IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 青島海爾洗衣机有限公司の特許一覧 ▶ ハイアールアジアインターナショナル株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-洗濯機 図1
  • 特開-洗濯機 図2
  • 特開-洗濯機 図3
  • 特開-洗濯機 図4
  • 特開-洗濯機 図5
  • 特開-洗濯機 図6
  • 特開-洗濯機 図7
  • 特開-洗濯機 図8
  • 特開-洗濯機 図9
  • 特開-洗濯機 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095646
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 19/00 20060101AFI20230629BHJP
   D06F 39/00 20200101ALI20230629BHJP
   D06F 39/08 20060101ALI20230629BHJP
   D06F 39/02 20060101ALI20230629BHJP
   D06F 29/00 20060101ALI20230629BHJP
   D06F 33/34 20200101ALI20230629BHJP
   D06F 33/36 20200101ALI20230629BHJP
【FI】
D06F19/00
D06F39/00 F
D06F39/08 301M
D06F39/08 301A
D06F39/02 Z
D06F29/00 Z
D06F33/34
D06F33/36
D06F39/08 321
D06F39/08 341
D06F39/08 301R
D06F39/08 301C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211660
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】本田 雅夫
(72)【発明者】
【氏名】今西 佑太
【テーマコード(参考)】
3B166
3B167
3B168
【Fターム(参考)】
3B166AA02
3B166AA15
3B166AB04
3B166AB41
3B166AE02
3B166AE07
3B166BA08
3B166BA12
3B166BA24
3B166BA28
3B166BA34
3B166BA45
3B166BA52
3B166BA82
3B166BA83
3B166CA02
3B166CA03
3B166CA04
3B166CA05
3B166CA11
3B166CA21
3B166CA28
3B166CB02
3B166CB04
3B166CB12
3B166CB14
3B166CD01
3B166CD10
3B166CD14
3B166CD15
3B166DA04
3B166DA31
3B166DA35
3B166DA40
3B166DC13
3B166DC14
3B166DC16
3B166DC22
3B166DC43
3B166DC44
3B166DC47
3B166DC48
3B166DE01
3B166DE02
3B166DE04
3B166DE06
3B166DF01
3B166FA01
3B166FA03
3B166FA06
3B166FA12
3B166FB01
3B166FB02
3B166FB03
3B166FB05
3B166FB09
3B166GA02
3B166GA04
3B166GA05
3B166GA06
3B166GA12
3B166GA27
3B166HA11
3B166HA55
3B166HA56
3B166JM01
3B166JM02
3B166JM03
3B167AA02
3B167AA15
3B167AB04
3B167AB41
3B167AE02
3B167AE07
3B167BA08
3B167BA12
3B167BA24
3B167BA28
3B167BA34
3B167BA45
3B167BA52
3B167BA82
3B167BA83
3B167FB01
3B167FB02
3B167FB03
3B167FB05
3B167FB08
3B167HA11
3B167HA55
3B167HA56
3B167JA01
3B167JA03
3B167JA11
3B167JA32
3B167JA36
3B167JA55
3B167JA63
3B167JB03
3B167KA18
3B167KA23
3B167KA52
3B167KA54
3B167KA65
3B167KB02
3B167LA32
3B167LC02
3B167LC03
3B167LC05
3B167LC08
3B167LC09
3B167LC12
3B167LC25
3B167LC30
3B167LD01
3B167LD03
3B167LD12
3B167LD13
3B167LE02
3B167LE04
3B167LE05
3B167LE10
3B167LF06
3B167LF07
3B167LF11
3B167LF12
3B167LF13
3B167LF28
3B167LG03
3B167LG08
3B167LG11
3B168AA02
3B168AA15
3B168AB04
3B168AB41
3B168AE02
3B168AE07
3B168BA08
3B168BA12
3B168BA24
3B168BA28
3B168BA34
3B168BA45
3B168BA52
3B168BA82
3B168BA83
3B168CE01
3B168FA01
3B168FA03
3B168FA06
3B168FA12
3B168JM01
3B168JM02
3B168JM03
3B168WA16
3B168WA20
(57)【要約】
【課題】貯水槽内への洗浄水の給水時間を短縮でき、且つ、貯水槽内に規定水位まで洗浄水を溜めることが可能な洗濯機を提供する。
【解決手段】全自動洗濯機は、洗浄水が溜められる貯水槽210と、洗浄水に漬けられた被洗浄物に超音波を作用させて、被洗浄物を洗浄する超音波洗浄部100と、洗浄水として、少なくとも水道栓から送られてきた水を、貯水槽210内に供給する給水ユニットと、貯水槽210内の水位が規定水位に達したこと検出する水位検出部600と、を備える。水位検出部600は、貯水槽210の上方に配置されて貯水槽210内へ延び、規定水位に達した洗浄水に接触する一対の電極端子610,620を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄水が溜められる貯水槽と、
前記洗浄水に浸された被洗浄物に超音波を作用させて、被洗浄物を洗浄する超音波洗浄部と、
前記洗浄水として、少なくとも水道栓から送られてきた水を、前記貯水槽内に供給する給水部と、
前記貯水槽内の水位が規定水位に達したこと検出する水位検出部と、を備え、
前記水位検出部は、前記貯水槽の上方に配置されて前記貯水槽内へ延び、前記規定水位に達した前記洗浄水に接触する一対の電極端子を含む、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載の洗濯機において、
前記給水部は、供給部材を介して前記貯水槽内に前記洗浄水を供給し、
前記供給部材は、
下方に開口して前記洗浄水が流出する流出口を有し、
前記貯水槽の上方に、前記貯水槽と重なるように配置され、
前記一対の電極端子は、前記供給部材に固定される、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項3】
請求項2に記載の洗濯機において、
前記一対の電極端子の下端部は、前記供給部材から下方に露出し、
前記供給部材には、それぞれの前記下端部を前側から覆うカバー部が設けられる、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項4】
請求項2または3に記載の洗濯機において、
前記給水部は、
前記供給部材に向かう水が流れる給水流路と、当該給水流路内に供給される洗剤を貯留する洗剤タンクと、を含み、
前記給水流路内で水と洗剤とを混合することにより前記洗浄水を生成し、
前記供給部材は、
前記洗浄水が流入する流入口と、
前記流入口から前記流出口に向けて前記洗浄水が流れる供給流路と、を含み、
前記供給流路の径が、前記流入口の近傍において絞られる、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項5】
請求項1に記載の洗濯機において、
前記貯水槽が形成された貯水部と、
前記貯水部が離脱可能に装着される基体部と、をさらに備え、
前記一対の電極端子は、前記基体部に固定される、
ことを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
水と洗剤とを含む洗浄水を貯水槽内に溜め、貯水槽内の洗浄水に浸した被洗浄物に超音波を作用させて被洗浄物を洗浄する超音波洗浄装置を備える洗濯機が、特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1の洗濯機では、給水ユニットにより、水道栓から送られてきた水に洗浄タンクから供給された洗剤が混合されて洗浄水が生成される。生成された洗浄水は、貯水槽の後方に配置された貯留タンクに貯められる。貯留タンクから貯水槽へ供給ノズルが延び、貯留タンク内の洗浄水が供給ノズルを介して貯水槽に供給される。供給ノズルの先端部は下方に屈曲し、先端部の下面に、洗浄水が放出される放出口が形成される。
【0004】
貯水タンクからの洗浄水の供給により、貯水槽内の水位が放出口の高さまで上昇し、放出口が洗浄水で塞がれると、貯留タンク内の空気圧と外部の空気圧とが釣り合い、貯留タンクからの給水が停止する。これにより、放出口の高さ位置である規定水位まで、貯水槽内に洗浄水を溜めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-23547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の洗濯機では、貯留タンクに一旦溜められた洗浄水が貯水槽内へ供給される構成であるため、貯水槽内への洗浄水の給水時間が長くなりやすい。そこで、給水時間を短縮するために、貯水タンクを設けず、給水ユニットから、直接、貯水槽内に洗浄水を供給する構成を採ることが考えられる。しかしながら、このような構成が採られた場合には、上記の洗濯機が備える、規定水位まで洗浄水を溜める構成を採ることができない。
【0007】
そこで、本発明は、貯水槽内への洗浄水の給水時間を短縮でき、且つ、貯水槽内に規定水位まで洗浄水を溜めることが可能な洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る洗濯機は、洗浄水が溜められる貯水槽と、前記洗浄水に浸された被洗浄物に超音波を作用させて、被洗浄物を洗浄する超音波洗浄部と、前記洗浄水として、少なくとも水道栓から送られてきた水を、前記貯水槽内に供給する給水部と、前記貯水槽内の水位が規定水位に達したこと検出する水位検出部と、を備える。ここで、前記水位検出部は、前記貯水槽の上方に配置されて前記貯水槽内へ延び、前記規定水位に達した前記洗浄水に接触する一対の電極端子を含む。
【0009】
たとえば、洗浄水として、洗剤が混合された水が貯水槽に供給される。あるいは、洗浄水として、洗剤が含まれていない水が貯水槽に供給されてもよい。
【0010】
本発明によれば、給水部により、少なくとも水道栓から送られてきた水が、一旦貯留されることなく、洗浄水として貯水槽内に供給されるので、貯水槽への洗浄水の給水時間を短縮できる。さらに、一対の電極端子が規定水位に達した洗浄水に接触することにより、貯水槽内の水位が規定水位に達したことが検出されるので、給水部から供給された洗浄水を、規定水位まで貯水槽内に溜めることができる。
【0011】
本発明に係る洗濯機において、前記給水部が供給部材を介して前記貯水槽内に前記洗浄水を供給するような構成が採られ得る。この場合、前記供給部材は、下方に開口して前記洗浄水が流出する流出口を有し、前記貯水槽の上方に、前記貯水槽と重なるように配置されるような構成とされ得る。さらに、前記一対の電極端子は、前記供給部材に固定され得る。
【0012】
本発明によれば、一対の電極端子を貯水槽の上方に配置するために専用の固定部材を設けなくてよいので、構成部品の削減を図ることができる。
【0013】
上記の構成とされた場合、さらに、前記一対の電極端子の下端部が、前記供給部材から下方に露出し、前記供給部材に、それぞれの前記下端部を前側から覆うカバー部が設けられるような構成が採られ得る。
【0014】
このような構成とされれば、貯水槽において被洗浄物が超音波洗浄部により洗浄される際に、被洗浄物が一対の電極端子の先端部に接触することを防止できる。
【0015】
上記のように、前記一対の電極端子が前記供給部材に固定される構成が採られる場合、さらに、前記給水部は、前記供給部材に向かう水が流れる給水流路と、当該給水流路内に供給される洗剤を貯留する洗剤タンクと、を含み、前記給水流路内で水と洗剤とを混合することにより前記洗浄水を生成するような構成とされ得る。この場合、前記供給部材は、前記洗浄水が流入する流入口と、前記流入口から前記流出口に向けて前記洗浄水が流れる供給流路と、を含み、前記供給流路の径が、前記流入口の近傍において絞られるような構成とされ得る。
【0016】
このような構成とされれば、洗剤が混合された水が、洗浄水として貯水槽に供給されるので、超音波洗浄部による洗浄の際に洗剤の効果も利用でき、洗浄力が高まる。さらに、供給流路では、絞られた部分の上流側で洗浄水の流れの乱れが生じやすくなるので、水と洗剤とが混ざりやすくなり、洗剤濃度が均一な洗浄水が得られやすくなる。
【0017】
本発明に係る洗濯機において、前記貯水槽が形成された貯水部と、前記貯水部が離脱可能に装着される基体部と、をさらに備えるような構成が採られ得る。この場合、前記一対の電極端子は、前記基体部に固定され得る。
【0018】
本発明によれば、一対の電極端子を貯水槽の上方に配置するために専用の固定部材を設けなくてよいので、構成部品の削減を図ることができる。さらに、一対の電極端子が貯水部に固定される場合と違って、一対の電極端子と、これらに接続される接続線とを接続したり切り離したりできる構造が不要となり、一対の電極端子を配置するための構造が複雑になりにくい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、貯水槽内への洗浄水の給水時間を短縮でき、且つ、貯水槽内に規定水位まで洗浄水を溜めることが可能な洗濯機を提供することを目的とする。
【0020】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下の実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、実施の形態に係る、全自動洗濯機の側面断面図である。
図2図2は、実施の形態に係る、給水ユニットの構成を示す概略図である。
図3図3(a)は、実施の形態に係る、超音波洗浄装置が収納部から引き出された状態にあるときの超音波洗浄装置および上面板の斜視図である。図3(b)および(c)は、実施の形態に係る、超音波洗浄装置が収納部に収納された状態にあるときの超音波洗浄装置および上面板の要部の斜視図である。
図4図4は、実施の形態に係る、超音波洗浄装置が収納部に収納された状態にあるときの超音波洗浄装置、設置板および供給ノズルの斜視図である。
図5図5は、実施の形態に係る、貯水部が基体部から離脱した状態の超音波洗浄装置の斜視図である。
図6図6は、実施の形態に係る、超音波洗浄部および基体部の側面断面図である。
図7図7(a)は、実施の形態に係る、供給ノズルが設置板に固定された状態を示す斜視図である。図7(b)は、実施の形態に係る、一対の電極端子の斜視図である。
図8図8(a)および(b)は、実施の形態に係る、一対の電極端子の位置で切断された供給ノズルの側面断面図である。図8(c)は、実施の形態に係る、供給ノズルの平面断面図であり、図8(d)は、実施の形態に係る、供給ノズルの底面図である。
図9図9は、実施の形態に係る、超音波洗浄装置が収納部から引き出された状態にあるときの貯水部の後部および供給ノズルの側面断面図である。
図10図10は、変更例1に係る、超音波洗浄装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の洗濯機の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、全自動洗濯機1の側面断面図である。
【0024】
全自動洗濯機1は、外郭を構成する筐体10を備える。筐体10は、上下の面が開放された方形筒状の胴体部11と、胴体部11の上面を覆う上面板12と、胴体部11を支持する脚台13とを含む。上面板12には、洗濯物の投入口14が形成される。投入口14は、開閉自在な上蓋15により覆われる。上面板12の前部には、内部に制御部16が配置される。制御部16は、マイクロコンピュータ等により構成され、全自動洗濯機1による洗濯運転および超音波洗浄装置50による洗浄運転を制御する。
【0025】
筐体10内には、上面が開口する外槽20が配置される。外槽20は、防振装置を有する4本の吊棒21により弾性的に吊り下げ支持される。外槽20内には、内槽である洗濯脱水槽22が配置される。洗濯脱水槽22は、上面が開口し、鉛直方向に延びる回転軸を中心に回転する。洗濯脱水槽22の内周面には、全周に亘って多数の脱水孔22aが形成される。洗濯脱水槽22の上部には、バランスリング23が設けられる。洗濯脱水槽22の底部には、パルセータ24が配置される。パルセータ24の表面には、放射状に複数の羽根24aが設けられる。
【0026】
外槽20の外底部には、洗濯脱水槽22およびパルセータ24を駆動するトルクを発生させる駆動ユニット30が配置される。駆動ユニット30は、駆動モータ31と、伝達機構部32とを含む。伝達機構部32は、クラッチ機構32aを有し、当該クラッチ機構32aによる切替操作により、洗い工程およびすすぎ工程では、駆動モータ31のトルクをパルセータ24のみに伝達してパルセータ24のみを回転させ、脱水工程では、駆動モータ31のトルクをパルセータ24および洗濯脱水槽22に伝達してパルセータ24および洗濯脱水槽22を一体的に回転させる。
【0027】
外槽20の外底部には、排水口部20aが形成される。排水口部20aには、排水バルブ40が設けられる。排水バルブ40は、排水ホース41に接続される。排水バルブ40が開放されると、洗濯脱水槽22および外槽20に溜められた水が排水ホース41を通じて機外へ排出される。
【0028】
外槽20の上部には、溢水口20bが形成される。外槽20内に所定の溢水水位以上の水が溜められると、溢水口20bから水が排出される。外槽20の外面には、溢水口20bを覆うように溢水受け部25が設けられる。溢水受け部25の底部には、溢水パイプ26の一端が接続される。溢水パイプ26の他端は、排水ホース41に接続される。溢水口20bから排出された水は、溢水受け部25により受けられた後、溢水パイプ26を通って排水ホース41へ流れる。
【0029】
上面板12の後部には、ほぼ中央に超音波洗浄装置50が配置される。超音波洗浄装置50では、洗浄運転が行われることにより、被洗浄物に部分的に付着した汚れを、全自動洗濯機1での洗濯に先立って除去できる。
【0030】
上面板12の後部には、超音波洗浄装置50の下方に排水受け部60が配置される。排水受け部60は、貯水槽210から排出された水を受ける。排水受け部60には、受けた水が排出される排出孔61が形成される。排出孔61には、排水パイプ62の一端が接続される。排水パイプ62の他端は、溢水パイプ26の上部に接続される。
【0031】
上面板12の後部には、給水ユニット70が配置される。給水ユニット70は、水道栓に繋がり、水道栓から送られてきた水を洗濯脱水槽22内に供給する。
【0032】
図2は、給水ユニット70の構成を示す概略図である。
【0033】
給水ユニット70は、給水バルブ71を有する。給水バルブ71は、いわゆる2連バルブであり、電磁バルブであるメインバルブ72とサブバルブ73とを有する。給水バルブ71の入水口71aは、図示しない給水ホースを介して水道栓に接続される。メインバルブ72の出口には、メイン給水路74が接続される。メイン給水路74は、洗濯脱水槽22の上部に位置する注水ボックス75に接続される。注水ボックス75の底面には、注水口75aが形成される。
【0034】
給水ユニット70には、洗濯脱水槽22内に洗濯用の液剤の一つである液体洗剤を自動投入するための自動投入機構80が含まれる。自動投入機構80は、水道栓から送られてきた水と洗剤とを含む洗浄水を生成して貯水槽210に供給する機能も備える。給水ユニット70は、本発明の給水部に相当する。
【0035】
自動投入機構80は、洗剤タンク81と、供給パイプ82と、第1三方バルブ83と、サブ給水路84と、洗剤供給路85と、第2三方バルブ86と、洗浄水供給路87と、供給ポンプ88とを備える。給水バルブ71のサブバルブ73も、自動投入機構80に含まれる。
【0036】
洗剤タンク81には、液体洗剤が原液の状態で貯留される。供給パイプ82は、洗剤タンク81の液体洗剤を第1三方バルブ83の一方の入口へと導く。
【0037】
サブ給水路84は、サブバルブ73の出口と第1三方バルブ83の他方の入口とに接続される。
【0038】
第1三方バルブ83の出口に洗剤供給路85が接続される。洗剤供給路85は、注水ボックス75に接続される。
【0039】
第1三方バルブ83は、供給パイプ82を洗剤供給路85に連通させる状態と、サブ給水路84を洗剤供給路85に連通させる状態との間で切り替えることができる。
【0040】
洗剤供給路85には、第2三方バルブ86が設けられる。第2三方バルブ86の入口には、洗剤供給路85の上流側供給路85aが接続され、第2三方バルブ86の一方の出口には、洗剤供給路85の下流側供給路85bが接続される。また、第2三方バルブ86の他方の出口には、洗浄水供給路87の一端が接続される。洗浄水供給路87の他端は、供給ノズル500に接続される。
【0041】
第2三方バルブ86は、上流側供給路85aを下流側供給路85bに連通させる状態と、上流側供給路85aを洗浄水供給路87に連通させる状態との間で切り替えることができる。
【0042】
上流側供給路85aには、供給ポンプ88が配置される。供給ポンプ88は、たとえば、ピストン式ポンプとすることができる。
【0043】
サブ給水路84、上流側供給路85aおよび洗浄水供給路87により、水道栓からの水が供給ノズル500に向かって流れる給水流路89が構成される。給水ユニット70は、給水流路89内で水と洗剤とを混合することにより洗浄水を生成し、生成した洗浄水を、供給ノズル500を介して貯水槽210内に供給する。
【0044】
次に、超音波洗浄装置50とその周辺の構成について、詳細に説明する。
【0045】
図3(a)は、超音波洗浄装置50が収納部17から引き出された状態にあるときの超音波洗浄装置50および上面板12の斜視図である。図3(b)および(c)は、超音波洗浄装置50が収納部17に収納された状態にあるときの超音波洗浄装置50および上面板12の要部の斜視図である。図3(c)では、収納部17の内部が見えるよう、カバー19の図示が省略されている。
【0046】
上面板12には、後部の中央部に、超音波洗浄装置50が収納される収納部17が設けられる。上面板12は、収納部17の前方が出入口18として開口する。出入口18には、カバー19が設けられる。
【0047】
超音波洗浄装置50は、超音波洗浄部100と、貯水部200と、基体部300とを備える。超音波洗浄部100は、超音波を発生させる超音波発生体110を有する。基体部300は、超音波洗浄部100を保持する。貯水部200は、基体部300に装着され、超音波発生体110の下方に位置する。貯水部200には、洗浄水が溜められる貯水槽210が設けられる。
【0048】
図3(a)に示すように、洗浄運転が行われるとき、超音波洗浄装置50は、収納部17から前方に引き出されて上面板12の投入口14の内側に張り出す。一方、図3(b)および(c)に示すように、洗浄運転が行われないとき、超音波洗浄装置50は、収納部17に収納される。出入口18がカバー19により閉じられる。
【0049】
図4は、超音波洗浄装置50が収納部17に収納された状態にあるときの超音波洗浄装置50、設置板400および供給ノズル500の斜視図である。図5は、貯水部200が基体部300から離脱した状態の超音波洗浄装置50の斜視図である。図6は、超音波洗浄部100および基体部300の側面断面図である。
【0050】
超音波洗浄装置50は、超音波洗浄部100が基体部300に保持され、貯水部200が基体部300に離脱可能に装着される。
【0051】
超音波洗浄部100は、超音波発生体110と、ハウジング120とを備える。超音波発生体110は、超音波振動子111と、超音波振動子111に結合される振動ホーン112とを含む。超音波発生体110は、超音波振動子111の高周波振動により、振動ホーン112の先端から超音波を発生させる。
【0052】
ハウジング120は、前後方向に長く、その先端部121が下方に屈曲するようなアーム形状を有する。ハウジング120内の前部に超音波発生体110が配置される。超音波発生体110は、枠状の固定部材130により上側から押さえ付けられる。振動ホーン112の先端部がハウジング120の開口部122から露出する。
【0053】
貯水部200は、樹脂材料により形成され、前後方向にやや長く且つ上下方向に扁平であって左側部分が右側部分よりも後方に張り出すような形状を有する。貯水部200には、前面に取っ手201が形成される。
【0054】
貯水部200には、貯水槽210が形成される。貯水槽210は、貯水部200の形状に沿った形状、即ち左側部分が右側部分よりも後方に張り出すような皿形状を有する。
【0055】
貯水槽210には、後面の下部に排水口211が形成される。排水口211は、弁体220により閉塞される。弁体220には、弁可動部材230が連結される。弁可動部材230は、後部231が貯水部200よりも後方に張り出す。弁可動部材230は、図示しないスプリングにより、弁体220が閉じる後方向に付勢される。
【0056】
収納部17から超音波洗浄装置50、即ち貯水部200が前方に引き出された状態にあるとき、弁体220により排水口211が閉鎖される(図9参照)。超音波洗浄装置50、即ち貯水部200が収納部17に収納されると、弁可動部材230の後部231が排水受け部60の後壁に当接し、弁可動部材230が前方へ移動する。これにより、弁体220が前方へ移動し、排水口211が開放される。
【0057】
貯水部200の後部には、基体部300に装着された貯水部200が前方へ離脱しないよう固定するためのロック機構240が設けられる。ロック機構240は、爪部241とボタン242とを有する。爪部241は、図示しないバネより上方に付勢され、ボタン242が押し下げられると下がり、ボタン242が離されると元の位置に戻る。
【0058】
基体部300は、正面視において、ほぼ方形状を有する。基体部300の左右の下端部には、前方へ延びるレール部301が設けられる。また、基体部300には、左側に、貯水部200の後部と供給ノズル500が通される開口部302が形成される。さらに、基体部300には、開口部302の右隣りに、ロック機構240の爪部241が挿入される挿入口303が形成される。超音波洗浄部100のハウジング120の後部123が、基体部300の上部に固定される。
【0059】
貯水部200は、前方から基体部300に装着される。基体部300の左右のレール部301が、貯水部200の左右の端部に設けられた挿入部に挿入されることにより、貯水部200がレール部301に案内される。貯水部200の左側の後部が、基体部300の開口部302を通過する。また、ロック機構240の爪部241が、基体部300の挿入口303の上縁に当たって押し下げられ、挿入口303を通過する。貯水部200の基体部300への装着が完了すると、基体部300の裏側において、爪部241が挿入口303の上縁と係合する。これにより、貯水部200が、基体部300から前方に離脱できなくなる。
【0060】
貯水部200が基体部300に装着された状態において、超音波発生体110の振動ホーン112の先端面の位置は、貯水槽210の上面の位置よりも少し低く、振動ホーン112の先端部は、貯水槽210内に少し入り込んだ状態となる。
【0061】
貯水部200を基体部300から離脱させる際には、ロック機構240のボタン242が押し下げられ、爪部241が下げられる。これにより、爪部241と挿入口303の上縁との係合が解除される。貯水部200が前方に引き出されることにより、貯水部200が基体部300から離脱する。離脱の際、振動ホーン112や供給ノズル500の先端部が貯水槽210に引っ掛からないように、貯水部200を、後側が低くなるように傾けることができる。
【0062】
図4に示すように、収納部17内において、超音波洗浄装置50の背後には、設置板400が配置される。設置板400から供給ノズル500が前方へ延びる。供給ノズル500は、貯水槽210の上方に、貯水槽210と重なるように配置される。
【0063】
供給ノズル500には、一対の電極端子610,620、即ち第1電極端子610および第2電極端子620が固定される。第1電極端子610および第2電極端子620は、貯水槽210の上方に配置されて貯水槽210内へ延びる。第1電極端子610および第2電極端子620は、貯水槽210内の水位が規定水位Lに達したこと検出する水位検出部600に含まれる。
【0064】
図7(a)は、供給ノズル500が設置板400に固定された状態を示す斜視図である。図7(b)は、一対の電極端子610,620の斜視図である。図8(a)および(b)は、一対の電極端子610,620の位置で切断された供給ノズル500の側面断面図である。図8(c)は、供給ノズル500の平面断面図であり、図8(d)は、供給ノズル500の底面図である。図9は、超音波洗浄装置50が収納部17から引き出された状態にあるときの貯水部200の後部および供給ノズル500の側面断面図である。なお、図7(a)には、便宜上、中継ホース420が透明に描かれている。また、図8(c)には、便宜上、流入口502の位置が一点鎖線で示されている。
【0065】
設置板400は、樹脂材料により形成され、左右方向に長尺な形状を有する。設置板400は、収納部17内において、給水ユニット70に取り付けられる。設置板400には、左端部にL字型の接続管410が一体形成される。接続管410の入口411には、給水ユニット70の洗浄水供給路87の出口が接続される。接続管410の出口412には、中継ホース420の一端が接続される。
【0066】
供給ノズル500は、樹脂材料により形成され、前後方向に長尺な形状を有する。供給ノズル500は、その後端部、即ち基端部500aの左右に設けられた取付タブ501により、設置板400に取り付けられる。供給ノズル500は、本発明の供給部材に相当する。
【0067】
供給ノズル500の基端部500aには、上面に、上方に開口する円筒状の流入口502が形成される。基端部500aは、流入口502を有する部分が右方に膨出している。流入口502には、中継ホース420の他端が接続される。これにより、供給ノズル500は、中継ホース420および接続管410を介して給水ユニット70の洗浄水供給路87、即ち給水流路89に接続される。
【0068】
供給ノズル500の前端部、即ち先端部500bには、底面の右側に、所定形状の筒状を有し、下方に開口する流出口503が形成される。流出口503は、円筒状のノズル口部504により囲まれる。流出口503とノズル口部504は、それらの一部分を共有する。
【0069】
供給ノズル500の内部には、前後方向に延びて、流入口502と流出口503とに繋がる供給流路505が形成される。図7(c)に示すように、供給流路505は、流入口502の真下位置では、基端部500aの左右の幅とほぼ等しい左右の幅を有する。供給流路505は、その径、即ちその左右の幅が流入口502の近傍において絞られ、細い幅となって供給ノズル500の右側を前方へ延びる。そして、供給流路505は、先端部500bにおいて、その左右の幅が徐々に広がって流出口503へ至る。たとえば、供給流路505は、径が絞られた後の流路の断面積が、絞られる前の流路の断面積の半分未満となる。
【0070】
供給ノズル500の先端部500bには、供給ノズル500を上下方向に貫通するように、第1取付ボス506および第2取付ボス507が形成される。第1取付ボス506および第2取付ボス507は、供給ノズル500の底面から下方に突出する。
【0071】
第1取付ボス506は、ノズル口部504の内側であって供給ノズル500の先端の位置に形成される。第1取付ボス506の下端面は、流出口503およびノズル口部504の下端面と面一である。流出口503と第1取付ボス506は、それらの一部分を共有する。第2取付ボス507は、ノズル口部504の後方であって供給ノズル500の左端寄りの位置に形成される。
【0072】
供給ノズル500には、ノズル口部504の下端面における第1取付ボス506の前方に、円弧状の壁部508が形成される。
【0073】
第1電極端子610および第2電極端子620が、それぞれ、第1取付ボス506および第2取付ボス507に固定される。
【0074】
図7(b)に示すように、第1電極端子610および第2電極端子620は、鋼などの導電性を有する材料により形成され、丸棒状の端子部611,621と、端子部611,621の上端部に設けられた頭部612,622とを含む。各端子部611,621の上部には、雄ネジ部613,623が形成される。また、各頭部612,622には、第1電極端子610および第2電極端子620をドライバにより回すことができように、十字形状の溝が形成される。第1電極端子610の長さ、即ち、その端子部611の長さは、第2電極端子620の長さ、即ち、その端子部621の長さよりも長くされている。
【0075】
第1取付ボス506および第2取付ボス507に固定される際、第1電極端子610および第2電極端子620は、それぞれ、上方から第1取付ボス506および第2取付ボス507に挿入される。このとき、第1電極端子610および第2電極端子620は、回されながら第1取付ボス506および第2取付ボス507を通される。これにより、第1電極端子610および第2電極端子620は、それぞれの雄ネジ部613,623が第1取付ボス506および第2取付ボス507の内壁面に食い込み、上方に抜けなくなる。
【0076】
第1電極端子610および第2電極端子620の下端部610a,620aは、第1取付ボス506および第2取付ボス507、即ち供給ノズル500から下方に露出する。第1電極端子610の下端部610aは、前側から壁部508に覆われる。第1電極端子610の下端と壁部508の下端の高さ位置は、ほぼ等しくされている。第2電極端子620の下端部620aは、前側からノズル口部504に覆われる。第2電極端子620の下端の高さ位置は、ノズル口部504の下端の高さ位置よりも高くされている。壁部508およびノズル口部504は、本発明のカバー部に相当する。
【0077】
供給ノズル500は、収納部17内に固定されていて動かない。一方、貯水部200は、収納部17に対する超音波洗浄装置50の出し入れに伴い、前後方向に移動する。よって、超音波洗浄装置50が収納部17内に収納された状態にあるとき、図4に示すように、供給ノズル500は、全体が貯水槽210に重なる。
【0078】
さらに、超音波洗浄装置50が収納部17から引き出された状態にあるとき、図9に示すように、供給ノズル500は、一対の電極端子610,620が固定された先端部500bが貯水槽210の後部に重なる。一対の電極端子610,620は、供給ノズル500における、常に貯水槽210に重なる部位に固定されているので、貯水部200の位置に関係なく、常に貯水槽210の領域内に位置する。
【0079】
図9に示すように、一対の電極端子610,620は、それらの下端部610a,620aが、貯水槽210内へ入り込む。貯水槽210内において、第1電極端子610の先端の位置は、第2電極端子620の先端の位置よりも低くなる。
【0080】
第1電極端子610および第2電極端子620は、検出回路630にリード線等の接続線641,642によって接続される。検出回路630は、制御部16に接続される。検出回路630は、第1電極端子610および第2電極端子620とともに、水位検出部600を構成する。
【0081】
水位検出の際、第1電極端子610および第2電極端子620の間に電圧が印加される。貯水槽210内の洗浄水の水位が規定水位Lに達すると、第1電極端子610と第2電極端子620の双方が洗浄水に接触する。検出回路630は、矩形波発生回路を含み、洗浄水への接触により第1電極端子610と第2電極端子620が導通状態になると、制御部16へパルス状の検出信号を出力する。これにより、制御部16は、貯水槽210内の水位が規定水位Lに達したことを検出できる。
【0082】
さらに、検出回路630は、第1電極端子610と第2電極端子620の間を流れる電流の大きさに応じて検出信号のパルス幅を変化させる。これにより、制御部16は、貯水槽210内の洗浄水の導電率を検出でき、導電率に基づいて洗浄水の中の洗剤濃度を把握できる。
【0083】
貯水部200は、収納部17から出し入れでき、基体部300から取り外すことができる。このため、一対の電極端子610,620が貯水部200に固定されるような構成が採られた場合には、貯水部200が引き出されたときに接続線641,642を延ばすことができる構造と、一対の電極端子610,620と接続線641,642とを、貯水部200の着脱に応じて接続したり切り離したりできる構造とが必要となり、一対の電極端子610,620を配置するための構造が複雑になりやすい。
【0084】
本実施の形態では、一対の電極端子610,620が、収納部17内で動かない供給ノズル500に固定されているので、上記の特殊な構造が不要であり、一対の電極端子610,620を配置するための構造が簡素になる。
【0085】
全自動洗濯機1では、各種運転コースの洗濯運転を行うことができる。洗濯運転では、洗い工程、中間脱水工程、すすぎ工程および最終脱水工程が順番に実行される。
【0086】
洗い工程およびすすぎ工程では、洗濯脱水槽22内に水が溜められた状態で、パルセータ24が右方向および左方向に回転する。パルセータ24の回転により洗濯脱水槽22内に水流が発生する。洗い工程では、発生した水流と水に含まれる洗剤とにより洗濯物が洗われる。すすぎ工程では、発生した水流により洗濯物がすすがれる。
【0087】
中間脱水工程および最終脱水工程では、洗濯脱水槽22およびパルセータ24が一体となって高速回転する。洗濯脱水槽22に発生する遠心力の作用により、洗濯物が脱水される。
【0088】
洗い工程での給水時には、自動投入機構80により、洗濯脱水槽22内に液体洗剤が自動投入される。この際、まず、第1三方バルブ83が、供給パイプ82を洗剤供給路85に連通させる状態に切り替えられる。また、第2三方バルブ86が、上流側供給路85aを下流側供給路85bに連通させる状態に切り替えられる。
【0089】
次に、供給ポンプ88が作動する。供給ポンプ88のポンプ作用によって、図2の破線矢印に示すように、洗剤タンク81内の液体洗剤が洗剤供給路85に排出される。供給ポンプ88は、予め決められた時間だけ動作し、これにより、予め決められた量の液体洗剤が洗剤供給路85に溜まる。
【0090】
次に、第1三方バルブ83が、サブ給水路84を洗剤供給路85に連通させる状態に切り替えられ、メインバルブ72とサブバルブ73が開かれる。水道栓からの水がメイン給水路74を流れて注水ボックス75の注水口75aから洗濯脱水槽22内に放出される。
【0091】
同時に、図2の実線矢印に示すように、水道栓からの水が、サブ給水路84、第1三方バルブ83を通って洗剤供給路85へと流れ、液体洗剤を押し流す。水に押し流された液体洗剤は、図2の一点鎖線矢印に示すように、水とともに洗剤供給路85を流れ、注水口75aから洗濯脱水槽22内へ投入される。洗濯脱水槽22内の水位が所定の洗い水位に到達すると、メインバルブ72とサブバルブ73が閉じられて、給水が終了する。
【0092】
さらに、全自動洗濯機1では、超音波洗浄装置50による洗浄運転を行うことができる。
【0093】
ユーザは、洗浄運転を行う場合、図3(a)のように、超音波洗浄装置50を収納部17から引き出す。貯水槽210は、弁体220により排水口211が閉鎖された状態となる。ユーザは、洗浄運転を開始させるため、所定の開始操作を行う。
【0094】
洗浄運転が開始されると、自動投入機構80、即ち給水ユニット70により、貯水槽210内への洗浄水の供給が行われる。
【0095】
第1三方バルブ83が、供給パイプ82を洗剤供給路85に連通させる状態に切り替えられる。また、第2三方バルブ86が、上流側供給路85aを洗浄水供給路87に連通させる状態に切り替えられる。供給ポンプ88が所定時間動作し、所定量の液体洗剤が洗剤供給路85に溜まる。
【0096】
次に、第1三方バルブ83が、サブ給水路84を洗剤供給路85に連通させる状態に切り替えられ、サブバルブ73が開かれる。水道栓からの水が、サブ給水路84、第1三方バルブ83を通って洗剤供給路85へと流れ、液体洗剤を押し流す。水と液体洗剤とが混合されて洗浄水となる。
【0097】
図2の太線矢印に示すように、洗浄水は、洗浄水供給路87を通り、供給ノズル500内に流入する。図9の矢印に示すように、洗浄水は、流入口502から供給流路505へ流入し、供給流路505を流れて流出口503から貯水槽210内に流出する。
【0098】
ここで、供給ノズル500は、供給流路505の径が流入口502の近傍において絞られている。このため、絞られた部分で洗浄水が停滞し、その上流側で洗浄水の流れの乱れが生じやすくなる。これにより、洗浄水に含まれる水と洗剤とが混ざりやすくなり、洗剤濃度が均一な洗浄水が得られやすくなる。
【0099】
供給ノズル500から供給された洗浄水が貯水槽210内に溜まり、貯水槽210内の水位が上昇していく。図9に示すように、水位が上昇すると、まず、第1電極端子610が洗浄水に接触する。
【0100】
その後、貯水槽210内の水位が規定水位Lに到達すると、第2電極端子620が洗浄水に接触し、一対の電極端子610,620が導通状態となる。これにより、検出回路630から制御部16に検出信号が出力される。制御部16によりサブバルブ73が閉じられ、自動投入機構80、即ち給水ユニット70からの洗浄水の供給が停止する。
【0101】
ここで、貯水槽210内では、洗浄水の供給の際、供給ノズル500により上方から洗浄水が放出されるため、水面に波打ちが生じやすい。このため、第1電極端子610の長さが第2電極端子620の長さと同じにされ、第1電極端子610の先端の位置が、規定水位Lに合わせた第2電極端子620の先端の位置と同じになった場合、波打ちが生じたときに、双方の電極端子610,620への洗浄水の接触が安定しなくなるので、水位の検出タイミングにムラが生じやすい。
【0102】
これに対し、本実施の形態では、第1電極端子610が第2電極端子620よりも長くされることにより、第1電極端子610の先端の位置が第2電極端子620の先端の位置よりも低くなるように、水位検出部600が構成されている。これにより、第1電極端子610を、貯水槽210内の水位が規定水位Lよりも十分に低い状態から洗浄水に接触させておくことができる。よって、水面に波打ちが生じても、第1電極端子610への洗浄水の接触が安定するため、水位の検出タイミングにムラが生じにくくなる。
【0103】
なお、洗浄水の洗剤濃度により第1電極端子610と第2電極端子620との間に流れる電流が変化し、検出回路630からの検出信号のパルス幅が変化する。制御部16は、検出信号のパルス幅に基づいて洗剤が不足している、あるいは、洗剤が含まれてないと判断した場合、図示しない報知部により報知を行う。
【0104】
こうして、給水ユニット70からの洗浄水の供給により、貯水槽210内に規定水位Lに対応する所定量の洗浄水であって、所定洗剤濃度の洗浄水が溜められる。
【0105】
貯水槽210内に洗浄水が溜められると、ユーザは、被洗浄物の汚れの付着部分を、貯水槽210と超音波発生体110の振動ホーン112との間にセットする。被洗浄物の汚れの付着部分が洗浄水に浸され、被洗浄物の内部に浸透した洗浄水が表面に浸み出す。被洗浄物の表面には薄い水の層が形成され、この水の層に振動ホーン112が接触する状態となる。
【0106】
超音波振動子111に通電が行われて、超音波発生体110が作動する。振動ホーン112の先端から超音波が発生し、超音波の作用によって被洗浄物から汚れが剥離する。この際、洗剤の力が加わることにより、洗浄力が高まる。
【0107】
ユーザは、汚れ部分を振動ホーン112の位置に持っていくため、適宜、被洗浄物を動かす。供給ノズル500では、第1電極端子610が前側を壁部508に覆われており、第2電極端子620が前側をノズル口部504に覆われている。このため、動かされた被洗浄物が第1電極端子610および第2電極端子620に接触することが防止される。
【0108】
超音波発生体110の動作が開始されてから定期的に、水位検出部600により貯水槽210内の水位が検出される。検出の結果、一対の電極端子610,620が導通状態になく、貯水槽210内の水位が規定水位Lより低いと制御部16により判定された場合、規定水位Lに到達するまで、給水ユニット70により洗浄水の補給が行われる。
【0109】
超音波発生体110が動作を開始してから、所定の運転時間が経過すると、超音波発生体110の動作が停止され、洗浄運転が終了する。
【0110】
ユーザは、図3(b)および(c)のように、超音波洗浄装置50を収納部17に収納する。弁可動部材230の動作により、弁体220が排水口211から離れ、排水口211が開放される。排水口211が開放されると、貯水槽210内の洗浄水が排水受け部60へ排出される。排水受け部60に排出された洗浄水は、排出孔61から排出され、排水パイプ62、溢水パイプ26および排水ホース41を流れて、機外へ排出される。
【0111】
<実施の形態の効果>
以上、本実施の形態によれば、給水ユニット70により、水道栓から送られてきた水を含む洗浄水が、一旦貯留されることなく、貯水槽210内に供給されるので、貯水槽210への洗浄水の給水時間を短縮できる。さらに、貯水槽210の上方に配置されて貯水槽210内へ延びる一対の電極端子610,620を含む水位検出部600が備えられ、一対の電極端子610,620が規定水位Lに達した洗浄水に接触することにより、貯水槽210内の水位が規定水位Lに達したことが検出される。
【0112】
これにより、給水ユニット70から供給された洗浄水を、規定水位Lまで貯水槽210内に溜めることができる。
【0113】
さらに、本実施の形態によれば、給水ユニット70から供給ノズル500を介して貯水槽210内に洗浄水が供給され、供給ノズル500は、下方に開口して洗浄水が流出する流出口503を有し、貯水槽210の上方に貯水槽210と重なるように配置され、一対の電極端子610,620は、供給ノズル500に固定される。
【0114】
これにより、一対の電極端子610,620を貯水槽210の上方に配置するために専用の固定部材を設けなくてよいので、構成部品の削減を図ることができる。
【0115】
さらに、本実施の形態によれば、供給ノズル500から下方に露出する第1電極端子610および第2電極端子620の下端部610a,620aが、それぞれ、カバー部である壁部508およびノズル口部504に前側から覆われている。これにより、貯水槽210において被洗浄物が超音波洗浄部100により洗浄される際に、被洗浄物が一対の電極端子610,620の下端部610a,620aに接触することを防止でき、被洗浄物の傷つきや一対の電極端子610,620の破損などを防止できる。
【0116】
さらに、本実施の形態によれば、給水ユニット70の給水流路89内で水と洗剤とが混合されて洗浄水が生成され、貯水槽210に供給されるので、超音波洗浄部100による洗浄の際に洗剤の効果も利用でき、洗浄力が高まる。
【0117】
さらに、供給ノズル500では、供給流路505の径が流入口502の近傍において絞られている。これにより、供給流路505では、絞られた部分の上流側で洗浄水の流れの乱れが生じやすくなるので、水と洗剤とが混ざりやすくなり、洗剤濃度が均一な洗浄水が得られやすくなる。
【0118】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0119】
<変更例1>
図10は、変更例1に係る、超音波洗浄装置50の構成を示す図である。図10は、超音波洗浄部100と基体部300とを正面から見た図である。図10では、便宜上、一対の電極端子610A,620Aの位置での貯水部200の端面が一点鎖線により示されている。
【0120】
上記実施の形態では、水位検出部600に含まれる一対の電極端子610,620が、供給ノズル500に固定されている。
【0121】
これに対し、本変更例では、水位検出部600に含まれる一対の電極端子610A,620A、即ち第1電極端子610Aおよび第2電極端子620Aが、基体部300に固定される。
【0122】
基体部300には、開口部302における貯水部200が通される部分よりも高い位置に、右側と左側に分かれて第1固定部310と第2固定部320とが設けられる。
【0123】
第1電極端子610Aおよび第2電極端子620Aの構成は、上記実施の形態の第1電極端子610および第2電極端子620と同様であるが、それら電極端子とは長さが異なる。
【0124】
第1電極端子610Aは、第1固定部310の固定孔311に上方から挿入されて固定される。第2電極端子620Aは、第2固定部320の固定孔321に上方から挿入されて固定される。貯水槽210内において、第1電極端子610Aの先端の位置は、第2電極端子620Aの先端の位置よりも低くなる。
【0125】
本変更例によれば、上記実施の形態と同様、一対の電極端子610A,620Aを貯水槽210の上方に配置するために専用の固定部材を設けなくてよいので、構成部品の削減を図ることができる。
【0126】
さらに、本変更例によれば、一対の電極端子610A,620Aが、貯水部200と違って着脱されない基体部300に固定されているので、一対の電極端子610,620と接続線641,642とを接続したり切り離したりできる構造が不要となり、一対の電極端子610,620を配置するための構造が複雑になりにくい。
<その他の変更例>
上記実施の形態では、第1電極端子610と第2電極端子620の長さが異なる。しかしながら、第1電極端子610と第2電極端子620の長さが等しくされてもよい。同様に、上記変更例1においても、第1電極端子610Aと第2電極端子620Aの長さが等しくされてもよい。
【0127】
さらに、上記実施の形態では、第1電極端子610と第2電極端子620とが、供給ノズル500の長手方向である前後方向に並ぶように、供給ノズル500に固定されている。しかしながら、第1電極端子610と第2電極端子620とが、供給ノズル500の短手方向である左右方向に並ぶように、供給ノズル500に固定されてもよい。
【0128】
さらに、上記実施の形態では、供給ノズル500から下方に露出する一対の電極端子610,620の下端部610a,620aが、カバー部である壁部508およびノズル口部504に前側から覆われている。しかしながら、一対の電極端子610,620の下端部610a,620aを覆うカバー部の構成は、上記実施の形態の構成に限られるものではなく、如何なる構成であってもよい。さらに、一対の電極端子610,620の下端部610a,620aがカバー部で覆われない構成が採られてもよい。
【0129】
さらに、上記実施の形態では、供給ノズル500の供給流路505は、その径が流入口502の近傍において絞られている。しかしながら、供給流路505は、その径が流入口502の近傍において絞られない構成であってもよい。
【0130】
さらに、上記実施の形態では、給水ユニット70により、洗剤が混合された水が、洗浄水として、貯水槽210に供給される。しかしながら、給水ユニット70により、洗剤が混入されていない水が、洗浄水として、貯水槽210に供給されてもよい。この場合、水のみが、洗浄水として貯水槽210に溜められてもよいが、貯水槽210内で水と洗剤とを含む洗浄水が生成されるよう、直接、貯水槽210内に液体洗剤等の洗剤を自動投入する洗剤投入装置が設けられてもよい。
【0131】
さらに、上記実施の形態において、自動投入機構80は、洗剤と柔軟剤とを自動投入可能な構成とされてもよい。この場合、液体の柔軟剤を収容する柔軟剤タンクが設けられる。柔軟剤タンクは、供給パイプと三方バルブとを介して、サブ給水路84に繋がる。すすぎ工程の際、洗剤タンク81からの洗剤の供給と同様な動作により、柔軟剤タンク内の柔軟剤が洗濯脱水槽22内へ供給される。
【0132】
さらに、超音波洗浄部100、貯水部200、基体部300、給水ユニット70、および供給ノズル500の構成は、上記実施の形態に示された構成に限られない。
【0133】
さらに、上記実施の形態では、超音波洗浄装置50が全自動洗濯機1に備えられる。しかしながら、超音波洗浄装置50が、全自動洗濯機1以外の洗濯機、たとえば、ドラム式洗濯機に備えられてもよい。
【0134】
また、超音波洗浄装置50が、たとえば、乾燥機能を有する全自動洗濯乾燥機やドラム式洗濯乾燥機に備えられてもよい。ドラム式洗濯機およびドラム式洗濯乾燥機では、外槽内に、内槽であるドラムが配置される。
【0135】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0136】
1 全自動洗濯機(洗濯機)
50 超音波洗浄装置
70 給水ユニット(給水部)
81 洗剤タンク
89 給水流路
100 超音波洗浄部
200 貯水部
210 貯水槽
300 基体部
500 供給ノズル(供給部材)
502 流入口
503 流出口
504 ノズル口部(カバー部)
505 供給流路
508 壁部(カバー部)
600 水位検出部
610 第1電極端子
610a 下端部
620 第2電極端子
620a 下端部
610A 第1電極端子
620A 第2電極端子
L 規定水位
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10