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特開2023-95762汚染場所の地下水中のベンゼン類の検出・分析する方法およびその検出・分析装置
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  • 特開-汚染場所の地下水中のベンゼン類の検出・分析する方法およびその検出・分析装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095762
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】汚染場所の地下水中のベンゼン類の検出・分析する方法およびその検出・分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/10 20060101AFI20230629BHJP
   G01N 30/88 20060101ALI20230629BHJP
   G01N 30/72 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
G01N1/10 C
G01N30/88 M
G01N30/72 A
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157614
(22)【出願日】2022-09-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-12
(31)【優先権主張番号】202111597391.6
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521088468
【氏名又は名称】生態環境部南京環境科学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】張孝飛
(72)【発明者】
【氏名】▲とう▼紹坡
(72)【発明者】
【氏名】孔令雅
(72)【発明者】
【氏名】李群
(72)【発明者】
【氏名】周艶
(72)【発明者】
【氏名】姜登登
(72)【発明者】
【氏名】丁達
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA06
2G052AB12
2G052AC04
2G052AD09
2G052AD29
2G052AD42
2G052EA03
2G052EB11
2G052GA27
(57)【要約】      (修正有)
【課題】汚染場所の地下水中のベンゼン類を検出・分析する方法およびその検出・分析装置の提供。
【解決手段】この方法は、S1、汚染処理境界および地下水の水面高さを決定した後水サンプルを収集して検出するサンプルを取得するステップと、S2、検出するサンプルに炭酸銀溶液を加えて反応させた後濾過処理して前処理サンプルを取得するステップと、S3、前処理サンプルを加熱した後パージトラップ装置に配置してパージし、パージされたガスを捕集材料で収集し、最後に捕集材料を加熱して解析ガスを取得するステップと、S4、解析ガスをガスクロマトグラフィー質量分析計に注入して定性・定量分析するステップと、を含み、本発明は設計が合理的であり、地下水中のベンゼン類の検出効率が高く、幅広い普及に適している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
S1、サンプリング
S1-1、汚染場所の汚染処理境界と地下水の水面高さを決定した後、前記汚染処理境界
の内部領域に等間隔で複数の地下水サンプリングポイントを設定し、
S1-2、ステップS1-1で得られた地下水の水面高さに応じて、各前記地下水サンプリ
ングポイントで異なる深さの揚水井を掘削した後、各揚水井内部の地下水を吸い上げて、
検出するサンプルを取得するステップと、
S2、サンプル前処理
ステップS1-2で得られた検出するサンプルに質量濃度15~35%の炭酸銀溶液を加
え十分に攪拌して反応液を得、次に孔径0.30~0.45μmのフィルタ膜で前記反応
液を濾過処理して前処理サンプルを得て、ここで、前記炭酸銀溶液と検出するサンプルの
体積比が1:9~16である、ステップと、
S3、ベンゼン類抽出
S3-1、ステップS2で得られた前処理サンプルを40~90℃に加熱した後、パージ
トラップ装置に配置し、窒素ガスで加熱後の前処理サンプルをパージし、パージされたガ
スをパージトラップ装置中の捕集材料で収集し、前記捕集材料は厚さ55~75μmのポ
リアクリレート固相微量抽出ニードルを採用し、ガスを捕集した捕集材料を収集し、ここ
で、パージトラップ装置のパージ流量を15~35mL/min、パージ温度を80~1
20℃に制御し、
S3-2、ステップS3-1で得られたガスを捕集した捕集材料を260~450℃に加熱
して解析ガスを取得するステップと、
S4、検出・分析
ステップS3-2で得られた解析ガスをガスクロマトグラフィー質量分析計に通して定性
・定量分析を行い、クロマトグラフィーカラムはDB-VRX石英キャピラリーカラムで
あり、チューニングモードはDFTPPチューニングであり、クロマトグラフィー条件は
、キャリアガスが高純度ヘリウムガスであり、流速が1.2mL/minであり、15:
1のスプリットフローで注入され、前入口温度が230℃であり、カラムチャンバー温度
が40℃であり、昇温手順が40℃で2min保持し、20℃/minの速度で250℃
まで昇温して3min保持し、質量分析条件は、イオン源温度が230℃であり、インタ
ーフェース温度が250℃であり、溶媒遅延時間が0.5minであり、イオン検出SC
ANモードを使用して検出・分析結果を得るステップと、
を含むことを特徴とする汚染場所の地下水中のベンゼン類の検出・分析する方法。
【請求項2】
ステップS1-2では、前記検出するサンプルを吸い上げる前に、前記揚水井から水を吸
い上げて井を洗浄する処理を行い、水を吸い上げて井を洗浄する処理の方法は、揚水井の
最大排水量で10~25min連続排水することである、ことを特徴とする請求項1に記
載の方法。
【請求項3】
ステップS2の後、前記前処理サンプルに前処理サンプル体積の20~35%に等しい中
間溶媒を加え、振動して混合し、前記中間溶媒は等量のメタノールとペリレン-d12の
混合物である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップS2の後、前記前処理サンプルを石英光分解管に通し、波長85~165nmの
真空紫外線ランプで前記石英光分解管を25~55min照射処理する、ことを特徴とす
る請求項1に記載の方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法に用いられる検出・分析装置であって、
地下水サンプルを収集するためのサンプリング装置と、検出するサンプルを前処理するた
めの前処理装置と、前処理サンプル中のベンゼン類を抽出するためのパージトラップ装置
と、地下水ベンゼン類を検出・分析するためのガスクロマトグラフィー質量分析計と、を
含み、
前記パージトラップ装置は、装置箱(1)、パージアセンブリ(2)、サンプルインレッ
トアセンブリ(3)、捕集アセンブリ(4)およびPLCコントローラーを含み、前記装
置箱(1)の下端にベース(10)が設けられ、上端に吸気管(11)とサンプルインレ
ット管(12)が設けられ、側壁に排液管(13)が設けられ、前記パージアセンブリ(
2)はパージ箱(20)、ガス収集スリーブ(21)、レベリングディスク(22)およ
びエアポンプ(23)を含み、前記パージ箱(20)は装置箱(1)の一端に固定的に設
けられ、装置箱(1)の内部と連通し、パージ箱(20)の外壁にパージモータ(24)
が設けられ、前記パージモータ(24)の出力軸がパージ箱(20)を貫通し、出力軸に
インペラ(240)が設けられ、前記ガス収集スリーブ(21)は装置箱(1)の内部の
パージ箱(20)に近い側に固定的に設けられ、前記レベリングディスク(22)はガス
収集スリーブ(21)の内部に嵌合され、前記吸気管(11)と連通し、レベリングディ
スク(22)のパージ箱(20)から離れる側に複数の空気噴出ノズル(220)が均一
に分布され、前記エアポンプ(23)はベース(10)に固定的に設けられ、エアポンプ
(23)の出力端は吸気管(11)と連通し、前記サンプルインレットアセンブリ(3)
はサンプルインレットリング(30)、可動ノズル(31)、搖動部材(32)および加
圧ポンプ(33)を含み、前記サンプルインレットリング(30)は装置箱(1)の内部
に可動に係合され、サンプルインレットリング(30)の内部が中空であり、前記サンプ
ルインレット管(12)と連通し、前記可動ノズル(31)は複数あり、各可動ノズル(
31)はサンプルインレットリング(30)の内側に均一に分布され、サンプルインレッ
トリング(30)に可動にヒンジで接続され、各可動ノズル(31)はそれぞれホースを
介してサンプルインレットリング(30)に接続され連通し、前記搖動部材(32)は装
置箱(1)の内部に可動に係合され、各可動ノズル(31)の往復搖動を調節し、前記加
圧ポンプ(33)はベース(10)に固定的に設けられ、加圧ポンプ(33)の出力端は
サンプルインレット管(12)と連通し、前記捕集アセンブリ(4)は取付スリーブ(4
0)および捕集盒(41)を含み、前記取付スリーブ(40)は装置箱(1)の他端に固
定的に設けられ、装置箱(1)の内部に延伸し、前記捕集盒(41)は取付スリーブ(4
0)の内部に可動に係合され、捕集盒(41)に複数の排気穴が均一に設けられ、捕集盒
(41)の内部に捕集材料が可動に係合され、前記PLCコントローラーはそれぞれエア
ポンプ(23)、パージモータ(24)および加圧ポンプ(33)に電気的に接続される
、ことを特徴とする汚染場所の地下水中のベンゼン類の検出・分析装置。
【請求項6】
前記搖動部材(32)は、搖動スリーブ(320)および搖動モータ(321)を含み、
前記搖動スリーブ(320)は接続スリーブ(322)を介して装置箱(1)の内部に回
転可能に係合され、各前記可動ノズル(31)に可動軸(310)が設けられ、搖動スリ
ーブ(320)の側壁の各前記可動軸(310)に対応する位置に円弧状摺動溝(323
)が設けられ、各可動軸(310)はそれぞれ対応位置の円弧状摺動溝(323)内に摺
動可能に係合され、搖動スリーブ(320)の下端にギア溝(324)が設けられ、前記
搖動モータ(321)は装置箱(1)の内部に固定的に設けられ、搖動モータ(321)
の出力軸に駆動ギア(3210)が設けられ、前記駆動ギア(3210)はギア溝(32
4)と噛み合って接続され、搖動モータ(321)はPLCコントローラーに電気的に接
続される、ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下水ベンゼン類研究の技術分野に関し、具体的には、汚染場所の地下水中の
ベンゼン類の検出・分析する方法およびその検出・分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベンゼンは発がん性物質であり、その他のベンゼン類も程度の差こそあれ、ヒトや水生生
物に急性または慢性の毒性を示し、中には腫瘍を伴うものもある。そのため、ベンゼン、
トルエン、エチルベンゼン、p-キシレン、m-キシレン、o-キシレンは、中国の水環境
における優先管理汚染物質に挙げられている。
近年、有害・有毒な有機汚染物質が人の健康や生活環境に与える影響が深刻化しており、
特にベンゼンは水環境中の検出・分析を実施することが非常に重要である。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、汚染場所の地下水中のベンゼン類の検出・分析する方法を提供し、以下のステ
ップを含み:
S1、サンプリング
S1-1、汚染場所の汚染処理境界と地下水の水面高さを決定した後、前記汚染処理境界
の内部領域に等間隔で複数の地下水サンプリングポイントを設定し、
S1-2、ステップS1-1で得られた地下水の水面高さに応じて、各前記地下水サンプリ
ングポイントで異なる深さの揚水井を掘削した後、各揚水井内部の地下水を吸い上げて、
検出するサンプルを取得し、
S2、サンプル前処理
ステップS1-2で得られた検出するサンプルに質量濃度15~35%の炭酸銀溶液を加
え十分に攪拌して反応液を得、次に孔径0.30~0.45μmのフィルタ膜で前記反応
液を濾過処理して前処理サンプルを得、ここで、前記炭酸銀溶液と検出するサンプルの体
積比が1:9~16であり、
S3、ベンゼン類抽出
S3-1、ステップS2で得られた前処理サンプルを40~90℃に加熱した後、パージ
トラップ装置に配置し、窒素ガスで加熱後の前処理サンプルをパージし、パージされたガ
スをパージトラップ装置中の捕集材料で収集し、前記捕集材料は厚さ55~75μmのポ
リアクリレート固相微量抽出ニードルを採用し、ガスを捕集した捕集材料を収集し、ここ
で、パージトラップ装置のパージ流量を15~35mL/min、パージ温度を80~1
20℃に制御し、
S3-2、ステップS3-1で得られたガスを捕集した捕集材料を260~450℃に加熱
して解析ガスを取得し、
S4、検出・分析
ステップS3-2で得られた解析ガスをガスクロマトグラフィー質量分析計に通して定性
・定量分析を行い、クロマトグラフィーカラムはDB-VRX石英キャピラリーカラムで
あり、チューニングモードはDFTPPチューニングであり、クロマトグラフィー条件は
、キャリアガスが高純度ヘリウムガスであり、流速が1.2mL/minであり、15:
1のスプリットフローで注入され、前入口温度が230℃であり、カラムチャンバー温度
が40℃であり、昇温手順が40℃で2min保持し、20℃/minの速度で250℃
まで昇温して3min保持し、質量分析条件は、イオン源温度が230℃であり、インタ
ーフェース温度が250℃であり、溶媒遅延時間が0.5minであり、イオン検出SC
ANモードを使用して検出・分析結果を得る。
本発明の一側面として、ステップS1-2では、前記検出するサンプルを吸い上げる前に
、前記揚水井から水を吸い上げて井を洗浄する処理を行い、具体的には、揚水井の最大排
水量で10~25min連続排水する。
説明すると、揚水井を利用して井を洗浄する処理によって、地下水中のベンゼン類の含有
量を安定させ、地下水中のベンゼン類の検出結果の精度を向上させることができる。
本発明の一側面として、ステップS2の後、前記前処理サンプルに前処理サンプル体積の
20~35%に等しい中間溶媒を加え、振動して混合し、前記中間溶媒は等量のメタノー
ルとペリレン-d12の混合物である。
説明すると、前処理サンプルにメタノールとペリレン-d12の混合物である中間溶媒を
加えることによって、前処理サンプル中のベンゼン類の分散安定性および均一性を高め、
本発明の検出・分析する方法の精度と精密度を向上させることができる。
本発明の一側面として、ステップS1-2では、揚水井の深さが等差数列に設定され、揚
水井の深さが8~16mである。
説明すると、異なる深さの地下水を吸い上げることで、異なる深さの地下水中のベンゼン
類の含有量の差による検出・分析結果に対する干渉を排除して、検出・分析結果の精度を
向上させることができる。
本発明の一側面として、ステップS4の後、ブランクスパイク実験および並行実験を行い
、ブランクスパイク実験の各化合物の相対的偏差値が20%未満、回収率が70~130
%であり、並行実験サンプルの相対的偏差値が30%未満、水サンプルのマトリックスス
パイク回収率が70~130%である。
説明すると、ブランクスパイク実験と並行実験を行うことによって、外部環境要因による
検出・分析結果に対する影響を回避して、検出・分析結果の精度と信頼性を向上させるこ
とができる。
本発明の一側面として、ステップS2の後、ステップS2の後、前記前処理サンプルを石
英光分解管に通し、波長85~165nmの真空紫外線ランプで前記石英光分解管を25
~55min照射処理する。
説明すると、前処理サンプルを光解処理することによって、前処理サンプル中の無機ハロ
ゲンイオンを除去し、地下水中のベンゼン類のパージトラップに良好な基盤を構築する。
本発明は、汚染場所の地下水中のベンゼン類の検出・分析装置をさらに提供し、この装置
は、地下水サンプルを収集するためのサンプリング装置と、検出するサンプルを前処理す
るための前処理装置と、前処理サンプル中のベンゼン類を抽出するためのパージトラップ
装置と、地下水ベンゼン類を検出・分析するためのガスクロマトグラフィー質量分析計と
、を含み、パージトラップ装置は、装置箱、パージアセンブリ、サンプルインレットアセ
ンブリ、捕集アセンブリおよびPLCコントローラーを含み、前記装置箱の下端にベース
が設けられ、上端に吸気管とサンプルインレット管が設けられ、側壁に排液管が設けられ
、前記パージアセンブリはパージ箱、ガス収集スリーブ、レベリングディスクおよびエア
ポンプを含み、前記パージ箱は装置箱の一端に固定的に設けられ、装置箱の内部と連通し
、パージ箱の外壁にパージモータが設けられ、前記パージモータの出力軸がパージ箱を貫
通し、出力軸にインペラが設けられ、前記ガス収集スリーブは装置箱の内部のパージ箱に
近い側に固定的に設けられ、前記レベリングディスクはガス収集スリーブの内部に嵌合さ
れ、前記吸気管と連通し、レベリングディスクのパージ箱から離れる側に複数の空気噴出
ノズルが均一に分布され、前記エアポンプはベースに固定的に設けられ、エアポンプの出
力端は吸気管と連通し、前記サンプルインレットアセンブリはサンプルインレットリング
、可動ノズル、搖動部材および加圧ポンプを含み、前記サンプルインレットリングは装置
箱の内部に可動に係合され、サンプルインレットリングの内部が中空であり、前記サンプ
ルインレット管と連通し、前記可動ノズルは複数あり、各可動ノズルはサンプルインレッ
トリングの内側に均一に分布され、サンプルインレットリングに可動にヒンジで接続され
、各可動ノズルはそれぞれホースを介してサンプルインレットリングに接続され連通し、
前記搖動部材は装置箱の内部に可動に係合され、各可動ノズルの往復搖動を調節し、前記
加圧ポンプはベースに固定的に設けられ、加圧ポンプの出力端はサンプルインレット管と
連通し、前記捕集アセンブリは取付スリーブおよび捕集盒を含み、前記取付スリーブは装
置箱の他端に固定的に設けられ、装置箱の内部に延伸し、前記捕集盒は取付スリーブの内
部に可動に係合され、捕集盒に複数の排気穴が均一に設けられ、捕集盒の内部に捕集材料
が可動に係合され、前記PLCコントローラーはそれぞれエアポンプ、パージモータおよ
び加圧ポンプに電気的に接続される。
本発明の一側面として、搖動部材は、搖動スリーブおよび搖動モータを含み、前記搖動ス
リーブは接続スリーブを介して装置箱の内部に回転可能に係合され、各前記可動ノズルに
可動軸が設けられ、搖動スリーブの側壁の各前記可動軸に対応する位置に円弧状摺動溝が
設けられ、各可動軸はそれぞれ対応位置の円弧状摺動溝内に摺動可能に係合され、搖動ス
リーブの下端にギア溝が設けられ、前記搖動モータは装置箱の内部に固定的に設けられ、
搖動モータの出力軸に駆動ギアが設けられ、前記駆動ギアはギア溝と噛み合って接続され
、搖動モータはPLCコントローラーに電気的に接続される。
説明すると、搖動モータによって搖動スリーブを往復搖動させることによって、各可動ノ
ズルがサンプルインレットリング内で往復搖動し、サンプルインレットリング内側の地下
水サンプルがより均一に分布し、ベンゼン類のパージトラップ効率を向上させることがで
きる。
改良の技術手段として、捕集材料と捕集盒の接続部に制限バッフルが設けられる。
説明すると、制限バッフルを設けることで、捕集材料と捕集盒の接続安定性を高め、捕集
材料の作用効果を向上させることができる。
好ましくは、レベリングディスク内部に2~4の吸気通路が設けられ、各吸気通路間が連
通し、空気噴出ノズルが各吸気通路の位置に対応して互いに連通する。
説明すると、複数の吸気通路を設けることで、各空気噴出ノズルの噴出均一性を高め、地
下水中のベンゼン類パージ効率を向上させることができる。
本発明のパージトラップ装置の動作原理は以下のステップを含み:
S1、エアポンプ、パージモータと加圧ポンプをそれぞれ外部電源に接続させ、
S2、PLCコントローラーによってエアポンプ、パージモータおよび加圧ポンプの開き
を制御し、窒素ガスをエアポンプで加圧された後吸気管を介してレベリングディスクに通
し、加圧後の窒素ガスが空気噴出ノズルから噴出され、PLCコントローラーによってパ
ージモータの開きを制御し、パージモータによってインペラを回転させ、窒素ガスの気流
速度を高め、
S3、地下水サンプルが加圧ポンプで加圧された後サンプルインレット管を介してサンプ
ルインレットリングに通し、加圧後の地下水サンプルが可動ノズルから噴出され、地下水
中のベンゼン類が加圧後の窒素ガスでパージされた後、捕集盒方向に移動し、
S4、捕集盒内部の捕集材料で窒素ガスによってパージされたベンゼン類を吸着し、吸着
後、捕集材料を取り除いて次の検出を実行すればよく、パージ済の地下水サンプルを排液
管を介して装置箱に排出する。
【0004】
従来技術と比較すると、本発明は以下の有益な効果を有する。
第1、本発明はパージトラップとガスクロマトグラフィー質量分析を組み合わせて汚染場
所の地下水中のベンゼン類を検出および分析し、検出限界が低く、検出感度が高く、精度
が高いという利点を有し、地下水汚染の処理の推進に有意義である。
第2、本発明サンプリング過程では、異なる深さの地下水サンプルを収集するとともに、
収集された地下水サンプル中の無機ハロゲンイオンを除去することによって、外部環境要
因による検出・分析結果に対する干渉を減少し、検出・分析結果の精度を向上させること
ができる。
第3、本発明のパージトラップ装置により地下水サンプル中の揮発性ベンゼン類を最大限
に吹き出し、ガスクロマトグラフィー質量分析検出・分析に良好な条件を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明のパージトラップ装置の縦断面図である。
図2】本発明のパージトラップ装置の上面図である。
図3】本発明のレベリングディスクの内部構造の概略図である。
図4】本発明の搖動スリーブと可動ノズルの接続概略図である。
図5】本発明の搖動スリーブの構造概略図である。
【0006】
[符号の説明]
1 装置箱
10 ベース
11 吸気管
12 サンプルインレット管
13 排液管
2 パージアセンブリ
20 パージ箱
21 ガス収集スリーブ
22 レベリングディスク
220 空気噴出ノズル
221 吸気通路
23 エアポンプ
24 パージモータ
240 インペラ
3 サンプルインレットアセンブリ
30 サンプルインレットリング
31 可動ノズル
310 可動軸
32 搖動部材
320 搖動スリーブ
321 搖動モータ
3210 駆動ギア
322 接続スリーブ
323 円弧状摺動溝
324 ギア溝
33 加圧ポンプ
4 捕集アセンブリ
40 取付スリーブ
41 捕集盒
42 制限バッフル
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施例1
汚染場所の地下水中のベンゼン類の検出・分析する方法は、以下のステップを含み:
S1、サンプリング
S1-1、汚染場所の汚染処理境界と地下水の水面高さを決定した後、汚染処理境界の内
部領域に等間隔で9つの地下水サンプリングポイントを設定し、揚水井の深さが等差数列
に設定され、揚水井の深さが順次、8m、9m、10m、11m、12m、13m、14
m、15m、16mであり、
S1-2、ステップS1-1で得られた地下水の水面高さに応じて、各地下水サンプリング
ポイントで異なる深さの揚水井を掘削した後、各揚水井内部の地下水を吸い上げて、検出
するサンプルを取得し、
S2、サンプル前処理
ステップS1-2で得られた検出するサンプルに質量濃度15%の炭酸銀溶液を加え十分
に攪拌して反応液を得、次に孔径0.30μmのフィルタ膜で反応液を濾過処理して前処
理サンプルを得、ここで、炭酸銀溶液と検出するサンプルの体積比が1:9であり、
S3、ベンゼン類抽出
S3-1、ステップS2で得られた前処理サンプルを40℃に加熱した後、パージトラッ
プ装置に配置し、窒素ガスで加熱後の前処理サンプルをパージし、パージされたガスをパ
ージトラップ装置中の捕集材料で収集し、捕集材料は厚さ55μmのポリアクリレート固
相微量抽出ニードルを採用し、ガスを捕集した捕集材料を収集し、ここで、パージトラッ
プ装置のパージ流量を15mL/min、パージ温度を80℃に制御し、
S3-2、ステップS3-1で得られたガスを捕集した捕集材料を260℃に加熱して解析
ガスを取得し、
S4、検出・分析
ステップS3-2で得られた解析ガスをガスクロマトグラフィー質量分析計に通して定性
・定量分析を行い、クロマトグラフィーカラムはDB-VRX石英キャピラリーカラムで
あり、チューニングモードはDFTPPチューニングであり、クロマトグラフィー条件は
、キャリアガスが高純度ヘリウムガスであり、流速が1.2mL/minであり、15:
1のスプリットフローで注入され、前入口温度が230℃であり、カラムチャンバー温度
が40℃であり、昇温手順が40℃で2min保持し、20℃/minの速度で250℃
まで昇温して3min保持し、質量分析条件は、イオン源温度が230℃であり、インタ
ーフェース温度が250℃であり、溶媒遅延時間が0.5minであり、イオン検出SC
ANモードを使用して検出・分析結果を得る
【0008】
実施例2
汚染場所の地下水中のベンゼン類の検出・分析する方法は、以下のステップを含み:
S1、サンプリング
S1-1、汚染場所の汚染処理境界と地下水の水面高さを決定した後、汚染処理境界の内
部領域に等間隔で17個の地下水サンプリングポイントを設定し、揚水井の深さが等差数
列に設定され、揚水井の深さが順次、8m、8.5m、9m、9.5m、10m、10.
5m、11m、11.5m、12m、12.5m、13m、13.5m、14m、14.
5m、15m、15.5m、16mであり、
S2、サンプル前処理
ステップS1-2で得られた検出するサンプルに質量濃度23%の炭酸銀溶液を加え十分
に攪拌して反応液を得、次に孔径0.41μmのフィルタ膜で反応液を濾過処理して前処
理サンプルを得、ここで、炭酸銀溶液と検出するサンプルの体積比が1:12であり、
S3、ベンゼン類抽出
S3-1、ステップS2で得られた前処理サンプルを70℃に加熱した後、パージトラッ
プ装置に配置し、窒素ガスで加熱後の前処理サンプルをパージし、パージされたガスをパ
ージトラップ装置中の捕集材料で収集し、捕集材料は厚さ65μmのポリアクリレート固
相微量抽出ニードルを採用し、ガスを捕集した捕集材料を収集し、ここで、パージトラッ
プ装置のパージ流量を26mL/min、パージ温度を105℃に制御し、
S3-2、ステップS3-1で得られたガスを捕集した捕集材料を380℃に加熱して解析
ガスを取得し、
S4、検出・分析
ステップS3-2で得られた解析ガスをガスクロマトグラフィー質量分析計に通して定性
・定量分析を行い、クロマトグラフィーカラムはDB-VRX石英キャピラリーカラムで
あり、チューニングモードはDFTPPチューニングであり、クロマトグラフィー条件は
、キャリアガスが高純度ヘリウムガスであり、流速が1.2mL/minであり、15:
1のスプリットフローで注入され、前入口温度が230℃であり、カラムチャンバー温度
が40℃であり、昇温手順が40℃で2min保持し、20℃/minの速度で250℃
まで昇温して3min保持し、質量分析条件は、イオン源温度が230℃であり、インタ
ーフェース温度が250℃であり、溶媒遅延時間が0.5minであり、イオン検出SC
ANモードを使用して検出・分析結果を得る。
【0009】
実施例3
汚染場所の地下水中のベンゼン類の検出・分析する方法は、以下のステップを含み:
S1、サンプリング
S1-1、汚染場所の汚染処理境界と地下水の水面高さを決定した後、汚染処理境界の内
部領域に等間隔で11個の地下水サンプリングポイントを設定し、揚水井の深さが等差数
列に設定され、揚水井の深さが順次、8m、8.8m、9.6m、10.4m、11.2
m、12m、12.8m、13.6m、14.4m、15.2m、16mであり、
S1-2、ステップS1-1で得られた地下水の水面高さに応じて、各地下水サンプリング
ポイントで異なる深さの揚水井を掘削した後、各揚水井内部の地下水を吸い上げて、検出
するサンプルを取得し、
S2、サンプル前処理
ステップS1-2で得られた検出するサンプルに質量濃度35%の炭酸銀溶液を加え十分
に攪拌して反応液を得、次に孔径0.45μmのフィルタ膜で反応液を濾過処理して前処
理サンプルを得、ここで、炭酸銀溶液と検出するサンプルの体積比が1:16であり、
S3、ベンゼン類抽出
S3-1、ステップS2で得られた前処理サンプルを90℃に加熱した後、パージトラッ
プ装置に配置し、窒素ガスで加熱後の前処理サンプルをパージし、パージされたガスをパ
ージトラップ装置中の捕集材料で収集し、捕集材料は厚さ75μmのポリアクリレート固
相微量抽出ニードルを採用し、ガスを捕集した捕集材料を収集し、ここで、パージトラッ
プ装置のパージ流量を35mL/min、パージ温度を120℃に制御し、
S3-2、ステップS3-1で得られたガスを捕集した捕集材料を450℃に加熱して解析
ガスを取得し、
S4、検出・分析
ステップS3-2で得られた解析ガスをガスクロマトグラフィー質量分析計に通して定性
・定量分析を行い、クロマトグラフィーカラムはDB-VRX石英キャピラリーカラムで
あり、チューニングモードはDFTPPチューニングであり、クロマトグラフィー条件は
、キャリアガスが高純度ヘリウムガスであり、流速が1.2mL/minであり、15:
1のスプリットフローで注入され、前入口温度が230℃であり、カラムチャンバー温度
が40℃であり、昇温手順が40℃で2min保持し、20℃/minの速度で250℃
まで昇温して3min保持し、質量分析条件は、イオン源温度が230℃であり、インタ
ーフェース温度が250℃であり、溶媒遅延時間が0.5minであり、イオン検出SC
ANモードを使用して検出・分析結果を得る。
【0010】
実施例4
本実施例は以下の点で実施例1と異なり:
ステップS1-2では、検出するサンプルを吸い上げる前に、揚水井から水を吸い上げて
井を洗浄する処理を行い、具体的には、揚水井の最大排水量で10min連続排水し、最
後に各揚水井内部の地下水を吸い上げて検出するサンプルを取得する。
【0011】
実施例5
本実施例は以下の点で実施例4と異なり:揚水井の最大排水量で25min連続排水する
【0012】
実施例6
本実施例は以下の点で実施例4と異なり:
ステップS2の後、前処理サンプルに前処理サンプル体積の20%に等しい中間溶媒を加
え、振動して混合し、中間溶媒は等量のメタノールとペリレン-d12の混合物である。
【0013】
実施例7
本実施例は以下の点で実施例6と異なり:前処理サンプルに前処理サンプルの体積の35
%に等しい中間溶媒を加える。
【0014】
実施例8
本実施例は以下の点で実施例6と異なり:
ステップS2の後、前処理サンプルを石英光分解管に通し、波長85nmの真空紫外線ラ
ンプで石英光分解管を25min照射処理する。
【0015】
実施例9
本実施例は以下の点で実施例8と異なり:波長165nmの真空紫外線ランプで石英光分
解管を55min照射処理する。
【0016】
実施例10
本実施例は、実施例1~9の検出・分析する方法に適用される汚染場所の地下水中のベン
ゼン類の検出・分析装置を提供し、
図1および図2に示すように、地下水サンプルを収集するためのサンプリング装置と、検
出するサンプルを前処理するための、従来技術の限外ろ過膜濾過装置である前処理装置と
、前処理サンプル中のベンゼン類を抽出するためのパージトラップ装置と、地下水ベンゼ
ン類を検出・分析のガスクロマトグラフィー質量分析計を含み、パージトラップ装置は、
装置箱1、パージアセンブリ2、サンプルインレットアセンブリ3、捕集アセンブリ4お
よびPLCコントローラーを含み、装置箱1の下端にベース10が設けられ、上端に吸気
管11とサンプルインレット管12が設けられ、側壁に排液管13が設けられ、パージア
センブリ2はパージ箱20、ガス収集スリーブ21、レベリングディスク22およびエア
ポンプ23を含み、パージ箱20は装置箱1の一端に固定的に設けられ、装置箱1の内部
と連通し、パージ箱20の外壁にパージモータ24が設けられ、パージモータ24の出力
軸がパージ箱20を貫通し、出力軸にインペラ240が設けられ、ガス収集スリーブ21
は装置箱1の内部のパージ箱20に近い側に固定的に設けられ、レベリングディスク22
はガス収集スリーブ21の内部に嵌合され、吸気管11と連通し、レベリングディスク2
2のパージ箱20から離れる側に複数の空気噴出ノズル220が均一に分布され、エアポ
ンプ23はベース10に固定的に設けられ、エアポンプ23の出力端は吸気管11と連通
し、サンプルインレットアセンブリ3はサンプルインレットリング30、可動ノズル31
、搖動部材32および加圧ポンプ33を含み、サンプルインレットリング30は装置箱1
の内部に可動に係合され、サンプルインレットリング30の内部が中空であり、サンプル
インレット管12と連通し、可動ノズル31は複数あり、各可動ノズル31はサンプルイ
ンレットリング30の内側に均一に分布され、サンプルインレットリング30に可動にヒ
ンジで接続され、各可動ノズル31はそれぞれホースを介してサンプルインレットリング
30に接続され連通し、搖動部材32は装置箱1の内部に可動に係合され、各可動ノズル
31の往復搖動を調節し、加圧ポンプ33はベース10に固定的に設けられ、加圧ポンプ
33の出力端はサンプルインレット管12と連通し、捕集アセンブリ4は取付スリーブ4
0および捕集盒41を含み、取付スリーブ40は装置箱1の他端に固定的に設けられ、装
置箱1の内部に延伸し、捕集盒41は取付スリーブ40の内部に可動に係合され、捕集盒
41に複数の排気穴が均一に設けられ、捕集盒41の内部に捕集材料が可動に係合され、
PLCコントローラーはそれぞれエアポンプ23、パージモータ24および加圧ポンプ3
3に電気的に接続され、PLCコントローラー、エアポンプ23、パージモータ24およ
び加圧ポンプ33はいずれも市販品である。
捕集材料と捕集盒41の接続部に制限バッフル42が設けられ、制限バッフル42を設け
ることで、捕集材料と捕集盒41の接続安定性を高め、捕集材料の作用効果を向上させる
ことができる。
図1図4および図5に示すように、搖動部材32は、搖動スリーブ320と搖動モータ
321を含み、搖動スリーブ320は接続スリーブ322を介して装置箱1内部に回転可
能に係合され、各可動ノズル31に可動軸310が設けられ、搖動スリーブ320側壁の
各可動軸310に対応する位置に円弧状摺動溝323が設けられ、各可動軸310はそれ
ぞれ対応位置の円弧状摺動溝323内に摺動可能に係合され、搖動スリーブ320下端に
ギア溝324が設けられ、搖動モータ321は装置箱1内部に固定的に設けられ、搖動モ
ータ321の出力軸に駆動ギア3210が設けられ、駆動ギア3210はギア溝324と
噛み合って接続され、搖動モータ321はPLCコントローラーに電気的に接続され、搖
動モータ321によって搖動スリーブ320を往復搖動させ、各可動ノズル31がサンプ
ルインレットリング30内で往復搖動し、サンプルインレットリング30内側の地下水サ
ンプルがより均一に分布され、ベンゼン類のパージトラップ効率を高め、PLCコントロ
ーラーは搖動モータ321に電気的に接続され、搖動モータ321は市販品である。
図3に示すように、レベリングディスク22の内部に3つの吸気通路221が設けられ、
各吸気通路221間が互い連通し、空気噴出ノズル220は各吸気通路221の位置に対
応し互いに連通し、複数の吸気通路221を設けることで、各空気噴出ノズル220の噴
出均一性を高め、地下水中のベンゼン類パージ効率を向上させることができる。
【0017】
試験例
それぞれ本発明の実施例1、2、3、4、6、9の方法を使用して中国南部のある化学工
場の地下水中のベンゼン類を検出・分析し、結果を表1に示す。
表1 各実施例の地下水中のベンゼン類検出結果に対する影響

【0018】
表1のデータから分かるように、実施例4は実施例1の技術手段よりも、揚水井の洗浄処
理を行うことで、地下水中のベンゼン類の含有量を安定させ、地下水中のベンゼン類検出
結果の精度を高め、異なる深さの地下水を吸い上げることで、異なる深さ地下水中のベン
ゼン類の含有量の差による検出・分析結果に対する干渉を排除して、検出・分析結果の精
度を向上させることができ、
実施例6は実施例1よりも、前処理サンプルにメタノールとペリレン-d12の混合物で
ある中間溶媒を加えることによって、前処理サンプル中のベンゼン類分散の安定性と均一
性を変化させ、本発明の検出・分析する方法の精度および精密度を向上させることができ

実施例9は実施例1よりも、前処理サンプルを光分解処理することで、前処理サンプル中
の無機ハロゲンイオンを除去して、地下水中のベンゼン類のパージトラップに良好な基盤
を構築することができる。
同時に、本発明のパージトラップ装置により地下水中のベンゼン類の捕集をより完全かつ
徹底的であり、搖動モータによって搖動スリーブを往復搖動させ、各可動ノズルがサンプ
ルインレットリング内で往復搖動し、サンプルインレットリング内側の地下水サンプルが
より均一に分布され、ベンゼン類のパージトラップ効率を高め、制限バッフルの設定によ
って、捕集材料と捕集盒の接続安定性を高め、捕集材料の作用効果を向上させ、複数の吸
気通路を設けることで、各空気噴出ノズルの噴出均一性を高め、地下水中のベンゼン類パ
ージ効率を向上させ、
実施例9は実施例1、2、3、4、6よりも、各パラメータ条件を総合的に最適化するこ
とで、汚染場所の地下水中のベンゼン類の検出限界、精密度および精度がいずれも最良状
態に達することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-12-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
S1、サンプリング
S1-1、汚染場所の汚染処理境界と地下水の水面高さを決定した後、前記汚染処理境界
の内部領域に等間隔で複数の地下水サンプリングポイントを設定し、
S1-2、ステップS1-1で得られた地下水の水面高さに応じて、各前記地下水サンプリ
ングポイントで異なる深さの揚水井を掘削した後、各揚水井内部の地下水を吸い上げて、
検出するサンプルを取得するステップと、
S2、サンプル前処理
ステップS1-2で得られた検出するサンプルに質量濃度15~35%の炭酸銀溶液を加
え十分に攪拌して反応液を得、次に孔径0.30~0.45μmのフィルタ膜で前記反応
液を濾過処理して前処理サンプルを得て、ここで、前記炭酸銀溶液と検出するサンプルの
体積比が1:9~16である、ステップと、
S3、ベンゼン類抽出
S3-1、ステップS2で得られた前処理サンプルを40~90℃に加熱した後、パージ
トラップ装置に配置し、窒素ガスで加熱後の前処理サンプルをパージし、パージされたガ
スをパージトラップ装置中の捕集材料で収集し、前記捕集材料は厚さ55~75μmのポ
リアクリレート固相微量抽出ニードルを採用し、ガスを捕集した捕集材料を収集し、ここ
で、パージトラップ装置のパージ流量を15~35mL/min、パージ温度を80~1
20℃に制御し、
S3-2、ステップS3-1で得られたガスを捕集した捕集材料を260~450℃に加熱
して解析ガスを取得するステップと、
S4、検出・分析
ステップS3-2で得られた解析ガスをガスクロマトグラフィー質量分析計に通して定性
・定量分析を行い、クロマトグラフィーカラムはDB-VRX石英キャピラリーカラムで
あり、チューニングモードはDFTPPチューニングであり、クロマトグラフィー条件は
、キャリアガスが高純度ヘリウムガスであり、流速が1.2mL/minであり、15:
1のスプリットフローで注入され、前入口温度が230℃であり、カラムチャンバー温度
が40℃であり、昇温手順が40℃で2min保持し、20℃/minの速度で250℃
まで昇温して3min保持し、質量分析条件は、イオン源温度が230℃であり、インタ
ーフェース温度が250℃であり、溶媒遅延時間が0.5minであり、イオン検出SC
ANモードを使用して検出・分析結果を得るステップと、
を含む汚染場所の地下水中のベンゼン類の検出・分析する方法に用いられる検出・分析装
置であって、
地下水サンプルを収集するためのサンプリング装置と、検出するサンプルを前処理するた
めの前処理装置と、前処理サンプル中のベンゼン類を抽出するためのパージトラップ装置
と、地下水ベンゼン類を検出・分析するためのガスクロマトグラフィー質量分析計と、を
含み、
前記パージトラップ装置は、装置箱(1)、パージアセンブリ(2)、サンプルインレッ
トアセンブリ(3)、捕集アセンブリ(4)およびPLCコントローラーを含み、前記装
置箱(1)の下端にベース(10)が設けられ、上端に吸気管(11)とサンプルインレ
ット管(12)が設けられ、側壁に排液管(13)が設けられ、前記パージアセンブリ(
2)はパージ箱(20)、ガス収集スリーブ(21)、レベリングディスク(22)およ
びエアポンプ(23)を含み、前記パージ箱(20)は装置箱(1)の一端に固定的に設
けられ、装置箱(1)の内部と連通し、パージ箱(20)の外壁にパージモータ(24)
が設けられ、前記パージモータ(24)の出力軸がパージ箱(20)を貫通し、出力軸に
インペラ(240)が設けられ、前記ガス収集スリーブ(21)は装置箱(1)の内部の
パージ箱(20)に近い側に固定的に設けられ、前記レベリングディスク(22)はガス
収集スリーブ(21)の内部に嵌合され、前記吸気管(11)と連通し、レベリングディ
スク(22)のパージ箱(20)から離れる側に複数の空気噴出ノズル(220)が均一
に分布され、前記エアポンプ(23)はベース(10)に固定的に設けられ、エアポンプ
(23)の出力端は吸気管(11)と連通し、前記サンプルインレットアセンブリ(3)
はサンプルインレットリング(30)、可動ノズル(31)、搖動部材(32)および加
圧ポンプ(33)を含み、前記サンプルインレットリング(30)は装置箱(1)の内部
に可動に係合され、サンプルインレットリング(30)の内部が中空であり、前記サンプ
ルインレット管(12)と連通し、前記可動ノズル(31)は複数あり、各可動ノズル(
31)はサンプルインレットリング(30)の内側に均一に分布され、サンプルインレッ
トリング(30)に可動にヒンジで接続され、各可動ノズル(31)はそれぞれホースを
介してサンプルインレットリング(30)に接続され連通し、前記搖動部材(32)は装
置箱(1)の内部に可動に係合され、各可動ノズル(31)の往復搖動を調節し、前記加
圧ポンプ(33)はベース(10)に固定的に設けられ、加圧ポンプ(33)の出力端は
サンプルインレット管(12)と連通し、前記捕集アセンブリ(4)は取付スリーブ(4
0)および捕集盒(41)を含み、前記取付スリーブ(40)は装置箱(1)の他端に固
定的に設けられ、装置箱(1)の内部に延伸し、前記捕集盒(41)は取付スリーブ(4
0)の内部に可動に係合され、捕集盒(41)に複数の排気穴が均一に設けられ、捕集盒
(41)の内部に捕集材料が可動に係合され、前記PLCコントローラーはそれぞれエア
ポンプ(23)、パージモータ(24)および加圧ポンプ(33)に電気的に接続される

ことを特徴とする汚染場所の地下水中のベンゼン類の検出・分析装置
【請求項2】
前記搖動部材(32)は、搖動スリーブ(320)および搖動モータ(321)を含み、
前記搖動スリーブ(320)は接続スリーブ(322)を介して装置箱(1)の内部に回
転可能に係合され、各前記可動ノズル(31)に可動軸(310)が設けられ、搖動スリ
ーブ(320)の側壁の各前記可動軸(310)に対応する位置に円弧状摺動溝(323
)が設けられ、各可動軸(310)はそれぞれ対応位置の円弧状摺動溝(323)内に摺
動可能に係合され、搖動スリーブ(320)の下端にギア溝(324)が設けられ、前記
搖動モータ(321)は装置箱(1)の内部に固定的に設けられ、搖動モータ(321)
の出力軸に駆動ギア(3210)が設けられ、前記駆動ギア(3210)はギア溝(32
4)と噛み合って接続され、搖動モータ(321)はPLCコントローラーに電気的に接
続される、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。