(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023009564
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20230113BHJP
G09G 5/377 20060101ALI20230113BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20230113BHJP
G06F 3/048 20220101ALI20230113BHJP
【FI】
G09G5/00 X
G09G5/00 510H
G09G5/36 520M
G09G5/00 550B
G09G5/36 520C
G06F3/048
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021112959
(22)【出願日】2021-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】317014747
【氏名又は名称】シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】澤口 守
【テーマコード(参考)】
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB01
5C182AB02
5C182AB08
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA06
5C182CA21
5C182CA23
5C182CB54
5C182CB55
5C182CC21
5C182DA65
5C182DA70
5E555AA26
5E555BA36
5E555BB36
5E555BC30
5E555CA12
5E555CB12
5E555CB76
5E555CC22
5E555DB53
5E555DC10
5E555DC26
5E555DC27
5E555DC63
5E555DC86
5E555DD01
5E555EA11
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】清掃対象の清掃作業を効率よく行うことができる表示装置を提供する。
【解決手段】制御部(2)は、表示領域(31)での表示状態を第1変化範囲で変化させるとともに、表示状態が第1変化範囲で変化している状態で、操作受付部(4)が操作として表示領域(31)の表面の清掃を開始するための開始操作を受付けたタイミングを基準として、第1変化範囲よりも狭い第2変化範囲で表示状態を変化させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる操作を受付ける操作受付部と、
表示領域を有する表示部と、
前記表示領域での表示状態に関する予め定められた動作情報に基づいて前記表示状態を変化させる制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記動作情報に基づいて、前記表示状態を第1変化範囲で変化させるとともに、
前記表示状態が前記第1変化範囲で変化している状態で、前記操作受付部が前記操作として前記表示領域の表面の清掃を開始するための開始操作を受付けたタイミングを基準として、前記動作情報に基づいて、前記第1変化範囲において前記第1変化範囲よりも狭い第2変化範囲で前記表示状態を変化させる、ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、表示色を前記表示状態として、前記第1変化範囲または前記第2変化範囲で変化させる、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示領域に、規定の表示情報を含む画面を表示させるとともに、前記画面に重畳するように透過画像を表示させ、前記透過画像の透過率を前記表示状態として、前記第1変化範囲または前記第2変化範囲で変化させる、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、複数の前記透過画像を前記画面に重畳して表示させるとともに、少なくとも1つの前記透過画像の透過率を前記表示状態として前記第1変化範囲または前記第2変化範囲で変化させる、ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、複数の前記透過画像として、1つの濃色の前記透過画像と、1つの淡色の前記透過画像とを前記画面に重畳して表示させるとともに、一方の前記透過画像の透過率のみを前記第1変化範囲または前記第2変化範囲で変化させる、ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記操作受付部は、タッチパネルを含み、
前記制御部は、前記タッチパネルによる操作を受付ける操作画面を前記画面として表示させるとともに、前記表示状態を前記第1変化範囲または前記第2変化範囲で変化させているときに、前記タッチパネルによる前記操作画面の操作を無効にする、ことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記操作受付部が前記操作として清掃を終了するための終了操作を受付けたタイミングから所定の期間、または前記終了操作を受け付けるまでの期間、前記第2変化範囲での前記表示状態の変化を維持する、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記操作受付部が前記操作として前記第2変化範囲における、前記表示状態が変化する形態を変更する操作を受付けた場合に、前記形態で前記表示状態を変化させる、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
ユーザによる操作を受付ける操作受付部と、
表示領域を有する表示部と、
前記表示領域での表示状態に関する予め定められた動作情報に基づいて前記表示状態を変化させる制御部と、を備え、
前記制御部は、前記動作情報に基づいて、前記表示領域に、規定の表示情報を含む画面を表示させるとともに、前記画面に重畳するように透過画像を表示させ、前記透過画像の透過率を前記表示状態として規定の変化範囲で変化させ、
前記表示状態が前記変化範囲で変化している状態で、前記操作受付部が前記操作として前記表示領域の表面の清掃を開始するための開始操作を受付けたタイミングを基準として、前記表示状態の変化を停止させ、かつ、前記表示状態の変化を停止させたときの透過率で当該透過画像を表示させる、ことを特徴とする表示装置。
【請求項10】
前記制御部は、複数の前記透過画像を前記画面に重畳して表示させるとともに、少なくとも1つの前記透過画像の透過率を前記表示状態として前記変化範囲で変化させ、前記表示状態の変化を停止させたときの透過率で当該透過画像を表示させる、ことを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記制御部は、複数の前記透過画像として、1つの濃色の前記透過画像と、1つの淡色の前記透過画像とを前記画面に重畳して表示させるとともに、一方の前記透過画像の透過率のみを前記変化範囲で変化させ、前記表示状態の変化を停止させたときの透過率で当該透過画像を表示させる、ことを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記操作受付部は、タッチパネルを含み、
前記制御部は、前記タッチパネルによる操作を受付ける操作画面を前記画面として表示させるとともに、前記表示状態を前記変化範囲で変化させているとき、または前記表示状態の変化を停止させているときに、前記タッチパネルによる前記操作画面の操作を無効にする、ことを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記操作受付部が前記操作として清掃を終了するための終了操作を受付けたタイミングから所定の期間、または前記終了操作を受け付けるまでの期間、前記表示状態の変化を停止させたときの透過率で前記透過画像を表示させる、ことを特徴とする請求項9から12のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに表示領域の清掃作業をし易くした表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ディスプレイの画面の清掃を行わせるための清掃モードが設定された場合において、異なる複数の画像を順次切り替えて、ディスプレイに表示させる技術が開示されている。当該技術では、例えば、画面の全面に対して、所定の周期で、かつ、互いに色が異なる複数の清掃用の画像を予め定められた順番で順次切り替えて画面に表示し、ストップ操作が行われると、画像の変更を停止する。特許文献1では、これにより、画面の汚れや画面に付着した塵、埃等のゴミなどの清掃対象を目立たせて、清掃(除去)できるとしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術では、ユーザが清掃対象を発見したときにストップ操作を行うと、清掃対象の発見とストップ操作との間には若干の時間差が生じる。このため、ストップ操作によって画像の変更が停止されても、画像がすでに変更されていれば、ユーザが清掃対象を発見したときの画像と、画像の変更が停止したときの画像とが異なってしまう。このような場合、画像の変更が停止したときの画像では、清掃対象が目立ちにくいことがあった。この結果、従来技術では、清掃対象を容易に清掃することができずに、清掃対象の清掃作業を効率よく行えないという問題があった。
【0005】
本発明の一態様は、清掃対象の清掃作業を効率よく行うことができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る表示装置は、ユーザによる操作を受付ける操作受付部と、表示領域を有する表示部と、前記表示領域での表示状態に関する予め定められた動作情報に基づいて前記表示状態を変化させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記動作情報に基づいて、前記表示状態を第1変化範囲で変化させるとともに、前記表示状態が前記第1変化範囲で変化している状態で、前記操作受付部が前記操作として前記表示領域の表面の清掃を開始するための開始操作を受付けたタイミングを基準として、前記動作情報に基づいて、前記第1変化範囲において前記第1変化範囲よりも狭い第2変化範囲で前記表示状態を変化させる。
【0007】
上記構成によれば、表示領域での表示状態が第1変化範囲で変化するので、変化している表示状態のいずれかにおいて清掃対象を発見し易くなる。ユーザが清掃対象を発見したときに清掃を開始するための操作を行なえば、制御部は第1変化範囲よりも狭い第2変化範囲で表示状態を変化させる。これにより、表示領域において、清掃対象を発見したときの表示状態と近い表示状態を継続することができる。したがって、清掃対象を容易に清掃することができ、清掃対象の清掃作業を効率よく行うことができる。
【0008】
尚、ここでいう、第1変化範囲及び第2変化範囲とは、0である場合を含んでいない。すなわち、表示状態が第1変化範囲または第2変化範囲で変化している状態では、当該表示状態は、停止することなく、対応する第1変化範囲または第2変化範囲で変化している。
【0009】
前記表示装置において、前記制御部は、表示色を前記表示状態として、前記第1変化範囲または前記第2変化範囲で変化させてもよい。
【0010】
上記構成によれば、表示色が第1変化範囲または第2変化範囲で変化することとなり、清掃対象を発見し易くすることができる。
【0011】
前記表示装置において、前記制御部は、前記表示領域に、規定の表示情報を含む画面を表示させるとともに、前記画面に重畳するように透過画像を表示させ、前記透過画像の透過率を前記表示状態として、前記第1変化範囲または前記第2変化範囲で変化させてもよい。
【0012】
上記構成によれば、画面に重畳する透過画像の透過率が第1変化範囲または第2変化範囲で変化することとなり、画面を表示したままで清掃対象を発見し易くすることができる。これにより、画面を監視した状態で表示領域の表面を清掃することができる。
【0013】
前記表示装置において、前記制御部は、複数の前記透過画像を前記画面に重畳して表示させるとともに、少なくとも1つの前記透過画像の透過率を前記表示状態として前記第1変化範囲または前記第2変化範囲で変化させてもよい。
【0014】
上記構成によれば、画面に重畳する複数の透過画像のうち、少なくとも1つの透過画像の透過率を変化させるとともに、他の透過画像の透過率を固定しておくということができる。これにより、複数の透過画像の透過率に基づく多様な透過率を設定することができる。
【0015】
前記表示装置において、前記制御部は、複数の前記透過画像として、1つの濃色の前記透過画像と、1つの淡色の前記透過画像とを前記画面に重畳して表示させるとともに、一方の前記透過画像の透過率のみを前記第1変化範囲または前記第2変化範囲で変化させてもよい。
【0016】
上記構成によれば、濃色の透過画像および淡色の透過画像のうち、一方の透過率のみが変化することとなり、画面を透過した状態で表示状態を濃色から淡色または淡色から濃色に変化させることができる。これにより、清掃対象をより発見し易くすることができる。
【0017】
前記表示装置において、前記操作受付部は、タッチパネルを含み、前記制御部は、前記タッチパネルによる操作を受付ける操作画面を前記画面として表示させるとともに、前記表示状態を前記第1変化範囲または前記第2変化範囲で変化させているときに、前記タッチパネルによる前記操作画面の操作を無効にしてもよい。
【0018】
上記構成によれば、清掃対象を清掃する際にタッチパネルによる操作画面への操作が無効になる。これにより、清掃時にタッチパネルに触れることを操作画面への操作として認識されることを防止でき、当該タッチパネルに対する誤操作を抑制することができる。
【0019】
前記表示装置において、前記制御部は、前記操作受付部が前記操作として清掃を終了するための終了操作を受付けたタイミングから所定の期間、または前記終了操作を受け付けるまでの期間、前記第2変化範囲での前記表示状態の変化を維持してもよい。
【0020】
上記構成によれば、上記期間において、清掃を終えた後に、表示画上の清掃対象が残存しているか否かについて容易に確認することができ、清掃対象をより確実に清掃することができる。
【0021】
前記表示装置において、前記制御部は、前記操作受付部が前記操作として前記第2変化範囲における、前記表示状態が変化する形態を変更する操作を受付けた場合に、前記形態で前記表示状態を変化させてもよい。
【0022】
上記構成によれば、表示状態が変化する形態を可変にしているので、表示状態の変化域を移動させたり、表示状態の変化幅を大きくしたりすることで、表示領域上で清掃後に残存する清掃対象の有無をより容易に確認することができる。これにより、その確認のための時間を短縮することができる。
【0023】
また、本発明の他の一態様に係る表示装置は、ユーザによる操作を受付ける操作受付部と、表示領域を有する表示部と、前記表示領域での表示状態に関する予め定められた動作情報に基づいて前記表示状態を変化させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記動作情報に基づいて、前記表示領域に、規定の表示情報を含む画面を表示させるとともに、前記画面に重畳するように透過画像を表示させ、前記透過画像の透過率を前記表示状態として規定の変化範囲で変化させ、前記表示状態が前記変化範囲で変化している状態で、前記操作受付部が前記操作として前記表示領域の表面の清掃を開始するための開始操作を受付けたタイミングを基準として、前記表示状態の変化を停止させ、かつ、前記表示状態の変化を停止させたときの透過率で当該透過画像を表示させる。
【0024】
上記構成によれば、上記開始操作を受付けたタイミングを基準として規定の変化範囲から表示状態の変化を停止させ、かつ、表示状態の変化を停止させたときの透過率で当該透過画像を表示させることとなり、清掃対象を目立たせ易くすることができる。
【0025】
前記表示装置において、前記制御部は、複数の前記透過画像を前記画面に重畳して表示させるとともに、少なくとも1つの前記透過画像の透過率を前記表示状態として前記変化範囲で変化させ、前記表示状態の変化を停止させたときの透過率で当該透過画像を表示させてもよい。
【0026】
上記構成によれば、画面に重畳する複数の透過画像のうち、少なくとも1つの透過画像の透過率を変化させ、表示状態の変化を停止させたときの透過率で当該少なくとも1つの透過画像を表示するとともに、他の透過画像の透過率を固定しておくということができる。これにより、複数の透過画像の透過率に基づく多様な透過率を設定することができる。
【0027】
前記表示装置において、前記制御部は、複数の前記透過画像として、1つの濃色の前記透過画像と、1つの淡色の前記透過画像とを前記画面に重畳して表示させるとともに、一方の前記透過画像の透過率のみを前記変化範囲で変化させ、前記表示状態の変化を停止させたときの透過率で当該透過画像を表示させてもよい。
【0028】
上記構成によれば、濃色の透過画像および淡色の透過画像のうち、一方の透過率のみを変化させ、表示状態の変化を停止させたときの透過率で当該透過画像を表示するとともに、画面を透過した状態で表示状態を濃色から淡色または淡色から濃色に変化させることができる。これにより、清掃対象をより発見し易くすることができる。
【0029】
前記表示装置において、前記操作受付部は、タッチパネルを含み、前記制御部は、前記タッチパネルによる操作を受付ける操作画面を前記画面として表示させるとともに、前記表示状態を前記変化範囲で変化させているとき、または前記表示状態の変化を停止させているときに、前記タッチパネルによる前記操作画面の操作を無効にしてもよい。
【0030】
上記構成によれば、清掃対象を清掃する際にタッチパネルによる操作画面への操作が無効になる。これにより、清掃時にタッチパネルに触れることを操作画面への操作として認識されることを防止でき、当該タッチパネルに対する誤操作を抑制することができる。
【0031】
前記表示装置において、前記制御部は、前記操作受付部が前記操作として清掃を終了するための終了操作を受付けたタイミングから所定の期間、または前記終了操作を受け付けるまでの期間、前記表示状態の変化を停止させたときの透過率で前記透過画像を表示させてもよい。
【0032】
上記構成によれば、上記期間において、清掃を終えた後に、表示画上の清掃対象が残存しているか否かについて容易に確認することができ、清掃対象をより確実に清掃することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明の一態様によれば、清掃対象の清掃作業を効率よく行うことができる表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の実施形態1に係るプログラマブル表示器の構成を示すブロック図である。
【
図2】上記プログラマブル表示器の清掃モードでの表示画面の具体的な構成例を示す図である。
【
図3】上記プログラマブル表示器の動作例を示すフローチャートである。
【
図4】上記プログラマブル表示器の清掃モードでの具体的な表示動作を示す図である。
【
図5】上記清掃モードのうち、表示領域での表示状態を第1変化範囲で変化させる場合の動作例を示す図である。
【
図6】上記表示状態を第1変化範囲及び第2変化範囲で変化させる場合の動作例を示す図である。
【
図7】変形例1に係るプログラマブル表示器での表示状態を第1変化範囲及び第2変化範囲で変化させる場合の動作例を示す図である。
【
図8】変形例2に係るプログラマブル表示器での表示状態を第1変化範囲及び第2変化範囲で変化させる場合の動作例を示す図である。
【
図9】変形例3に係るプログラマブル表示器での表示状態を第1変化範囲及び第2変化範囲で変化させる場合の動作例を示す図である。
【
図10】変形例4に係る機器の清掃モードでの具体的な表示動作を示す図である。
【
図11】変形例5に係るプログラマブル表示器の清掃モードでの具体的な表示動作を示す図である。
【
図12】
図11に示したプログラマブル表示器の動作例を示すフローチャートである。
【
図13】変形例6に係るプログラマブル表示器の動作例を示すフローチャートである。
【
図14】
図13に示したプログラマブル表示器の清掃モードでの具体的な表示動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。尚、以下の説明では、プログラマブル表示器に本発明を適用した場合を例示して説明する。しかしながら、本発明は、表示領域を有する表示部を備えた表示装置であれば何等限定されるものではなく、テレビジョン受像機、タブレット端末やスマートフォーンなどの携帯端末、あるいはパーソナルコンピュータ等の情報処理端末などに本発明を適用することもできる。
【0036】
<プログラマブル表示器1の構成>
図1は、本発明の実施形態1に係るプログラマブル表示器1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、プログラマブル表示器1は、制御部2と、表示部3と、操作受付部4と、記憶部5と、インタフェース部6と、を備える。
【0037】
プログラマブル表示器1は、通信ケーブルを介してPLC7と接続されることにより、PLC7との間で通信を行う。プログラマブル表示器1は、操作及び表示のための作画画面を表示することにより、プログラマブル表示器特有の操作機能と表示機能とを実現する専用コンピュータであり、HMI(Human Machine Interface)機器として使用される。
【0038】
制御部2は、プログラマブル表示器1の各部を制御するために、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含んでいる。また、制御部2は、PLC7と接続されたデバイス8の状態をHMI画面として表示部3に表示させる動作や、操作受付部4に含まれるタッチパネル4Tへの操作に応じてデバイス8の状態を制御する動作を特定する。制御部2は、汎用のパーソナルコンピュータのようにアプリケーションプログラムを実行することにより、その実行結果として得られる画面(アプリケーション実行画面)を表示部3に表示させてもよい。
【0039】
表示部3は、液晶パネル、有機ELパネルなどのフラット型の表示パネルを備えている。表示パネルは、多数の表示素子と、表示素子を保持する、透光性を有するガラス、プラスチックなどの材料によって形成された透明板と、を含んでおり、各表示素子の状態の集合として表される表示内容(画面、画像など)を透過させる。表示部3は、上記表示内容が表示される領域を表示領域31として有している。表示領域31は、表示パネルの表示面であるが、その表面は、後述するタッチパネル4T(オーバーレイ型)、図示しない保護フィルムなどによって覆われていてもよいし、覆われていなくてもよい。表示部3では、ユーザが表示領域31の表面の汚れ、表示領域31の表面に付着した塵、埃等のゴミなどの清掃対象を発見するための清掃モードの表示動作が、制御部2の指示に従って、実行されるように構成されている(詳細は後述。)。
【0040】
操作受付部4は、ユーザからの操作を受付ける。操作受付部4は、タッチパネル4Tを備える他、表示領域31の近傍に設けられた操作ボタン、キーボードなどを備えていてもよい。タッチパネル4Tは、オーバーレイ型であれば、表示部3の表示領域31上に配置されている。タッチパネル4Tは、表示領域31に表示された画面に対する、ユーザによる(タッチ)操作を受付ける。尚、タッチパネル4Tは、組み込み型であれば、表示部3の表示領域31に組み込まれている。また、操作受付部4は、後述するインタフェース部6によって受信される操作端末からの操作指令を受付ける。
【0041】
記憶部5には、制御部2で使用される各種データが記憶されている。具体的にいえば、記憶部5には、上記清掃モードにおける、表示領域31での表示状態に関する予め定められた動作情報が記憶されている。記憶部5には、表示部3に表示させるために予め用意されているHMI画面のような画面のデータ、清掃モードで表示部3に表示させる画像のデータなどが記憶されている。記憶部5には、アプリケーションプログラムが記憶されていてもよい。
【0042】
制御部2は、清掃モードの実行中において、記憶部5に記載されている動作情報に含まれた第1動作情報に基づいて、表示領域31での表示状態を第1変化範囲で変化させる。制御部2は、清掃モードの実行中において、記憶部5に記載されている動作情報に含まれた第2動作情報に基づいて、表示領域31での表示状態を第1変化範囲よりも狭い第2変化範囲で変化させる。また、本実施形態のプログラマブル表示器1では、制御部2は、表示領域31に少なくとも1つの透過画像を表示させ、少なくとも1つの透過画像の透過率を表示領域31での表示状態として、第1変化範囲または第2変化範囲で変化させる(詳細は後述。)。
【0043】
インタフェース部6は、PLC7を通信可能に接続するための接続部を含んでいる。インタフェース部6は、リモートコントローラ、携帯端末、情報処理端末などの操作端末を通信可能に接続するための接続部を含んでいる。尚、この説明以外に、1つのインタフェース部6を複数の用途で使用しても良いし、複数の用途ごとに複数のインタフェース部6を設けてもよい。
【0044】
<プログラマブル表示器1での清掃モードによる表示画面>
図2は、上記プログラマブル表示器1の清掃モードでの表示画面の具体的な構成例を示す図である。
図2に示すように、本実施形態のプログラマブル表示器1では、清掃モードが実行されると、制御部2は、表示領域31に、規定の表示情報を含む画面41aを表示させる。画面41aとしては、上述したHMI画面、アプリケーション実行画面などが挙げられる。更に、制御部2は、画面41aに重畳するように、少なくとも1つ、例えば、2つの透過画像41b及び41cを表示領域31に表示させて、当該表示領域31を複数の画像を重畳した重畳画面41とする。透過画像41b及び41cは、各々半透明な半透明画面を構成しており、制御部2の指示に従って、互いに独立して、透過率が変更される画像である。透過画像41cは表示領域31の前面側に位置し、透過画像41bは表示領域31の背面側に位置している。
【0045】
制御部2は、画面41aと、透過画像41b及び41cとのそれぞれのデータを図示しないビデオRAMに重畳するように展開することにより、1つの表示画面データを作成し、表示部3に与える。ビデオRAMは、制御部2内のRAMの一部として設けられていてもよいし、制御部2の外部に設けられていてもよい。
【0046】
<プログラマブル表示器1の動作例>
図3は、上記プログラマブル表示器1の動作例を示すフローチャートである。
図4は、上記プログラマブル表示器1の清掃モードでの具体的な表示動作を示す図である。
図5は、上記清掃モードのうち、表示領域31での表示状態を第1変化範囲で変化させる場合の動作例を示す図である。
図6は、上記表示状態を第1変化範囲及び第2変化範囲で変化させる場合の動作例を示す図である。
【0047】
図3のステップS1に示すように、制御部2は、上記操作受付部4が通常の表示モードから清掃モードへ移行するための移行指示として第1移行操作を受付けたか否かについて判定する。制御部2は、操作受付部4が移行操作を受付けていないことを判定すれば(ステップS1でNO)、制御部2は、待機状態となる。第1移行操作は、タッチパネル4Tを含む操作受付部4への操作であってもよいし、上述した操作端末への操作であってもよい。
【0048】
一方、制御部2は、操作受付部4が第1移行操作を受付けていることを判定すれば(ステップS1でYES)、制御部2は、清掃モードを実行する(ステップS2)。この清掃モードでは、制御部2は、記憶部5に記憶されている動作情報に基づいて、表示領域31での表示状態を第1変化範囲で変化させる。
【0049】
具体的には、制御部2は、
図2に示したように、例えば、2つの透過画像41b及び41cを含む重畳画面41を表示領域31に表示させる。更に、制御部2は、動作情報に含まれた第1動作情報に基づいて、2つの透過画像41b及び41cのうち、少なくとも1つの透過率を上記表示状態として第1変化範囲で変化させる。
【0050】
次に、制御部2は、操作受付部4が清掃モードの終了指示として清掃モードから通常の表示モードへ移行するための第2移行操作を受付けたか否かについて判定する(ステップS3)。制御部2は、操作受付部4が第2移行操作を受付けていること、すなわち清掃モードの終了指示が有ったことを判定すれば(ステップS3でYES)、制御部2は、清掃モードの実行を終了させて、通常の表示モード(通常モード)へ移行する(ステップS7)。第2移行操作は、第1移行操作とは同じまたは異なる操作であって、タッチパネル4Tを含む操作受付部4への操作であってもよいし、上述した操作端末への操作であってもよい。
【0051】
一方、制御部2は、操作受付部4が第2移行操作を受付けていない、すなわち清掃モードの終了指示が無かったことを判定すれば(ステップS3でNO)、ステップS4に進む。
【0052】
次に、制御部2は、操作受付部4が操作として表示領域31の表面の清掃を開始するための開始操作を受付けたか否かについて判定する(ステップS4)。制御部2は、操作受付部4が開始操作を受付けていないことを判定すれば(ステップS4でNO)、制御部2は、ステップS3に戻る。開始操作は、第1移行操作及び後述する第2移行操作とは異なる操作であって、タッチパネル4Tを含む操作受付部4への操作であってもよいし、上述した操作端末への操作であってもよい。
【0053】
一方、制御部2は、操作受付部4が開始操作を受付けていることを判定すれば(ステップS4でYES)、制御部2は、表示領域31での表示状態を狭い範囲で変化させる狭窄動作を行う(ステップS5)。具体的には、制御部2は、動作情報に含まれた第2動作情報に基づいて、2つの透過画像41b及び41cのうち、少なくとも1つの透過率を上記表示状態として第2変化範囲で変化させる。
【0054】
次に、制御部2は、操作受付部4が狭窄動作の終了指示(終了操作)を受付けたか否かについて判定する(ステップS6)。制御部2は、操作受付部4が終了操作を受付けていないことを判定すれば(ステップS6でNO)、制御部2は、待機状態となる。終了操作は、第1移行操作及び後述する第2移行操作とは異なり、かつ開始指示とは同じまたは異なる操作であって、タッチパネル4Tを含む操作受付部4への操作であってもよいし、上述した操作端末への操作であってもよい。制御部2は、操作受付部4が終了操作を受付けていると判定するまでは、第2変化範囲で透過率を変化させる。
【0055】
一方、制御部2は、操作受付部4が終了操作を受付けていることを判定すれば(ステップS6でYES)、制御部2は、ステップS2に戻る。
【0056】
また、操作受付部4として、タッチパネル4Tが用いられている場合、制御部2は、タッチパネル4Tによる操作を受付ける操作画面を、例えば、上記画面41aとして表示させる。この場合、制御部2は、表示状態を第1変化範囲または第2変化範囲で変化させている状態で、タッチパネル4Tによる操作画面の操作を無効にしてもよい。この場合には、清掃対象を清掃する際にタッチパネル4Tによる操作画面への操作が無効になる。これにより、清掃時にタッチパネル4Tに触れることを操作画面への操作として認識されることを防止でき、当該タッチパネル4Tに対する誤操作を抑制することができる。
【0057】
<清掃モード>
次に、
図4から
図6も参照して、本実施形態のプログラマブル表示器1での清掃モードにおける表示動作について具体的に説明する。
【0058】
図4に示すように、清掃モードでは、清掃準備期間と清掃作業期間とが交互に行われ、少なくとも、清掃準備期間と、この清掃準備期間に続く清掃作業期間と、この清掃作業期間に続く清掃作業期間とが行われるようになっている。清掃準備期間は、制御部2が、第1動作情報に基づいて、表示領域31での表示状態を第1変化範囲で変化させる期間であり、ユーザが表示領域31の清掃対象を発見するための期間である。
【0059】
具体的には、制御部2は、例えば、
図2に示した2つの透過画像41b及び41cのうち、表示領域31の背面側の透過画像41bの透過率を一定の透過率(例えば、10%)で固定する。一方、制御部2は、記憶部5に記憶されている第1動作情報に基づいて、表示領域31の前面側(ユーザが視認する側)の透過画像41cの透過率を第1の変化範囲(例えば、1.0%~91.0の範囲)で周期的に変化させる。尚、透過画像41b及び41cでは、0%の透過率の場合に完全に不透明な画像となり、100%の透過率の場合に、完全に透明な画像となる。このような観点から、本実施形態では、上述したように、透過画像41b及び41cを半透明画面と称している。
【0060】
より具体的には、制御部2は、第1動作情報に基づいて、
図5の直線50にて示すように、透過画像41cの透過率を第1変化範囲で周期的に変化させる。ここで、第1動作情報には、周期C1、最高透過率Max1(91.0%)、及び最低透過率Min1(1.0%)などが含まれる。このように透過率を周期的に変化させるには、上記のような第1動作情報を用いて、例えば、
図5に示すように一次関数で計算されるような所定の割合を周期的に加減算する方法以外にも、サインカーブ、コサインカーブなどに従って周期的に変化させる方法を適用することができる。
【0061】
つまり、制御部2は、第1動作情報に含まれた周期C1を用いて、時点T1と時点T2との間で最高透過率Max1(91.0%)と最低透過率Min1(1.0%)とで規定される変化範囲W1(第1変化範囲)内で透過画像41cの透過率を変化させる。また、制御部2は、第1動作情報に含まれた透過率の変化の割合(例えば、±1.0%)と、透過率の変化の速度(例えば、0.05sec)とを用いて、
図5の直線50にて示すように、一次関数に基づいて、透過率を変化させる。この場合には、周期C1は、9.0sec(=(91.0‐1.0)/1.0)×0.05×2)となる。
【0062】
清掃作業期間は、清掃準備期間において、ユーザが表示領域31の清掃対象を発見して、表示領域31の表面の清掃を開始するためのユーザによる開始操作が操作受付部4によって受付けられたタイミングを基準(トリガ)として設けられる期間である。この期間に、ユーザは、発見した清掃対象を清掃する作業を行う。また、この清掃作業期間は、制御部2が、第2動作情報に基づいて、表示領域31での表示状態を第2変化範囲で変化(狭窄動作)させる期間であり、清掃対象を発見したときの表示状態と近い表示状態として、ユーザが容易に清掃対象を清掃することが可能となっている。
【0063】
また、清掃作業期間では、制御部2は第2動作情報に含まれたトリガ前設定時間(例えば、0.80sec)とトリガ後設定時間(例えば、0.15sec)とで透過率の最高値及び最低値を決定する。例えば、
図6において、透過画像41cの透過率が40%である、時点T3で上記開始操作の受付けのトリガが生じたとする。この場合、制御部2は、時点T3よりもトリガ前設定時間である、0.80sec前の時点T4の透過率56.0%を最高透過率Max2とする。また、制御部2は、時点T3よりもトリガ後設定時間である、0.15sec後の時点T5の透過率37.0%を最低透過率Min2とする。第2変化範囲は、トリガ前設定時間とトリガ後設定時間との和の時間で決定される。この例では、第2変化範囲が0.95sec(=0.80sec+0.15sec)で決定される。
【0064】
そして、制御部2は、
図6の直線60にて示すように、透過画像41cの透過率を最高透過率Max2と最低透過率Min2との間で規定される変化範囲W2(第2変化範囲)で周期C1よりも短い周期C2で変化させる。その後、制御部2は、時点T6で操作受付部4が狭窄動作の終了の指示を受付けると、透過画像41cの透過率を第2変化範囲から第1変化範囲に変更する。尚、周期C2は、例えば、時点T5と時点T5Eとの間の時間であり、トリガ前設定時間とトリガ後設定時間との和の2倍である。上記の例では、周期C2は、1.9sec(=(0.80sec+0.15sec)×2)となる。
【0065】
ユーザが清掃対象を発見してから開始操作を行うまでには、ある程度の時間を要するため、その時間のうちに透過率の変化が進んでしまう。この点を考慮して、トリガ前設定時間は、トリガ後設定時間よりも長く設定されることが好ましい。尚、トリガ前設定時間及びトリガ後設定時間は、このような設定に限定されないことは勿論である。
【0066】
以上のように、本実施形態のプログラマブル表示器1では、制御部2は、表示領域31での表示状態が第1変化範囲で変化している状態で、上記操作受付部4が操作として表示領域31の表面の清掃を開始するための開始操作を受付けたタイミングを基準として、動作情報に基づいて、第1変化範囲において第1変化範囲よりも狭い第2変化範囲で当該表示領域31での表示状態を変化させる。このように、本実施形態のプログラマブル表示器1では、表示領域31での表示状態が第1変化範囲で変化するので、変化している表示状態のいずれかにおいて清掃対象を発見し易くなる。また、ユーザが清掃対象を発見したときに清掃を開始するための開始操作を行なえば、制御部2は第1変化範囲よりも狭い第2変化範囲で表示状態を変化させる。これにより、本実施形態のプログラマブル表示器1では、表示領域31において、清掃対象を発見したときの表示状態と近い表示状態を継続することができる。したがって、本実施形態のプログラマブル表示器1では、清掃対象を容易に清掃することができ、清掃対象の清掃作業を効率よく行うことができる。
【0067】
また、本実施形態のプログラマブル表示器1では、制御部2は、表示領域31に、規定の表示情報を含む画面41aを表示させるとともに、画面41aに重畳するように透過画像41b及び41cを表示させ、透過画像41b及び41cの透過率を表示状態として、第1変化範囲または第2変化範囲で変化させている。この結果、本実施形態のプログラマブル表示器1では、画面41aに重畳する透過画像41b及び41cの透過率が第1変化範囲または第2変化範囲で変化することとなり、画面41aを表示したままで清掃対象を発見し易くすることができる。これにより、本実施形態のプログラマブル表示器1では、画面41aを監視した状態で表示領域31を清掃することができる。
【0068】
また、本実施形態のプログラマブル表示器1では、複数、例えば、2つの透過画像41b及び41cを画面41aに重畳して表示させるとともに、少なくとも1つの透過画像41cの透過率を表示状態として第1変化範囲または第2変化範囲で変化させている。この結果、本実施形態のプログラマブル表示器1では、画面41aに重畳する複数の透過画像41b及び41cのうち、少なくとも1つの透過画像41cの透過率を変化させるとともに、他の透過画像41bの透過率を固定しておくということができる。これにより、本実施形態のプログラマブル表示器1では、複数の透過画像41b及び41cの透過率に基づく多様な透過率を設定することができる。
【0069】
尚、上記の説明では、制御部2は、複数の透過画像41b及び41cとして、一方の透過画像41bの透過率を一定の透過率で固定するとともに、他方の透過画像41cの透過率を第1の変化範囲で変更する場合について説明した。しかしながら、本実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、1つの濃色(例えば黒色)の透過画像41bと、1つの淡色(例えば白色)の透過画像41cとを画面41aに重畳して表示させるとともに、一方の透過画像41cの透過率のみを第1変化範囲または第2変化範囲で変化させる構成でもよい。このように構成した場合では、濃色の透過画像41bおよび淡色の透過画像41cのうち、一方の透過率のみが変化することとなり、画面を透過した状態で表示状態を濃色から淡色または淡色から濃色に変化させることができる。これにより、清掃対象をより発見し易くすることができる。
【0070】
尚、本実施形態では、表示装置としてプログラマブル表示器1を用いているが、タッチパネル4Tを備えていない表示装置であっても、本発明を適用することができる。例えば、駅、商業施設などにおいて高所に設置されている表示装置は、タッチパネルを備えていないが、リモコン、ワイヤレスの携帯端末などを用いた操作によって表示情報を切り替えるように構成されている。このような表示装置でも、清掃対象を発見したときに所定の操作をすることにより、通常の表示モードと清掃モードとの間の移行、及び第1変化範囲と第2変化範囲との切り替えを行うことができる。
【0071】
〔変形例1〕
本発明の変形例1について、
図7を用いて具体的に説明する。
図7は、変形例1に係るプログラマブル表示器での表示状態を第1変化範囲及び第2変化範囲で変化させる場合の動作例を示す図である。尚、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。これは、以降の変形例2~8でも同じである。
【0072】
本変形例1は、第2変化範囲での最高透過率Max11と最低透過率Min11の決定方法が第2変化範囲での最高透過率Max1と最低透過率Min1の決定方法が異なる点で上記実施形態1と主に相違している。つまり、本変形例1では、制御部2は、第2動作情報に含まれる上記トリガ前後の透過率の変化割合に基づいて、最高透過率Max11と最低透過率Min11とを決定する。
【0073】
具体的にいえば、トリガ前変化割合は、透過率の変化方向(つまり、透過率が増加する増加方向または透過率が減少する減少方向)とは逆の方向に予め定められた第1の値P1(例えば、16%)である。また、トリガ後変化割合は、透過率の変化方向と同じ方向に予め定められた第2の値P2(例えば、3%)である。
【0074】
例えば、
図7の直線65にて示すように、透過画像41cの透過率Tr11が、第1変化範囲において減少方向に変化しているときであって45%である、時点T7で上記開始操作の受付けのトリガが生じたとする。この場合、制御部2は、上記第1の値P1の16%を透過率Tr11に加算することにより、最高透過率Max11を61%と決定する。また、制御部2は、上記第2の値P2の3%を透過率Tr11から減算することにより、最低透過率Min11を42%と決定する。
【0075】
そして、制御部2は、時点T8から時点T9までの期間で定まる1周期を周期C3として、透過画像41cの透過率を上記最高透過率Max11と最低透過率Min11との間で規定される変化範囲W3(第2変化範囲)で変化させる。また、透過画像41cにおいて、1%の透過率の変化に要する時間が0.05secであるため、1周期の時間は、1.9sec(=(61-42)×0.05×2)となる。
【0076】
以上の構成により、本変形例1のプログラマブル表示器1は、実施形態1のプログラマブル表示器1と同じ効果を奏する。尚、この説明以外に、後掲の変形例2及び3と同様に、上記トリガ発生時における、透過画像41cの透過率が、第1変化範囲での最高透過率Max1または最低透過率Min1の付近である場合には、上記第1の値P1及び第2の値P2を用いないようにしてもよい。この場合、具体的には、第2変化範囲の変化幅を固定値(例えば、19%(=16%+3%))として、当該第2変化範囲の最高透過率Max11及び最低透過率Min11を決定してもよい。
【0077】
〔変形例2〕
本発明の変形例2について、
図8を用いて具体的に説明する。
図8は、変形例2に係るプログラマブル表示器での表示状態を第1変化範囲及び第2変化範囲で変化させる場合の動作例を示す図である。
【0078】
本変形例2は、第2変化範囲での最高透過率Max3と最低透過率Min3の決定方法が第2変化範囲での最高透過率Max1と最低透過率Min1と異なる点で上記実施形態1と主に相違している。つまり、本変形例2では、制御部2は、上記トリガ発生時における、透過画像41cの透過率が、例えば、第1変化範囲での最低透過率Min1の付近である場合に、当該最低透過率Min1を第2変化範囲での最低透過率Min3とする。
【0079】
例えば、
図8の直線70にて示すように、透過画像41cの透過率が、例えば、最低透過率Min1の付近である、時点T13で上記開始操作の受付けのトリガが生じたとする。この場合、制御部2は、時点T13のトリガ後設定時間である、0.15sec前の時点T15の透過率9.0%を最高透過率Max3とする。
【0080】
また、制御部2は、時点T13のトリガ前設定時間である、0.80sec前の時点T14の透過率を最低透過率Min3とせずに、第1変化範囲での最低透過率Min1を最低透過率Min3に決定する。そして、制御部2は、
図8の直線70にて示すように、透過画像41cの透過率を最高透過率Max3と最低透過率Min3との間で規定される変化範囲W4(第2変化範囲)で周期的に変化させる。その後、制御部2は、時点T16で操作受付部4が狭窄動作を終了させるための指示(操作)を受付けると、透過画像41cの透過率を第2変化範囲から第1変化範囲に変更する。
【0081】
以上の構成により、本変形例2のプログラマブル表示器1は、実施形態1のプログラマブル表示器1と同じ効果を奏する。尚、この説明以外に、上記トリガ発生時における、透過画像41cの透過率が、第1変化範囲での最高透過率Max1の付近である場合には、当該最高透過率Max1を第2変化範囲での最高透過率Max3とし、トリガ後設定時間を基に第2変化範囲での最低透過率Min3を決定してもよい。
【0082】
〔変形例3〕
本発明の変形例3について、
図9を用いて具体的に説明する。
図9は、変形例3に係るプログラマブル表示器での表示状態を第1変化範囲及び第2変化範囲で変化させる場合の動作例を示す図である。
【0083】
本変形例3は、第2変化範囲での最高透過率Max4の決定方法が最高透過率Max3の決定方法と異なる点で上記変形例2と主に相違している。本変形例3では、制御部2は、上記トリガ発生時における、透過画像41cの透過率が、例えば、第1変化範囲での最低透過率Min1の付近である場合に、変形例2の最低透過率Min3と同じく、当該最低透過率Min1を第2変化範囲での最低透過率Min4とする。
【0084】
一方、例えば、
図9の直線80にて示すように、透過画像41cの透過率が、例えば、最低透過率Min1の付近である、時点T23で上記開始操作の受付けのトリガが生じたとする。この場合、制御部2は、第1変化範囲での最低透過率Min1と、狭窄動作時の透過率の変化範囲(例えば、トリガ前設定時間の透過率とトリガ後設定時間の透過率との間に変化する透過率の変化範囲)とに基づいて、最高透過率Max4を決定する。
【0085】
具体的には、制御部2は、上記最低透過率Min1と、狭窄動作時の透過率の変化範囲とを加算して最高透過率Max4とする。狭窄動作時の透過率の変化範囲は、時点T23のトリガ前設定時間である、0.80sec前の時点T24の透過率16.0%と、時点T23のトリガ後設定時間である、0.15sec後の時点T25の透過率3.0%との和である。したがって、最高透過率Max4は、最低透過率Min1である透過率1.0%と、狭窄動作時の透過率の変化範囲である19.0%との和の透過率20.0%となる。
【0086】
また、制御部2は、時点T23のトリガ後設定時間である、0.15sec後の時点T25の透過率を最低透過率Min4とせずに、第1変化範囲での最低透過率Min1を第2変化範囲での最低透過率Min4に決定する。そして、制御部2は、
図9の直線80にて示すように、透過画像41cの透過率を最高透過率Max4と最低透過率Min4との間で規定される変化範囲W5(第2変化範囲)で周期的に変化させる。その後、制御部2は、時点T26で操作受付部4が狭窄動作の終了の指示(操作)を受付けると、透過画像41cの透過率を第2変化範囲から第1変化範囲に変更する。
【0087】
以上の構成により、本変形例3のプログラマブル表示器1は、実施形態1のプログラマブル表示器1と同じ効果を奏する。尚、この説明以外に、上記トリガ発生時における、透過画像41cの透過率が、第1変化範囲での最高透過率Max1の付近である場合には、当該最高透過率Max1を第2変化範囲での最高透過率Max4とし、この最高透過率Max4から、狭窄動作時の透過率の変化範囲(例えば、トリガ前設定時間の透過率とトリガ後設定時間の透過率との間に変化する透過率の変化範囲)を減算して、第2変化範囲での最低透過率Min4を決定してもよい。
【0088】
具体的にいえば、例えば、最高透過率Max4である91.0%から狭窄動作時の透過率の変化範囲、例えば、上記の透過率19.0%を減算して、透過率72.0%を最低透過率Min4としてもよい。
【0089】
〔変形例4〕
本発明の変形例4について、
図10を用いて具体的に説明する。
図10は、変形例4に係る機器の清掃モードでの具体的な表示動作を示す図である。変形例4に係る機器は、プログラマブル表示器1のようにタッチパネル4Tを備えていない機器であって、それ以外はプログラマブル表示器1と同等に構成されている機器である。
【0090】
本変形例4では、制御部2は、操作受付部4がタッチパネル4T以外の操作デバイス、例えば、表示領域31の近傍に設けられた操作ボタンや上述した操作端末などから上記終了操作を受け付けるまでの期間、第2変化範囲での表示状態の変化を維持する点で主に上記実施形態1と相違している。すなわち、本変形例4では、清掃作業期間において、ユーザが表示領域31の清掃作業を実施する清掃実施期間とユーザが表示領域31の清掃作業が適切に行われたか否かを確認する確認実施期間とが設けられている。さらに、本変形例4では、清掃作業期間は、清掃実施期間に確認実施期間が含まれるように設けられている。
【0091】
具体的にいえば、
図10に示すように、制御部2は、時点T40で操作受付部4が表示領域31の表面の清掃を開始するための開始操作を受付けたことを認識すると、表示領域31での表示状態が変化する範囲を第1変化範囲から第2変化範囲に変更する。これにより、本変形例4では、時点T40から清掃作業期間の清掃実施期間が開始される。
【0092】
その後、本変形例4では、時点T41で、ユーザによる清掃作業が完了していたとしても、ユーザは終了操作をしない。このため、操作受付部4には、上記終了操作が受付けられないので、制御部2は、表示領域31での表示状態が変化する範囲を第2変化範囲に維持する。そして、制御部2は、時点T42で操作受付部4が上記終了操作を受付けたことを認識すると、制御部2は、ユーザによる清掃作業と清掃の確認作業が完了したと判断する。すなわち、制御部2は、時点T42で清掃作業期間の確認実施期間が終了したと判断する。そして、制御部2は、表示領域31での表示状態を第2変化範囲から第1変化範囲に変更する。このように、制御部2は、操作受付部4が終了操作を受付けるまでの期間、第2変化範囲での表示状態の変化を維持した確認実施期間が設定される。
【0093】
言い換えれば、本変形例4では、
図10に示すように、清掃実施期間が、例えば、時点T41で終了されると、当該時点T41から上記終了操作を受付けた時点T42までの間、確認実施期間が設けられる。そして、制御部2は、時点T42で上記終了操作を受付けたことを認識すれば、表示領域31での表示状態が変化する範囲を第2変化範囲から第1変化範囲に変更する。
【0094】
尚、上記の説明以外に、上記終了操作の有無にかかわらず、確認実施期間を所定の時間によって監視する構成でも構わない。具体的には、確認実施期間の所定の時間として、例えば、1sec~5secを設定して、第2動作情報に含めて記憶部5に記憶してもよい。また、制御部2は、確認実施期間中に、清掃作業(開始操作)を再度検出すると清掃実施期間に戻り、清掃作業が終わると再度確認実施期間としてもよい。さらに、制御部2は、終了操作を受付けた場合または所定の時間経過後に、第1変化範囲に変更させてもよい。
【0095】
以上の構成により、本変形例4の機器は、実施形態1のプログラマブル表示器1と同じ効果を奏する。また、本変形例4の機器は、表示状態が第2変化範囲で変化する確認実施期間が設けられている。これにより、清掃を終えた後に、表示領域31上の清掃対象が残存しているか否かについて容易に確認することができ、清掃対象をより確実に清掃することができる。尚、操作受付部4が開始操作または終了操作を受付けたことには、表示領域31の近傍に設けられた操作ボタンや上述した操作端末などからの操作指示が行われることを認識した場合を含む。
【0096】
〔変形例5〕
本発明の変形例5について、
図11及び
図12を用いて具体的に説明する。
図11は、変形例5に係るプログラマブル表示器の清掃モードでの具体的な表示動作を示す図である。
図12は、
図11に示したプログラマブル表示器の動作例を示すフローチャートである。
【0097】
本変形例5は、タッチパネル4Tでユーザによる清掃動作を検出することにより、清掃作業期間の開始とする点で、上記変形例4と主に相違している。
【0098】
具体的にいえば、
図11に示すように、制御部2は、時点T40でタッチパネル4Tに対して、ユーザにより所定のタッチ操作が行われたことを認識すると、制御部2は、操作受付部4がユーザから上記開始操作を受付けたと判断する。そして、制御部2は、表示領域31での表示状態が変化する範囲を第1変化範囲から第2変化範囲に変更する。これにより、本変形例5では、時点T40から清掃実施期間が開始される。また、所定のタッチ操作とは、例えば、清掃対象となっている表示領域のいずれかの場所を、ユーザがタッチ操作をしている場合をいう。
【0099】
その後、制御部2は、時点T43でタッチパネル4Tに対して、ユーザによる所定のタッチ操作が行われたことを認識すると、制御部2は、ユーザから上記終了操作を受付けたと判断する。そして、制御部2は、時点T43から所定の期間が経過する時点T44までの間、第2変化範囲での表示状態の変化を維持する。すなわち、本変形例5では、清掃実施期間が時点T43で終了されるとともに、当該時点T43から時点T44までの間、清掃確認期間が実施される。そして、制御部2は、時点T44を経過したことを認識すれば、表示領域31での表示状態を第2変化範囲から第1変化範囲に変更する。このように、制御部2は、操作受付部4が終了操作を受付けたタイミングから所定の期間、第2変化範囲での表示状態の変化を維持する。
【0100】
つまり、本変形例5では、
図12において、ステップS1~S3、S5、及びS7については、それぞれ
図3に示すステップS1~S3、S5、及びS7と同じ処理が行われる。
図12のステップS14に示すように、本変形例5では、制御部2は、タッチパネル4Tに対して、ユーザによる所定のタッチ操作が行われたか否かを検出して、操作受付部4が操作として表示領域31の表面の清掃を開始するための開始操作を受付けたか否かについて判定する(ステップS14)。制御部2は、操作受付部4が開始操作を受付けていないことを判定すれば(ステップS14でNO)、制御部2は、ステップS3に戻る。
【0101】
一方、制御部2は、上記タッチ操作がタッチパネル4Tで検出されて操作受付部4が開始操作を受付けていることを判定すれば(ステップS14でYES)、制御部2は、表示領域31での表示状態を狭い範囲で変化させる狭窄動作を行う(ステップS5)。
【0102】
次に、制御部2は、タッチパネル4Tに対して、ユーザによる所定のタッチ操作が行われたか否かを検出して、操作受付部4が狭窄動作の終了指示(終了操作)を受付けたか否かについて判定する(ステップS16)。そして、制御部2は、操作受付部4が終了操作を受付けていないことを判定すれば(ステップS16でNO)、制御部2は、待機状態となる。ステップS16の判定において、制御部2は、例えば、待機状態の継続時間が所定時間を経過したことを見出して、タッチ操作が検出されなくなったことを、操作受付部4が終了操作として受付けたと判定してもよい。
【0103】
一方、制御部2は、上記タッチ操作がタッチパネル4Tで検出されなくなることにより、操作受付部4が終了操作を受付けていることを判定すれば(ステップS16でYES)、制御部2は、その受付けたタイミングから所定の期間(つまり、上記確認実施期間)が経過したか否かについて判定する(ステップS17)。そして、制御部2は、所定の期間が経過していることを判定すれば(ステップS17でYES)、制御部2は、ステップS2に戻る。すなわち、制御部2は、表示領域31での表示状態が変化する範囲を第2変化範囲から第1変化範囲に変更する。
【0104】
一方、制御部2は、所定の期間が経過していないことを判定すれば(ステップS17でNO)、制御部2は、タッチパネル4Tに対して、ユーザによる所定のタッチ操作が行われたか否かを検出して、操作受付部4が操作として表示領域31の表面の清掃を開始するための開始操作を受付けたか否かについて判定する(ステップS18)。制御部2は、操作受付部4が開始操作を受付けていないことを判定すれば(ステップS18でNO)、制御部2は、ステップS17に戻る。すなわち、制御部2は、確認実施期間を維持する。このようにすれば、清掃実施期間と確認実施期間を繰り返すことができるようになる。これにより、清掃作業の効率化を容易に図ることができる。
【0105】
一方、制御部2は、上記タッチ操作がタッチパネル4Tで検出されて操作受付部4が開始操作を受付けていることを判定すれば(ステップS18でYES)、制御部2は、ステップS16に戻る。
【0106】
以上の構成により、本変形例5のプログラマブル表示器1は、変形例4の機器と同じ効果を奏する。尚、制御部2は、ユーザが表示領域31の拭き取り動作のためにタッチパネル4Tに接触したことを開始操作として認識するとともに、ユーザが拭き取り動作を終了してタッチパネル4Tから手などを離したことを終了操作として認識する。
【0107】
〔変形例6〕
本発明の変形例6について、
図13及び
図14を用いて具体的に説明する。
図13は、変形例6に係るプログラマブル表示器の動作例を示すフローチャートである。
図14は、
図13に示したプログラマブル表示器の清掃モードでの具体的な表示動作を示す図である。
【0108】
本変形例6は、操作受付部4が操作として狭窄動作(第2変化範囲)における、表示領域31、あるいは上述した操作端末などでの表示状態が変化する形態を変更する操作を受付けた場合に、制御部2が、その形態で表示状態を変化させる点で、上記実施形態1と主に相違している。
【0109】
図13のステップS11に示すように、本変形例6では、制御部2は、狭窄動作を実行中に、操作受付部4が表示領域31での表示状態が変化する形態の変更指示を受付けたか否かについて判定する。制御部2は、操作受付部4が変更指示を操作として受付けていないことを判定すれば(ステップS11でNO)、制御部2は、待機状態となる。
【0110】
一方、制御部2は、操作受付部4が変更指示を受付けていることを判定すれば(ステップS11でYES)、制御部2は、狭窄動作での表示状態の形態を変更する(ステップS12)。
【0111】
具体的にいえば、制御部2は、ユーザが表示状態の形態を変更する操作を行うことができるように、
図14に示すような透過率の変化を表す図を操作画面の一部に表示させるか、あるいは上述した操作端末に表示させる。
図14の直線90にて示すように、例えば、表示領域31での表示状態が第1変化範囲で変化する場合において、操作受付部4は、
図14の時点T4で矢印Ar1または時点T5で矢印Ar2に示す向きに透過率の変化域を移動させることを表示状態が変化する形態とする。また、操作受付部4は、変化域の移動方向及び移動量を変更する指示をユーザによる操作として受付ける。そして、制御部2は、操作受付部4が上記操作を受付けると、矢印Ar1または矢印Ar2で示した向きに透過率の変化域を、狭窄動作を行う時間(変化幅)を一定に保持した状態で移動させる。上記操作としては、スワイプ操作が挙げられる。
【0112】
また、例えば、透過率の変化幅を、
図14に両矢印Ar3にて示すように、狭くすることを表示形態が変化する形態とする。操作受付部4は、表示領域31での表示状態において、変化幅を狭めるように変更する指示をユーザによる操作として受付ける。そして、制御部2は、操作受付部4が上記操作を受付けると、両矢印Ar3で示す幅に透過率の変化幅を狭める。このように、制御部2は、表示状態の形態の変更指示を受付けたことを認識すると、透過率の変化幅を狭めることで、最高透過率Max2の値を小さくするとともに、最低透過率Min2の値を大きくするように変更させて、狭窄動作を行わせる。変化幅を狭める上記操作としては、ピンチイン操作が挙げられる。
【0113】
また、例えば、透過率の変化幅を、
図14に両矢印Ar4にて示すように、広くすることを表示形態が変化する形態とする。操作受付部4は、表示領域31での表示状態において、変化幅を広げるように変更する指示をユーザによる操作として受付ける。そして、制御部2は、操作受付部4が上記操作を受付けると、両矢印Ar4で示す幅に透過率の変化幅を広げる。このように、制御部2は、表示状態の形態の変更指示を受付けたことを認識すると、透過率の変化幅を広げることで、最高透過率Max2の値を大きくするとともに、最低透過率Min2の値を小さくするように変更させて、狭窄動作を行わせる。変化域を広げる上記操作としては、ピンチアウト操作が挙げられる。
【0114】
以上の構成により、本変形例6のプログラマブル表示器1は、実施形態1のプログラマブル表示器1と同じ効果を奏する。また、本変形例6のプログラマブル表示器1では、表示状態が変化する形態を可変にしているので、表示状態の変化域を移動させること、または表示状態の変化幅の拡大もしくは縮小を可能にする。これにより、表示領域31上で清掃後に残存する清掃対象の有無をより容易に確認することができる。したがって、その確認のための時間を短縮することができる。
【0115】
〔変形例7〕
本発明の変形例7について具体的に説明する。本変形例7は、上記開始操作を受付けたタイミングを基準として、表示状態の変化を停止させ、かつ、表示状態の変化を停止させたときの透過率で当該透過画像を表示させる点で、上記実施形態1と主に相違している。
【0116】
具体的には、本変形例7では、制御部2は、表示状態を規定の変化範囲としての第1変化範囲で変化している状態において、操作受付部4が表示領域の表面の清掃を開始するための開始操作を受付けると、第1変化範囲(規定の変化範囲)で変化している状態を停止させる。さらに、制御部2は、透過画像の透過率として、表示状態の変化を停止させたときの透過率で当該透過画像を表示させる。より具体的には、制御部2は、例えば、トリガ前設定時間とトリガ後設定時間とを値が同一であって極性が異なる時間とすることにより、上記実施形態での第2変化範囲の最高透過率Max2と最低透過率Min2とを、上記開始操作を受付けて表示状態の変化を停止させたときの透過率と同じ値とすることができる。
【0117】
以上の構成により、本変形例7のプログラマブル表示器1は、上記開始操作を受付けたタイミングを基準として規定の変化範囲から表示状態の変化を停止させ、かつ、表示状態の変化を停止させたときの透過率で当該透過画像を表示させることとなり、清掃対象を目立たせ易くすることができる。
【0118】
また、本変形例7では、制御部2は、複数の透過画像を画面41aに重畳して表示させている場合において、少なくとも1つの透過画像の透過率を表示状態として第1変化範囲で変化している状態を停止させた後、表示状態の変化を停止させたときの透過率で当該少なくとも1つの透過画像を表示させてもよい。この場合には、画面41aに重畳する複数の透過画像のうち、少なくとも1つの透過画像の透過率を変化させ、表示状態の変化を停止させたときの透過率で当該少なくとも1つの透過画像を表示するとともに、他の透過画像の透過率を固定しておくということができる。これにより、複数の透過画像の透過率に基づく多様な透過率を設定することができる。
【0119】
また、本変形例7では、制御部2は、複数の透過画像として、1つの濃色の透過画像と、1つの淡色の透過画像とを画面41aに重畳して表示させている場合において、一方の透過画像の透過率のみを表示状態として第1変化範囲で変化している状態を停止させた後、上記所定の透過率で当該一方の透過画像を表示させてもよい。この場合には、濃色の透過画像および淡色の透過画像のうち、一方の透過率のみを第1変化範囲で変化させ、表示状態の変化を停止させたときの透過率で当該透過画像を表示するとともに、画面を透過した状態で表示状態を濃色から淡色または淡色から濃色に変化させることができる。これにより、清掃対象をより発見し易くすることができる。
【0120】
また、操作受付部4として、タッチパネル4Tが用いられている場合、制御部2は、タッチパネル4Tによる操作を受付ける操作画面を、例えば、上記画面41aとして表示させる。この場合、制御部2は、表示状態を第1変化範囲で変化させているとき、または表示状態の変化を停止させているときに、タッチパネル4Tによる操作画面の操作を無効にしてもよい。この場合には、清掃対象を清掃する際にタッチパネル4Tによる操作画面への操作が無効になる。これにより、清掃時にタッチパネル4Tに触れることを操作画面への操作として認識されることを防止でき、当該タッチパネル4Tに対する誤操作を抑制することができる。
【0121】
また、制御部2は、操作受付部4が操作として清掃を終了するための終了操作を受付けたタイミングから所定の期間、または終了操作を受け付けるまでの期間、表示状態の変化を停止させたときの透過率で透過画像を表示させてもよい。この場合には、上記期間において、清掃を終えた後に、表示画上の清掃対象が残存しているか否かについて容易に確認することができ、清掃対象をより確実に清掃することができる。
【0122】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について具体的に説明する。尚、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0123】
本実施形態2は、制御部2が表示領域31での表示色を当該表示領域31での表示状態として、第1変化範囲または第2変化範囲で変化させる点で上記実施形態1と主に相違している。
【0124】
具体的にいえば、制御部2は、表示色の第1変化範囲として、例えば、白色と、黒色と、これらの白色から黒色までの間に、例えば89段階の灰色とを設定して、これらの合計91段階の表示色を順次、かつ、折り返して変化させる。89段階の灰色は、第1段階の灰色として白色に最も近い灰色から、第2段階の灰色、…、第89段階の灰色として最も黒に近い灰色である。そして、制御部2は、操作受付部4が上記開始操作を受付けたことを認識すると、制御部2は、表示色の第2の変化範囲として、例えば、第37段階の灰色~第56段階の灰色の間で順次、かつ、折り返して変化させる。
【0125】
以上の構成により、本実施形態2のプログラマブル表示器1は、実施形態1のプログラマブル表示器1と同様な効果を奏する。また、本実施形態2のプログラマブル表示器1では、制御部2が、表示領域31での表示色を当該表示領域31での表示状態として、第1変化範囲または第2変化範囲で変化させているので、清掃対象を発見し易くすることができる。
【0126】
尚、上記の説明以外に、表示色に関して透明度を有する色を用いることもできる。つまり半透明の表示色を画面41aに重畳して、第1変化範囲または第2変化範囲で変化させてもよい。例えば、第1変化範囲として、透過率10%の白色から透過率10%の黒色までの間に89段階の透過率10%の灰色に設定する。つまり、89段階の透過率10%の灰色として、第1段階の灰色として白色に最も近い灰色から、第2段階の灰色、…、第89段階の灰色として最も黒に近い灰色を設定する。そして、透過率10%を変化させることなく、表示色を変化させることにより、表示領域31での表示色を当該表示領域31での表示状態として、第1変化範囲で変化させ、第2変化範囲として、透過率10%の第37段階の灰色~第56段階の灰色の間で順次、かつ、折り返して変化させてもよい。
【0127】
尚、上記の説明以外に、例えば、白色、青色、及び黒色や白色、赤色、及び黒色などのカラー色の表示を、上記のような合計91段階(つまり、白色から青色まで、および青色から黒色までを段階的に変化させたり、白色から赤色まで、および赤色から黒色までを段階的に変化させたりする)とすることで第1変化範囲を規定してもよい。また、このようなカラー色の単一色だけでなく、カラー色のグラデーションなどの段階的に変化したカラー色の中間色を含んだ第1変化範囲を設定してもよい。
【0128】
また、上記変形例6と同様に、操作受付部4が表示領域31、あるいは上述した操作端末などでの表示色(表示状態)が変化する形態を変更する操作を受付けた場合に、制御部2が、表示色の変化域の移動(色度の値の変更)または表示色の変化幅の変更(色度の値の幅の変更)を行わせる構成でもよい。
【0129】
また、上記の説明以外に、第1変化範囲の表示色の変化として、例えば、91本のカラーバー(不図示)で示される表示色を順次、かつ、折り返して変化させ、当該カラーバーのうち、例えば20本のカラーバーを第2変化範囲として順次、かつ、折り返して変化させてもよい。
【0130】
また、上記の説明以外に、表示状態として、表示色は所定のカラー色とするとともに、輝度の値を第1変化範囲または第2変化範囲にて変化させる構成でもよい。
【0131】
〔ソフトウェアによる実現例〕
プログラマブル表示器1の制御ブロック(特に、制御部2)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0132】
後者の場合、プログラマブル表示器1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えているとともに、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。
【0133】
そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPUを用いることができる。
【0134】
上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、プログラマブル表示器1は、それぞれ上記プログラムを展開するメインメモリなどを備えていてもよい。
【0135】
また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。尚、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0136】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0137】
具体的にいえば、表示状態として、例えば、実施形態1に示した透過率と実施形態2に示した表示色とを、同時に第1変化範囲または第2変化範囲で変化して、複数の表示状態を変化させる構成でもよい。
【符号の説明】
【0138】
1 プログラマブル表示器(表示装置)
2 制御部
3 表示部
31 表示領域
4 操作受付部
4T タッチパネル
41a 画面
W1 変化範囲(第1変化範囲)
W2~W5 変化範囲(第2変化範囲)