(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095720
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】シートによる建物開口部の導風システム
(51)【国際特許分類】
E04B 1/70 20060101AFI20230629BHJP
【FI】
E04B1/70 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021215575
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】522022775
【氏名又は名称】森上 伸也
(72)【発明者】
【氏名】森上 伸也
(72)【発明者】
【氏名】松原 暢
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DB02
2E001DC00
2E001FA32
2E001GA24
2E001GA26
2E001GA51
2E001NA07
(57)【要約】
【課題】開口部に設けたシートが風によって膨らむ、かつ翻ることで、シートの表裏において風向を室内方向へ変える風向依存性の低いシステムを提供する。
【解決手段】開口部1に対して平行に吹く風6・7の場合、シート4が膨らむことでシート4の表裏においてシート4に沿って風6・7が流れ、風向を室内方向へ変えることができ、逆方向の風8・9になってもシート4が風で翻るため、風向によらず換気が可能になる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物開口部に設置する動的な導風システムであって、
開口部1から任意の角度で最大90度までせり出すことが可能な第1・第2の支柱軸2・3を有し、
前記支柱軸にはウィンドキャッチャーとして展開および折り畳み可能なシート4を有し、
建物5の外周に吹く風6・7の向きを変えて室内に風を導くことが可能なことを特徴とする導風システム。
【請求項2】
前記シート4が風を受けて膨らむことで前記シート4の表裏において室内へ風を導くことが可能なことを特徴とする請求項1に記載の導風システム。
【請求項3】
前記シート4が風に翻ることで開口部1に水平方向の風8・9を室内へ導くことが可能なことを特徴とする請求項1に記載の導風システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内へ風を導入するための好適なシステムに関し、更に詳しくいえば、開口部に設けたシートが風によって膨らむことで、シートの表裏において風向を室内方向へ変えるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の建物では効果的な換気や通風を目的として、建物開口部に平行に吹く風の向きを変え、室内へ導入する特許文献1のような導風システムや室内に風の循環流を発生させる特許文献2といった窓がある。また、建物形状と窓を組み合わせて効果的な換気をはかる特許文献3が提案されている。
【0003】
しかし、上記特許文献1及至3において風の向きを変えるためにせり出しているものは直線的な板や窓ガラスであることから、風を受けている面の裏側では風が渦を巻き、逆流が生じることで効率的な換気が望めないという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【0005】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
さらに上記特許文献1及至3において、例えば、意図とは逆向きの風が吹いた場合には換気が十分に行われないという課題がある。
【0008】
本発明は、シートが風によって膨らむ、かつ翻ることでせり出す面の表裏で風を室内へ導入することができ、風向依存性の低い導風システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に関する導風システムは、建物5の開口部1にシート4を用いた導風システムであって、開口部から鉛直方向へ外開き可能な第1・第2の支柱軸2・3と風を受けて膨らむシート4で構成される。
【発明の効果】
【0010】
開口部1に対して平行に吹く風6・7の場合、シート4が膨らむことでシート4の表裏においてシート4に沿って風6・7が流れ、風向を室内方向へ変えることができ、逆方向の風8・9になってもシート4が風で翻るため、風向によらず換気が可能になる。開口部1に対して垂直に吹く風の場合、シートは流れに逆らわないため、風を妨げずに効果的な換気が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1ないし
図2は本発明に係るウィンドキャッチャーの実施例の斜視図を示す。
図1においてウィンドキャッチャーは開口部1から任意の角度でせり出すことが可能な第1・第2の支柱軸2・3と帆布などのシート4で構成される。
【0013】
前記第1・第2の支柱軸2・3は、図示していないが、それぞれ屋外側に最大90度で任意の角度で滑り出して固定できるように設置される。
【0014】
前記シート4は図示していないが、展開および折り畳めるように設置され、展開時は建物5の外周に吹く風を受けて膨らむように設置される。
【0015】
図3はウィンドキャッチャーの実施例における平面図を示す。
図3において前記シート4が膨らむことで、建物5の外周に吹く風6・7は前記シート4の表裏に沿って流れるように設置される。
【0016】
前記風6・7が逆方向の風8・9になっても前記シート4が風で翻るため、風向によらず換気が可能になるような構成となっている。
【符号の説明】
【0017】
1 開口部
2 第1支柱軸
3 第2支柱軸
4 シート
5 建物
6 シート外側を通過する外周に吹く風
7 シート内側を通過する外周に吹く風
8 シート外側を通過する外周に吹く逆方向の風
9 シート内側を通過する外周に吹く逆方向の風