221に取り付けられる荷物Pとフック221により吊るされる前の荷物Pの距離、換言すると荷物Pが上昇しているか否かに応じて、識別画像を表示させるときの表示形態を変更する。この場合、フック221により吊るされる前の荷物Pの距離の位置が第2の基準位置の一例である。
【0117】
そして、表示制御部が、撮影画像に識別画像を重畳させた表示画像をディスプレイに表示させることにより、オペレータや管理者は、人Mとフック221に取り付けられる荷物Pの距離が所定範囲内であるか否かと、荷物Pが上昇しているか否かを容易に識別することができる。
【0118】
なお、画像生成部35は、荷物が上昇しているか否かに加えて、荷物が上昇した距離、すなわち荷物の高さが所定値以上か否かで、人Mの位置を示す識別画像の表示形態をさらに変更してもよく、荷物が上昇しているか否かに代えて、荷物の高さが所定値以上か否かで、人Mの位置を示す識別画像の表示形態に変更してもよい。
【0119】
図12図15は、図6のステップS6において、表示制御部33が、撮影画像に識別画像を重畳させた表示画像を、ディスプレイ308の表示画面1000に表示させた状態を示している。なお、ステップS8およびステップS10における各表示画面も図12と同様であるため、説明を割愛する。
【0120】
図12は、本実施形態に係る作業前と判定された状態を示す表示画像の説明図である。
【0121】
図12は、フック221に対する荷物P1~P3のそれぞれの距離が所定範囲外である状態を示しており、図7のステップS25において、判断部34は、作業前であると判定している。
【0122】
表示制御部33は、フック221、人M1~M3、および荷物P1~P3を含む撮影画像に、フック識別画像221W、人識別画像MW1~MW3を含む識別画像を重畳させた表示画像を表示画面1000に表示させている。
【0123】
ここで、フック識別画像221Wは、図6のステップS6において、画像生成部35により生成されたフック221の位置を示す識別画像であり、フック221を囲う枠形状の表示形態となっている。
【0124】
これにより、オペレータおよび管理者は、フック221の位置を容易に識別することができる。
【0125】
また、人識別画像MW1~MW4のそれぞれは、図11のステップS72において、画像生成部35により生成された人M1~M4のそれぞれの位置を示す識別画像であり、人M1~M4のそれぞれを囲う枠形状の第1の表示形態となっている。
【0126】
これにより、オペレータおよび管理者は、人M1~M4の位置を容易に識別することができる。
【0127】
そして、図8のステップS41において、判断部34が、フック221に対する荷物P1~P3のそれぞれの距離は所定範囲外と判断しているため、画像生成部35は、荷物の識別画像を生成していない。
【0128】
これにより、オペレータおよび管理者は、荷物Pをフック221に取り付ける作業前であることを容易に識別することができる。
【0129】
図13は、本実施形態に係る玉掛け中と判定された状態を示す表示画像の説明図である。
【0130】
図13は、図12に示した状態に続いて、フック221に対する荷物P1の距離が所定範囲内になって荷物Pが上昇していない状態を示しており、図7のステップS25において、判断部34は、玉掛け中であると判定している。
【0131】
ここで、図8のステップS41およびS43において、判断部34が、フック221と荷物Pの距離が所定範囲内であり、荷物Pが上昇していないと判断しているため、図8のステップS42において、画像生成部35は、荷物P1を囲う枠形状の第1の表示形態で、荷物P1の位置を示す荷物識別画像PW1を生成する。そして、表示制御部33は、荷物P1の撮影画像に荷物識別画像PW1を重畳させた表示画像を表示画面1000に表示させている。
【0132】
これにより、オペレータおよび管理者は、荷物P1をフック221に取り付ける玉掛け中であることを容易に識別することができる。
【0133】
また、人M4については、図11のステップS74において、判断部34が、フック221からの距離が所定範囲外と判断しているため、図11のステップS75において、画像生成部35は、人M4の位置を示す識別画像を、枠形状の内部を緑色で塗りつぶした第2の表示形態に変更している。
【0134】
一方、人M1~M3については、図11のステップS74およびステップS76において、判断部34が、フック221からの距離が所定範囲内で、物Pが上昇していないと判断しているため、図11のステップS77において、画像生成部35は、人M1~M3の位置を示す識別画像を、枠形状の内部青色で塗りつぶした第3の表示形態に変更している。
【0135】
これにより、オペレータおよび管理者は、フック221に取り付けられた荷物P1に対して、人M4は遠い位置に居るが、人M1~M3は近い位置に居ることを容易に識別することができる。
【0136】
図14は、本実施形態に係る地切り中と判定された状態を示す表示画像の説明図である。
【0137】
図14は、図13に示した状態に続いて、荷物P1が所定値未満だけ上昇した状態を示しており、図7のステップS28において、判断部34は、地切り中であると判定している。また、図7のステップS31において、判断部34は、危険であると判定している。
【0138】
ここで、図8のステップS44において、判断部34が、荷物P1が上昇した距離が所定値未満であると判断しているため、図8のステップS45において、画像生成部35は、荷物P1の位置を示す識別画像を、枠形状の内部を青色で塗りつぶした第2の表示形態に変更している。
【0139】
これにより、オペレータおよび管理者は、地切り中であることを容易に識別することができる。
【0140】
また、人M2について、図11のステップS74およびステップS76において、判断部34が、フック221からの距離が所定範囲内で、荷物P1が上昇したと判断しているため、図11のステップS78において、画像生成部35は、人M2の位置を示す識別画像を、枠形状の内部赤色で塗りつぶした第4の表示形態に変更している。
【0141】
一方、人M1、M3については、図11のステップS74において、判断部34が、フック221からの距離が所定範囲外と判断しているため、図11のステップS75において、画像生成部35は、人M1、M3の位置を示す識別画像を、枠形状の内部を緑色で塗りつぶした第2の表示形態に変更している。
【0142】
これにより、オペレータおよび管理者は、フック221に取り付けられた荷物P1に対して、人M1、M3、M4は安全な位置に居るが、人M2は危険な位置に居ることを容易に識別することができる。
【0143】
図15は、本実施形態に係る吊り荷中と判定された状態を示す表示画像の説明図である。
【0144】
図15は、図14に示した状態に続いて、荷物P1が上昇した距離が所定値以上である状態を示しており、図7のステップS28において、判断部34は、吊り荷中であると判定している。また、図7のステップS30において、判断部34は、安全であると判定している。
【0145】
ここで、図8のステップS44において、判断部34が、荷物P1が上昇した距離が所定値以上であると判断しているため、図8のステップS46において、画像生成部35は、荷物P1の位置を示す識別画像を、枠形状の内部を赤色で塗りつぶした第3の表示形態に変更している。
【0146】
これにより、オペレータおよび管理者は、吊り荷中であることを容易に識別することができる。
【0147】
また、人M2について、図11のステップS74において、判断部34が、フック221からの距離が所定範囲外と判断しているため、図11のステップS75において、画像生成部35は、人M4の位置を示す識別画像を、枠形状の内部を緑色で塗りつぶした第2の表示形態に変更している。
【0148】
これにより、オペレータおよび管理者は、フック221に取り付けられた荷物P1に対して、人M1~M4は安全な位置に居ることを容易に識別することができる。
【0149】
●まとめ●
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の一例である処理装置30は、撮影画像に基づき、撮影画像に含まれる対象物の位置を示す識別画像を生成する画像生成手段の一例である画像生成部35を備え、画像生成部35は、対象物の基準位置からの距離に応じて、識別画像を生成するか否かを決定、または識別画像を表示させるときの表示形態を変更する。
【0150】
これにより、対象物が基準位置に近いか否かを容易に識別することができる。
【0151】
対象物が人Mであり、基準位置が荷物Pを取り付けるクレーン210のフック221またはフック221に取り付けられる荷物Pの位置である場合、人Mがフック221に取り付けられる荷物Pに近いか否かを容易に識別することができる。
【0152】
対象物が荷物Pであり、基準位置がクレーン210のフック221の位置である場合、荷物Pをフック221に取り付ける作業中であるか否かを容易に識別することができる。
【0153】
対象物がクレーン210のフック221により吊るされた荷物Pであり、基準位置がフック221により吊るされる前の荷物Pの位置である場合、フック221により吊るされた荷物Pの高さを容易に識別することができる。
【0154】
画像生成部35は、対象物の基準位置からの距離、および基準位置の第2の基準位置からの距離に応じて異なる表示形態となるように、識別画像を生成する。
【0155】
これにより、対象物が基準位置に近いか否か、および基準位置が第2の基準位置に近いか否かを容易に識別することができる。
【0156】
対象物が人Mであり、基準位置がクレーン210のフック221により吊るされた荷物Pの位置であり、第2の基準位置がフック221により吊るされる前の荷物Pの位置である場合、人Mがフック221により吊るされた荷物Pに近いか否か、およびフック221により吊るされた荷物Pが上昇したか否かを容易に識別できる。
【0157】
撮影画像と、識別画像を含む表示画像を表示部の一例であるディスプレイ308に表示させる表示制御手段の一例である表示制御部33を備える。
【0158】
これにより、対象物が基準位置に近いか否かを、ディスプレイ308の表示内容から容易に識別することができる。
【0159】
処理装置3は、処理装置3と通信可能な通信端末の一例である管理サーバ50に対して、撮影画像と識別画像を送信する送信手段の一例である通信部31を備える。
【0160】
これにより、管理サーバ50側で、撮影画像と識別画像を含む表示画像を表示できるとともに、撮影画像と識別画像を別々に送信する場合は、管理サーバ50側で、識別画像に示される対象物の位置を学習することができる。
【0161】
画像生成部35は、撮影画像と、識別画像を含む合成画像を生成し、通信部31は、管理サーバ50に対して、合成画像を送信してもよい。
【0162】
本発明の一実施形態に係る情報処理システムの一例である通信システム1は、処理装置3と、処理装置3と通信可能な通信端末の一例である管理サーバ50を備え、処理装置3は、撮影画像に基づき、撮影画像に含まれる対象物の位置を示す識別画像を生成する画像生成部35と、管理サーバ50に対して、撮影画像と識別画像を送信する通信部31段と、を備え、画像生成部35は、対象物の基準位置からの距離に応じて、識別画像を生成するか否かを決定、または識別画像を表示させるときの表示形態を変更し、管理サーバ50は、撮影画像と識別画像を受信する受信手段の一例である通信部51と、撮影画像と識別画像を含む表示画像を表示部の一例であるディスプレイ508に表示させる表示制御手段の一例である表示制御部53と、を備える。
【0163】
本発明の一実施形態に係る情報処理システムの他の一例である通信システム1は、処理装置3と、処理装置3と通信可能な仲介装置の一例である管理サーバ50と、仲介装置と通信可能な通信端末10を備え、処理装置3は、撮影画像に基づき、撮影画像に含まれる対象物の位置を示す識別画像を生成する画像生成部35と、管理サーバ50に対して、撮影画像と識別画像を送信する通信部31段と、を備え、画像生成部35は、対象物の基準位置からの距離に応じて、識別画像を生成するか否かを決定、または識別画像を表示させるときの表示形態を変更し、管理サーバ50は、撮影画像と識別画像を受信し、通信端末10に対して、撮影画像と識別画像を含む合成画像を送信する送信手段の一例である通信部51を備え、通信端末10は、合成画像を受信する受信手段の一例である通信部11と、合成画像を表示部の一例であるディスプレイ508に表示させる表示制御手段の一例である表示制御部13と、を備える。
【0164】
本発明の一実施形態に係る情報処理方法は、撮影画像に基づき、撮影画像に含まれる対象物の位置を示す識別画像を生成する画像生成ステップを備え、画像生成ステップは、対象物の基準位置からの距離に応じて、識別画像を生成するか否かを決定、または識別画像を表示させるときの表示形態を変更する処理を含む。
【0165】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、以上の情報処理方法をコンピュータに実行させる。
【符号の説明】
【0166】
1 通信システム(情報処理システムの一例)
100 通信ネットワーク
7 撮影装置
8 距離センサ
9 データ取得装置
210 クレーン
221 フック
221W フックの枠
10 通信端末
11 通信部(受信手段の一例)
12 受付部(受付手段の一例)
13 表示制御部(表示制御手段の一例)
14 判断部(判断手段の一例)
15 記憶・読出部(記憶制御手段の一例)
16 記憶部(記憶手段の一例)
30 処理装置(情報処理装置の一例)
31 通信部(送信手段の一例)
32 受付部(受付手段の一例)
33 表示制御部(表示制御手段の一例)
34 判断部(判断手段の一例)
35 画像生成部(画像生成手段の一例)
36 検出部(検出手段の一例)
39 記憶・読出部(記憶制御手段の一例)
308 ディスプレイ(表示部の一例)
3000 記憶部
3001 教師データ管理DB(教師データ管理手段の一例)
50 管理サーバ(通信端末、仲介装置の一例)
51 通信部(送信手段、受信手段の一例)
52 受付部(受付手段の一例)
53 表示制御部(表示制御手段の一例)
54 処理部(処理手段の一例)
59 記憶・読出部(記憶制御手段の一例)
508 ディスプレイ(表示部の一例)
5000 記憶部
5001 教師データ管理DB(教師データ管理手段の一例)
1000 表示画面
P、P1~P3 荷物
P1W~P3W 荷物の枠(識別情報の一例)
M1~M3 人
M1W~M3W 人の枠(識別情報の一例)
図1
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