(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095488
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】フィルタエレメント固定用治具及びフィルタエレメントの製造方法
(51)【国際特許分類】
B01D 39/00 20060101AFI20230629BHJP
【FI】
B01D39/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211411
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000229542
【氏名又は名称】日本バイリーン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】奥山 浩嗣
【テーマコード(参考)】
4D019
【Fターム(参考)】
4D019BB02
4D019BB03
4D019BB08
4D019CA02
4D019CB01
4D019CB06
4D019CB07
(57)【要約】
【課題】
フィルタエレメントが容易に製造できるフィルタエレメント固定用治具、及び、このフィルタエレメント固定用治具を用いたフィルタエレメントの製造方法を提供すること。
【解決手段】
本発明のフィルタエレメント固定用治具は、ラック状又は平板状のフィルタエレメント固定用治具を構成する歯の先端部に、歯の伸びる方向に対して略直交する平面を有する。これにより、プリーツ折り加工された濾材のプリーツ山部1つずつを、フィルタエレメント用固定用治具を構成する、隣接する歯の間ごとに嵌め込んで装着体とするときに、濾材のプリーツ山部の先端が歯の先端部に当たった際に、歯の伸びる方向に対して略直交する平面により受け止めやすく、濾材のプリーツ間隔を一定に保持した装着体が容易に製造でき、結果としてフィルタエレメントが容易に製造できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
列をなす歯を有するラック状又は平板状のフィルタエレメント固定用治具であって、
フィルタエレメント固定用治具を構成する歯の先端部に、歯の伸びる方向に対して略直交する平面を有する、フィルタエレメント固定用治具。
【請求項2】
プリーツ折り加工された濾材を請求項1に記載のフィルタエレメント固定用治具を構成する、隣接する歯の間ごとに濾材のプリーツ山部1つずつを嵌め込み、前記濾材のプリーツ山部を前記隣接する歯の間に嵌め込んだ状態で、プリーツ折り加工された濾材のプリーツ折り線と交差する端面に枠材を固着し、枠材で濾材のプリーツを固定する、フィルタエレメントの製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載のフィルタエレメントの製造方法において、フィルタエレメント固定用治具を構成する、隣接する歯の間隔が、濾材の厚さの2.0倍以上7.0倍以下である、フィルタエレメントの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリーツ折り加工された濾材のプリーツ折り線と交差する端面に枠材を固着してフィルタエレメントを製造する際に、プリーツ形状を保持するための列をなす歯を有する治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、フィルタエレメントは、プリーツ折り加工された濾材のプリーツ間隔を一定に保持できるように濾材のプリーツ折り線と交差する端面に枠材を固着することで製造されている。
【0003】
上記フィルタエレメントの製造過程においては、特開2006-247479号公報(特許文献1)に開示されているように、濾材に枠材を固着する際に、プリーツ折り加工された濾材のプリーツ間隔を一定に保持するための、前記濾材の各プリーツ山部間に嵌め込まれる、
図6に示すような歯を有する平板状のフィルタエレメント固定用治具1が用いられていた。
【0004】
上記フィルタエレメント固定用治具1を用いたフィルタエレメントの製造過程において、
図7に示すように、枠材4の、濾材3のプリーツ折り線と交差する端面への固着は、歯2を下に向けたフィルタエレメント固定用治具1を構成する、隣接する歯2の間ごとにプリーツ折り加工された濾材3のプリーツ山部3aを1つずつ嵌め込んで、該濾材2のプリーツ間隔を一定に保持した装着体としておき、次いで枠材4と濾材3の前記端面との間にホットメルト接着シート(図示しない)を介在させ、この枠材4に、加熱した加圧板5を押し当てて該枠材4を濾材3の前記端面に固着する、という手順で行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記フィルタエレメントの製造方法において、フィルタエレメント固定用治具1は濾材3の各プリーツ山部3a間に嵌め込んで装着体としているが、嵌め込んで装着体とした際に、フィルタエレメント固定用治具1を構成する、隣接する歯2の間に濾材3の複数のプリーツ山部3aが入り込み、濾材3のプリーツ間隔を一定に保持できないことがあった。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、プリーツ折り加工された濾材を、フィルタエレメント固定用治具を構成する、隣接する歯の間に嵌め込んで装着体とする際に、濾材のプリーツ間隔を一定に保持した装着体が容易に製造でき、結果としてフィルタエレメントが容易に製造できるフィルタエレメント固定用治具、及び、このフィルタエレメント固定用治具を用いたフィルタエレメントの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1にかかる発明は、「列をなす歯を有するラック状又は平板状のフィルタエレメント固定用治具であって、フィルタエレメント固定用治具を構成する歯の先端部に、歯の伸びる方向に対して略直交する平面を有する、フィルタエレメント固定用治具。」である。
【0009】
本発明の請求項2にかかる発明は、「プリーツ折り加工された濾材を請求項1に記載のフィルタエレメント固定用治具を構成する、隣接する歯の間ごとに濾材のプリーツ山部1つずつを嵌め込み、前記濾材のプリーツ山部を前記隣接する歯の間に嵌め込んだ状態で、プリーツ折り加工された濾材の前記濾材のプリーツ折り線と交差する端面に枠材を固着し、枠材で濾材のプリーツを固定する、フィルタエレメントの製造方法。」である。
【0010】
本発明の請求項3にかかる発明は、「請求項2に記載のフィルタエレメントの製造方法において、フィルタエレメント固定用治具を構成する、隣接する歯の間隔が、濾材の厚さの2.0倍以上7.0倍以下である、フィルタエレメントの製造方法。」である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1にかかるフィルタエレメント固定用治具は、ラック状又は平板状のフィルタエレメント固定用治具を構成する歯の先端部に、歯の伸びる方向に対して略直交する平面を有する。これにより、プリーツ折り加工された濾材のプリーツ山部1つずつを、フィルタエレメント用固定用治具を構成する、隣接する歯の間ごとに嵌め込んで装着体とするときに、濾材のプリーツ山部の先端が歯の先端部に当たった際に、歯の伸びる方向に対して略直交する平面により受け止めやすく、濾材のプリーツ山部の先端が歯の先端部から、隣接する歯の間に滑り落ちにくいことから、フィルタエレメント固定用治具を構成する、隣接する歯の間に濾材の複数のプリーツ山部が入り込みにくく、濾材のプリーツ間隔を一定に保持した装着体が容易に製造でき、結果としてフィルタエレメントが容易に製造できる。
【0012】
本発明の請求項2にかかるフィルタエレメントの製造方法は、プリーツ折り加工された濾材のプリーツ山部を、フィルタエレメント固定用治具を構成する、隣接する歯の間に嵌め込んで装着体とする際に、フィルタエレメント固定用治具を構成する、隣接する歯の間に濾材の複数のプリーツ山部が入り込みにくいフィルタエレメント固定用治具を用いたフィルタエレメントの製造方法であることから、フィルタエレメントが容易に製造できる製造方法である。
【0013】
本発明の請求項3にかかるフィルタエレメントの製造方法は、フィルタエレメント固定用治具を構成する、隣接する歯の間隔が、濾材の厚さの2.0倍以上7.0倍以下と隣接する歯の間隔が狭いことから、プリーツ折り加工された濾材のプリーツ山部を、フィルタエレメント固定用治具を構成する、隣接する歯の間に嵌め込んで装着体とする際に、フィルタエレメント固定用治具を構成する、隣接する歯の間に濾材の複数のプリーツ山部が入り込みにくく、濾材のプリーツ間隔を一定に保持した装着体がより容易に製造でき、結果としてフィルタエレメントがより容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の、歯が上に向いたラック状のフィルタエレメント固定用治具を示す斜視図である。
【
図2】本発明の、歯が下に向いた平板状のフィルタエレメント固定用治具を示す斜視図である。
【
図3】本発明の、歯が下に向いたフィルタエレメント固定用治具(ラック状、平板状で共通)の、列をなす歯付近を拡大した平面図である。
【
図4】本発明の、ラック状のフィルタエレメント固定用治具を用いた、フィルタエレメントの製造方法を説明する斜視図である。
【
図5】本発明の、平板状のフィルタエレメント固定用治具を用いた、フィルタエレメントの製造方法を説明する斜視図である。
【
図6】従来の、歯が下に向いた平板状のフィルタエレメント固定用治具を示す斜視図である。
【
図7】従来の、平板状のフィルタエレメント固定用治具を用いた、フィルタエレメントの製造方法を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るフィルタエレメント固定用治具の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
本発明のフィルタエレメント固定用治具1は、
図1に示すようなラック状、あるいは
図2に示すような平板状であり、列をなす歯を有する。また、フィルタエレメント固定用治具1を構成する歯2の先端部に、歯2の伸びる方向に対して略直交する平面を有する。歯2の伸びる方向に対して略直交する平面は、
図1に示すフィルタエレメント固定用治具1においては長方形であるが、長方形以外の平面、例えば長方形の角を取った多角形、であることもできる。なお、「歯の伸びる方向」とは、歯の付け根から歯の先端部に伸びる方向をいう。
図1において、歯2の伸びる方向が上方向であるようにフィルタエレメント固定用治具1を置いており、
図2において、歯2の伸びる方向が下方向であるようにフィルタエレメント固定用治具1を置いている。さらに、「歯の伸びる方向に対して略直交する」というのは、歯2の伸びる方向の直線と、歯2の先端部の平面とのなす角のうち、もっとも角度が小さいなす角の角度が、80°~90°であることを指す。
【0017】
また、本発明のフィルタエレメント固定用治具1が平板状の場合、2枚以上の平板状のフィルタエレメント固定用治具1が平行になるように、棒状あるいは板状の部材を介して連結されていてもよい。
【0018】
本発明のフィルタエレメント固定用治具1は、樹脂や金属など、公知の素材で構成されているが、少なくともフィルタエレメント固定用治具1の歯2については、手で取り扱った際に軽く、取り扱い性に優れる、樹脂で構成されているのが好ましい。
【0019】
フィルタエレメント固定用治具1が樹脂で構成されている場合、例えば、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンスルファミド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ケトン系ポリマー系樹脂などの熱可塑性樹脂や、エポキシ系樹脂、尿素系樹脂、ポリウレタン系樹脂などの熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂の両方が存在するポリイミド系樹脂などが適用可能である。これらの中で、熱硬化性樹脂や、融点が高い熱可塑性樹脂等、耐熱性を有する樹脂でフィルタエレメント固定用治具1、あるいはフィルタエレメント固定用治具の一部にあたる歯2が構成されていると、フィルタエレメント固定用治具1の形状が安定しているので好ましい。また、以上述べた樹脂を用いた繊維強化プラスチック(FRP)などの複合材も適用可能である。
【0020】
フィルタエレメント固定用治具1が金属で構成されている場合、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ステンレス、すず、ニッケルや、これらの合金などが適用されるが、中でも腐食し難く、また耐久性のあるステンレスが好ましい。
【0021】
本発明のフィルタエレメント固定用治具1が
図1で示すようなラック状の場合、ラック状のフィルタエレメント固定用治具1の主面を構成する長方形あるいは正方形の1辺の長さは、特に限定するものではないが、100~350mmが好ましく、120mm~300mmがより好ましく、150~250mmが更に好ましい。なお、「主面」とは、最も広い面を意味する。
図1で示すフィルタエレメント固定用治具1の場合は、下方向からフィルタエレメント固定用治具1を見たときの面が主面に当たる。
【0022】
本発明のフィルタエレメント固定用治具1が
図2で示すような平板状の場合、平板状のフィルタエレメント固定用治具1の長辺の長さは、特に限定するものではないが、100~600mmが好ましく、120~400mmがより好ましく、150~250mmが更に好ましい。なお、「長辺」とは、最も長い辺を意味する。
図2で示すフィルタエレメント固定用治具1の場合は、フィルタエレメント固定用治具1の左右方向が長辺である。
【0023】
本発明のフィルタエレメント固定用治具1を構成する歯2の幅、すなわち、本発明のフィルタエレメント固定用治具1(ラック状、平板状と共通)の列をなす歯2を、歯2を下向きにして拡大した
図3におけるaの長さは、フィルタエレメント固定用治具1を用いて製造するフィルタエレメント、及び、フィルタエレメント製造時に用いる濾材3の厚さにより異なるが、0.1~20mmが好ましく、0.5~15mmがより好ましく、1.0~10mmが更に好ましい。
【0024】
本発明のフィルタエレメント固定用治具1を構成する、列をなす歯2における、隣接する歯2の間隔、すなわち、
図3におけるbの長さは、フィルタエレメント固定用治具1を用いて製造するフィルタエレメント、及び、フィルタエレメント製造時に用いる濾材3の厚さにより異なるが、2.5~15mmが好ましく、3.0~12mmがより好ましく、3.5~10mmが更に好ましい。
【0025】
本発明のフィルタエレメント固定用治具1を構成する歯2の高さ、すなわち、
図3におけるcの長さは、フィルタエレメント固定用治具1を用いて製造するフィルタエレメントにより異なるが、3.0~50mmが好ましく、4.0~45mmがより好ましく、5.0~40mmが更に好ましい。
【0026】
本発明のフィルタエレメント固定用治具1を構成する歯2の形状は、
図1~3において、フィルタエレメント固定用治具1を構成する歯2が列をなすように見える方向から見た際に長方形であるが、製造するフィルタエレメントに応じた形状であればよく、長方形以外では、例えば、正方形や、歯の先端部が歯の付け根に比べて細い台形であってもよい。また、必ずしも同じ歯2が並んでいる必要はない。例えば、フィルタエレメント固定用治具の両端部の歯の高さや幅が他より小さくなっている、あるいは他より大きくなっていることも可能である。また、
図1~3において、フィルタエレメント固定用治具1を構成する歯2は、等間隔に列をなしているが、製造するフィルタエレメントの形状によっては、歯2が列をなしていれば、等間隔でなくてもよい。
【0027】
次いで、本発明のフィルタエレメントの製造方法について説明する。
【0028】
まず、
図1に示したラック状のフィルタエレメント固定用治具1を用いたフィルタエレメントの製造方法の一例を、
図4を用いて説明する。
【0029】
最初に、プリーツ折り加工された濾材3のプリーツ形状を保つため、歯2を上に向けた本発明のフィルタエレメント固定用治具1を構成する、隣接する歯2の間ごとにプリーツ折り加工された濾材3のプリーツ山部3a1つずつをフィルタエレメント固定用治具1の上から嵌め込み装着体とする。
【0030】
この際、本発明のフィルタエレメント固定用治具1は、フィルタエレメント固定用治具1を構成する歯2の先端部に、歯2の伸びる方向に対して略直交する平面を有していることから、プリーツ折り加工された濾材3のプリーツ山部3aを、フィルタエレメント用固定用治具1を構成する、隣接する歯2の間に嵌め込んで装着体とするときに、濾材3のプリーツ山部3aの先端が歯2の先端部に当たった際に、歯2の伸びる方向に対して略直交する平面により受け止めやすく、濾材3のプリーツ山部3aの先端が歯2の先端部から隣接する歯2の間に滑り落ちにくいことから、フィルタエレメント固定用治具1を構成する、隣接する歯2の間に濾材3の複数のプリーツ山部3aが入り込みにくく、濾材3のプリーツ間隔を一定に保持した装着体が容易に製造でき、結果としてフィルタエレメントが容易に製造できる。
【0031】
次に、枠材4の一方の主面に、加熱により融けたホットメルト樹脂(図示せず)を塗布し、枠材4のホットメルト樹脂を塗布した一方の主面を、フィルタエレメント固定用治具1を嵌め込んだ濾材3の端面に向けるように濾材3と加熱していない加圧板5の間に枠材4をセットし、ホットメルト樹脂が融けているうちに加圧板5を濾材3の端面に向けて(
図4における矢印の方向)押し当てることにより、枠材4を濾材3の端面に向けて(
図4における矢印の方向)押し当て、プリーツ折り加工された濾材3のプリーツ折り線と交差する端面にホットメルト樹脂が塗布された枠材4を固着し、枠材4で濾材3のプリーツを固定することでフィルタエレメントを製造することができる。このとき、加熱したホットメルト樹脂を塗布する代わりに、枠材4と濾材3の前記端面との間にホットメルト接着シート(図示しない)を介在させ、この枠材4に、加熱した加圧板5を押し当てて、加熱した加圧板5の熱により融けたホットメルト接着シートによって、該枠材4を濾材3の前記端面に固着してフィルタエレメントを製造してもよい。
【0032】
次に、
図2に示した平板状のフィルタエレメント固定用治具1を用いたフィルタエレメントの製造方法の一例を、
図5を用いて説明する。
【0033】
最初に、プリーツ折り加工された濾材3のプリーツ形状を保つため、歯2を下に向けた、2枚の本発明のフィルタエレメント固定用治具1を構成する、隣接する歯2の間ごとにプリーツ折り加工された濾材3のプリーツ山部3a1つずつをフィルタエレメント固定用治具1の下から嵌め込み装着体とする。
図5においては、2枚の平板状のフィルタエレメント固定用治具1を用いているが、用いる平板状のフィルタエレメント固定用治具1は、1枚であっても、3枚以上であっても良い。
【0034】
前記濾材3のプリーツ山部3aを、フィルタエレメント固定用治具1を構成する、隣接する歯2の間に嵌め込み装着体とする以降のフィルタエレメントを製造する方法は、ラック状のフィルタエレメント固定用治具1を用いてフィルタエレメントを製造する際と同様である。
【0035】
フィルタエレメントを構成するプリーツ折り加工された濾材3の素材は、例えば、不織布、織物、編物、微多孔膜であることが出来るが、プリーツ折り加工が容易である点から、不織布であるのが好ましい。また、濾材3の厚さは、特に限定するものではないが、0.2~5.0mmが好ましく、0.3~4.0mmがより好ましく、0.4~3.0mmが更に好ましい。なお、本発明における厚さは、2kPa荷重時、5点厚さを測定したときの値の算術平均値をいう。
【0036】
フィルタエレメントを構成する枠材4の素材は、例えば、不織布、織編物、フィルム、発泡樹脂板、樹脂薄板、金属薄板などであることができる。例えば枠材4が不織布や発泡樹脂板の場合、ある程度の強度を保ちながらも、厚さも嵩高となり、クッション性を有しているので、例えばフィルタエレメントを製造する場合、フィルタエレメントとフィルタエレメント取付用の剛性枠との気密性に優れるという点から好ましい。また、枠材4の厚さは、特に限定するものではないが、0.3~6.0mmが好ましく、0.4~5.0mmがより好ましく、0.5~4.0mmが更に好ましい。
【0037】
フィルタエレメントを構成するホットメルト樹脂を構成する樹脂は、特に限定するものではないが、例えば、エチレン酢酸ビニル系、熱可塑性ポリウレタン樹脂系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、スチレン系ブロックポリマー等の熱可塑性樹脂であることができる。
【0038】
本発明のフィルタエレメント固定用治具1を用いてフィルタエレメントを製造する際、フィルタエレメント固定用治具1を構成する、列をなす歯2における、隣接する歯2の間隔(
図3におけるb)が、濾材の厚さの2.0倍以上7.0倍以下と、隣接する歯の間隔が比較的狭いと、プリーツ折り加工された濾材3のプリーツ山部3aを、フィルタエレメント固定用治具1を構成する、隣接する歯2の間に嵌め込んで装着体とする際に、フィルタエレメント固定用治具1を構成する、隣接する歯2の間に濾材3の複数のプリーツ山部3aが入り込みにくく、濾材3のプリーツ間隔を一定に保持した装着体がより容易に製造でき、結果としてフィルタエレメントがより容易に製造できることから好ましい。よりフィルタエレメントが容易に製造できるように、フィルタエレメント固定用治具1を構成する、隣接する歯2の間隔が濾材3の厚さの2.5倍以上6.0倍以下がより好ましく、3.0倍以上5.0倍以下が更に好ましい。
【符号の説明】
【0039】
1 フィルタエレメント固定用治具
2 歯
3 濾材
3a プリーツ山部
4 枠材
5 加圧板