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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095481
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】釣竿のリアグリップ構造
(51)【国際特許分類】
   A01K 87/08 20060101AFI20230629BHJP
   A01K 87/00 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
A01K87/08 A
A01K87/00 640C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211403
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 慎太郎
【テーマコード(参考)】
2B019
【Fターム(参考)】
2B019AA06
2B019AA07
2B019AF06
2B019AH02
(57)【要約】
【課題】設計の自由度の向上を図るとともに、接合強度を高めることができる釣竿のリアグリップ構造を提供する。
【解決手段】竿杆2とグリップ本体1とを含んで構成された釣竿のリアグリップ構造であって、グリップ本体1は、竿杆2から離間するにつれて拡径する拡径部(第一拡径部10b,第二拡径部10c)を備えた本体部10と、本体部10から竿杆2側に延設され、竿杆2の内周面に接着される第一挿入部11と、を備えていることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
竿杆とグリップ本体とを含んで構成された釣竿のリアグリップ構造であって、
前記グリップ本体は、
前記竿杆から離間するにつれて拡径する拡径部を備えた本体部と、
前記本体部から前記竿杆側に延設され、前記竿杆の内周面に接着される第一挿入部と、を備えていることを特徴とする釣竿のリアグリップ構造。
【請求項2】
前記グリップ本体が中空になっていることを特徴とする請求項1に記載の釣竿のリアグリップ構造。
【請求項3】
前記グリップ本体は、中空であるとともに竿元側に開口する開口部を備え、
前記グリップ本体の内部に挿入される基体部及び前記基体部から延設され前記第一挿入部の内周面に接着される第二挿入部を有する竿栓をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の釣竿のリアグリップ構造。
【請求項4】
前記グリップ本体の前記開口部を保護する保護リングを備えていることを特徴とする請求項3に記載の釣竿のリアグリップ構造。
【請求項5】
前記竿栓の前記基体部は、前記竿杆よりも大径に形成されるとともに、側方に開口する竿栓開口部が形成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の釣竿のリアグリップ構造。
【請求項6】
前記グリップ本体に側方に開口するグリップ開口部が形成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の釣竿のリアグリップ構造。
【請求項7】
前記グリップ本体が中実になっていることを特徴とする請求項1に記載の釣竿のリアグリップ構造。
【請求項8】
前記グリップ本体に凹溝が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の釣竿のリアグリップ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣竿のリアグリップ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
竿杆の外周面に、グリップ本体の中空部を挿入して構成された釣竿のリアグリップ構造が知られている(例えば、特許文献1の図3参照)。従来の釣竿のリアグリップ構造は、例えば、竿杆の外周面と、グリップ本体の内周面とを接着して結合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-103227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
釣竿のリアグリップ構造は、グリップ本体を把持すると、グリップ本体の竿先側と竿杆との接合部に大きな力が作用し、当該接合部が剥離しやすいという問題がある。接合強度を大きくするために、グリップ本体と竿杆との接着面積を大きくすることが考えられるが、グリップ本体の大型化や重量の増加を招くとともに、設計の自由度が低くなるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、設計の自由度の向上を図るとともに、接合強度を高めることができる釣竿のリアグリップ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るリアグリップは、竿杆とグリップ本体とを含んで構成された釣竿のリアグリップ構造であって、前記グリップ本体は、前記竿杆から離間するにつれて拡径する拡径部を備えた本体部と、前記本体部から前記竿杆側に延設され、前記竿杆の内周面に接着される第一挿入部と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、竿杆の内周面とグリップ本体の第一挿入部とが接着され、グリップ本体の本体部は竿杆の外部に露出する。これにより、第一挿入部の長さで接合強度を確保することができるとともに、本体部で大きさ、形状、デザインなどの設計の自由度を高めることができる。また、本体部が竿杆から離間するにつれて拡径する拡径部を備えているため、把持性を高めることができる。
【0008】
また、前記グリップ本体が中空になっていることが好ましい。本発明によれば、グリップ本体の軽量化を図ることができる。
【0009】
また、前記グリップ本体は、中空であるとともに竿元側に開口する開口部を備え、前記グリップ本体の内部に挿入される基体部及び前記基体部から延設され前記第一挿入部の内周面に接着される第二挿入部を有する竿栓をさらに備えていることが好ましい。
【0010】
本発明によれば、グリップ本体の開口部から竿栓を挿入し、竿栓の第二挿入部を第一挿入部に差し込むことで、竿杆とグリップ本体との接合強度をより高めることがきる。
【0011】
また、前記グリップ本体の前記開口部を保護する保護リングを備えていることが好ましい。本発明によれば、グリップ本体が地面等に接触した際に破損するのを防ぐことができる。
【0012】
また、竿栓の前記基体部は、前記竿杆よりも大径に形成されるとともに、側方に開口する竿栓開口部が形成されていることが好ましい。
【0013】
本発明によれば、竿栓の軽量化を図ることができる。
【0014】
前記グリップ本体に側方に開口するグリップ開口部が形成されていることが好ましい。本発明によれば、グリップ開口部を設けることで、把持性を向上させることができるとともに、グリップ本体の軽量化をより向上させることができる。
【0015】
また、グリップ本体が中実になっていることが好ましい。本発明によれば、グリップ本体の耐久性を向上させることがきる。
【0016】
また、前記グリップ本体に凹溝が形成されていることが好ましい。本発明によれば、把持性を向上させることができるとともに、グリップ本体の軽量化を図ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、設計の自由度の向上を図るとともに、接合強度を高めることができる釣竿のリアグリップ構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第一実施形態に係るリアグリップ構造を示す側面図である。
図2】第一実施形態に係るリアグリップ構造の各構成を示す分解側面図である。
図3A】第一実施形態に係るグリップ本体及び竿栓を示す斜視図である。
図3B】第一実施形態に係るグリップ本体及び竿栓を示す側断面図である。
図4A】第一実施形態に係る竿栓を示す斜視図である。
図4B】第一実施形態に係る竿栓を示す側断面図である。
図5】グリップ本体の変形例1を示す斜視図である。
図6】グリップ本体の変形例2を示す斜視図である。
図7A】本発明の第二実施形態に係るリアグリップ構造を示す斜視図である。
図7B】本発明の第二実施形態に係るリアグリップ構造を示す側断面図である。
図8A】本発明の第三実施形態に係るリアグリップ構造を示す斜視図である。
図8B】本発明の第三実施形態に係るリアグリップ構造を示す側断面図である。
図9A】本発明の第四実施形態に係るリアグリップ構造を示す斜視図である。
図9B】本発明の第四実施形態に係るリアグリップ構造を示す側断面図である。
図10】本発明の第五実施形態に係るリアグリップ構造を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第一実施形態>
以下、添付した図面を参照し、本発明の釣竿のリアグリップ構造(以下、単に「リアグリップ構造」と言う)に係る第一実施形態について説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は、適宜省略する。以下の説明において、「前後」、「左右」、「上下」は、図1及び図3Aの矢印に従う。当該方向は、説明の便宜上用いるものであって、本発明の方向を限定するものではない。本発明のリアグリップ構造は、複数の部材からなる「複合型リアグリップ構造」と、単一の部材からなる「単一型リアグリップ構造」がある。まずは、複合型リアグリップ構造について説明する。
【0020】
<複合型リアグリップ構造>
図1及び図2に示すように、リアグリップ構造R1は、グリップ本体1と、竿杆2と、保護リング20と、竿栓30とを備えている。竿杆2は、釣竿の本体となる円筒形状の部材である。竿杆2は、一本で構成されていてもよいし、複数本で構成された継ぎ構造としてもよい。
【0021】
図2に示すように、本実施形態のグリップ本体1は、中空になっており、本体部10と、第一挿入部11と、大径部12と、を備えている。グリップ本体1は樹脂又は金属で構成され得るが、これらに限定されるものではない。
【0022】
図3A,3Bに示すように、本体部10は、略円錐台形状を呈し、受け部10aと、第一拡径部10bと、第二拡径部10cとを備えている。受け部10aは、第一挿入部11の基端から径外方向に垂直に張り出している。受け部10aは、竿杆2の基端が当接する部位である。受け部10aの外径は、竿杆2の外径と概ね同一になっている。
【0023】
第一拡径部10bは、受け部10aに連続し、第一挿入部11から離間するにつれて拡径する部位である。第一拡径部10bは、平坦面であってもよいが、本実施形態では軸心Cに向けてわずかに凹む曲面で形成されている。第二拡径部10cは、第一拡径部10bに連続し、第一挿入部11から離間するにつれて拡径する部位である。第二拡径部10cは、平坦面であってもよいが、本実施形態では軸心Cに向けてわずかに凹む曲面で形成されている。軸心Cに対する第二拡径部10cの傾斜角度は、軸心Cに対する第一拡径部10bの傾斜角度よりも小さくなっている。第二拡径部10cの軸心C方向の長さは、第一拡径部10bの軸心C方向の長さよりも長くなっている。
【0024】
第二拡径部10cには、側方に開口するグリップ開口部10dが形成されている。グリップ開口部10dの形状、個数は特に制限されないが、本実施形態では周方向に斜めに切り欠かれた開口が3つ形成されている。
【0025】
第一挿入部11は、本体部10から竿杆2(図1参照)側に向けて延設しており、円筒形状を呈している。第一挿入部11は、竿杆2の内部に挿入される部位であり竿杆2の内径よりも小さく形成されている。第一挿入部11の外周面と竿杆2の内周面は接着剤で接着されている。なお、本実施形態の第一挿入部11は円筒形状であるが、竿杆2の内空形状に合わせて適宜変更してもよい。
【0026】
大径部12は、本体部10に連続して竿元側に延在し、円筒形状を呈する。大径部12は竿元側に向けて開口する開口部13を備えている。大径部12の外周面には、周方向に亘って複数個の微細な凹溝が形成されている。凹溝は省略してもよいが、凹溝を設けることでグリップ力を高めることができる。大径部12の内周面には、軸心Cに向けて張り出す張出部12aが形成されている。開口部13の周縁には、保護リング20が取り付けられている。保護リング20は、円筒形状を呈し、樹脂部材、金属部材又は軟質部材等によって構成される。保護リング20は、大径部12の内周面に嵌め合わされるとともに、大径部12の端部を周方向に覆っている。
【0027】
図4A,4Bに示すように、竿栓30は、中空になっており、第二挿入部31と、基体部32と、備えている。第二挿入部31は、基体部32から前側へ延設され、円筒形状を呈する。第二挿入部31は、第一挿入部11(図3A参照)の内径よりも小さく形成されている。第二挿入部31の外周面は、第一挿入部11の内周面と接着剤で接着されている。第二挿入部31の長さは、接着強度に応じて適宜設定すればよいが、本実施形態では、第一挿入部11の長さよりも短くなっている。
【0028】
基体部32は、第二挿入部31に連続して形成され、略円錐台形状を呈する。基体部32は竿杆2よりも大径に形成されている。基体部32は、第二挿入部31に連続する基体小径部32aと、基体小径部32aよりも大径に形成された基体大径部32bと、基体小径部32aと基体大径部32bとを連結する4本の基体本体部32cと、を備えている。基体小径部32aは、円環形状を呈し、第二挿入部31の基端よりも大径に形成されている。第二挿入部31と基体小径部32aとで径外方向に張り出す段差部32dが形成されている。基体大径部32bは、円筒形状を呈し、基体本体部32cに連続して形成されている。基体大径部32bの外径は、保護リング20の内径よりも小さくなっている。基体本体部32cと基体大径部32bとで径外方向に張り出す段差部32eが形成されている。
【0029】
基体本体部32cは、基体小径部32aと基体大径部32bとを連結する板状部である。基体本体部32cの表面には延長方向に沿って溝部32fが形成されている。溝部32fを備えることで、基体本体部32cの強度を高めることができる。溝部32fに代えて、リブを設けてもよいし、溝部32fを省略してもよい。隣り合う基体本体部32c,32cの間には、側方に開口する竿栓開口部33が形成されている。竿栓開口部33の形状、個数は制限されないが、本実施形態では、側面視略台形状の開口が4つ形成されている。
【0030】
次に、リアグリップ構造R1の組付け方法について説明する。下記の組付け方法は、一例であって、順番は適宜変更してもよい。図3Bに示すように、まず、グリップ本体1と竿栓30とを組み付ける。竿栓30の第二挿入部31の外周面に接着剤を塗布し、グリップ本体1の第一挿入部11に、竿栓30の第二挿入部31を挿入する。この時、グリップ本体1の受け部10aと竿栓30の段差部32dとが当接するとともに、グリップ本体1の張出部12aと竿栓30の段差部32eとが当接する。また、竿栓30の基体大径部32bの内部に蓋板40を接着剤等で取り付ける。蓋板40の後面(竿元側の面)には、デザイン等を施してもよい。
【0031】
次に、大径部12の内周面に保護リング20を取り付ける。最後に、グリップ本体1の第一挿入部11の外周面に接着剤を塗布し、竿杆2の基端が受け部10aに当たるまで第一挿入部11を竿杆2に挿入する。
【0032】
以上説明した本実施形態のリアグリップ構造R1によれば、竿杆2の内周面とグリップ本体1の第一挿入部11とが接着され、グリップ本体1の本体部10は竿杆2の外部に露出する。これにより、第一挿入部11の長さで接合強度を確保することができるとともに、本体部10で大きさ、形状、デザインなどの設計の自由度を高めることができる。また、本体部10が竿杆2から離間するにつれて拡径する拡径部(第一拡径部10b及び第二拡径部10c)を備えているため、把持性を高めることができる。
【0033】
また、第一拡径部10b及び第二拡径部10cで傾斜角度を変えているため、持ち易く、デザイン性にも優れるとともに、体の一部(肘、腕、脇等)にも当てやすくなる。また、グリップ本体1が中空になっていることにより、グリップ本体1の軽量化を図ることができる。
【0034】
また、本体部10は、中空であるとともに竿元側に開口する開口部13を備えているため、開口部13から竿栓30を挿入し、竿栓30の第二挿入部31を第一挿入部11に差し込むことで二重構造となり竿杆2とグリップ本体1との接合強度をより高めることがきる。また、竿栓30に段差部32d,32eを備えており、それぞれ受け部10a、張出部12aに当接するため、挿入方向の位置決めを容易に行うことができる。また、段差部32eと張出部12aとが当接することで、グリップ本体1と竿栓30とのガタつきも防ぐことができる。
【0035】
また、開口部13を保護する保護リング20を備えているため、グリップ本体1が地面等に接触した際に破損するのを防ぐことができる。
【0036】
また、竿栓30の基体部32は、竿杆2よりも大径に形成されるとともに、側方に開口する竿栓開口部33が形成されている。これにより、竿栓30の軽量化を図ることができる。
【0037】
また、グリップ本体1の本体部10に側方にグリップ開口部10dが形成されている。これにより、把持性を向上させることができるとともに、グリップ本体1の軽量化をより向上させることができる。
【0038】
(変形例1)
次に、図5に示すように、変形例1に係るグリップ本体1Bについて説明する。グリップ本体1Bの本体部10Bは、グリップ開口部10Bdの形状が上記した第一実施形態と異なっている。グリップ開口部10Bdは、第二拡径部10Bcに矩形状に形成されている。グリップ開口部10Bdは、本体部10Bの周方向に合計4つ形成されている。その他の構成及び効果は、第一実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0039】
(変形例2)
次に、図6に示すように、変形例2に係るグリップ本体1Cについて説明する。グリップ本体1Cの本体部10Cは、グリップ開口部10Cdの形状が上記した第一実施形態とは異なっている。グリップ開口部10Cdは、第二拡径部10Ccから大径部12にかけて矩形状に形成されている。グリップ開口部10Cdは、本体部10Cの周方向に合計4つ形成されている。その他の構成及び効果は、第一実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0040】
以上説明した変形例1,2のように、グリップ開口部の形状を変更して、軽量化やデザインのバリエーションを増やすことができる。
【0041】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態に係るリアグリップ構造について説明する。図7A,7Bに示すように、第二実施形態では本体部10に取り付けられる保護リング20Bと、竿栓30Bの構成が第一実施形態と相違する。第二実施形態に係るリアグリップ構造R2では、第一実施形態と相違する点を中心に説明する。
【0042】
図7A,7Bに示すように、保護リング20Bは、第一実施形態と比較して肉厚に設定されている。保護リング20Bは、フランジ部20Baと、フランジ部20Baから垂直に延設された軸部20Bbとを備えている。軸部20Bbは、竿栓30Bの基体大径部32Bbの内周面に挿入されている。
【0043】
また、竿栓30Bは、第二挿入部31Bと、基体部32Bとを備えている。本実施形態では、基体部32Bに形成される竿栓開口部33Bの形状が第一実施形態と主に相違する。竿栓開口部33Bは、軸心Cと直交する方向に延設され、軸心C方向に複数個並設されている。また、竿栓開口部33Bは、後方に向かうにつれて左右方向の幅が長くなるように形成されている。
【0044】
以上説明したリアグリップ構造R2によっても第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。また、保護リング20Bによれば、大径部12の端部及び竿栓30Bの基体大径部32Bbを保護することができる。また、本実施形態のように、竿栓30Bの大きさや形状を用途に応じて適宜成形することができる。
【0045】
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態に係るリアグリップ構造について説明する。図8A,8Bに示すように、第三実施形態では本体部10に取り付けられる竿栓30Cの構成が第一実施形態と相違する。第三実施形態に係るリアグリップ構造R3では、第一実施形態と相違する点を中心に説明する。
【0046】
図8A,8Bに示すように、本実施形態の竿栓30Cは、中実状に形成されている。竿栓30Cは、第二挿入部31Cと、球形状を呈する基体部32Cとを備えている。基体部32Cの外径は、竿杆2の内径よりも大きくなっている。
【0047】
以上説明したリアグリップ構造R3によっても第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。また、中空形状のグリップ本体1により、軽量化を図るとともに中実の竿栓30Cを備えることで、リアグリップ構造R3の耐久性を向上させることができる。なお、竿栓30Cを中空としてもよい。
【0048】
<第四実施形態>
次に、本発明の第四実施形態に係るリアグリップ構造について説明する。図9A,9Bに示すように、第四実施形態では本体部10D及び本体部10Dの内部に挿入する竿栓30Dの構成が第一実施形態と相違する。第四実施形態に係るリアグリップ構造R4では、第一実施形態と相違する点を中心に説明する。
【0049】
図9A,9Bに示すように、本実施形態のグリップ本体1Dは、中空の本体部10Dと、本体部10Dから竿杆2側へ延設する第一挿入部11Dと、を備えている。本体部10Dの中空部には竿栓30Dが取り付けられている。
【0050】
本体部10Dは、受け部10Daと、第一拡径部10Dbと、縮径部10Dcとを備えている。受け部10Daは、第一挿入部11Dの基端から径外方向に垂直に張り出している。受け部10Daは、竿杆2の基端が当接する部位である。受け部10Daの外径は、竿杆2の外径と概ね同一になっている。
【0051】
第一拡径部10Dbは、受け部10Daに連続し、第一挿入部11Dから離間するにつれて拡径する部位である。第一拡径部10Dbは、軸心Cに向けて凹む曲面であってもよいが、本実施形態では平坦面で形成されている。縮径部10Dcは、第一拡径部10Dbに連続し、第一挿入部11Dから離間するにつれて縮径する部位である。縮径部10Dcは、軸心Cに向けて凹む曲面であってもよいが、本実施形態では平坦面で形成されている。縮径部10Dcの軸心C方向の長さは、第一拡径部10Dbの軸心C方向の長さよりも長くなっている。縮径部10Dc後端は開口している。
【0052】
縮径部10Dcには、側方に開口するグリップ開口部10Ddが形成されている。グリップ開口部10Ddの形状、個数は特に制限されないが、本実施形態では軸心C方向に沿って切り開かれた開口が3つ形成されている。
【0053】
竿栓30Dは、竿杆2側へ延出する第二挿入部31Dと、本体部10Dの内部に位置する基体部32Dとを備えている。竿栓30Dは、略円筒形状を呈する。第二挿入部31Dの外周面は、第一挿入部11Dの内周面と接着剤で接着されている。基体部32Dの外周面は、本体部10Dの内周面と接着剤で接着されている。
【0054】
以上説明したリアグリップ構造R4によっても第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。本実施形態の本体部10Dのように、縮径部10Dcを備えた構成としてもよい。
【0055】
なお、第一~第四実施形態において、グリップ開口部、竿栓開口部はいずれも省略してもよい。また、竿栓又は保護リングを省略して構成してもよい。
【0056】
<第五実施形態・単一型リアグリップ構造>
次に、本発明の第五実施形態に係る単一型リアグリップ構造について説明する。図10に示すように、第五実施形態では本体部10Eの構成が第一実施形態と相違する。第五実施形態に係るリアグリップ構造R5は、単一の部材で構成されている。
【0057】
図10に示すように、リアグリップ構造R5は、グリップ本体1Eと、竿杆2とを備えている。本実施形態のグリップ本体1Eは、中実になっており、本体部10Eと、第一挿入部11Eと、大径部12Eと、を備えている。グリップ本体1Eはゴム、樹脂又は金属で構成され得るが、これらに限定されるものではない。
【0058】
本体部10Eは、略円錐台形状を呈し、受け部10Eaと、第一拡径部10Ebと、第二拡径部10Ecとを備えている。受け部10Eaは、第一挿入部11Eの基端から径外方向に垂直に張り出している。受け部10Eaは、竿杆2の基端が当接する部位である。受け部10Eaの外径は、竿杆2の外径と概ね同一になっている。
【0059】
第一拡径部10Ebは、受け部10aに連続し、第一挿入部11Eから離間するにつれて拡径する部位である。第一拡径部10Ebは、平坦面であってもよいが、本実施形態では軸心Cに向けてわずかに凹む曲面で形成されている。第二拡径部10Ecは、第一拡径部10Ebに連続し、第一挿入部11Eから離間するにつれて拡径する部位である。第二拡径部10Ecは、平坦面であってもよいが、本実施形態では軸心Cに向けてわずかに凹む曲面で形成されている。軸心Cに対する第二拡径部10Ecの傾斜角度は、軸心Cに対する第一拡径部10Ebの傾斜角度よりも小さくなっている。第二拡径部10Ecの軸心C方向の長さは、第一拡径部10Ebの軸心C方向の長さよりも長くなっている。
【0060】
大径部12Eは、本体部10Eに連続して竿元側に延在し、円柱状を呈する。大径部12Eの後端は閉塞されている。
【0061】
第二拡径部10Ecには、表面に対して凹となる凹溝10Edが形成されている。凹溝10Edの形状、個数は特に制限されないが、本実施形態では前後方向に長丸形状を呈しており、第二拡径部10Ecの周方向に亘って複数個形成されている。
【0062】
以上説明したリアグリップ構造R5によっても第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。また、中実の本体部10Eを備えることで、グリップ本体1Eの耐久性を向上させることがきる。また、グリップ本体1Eに凹溝10Edが形成されているため、把持性を向上させることができるとともに、グリップ本体1Eの軽量化を図ることができる。なお、リアグリップ構造R5において、凹溝10Edは省略してもよい。また、グリップ本体1Eを中空としてもよい。これにより、より軽量化を図ることができる。
【0063】
以上、本願発明に係る実施形態について説明した。本発明は、前述の実施形態に限らず各構成要素については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、拡径部は第一拡径部と第二拡径部を有する二段階の構成としたが、これに限定されず拡径部は一つであってもよいし、3つ以上でもよい。
【符号の説明】
【0064】
R1 リアグリップ構造
1 グリップ本体
2 竿杆
10 本体部
10a 受け部
10b 第一拡径部(拡径部)
10c 第二拡径部(拡径部)
11 第一挿入部
12 大径部
13 開口部
20 保護リング
30 竿栓
31 第二挿入部
32 基体部
33 竿栓開口部
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10