(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095423
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】駐車支援装置および駐車支援方法
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20230629BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20230629BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20230629BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
B60W30/06
B60W50/14
B60W60/00
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211302
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯田 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】赤浦 勝太
(72)【発明者】
【氏名】徳弘 崇文
(72)【発明者】
【氏名】谷添 幸広
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241BA60
3D241BC01
3D241BC02
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3D241DD10Z
5H181AA01
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5H181CC14
5H181FF04
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5H181FF27
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
5H181LL17
(57)【要約】
【課題】予め登録済みの走行経路と異なる経路を車両が走行する場合においても、ユーザの利便性を損なうことを低減することができる駐車支援装置および駐車支援方法を提供する。
【解決手段】駐車支援装置は、走行制御部と、検出部と、補正部と、表示制御部とを備える。走行制御部は、過去の駐車動作に基づいて記録された走行経路に基づいて車両を自動走行させることにより車両を入庫または出庫させる。検出部は、車両の周囲の物体を検出する。補正部は、物体の検出結果に基づいて、走行経路を補正する。表示制御部は、自動走行の実行中に、補正部により補正された走行経路を表示部に表示させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去の駐車動作に基づいて記録された走行経路に基づいて車両を自動走行させることにより前記車両を入庫または出庫させる走行制御部と、
前記車両の周囲の物体を検出する検出部と、
前記物体の検出結果に基づいて、前記走行経路を補正する補正部と、
前記自動走行の実行中に、前記補正部により補正された走行経路を表示部に表示させる表示制御部と、
を備える駐車支援装置。
【請求項2】
前記補正部は、前記検出部により検出された前記物体が、前記走行経路の記録の際に検出されたものではない場合、当該物体との距離が閾値以上となるように前記走行経路を補正する、
請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項3】
前記車両の周囲の環境に関する環境情報および前記車両に乗車する利用者に関する利用者情報の少なくともいずれか一方を取得する取得部と、
予め登録された複数の走行経路のうち、前記環境情報および前記利用者情報の少なくともいずれか一方に対応する走行経路を特定する特定部と、をさらに備え、
前記表示制御部は、前記特定部により特定された走行経路を前記表示部に表示させ、
前記走行制御部は、前記特定部により特定された走行経路に基づいて、前記車両を当該走行経路に対応する停止位置まで走行させる、
請求項1または2に記載の駐車支援装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記車両に備えられたセンサの計測結果および前記車両に備えられたカメラにより前記車両の周囲が撮影された周辺画像を前記環境情報として取得する、
請求項3に記載の駐車支援装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記車両の前記利用者の属性情報、前記車両の利用スケジュールに登録された運転者および同乗者の情報、または前記車両の前記利用者を特定可能な利用者IDを前記利用者情報として取得する、
請求項3または4に記載の駐車支援装置。
【請求項6】
前記利用者の属性情報は、少なくとも、前記利用者の年齢および前記利用者の身体的ハンディキャップのうちのいずれかに関する情報を含む、
請求項3から5のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記特定部により複数の走行経路が特定された場合、前記車両の前記利用者の過去の利用履歴に基づく順番で、当該特定された複数の走行経路を前記表示部に表示させる、
請求項3から6のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
【請求項8】
前記駐車動作における前記車両の前記走行経路を、前記環境情報および前記利用者情報の少なくともいずれか一方と対応付けて記録する経路記録部、をさらに備える、
請求項3から7のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
【請求項9】
前記複数の走行経路を、前記環境情報および前記利用者情報のうち少なくともいずれか一方と対応付けて記憶する記憶部、をさらに備え、
前記特定部は、前記記憶部に記憶された前記複数の走行経路のうち、前記環境情報および前記利用者情報の少なくともいずれか一方に対応する走行経路を特定する、
請求項3から8のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
【請求項10】
前記取得部は、前記車両の外部に設けられた記憶装置から前記複数の走行経路を、前記複数の走行経路の各々に対応する前記環境情報および前記利用者情報のうち少なくともいずれか一方と共に取得し、
前記特定部は、前記記憶装置に記憶された前記複数の走行経路のうち、前記環境情報および前記利用者情報の少なくともいずれか一方に対応する走行経路を特定する、
請求項3から8のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
【請求項11】
前記特定部は、駐車支援装置内の記憶部および前記車両の外部に設けられた記憶装置に記憶された前記複数の走行経路のうち、前記環境情報および前記利用者情報の少なくともいずれか一方に対応する走行経路および駐車位置を特定する、
請求項3から8のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
【請求項12】
前記過去の駐車動作は、前記車両の運転者の手動運転による駐車動作である、
請求項1から11のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
【請求項13】
前記過去の駐車動作は、前記車両の自動運転による駐車動作である、
請求項1から11のいずれか1項に記載の駐車支援装置。
【請求項14】
過去の駐車動作に基づいて記録された走行経路に基づいて車両を自動走行させることにより前記車両を入庫または出庫させる走行制御ステップと、
前記車両の周囲の物体を検出する検出ステップと、
前記物体の検出結果に基づいて、前記走行経路を補正する補正ステップと、
前記自動走行の実行中に、前記補正ステップにより補正された走行経路を表示部に表示させる表示制御ステップと、
を含む駐車支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駐車支援装置および駐車支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者による教師走行に基づいて走行経路を記録し、当該記録された走行経路に基づいて車両を自動走行させる経路記憶型自動駐車の技術が知られている。当該技術は例えば駐車場からの入庫または出庫の際に利用される。
【0003】
また、このような経路記憶型自動駐車を行う車両では、静止している未知の障害物を検知すると停止または回避のための迂回動作を自動的に行う機能を有するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、障害物の迂回等のために、予め登録済みの走行経路と異なる経路を車両が走行すると、当該経路をユーザが把握できず、ユーザの利性を損なう可能性があった。
【0006】
本開示は、予め登録済みの走行経路と異なる経路を車両が走行する場合においても、ユーザの利便性を損なうことを低減することができる駐車支援装置および駐車支援方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る駐車支援装置は、走行制御部と、検出部と、補正部と、表示制御部とを備える。走行制御部は、過去の駐車動作に基づいて記録された走行経路に基づいて車両を自動走行させることにより車両を入庫または出庫させる。検出部は、車両の周囲の物体を検出する。補正部は、物体の検出結果に基づいて、走行経路を補正する。表示制御部は、自動走行の実行中に、補正部により補正された走行経路を表示部に表示させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る駐車支援装置および駐車支援方法によれば、予め登録済みの走行経路と異なる経路を車両が走行する場合においても、ユーザの利便性を損なうことを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る駐車支援装置を備える車両の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る車両の運転席近傍の構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る駐車支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る駐車支援装置が備える機能の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る教師走行によって記録される走行経路の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る補正経路の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る表示装置に表示された補正経路画像の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、
図7とは異なる補正経路画像の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係る駐車支援装置で実行される自動走行および走行経路の補正の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、第1の実施形態の変形例1に係るスマートフォンのディスプレイに表示された補正経路画像の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態に係る駐車支援装置が備える機能の一例を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態に係る走行経路データベースの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、第2の実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。
【
図14】
図14は、第2の実施形態に係るスマートフォンのディスプレイに表示された走行経路通知画面の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、第2の実施形態に係るスマートフォンのディスプレイに表示された走行経路選択画面の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、第2の実施形態に係る駐車支援装置およびスマートフォンで実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図17】
図17は、第2の実施形態の変形例1に係る車両の利用スケジュールの管理システムの構成の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、第2の実施形態の変形例1に係るクラウドサーバに保存された利用スケジュールデータベースの一例を示す図である。
【
図19】
図19は、第2の実施形態の変形例2に係る走行経路データベースの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る駐車支援方法および駐車支援装置の実施形態について説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る駐車支援装置100を備える車両1の一例を示す図である。
図1に示すように、車両1は、車体12と、車体12に所定方向に沿って配置された2対の車輪13とを備える。2対の車輪13は、1対のフロントタイヤ13f及び1対のリアタイヤ13rを備える。
【0012】
図1に示すフロントタイヤ13fは、本実施形態における第1の車輪の一例である。また、リアタイヤ13rは、本実施形態における第2の車輪の一例である。車両1の2つのフロントタイヤ13fと2つのリアタイヤ13rとを総称して車輪13という。なお、
図1に示す車両1は、4つの車輪13を備えるが、車輪13の数はこれに限定されるものではない。例えば、車両1は2輪車であってもよい。
【0013】
車体12は、車輪13に結合され、車輪13によって移動可能である。この場合、2対の車輪13が配置される所定方向が車両1の走行方向となる。車両1は、不図示のギアの切り替え等により前進または後退することができる。また、車両1は、操舵により右左折することもできる。
【0014】
また、車体12は、フロントタイヤ13f側の端部である前端部Fと、リアタイヤ13r側の端部である後端部Rを有する。車体12は上面視で略矩形をしており、略矩形状の4つの角部を端部と呼ぶ場合もある。また、
図1では図示を省略するが、車両1は、表示装置、スピーカ、マイク、および操作部を備える。
【0015】
車体12の前後端部F,Rであって、車体12の下端付近には1対のバンパー14が設けられている。1対のバンパー14のうち、フロントバンパー14fは車体12の下端部付近の前面全体と側面の一部を覆う。1対のバンパー14のうち、リアバンパー14rは車体12の下端部付近の後面全体と側面の一部を覆う。
【0016】
車体12の所定の端部には、超音波等の音波の送受波を行う送受波部15f,15rが配置される。例えば、フロントバンパー14fには1つ以上の送受波部15fが配置され、リアバンパー14rには1つ以上の送受波部15rが配置される。以下、送受波部15f,15rを特に限定しない場合には、単に送受波部15という。また、送受波部15の数および位置は、
図1に示す例に限定されるものではない。例えば、車両1は、左右の側方に送受波部15を備えてもよい。
【0017】
本実施形態においては、超音波を使用したソナーを送受波部15の一例として説明するが、送受波部15は、電磁波を送受波するレーダーであってもよい。あるいは、車両1は、ソナーとレーダーの両方を備えてもよい。また、送受波部15を単にセンサと称してもよい。
【0018】
送受波部15は、音波または電磁波の送受結果に基づいて、車両1の周囲の障害物を検出する。また、送受波部15は、音波または電磁波の送受結果に基づいて、車両1の周囲の障害物と車両1との距離を計測する。
【0019】
また、車両1は、車両1の前方を撮影する第1の車載カメラ16a、車両1の後方を撮影する第2の車載カメラ16b、車両1の左側方を撮影する第3の車載カメラ16c、および車両1の右側方を撮影する第4の車載カメラを備える。第4の車載カメラは図示を省略する。
【0020】
以下、第1の車載カメラ16a、第2の車載カメラ16b、第3の車載カメラ16c、および第4の車載カメラを特に区別しない場合には単に車載カメラ16という。車載カメラの位置及び数は
図1に示す例に限定されるものではない。例えば、車両1は、また、第1の車載カメラ16aおよび第2の車載カメラ16bの2台のみを備えてもよい。あるいは、車両1は、上述の例の他に、さらに他の車載カメラを有してもよい。
【0021】
車載カメラ16は、車両1の周囲の映像を撮影可能であり、例えば、カラー画像を撮影するカメラである。なお、車載カメラ16が撮影する撮影画像は、動画でもよいし、静止画でもよい。また、車載カメラ16は、車両1に内蔵されたカメラであってもよいし、車両1に後付けされたドライブレコーダのカメラ等であってもよい。
【0022】
また、車両1には、駐車支援装置100が搭載される。駐車支援装置100は、車両1に搭載可能な情報処理装置であり、例えば、車両1の内部に設けられたECU(Electronic Control Unit)、もしくはOBU(On Board Unit)である。あるいは、駐車支援装置100は、車両1のダッシュボード付近に設置された外付けの装置であってもよい。なお、駐車支援装置100はカーナビゲーション装置等を兼ねてもよい。
【0023】
本実施形態の駐車支援装置100は、運転者による教師走行に基づいて走行経路を学習し、当該学習結果を利用して、駐車支援を行う。このような駐車支援は、例えば運転者の自宅の車庫、集合住宅の契約駐車位置、または勤務先等の駐車場内の規定の駐車位置等、決まった駐車位置への駐車を繰り返し行なう場合に、運転者の駐車の手間を低減するために有効である。このような駐車支援は、ホームゾーンパーキングまたは経路記憶型自動駐車と呼ばれる。
【0024】
また、車両1は、
図1に図示した構成の他に、不図示のジャイロセンサおよび車輪速センサ等の各種センサを備えてもよい。ジャイロセンサは、前後左右や旋回など車両1の回転挙動を計測する。また、車輪速センサは、車両1の各車輪13の車輪速を計測する。
【0025】
次に、本実施形態の車両1の運転席近傍の構成について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る車両1の運転席130a近傍の構成の一例を示す図である。
【0026】
図2に示すように、車両1は運転席130a、および助手席130bを備える。また、運転席130aの前方にはフロントガラス180、ダッシュボード190、ステアリングホイール140、表示装置120、および操作ボタン141が設けられる。
【0027】
表示装置120は、車両1のダッシュボード190に設けられたディスプレイである。表示装置120は、一例として、
図2に示すようにダッシュボード190の中央に位置する。表示装置120は例えば液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。また、表示装置120は、タッチパネルを兼ねてもよい。表示装置120は、本実施形態における表示部の一例である。
【0028】
また、ステアリングホイール140は、運転席130aの正面に設けられ、運転者によって操作可能である。ステアリングホイール140の回転角度、つまり操舵角は、操舵輪であるフロントタイヤ13fの向きの変化と電気的または機械的に連動する。なお、操舵輪はリアタイヤ13rでもよいし、フロントタイヤ13fとリアタイヤ13rの両方が操舵輪であってもよい。
【0029】
操作ボタン141は、ユーザによる操作を受け付け可能なボタンである。なお、本実施形態においてユーザは、例えば車両1の運転者である。なお、操作ボタン141の位置は
図2に示す例に限定されるものでなく、例えばステアリングホイール140に設けられてもよい。また、
図2では1つの操作ボタン141を図示するが、複数の操作ボタン141が設けられてもよい。操作ボタン141は、操作部の一例である。また、表示装置120がタッチパネルを兼ねる場合は、表示装置120が操作部の一例であってもよい。
【0030】
次に、駐車支援装置100のハードウェア構成について説明する。
【0031】
図3は、第1の実施形態に係る駐車支援装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示すように、駐車支援装置100は、CPU(Central Processing Unit)11A、ROM11B、RAM11C、デバイスI/F(インタフェース)11D、CAN(Controller Area Network)I/F11E、NW(NetWork) I/F11F、HDD(Hard Disk Drive)11G等がバス11Hにより相互に接続されており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0032】
CPU11Aは、駐車支援装置100全体を制御する演算装置である。なお、CPU11Aは、本実施形態の駐車支援装置100におけるプロセッサの一例であり、他のプロセッサまたは処理回路がCPU11Aの代わりに設けられてもよい。
【0033】
ROM11B、RAM11C、およびHDD11Gは、記憶部として機能する。例えば、ROM11Bは、CPU11Aによる各種処理を実現するプログラム等を記憶する。RAM11Cは、例えば駐車支援装置100の主記憶装置であり、CPU11Aによる各種処理に必要なデータを記憶する。
【0034】
デバイスI/F11Dは、各種のデバイスと接続可能なインタフェースである。例えば、デバイスI/F11Dは、GPS装置11lと接続し、GPS装置11lから、車両1の現在位置を示すGPS位置情報を取得する。当該GPS位置情報は、例えば、車両1の絶対位置を示す緯度と経度の値である。
【0035】
GPS装置11lは、GPSアンテナ11Jが受信したGPS信号に基づいて車両1の位置を表すGPS座標を特定する装置である。GPSアンテナ11Jは、GPS信号を受信可能なアンテナである。
【0036】
また、デバイスI/F11Dは、車載カメラ16および送受波部15から画像および検知結果等を取得する。また、デバイスI/F11Dは、車両1に搭載された不図示のジャイロセンサおよび車輪速センサから計測結果を取得してもよい。
【0037】
CAN I/F11Eは、車両1内のCANを介して車両1に搭載された他のECUとの間で情報の送受信をするためのインタフェースである。なお、CAN以外の通信規格を採用してもよい。
【0038】
NW I/F11Fは、車両1外の情報処理装置とネットワークを介して通信可能な通信装置である。NW I/F11Fは、例えば、LTE(Long Term Evolution)(登録商標)等の公衆回線、Wi-Fi(登録商標)、またはBluetooth(登録商標)等の近距離通信等により、車両1外の情報処理装置との通信が可能である。なお、車両1と車両1外の情報処理装置との通信形式はこれらに限定されるものではない。車両1外の情報処理装置は、例えば、サーバ、およびスマートフォン等のモバイル端末等である。
【0039】
なお、
図1~3では、表示装置120は、駐車支援装置100とは別個の装置として図示しているが、表示装置120は駐車支援装置100に含まれてもよい。
【0040】
また、駐車支援装置100は、
図3に示す構成の他に、不図示のスピーカおよびマイクを備えてもよい。あるいは、駐車支援装置100のデバイスI/F11Dは、駐車支援装置100とは別個の装置として車両1に備えられた不図示のスピーカおよびマイクとの間で音声データの入出力を行ってもよい。
【0041】
本実施形態の駐車支援装置100は、運転者による教師走行に基づいて走行経路を学習し、当該学習結果を利用して、駐車支援を行う。換言すれば、駐車支援装置100によって実行される駐車支援方法は、運転者による教師走行に基づいて、車両1の自動走行を行う方法である。このような駐車支援方法は、例えば運転者の自宅の車庫、集合住宅の契約駐車位置、または勤務先等の駐車場内の規定の駐車位置等、決まった駐車位置への駐車を繰り返し行なう場合に、運転者の駐車の手間を低減するために有効である。
【0042】
次に、本実施形態の駐車支援装置100の機能の詳細について説明する。
図4は、第1の実施形態に係る駐車支援装置100が備える機能の一例を示すブロック図である。
【0043】
図4に示すように、本実施形態の駐車支援装置100は、受付部101、取得部102、抽出部103、経路記録部104、推定部105、検出部106、補正部107、画像生成部108、表示制御部109、音声出力部110、走行制御部111、および記憶部150を備える。
【0044】
記憶部150は、例えばROM11B、RAM11C、またはHDD11Gによって構成される。なお、
図4では1つの記憶部150が駐車支援装置100に含まれるように記載したが、複数の記憶媒体が記憶部150として機能してもよい。
【0045】
記憶部150は、駐車支援装置100で実行される各種の処理で使用されるプログラムおよびデータを記憶する。例えば、本実施形態の駐車支援装置100で実行されるプログラムは、上述した各機能部(受付部101、取得部102、抽出部103、経路記録部104、推定部105、検出部106、補正部107、画像生成部108、表示制御部109、音声出力部110、および走行制御部111)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU11Aが記憶部150からプログラムを読み出して実行することにより上記各部がRAM11C上にロードされ、受付部101、取得部102、抽出部103、経路記録部104、推定部105、検出部106、補正部107、画像生成部108、表示制御部109、音声出力部110、および走行制御部111がRAM11C上に生成されるようになっている。なお、駐車支援装置100の各機能部が実現する処理を、ステップともいう。
【0046】
本実施形態の駐車支援装置100で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでフラッシュメモリ、CD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0047】
また、本実施形態の駐車支援装置100で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態の駐車支援装置100で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、本実施形態の駐車支援装置100で実行されるプログラムを、ROM11B等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0048】
受付部101は、ユーザからの各種の操作を受け付ける。受付部101は、例えば、操作ボタン141またはタッチパネル上の画像ボタンが押下された場合に、ユーザによる教師走行の記録の開始および終了の操作を受け付ける。
【0049】
また、受付部101は、車両1に設けられたマイクから入力されたユーザの音声により、ユーザによる各種の操作を受け付けても良い。
【0050】
取得部102は、車両1の周囲を車両1の移動と共に時系列に撮影した複数の画像を、複数の車載カメラ16a~16cから取得する。なお、当該画像は、車両1の周辺を撮影した画像であるため、本実施形態において周辺画像という。
【0051】
また、取得部102は、車両1の周囲の物体と車両との距離に関する情報を取得する。車両1の周囲の物体と車両との距離に関する情報は、例えば、送受波部15によって検出された障害物の有無、および検出された車両1の周囲の障害物と車両1との距離の長さである。送受波部15によって検出された障害物の有無、送受波部15によって計測された車両1の周囲の障害物と車両1との距離、および周辺画像を、車両1の周囲の環境に関する環境情報と称してもよい。なお、環境情報は、これらの情報に限定されるものではない。
【0052】
また、取得部102は、デバイスI/F11Dを介してGPS装置11lからGPS位置情報を取得する。
【0053】
また、取得部102は、車両1の各種センサまたは他のECUから、車両1の車両情報を取得する。車両情報は、例えば、車両1の速度、操舵角、および制動動作に関する情報を含む。車両1の車両情報に含まれる各情報は、各情報が検出された時刻と対応付けられて記憶部150に記憶される。なお、車両1の車両情報は、さらに、車輪速または車輪13の回転数、ジャイロセンサ等で計測された車両1の加速度等を含んでもよい。
【0054】
抽出部103は、車載カメラ16によって車両1の周囲が撮影された周辺画像、または、送受波部15により車両1の周囲がセンシングされた結果から、車両1の周囲の特徴点を抽出する。抽出部103による特徴点の抽出の手法は特に限定されるものではなく、公知の手法を適用してよい。例えば、抽出部103は、FAST(Features from Accelerated Segment Test)またはORB(Oriented FAST and Rotated BRIEF)等の手法により特徴点を抽出する。また、抽出部103は、走行経路80の学習の際は、抽出した特徴点のうち、規定の条件を満たす特徴点を、優先的に記録してもよい。例えば、時系列で連続する複数の周辺画像のうち、撮影中に車両1が移動した距離が長いものから抽出された特徴点ほど、優先して特徴点として選定してもよい。
【0055】
経路記録部104は、運転者による教師走行における車両1の走行経路を記録する。経路記録部104は、例えば、抽出部103により抽出された特徴点の変化、および車両1の車両情報に基づいて、教師走行中の車両1の位置を推定し、当該位置の時系列の変化から、走行経路を特定する。
【0056】
より詳細には、経路記録部104は、教師走行中に抽出された特徴点の時系列の変化に基づいて、車両1の位置の変化を特定する。また、経路記録部104は、特徴点から特定された車両1の位置を、取得された車両情報に基づいて補正してもよい。また、経路記録部104は、車両1のGPS位置情報に基づく車両1の絶対位置の変化から、教師走行中の車両1の位置を推定してもよい。
【0057】
本実施形態においては、自動走行用の走行経路および当該走行経路を走行する車両1の速度、操舵角、制動動作、および教師走行中に抽出された特徴点を時系列に対応付けた情報を、走行経路情報という。走行経路情報により車両1の走行経路が定義されるため、走行経路情報の収集の処理は、車両1の走行経路の記録処理である。経路記録部104は、走行経路情報を記憶部150に保存する。走行経路情報、あるいは当該走行経路情報が後述の補正部107により補正された補正経路情報は、後述の自動走行の際に、走行制御部111によって用いられる。なお、走行経路の記録手法、および走行経路情報の定義は当該例に限定されるものではない。
【0058】
また、経路記録部104は教師走行中に撮影された周辺画像から抽出された特徴点に基づいて車両1の周囲の環境を地図(マップ)情報として定義し、当該地図情報を記憶部150に記憶させる。なお、教師走行に基づく走行経路の記録処理を、学習処理と呼んでもよい。教師走行によって記録された走行経路は、後述の補正部107による補正の基準として使用されるため、基準経路ともいう。
【0059】
図5は、第1の実施形態に係る教師走行によって記録される走行経路80の一例を示す図である。
図5に示す例では、車両1の運転者は、教師走行の際、車両1を開始位置23から駐車位置27まで手動運転で移動させる。駐車位置27は、一例として、車庫18内の駐車スペース19内にある。車庫18は、側壁20,21を有する。換言すれば、駐車スペース19は、側壁20,21によって範囲が画定されている。なお、駐車スペース19は車庫18内に限定されるものではなく、例えば、白線によって範囲が画定された領域でもよい。また、標識等により駐車スペース19の位置が示されていてもよい。また、駐車スペース19は、白線等によって区切られていない空き地等であってもよい。
【0060】
本実施形態においては、駐車支援装置100が運転者により学習モードに切り替えられた場合、経路記録部104が教師走行を実施するものとする。学習モードへの切り替えは、例えば、運転者が操作ボタン141またはタッチパネルを操作することにより実施される。
【0061】
学習モードにおいて、経路記録部104は、駐車スペース19の周囲について学習する。また、駐車スペース19の周囲には、駐車スペース19の横方向の境界、すなわち、
図5における側壁20,21も含んでいる。学習モードにおける教師走行中に、経路記録部104は、車両1が動き始める開始位置23から周囲の地図情報の記録を開始し、記録した地図情報を記憶部150に格納する。
【0062】
また、
図5に示す例では、駐車スペース19の周囲には建物24、樹木25が位置する。側壁20,21、建物24、および樹木25は、周辺画像に描出され、また、送受波部15によりセンシングされる。このため、経路記録部104は、側壁20,21、建物24、および樹木25の特徴点を地図情報として記録する。この場合、側壁20,21、建物24、および樹木25は、既知の物体となる。これらの既知の物体は、走行経路80の基準となるため、基準物体ともいう。
【0063】
なお、本実施形態においては、経路記録部104は、走行経路80の軌跡または形状についての情報、周囲の物体を表す特徴点に対する開始位置23の相対位置、および周囲の物体を表す特徴点に対する駐車位置27の相対位置を記録する。なお、記録対象の情報はこれに限定されるものではない。例えば、経路記録部104は、走行経路80の軌跡または形状を記録することなく、周囲の物体を表す特徴点に対する駐車位置27の相対位置、および周囲の物体を表す特徴点に対する駐車位置27の相対位置のみを記録してもよい。
【0064】
なお、地図情報は特徴点によって構成されるものに限定されず、経路記録部104は、駐車スペース19の周囲の複数の物体の相対位置、色、輪郭についての情報を記録してもよい。
【0065】
図4に戻り、推定部105は、車両1が後述の走行制御部111により走行経路80または補正経路81に基づく自動走行をする際に、抽出部103により抽出された特徴点に基づいて、車両1の位置および向きを推定する。
【0066】
例えば、推定部105は、教師走行の際に車載カメラ16により撮影された周辺画像の特徴点と、現在の周辺画像の特徴点とを比較することにより、車両1の位置を推定する。なお、推定部105による車両1の位置および向きの推定の手法は当該例に限定されるものではない。また、推定部105は、推定した車両1の位置を、車両1のGPS位置情報に基づく車両1の絶対位置に基づいて補正してもよい。
【0067】
検出部106は、車両1の周囲の物体を検出する。より詳細には、検出部106は、駐車支援による自動走行の開始前および自動走行中に、取得部102によって取得された送受波部15によって検出された障害物の有無、送受波部15によって計測された車両1の周囲の障害物と車両1との距離、および周辺画像等の環境情報に基づいて、車両1の周囲の物体を検出する。本実施形態において、物体という場合、他の車両、建物、樹木、および人等も含まれる。
【0068】
駐車支援による自動走行中に検出される車両1の周囲の物体には、教師走行時から存在した既知の物体と、教師走行時には存在しなかった未知の物体とがある。教師走行時に存在しなかった未知の物体のうち、車両1が教師走行によって記録された走行経路80に基づいて走行する際に車両1との距離が閾値以下となる物体が、障害物となる。閾値は、特に限定されるものではない。
【0069】
検出部106は、例えば、駐車支援による自動走行中に、経路記録部104によって記録された走行経路80に対応する地図情報に含まれる物体を検出した場合は、既知の物体を検出したと判定する。また、検出部106は、例えば、駐車支援による自動走行中に、経路記録部104によって記録された走行経路80に対応する地図情報に含まれない物体を検出した場合は、未知の物体を検出したと判定する。
【0070】
補正部107は、物体の検出結果に基づいて、教師走行によって記録された走行経路80を補正する。より詳細には、補正部107は、検出部106により検出された物体が、教師走行において検出されたものではない場合、当該物体との距離が閾値以上となるように走行経路80を補正する。
【0071】
図6は、第1の実施形態に係る補正経路81の一例を示す図である。
図6に示す例では、駐車支援装置100が駐車支援を実行する際に、駐車スペース19の近傍にゴミ箱30aが放置されている。当該ゴミ箱30aは、教師走行時には存在しなかったため、駐車支援装置100にとって未知の物体である。この場合、ゴミ箱30aは検出部106によって検出される。そして、補正部107は、車両1が開始位置23から駐車位置27まで移動する間、ゴミ箱30aと車両1との距離が閾値以上であり続けるように、走行経路80を補正する。補正部107により補正済みの走行経路を補正経路81という。
【0072】
本実施形態においては、補正部107は、ゴミ箱30aを回避する経路全体を始めから生成するのではなく、例えば、教師走行で記録された走行経路80のうち、一部の領域を新しい経路に置き換えることにより、補正経路81を生成する。例えば、
図6に示す例では、補正経路81の始端付近と終端付近は走行経路80と重なっており、中間部分のみが走行経路80と異なる。このため、本実施形態の補正の手法によれば、ゴミ箱30aを回避する経路全体を生成しなくとも未知の物体を回避可能である。
【0073】
図4に戻り、画像生成部108は、補正部107により生成された補正経路81を表す補正経路画像を生成する。補正経路画像は、例えば、駐車スペース19、補正経路81、走行経路80、走行経路80の開始位置23、駐車位置27、および駐車スペース19の周囲の物体を図示する画像である。なお、補正経路画像は、走行経路80は含まなくともよい。補正経路画像は、車載カメラ16により撮影された周辺画像から生成されてもよいし、物体の輪郭等を描出したイラストであってもよい。
【0074】
表示制御部109は、駐車支援による自動走行の開始前および自動走行中の少なくともいずれか一方において、補正部107により補正された走行経路80、すなわち補正経路81を表示装置120に表示させる。本実施形態では、表示制御部109は、少なくとも、自動走行中に補正経路81を表示装置120に表示させる。具体的には、本実施形態では、表示制御部109は、画像生成部108により生成された補正経路画像を表示装置120に表示させる。
【0075】
図7は、第1の実施形態に係る表示装置120に表示された補正経路画像121aの一例を示す図である。
図7に示すように、補正経路画像121aは、駐車スペース19、補正経路81、走行経路80、走行経路80の開始位置23、駐車位置27、側壁20,21、建物24、樹木25、およびゴミ箱30aを図示する。なお、
図7では補正経路画像121aには補正前の走行経路80と補正経路81の両方が描出されているが、補正経路81のみが描出されてもよい。また、表示制御部109は、補正経路画像121aに描出された物体のうち、いずれの物体が障害物であるかを、強調して表示させてもよい。表示制御部109は、さらに、AR(Augmented Reality)等のXR(Extended Reality)技術やCG(Computer Graphics)を用いて、駐車行為を再現するように動画的に表示してもよい。このような技術により動画の場合実際のクルマの挙動が忠実に再現されるため、視覚的にわかりやすくなり、障害物の危険性などをユーザがより判定しやすくなる。
【0076】
また、補正経路画像121aには、走行経路80を変更した理由を運転者に説明するメッセージM1が含まれてもよい。
図7に示す例では、表示制御部109は、「障害物があるため、経路を修正します」というメッセージM1を表示させている。
【0077】
また、
図7に示す例では、ゴミ箱30aは走行経路80の開始位置23の時点で車両1の車載カメラ16の撮像範囲および送受波部15の計測範囲に含まれているため、表示制御部109は、駐車支援による自動走行の開始前に当該補正経路画像121aを表示させることができる。
【0078】
また、自動走行に伴って車両1が移動すると、車載カメラ16の撮像範囲および送受波部15の計測範囲も変化するため、検出部106により新たに未知の物体が検出される場合がある。当該新たに検出された未知の物体が障害物である場合、補正部107は、走行経路80を補正する。あるいは、既に補正済みの補正経路81に沿って車両1が自動走行している場合、補正部107は、新たに検出された障害物を回避するように、補正経路81をさらに補正する。このように自動走行中に走行経路80または補正経路81が補正された場合、画像生成部108は、新たに補正された補正経路81を表す補正経路画像を生成する。そして、表示制御部109は、新たに生成された補正経路画像を表示装置120に表示させる。
【0079】
図8は、
図7とは異なる補正経路画像121bの一例を示す図である。
図8に示す例では、車庫18内にゴミ箱30bが放置されている。ゴミ箱30bは、教師走行時には当該場所にはなかった未知の物体であるものとする。また、車庫18の奥には、さらに他の未知の物体31が存在する。ゴミ箱30bおよび他の未知の物体31は、車両1が車庫18内に進入しないと車載カメラ16の撮像範囲および送受波部15の計測範囲に含まれない。
【0080】
この場合、検出部106は、車両1が車庫18内に進入してゴミ箱30bおよび他の未知の物体31が車載カメラ16の撮像範囲および送受波部15の計測範囲に含まれるようになると、当該ゴミ箱30bおよび他の未知の物体31を検出する。また、検出部106は、既知の物体である側壁20、21も検出する。
【0081】
そして、補正部107は、側壁20、21との距離d1,d2,d4が閾値より長くなる状態を維持しつつ、ゴミ箱30bおよび他の未知の物体31との距離d3,d5が閾値より長くなるように、走行経路80を補正して補正経路81を生成する。
図8に示す場合は車庫18内にゴミ箱30bおよび他の未知の物体31があるため、補正部107は、車両1の駐車位置27も変更してもよい。なお、
図8では走行経路80、開始位置23、および駐車位置27は図示を省略する。この場合、画像生成部108は、補正部107により生成された補正経路81を表す補正経路画像121bを生成する。以下、個々の補正経路画像121a,121bを特に区別しない場合は、単に補正経路画像121という。
【0082】
表示制御部109は、
図8に示すように、補正経路画像121bを表示装置120に表示させる。このように、表示制御部109が自動走行中に新たに検出された未知の物体に応じて生成された補正経路81を表示させることで、最新の補正経路81の状態をユーザが確認可能となる。なお、
図7および
図8に示す補正経路画像121は一例であり、表示態様はこれに限定されるものではない。
【0083】
また、表示制御部109は、車両1が走行中に、駐車支援が可能な位置に車両1がある場合、駐車支援が可能であることを表示装置120に表示させることにより、運転者に通知する。駐車支援が可能な位置とは、例えば、規定の距離内に走行経路80の開始位置23または走行経路80に合流可能な地点がある位置である。
【0084】
図4に戻り、音声出力部110は、車両1に設けられたスピーカに音または音声を出力させる。例えば、
図7および
図8では、表示制御部109が表示装置120にメッセージM1を表示させる例を図示したが、なお、メッセージM1の通知方法は表示に限定されるものではない。例えば、音声出力部110がスピーカから音声メッセージとしてメッセージM1を出力させてもよい。
【0085】
また、音声出力部110は、車両1が走行中に、駐車支援が可能な位置に車両1がある場合、駐車支援が可能であることをスピーカから音声メッセージとして出力させることにより、運転者に通知してもよい。
【0086】
走行制御部111は、過去の駐車動作に基づいて記録された走行経路80に基づいて、車両1を自動走行させることにより車両を入庫または出庫させる。本実施形態においては、教師走行によって記録された走行経路80が、過去の駐車動作に基づいて記録された走行経路80の一例である。走行制御部111は、走行経路80または当該走行経路80が補正された補正経路81に基づく自動運転により、駐車スペース19に車両1を移動させる。例えば、走行制御部111は、車両1の操舵、制動、および加減速を制御することにより、走行経路80または補正経路81に沿って車両1を自動走行させる。
【0087】
なお、走行制御部111による自動走行中は、運転者が車両1の運転席130aに着座していてもよいし、車両1から降車していてもよい。本実施形態においては、運転者が車両1の運転席130aに着座している想定で説明する。
【0088】
また、
図4では駐車支援装置100が走行制御部111を備えるものとして図示しているが、走行制御部111は、駐車支援装置100とは異なる他のECUによって実現されてもよい。
【0089】
次に、以上のように構成された本実施形態の駐車支援装置100で実行される走行経路80の補正処理の流れについて説明する。
【0090】
図9は、第1の実施形態に係る駐車支援装置100で実行される自動走行および走行経路80の補正の処理の流れの一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理が実行される時点で、教師走行に基づく走行経路80が登録済みであるものとする。
【0091】
まず、取得部102は、車両1の絶対位置、周辺画像、速度、操舵角、制動動作、および測距結果を取得する(S101)。なお、このフローチャートでは図示を省略するが、取得部102による車両1の絶対位置、周辺画像、速度、操舵角、制動動作、および測距結果を取得は、このフローチャートの実行中は継続しているものとする。
【0092】
そして、抽出部103は、取得された複数の周辺画像から特徴点を抽出する(S102)。
【0093】
推定部105は、抽出された特徴点と、教師走行の際に車載カメラ16により撮影された周辺画像の特徴点とを比較することにより、車両1の位置を推定する自己位置推定処理を実行する(S103)。また、推定部105は、送受波部15から取得された測距結果、またはGPS装置11lから取得されたGPS位置情報等に基づいて、自己位置推定処理を実行してもよい。
【0094】
推定部105は、自己位置推定の結果に基づいて、車両1から規定の距離内に走行経路80の開始位置23または走行経路80に合流可能な地点があるか否かを判定する(S104)。車両1から規定の距離内に走行経路80の開始位置23または走行経路80に合流可能な地点がない場合(S104“No”)、S101の処理に戻る。規定の距離は、走行制御部111が車両1を自動走行させて走行経路80に合流させることが可能な距離である。例えば、車両1の現在位置が開始位置23からあまりに離れていると、走行制御部111が走行経路80に基づく自動走行を実行することが困難となる。規定の距離の具体的な値は特に限定されるものではない。また、走行経路80の開始位置23以外から車両1が走行経路80に合流可能な場合もある。
【0095】
また、車両1から規定の距離内に走行経路80の開始位置23または走行経路80に合流可能な地点がある場合(S104“Yes”)、表示制御部109は、駐車支援が可能であることを表示装置120に表示させることにより、運転者に通知する(S105)。なお、音声出力部110が、駐車支援が可能であることをスピーカから音声メッセージとして出力させることにより、運転者に通知してもよい。
【0096】
そして、受付部101は、ユーザによる駐車支援の開始操作を受け付けたか否かを判定する(S106)。ユーザによる駐車支援の開始操作を受け付けていない場合(S106“No”)、受付部101は、ユーザの操作を待機する。
【0097】
受付部101がユーザによる駐車支援の開始操作を受け付けた場合(S106“Yes”)、検出部106は、車両1の周囲に障害物を検出したか否かを判定する(S107)。例えば、検出部106は、教師走行時に存在しなかった未知の物体のうち、車両1が教師走行によって記録された走行経路80に基づいて走行する際に車両1との距離が閾値以下となる物体を検出した場合、障害物を検出したと判定する。
【0098】
検出部106が障害物を検出した場合(S107“Yes”)、補正部107は、検出された障害物との距離が閾値以上となるように走行経路80を補正することにより、補正経路81を生成する(S108)。
【0099】
そして、画像生成部108は、補正部107により生成された補正経路81を表す補正経路画像121を生成する(S109)。
【0100】
そして、表示制御部109は、画像生成部108により生成された補正経路画像121を表示装置120に表示させる(S110)。
【0101】
そして、走行制御部111は、補正経路81に基づく自動走行を実行する(S111)。
【0102】
そして、自動走行中に検出部106が障害物を検出した場合(S112“Yes”)、S108の処理に戻り、補正部107は、新たに検出された障害物との距離が閾値以上となるように、補正経路81をさらに補正する。そして、S109~S111の処理が実行される。
【0103】
また、自動走行中に検出部106が障害物を検出しなかった場合(S112“No”)、走行制御部111は、補正経路81に基づく自動走行を継続する(S113)。
【0104】
車両1が駐車スペース19に到達していない間は(S114“No”)、S112~S114の処理が繰り返され、障害物の検出した場合にはS108の処理が実行される。
【0105】
そして、車両1が駐車スペース19に到達した場合(S114“Yes”)、走行制御部111は、車両1は車両1を当該駐車スペース19に駐車させる(S115)。なお、教師走行における駐車位置27に車両1が駐車可能な場合、走行制御部111は、駐車スペース19内の駐車位置27に車両1を駐車させる。また、
図8の例のように障害物によって教師走行における駐車位置27に車両1が駐車できない場合、走行制御部111は、当該障害物と車両1との距離が閾値以上になる位置で、車両1を停止させる。
【0106】
また、検出部106が障害物を検出していない場合(S107“No”)、補正部107は、教師走行により記録された走行経路80に基づく自動走行を実行する(S116)。また、S116の処理の次は、S112の処理に進み、自動走行中に検出部106が障害物を検出した場合は、S108の処理に進む。また、自動走行中に検出部106が障害物を検出していない場合は、S113に進み、走行経路80に基づく自動走行を継続する。そして、S114で車両1が駐車スペース19に到達した場合、走行制御部111は、S115の処理に進み、車両1は車両1を当該駐車スペース19に駐車させる。ここで、このフローチャートの処理は終了する。
【0107】
このように、本実施形態の駐車支援装置100は、過去の駐車動作に基づいて記録された走行経路80に基づく駐車支援による自動走行中に物体の検出結果に基づいて走行経路80を補正し、補正された走行経路80すなわち補正経路81を表示装置120に表示させることにより、ユーザに補正経路81を把握させることができる。このため、本実施形態の駐車支援装置100によれば、予め登録済みの走行経路80と異なる経路を車両1が走行する場合においても、車両1の予想外の動作によりユーザに驚きを与えてしまうなどのユーザの利便性を損なう事象の発生を低減することができる。
【0108】
また、本実施形態において、過去の駐車動作は、車両1の運転者の手動運転による駐車動作である。つまり、本実施形態の駐車支援装置100では、ユーザである運転者による教師走行に基づく走行経路80と異なる経路を自動運転中の車両1が走行する場合に、経路を変更したことを運転者に把握させることで運転者が不安を感じることや動揺することを低減することができる。
【0109】
また、本実施形態の駐車支援装置100は、検出された物体が、走行経路80の記録の際に検出されたものではない場合、当該物体との距離が閾値以上となるように走行経路80を補正する。このため、本実施形態の駐車支援装置100によれば、未知の物体を検出した場合にも、当該物体と車両1との接触を回避することができる。
【0110】
なお、本実施形態においては、車両1が車庫18に入庫する例について説明したが、車両1が出庫する場合にも、本実施形態の駐車支援装置100を適用可能である。
【0111】
なお、駐車支援装置100は、未知の物体は画像認識技術を使って判別し、走行上影響がない物体(例えば、水たまり等)と識別された場合には、補正の有無を表示機器及び音声に表示する事により、ユーザに通知し、補正の有無を選択してもよい。
【0112】
(第1の実施形態の変形例1)
上述の第1の実施形態では、駐車支援装置100は、補正経路画像121を車両1内の表示装置120に表示させていた。この変形例1では、駐車支援装置100は、補正経路画像121を、スマートフォン等のモバイル端末のディスプレイに表示させる。
【0113】
本変形例の駐車支援装置100は、第1の実施形態と同様のハードウェア構成を備える。また、本変形例の駐車支援装置100は、第1の実施形態と同様に、受付部101、取得部102、抽出部103、経路記録部104、推定部105、検出部106、補正部107、画像生成部108、表示制御部109、音声出力部110、走行制御部111、および記憶部150を備える。
【0114】
受付部101、取得部102、抽出部103、経路記録部104、推定部105、検出部106、補正部107、画像生成部108、音声出力部110、走行制御部111、および記憶部150は、第1の実施形態と同様の機能を備える。
【0115】
また、本変形例の表示制御部109は、駐車支援による自動走行の開始前および自動走行中の少なくともいずれか一方において、補正部107により補正された走行経路80、すなわち補正経路81をスマートフォン等のモバイル端末のディスプレイに表示させる。例えば、表示制御部109は、画像生成部108により生成された補正経路画像121をスマートフォン等のモバイル端末のディスプレイに表示させる。
【0116】
例えば、表示制御部109は、NW I/F11Fを介して、スマートフォン等のモバイル端末に補正経路画像121を送信し、当該補正経路画像121をディスプレイに表示させる。
【0117】
スマートフォン等のモバイル端末のディスプレイは、本実施形態における表示部の一例である。また、スマートフォン等のモバイル端末のディスプレイがタッチパネルとしての機能を備える場合、当該タッチパネルは操作部の一例となる。
【0118】
図10は、第1の実施形態の変形例1に係るスマートフォン200のディスプレイ210に表示された補正経路画像121aの一例を示す図である。補正経路画像121aの表示内容は、
図7で説明した第1の実施形態と同様である。スマートフォン200は車両1の運転者のものでもよいし、運転者以外の同乗者のものでもよい。
【0119】
例えば、車両1の運転者が車両1から降車した状態で自動走行による車両1の入庫を実行する場合、運転者はスマートフォン200のディスプレイ210に表示された補正経路画像121aを見ることで、車両1が走行する経路を確認することができる。このため、本変形例によれば、車両1が予め登録された走行経路80ではなく補正経路81に沿って走行する場合にも、運転者はスマートフォン200により補正経路81を把握できる。
【0120】
また、車両1の運転者が車両1から降車した状態で自動走行による車両1の出庫を実行する場合、車両1の運転者および同乗者は、スマートフォン200のディスプレイ210に表示された補正経路画像121aを見ることで、車両1が車庫18から出て停止する位置、および停止するまでに経由する経路を把握することができる。特に、出庫において障害物により車両1の停止位置が予め登録された走行経路80の停止位置と異なる場合に、運転者および同乗者が補正経路画像121aにより補正後の停止位置を把握することで、適切な位置で車両1を待つことができる。
【0121】
(第1の実施形態の変形例2)
上述の第1の実施形態では、駐車支援装置100の走行制御部111は、運転者による教師走行に基づく走行経路80に基づいて車両1を自動走行させることにより車両1を入庫または出庫させるものとした。しかしながら、走行経路80の記録方法は、教師走行に限定されるものではない。例えば、走行経路80は、車両1の自動運転による駐車動作に基づいて記録されたものであってもよい。
【0122】
より詳細には、駐車支援装置100は、
図4に図示した機能部に加えて、目標駐車位置に対する駐車経路を生成する駐車経路生成部を備えてもよい。この場合、駐車経路生成部は、演算等の処理により走行経路80を生成する。そして、駐車経路生成部は、生成した走行経路80を記憶部150に保存する。なお、駐車経路生成部は複数の走行経路80を生成し、ユーザが当該複数の走行経路80のうちから登録対象の走行経路80を選択してもよい。
【0123】
(第2の実施形態)
上述の第1の実施形態では、予め登録された走行経路80が1種類である場合について説明したが、複数の走行経路80が登録されていてもよい。本実施形態では、駐車支援装置100は、予め登録された複数の走行経路80のうち、車両1の周囲の環境に関する環境情報、および車両1に乗車する利用者に関する利用者情報の少なくともいずれか一方に基づいて、車両1が走行する走行経路80を特定する。
【0124】
本変形例の駐車支援装置100は、第1の実施形態と同様のハードウェア構成を備える。
【0125】
図11は、第2の実施形態に係る駐車支援装置が備える機能の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、本実施形態の駐車支援装置100は、受付部101、取得部1102、抽出部103、経路記録部1104、推定部105、検出部106、補正部107、画像生成部108、表示制御部1109、音声出力部110、走行制御部111、特定部112、および記憶部1150を備える。
【0126】
受付部101、抽出部103、推定部105、検出部106、補正部107、画像生成部108、および音声出力部110は、第1の実施形態と同様の機能を備える。
【0127】
本実施形態の記憶部1150は、第1の実施形態と同様に、例えばROM11B、RAM11C、またはHDD11Gによって構成される。また、本実施形態の記憶部1150は、第1の実施形態と同様の内容に加えて、複数の走行経路80を、環境情報および利用者情報のうち少なくともいずれか一方と対応付けて記憶する。
【0128】
第1の実施形態では、送受波部15によって検出された障害物の有無、送受波部15によって計測された車両1の周囲の障害物と車両1との距離、および周辺画像を、車両1の周囲の環境に関する環境情報の一例として挙げたが、環境情報はこれらに限定されるものではない。例えば、環境情報は、送受波部15の検出結果または周辺画像から抽出された車両1の周囲の特徴点、車両1の位置座標、および車両1または駐車スペース19の周囲の天候等を含んでもよい。
【0129】
また、利用者情報は、車両1の運転者または同乗者に関する情報であり、例えば、運転者または同乗者の年齢、および身体情報等である。身体情報は、例えば車椅子利用の有無、その他の身体的ハンディキャップの有無等である。なお、利用者情報は、これらに限定されるものではない。運転者および同乗者を総称する場合、単に利用者という。運転者または同乗者の年齢、および身体情報は、利用者の属性情報ともいう。利用者の属性情報は、上述の例に限定されるものではないが、少なくとも、利用者の年齢および利用者の身体的ハンディキャップのうちのいずれかに関する情報を含むものとする。
【0130】
より具体的には、本実施形態の記憶部1150は、複数の走行経路80を、環境情報に関する条件および利用者情報に関する条件のうち少なくともいずれか一方と対応付けた走行経路データベースを記憶する。
【0131】
図12は、第2の実施形態に係る走行経路データベース90の一例を示す図である。
図12に示す例では、走行経路データベース90は、複数の走行経路80の走行経路番号、環境情報に関する条件、および利用者情報に関する条件を対応付けたデータベースである。
【0132】
走行経路番号は、各走行経路80を特定可能な識別情報の一例である。また、環境情報に関する条件は、走行経路80に対応する環境情報を規定する条件である。また、利用者情報に関する条件は、走行経路80に対応する利用者情報を規定する条件である。
図12に示す例では、走行経路番号“1”の走行経路80には、“周囲の特徴点:xxx、障害物の有無:無し、天候:晴れまたは曇り”という環境情報に関する条件が対応付けられている。すなわち、車両1または駐車スペース19の周囲の環境が当該条件に一致する場合、走行経路番号“1”の走行経路80が推奨される。なお、
図12の環境情報に関する条件として登録されている複数の条件は、AND条件でもよいし、OR条件であってもよい。
【0133】
また、
図12に示す例では、走行経路番号“1”の走行経路80には、“健常者、年齢:10~60代”という利用者情報に関する条件が対応付けられている。また、走行経路番号“2”の走行経路80には、“車椅子利用者、年齢:70代以上”という利用者情報に関する条件が対応付けられている。また、
図12の利用者情報に関する条件として登録されている複数の条件は、AND条件でもよいし、OR条件であってもよい。
【0134】
例えば、利用者が車椅子利用者である場合、車両1が駐車スペース19から出庫した後、建物24のスロープの近くに停車する走行経路80が利用者にとって利便性が高い。また、天候が雨の場合には、車両1が駐車スペース19から出庫した後、建物24の出入り口の近くに停車する走行経路80が利用者にとって利便性が高い。また、利用者が特に歩行に不都合がない健常者である場合、運転者の乗車後に車両1を発車させやすい位置に車両1が駐車する走行経路80が利用者にとって利便性が高い。
【0135】
なお、走行経路データベース90には、環境情報に関する条件と利用者情報に関する条件のいずれか一方のみが登録されていてもよい。
【0136】
また、本実施形態の記憶部1150は、利用者ID、当該利用者IDにより特定される利用者の身体情報、および年齢が対応付けられた利用者情報データベース91を記憶する。
【0137】
図13は、第2の実施形態に係る利用者情報データベース91の一例を示す図である。
【0138】
なお、
図12、および
図13ではテーブル形式で走行経路データベース90および利用者情報データベース91を図示しているが、対象の情報が対応付けられていればよく、データ形式は限定されるものではない。また、利用者情報データベース91には、さらに、各利用者が車両1の運転者であるか同乗者であるかかが登録されていてもよい。
【0139】
図11に戻り、本実施形態の経路記録部1104は、運転者による教師走行における車両1の走行経路80を、環境情報および利用者情報の少なくともいずれか一方と対応付けて記録する。当該記録処理により、走行経路データベース90が生成される。なお、走行経路データベース90は、車両1外の情報処理装置等で生成されてもよいし、表示装置120のタッチパネルまたはスマートフォン200等のモバイル端末からユーザにより登録されていてもよい。
【0140】
本実施形態の取得部1102は、第1の実施形態と同様の機能を備えた上で、車両1の周囲の環境に関する環境情報および車両1に乗車する利用者に関する利用者情報の少なくともいずれか一方を取得する。
【0141】
例えば、取得部1102は、送受波部15によって検出された障害物の有無、送受波部15によって計測された車両1の周囲の障害物と車両1との距離、車載カメラ16によって撮影された周辺画像、GPS装置11lによって計測された車両1のGPS位置情報を取得する。また、取得部1102は、車両1の外部の情報処理装置から、ネットワークを介して天候に関する情報を取得してもよい。あるいは、取得部1102は、車載カメラ16によって撮影された周辺画像から車両1の周囲の天候を取得してもよい。
【0142】
特定部112は、記憶部1150に予め登録された複数の走行経路80のうち、取得された環境情報および利用者情報の少なくともいずれか一方に対応する走行経路80を特定する。本実施形態では、環境情報および利用者情報の両方を走行経路80の特定のための条件とする。例えば、特定部112は、取得された環境情報が“周囲の特徴点:xxx、障害物の有無:無し、天候:晴れまたは曇り”という条件を満たし、かつ、取得された利用者情報が“健常者、年齢:10~60代”という条件を満たす場合、
図12に例示した走行経路番号“1”の走行経路80を、車両1の自動走行に用いる走行経路80として特定する。
【0143】
また、記憶部1150に予め登録された複数の走行経路80のうち、取得された環境情報および利用者情報の少なくともいずれか一方に対応する走行経路80が複数存在する場合、特定部112は、取得された環境情報および利用者情報の少なくともいずれか一方に対応する複数の走行経路80を、車両1の自動走行に用いる走行経路80の候補として特定する。
【0144】
また、特定部112は、複数の走行経路80を候補として特定した場合、環境情報および利用者情報の少なくともいずれか一方に応じて、候補として特定された各走行経路80の推奨度を算出してもよい。あるいは、特定部112は、候補として特定された各走行経路80が過去にユーザにより選択された頻度に応じて、各走行経路80の推奨度を算出してもよい。
【0145】
本実施形態の表示制御部1109は、第1の実施形態および第1の実施形態の変形例1と同様の機能を備えた上で、特定部112により特定された走行経路80または走行経路80の候補をスマートフォン200のディスプレイ210に表示させる。スマートフォン200のディスプレイ210は、本実施形態における表示部の一例である。
【0146】
図14は、第2の実施形態に係るスマートフォン200のディスプレイ210に表示された走行経路通知画面122の一例を示す図である。走行経路通知画面122は、例えば、特定部112により特定された走行経路80を表す画像が表示された画面である。
図14に示す例では、走行経路通知画面122は、車庫18内の駐車スペース19から車両1が出庫して停止位置28に停止するまでの走行経路80を表す。また、走行経路通知画面122は、駐車スペース19および停止位置28の周囲の建物24等の物体も図示してもよい。
【0147】
また、
図14に示す例では、走行経路通知画面122には、「この走行経路で出庫しますか?」というメッセージM2が表示される。当該内容に限らず、表示制御部1109は、ユーザに走行経路80の承認を促すメッセージM2を表示させてもよい。
【0148】
また、
図14に示す例では、走行経路通知画面122には、OKボタン231とキャンセルボタン232とが表示される。OKボタン231は、走行経路通知画面122に表示された走行経路80に沿って車両1を自動走行させることをユーザが承認する操作を受け付け可能な画像ボタンである。また、キャンセルボタン232は、走行経路通知画面122に表示された走行経路80に沿った自動走行をユーザがキャンセルする操作を受け付け可能な画像ボタンである。OKボタン231またはキャンセルボタン232がユーザにより操作された場合、受付部101は当該ユーザの操作を受け付ける。
【0149】
キャンセルボタン232がユーザに押下された場合、表示制御部1109は、例えば、予め登録された走行経路80の一覧をディスプレイ210に表示させてユーザに選択させてもよい。あるいは、キャンセルボタン232がユーザに押下された場合、駐車支援装置100は、車両1の自動走行をキャンセルし、運転者による手動走行を待機してもよい。
【0150】
また、上述のように、記憶部1150に予め登録された複数の走行経路80のうち、取得された環境情報および利用者情報の少なくともいずれか一方に対応する走行経路80が複数存在する場合がある。表示制御部1109は、特定部112により複数の走行経路80が特定された場合、特定された複数の走行経路80をスマートフォン200のディスプレイ210に表示させる。例えば、表示制御部1109は、特定された複数の走行経路を複数の走行経路候補として、ユーザが選択可能に表示する走行経路選択画面をスマートフォン200のディスプレイ210に表示させる。
【0151】
図15は、第2の実施形態に係るスマートフォン200のディスプレイ210に表示された走行経路選択画面123の一例を示す図である。
図15に示すように、走行経路選択画面123は、複数の走行経路80a,80bを表す画像である。
図15に示す例では、走行経路80a,80bは、それぞれ異なる停止位置28a,28bに停止する。以下、走行経路80a,80bを特に区別しない場合には単に走行経路80という。また、停止位置28a,28bを特に区別しない場合には単に停止位置28という。
【0152】
また、
図15に示す例では、走行経路選択画面123には、「走行経路を選択してください」というメッセージM3が表示される。当該内容に限らず、表示制御部1109は、ユーザに走行経路80の選択を促すメッセージM2を表示させてもよい。なお、メッセージM2,M3は、音声出力部110により音声メッセージとして出力されてもよい。
【0153】
また、
図15に示す例では、走行経路選択画面123には、決定ボタン233が表示される。決定ボタン233は、走行経路選択画面123に表示された走行経路80a,80bのいずれかをユーザが選択する操作を受け付け可能な画像ボタンである。例えば、ユーザは、ディスプレイ210上で走行経路80aを示す画像と走行経路80bを示す画像のいずれか一方を押下した後に、決定ボタン233を押下することで、走行経路80a,80bのうちの押下した方の走行経路80を選択する。決定ボタン233がユーザにより操作された場合、受付部101は当該ユーザの操作を受け付ける。
【0154】
ユーザにより走行経路80a,80bのいずれかが選択された場合、表示制御部1109は、選択された走行経路80をユーザが再度確認するために走行経路通知画面122を表示させてもよい。あるいは、ユーザにより走行経路80a,80bのいずれかが選択された場合、走行制御部111による自動走行が開始してもよい。
【0155】
また、表示制御部1109は、
図15に示すように複数の走行経路80を候補として提示する場合、特定部112が算出した各走行経路80の推奨度が高い順に各走行経路80を走行経路選択画面123に並べてもよい。
【0156】
また、ユーザがいずれかの走行経路80を選択した場合に、受付部101は、ユーザにより選択された走行経路80を、当該ユーザの利用者IDに対応付けて、記憶部1150に記憶させる。ユーザにより選択された走行経路80と当該ユーザの利用者IDとが対応付けられた情報は、車両1の利用者の過去の利用履歴の一例である。そして、表示制御部1109は、2回目以降に特定部112により複数の走行経路80が特定された場合、車両1の利用者の過去の利用履歴に基づく順番で、特定された複数の走行経路をスマートフォン200のディスプレイ210に表示させる。例えば、表示制御部1109は、ユーザの過去に選択した頻度の高い走行経路80程、上位に表示されるように表示させる。このような表示により、複数の走行経路候補が存在する場合であってもユーザが所望の走行経路80を容易に見つけることができるようになる。
【0157】
なお、表示制御部1109は、スマートフォン200のユーザが車両1の同乗者ではなく運転者である場合にのみ、走行経路通知画面122および走行経路選択画面123を表示させてもよい。あるいは、スマートフォン200のユーザが車両1の同乗者である場合は、表示制御部1109は、走行経路通知画面122のみを表示させてもよい。この場合、同乗者のスマートフォン200に表示される走行経路通知画面122では、OKボタン231およびキャンセルボタン232が表示されない。
【0158】
図11に戻り、本実施形態の走行制御部111は、第1の実施形態と同様の機能を備えた上で、特定部112により特定された走行経路80に基づいて、車両1を当該走行経路80に対応する停止位置28まで走行させる。また、取得された環境情報および利用者情報の少なくともいずれか一方に対応する走行経路80が複数存在する場合、走行制御部111は、特定された複数の走行経路80のうち、ユーザにより選択された走行経路80に基づいて、車両1を当該走行経路80に対応する停止位置28まで走行させる。
【0159】
図16は、第2の実施形態に係る駐車支援装置100およびスマートフォン200で実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0160】
まず、スマートフォン200は、駐車支援装置100に対して、当該スマートフォン200の利用者が車両1の利用のために有している利用者IDを送信する(S201)。
【0161】
なお、本シーケンス図では、駐車支援装置100の取得部1102はスマートフォン200から利用者IDを取得したが、スマートフォン200の利用者の年齢、および身体情報等の利用者情報を取得してもよい。この場合、取得部1102は、例えば、車両1の運転者のスマートフォン200から、運転者と同乗者を含む全利用者に関する利用者情報を取得してもよいし、各利用者のスマートフォン200から各利用者の利用者情報を別個に取得してもよい。また、S201のようにスマートフォン200から利用者IDを取得する場合においても、取得部1102は車両1の運転者のスマートフォン200から、運転者と同乗者を含む全利用者の利用者IDを取得してもよいし、各利用者のスマートフォン200から各利用者の利用者IDを別個に取得してもよい。
【0162】
また、駐車支援装置100の取得部1102は、車両1の周囲の環境に関する環境情報を取得する(S202)。
【0163】
そして、駐車支援装置100の特定部112は、取得した利用者IDに対応する利用者の身体情報、および年齢を利用者情報データベース91から取得し、取得した利用者の身体情報、および年齢と、取得部1102により取得された環境情報とに基づいて、記憶部1150に予め登録された複数の走行経路80から条件を満たす走行経路80を特定する(S203)。ここでは、記憶部1150に予め登録された複数の走行経路80のうち、取得された環境情報および利用者情報に対応する走行経路80が複数存在するものとする。
【0164】
そして、駐車支援装置100の表示制御部1109は、特定部112により特定された複数の走行経路80を、ネットワークを介してスマートフォン200に送信し、ディスプレイ210に表示させる(S204)。
【0165】
そして、スマートフォン200は、ディスプレイ210に、駐車支援装置100から送信された複数の走行経路80を選択可能に表す走行経路選択画面123を表示させる(S205)。
【0166】
そして、ユーザがスマートフォン200のディスプレイ210上で走行経路80aを示す画像と走行経路80bを示す画像のいずれか一方を押下した後に決定ボタン233を押下する選択操作をした場合(S206)、スマートフォン200は、ユーザにより選択された走行経路80を駐車支援装置100に通知する(S207)。駐車支援装置100の受付部101は、スマートフォン200を介して、ユーザによる走行経路80の選択操作を受け付ける。
【0167】
そして、駐車支援装置100の表示制御部1109は、ユーザにより選択された走行経路80を表す走行経路通知画面122の表示指示をスマートフォン200に送信することにより、走行経路通知画面122を表示させる(S208)。
【0168】
そして、スマートフォン200は、ディスプレイ210に走行経路通知画面122を表示させる(S209)。
【0169】
そして、ユーザがスマートフォン200のディスプレイ210上でOKボタン231を押下する承認操作をした場合(S210)、スマートフォン200は、ユーザにより当該走行経路80に基づく自動走行の開始が承認されたことを駐車支援装置100に通知する(S211)。
【0170】
そして、駐車支援装置100の走行制御部111は、ユーザにより選択及び承認された走行経路80に基づく自動走行を実行する(S212)。なお、駐車支援装置100は、車両1の自動走行の開始前および自動走行中には、第1の実施形態と同様に、障害物の検出結果に応じた走行経路80の補正処理を実行する。また、駐車支援装置100は、走行経路80を補正する場合、第1の実施形態の変形例1と同様に、スマートフォン200のディスプレイ210に補正経路81を表示させる。ここで、このシーケンス図の処理は終了する。
【0171】
なお、S202で取得された環境情報により、障害物を検出済みである場合、特定部112によって特定された走行経路80を補正部107が補正の上、S204以降の処理が実行されてもよい。
【0172】
このように、本実施形態の駐車支援装置100は、予め登録された複数の走行経路80のうち、環境情報および利用者情報の少なくともいずれか一方に対応する走行経路80を、スマートフォン200のディスプレイ210に表示させる。このため、本実施形態の駐車支援装置100によれば、第1の実施形態の効果に加えて、環境情報または利用者情報に応じた走行経路80をユーザに提案することでユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0173】
例えば、本実施形態の駐車支援装置100は、利用者の年齢および利用者の身体的ハンディキャップのうちのいずれかに関する情報に基づいて、予め登録された複数の走行経路80のうち、利用者に適した走行経路80を特定する。このため、本実施形態の駐車支援装置100によれば、1台の車両1を複数のユーザがシェアするような使用形態においても、個々の利用者の状態に応じた走行経路80を提案することができる。
【0174】
なお、本実施形態では、車両1が駐車スペース19から出庫する場合について例示したが、車両1が駐車スペース19に入庫する場合についても、本実施形態の構成を適用することができる。
【0175】
(第2の実施形態の変形例1)
上述の第2の実施形態では、利用者情報は運転者または同乗者の年齢、および身体情報等としたが、利用者情報はこれに限定されるものではない。例えば、利用者情報は、車両1の利用スケジュールに登録された運転者および同乗者の情報であってもよい。
【0176】
例えば、1台の車両1を複数の利用者がシェアする利用形態がある。このような利用形態の場合、例えば、クラウド環境に設けられたクラウドサーバ300等に、車両1の利用スケジュールが登録される。当該利用スケジュールには、時間ごとに、車両1を利用する利用者の利用者ID等が含まれる。
【0177】
図17は、第2の実施形態の変形例1に係る車両1の利用スケジュールの管理システムSの構成の一例を示す図である。管理システムSは、例えば、クラウドサーバ300と、スマートフォン200またはPC(Personal Computer)等の端末装置と、車両1に搭載された駐車支援装置100とを含む。なお、クラウドサーバ300の代わりに、通常のサーバ装置またPC等が用いられてもよい。
【0178】
図17に示すように、ユーザは、スマートフォン200に利用スケジュールを登録する。そして、スマートフォン200は、ユーザにより登録された利用スケジュールをクラウドサーバ300に送信する。当該利用スケジュールは、クラウドサーバ300に保存される。そして、駐車支援装置100の取得部1102は、クラウドサーバ300から、車両1の利用スケジュールに登録された運転者および同乗者の情報を取得する。
【0179】
なお、スマートフォン200と車両1の駐車支援装置100とが直接的に接続せず、クラウドサーバ300またはその他のサーバ装置等を介してデータおよび制御信号を送受信してもよい。
【0180】
また、駐車支援装置100は、第2の実施形態で説明したように、特定した走行経路候補をスマートフォン200に送信し、走行経路選択画面123および走行経路通知画面122を表示させる。
【0181】
図18は、第2の実施形態の変形例1に係るクラウドサーバ300に保存された利用スケジュールデータベース92の一例を示す図である。利用スケジュールデータベース92は、例えば、予約対象の車両1を特定可能な車両ID、予約時間、および利用者IDが対応付けられて登録されたデータベースである。なお、
図18では複数の車両1の予約が登録される場合を例として、利用スケジュールデータベース92に車両IDが含まれているが、スケジュール登録対象の車両1が1台のみである場合は、利用スケジュールデータベース92の項目に車両IDが含まれなくともよい。
【0182】
本変形例の駐車支援装置100の特定部112は、利用スケジュールデータベース92に登録された利用者IDに対応する利用者の身体情報、および年齢を利用者情報データベース91から取得し、取得した利用者の身体情報、および年齢と、取得部1102により取得された環境情報とに基づいて、記憶部1150に予め登録された複数の走行経路80から条件を満たす走行経路80を特定する。
【0183】
このような構成により、本変形例の駐車支援装置100によれば、利用者が車両1に予約をするだけで、当該利用者に適した走行経路80を提案することができる。このため、本変形例の駐車支援装置100によれば、利用者の操作を簡易にし、利便性を向上させることができる。
【0184】
(第2の実施形態の変形例2)
また、利用者情報は、利用者IDそのものであってもよい。例えば、第2の実施形態では、走行経路データベース90は複数の走行経路80の走行経路番号、環境情報に関する条件、および利用者情報に関する条件を対応付けたデータベースであるものとしたが、複数の走行経路80と利用者IDとを対応付けたデータベースであってもよい。
【0185】
図19は、第2の実施形態の変形例2に係る走行経路データベース1090の一例を示す図である。
図19に示すように、本変形例の走行経路データベース1090は、複数の走行経路80の走行経路番号と、利用者IDとを対応付けたデータベースである。
【0186】
本変形例の駐車支援装置100の特定部112は、取得部1102により取得された車両1の利用者IDに対応する走行経路番号を走行経路データベース1090から検索し、当該走行経路番号に対応する走行経路80を、利用者情報に対応する走行経路80として特定する。
【0187】
(第2の実施形態の変形例3)
また、第2の実施形態では、複数の走行経路80は、駐車支援装置100の記憶部1150に記憶されているものとしたが、記憶場所はこれに限定されるものではない。例えば、複数の走行経路80は、車両1の外部に設けられたクラウドサーバ300等の記憶装置に保存されてもよい。
【0188】
本変形例の取得部1102は、車両1の外部に設けられた記憶装置から複数の走行経路80を、複数の走行経路80の各々に対応する環境情報および利用者情報のうち少なくともいずれか一方と共に取得する。例えば、取得部1102は、複数の走行経路80の走行経路番号、環境情報に関する条件、および利用者情報に関する条件が対応付けられた状態で、これらの情報をクラウドサーバ300等の記憶装置から取得する。
【0189】
そして、本変形例の特定部112は、クラウドサーバ300等の記憶装置に記憶された複数の走行経路80のうち、現在の環境情報および利用者情報の少なくともいずれか一方に対応する走行経路80を特定する。
【0190】
(第2の実施形態の変形例4)
また、取得部1102は、車両1の外部に設けられたクラウドサーバ300等の記憶装置に記憶された走行経路80と、駐車支援装置100の記憶部1150に記憶された走行経路80の両方を取得してもよい。
【0191】
この場合、本変形例の特定部112は、記憶部1150および外部の記憶装置に記憶された複数の走行経路80のうち、現在の環境情報および利用者情報の少なくともいずれか一方に対応する走行経路80および駐車位置を特定する。
【0192】
また、複数の走行経路80は、駐車支援装置100とは別体として設けられた、車両1内の記憶装置に保存されてもよい。
【0193】
(第2の実施形態の変形例5)
上述の第2の実施形態では、駐車支援装置100は、第1の実施形態または第1の実施形態の変形例1と同様に、スマートフォン200のディスプレイ210に補正経路81を表示させるものとして説明したが、第2の実施形態の駐車支援装置100は、当該補正経路81の表示の機能を有さなくともよい。すなわち、第2の実施形態における環境情報または利用者情報に応じた走行経路80の特定の機能が独立して従来の駐車支援装置に適用されてもよい。
【0194】
(第2の実施形態の変形例6)
上述の第2の実施形態では、スマートフォン200のディスプレイ210を表示部の一例としたが、第1の実施形態と同様に、表示装置120が表示部の一例であってもよい。例えば、駐車支援装置100の表示制御部1109は、車両1に運転者が乗車した状態の場合は表示装置120に走行経路通知画面122および走行経路選択画面123を表示させ、車両1から運転者が降車した状態の場合はスマートフォン200のディスプレイ210に走行経路通知画面122および走行経路選択画面123を表示させてもよい。
【0195】
(第1の実施形態および第2の実施形態の変形例)
上述の第1、第2の実施形態では、車両1に備えられた表示装置120またはスマートフォン200等のモバイル端末のディスプレイ210を表示部の一例としたが、表示装置120はこれらに限定されるものではない。例えば、車両1のフロントガラス180またはフロントガラス180近傍の透明なプレートに投影されるヘッドアップディスプレイが、表示部として用いられてもよい。
【0196】
また、リモートコントローラまたは電子キー等の、車両1の外部から車両1に対して信号を送信可能な操作端末を、操作部の一例としても良い。
【0197】
また、上述の第1、第2の実施形態における駐車支援装置100の機能の一部が、車両1の外部に設けられた情報処理装置によって実行されてもよい。車両1の外部に設けられた情報処理装置とは、例えば、スマートフォン200等のモバイル端末、PC、クラウドサーバ300、その他のサーバ装置等である。
【0198】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0199】
1 車両
15,15f,15r 送受波部
16,16a~16c 車載カメラ
18 車庫
19 駐車スペース
20,21 側壁
24 建物
25 樹木
27 駐車位置
28,28a,28b 停止位置
30a,30b ゴミ箱
31 未知の物体
80,80a,80b 走行経路
81 補正経路
90,1090 走行経路データベース
91 利用者情報データベース
92 利用スケジュールデータベース
100 駐車支援装置
101 受付部
102,1102 取得部
103 抽出部
104,1104 経路記録部
105 推定部
106 検出部
107 補正部
108 画像生成部
109,1109 表示制御部
110 音声出力部
111 走行制御部
112 特定部
120 表示装置
121,121a,121b 補正経路画像
122 走行経路通知画面
123 走行経路選択画面
150,1150 記憶部
200 スマートフォン
210 ディスプレイ
300 クラウドサーバ
S 管理システム