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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095419
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】作業記録システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0631 20230101AFI20230629BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20230629BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211297
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森保 伸也
(72)【発明者】
【氏名】吉田 真悟
(72)【発明者】
【氏名】福田 優輝
(72)【発明者】
【氏名】寺島 芳洋
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 祥平
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA09
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】建設現場において予め指定された作業エリア内での作業記録を自動的に生成する。
【解決手段】作業記録システム10の作業記録サーバ14は、建設会社端末12から送信された作業情報のうちの予定人工情報に基づいて、作業者の識別情報を入力するための入力画面を生成し、入力画面の情報を協力会社端末13へ送信する。協力会社端末13は、入力画面を自らの表示部へ表示させ、入力画面を介して入力された、複数の作業者の識別情報と作業者が保持するビーコンの識別情報との組み合わせを表す紐づけ情報を、作業記録サーバ14へ送信する。作業記録サーバ14は、複数のビーコンの各々の各時刻の位置情報を受信する。作業記録サーバ14は、複数のビーコンの各々を保持していた複数の作業者の各々の、作業エリア情報が表す作業エリア内での作業を含む作業記録情報を生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の作業者の各々が保持する位置検出器の位置を検出する位置検出サーバと、作業記録サーバと、建設会社端末と、協力会社端末とを備える作業記録システムであって、
前記建設会社端末又は前記協力会社端末は、協力会社に依頼する作業エリアを表す作業エリア情報と、作業日時情報と、作業を依頼する協力会社の協力会社情報と、協力会社から提供される予定人工を表す予定人工情報との組み合わせを表す作業情報を前記作業記録サーバへ送信し、
前記作業記録サーバは、前記作業情報を受信し、前記作業情報を記憶部へ格納し、
前記作業記録サーバは、前記作業情報のうちの前記予定人工情報に基づいて、作業者の識別情報を入力するための入力画面を生成し、前記入力画面の情報を前記協力会社端末へ送信し、
前記建設会社端末又は前記協力会社端末は、前記入力画面を自らの表示部へ表示させ、前記入力画面を介して入力された、複数の作業者の識別情報と前記作業者が保持する位置検出器の識別情報との組み合わせを表す紐づけ情報を、前記作業記録サーバへ送信し、
前記作業記録サーバは、前記紐づけ情報を受信し、前記紐づけ情報を前記記憶部へ格納し、
前記位置検出サーバは、複数の前記位置検出器の各々から出力される信号に基づく位置情報を逐次取得し、複数の前記位置検出器の各々の各時刻の位置情報を前記作業記録サーバへ送信し、
前記作業記録サーバは、複数の前記位置検出器の各々の各時刻の位置情報を受信し、前記記憶部へ格納し、
前記作業記録サーバは、所定期間内における、複数の前記位置検出器の各々の各時刻の位置情報と前記紐づけ情報とに基づいて、複数の前記位置検出器の各々を保持していた複数の作業者の各々の、前記作業エリア情報が表す作業エリア内での作業を含む作業記録情報を生成する、
作業記録システム。
【請求項2】
前記作業記録サーバは、複数の前記位置検出器の各々の各時刻の位置情報と前記紐づけ情報と前記作業情報とに基づいて、前記作業情報に含まれる前記作業エリア情報が表す作業エリア内で検出された位置情報と、作業エリア外で検出された位置情報と、に応じて生成されたエリア別の作業記録情報を更に生成する、
請求項1に記載の作業記録システム。
【請求項3】
前記作業記録サーバは、複数の前記作業者の各々について、前記作業エリア内で検出された各時刻の位置情報に基づき計算される前記作業エリア内での作業時間と、前記作業エリア内での作業数量を表す作業数量情報とに基づいて、前記作業者の作業効率を表す作業効率性情報を生成する、
請求項1又は請求項2に記載の作業記録システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業記録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業工程毎の進捗状況の管理だけでなく作業者の労務管理も併せて行うことが可能な工事管理支援システムが知られている(例えば、特許文献1)。この工事管理支援システムは、各種工事について作業工程に至るまで階層を追った指定が可能となるように工程指定情報が記憶された作業工程データベースを備え、作業工程毎の進捗状況及び作業者毎の実績の演算処理を行う。例えば、工事管理支援システムは、特許文献1の図4~6に示されるような作業者の実績の演算処理を行う。
【0003】
また、労務モニタリングシステムが知られている(例えば、特許文献2)。この労務モニタリングシステムは、第1ヤード及び第2ヤードで作業に従事する作業者それぞれに配布するタグのID情報と作業者情報とを対応づけて記憶する。なお、作業者情報には、作業者の氏名、作業者が担当する工種名、作業者が所属する会社名、作業者が所持する携帯端末番号が含まれる(例えば、特許文献2の請求項2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-95122号公報
【特許文献2】特許590367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、建設現場においては複数の作業エリアが設定されることが多い。例えば、ある一つの作業エリアに対して複数の作業者が割り当てられ、その作業エリア内において作業者は作業を行う。
【0006】
なお、建設現場における工事進捗は日々変化するため、この作業エリアは柔軟に変更可能であることが好ましい。さらに、その作業エリア内で実際に作業が行われたことを表す作業記録情報が生成されることが好ましい。
【0007】
しかし、従来の技術では、作業エリアを設定しその作業エリア内での作業者の作業記録を生成することはできない。
【0008】
例えば、上記特許文献1の工事管理支援システムは、作業工程毎の進捗状況及び作業者毎の実績の演算処理を行うのみであり、作業エリアの設定については考慮されていない。
【0009】
また、上記特許文献2の労務モニタリングシステムは、第1ヤード及び第2ヤードで作業に従事する作業者それぞれに配布するタグのID情報と作業者情報とを対応づけて記憶するものの、第1ヤード及び第2ヤードは固定であることが前提である。このため、上記特許文献2の労務モニタリングシステムは、作業者が作業を実施するその日に作業エリアを設定し、その作業エリア内での作業記録を生成することはできない。
【0010】
そのため、上記特許文献1~2の技術は、建設現場において予め指定された作業エリア内での作業記録を生成することができない、という課題がある。
【0011】
本発明は上記事実を考慮して、建設現場において予め指定された作業エリア内での作業記録を自動的に生成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る第1の態様は、複数の作業者の各々が保持する位置検出器の位置を検出する位置検出サーバと、作業記録サーバと、建設会社端末と、協力会社端末とを備える作業記録システムであって、前記建設会社端末又は前記協力会社端末は、協力会社に依頼する作業エリアを表す作業エリア情報と、作業日時情報と、作業を依頼する協力会社の協力会社情報と、協力会社から提供される予定人工を表す予定人工情報との組み合わせを表す作業情報を前記作業記録サーバへ送信し、前記作業記録サーバは、前記作業情報を受信し、前記作業情報を記憶部へ格納し、前記作業記録サーバは、前記作業情報のうちの前記予定人工情報に基づいて、作業者の識別情報を入力するための入力画面を生成し、前記入力画面の情報を前記協力会社端末へ送信し、前記建設会社端末又は前記協力会社端末は、前記入力画面を自らの表示部へ表示させ、前記入力画面を介して入力された、複数の作業者の識別情報と前記作業者が保持する位置検出器の識別情報との組み合わせを表す紐づけ情報を、前記作業記録サーバへ送信し、前記作業記録サーバは、前記紐づけ情報を受信し、前記紐づけ情報を前記記憶部へ格納し、前記位置検出サーバは、複数の前記位置検出器の各々から出力される信号に基づく位置情報を逐次取得し、複数の前記位置検出器の各々の各時刻の位置情報を前記作業記録サーバへ送信し、前記作業記録サーバは、複数の前記位置検出器の各々の各時刻の位置情報を受信し、前記記憶部へ格納し、前記作業記録サーバは、所定期間内における、複数の前記位置検出器の各々の各時刻の位置情報と前記紐づけ情報とに基づいて、複数の前記位置検出器の各々を保持していた複数の作業者の各々の、前記作業エリア情報が表す作業エリア内での作業を含む作業記録情報を生成する、作業記録システムである。これにより、建設現場において予め指定された作業エリア内での作業記録を自動的に生成することができる。
【0013】
また、本発明に係る第2の態様の前記作業記録サーバは、複数の前記位置検出器の各々の各時刻の位置情報と前記紐づけ情報と前記作業情報とに基づいて、前記作業情報に含まれる前記作業エリア情報が表す作業エリア内で検出された位置情報と、作業エリア外で検出された位置情報と、に応じて生成されたエリア別の作業記録情報を更に生成する。これにより、建設現場における作業エリア内での作業記録と作業エリア外での記録とを自動的に生成することができる。
【0014】
また、本発明に係る第3の態様の前記作業記録サーバは、複数の前記作業者の各々について、前記作業エリア内で検出された各時刻の位置情報に基づき計算される前記作業エリア内での作業時間と、前記作業エリア内での作業数量を表す作業数量情報とに基づいて、前記作業者の作業効率を表す作業効率性情報を生成する。これにより、作業者の作業効率性情報を自動的に生成することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、建設現場において予め指定された作業エリア内での作業記録を自動的に生成することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る作業記録システム10の構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施形態の作業記録システム10の各機器のコンピュータの構成例を示す図である。
図3】作業記録システム10の各機器が実行するシーケンスの一例を示す図である。
図4】作業情報の入力画面の一例を示す図である。
図5】作業記録システム10の各機器が実行するシーケンスの一例を示す図である。
図6】紐づけ情報の入力画面の一例を示す図である。
図7】作業記録システム10の各機器が実行するシーケンスの一例を示す図である。
図8】作業記録システム10の作業記録サーバ14が実行する処理ルーチンの一例を示す図である。
図9】日報の一例を示す図である。
図10】日報の一例を示す図である。
図11】日報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0018】
[実施形態の概要]
【0019】
建設工事が行われる建設現場においては、複数の作業エリアが設定されることが多い。例えば、ある一つの作業エリアに対して複数の作業者が割り当てられ、その作業エリア内において作業者は作業を行う。なお、建設現場における工事進捗は日々変化するため、この作業エリアは柔軟に変更可能であることが好ましい。さらに、その作業エリア内で実際に作業が行われたことを表す作業記録情報が生成されることが好ましい。
【0020】
そこで、本実施形態では、建設現場において予め指定された作業エリア内での作業者の作業記録を生成する。具体的には、本実施形態の作業記録システムは、作業者に対応する作業エリアを設定し、その作業エリア内で作業者が実際に作業をしていたのか否かを記録する。この作業記録は、作業のエビデンスになると共に、作業者が作業エリア内にどれくらいの時間滞在し、実際の作業をしていたのかを表す情報となる。また、この作業記録は、官公庁への提出書類としても利用可能である。
【0021】
このため、本実施形態の作業記録システムによれば、建設会社と作業者による作業を行う協力会社との間において作業のエビデンスに基づく適切な契約とその支払いが可能となる。また、作業エリア内の作業者の滞在時間に応じた作業効率を向上させるための対策を講じることも可能となる。以下、具体的に説明する。
【0022】
[実施形態]
【0023】
<作業記録システムの構成>
図1は、実施形態に係る作業記録システム10の構成の一例を示すブロック図である。作業記録システム10は、機能的には、図1に示されるように、建設会社端末12と、協力会社端末13と、作業記録サーバ14と、位置特定システム15とを含んだ構成で表すことができる。建設会社端末12と、協力会社端末13と、作業記録サーバ14と、位置特定システム15とは、例えば、インターネット等のネットワーク16によって通信可能に接続されている。
【0024】
(建設会社端末)
建設会社端末12は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、又はタブレット端末であり、建設工事を管理する建設会社の社員によって操作される。建設会社端末12は、操作部(図示省略)及び表示部(図示省略)を備えている。建設会社の社員は、操作部(図示省略)を介して操作情報を建設会社端末12へ入力する。また、建設会社の社員は、表示部(図示省略)に表示された情報を確認する。
【0025】
(協力会社端末)
協力会社端末13は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、又はタブレット端末であり、建設会社が請け負った建設工事の一部の工事を受注した協力会社に所属する社員によって操作される。協力会社端末13は、操作部(図示省略)及び表示部(図示省略)を備えている。協力会社の社員は、操作部(図示省略)を介して操作情報を協力会社端末13へ入力する。また、協力会社の社員は、表示部(図示省略)に表示された情報を確認する。
【0026】
(作業記録サーバ)
作業記録サーバ14は、建設会社端末12、協力会社端末13、又は位置特定システム15から送信された情報に応じて、各種の情報処理を実行する。作業記録サーバ14は、機能的には、図1に示されるように、制御部140と、作業情報記憶部142と、紐づけ情報記憶部144と、位置情報記憶部146と、作業記録情報記憶部148とを備えている。
【0027】
制御部140は、建設会社端末12、協力会社端末13、及び位置特定システム15との間でデータのやり取りを行う。また、制御部140は、作業記録サーバ14の動作を制御する。
【0028】
作業情報記憶部142には、作業情報が格納される。作業情報は、協力会社に依頼する作業エリアを表す作業エリア情報と、作業日時情報と、作業を依頼する協力会社の協力会社情報と、協力会社から提供される予定人工を表す予定人工情報との組み合わせを表す情報である。作業情報については後述する。
【0029】
紐づけ情報記憶部144には、紐づけ情報が格納される。複数の作業者の識別情報と作業者が保持する位置検出器の一例であるビーコンの識別情報との組み合わせを表す情報である。紐づけ情報については後述する。
【0030】
位置情報記憶部146には、後述する複数のビーコン154A,・・・,154Zの各々の各時刻の位置情報が格納される。位置情報については後述する。
【0031】
作業記録情報記憶部148には、複数の作業者の各々についての作業記録情報が格納される。作業記録情報は、作業エリア内での作業を表す情報である。作業記録情報については後述する。
【0032】
(位置特定システム)
位置特定システム15は、位置検出サーバ150と、複数のビーコン154A,・・・,154Zとを備えている。位置特定システム15は、協力会社に所属する複数の作業者の各々が保持しているビーコンの位置を特定する。なお、本実施形態の位置特定システム15は、特開2019-002850、特開2019-040271、特開2019-124484、特開2019-145020、特開2019-169040、又は特開2021-135210に開示されているようなシステムである。位置特定システム15の位置検出サーバ150は、複数のビーコン154A,・・・,154Zの位置を逐次特定し、自らの記憶部(図示省略)に記憶する。
【0033】
作業記録システム10の建設会社端末12、協力会社端末13、作業記録サーバ14、及び位置検出サーバ150は、例えば、図2に示すようなコンピュータ60によって実現することができる。なお、例えば、作業記録サーバ14と位置検出サーバ150とが一つのコンピュータによって構成されていてもよい。各機器を実現するコンピュータ60は、CPU61、一時記憶領域としてのメモリ62、及び不揮発性の記憶部63を備える。また、コンピュータ60は、入出力装置等(図示省略)が接続される入出力interface(I/F)64、及び記録媒体69に対するデータの読み込み及び書き込みを制御するread/write(R/W)部65を備える。また、コンピュータは、インターネット等のネットワークに接続されるネットワークI/F66を備える。CPU61、メモリ62、記憶部63、入出力I/F64、R/W部65、及びネットワークI/F66は、バス67を介して互いに接続される。
【0034】
記憶部63は、Hard Disk Drive(HDD)、Solid State Drive(SSD)、フラッシュメモリ等によって実現できる。記憶媒体としての記憶部63には、コンピュータを機能させるためのプログラムが記憶されている。CPU61は、プログラムを記憶部63から読み出してメモリ62に展開し、プログラムが有するプロセスを順次実行する。
【0035】
<作業記録システムの作用>
【0036】
次に、作業記録システム10の作用を説明する。まず、図3のシーケンスに従って、作業記録システム10の作業記録サーバ14の作業情報記憶部142へ作業情報が格納される。
【0037】
作業情報は、作業者の作業の予定を表す情報であり、協力会社に依頼する作業エリアを表す作業エリア情報と、作業日時情報と、作業を依頼する協力会社の協力会社情報と、協力会社から提供される予定人工を表す予定人工情報との組み合わせを表す情報である。まず、建設工事を管理する建設会社の担当職員が建設会社端末12を操作することにより、作業情報を作業記録サーバ14へ登録する。
【0038】
ステップS100において、建設会社端末12は、建設会社の担当職員から入力された作業情報を受け付ける。
【0039】
ステップS102において、建設会社端末12は、受け付けた作業情報を作業記録サーバ14へ送信する。
【0040】
ステップS104において、作業記録サーバ14の制御部140は、建設会社端末12から送信された作業情報を受信する。
【0041】
ステップS106において、作業記録サーバ14の制御部140は、ステップS104で受け付けた作業情報を作業情報記憶部142へ格納する。
【0042】
図4に、建設会社端末12の表示部(図示省略)に表示される入力画面の一例を示す。例えば、図4に示されるような入力画面が作業記録サーバ14から出力され、建設会社端末12の表示部(図示省略)に表示される。建設会社端末12を操作する職員が図4の入力画面に所定事項を入力することにより、作業情報が作業記録サーバ14へ登録される。
【0043】
担当職員は、建設会社端末12を操作することにより、図4に示される作業エリア情報100を設定する。また、担当職員は、建設会社端末12を操作することにより、図4に示される作業日時情報101を設定する。また、担当職員は、建設会社端末12を操作することにより、図4に示される協力会社情報102を設定する。また、担当職員は、建設会社端末12を操作することにより、図4に示される予定人工情報103を設定する。なお、人工とは、作業者の手間とそれに要する時間との積であり、例えば、作業者1人が1日を要してある作業を実施した場合には1人工となる。また、担当職員は、建設会社端末12を操作することにより、図4に示される作業内容に関する情報104及びその他の情報105を設定する。これにより、作業情報が設定され、作業記録サーバ14へ送信される。
【0044】
次に、図4において設定された作業情報が示す作業予定当日に協力会社の作業者が建設現場に行き、建設現場の受付で位置検出器の一例である、作業者が保持するためのビーコンを受け取る。ここで、複数の作業者のうちの代表者(例えば、職長)が協力会社端末13を操作し、所定の操作情報を端末へ入力すると、以下の図5に示されるようなシーケンスが実行される。
【0045】
ステップS200において、協力会社端末13は、複数の作業者のうちの一人から入力された操作情報を受け付ける。
【0046】
ステップS202において、協力会社端末13は、操作情報に応じた要求信号を作業記録サーバ14へ送信する。
【0047】
ステップS204において、作業記録サーバ14の制御部140は、要求信号を受信する。
【0048】
ステップS206において、作業記録サーバ14の制御部140は、上記要求信号に対応する作業情報を作業情報記憶部142から読み出す。
【0049】
ステップS208において、作業記録サーバ14の制御部140は、ステップS206で読み出した作業情報のうちの予定人工情報に基づいて、作業者の識別情報を入力するための入力画面を生成し、当該入力画面の情報を協力会社端末13へ送信する。
【0050】
ステップS210において、協力会社端末13は、作業記録サーバ14から送信された入力画面が表示されるように自らの表示部(図示省略)を制御する。
【0051】
図6に、協力会社端末13の表示部に表示される入力画面の一例を示す。例えば、作業記録サーバ14は、図6に示されるような、作業者の人数分(又は人工分)の入力欄がある入力画面を生成し、協力会社端末13へ出力する。なお、作業記録サーバ14は、例えば、図6に示される協力会社情報106が選択されたことに応答して、入力画面を生成するようにしてもよい。
【0052】
複数の作業者のうちの一人は、協力会社端末13を操作することにより、作業者の識別情報の一例である、図6に示される作業者の名前情報107を設定する。また、複数の作業者のうちの一人は、協力会社端末13を操作することにより、作業者が保持するビーコンの識別情報の一例である、図6に示されるビーコンのID108を設定する。そして、複数の作業者のうちの一人は、協力会社端末13を操作することにより、例えば終了ボタン109を押下する。これにより、作業者の名前情報とビーコンのIDとが紐づけられた紐づけ情報が設定される。
【0053】
ステップS212において、協力会社端末13は、複数の作業者の各々について、当該作業者の名前情報と作業者が保持するビーコンのIDとの組み合わせを表す紐づけ情報を受け付ける。この紐づけ情報に基づき、どの作業者がどのビーコンを保持しているのかが特定される。
【0054】
ステップS214において、協力会社端末13は、紐づけ情報を作業記録サーバ14へ送信する。
【0055】
なお、例えば、ビーコンを利用せずに、作業者が保持している携帯端末(例えば、スマートフォン)を位置検出器として利用することも可能である。この場合には、複数の作業者のうちの一人は、協力会社端末13を操作することにより、ビーコンを利用しないことを表すチェックボックス110をチェックする。そして、複数の作業者の各々が保持している携帯端末に予めインストールされているアプリケーションプログラムが起動し、その携帯端末の識別情報であるIDと、その携帯端末を保有している作業者のID(又は、作業者の氏名等)とを紐づけた紐づけ情報が、作業記録サーバ14へ送信される。
【0056】
次に、ステップS216において、作業記録サーバ14の制御部140は、紐づけ情報を受信する。
【0057】
そして、ステップS218において、作業記録サーバ14の制御部140は、紐づけ情報を紐づけ情報記憶部144へ格納する。
【0058】
この後、複数の作業者による建設作業が作業エリアにおいて開始されるが、複数の作業者の各々はビーコンを保持しているため、位置検出サーバ150は、そのビーコンが逐次出力する信号に基づいて複数のビーコンの各々の位置を検出する。具体的には、ビーコンの位置を検出する際には、図7に示されるようなシーケンスが実行される。
【0059】
ステップS302において、位置検出サーバ150は、複数のビーコン154A,・・・,154Zの各々から出力される信号に基づく位置情報を逐次取得し、複数のビーコン154A,・・・,154Zの各々の各時刻の位置情報を作業記録サーバ14へ送信する。
【0060】
ステップS304において、作業記録サーバ14は、ステップS302で送信された複数のビーコン154A,・・・,154Zの各々の各時刻の位置情報を受信する。
【0061】
ステップS306において、作業記録サーバ14は、ビーコン154A,・・・,154Zの各々の各時刻の位置情報を位置情報記憶部146へ格納する。
【0062】
この位置情報は、複数の作業者の各々の作業記録情報(例えば、日報)を生成する際に利用される。
【0063】
作業記録サーバ14は、所定期間内における、複数のビーコン154A,・・・,154Zの各々の各時刻の位置情報と各作業者の紐づけ情報とに基づいて、複数の作業者の各々の、作業エリア情報が表す作業エリア内での作業を含む作業記録情報を生成する。本実施形態では、1日の作業記録情報である日報を生成する場合を例に説明する。
【0064】
1日の建設作業が終了すると、作業記録サーバ14の位置情報記憶部146には、複数の作業者の各時刻の位置情報が記憶されていることになる。そのため、作業記録サーバ14は、この1日の複数の作業者の各々の各時刻の位置情報に基づいて、作業記録情報としての日報を生成する。具体的には、作業記録サーバ14は、図8に示す処理ルーチンを実行する。
【0065】
ステップS400において、作業記録サーバ14の制御部140は、日報生成対象の1つの協力会社を設定する。
【0066】
ステップS401において、作業記録サーバ14の制御部140は、ステップS400で設定された協力会社の紐づけ情報を、紐づけ情報記憶部144から読み出す。また、作業記録サーバ14の制御部140は、ステップS400で設定された協力会社の作業情報を、作業情報記憶部142から読み出す。
【0067】
ステップS402において、作業記録サーバ14の制御部140は、ステップS401で設定された協力会社の紐づけ情報のうちの1人の作業者を設定する。
【0068】
ステップS404において、作業記録サーバ14の制御部140は、ステップS401で読み出された紐づけ情報に基づいて、ステップS402で設定された作業者に紐づけられたビーコンのIDを特定する。そして、作業記録サーバ14の制御部140は、特定されたビーコンのIDに対応付けられた1日の各時刻の位置情報を、位置情報記憶部146から読み出す。
【0069】
ステップS406において、作業記録サーバ14の制御部140は、ステップS401で読み出された紐づけ情報と、ステップS401で読み出された作業情報のうちの作業エリア情報と、ステップS404で読み出された1日の各時刻の位置情報とに基づいて、各時刻の作業者の位置情報が、作業エリア情報が表すエリア内に存在しているか否かを判定する。
【0070】
ステップS408において、作業記録サーバ14の制御部140は、上記ステップS406の判定結果に基づいて、当該作業者の日報を生成する。なお、この日報は、その作業者がどれくらいの時間、作業エリア内にいたのかを表す情報が含まれている。このため、当該日報には、作業情報に含まれる作業エリア情報が表す作業エリア内で検出された位置情報と、作業エリア外で検出された位置情報と、に応じて生成されたエリア別の作業記録情報となる。
【0071】
ステップS410において、作業記録サーバ14の制御部140は、ステップS400で設定された協力会社の複数の作業者の全てについて、ステップS402~ステップS408の処理が実行されたか否かを判定する。ステップS400で設定された協力会社の複数の作業者の全てについて、ステップS402~ステップS408の処理が実行された場合には、ステップS412へ進む。一方、ステップS402~ステップS408の処理が実行されていない作業者が存在する場合には、ステップS402へ戻る。
【0072】
ステップS412において、作業記録サーバ14の制御部140は、ステップS408で生成された作業者ごとの日報を統合することにより、協力会社の複数の作業者の日報を生成する。
【0073】
ステップS414において、作業記録サーバ14の制御部140は、全ての協力会社について、ステップS400~ステップS412の処理を実行したか否かを判定する。全ての協力会社について、ステップS400~ステップS412の処理を実行した場合には、ステップS416へ進む。一方、ステップS400~ステップS412の処理を実行していない協力会社が存在する場合には、ステップS400へ戻る。
【0074】
ステップS416において、作業記録サーバ14の制御部140は、上記ステップS412で生成された各協力会社の作業記録情報(日報)を結果として出力する。また、作業記録サーバ14の制御部140は、各協力会社の作業記録情報(日報)を作業記録情報記憶部148へ格納する。
【0075】
図8の処理が実行されることにより、協力会社の作業者に対して指定された作業エリア内での作業記録を生成することができる。
【0076】
図9図11に、日報の一例を示す。
【0077】
図9に示される日報の例では、1ページ目に標準型日報が示されており、2ページ目に位置情報に基づくエリア別の日報が示されている。2ページ目の日報は、複数の作業者が作業予定内エリアに存在していた割合が10%であり、作業予定外エリアに存在していた割合が55%であり、休憩所に存在していた割合が35%であることが示されている。
【0078】
図10に示されるのは、作業者が保持しているビーコンの位置情報が含まれている日報の例である。図10に示される日報の例は、各ビーコンがどのエリアに存在していたのかを表す時系列データである。この日報を参照することにより、ビーコンを保持していた作業者がどのエリアに存在していたのかを把握することができる。
【0079】
図11に示される日報の例は、作業者A~L毎に、作業者がどのエリアに存在していたのかを表す時系列データである。この日報を参照することにより、作業者がどのエリアに存在していたのかを把握することができる。
【0080】
以上説明したように、実施形態の作業記録システムは、複数の作業者の各々が保持するビーコンの位置を検出する位置検出サーバと、作業記録サーバと、建設会社端末と、協力会社端末とを備える。建設会社端末は、協力会社に依頼する作業エリアを表す作業エリア情報と、作業日時情報と、作業を依頼する協力会社の協力会社情報と、協力会社から提供される予定人工を表す予定人工情報との組み合わせを表す作業情報を作業記録サーバへ送信する。作業記録サーバは、作業情報を受信し、作業情報を記憶部へ格納する。そして、作業記録サーバは、作業情報のうちの予定人工情報に基づいて、作業者の識別情報を入力するための入力画面を生成し、入力画面の情報を協力会社端末へ送信する。そして、協力会社端末は、入力画面を自らの表示部へ表示させ、入力画面を介して入力された、複数の作業者の識別情報と作業者が保持するビーコンの識別情報との組み合わせを表す紐づけ情報を、作業記録サーバへ送信する。作業記録サーバは、紐づけ情報を受信し、紐づけ情報を紐づけ情報記憶部へ格納する。位置検出サーバは、複数のビーコンの各々から出力される信号に基づく位置情報を逐次取得し、複数のビーコンの各々の各時刻の位置情報を作業記録サーバへ送信する。作業記録サーバは、複数のビーコンの各々の各時刻の位置情報を受信し、位置情報記憶部へ格納する。作業記録サーバは、所定期間内における、複数のビーコンの各々の各時刻の位置情報と紐づけ情報とに基づいて、複数のビーコンの各々を保持していた複数の作業者の各々の、作業エリア情報が表す作業エリア内での作業を含む作業記録情報を生成する。これにより、建設現場において予め指定された作業エリア内での作業記録を自動的に生成することができる。
【0081】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0082】
例えば、上記実施形態では、作業者の位置情報に基づく日報を作成する場合を例に説明したが、この位置情報に基づいて作業者の作業効率を計算するようにしてもよい。この場合には、例えば、作業記録サーバ14の制御部140は、複数の作業者の各々について、作業エリア内で検出された各時刻の位置情報に基づき計算される作業エリア内での作業時間と、作業エリア内での作業数量を表す作業数量情報(例えば、生コンのリューベ数等)とに基づいて、作業者の作業効率を表す作業効率性情報を生成する。この作業数量情報は、例えば、協力会社の作業者のうちの一人が協力会社端末13へ入力する。そして、協力会社端末13は、入力された作業数量情報を作業記録サーバ14へ送信する。作業記録サーバ14の制御部140は、協力会社端末13から送信された作業数量情報を受信し、その作業数量情報と作業エリア内での作業時間とに基づいて、作業者の作業効率を表す作業効率性情報を生成する。これにより、各作業者を評価することができる。
【0083】
また、例えば、作業記録サーバ14の制御部140は、複数の作業者の各々について、当該作業者の作業エリア外での作業時間を集計し、それらの時間を例えば「環境整備効率性指標」として活用するようにしてもよい。例えば、作業記録サーバ14の制御部140は、作業者が作業エリアまで移動する時間、作業者が作業用エレベータ(EV)を待つ時間、又は作業者が資機材を運搬する時間等の、作業者が実際には作業をしていない時間を集計する。なお、作業記録サーバ14の制御部140は、例えば、作業者が保持しているビーコンの位置に基づいて、作業者が作業エリアまで移動しているのか、作業者が作業用エレベータ(EV)を待っているのか、作業者が資機材を運搬しているのか、といったことを判定する。そして、作業記録サーバ14の制御部140は、作業者が作業エリアまで移動する時間、作業者が作業用エレベータ(EV)を待つ時間、及び作業者が資機材を運搬する時間等を統合(例えば、加算)することにより環境整備効率性指標を計算する。作業者の作業エリア外での作業時間は、建設現場においては、準備不足や環境に依存するムダ時間であり、この時間が少なければ少ないほど効率的に運用が出来ていることを示すものである。このため、作業記録サーバ14の制御部140は、この環境整備効率性指標を作業者の評価情報として活用するようにしてもよい。また、作業者の作業効率性情報又は環境整備効率性指標等の評価情報については、作業者が所属する協力会社毎に集計することにより、協力会社単位での評価情報として活用するようにしてもよい。さらに、当該建設現場に従事する全作業者の評価情報を統合(例えば、加算)することで、建設現場としての評価情報として活用するようにしてもよい。これにより、作業者、協力会社、又は建設現場を評価することができる。
【0084】
また、上記実施形態では、建設会社端末10が作業情報を作業記録サーバ150へ送信する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、協力会社の作業者が操作する協力会社端末13が、協力会社の作業者から入力された作業情報を受け付け、その作業情報を作業記録サーバ150へ送信するようにしてもよい。また、同様に、上記実施形態では、協力会社端末13が紐づけ情報を作業記録サーバ150へ送信する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、建設会社の担当職員が操作する建設会社端末12が、建設会社の担当職員から入力された紐づけ情報を受け付け、その紐づけ情報を作業記録サーバ150へ送信するようにしてもよい。
【0085】
また、上記では本発明に係るプログラムが記憶部に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、本発明に係るプログラムは、CD-ROM、DVD-ROM及びマイクロSDカード等の記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。
【符号の説明】
【0086】
10 作業記録システム
12 建設会社端末
13 協力会社端末
14 作業記録サーバ
15 位置特定システム
140 制御部
142 作業情報記憶部
144 情報記憶部
146 位置情報記憶部
148 作業記録情報記憶部
150 位置検出サーバ
154A,・・・,154Z ビーコン
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