(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095789
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】複数の領域を有するゲート電極を備えた半導体デバイスおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20230629BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20230629BHJP
H01L 29/423 20060101ALI20230629BHJP
H01L 21/283 20060101ALI20230629BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
H01L29/80 F
H01L29/44 Y
H01L29/58 Z
H01L29/44 S
H01L29/80 H
H01L21/283 C
H01L21/28 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022189712
(22)【出願日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】17/561,793
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504199127
【氏名又は名称】エヌエックスピー ユーエスエイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NXP USA,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト グロート
(72)【発明者】
【氏名】フマユーン カビール
(72)【発明者】
【氏名】ブルース マクレー グリーン
(72)【発明者】
【氏名】イブラヒム カリル
【テーマコード(参考)】
4M104
5F102
【Fターム(参考)】
4M104AA04
4M104AA07
4M104BB01
4M104BB02
4M104BB04
4M104BB05
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4M104FF07
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4M104FF17
4M104HH20
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD10
5F102GJ02
5F102GJ03
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5F102GJ10
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5F102GS01
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5F102HC01
5F102HC07
5F102HC10
5F102HC19
5F102HC24
(57)【要約】 (修正有)
【課題】所与の用途に対するデバイス性能要件を満たすように調整されたゲート電極を有するGaNデバイスを提供する。
【解決手段】GaN HFET(ヘテロ接合電界効果トランジスタ)デバイス100は、半導体基板110と、半導体基板の上面の上に配置された第1誘電体層130と、第1誘電体層の上に配置された第2誘電体層150と、第2誘電体層の上に配置された第3誘電体層155と、第1誘電体層に形成された下部開口部136と、第2誘電体層及び第3誘電体層に形成され、その少なくとも一部が下部開口部の一部と重なる上部開口部158と、下部開口部の少なくとも一部内及び上部開口部の一部内に形成され、その一部が第3誘電体層の上に形成されるゲート電極(制御電極)160と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
上面およびチャネルを有する半導体基板と、
前記半導体基板の前記上面の上に配置された第1誘電体層と、
前記第1誘電体層の上に配置された第2誘電体層と、
前記第2誘電体層の上に配置された第3誘電体層と、
前記第1誘電体層に形成された下部開口部と、
前記第2誘電体層および前記第3誘電体層に形成された上部開口部であって、前記上部開口部の少なくとも一部は前記下部開口部の一部と重なる、上部開口部と、
前記下部開口部の少なくとも一部内および前記上部開口部の一部内に形成された制御電極であって、前記制御電極の一部は前記第3誘電体層の上に形成される、制御電極と、を備える半導体デバイス。
【請求項2】
前記半導体基板上に形成されるとともに、前記第1誘電体層の第1通電開口部内で前記チャネルに電気的に結合された第1通電電極と、前記第1誘電体層の第2通電開口部内に形成されるとともに、前記チャネルに電気的に結合された第2通電電極と、をさらに備え、前記制御電極は、前記第1通電電極と前記第2通電電極との間に形成され、前記第1通電電極および前記第2通電電極は、前記チャネルを通る電流の流れをサポートするよう構成されている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記制御電極はゲート電極として構成され、前記第1通電電極はソース電極として構成され、前記第2通電電極はドレイン電極として構成される、請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
第4誘電体層は、前記ゲート電極の上に形成され、フィールドプレートは、前記ゲート電極に隣接しかつ前記第4誘電体層の少なくとも一部の上に形成される、請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記制御電極は、
前記下部開口部内に形成された第1領域と、
前記第1領域の上方に形成されるとともに、前記下部開口部と前記第1通電電極との間で前記第1誘電体層上に延在する第1突出領域と、前記下部開口部と前記第2通電電極との間で前記第1誘電体層上に延在する第2突出領域と、を含む第2領域と、
前記第2領域の上方に形成されるとともに、前記上部開口部と前記第1通電電極との間で前記第3誘電体層上に延在する第3突出領域を含む、第3領域と、を含む請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記制御電極の前記第3領域は、前記上部開口部と前記第2通電電極との間で前記第3誘電体層上に延在する第4突出領域を含む、請求項5に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記第3突出領域の横方向長さは、前記第4突出領域の横方向長さよりも長い、請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記第2突出領域の横方向長さは、前記第4突出領域の横方向長さよりも短い、請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記第1誘電体層の誘電率は、前記第2誘電体層の誘電率を超える、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記第1誘電体層は窒化ケイ素を含み、前記第2誘電体層は、二酸化ケイ素、オルトケイ酸テトラエチル、有機ケイ酸塩ガラス、および多孔質二酸化ケイ素からなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
窒化ガリウムトランジスタデバイスであって、
窒化ガリウムを含むとともに、上面およびチャネルをさらに含む半導体基板と、
前記半導体基板の前記上面の上に配置された第1誘電体層と、
前記第1誘電体層の上に配置された第2誘電体層と、
前記第2誘電体層の上に配置された第3誘電体層と、
前記チャネルを通る電流の流れをサポートするよう構成され、前記第1誘電体層に形成されたソース開口部およびドレイン開口部内で前記半導体基板上に形成されるとともに、前記チャネルに電気的に結合されたソース電極およびドレイン電極と、
前記ソース電極と前記ドレイン電極との間で前記第1誘電体層に形成された下部開口部と、
前記第2誘電体層および前記第3誘電体層に形成された上部開口部であって、前記上部開口部の少なくとも一部は前記下部開口部の一部と重なる、上部開口部と、
前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の前記半導体基板上で、前記下部開口部の少なくとも一部内および前記上部開口部の一部内に形成され、前記チャネルを通る電流の流れを制御するよう構成されたゲート電極と、を備える窒化ガリウムトランジスタデバイスであって、前記ゲート電極は、
前記下部開口部内に形成された第1ゲート領域と、
前記第1ゲート領域の上方に形成されるとともに、前記下部開口部と前記ソース電極との間で前記第1誘電体層上に横方向に延在する第1突出領域と、前記下部開口部と前記ドレイン電極との間で前記第1誘電体層上に横方向に延在する第2突出領域とを含む、第2ゲート領域と、
前記第2ゲート領域の上方に形成されるとともに、前記上部開口部と前記ソース電極との間で前記第3誘電体層上に延在する第3突出領域を含む、第3ゲート領域と、を含む、窒化ガリウムトランジスタデバイス。
【請求項12】
前記第3ゲート領域は、前記上部開口部と前記ドレイン電極との間で前記第3誘電体層上に延在する第4突出領域を含む、請求項11に記載の窒化ガリウムトランジスタデバイス。
【請求項13】
前記第2誘電体層および前記第3誘電体層は、前記第3突出領域の端部で終端する、請求項11に記載の窒化ガリウムトランジスタデバイス。
【請求項14】
第4誘電体層は、前記ゲート電極の少なくとも一部の上に形成され、フィールドプレートは、前記ゲート電極に隣接しかつ前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間で、前記第4誘電体層の上に形成される、請求項11に記載の窒化ガリウムトランジスタデバイス。
【請求項15】
窒化ガリウムトランジスタデバイスを形成する方法であって、
窒化ガリウムを含むとともに、上面およびチャネルをさらに含む半導体基板を形成する工程と、
前記半導体基板の前記上面の上に第1誘電体層を形成する、第1誘電体層形成工程と、
前記第1誘電体層にソース-ドレイン開口部を形成する工程と、
前記ソース-ドレイン開口部内で前記半導体基板上にソース電極およびドレイン電極を形成する工程と、
前記第1誘電体層の上に第2誘電体層を形成する、第2誘電体層形成工程と、
前記第2誘電体層の上に第3誘電体層を形成する工程と、
前記ソース電極と前記ドレイン電極との間で前記第3誘電体層および前記第2誘電体層に上部開口部を形成する工程と、
前記第1誘電体層内に下部開口部を形成する工程であって、前記上部開口部の少なくとも一部は前記下部開口部の一部と重なる工程と、
ゲート電極を形成するゲート電極形成工程であって、前記ゲート電極形成工程は、
前記下部開口部内に第1ゲート領域を形成する工程と、
前記第1ゲート領域の上方に第2ゲート領域を形成する工程であって、前記下部開口部と前記ソース電極との間で前記第1誘電体層の上に延在する第1突出領域を形成するとともに、前記下部開口部と前記ドレイン電極との間で前記第1誘電体層の上に延在する第2突出領域を形成する工程と、
前記第2ゲート領域の上方に第3ゲート領域を形成する工程であって、前記上部開口部と前記ソース電極との間で前記第3誘電体層の上に延在する第3突出領域を形成する工程と、を備える方法。
【請求項16】
前記第1誘電体層形成工程は、窒化ケイ素を形成し、第2誘電体層形成工程は、二酸化ケイ素、オルトケイ酸テトラエチル、有機ケイ酸塩ガラス、および多孔質二酸化ケイ素からなる群から選択される材料を形成する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2誘電体層および前記第3誘電体層は、前記第3突出領域の終端部で終端するようエッチングされる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記上部開口部内にハードマスク層を形成する工程であって、前記ハードマスク層を使用して前記下部開口部を形成する工程を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記ゲート電極の少なくとも一部の上に第4誘電体層を形成する工程を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
フィールドプレートを、前記ゲート電極に隣接しかつ前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間で、前記第4誘電体層の上に形成する工程を含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明される発明の実施形態は一般的に、ゲート電極を有する半導体デバイスおよびそのデバイス製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスは、多種多様な電子部品およびシステムに利用されている。高出力かつ高周波数のトランジスタは、RF(無線周波数)システムおよびパワーエレクトロニクスシステムに利用されている。GaN(窒化ガリウム)デバイス技術は、その優れた電子および熱特性のために、これらのRF電力およびパワーエレクトロニクス用途に特に適している。特に、GaNの高い電子速度および高い破壊電界強度によって、この材料から製造されたデバイスは、RF電力増幅器および高出力スイッチング用途において理想的である。GaNデバイスにおけるゲート電極の設計は、様々なRFおよび電力用途に必要なデバイス性能を達成する際に重要な役割を果たす。したがって、所与の用途に対するデバイス性能要件を満たすように調整されたゲート電極を有するGaNデバイスが必要とされている。
【0003】
発明のより完全な理解は、図面全体を通して同様の参照番号は同様の要素を指す以下の図面を用いて考慮される際に、詳細な説明および特許請求の範囲を参照することで導出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】一実施形態による例示的なGaN HFET(ヘテロ接合電界効果トランジスタ)の側断面図。
【
図2】一実施形態による例示的なGaN HFET(ヘテロ接合電界効果トランジスタ)の側断面図。
【
図3】一実施形態による
図1および
図2のGaN HFET(ヘテロ接合電界効果トランジスタ)デバイスを製造する方法を説明する処理フロー図。
【
図4】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図5A】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図5B】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図5C】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図5D】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図6】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図7A】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図7B】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図7C】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図8】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図9】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図10】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図11A】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図11B】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図11C】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図11D】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図12A】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図12B】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図13A】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図13B】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図14A】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図14B】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図15A】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図15B】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図16A】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図16B】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図17A】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図17B】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の詳細な説明は、本質的には単なる例示に過ぎないので、発明の実施形態および、そのような実施形態の用途ならびに使用を限定することを意図しない。本明細書で使用される「例示的」および「例」という単語は、「例、事例、または例示としての役割を果たす」ことを意味する。例示的または例として本明細書で説明される任意の実装形態は、必ずしも他の実装形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。さらに、前述の技術分野、背景技術、または以下の詳細な説明において提示されるいかなる明示または暗示される理論によっても拘束される意図は存在しない。
【0006】
1つの態様では、実施形態は、半導体デバイスを含んでよい。半導体デバイスは、上面およびチャネルを有する半導体基板を含んでよい。一実施形態によれば、第1誘電体層は、半導体基板の上面の上に配置されてよく、第2誘電体層は、第1誘電体層の上に配置されてよく、第3誘電体層は、第2誘電体層の上に配置されてよい。一実施形態では、下部開口部は、第1誘電体層に形成されてよい。一実施形態によれば、上部開口部は、第2誘電体層および第3誘電体層に形成されてよく、上部開口部の少なくとも一部は下部開口部の一部と重なってよい。一実施形態では、制御電極は、下部開口部の少なくとも一部内および上部開口部の一部内に形成されてよく、制御電極の一部は第3誘電体層の上に形成されてよい。
【0007】
他の態様では、実施形態は、窒化ガリウムを含む半導体基板を含み得るGaN(窒化ガリウム)トランジスタデバイスを含んでよい。半導体基板は、上面およびチャネルを含んでよい。一実施形態によれば、第1誘電体層は、半導体基板の上面の上に配置されてよく、第2誘電体層は、第1誘電体層の上に配置されてよく、第3誘電体層は、第1誘電体層の上に配置されてよい。一実施形態では、ソース電極およびドレイン電極は、チャネルを通る電流の流れをサポートするよう構成されてよいとともに、第1誘電体層に形成されたソース-ドレイン開口部内で半導体基板上に形成されてよい。一実施形態によれば、下部開口部は、ソース電極とドレイン電極との間で第1誘電体層に形成されてよい。一実施形態では、上部開口部は、第2誘電体層および第3誘電体層に形成されてよく、上部開口部の少なくとも一部は下部開口部の一部と重なってよい。一実施形態によれば、ゲート電極は、ソース電極とドレイン電極との間の半導体基板上で、下部開口部の少なくとも一部内および上部開口部の一部内に形成されるとともに、チャネルを通る電流の流れを制御するよう構成されてよい。一実施形態では、ゲート電極は、下部開口部内に形成された第1ゲート領域と、第1ゲート領域の上方に形成された第2ゲート領域と、を含んでよい。一実施形態によれば、第2ゲート領域は、下部開口部とソース電極との間で第1誘電体層上に横方向に延在する第1突出領域と、下部開口部とドレイン電極との間で第1誘電体層上に延在する第2突出領域とを含んでよい。一実施形態では、第3ゲート領域は、第2ゲート領域の上方に形成されてよい。第3ゲート領域は、上部開口部とソース電極との間で第3誘電体層上に横方向に延在する第3突出領域を含む、第3ゲート領域を含んでよい。
【0008】
さらに他の態様では、実施形態は、窒化ガリウムトランジスタを形成する方法を含んでよい。一実施形態では、方法は、窒化ガリウムを含むとともに、上面およびチャネルをさらに含む半導体基板を形成する工程を含んでよい。一実施形態によれば、方法は、半導体基板の上面の上に第1誘電体層を形成する工程と、第1誘電体層にソース-ドレイン開口部を形成する工程と、を含んでよい。方法の実施形態は、ソース-ドレイン開口部内で半導体基板上にソース電極およびドレイン電極を形成する工程を含んでよい。一実施形態によれば、方法は、第1誘電体層の上に第2誘電体層を形成する工程と、第2誘電体層の上に第3誘電体層を形成する工程と、を含んでよい。方法の実施形態は、ソース電極とドレイン電極との間で第3誘電体層および第2誘電体層に上部開口部を形成する工程と、第1誘電体層内に下部開口部を形成する工程であって、上部開口部の少なくとも一部は下部開口部の一部と重なる工程と、を含んでよい。一実施形態によれば、方法はゲート電極を形成するゲート電極形成工程を含んでよい。一実施形態では、ゲート電極形成工程は、下部開口部内に第1ゲート領域を形成する工程と、第1ゲート領域の上方に第2ゲート領域を形成する第2ゲート領域形成工程と、を含んでよい。一実施形態によれば、第2ゲート領域形成工程は、下部開口部とソース電極との間で第1誘電体層の上に延在する第1突出領域を形成するとともに、下部開口部とドレイン電極との間で第1誘電体層の上に延在する第2突出領域を形成する工程と、を含んでよい。一実施形態によれば、ゲート電極形成工程は、第2ゲート領域の上方に第3ゲート領域を形成する第3ゲート領域形成工程をさらに含んでよい。一実施形態では、第3ゲート領域形成工程は、上部開口部とソース電極との間で第3誘電体層の上に延在する第3突出領域を形成する工程を含んでよい。
【0009】
図1は、一実施形態による例示的なGaN HFET(ヘテロ接合電界効果トランジスタ)デバイス100の側断面図である。一実施形態では、GaN HFETデバイス100は、半導体基板110と、1つまたは複数の分離領域120と、活性領域125と、第1誘電体層130と、ソース電極(すなわち、「第1通電電極」)140と、ドレイン電極(すなわち、「第2通電電極」)145と、第2誘電体層150と、第3誘電体層155と、ゲート電極160(すなわち、「制御電極」)と、第4誘電体層180と、フィールドプレート190とを含んでよい。以下でより詳細に説明するように、GaN HFETデバイス100は、分離領域120によって画定される活性領域125内に実質的に含まれてよい。第1誘電体層130、ソース電極140、ドレイン電極145、第2誘電体層150、第3誘電体層155、ゲート電極160、第4誘電体層180、およびフィールドプレート190は、半導体基板110の上に配置されてよい。
【0010】
一実施形態では、半導体基板110は、ホスト基板102と、ホスト基板102の上に配置されたバッファ層104と、バッファ層104の上に配置されたチャネル層106と、チャネル層106の上に配置されたバリア層108と、チャネル層106の上に配置されたキャップ層109とを含んでよい。一実施形態では、ホスト基板102はSiC(炭化ケイ素)を含んでよい。他の実施形態では、ホスト基板102は、サファイア、Si(シリコン)、GaN、AlN(窒化アルミニウム)、ダイヤモンド、ポリSiC、シリコンオンインシュレータ、GaAs(ガリウムヒ素)、InP(リン化インジウム)、および他の実質的に絶縁性または高抵抗の材料などの他の材料を含んでよい。核形成層(図示せず)は、バッファ層104とホスト基板102との間でホスト基板102の上面103上に形成されてよい。一実施形態では、核形成層はAlNを含んでよい。バッファ層104は、複数のIII-N族半導体層を含んでよいとともに、ホスト基板102によって支持される。バッファ層104の各半導体層は、エピタキシャル成長したIII族窒化物エピタキシャル層を含んでよい。バッファ層104を構成するIII族窒化物エピタキシャル層は、例えば、N(窒素)面またはGa(ガリウム)面材料でよい。他の実施形態では、バッファ層104の半導体層はエピタキシャル成長でなくてもよい。さらに他の実施形態では、バッファ層104の半導体層は、Si、GaAs、InP、または他の適切な材料を含んでよい。
【0011】
一実施形態では、バッファ層104を、ホスト基板102上にエピタキシャル成長させてもよい。バッファ層104は、0から1の間の値を取り得るアルミニウムモル分率Xを有するAlXGa1-XNによって表される組成を有する1つ以上のAlGaN混晶層を含んでよい。バッファ層104の全ての層の合計厚さは、約200オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約100000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間でよいが、他の厚さでもよい。Xの極限値0は純粋なGaNを生成する一方、極限値1は純粋な窒化アルミニウム(AlN)を生成する。一実施形態では、バッファ層104は、ホスト基板および核形成層(図示せず)の上に配置されてよい。バッファ層104は、追加的なAlXGa1-XN層を含んでよい。追加的なAlXGa1-XN層の厚さは、約200オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約50000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間でよいが、他の厚さでもよい。一実施形態では、追加的なAlXGa1-XN層は、AlXGa1-XNがNID(意図的にドープされていない)である、GaN(X=0)として構成されてよい。追加的なAlXGa1-XN層はまた、1つまたは複数のGaN層として構成されてもよい。1つまたは複数のGaN層は、Fe(鉄)、Cr(クロム)、C(炭素)、またはバッファ層104を実質的に絶縁性または高抵抗にする他の適切なドーパントを含み得るドーパントで意図的にドープされる。ドーパント濃度は、約1017cm-3から1019cm-3の間でよいが、他のより高いまたはより低い濃度でもよい。追加的なAlXGa1-XN層は、AlXGa1-XNがNID、またはAlXGa1-XNがFe、Cr、Cもしくは他の適切なドーパント種で意図的にドープされるとともに、X=0.01から0.10で構成されてよい。他の実施形態(図示せず)では、追加層は、超格子として構成されてもよい。追加層は、一連の交互のNIDまたはドープされたAlXGa1-XN層を含む一方、Xの値は、0から1の間の値を取る。さらに他の実施形態では、バッファ層104は、InYGa1-YNで表される組成を有する1つまたは複数のInGaN(窒化インジウムガリウム)層も含んでよい。インジウムモル分率であるYは、0から1の間の値を取り得る。InGaN層の厚さは、約50オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約2000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間でよいが、他の厚さでもよい。
【0012】
一実施形態では、バッファ層104の上にチャネル層106が形成されてよい。チャネル層106は、1つまたは複数のIII-N族半導体層を含んでよいとともに、バッファ層104によって支持されてよい。チャネル層106は、AlXGa1-XN層を含んでよい。Xは0から1の間の値を取る。一実施形態では、チャネル層106は、GaN(X=0)として構成されるが、本発明の主題の範囲から逸脱することなく、Xは他の値を取ってもよい。チャネル層106の厚さは、約50オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約10000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間でよいが、他の厚さでもよい。チャネル層106は、NIDであってよく、またはSi、Ge(ゲルマニウム)、C、Fe、Crもしくは他の適切なドーパントを含んでもよい。ドーパント濃度は、約1015cm-3から約1019cm-3の間でよいが、他のより高いまたはより低い濃度でもよい。他の実施形態では、チャネル層106は、NIDまたはドープされたInYGa1-YNを含んでよい。インジウムモル分率であるYは、0から1の間の値を取り得る。
【0013】
一実施形態によれば、チャネル層106の上にバリア層108が形成されてよい。バリア層108は、1つまたは複数のIII-N族半導体層を含んでよいとともに、チャネル層106によって支持される。いくつかの実施形態では、バリア層108は、チャネル層106よりも大きいバンドギャップおよび大きい自発分極を有してよい。また、バリア層108がチャネル層106と直接接触している場合、チャネル層106とバリア層108との間の界面付近のチャネル層106内に2-DEG(二次元電子ガス)の形態でチャネル107が生成される。加えて、バリア層108とチャネル層106との間の歪みによって、追加的な圧電電荷を2-DEGおよびチャネル107に導入してよい。バリア層108は、1つ以上のNID AlXGa1-XN層を含んでよい。Xは0から1の間の値を取る。いくつかの実施形態では、Xは、0.1から0.35の間の値を取り得るが、他の値でもよい。バリア層108の厚さは、約50オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約1000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間でよいが、他の厚さでもよい。バリア層108は、NIDであってよく、またはSi、Ge、C、Fe、Crもしくは他の適切なドーパントを含んでもよい。ドーパント濃度は、約1016cm-3から1019cm-3の間でよいが、他のより高いまたはより低い濃度でもよい。一実施形態によれば、追加的なAlNインターバリア層(図示せず)が、一実施形態によるチャネル層106とバリア層108との間に形成されてよい。AlNインターバリア層は、チャネル電荷を増加させることで、得られた2-DEGの電子閉じ込めを改善し得る。他の実施形態では、バリア層108は、InYAl1-YNで表されるInAlN(窒化インジウムアルミニウム)層を含んでよい。インジウムモル分率であるYは、約0.1から約0.2の値を取り得るが、他の値でもよい。InAlNバリアの場合、バリア層108の厚さは、約30オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約1000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間でよいが、他の厚さでもよい。InAlNを用いてバリア層108を形成する場合、InAlNはNIDであってよく、またはSi、Ge、C、Fe、Crもしくは他の適切なドーパントを含んでもよい。ドーパント濃度は、約1016cm-3から約1019cm-3の間でよいが、他のより高いまたはより低い濃度でもよい。
【0014】
図1に示す実施形態では、バリア層108の上にキャップ層109が形成されてよい。キャップ層109は、半導体基板110に対して安定した表面を提供し得るとともに、半導体基板110の表面を、ウェハ処理に付随する化学的曝露および環境曝露から保護し得る。キャップ層109は、1つまたは複数のIII-N族半導体層を含んでよいとともに、バリア層108によって支持される。一実施形態では、キャップ層109はGaNである。キャップ層109の厚さは、約5オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約100オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間でよいが、他の厚さでもよい。キャップ層109は、NIDであってよく、またはSi、Ge、C、Fe、Crもしくは他の適切なドーパントを含んでもよい。ドーパント濃度は、約10
16cm
-3から10
19cm
-3の間でよいが、他のより高いまたはより低い濃度でもよい。半導体基板110を形成するための材料の選択および層の配置は、本発明の主題の範囲から逸脱することなく、例示的であることを理解されたい。ホスト基板102、バッファ層104、チャネル層106、バリア層108、およびキャップ層109を半導体基板110に含めることは例示的であり、様々な層の機能および作用が組み合わされ得るとともに、任意の特定の実施形態で使用される材料に応じて変更し得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、キャップ層109は省略されてよい(図示せず)。N極性材料を使用する他の実施形態では、チャネル層106をバリア層108の上に配置することで、キャップ層109およびゲート電極160(図示せず)の直下に2-DEGおよびチャネル107を作成してよい。さらなる実施形態では、GaAs、Ga
2O
3(酸化ガリウム)、AlGaAs(ヒ化アルミニウムガリウム)、InGaAs(ヒ化インジウムガリウム)、およびAlInAs(ヒ化アルミニウムインジウム)を含む材料から形成された半導体層によって半導体基板110を形成してよい。
【0015】
一実施形態によれば、1つまたは複数の分離領域120が、半導体基板110に形成されることで、ホスト基板102の上面103に沿って上方に活性領域125を画定してよい。分離領域120は、エピタキシャル層および/または他の半導体層にダメージを与えることで半導体基板110に高抵抗領域122を生成するよう構成された注入手順によって形成されるので、半導体基板110を高抵抗にするか、または高抵抗領域122において半絶縁性にする一方で、活性領域125では結晶構造を維持してよい。他の実施形態では、分離領域120は、半導体基板110のエピタキシャル層および/または他の半導体層のうちの1つまたは複数を除去することで、半導体基板110の残りの層を半絶縁性にするとともに、高抵抗または半絶縁性分離領域120(図示せず)によって囲まれた活性領域125「メサ」を残すことで形成されてよい。さらに他の実施形態では、分離領域120は、半導体基板110のエピタキシャル層および/または他の半導体層のうちの1つまたは複数を除去して、次いでイオン注入を使用することで半導体基板110の残りの層の半絶縁特性にダメージを与えかつさらに強化するとともに、注入された高抵抗または半絶縁性分離領域120(図示せず)によって囲まれた活性領域125「メサ」を残すことで形成されてよい。
【0016】
一実施形態では、第1誘電体層130は、活性領域125および分離領域120の上に形成されてよい。一実施形態では、第1誘電体層130は、SiO2(二酸化ケイ素)、SiN(窒化ケイ素)、SiON(酸窒化ケイ素)、Al2O3(酸化アルミニウム)、AlN(窒化アルミニウム)、およびHfO2(酸化ハフニウム)を含む1つまたは複数の適切な材料から形成されてよいが、他の実質的に絶縁性の材料から形成されてもよい。一実施形態では、第1誘電体層130は、200オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から1000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有してよい。他の実施形態では、第1誘電体層130は、50オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から10000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有してよいが、他の厚さでもよい。
【0017】
一実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145は、活性領域125内の半導体基板110内に形成されたソース領域142およびドレイン領域147の上に接触して形成されてよい。ソース電極140およびドレイン電極145は、第1誘電体層130に形成されたソース開口部132(すなわち、「第1通電開口部」)およびドレイン開口部134(すなわち、「第2通電開口部」)内に形成されてもよいとともに、1つまたは複数の導電層から形成されてよい。いくつかの実施形態では、イオン注入を使用してチャネル107へのオーム接触を形成することで、ソース領域142およびドレイン領域147を作成してよい。一実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145を形成するために使用される1つまたは複数の導電層は、Ti(チタン)、Au(金)、Al、Mo(モリブデン)、Ni(ニッケル)、Si、Ge、Pt(白金)、Ta(タンタル)、または他の適切な材料を含んでよい。他の実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145を形成するために使用される1つまたは複数の導電層は、TiW(チタンタングステン)、TiAl(チタンアルミニウム)、またはTiWN(窒化チタンタングステン)を含んでよい。一実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145は、キャップ層109の上に接触して形成されてよい。他の実施形態(図示せず)では、ソース電極140およびドレイン電極145の一方または両方は、キャップ層109に凹設されるとともに、バリア層108中に部分的に延在してよい。一実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145は、多層スタックから形成されてもよい。一実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145を形成するために使用される多層スタックは、接着層と、アニールされた際にチャネル107とソース領域142およびドレイン領域147との間にオーム接触を形成する1つまたは複数の層とを含んでよい。一実施形態では、接着層は、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、Si(シリコン)、または他の適切な材料を含んでよい。一実施形態では、接着層は、4.5電子ボルト未満の仕事関数を有してよい。
【0018】
一実施形態によれば、第2誘電体層150は、第1誘電体層の上に配置されてよい。一実施形態では、第2誘電体層150は、SiO2(二酸化ケイ素)、TEOS(オルトケイ酸テトラエチル)、有機ケイ酸塩ガラス、多孔質二酸化ケイ素、SiN(窒化ケイ素)、SiON(酸窒化ケイ素)、Al2O3(酸化アルミニウム)、AlN(窒化アルミニウム)、およびHfO2(酸化ハフニウム)を含む1つまたは複数の適切な材料から形成されてよいが、他の実質的に絶縁性の材料から形成されてもよい。一実施形態では、第2誘電体層150は、低k誘電体層を含んでよい。本明細書および実施形態で使用される「低k誘電体層」という用語は、約6未満の比誘電率を有する誘電体材料を指す。一実施形態では、第1誘電体層の誘電率は、第2誘電体層150の誘電率を超えてよい。低k誘電体層を使用して実現され得る第2誘電体層150のより低い誘電率によって、例えば、ゲート電極160、ソース電極140、およびフィールドプレート190間の寄生容量を最小化してよい。例えば、一実施形態では、第1誘電体層130はSiNを含んでよい一方、第2誘電体層150はTEOSを含んでよい。一実施形態では、第2誘電体層150は、1000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から10000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有してよい。他の実施形態では、第2誘電体層150は、500オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から20000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有してよいが、他の厚さでもよい。
【0019】
ある実施形態によれば、第3誘電体層155は、第2誘電体層150の上に配置されてよい。一実施形態では、第3誘電体層155は、SiO2(二酸化ケイ素)、SiN(窒化ケイ素)、SiON(酸窒化ケイ素)、Al2O3(酸化アルミニウム)、AlN(窒化アルミニウム)、およびHfO2(酸化ハフニウム)を含む1つまたは複数の適切な材料から形成されてよいが、他の実質的に絶縁性の材料から形成されてもよい。一実施形態では、第3誘電体層155は、200オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から1000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有してよい。他の実施形態では、第3誘電体層155は、50オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から5000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有してよいが、他の厚さでもよい。
【0020】
一実施形態では、ゲート電極160は、活性領域125内の半導体基板110の上に形成されてよい。一実施形態によれば、下部開口部136は、ソース電極140とドレイン電極145との間で第1誘電体層130に形成されてよい。一実施形態では、上部開口部158は、第2誘電体層150および第3誘電体層155に形成されてもよい。上部開口部158の少なくとも一部は、下部開口部136の一部と重なってよい。一実施形態によれば、ゲート電極160は、ソース電極140とドレイン電極145との間の半導体基板110上で、下部開口部136の少なくとも一部内および上部開口部158の一部内に形成されてもよいとともに、チャネル107を通る電流の流れを制御するよう構成されてよい。一実施形態では、ゲート電極160は、下部開口部136内に形成された第1ゲート領域(すなわち、「第1領域」)161と、第1ゲート領域161の上方で上部開口部158内に形成された第2ゲート領域(すなわち、「第2領域」)162とを含んでよい。一実施形態によれば、第2ゲート領域162は、下部開口部136とソース電極140との間で第1誘電体層130上に横方向に延在する第1突出領域163と、下部開口部136とドレイン電極との間で第1誘電体層130上に延在する第2突出領域164とを含んでよい。一実施形態では、第3ゲート領域165は第2ゲート領域162の上方に形成されてよい。第3ゲート領域165は、上部開口部158とソース電極140との間で第3誘電体層155上に横方向に延在し得る第3突出領域166を含んでよい。一実施形態によれば、第3ゲート領域165は、上部開口部158とドレイン電極147との間で第3誘電体層155上に延在する第4突出領域167を含んでよい。
【0021】
一実施形態では、ゲート電極160は、下部開口部136内のゲート長170と、第1および第2突出領域長163、164と、第3および第4突出領域長(すなわち、「横方向長さ」)176、178とを有してよい。第1および第2突出領域163、164は、第1誘電体層130を覆ってよい。第3および第4突出領域166、167は、第3誘電体層155を覆ってよい。一実施形態では、ゲート長170は、約0.05ミクロンから約1ミクロンの間でよい。他の実施形態では、ゲート長170は、約0.02ミクロンから約5ミクロンの間でよいが、他の適切な寸法でもよい。一実施形態では、第1および第2突出領域長172、174は、約0.02ミクロンから約0.5ミクロンの間でよい。他の実施形態では、第1および第2突出領域長172、174は、約0.01ミクロンから5ミクロンの間でよいが、他の好適な寸法でもよい。一実施形態では、第3および第4突出領域長176、178は、約0.02ミクロンから約0.5ミクロンの間でよい。他の実施形態では、第3および第4突出領域長176、178は、約0.01ミクロンから5ミクロンの間でよいが、他の好適な寸法でもよい。
【0022】
ゲート電極160に印加される電位の変化は、チャネル層106の擬フェルミ準位に関してバリア層108の擬フェルミ準位をシフトさせることで、ゲート電極160の下の半導体基板110内のチャネル107における電子濃度を変調し得る。一実施形態によれば、Ni、Pd(パラジウム)、Pt、Ir(イリジウム)、またはCu(銅)などの1つまたは複数のショットキー材料を、Au、Al、Cu、ポリSi、または他の適切な材料などの低応力導電性材料の1つまたは複数と金属スタック内で組み合わせることで、チャネル107に電気的に結合された低損失ショットキーゲート電極160用にゲート電極160を形成してよい。
【0023】
一実施形態では、第2および第3誘電体層150、155は、上部開口部158の縁部から第3および第4突出領域166、167の外縁部まで延在してよい。一実施形態によれば、第2および第3誘電体層150、155の外縁部は、第3および第4突出領域166、167の外縁部と自己整合されてよい。他の実施形態(図示せず)では、第2および第3誘電体層150、155は、第3および第4突出領域166、167の外縁部を越えて延在してよい。これらの他の実施形態では、第2および第3誘電体層150、155は、第1誘電体層130と、ソース電極140およびドレイン電極145とを覆ってよい。
【0024】
一実施形態では、ゲート電極160の垂直縁部にスペーサ層169が形成されてよい。一実施形態によれば、スペーサ層169は、第2および第3誘電体層150、155の外縁部に接触してよい。一実施形態では、スペーサ層169は、SiO2(二酸化ケイ素)、TEOS(オルトケイ酸テトラエチル)、有機ケイ酸塩ガラス、多孔質二酸化ケイ素、SiN(窒化ケイ素)、SiON(酸窒化ケイ素)、Al2O3(酸化アルミニウム)、AlN(窒化アルミニウム)、およびHfO2(酸化ハフニウム)を含む1つまたは複数の適切な材料から形成されてよいが、他の実質的に絶縁性の材料から形成されてもよい。一実施形態によれば、1つまたは複数の低k誘電体材料を使用することで、スペーサ層169を形成してよい。一実施形態では、スペーサ層169を形成する低k誘電体層を使用することにより、例えば、ゲート電極160、ソース電極140、およびフィールドプレート190間の寄生容量を最小化してよい。例えば、一実施形態では、第1誘電体層130はSiNを含んでよい一方、第2誘電体層150はTEOSを含んでよく、スペーサ層169はTEOSを含んでよい。一実施形態では、スペーサ層169は、1000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から10000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有する。他の実施形態では、スペーサ層169は、500オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から20000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有してよいが、他の厚さでもよい。別の実施形態(図示せず)では、スペーサ層169を形成する前または後に、ゲート電極160の上にエッチングストップ層を形成してよい。スペーサ層169を形成する前にエッチングストップ層がゲート電極160上に形成された場合、エッチングストップ層は、スペーサ層169を形成するために使用されるエッチャントのエッチングを阻止するように作用し得る。
【0025】
本発明の主題の範囲から逸脱することなく、複数の他の実施形態が実施されてよい。
図1の例示的な実施形態では、ゲート電極160は半導体基板110の上に配置される。他の実施形態(図示せず)では、ゲート電極160は、キャップ層109に凹設されるとともに、バリア層108中に部分的に延在することで、バリア層108を介したチャネル107へのゲート電極160の電気的結合を増加させてよい。他の実施形態(図示せず)では、キャップ層109は省略されてよく、ゲート電極160はバリア層108に直接接触してよい(図示せず)。さらに他の実施形態では、ゲート電極160は、金属-絶縁体半導体電界効果トランジスタ(MISFET)デバイス(図示せず)を形成するために、ゲート電極160と半導体基板110との間に形成され得るゲート誘電体の上に配置されてよい。
【0026】
一実施形態では、第4誘電体層180は、ゲート電極160の少なくとも一部の上に形成されてよい。一実施形態では、第4誘電体層180は、SiO2(二酸化ケイ素)、TEOS(オルトケイ酸テトラエチル)、有機ケイ酸塩ガラス、多孔質二酸化ケイ素、SiN(窒化ケイ素)、SiON(酸窒化ケイ素)、Al2O3(酸化アルミニウム)、AlN(窒化アルミニウム)、およびHfO2(酸化ハフニウム)を含む1つまたは複数の適切な材料から形成されてよいが、他の実質的に絶縁性の材料から形成されてもよい。一実施形態によれば、1つまたは複数の低k誘電体材料を使用することで、スペーサ層169を形成してよい。一実施形態では、スペーサ層169を形成する低k誘電体層を使用することにより、例えば、ゲート電極160、ソース電極140、およびフィールドプレート190間の寄生容量を最小化してよい。例えば、一実施形態では、第1誘電体層130はSiNを含んでよい一方、第2誘電体層150はTEOSを含んでよく、スペーサ層169はTEOSを含んでよい。一実施形態では、第2誘電体層150は、1000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から10000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有してよい。他の実施形態では、第2誘電体層150は、500オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から20000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の厚さを有してよいが、他の厚さでもよい。
【0027】
フィールドプレート190は、ゲート電極160に隣接しかつゲート電極160とドレイン電極145との間で、第4誘電体層180の上に形成されてよい。一実施形態では、フィールドプレート190は、ゲート電極160に隣接しかつゲート電極160とドレイン電極145との間で、第1誘電体層130の上に形成されてよい。一実施形態では、フィールドプレート190は、ゲート電極160に横方向に隣接して形成されるとともに、第4誘電体層180に接触し得る第1フィールドプレート領域192と、ゲート電極160を取り囲む領域において第4誘電体層180に接触する第2フィールドプレート領域194とを含んでよい。一実施形態によれば、フィールドプレート190は、第1フィールドプレート領域192の横方向長さであるフィールドプレート長196を有してよい。一実施形態では、フィールドプレート長196は、約0.1ミクロンから約2ミクロンの間でよい。他の実施形態では、フィールドプレート長196は、0.05ミクロンから10ミクロンの間でよいが、他の適切な長さでもよい。一実施形態では、フィールドプレート190は、ゲート電極160とドレイン電極145との間で電界およびゲート-ドレイン帰還容量を低減してよい。
【0028】
他の実施形態では、フィールドプレート190は、第4誘電体層180および第4誘電体層180の下の誘電体層(図示せず)の1つまたは複数の開口部を通じて第1誘電体層130に接触して形成されてよい。これらの他の実施形態では、第4誘電体層180のエッチングを阻止するために、フィールドプレートエッチングストップ層が形成されてよい。フィールドプレートエッチングストップ層は、第1誘電体層130の一部(例えば、SiN上に形成されたAlNまたはAl2O3層)として形成されてよいし、またはスペーサ層169を形成する前または後に、ゲート電極160上に堆積されてもよい。さらに他の実施形態では、フィールドプレート190は、ソース電極140およびドレイン電極145を形成するためにも使用される導電層を使用して形成されてよい。これらの実施形態では、第4誘電体層180およびフィールドプレート190の下の任意の他の介在する誘電体層を含む、開口部内の下にある誘電体層のエッチングは、フィールドプレート190を形成する前に達成されてよい。
【0029】
一実施形態では、GaN HFETデバイス100は、トランジスタフィンガーとして構成されてよい。ソース電極140、ドレイン電極145、ゲート電極160、およびフィールドプレート190は、ゲートフィンガーを形成する長尺要素として構成されてよい。GaN HFETデバイス100は、ゲートフィンガーのゲート幅(すなわち、
図1のGaN HFETデバイス100の平面に対し垂直な軸に沿って延在する寸法)がゲート電極160のゲート長170(すなわち、幅に対し垂直な軸に沿って延在する寸法)よりも著しく大きい分離領域120によって部分的に画定されてよい。いくつかの実施形態では、ゲート幅は、約50ミクロンから約500ミクロンの間でよい。他の実施形態では、ゲート幅は、約1ミクロンから約10000ミクロンの間でよい。一実施形態では、フィールドプレート190は、ソース電極140と同じ電位に電気的に結合されてよい。フィールドプレート190は、ソース電極140への分離領域120内のデバイスフィンガーの1つまたは複数の端部においてフィールドプレート190を形成するために使用される導電性材料の延長部から形成される接続(図示せず)を使用して、ソース電極140に接続されてよい。
【0030】
他の実施形態では、追加的な誘電体層および金属層が、GaN HFETデバイス100の上に隣接して形成されてよい。これらの他の実施形態では、これらの追加の誘電体層および金属層は、パッシベーション層、相互接続メタライゼーション、追加的な能動デバイス(例えば、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、および他の要素を有するデバイス)、および追加的な回路を含んでよいが、これに限定されるものではない。
【0031】
図2は、一実施形態による例示的なGaN HFET(ヘテロ接合電界効果トランジスタ)デバイス200の側断面図である。一実施形態では、GaN HFETデバイス100は、半導体基板110と、1つまたは複数の分離領域120と、活性領域125と、第1誘電体層130と、ソース電極140と、ドレイン電極145と、第2誘電体層150と、第3誘電体層155と、ゲート電極260(すなわち、「制御電極」)と、第4誘電体層180と、フィールドプレート190とを含んでよい。
図1のGaN HFETデバイス100と同様に、GaN HFETデバイス200は、分離領域120によって画定される活性領域125内に実質的に含まれる。第1誘電体層130、ソース電極140、ドレイン電極145、第2誘電体層150、第3誘電体層155、ゲート電極260、第4誘電体層180、およびフィールドプレート190は、半導体基板110の上に配置されてよい。
【0032】
一実施形態では、ゲート電極260は、活性領域125内の半導体基板110の上に形成されてよい。一実施形態によれば、下部開口部136は、ソース電極140とドレイン電極145との間で第1誘電体層130に形成されてよい。一実施形態では、上部開口部158は、第2誘電体層150および第3誘電体層155に形成されてもよい。上部開口部158の少なくとも一部は、下部開口部136の一部と重なってよい。一実施形態によれば、ゲート電極260は、ソース電極140とドレイン電極145との間の半導体基板110上で、下部開口部136の少なくとも一部内および上部開口部158の一部内に形成されてもよいとともに、チャネル107を通る電流の流れを制御するよう構成されてよい。一実施形態では、ゲート電極260は、下部開口部136内に形成された第1ゲート領域261と、第1ゲート領域の上方で上部開口部158内に形成された第2ゲート領域262とを含んでよい。一実施形態によれば、第2ゲート領域262は、下部開口部136とソース電極140との間で第1誘電体層130上に横方向に延在する第1突出領域263と、下部開口部136とドレイン電極との間で第1誘電体層130上に延在する第2突出領域264とを含んでよい。一実施形態では、第3ゲート領域265は第2ゲート領域262の上方に形成されてよい。一実施形態によれば、第3ゲート領域265は、上部開口部158とソース電極140との間で第3誘電体層155上に横方向に延在し得る第3突出領域266を含んでよい。
【0033】
一実施形態では、第3および第4突出領域長276、278は、等しくなくてよい。例えば、一実施形態によれば、第3突出領域長276は、第4突出領域長278より長くてよい。他の実施形態(図示せず)では、第3突出領域長276は、第4突出領域長278より短くてよい。
【0034】
他の実施形態(図示せず)では、
図1および
図2のGaN HFETデバイス100、200とは対照的に、第3ゲート領域265は、第3ゲート領域265のドレインに近い側には突出領域を含まなくてよい。したがって、第1ゲート領域261および第2ゲート領域262のドレイン電極145に近い側の面(図示せず)は連続してよい。この突出領域がないことによって、これらの実施形態では、ゲート-ドレイン間容量を減少させてよい。
【0035】
【0036】
図3のブロック302において、また
図4の工程400に示すように、方法の一実施形態は、半導体基板110を形成する工程を含んでよい。一実施形態では、工程400は、ホスト基板102を提供する工程と、ホスト基板102上にまたはそれを覆って複数の半導体層を形成する工程とを含んでよい。一実施形態では、ホスト基板102は、SiCを含んでよい、またはサファイア、Si、GaN、AlN、ダイヤモンド、ポリSiC、シリコンオンインシュレータ、GaAs、InP、もしくは他の実質的に絶縁性もしくは高抵抗の材料などの他の材料を含んでよい。半導体層を形成する工程は、ホスト基板102の上面103上にまたはそれを覆って核形成層(図示せず)を形成する工程と、核形成層上にまたはそれを覆ってバッファ層104を形成する工程と、バッファ層104上にまたはそれを覆ってチャネル層106を形成する工程と、チャネル層106上にまたはそれを覆ってバリア層108を形成する工程と、バリア層108上にまたはそれを覆ってキャップ層109を形成する工程とを含んでよい。上記のように、バッファ層104、チャネル層106、バリア層108、およびキャップ層109の実施形態は、AlN、GaN、AlGaN、InAlN、およびInGaNから選択された材料、または他の適切な材料を含んでよい。半導体層104、106、108、および109は、MOCVD(有機金属化学気相成長)、MBE(分子線エピタキシ)、HVPE(水素化物気相エピタキシ)、またはこれらの技法の組合せのうちの1つを使用して成長させてよいが、他の適切な技法を代替的に使用してもよい。半導体基板110が得られる。
【0037】
図3のブロック304において、また
図5A、
図5B、
図5C、および
図5Dの工程500、工程502、工程504、および工程506に示すように、方法の一実施形態は、ドープされた(例えば、イオン注入された)ソース領域142およびドレイン領域147を形成する工程を任意選択的に含んでよい。
図5Aの工程500に示されているように、ソース領域142およびドレイン領域147を形成する工程は、半導体基板110上にまたはそれを覆って犠牲誘電体層510を形成する工程を含んでよい。上記のように、一実施形態では、犠牲誘電体層510は、SiN、Al
2O
3、SiO
2、AlN、およびHfO
2から選択される材料を含んでよい。犠牲誘電体層510は、LPCVD(低圧化学気相堆積)、ALD(原子層堆積)、スパッタリング、PVD(物理気相堆積)、PECVD(プラズマ強化化学気相堆積)、MOCVD、MBE、ICP(誘導結合プラズマ)堆積、ECR(電子サイクロトロン共鳴)堆積、または他の適切な技法のうちの1つまたは複数を使用して形成されてよい。他の実施形態では、犠牲誘電体層510は、インサイチュで、直後に、半導体基板110の半導体層の成長と同じチャンバまたは堆積システム(例えば、MOCVDまたはMBE)内で形成されてよい。構造501が得られる。
【0038】
再び
図3のブロック304、および
図5Bの工程502を参照すると、方法の一実施形態は、注入マスク512をパターニングする工程と、半導体基板110内に注入領域530を形成するために、注入マスク512の開口部515を通して半導体基板内にドーパント種520を注入する工程とを含んでよい。注入マスク512がパターニングされると、ドーパント種520は、犠牲誘電体層510を通して半導体基板110内に注入されてよい。一実施形態では、Si、Ge、O、または他の適切なn型ドーパントのうちの1つまたは複数が、注入領域530を形成するために、注入マスクを通して半導体基板に注入されてよい。構造503が得られる。
【0039】
引き続き
図3のブロック304を参照し、今度は
図5Cの工程504を参照すると、方法の一実施形態は、注入領域530内のドーパント種を活性化する前に注入マスク512を除去することで、半導体基板110内のソース領域142およびドレイン領域147の形成を完了する工程を含んでよい。注入マスク512は、1つまたは複数の従来のウェットケミカルおよびプラズマアッシング技法を使用して除去されてよい。構造505が得られる。
【0040】
再び
図3のブロック304を参照し、今度は
図5Dの工程506を参照すると、方法の一実施形態は、
図5Cの構造505の注入領域530を活性化することでソース領域142およびドレイン領域147を形成する工程と、犠牲誘電体層510を除去する工程とを含んでよい。一実施形態によれば、注入領域530は、約900℃から約1500℃の間の温度で活性化アニールを用いて半導体基板110をアニーリングすることで活性化されてよい。いくつかの実施形態では、活性化アニールの持続時間は、約60秒から約600秒の間でよい。他の実施形態では、活性化アニールの持続時間は、約10秒から約2000秒の間でよい。注入領域530を活性化することでソース領域142およびドレイン領域147を作成した後、犠牲誘電体層510は、ウェットエッチングおよび/またはドライエッチングを使用して除去されてよい。構造507が得られる。
【0041】
次に
図3のブロック306、今度は
図6の工程600を参照すると、方法の一実施形態は、
図5Dの構造507の半導体基板110上にまたはそれを覆って第1誘電体層130を形成する工程を含んでよい。注入されたオーム接触(図示せず)を含まない、方法の他の実施形態では、第1誘電体層130は、
図3のブロック302および
図4の工程400における半導体基板110の上に形成されてよい。上記のように、一実施形態では、第1誘電体層130は、SiN、Al
2O
3、SiO
2、AlN、およびHfO
2から選択される材料を含んでよい。第1誘電体層130は、LPCVD、ALD、スパッタリング、PVD、PECVD、MOCVD、MBE、ICP堆積、ECR堆積、または他の適切な技法のうちの1つまたは複数を使用して形成されてよい。構造601が得られる。
【0042】
次に
図3のブロック308を参照すると、また
図7A、
図7B、および
図7Cの工程700、工程702、および工程704に示されるように、方法の一実施形態は、ソース電極140およびドレイン電極145を形成する工程を含んでよい。一実施形態では、
図7Aを参照すると、ソース開口部132およびドレイン開口部134を形成する工程は、第1誘電体層130の上にレジスト層740を塗布する工程と、レジスト層740をパターニングすることでレジスト開口部750を形成する工程とを含んでよい。一実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145は、ソース開口部132およびドレイン開口部134を形成するようレジスト開口部750によって露出された領域内の第1誘電体層130をエッチングすることによって作成されてよい。一実施形態によれば、第1誘電体層130(例えば、SiN)をエッチングする工程は、RIE(反応性イオンエッチング)、ICPエッチング、ECRエッチング、およびウェットケミカルエッチングなどの1つまたは複数のドライおよび/またはウェットエッチング技法を使用するエッチングを含んでよい。ある実施形態によれば、適切なウェットエッチ化学物質は、HF(フッ化水素酸)、バッファードHF、BOE(バッファード酸化物エッチ)、H
3PO
4(リン酸)、または他の適切なウェットエッチャントを含んでよい。これらのドライエッチング技法は、一実施形態によれば、SF
6(六フッ化硫黄)、C
2F
6(六フッ化二炭素)、CF
4(四フッ化炭素)、CHF
3(トリフルオロメタン)または他の適切な化学物質のうちの1つまたは複数を使用することで、SiNを除去してよい。一実施形態では、第1誘電体130をエッチングするために使用されるエッチャントは、第1誘電体層130の一部を選択的にエッチングし、次いで、第1誘電体層130と半導体基板110との間に形成されたエッチングストップ層(図示せず、例えばAl
2O
3またはAlN)上で停止してよい。一実施形態では、エッチングストップ層(例えば、Al
2O
3またはAlNエッチングストップ層)のエッチングは、ウェットおよび/またはドライエッチング技法を含んでよい。他の実施形態では、エッチングストップ層(例えば、AlNまたはAl
2O
3エッチングストップ)のドライエッチングは、Cl
2、BCl
3(三塩化ホウ素)などの塩素系化学物質、または他の適切なドライエッチング化学物質と併せて、適切な技法(例えば、RIE、ICP、またはECR)を使用するドライエッチングを含んでよい。構造701が得られる。
【0043】
次に
図3のブロック308および
図7Bの工程702を参照すると、方法の一実施形態は、第1誘電体層130の上のソース開口部132およびドレイン開口部134内にソース電極140およびドレイン電極145を形成する工程を含んでよい。一実施形態では、方法は、レジスト層740の上ならびにソース開口部132およびドレイン開口部134の中にオーム接触金属760を堆積する工程を含んでよい。一実施形態では、オーム接触金属760は、Ti、Ta、Al、Mo、Au、Ni、Si、Ge、Pt(白金)、W(タングステン)、および/またはアニールされたときにソース領域142およびドレイン領域147とオーム接触を形成し得る他の高融点金属を含む1つまたは複数の導電層を含んでよい。一実施形態では、オーム接触金属760は、Ti、Al、およびAuを含む基板上に堆積されたスタックを含んでよい。一実施形態では、オーム接触金属760を形成するために、Ti層を開口132、134内の半導体基板110上に配置してよい、Al層をTi層上に配置してよい、MoまたはNiもしくはタングステンなどの他の適切なバリア金属から形成されたバリア層をAl層上に配置してよい、およびAu層をバリア層上に配置してよい。一実施形態では、オーム接触金属760は、蒸着によって堆積されてよい。他の実施形態では、オーム接触金属760は、スパッタリング、PVD、または他の適切な堆積技法によって堆積されてよい。一実施形態では、Ti層は約100オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から200オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さでよく、Al層は約600オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から1500オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さでよく、Mo層は約200オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から700オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さでよく、Au層は約300オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から1000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さでよい。他の実施形態では、他の金属で置換されてよい(例えば、NiまたはPtでMoを置換してもよく、またはTaをTiに加えて使用する、TaをTiの上または下に使用する、もしくはTaでTiを置換してよい)とともに、他の厚さが使用されてもよい。一実施形態では、レジスト層740はリフトオフプロファイルに構成されてよい。レジスト層740の開口部はレトログレードプロファイルを有することで、レジスト開口部750内に堆積されていない金属が溶媒に溶解された際に「リフトオフ」することを可能にする。他の実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145は、ドライエッチング(図示せず)によってパターニングされてよい。構造703が得られる。
【0044】
再び
図3のブロック308を参照すると、また
図7Cの工程704に示されるように、方法の一実施形態は、ソース電極140およびドレイン電極145をアニーリングする工程を含んでよい。一実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145をアニーリングする工程は、
図7Bのオーム接触金属760を合金化するために使用されるアニーリング工程を含んでよい。その結果、ソース電極140およびドレイン電極145を形成する半導体基板110内に形成されたソース領域142およびドレイン領域147へのオーム接触をもたらす。一実施形態では、アニーリングする工程は、急速熱アニーリングによって達成されてよい。一実施形態では、
図7Bのソース開口部132およびドレイン開口部134内に残る
図7Bのオーミック金属760は、約400℃から約700℃の間の温度で約15秒から約60秒の間合金化されてよい。他の実施形態では、
図7Bのオーミック金属760は、約300℃から約800℃の間で約10秒から約600秒の間アニールされてよいが、他のより高いまたはより低い温度および時間でもよい。一実施形態では、オーミック金属760(例えば、Ti、Al、Mo、およびAu)を形成するために使用される金属スタックは、ソース電極140およびドレイン電極145を形成してよい。構造705が得られる。
【0045】
本発明の主題の範囲から逸脱することなく、ソース電極140およびドレイン電極145は、合金オーム接触(図示せず)を使用して形成されてよい。これらの実施形態では、ソースおよびドレイン領域は形成されなくてよい。むしろ、半導体基板110へのオーム接触は、オーミック金属の高温アニーリングによって達成される(例えば、上述したように、Ti、Al、Mo、Auを使用することでチャネル107へのオーム接触を形成してよい)。
【0046】
引き続きブロック308を参照し、今度は
図8の工程800を参照すると、一実施形態では、方法は、分離領域120を作成する工程を含んでよい。分離領域120を形成する工程は、第1誘電体層130の上にレジストマスク810を分配およびパターニングする工程と、次いでレジストマスク810に開口部820を画定する工程とを含んでよい。イオン注入を使用して、ドーパント種825(例えば、酸素、窒素、ホウ素、ヒ素、およびヘリウムのうちの1つまたは複数)を半導体基板110内に注入することで、高抵抗領域122を作成してよい。一実施形態では、注入のエネルギーおよび投与量は、半導体基板が分離領域120の高抵抗領域122内で実質的に高抵抗または半絶縁性であるように、半導体基板110の結晶構造内に十分な量のダメージを生成するように構成されてよい。他の実施形態(図示せず)では、分離領域120を形成する工程は、最初に、半導体基板110内の半導体層の一部または全部をエッチングする工程と、次いで、残りの半導体層および/またはホスト基板102内の抵抗率を高めるためにイオン注入する工程とを含んでよい。いくつかの実施形態では、分離領域120は、ソース電極140およびドレイン電極145の形成後に形成されてよい。他の実施形態では、分離領域120は、ソース電極140およびドレイン電極145の形成前に形成されてよい。構造801が得られる。
【0047】
次に
図3のブロック310、今度は
図9の工程900を参照すると、方法の一実施形態は、
図8の構造801の半導体基板110上にまたはそれを覆って第2誘電体層150および第3誘電体層155を形成する工程を含んでよい。上記のように、方法の一実施形態では、第2および第3誘電体層150、155は、SiO
2、TEOS、有機ケイ酸塩ガラス、多孔質SiO
2、SiN、SiON、Al
2O
3、AlN、およびHfO
2から選択される材料を含んでよい。第2および第3誘電体層150、155は、LPCVD、ALD、スパッタリング、PVD、PECVD、MOCVD、MBE、ICP堆積、ECR堆積、または他の適切な技法のうちの1つまたは複数を使用して、第1誘電体層130の上に形成されてよい。構造601が得られる。
【0048】
次に
図3のブロック312、314、316、および
図10、
図11A、
図11B、
図11C、
図11D、
図12A、
図12Bの工程1000、1100、1102、1104、1106、1200、1202を参照すると、一実施形態では、
図1および
図2のGaN HFETデバイス100、200のゲート電極160、260を形成する工程は、第3誘電体層155および第2誘電体層150に上部開口部158を形成する工程と、上部開口部158内に下部開口部136を形成する工程と、下部開口部136内、上部開口部158内、および上部開口部158に隣接する第3誘電体層155の一部の上にゲート電極160を形成する工程と、を含んでよい。
【0049】
次に
図3のブロック312、および
図10の工程1000を参照すると、方法の一実施形態によれば、ソース電極140とドレイン電極145との間で第2誘電体層150および第3誘電体層155に上部開口部158が形成されてよい。方法の一実施形態では、レジスト層(例えば、フォトレジストまたは電子ビームレジスト、図示せず)をパターニングすることでして、レジスト層に開口部を形成してよい。一実施形態によれば、レジスト層に形成された開口部を使用して、第3誘電体層155および第2誘電体層150を、
図7Aの工程700に関して記載したものと同様なドライおよび/またはウェットケミカルエッチでエッチングして上部開口部158を形成することで、第1誘電体層130を露出させてよい。一実施形態では、第3誘電体層155(例えば、SiN)および第2誘電体層150(例えば、TEOS)をエッチングするために、別個のエッチング工程を使用してよい。いくつかの実施形態では、第2誘電体層150(例えば、TEOS)のエッチングは、第1誘電体層130(例えば、SiN)に対して選択的であってよい。他の実施形態では、エッチングストップ層(例えば、AlNまたはAl
2O
3)が、第2誘電体層150と第1誘電体層130との間(図示せず)、および/または第2誘電体層150と第3誘電体層155との間(図示せず)に形成されてよい。
図7A、工程700に関連して説明したエッチングストップと同様に、これらのエッチングストップを使用して、第3誘電体層155および/または第1誘電体層150のエッチングを選択的に阻止してよい。その結果、(例えば、下の層をエッチングしないウェット化学を用いて)エッチングストップ層が除去された後に、下の誘電体層(例えば、第1誘電体層130および/または第2誘電体層150)がエッチングされずに残る。レジスト層は、次いで、一実施形態(図示せず)によれば、ウェットストリッピングおよび/またはプラズマアッシングを使用して除去されてよい。構造1001が得られる。
【0050】
次に
図3のブロック314、および
図11A、
図11B、
図11C、
図11Dの工程1100、1102、1104、1106を参照すると、方法の一実施形態によれば、下部開口部136は、上部開口部158内で第1誘電体層130に形成されてよい。一実施形態では、犠牲マスキング層1110を形成し、犠牲マスキング層1110をパターニングし、次いで下部開口部136を形成するために下にある第1誘電体層130をエッチングすることによって、下部開口部136が形成されてよい。
【0051】
次に
図11Aの工程1100を参照すると、方法の一実施形態では、犠牲マスキング層1110は、例えばTEOS又は他の適切な誘電体材料を使用して形成されてよい。犠牲マスキング層1110は、上部開口部158の外側の第3誘電体層155の上、ならびに上部開口部158内で第2誘電体層150の縁部の上および第1誘電体層130の上に形成されてよい。犠牲マスキング層1110は、LPCVD、ALD、スパッタリング、PVD、PECVD、MOCVD、MBE、ICP堆積、ECR堆積、または他の適切な技法のうちの1つまたは複数を使用して形成されてよい。犠牲マスキング層は、約500オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から10000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有してよいが、他の厚さでもよい。構造1101が得られる。
【0052】
次に
図11Bの工程1100を参照すると、方法の一実施形態では、犠牲マスキング層1110は、異方性エッチング1120を使用してパターニングされることで、下部開口部ハードマスク(すなわち、「ハードマスク層」)1130を形成するとともに、ハードマスク開口部1140内で第1誘電体層130を露出してよい。一実施形態によれば、犠牲マスキング層1110を異方性エッチングする工程は、RIE、ICPエッチング、ECRエッチングなどの1つまたは複数のドライエッチング技法を使用するエッチングを含んでよい。一実施形態によれば、これらのドライエッチング技法は、SF
6、C
2F
6、CF
4、CHF
3または他の適切な化学物質のうちの1つまたは複数を使用することで、犠牲マスキング層1110を異方性エッチングするとともに、ハードマスク開口部1140を作成してよい。構造1103が得られる。
【0053】
次に
図11Cの工程1104を参照すると、方法の一実施形態では、第1誘電体層130は、上部開口部158内に下部開口部136を形成するために、適切なエッチャント1150を用いてエッチングされてよい。一実施形態によれば、第1誘電体層130をエッチングして下部開口部136を形成する工程は、RIE(反応性イオンエッチング)、ICPエッチング、ECRエッチングなどの1つまたは複数のドライエッチング技法を使用するエッチングを含んでよい。これらのドライエッチング技法は、一実施形態によれば、SF
6(六フッ化硫黄)、C
2F
6(六フッ化二炭素)、CF
4(四フッ化炭素)、CHF
3(トリフルオロメタン)または他の適切な化学物質のうちの1つまたは複数を使用することで、第1誘電体層130をエッチングするとともに、下部開口部136を作成してよい。他の実施形態では、ウェットエッチングを用いて下部開口部136を形成してよい。構造1105が得られる。
【0054】
次に
図11Dの工程1106を参照すると、方法の一実施形態では、
図11Cのハードマスク1130は、上部開口部158内で除去されてよい。一実施形態によれば、ハードマスク1130を除去する工程は、RIE(反応性イオンエッチング)、ICPエッチング、ECRエッチングなどの1つまたは複数のドライエッチング技法を使用するエッチングを含んでよい。これらのドライエッチング技法は、一実施形態によれば、SF
6(六フッ化硫黄)、C
2F
6(六フッ化二炭素)、CF
4(四フッ化炭素)、CHF
3(トリフルオロメタン)または他の適切な化学物質のうちの1つまたは複数を使用することで、ハードマスク1140を除去してよい。他の実施形態では、ウェットエッチングを使用してハードマスク1130を除去してよい。構造1107が得られる。
【0055】
次に
図3のブロック316、ならびに
図12Aおよび
図12Bの工程1200および1202を参照すると、一実施形態では、ゲート金属の1つまたは複数の層が次に堆積およびパターニングされることで、
図1および
図2のゲート電極160、260を、下部開口部136を有する半導体基板110の上部基板表面112の上、上部開口部158内の第1誘電体層130の上、および第3誘電体155の上に形成してよい。一実施形態では、ゲート電極160、260を形成する工程は、下部開口部136内に第1ゲート領域161、261を形成する工程と、第1ゲート領域161、261の上に第2ゲート領域162、262を形成する工程とを含んでよい。第2ゲート領域162、262を形成する工程は、下部開口部136とソース電極140との間で第1誘電体層130上に延在する第1突出領域163、263を形成する工程と、下部開口部136とドレイン電極145との間で第1誘電体層130上に延在する第2突出領域164、264を形成する工程とを含んでよい。ゲート電極160、260を形成する工程はまた、第2ゲート領域162の上方に第3ゲート領域165、265を形成する工程を含んでよい。第3ゲート領域165、265を形成する工程は、上部開口部158とソース電極140との間で第3誘電体層155の上に延在する第3突出領域166、266を形成する工程を含んでよい。
図1のゲート電極160を形成する工程はまた、上部開口部158とドレイン電極145との間で第3誘電体層155の上に延在する第4突出領域167を形成する工程を含んでよい。
【0056】
一実施形態では、ゲート電極160、260は、
図7Bの工程702についての記載と同様に、例えばリフトオフレジスト技法を使用して形成されてよい。方法の一実施形態によれば、ゲート金属を堆積させることでゲート電極160、260を形成する工程は、1つまたは複数の金属層および/または他の適切な材料を含む多層スタックを堆積させる工程を含んでよい。一実施形態では、ゲート電極160を形成するために使用されるマルチスタック内の第1層は、Ti、Ni、Pt、Cu、Pd、Cr、W、Ir、ポリシリコン、または他の適切な材料を含んでよい。一実施形態によれば、第1層は、下部開口部155内で半導体基板110(または後述するように半導体基板110上の任意選択的なゲート誘電体)および第1誘電体層130に接触してよく、上部開口部158内で第2および第3誘電体層150、155の縁部に接触してよく、上部開口部158の外側で第3誘電体層155に接触してよい。一実施形態では、第1層は、約30から約2000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さでよいが、他の厚さ値でもよい。一実施形態によれば、導電層としての1つまたは複数の層を第1層の上に堆積させることで、ゲート電極160、260を形成してよい。一実施形態では、導電層は、Au、Ag、Al、Cu、Ti、または他の実質的に導電性の材料を含んでよい。一実施形態によれば、導電層は、約50から約20000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さでよいが、他の厚さ値でもよい。任意選択的にいくつかの実施形態では、第1層と導電層との間に1つまたは複数のバリア金属層が配置されてよい。バリア金属層は、Ni、Pt、Cu、Pd、Cr、W、Irなどの材料、または第1層の一部と導電層との間でバリアとして働く他の実質的に屈折性の材料を含んでよい。一実施形態によれば、バリア金属層は、約50から約10000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さでよいが、他の厚さ値でもよい。一実施形態では、ゲート電極160、260を形成するために使用される様々な層は、蒸着、スパッタリング、PVD、ALD、または他の適切な堆積技法によって堆積されてよい。構造1201、1203が得られる。
【0057】
本発明の主題の範囲から逸脱することなく、ゲート電極160、260を形成するために他の方法が使用されてよいことを理解されたい。他の実施形態では、ゲート金属は、SiO
2、HfO
2、Al
2O
3、または同様の材料(図示せず)などのゲート誘電体の上に配置されてよい。ゲート誘電体は、一実施形態によれば、上部基板表面112の上および上方に堆積されてよい。さらに他の実施形態では、半導体基板110の上に堆積され、次いでフォトレジストをパターニングした後にゲート金属(図示せず)をエッチングすることによって画定されるゲート金属を使用することで、ゲート電極160、260が形成されてよい。ゲート電極160、260を形成するためにいずれの実施形態または方法が選択されても、
図12Aおよび
図12Bに示すゲート電極160、260の形成に関連して説明した方法を使用して、その後にゲート金属が堆積されてよい。
【0058】
次に
図3のブロック318ならびに
図13Aおよび
図13Bの工程1300、1302を参照すると、
図1および
図2のGaN HFETデバイス100、200を形成する方法の一実施形態は、ゲート電極160、260の側面において第2および第3誘電体層150、155をエッチングする工程を含んでよい。一実施形態では、第2および第3誘電体層のエッチングは、ゲート電極160、260の第3および第4突出領域166、167、266、267によってマスクされてよい。一実施形態によれば、第2および第3誘電体層150、155のエッチングは、RIE、ICPエッチング、ECRエッチングなどの1つまたは複数のドライエッチングを使用する異方性エッチング1310を含んでよい。一実施形態では、第2および第3誘電体層の異方性エッチング1310は、第2および第3誘電体層150、155のエッチングを完了した後に第1誘電体層130をエッチングしないように、または最小限にエッチングするように、第1誘電体層130(または、いくつかの実施形態では、第1誘電体層130の上にまたはその一部として形成されるエッチングストップ(例えば、Al
2O
3またはAlN))に対して選択的であってよい。一実施形態によれば、これらのドライエッチング技法は、SF
6、C
2F
6、CF
4、CHF
3または他の適切な化学物質のうちの1つまたは複数を使用することで、第2および第3誘電体層150、155の部分を異方性エッチングしてよい。構造1301、1303が得られる。
【0059】
次に
図3のブロック320、および
図14A、
図14B、
図14C、
図14D、
図15A、
図15B、
図16A、
図16Bの工程1400、1402、1404、1406、1500、1502、1600、1602を参照すると、方法の一実施形態は、任意選択的なスペーサ層169、269を形成する工程と、スペーサ層169、269の上に第4誘電体層180を形成する工程と、第4誘電体層180の上およびゲート電極160の一部の上にフィールドプレート190を形成する工程とを含んでよい。
【0060】
次に
図14Aおよび14Bの工程1400および1402を参照すると、方法の一実施形態は、スペーサ層169、269を形成する工程を含んでよい。一実施形態では、
図14Aおよび
図14Bに示すように、スペーサ層169、269を形成する工程は、ゲート電極160、ソース電極140およびドレイン電極145の上、ならびに第1誘電体層130の上にブランケット誘電体層1410をコンフォーマルに堆積することを含んでよい。構造1401、1403が得られる。
【0061】
次に
図15Aおよび
図15Bを参照すると、方法の一実施形態では、ブランケット誘電体層1410を堆積させる工程の後に、構造1401、1403のブランケット誘電体層1410を異方性エッチングする工程1404および1406が続いてよい。ブランケット誘電体層1410を異方性エッチングする工程は、ドライエッチング1510を使用して、第2および第3ゲート領域162、165、262、265の垂直側壁ならびに第2ゲート領域162、262に隣接する第2および第3誘電体層150、155の部分に沿ってスペーサ層169、269を形成することによって達成されてよい。誘電体層1410を異方性エッチングすることでスペーサ層169、269を作成するために使用される方法は、
図11Cの工程1104に関連して説明した下部開口部ハードマスク1130を形成するために使用される方法と同様なので、説明の便宜上ここでは繰り返さない。構造1501、1503が得られる。
【0062】
次に
図16Aおよび
図16Bの工程1600、1602を参照すると、方法の一実施形態は、
図14Cおよび14Dの構造1405および1407のソース電極およびドレイン電極140,145、ゲート電極160、260、第2誘電体層150および誘電体層155の露出した縁部、スペーサ層169、269、および第1誘電体層130の上に第4誘電体層180を形成する工程を含んでよい。一実施形態では、第4誘電体層180は、SiN、Al
2O
3、SiO
2、HfO
2、ITO、ダイヤモンド、ポリダイヤモンド、AlN、BN、SiC、またはこれらもしくは他の絶縁性の材料の組合せのうちの1つを含んでよい。第4誘電体層180を形成するために使用される層の合計厚さは、約100オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約10000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間でよいが、他の厚さ値でもよい。第4誘電体層180は、LPCVD、PECVD、スパッタリング、PVD、ALD、Cat-CVD、HWCVD、ECR CVD、CVD、ICP-CVD、これらの組合せ、または他の適切な誘電体堆積技法を使用して堆積されてよい。構造1601、1603が得られる。
【0063】
次に
図17Aおよび
図17Bの工程1700、1702を参照すると、一実施形態では、フィールドプレート190を形成およびパターニングする工程は、レジスト層(図示せず)を塗布およびパターニングし、フィールドプレート190を堆積させ、レジスト層を除去しかつ、
図7Bの工程702と同様に、フィールドプレート190の外側の上にある金属をリフトオフ構成で覆うことによって達成されてよい。一実施形態では、フィールドプレート金属は、上述のように部分的に形成されたデバイスに塗布されるレジスト層にパターニングされた開口部(図示せず)内に1つまたは複数の接着および導電性金属層を堆積させることによって形成される。一実施形態では、初めに接着層が堆積された後に導電層が堆積されてよい。一実施形態では、接着層および導電層は、同じ堆積工程で堆積されてよい。接着層は、Ti、Ni、Cr、または他の適切な接着層材料のうちの1つを含んでよい。接着層は、約50から約2000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さでよいが、他の厚さ値でもよい。導電層は、Cu、Au、Al、またはAgを含んでよいが、他の適切な材料が使用されてもよい。導電層は、約200から約40000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さでよいが、他の厚さ値でもよい。一実施形態によれば、フィールドプレート190を形成するために使用される接着層および導電層は、第4誘電体層180の上に接触して堆積されてよい。一実施形態では、接着層および導電層は、スパッタリング、蒸着、または電気めっきによって形成されてよい。一実施形態では、レジスト層を塗布およびパターニングするとともにフィールドプレート190を堆積させた後、レジスト層と、レジスト層の上に堆積されかつ第4誘電体層180およびフィールドプレート190に接触する金属の部分に含まれない金属とを、
図7Bの工程702に関連して説明したものと類似の溶媒を使用して除去してよい。他の実施形態では、フィールドプレート190は、接着層および導電層を堆積させ、その後、適切なドライまたはウェットケミカルエッチング技法でパターニングすることによって形成されてよい。他の実施形態(図示せず)では、第4誘電体層180、第3誘電体層155、および第2誘電体層は、第1フィールドプレート領域192が第1誘電体層130、第2誘電体層150、および第3誘電体層155のうちの1つまたは複数に接触することができるよう、ゲート電極160に隣接してエッチングされた1つまたは複数の開口部を有してよい。
【0064】
図17Aは、
図1のGaN HFETデバイス100を実現する上記の工程1700の実行を示す。
図17Bは、
図2のGaN HFETデバイス200を実現する工程1702の実行を示す。追加的なプロセス層および特徴(図示せず)が、
図1および
図2のGaN HFETデバイス100、200に追加されてよいことを理解されたい。
【0065】
上記の詳細な説明において1つ以上の例示的な実施形態を提示してきたが、膨大な数の変更例が存在することを理解されたい。本明細書で説明された例示的な実施形態は、特許請求される主題の範囲、適用性、または構成をいかなる形であれ限定することを意図していないことも理解されたい。むしろ、上記の詳細な説明は、当業者に、説明された1つまたは複数の実施形態を実施するための便利なロードマップを提供するであろう。特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく、要素の機能および配置において様々な変更を行うことができるとともに、その範囲は、本特許出願の出願時における既知の均等物および予測可能な均等物を含むことを理解されたい。
【0066】
便宜上、従来の半導体製造技法は、本明細書では詳細に説明されないことがある。加えて、特定の専門用語も単に参照のために本明細書で使用されることがあるので、限定的であることを意図しない。構造を指す用語「第1」、「第2」、および他のそのような数値用語は、文脈によって明確に示されない限り、連続や順序を暗示するものではない。
【0067】
上記の説明は、共に「接続」または「結合」されている要素またはノードまたは特徴に言及している。本明細書において使用されるように、特に明記しない限り、「接続された」とは、ある要素が別の要素に直接的に接合されている(または直接的に連通する)ことを意味し、必ずしも機械的にというわけではない。同様に、特に明記しない限り、「結合された」とは、ある要素が別の要素に直接的または間接的に接合されている(または直接的または間接的に連通する)ことを意味し、必ずしも機械的にというわけではない。したがって、図に示される概略図は、要素の1つの例示的な配置を示すが、追加的な介在要素、デバイス、特徴、または構成要素が、記載された主題の実施形態に存在してもよい。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明される発明の実施形態は一般的に、ゲート電極を有する半導体デバイスおよびそのデバイス製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスは、多種多様な電子部品およびシステムに利用されている。高出力かつ高周波数のトランジスタは、RF(無線周波数)システムおよびパワーエレクトロニクスシステムに利用されている。GaN(窒化ガリウム)デバイス技術は、その優れた電子および熱特性のために、これらのRF電力およびパワーエレクトロニクス用途に特に適している。特に、GaNの高い電子速度および高い破壊電界強度によって、この材料から製造されたデバイスは、RF電力増幅器および高出力スイッチング用途において理想的である。GaNデバイスにおけるゲート電極の設計は、様々なRFおよび電力用途に必要なデバイス性能を達成する際に重要な役割を果たす。したがって、所与の用途に対するデバイス性能要件を満たすように調整されたゲート電極を有するGaNデバイスが必要とされている。発明のより完全な理解は、図面全体を通して同様の参照番号は同様の要素を指す以下の図面を用いて考慮される際に、詳細な説明および特許請求の範囲を参照することで導出され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7592211号明細書
【特許文献2】米国特許第8049252号明細書
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】一実施形態による例示的なGaN HFET(ヘテロ接合電界効果トランジスタ)の側断面図。
【
図2】一実施形態による例示的なGaN HFET(ヘテロ接合電界効果トランジスタ)の側断面図。
【
図3】一実施形態による
図1および
図2のGaN HFET(ヘテロ接合電界効果トランジスタ)デバイスを製造する方法を説明する処理フロー図。
【
図4】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図5A】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図5B】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図5C】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図5D】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図6】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図7A】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図7B】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図7C】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図8】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図9】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図10】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図11A】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図11B】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図11C】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図11D】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図12A】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図12B】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図13A】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図13B】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図14A】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図14B】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図15A】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図15B】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図16A】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図16B】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図17A】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【
図17B】製造方法の実施形態による、GaN HFETデバイスを生産する製造工程の側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の詳細な説明は、本質的には単なる例示に過ぎないので、発明の実施形態および、そのような実施形態の用途ならびに使用を限定することを意図しない。本明細書で使用される「例示的」および「例」という単語は、「例、事例、または例示としての役割を果たす」ことを意味する。例示的または例として本明細書で説明される任意の実装形態は、必ずしも他の実装形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。さらに、前述の技術分野、背景技術、または以下の詳細な説明において提示されるいかなる明示または暗示される理論によっても拘束される意図は存在しない。
【0006】
1つの態様では、実施形態は、半導体デバイスを含んでよい。半導体デバイスは、上面およびチャネルを有する半導体基板を含んでよい。一実施形態によれば、第1誘電体層は、半導体基板の上面の上に配置されてよく、第2誘電体層は、第1誘電体層の上に配置されてよく、第3誘電体層は、第2誘電体層の上に配置されてよい。一実施形態では、下部開口部は、第1誘電体層に形成されてよい。一実施形態によれば、上部開口部は、第2誘電体層および第3誘電体層に形成されてよく、上部開口部の少なくとも一部は下部開口部の一部と重なってよい。一実施形態では、制御電極は、下部開口部の少なくとも一部内および上部開口部の一部内に形成されてよく、制御電極の一部は第3誘電体層の上に形成されてよい。
【0007】
他の態様では、実施形態は、窒化ガリウムを含む半導体基板を含み得るGaN(窒化ガリウム)トランジスタデバイスを含んでよい。半導体基板は、上面およびチャネルを含んでよい。一実施形態によれば、第1誘電体層は、半導体基板の上面の上に配置されてよく、第2誘電体層は、第1誘電体層の上に配置されてよく、第3誘電体層は、第1誘電体層の上に配置されてよい。一実施形態では、ソース電極およびドレイン電極は、チャネルを通る電流の流れをサポートするよう構成されてよいとともに、第1誘電体層に形成されたソース-ドレイン開口部内で半導体基板上に形成されてよい。一実施形態によれば、下部開口部は、ソース電極とドレイン電極との間で第1誘電体層に形成されてよい。一実施形態では、上部開口部は、第2誘電体層および第3誘電体層に形成されてよく、上部開口部の少なくとも一部は下部開口部の一部と重なってよい。一実施形態によれば、ゲート電極は、ソース電極とドレイン電極との間の半導体基板上で、下部開口部の少なくとも一部内および上部開口部の一部内に形成されるとともに、チャネルを通る電流の流れを制御するよう構成されてよい。一実施形態では、ゲート電極は、下部開口部内に形成された第1ゲート領域と、第1ゲート領域の上方に形成された第2ゲート領域と、を含んでよい。一実施形態によれば、第2ゲート領域は、下部開口部とソース電極との間で第1誘電体層上に横方向に延在する第1突出領域と、下部開口部とドレイン電極との間で第1誘電体層上に延在する第2突出領域とを含んでよい。一実施形態では、第3ゲート領域は、第2ゲート領域の上方に形成されてよい。第3ゲート領域は、上部開口部とソース電極との間で第3誘電体層上に横方向に延在する第3突出領域を含む、第3ゲート領域を含んでよい。
【0008】
さらに他の態様では、実施形態は、窒化ガリウムトランジスタを形成する方法を含んでよい。一実施形態では、方法は、窒化ガリウムを含むとともに、上面およびチャネルをさらに含む半導体基板を形成する工程を含んでよい。一実施形態によれば、方法は、半導体基板の上面の上に第1誘電体層を形成する工程と、第1誘電体層にソース-ドレイン開口部を形成する工程と、を含んでよい。方法の実施形態は、ソース-ドレイン開口部内で半導体基板上にソース電極およびドレイン電極を形成する工程を含んでよい。一実施形態によれば、方法は、第1誘電体層の上に第2誘電体層を形成する工程と、第2誘電体層の上に第3誘電体層を形成する工程と、を含んでよい。方法の実施形態は、ソース電極とドレイン電極との間で第3誘電体層および第2誘電体層に上部開口部を形成する工程と、第1誘電体層内に下部開口部を形成する工程であって、上部開口部の少なくとも一部は下部開口部の一部と重なる工程と、を含んでよい。一実施形態によれば、方法はゲート電極を形成するゲート電極形成工程を含んでよい。一実施形態では、ゲート電極形成工程は、下部開口部内に第1ゲート領域を形成する工程と、第1ゲート領域の上方に第2ゲート領域を形成する第2ゲート領域形成工程と、を含んでよい。一実施形態によれば、第2ゲート領域形成工程は、下部開口部とソース電極との間で第1誘電体層の上に延在する第1突出領域を形成するとともに、下部開口部とドレイン電極との間で第1誘電体層の上に延在する第2突出領域を形成する工程と、を含んでよい。一実施形態によれば、ゲート電極形成工程は、第2ゲート領域の上方に第3ゲート領域を形成する第3ゲート領域形成工程をさらに含んでよい。一実施形態では、第3ゲート領域形成工程は、上部開口部とソース電極との間で第3誘電体層の上に延在する第3突出領域を形成する工程を含んでよい。
【0009】
図1は、一実施形態による例示的なGaN HFET(ヘテロ接合電界効果トランジスタ)デバイス100の側断面図である。一実施形態では、GaN HFETデバイス100は、半導体基板110と、1つまたは複数の分離領域120と、活性領域125と、第1誘電体層130と、ソース電極(すなわち、「第1通電電極」)140と、ドレイン電極(すなわち、「第2通電電極」)145と、第2誘電体層150と、第3誘電体層155と、ゲート電極160(すなわち、「制御電極」)と、第4誘電体層180と、フィールドプレート190とを含んでよい。以下でより詳細に説明するように、GaN HFETデバイス100は、分離領域120によって画定される活性領域125内に実質的に含まれてよい。第1誘電体層130、ソース電極140、ドレイン電極145、第2誘電体層150、第3誘電体層155、ゲート電極160、第4誘電体層180、およびフィールドプレート190は、半導体基板110の上に配置されてよい。
【0010】
一実施形態では、半導体基板110は、ホスト基板102と、ホスト基板102の上に配置されたバッファ層104と、バッファ層104の上に配置されたチャネル層106と、チャネル層106の上に配置されたバリア層108と、チャネル層106の上に配置されたキャップ層109とを含んでよい。一実施形態では、ホスト基板102はSiC(炭化ケイ素)を含んでよい。他の実施形態では、ホスト基板102は、サファイア、Si(シリコン)、GaN、AlN(窒化アルミニウム)、ダイヤモンド、ポリSiC、シリコンオンインシュレータ、GaAs(ガリウムヒ素)、InP(リン化インジウム)、および他の実質的に絶縁性または高抵抗の材料などの他の材料を含んでよい。核形成層(図示せず)は、バッファ層104とホスト基板102との間でホスト基板102の上面103上に形成されてよい。一実施形態では、核形成層はAlNを含んでよい。バッファ層104は、複数のIII-N族半導体層を含んでよいとともに、ホスト基板102によって支持される。バッファ層104の各半導体層は、エピタキシャル成長したIII族窒化物エピタキシャル層を含んでよい。バッファ層104を構成するIII族窒化物エピタキシャル層は、例えば、N(窒素)面またはGa(ガリウム)面材料でよい。他の実施形態では、バッファ層104の半導体層はエピタキシャル成長でなくてもよい。さらに他の実施形態では、バッファ層104の半導体層は、Si、GaAs、InP、または他の適切な材料を含んでよい。
【0011】
一実施形態では、バッファ層104を、ホスト基板102上にエピタキシャル成長させてもよい。バッファ層104は、0から1の間の値を取り得るアルミニウムモル分率Xを有するAlXGa1-XNによって表される組成を有する1つ以上のAlGaN混晶層を含んでよい。バッファ層104の全ての層の合計厚さは、約200オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約100000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間でよいが、他の厚さでもよい。Xの極限値0は純粋なGaNを生成する一方、極限値1は純粋な窒化アルミニウム(AlN)を生成する。一実施形態では、バッファ層104は、ホスト基板および核形成層(図示せず)の上に配置されてよい。バッファ層104は、追加的なAlXGa1-XN層を含んでよい。追加的なAlXGa1-XN層の厚さは、約200オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約50000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間でよいが、他の厚さでもよい。一実施形態では、追加的なAlXGa1-XN層は、AlXGa1-XNがNID(意図的にドープされていない)である、GaN(X=0)として構成されてよい。追加的なAlXGa1-XN層はまた、1つまたは複数のGaN層として構成されてもよい。1つまたは複数のGaN層は、Fe(鉄)、Cr(クロム)、C(炭素)、またはバッファ層104を実質的に絶縁性または高抵抗にする他の適切なドーパントを含み得るドーパントで意図的にドープされる。ドーパント濃度は、約1017cm-3から1019cm-3の間でよいが、他のより高いまたはより低い濃度でもよい。追加的なAlXGa1-XN層は、AlXGa1-XNがNID、またはAlXGa1-XNがFe、Cr、Cもしくは他の適切なドーパント種で意図的にドープされるとともに、X=0.01から0.10で構成されてよい。他の実施形態(図示せず)では、追加層は、超格子として構成されてもよい。追加層は、一連の交互のNIDまたはドープされたAlXGa1-XN層を含む一方、Xの値は、0から1の間の値を取る。さらに他の実施形態では、バッファ層104は、InYGa1-YNで表される組成を有する1つまたは複数のInGaN(窒化インジウムガリウム)層も含んでよい。インジウムモル分率であるYは、0から1の間の値を取り得る。InGaN層の厚さは、約50オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約2000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間でよいが、他の厚さでもよい。
【0012】
一実施形態では、バッファ層104の上にチャネル層106が形成されてよい。チャネル層106は、1つまたは複数のIII-N族半導体層を含んでよいとともに、バッファ層104によって支持されてよい。チャネル層106は、AlXGa1-XN層を含んでよい。Xは0から1の間の値を取る。一実施形態では、チャネル層106は、GaN(X=0)として構成されるが、本発明の主題の範囲から逸脱することなく、Xは他の値を取ってもよい。チャネル層106の厚さは、約50オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約10000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間でよいが、他の厚さでもよい。チャネル層106は、NIDであってよく、またはSi、Ge(ゲルマニウム)、C、Fe、Crもしくは他の適切なドーパントを含んでもよい。ドーパント濃度は、約1015cm-3から約1019cm-3の間でよいが、他のより高いまたはより低い濃度でもよい。他の実施形態では、チャネル層106は、NIDまたはドープされたInYGa1-YNを含んでよい。インジウムモル分率であるYは、0から1の間の値を取り得る。
【0013】
一実施形態によれば、チャネル層106の上にバリア層108が形成されてよい。バリア層108は、1つまたは複数のIII-N族半導体層を含んでよいとともに、チャネル層106によって支持される。いくつかの実施形態では、バリア層108は、チャネル層106よりも大きいバンドギャップおよび大きい自発分極を有してよい。また、バリア層108がチャネル層106と直接接触している場合、チャネル層106とバリア層108との間の界面付近のチャネル層106内に2-DEG(二次元電子ガス)の形態でチャネル107が生成される。加えて、バリア層108とチャネル層106との間の歪みによって、追加的な圧電電荷を2-DEGおよびチャネル107に導入してよい。バリア層108は、1つ以上のNID AlXGa1-XN層を含んでよい。Xは0から1の間の値を取る。いくつかの実施形態では、Xは、0.1から0.35の間の値を取り得るが、他の値でもよい。バリア層108の厚さは、約50オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約1000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間でよいが、他の厚さでもよい。バリア層108は、NIDであってよく、またはSi、Ge、C、Fe、Crもしくは他の適切なドーパントを含んでもよい。ドーパント濃度は、約1016cm-3から1019cm-3の間でよいが、他のより高いまたはより低い濃度でもよい。一実施形態によれば、追加的なAlNインターバリア層(図示せず)が、一実施形態によるチャネル層106とバリア層108との間に形成されてよい。AlNインターバリア層は、チャネル電荷を増加させることで、得られた2-DEGの電子閉じ込めを改善し得る。他の実施形態では、バリア層108は、InYAl1-YNで表されるInAlN(窒化インジウムアルミニウム)層を含んでよい。インジウムモル分率であるYは、約0.1から約0.2の値を取り得るが、他の値でもよい。InAlNバリアの場合、バリア層108の厚さは、約30オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約1000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間でよいが、他の厚さでもよい。InAlNを用いてバリア層108を形成する場合、InAlNはNIDであってよく、またはSi、Ge、C、Fe、Crもしくは他の適切なドーパントを含んでもよい。ドーパント濃度は、約1016cm-3から約1019cm-3の間でよいが、他のより高いまたはより低い濃度でもよい。
【0014】
図1に示す実施形態では、バリア層108の上にキャップ層109が形成されてよい。キャップ層109は、半導体基板110に対して安定した表面を提供し得るとともに、半導体基板110の表面を、ウェハ処理に付随する化学的曝露および環境曝露から保護し得る。キャップ層109は、1つまたは複数のIII-N族半導体層を含んでよいとともに、バリア層108によって支持される。一実施形態では、キャップ層109はGaNである。キャップ層109の厚さは、約5オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約100オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間でよいが、他の厚さでもよい。キャップ層109は、NIDであってよく、またはSi、Ge、C、Fe、Crもしくは他の適切なドーパントを含んでもよい。ドーパント濃度は、約10
16cm
-3から10
19cm
-3の間でよいが、他のより高いまたはより低い濃度でもよい。半導体基板110を形成するための材料の選択および層の配置は、本発明の主題の範囲から逸脱することなく、例示的であることを理解されたい。ホスト基板102、バッファ層104、チャネル層106、バリア層108、およびキャップ層109を半導体基板110に含めることは例示的であり、様々な層の機能および作用が組み合わされ得るとともに、任意の特定の実施形態で使用される材料に応じて変更し得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、キャップ層109は省略されてよい(図示せず)。N極性材料を使用する他の実施形態では、チャネル層106をバリア層108の上に配置することで、キャップ層109およびゲート電極160(図示せず)の直下に2-DEGおよびチャネル107を作成してよい。さらなる実施形態では、GaAs、Ga
2O
3(酸化ガリウム)、AlGaAs(ヒ化アルミニウムガリウム)、InGaAs(ヒ化インジウムガリウム)、およびAlInAs(ヒ化アルミニウムインジウム)を含む材料から形成された半導体層によって半導体基板110を形成してよい。
【0015】
一実施形態によれば、1つまたは複数の分離領域120が、半導体基板110に形成されることで、ホスト基板102の上面103に沿って上方に活性領域125を画定してよい。分離領域120は、エピタキシャル層および/または他の半導体層にダメージを与えることで半導体基板110に高抵抗領域122を生成するよう構成された注入手順によって形成されるので、半導体基板110を高抵抗にするか、または高抵抗領域122において半絶縁性にする一方で、活性領域125では結晶構造を維持してよい。他の実施形態では、分離領域120は、半導体基板110のエピタキシャル層および/または他の半導体層のうちの1つまたは複数を除去することで、半導体基板110の残りの層を半絶縁性にするとともに、高抵抗または半絶縁性分離領域120(図示せず)によって囲まれた活性領域125「メサ」を残すことで形成されてよい。さらに他の実施形態では、分離領域120は、半導体基板110のエピタキシャル層および/または他の半導体層のうちの1つまたは複数を除去して、次いでイオン注入を使用することで半導体基板110の残りの層の半絶縁特性にダメージを与えかつさらに強化するとともに、注入された高抵抗または半絶縁性分離領域120(図示せず)によって囲まれた活性領域125「メサ」を残すことで形成されてよい。
【0016】
一実施形態では、第1誘電体層130は、活性領域125および分離領域120の上に形成されてよい。一実施形態では、第1誘電体層130は、SiO2(二酸化ケイ素)、SiN(窒化ケイ素)、SiON(酸窒化ケイ素)、Al2O3(酸化アルミニウム)、AlN(窒化アルミニウム)、およびHfO2(酸化ハフニウム)を含む1つまたは複数の適切な材料から形成されてよいが、他の実質的に絶縁性の材料から形成されてもよい。一実施形態では、第1誘電体層130は、200オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から1000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有してよい。他の実施形態では、第1誘電体層130は、50オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から10000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有してよいが、他の厚さでもよい。
【0017】
一実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145は、活性領域125内の半導体基板110内に形成されたソース領域142およびドレイン領域147の上に接触して形成されてよい。ソース電極140およびドレイン電極145は、第1誘電体層130に形成されたソース開口部132(すなわち、「第1通電開口部」)およびドレイン開口部134(すなわち、「第2通電開口部」)内に形成されてもよいとともに、1つまたは複数の導電層から形成されてよい。いくつかの実施形態では、イオン注入を使用してチャネル107へのオーム接触を形成することで、ソース領域142およびドレイン領域147を作成してよい。一実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145を形成するために使用される1つまたは複数の導電層は、Ti(チタン)、Au(金)、Al、Mo(モリブデン)、Ni(ニッケル)、Si、Ge、Pt(白金)、Ta(タンタル)、または他の適切な材料を含んでよい。他の実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145を形成するために使用される1つまたは複数の導電層は、TiW(チタンタングステン)、TiAl(チタンアルミニウム)、またはTiWN(窒化チタンタングステン)を含んでよい。一実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145は、キャップ層109の上に接触して形成されてよい。他の実施形態(図示せず)では、ソース電極140およびドレイン電極145の一方または両方は、キャップ層109に凹設されるとともに、バリア層108中に部分的に延在してよい。一実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145は、多層スタックから形成されてもよい。一実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145を形成するために使用される多層スタックは、接着層と、アニールされた際にチャネル107とソース領域142およびドレイン領域147との間にオーム接触を形成する1つまたは複数の層とを含んでよい。一実施形態では、接着層は、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、Si(シリコン)、または他の適切な材料を含んでよい。一実施形態では、接着層は、4.5電子ボルト未満の仕事関数を有してよい。
【0018】
一実施形態によれば、第2誘電体層150は、第1誘電体層の上に配置されてよい。一実施形態では、第2誘電体層150は、SiO2(二酸化ケイ素)、TEOS(オルトケイ酸テトラエチル)、有機ケイ酸塩ガラス、多孔質二酸化ケイ素、SiN(窒化ケイ素)、SiON(酸窒化ケイ素)、Al2O3(酸化アルミニウム)、AlN(窒化アルミニウム)、およびHfO2(酸化ハフニウム)を含む1つまたは複数の適切な材料から形成されてよいが、他の実質的に絶縁性の材料から形成されてもよい。一実施形態では、第2誘電体層150は、低k誘電体層を含んでよい。本明細書および実施形態で使用される「低k誘電体層」という用語は、約6未満の比誘電率を有する誘電体材料を指す。一実施形態では、第1誘電体層の誘電率は、第2誘電体層150の誘電率を超えてよい。低k誘電体層を使用して実現され得る第2誘電体層150のより低い誘電率によって、例えば、ゲート電極160、ソース電極140、およびフィールドプレート190間の寄生容量を最小化してよい。例えば、一実施形態では、第1誘電体層130はSiNを含んでよい一方、第2誘電体層150はTEOSを含んでよい。一実施形態では、第2誘電体層150は、1000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から10000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有してよい。他の実施形態では、第2誘電体層150は、500オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から20000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有してよいが、他の厚さでもよい。
【0019】
ある実施形態によれば、第3誘電体層155は、第2誘電体層150の上に配置されてよい。一実施形態では、第3誘電体層155は、SiO2(二酸化ケイ素)、SiN(窒化ケイ素)、SiON(酸窒化ケイ素)、Al2O3(酸化アルミニウム)、AlN(窒化アルミニウム)、およびHfO2(酸化ハフニウム)を含む1つまたは複数の適切な材料から形成されてよいが、他の実質的に絶縁性の材料から形成されてもよい。一実施形態では、第3誘電体層155は、200オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から1000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有してよい。他の実施形態では、第3誘電体層155は、50オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から5000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有してよいが、他の厚さでもよい。
【0020】
一実施形態では、ゲート電極160は、活性領域125内の半導体基板110の上に形成されてよい。一実施形態によれば、下部開口部136は、ソース電極140とドレイン電極145との間で第1誘電体層130に形成されてよい。一実施形態では、上部開口部158は、第2誘電体層150および第3誘電体層155に形成されてもよい。上部開口部158の少なくとも一部は、下部開口部136の一部と重なってよい。一実施形態によれば、ゲート電極160は、ソース電極140とドレイン電極145との間の半導体基板110上で、下部開口部136の少なくとも一部内および上部開口部158の一部内に形成されてもよいとともに、チャネル107を通る電流の流れを制御するよう構成されてよい。一実施形態では、ゲート電極160は、下部開口部136内に形成された第1ゲート領域(すなわち、「第1領域」)161と、第1ゲート領域161の上方で上部開口部158内に形成された第2ゲート領域(すなわち、「第2領域」)162とを含んでよい。一実施形態によれば、第2ゲート領域162は、下部開口部136とソース電極140との間で第1誘電体層130上に横方向に延在する第1突出領域163と、下部開口部136とドレイン電極との間で第1誘電体層130上に延在する第2突出領域164とを含んでよい。一実施形態では、第3ゲート領域165は第2ゲート領域162の上方に形成されてよい。第3ゲート領域165は、上部開口部158とソース電極140との間で第3誘電体層155上に横方向に延在し得る第3突出領域166を含んでよい。一実施形態によれば、第3ゲート領域165は、上部開口部158とドレイン電極147との間で第3誘電体層155上に延在する第4突出領域167を含んでよい。
【0021】
一実施形態では、ゲート電極160は、下部開口部136内のゲート長170と、第1および第2突出領域長163、164と、第3および第4突出領域長(すなわち、「横方向長さ」)176、178とを有してよい。第1および第2突出領域163、164は、第1誘電体層130を覆ってよい。第3および第4突出領域166、167は、第3誘電体層155を覆ってよい。一実施形態では、ゲート長170は、約0.05ミクロンから約1ミクロンの間でよい。他の実施形態では、ゲート長170は、約0.02ミクロンから約5ミクロンの間でよいが、他の適切な寸法でもよい。一実施形態では、第1および第2突出領域長172、174は、約0.02ミクロンから約0.5ミクロンの間でよい。他の実施形態では、第1および第2突出領域長172、174は、約0.01ミクロンから5ミクロンの間でよいが、他の好適な寸法でもよい。一実施形態では、第3および第4突出領域長176、178は、約0.02ミクロンから約0.5ミクロンの間でよい。他の実施形態では、第3および第4突出領域長176、178は、約0.01ミクロンから5ミクロンの間でよいが、他の好適な寸法でもよい。
【0022】
ゲート電極160に印加される電位の変化は、チャネル層106の擬フェルミ準位に関してバリア層108の擬フェルミ準位をシフトさせることで、ゲート電極160の下の半導体基板110内のチャネル107における電子濃度を変調し得る。一実施形態によれば、Ni、Pd(パラジウム)、Pt、Ir(イリジウム)、またはCu(銅)などの1つまたは複数のショットキー材料を、Au、Al、Cu、ポリSi、または他の適切な材料などの低応力導電性材料の1つまたは複数と金属スタック内で組み合わせることで、チャネル107に電気的に結合された低損失ショットキーゲート電極160用にゲート電極160を形成してよい。
【0023】
一実施形態では、第2および第3誘電体層150、155は、上部開口部158の縁部から第3および第4突出領域166、167の外縁部まで延在してよい。一実施形態によれば、第2および第3誘電体層150、155の外縁部は、第3および第4突出領域166、167の外縁部と自己整合されてよい。他の実施形態(図示せず)では、第2および第3誘電体層150、155は、第3および第4突出領域166、167の外縁部を越えて延在してよい。これらの他の実施形態では、第2および第3誘電体層150、155は、第1誘電体層130と、ソース電極140およびドレイン電極145とを覆ってよい。
【0024】
一実施形態では、ゲート電極160の垂直縁部にスペーサ層169が形成されてよい。一実施形態によれば、スペーサ層169は、第2および第3誘電体層150、155の外縁部に接触してよい。一実施形態では、スペーサ層169は、SiO2(二酸化ケイ素)、TEOS(オルトケイ酸テトラエチル)、有機ケイ酸塩ガラス、多孔質二酸化ケイ素、SiN(窒化ケイ素)、SiON(酸窒化ケイ素)、Al2O3(酸化アルミニウム)、AlN(窒化アルミニウム)、およびHfO2(酸化ハフニウム)を含む1つまたは複数の適切な材料から形成されてよいが、他の実質的に絶縁性の材料から形成されてもよい。一実施形態によれば、1つまたは複数の低k誘電体材料を使用することで、スペーサ層169を形成してよい。一実施形態では、スペーサ層169を形成する低k誘電体層を使用することにより、例えば、ゲート電極160、ソース電極140、およびフィールドプレート190間の寄生容量を最小化してよい。例えば、一実施形態では、第1誘電体層130はSiNを含んでよい一方、第2誘電体層150はTEOSを含んでよく、スペーサ層169はTEOSを含んでよい。一実施形態では、スペーサ層169は、1000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から10000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有する。他の実施形態では、スペーサ層169は、500オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から20000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有してよいが、他の厚さでもよい。別の実施形態(図示せず)では、スペーサ層169を形成する前または後に、ゲート電極160の上にエッチングストップ層を形成してよい。スペーサ層169を形成する前にエッチングストップ層がゲート電極160上に形成された場合、エッチングストップ層は、スペーサ層169を形成するために使用されるエッチャントのエッチングを阻止するように作用し得る。
【0025】
本発明の主題の範囲から逸脱することなく、複数の他の実施形態が実施されてよい。
図1の例示的な実施形態では、ゲート電極160は半導体基板110の上に配置される。他の実施形態(図示せず)では、ゲート電極160は、キャップ層109に凹設されるとともに、バリア層108中に部分的に延在することで、バリア層108を介したチャネル107へのゲート電極160の電気的結合を増加させてよい。他の実施形態(図示せず)では、キャップ層109は省略されてよく、ゲート電極160はバリア層108に直接接触してよい(図示せず)。さらに他の実施形態では、ゲート電極160は、金属-絶縁体半導体電界効果トランジスタ(MISFET)デバイス(図示せず)を形成するために、ゲート電極160と半導体基板110との間に形成され得るゲート誘電体の上に配置されてよい。
【0026】
一実施形態では、第4誘電体層180は、ゲート電極160の少なくとも一部の上に形成されてよい。一実施形態では、第4誘電体層180は、SiO2(二酸化ケイ素)、TEOS(オルトケイ酸テトラエチル)、有機ケイ酸塩ガラス、多孔質二酸化ケイ素、SiN(窒化ケイ素)、SiON(酸窒化ケイ素)、Al2O3(酸化アルミニウム)、AlN(窒化アルミニウム)、およびHfO2(酸化ハフニウム)を含む1つまたは複数の適切な材料から形成されてよいが、他の実質的に絶縁性の材料から形成されてもよい。一実施形態によれば、1つまたは複数の低k誘電体材料を使用することで、スペーサ層169を形成してよい。一実施形態では、スペーサ層169を形成する低k誘電体層を使用することにより、例えば、ゲート電極160、ソース電極140、およびフィールドプレート190間の寄生容量を最小化してよい。例えば、一実施形態では、第1誘電体層130はSiNを含んでよい一方、第2誘電体層150はTEOSを含んでよく、スペーサ層169はTEOSを含んでよい。一実施形態では、第2誘電体層150は、1000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から10000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有してよい。他の実施形態では、第2誘電体層150は、500オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から20000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の厚さを有してよいが、他の厚さでもよい。
【0027】
フィールドプレート190は、ゲート電極160に隣接しかつゲート電極160とドレイン電極145との間で、第4誘電体層180の上に形成されてよい。一実施形態では、フィールドプレート190は、ゲート電極160に隣接しかつゲート電極160とドレイン電極145との間で、第1誘電体層130の上に形成されてよい。一実施形態では、フィールドプレート190は、ゲート電極160に横方向に隣接して形成されるとともに、第4誘電体層180に接触し得る第1フィールドプレート領域192と、ゲート電極160を取り囲む領域において第4誘電体層180に接触する第2フィールドプレート領域194とを含んでよい。一実施形態によれば、フィールドプレート190は、第1フィールドプレート領域192の横方向長さであるフィールドプレート長196を有してよい。一実施形態では、フィールドプレート長196は、約0.1ミクロンから約2ミクロンの間でよい。他の実施形態では、フィールドプレート長196は、0.05ミクロンから10ミクロンの間でよいが、他の適切な長さでもよい。一実施形態では、フィールドプレート190は、ゲート電極160とドレイン電極145との間で電界およびゲート-ドレイン帰還容量を低減してよい。
【0028】
他の実施形態では、フィールドプレート190は、第4誘電体層180および第4誘電体層180の下の誘電体層(図示せず)の1つまたは複数の開口部を通じて第1誘電体層130に接触して形成されてよい。これらの他の実施形態では、第4誘電体層180のエッチングを阻止するために、フィールドプレートエッチングストップ層が形成されてよい。フィールドプレートエッチングストップ層は、第1誘電体層130の一部(例えば、SiN上に形成されたAlNまたはAl2O3層)として形成されてよいし、またはスペーサ層169を形成する前または後に、ゲート電極160上に堆積されてもよい。さらに他の実施形態では、フィールドプレート190は、ソース電極140およびドレイン電極145を形成するためにも使用される導電層を使用して形成されてよい。これらの実施形態では、第4誘電体層180およびフィールドプレート190の下の任意の他の介在する誘電体層を含む、開口部内の下にある誘電体層のエッチングは、フィールドプレート190を形成する前に達成されてよい。
【0029】
一実施形態では、GaN HFETデバイス100は、トランジスタフィンガーとして構成されてよい。ソース電極140、ドレイン電極145、ゲート電極160、およびフィールドプレート190は、ゲートフィンガーを形成する長尺要素として構成されてよい。GaN HFETデバイス100は、ゲートフィンガーのゲート幅(すなわち、
図1のGaN HFETデバイス100の平面に対し垂直な軸に沿って延在する寸法)がゲート電極160のゲート長170(すなわち、幅に対し垂直な軸に沿って延在する寸法)よりも著しく大きい分離領域120によって部分的に画定されてよい。いくつかの実施形態では、ゲート幅は、約50ミクロンから約500ミクロンの間でよい。他の実施形態では、ゲート幅は、約1ミクロンから約10000ミクロンの間でよい。一実施形態では、フィールドプレート190は、ソース電極140と同じ電位に電気的に結合されてよい。フィールドプレート190は、ソース電極140への分離領域120内のデバイスフィンガーの1つまたは複数の端部においてフィールドプレート190を形成するために使用される導電性材料の延長部から形成される接続(図示せず)を使用して、ソース電極140に接続されてよい。
【0030】
他の実施形態では、追加的な誘電体層および金属層が、GaN HFETデバイス100の上に隣接して形成されてよい。これらの他の実施形態では、これらの追加の誘電体層および金属層は、パッシベーション層、相互接続メタライゼーション、追加的な能動デバイス(例えば、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、および他の要素を有するデバイス)、および追加的な回路を含んでよいが、これに限定されるものではない。
【0031】
図2は、一実施形態による例示的なGaN HFET(ヘテロ接合電界効果トランジスタ)デバイス200の側断面図である。一実施形態では、GaN HFETデバイス100は、半導体基板110と、1つまたは複数の分離領域120と、活性領域125と、第1誘電体層130と、ソース電極140と、ドレイン電極145と、第2誘電体層150と、第3誘電体層155と、ゲート電極260(すなわち、「制御電極」)と、第4誘電体層180と、フィールドプレート190とを含んでよい。
図1のGaN HFETデバイス100と同様に、GaN HFETデバイス200は、分離領域120によって画定される活性領域125内に実質的に含まれる。第1誘電体層130、ソース電極140、ドレイン電極145、第2誘電体層150、第3誘電体層155、ゲート電極260、第4誘電体層180、およびフィールドプレート190は、半導体基板110の上に配置されてよい。
【0032】
一実施形態では、ゲート電極260は、活性領域125内の半導体基板110の上に形成されてよい。一実施形態によれば、下部開口部136は、ソース電極140とドレイン電極145との間で第1誘電体層130に形成されてよい。一実施形態では、上部開口部158は、第2誘電体層150および第3誘電体層155に形成されてもよい。上部開口部158の少なくとも一部は、下部開口部136の一部と重なってよい。一実施形態によれば、ゲート電極260は、ソース電極140とドレイン電極145との間の半導体基板110上で、下部開口部136の少なくとも一部内および上部開口部158の一部内に形成されてもよいとともに、チャネル107を通る電流の流れを制御するよう構成されてよい。一実施形態では、ゲート電極260は、下部開口部136内に形成された第1ゲート領域261と、第1ゲート領域の上方で上部開口部158内に形成された第2ゲート領域262とを含んでよい。一実施形態によれば、第2ゲート領域262は、下部開口部136とソース電極140との間で第1誘電体層130上に横方向に延在する第1突出領域263と、下部開口部136とドレイン電極との間で第1誘電体層130上に延在する第2突出領域264とを含んでよい。一実施形態では、第3ゲート領域265は第2ゲート領域262の上方に形成されてよい。一実施形態によれば、第3ゲート領域265は、上部開口部158とソース電極140との間で第3誘電体層155上に横方向に延在し得る第3突出領域266を含んでよい。
【0033】
一実施形態では、第3および第4突出領域長276、278は、等しくなくてよい。例えば、一実施形態によれば、第3突出領域長276は、第4突出領域長278より長くてよい。他の実施形態(図示せず)では、第3突出領域長276は、第4突出領域長278より短くてよい。
【0034】
他の実施形態(図示せず)では、
図1および
図2のGaN HFETデバイス100、200とは対照的に、第3ゲート領域265は、第3ゲート領域265のドレインに近い側には突出領域を含まなくてよい。したがって、第1ゲート領域261および第2ゲート領域262のドレイン電極145に近い側の面(図示せず)は連続してよい。この突出領域がないことによって、これらの実施形態では、ゲート-ドレイン間容量を減少させてよい。
【0035】
【0036】
図3のブロック302において、また
図4の工程400に示すように、方法の一実施形態は、半導体基板110を形成する工程を含んでよい。一実施形態では、工程400は、ホスト基板102を提供する工程と、ホスト基板102上にまたはそれを覆って複数の半導体層を形成する工程とを含んでよい。一実施形態では、ホスト基板102は、SiCを含んでよい、またはサファイア、Si、GaN、AlN、ダイヤモンド、ポリSiC、シリコンオンインシュレータ、GaAs、InP、もしくは他の実質的に絶縁性もしくは高抵抗の材料などの他の材料を含んでよい。半導体層を形成する工程は、ホスト基板102の上面103上にまたはそれを覆って核形成層(図示せず)を形成する工程と、核形成層上にまたはそれを覆ってバッファ層104を形成する工程と、バッファ層104上にまたはそれを覆ってチャネル層106を形成する工程と、チャネル層106上にまたはそれを覆ってバリア層108を形成する工程と、バリア層108上にまたはそれを覆ってキャップ層109を形成する工程とを含んでよい。上記のように、バッファ層104、チャネル層106、バリア層108、およびキャップ層109の実施形態は、AlN、GaN、AlGaN、InAlN、およびInGaNから選択された材料、または他の適切な材料を含んでよい。半導体層104、106、108、および109は、MOCVD(有機金属化学気相成長)、MBE(分子線エピタキシ)、HVPE(水素化物気相エピタキシ)、またはこれらの技法の組合せのうちの1つを使用して成長させてよいが、他の適切な技法を代替的に使用してもよい。半導体基板110が得られる。
【0037】
図3のブロック304において、また
図5A、
図5B、
図5C、および
図5Dの工程500、工程502、工程504、および工程506に示すように、方法の一実施形態は、ドープされた(例えば、イオン注入された)ソース領域142およびドレイン領域147を形成する工程を任意選択的に含んでよい。
図5Aの工程500に示されているように、ソース領域142およびドレイン領域147を形成する工程は、半導体基板110上にまたはそれを覆って犠牲誘電体層510を形成する工程を含んでよい。上記のように、一実施形態では、犠牲誘電体層510は、SiN、Al
2O
3、SiO
2、AlN、およびHfO
2から選択される材料を含んでよい。犠牲誘電体層510は、LPCVD(低圧化学気相堆積)、ALD(原子層堆積)、スパッタリング、PVD(物理気相堆積)、PECVD(プラズマ強化化学気相堆積)、MOCVD、MBE、ICP(誘導結合プラズマ)堆積、ECR(電子サイクロトロン共鳴)堆積、または他の適切な技法のうちの1つまたは複数を使用して形成されてよい。他の実施形態では、犠牲誘電体層510は、インサイチュで、直後に、半導体基板110の半導体層の成長と同じチャンバまたは堆積システム(例えば、MOCVDまたはMBE)内で形成されてよい。構造501が得られる。
【0038】
再び
図3のブロック304、および
図5Bの工程502を参照すると、方法の一実施形態は、注入マスク512をパターニングする工程と、半導体基板110内に注入領域530を形成するために、注入マスク512の開口部515を通して半導体基板内にドーパント種520を注入する工程とを含んでよい。注入マスク512がパターニングされると、ドーパント種520は、犠牲誘電体層510を通して半導体基板110内に注入されてよい。一実施形態では、Si、Ge、O、または他の適切なn型ドーパントのうちの1つまたは複数が、注入領域530を形成するために、注入マスクを通して半導体基板に注入されてよい。構造503が得られる。
【0039】
引き続き
図3のブロック304を参照し、今度は
図5Cの工程504を参照すると、方法の一実施形態は、注入領域530内のドーパント種を活性化する前に注入マスク512を除去することで、半導体基板110内のソース領域142およびドレイン領域147の形成を完了する工程を含んでよい。注入マスク512は、1つまたは複数の従来のウェットケミカルおよびプラズマアッシング技法を使用して除去されてよい。構造505が得られる。
【0040】
再び
図3のブロック304を参照し、今度は
図5Dの工程506を参照すると、方法の一実施形態は、
図5Cの構造505の注入領域530を活性化することでソース領域142およびドレイン領域147を形成する工程と、犠牲誘電体層510を除去する工程とを含んでよい。一実施形態によれば、注入領域530は、約900℃から約1500℃の間の温度で活性化アニールを用いて半導体基板110をアニーリングすることで活性化されてよい。いくつかの実施形態では、活性化アニールの持続時間は、約60秒から約600秒の間でよい。他の実施形態では、活性化アニールの持続時間は、約10秒から約2000秒の間でよい。注入領域530を活性化することでソース領域142およびドレイン領域147を作成した後、犠牲誘電体層510は、ウェットエッチングおよび/またはドライエッチングを使用して除去されてよい。構造507が得られる。
【0041】
次に
図3のブロック306、今度は
図6の工程600を参照すると、方法の一実施形態は、
図5Dの構造507の半導体基板110上にまたはそれを覆って第1誘電体層130を形成する工程を含んでよい。注入されたオーム接触(図示せず)を含まない、方法の他の実施形態では、第1誘電体層130は、
図3のブロック302および
図4の工程400における半導体基板110の上に形成されてよい。上記のように、一実施形態では、第1誘電体層130は、SiN、Al
2O
3、SiO
2、AlN、およびHfO
2から選択される材料を含んでよい。第1誘電体層130は、LPCVD、ALD、スパッタリング、PVD、PECVD、MOCVD、MBE、ICP堆積、ECR堆積、または他の適切な技法のうちの1つまたは複数を使用して形成されてよい。構造601が得られる。
【0042】
次に
図3のブロック308を参照すると、また
図7A、
図7B、および
図7Cの工程700、工程702、および工程704に示されるように、方法の一実施形態は、ソース電極140およびドレイン電極145を形成する工程を含んでよい。一実施形態では、
図7Aを参照すると、ソース開口部132およびドレイン開口部134を形成する工程は、第1誘電体層130の上にレジスト層740を塗布する工程と、レジスト層740をパターニングすることでレジスト開口部750を形成する工程とを含んでよい。一実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145は、ソース開口部132およびドレイン開口部134を形成するようレジスト開口部750によって露出された領域内の第1誘電体層130をエッチングすることによって作成されてよい。一実施形態によれば、第1誘電体層130(例えば、SiN)をエッチングする工程は、RIE(反応性イオンエッチング)、ICPエッチング、ECRエッチング、およびウェットケミカルエッチングなどの1つまたは複数のドライおよび/またはウェットエッチング技法を使用するエッチングを含んでよい。ある実施形態によれば、適切なウェットエッチ化学物質は、HF(フッ化水素酸)、バッファードHF、BOE(バッファード酸化物エッチ)、H
3PO
4(リン酸)、または他の適切なウェットエッチャントを含んでよい。これらのドライエッチング技法は、一実施形態によれば、SF
6(六フッ化硫黄)、C
2F
6(六フッ化二炭素)、CF
4(四フッ化炭素)、CHF
3(トリフルオロメタン)または他の適切な化学物質のうちの1つまたは複数を使用することで、SiNを除去してよい。一実施形態では、第1誘電体130をエッチングするために使用されるエッチャントは、第1誘電体層130の一部を選択的にエッチングし、次いで、第1誘電体層130と半導体基板110との間に形成されたエッチングストップ層(図示せず、例えばAl
2O
3またはAlN)上で停止してよい。一実施形態では、エッチングストップ層(例えば、Al
2O
3またはAlNエッチングストップ層)のエッチングは、ウェットおよび/またはドライエッチング技法を含んでよい。他の実施形態では、エッチングストップ層(例えば、AlNまたはAl
2O
3エッチングストップ)のドライエッチングは、Cl
2、BCl
3(三塩化ホウ素)などの塩素系化学物質、または他の適切なドライエッチング化学物質と併せて、適切な技法(例えば、RIE、ICP、またはECR)を使用するドライエッチングを含んでよい。構造701が得られる。
【0043】
次に
図3のブロック308および
図7Bの工程702を参照すると、方法の一実施形態は、第1誘電体層130の上のソース開口部132およびドレイン開口部134内にソース電極140およびドレイン電極145を形成する工程を含んでよい。一実施形態では、方法は、レジスト層740の上ならびにソース開口部132およびドレイン開口部134の中にオーム接触金属760を堆積する工程を含んでよい。一実施形態では、オーム接触金属760は、Ti、Ta、Al、Mo、Au、Ni、Si、Ge、Pt(白金)、W(タングステン)、および/またはアニールされたときにソース領域142およびドレイン領域147とオーム接触を形成し得る他の高融点金属を含む1つまたは複数の導電層を含んでよい。一実施形態では、オーム接触金属760は、Ti、Al、およびAuを含む基板上に堆積されたスタックを含んでよい。一実施形態では、オーム接触金属760を形成するために、Ti層を開口132、134内の半導体基板110上に配置してよい、Al層をTi層上に配置してよい、MoまたはNiもしくはタングステンなどの他の適切なバリア金属から形成されたバリア層をAl層上に配置してよい、およびAu層をバリア層上に配置してよい。一実施形態では、オーム接触金属760は、蒸着によって堆積されてよい。他の実施形態では、オーム接触金属760は、スパッタリング、PVD、または他の適切な堆積技法によって堆積されてよい。一実施形態では、Ti層は約100オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から200オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さでよく、Al層は約600オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から1500オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さでよく、Mo層は約200オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から700オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さでよく、Au層は約300オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から1000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さでよい。他の実施形態では、他の金属で置換されてよい(例えば、NiまたはPtでMoを置換してもよく、またはTaをTiに加えて使用する、TaをTiの上または下に使用する、もしくはTaでTiを置換してよい)とともに、他の厚さが使用されてもよい。一実施形態では、レジスト層740はリフトオフプロファイルに構成されてよい。レジスト層740の開口部はレトログレードプロファイルを有することで、レジスト開口部750内に堆積されていない金属が溶媒に溶解された際に「リフトオフ」することを可能にする。他の実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145は、ドライエッチング(図示せず)によってパターニングされてよい。構造703が得られる。
【0044】
再び
図3のブロック308を参照すると、また
図7Cの工程704に示されるように、方法の一実施形態は、ソース電極140およびドレイン電極145をアニーリングする工程を含んでよい。一実施形態では、ソース電極140およびドレイン電極145をアニーリングする工程は、
図7Bのオーム接触金属760を合金化するために使用されるアニーリング工程を含んでよい。その結果、ソース電極140およびドレイン電極145を形成する半導体基板110内に形成されたソース領域142およびドレイン領域147へのオーム接触をもたらす。一実施形態では、アニーリングする工程は、急速熱アニーリングによって達成されてよい。一実施形態では、
図7Bのソース開口部132およびドレイン開口部134内に残る
図7Bのオーミック金属760は、約400℃から約700℃の間の温度で約15秒から約60秒の間合金化されてよい。他の実施形態では、
図7Bのオーミック金属760は、約300℃から約800℃の間で約10秒から約600秒の間アニールされてよいが、他のより高いまたはより低い温度および時間でもよい。一実施形態では、オーミック金属760(例えば、Ti、Al、Mo、およびAu)を形成するために使用される金属スタックは、ソース電極140およびドレイン電極145を形成してよい。構造705が得られる。
【0045】
本発明の主題の範囲から逸脱することなく、ソース電極140およびドレイン電極145は、合金オーム接触(図示せず)を使用して形成されてよい。これらの実施形態では、ソースおよびドレイン領域は形成されなくてよい。むしろ、半導体基板110へのオーム接触は、オーミック金属の高温アニーリングによって達成される(例えば、上述したように、Ti、Al、Mo、Auを使用することでチャネル107へのオーム接触を形成してよい)。
【0046】
引き続きブロック308を参照し、今度は
図8の工程800を参照すると、一実施形態では、方法は、分離領域120を作成する工程を含んでよい。分離領域120を形成する工程は、第1誘電体層130の上にレジストマスク810を分配およびパターニングする工程と、次いでレジストマスク810に開口部820を画定する工程とを含んでよい。イオン注入を使用して、ドーパント種825(例えば、酸素、窒素、ホウ素、ヒ素、およびヘリウムのうちの1つまたは複数)を半導体基板110内に注入することで、高抵抗領域122を作成してよい。一実施形態では、注入のエネルギーおよび投与量は、半導体基板が分離領域120の高抵抗領域122内で実質的に高抵抗または半絶縁性であるように、半導体基板110の結晶構造内に十分な量のダメージを生成するように構成されてよい。他の実施形態(図示せず)では、分離領域120を形成する工程は、最初に、半導体基板110内の半導体層の一部または全部をエッチングする工程と、次いで、残りの半導体層および/またはホスト基板102内の抵抗率を高めるためにイオン注入する工程とを含んでよい。いくつかの実施形態では、分離領域120は、ソース電極140およびドレイン電極145の形成後に形成されてよい。他の実施形態では、分離領域120は、ソース電極140およびドレイン電極145の形成前に形成されてよい。構造801が得られる。
【0047】
次に
図3のブロック310、今度は
図9の工程900を参照すると、方法の一実施形態は、
図8の構造801の半導体基板110上にまたはそれを覆って第2誘電体層150および第3誘電体層155を形成する工程を含んでよい。上記のように、方法の一実施形態では、第2および第3誘電体層150、155は、SiO
2、TEOS、有機ケイ酸塩ガラス、多孔質SiO
2、SiN、SiON、Al
2O
3、AlN、およびHfO
2から選択される材料を含んでよい。第2および第3誘電体層150、155は、LPCVD、ALD、スパッタリング、PVD、PECVD、MOCVD、MBE、ICP堆積、ECR堆積、または他の適切な技法のうちの1つまたは複数を使用して、第1誘電体層130の上に形成されてよい。構造601が得られる。
【0048】
次に
図3のブロック312、314、316、および
図10、
図11A、
図11B、
図11C、
図11D、
図12A、
図12Bの工程1000、1100、1102、1104、1106、1200、1202を参照すると、一実施形態では、
図1および
図2のGaN HFETデバイス100、200のゲート電極160、260を形成する工程は、第3誘電体層155および第2誘電体層150に上部開口部158を形成する工程と、上部開口部158内に下部開口部136を形成する工程と、下部開口部136内、上部開口部158内、および上部開口部158に隣接する第3誘電体層155の一部の上にゲート電極160を形成する工程と、を含んでよい。
【0049】
次に
図3のブロック312、および
図10の工程1000を参照すると、方法の一実施形態によれば、ソース電極140とドレイン電極145との間で第2誘電体層150および第3誘電体層155に上部開口部158が形成されてよい。方法の一実施形態では、レジスト層(例えば、フォトレジストまたは電子ビームレジスト、図示せず)をパターニングすることでして、レジスト層に開口部を形成してよい。一実施形態によれば、レジスト層に形成された開口部を使用して、第3誘電体層155および第2誘電体層150を、
図7Aの工程700に関して記載したものと同様なドライおよび/またはウェットケミカルエッチでエッチングして上部開口部158を形成することで、第1誘電体層130を露出させてよい。一実施形態では、第3誘電体層155(例えば、SiN)および第2誘電体層150(例えば、TEOS)をエッチングするために、別個のエッチング工程を使用してよい。いくつかの実施形態では、第2誘電体層150(例えば、TEOS)のエッチングは、第1誘電体層130(例えば、SiN)に対して選択的であってよい。他の実施形態では、エッチングストップ層(例えば、AlNまたはAl
2O
3)が、第2誘電体層150と第1誘電体層130との間(図示せず)、および/または第2誘電体層150と第3誘電体層155との間(図示せず)に形成されてよい。
図7A、工程700に関連して説明したエッチングストップと同様に、これらのエッチングストップを使用して、第3誘電体層155および/または第1誘電体層150のエッチングを選択的に阻止してよい。その結果、(例えば、下の層をエッチングしないウェット化学を用いて)エッチングストップ層が除去された後に、下の誘電体層(例えば、第1誘電体層130および/または第2誘電体層150)がエッチングされずに残る。レジスト層は、次いで、一実施形態(図示せず)によれば、ウェットストリッピングおよび/またはプラズマアッシングを使用して除去されてよい。構造1001が得られる。
【0050】
次に
図3のブロック314、および
図11A、
図11B、
図11C、
図11Dの工程1100、1102、1104、1106を参照すると、方法の一実施形態によれば、下部開口部136は、上部開口部158内で第1誘電体層130に形成されてよい。一実施形態では、犠牲マスキング層1110を形成し、犠牲マスキング層1110をパターニングし、次いで下部開口部136を形成するために下にある第1誘電体層130をエッチングすることによって、下部開口部136が形成されてよい。
【0051】
次に
図11Aの工程1100を参照すると、方法の一実施形態では、犠牲マスキング層1110は、例えばTEOS又は他の適切な誘電体材料を使用して形成されてよい。犠牲マスキング層1110は、上部開口部158の外側の第3誘電体層155の上、ならびに上部開口部158内で第2誘電体層150の縁部の上および第1誘電体層130の上に形成されてよい。犠牲マスキング層1110は、LPCVD、ALD、スパッタリング、PVD、PECVD、MOCVD、MBE、ICP堆積、ECR堆積、または他の適切な技法のうちの1つまたは複数を使用して形成されてよい。犠牲マスキング層は、約500オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から10000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さを有してよいが、他の厚さでもよい。構造1101が得られる。
【0052】
次に
図11Bの工程1100を参照すると、方法の一実施形態では、犠牲マスキング層1110は、異方性エッチング1120を使用してパターニングされることで、下部開口部ハードマスク(すなわち、「ハードマスク層」)1130を形成するとともに、ハードマスク開口部1140内で第1誘電体層130を露出してよい。一実施形態によれば、犠牲マスキング層1110を異方性エッチングする工程は、RIE、ICPエッチング、ECRエッチングなどの1つまたは複数のドライエッチング技法を使用するエッチングを含んでよい。一実施形態によれば、これらのドライエッチング技法は、SF
6、C
2F
6、CF
4、CHF
3または他の適切な化学物質のうちの1つまたは複数を使用することで、犠牲マスキング層1110を異方性エッチングするとともに、ハードマスク開口部1140を作成してよい。構造1103が得られる。
【0053】
次に
図11Cの工程1104を参照すると、方法の一実施形態では、第1誘電体層130は、上部開口部158内に下部開口部136を形成するために、適切なエッチャント1150を用いてエッチングされてよい。一実施形態によれば、第1誘電体層130をエッチングして下部開口部136を形成する工程は、RIE(反応性イオンエッチング)、ICPエッチング、ECRエッチングなどの1つまたは複数のドライエッチング技法を使用するエッチングを含んでよい。これらのドライエッチング技法は、一実施形態によれば、SF
6(六フッ化硫黄)、C
2F
6(六フッ化二炭素)、CF
4(四フッ化炭素)、CHF
3(トリフルオロメタン)または他の適切な化学物質のうちの1つまたは複数を使用することで、第1誘電体層130をエッチングするとともに、下部開口部136を作成してよい。他の実施形態では、ウェットエッチングを用いて下部開口部136を形成してよい。構造1105が得られる。
【0054】
次に
図11Dの工程1106を参照すると、方法の一実施形態では、
図11Cのハードマスク1130は、上部開口部158内で除去されてよい。一実施形態によれば、ハードマスク1130を除去する工程は、RIE(反応性イオンエッチング)、ICPエッチング、ECRエッチングなどの1つまたは複数のドライエッチング技法を使用するエッチングを含んでよい。これらのドライエッチング技法は、一実施形態によれば、SF
6(六フッ化硫黄)、C
2F
6(六フッ化二炭素)、CF
4(四フッ化炭素)、CHF
3(トリフルオロメタン)または他の適切な化学物質のうちの1つまたは複数を使用することで、ハードマスク1140を除去してよい。他の実施形態では、ウェットエッチングを使用してハードマスク1130を除去してよい。構造1107が得られる。
【0055】
次に
図3のブロック316、ならびに
図12Aおよび
図12Bの工程1200および1202を参照すると、一実施形態では、ゲート金属の1つまたは複数の層が次に堆積およびパターニングされることで、
図1および
図2のゲート電極160、260を、下部開口部136を有する半導体基板110の上部基板表面112の上、上部開口部158内の第1誘電体層130の上、および第3誘電体155の上に形成してよい。一実施形態では、ゲート電極160、260を形成する工程は、下部開口部136内に第1ゲート領域161、261を形成する工程と、第1ゲート領域161、261の上に第2ゲート領域162、262を形成する工程とを含んでよい。第2ゲート領域162、262を形成する工程は、下部開口部136とソース電極140との間で第1誘電体層130上に延在する第1突出領域163、263を形成する工程と、下部開口部136とドレイン電極145との間で第1誘電体層130上に延在する第2突出領域164、264を形成する工程とを含んでよい。ゲート電極160、260を形成する工程はまた、第2ゲート領域162の上方に第3ゲート領域165、265を形成する工程を含んでよい。第3ゲート領域165、265を形成する工程は、上部開口部158とソース電極140との間で第3誘電体層155の上に延在する第3突出領域166、266を形成する工程を含んでよい。
図1のゲート電極160を形成する工程はまた、上部開口部158とドレイン電極145との間で第3誘電体層155の上に延在する第4突出領域167を形成する工程を含んでよい。
【0056】
一実施形態では、ゲート電極160、260は、
図7Bの工程702についての記載と同様に、例えばリフトオフレジスト技法を使用して形成されてよい。方法の一実施形態によれば、ゲート金属を堆積させることでゲート電極160、260を形成する工程は、1つまたは複数の金属層および/または他の適切な材料を含む多層スタックを堆積させる工程を含んでよい。一実施形態では、ゲート電極160を形成するために使用されるマルチスタック内の第1層は、Ti、Ni、Pt、Cu、Pd、Cr、W、Ir、ポリシリコン、または他の適切な材料を含んでよい。一実施形態によれば、第1層は、下部開口部155内で半導体基板110(または後述するように半導体基板110上の任意選択的なゲート誘電体)および第1誘電体層130に接触してよく、上部開口部158内で第2および第3誘電体層150、155の縁部に接触してよく、上部開口部158の外側で第3誘電体層155に接触してよい。一実施形態では、第1層は、約30から約2000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さでよいが、他の厚さ値でもよい。一実施形態によれば、導電層としての1つまたは複数の層を第1層の上に堆積させることで、ゲート電極160、260を形成してよい。一実施形態では、導電層は、Au、Ag、Al、Cu、Ti、または他の実質的に導電性の材料を含んでよい。一実施形態によれば、導電層は、約50から約20000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さでよいが、他の厚さ値でもよい。任意選択的にいくつかの実施形態では、第1層と導電層との間に1つまたは複数のバリア金属層が配置されてよい。バリア金属層は、Ni、Pt、Cu、Pd、Cr、W、Irなどの材料、または第1層の一部と導電層との間でバリアとして働く他の実質的に屈折性の材料を含んでよい。一実施形態によれば、バリア金属層は、約50から約10000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さでよいが、他の厚さ値でもよい。一実施形態では、ゲート電極160、260を形成するために使用される様々な層は、蒸着、スパッタリング、PVD、ALD、または他の適切な堆積技法によって堆積されてよい。構造1201、1203が得られる。
【0057】
本発明の主題の範囲から逸脱することなく、ゲート電極160、260を形成するために他の方法が使用されてよいことを理解されたい。他の実施形態では、ゲート金属は、SiO
2、HfO
2、Al
2O
3、または同様の材料(図示せず)などのゲート誘電体の上に配置されてよい。ゲート誘電体は、一実施形態によれば、上部基板表面112の上および上方に堆積されてよい。さらに他の実施形態では、半導体基板110の上に堆積され、次いでフォトレジストをパターニングした後にゲート金属(図示せず)をエッチングすることによって画定されるゲート金属を使用することで、ゲート電極160、260が形成されてよい。ゲート電極160、260を形成するためにいずれの実施形態または方法が選択されても、
図12Aおよび
図12Bに示すゲート電極160、260の形成に関連して説明した方法を使用して、その後にゲート金属が堆積されてよい。
【0058】
次に
図3のブロック318ならびに
図13Aおよび
図13Bの工程1300、1302を参照すると、
図1および
図2のGaN HFETデバイス100、200を形成する方法の一実施形態は、ゲート電極160、260の側面において第2および第3誘電体層150、155をエッチングする工程を含んでよい。一実施形態では、第2および第3誘電体層のエッチングは、ゲート電極160、260の第3および第4突出領域166、167、266、267によってマスクされてよい。一実施形態によれば、第2および第3誘電体層150、155のエッチングは、RIE、ICPエッチング、ECRエッチングなどの1つまたは複数のドライエッチングを使用する異方性エッチング1310を含んでよい。一実施形態では、第2および第3誘電体層の異方性エッチング1310は、第2および第3誘電体層150、155のエッチングを完了した後に第1誘電体層130をエッチングしないように、または最小限にエッチングするように、第1誘電体層130(または、いくつかの実施形態では、第1誘電体層130の上にまたはその一部として形成されるエッチングストップ(例えば、Al
2O
3またはAlN))に対して選択的であってよい。一実施形態によれば、これらのドライエッチング技法は、SF
6、C
2F
6、CF
4、CHF
3または他の適切な化学物質のうちの1つまたは複数を使用することで、第2および第3誘電体層150、155の部分を異方性エッチングしてよい。構造1301、1303が得られる。
【0059】
次に
図3のブロック320、および
図14A、
図14B、
図14C、
図14D、
図15A、
図15B、
図16A、
図16Bの工程1400、1402、1404、1406、1500、1502、1600、1602を参照すると、方法の一実施形態は、任意選択的なスペーサ層169、269を形成する工程と、スペーサ層169、269の上に第4誘電体層180を形成する工程と、第4誘電体層180の上およびゲート電極160の一部の上にフィールドプレート190を形成する工程とを含んでよい。
【0060】
次に
図14Aおよび14Bの工程1400および1402を参照すると、方法の一実施形態は、スペーサ層169、269を形成する工程を含んでよい。一実施形態では、
図14Aおよび
図14Bに示すように、スペーサ層169、269を形成する工程は、ゲート電極160、ソース電極140およびドレイン電極145の上、ならびに第1誘電体層130の上にブランケット誘電体層1410をコンフォーマルに堆積することを含んでよい。構造1401、1403が得られる。
【0061】
次に
図15Aおよび
図15Bを参照すると、方法の一実施形態では、ブランケット誘電体層1410を堆積させる工程の後に、構造1401、1403のブランケット誘電体層1410を異方性エッチングする工程1404および1406が続いてよい。ブランケット誘電体層1410を異方性エッチングする工程は、ドライエッチング1510を使用して、第2および第3ゲート領域162、165、262、265の垂直側壁ならびに第2ゲート領域162、262に隣接する第2および第3誘電体層150、155の部分に沿ってスペーサ層169、269を形成することによって達成されてよい。誘電体層1410を異方性エッチングすることでスペーサ層169、269を作成するために使用される方法は、
図11Cの工程1104に関連して説明した下部開口部ハードマスク1130を形成するために使用される方法と同様なので、説明の便宜上ここでは繰り返さない。構造1501、1503が得られる。
【0062】
次に
図16Aおよび
図16Bの工程1600、1602を参照すると、方法の一実施形態は、
図14Cおよび14Dの構造1405および1407のソース電極およびドレイン電極140,145、ゲート電極160、260、第2誘電体層150および誘電体層155の露出した縁部、スペーサ層169、269、および第1誘電体層130の上に第4誘電体層180を形成する工程を含んでよい。一実施形態では、第4誘電体層180は、SiN、Al
2O
3、SiO
2、HfO
2、ITO、ダイヤモンド、ポリダイヤモンド、AlN、BN、SiC、またはこれらもしくは他の絶縁性の材料の組合せのうちの1つを含んでよい。第4誘電体層180を形成するために使用される層の合計厚さは、約100オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)から約10000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間でよいが、他の厚さ値でもよい。第4誘電体層180は、LPCVD、PECVD、スパッタリング、PVD、ALD、Cat-CVD、HWCVD、ECR CVD、CVD、ICP-CVD、これらの組合せ、または他の適切な誘電体堆積技法を使用して堆積されてよい。構造1601、1603が得られる。
【0063】
次に
図17Aおよび
図17Bの工程1700、1702を参照すると、一実施形態では、フィールドプレート190を形成およびパターニングする工程は、レジスト層(図示せず)を塗布およびパターニングし、フィールドプレート190を堆積させ、レジスト層を除去しかつ、
図7Bの工程702と同様に、フィールドプレート190の外側の上にある金属をリフトオフ構成で覆うことによって達成されてよい。一実施形態では、フィールドプレート金属は、上述のように部分的に形成されたデバイスに塗布されるレジスト層にパターニングされた開口部(図示せず)内に1つまたは複数の接着および導電性金属層を堆積させることによって形成される。一実施形態では、初めに接着層が堆積された後に導電層が堆積されてよい。一実施形態では、接着層および導電層は、同じ堆積工程で堆積されてよい。接着層は、Ti、Ni、Cr、または他の適切な接着層材料のうちの1つを含んでよい。接着層は、約50から約2000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さでよいが、他の厚さ値でもよい。導電層は、Cu、Au、Al、またはAgを含んでよいが、他の適切な材料が使用されてもよい。導電層は、約200から約40000オングストローム(1オングストロームは0.1ナノメートル)の間の厚さでよいが、他の厚さ値でもよい。一実施形態によれば、フィールドプレート190を形成するために使用される接着層および導電層は、第4誘電体層180の上に接触して堆積されてよい。一実施形態では、接着層および導電層は、スパッタリング、蒸着、または電気めっきによって形成されてよい。一実施形態では、レジスト層を塗布およびパターニングするとともにフィールドプレート190を堆積させた後、レジスト層と、レジスト層の上に堆積されかつ第4誘電体層180およびフィールドプレート190に接触する金属の部分に含まれない金属とを、
図7Bの工程702に関連して説明したものと類似の溶媒を使用して除去してよい。他の実施形態では、フィールドプレート190は、接着層および導電層を堆積させ、その後、適切なドライまたはウェットケミカルエッチング技法でパターニングすることによって形成されてよい。他の実施形態(図示せず)では、第4誘電体層180、第3誘電体層155、および第2誘電体層は、第1フィールドプレート領域192が第1誘電体層130、第2誘電体層150、および第3誘電体層155のうちの1つまたは複数に接触することができるよう、ゲート電極160に隣接してエッチングされた1つまたは複数の開口部を有してよい。
【0064】
図17Aは、
図1のGaN HFETデバイス100を実現する上記の工程1700の実行を示す。
図17Bは、
図2のGaN HFETデバイス200を実現する工程1702の実行を示す。追加的なプロセス層および特徴(図示せず)が、
図1および
図2のGaN HFETデバイス100、200に追加されてよいことを理解されたい。
【0065】
上記の詳細な説明において1つ以上の例示的な実施形態を提示してきたが、膨大な数の変更例が存在することを理解されたい。本明細書で説明された例示的な実施形態は、特許請求される主題の範囲、適用性、または構成をいかなる形であれ限定することを意図していないことも理解されたい。むしろ、上記の詳細な説明は、当業者に、説明された1つまたは複数の実施形態を実施するための便利なロードマップを提供するであろう。特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく、要素の機能および配置において様々な変更を行うことができるとともに、その範囲は、本特許出願の出願時における既知の均等物および予測可能な均等物を含むことを理解されたい。
【0066】
便宜上、従来の半導体製造技法は、本明細書では詳細に説明されないことがある。加えて、特定の専門用語も単に参照のために本明細書で使用されることがあるので、限定的であることを意図しない。構造を指す用語「第1」、「第2」、および他のそのような数値用語は、文脈によって明確に示されない限り、連続や順序を暗示するものではない。
【0067】
上記の説明は、共に「接続」または「結合」されている要素またはノードまたは特徴に言及している。本明細書において使用されるように、特に明記しない限り、「接続された」とは、ある要素が別の要素に直接的に接合されている(または直接的に連通する)ことを意味し、必ずしも機械的にというわけではない。同様に、特に明記しない限り、「結合された」とは、ある要素が別の要素に直接的または間接的に接合されている(または直接的または間接的に連通する)ことを意味し、必ずしも機械的にというわけではない。したがって、図に示される概略図は、要素の1つの例示的な配置を示すが、追加的な介在要素、デバイス、特徴、または構成要素が、記載された主題の実施形態に存在してもよい。
【外国語明細書】