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特開2023-9586制御装置、空調システム、空調制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023009586
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】制御装置、空調システム、空調制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/32 20180101AFI20230113BHJP
   F24F 11/52 20180101ALI20230113BHJP
【FI】
F24F11/32
F24F11/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021112994
(22)【出願日】2021-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】花井 諭司
(72)【発明者】
【氏名】樋熊 利康
(72)【発明者】
【氏名】田崎 宣明
(72)【発明者】
【氏名】南条 和彦
(72)【発明者】
【氏名】小松 一宏
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AA11
3L260BA51
3L260CA12
3L260CA16
3L260CB62
3L260CB63
3L260CB65
3L260GA17
(57)【要約】
【課題】空調に関する異常を精度よく検出し、ユーザに報知する。
【解決手段】制御装置2は、空調機3から運転状態データを取得する運転状態データ取得部200と、空調対象エリアにおける計測対象の温度を計測する複数のセンサ端末4及び空調機3が設置されるエリアにおける計測対象の温度を計測するセンサ端末4の各々から、計測値が格納された計測データを取得する計測データ取得部201と、取得された運転状態データと、取得された各計測データとに基づいて空調機3を制御するための制御指令を生成する制御指令生成部202と、生成された制御指令を空調機3に送信する制御指令送信部203と、取得された運転状態データと、取得された各計測データとに基づいて、空調対象エリアの空調に関する異常を検出する異常検出部204と、異常が検出されると異常検出通知をクラウドサーバ5に送信する異常検出通知部205とを備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電算機が設置される空調対象エリアを空調する空調機から当該空調機の運転状態を示す運転状態データを取得する運転状態データ取得手段と、
前記空調対象エリアにおける計測対象の温度を計測する複数の第1センサ端末の各々から、計測値が格納された第1計測データを取得するとともに、前記空調機が設置されるエリアにおける計測対象の温度を計測する第2センサ端末から、計測値が格納された第2計測データを取得する計測データ取得手段と、
前記取得された運転状態データと、前記取得された各第1計測データと、前記取得された第2計測データとに基づいて前記空調機を制御する制御手段と、
前記取得された運転状態データと、前記取得された各第1計測データと、前記取得された第2計測データとに基づいて、前記空調対象エリアの空調に関する異常を検出する異常検出手段と、
前記異常検出手段によって前記異常が検出された場合、当該異常をユーザに報知する報知手段と、を備える、制御装置。
【請求項2】
前記運転状態には、運転モードと、設定温度と、風量と、前記空調機に内蔵される内蔵温度センサによって計測された、前記空調機から吹き出される吹出空気の温度とが含まれる、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
制御装置と、電算機が設置される空調対象エリアを空調する空調機と、前記空調対象エリアにおける計測対象の温度を計測する複数の第1センサ端末と、前記空調機が設置されるエリアにおける計測対象の温度を計測する第2センサ端末と、を備え、
前記制御装置は、
前記空調機から当該空調機の運転状態を示す運転状態データを取得する運転状態データ取得手段と、
前記複数の第1センサ端末の各々から、計測値が格納された第1計測データを取得するとともに、前記第2センサ端末から、計測値が格納された第2計測データを取得する計測データ取得手段と、
前記取得された運転状態データと、前記取得された各第1計測データと、前記取得された第2計測データとに基づいて前記空調機を制御する制御手段と、
前記取得された運転状態データと、前記取得された各第1計測データと、前記取得された第2計測データとに基づいて、前記空調対象エリアの空調に関する異常を検出する異常検出手段と、
前記異常検出手段によって前記異常が検出された場合、当該異常をユーザに報知する報知手段と、を備える、空調システム。
【請求項4】
制御装置と、電算機が設置される空調対象エリアを空調する空調機と、前記空調対象エリアにおける計測対象の温度を計測するセンサ端末と、前記空調機が設置されるエリアと前記空調対象エリアとの間を規則的に走行するロボットと、を備え、
前記ロボットは、計測対象の温度を計測するセンサを備え、
前記制御装置は、
前記空調機から当該空調機の運転状態を示す運転状態データを取得する運転状態データ取得手段と、
前記センサ端末から、計測値が格納された第1計測データを取得するとともに、前記ロボットから、計測値が格納された第2計測データを取得する計測データ取得手段と、
前記取得された運転状態データと、前記取得された第1計測データと、前記取得された第2計測データとに基づいて前記空調機を制御する制御手段と、
前記取得された運転状態データと、前記取得された第1計測データと、前記取得された第2計測データとに基づいて、前記空調対象エリアの空調において発生した異常を検出する異常検出手段と、
前記異常検出手段によって前記異常が検出された場合、当該異常をユーザに報知する報知手段と、を備える、空調システム。
【請求項5】
電算機が設置される空調対象エリアを空調する空調機から当該空調機の運転状態を示す運転状態データを取得し、
前記空調対象エリアにおける計測対象の温度を計測する複数の第1センサ端末の各々から、計測値が格納された第1計測データを取得するとともに、前記空調機が設置されるエリアにおける計測対象の温度を計測する第2センサ端末から、計測値が格納された第2計測データを取得し、
前記取得した運転状態データと、前記取得した各第1計測データと、前記取得した第2計測データとに基づいて前記空調機を制御し、
前記取得した運転状態データと、前記取得した各第1計測データと、前記取得した第2計測データとに基づいて、前記空調対象エリアの空調に関する異常を検出し、
前記異常を検出した場合、当該異常をユーザに報知する、空調制御方法。
【請求項6】
コンピュータを、
電算機が設置される空調対象エリアを空調する空調機から当該空調機の運転状態を示す運転状態データを取得する運転状態データ取得手段、
前記空調対象エリアにおける計測対象の温度を計測する複数の第1センサ端末の各々から、計測値が格納された第1計測データを取得するとともに、前記空調機が設置されるエリアにおける計測対象の温度を計測する第2センサ端末から、計測値が格納された第2計測データを取得する計測データ取得手段、
前記取得された運転状態データと、前記取得された各第1計測データと、前記取得された第2計測データとに基づいて前記空調機を制御する制御手段、
前記取得された運転状態データと、前記取得された各第1計測データと、前記取得された第2計測データとに基づいて、前記空調対象エリアの空調に関する異常を検出する異常検出手段、
前記異常検出手段によって前記異常が検出された場合、当該異常をユーザに報知する報知手段、として機能させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、空調システム、空調制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電算機が設置された電算機室の空調に特化した空調システムが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、上面に形成された吸込口から空気を吸い込み、底面に形成された吹出口から空調された空気を吹き出す空調機を備え、空調機から吹き出された空気が床下に形成されたチャンバを通り、電算機を収納するラックが設置された室内空間へ吹き出されるようにした空調用吹出装置システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-185271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような電算機室は、居室でないことから快適性の確保は必要とされないものの、温度を起因とした電算機の故障又は動作異常を確実に防止するための温度管理が必要とされる。
【0006】
このため、空調に関する異常を精度よく検出し、ユーザに報知できるようにすることが望まれる。しかしながら、かかる技術に関し、未だ有意な提案がなされていないのが実情である。
【0007】
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、電算機が設置される空調対象エリアの空調に関する異常を精度よく検出し、ユーザに報知することが可能な制御装置、空調システム、空調制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本開示に係る制御装置は、
電算機が設置される空調対象エリアを空調する空調機から当該空調機の運転状態を示す運転状態データを取得する運転状態データ取得手段と、
前記空調対象エリアにおける計測対象の温度を計測する複数の第1センサ端末の各々から、計測値が格納された第1計測データを取得するとともに、前記空調機が設置されるエリアにおける計測対象の温度を計測する第2センサ端末から、計測値が格納された第2計測データを取得する計測データ取得手段と、
前記取得された運転状態データと、前記取得された各第1計測データと、前記取得された第2計測データとに基づいて前記空調機を制御する制御手段と、
前記取得された運転状態データと、前記取得された各第1計測データと、前記取得された第2計測データとに基づいて、前記空調対象エリアの空調に関する異常を検出する異常検出手段と、
前記異常検出手段によって前記異常が検出された場合、当該異常をユーザに報知する報知手段と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、電算機が設置される空調対象エリアの空調に関する異常を精度よく検出し、ユーザに報知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態における空調システムの全体構成を示す図
図2】実施の形態における制御装置のハードウェア構成を示すブロック図
図3】実施の形態における空調機のハードウェア構成を示すブロック図
図4】実施の形態におけるセンサ端末のハードウェア構成を示すブロック図
図5】実施の形態におけるクラウドサーバのハードウェア構成を示すブロック図
図6】実施の形態におけるユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図
図7】実施の形態における空調システムのデータ授受の関係を示す図
図8】実施の形態における空調機及びセンサ端末の機能構成を示すブロック図
図9】実施の形態における制御装置の機能構成を示すブロック図
図10】実施の形態において検出される異常について説明するための図
図11】実施の形態におけるクラウドサーバ及びユーザ端末の機能構成を示すブロック図
図12】実施の形態における空調制御処理の手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本開示の実施の形態における空調システム1の全体構成を示す図である。空調システム1は、本開示に係る空調システムの一例である。空調システム1は、電算機室Rの空気調和を行うシステムであり、制御装置2と、空調機3と、センサ端末4a~4cと、クラウドサーバ5と、ユーザ端末6とを備える。
【0013】
<電算機室R>
電算機室Rには、制御装置2と、空調機3と、センサ端末4a~4cと、複数の電算機7が収納されたラック8とが設置される。電算機室Rにおいて、空調機3から吹き出された空気は、床下を通り、ラック8が設置されるエリア(以下、空調対象エリアという。)へ供給される。即ち、電算機室Rは、いわゆるアンダフロア空調方式が採用された構造となっている。
【0014】
<制御装置2>
制御装置2は、本開示に係る制御装置の一例である。制御装置2は、電算機室Rの適切な場所に設置され、空調対象エリアにおける計測対象の温度が適切な値となるように空調機3を制御する。計測対象には、空気、電算機7、ラック8等の物体、天上面、床面、壁面等が含まれる。また、制御装置2は、空調対象エリアの空調に関する種々の異常を検出する。
【0015】
図2に示すように、制御装置2は、ハードウェア構成として、第1通信回路20と、第2通信回路21と、CPU(Central Processing Unit)22と、ROM(Read Only Memory)23と、RAM(Random Access Memory)24と、補助記憶装置25とを備える。これらの構成部は、バス26を介して相互に接続される。
【0016】
第1通信回路20は、LAN(Local Area Network)等のネットワークN1を介して他の装置、例えば、空調機3、センサ端末4a~4c等と通信するための回路であり、例えば、有線又は無線LANインタフェース回路である。第2通信回路21は、MAN(Metropolitan Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等のネットワークN2を介して他の装置、例えば、クラウドサーバ5と通信するための回路であり、例えば、有線又は無線LANインタフェース回路である。
【0017】
CPU22は、制御装置2を統括的に制御する。CPU22によって実現される制御装置2の機能の詳細については後述する。ROM23は、ファームウェア及びファームウェアの実行時に使用されるデータを記憶する。RAM24は、CPU22の作業領域として使用される。
【0018】
補助記憶装置25は、読み書き可能な不揮発性の半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成される。読み書き可能な不揮発性の半導体メモリは、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ等である。補助記憶装置25には、空調機3を制御し、また、空調対象エリアの空調に関する異常を検出するためのプログラム(以下、制御プログラムという。)を含む各種のプログラムと、これらのプログラムの実行時に使用されるデータとが記憶される。
【0019】
上記の制御プログラム及び制御プログラムを更新するための更新プログラムは、クラウドサーバ5又は他のサーバから制御装置2にダウンロードすることができる。また、これらのプログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、光磁気ディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ、HDD、SSD(Solid State Drive)、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布することも可能である。制御装置2は、そのような記録媒体が自身に直接又は間接的に装着されると、当該記録媒体から制御プログラム又は更新プログラムを読み出して取り込むことも可能である。
【0020】
<空調機3>
空調機3は、本開示に係る空調機の一例である。空調機3は、上面に設けられた吸込口から空気を吸い込み、温度調整した空気を底面に設けられた吹出口から吹き出す。空調機3は、屋外に設置された図示しない室外機と通信線を介して通信可能に接続される。また空調機3と当該室外機は冷媒配管に接続され、双方の間を冷媒が循環する。
【0021】
図3に示すように、空調機3は、ハードウェア構成として、第1通信回路30と、第2通信回路31と、メインユニット32と、補助記憶装置33と、制御回路34とを備える。
【0022】
第1通信回路30は、室外機と図示しない通信線を介して通信するための回路である。第2通信回路31は、ネットワークN1を介して他の装置と通信するための回路であり、例えば、無線LANインタフェース回路である。
【0023】
メインユニット32は、一般的な室内機の本来的な機能を実現するための構成部であり、例えば、ファン、熱交換器、吸込温度センサ、吹出温度センサ等を備える。
【0024】
補助記憶装置33は、例えば、EEPROM、フラッシュメモリ等の読み書き可能な不揮発性の半導体メモリ等で構成される。補助記憶装置33には、空調に係る機能を実現するためのプログラム(以下、空調プログラムという。)と、空調プログラムの実行時に使用されるデータとが記憶される。
【0025】
上記の空調プログラム及び空調プログラムを更新するための更新プログラムは、クラウドサーバ5又は他のサーバから空調機3にダウンロードすることができる。また、これらのプログラムは、CD-ROM、DVD、光磁気ディスク、USBメモリ、HDD、SSD、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布することも可能である。空調機3は、そのような記録媒体が自身に直接又は間接的に装着されると、当該記録媒体から空調プログラム又は更新プログラムを読み出して取り込むことも可能である。
【0026】
制御回路34は、何れも図示しないが、CPUと、ROMと、RAMとを備え、空調機3を統括的に制御する。制御回路34のCPUによって実現される空調機3の機能の詳細については後述する。
【0027】
<センサ端末4a~4c>
センサ端末4a~4cは、本開示に係るセンサ端末の一例である。センサ端末4a~4cは、電算機室Rの適所に配置され、予め定めた計測対象の温度を計測する機器である。本実施の形態では、センサ端末4aは、空調機3の吹出口に近接した箇所に配置され、センサ端末4b,4cは、空調対象エリアに配置される。センサ端末4b,4cは、本開示に係る第1センサ端末の一例である。また、センサ端末4aは、本開示に係る第2センサ端末の一例である。以下、センサ端末4a~4cにおいて共通する説明については、特に個々を指定せずにセンサ端末4と表記する。
【0028】
図4に示すように、センサ端末4は、通信回路40と、センサ回路41と、補助記憶装置42と、制御回路43と、電池44とを備える。
【0029】
通信回路40は、ネットワークN1を介して他の装置と通信するための回路であり、例えば、無線LANインタフェース回路である。
【0030】
センサ回路41は、配置されたエリアにおける計測対象の温度を計測するための回路である。例えば、センサ回路41は、サーミスタ、サーモカメラを含む赤外線放射型温度計、バイメタル、熱電対、測温抵抗体(RTD(Resistance Temperature Detector)ともいう。)等で構成される。計測対象には、空気、電算機7、ラック8等の物体、天上面、床面、壁面等が含まれる。
【0031】
補助記憶装置42は、例えば、EEPROM、フラッシュメモリ等の読み書き可能な不揮発性の半導体メモリ等で構成される。補助記憶装置42には、計測対象の温度を計測して制御装置2に通知するためのプログラム(以下、温度計測プログラムという。)と、温度計測プログラムの実行時に使用されるデータとが記憶される。
【0032】
制御回路43は、何れも図示しないが、CPUと、ROMと、RAMとを備え、センサ端末4を統括的に制御する。制御回路43のCPUによって実現されるセンサ端末4の機能の詳細については後述する。電池44は、センサ端末4の各構成部に電力を供給する一次電池又は二次電池である。
【0033】
上記構成のセンサ端末4は、一定時間毎(例えば5分毎)に計測対象の温度を計測し、自身の識別情報であるID(identification/identifier)と、計測した計測対象の温度の値(即ち、計測値)とが格納された計測データをネットワークN1を介して制御装置2に送信する。センサ端末4b,4cが送信する計測データは、本開示に係る第1計測データの一例であり、センサ端末4aが送信する計測データは、本開示に係る第2計測データの一例である。
【0034】
<クラウドサーバ5>
クラウドサーバ5は、制御装置2及び空調装置3のメーカ、販売会社等によって設置及び運用されるサーバであり、ネットワークN2に接続される。図5に示すように、クラウドサーバ5は、通信回路50と、CPU51と、ROM52と、RAM53と、補助記憶装置54とを備える。これらの構成部は、バス55を介して相互に接続される。
【0035】
通信回路50は、ネットワークN2を介して他の装置、例えば、制御装置2、ユーザ端末6等と通信するための回路であり、例えば、有線又は無線LANインタフェース回路である。CPU51は、クラウドサーバ5を統括的に制御する。CPU51によって実現されるクラウドサーバ5の機能の詳細については後述する。ROM52は、ファームウェア及びファームウェアの実行時に使用されるデータを記憶する。RAM53は、CPU51の作業領域として使用される。
【0036】
補助記憶装置54は、読み書き可能な不揮発性の半導体メモリ、HDD等で構成される。読み書き可能な不揮発性の半導体メモリは、例えば、EEPROM、フラッシュメモリ等である。補助記憶装置54には、制御装置2によって検出された、電算機室Rの空調対象エリアの空調に関する異常をユーザに報知するサービスを実現するためのプログラム(以下、報知サービスプログラムという。)を含む各種のプログラムと、これらのプログラムの実行時に使用されるデータとが記憶される。
【0037】
上記の報知サービスプログラム及び報知サービスプログラムを更新するための更新プログラムは、他のサーバからクラウドサーバ5にダウンロードすることができる。また、これらのプログラムは、CD-ROM、DVD、光磁気ディスク、USBメモリ、HDD、SSD、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布することも可能である。クラウドサーバ5は、そのような記録媒体が自身に直接又は間接的に装着されると、当該記録媒体から報知サービスプログラム又は更新プログラムを読み出して取り込むことも可能である。
【0038】
<ユーザ端末6>
ユーザ端末6は、電算機室Rの責任者、空調システム1の管理者等のユーザによって所持される電子機器であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末等のスマートデバイスである。図6に示すように、ユーザ端末6は、ディスプレイ60と、操作受付部61と、通信回路62と、CPU63と、ROM64と、RAM65と、補助記憶装置66とを備える。これらの構成部は、バス67を介して相互に接続される。
【0039】
ディスプレイ60は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスを含んで構成される。ディスプレイ60は、CPU63の制御の下、ユーザの操作に応じた各種の画面等を表示する。
【0040】
操作受付部61は、押しボタン、タッチパネル、タッチパッド等の1つ以上の入力デバイスを含んで構成され、ユーザからの操作入力を受け付け、受け付けた操作に係る信号をCPU63に出力する。
【0041】
通信回路62は、ネットワークN2を介して他の装置、例えば、クラウドサーバ5と通信するための回路であり、例えば、無線LANインタフェース回路である。
【0042】
CPU63は、ユーザ端末6を統括的に制御する。CPU63によって実現されるユーザ端末6の機能の詳細については後述する。ROM64は、ファームウェア及びファームウェアの実行時に使用されるデータを記憶する。RAM65は、CPU63の作業領域として使用される。
【0043】
補助記憶装置66は、EEPROM、フラッシュメモリ等の読み書き可能な不揮発性の半導体メモリ等を含んで構成される。補助記憶装置66には、クラウドサーバ5から上記のサービスを受けるためのアプリケーションプログラム(以下、異常報知アプリという。)を含む各種のプログラムと、これらのプログラムの実行時に使用されるデータとが記憶される。
【0044】
異常報知アプリ及び異常報知アプリを更新するための更新プログラムは、何れも、クラウドサーバ5又は他のサーバからユーザ端末6にダウンロードすることができる。また、これらのプログラムは、CD-ROM、DVD、光磁気ディスク、USBメモリ、HDD、SSD、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布することも可能である。ユーザ端末6は、そのような記録媒体が自身に直接又は間接的に装着されると、当該記録媒体から異常報知アプリ又は更新プログラムを読み出して取り込むことも可能である。
【0045】
<空調システム1のデータ授受>
図7は、空調システム1におけるデータ授受の関係を概略的に示す図である。図7に示すように、空調機3は、一定時間毎(例えば、5分毎)に制御装置2に対して運転状態を示す運転状態データを送信し、各センサ端末4は、一定時間毎(例えば、5分毎)に制御装置2に対して計測データを送信する。制御装置2は、空調機3に対する制御内容に変更が生じた場合、空調機3に対して制御指令を送信する。
【0046】
また、制御装置2は、空調対象エリアの空調に関する異常を検出すると、クラウドサーバ5に対して異常検出通知を送信する。クラウドサーバ5は、制御装置2から送信された異常検出通知を受信すると、ユーザ端末6に対してユーザ通知を送信する。
【0047】
<空調機3及びセンサ端末4の機能構成>
図8は、空調機3及びセンサ端末4の機能構成を示すブロック図である。図8に示すように、空調機3は、機能的には、運転状態データ送信部300と、制御指令受信部301と、空調変更部302とを備える。空調機3のこれらの機能部は、制御回路34が補助記憶装置33に記憶されている上述した空調プログラムを実行することで実現される。
【0048】
また、センサ端末4は、機能的には、温度計測部400と、計測データ送信部401とを備える。センサ端末4のこれらの機能部は、制御回路43が補助記憶装置42に記憶されている上述した温度計測プログラムを実行することで実現される。
【0049】
センサ端末4において、温度計測部400は、配置されたエリアにおける計測対象の温度を計測する。例えば、センサ端末4aは、空調機3が設置されるエリア、より詳細には、空調機3の吹出口近辺(例えば、吹出口から30cm以内)における計測対象の温度を計測し、センサ端末4b,4cは、空調対象エリアにおける計測対象の温度を計測する。計測データ送信部401は、現在日時と、自身のIDと、温度計測部400によって計測された計測対象の温度の値とが格納された計測データを一定時間毎(例えば、5分毎)にネットワークN1を介して制御装置2に送信する。なお、センサ端末4は、自発的ではなく、制御装置2からの要求に応答して計測データを制御装置2に送信してもよい。
【0050】
空調機3において、運転状態データ送信部300は、一定時間毎(例えば、5分毎)に、現在日時と、空調機3の現在の運転状態が格納されたデータである運転状態データをネットワークN1を介して制御装置2に送信する。運転状態には、運転モード(冷房、暖房又は送風)と、設定温度と、風量と、吹出温度センサによって計測された温度とが含まれる。吹出温度センサは、本開示に係る内蔵温度センサの一例である。吹出温度センサは、空調機3に内蔵され、空調機3から吹き出される空気(即ち、吹出空気)の温度を計測するセンサである。なお、空調機3は、自発的ではなく、制御装置2からの要求に応答して運転状態データを制御装置2に送信してもよい。
【0051】
制御指令受信部301は、制御装置2から送信された制御指令を受信する。制御指令には、運転モード、設定温度及び風量のうちのいずれか1つの変更を示すコマンドIDと、変更値とが含まれている。空調変更部302は、制御指令受信部301によって受信された制御指令に基づいて空調の内容(運転モード、設定温度又は風量)を変更する。
【0052】
<制御装置2の機能構成>
図9は、制御装置2の機能構成を示すブロック図である。図9に示すように、制御装置2は、機能的には、運転状態データ取得部200と、計測データ取得部201と、制御指令生成部202と、制御指令送信部203と、異常検出部204と、異常検出通知部205とを備える。制御装置2のこれらの機能部は、CPU22が補助記憶装置25に記憶されている上述した制御プログラムを実行することで実現される。
【0053】
運転状態データ取得部200は、本開示に係る運転状態データ取得手段の一例である。運転状態データ取得部200は、空調機3から一定時間毎に送られてくる上述した運転状態データを受信して取得する。なお、運転状態データ取得部200は、空調機3に対して、運転状態データの送信を一定時間毎に要求し、かかる要求に応答して空調機3から送られてきた運転状態データを取得する仕様であってもよい。運転状態データ取得部200は、取得した運転状態データを制御指令生成部202に供給するとともに、運転状態データ履歴記憶部210に保存する。運転状態データ履歴記憶部210は、補助記憶装置25によって提供されるメモリ領域であり、一定期間(例えば、過去24時間)の運転状態データの履歴を記憶する。
【0054】
計測データ取得部201は、本開示に係る計測データ取得手段の一例である。計測データ取得部201は、各センサ端末4から一定時間毎に送られてくる上述した計測データを受信して取得する。なお、計測データ取得部201は、各センサ端末4に対して、計測データの送信を一定時間毎に要求し、かかる要求に応答して各センサ端末4から送られてきた計測データを取得する仕様であってもよい。計測データ取得部201は、取得した各計測データを制御指令生成部202に供給するとともに、計測データ履歴記憶部211に保存する。計測データ履歴記憶部211は、補助記憶装置25によって提供されるメモリ領域であり、各センサ端末4の一定期間(例えば、過去24時間)の計測データの履歴を記憶する。
【0055】
制御指令生成部202は、運転状態データ取得部200によって取得された運転状態データと、計測データ取得部201によって取得された各計測データとに基づいて、空調機3を制御するための制御指令を生成する。上述したように、制御指令には、運転モード、設定温度及び風量のうちのいずれか1つの変更を示すコマンドIDと、変更値とが含まれている。例えば、制御指令生成部202は、空調対象エリアにおける計測対象の温度が予め定めた許容上限値を超える場合、予め定めた調整時間内に当該計測対象の温度が当該許容上限値を下回るようにするための制御指令を生成する。例えば、許容上限値は、30℃であり、調整時間は30分である。
【0056】
制御指令生成部202は、空調対象エリアにおける計測対象の温度として、センサ端末4b及びセンサ端末4cの各々によって計測された計測対象の温度の平均値を使用する。なお、後述する異常検出部204によって、センサ端末4b及びセンサ端末4cのいずれかに異常が検出された場合、制御指令生成部202は、当該センサ端末4の計測値を使用せず、他方のセンサ端末4の計測値を計測対象の温度として採用する。
【0057】
制御指令生成部202は、生成した制御指令が、空調機3に送信した前回の制御指令と異なる場合、当該生成した制御指令の送信を制御指令送信部203に指示するとともに、当該制御指令を制御指令履歴記憶部212に保存する。制御指令履歴記憶部212は、補助記憶装置25によって提供されるメモリ領域であり、空調機3に送信された一定期間(例えば、過去24時間)の制御指令の履歴を記憶する。
【0058】
制御指令送信部203は、上記の指示を受けると、制御指令生成部202によって生成された制御指令をネットワークN1を介して空調機3に送信する。制御指令生成部202及び制御指令送信部203は、本開示に係る制御手段の一例である。
【0059】
異常検出部204は、本開示に係る異常検出手段の一例である。異常検出部204は、空調対象エリアの空調に関する異常を検出する。詳細には、異常検出部204は、運転状態データ履歴記憶部210に保存されている運転状態データの履歴と、計測データ履歴記憶部211に保存されている各センサ端末4の計測データの履歴と、制御指令履歴記憶部212に保存されている制御指令の履歴とに基づいて、図10に示す各項目について、それぞれ対応する要件に該当するか否かを判定し、該当する場合には、当該項目の異常が発生したと判定する。
【0060】
図10において、No.1の項目の要件の「空調能力に余力がありながら」とは、設定温度をより低い値に変更することが可能、又は、風量を増加する変更が可能であることを意味する。また、No.2の項目の要件の「最大空調能力で運転」とは、設定温度が設定可能な最低値且つ風量が最大で運転していることを意味する。
【0061】
また、No.4の項目の要件の「設定温度と吹出温度の乖離が大」とは、具体的には、設定温度と、空調機3に内蔵される吹出温度センサ及び吹出口のセンサ端末4(即ち、センサ端末4a)のそれぞれの計測値との乖離が予め定めた閾値を超えていることを意味する。
【0062】
また、No.5の項目の「空調機の故障B」とは、空調機3に内蔵される吹出温度センサの故障を意味する。また、No.7の項目の「空調対象エリアのセンサ端末の故障」とは、空調対象エリアに配置されたセンサ端末4(即ち、センサ端末4b又はセンサ端末4c)の故障を意味する。また、No.8の項目の要件の「計測値の急峻な変化」とは、空間の熱伝導では不可能なレベルの急峻な変化を意味する。
【0063】
異常検出通知部205は、本開示に係る報知手段の一例である。異常検出通知部205は、異常検出部204によって空調対象エリアの空調における異常が検出されると、異常検出通知を生成し、生成した異常検出通知をネットワークN2を介してクラウドサーバ5に送信する。異常検出通知には、現在日時と、検出された異常の項目のNo.と、異常の要因となった機器のIDとが含まれる。
【0064】
<クラウドサーバ5及びユーザ端末6の機能構成>
図11は、クラウドサーバ5及びユーザ端末6の機能構成を示すブロック図である。図11に示すように、クラウドサーバ5は、機能的には、異常検出通知受信部500と、ユーザ通知送信部501とを備える。クラウドサーバ5のこれらの機能部は、CPU51が補助記憶装置54に記憶されている上述した報知サービスプログラムを実行することで実現される。
【0065】
また、ユーザ端末6は、機能的には、ユーザ通知受信部600と、報知画面表示部601とを備える。ユーザ端末6のこれらの機能部は、CPU63が補助記憶装置66に記憶されている上述した異常報知アプリを実行することで実現される。
【0066】
クラウドサーバ5において、異常検出通知受信部500は、制御装置2から送られた異常検出通知を受信する。ユーザ通知送信部501は、異常検出通知受信部500によって異常検出通知が受信されると、当該異常検出通知で示される異常の内容が格納されたユーザ通知を生成し、生成したユーザ通知をネットワークN2を介してユーザ端末6に送信する。
【0067】
ユーザ端末6において、ユーザ通知受信部600は、クラウドサーバ5から送られたユーザ通知を受信する。報知画面表示部601は、ユーザ通知受信部600によってユーザ通知が受信されると、当該ユーザ通知で示される異常の内容をユーザに報知するための報知画面をディスプレイ60に表示する。
【0068】
<空調制御処理>
図12は、制御装置2が実行する空調制御処理の手順を示すフローチャートである。空調制御処理は、一定時間毎(例えば、5分毎)に繰り返し実行される。
【0069】
(ステップS101)
制御装置2は、空調機3から運転状態データを取得する。その後、制御装置2の処理は、ステップS102に遷移する。
【0070】
(ステップS102)
制御装置2は、各センサ端末4から計測データを取得する。その後、制御装置2の処理は、ステップS103に遷移する。
【0071】
(ステップS103)
制御装置2は、運転状態データの履歴と、計測データの履歴と、制御指令の履歴とに基づいて、空調対象エリアの空調に関する異常が発生したか否かを判定する。異常が発生した場合、制御装置2の処理は、ステップS104に遷移する。一方、異常が発生していない場合、制御装置2の処理は、ステップS105に遷移する。
【0072】
(ステップS104)
制御装置2は、発生した異常の内容を示す異常検出通知を生成し、生成した異常検出通知をネットワークN2を介してクラウドサーバ5に送信する。その後、制御装置2の処理は、ステップS105に遷移する。
【0073】
(ステップS105)
制御装置2は、ステップS101で取得した運転状態データと、ステップS102で取得した各計測データとに基づいて、空調機3を制御するための制御指令を生成する。その後、制御装置2の処理は、ステップS106に遷移する。
【0074】
(ステップS106)
制御装置2は、生成した制御指令が、空調機3に送信した前回の制御指令と異なるか否かを判定する。生成した制御指令が前回の制御指令と異なる場合、制御装置2の処理は、ステップS107に遷移する。一方、生成した制御指令が前回の制御指令と一致する場合、制御装置2は、本周期での空調制御処理を終了する。
【0075】
(ステップS107)
制御装置2は、当該生成した制御指令を空調機3に送信する。その後、制御装置2は、本周期での空調制御処理を終了する。
【0076】
以上説明したように、本実施の形態における空調システム1によれば、空調機3の吹出口近辺における計測対象の温度を計測する温度計測手段として、空調機3に内蔵される吹出温度センサに加え、センサ端末4aを備える。また、空調対象エリアにおける計測対象の温度を計測する温度計測手段として、センサ端末4bとセンサ端末4cとを備える。つまり、各々の温度計測手段が冗長化された構成となっている。そして、制御装置2は、このように冗長化された温度計測手段の計測結果を使用して、空調対象エリアの空調に関する異常を検出する。このため、空調対象エリアの空調に関する異常を精度よく検出することが可能となる。
【0077】
また、制御装置2は、異常を検出すると、異常の内容を示す異常検出通知をクラウドサーバ5に送信し、かかる異常検出通知を受信したクラウドサーバ5が、当該異常の内容をユーザに報知するためのユーザ通知をユーザ端末6に送信する。そして、ユーザ端末6が、当該異常の内容を示す報知画面を表示する。このため、ユーザは、発生した異常の内容を早々且つ容易に確認することが可能となる。
【0078】
また、温度計測手段を冗長化していることで、一方が故障した場合であっても、制御装置2は、他方の計測結果を使用して空調機3の制御を継続することが可能となり、空調対象エリアにおける計測対象(換言すると、温度制御対象)を適温に維持することができる。その結果、電算機7の安全性を確保することができる。
【0079】
(変形例1)
クラウドサーバ5は、検出された異常の内容が本文に記載された電子メール、あるいは、検出された異常の内容を示すデータが添付された電子メールをユーザ端末6に送信することで、ユーザに対する報知を行うようにしてもよい。
【0080】
(変形例2)
センサ端末4は、さらに湿度を計測し、湿度の値がさらに格納された計測データを制御装置2に送信し、制御装置2は、湿度も加味して空調機3の制御を行ってもよい。
【0081】
(変形例3)
空調システム1は、センサ端末4aの他に、空調機3の吹出口近辺における計測対象の温度を計測する1又は複数のセンサ端末4をさらに備えるようにしてもよい。同様に、空調システム1は、センサ端末4a,4bの他に、空調対象エリアにおける計測対象の温度を計測する1又は複数のセンサ端末4をさらに備えるようにしてもよい。この場合、各々の温度計測手段が3つ以上となるため、制御装置2は、それぞれ多数決により異常の発生有無を判定してもよい。
【0082】
(変形例4)
制御装置2は、異常の要因となったセンサ端末4の計測値に一定のズレが生じていると判定した場合、当該センサ端末4の計測値に当該ズレに対応するオフセットを加算することで、引き続き、当該センサ端末4の計測値を空調制御及び異常検出に使用してもよい。
【0083】
(変形例5)
空調システム1の構成に、計測対象の温度を計測するセンサを備えたロボット(本開示に係るロボットの一例)を追加してもよい。この場合、当該ロボットは、床下において、空調機3が設置されるエリア、より詳細には、空調機3の吹出口近辺と空調対象エリアとの間を規則的に走行する。そして、当該ロボットは、吹出口近辺における計測対象の温度の計測と、空調対象エリアにおける計測対象の温度の計測とを一定時間毎(例えば、5分毎)に交互に実施し、自身の識別情報であるIDと、計測した計測対象の温度の値とが格納された計測データ(本開示に係る第2計測データの一例)をネットワークN1を介して制御装置2に送信する。
【0084】
この場合、当該ロボットにより、2箇所の計測対象の温度が計測できるため、例えば、センサ端末4aを配置することなく、吹出口近辺における計測対象の温度を計測する温度計測手段の冗長化が図れる。同様に、センサ端末4b,4cのいずれか一方を配置することなく、空調対象エリアにおける計測対象の温度を計測する温度計測手段の冗長化が図れる。
【0085】
(変形例6)
空調機3に内蔵される吹出温度センサ、各センサ端末4のいずれかの機器の計測値において、異常値ではないものの、ユーザが任意に設定した値域から外れている場合には、制御装置2は、その旨をクラウドサーバ5を介してユーザに報知してもよい。
【0086】
(変形例7)
制御装置2と各電算機7とがネットワークN1を介して通信可能に接続され、制御装置2が、一定時間毎(例えば、5分毎)に各電算機7から当該電算機7の動作状態を示す動作状態データを取得し、取得した各電算機7の動作状態も加味して、空調制御及び異常検出を実施してもよい。動作状態には、例えば、内蔵するCPUの温度と、当該CPUの使用率等が含まれる。
【0087】
(変形例8)
空調システム1の構成に、空調に係る他の装置(例えば、ラックマウント型冷却装置、空調機3の吹出口から空調対象エリアに至る風路上に配置された風量制御装置等)を追加し、制御装置2は、かかる装置についても、空調機3から取得した運転状態データと、各センサ端末4から取得した各計測データとに基づいて制御してもよい。
【0088】
(変形例9)
クラウドサーバ5が、制御装置2の機能(図9参照)の少なくとも一部を備えるようにしてもよい。
【0089】
(変形例10)
制御装置2が、クラウドサーバ5のユーザ通知送信部501と同様の機能を備えるようにしてもよい。即ち、制御装置2が、異常の内容が格納されたユーザ通知を生成し、生成したユーザ通知をネットワークN2を介してユーザ端末6に送信してもよい。この場合、空調システム1の構成からクラウドサーバ5を外してもよい。
【0090】
(変形例11)
空調システム1の構成に、ネットワークN1に接続されるPC(Personal Computer)等の管理端末を追加してもよい。この場合、当該管理端末は、ユーザ端末6と同様の機能(図11参照)を備え、制御装置2は、異常を検出すると、当該異常の内容が格納されたユーザ通知を生成し、生成したユーザ通知をネットワークN1を介して管理端末に送信する。管理端末は、制御装置2から送られたユーザ通知を受信すると、当該ユーザ通知で示される異常の内容をユーザに報知するための報知画面をディスプレイに表示する。
【0091】
(変形例12)
制御装置2の機能部(図9参照)の全部又は一部が、専用のハードウェアで実現されるようにしてもよい。また、空調機3の機能部(図8参照)の全部又は一部が、専用のハードウェアで実現されるようにしてもよいし、センサ端末4の機能部(図8参照)の全部又は一部が、専用のハードウェアで実現されるようにしてもよい。また、クラウドサーバ5の機能部(図11参照)の全部又は一部が、専用のハードウェアで実現されるようにしてもよいし、ユーザ端末6の機能部(図11参照)の全部又は一部が、専用のハードウェアで実現されるようにしてもよい。専用のハードウェアとは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はこれらの組み合わせである。
【0092】
上記の各変形例に係る技術思想は、それぞれ単独で実現されてもよいし、適宜組み合わされて実現されてもよい。
【0093】
本開示は、上記の実施の形態及び各変形例に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更は勿論可能である。
【符号の説明】
【0094】
1 空調システム、2 制御装置、3 空調機、4,4a~4c センサ端末、5 クラウドサーバ、6 ユーザ端末、7 電算機、8 ラック、20,30 第1通信回路、21,31 第2通信回路、22,51,63 CPU、23,52,64 ROM、24,53,65 RAM、25,33,42,54,66 補助記憶装置、26,55,67 バス、32 メインユニット、34,43 制御回路、40,50,62 通信回路、41 センサ回路、44 電池、60 ディスプレイ、61 操作受付部、200 運転状態データ取得部、201 計測データ取得部、202 制御指令生成部、203 制御指令送信部、204 異常検出部、205 異常検出通知部、210 運転状態データ履歴記憶部、211 計測データ履歴記憶部、212 制御指令履歴記憶部、300 運転状態データ送信部、301 制御指令受信部、302 空調変更部、400 温度計測部、401 計測データ送信部、500 異常検出通知受信部、501 ユーザ通知送信部、600 ユーザ通知受信部、601 報知画面表示部、N1,N2 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12