(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095754
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】スピーカー装置
(51)【国際特許分類】
H04R 1/02 20060101AFI20230629BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20230629BHJP
H04R 1/34 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
H04R1/02 103F
F21V33/00 430
H04R1/34 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125556
(22)【出願日】2022-08-05
(31)【優先権主張番号】P 2021211330
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年5月11日にhttps://www.makuake.com/project/albos_light-and-speaker/で販売情報を公開 [刊行物等] 令和4年5月18日~6月29日にそごう横浜店 5階Makuake SHOPで公開 [刊行物等] 令和4年5月27日~6月29日に蔦屋家電+で公開 [刊行物等] 令和4年5月27日にhttps://store.tsite.jp/tsutayaelectricsplus-futako/event/electronics/26860-1657570526.htmlで公開 [刊行物等] 令和4年6月1日~6月30日、7月12日~7月18日にb8ta有楽町店で公開 [刊行物等] 令和4年5月11日にhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000839.000013943.htmlで公開 [刊行物等] 令和4年5月11日にhttps://news.mynavi.jp/article/20220511-2334078/で公開 [刊行物等] 令和4年5月11日にhttps://www.phileweb.com/news/d-av/202205/11/55380.htmlで公開 [刊行物等] 令和4年5月11日にhttps://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1406827.htmlとhttps://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/1408043.htmlで公開 [刊行物等] 令和4年6月5日にhttps://tokusengai.com/_tags/albosで公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り [刊行物等] 令和4年5月15日にhttps://www.goodspress.jp/news/450484/で公開 [刊行物等] 令和4年5月15日にhttps://dime.jp/genre/1385793/で公開 [刊行物等] 令和4年5月15日にhttps://getnews.jp/archives/3274139/albos11で公開 [刊行物等] 令和4年5月21日にhttps://tabi-labo.com/303485/wt-canon-albosで公開 [刊行物等] 令和4年5月15日にhttps://online.stereosound.co.jp/_tags/albosで公開 [刊行物等] 令和4年5月11日にhttps://getnavi.jp/av-2/739306/で公開 [刊行物等] 令和4年6月3日に株式会社晋遊舎の家電批評2022年7月号の第56~57頁に発表 [刊行物等] 令和4年6月6日に株式会社徳間書店の月刊GoodsPress 2022年7月号の第114頁に発表 [刊行物等] 令和4年6月16日に株式会社ワールドフォトプレスのモノマガジン 2022年7/2号に発表 [刊行物等] 令和4年6月23日に株式会社ワン・パブリッシングのGetNavi22年8月号に発表 [刊行物等] 令和4年8月24日に株式会社 電波新聞社の日刊 電波新聞に発表 [刊行物等] 令和4年5月11日にhttps://www.youtube.com/watch?v=nPk4IP08nGYとhttps://www.youtube.com/watch?v=wGbm7Z4nO4Aで公開
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】弁理士法人ひのき国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 浩之
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 稔
【テーマコード(参考)】
3K014
5D018
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014RB11
5D018AF11
(57)【要約】
【課題】読書や作業などの際の照明器具としての利用、高質な音源声再生を行うための利用の双方で満足を得られるものではなく、柔軟な利用ができなかった。
【解決手段】照明付スピーカー1は、内部にスピーカー125を備えるスピーカーユニット12と、スピーカーユニット12の上方に設けられ、発光部114により光を照射する照明ユニット11と、を有し、照明ユニット11は、発光部114の照射方向に、該照射方向に略円錐状形状に形成された光透過可能なディフューザー115を設け、照明ユニット11は、ディフューザー115の中心とスピーカー125の中心とが対向する姿勢に回動が可能な構成を特徴とする。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にスピーカーを有する第1ユニットと、
前記第1ユニットの上方に設けられ、発光部により光を照射する第2ユニットと、を有し、
前記第2ユニットは、前記発光部の照射方向に、該照射方向に略円錐状形状に形成された光透過可能な拡散板を設け、
前記第2ユニットは、前記拡散板の中心と前記スピーカーの中心とが対向する姿勢に回動が可能なことを特徴とするスピーカー装置。
【請求項2】
前記第1ユニットの下部に接続される第3ユニットと、
前記第3ユニットに回動可能に支持され、先端に前記第2ユニットを回動可能に支持するアームと、
を有することを特徴とする請求項1に記載のスピーカー装置。
【請求項3】
前記第2ユニットの筐体には、前記アームの取り付け部分に前記アームを通す穴が設けられ、
前記アームの径と略同サイズの径の貫通穴を有する遮光シートが、前記筐体の穴から差し込まれた前記アームが前記貫通穴を貫通して、前記筐体の内面に沿って配置され、
前記遮光シートは、前記アームと前記筐体の穴との間に生じる隙間を塞ぐことを特徴とする請求項2に記載のスピーカー装置。
【請求項4】
前記筐体は湾曲した筒状の形状を有し、
前記遮光シートは、前記筐体の内面に沿って湾曲した状態で取り付けされることを特徴とする請求項3に記載のスピーカー装置。
【請求項5】
前記遮光シートは、クッションと、該クッションの両面にクッションより摺動性が高いシートで構成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のスピーカー装置。
【請求項6】
前記アームは、コの字型の形状であり、前記第1ユニットに接触することなく、一方の端が前記第3ユニットに回動可能に支持され、他の端が前記第2ユニットを回動可能に支持することを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載のスピーカー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、持ち運び可能なワイヤレススピーカーなどのスピーカー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、360度に広がる無指向性ワイヤレススピーカーに照明装置を内蔵し、ほのかな光で音楽の情緒性を醸し出したり、音楽と一緒に光量が変化するワイヤレススピーカーが提案されている(例えば、特許文献1)。
また、指向特性のよいスピーカーと照明灯を組み合わせたスピーカー装置が提案されている(例えば、特許文献2)。
【0003】
上述したような従来のワイヤレススピーカーは、卓上の食べ物等を照らすスポットライトとして使用したり、机で読書や作業をするときに使用したりする目的で作られたものではない。しかし、光量を増すことにより、ワイヤレススピーカーとしての利用可能なだけでなく、読書などの際の照明器具としても利用できるようにすることも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-19129号公報
【特許文献2】実用新案登録第3027866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のワイヤレススピーカーは、読書や作業などの利用を目的とするものではないため、ユーザーが希望する任意の場所を照らせるものではなかった。そのため、読書や作業などの際の照明器具としての利用、高質な音源声再生を行うための利用の双方で満足を得られるものではなく、柔軟な利用ができなかった。そこで、ユーザーが希望する任意の場所を照らして読書や作業などの際の照明器具として利用したり、高質な音源声再生を行うために利用したり、多種多様なシーンで利用可能な高性能且つフレキシブルな機器が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内部にスピーカーを有する第1ユニットと、前記第1ユニットの上方に設けられ、発光部により光を照射する第2ユニットと、を有し、前記第2ユニットは、前記発光部の照射方向に、該照射方向に略円錐状形状に形成された光透過可能な拡散板を設け、前記第2ユニットは、前記拡散板の中心と前記スピーカーの中心とが対向する姿勢に回動が可能なことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザーが希望する任意の場所を照らすために利用したり、高質な音源や声の再生を行うために利用したり、多種多様なシーンで利用可能な高性能且つフレキシブルなスピーカー装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図5】照明付スピーカーのバッテリーカバーが脱着位相の一例を示す底面図。
【
図6】照明ユニットの位置や向きを変えて使用する様子を示す図。
【
図7】照明ユニットの位置や向きを変えて使用する様子を示す図。
【
図8】照明ユニットの位置や向きを変えて使用する様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔第1実施形態〕
以下、
図1~
図5を用いて、本実施形態を示す照明付スピーカー1について説明する。なお、本実施形態の照明付スピーカーとして、卓上やデスク等に置いて使用可能なサイズのスピーカーを想定して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ライブハウスやイベント会場等で楽器等を接続して使用可能なものでもよい。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態を示す照明付スピーカーの一例を示す斜視図である。
図1において、(a)は斜め左上方から見た斜視図、(b)は斜め右上方から見た斜視図、(c)は斜め左下方から見た斜視図、(d)は斜め右下方から見た斜視図である。
【0011】
図2は、本実施形態の照明付スピーカーの一例を示す六面図である。
図2において、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は背面図、(e)は平面図、(f)は底面図である。
【0012】
図3は、本実施形態の照明付スピーカーの斜視断面図である。
図4は、本実施形態の照明付スピーカーの断面図である。
図5は、本実施形態の照明付スピーカーのバッテリーカバーが脱着位相の一例を示す底面図である。
【0013】
本実施形態の照明付スピーカー1は、上から照明ユニット11、スピーカーユニット12、バッテリーユニット13、回転台座14を有し、左右にアーム15を有する。
照明ユニット11は、内部に発光部(本実施形態ではLEDライトとするがこれに限定されるものではない)を備え、
図1、
図2の状態で下向きに光を照射する。
【0014】
スピーカーユニット12は、360度に広がる無指向性のスピーカーである。スピーカーユニット12は、上部にメッシュ状カバー121、上向きに配置されたスピーカー125、下部に梁部材122、下向きに配置されたパッシブラジエーター126等を有する。梁部材122には、スリット123が設けられている。スピーカーユニット12は、メッシュ状カバー121及びスリット123から音を出力する。スピーカーユニット12は、梁部材122でバッテリーユニット13に接続されている。
【0015】
バッテリーユニット13は、後述するバッテリーを有し、電力を照明ユニット11及びスピーカーユニット12に供給する。バッテリーユニット13は、回転台座14に対して水平面内(装置の載置面内)を回転方向として回転可能(又は回動可能)である。
【0016】
アーム15は、バッテリーユニット13によって回動可能に支持されており、先端に照明ユニット11を回動可能に支持している。
バッテリーユニット13は、スピーカーユニット12のボディ124と略同径のボディ131を有する。
【0017】
図3、
図4に示すように、バッテリーユニット13は、充電可能なバッテリー132、基板133を有する。基板133には電源回路等が設けられている。なお、バッテリーユニット13の背面には、
図2(d)に示すようにUSB端子138が設けられており、該USB端子138を介してバッテリー132への給電が可能である。なお、USB端子138は例えばタイプCとするが、他の種類の端子でもよい。また、USB端子138を介して外部装置とデータ通信が可能な構成にしてもよい。
【0018】
バッテリーユニット13の底部135には、バッテリー132を交換可能に搭載するための開口部があり、該開口部にバッテリーカバー136が着脱可能に取り付けられている。このバッテリーカバー136を外すことにより、バッテリー132を交換することが可能である。バッテリーユニット13は、回転台座14に回転可能に支持されている。以下、
図5を参照して説明する。
【0019】
図5(a)、
図5(b)に示すように、底部135及びバッテリーカバー136が、回転台座14に対して水平方向に回転(又は回動)する。該回転の際、バッテリーカバー136は、その対角線の交点を中心に回転(又は回動)するように底部135に取り付けられている。
【0020】
なお、本実施形態では、より大型のバッテリーを交換可能に搭載するために、バッテリーカバー136のサイズ(最長部である対角線の長さ(回転直径に対応))を、回転台座14の底部に設けられた穴の径(140a)よりも大きく構成している。そして、
図5(a)に示す位置においてのみ、穴の径をバッテリーカバー136が着脱可能な程度に長くしている(140bのような形状としている)。
【0021】
すなわち、回転台座14に対するバッテリーユニット13の回転位相が
図5(a)の位相、又は、
図5(a)の位相から180度回転した位相では、バッテリーカバー136の角が回転台座14の底部の穴を通り抜け可能である。一方、回転台座14に対するバッテリーユニット13の回転位相が
図5(a)の位相、又は、
図5(a)の位相から180度回転した位相以外では、
図5(b)に示す一例のようにバッテリーカバー136の角が回転台座14の底部の穴に引っ掛かり、通り抜け不可能である。
よって、バッテリーカバー136は、
図5(a)の位相、又は、
図5(a)から180度回転した位相でのみ取り外し可能である。すなわち、バッテリー132は、
図5(a)の位相、又は、
図5(a)から180度回転した位相でのみ交換可能である。
【0022】
このような構成により、バッテリーカバー136のサイズをより大きくすることが可能であり、これにより、より大型のバッテリーを交換可能に搭載することが可能になる。すなわち上述のような構成の照明付スピーカーは、バッテリーカバー136のサイズ(最長部である対角線の長さ)を回転台座14の底部に設けられた穴の径よりも大きくすることができ、より大型のバッテリーを交換可能に搭載することができる。この結果、長時間のバッテリー駆動を可能にし、ユーザビリティを向上することができる。また、回転台座14の底面部の面積をより大きくすることができており、携帯可能な装置として照明付きスピーカー1を載置した場合の安定性を向上することができる。また、特定の回転位相にないとバッテリーカバー136が外れないようにしたことで、携帯している途中で思わぬ衝撃が加わるなどによってバッテリーカバー136が外れてしまう事態になる機会を低減することができる。
【0023】
上記の構成では、バッテリーカバー136は長方形状の形状を成し、その対角線(136a)の交点(136b)が回転台座14に対する回転中心に対応する位置に取り付けられ、回転台座14に設けられた穴は、バッテリーカバー136の対角線の長さよりも短い短径部(140a)と、バッテリーカバー136の対角線の長さよりも長い長径部(140b)を有する形状を成すものであった。そして、回転台座14が特定の回転位相にある場合には、バッテリーカバー136の対角線(136a)が回転台座14の穴の長径部(140b)に位置し、回転台座14が特定の回転位相にない場合には、バッテリーカバー136の対角線(136a)が回転台座14の穴の短径部(140b)に位置するようにすることで、回転台座14が特定の回転位相にある場合(
図5(a)の場合)にのみ、バッテリーカバー136を取り外し可能(すなわちバッテリー132を交換可能)にする構成であった。
【0024】
しかし、バッテリーカバー136の形状は、長方形状の形状に限定されるものではなく、バッテリー132の形状に合わせた他の形状であってもよい。例えば、他の多角形状の形状や、正円でない円状(長径部と短径部と有する円状)の形状等であってもよい。その場合、回転台座14に設けられた穴は、バッテリーカバー136の回転直径よりも短い短径部と、バッテリーカバー136の回転直径よりも長い長径部を有する形状を成すものとする。そして、回転台座14が特定の回転位相にある場合には、バッテリーカバー136の回転直径に対応する部分(すなわち回転中心に対して最も外側にある部分)が回転台座14の穴の長径部に位置し、回転台座14が特定の回転位相にない場合には、バッテリーカバー136の回転直径に対応する部分が回転台座14の穴の短径部に位置するようにする。これにより、回転台座14が特定の回転位相にある場合にのみ、バッテリーカバー136を取り外し可能にし、バッテリー132を交換可能にするものとする。
【0025】
以上のように、本実施形態の照明付スピーカー1は、縦型のワイヤレススピーカーであるとともに、その上部に位置及び照射角度を変更可能な照明部を有し、オーディオとしてのみでなく、読書や作業の照明としても使用することができ、オーディオ機器と照明とを兼ね、大型のバッテリーを搭載することで電源の確保が困難な場所でもより長時間使用することができ、たとえばテーブル用卓上スピーカーとして好適である。なお、照明付スピーカーを例に説明したが、照明ユニット11を備えないスピーカー装置(スピーカーユニット12、バッテリーユニット13及び回転台座14を有するスピーカー装置)にも、本発明は適用可能である。
一般に、照明付きのワイヤレススピーカーの光量を、読書や作業などに十分な光量とする場合、消費電力が大きくなり、大型のバッテリーを搭載する必要がある。また、ワイヤレススピーカーとして使用する場合でも、長時間の使用を可能とするためには大型のバッテリーを搭載する必要があった。また、搭載するバッテリーは、機器を分解することなく交換可能であることが望ましい。従来のワイヤレススピーカーは、読書や作業などの目的で作られたものではないため、このような目的で長時間使用可能な大型のバッテリーを交換可能に搭載可能な構成にはなっていない。なお、機器のサイズを大きくすることで、大型のバッテリーを交換可能に搭載することができるかもしれないが、たとえばテーブル用卓上スピーカー等として不向きなものとなってしまう等の課題があったが、上述のように本実施形態により解決した。
よって、ワイヤレススピーカーとしての外寸が大きくなることを防ぎつつ、大型のバッテリーを搭載したスピーカー装置を提供することができる。そして、ワイヤレススピーカーとして利用可能なだけでなく、読書などの際の照明器具としても利用可能であり、使用場所を選ばず長時間利用可能な照明付スピーカーを提供することができる。
【0026】
〔第2実施形態〕
図6~
図8は、本実施形態のスピーカー装置(照明付スピーカー1)において照明ユニット11の位置や向きを変えて使用する様子を示す図である。
本実施形態の照明付スピーカー1は、内部にスピーカー125を有するスピーカーユニット12(第1ユニット)と、スピーカーユニット12の上方に設けられる照明ユニット11(第2ユニット)と、スピーカーユニット12の下部に接続されるバッテリーユニット13(第3ユニット)と、を有する。照明ユニット11は、内部に発光部(本実施形態ではLEDライト(LED基板114)とするがこれに限定されるものではない)を備え、
図1、
図2の状態で下向きに光を照射する。照明付スピーカー1は、バッテリーユニット13にヒンジ137(
図3、
図4)を内設し、アーム15を回動可能に支持する。また、照明付スピーカー1は、照明ユニット11にヒンジ113(
図3、
図4)を内設し、照明ユニット11を回動可能に支持する。このような構成により、照明付スピーカー1は、アーム15と照明ユニット11が自在に回動可能になっている。このため、ユーザーが希望する任意の場所を照らして読書や作業などの際の照明器具として照明付スピーカー1を利用することが可能である。
【0027】
図9は、照明付スピーカー1の正面図及び断面図である。
図9において、(a)は照明付スピーカー1の正面図であり、(b)は照明付スピーカー1を(a)に示す切断面A-Aで切断した断面図である。
また、(c)は照明付スピーカー1を(a)に示す切断面B-Bで切断した断面図であり、(d)は(c)に示す切断面のDT1部分を拡大した図であり、アーム15が接続する箇所の断面図に相当する。
また、(e)は照明付スピーカー1を(a)に示す切断面C-Cで切断した断面図であり、(f)は(e)に示す切断面のDT2部分を拡大した図であり、アーム15が接続する箇所よりも上部の断面図に相当する。
【0028】
図9の(a)、(b)に示すように、照明ユニット11の下部にはディフューザー115(拡散板)が設けられている。
ディフューザー115は、光透過可能な例えば乳白色の材質で、図に示すように下向き(すなわち照明ユニット11による光の照射方向)の略円錐状形状(テーパー形状)に形成されており、このテーパー形状により、発光部114からの照射光を全方向に拡散する効果を有する。
【0029】
また、ディフューザー115は、
図9のようなディフューザー115の中心とスピーカー125の中心とが対向して略一直線上となる姿勢をとった場合に、上述のテーパー形状により、スピーカー125から出力される音の正面反射を防ぎつつ、発光部114からの照射光を全方向に拡散する効果を有する。また、ディフューザー115を、
図7(c)に示すように、境界115aの部分で曲率が変化する形状とし、光や音を最適な角度で拡散するように構成してもよい。この場合、境界115aの内側は、音の反射に影響ない程度の拡散効果がないフラットな面であってもよい。また、境界115aの内側等にカメラを備える構成であってもよい。
さらに、照明ユニット11の正面に、内部にマイクを有する音声入力部(不図示)等を有する構成でもよい。
【0030】
また、
図6~
図8に示すように、本実施形態の照明付スピーカー1は、例えば、アーム15が鉛直方向を0度として-25度から25度(
図5の角度)の範囲で回動可能、照明ユニット11が
図2に示す状態を0度として-90度から180度(
図8の角度)で回動可能、且つ、回転台座14が360度回動可能となっている。また、照明ユニット11による照明は調光可能であり、例えば、昼白色と暖色を複数段階の明るさで切り替えることができる。そして、本実施形態の照明付スピーカー1は、機器の上部にある照明ユニット11の位置及び照射角度を、機器本体を手で支えることなく片手で容易に変更して、ユーザーが希望する任意の方向を自在に照らすことができる。
なお、上述のように照明ユニット11の位置及び照射角度を変更することにより、スピーカー125から出力される音の反射が変わり、指向性が変わり音質も変わる。すなわち、ユーザーは、照明ユニット11の位置及び照射角度を変更することにより、音質を変更することが可能である。なお、照明ユニット11を円筒形に形成し、ディフューザー115を円錐形状に形成しているため、照明ユニット11の角度を-90度から90度のいずれの角度にしても、スピーカー125の出口と照明ユニット11の面が対面することはない。
【0031】
また、照明ユニット11を
図7に示す90度から
図8に示す180度までの角度に調整し、スピーカー125から出力される音を照明ユニット11の上面で特定の方向に反射させるようにし、スピーカーに指向性を持たせるといった使い方も可能である。指向性を持たせることにより、例えば、ビデオ会議(TV会議)などにおける会話の聞き取りやすさを向上することができる。
このように、ユーザーは、音楽鑑賞、ビデオ会議など、利用用途に応じて、音質や指向性を変えて利用することができる。
【0032】
上述のように、本実施形態の照明付スピーカー1では、照明ユニット11の位置及び照射角度を自在に変更可能な構成を実現するため、照明ユニット11にアーム15が回動可能に取り付けられている。照明ユニット11には、アーム15の取り付け部分にアーム15を通す穴が設けられ、その穴にアーム15が差し込まれる。そのため、アーム15の取り付け部分(上記穴とアーム15との隙間)から照明ユニット11の内部にある照明部(LED基板114)の光が漏れてしまうことが懸念される。これを防止するために、本実施形態では、
図9(d)、(f)のように、照明ユニット11のアーム15の取り付け部分に、
図10に示すような遮光シート900を設けている。
【0033】
遮光シート900は、アーム15の径と略同サイズの径の貫通穴を有するリング状の遮光シートである。遮光シート900は、照明ユニット11の筒状の筐体内面に沿って湾曲するように配置され、その貫通穴にアーム15が貫通し、照明ユニット11の筐体の内面とアーム15先端の接続部の間に挟まれる状態となる。その際、遮光シート900のリング内側とアーム15に隙間が生じないように、アーム15の外径に合わせて作られている。
なお、
図9(d)、(f)では、照明ユニット11の正面右のアーム取り付け部分に、遮光シート900が取り付けられている状態を示しているが、同様に、正面左のアーム取り付け部分にも遮光シート900が取り付けられている。
【0034】
以下、遮光シート900について説明する。
図10は、遮光シート900の構成の一例を説明する図である。
図10において、(a)は遮光シート900の斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)は断面図である。
【0035】
図10(a)、(b)に示すように、遮光シート900は、リング状の形状をしており、リング内側にアーム15が隙間なく貫通するように配置される。
図10(c)に示すように、遮光シート900は、片面PETシート付クッション材901と、遮光テープ902とで構成されている。なお、PETは、ポリエチレンテレフタレート(Polyethyleneterephthalate)の略語である。
【0036】
さらに、
図10(d)に示すように、片面PETシート付クッション材901は、PETフィルム901-1と、ポリウレタンフォーム901-2とで構成されている。
また、遮光テープ902は、黒色ポリステルフィルム902-1と、黒色アクリル系粘着剤902-2とで構成されており、黒色アクリル系粘着剤902-2の粘着力により片面PETシート付クッション材901に貼り付けられている。
【0037】
なお、照明ユニット11にアーム15を取り付ける部分は、可動部分となるため、滑らかな動きが求められる。なお、アーム15の取り付け部分に配置される遮光シート900は、照明ユニット11の筐体内面とアーム15先端の接続部の間に挟まれる状態で配置される。そのため、遮光シート900の黒色ポリステルフィルム902-1の表面を滑りやすい構成とし、摺動性を高くすることで、より滑らかな動きを実現することができる。また、片面PETシート付クッション材901の両面に、摺動性の高い遮光テープ902を貼り付けて、摺動性、遮光性をより高めてもよい。すなわち遮光シート900を、クッション材901と、クッション材901の両面にクッションより摺動性が高いシート(遮光テープ902)を貼り付けた構成としてもよい。
【0038】
このように、照明ユニット11の筐体内面に沿って湾曲可能で、且つ、アーム15の外径が隙間なく挿入可能なリング状の遮光シート900を、照明ユニット11の筐体内面のアーム15の取り付け位置に、該筐体内面に沿って取り付けることにより、アーム15の取り付け部分から照明ユニット11の内部にある照明部の光が漏れてしまうことを防止することができる。
【0039】
なお、本実施形態の照明付スピーカー1では、照明ユニット11の位置及び照射角度を変更するためのアーム15が、バッテリーユニット13と照明ユニット11に接続される構成であり、スピーカーユニット12からは離れている(スピーカーユニット12には接触しない)。すなわち、例えばコの字型の形状のアーム15は、スピーカーユニット12に接触することなく 、一方の端がバッテリーユニット13に回動可能に支持され、他の端が照明ユニット11を回動可能に支持する。そのため、スピーカーユニット12の振動がアーム15を介して照明ユニット11に伝わってしまい、ちらつき等の原因となってしまうことを抑えることができる。特に、照明ユニット11にカメラやマイクを備える構成の場合、照明ユニット11に伝わる振動が、カメラにより撮影された映像の画質や、マイクにより入力された音の音質に影響を及ぼす場合があるが、これら振動による画質や音質への影響を抑えることができる。
【0040】
以上、ワイヤレススピーカーとして利用可能なだけでなく、ユーザーが希望する任意の場所を照らして読書などの際の照明器具としても利用可能であり、持ち運びを可能とし、スタンド型照明の姿勢維持と、機器を支えずに片手で容易に展開できる等の操作性を両立する使い勝手のよい照明付スピーカーを提供することができる。このように、ユーザーが希望する任意の場所を照らすために利用したり、高質な音源声再生を行うために利用したり、多種多様なシーンで利用可能な高性能且つフレキシブルな照明付スピーカーを提供することができる。
【0041】
なお、上述した各種構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0042】
1 照明付スピーカー
11 照明ユニット
12 スピーカーユニット
13 バッテリーユニット
14 回転台座
15 アーム
115 ディフューザー(拡散板)
125 スピーカー
900 遮光シート