(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095821
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズ
(51)【国際特許分類】
G02C 7/00 20060101AFI20230629BHJP
G02C 7/04 20060101ALI20230629BHJP
C08F 20/02 20060101ALI20230629BHJP
A61L 27/16 20060101ALI20230629BHJP
A61L 27/50 20060101ALI20230629BHJP
A61L 27/40 20060101ALI20230629BHJP
G02C 7/10 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
G02C7/00
G02C7/04
C08F20/02
A61L27/16
A61L27/50
A61L27/40
G02C7/10
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022204415
(22)【出願日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】110148798
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】517113716
【氏名又は名称】永勝光学股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】陳冠宏
(72)【発明者】
【氏名】曹郁涵
(72)【発明者】
【氏名】李年加
【テーマコード(参考)】
2H006
4C081
4J100
【Fターム(参考)】
2H006BA01
2H006BA06
2H006BC06
2H006BC07
4C081AB22
4C081AB23
4C081BB02
4C081BB03
4C081CA061
4C081CA081
4C081CA101
4C081CC01
4C081CE11
4J100AL09P
4J100AL62Q
4J100CA04
4J100DA62
4J100JA33
(57)【要約】
【課題】本発明は、ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供する。
【解決手段】本発明は、ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供し、それは2より小さいdb*値を有し、上記眼用レンズはブルーライトフィルタリング化合物及び基材を含み、その中で上記db*=(b*)
1-(b*)
0、上記(b*)
1は上記眼用レンズのb*値、かつ上記(b*)
0は対照群のレンズのb*値である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズであって、それは2より小さいか又は等しいdb*値を有し、前記眼用レンズはブルーライトフィルタリング化合物及び基材を含み、その中で前記db*=(b*)1-(b*)0、前記(b*)1は前記眼用レンズのb*値、かつ前記(b*)0は対照群のレンズのb*値である、ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズ。
【請求項2】
ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズであって、それは2より小さいか又は等しいdb*値及び10から60%の間のブルーライトカット率を有し、前記眼用レンズはブルーライトフィルタリング化合物及び基材を含み、その中で前記db*=(b*)1-(b*)0、前記(b*)1は前記眼用レンズのb*値、かつ前記(b*)0は対照群のレンズのb*値である、ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズ。
【請求項3】
0.04から2.00mmの厚みを持つ、請求項1に記載の眼用レンズ。
【請求項4】
前記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率が0.4から10%である、請求項1に記載の眼用レンズ。
【請求項5】
0.04から2.00mmの厚みを持つ、請求項2に記載の眼用レンズ。
【請求項6】
前記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率が0.4から10%である、請求項2に記載の眼用レンズ。
【請求項7】
ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズであって、その中で前記眼用レンズの厚みが0.04~1.5mmの間であり、前記眼用レンズのブルーライトカット率は10から60%の間であり、かつ前記眼用レンズは構造式(A)を有するブルーライトフィルタリング化合物を含み、
【化1】
その中でR1は水素、C1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C6からC15のアラルキル基、-R2-X、-O-R2-X、又は-N-R2-Xであり、その中でR2はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、ヒドロキシ基置換を持つC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、又はエステル基により中断されているC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、Xは-OH、-OC(O)R3、-NH2、-NC(O)R3、-NCO、-COOH、又は-COOR3であり、その中でR3はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又はC3からC10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基である、ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズ。
【請求項8】
前記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率が0.4から10%である、請求項7に記載の眼用レンズ。
【請求項9】
ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズであって、それは以下の手順の方法、すなわち
ブルーライトフィルタリング化合物及び基材を混合することにより混合溶液を得て、その中で前記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率が0.4から10.0%、また前記基材の重量百分率が90.0から99.6%である、
前記混合溶液を成形金型中に注入する、及び
前記成形金型中の前記混合溶液に共重合反応を起こさせることで、前記眼用レンズを得て、その中で前記眼用レンズは2より小さいか又は等しいdb*値を有し、その中で前記db*=(b*)1-(b*)0であり、前記(b*)1は前記眼用レンズのb*値であり、かつ前記(b*)0は対照群のレンズのb*値である、
という方法によって製造される、ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズ。
【請求項10】
ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズであって、それは以下の手順の方法、すなわち
ブルーライトフィルタリング化合物及び基材を混合することにより混合溶液を得て、その中で前記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率が0.4から10.0%、また前記基材の重量百分率が90.0から99.6%である、
前記混合溶液を成形金型中に注入する、及び
前記成形金型中の前記混合溶液に共重合反応を起こさせることで、前記眼用レンズを得る、
その中で前記眼用レンズは10から60%の間のブルーライトカット率を有し、さらにその中で前記ブルーライトフィルタリング化合物は構造式(A)を有するブルーライトフィルタリング化合物であって、
【化2】
その中でR1は水素、C1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C6からC15のアラルキル基、-R2-X、-O-R2-X、又は-N-R2-Xであり、その中でR2はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、ヒドロキシ基置換を持つC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、又はエステル基により中断されているC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、Xは-OH、-OC(O)R3、-NH2、-NC(O)R3、-NCO、-COOH、又は-COOR3であり、その中でR3はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又はC3からC10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基である、
という方法によって製造される、ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズ。
【請求項11】
その中で前記基材は、ソフトコンタクトレンズ基材、ハードコンタクトレンズ基材、埋め込み式眼用レンズ基材又は人工水晶体基材である、請求項1から10のいずれか1項に記載の眼用レンズ。
【請求項12】
その中で前記基材は、親水性物質、重合開始剤、架橋剤又はその組み合わせを含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の眼用レンズ。
【請求項13】
その中で基材の重量百分率が90.0から90.6%である、請求項8から10のいずれか1項に記載の眼用レンズ。
【請求項14】
前記ブルーライトフィルタリング化合物が構造式(A)を有する化合物であって、
【化3】
その中でR1は水素、C1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C6からC15のアラルキル基、-R2-X、-O-R2-X、又は-N-R2-Xであり、その中でR2はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、ヒドロキシ基置換を持つC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、又はエステル基により中断されているC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、Xは-OH、-OC(O)R3、-NH2、-NC(O)R3、-NCO、-COOH、又は-COOR3であり、その中でR3はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又はC3からC10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基である、請求項1から5及び9のいずれか1項に記載の眼用レンズ。
【請求項15】
前記親水性物質には、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル(HEMA)、メタクリル酸(MAA)、アクリル酸(AA)、N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMAA)、メタクリル酸グリシジル(GMA)、メタクリル酸2-(ジエチルアミノ)エチル(DEAEMA)のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含む、請求項12に記載の眼用レンズ。
【請求項16】
前記重合開始剤には熱重合開始剤又は光重合開始剤を含む、請求項12に記載の眼用レンズ。
【請求項17】
前記熱重合開始剤には、2,2’-アゾジイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、過酸化ベンゾイル(BPO)のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含む、請求項16に記載の眼用レンズ。
【請求項18】
前記光重合開始剤には、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノンのうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含む、請求項16に記載の眼用レンズ。
【請求項19】
前記架橋剤は、エチレングリコールジメタクリラート(EGDMA)、トリエチレングリコールジメタクリラート(TrEGDMA)、テトラエチレングリコールジメタクリラート(TEGDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリラート(PEGDMA)、プロピレン末端エチレンオキシド-ジメチルシロキサン-エチレンオキシドABAブロック共重合体、トリメチロールプロパントリメタクリラート(TMPTMA)のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含む、請求項12に記載の眼用レンズ。
【請求項20】
前記基材は非親水性物質を含み、前記非親水性物質にはメチルジ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセリルメタクリレート(SIGMA)、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(TRIS)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含む、請求項12に記載の眼用レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブルーライトをフィルタリングする眼用レンズ、特に黄色に偏らない、又は無色透明の、ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の急速な発展に伴い、電子製品と人との関係もますます密接になってきており、日常生活において既に極めて重要な位置を占めている。しかし、大部分の電子製品のディスプレイ部品、例えば液晶ディスプレイのスクリーン、携帯電話・スマートフォンのディスプレイ等は、可視光の波長域においてより豊かな演色性を持つことが必要で、これは製品が消費者により受け入れられやすくするためであるが、これにより上記製品のほとんどは大量のブルーライトを発する。
【0003】
青色光又はブルーライトは、一般的に波長380nmから460nmの間の光を指し、可視光の中で比較的高いエネルギーを有する。電子製品を使用する時、ブルーライトは人の眼を透過して網膜に直接到達でき、またブルーライトの網膜への長時間照射は、色素上皮細胞の細胞死をもたらし、ひいては視力の損傷を引き起こす。このため、ユーザーがこれらの電子製品を使用し、眼部にブルーライトの照射を長時間受けると、眼部に不可逆的な損傷をもたらす。
【0004】
青色光の照射による人の眼に対する損傷を低減又は回避するため、市場では、例えば、ブルーライト保護メガネ、ブルーライトフィルター保護フィルム等、ブルーライトをフィルタリングする多くのレンズ又は製品が発売されている。従来のブルーライトをフィルタリングするレンズの大部分は、レンズの基材中にブルーライトフィルタリングの特性を持つ物質を添加して製造することにより、青色光が使用者の眼部まで直接照射するのを阻止している。しかし、よく見られるブルーライトフィルタリング物質は、これにより可視光中の青色光をフィルタリングして取り除くのと同時に、レンズが黄色に偏った外観を呈することとなり、製品の画質が良くないことから、消費者の購買意欲を低下させてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、黄色に偏らない、又は無色透明の、ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供し、それは2より小さいdb*値を有し、上記眼用レンズはブルーライトフィルタリング化合物及び基材を含み、その中で上記db*=(b*)1-(b*)0、上記(b*)1は上記眼用レンズのb*値、かつ上記(b*)0は対照群のレンズのb*値である。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供し、それは2より小さいdb*値及び10から60%の間のブルーライトカット率を有し、上記眼用レンズはブルーライトフィルタリング化合物及び基材を含み、その中で上記db*=(b*)1-(b*)0、上記(b*)1は上記眼用レンズのb*値、かつ上記(b*)0は対照群のレンズのb*値である。
【0008】
上記b*値はレンズのCIELAB色空間における青-黄座標軸の値である。
【0009】
本発明の一部の具体的な実施例において、上記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率は0.4から10%、1から10%、又は5から10%である。
【0010】
本発明に基づいて、例えば上記の眼用レンズは、0.04から2.00mmの厚み、又は0.04から1.80mmの厚み、又は0.04から1.50mmの厚みを持つことができる。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明はブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供し、その中で上記眼用レンズの厚みは0.04~1.5mmの間であり、上記眼用レンズのブルーライトカット率は10から60%の間であり、かつ上記眼用レンズは基材及び構造式(A)を持つブルーライトフィルタリング化合物を含む。
【0012】
【化1】
その中でR1は水素、C1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C6からC15のアラルキル基、-R2-X、-O-R2-X、又は-N-R2-Xであり、その中でR2はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、ヒドロキシ基置換を持つC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、又はエステル基により中断されているC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、Xは-OH、-OC(O)R3、-NH2、-NC(O)R3、-NCO、-COOH、又は-COOR3であり、その中でR3はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又はC3からC10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基である。
【0013】
本発明の一部の具体的な実施例において、上記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率は0.4から10%である。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明はブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供し、それは以下の手順を含む方法によって製造される。ブルーライトフィルタリング化合物及び基材を混合することで混合溶液を得て、その中で上記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率は0.4から10.0%であり、上記基材の重量百分率は90.0から99.6%である。上記混合溶液を成形金型中に注入する。さらに、上記成形金型中の上記混合溶液に共重合反応を起こさせることで、上記眼用レンズを得て、その中で上記眼用レンズは2より小さいか又は等しいdb*値を有し、その中で上記db*=(b*)1-(b*)0であり、上記(b*)1は上記眼用レンズのb*値であり、かつ上記(b*)0は対照群のレンズのb*値である。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明はブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供し、それは以下の手順を含む方法によって製造される。ブルーライトフィルタリング化合物及び基材を混合することで混合溶液を得て、その中で上記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率は0.4から10.0%であり、上記基材の重量百分率は90.0から99.6%である。上記混合溶液を成形金型中に注入する。さらに、上記成形金型中の上記混合溶液に共重合反応を起こさせることで、上記眼用レンズを得て、その中で上記眼用レンズは10から60%の間のブルーライトカット率を有し、かつその中で上記ブルーライトフィルタリング化合物は構造式(A)を有する化合物である。
【0016】
【化2】
その中でR1は水素、C1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C6からC15のアラルキル基、-R2-X、-O-R2-X、又は-N-R2-Xであり、その中でR2はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、ヒドロキシ基置換を持つC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、又はエステル基により中断されているC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、Xは-OH、-OC(O)R3、-NH2、-NC(O)R3、-NCO、-COOH、又は-COOR3であり、その中でR3はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又はC3からC10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基である。
【0017】
本発明のブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを製造する時、重量百分率90.0から90.6%の基材を採用可能である。
【0018】
本発明に基づいて、上記基材は親水性物質、重合開始剤、架橋剤又はその組み合わせを含むことができる。
【0019】
上記親水性物質には、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル(2-Hydroxyethyl methacrylate,HEMA)、メタクリル酸(2-methylpropenoic acid,MAA)、アクリル酸(acrylic acid, AA)、N-ビニル-2-ピロリドン(N-Vinyl-2-pyrrolidone, NVP)、N,N-ジメチルアクリルアミド(N,N-dimethylacrylamide,DMAA)、メタクリル酸グリシジル(Glycidyl methacrylate,GMA)、メタクリル酸2-(ジエチルアミノ)エチル(2-(Dimethylamino)ethyl methacrylate,DEAEMA)のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0020】
上記重合開始剤には、熱重合開始剤又は光重合開始剤を含むが、これらに限定されない。
【0021】
上記熱重合開始剤には、2,2’-アゾジイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、過酸化ベンゾイル(BPO)のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0022】
上記光重合開始剤には、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノンのうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0023】
上記架橋剤には、エチレングリコールジメタクリラート(EGDMA)、トリエチレングリコールジメタクリラート(TrEGDMA)、テトラエチレングリコールジメタクリラート(TEGDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリラート(PEGDMA)、プロピレン末端エチレンオキシド-ジメチルシロキサン-エチレンオキシドABAブロック共重合体、トリメチロールプロパントリメタクリラート(Trimethylolpropane trimethacrylate,TMPTMA)のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0024】
このほか、上記基材は、非親水性物質を含んでいてもよい。上記非親水性物質には、メチルジ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセリルメタクリレート(Methyl di(trimethylsiloxy) silylpropylglyceryl methacrylate,SIGMA)、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(3-(Methacryloyloxy)-propyltris(trimethylsiloxy)-silane,TRIS)、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane,PDMS)のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0025】
本発明に基づいて、上記ブルーライトフィルタリング化合物は構造式(A)を有する化合物であってよい。
【0026】
【化3】
その中でR1は水素、C1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C6からC15のアラルキル基、-R2-X、-O-R2-X、又は-N-R2-Xであり、その中でR2はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、ヒドロキシ基置換を持つC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、又はエステル基により中断されているC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、Xは-OH、-OC(O)R3、-NH2、-NC(O)R3、-NCO、-COOH、又は-COOR3であり、その中でR3はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又はC3からC10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基である。
【0027】
本発明の眼用レンズは、好ましくはコンタクトレンズ、例えばソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、埋め込み式眼用レンズ又は人工水晶体である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】レンズ12~16の各波長における透過率(T%)を示している。
【発明を実施するための形態】
【0029】
別途明示している場合を除いて、本文において使用するすべての技術的及び科学的専門用語は、当業者が一般的に了解しているのと同じ意味を有する。
【0030】
本文で使用する「一」という単語は、特別に明示していない場合は、少なくとも1つ(1つ又は1つ以上)の数量を指す。
【0031】
一方では、本発明は、ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供し、それは2より小さいdb*値を有し、上記眼用レンズはブルーライトフィルタリング化合物及び基材を含み、その中で上記db*=(b*)1-(b*)0、上記(b*)1は上記眼用レンズのb*値、かつ上記(b*)0は対照群のレンズのb*値である。
【0032】
また一方では、本発明は、ブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供し、それは2より小さいdb*値及び10から60%の間のブルーライトカット率を有し、上記眼用レンズはブルーライトフィルタリング化合物及び基材を含み、その中で上記db*=(b*)1-(b*)0であり、上記(b*)1は上記眼用レンズのb*値であり、かつ上記(b*)0は対照群のレンズのb*値である。
【0033】
例えば、上記対照群のレンズは、ブルーライトフィルタリング化合物を添加していないレンズである。
【0034】
上記b*値はレンズのCIELAB色空間における青-黄座標軸の値である。CIELAB色空間に関する定義については、例えば、US 5,751,845又はUS 2019/0151161を参照することができる。
【0035】
本発明の一部の具体的な実施例において、上記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率は0.4から10%である。
【0036】
本発明に基づいて、上記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率は、0.4から10%、1から10%、1.5から10%、2から10%、2.5から10%、3から10%、3.5から10%、4から10%、4.5から10%、又は5から10%とすることができる。
【0037】
本発明に基づいて、上記眼用レンズは、0.04から2mmの厚み、0.04から1.95mmの厚み、0.04から1.90mmの厚み、0.04から1.85mmの厚み、0.04から1.80mmの厚み、0.04から1.75mmの厚み、0.04から1.70mmの厚み、0.04から1.65mmの厚み、0.04から1.60mmの厚み、0.04から1.55mmの厚み、又は0.04から1.50mmの厚みを持つことができる。
【0038】
上記眼用レンズは、10から60%のブルーライトカット率、20から60%のブルーライトカット率、30から60%のブルーライトカット率、40から60%のブルーライトカット率、又は50から60%のブルーライトカット率を有することが可能である。
【0039】
また一方では、本発明はブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供し、その中で上記眼用レンズの厚みは0.04~1.5mmの間であり、上記眼用レンズのブルーライトカット率は10から60%の間であり、かつ上記眼用レンズは基材及び構造式(A)を持つブルーライトフィルタリング化合物を含む。
【0040】
【化4】
その中でR1は水素、C1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C6からC15のアラルキル基、-R2-X、-O-R2-X、又は-N-R2-Xであり、その中でR2はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、ヒドロキシ基置換を持つC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、又はエステル基により中断されているC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、Xは-OH、-OC(O)R3、-NH2、-NC(O)R3、-NCO、-COOH、又は-COOR3であり、その中でR3はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又はC3からC10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基である。
【0041】
本発明の一部の具体的な実施例において、上記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率は0.4から10%である。
【0042】
また一方では、本発明はブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供し、それは以下の手順を含む方法によって製造される。ブルーライトフィルタリング化合物及び基材を混合することで混合溶液を得て、その中で上記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率は0.4から10.0%であり、上記基材の重量百分率は90.0から99.6%である。上記混合溶液を成形金型中に注入する。さらに、上記成形金型中の上記混合溶液に共重合反応を起こさせることで、上記眼用レンズを得て、その中で上記眼用レンズは2より小さいか又は等しいdb*値を有し、その中で上記db*= (b*)1-(b*)0であり、上記(b*)1は上記眼用レンズのb*値であり、かつ上記(b*)0は対照群のレンズのb*値である。
【0043】
例えば、上記対照群のレンズは、ブルーライトフィルタリング化合物を添加していないレンズである。上記b*値はレンズのCIELAB色空間における青-黄座標軸の値である。
【0044】
また一方では、本発明はブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを提供し、それは以下の手順を含む方法によって製造される。ブルーライトフィルタリング化合物及び基材を混合することで混合溶液を得て、その中で上記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率は0.4から10.0%であり、上記基材の重量百分率は90.0から99.6%である。上記混合溶液を成形金型中に注入する。さらに、上記成形金型中の上記混合溶液に共重合反応を起こさせることで、上記眼用レンズを得て、その中で上記眼用レンズは10から60%の間のブルーライトカット率を有し、かつその中で上記ブルーライトフィルタリング化合物は構造式(A)を有する化合物である。
【0045】
【化5】
その中でR1は水素、C1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C6からC15のアラルキル基、-R2-X、-O-R2-X、又は-N-R2-Xであり、その中でR2はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、ヒドロキシ基置換を持つC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、又はエステル基により中断されているC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、Xは-OH、-OC(O)R3、-NH2、-NC(O)R3、-NCO、-COOH、又は-COOR3であり、その中でR3はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又はC3からC10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基である。
【0046】
本発明のブルーライトをフィルタリングする眼用レンズを製造する時、重量百分率90.0から90.6%の基材を採用可能である。
【0047】
本発明に基づいて、上記基材は親水性物質、非親水性物質、重合開始剤、架橋剤又はその組み合わせを含むことができる。
【0048】
上記親水性物質には、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル(2-Hydroxyethyl methacrylate,HEMA)、メタクリル酸(2-methylpropenoic acid,MAA)、アクリル酸(acrylic acid, AA)、N-ビニル-2-ピロリドン(N-Vinyl-2-pyrrolidone, NVP)、N,N-ジメチルアクリルアミド(N,N-dimethylacrylamide,DMAA)、メタクリル酸グリシジル(Glycidyl methacrylate,GMA)、メタクリル酸2-(ジエチルアミノ)エチル(2-(Dimethylamino)ethyl methacrylate,DEAEMA)、その他の等価な化合物のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0049】
上記重合開始剤には、熱重合開始剤又は光重合開始剤を含むが、これらに限定されない。理解しなければならないのは、上記熱重合開始剤は加熱状況下において上記基材と上記ブルーライトフィルタリング化合物との化学反応(重合反応)の発生を引き起こすことができ、また上記光重合開始剤は光照射状況下において上記基材と上記ブルーライトフィルタリング化合物との化学反応(重合反応)の発生を引き起こすことができるということである。
【0050】
上記熱重合開始剤には、2,2’-アゾジイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、過酸化ベンゾイル(BPO)のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0051】
上記光重合開始剤には、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノンのうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0052】
好ましくは、上記基材は、さらに架橋剤を含むことができる。上記架橋剤には、エチレングリコールジメタクリラート(EGDMA)、トリエチレングリコールジメタクリラート(TrEGDMA)、テトラエチレングリコールジメタクリラート(TEGDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリラート(PEGDMA)、プロピレン末端エチレンオキシド-ジメチルシロキサン-エチレンオキシドABAブロック共重合体、トリメチロールプロパントリメタクリラート(Trimethylolpropane trimethacrylate,TMPTMA)、その他の等価な化合物のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0053】
このほか、上記基材は、さらに非親水性物質を含むことができる。上記非親水性物質には、メチルジ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセリルメタクリレート(Methyl di(trimethylsiloxy) silylpropylglyceryl methacrylate,SIGMA)、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(3-(Methacryloyloxy)-propyltris(trimethylsiloxy)-silane,TRIS)、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane,PDMS)、その他の等価な化合物のうちの1つ又は1種以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0054】
例えば、上記基材は、親水性物質を含む、非親水性物質を含む、又は同時に親水性物質及び非親水性物質を含む等の3種の形式を有することができる。
【0055】
本発明に基づいて、上記ブルーライトフィルタリング化合物は構造式(A)を有する化合物であってよい。
【0056】
【化6】
その中でR1は水素、C1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C6からC15のアラルキル基、-R2-X、-O-R2-X、又は-N-R2-Xであり、その中でR2はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、ヒドロキシ基置換を持つC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、又はエステル基により中断されているC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、Xは-OH、-OC(O)R3、-NH2、-NC(O)R3、-NCO、-COOH、又は-COOR3であり、その中でR3はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又はC3からC10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基である。
【0057】
本発明の一部分の具体的な実施例に基づいて、2より小さいdb*値を有する眼用レンズは以下の手順を含む方法によって製造される。ブルーライトフィルタリング化合物及び基材を混合することで混合溶液を得て、その中で上記ブルーライトフィルタリング化合物の重量百分率は1から10%であり、上記基材の重量百分率は90から99%である。上記混合溶液を成形金型中に注入する。さらに、上記成形金型中の上記混合溶液に共重合反応を起こさせることで、上記眼用レンズを得る。
【0058】
製造した眼用レンズは、0.04から2mmの厚み、0.04から1.95mmの厚み、0.04から1.90mmの厚み、0.04から1.85mmの厚み、0.04から1.80mmの厚み、0.04から1.75mmの厚み、0.04から1.70mmの厚み、0.04から1.65mmの厚み、0.04から1.60mmの厚み、0.04から1.55mmの厚み、又は0.04から1.50mmの厚みを持つことが可能である。
【0059】
そのほか、製造した眼用レンズは、10から60%のブルーライトカット率、20から60%のブルーライトカット率、30から60%のブルーライトカット率、40から60%のブルーライトカット率、又は50から60%のブルーライトカット率を有することが可能である。
【0060】
本発明に基づいて、眼用レンズの製造に用いるブルーライトフィルタリング化合物は構造式(A)を有する化合物であってよい。
【0061】
【化7】
その中でR1は水素、C1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C6からC15のアラルキル基、-R2-X、-O-R2-X、又は-N-R2-Xであり、その中でR2はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、ヒドロキシ基置換を持つC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、又はエステル基により中断されているC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、Xは-OH、-OC(O)R3、-NH2、-NC(O)R3、-NCO、-COOH、又は-COOR3であり、その中でR3はC1からC10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、又はC3からC10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基である。
【0062】
本発明中で使用するブルーライトフィルタリング化合物は構造式(A1)を有することができる。
【0063】
【0064】
本発明中で使用するブルーライトフィルタリング化合物は構造式(A2)を有することができる。
【0065】
【0066】
本発明の眼用レンズは、好ましくはコンタクトレンズ、例えばソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、埋め込み式眼用レンズ又は人工水晶体である。
【0067】
以下の実施例は本発明の実施方法のさらなる説明に用いるものであり、当該実施例は例示的で非制限的なものである。
【実施例0068】
異なる原料及び原料配合率による眼用レンズの製造
【0069】
下の表1に示した原料及びその重量配合率に基づいて、レンズ1~11を製造する。
【0070】
表1.原料重量配合率表
【0071】
【0072】
その中で、HEMAはメタクリル酸-2-ヒドロキシエチル(2-Hydroxyethyl methacrylate)、EGDMAはエチレングリコールジメタクリラート、AIBNは2,2’-アゾジイソブチロニトリルである。
【0073】
レンズ2を例にとると、重量百分率が0.40%で構造式(A)を有する化合物、重量百分率が99.20%のHEMA、重量百分率が0.20%のEGDMA及び重量百分率が0.20%のAIBNを準備し、準備した各種原料を濾過、混合して均一にし、成形金型中に入れる。それから、加熱又は光照射を行うことで、成形金型中の原料に共重合反応を起こさせる。反応完了後、上記成形金型中からレンズを剥がし出して、後続の分析に用いる。
紫外可視分光光度計(例えば、型番がAgilent Cary 60の分光光度計)を使用して、実施例1中で製造したレンズ1~11の波長範囲380~460nmにおけるブルーライト平均カット率(%)をそれぞれ測定し、さらにそれぞれのブルーライトカット率(%)を算出するとともに、上記ブルーライトカット率をレンズのブルーライトフィルタリング能力を評価するパラメータとする。
表2に示すように、レンズ1はいかなるブルーライトフィルタリング材料も添加しない状況下において、本体は依然としてわずかなブルーライトカット率(約0.4%)を有する。
比較対象化合物の黄色染料をブルーライトフィルタリング材料として添加した状況において、少量(約0.1%)の添加でレンズが黄色い外観を呈してしまい、本発明の目的を満たすことができないため、レンズ7~11では黄色染料の比率を低減し(表1を参照)、依然として必要なブルーライトフィルタリング効果を有するか否かを測定した。その結果、0.01から0.1%の黄色染料を使用した時には6から22%のブルーライトカット率を達成可能であることを示している。
黄色染料を使用したレンズの中で、レンズ7及び8のブルーライトカット率は10%より低く、レンズ9~11のブルーライトカット率は10%より高い。また構造式(A)を有する化合物を使用したレンズ2~6のブルーライトカット率は約10から約60%である。