(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095708
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】吐水装置
(51)【国際特許分類】
E03C 1/042 20060101AFI20230629BHJP
E03C 1/084 20060101ALI20230629BHJP
G16Y 10/35 20200101ALI20230629BHJP
G16Y 20/30 20200101ALI20230629BHJP
【FI】
E03C1/042 F
E03C1/042 B
E03C1/084
G16Y10/35
G16Y20/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211744
(22)【出願日】2021-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】521566656
【氏名又は名称】株式会社DGTAKANO
(74)【代理人】
【識別番号】100134669
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 道彰
(72)【発明者】
【氏名】高野 雅彰
【テーマコード(参考)】
2D060
【Fターム(参考)】
2D060BA05
2D060BE06
2D060BE09
2D060CC11
(57)【要約】
【課題】 導水路としてホース材を採用し吐水ノズル具を自由に3次元空間移動させ、かつ、吐水ノズル具を基本姿勢から簡単に脱着させて安定した作業性を確保する吐水装置を提供する。
【解決手段】 給水管から給水するスパウト120と、スパウト120に連結されたホース体130と、ホース体130に連結されて水を吐水する吐水ヘッド体140と、スパウト120から延設されたアーム支持体150を備えた構成において、アーム支持体150が先端に吐水ヘッド体140との対向面が平面である支持連結体152とボールジョイント機構153を備えている。吐水ヘッド体140が支持連結体152の対向面に対して脱着可能に連結できる平面連結部142を備えている。吐水ヘッド体140の平面連結部142とアーム支持体150の支持連結体152との平面同士の連結を介してアーム支持体から脱着可能に支持する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水管から給水するスパウトと、
前記スパウトに連結された可撓性ある湾曲自在なホース体と、
前記ホース体に連結されて前記給水管から導水した水を吐水する吐水ヘッド体と、
前記スパウトから延設されたアーム支持体と、
給水操作部を備えた構成において、
前記アーム支持体が、アーム支持体の本体部分の先端に、前記吐水ヘッド体との対向面が平面である支持連結体を備えたものであり、
前記吐水ヘッド体が、前記アーム支持体の前記支持連結体の前記対向面に対して脱着可能に連結できる平面形状を備えた平面連結部を備え、
前記吐水ヘッド体が、前記アーム支持体の前記支持連結体と前記平面連結部との平面同士の連結を介して前記アーム支持体から脱着可能に支持されたものであることを特徴とする吐水装置。
【請求項2】
前記アーム支持体の先端にある前記支持連結体が、前記アーム支持体の本体部分に対してボールジョイント機構を介してその取付姿勢が自在に可変であり、前記アーム支持体の前記対向面と前記吐水ヘッドの前記平面連結部との接続角度が上下左右に自在であることを特徴とする請求項1に記載の吐水装置。
【請求項3】
前記アーム支持体の前記吐水ヘッド支持部の前記支持連結体の前記対向面と、前記吐水ヘッド体の前記平面連結部とが、一方が磁石体で他方が磁石吸着性を備えた素材である、または、双方が磁石体で相互に吸着し得る磁性の配置となったものであり、磁力をもって脱着自在に接続されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の吐水装置。
【請求項4】
前記アーム支持体と前記スパウトとの接続部において、前記アーム支持体が前記スパウトに対して、少なくとも上下チルトの可動機構を備えた構造であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の吐水装置。
【請求項5】
前記スパウトの、少なくとも前記アーム支持体との前記接続部より下側の一部において、少なくともスイーベルの可動機構を備えた構造であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の吐水装置。
【請求項6】
前記吐水ヘッド体の一部にLED発光体が組み込まれ、前記吐水ヘッド体から投光可能な構造としたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の吐水装置。
【請求項7】
水使用に関するセンサと、前記センサから得られたデータを蓄積または送信するIoTシステムを備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の吐水装置。
【請求項8】
前記吐水ヘッド内に脈動流体または断続流体を生成する吐水ノズルを備え、
前記吐水ノズルが、液体または気体の流体を噴射する噴射機構と、前記噴射機構の下流に位置する閉鎖空間であり、その下方に流体排出部、その側面に外気を導通する通気路につながる導通孔を備え、その内部が外気で満たされた空間キャビティを備えたものであり、
前記噴射機構の噴射流体の噴射先または前記噴射流体の前記空気キャビティ壁面での衝突による変化により、前記噴射流体の一部が前記導通孔を一時的に覆いつつ流れて前記導通孔からの外気の通気量を制限するよう前記噴射流体を形成する構成であり、前記空間キャビティ内を前記噴射流体が下方に流れることにより生じる前記空間キャビティ内の一時的な圧力低下と、前記導通孔からの外気の吹き込みによる前記空間キャビティ内の一時的な圧力回復との繰り返しの変動によって、前記外気の吹き込みの強弱リズムを生じせしめ、前記噴射機構から前記流体の脈動流または断続流を生成するものであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の吐水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道からの給水を吐水する吐水装置に関する。特に、吐水ノズル具等を基本姿勢から簡単に脱着して3次元的に移動可能にし、また、基本姿勢に簡単に戻すことができることができる位置調節機能付きの吐水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
台所のシンク等で水道からの給水を吐水する吐水装置を用いて家事が行われることが多い。従来の吐水装置はスパウトが固定されたものや、スパウトが水平面内のみで回転するものなどは古くからあり、これらの吐水装置では吐水ノズル具を3次元的に移動することができなかった。
しかし従来技術においても、スパウト先端の吐水ノズル具等を移動可能にし、その位置を調節することができる位置調節機能付きの吐水装置があった。
【0003】
例えば、従来技術において、スパウトから先端の吐水ノズル具までの導水路として可撓性あるホース材や可撓性あるパイプ材を採用したものがある。例えば、
図18に示すもの(特許文献1:特開平11-152774号公報)が知られている。
図18に示すように、スパウト100の先端部にガイドスリーブ101が嵌着されており、そのガイドスリーブ101内には、吐水ノズル具104を先端部に備えたパイプ部103が脱着自在に組み込まれており、スパウト100の先端から吐水ノズル具104を取り出せば、パイプ部103がフレキシブルな可撓性のあるホースであれば、ガイドスリーブ101から摺動自在に出し入れでき、さらにフレキシブルホースであるパイプ部103を自由に可撓させることができる構造となっている。
【0004】
その他には、例えば、従来技術において、吐水ノズル具等の位置調節機能付きの吐水装置としていわゆるコルゲート状のフレキシブル管を採用したものがある。例えば、
図19に示すもの(特許文献2:特開2008-51178号公報)が知られている。
図19に示す吐水ノズル具等の位置調節機能付きの吐水装置で採用されているフレキシブル管は、内径の異なる大径部11aと小径部11bとが軸方向Dに沿って交互配置された可撓性を有する合成樹脂製のコルゲート管11と、両端の開口部12aに形成された鍔状部12bをコルゲート管11の両端の開口部11cから突出させてコルゲート管12内に挿通されたステンレス製の蛇腹管12と、蛇腹管12と同軸上で連通した状態で鍔状部12bの外周に回動自在かつ離脱不能に取り付けられた袋ナット13と、コルゲート管11と蛇腹管12との間に装入されるスリーブ部14aと、コルゲート管11の開口部11cと袋ナット13との間に挟持されるフランジ部14bと、スリーブ部14aの外周に形成された突起部14cとを有する気密部材14とを備えた構成となっている。
【0005】
フレキシブル管10のメリットは、ある程度の可撓性は確保されており、かつ、任意の位置で自重に逆らって姿勢を維持して静止することができる。
そのためフレキシブル管10は、可撓性を有するステンレス製の螺旋管あるいは合成樹脂製の螺旋管などが構成されている。また、ステンレス製の螺旋管の外周を樹脂製の蛇腹管で被覆したものなどがある。
【0006】
このように、スパウト先端の吐水ノズル具等が移動可能であれば、スパウト先端から吐水ノズル具等がフレキシブルかつ摺動自在に出し入れすることができ、スパウト先端の吐水ノズル具等がいわゆる3次元空間内で自在に位置が調整できることとなり至便である。また、シンクの清掃時などもスパウト先端の吐水ノズル具等の位置が自在に調整できるとシンク隅角などに吐水できて至便である。
【0007】
【特許文献1】特開平11-152774号公報
【特許文献2】特開2008-51178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、
図18に示したスパウトから先端の吐水ノズル具までの導水路として可撓性あるホース材や可撓性あるパイプ材を採用したものは、パイプ部103と吐水ノズル具104を基本姿勢に静止させたり取り外したりする脱着作業に問題あった。
ガイドスリーブ101から引き出して伸長させたり、押し込んで縮めて所定の位置に固定したりする場合は、吐水ノズル具104をガイドスリーブ101から取り出して、パイプ部103ごとガイドスリーブ101から引き出して伸長させる必要があった。さらに、元に戻す際には、パイプ部103を固定棒状のガイドスリーブ101内に挿入して収め、さらに、吐水ノズル具104をガイドスリーブ101の所定形状内に装着して嵌合させる必要があり、その手間が煩雑かつ時間のかかる作業となっていた。
【0009】
次に、
図19に示したスパウトから先端の吐水ノズル具までの導水路として可撓性あるフレキシブル管10を採用したものは、ある程度の可撓性が確保されていて3次元空間の任意の位置に静止できるが、フレキシブル管10の可撓性が小さくなってしまい可動域が制限されて大きく屈曲したりするほどの自由度が確保できず、その結果、吐水ノズル具を3次元的に自由に空間移動させることまではできないという問題があった。
また、ステンレス製の螺旋管は洗剤が付着すると腐食することがあり、特に塩素系洗剤が付着すると腐食しやすい。
【0010】
つまり、従来技術の吐水ノズル具等の位置調節機能付きの吐水装置は、吐水ノズル具を自由に3次元空間移動させる点を重視すると、
図18に示したものとなり、スパウトから先端の吐水ノズル具までの導水路はホースのような十分に可撓性あるものを採用することにより自由な3次元空間移動が確保できるものの、その反面、吐水ノズル具104を基本姿勢から簡単に脱着させる技術がなく、脱着作業に問題あった。
一方、吐水ノズル具の脱着を不要として3次元空間の任意の位置に静止できる点を重視すると、
図19に示したものとなり、3次元空間の任意の位置に静止できるが、フレキシブル管10の可撓性が小さくなってしまい可動域が制限されて大きく屈曲したりするほどの自由度が確保できなくなる。
【0011】
本発明は、スパウトから先端の吐水ノズル具までの導水路として可撓性の大きなホース材を採用して可撓性を確保して吐水ノズル具を自由に3次元空間移動させ、かつ、吐水ノズル具を基本姿勢から簡単に脱着させて安定した作業性を確保する吐水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記本発明の目的を達成するため、本発明にかかる吐水装置は、給水管から給水するスパウトと、前記スパウトに連結された可撓性ある湾曲自在なホース体と、前記ホース体に連結されて前記給水管から導水した水を吐水する吐水ヘッド体と、前記スパウトから延設されたアーム支持体と、給水操作部とを備えた構成において、前記アーム支持体が、アーム支持体の本体部分の先端に、前記吐水ヘッド体との対向面が平面である支持連結体を備えたものであり、前記吐水ヘッド体が、前記アーム支持体の前記支持連結体の前記対向面に対して脱着可能に連結できる平面連結部を備え、前記吐水ヘッド体が、前記アーム支持体の前記支持連結体と前記平面連結部との平面同士の連結を介して前記アーム支持体から脱着可能に支持されたものであることを特徴とする吐水装置である。
【0013】
ここで、平面同士の連結手段としては磁力を用いることができる。つまり、前記アーム支持体の前記吐水ヘッド支持部の前記支持連結体の前記対向面と、前記吐水ヘッド体の前記平面連結部とが、一方が磁石体で他方が磁石吸着性を備えた素材である、または、双方が磁石体で相互に吸着し得る磁性の配置となったものであれば、磁力をもって平面同士を脱着自在に連結できる。
本発明の吐水装置は、吐水ヘッドはアーム支持体から取り外した後は、ホース体が可撓性あり湾曲の自由度が高いものであり3次元空間的な移動自由度が確保されているが、さらに、吐水ヘッドの基本姿勢(静止姿勢)における3次元空間的な移動自由度を確保しやすくするため、下記の構造を採用することができる。
【0014】
第1の構造はベアリングによる回転である。つまり、前記アーム支持体の先端にある前記支持連結体が、前記アーム支持体の本体部分に対してボールジョイント機構を介して連結された構造であれば、ボールジョイント機構を介して自在にその取付姿勢が可変であり、前記アーム支持体と前記吐水ヘッドとの接続角度が上下左右に自在である構造とすることができる。
【0015】
第2の構造は、アーム支持体の上下チルトである。つまり、前記アーム支持体と前記スパウトとの接続部において、前記アーム支持体が前記スパウトに対して、少なくとも上下チルトの可動機構を備えた構造とし、アーム支持体の上下チルトを通じて、吐水ヘッドの基本姿勢(静止姿勢)の上下方向の制御を可能とする。
【0016】
第3の構造は、スパウトの左右スイーベルである。つまり、前記スパウトの、少なくとも前記アーム支持体との前記接続部より下側の一部において、少なくともスイーベルの可動機構を備えた構造とし、スパウトの左右スイーベルを通じて、吐水ヘッドの基本姿勢(静止姿勢)の左右方向の制御を可能とする。
【0017】
次に、本発明の吐水装置の工夫として、さらに以下の工夫があり得る。
第1の工夫は、前記吐水ヘッドにおいて、発明者高野雅彰が発明した節水型の脈動流体または断続流体の生成装置である吐水ノズルを取り込むことである。脈動流体または断続流体の生成装置としては、液体または気体の流体を噴射する噴射機構と、前記噴射機構の下流に位置する閉鎖空間であり、その下方に流体排出部、その側面に外気を導通する通気路につながる導通孔を備え、その内部が外気で満たされた空間キャビティを備え、前記噴射機構の噴射流体の噴射先または前記噴射流体の前記空気キャビティ壁面での衝突による変化により、前記噴射流体の一部が前記導通孔を一時的に覆いつつ流れて前記導通孔からの外気の通気量を制限するよう前記噴射流体を形成する構成であり、前記空間キャビティ内を前記噴射流体が下方に流れることにより生じる前記空間キャビティ内の一時的な圧力低下と、前記導通孔からの外気の吹き込みによる前記空間キャビティ内の一時的な圧力回復との繰り返しの変動によって、前記外気の吹き込みの強弱リズムを生じせしめ、前記噴射機構から前記流体の脈動流または断続流を生成することを特徴とする脈動流体または断続流体の生成装置を取り付けたものとすることである。
【0018】
第2の工夫は、前記吐水ヘッド体の一部にLED発光体が組み込まれ、前記吐水ヘッド体から投光可能な構造とすることである。
第3の工夫は、水使用に関するセンサと、前記センサから得られたデータを蓄積または送信するIoTシステムを備えた構造とすることである。
【0019】
これら工夫により下記の工夫が達成される。
つまり、上記第1の工夫により、吐水ヘッドに優れた節水型の脈動流体または断続流体の生成装置を取り付けることにより、本発明の吐水装置として、優れた節水効果とともに優れた洗浄効果が得られ、環境に優しい吐水装置となりSDGsを目指す上で大いに有益なものとなる。
なお、上記の「脈動流体または断続流体の生成装置」は、特許第5961733号(発明者高野雅彰)に詳述されているが、生成された脈動流体または断続流体は、例えば、略玉状の液塊となっており、その液塊が断続状態または一部エッジ同士がつながっている連続状態で吐出される状態となり、高い節水効果とともに各々の液塊が断続的にまたは連続的に洗浄対象物に衝突して高い洗浄効果が得られるものであり、この「脈動流体または断続流体の生成装置」を吐水ノズルとして吐水ヘッド体の先端に取り付けることにより高い節水効果と高い洗浄効果が得られる。
【0020】
また、上記第2の工夫により、例えば、上記第1の工夫の「脈動流体または断続流体の生成装置」が作動している間にLED発光体が特定色で投光するように制御すれば、吐水中に節水効果と洗浄効果が得られていることが簡単に認識できる。また、夜間には手元灯となるという効果も得られる。
【0021】
上記第3の工夫により、例えば、本発明の吐水装置の使用による水使用量を動的に把握することができ、さらに、各家庭単位のみならず、町内単位、地域単位、時間帯での水の使用量が把握でき、ビッグデータとして得られればSDGsを目指す上で貴重な水資源のデータとして活用でき、大いに有益なものとなる。
【発明の効果】
【0022】
本発明にかかる吐水装置によれば、アーム支持体の吐水ヘッド支持部の支持連結体の対向面と、吐水ヘッド体の平面連結部とが、平面同士で連結し合うことにより、両者を簡単に着脱自在の構成とすることができる。平面同士の連結として例えば、一方が磁石体で他方が磁石吸着性を備えた素材としたり、双方が磁石体で相互に吸着し得る磁性の配置となったりしたものであれば、磁力をもって平面同士を脱着自在に連結できる。
本発明の吐水装置は、吐水ヘッドはアーム支持体に連結した状態でも使用することができ、さらにアーム支持体の先端の支持連結体が本体部分に対してボールジョイント機構を介して連結されている構造であれば、ボールジョイント機構を介して吐水ヘッドの姿勢が自在に可変となる。さらにアーム支持体のチルト動、スイーベル動も可能であり、吐水ヘッドの姿勢が3次元空間的に高い移動自由度が確保できる。
さらに、吐水ヘッドをアーム支持体から取り外した後は、ホース体が可撓性あり湾曲の自由度が高いものであり、さらに3次元空間的に大きな移動自由度が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施例1にかかる吐水装置100の一構成例を示す図である。
【
図2】吐水ヘッド体140とアーム支持体150との連結・離脱の脱着操作を簡単に示したものである。
【
図3】ボールジョイント機構153によりアーム本体151と支持連結体152との角度が3次元的に自在に調整できる様子を図示したものである。
【
図4】吐水ヘッド体140がアーム支持体150と連結している状態における吐水ヘッド体140の姿勢のスイーベルの自由度を説明する図である。
【
図5】吐水ヘッド体140がアーム支持体150と連結している状態における吐水ヘッド体140の姿勢のチルトの自由度を説明する図である。
【
図6】吐水ヘッド体140がアーム支持体150から離脱している状態における吐水ヘッド体140の姿勢の自由度について説明する図である。
【
図7】実施例2の節水型の脈動流体または断続流体の生成装置である吐水ノズル200の一部のみを取り出して示した図である。
【
図8】
図7に示した脈動流体または断続流体の吐水ノズル200に対して、給水管110から水を供給して連続流体を流した状態を簡単に示す図である。
【
図9】排出部250付近を取り出して、排出部250内を流れる液塊と気体塊を分かりやすいように図示したものである。
【
図10】実施例2にかかる脈動流体または断続流体の生成装置である吐水ノズル200により生成された脈動流体または断続流体の洗浄効果を簡単に説明する図である。
【
図11】従来の単なる連続水流による洗浄の様子を示す図である。
【
図12】節水型の脈動流体または断続流体の生成装置である吐水ノズル200の他の構成例の一部のみを取り出して示した図である。
【
図13】
図12に示した脈動流体または断続流体の生成装置である吐水ノズル200に対して給水管110から水を流した状態を簡単に示す図である。
【
図14】節水型の脈動流体または断続流体の生成装置である吐水ノズル200のさらに他の構成例の一部のみを取り出して示した図である。
【
図15】
図14に示した脈動流体または断続流体の生成装置である吐水ノズル200に対して給水管110から水を流した状態を簡単に示す図である。
【
図16】節水型の脈動流体又は断続流体の生成装置である吐水ノズル200のさらにその他の構成例とした場合の一部のみを取り出して示した図である。
【
図17】
図16に示した脈動流体または断続流体の生成装置である吐水ノズル200に対して給水管110から水を流した状態を簡単に示す図である。
【
図18】特許文献1の特開平11-152774号公報の従来技術を説明する図である。
【
図19】特許文献2の特開2008-51178号公報の従来技術を説明する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の吐水装置の実施例を説明する。ただし、本発明の範囲は以下の実施例に示した具体的な用途、形状、個数などには限定されないことは言うまでもない。
【実施例0025】
図1は、本発明の実施例1にかかる吐水装置100の一構成例を示す図である。
図1は、本発明の実施例1にかかる吐水装置100の一部のみを取り出して示した図となっている。
図1では、給水管110、スパウト120、ホース体130、吐水ヘッド体140、アーム支持体150、アーム本体151、支持連結体152、ボールジョイント機構153、給水操作部160、吐水ノズル200が図示されている。水道設備としてその他に必要な部材は省略している場合がある。
図2は、吐水ヘッド体140とアーム支持体150との連結・離脱の脱着操作を簡単に示したものである。吐水ヘッド体140の外表面のうち、支持連結体152に対向する面に、平面連結部142が設けられていることが分かる。
【0026】
以下、各構成要素について簡単に説明する。
給水管110は、水を給水する管であり、上流から水が適宜供給される水道設備につながっている。
水道設備としてその他に必要な部材は省略しているが、通常の給水管110が備えている部材は装備されているものとする。
【0027】
スパウト120は、給水管110に連結されており、給水管110からの給水を受けてホース体130へ供給する。
スパウト120の形状は限定されない。内部の通水路は円筒形のものが多いが水平断面が円形に限らず、楕円形や矩形のものなど多様なものがあり得る。
スパウト120自体はかならずしも可動機構を装備したものではないが、この例では、スイーベル動が可能なものとなっている。この例では、
図5に示すように、スパウト120が上部スパウト体121と下部スパウト体122を備えたものであり、下部スパウト体122は給水管110に対して固定されているが、上部スパウト体121が下部スパウト体122に対してスイーベル機構を備え、上部スパウト体121が水平方向に回動可能となっている。その結果、後述するように、吐水ヘッド体140の吐水ノズル200の3次元空間内での移動自由度が向上するものとなっている。
【0028】
ホース体130は、水圧に耐え得る耐圧性を持ち、可撓性ある湾曲自在なホース体となっている。もちろん給水時に印加される水圧変化や繰り返しの湾曲動作によっても漏水しない耐久性を持った素材および構造を備えたものとする。
可撓性に優れたホース体130を採用することにより、後述する
図4に示すように、スパウト120のスイーベル運動に追随でき、後述する
図5に示すように、アーム支持体150のチルト運動にも追随でき、さらに、後述する
図6に示すように、吐水ヘッド体140がアーム支持体150から離脱している状態では吐水ヘッド体140が3次元空間内で自由に移動できるようになり、吐水ヘッド体140の吐水ノズル200の3次元空間内での移動自由度が向上するものとなっている。
【0029】
吐水ヘッド体140は、ホース体130に連結され、ホース体130を介して給水管110から導水した水を吐水するものである。
吐水ノズル200は、吐水ヘッド体140の先端にある吐水口を提供する構造物である。吐水ノズル200は単純に吐水口であって吐水ヘッド体140に組み込まれているものでも良く、実施例2で後述するように、節水ノズルであっても良い。
【0030】
平面連結部142は、吐水ヘッド体140の一部に設けられた構造物であり、吐水ヘッド体140の外表面の一部を形成する平面部分である。
この平面連結部142は、アーム支持体150の支持連結体152の対向面に対して脱着可能に連結する箇所であり、ここでは、
図2(a)および
図2(b)に示すように、平面連結部142と支持連結体152の両者の連結が平面同士の平面接合となる。なお、後述するがこれら両者の連結は磁力を用いて行っても良い。
【0031】
アーム支持体150は、スパウト120から延設された部材であり、吐水ヘッド体140を支持する部材である。
例えば、スパウト120が上部スパウト体121と下部スパウト体122を備えたものであれば、スイーベルで回動する側、つまり、この例ではアーム支持体150は上部スパウト体121から延設されているものとする。
【0032】
なお、アーム本体151はチルト機構154を介してスパウト120に取り付けられている例とする。この例では、アーム本体151はチルト機構154を介して上部スパウト体121に取り付けられている。
【0033】
アーム支持体150は、少なくともアーム本体151とその先端に取り付けられている支持連結体152を備えた構成となっており、
図3に示すように、アーム本体151と支持連結体152はボールジョイント機構153により3次元的に回動可能に連結されている。支持連結体152を介して吐水ヘッド体140の取付姿勢を調整できれば、吐水ヘッド体140の吐水ノズル200の吐水角度を調整することができる。
【0034】
アーム本体151は棒状の形状を備えてたものである。吐水ヘッド体140を支持できる剛性を備えたものであれば良い。アーム本体151はいわゆるテレスコープ構造を持って伸縮できるものであっても良い。
【0035】
支持連結体152は、アーム支持体150のアーム本体151の先端に連結された部材であって、吐水ヘッド体140との対向面が平面となっている。つまり、吐水ヘッド体140が提供する平面連結部142に対向する平面を支持連結体152が提供することとなる。この例では、
図2や
図3に示すように、支持連結体152の形状は略四角錐の外形となっており、略四角錐の底面が吐水ヘッド体140との対向面を提供し、略四角錐の頂点側がボールジョイント機構153を受け入れる構造部を提供する部分となっている。いわゆるピラミッド形状の構造物となっている。
なお、後述するがこの平面連結部142と支持連結体152との連結は磁力を用いて行っても良い。
【0036】
ボールジョイント機構153は、アーム本体151の先端側と支持連結体152との間に介在するように設けられた部材であり、両者を回動可能に連結するものである。なお、吐水ヘッド体140を支持するため、アーム本体151と支持連結体152の間で重力に負けて吐水ヘッド体140が常に下方にしな垂れることの無いように適切な摩擦力が生じるものであることが好ましい。
【0037】
給水操作部160は、水道水の給水量を制御する操作部分である。公知技術として様々なタイプのものがあり、本発明では特に限定されないが、例えばレバーコック式のものがある。また、単純にオンオフであればセンサ式のものもあり得る。
以上が各構成部材の簡単な説明である。
【0038】
次に、吐水ヘッド体140とアーム支持体150との連結・離脱の脱着操作について簡単に説明する。
図2は、吐水ヘッド体140とアーム支持体150との連結・離脱の脱着操作を簡単に示したものである。
図2に示すように、吐水ヘッド体140とアーム支持体150との連結は平面同士の連結・離脱の仕組みとなっている。この例では、両者の平面同士の連結・離脱を確実かつ簡単に行うため磁力を用いた例として説明する。
【0039】
吐水ヘッド体140の外表面の一部(特にアーム支持体150に対向する側)に平面連結部142という平面部分が設けられており、一方のアーム支持体150の支持連結体152の先端側(吐水ヘッド体140に対向する側)にも平面部分が設けられており、両者が平面同士として当接し合うものとなっている。
ここで、平面連結部142と支持連結体152の先端側のいずれか一方に磁石が内蔵されており、他方がステンレス等の磁性体であるか、または、平面連結部142と支持連結体152の先端側の両方に磁石が内蔵されており相互に異極同士である場合は、
図2(a)および
図2(b)に示すように、両者が磁力で連結し合うこととなり、離脱、連結が自在に切り換えられる。つまり、磁力が適切な強さで働けば、アーム支持体150の先端において吐水ヘッド体140が十分に支持できる上、両者が磁力で連結し合う場合、使用者が手で吐水ヘッド体140を把持してアーム支持体150の先端から引き抜けば磁力に逆らって両者を離脱させることができる。
【0040】
このように、使用者が手で吐水ヘッド体140をアーム支持体150に対して簡単に着脱することができる。
この吐水ヘッド体140とアーム支持体150との脱着機構により、本発明の吐水装置では、吐水ヘッド体140がアーム支持体150と連結している状態でも吐水ヘッド体140の姿勢が自在なものとなり、さらに、吐水ヘッド体140がアーム支持体150から離脱している状態であれば、より広範囲に吐水ヘッド体140の姿勢が自在なものとなる。
【0041】
上記したように、吐水ヘッド体140のマクロな存在位置が3次元的に可変となる。
まず、
図3(a)および
図3(b)に示したように、ボールジョイント機構153によりアーム本体151と支持連結体152との角度が3次元的に自在に調整できるので、支持連結体152を介して吐水ヘッド体140の取付姿勢を調整でき、吐水ヘッド体140の吐水ノズル200の吐水角度を調整することができる。
図3(a)の上側の図は、支持連結体152の底面を紙面手前に描き、アーム本体151を固定したまま支持連結体152を左右にスイーベルさせた様子を簡単に示している。図では中央が正対状態でその左右に支持連結体152をスイーベルさせた様子を示しているが、図が重なると見づらいため、ボールジョイント機構153の位置もずらして描いているが、実際にはボールジョイント機構153は固定した状態で支持連結体152がいわゆる“左右に首振り”できるものであることを示している。
図3(b)の下側の図の右側は、支持連結体152の底面を紙面手前に描き、アーム本体151を固定したまま支持連結体152を上下にチルトさせた様子を簡単に示している。図では中央が正対状態でその上下に支持連結体152をチルトさせた様子を示しているが、図が重なると見づらいため、ボールジョイント機構153の位置もずらして描いているが、実際にはボールジョイント機構153は固定した状態で支持連結体152がいわゆる“縦に首振り”できるものであることを示している。
【0042】
次に、
図4および
図5は、吐水ヘッド体140がアーム支持体150と連結している状態における吐水ヘッド体140の姿勢の自由度について説明する図面である。
図4はスイーベル動作、
図5はチルト動作を示している。
図4に示すように、スパウト120のスイーベル機構により吐水ヘッド体140がアーム支持体150と連結したままの状態にて水平面内でのスイーベル運動を行うことができる。
また、
図5に示すように、アーム支持体150のチルト機構154を介してアーム支持体150がスパウト120に対してチルト運動できるので、吐水ヘッド体140がアーム支持体150と連結したままの状態にて垂直面内でのチルト運動を行うことができる。
【0043】
次に、
図6は、吐水ヘッド体140がアーム支持体150から離脱している状態における吐水ヘッド体140の姿勢の自由度について説明する図面である。
図6に示すように、吐水ヘッド体140がアーム支持体150から離脱すれば、吐水ヘッド体140は可撓性に優れたホース体130に接続されたまま手で3次元空間内を自在に移動できるものとなるため、ホース体130の長さの制限はあるものの吐水ノズル200をあらゆる任意の位置と任意の角度にすることができる。
手で3次元空間内を自在に移動させて吐水ヘッド体140から水を吐水させて使用した後は、再び吐水ヘッド体140をアーム支持体150に戻して支持させれば簡単に吐水ヘッド体140を支持固定できる。
噴射機構210は、連続水流が通過する面積を狭く絞ることにより噴射液流として勢いよく噴射する機構である。この構成例では、液体導入管230の下面に設けられ、液体導入管230から連続流体を受け取って径を絞り込んで下方へ噴射する部材となっている。
噴射機構210の噴射角度が、その噴射先または噴射飛沫先が導通孔241またはその近傍に当接し、跳ね返りながらその一部が導通孔241を含む側壁面を覆いつつ下方に流れる水流となる角度となっている。
空間キャビティ220は、上面に噴射機構210が配置され、下面に脈動流体または断続流体の排出部250が配置され、内部に導通孔241から流入した気体で満たされた密閉空間を形成しているものである。空間キャビティ220に対する流入および流出は、噴射機構210からの噴射流体の流入と、導通孔241からの外気の流入と、排出部250からの脈動流体または断続流体の流出以外はなく、その他は閉鎖されて気密が維持されているものとする。
なお、噴射流体に対して空間キャビティ220内の気体や、噴射流体に対して側方の導通孔241から外気が打ち込まれるため、空間キャビティ220内を通過する液体は外気と混合され、泡沫状の外気混合液に変化し得る。導通孔241からの外気の吹き込みが特に強くなった瞬間、噴射流体が外気により破断されたり薄くなったりする。その結果、通過する噴射流体が脈動流または断続的に途切れたパルス状の泡沫液塊となり得る。特に、噴射流体の形状そのものが元々薄い液膜状のものとして噴射されたものであれば、噴射流体に吹き込まれる外気の流れの強弱が繰り返されることによって切れ目が生じて液塊が形成されやすい。
また、生成された液塊は空間キャビティ220内の気体を巻き込んで押し流しながら下流に向かって排水路150の入り口に到達するが、その間、空間キャビティ220内の気圧は強弱を繰り返しているため、空間キャビティ220内の気圧が比較的強いときには、泡沫液塊が排水路150近くの気体を排水路150に押し込みやすくなり、液塊によって押し込まれた気体が気体塊として排水路150に押し込まれることもあり得る。
本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。従って本発明の技術的範囲は添付された特許請求の範囲の記載によってのみ限定されるものである。