(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095437
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】搬送用容器
(51)【国際特許分類】
B65D 81/26 20060101AFI20230629BHJP
B65D 85/50 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
B65D81/26 B
B65D85/50 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211321
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】593025619
【氏名又は名称】トーホー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084375
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 康夫
(74)【代理人】
【識別番号】100142077
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 真之
(72)【発明者】
【氏名】近藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】阿部 政男
(72)【発明者】
【氏名】小田 徹
(72)【発明者】
【氏名】今井 貴史
【テーマコード(参考)】
3E035
3E067
【Fターム(参考)】
3E035AA11
3E035AB01
3E035BA01
3E035BB02
3E035BC02
3E035CA02
3E067AA11
3E067AB09
3E067AC03
3E067BA02A
3E067BA05A
3E067BB14A
3E067BC06A
3E067EA17
3E067EB27
3E067FA01
3E067FC01
3E067GB01
3E067GD01
(57)【要約】
【課題】リンゴ等の果物を保管、搬送する際に用いられる搬送用容器において、十分な通気性を確保することができるものとする。
【解決手段】搬送用容器1は、発泡樹脂製であり、上面が開口した箱形状の容器本体2と、容器本体2の開口を施蓋する蓋体3と、を備える。容器本体2及び蓋体3は、容器内外を通気させるための複数の通気部4、5を夫々有する。通気部4、5は、容器外に開口した有底の外縦穴41、51と、容器内に開口した有底の内縦穴42、52と、外縦穴41、51及び内縦穴42、52の互いの底部を連通させる横穴43、53と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口した箱形状の容器本体と、前記容器本体の開口を施蓋する蓋体と、を備えた発泡樹脂製の搬送用容器であって、
前記容器本体及び前記蓋体は、容器内外を通気させるための複数の通気部を夫々有し、
前記通気部は、容器外に開口した有底の外縦穴と、容器内に開口した有底の内縦穴と、前記外縦穴及び前記内縦穴の互いの底部を連通させる横穴と、を有することを特徴とする搬送用容器。
【請求項2】
前記通気部は、複数の前記横穴を有し、
複数の前記横穴は、水平方向に並ぶように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の搬送用容器。
【請求項3】
前記横穴は、前記外縦穴又は前記内縦穴への開口形状が略半円形状であり、その幅が高さよりも大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の搬送用容器。
【請求項4】
前記容器本体は、矩形状の底板と、前記底板の4辺に立設される壁板と、を有し、前記通気部が前記底板の中央寄りの位置に設けられ、
前記蓋体は、矩形状の天板と、前記天板の4辺に設けられる側片と、を有し、前記通気部が前記天板の周辺寄りの位置に設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の搬送用容器。
【請求項5】
前記通気部は、前記底板の最底面又は前記天板の最上面よりも窪んだ凹部に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の搬送用容器。
【請求項6】
前記蓋体は、前記側片に突設され、前記容器本体の開口内に嵌まり込む周枠と、前記天板及び前記側片を鉛直方向に貫通する貫通孔と、を有し、
前記貫通孔は、前記容器本体の開口内に直接的には開口しておらず、前記周枠に設けられて横溝を介して、容器内外を通気することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の搬送用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リンゴ等の果物の保管、搬送に用いられる搬送用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、収穫された果物は、例えば、出荷時期の調整や追熟を行うため、所定の収納用容器内に収納されて一定期間、保管されることが広く行われている。また、近年では、日本産の果実は、諸外国へ輸出される機会も増えており、運搬に長時間を要することもある。このような果物の保管や運搬に用いられる容器としては、軽量で、且つ段積みしても破損しない一定の強度を有する発泡樹脂製の搬送用容器が用いられている。
【0003】
しかし、果物には、リンゴのように、果実の成熟を促進する植物成熟ホルモンとして、エチレンガスを発生するものがある。このような果物は、密閉容器に収容してしまうと、熟成が進み過ぎて、果物の鮮度を保てなくなるので、エチレンガスを容器外に放出するための通気部を有する収容用容器が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記特許文献1に記載の収容用容器では、容器下面と容器上面に夫々多数の微細孔を設けることにより、エチレンガスを容器外に放出しつつ、微細孔の口径を1~1.5nmとし、外側の開口径を小さくすることで、微細孔から容器内に虫等が侵入することを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の収容用容器では、微細孔が容器上面及び容器下面に開口しているので、例えば、複数の収容用容器が段積みされると、下段にある容器の微細孔が上段に積まれた容器で塞がれてしまい、十分な通気性を確保できない虞がある。また、容器内に収容された果実自体によって、微細孔の容器内の開口が塞がれることもある。
【0007】
本発明は、上記課題を解消するものであって、リンゴ等の果物の保管、搬送に用いられる際に、十分な通気性を確保することができる搬送用容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために、本発明は、上面が開口した箱形状の容器本体と、前記容器本体の開口を施蓋する蓋体と、を備えた発泡樹脂製の搬送用容器であって、前記容器本体及び前記蓋体は、容器内外を通気させるための複数の通気部を夫々有し、前記通気部は、容器外に開口した有底の外縦穴と、容器内に開口した有底の内縦穴と、前記外縦穴及び前記内縦穴の互いの底部を連通させる横穴と、を有することを特徴とする。
【0009】
上記搬送用容器において、前記通気部は、複数の前記横穴を有し、複数の前記横穴は、水平方向に並ぶように設けられていることが好ましい。
【0010】
上記搬送用容器において、前記横穴は、前記外縦穴又は前記内縦穴への開口形状が略半円形状であり、その幅が高さよりも大きいことが好ましい。
【0011】
上記搬送用容器において、前記容器本体は、矩形状の底板と、前記底板の4辺に立設される壁板と、を有し、前記通気部が前記底板の中央寄りの位置に設けられ、前記蓋体は、矩形状の天板と、前記天板の4辺に設けられる側片と、を有し、前記通気部が前記天板の周辺寄りの位置に設けられることが好ましい。
【0012】
上記搬送用容器において、前記通気部は、前記底板の最底面又は前記天板の最上面よりも窪んだ凹部に設けられていることが好ましい。
【0013】
上記搬送用容器において、前記蓋体は、前記側片に突設され、前記容器本体の開口内に嵌まり込む周枠と、前記天板及び前記側片を鉛直方向に貫通する貫通孔と、を有し、前記貫通孔は、前記容器本体の開口内に直接的には開口しておらず、前記周枠に設けられて横溝を介して、容器内外を通気することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、通気部が、外縦穴と内縦穴と、それらを連通する横穴によって構成されているので、仮に複数の収容用容器が段積みさても、横穴が塞がれることはなく、下段にある容器の通気部が上段に積まれた容器で塞がれてしまうこともなく、通気性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る搬送用容器の容器本体と蓋体を示す斜視図。
【
図2】(a)は上記蓋体の上面を主とした斜視図と、通気部部分及び貫通孔部分の拡大図、(b)は下面を主とした斜視図。
【
図3】(a)は上記蓋体の平面図、(b)は(a)のA-A線断面図、(c)は(b)のD部分の拡大図、(d)は(a)のB-B線断面図、(e)は(d)のE部分の拡大図、(f)は(a)C-C線断面図、(g)は(f)のF部分の拡大図。上記搬送用容器に用いられる容器本体の斜視図。
【
図4】(a)は上記容器本体の上面を主とした斜視図と、通気部部分の拡大図、(c)は下面を主と下斜視図と、通気部部分の拡大図。
【
図5】(a)は上記蓋体の平面図、(b)は(a)のG-G線断面図、(c)は(b)のI部分の拡大図、(d)は(a)のH-H線断面図、(e)は(d)のJ部分の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態に係る搬送用容器について、
図1乃至
図5を参照して説明する。
図1に示すように、搬送用容器1は、上面が開口した箱形状の容器本体2と、容器本体2の開口を施蓋する蓋体3と、を備える。容器本体2及び蓋体3は、平面視において一辺が他辺よりも長い略矩形状である。搬送用容器1は、容器本体2及び蓋体3を1セットとし、図示したように、互いの開口側を嵌合させることにより、果物を収容する収容空間を成す。そして、容器本体2及び蓋体3は、容器内外を通気させるための複数の通気部4、5を夫々有する。また、蓋体3は、通気部5に加えて、蓋体3を上下方向に貫通する複数の貫通孔6を有する。
【0017】
容器本体2及び蓋体3は、いずれも発泡合成樹脂の成形体であり、例えば、熱可塑性樹脂の発泡用の粒子を型内に充填し加熱し、発泡させて一体成形される。熱可塑性樹脂は、例えば、スチレン系樹脂であり、又はスチレン系樹脂に、例えば、オレフィン系樹脂といった他の樹脂を混合させた複合樹脂であってもよい。
【0018】
図2(a)(b)及び
図3(a)乃至(g)に示すように、蓋体3は、矩形状の天板31と、天板31の4辺に設けられる側片32と、を有する。天板31は、例えば、長辺が550~600mm、短辺が450~500mm、厚みが15~30mmの長方矩形の板材である。側片32は、天板31の4辺に垂直に立設されており、天板31の裏面からの高さが、例えば、40~60mmであり、天板31と側片32の外装面は連続面となっており、天板31の表面からの高さは、55~80mmである。なお、ここでは、長辺側の側片32を側片32a、短辺側の側片32を側片32bとする。
【0019】
また、蓋体3は、容器内外を通気させるための複数の通気部5を有する。本実施形態では、4つの通気部5が、天板31の4つの角部近傍に夫々設けられている。天板31には、主たる上面を成す最上面よりも僅かに窪んだ凹部33a、33bが複数、設けられており、通気部5は、天板31の角部にある凹部33aに設けられている。また、貫通孔6は、天板31の辺側に配された凹部33bに設けられている。凹部33a、33bの深さは、例えば、1.5~2.5mmである。
【0020】
蓋体3の通気部5は、容器外に開口した有底の外縦穴51と、容器内に開口した有底の内縦穴52と、外縦穴51及び内縦穴52の互いの底部51a、52aを連通させる横穴53と、を有する(
図3(g)も参照)。
【0021】
外縦穴51は、天板31の上面側に開口しており、この開口は平面視で長方矩形状であり、開口の長辺が、天板31の角部と対向するように、天板31の4辺に対して斜めに配置されている。また、外縦穴51の4つの側面のうち、3側面は鉛直面51bであり、天板31の角部に近接する側面が傾斜面51cとなっている。
【0022】
内縦穴52は、天板31の下面側に開口しており、外縦穴51と同様に、開口は平面視で長方矩形状であり、開口の長辺が、天板31の隅部と対向するよう形成されている。内縦穴52の4つの側面のうち、3側面は鉛直面52bであり、天板31の隅部とは反対側の中央寄りの側面が傾斜面52cとなっている。
【0023】
外縦穴51及び内縦穴52は、外縦穴51が天板3の角部に近い外方に、内縦穴52が外縦穴51より内方になるように、且つ夫々の長辺側の鉛直面51b、52bが隣接するように形成される。また、外縦穴51及び内縦穴52は、互いの底部51a、52aが鉛直断面において同じ高さになるように、天板31の上面側から及び下面側から夫々彫り込まれている(
図3(g)参照)。そして、外縦穴51の底部51aには複数の樋状凹部51dが設けられおり(
図2(a)の拡大図参照)、これらの樋状凹部51dが内縦穴52の鉛直面52bを貫通することで、横穴53が形成される。
【0024】
このように、蓋体3の横穴53は、外縦穴51の底部52aに設けられた樋状凹部51dが内縦穴52側に貫通したものなので、横穴の53の開口形状は、鉛直断面において略半円形状となる(
図3(e)参照)。略半円形状の横穴53は、その幅が高さよりも大きく、例えば、幅が1.7~1.75mm、高さが1.5mmの微細孔とされる。この横穴53を微細孔とすることで、容器内への虫等の侵入を抑制することができる。また、横穴53は、円弧状となった下側の幅が狭くなっているので、底部52aをつたって歩いてきた虫が、狭くなった横穴53を通過することは困難である。その一方で、横穴53の上側の幅は広いので、通気性を向上させることができる。また、本実施形態では、一つの通気部5に対して、複数の横穴53が水平方向に並ぶように設けられているので、通気性を更に向上させることができる。
【0025】
側片32は、容器本体2との嵌合する周面に突設されて、容器本体2の開口内に嵌まり込む周枠34と、容器本体2との嵌合性を高めるための嵌合凸部35と、を有する(
図2(b)参照)。周枠34は、側片32の周面のうち内側が外側よりも突出した段状に形成されている。嵌合凸部35は、長辺側の側片32aの開口周面の略中央に夫々設けられている。なお、周枠34は、嵌合凸部35の近傍には設けられておらず、周枠34と嵌合凸部35で容器本体2側の開口枠24を挟持することで、容器本体2と蓋体3との嵌合性を高めている。
【0026】
また、貫通孔6は、天板31及び側片32を鉛直方向に貫通するように形成されている(
図3(b)、
図2(b)参照)。本実施形態では、天板3の周辺部分に沿って、計12個の貫通孔6が設けられている。貫通孔6の外側開口61及び内側開口62は、例えば、口径6mmの円形の孔であるが、外側開口61と内側開口62との間には、口径1.5mmの狭隘部63が設けられている(
図3(b)(c)参照)。この狭隘部63を設けたことにより、貫通孔6から虫等が容器内に侵入することを抑制することができる。
【0027】
貫通孔6の内側開口62は、周枠34よりも外側に開口している。また、貫通孔6は、周枠34の側面にも縦溝状に連続している。そして、周枠34のうち、貫通孔6に近接する端面には、横溝36が設けられており(
図2(b)も参照)、蓋体3の周枠34と、容器本体2の開口との間に、僅かな隙間ができる。つまり、貫通孔6は、容器本体3の開口内に直接的には開口していないが、横溝36による隙間を介して、容器内外を通気することができる。また、横溝36による隙間を介することで、虫等の容器内への侵入をより確実に抑制することができると共に、容器内への水の侵入も低減することができる。
【0028】
図4(a)(b)及び
図5(a)乃至(e)に示すように、容器本体2は、矩形状の底板21と、底板21の4辺に設けられる壁板22と、を有する。底板21は、天板31と略同形状の長方矩形の板材である。壁板22は、底板21の4辺に垂直に立設されておりい、底板21と壁板22の外装面は連続面となっている。なお、ここでは、長辺側の壁板22を壁板22a、短辺側の壁板22を壁板22bとする。
【0029】
容器本体2もまた、容器内外を通気させるための複数の通気部4を有する。本実施形態では、通気部4は、底板21の中央寄りの位置の4カ所に設けられている。底板21には、主たる面を成す最底面よりも僅かに窪んだ凹部23が、十字形状に設けられており、通気部4は、十字形状の凹部23の中心よりやや外側の位置に設けられている。凹部23は、底板21の外側まで延びている。凹部23の深さは、例えば、1.5~2.5mmである。また、短辺側の壁板22bには、持ち手部25a、25bが設けられている(
図4(a)参照)。
【0030】
容器本体2の通気部4は、蓋体3の通気部5と同様に、容器外に開口した有底の外縦穴41と、容器内に開口した有底の内縦穴42と、外縦穴41及び内縦穴42の互いの底部41a、42aを連通させる横穴43と、を有する(
図5(e)参照)。4つの通気部4は、夫々横穴43が外側から中心へ向かうように形成されている。
【0031】
外縦穴41は、底板21の下面側に開口しており、この開口は平面視で矩形状であり、開口の各辺が、底板21の各辺と平行になるように配置されている。また、外縦穴41の4つの側面のうち、3側面は鉛直面41bであり、外側に位置する側面が傾斜面41cとなっている。また、外縦穴41の開口は、傾斜面41cの更に外側に拡大されており、外気を取り入れ易くなっている。
【0032】
内縦穴42は、底板21の上面側に開口しており、開口は平面視で長方矩形状であり、開口の長辺が、底板21の各辺と平行になるように配置されている。内縦穴42の4つの側面のうち、3側面は鉛直面42bであり、底板21の中央寄りの側面が傾斜面42cとなっている。
【0033】
外縦穴41及び内縦穴42は、外縦穴41が外方に、内縦穴42が外縦穴41より内方になるように、且つ夫々の鉛直面41b、42bが隣接するように形成される。蓋体3の通気部5と同様に、外縦穴41の底部41aには複数の樋状凹部41dが設けられ(
図4(b)参照)、これらの樋状凹部41dが内縦穴42の鉛直面42bを貫通することで、横穴43が形成される。なお、容器本体2の横穴43は、円弧状となった上側の幅が狭くなっている。小さな虫は、底部41aを天井づたいで歩くので、容器本体2の横穴43の向きは、蓋体3の横穴53とは上下逆となっていることが好ましい(
図5(c)、
図3(e)参照)。
【0034】
壁板22は、蓋体3の嵌合する周面に突設されて、蓋体3の周枠34が嵌め込まれる開口枠24と、蓋体3との嵌合性を高めるための嵌合凹部26と、を有する(
図4(a)参照)。開口枠24は、壁板22の周面のうち外側が内側よりも突出した段状に形成されている。また、開口枠24の内側面には、蓋体3の貫通孔6に対応する縦溝27が設けられている。
【0035】
上述したように、本実施形態の搬送用容器1は、通気部4、5が、外縦穴41、51と内縦穴42、52と、それらを繋ぐ横穴43、53によって構成されているので、仮に複数の収容用容器が段積みさても、横穴43、53が塞がれることはなく、外縦穴41、51は微細孔ではないので、下段にある容器の通気部5が上段に積まれた容器で塞がれてしまうこともなく、通気性を確保することができる。また、横穴43、53は、容器内に収容された果実によって塞がれることもない。更に、横穴43、53を微細孔とすることで、虫等が容器内に侵入することを抑制することができる。
【0036】
また、通気部4、5は、底板21の最底面又は天板31の最上面よりも窪んだ凹部23、33に設けられているので、外縦穴41、51が塞がれる虞もなく、十分な通気性を確保することができ、搬送用容器1によれば、リンゴ等の果物を安定的に保存、搬送することができる。
【0037】
更に、容器本体2の通気部4は、底板21の中央寄りの位置に設けられ、蓋体3の通気部5や貫通孔6は、天板31の周辺寄りの位置に設けられている。そのため、底板21側では中央寄りの通気部4から外気が入り、天板31側では、周囲の通気部5や貫通孔6から容器内の空気が抜けている気流を生じ易くなっている。本実施形態の搬送用容器1では、上記気流により、エチレンガスを効果的に容器外へ放出することができる。
【0038】
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、種々の変形が可能である。本実施形態では、容器本体2及び蓋体3に夫々4つの通気部4、5を設けたが、通気部4、5の数が4つ以上であってもよい。また、例えば、通気部4、5(外縦穴41、51、内縦穴42、52)の開口大きくした上で、横穴43、53の数を増やすことで、通気部4、5自体の数を少なくしてもよい。また、蓋体3は、貫通孔6に替えて通気部5が設けられた構成であってもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 搬送用容器
2 容器本体
21 底板
22 壁板
23 凹部
3 蓋体
31 天板
32 側片
33 凹部
34 周枠
36 横溝
4 通気部
41 外縦穴
42 内縦穴
43 横穴
5 通気部
51 外縦穴
51a 底部
52 内縦穴
52a 底部
53 横穴
6 貫通孔