IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社パイロットコーポレーションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095775
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/00 20060101AFI20230629BHJP
   A63H 33/42 20060101ALI20230629BHJP
   A63F 9/12 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
A63H33/00 Z
A63H33/42 Z
A63F9/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177139
(22)【出願日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】P 2021211616
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】303022891
【氏名又は名称】株式会社パイロットコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112900
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 路子
(74)【代理人】
【識別番号】100163164
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 敏之
(72)【発明者】
【氏名】土井 菜摘子
(72)【発明者】
【氏名】安藤 正史
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 あい
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150CA20
2C150EH09
2C150EH16
2C150FB14
2C150FB43
2C150FD08
(57)【要約】
【課題】耐久性が良好で、かつ、衛生的な玩具を提供すること。
【解決手段】内容物7と、内容物の外周側を覆うように配置される複数の外皮22と、を備える。外皮が、元部側を内容物に連結されるとともに、先端側を内容物から離隔させるように、内容物に対して剥離可能に構成される。内容物が、合成樹脂製とされ、外皮が、ゴム状弾性を有した軟質合成樹脂製とされて、剥離時に撓んで、内容物を露出可能に、構成される。内容物の外表面若しくは外皮の内表面の一方であって、少なくとも先端近傍となる領域に、内容物側若しくは外皮側に向かって突出するような突状体が、外皮の剥離方向に略沿うような長尺状として、形成される。内容物の外表面若しくは外皮の内表面の他方であって、少なくとも先端近傍となる領域に、突状体を嵌合可能な凹溝9が、形成される。突状体が、凹溝に対して着脱自在に嵌合可能な構成とされている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物と、該内容物の外周側を覆うように配置される複数の外皮と、を備える構成とされて、
前記外皮が、元部側を前記内容物に連結されるとともに、先端側を前記内容物から離隔させるように、前記内容物に対して剥離可能に構成される玩具であって、
前記内容物が、合成樹脂製とされ、
前記外皮が、ゴム状弾性を有した軟質合成樹脂製とされて、剥離時に撓んで、前記内容物を露出可能に、構成され、
前記内容物の外表面若しくは前記外皮の内表面の一方であって、少なくとも前記先端近傍となる領域に、前記内容物側若しくは前記外皮側に向かって突出するような突状体が、前記外皮の剥離方向に略沿うような長尺状として、形成され、
前記内容物の外表面若しくは前記外皮の内表面の他方であって、少なくとも前記先端近傍となる領域に、前記突状体を嵌合可能な凹溝が、形成され、
前記突状体が、前記凹溝に対して着脱自在に嵌合可能な構成とされていることを特徴とする玩具。
【請求項2】
前記突状体が、前記外皮の内表面側に、形成され、
前記凹溝が、前記内容物の外表面側に、形成されていることを特徴とする請求項1に記載の玩具。
【請求項3】
前記突状体が、前記外皮における剥離方向と略直交する方向側における略中央に、1つ形成されていることを特徴とする請求項2に記載の玩具。
【請求項4】
前記凹溝が、前記突状体の嵌合時に、先端側の端末と前記突状体との間に、僅かな隙間を形成されるような構成とされていることを特徴とする請求項2または3に記載の玩具。
【請求項5】
前記玩具が、模擬食品玩具であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項6】
前記内容物が、長尺体とされて、
前記外皮が、前記内容物の周方向側で複数並設される構成とされるとともに、剥離方向を、前記内容物の長手方向に略沿わせるように、構成されていることを特徴とする請求項5に記載の玩具。
【請求項7】
前記玩具が、模擬バナナ玩具であることを特徴とする請求項6に記載の玩具。
【請求項8】
前記凹溝が、前記内容物の略全長にわたって連続的に形成されるとともに、開口幅寸法を全長にわたって略一定とされ、
前記突状体が、前記外皮の略全長にわたって連続的に形成されるとともに、前記内容物側に連結される前記元部側にかけて狭幅とするように、構成されていることを特徴とする請求項7に記載の玩具。
【請求項9】
前記外皮が、前記内容物の外周側を覆う外皮本体と、該外皮本体の内表面側から突出する前記突状体と、を備える構成とされ、
前記突状体が、前記外皮本体における先端側の領域のみに、形成され、
前記外皮本体が、前記内容物側に連結される前記元部側の領域を、薄肉に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の玩具。
【請求項10】
前記外皮本体が、前記内容物側に連結される前記元部側にかけて薄肉とするように、構成されていることを特徴とする請求項9に記載の玩具。
【請求項11】
先端から元部にかけて、長手方向の全長にわたって貫通する貫通穴部を、備えていることを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項12】
前記各外皮が、先端側で、着脱自在に相互に係止可能な構成とされていることを特徴とする請求項6に記載の玩具。
【請求項13】
前記玩具が、模擬バナナ玩具であることを特徴とする請求項12に記載の玩具。
【請求項14】
前記各外皮が、先端側から突出して、ヘタ部を構成するヘタ構成部を、それぞれ、有し、
該各ヘタ構成部が、隣接する側面相互を当接可能とされるとともに、対向する側面相互に、突起部、若しくは、該突起部を挿入可能な挿入用凹部のいずれかを、配設させて、着脱自在に相互に係止可能とされていることを特徴とする請求項13に記載の玩具。
【請求項15】
先端から元部にかけて、長手方向の全長にわたって貫通する貫通穴部を、備える構成とされ、
前記各ヘタ構成部が、前記貫通穴部を構成する穴用凹部を有し、
前記突起部及び前記挿入用凹部が、前記穴用凹部を迂回するように、配置されていることを特徴とする請求項14に記載の玩具。
【請求項16】
前記外皮と前記内容物とが、前記外皮の元部側に配置される連結部材によって、連結される構成とされ、
前記外皮が、元部側に、前記内容物の長手方向に対して交差するように形成される取付片部を、有し、
該取付片部が、前記内容物と前記連結部材とによって挟持される構成とされるとともに、先端側における表裏に、前記内容物側と前記連結部材側とにそれぞれ突出する係止用突部を、配設させ、
前記内容物側と前記連結部材側とに、前記係止用突部を周縁で係止可能な係止用凹部が、前記係止用突部に対応して、形成されていることを特徴とする請求項6に記載の玩具。
【請求項17】
前記玩具が、模擬バナナ玩具であることを特徴とする請求項16に記載の玩具。
【請求項18】
前記各取付片部において前記内容物側に突出して形成される表側係止用突部が、それぞれ、形状を異ならせるように、構成され、
前記内容物側に形成される複数の前記係止用凹部が、前記表側係止用突部に対応して、それぞれ、形状を異ならせて構成されていることを特徴とする請求項17に記載の玩具。
【請求項19】
前記各取付片部が、隣接される縁部を、相互に当接させるようにして、前記内容物と前記連結部材との間に配置される構成とされ、
少なくとも一部の前記取付片部の縁部に、位置決め用の凹凸が、形成されていることを特徴とする請求項17または18に記載の玩具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物と、内容物の外周側を覆うように配置される複数の外皮と、を備えて、外皮を、内容物から剥離させるようにして遊ぶ玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような構成の玩具としては、バナナを模した玩具があった(例えば、特許文献1参照)。この従来の玩具は、布製とされて、バナナの実を模した内容物としての果実部の周囲を、バナナの皮を模した複数の外皮によって覆うような構成とされており、外皮の内周面側に、面ファスナーを配置させることにより、果実部に対して着脱自在な構成として、バナナの皮を剥く行為を楽しむものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63-197598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の玩具は、面ファスナーを利用して外皮を果実部に着脱させる構成であることから、面ファスナーの部分に埃等が進入しやすく、多数回の着脱行為に対する耐久性が良好ではなかった。また、全体が布製であることから、衛生的ではなかった。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、耐久性が良好で、かつ、衛生的な玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る玩具は、内容物と、内容物の外周側を覆うように配置される複数の外皮と、を備える構成とされて、
外皮が、元部側を内容物に連結されるとともに、先端側を内容物から離隔させるように、内容物に対して剥離可能に構成される玩具であって、
内容物が、合成樹脂製とされ、
外皮が、ゴム状弾性を有した軟質合成樹脂製とされて、剥離時に撓んで、内容物を露出可能に、構成され、
内容物の外表面若しくは外皮の内表面の一方であって、少なくとも先端近傍となる領域に、内容物側若しくは外皮側に向かって突出するような突状体が、外皮の剥離方向に略沿うような長尺状として、形成され、
内容物の外表面若しくは外皮の内表面の他方であって、少なくとも先端近傍となる領域に、突状体を嵌合可能な凹溝が、形成され、
突状体が、凹溝に対して着脱自在に嵌合可能な構成とされていることを特徴とする。
【0007】
本発明の玩具では、内容物の外周側を覆うように配置される複数の外皮が、それぞれ、一方に形成される突状体を、他方に形成される凹溝に嵌合させることにより、内容物の外周側を覆った状態を維持可能に構成されるとともに、この突状体は、凹溝に対して着脱自在に嵌合可能な構成とされていることから、外皮を内容物に対してめくる(剥く)という動作を繰り返し楽しむように、遊ぶことができる。また、この外皮の内容物に対する着脱は、合成樹脂製の突状体を、合成樹脂製の凹溝に嵌合させることにより、行われることから、耐久性が良好であり、多数回の着脱に耐えうるものである。さらに、本発明の玩具では、玩具を構成する外皮と内容物とが、ともに合成樹脂製とされていることから、全体を水に濡らして洗うことも容易であり、また、面ファスナーを使用する場合と比較しても、ほこり等がたまりにくく、衛生的である。
【0008】
したがって、本発明の玩具は、耐久性が良好で、かつ、衛生的である。
【0009】
また、本発明の玩具において、突状体を、外皮の内表面側に形成し、凹溝を、内容物の外表面側に形成する構成とすれば、突状体が、ゴム状弾性を有した軟質合成樹脂製とされることから、凹溝に嵌めやすく、逆に構成する場合と比較して、操作性が良好となって、好ましい。
【0010】
さらに、上記構成の玩具において、突状体を、外皮における剥離方向と略直交する方向側における略中央に、1つ形成する構成とすれば、外皮の外周面側の中央付近を、突状体に沿うように指で押さえれば、簡単に、突状体を凹溝に嵌合させることができて、好ましい。
【0011】
さらにまた、上記構成の玩具において、凹溝を、突状体の嵌合時に、先端側の端末と突状体との間に、僅かな隙間を形成されるような構成とすれば、各外皮に形成される突状体や、凹溝の寸法にバラつきが生じていても、各外皮を、内容物を覆うように配置させた際に、突状体を、端末まで、確実に凹溝に嵌合させることができ、各外皮の端末が浮くことを抑制できて、綺麗に閉じ状態を維持することが可能となり、好ましい。
【0012】
具体的には、玩具としては、模擬食品玩具を例示することができる。
【0013】
そして、模擬食品玩具としては、内容物を、長尺体として、外皮を、内容物の周方向側で複数並設させる構成とするとともに、剥離方向を内容物の長手方向に略沿わせるような構成とすれば、例えば、バナナやトウモロコシ、ソーセージ等の模擬食品玩具に適用することができる。
【0014】
具体的には、模擬食品玩具として、模擬バナナ玩具を例示することができる。
【0015】
玩具を模擬バナナ玩具とする場合、凹溝を、内容物の略全長にわたって連続的に形成するとともに、開口幅寸法を全長にわたって略一定とし、
突状体を、外皮の略全長にわたって連続的に形成するとともに、内容物側に連結される元部側にかけて狭幅とするように、構成することが、好ましい。
【0016】
玩具をこのような構成とすれば、外皮を先端側から離隔させるように、内容物に対して剥離させる(剥く)際(突状体を凹溝への嵌合状態から離脱させる際)に、最初にかかる抵抗を大きくすることができ、最初の抵抗が大きく、その後スムーズに剥けるというバナナの皮を剥く際の感触をリアルに再現できて、好ましい。
【0017】
また、玩具を模擬バナナ玩具とする場合、外皮を、内容物の外周面側を覆っている外皮本体と、外皮本体の内表面側に突出する突状体と、を備える構成とし、
突状体を、外皮本体における先端側の領域のみに、形成し、
外皮本体において、内容物側に連結される元部側の領域を、薄肉に形成する構成してもよい。
【0018】
このような構成の玩具では、先端側から離隔させるようにして、内容物に対して剥離させた(剥いた)状態の外皮本体を、薄肉の部位で容易に湾曲させることができる。そのため、外皮本体を内容物に対して垂らすように配置させることができて、皮を剥いた状態のバナナをリアルに再現できる。
【0019】
このような構成の玩具において、外皮本体を、内容物側に連結される元部側にかけて薄肉とするように、構成すれば、外皮本体は、剥離時の端末側となる先端側の領域を、元部側の領域と比較して厚肉に設定されることとなり、先端側の領域を比較的重くすることができることから、外皮本体を湾曲させた状態で保持させやすくなって、好ましい。
【0020】
さらにまた、上記構成の玩具において、先端から元部にかけて、長手方向の全長にわたって貫通する貫通穴部を、配設させる構成とすれば、全長にわたる通気孔を確保することができて、好ましい。
【0021】
さらにまた、玩具を、長尺体の内容物の周方向側で、外皮を複数並設させる構成とする場合、各外皮を、先端側で、着脱自在に相互に係止可能な構成とすれば、外皮の先端の閉じた状態を保持することができて、好ましい。
【0022】
具体的には、玩具を模擬バナナ玩具とする場合、外皮に、先端側から突出して、バナナ玩具の一端側に配置されるヘタ部を構成するヘタ構成部を配設させる構成とし、
各ヘタ構成部を、隣接する側面相互を当接可能とするとともに、対向する側面相互に、突起部、若しくは、突起部を挿入可能な挿入用凹部のいずれかを、配設させて、着脱自在に相互に係止可能な構成とすることが、例示できる。
【0023】
そして、このような構成の模擬バナナ玩具において、先端から元部にかけて、長手方向の全長にわたって貫通する貫通穴部を配設させる場合、突起部及び挿入用凹部を、ヘタ構成部において貫通穴部を構成する穴用凹部を迂回するように、配置させることが好ましく、このような構成とすれば、貫通穴部の開口状態を安定して確保することができる。
【0024】
さらにまた、玩具を、長尺体の内容物の周方向側で、外皮を複数並設させる構成とする場合、外皮と内容物とを、外皮の元部側に配置される連結部材によって、連結させる構成とし、
外皮の元部側に、内容物の長手方向に対して交差するように形成される取付片部を、配設させ、
取付片部を、内容物と連結部材とによって挟持させる構成とするとともに、先端側における表裏に、内容物側と連結部材側とにそれぞれ突出する係止用突部を、配設させ、
内容物側と連結部材側とに、係止用突部を周縁で係止可能な係止用凹部を、係止用突部に対応して、形成することが、好ましい。
【0025】
玩具をこのような構成とすれば、外皮を内容物に対して剥離させて遊ぶ際等において、外皮を不用意に強く引っ張った場合にも、取付片部の表裏で突出する係止用突部の各係止用凹部との係止状態を維持させることができて、外皮が内容物側から外れ難く、耐久性を一層良好とすることができる。
【0026】
さらにまた、このような構成の玩具を模擬バナナ玩具とする場合、取付片部において内容物側に突出して形成される表側係止用突部を、それぞれ、形状を異ならせるように、構成し、
内容物側に形成される複数の係止用凹部を、表側係止用突部に対応させて、それぞれ、形状を異ならせる構成とすることが好ましい。
【0027】
玩具を上記構成とすれば、内容物の外周側を覆う各外皮が、バナナに近似してやや湾曲して形成される内容物に対応して、それぞれ、外形形状を若干異ならせる構成とされていても、製造時に、各外皮の取付片部を適正位置に配置させることができて、各外皮が内容物に対して誤組付されることを、抑制できる。
【0028】
また、上記構成の玩具を模擬バナナ玩具とする場合、各取付片部を、隣接される縁部を、相互に当接させるようにして、内容物と連結部材との間に配置される構成とし、少なくとも一部の取付片部の縁部に、位置決め用の凹凸を形成する構成としてもよく、このような構成とする場合にも、同様に、各取付片部を適正位置に配置させることができて、外形形状を若干異ならせて形成される各外皮を、製造時に、内容物に対して誤組付されることを、抑制できて、好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1実施形態であるバナナ玩具の概略斜視図である。
図2】第1実施形態のバナナ玩具において、外皮を一部取り外した状態の概略斜視図である。
図3】第1実施形態のバナナ玩具における外皮の概略斜視図である。
図4】第1実施形態のバナナ玩具の概略縦断面図である。
図5】第1実施形態のバナナ玩具の概略端面図であり、図4のV-V部位を示す。
図6】第1実施形態のバナナ玩具の概略端面図であり、図4のVI-VI部位を示す。
図7】第1実施形態のバナナ玩具において、果実部の上端付近を示す部分拡大縦断面図である。
図8】第1実施形態のバナナ玩具における果実部の側面図である。
図9】第1実施形態のバナナ玩具における外皮を裏面側から見た状態の側面図である。
図10図9の外皮の概略縦断面と概略横断面とを示す図である。
図11】第1実施形態のバナナ玩具において、4枚の外皮の端末相互を突き合わせた状態の概略横断面図である。
図12】第1実施形態のバナナ玩具において、果実部の元部側壁部と連結ピンとを示す概略斜視図である。
図13】第1実施形態のバナナ玩具において、連結部を示す平面図である。
図14】連結部の断面図であり、図13のXIV-XIV部位を示す。
図15】本発明の第2実施形態であるバナナ玩具において、外皮を一部取り外した状態の概略斜視図である。
図16】第2実施形態のバナナ玩具における外皮の概略斜視図である。
図17】第2実施形態のバナナ玩具の概略縦断面図である。
図18】第2実施形態のバナナ玩具の概略端面図であり、図17のXVIII-XVIII部位を示す。
図19】第2実施形態のバナナ玩具における外皮の概略縦断面と概略横断面とを示す図である。
図20】第2実施形態のバナナ玩具において、外皮を果実部に対して垂らした状態を示す概略斜視図である。
図21】本発明の第3実施形態であるバナナ玩具において、外皮を一部取り外した状態の概略斜視図である。
図22】第3実施形態のバナナ玩具における外皮をヘタ構成部側から見た状態の概略斜視図である。
図23】第3実施形態のバナナ玩具における外皮を取付片部側から見た状態の概略斜視図である。
図24図22の外皮におけるヘタ構成部の部位の概略横断面図である。
図25】第3実施形態のバナナ玩具の概略縦断面図である。
図26】第3実施形態のバナナ玩具の概略端面図であり、図25のXXVI-XXVI部位を示す。
図27】第3実施形態のバナナ玩具における果実部を元部側壁部側から見た状態の概略斜視図である。
図28図27の果実部の底面図である。
図29】第3実施形態のバナナ玩具において、果実部の周囲に外皮を取り付けた状態の概略斜視図である。
図30】第3実施形態のバナナ玩具において、各外皮における取付片部を、ヘタ構成部側から見た状態の概略図であり、縁部相互を当接させた状態と離隔させた状態とを示す。
図31】第3実施形態のバナナ玩具において、各外皮のヘタ構成部の変形例を示す概略斜視図である。
図32】本発明の他の実施形態である外皮の概略斜視図である。
図33】本発明のさらに他の実施形態である外皮と果実部とを並べた状態の側面図である。
図34】本発明のさらに他の実施形態であるバナナの概略部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態では、玩具として、模擬バナナ玩具(以下「バナナ玩具」と省略する)1を例に採り、説明をする。
【0031】
第1実施形態のバナナ玩具1は、図1に示すように、バナナに近似するようにやや湾曲した長尺体とされるもので、内容物としての果実部7と、果実部7の外周側を覆うように配置される複数(実施形態の場合、4枚)の外皮22と、元部側において果実部7と外皮22とを連結させる連結部材32と、を備える構成とされている。バナナ玩具1は、図1に示すように、外皮22により果実部7の外周側全体を覆われており、一端側(先端側)にヘタ部3を、有している。すなわち、実施形態のバナナ玩具1では、ヘタ部3側を、外皮22の剥離の始端側としており、外皮22は、ヘタ部3側となる先端側を果実部7から離隔させるようにして、果実部7に対して剥離可能に構成されている。また、バナナ玩具1は、先端(上端1a)から元部(下端1b)にかけて、長手方向の全長にわたって貫通する貫通穴部4を、備えている(図4参照)。実施形態では、特に断らない限り、上下の方向を、バナナ玩具1におけるヘタ部3側を上側、連結部材32側を下側として、説明をする。
【0032】
果実部7は、外形形状を、図2に示すように、実物のバナナの果実に近似した形状とするように、僅かに湾曲した長尺の略円柱状とされて、先端側にかけてなだらかに収束されるとともに、先端側を略半球状に湾曲させたような形状とされている(図8参照)。果実部7は、合成樹脂製とされるもので、実施形態の場合、ABS樹脂から形成されている。果実部7は、詳細には、先端(上端8a)側にかけて収束される周壁部8と、周壁部8の元部(下端8b)側を閉塞するような元部側壁部12と、を有する構成として、中空状に形成されるとともに、周壁部8の上端8a側に、貫通穴部4の一部を構成する貫通孔7aを、有している(図4~6参照)。なお、図2における符号8dは、実際には2分割体とされている果実部7を構成する分割体を、図示しないねじ止めにより連結させるためのねじ挿入用の組付用凹部である。
【0033】
果実部7における周壁部8の外表面8cには、外皮22側に形成される突状体25を嵌合可能な凹溝9が、周壁部8の外表面8cを凹ませるようにして、形成されている。凹溝9は、実施形態の場合、外皮22に形成される突状体25に対応して、果実部7の周方向側で4箇所に形成されるもので(図5,6参照)、それぞれ、外皮22の剥離方向、すなわち、長さ方向(上下方向)に略沿うように、形成されている。実施形態の場合、凹溝9は、図2,4に示すように、周壁部8において、上端8a側の端末から下端8b側の連結部材32側にかけて、連続的に、略全長にわたって、形成されている(図8参照)。凹溝9は、開口幅寸法を、全長にわたって略一定とされるとともに、上端9a側にかけて、凹み量を大きくするように(深くするように)、構成されている(図5,6,8参照)。この凹溝9の開口幅寸法は、突状体25を嵌合可能な寸法に、設定されており、凹溝9の凹み形状は、突状体25の突出形状に合わせて形成されて、突状体25を嵌合させた際に、後述する外皮本体23により果実部7の外表面を略隙間なく覆い可能なように、構成されている。具体的には、凹溝9は、周壁部8の上端8a(先端)側に配置される先端側領域9cを、突状体25における先端側領域25aに対応させて、下端8b(元部)側に配置される元部側領域9dよりも、凹み量を大きく(深く)するように、構成されている(図5,6参照)。また、凹溝9は、上端9a側の端末9bの領域を、突状体25の嵌合時に、上端9a側の端末9bと突状体25の上端面(後述する先端側領域25aの端末25aa)との間に、僅かな隙間を形成されるように、構成されている(図7参照)。具体的には、凹溝9の上端9a側の端末と、突状体25の先端側領域25aの端末25aaとの間に形成される隙間は、幅寸法W1を、0.3mm程度とされている(図7参照)。
【0034】
果実部7における元部側壁部12は、周壁部8の下端8b側を閉塞するように構成されるもので、図4,12に示すように、中央に、果実部7を連結部材32に固定させるための連結ピン15の後述するピン本体18を挿通可能な挿通孔12aを有し、この挿通孔12aの周縁に、貫通穴部4を構成する開口部12bを、貫通させている。開口部12bは、実施形態の場合、挿通孔12aから連なるように形成されている。具体的には、開口部12bは、ピン本体18から突出するように形成される後述する突出片18bの配置領域を除いて、略放射状となる3箇所に、形成されるもので、開口形状を、略半円形状とされている。また、挿通孔12aの周縁には、突出片18bを挿入可能な開口部12cも、挿通孔12aから連なるように、貫通して形成されている(図4,12参照)。
【0035】
そして、果実部7は、元部側壁部12から突出するように配置される連結ピン15を利用して、連結部材32に固定されている。果実部7を連結部材32に連結させる連結ピン15は、図4,12に示すように、果実部7内に配置される台座部16と、台座部16から突出するピン本体18と、を備えている。台座部16は、果実部7における元部側壁部12の内側(上側)に配設されるもので、略長方形板状とされている。台座部16において、元部側壁部12に形成される開口部12bに対応した位置には、開口形状を開口部12bと略同一として、開口部12bと連通される連通孔16aが、形成されている。この連通孔16aも、貫通穴部4を構成している(図4,12参照)。ピン本体18は、元部側壁部12を貫通するように下方に向かって突出して形成されるもので、外形形状を、下端側を開口させた略円筒状として、位置決め用の突出片18bを、外周面から外方に突出させるように、構成されている。突出片18bは、一箇所に形成されるもので、ピン本体18の軸方向に略沿うとともに、ピン本体18の全長にわたって連続的に形成されている。ピン本体18は、連結部材32内への収納時に、先端面(下端面18a)を、連結座部35の周縁に当接させるように、構成されている(図4参照)。
【0036】
外皮22(22A,22B,22C,22D)は、実施形態の場合、果実部7の外周側を4分割してそれぞれ覆うように、4枚配設されている(図1,5,6参照)。各外皮22は、図3,9,10に示すように、果実部7の外周側を覆う外皮本体23と、外皮本体23の先端(上端23a)側から突出するように形成されるヘタ構成部24と、外皮本体23の内表面23c側から突出する突状体25と、外皮本体23の元部(下端23b)側に配設されて連結部材32に取り付けられる取付片部28と、を備えている。外皮22は、ゴム状弾性を有した軟質合成樹脂製とされるもので、実施形態の場合、ポリ塩化ビニル製とされている。
【0037】
各外皮22(22A,22B,22C,22D)における外皮本体23(23A,23B,23C,23D)は、外形形状を、湾曲した略円柱状の果実部7の湾曲状態に合わせて、若干異ならせている。実施形態の場合、各外皮本体23は、図5,6に示すように、隣接する端末相互を突き合わせるようにして、果実部7の外周側を略隙間なく覆い可能に、構成されている。また、外皮本体23は、図10に示すように、先端(上端23a)側から元部(下端23b)側にかけて、厚さ寸法を略一定に、形成されている。各外皮本体23は、厚さ寸法を、剥離時に撓んで、果実部7を露出可能な寸法に、設定されている。ヘタ構成部24は、略1/4割円柱状とされるもので、外皮22による果実部7の覆い時に、他の外皮22に形成されるヘタ構成部24と合わさって、バナナ玩具1のヘタ部3を構成している。各ヘタ構成部24には、内周面側を凹ませるような穴用凹部24aが、上下の全域にわたって形成されており、この穴用凹部24aは、ヘタ部3を貫通するように形成される貫通孔3aを、構成することとなる(図1~3参照)。ヘタ部3に形成される貫通孔3aは、貫通穴部4の一部を構成している。
【0038】
各外皮本体23の内表面23c側から突出する突状体25は、外皮22の剥離方向、すなわち、長さ方向(上下方向)に略沿うように、形成されるもので、各外皮本体23における剥離方向と直交方向側(すなわち、幅方向側)の略中央に、1つ形成されている。また、突状体25は、外皮本体23の略全長にわたって、連続的に形成されている。この突状体25は、果実部7に形成される凹溝9に対して着脱自在に嵌合可能な構成とされている。詳細には、突状体25は、連結部材32側となる元部(下端)側にかけて狭幅とするように、構成されている。実施形態の場合、突状体25は、ヘタ構成部24側(上端側)に位置する先端側領域25aを幅広とし、連結部側(下端側)の元部側領域25bを狭幅とし、先端側領域25aと元部側領域25bとの間に、先端側領域25aから元部側領域25bにかけて幅寸法を漸減させる徐変部25cを、有する構成とされている(図9,10参照)。実施形態の場合、突状体25において、最も狭幅とされる元部側領域25bが、幅寸法を、果実部7に形成される凹溝9の開口幅寸法と略同一に設定されている。すなわち、徐変部25cと先端側領域25aとは、幅寸法を、凹溝9の開口幅寸法よりも若干大きく設定される構成である。実施形態の場合、先端側領域25aは、幅寸法を、元部側領域25bの幅寸法の1.2倍程度に、設定されている。具体的には、実施形態の場合、先端側領域25aの幅寸法は、1.8mmに設定され、凹溝9の開口幅寸法は、1.5mmに設定されている。また、突状体25は、実施形態の場合、図10に示すように、徐変部25cから先端側領域25aにかけて、突出量も、漸増させるように、構成されている。実施形態のバナナ玩具1では、突状体25は、ゴム状弾性を有した軟質合成樹脂製とされており、徐変部25cと先端側領域25aとは、凹溝9に無理嵌め(圧入嵌合)するように、嵌合されることとなる。すなわち、突状体25は、ヘタ部3側となる先端側領域25aにかけて、幅寸法を増大させ、かつ、突出量も大きく設定されることから、先端側領域25aにかけて、凹溝9からの離脱時(外皮本体23を果実部7に対して剥離させる際)の抵抗も大きくなる。この無理嵌めによって、外皮本体23を先端(上端23a)側から離隔させるように、果実部7に対して剥離させる(剥く)際の抵抗を生じさせることとなり、剥き始めが最も抵抗が大きく、徐々に抵抗が少なくなるというバナナの皮を剥く行為のリアルな感触を再現できることとなる。
【0039】
外皮本体23の元部(下端23b)側に配設される取付片部28は、図3,10に示すように、外皮本体23の元部端(下端23b)から内周側に突出するように形成されるもので、果実部7を連結部材32に連結させた際に、果実部7の元部側壁部12と連結部材32との間で挟持されるようにして、外皮22を連結部材32に連結させる構成である(図4参照)。詳細には、各取付片部28は、外形形状を略1/4円形状として、内周端にかけて狭幅とされて、内周端28bとなる先端側の領域に、下方に延びる延設部28aを有しつつ、連結ピン15のピン本体18を挿通可能に、凹ませて構成されている。また、各取付片部28の内周端28b側には、連結ピン15のピン本体18における突出片18bを挿通可能な挿通孔28c、若しくは、元部側壁部12に形成される開口部12bに対応して開口部12bと連通される連通孔28dが、形成されている。具体的には、1つの取付片部28の内周端28b側には、連結部材32の後述する挿通孔37と対応した位置に、挿通孔37と連なるような挿通孔28cが、形成され、残りの3つの取付片部28の内周端28b側には、開口部12bと連通される連通孔28dが、形成されている(図11参照)。この連通孔28dは、貫通穴部4を構成している。
【0040】
連結部材32は、図1,2,4に示すように、外表面側を、外皮22の外表面からなだらかに連ならせつつ、果実部7から離れた下端32b(先端)側にかけて縮径されるように、外形形状を略円錐台形状とされている(図13参照)。具体的には、連結部材32は、図14に示すように、果実部7側となる元部(上端32a)側の領域を二重円筒状とされており、内側に配置される内筒部33に、各取付片部28の延設部28aを挿入可能に構成されている。また、連結部材32は、下端32b側の略中央から内周側(上方)に向かって突出させるように(凹ませるように)して、有底の略円筒状の連結座部35を、有している。連結座部35は、略円筒形の周壁部36と、周壁部36の上端側を塞ぐ底壁部39と、を備えている。底壁部39は、周壁部36の先端面(上端面36a)よりも下方となる位置(中間部位)に、配置されており、この周壁部36の上端側部位36bと底壁部39とに囲まれた領域に、連結ピン15のピン本体18における下端側の領域を挿入させる構成とされている。周壁部36には、連結ピン15のピン本体18に形成される突出片18bを挿入可能な挿通孔37が、スリット状に、周壁部36の軸方向に略沿って切り欠かれて、形成されている。底壁部39には、ねじ42を挿通させるための取付孔39aが、形成されている。この取付孔39aは、底壁部39に連結ピン15のピン本体18の先端面(下端面18a)を当接させた状態で、ピン本体18の開口部18cと略一致する位置に形成されている。そして、実施形態では、この取付孔39aにねじ42を差し込んで取付孔39aの内周面とピン本体18の開口部18c内周面とに締結させることにより、果実部7から延びる連結ピン15を、連結部材32に連結させる構成であり、このとき、各外皮22は、取付片部28を連結部材32と果実部7との間で挟持させることにより、連結部材32に連結されることとなる。また、連結座部35の周壁部36に形成される挿通孔37は、実施形態の場合、底壁部39を超えて下方に延びるように、形成されている。挿通孔37において、底壁部39よりも下方に延びる下側領域37aは、貫通穴部4を構成している(図4参照)。
【0041】
第1実施形態のバナナ玩具1において、先端(上端1a)から元部(下端1b)にかけて、長手方向の全長にわたって貫通する貫通穴部4は、図4に示すように、上述したごとく、ヘタ部3に形成される貫通孔3aと、中空の果実部7における周壁部8の先端(上端8a)側に形成される貫通孔7a及び元部側壁部12に形成される開口部12bと、連結ピン15の台座部16においてこの開口部12bと連通するように形成される連通孔16aと、外皮22の取付片部28において開口部12bと連通するように形成される連通孔28dと、連結部材32における連結座部35の周壁部36に形成される挿通孔37の下側領域37aと、から構成されている。
【0042】
第1実施形態のバナナ玩具1では、内容物としての果実部7の外周側を覆うように配置される複数の外皮22が、それぞれ、一方に形成される突状体25を、他方に形成される凹溝9に嵌合させることにより、果実部7の外周側を覆った状態を維持可能に構成されるとともに、この突状体25は、凹溝9に対して着脱自在に嵌合可能な構成とされていることから、外皮22を果実部7に対してめくる(剥く)という動作を繰り返し楽しむように、遊ぶことができる。また、この外皮22の果実部7に対する着脱は、合成樹脂製の突状体25を、合成樹脂製の凹溝9に嵌合させることにより、行われることから、耐久性が良好であり、多数回の着脱に耐えうるものである。さらに、実施形態のバナナ玩具1では、バナナ玩具1を構成する外皮22と果実部7とが、ともに合成樹脂製とされていることから、全体を水に濡らして洗うことも容易であり、衛生的である。
【0043】
したがって、第1実施形態のバナナ玩具1は、耐久性が良好で、かつ、衛生的である。
【0044】
また、第1実施形態のバナナ玩具1では、突状体25が、外皮22の内表面23c側に形成され、凹溝9が、果実部7の外表面8c側に形成される構成である。すなわち、実施形態のバナナ玩具1では、突状体25が、ゴム状弾性を有した軟質合成樹脂製とされることから、凹溝9に嵌めやすく、逆に構成する場合と比較して、操作性が良好となって、好ましい。なお、このような点を考慮しなければ、突状体を果実部側に形成し、凹溝を外皮側に形成するような構成としてもよい。
【0045】
さらに、第1実施形態のバナナ玩具1では、突状体25が、外皮22における剥離方向と略直交する方向側における略中央に、1つ形成される構成であることから、外皮22の外周面側の中央付近を、突状体25に沿うように指で押さえれば、簡単に、突状体25を凹溝9に嵌合させることができる。また、果実部7の軸周り方向側において、放射状に、複数の凹溝9を、長さ方向に略沿うように配設させることにより、果実部7を、実物のバナナの実(筋を取ったバナナの実の状態)に一層近似させることができる。なお、このような点を考慮しなければ、突状体の配置位置や配置形状は、実施形態に限定されるものではなく、例えば、突状体を、外皮の周縁に沿って連続的に、配置させるような構成としてもよい。
【0046】
さらにまた、実施形態のバナナ玩具1では、凹溝9が、突状体25の嵌合時に、先端(上端9a)側の端末9bと突状体25(具体的には、突状体25における先端側領域25aの端末25aa)との間に、僅かな隙間を形成されるような構成とされている。そのため、各外皮22に形成される突状体25や、凹溝9の寸法にバラつきが生じていても、各外皮22を、果実部7を覆うように配置させた際に、突状体25を、先端側領域25aの端末25aaまで、確実に凹溝9に嵌合させることができ、各外皮22の端末(外皮本体23の上端23a側)が浮くことを抑制できて、綺麗に閉じ状態を維持することが可能となる。なお、このような点を考慮しなければ、凹溝を、突状体の嵌合時に隙間を設けるような構成としなくともよい。
【0047】
さらにまた、第1実施形態のバナナ玩具1では、凹溝9が、果実部7の略全長にわたって連続的に形成されるとともに、開口幅寸法を全長にわたって略一定とされ、突状体25が、外皮22の略全長にわたって連続的に形成されるとともに、果実部7側に連結される元部側(外皮22の下端23b側)にかけて狭幅とするように、構成されている。そのため、外皮22を先端(上端23a)側から離隔させるように、果実部7に対して剥離させる(剥く)際(突状体25を凹溝9への嵌合状態から離脱させる際)に、最初にかかる抵抗を大きくすることができ、最初の抵抗が大きくその後スムーズに剥けるというバナナの皮を剥く際の感触をリアルに再現できる。
【0048】
さらにまた、第1実施形態のバナナ玩具1は、先端(上端1a)から元部(下端1b)にかけて、長手方向の全長にわたって貫通する貫通穴部4を、配設させる構成であることから、全長にわたる通気孔を確保することができる。
【0049】
次に、第2実施形態のバナナ玩具50について、説明をする。バナナ玩具50は、図15~17に示すように、果実部55と外皮60以外は、上述した第1実施形態のバナナ玩具1と同一の構成であることから、同一の部材には、同一の図符号の末尾に「A」を付して、詳細な説明を省略する。この第2実施形態のバナナ玩具50においても、果実部55の外周側を覆う外皮60は、4枚配設されている(図18参照)。また、バナナ玩具50は、外皮60により果実部55の外周側全体を覆われており、一端(上端50a)側にヘタ部51を、有するとともに、先端(上端50a)から元部(下端50b)にかけて、長手方向の全長にわたって貫通する貫通穴部52を、備えている(図17参照)。
【0050】
果実部55は、周壁部8Aに形成される凹溝57以外は、第1実施形態のバナナ玩具1における果実部7と略同一の構成であり、同一の部材には、同一の図符号の末尾に「A」を付して、詳細な説明を省略する。また、この果実部55も、周壁部8Aの上端8a側に、貫通穴部52を構成する貫通孔55aを有している。凹溝57は、図15に示すように、果実部55の周壁部8Aの外表面8cにおいて、先端(上端8a)側の領域のみに、外表面8cを凹ませるようにして、形成されている。この凹溝57は、長さ寸法を異ならせる以外は、前述のバナナ玩具1の果実部7に形成される凹溝9と同様の構成であり、外皮60に形成される突状体66に対応して、果実部55の周方向側で4箇所に形成されるもので、それぞれ、外皮60の剥離方向、すなわち、長さ方向(上下方向)に略沿うように、形成されている。実施形態の場合、凹溝57は、周壁部8Aにおいて、上端8a側の略1/3程度の領域に、形成されている。凹溝57も、詳細な図示は省略するが、開口幅寸法を、全長にわたって略一定とされている。この凹溝57の開口幅寸法は、突状体66を嵌合可能な寸法に、設定されている。また、第2実施形態のバナナ玩具50においても、凹溝57は、詳細な図示を省略するが、前述のバナナ玩具1と同様に、上端側の端末の領域を、突状体66の嵌合時に、上端側の端末と突状体66の上端面との間に、僅かな隙間を形成されるように、構成されている。
【0051】
外皮60は、外皮本体61と突状体66以外(すなわち、ヘタ構成部24Aと取付片部28A)は、第1実施形態のバナナ玩具1における外皮22と略同一の構成であり、同一の部材には、同一の図符号の末尾に「A」を付して、詳細な説明を省略する。
【0052】
各外皮60における外皮本体61は、バナナ玩具1における外皮22の外皮本体23と同様に、外形形状を、果実部55の湾曲状態に合わせて、若干異ならせている。第2実施形態のバナナ玩具50においても、各外皮本体61は、図18に示すように、隣接する端末相互を突き合わせるようにして、果実部55の外周側を略隙間なく覆い可能に、構成されている。外皮本体61は、先端(上端61a)側を厚肉として、連結部材32A側となる元部(下端61b)側にかけて薄肉とするように、構成されている(図19参照)。詳細には、実施形態の場合、外皮本体61は、ヘタ構成部24A側(上端側)の先端側領域62を厚肉とし、連結部材32A側(下端側)の元部側領域63を薄肉とし、先端側領域62と元部側領域63との間に、先端側領域62から元部側領域63にかけて厚さ寸法を漸減させる徐変部64を、有する構成とされている。実施形態の場合、元部側領域63は、厚さ寸法を、先端側領域62の半分程度に、設定されている。また、実施形態では、外皮本体61における元部側領域63と連結部材32Aとの境界部位61dは、使用時の応力集中による割れの発生を防止するために、内表面側をなだらかに湾曲させたR形状として構成されている(図19参照)。
【0053】
各外皮本体61の内表面61c側から突出する突状体66は、外皮60の剥離方向、すなわち、長さ方向(上下方向)に略沿うように、形成されるもので、各外皮本体61における剥離方向と直交方向側(すなわち、幅方向側)の略中央に、1つ形成されている。突状体66は、図16,19に示すように、外皮本体61における先端側領域62のみに、形成されている。この突状体66は、果実部55に形成される凹溝57に対して着脱自在に嵌合可能な構成とされるもので、幅寸法を一定として、果実部55に形成される凹溝57の開口幅寸法よりも大きく設定されている。すなわち、この第2実施形態のバナナ玩具50においても、突状体66は、凹溝57に無理嵌めするように、嵌合されることとなる。
【0054】
この第2実施形態のバナナ玩具50では、先端(上端61a)側から離隔させるようにして、内容物としての果実部55に対して剥離させた(剥いた)状態の外皮本体61を、薄肉の部位(元部側領域63、外皮本体61の下端61b側の部位)で容易に湾曲させることができる。そのため、図20に示すように、外皮本体61を果実部55に対して垂らすように配置させることができて、皮を剥いた状態のバナナをリアルに再現できる。第2実施形態では、外皮本体61の厚さ寸法を変更することにより、外皮本体61を、下端61b側の部位で湾曲可能な構成としているが、外皮60の形成材料であるポリ塩化ビニル(PVC)のグレードを変更し、一層軟質のPVCを使用すれば、外皮本体を一層容易に湾曲させることもできる。また、第2実施形態のバナナ玩具50においても、外皮本体61の先端(上端61a)側に配設される突状体66が、果実部55に形成される凹溝57の開口幅寸法よりも幅寸法を大きく設定されて、凹溝57に無理嵌めするように嵌合されていることから、外皮60を先端(上端)側から離隔させるように、果実部55に対して剥離させる(剥く)際(突状体66を凹溝57への嵌合状態から離脱させる際)に、最初にかかる抵抗を大きくすることができ、バナナの皮を剥く際の感触をリアルに再現できる。
【0055】
また、第2実施形態のバナナ玩具50では、外皮本体61が、果実部55側に連結される元部(下端61b)側にかけて薄肉とするように、構成されている。すなわち、外皮本体61は、剥離時の端末側となる先端側領域62を、元部側領域63と比較して厚肉に設定されることとなり、先端側領域62を比較的重くすることができることから、外皮本体61を湾曲させた状態で保持させやすくなる。なお、このような点を考慮しなければ、外皮本体を、厚さ寸法を略一定として、果実部に連結される元部側の部位(連結部側の部位)に、部分的に薄肉とした薄肉部を設けるような構成としてもよい。
【0056】
次に、第3実施形態のバナナ玩具70について、説明をする。バナナ玩具70は、第1実施形態のバナナ玩具1と同様に、図21,25に示すごとく、内容物としての果実部75と、果実部75の外周側を覆う4枚の外皮80(80A,80B,80C,80D)と、元部側において果実部75と外皮80(80A,80B,80C,80D)とを連結させる連結部材32Bと、を備えている。連結部材32Bは、第1実施形態のバナナ玩具1における連結部材32と同一の構成であることから、同一の図符号の末尾に「B」を付して、詳細な説明を省略する。第3実施形態のバナナ玩具70も、4枚の外皮80(80A,80B,80C,80D)によって果実部75の外周側を全体にわたって覆われる構成として、一端(上端70a)側にヘタ部71を有するとともに、先端(上端70a)から元部(70b)にかけて、長手方向の全長にわたって貫通する貫通穴部72を、備えている(図25参照)。
【0057】
果実部75は、元部側壁部12Bに形成される係止用凹部77以外は、第2実施形態のバナナ玩具50における果実部55と略同一の構成であり、同一の部材には、同一の図符号の末尾に「B」を付して、詳細な説明を省略する。この果実部75も、周壁部8Bの上端8a側に、貫通穴部72を構成する貫通孔75aを、有している(図21,25参照)。また、この果実部75も、元部側壁部12Bから突出するように配置される連結ピン15Bを利用して、連結部材32Bに固定される構成であるが、第2実施形態のバナナ玩具70では、連結ピン15Bは、第1実施形態のバナナ玩具1と相違して、台座部16Bを露出させるようにして、台座部16Bの周縁の部位で、果実部75に連結されている(図25,27,28参照)。すなわち、第2実施形態のバナナ玩具70では、連結ピン15Bの台座部16Bが、果実部75の元部側壁部12Bを構成している。台座部16Bを露出させるように果実部75に連結され、元部側壁部12Bを構成している台座部16Bに係止用凹部を配設させている以外は、連結ピン15Bは、第1実施形態のバナナ玩具1における連結ピン15と略同一の構成であり、同一の部材には、同一の図符号の末尾に「B」を付して、詳細な説明を省略する。
【0058】
果実部75における元部側壁部12Bに形成される係止用凹部77は、各外皮80の取付片部88に形成される後述する係止用突部91を、それぞれ、挿入させて周縁で係止するためのものであり、具体的には、上述したごとく、連結ピン15Bの台座部16Bに、形成されている。係止用凹部77(77A,77B,77C,77D)は、各係止用突部91(91A,91B,91C,91D)に対応するようにして、果実部75を下方(ピン本体18Bの先端側)から見た状態で、ピン本体18Bの周囲を囲むようにして4箇所に、形成されるもので、それぞれ、外形形状を異ならせて構成されている(図27,28参照)。具体的には、ピン本体18Bの先端側(下方)から見た状態で、突出片18bを上側に突出させるように配置させている果実部75(図28参照)において、上側(突出片18b側)に配置される係止用凹部77Aは、突出片18bの両側となる2箇所において、それぞれ、略直角三角形状に開口して形成されている。左側に配置される係止用凹部77Bは、元部側壁部12Bに形成される開口部12bの周縁において略円弧状に湾曲して形成されている。下側に配置される係止用凹部77Cは、開口部12bの下方において左右方向側に略直線状に延びるような長尺状として、形成されている。右側に配置される係止用凹部77Dは、開口部12bの両側となる上下2箇所において、それぞれ、略円形に開口して形成されている。
【0059】
各外皮80(80A,80B,80C,80D)は、ヘタ構成部82と取付片部88(88A,88B,88C,88D)以外、すなわち、外皮本体61B及び突状体66Bを、第2実施形態のバナナ玩具50における外皮60と略同一の構成とされており、同一の部材には、同一の図符号の末尾に「B」を付して、詳細な説明を省略する。
【0060】
第3実施形態のバナナ玩具70においても、各外皮80(80A,80B,80C,80D)は、それぞれ、ヘタ構成部82を有する構成とされており、ヘタ構成部82は、第1実施形態のバナナ玩具1におけるヘタ構成部24と同様に、外形形状を略1/4割円柱状として、各外皮80による果実部75の覆い時に、他の外皮80に形成されるヘタ構成部82と、隣接する側面相互を当接させるようにして、合わさって、ヘタ部71を構成している(図25,26参照)。また、各ヘタ構成部82には、貫通穴部72(ヘタ部71を貫通する貫通孔71a)を構成する穴用凹部82aが、内周面側を凹ませるようにして、上下の全域にわたって形成されている(図22~24参照)。
【0061】
さらに、実施形態の場合、各ヘタ構成部82は、着脱自在に相互に仮結合可能に、構成されている。すなわち、各外皮80は、先端側となるヘタ構成部82の部位で、着脱自在に相互に仮結合可能な構成とされている。具体的には、各ヘタ構成部82は、外形形状を略同一とされるもので、一方の側面82bに、突起部83を配設させ、他方の側面82cにおけるこの突起部83に対応した位置に、突起部83を挿入可能な挿入用凹部84を、配設させる構成とされている(図22~24参照)。すなわち、各ヘタ構成部82は、隣接する側面82b,82c相互を当接させる際に、対向して配置される側面82b,82cに形成される突起部83を挿入用凹部84内に挿入させることにより、突起部83を挿入用凹部84の周縁で係止させて、図26に示すように、相互に仮結合される構成である。これらの挿入用凹部84と突起部83とは、穴用凹部82aを迂回するように、配置されている。具体的には、実施形態の場合、突起部83は、側面を穴用凹部82aの内周面から連ならせるように形成され、挿入用凹部84は、穴用凹部82aの内周面を凹ませるようにして、形成されている(図24参照)。
【0062】
取付片部88(88A,88B,88C,88D)は、第1実施形態のバナナ玩具1における取付片部28と同様に、各外皮80(80A,80B,80C,80D)における外皮本体61Bの元部(下端61b)側において、下端61bから内周側に突出するように(果実部75の長手方向に対して交差するように)形成されるもので、図25に示すように、果実部75と連結部材32Bとによって挟持される構成である。各取付片部88は、前述の取付片部28と同様に、外形形状を略1/4円形の板状として、内周端88a(先端)にかけて狭幅とされている(図22,23,30参照)。各取付片部88(88A,88B,88C,88D)の内周端88a(先端)側における表裏には、果実部75側と連結部材32B側(上側と下側)とにそれぞれ突出する係止用突部89,91が、形成されている。
【0063】
各取付片部88(88A,88B,88C,88D)の裏面(下面88c)側において、連結部材32B側に突出するように形成される係止用突部89は、連結ピン15Bのピン本体18Bを挿通可能とするように、それぞれ、取付片部88を上下方向側から見た状態において、略円弧状に湾曲して、形成されている(図23,30参照)。連結ピン15Bのピン本体18Bにおける突出片18bに対応した位置に配置される外皮80Aに設けられる取付片部88Aの係止用突部89には、内周面を凹ませるようにして、突出片18bを挿通可能な挿通孔89aが、形成され、残りの外皮80B,80C,80Dに設けられる取付片部88B,88C,88Dの係止用突部89には、内周面を凹ませるようにして、元部側壁部12Bに形成される開口部12bに対応して開口部12bと連通される連通孔89bが、形成されている(図22,23,29,30参照)。各係止用突部89は、各外皮80を果実部75の周囲に配置させた状態で、連結ピン15Bのピン本体18Bの外周側を略全周にわたって囲むような略円筒状に配置されることとなり(図29参照)、各外皮80と果実部75とを連結部材32Bに連結させた状態では、図25に示すように、ピン本体18Bと連結部材32Bにおける内筒部33Bとの間の隙間に挿入されることとなる。すなわち、連結部材32Bでは、内筒部33Bの内周側の領域が、係止用突部89を挿入させて周縁で係止可能な係止用凹部40Bを、構成している。
【0064】
各取付片部88(88A,88B,88C,88D)の表面(上面88b)側において、果実部75側に突出するように形成される係止用突部91(91A,91B,91C,91D)(表側係止用突部)は、それぞれ、形状を異ならせるように、構成されている。各係止用突部91(91A,91B,91C,91D)は、上述した果実部75側に形成される係止用凹部77(77A,77B,77C,77D)に対応して配置されるもので、具体的には、ピン本体18Bに形成される突出片18b側に配置される外皮80Aの取付片部88Aにおいては、係止用突部91Aは、取付片部88Aをヘタ構成部82側(上方側)から見た状態(図30のA,B参照)で、挿通孔89aの両側となる2箇所において、それぞれ、略直角三角形状に、形成されている。ヘタ構成部82側(上方)から見た状態(図30のA,B参照)において、この外皮80Aの右側に配置される外皮80Bの取付片部88Bにおいては、係止用突部91Bは、連通孔89bの周縁において略円弧状に湾曲して形成されている。外皮80Aの下方に配置される外皮80Cの取付片部88Cにおいては、係止用突部91Cは、連通孔89bの下方において左右方向側に略直線状に延びるような長尺状として、形成されている。外皮80Aの左側に配置される外皮80Dの取付片部88Dにおいては、係止用突部91Dは、連通孔89bの両側となる上下2箇所において、それぞれ、略円形に、形成されている。
【0065】
これらの取付片部88A,88B,88C,88は、各外皮80A,80B,80C,80Dの果実部75周囲への取付状態において、果実部75の元部側壁部12Bを略全面にわたって覆うように、隣接される縁部88d,88eを、相互に当接させる構成とされている。そして、第3実施形態のバナナ玩具70においては、少なくとも一部の取付片部88(具体的には、3つの取付片部88B,88C,88D)の縁部88d,88eに、各外皮80A,80B,80C,80Dの果実部75への取付時の位置決め用の凹凸が、形成されている。具体的には、図30のA,Bに示すように、下側に配置される外皮80Cの取付片部88Cの両方の縁部88d,88eに、外方に向かって略三角形状に突出する凸部93が、形成され、この外皮80Cの左右両側に配置される外皮80B,80Dの取付片部88B,88Dにおいて、取付片部88C側の縁部88d,88eに、それぞれ、この凸部93に対応した凹部94が、形成されている。
【0066】
第3実施形態のバナナ玩具70は、果実部75の外周側に、各外皮80A,80B,80C,80Dを配置させ、各外皮80A,80B,80C,80Dから突出している各係止用突部89を、内筒部33B内に挿入させるようにして、外皮80A,80B,80C,80Dの元部側に連結部材32Bを配置させ、ねじ42B止めにより、果実部75から延びる連結ピン15Bを、連結部材32Bに連結させれば、製造することができる。なお、特に説明はしていないが、第1,第2実施形態のバナナ玩具1,50も、同様にして、製造されている。
【0067】
第3実施形態のバナナ玩具70では、各外皮80が、先端(上端70a)側となるヘタ部71の部位において、着脱自在に相互に係止可能な構成とされていることから、外皮80の先端の閉じた状態を保持することができる。すなわち、外皮80によって、果実部75の外周側を全面にわたって覆った状態を、安定して保持することができる。具体的には、第3実施形態のバナナ玩具70では、各外皮80において、ヘタ部71を構成しているヘタ構成部82の隣接する側面82b,82cに、相互に係止可能な突起部83若しくは挿入用凹部84を、配設させる構成として、これらの突起部83及び挿入用凹部84を、ヘタ構成部82において貫通穴部72(ヘタ部71の貫通孔71a)を構成している穴用凹部82aを迂回するように、配設させている。そのため、ヘタ構成部82相互の係止状態を安定して保持することにより、ヘタ部71の外形形状を安定して維持させることができて、皮をむく前の状態のバナナをよりリアルに再現でき、かつ、このような係止状態を維持しつつも、貫通穴部72の開口状態を安定して確保することができる。なお、図31のA,Bに示すように、ヘタ構成部82Aとして、突起部83Aの下端側にさらに部分的に突出するような突出部83aを設け、挿入用凹部84Aに、この突出部83aに対応して、突出部83aを挿入可能な凹部84aを配設させるような構成としてもよい。ヘタ構成部82Aをこのような構成とすれば、ヘタ構成部82A相互の係止状態を一層安定して保持させることができる。このヘタ構成部82相互の仮係止状態も、突起部83を、対応して形成される挿入用凹部84に挿入させて係止させる構成であることから、耐久性が良好であり、多数回の着脱に耐えうるものである。勿論、このような点を考慮しなければ、第1,第2実施形態のバナナ玩具1,50のごとく、ヘタ構成部24,24Aを相互に係止可能な構成にしなくともよい。
【0068】
また、第3実施形態のバナナ玩具70では、外皮80の元部側において、果実部75の長手方向に対して交差するように突出して形成される取付片部88が、果実部75と連結部材32Bとによって挟持される構成であり、また、この取付片部88には、先端(内周端88a)側における表裏に、それぞれ、係止用突部89,91が、形成されて、これらの係止用突部89,91を、果実部75側と連結部材32B側とに設けられる係止用凹部77,40Bの周縁で係止させる構成とされている。そのため、外皮80を果実部75に対して剥離させて遊ぶ際等において、外皮80を不用意に強く引っ張った場合にも、取付片部88の表裏で突出する係止用突部89,91の各係止用凹部77,40Bとの係止状態を維持させることができて、外皮80が果実部75側から外れ難く、耐久性を一層良好とすることができる。なお、このような点を考慮しなければ、前述の第1,第2実施形態のバナナ玩具1,50のごとく、取付片部28,28Aの表面側に係止用突部を配設させない構成としてもよい。第1,第2実施形態のバナナ玩具1,50では、取付片部28,28Aにおける延設部28aが、取付片部の裏面側において連結部材側に突出する係止用突部に対応する部材である。
【0069】
さらに、第3実施形態のバナナ玩具70では、各外皮80(80A,80B,80C,80D)の取付片部88(88A,88B,88C,88D)において果実部75側に突出して形成される係止用突部91(91A,91B,91C,91D)(表側係止用突部)と、この係止用突部91(91A,91B,91C,91D)に対応して形成される果実部75側の係止用凹部77(77A,77B,77C,77D)とが、それぞれ、形状を異ならせるように、構成されている。そのため、果実部75の外周側を覆う各外皮80(80A,80B,80C,80D)が、それぞれ、外形形状を若干異ならせる構成とされていても、製造時に、各外皮80(80A,80B,80C,80D)の取付片部88(88A,88B,88C,88D)を適正位置に配置させることができて、各外皮80(80A,80B,80C,80D)が果実部75に対して誤組付されることを、抑制できる。
【0070】
また、第3実施形態のバナナ玩具70では、各取付片部88(88A,88B,88C,88D)が、隣接される縁部88d,88eを、相互に当接させるようにして、果実部75と連結部材32Bとの間に配置される構成であり、少なくとも一部の取付片部(実施形態の場合、取付片部88B,88C,88D)の縁部88d,88eに、位置決め用の凸部93若しくは凹部94を配設させている構成である。そのため、各取付片部88(88A,88B,88C,88D)を適正位置に配置させることができて、外形形状を若干異ならせて形成される各外皮80(80A,80B,80C,80D)を、製造時に、果実部75に対して誤組付されることを、抑制できる。
【0071】
なお、第3実施形態のバナナ玩具70では、取付片部88(88A,88B,88C,88D)に、上面88b側(果実部75側)において形状を異ならせて構成される係止用突部91(91A,91B,91C,91D)と、縁部88d,88eから突出する凸部93若しくは凹部94を、両方設けているが、誤組付け防止の観点からは、どちらか一方のみを配設させる構成としてもよい。このような係止用突部91及び凸部93若しくは凹部94を、両方設ける構成とすれば、まず、1つの外皮80を、係止用突部91を利用して果実部75に対して適正位置に組み付ければ、残りの3つの外皮80は、係止用突部91を利用しなくとも、凸部93若しくは凹部94を目印として組み付ければよいことから、全ての外皮80を、正格かつ迅速に、果実部75に組み付けることが可能となって、望ましい。
【0072】
実施形態のバナナ玩具1,50,70では、外皮22,60,80が、連結部材32,32A,32Bによって、内容物としての果実部7,55,75に取り外し不能に連結される構成であるが、外皮を、内容部に対して着脱可能に連結させる構成としてもよい。また、このような構成とする場合、連結部を設けず、外皮によって、内容物の外周側全体を覆うような構成としてもよい。勿論、外皮の配置数は、4枚に限定されるものではない。また、実施形態のバナナ玩具1,50,70では、4つの外皮22,60,80それぞれに、ヘタ部3,51,71を構成するヘタ構成部24,24A,82を配置させる構成であるが、ヘタ部を、4分割せず、1つの外皮のみに配置させるような構成としてもよい。また、ヘタ部を1つの外皮のみに配置させる構成とする場合、第3実施形態のバナナ玩具70の上端70a側に設けられる係止用の突起部や係止用凹部は、外皮本体の上端側に配設させる構成としてもよい。
【0073】
第1実施形態のバナナ玩具1では、外皮22は、果実部7に対して剥離させた(剥いた)状態で、大きく垂れ下がるような構成ではないが、このような構成のバナナ玩具1においても、例えば図32に示す外皮100のごとく、突状体102を連続的ではなく複数個に分割するように断続的に構成したり、また、図示は省略するが、ヘタ構成部の内部に錘を配置させれば、外皮を果実部に対して垂らすように配置させることができる。
【0074】
さらに、果実部105と外皮110とを、図33に示すような構成としてもよい。果実部105に形成される凹溝106は、先端側の狭幅部106aと、狭幅部106aと分離されるとともに元部側において狭幅部106aよりも幅広に設定される広幅部106bと、を備えている。外皮110において、外皮本体111から突出する突状体112は、凹溝106の狭幅部106aに嵌合可能な先端側部112aと、広幅部106bに嵌合可能な元部側部112bと、を有し、先端側部112aと元部側部112bとは、分離されている。そして、元部側部112bは、広幅部106bよりも幅広として、広幅部106bに無理嵌めするような構成とされる。このような構成とすれば、外皮110を、外皮本体111における先端側部112aと元部側部112bとの間の領域で撓ませることができる。また、元部側部112bの幅寸法を、広幅部106bよりも幅広とすることにより、この元部側部112bが広幅部106bの周縁の部位に当たって、復元力により外皮が閉じ状態に戻ることを抑制するストッパとしての役目も果たすこととなり、外皮本体111の撓んだ状態も維持しやすくなる。なお、図例においては、凹溝106は、狭幅部106aと広幅部106bとを分離させるように構成されているが、凹溝を、狭幅部を延ばすようにして、狭幅部と広幅部とを連続的に配置させるように構成してもよい。さらに、図34に示すごとく、外皮110Aとして、突状体112Aにおける元部側部112bの突出量を大きく設定してもよく、このような構成とする場合には、外皮本体111をめくった状態においても、元部側部112bが凹溝106Aの広幅部106b内に残ることとなり、元部側部112bの外表面と広幅部106bの内表面との間に生じる摩擦によって、外皮が閉じ状態に戻ることを抑制でき、外皮本体111Aの撓んだ状態を維持しやすくなる。
【0075】
また、バナナ玩具1,50,70において、外皮22,60,80及び連結部材32,32A,32Bを、熱変色性の材料から形成することもできる。例えば、通常状態の外皮及び連結部を緑色とし、握った際の体温による温度変化によって、緑色から黄色、茶色に変化させるような構成とすれば、バナナの熟していく様子を再現することもできる。
【0076】
なお、実施形態では、バナナ玩具を例に採り説明しているが、本発明は、内容物から外皮を剥く行為を楽しむものであれば、バナナに限定されるものではない。例えば、トウモロコシやソーセージ、たけのこ等を模した長尺状の模擬食品玩具にも適用可能であり、また、みかんやレモン等のかんきつ類、キャベツやレタス等の葉物野菜、アルミ包装によってくるまれた個包装タイプのプロセスチーズ、フィルムによってくるまれた個包装タイプのおにぎり等、長尺体ではないものの、めくる行為を楽しむことのできる種々の食品を模した模擬食品玩具等にも適用可能である。さらに、本発明は、模擬食品玩具に限定されるものではなく、例えば、テープやシールを繰り返し着脱させて遊ぶタイプの玩具や、人形の顔に使用するパックを模した模擬パック玩具等、めくる行為を楽しむことのできる玩具にも、適用可能である。
【符号の説明】
【0077】
1…バナナ玩具(玩具)、7…果実部(内容物)、8c…外表面、9…凹溝、22…外皮、23…外皮本体、23c…内表面、25…突状体、25a…先端側領域、25b…元部側領域、50…バナナ玩具(玩具)、55…果実部(内容物)、57…凹溝、60…外皮、61…外皮本体、62…先端側領域、63…元部側領域、66…突状体、70…バナナ玩具(玩具)、71…ヘタ部、72…貫通穴部、75…果実部(内容物)、77(77A,77B,77C,77D)…係止用凹部、80(80A,80B,80C,80D)…外皮、82…ヘタ構成部、82a…穴用凹部、82b,82c…側面、83…突起部、84…挿入用凹部、88(88A,88B,88C,88D)…取付片部、88a…内周端(先端)、88b…上面、88c…下面、88d,88e…縁部、89…係止用突部、91(91A,91B,91C,91D)…係止用突部(表側係止用突部)、93…凸部、94…凹部。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34