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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095703
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】船外機支承用スタンド
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/68 20060101AFI20230629BHJP
   B62B 1/26 20060101ALI20230629BHJP
   B62B 5/00 20060101ALI20230629BHJP
   B62B 1/14 20060101ALI20230629BHJP
   B63H 20/00 20060101ALI20230629BHJP
   A47F 7/00 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
B65D85/68 R
B62B1/26 Z
B62B5/00 F
B62B1/14
B63H20/00 100
A47F7/00 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211738
(22)【出願日】2021-12-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)2021年10月30日~31日 「GRIMP JAPAN Rope Rescue Competition 2021」において公開(株式会社ユニオンジャパン証明書) (2)2021年10月30日~31日 「GRIMP JAPAN Rope Rescue Competition 2021」において公開(GRIMP JAPAN実行委員会証明書)
(71)【出願人】
【識別番号】519230732
【氏名又は名称】株式会社ユニオンジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(72)【発明者】
【氏名】早川 弘之
【テーマコード(参考)】
3D050
3E037
【Fターム(参考)】
3D050AA31
3D050DD01
3D050EE04
3D050EE13
3D050EE18
3E037AA20
3E037BA10
3E037BB20
(57)【要約】
【課題】本発明は、従来にない非常に実用的な船外機支承用スタンドを提供することを目的とする。
【解決手段】船50のトランサム51に対して係脱する下向き係止凹部31aを有する取付体31が枢着された船外機30を支承するための船外機支承用スタンドであって、スタンド本体1には、立てた状態における前記船外機30の左右側面のいずれか一方若しくは双方の該船外機30の側面対向位置に配される側方構成部1Aが設けられ、この側方構成部1Aには、前記船外機30の前記枢着部32に連結する連結部2が設けられたものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船のトランサムに対して係脱する下向き係止凹部を有する取付体が枢着された船外機を支承するための船外機支承用スタンドであって、スタンド本体には、立てた状態における前記船外機の左右側面のいずれか一方若しくは双方の該船外機の側面対向位置に配される側方構成部が設けられ、この側方構成部には、前記船外機の前記枢着部に連結する連結部が設けられていることを特徴とする船外機支承用スタンド。
【請求項2】
請求項1記載の船外機支承用スタンドにおいて、前記スタンド本体には、立てた状態の前記船外機の左右側面夫々の側面対向位置に配される左右の側方構成部が設けられ、前記左右の側方構成部同士間に前記船外機の通過を許容する開放部が設けられていることを特徴とする船外機支承用スタンド。
【請求項3】
請求項1,2いずれか1項に記載の船外機支承用スタンドにおいて、前記枢着部は端部が開口する筒状であり、この筒孔に挿入する支承軸部材が前記側方構成部に設けられて前記連結部は構成されていることを特徴とする船外機支承用スタンド。
【請求項4】
請求項1,2いずれか1項に記載の船外機支承用スタンドにおいて、前記枢着部は端部に雄螺子部が設けられた軸状であり、この雄螺子部に螺着する雌螺子部を有する支承軸部材が前記側方構成部に設けられて前記連結部は構成されていることを特徴とする船外機支承用スタンド。
【請求項5】
請求項1~4いずれか1項に記載の船外機支承用スタンドにおいて、前記スタンド本体の下部前後位置には該スタンド本体を縦置き状態とするための前方接地部及び後方接地部が設けられ、前記前方接地部を支点に前記スタンド本体を前後方向に起伏動させることに伴い前記トランサムに対する前記下向き係止凹部の係脱が行われるように構成されていることを特徴とする船外機支承用スタンド。
【請求項6】
請求項5記載の船外機支承用スタンドにおいて、前記スタンド本体には、移動用車輪部が設けられ、この移動用車輪部は、前記後方接地部を接地支点として前記スタンド本体を後方へ倒伏動させることで接地して、前記前方接地部及び前記後方接地部が非接地状態となるように構成されていることを特徴とする船外機支承用スタンド。
【請求項7】
請求項1~6いずれか1項に記載の船外機支承用スタンドにおいて、前記側方構成部の上部には前記スタンド本体を横置き状態とする場合に接地する横置き用車輪部が設けられていることを特徴とする船外機支承用スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船外機支承用スタンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、船のトランサムに着脱可能となる船外機を立てた状態で支承するものとして、例えば特許文献1に開示される船外機支承用スタンド(以下、「従来例」という。)が提案されている。
【0003】
この従来例は、図15に示すようにベースフレーム70の後端部にスタンドフレーム71が立設された側面視L字状のフレーム構造体であり、このスタンドフレーム71の所定高さ位置には船外機連結部72が設けられ、この船外機連結部72は、船外機30の正面に設けられ船のトランサムに対して係脱する下向き係止凹部31aを有する取付体31(通称:クランプブラケット)が係止可能に構成されたものである。
【0004】
従って、従来例は、船外機30の取付体31(下向き係止凹部31a)を船外機連結部32に係止して該船外機30を立てた状態で支承することができ、この従来例に船外機30を支承状態として車両で搬送したり倉庫に保管などできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8-301381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来例を用いた船のトランサムに対する船外機30の取付け・取外し作業(従来例で支承された状態から船のトランサムに取り付けられた状態とするまでの作業、及び、船のトランサムに取り付けられた状態から従来例で支承された状態とするまでの作業)を行う場合、船外機30を持ち上げて宙に浮かせた状態で移動させて行うことになるが、船外機は重い為、1人で行うのは厄介であり、よって、実際には、前述した作業は数人(2~3人)がかりで船外機30を落とさないように慎重に行っているのが現状である。
【0007】
本発明者は、前述した問題点に鑑み、従来にない非常に実用的な船外機支承用スタンドを開発した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
船50のトランサム51に対して係脱する下向き係止凹部31aを有する取付体31が枢着された船外機30を支承するための船外機支承用スタンドであって、スタンド本体1には、立てた状態における前記船外機30の左右側面のいずれか一方若しくは双方の該船外機30の側面対向位置に配される側方構成部1Aが設けられ、この側方構成部1Aには、前記船外機30の前記枢着部32に連結する連結部2が設けられていることを特徴とする船外機支承用スタンドに係るものである。
【0010】
また、請求項1記載の船外機支承用スタンドにおいて、前記スタンド本体1には、立てた状態の前記船外機30の左右側面夫々の側面対向位置に配される左右の側方構成部1Aが設けられ、前記左右の側方構成部1A同士間に前記船外機30の通過を許容する開放部Sが設けられていることを特徴とする船外機支承用スタンドに係るものである。
【0011】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の船外機支承用スタンドにおいて、前記枢着部32は端部が開口する筒状であり、この筒孔32aに挿入する支承軸部材2aが前記側方構成部1Aに設けられて前記連結部2は構成されていることを特徴とする船外機支承用スタンドに係るものである。
【0012】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の船外機支承用スタンドにおいて、前記枢着部32は端部に雄螺子部32bが設けられた軸状であり、この雄螺子部32bに螺着する雌螺子部2bを有する支承軸部材2aが前記側方構成部1Aに設けられて前記連結部2は構成されていることを特徴とする船外機支承用スタンドに係るものである。
【0013】
また、請求項1~4いずれか1項に記載の船外機支承用スタンドにおいて、前記スタンド本体1の下部前後位置には該スタンド本体1を縦置き状態とするための前方接地部1a及び後方接地部1bが設けられ、前記前方接地部1aを支点に前記スタンド本体1を前後方向に起伏動させることに伴い前記トランサム51に対する前記下向き係止凹部31aの係脱が行われるように構成されていることを特徴とする船外機支承用スタンドに係るものである。
【0014】
また、請求項5記載の船外機支承用スタンドにおいて、前記スタンド本体1には、移動用車輪部3が設けられ、この移動用車輪部3は、前記後方接地部1bを接地支点として前記スタンド本体1を後方へ倒伏動させることで接地して、前記前方接地部1a及び前記後方接地部1bが非接地状態となるように構成されていることを特徴とする船外機支承用スタンドに係るものである。
【0015】
また、請求項1~6いずれか1項に記載の船外機支承用スタンドにおいて、前記側方構成部1Aの上部には前記スタンド本体1を横置き状態とする場合に接地する横置き用車輪部4が設けられていることを特徴とする船外機支承用スタンドに係るものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上述のように構成したから、例えば船のトランサムに対する船外機の取付け・取外し作業が1人で簡易且つ確実に行えるなど、従来にない非常に実用的な船外機支承用スタンドとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施例を示す斜視図である。
図2】本実施例を示す側面図である。
図3】本実施例の要部を説明する平断面図である。
図4】本実施例の使用状態説明図である。
図5】本実施例の要部の説明図である。
図6】本実施例の要部の別例である。
図7】本実施例の要部の別例である。
図8】本実施例で船外機30を支承した状態の説明図である。
図9】本実施例で支承された船外機30を船50のトランサム51に取り付ける作業の説明図である。
図10】本実施例で支承された船外機30を船50のトランサム51に取り付ける作業の説明図である。
図11】本実施例で支承された船外機30を船50のトランサム51に取り付ける作業の説明図である。
図12】本実施例で支承された船外機30を船50のトランサム51に取り付ける作業の説明図である。
図13】本実施例で支承された船外機30を横置き状態にする作業の説明図である。
図14】本実施例で支承された船外機30を横置き状態にする作業の説明図である。
図15】従来例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0019】
スタンド本体1の側方構成部1Aは、立てた状態における船外機30の側面対向位置に配され、この側方構成部1Aに設けられた連結部2を船外機30の枢着部32に連結することで該船外機30が支承された状態となる。
【0020】
即ち、船外機30を支承する構造として、取付体31の下向き係止凹部31aを利用しない構造であり、前述した従来例と異なり、船50のトランサム51に対する船外機30の取付け・取外し作業は、船外機30を持ち上げて宙に浮かせた状態で移動する必要がない。
【0021】
従って、例えば船50のトランサム51に対する船外機30の取付け・取外し作業が1人で簡易且つ確実に行える。
【実施例0022】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0023】
本実施例は、船50のトランサム51に脱着可能となる船外機30を支承するための船外機支承用スタンドである。
【0024】
尚、本実施例で支承対象となる船外機30は、図4,5に図示したように縦長形状の船外機本体に動力部(エンジン)と、駆動部(駆動軸)と、プロペラ部とを有したものであり、この船外機本体の前面には船50のトランサム51に被嵌係止して取り付ける下向き係止凹部31aを有する取付体31(クランプスクリュー31b付きのクランプブラケット)が枢着部32を介して前後方向に擺動自在に設けられている。この枢着部32は、左右両端部が開口して左右に貫通する筒孔32aを有する筒状の軸体であり、更に、左右両端部には雄螺子部32bが設けられており、この枢着部32(筒孔32a及び雄螺子部32b)はハンドル操作構造における油圧式操舵装置を連結する部位として船外機30に設けられている。
【0025】
具体的には、本実施例に係る船外機支承用スタンドは、図1に図示したように適宜な金属製の棒材(フレーム材)を連結して構成されたフレーム構造体であり、スタンド本体1には、立てた状態における船外機30の左右側面の双方若しくはいずれか一方の該船外機30の側面対向位置に配される側方構成部1Aが設けられている。尚、本実施例では、後述のように側方構成部1Aは左右両側に一対設けられているが、船外機30を支承する強度が得られるのであれば片側のみに設けても良い。
【0026】
具体的には、スタンド本体1は、フレーム状の底構成部1Bの上部左右位置にフレーム状の側方構成部1Aが立設状態に設けられたもので、この左右の側方構成部1A夫々の上下長は船外機30の上下長よりも長く、前後長は船外機30の前後長よりも長く、左右の側方構成部1A同士の間隔は船外機30の左右幅よりも広く設定されており、船外機30を後述する連結部2で支承する場合、左右の側方構成部1A夫々が船外機30の左右側面夫々の側面対向位置に配されるように構成されている。尚、この左右の側方構成部1Aの各寸法は、船外機のサイズに応じて適宜設定変更されるものであり、また、側方構成部1Aはフレーム状でなく板状でも良い。
【0027】
また、左右の側方構成部1Aの後方部同士間にして上下方向所定位置には複数の補強桟部材1cが架設され、一方、左右の側方構成部1Aの前方部同士間には補強桟部材1cは架設されておらず、スタンド本体1の前方には船外機30の通過を許容する開放部Sが設けられている。
【0028】
このスタンド本体1の前方に設けられた開放部Sは、スタンド本体1で支承された船外機30をトランサム51へ取り付けた後に該船外機30の左右側面夫々の対向位置から左右の側方構成部1Aを離反させる場合、及び、トランサム51に取り付けられた船外機30をスタンド本体1で支承させる前に該船外機30の左右側面夫々の対向位置へ左右の側方構成部1Aを接近させる場合に、船外機30の通過を許容することになる。
【0029】
また、スタンド本体1を構成する左右の側方構成部1A夫々における前方部の上方所定位置には、後述する連結部2に係る支承軸部材2aを貫挿連結する連結孔1dが設けられている。
【0030】
また、スタンド本体1を構成する左右の側方構成部1Aには、船外機30の枢着部32に連結する連結部2が設けられている。
【0031】
この連結部2は、船外機30における枢着部32の筒孔32aに挿入する左右に分割された一対の支承軸部材2aを左右の側方構成部1A夫々に設けて構成されている。
【0032】
この支承軸部材2aは、図1,3,4,5に図示したように適宜な金属製の棒状体であり、周面には螺子溝2a’が形成されており、側方構成部1A夫々の前方部の上方位置に設けられた連結孔1dに貫挿連結される径に設定され、更に、この連結孔1dに貫挿された左右の支承軸部材2aの先端同士は突き合わせ当接する長さに設定されている(図3参照)。
【0033】
また、支承軸部材2aには連結孔1dよりも径大なナット部材2cが螺着されており、このナット部材2cの螺着位置により連結孔1dを貫挿して側方構成部1Aの内方に突出する支承軸部材2aの突出度合いを調整することができる。
【0034】
従って、この支承軸部材2aを左右の側方構成部1A夫々の連結孔1dに外側から貫挿させ、この連結孔1dを貫通して側方構成部1A夫々の内方に突出する部位を、船外機30における枢着部32の筒孔32aに挿入させることで、船外機30に対するスタンド本体1の連結が完了する。
【0035】
ちなみに、船外機30は後述する船外機固定用ロープ6で固定するまでは、スタンド本体1に対して支承軸部材2aを支点に前後方向に揺動可能な宙吊り状態となる。
【0036】
また、図6,7は支承軸部材2aの別例である。
【0037】
図6のタイプは、図1に図示した支承軸部材2aのように左右に分割されておらず、左右の側方構成部1A同士間に架設状態となる所定長を有する一本物の棒状体であり、この支承軸部材2aの基端には折曲部2dが設けられ、先端部には抜け止め止着用の止着部材2eが着脱自在に設けられている。
【0038】
従って、この支承軸部材2aを一側の側方構成部1Aの連結孔1dに外側から貫挿させて枢着部32の筒孔32aに貫挿させ、更に、他側の側方構成部1Aの連結孔1dに内側から貫挿させ、この他側の側方構成部1Aの連結孔1dから外側に突出する先端部に止着部材2dを止着することで抜け止め状態となり、船外機30に対するスタンド本体1の連結が完了する。
【0039】
図7のタイプは、図1に図示した支承軸部材2aと同様に左右に分割されており、各支承軸部材2aの先端部には枢着部32の雄螺子部32bに螺着する雌螺子部2bが設けられている。
【0040】
従って、この支承軸部材2aを左右の側方構成部1A夫々の連結孔1dに内側から貫挿させた状態とし、この側方構成部1A夫々の内側にある雌螺子部2bを船外機30における枢着部32の雄ネジ部32bに螺着することで、船外機30に対するスタンド本体1の連結が完了する。
【0041】
また、本実施例は、スタンド本体1の下部前後位置(底構成部1Bの前後左右の四箇所)には該スタンド本体1の縦置き状態を保持する前方接地部1a(脚部)及び後方接地部1b(脚部)が突出状態に設けられ、前方接地部1aは、スタンド本体1で支承された船外機30をトランサム51へ取り付ける場合、及び、トランサム51に取り付けられた船外機30を前記スタンド本体1で支承させる場合に、スタンド本体1を前方へ倒伏動させる際の接地支点となるように構成され、後方接地部1bは後述する移動用車輪部3を用いてスタンド本体1を移動する際、スタンド本体1を後方へ倒伏動させる際の接地支点となるように構成されている。
【0042】
また、スタンド本体1には、一対の移動用車輪部3が設けられている。
【0043】
この移動用車輪部3は、図1~4に図示したように所定径を有する車輪3aに設けた車軸3b(螺子軸)を左右の側方構成部1A夫々の下部後方位置に貫挿連結(ナット止め)して構成されている。
【0044】
この移動用車輪部3の向きはスタンド本体1の前後方向に向きが設定されている。尚、車軸の向きが可変可能な自在車輪としても良い。
【0045】
また、移動用車輪部3を構成する車軸3bは、スタンド本体1の内方に突出状態に設けられ、後方接地部1aを支点にスタンド本体1を起伏動させる際に足で踏む足踏み部として構成されている。
【0046】
従って、移動用車輪部3は、後方接地部1bを接地支点としてスタンド本体1を後方へ倒伏動させて接地させると、前方接地部1a及び後方接地部1bが非接地状態となり、この後方へ傾けた状態でスタンド本体1を移動可能に構成されている。
【0047】
また、スタンド本体1には、一対の横置き用車輪部4が設けられている。
【0048】
この横置き用車輪部4は、図1~4に図示したように所定径を有する車輪4aに設けた車軸4b(螺子軸)を一側の側方構成部1Aの上部前後位置に貫挿連結(ナット止め)して構成されている。
【0049】
この横置き用車輪部4の向きはスタンド本体1の左右方向に向きが設定されている。尚、車軸の向きが可変可能な自在車輪としても良い。
【0050】
また、横置き用車輪部4は、他側の側方構成部1Aにも付け替え可能に設けられており、これは、船外機30は機種によって横向きさせるに適した方向が決まっているからである。
【0051】
従って、例えば車両の荷台60にスタンド本体1を縦置き状態で載置する場合及び降ろす場合)にこの横置き用車輪4を接地させて移動させることができる(図13,14参照)。符号61は枕木である。
【0052】
また、スタンド本体1には、船外機30を支承した状態で左右の揺動を防止する揺動防止部5が設けられている。
【0053】
この揺動防止部5は、図2,3に図示したように平面視コ字状の部材5aを前述した最下段の補強桟部材1cに設けて構成されており、連結部2に連結した船外機30の下部所定位置に囲繞状態となり、万一、船外機30が左右に揺れた際には当接して保持するように構成されている。尚、本実施例では揺動防止部5は船外機30に常時当接していないが、常時当接する形状及び大きさに設定して良く、実際には、種々提案される船外機30の大きさに対応すべく比較的大型の船外機30に合った形状及び大きさに設定されている。
【0054】
また、本実施例は、連結部2で連結した船外機30をスタンド本体1に固定する船外機固定用ロープ6を設けている。
【0055】
この船外機固定用ロープ6は、図8に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で形成した帯状体であり、巻回した状態を保持する図示省略のバックル部が設けられている。
【0056】
従って、船外機固定用ロープ6を船外機30とスタンド本体1とを束ねるように囲繞するように巻回し、この船外機固定用ロープ6の端部を引っ張って巻回径を小さくすると、船外機30は揺動防止部5の方へ引き寄せられて接近して(連結部2を支点に後方へ擺動して)固定される(図8参照)。
【0057】
以上の構成から成る本実施例に係る船外機支承用スタンドで支承された船外機30を船50のトランサム51に取り付ける作業について説明する。
【0058】
スタンド本体1に船外機30が支承された状態(図8参照)から、後方接地部1bを接地支点としてスタンド本体1を後方へ倒伏動させて移動用車輪部3を接地させると、前方接地部1a及び後方接地部1bが非接地状態となり、この後方へ傾けた状態でスタンド本体1を船50の後方任意の位置に移動する(図9参照)。尚、このスタンド本体1を後方へ倒伏動させる際、移動用車輪部3の車軸3bを足踏み部として行うと良い。
【0059】
続いて、スタンド本体1の前方接地部1aを接地支点として、スタンド本体1を前方に倒伏動させてトランサム51に船外機30の取付体31(下向き係止凹部31a)を引っ掛け係止させる(図10参照)。
【0060】
続いて、クランプスクリュー31bを締め付けると共に、船外機固定用ロープ6を緩めて船外機30を鉛直状態とする(図11参照)。
【0061】
続いて、枢着部32に対する連結部2の連結を解除すると共に、船外機用固定用ロープ6を外して、スタンド本体1の前方接地部1aを接地支点として、スタンド本体1を後方に起立動させることでトランサム51への船外機30の取り付けが完了する(図12参照)。
【0062】
ちなみに、トランサム51に取り付けられた船外機30を本実施例に係る船外機支承用スタンドで支承する作業は、前述した船外機30をトランサム51に取り付ける作業で行った工程と逆工程を行う。
【0063】
本実施例は上述のように構成したから、スタンド本体1の側方構成部1Aは、立てた状態における船外機30の側面対向位置に配され、この側方構成部1Aに設けられた連結部2を船外機30の枢着部32に連結することで該船外機30が支承された状態となる。
【0064】
即ち、船外機30を支承する構造として、取付体31の下向き係止凹部31aを利用しない構造であり、前述した従来例と異なり、船50のトランサム51に対する船外機30の取付け・取外し作業は、船外機30を持ち上げて宙に浮かせた状態で移動する必要がない。
【0065】
よって、本実施例によれば、例えば船50のトランサム51に対する船外機30の取付け・取外し作業が1人で簡易且つ確実に行える。
【0066】
また、本実施例は、スタンド本体1には、立てた状態の船外機30の左右側面夫々の側面対向位置に配される左右の側方構成部1Aが設けられ、左右の側方構成部1A同士間に船外機30の通過を許容する開放部Sが設けられているから、船外機30を確実に支承することができる。
【0067】
また、本実施例は、枢着部32は端部が開口する筒状であり、この枢着部32の筒孔32aに挿入する支承軸部材2aが側方構成部1Aに設けられて連結部2は構成されているから、船外機30に設けられる部位を利用して確実に支承することができる。
【0068】
また、本実施例は、枢着部32は端部に雄螺子部32bが設けられ、この枢着部32の雄螺子部32bに螺着する雌螺子部2bを有する支承軸部材2aが側方構成部1Aに設けられて連結部2は構成されているから、船外機30に設けられる部位を利用して確実に支承することができる。
【0069】
また、本実施例は、スタンド本体1の下部前後位置には該スタンド本体1を縦置き状態とするための前方接地部1a及び後方接地部1bが設けられ、前方接地部1aを支点にスタンド本体1を前後方向に起伏動させることに伴いトランサム51に対する下向き係止凹部31aの係脱が行われるように構成されているから、トランサム51への脱着が簡易且つ確実に行えることになる。
【0070】
また、本実施例は、スタンド本体1には、移動用車輪部3が設けられ、この移動用車輪部3は、後方接地部1bを接地支点としてスタンド本体1を後方へ倒伏動させることで接地して、前方接地部1a及び後方接地部1bが非接地状態となるように構成されているから、スタンド本体1の移動が良好に行えることになる。
【0071】
また、本実施例は、側方構成部1Aの上部にはスタンド本体1を横置き状態とする場合に接地する横置き用車輪部4が設けられているから、例えば車両の荷台60に載置したり降ろしたりする際などに非常に便利となる。
【0072】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0073】
S 開放部
1 スタンド本体
1A 側方構成部
1a 前方接地部
1b 後方接地部
2 連結部
2a 支承軸部材
2b 雌螺子部
3 移動用車輪部
4 横置き用車輪部
30 船外機
31 取付体
31a 下向き係止凹部
32 枢着部
32a 筒孔
32b 雄螺子部
50 船
51 トランサム
図1
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