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特開2023-95999ロボット手術用のツールメモリベースのソフトウェアの更新
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095999
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】ロボット手術用のツールメモリベースのソフトウェアの更新
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/35 20160101AFI20230629BHJP
【FI】
A61B34/35
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023078530
(22)【出願日】2023-05-11
(62)【分割の表示】P 2021073238の分割
【原出願日】2005-04-28
(31)【優先権主張番号】10/839,727
(32)【優先日】2004-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ケー. トス
(72)【発明者】
【氏名】ニティシュ スワラップ
(72)【発明者】
【氏名】トム ニクソン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド キュー. ラーキン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン コルトン
(57)【要約】
【課題】ロボット手術用のツールメモリベースのソフトウェアの更新を提供すること。
【解決手段】ロボット手術および他のロボットアプリケーションで使用するためのロボット装置、システム、および方法、および/または医療機器、システム、および方法は、再利用可能なプロセッサおよび限定使用のロボットツールの両方、または医療用プローブを含む。限定使用の構成要素であるメモリは、プロセッサによってインプリメントされるデータを有する機械可読コードおよび/またはプログラミング命令を含む。プロセッサのプログラミングは、プロセッサによって構成要素からダウンロードした新しいデータを一度送ることによって更新することができる。以降の構成要素は、ダウンロードを繰り返さずに更新されたプロセッサを活用することができる。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書および図面に記載された発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して医療用および/またはロボット装置、システム、および方法に関する。例えば、本発明によって、手術または他のアプリケーションで使用されるロボットシステムのシステムソフトウェアは、ロボットアームに装着することができるツールのメモリに最新のデータを含めることによって修正することができる。ソフトウェアの更新は、ロボットのシステムソフトウェアがインストールされていなければ利用できなかったツールの使用を容易にすることが可能である。別の例では、使い捨ての構成要素および再利用可能なプロセッサを有する医療機器システムは、使い捨ての機器を用いて更新されるプロセッサソフトウェアを有することが可能であり、それによって、機器は、組織の処理およびシステムのプログラミングの更新の両方に使用することができる。
【背景技術】
【0002】
最小侵襲医術は、診断または外科処置中に損なわれる患部以外の余分な組織の量を減じることを意図するものであり、それによって、患者の回復時間、苦痛、および有害な副作用が軽減される。毎年米国内で行われる手術の多くは、潜在的に最小侵襲的方法で行われることもありうるが、最小侵襲の外科用機器の制限およびそれらの機器を使いこなすための更なる外科訓練が必要であるので、これらの好都合な技術は現在の手術の一部でしか使用されない。
【0003】
外科医の器用さを増し、従来の最小侵襲的技術に対するいくつかの制限を回避するために、手術で使用する最小侵襲的遠隔手術システムが開発されている。遠隔手術では、外科医は、自身の手によって機器を直接保持および動かすのではなく、ある形態の遠隔制御(例、サーボ機構など)を使用して、外科用機器の動きを操作する。遠隔手術システムでは、外科用ワークステーションにおいて手術部位の画像を外科医に提供することができる。外科医は、手術部位の二次元または三次元画像をディスプレイ上で観察しながら、主制御機構を操作することによって、患者の外科処置を行い、またサーボ機構を用いて作動する機器の動きを制御する。
【0004】
遠隔手術に使用されるサーボ機構は、しばしば2つの主制御器(外科医のそれぞれの手に1つずつ)からの入力を受け、2つ以上のロボットアームを備えることが可能である。これは、しばしば外科医が別の位置から手術部位を観察できるように、画像キャプチャ装置の位置を変えるのに好都合である。画像キャプチャ装置によって表示される画像に手の動きをマッピングすることによって、外科用機器の動きを通じた、より直接的な制御を外科医に提供することができる。
【0005】
新しい遠隔手術システムおよび装置は、非常に有効で好都合であることが証明されているが、依然として更なる改善が必要とされている。例えば、既存の最小侵襲的処置および新しい最小侵襲的処置を行うために、これらの新しいロボットアームを装着するための、より幅広い種類の外科用機器を構成または開発することになる場合がある。新しい外科用エンドエフェクタを有する様々な新しい機器を、既存の遠隔手術システムに取り付けるという柔軟性を有することによって、外科医は、最小侵襲的技術を使用したより多くの外科処置を行えることができ得る。ソフトウェア、プロセッサ、およびマニピュレータアクチュエーション構造を含む既存のシステムは、国内外を通じてすでに手術室に配備されている。残念なことに、新しいロボット手術用機器を開発する際に、既存の主要装置の基部の更新が、特に他の国にすでに設置されているロボット手術システムに対して、時間を要し、高価で、また一様に行うことが難しいものになりうる。
【0006】
上述の理由によって、改善された装置、システム、および方法をロボット手術に提供することが好都合となる。それは、他のロボットアプリケーションの改善にも好都合である。同様に、再プログラム可能なプロセッサを備えた再利用可能な主要装置および使い捨ての構成要素の両方を有する医療機器システムの急増によって、主要装置を更新するための改善された装置、システム、および方法を提供すること、また遠隔手術、ロボット、医療機器、および様々な他の分野のためのシステムを商業化するビジネス方法を提供することにも好都合となりうる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、概して、ロボット手術および他のロボットアプリケーションで使用するための、改善されたロボット装置、システム、および方法を提供する。本発明はまた、特に再プログラム可能なプロセッサおよび限定使用の医療用プローブの両方を含む医療システムで、これらの改善されたシステムを使用するための、改善された医療機器、システム、および方法も提供する。また、本発明によって、関連する周辺機器および限定使用の構成要素を有する主要機器を商業化するためのビジネス方法も提供することが可能である。いくつかの実施形態では、本発明は、ロボット手術用ツールのような限定使用の構成要素にメモリを組み込むことが可能である。機械可読コードは、システムプロセッサによって使用されるデータおよび/またはプログラミング命令とともに、そのツールメモリに格納することができる。これによって、システムプロセッサのプログラミングは、新しい外科用ロボットツールまたは他の使い捨ての構成要素を搭載することによって効果的に更新することができる。状況に応じて、プロセッサによってツールから最新のデータまたはプログラミング命令がダウンロードされると、以降のツールは、新しいソフトウェアをダウンロードせずに、更新されたプロセッサのプログラミングを活用することができる。これによって、例えば、1つ以上の外科的処置中に、外科用機器がロボットアームに繰返し脱着される場合の遅延および出費を回避することができる。
【0008】
第1の側面では、本発明は、ツールホルダおよび信号インターフェースを有するロボットアームを備えたロボットシステムを提供する。複数のロボットツールのそれぞれは、ロボットアームによって操作するためにツールホルダで受けることができる。プロセッサは、メモリを有し、ロボットアームに接続される。プロセッサメモリは、複数のツールに関連するロボットツールのデータを有する。プロセッサは、プロセッサメモリからの関連するツールのデータを使用して、ツールホルダが受けるロボットツールの動きを命令する。第1の追加ツールは、追加ツールのデータまたはコードを有するメモリを有する。プロセッサのメモリでは、第1の追加ツールをロボットアームに接続する前に、この追加ツールのデータまたはコードが不足する場合がある。第1の追加ツールは、ツール信号のインターフェースを介して、追加ツールのデータまたはコードをプロセッサに送信する。プロセッサは、追加ツールのデータまたはコードをプロセッサメモリに格納し、第1の追加ツールがツールホルダから取り外された後に、追加ツールのデータまたはコードを使用してロボットアームの動きを命令する。追加ツールのデータまたはコードは、第1の追加ツールがロボットアームに依然として装着されている間に使用することが可能である。
【0009】
例示的な実施態様において、ツールは、ロボットシステムが外科用ロボットシステムを備えるように、複数の異なる外科用エンドエフェクタを有する外科用ロボットツールを備える。
【0010】
第1の追加ツールは、ツールタイプ識別子を有することが可能である。第2の追加ツールも、同じツールタイプ識別子を有することが可能である。プロセッサは、第1の追加ツールからの追加データをメモリに格納することが可能であり、また、第2の追加ツールのツールタイプ識別子に応答して、ツールホルダが第2の追加ツールを受けたときに、プロセッサメモリからの追加ツールのデータを使用してロボットアームの動きを命令することが可能である。毎回この新しいデータをダウンロードするのではなく、メモリからの追加ツールのデータを使用して新しいツールを取り付けることによって、システムは、ツール交換中のシステムの遅延を回避することが可能である。
【0011】
プロセッサは、追加ツールのデータをプロセッサメモリの最新のリストに格納することが可能である。最新のリストは、異なるタイプの複数の追加ツールに関連するデータを有することが可能である。プロセッサメモリは、複数のツールに関連するデータの元のリストも有することが可能である。
【0012】
プロセッサは、既知のツールのデータの有効なリビジョンが行えるように、類似したツール識別子が最新および元のリストの両方に含まれている場合に、元のリストのツールのデータよりも最新のリストの追加ツールのデータを優先的に取り扱うことが可能である。メモリは、拒否ツールリストも含むことが可能であり、プロセッサは、拒否ツールリストに含まれる拒否ツール識別子を有する追加ツールの使用を禁止する。
【0013】
プロセッサは、ツールの動きを命令するための機械可読コードを有することが可能である。機械可読コードは、しばしばソフトウェアリビジョン識別子の形態で、ソフトウェア機能識別子を取り入れることが可能であり、追加ツールのデータは、最小のソフトウェア機能および/またはリビジョンを指定することが可能である。プロセッサは、ソフトウェアリビジョンが最小のソフトウェアリビジョンよりも古い場合に、第1の追加ツールの使用を禁止することが可能である。これによって、例えば、特定のサブルーチンを必要とするツールだけが、そのサブルーチンを含むプロセッサを有するシステムで使用されるように、例えばツールの割り当て装置は、新しいツールが使用される場合に、最小のプロセッサのソフトウェア機能を指定することが可能である。
【0014】
第2のツールは、機械可読コードを取り入れたツールのデータを含むことが可能であり、ツールの動きを命令するデータおよび最新のソフトウェアリビジョンを含む。プロセッサは、プロセッサのソフトウェアリビジョン識別子が、第2のツールの最新のソフトウェアリビジョンよりも古い場合に、プロセッサのメモリからのツールのデータを使用して、第2のツールの動きを命令することが可能である。これによって、プロセッサは、プロセッサのソフトウェアがすでに更新されたずっと後に、また、場合によってはツールメモリのデータが更新された後に、数ヶ月または数年間収容されている追加ツールからの同じ情報のダウンロードに時間を費やすのではなく、プロセッサのメモリに常駐するツールデータを選択的に使用することができる。
【0015】
複数のツールのうちの少なくともいくつかは、一部または全ての追加ツールのデータが不足しているレガシーツールを備えることが可能である。追加ツールのデータは、プロセッサが追加ツールのデータを使用しなければならない旨を通知するように、インジケータまたはフラグを含むことが可能である。このインジケータまたはフラグは、レガシーツールにおいてオフにするか、または無効にすることが可能である。
【0016】
状況に応じて、入力装置は、入力動作を受けるためにプロセッサに接続することが可能であり、プロセッサは、ロボットシステムがマスタスレーブロボットシステムを備えるように、入力された動きに対応するツールホルダによって受けるツールの出力動作を生じさせる。第1の設定時間は、メモリからのツールのデータを使用して動きを命令するためのプロセッサの設定に対応することが可能であり、第2の設定時間は、装着ツールからダウンロードされた追加ツールのデータを使用して動きを命令するためのプロセッサの設定に対応することが可能である。第2の設定時間は、第1の設定時間より長くすることが可能である。プロセッサは、第1のツールからの追加ツールのデータをメモリに格納し、第1の追加ツール(脱着後)、第2の追加ツール、などのために格納されたデータを使用することによって、累積設定時間を制限するように構成することが可能である。
【0017】
別の側面では、本発明は、複数の医療機器を備える医療機器システムを提供する。各機器は、組織治療提供面およびインターフェースを有する。プロセッサは、機器のインターフェースと逐次的に接続可能なインターフェースを有する。プロセッサは、コードまたはデータを格納するメモリを有し、格納されたコードまたはデータを使用して機器の組織治療提供面によって提供される治療を制御する。第1の追加機器は、組織治療提供面と、機器メモリと、追加機器のインターフェースがプロセッサのインターフェースに接続されたときに、機器メモリとプロセッサとの間に通信を提供するように、機器メモリに接続されるインターフェースとを有する。プロセッサは、プロセッサのメモリの機器メモリからの最新のコードまたはデータを格納するように構成される。第2の追加ツールは、組織治療提供面と、インターフェースとを有する。プロセッサは、第1の追加機器の機器メモリと通信する最新のコードまたはデータを使用して、第2の追加機器の組織治療提供面によって提供される治療を制御する。
【0018】
多くの実施態様では、複数の医療機器は、複数のタイプの医療機器を備える。各医療機器は、インターフェースに接続される機器メモリを有することが可能である。機器メモリは、タイプ識別子を有し得、機器タイプのそれぞれは、機械可読のコードによって取り入れられる関連する機器タイプのデータを有する。プロセッサは、接続される機器のタイプ識別子に応答して、関連する機器データを使用して、プロセッサに接続された機器の組織治療面を介して治療を命令することが可能である。第2の追加機器は、第1の追加機器と同じタイプ識別子を有することが可能である。
【0019】
別の側面では、本発明は、ロボットアームに異なるタイプの複数のロボットツールを逐次的に装着するステップを含む、ロボットを使用した方法を提供する。逐次的に装着されたロボットツールのそれぞれの動きは、装着されたロボットツールのタイプに関連するデータまたはコードを使用して、プロセッサによって命令される。複数のツールのためのデータまたはコードは、プロセッサのメモリに格納される。第1の追加ロボットツールは、ロボットアームに装着される。最新のツールのデータまたはコードは、第1のツールのメモリからプロセッサに送信される。ロボットアームの動きは、最新のツールのデータまたはコードを使用して、プロセッサによって命令される。
【0020】
ツールは、複数の異なる外科用エンドエフェクタを有する外科用ロボットツールを備えることが可能である。外科用エンドエフェクタの動きは、外科的処置を行うように外科医が入力装置を動かすことによって命令することが可能である。したがって、ロボットアームおよび入力装置は、マスタスレーブ型外科用ロボットシステムの構成要素とすることが可能である。
【0021】
プロセッサが装着ツールから追加ツールのデータをダウンロードする場合、しばしば設定時間またはダウンロードの遅延を伴う。この設定時間は、所望のデータがすでにプロセッサのメモリに常駐する場合に、ツールの動きを命令するためのプロセッサの設定に関係する時間よりも実質的に長くなる場合がある。ツール交換中の全体の設定時間を制限し、遅延を回避するために、プロセッサは、同じタイプの他のツールで使用するために、装着ツールからダウンロードした追加ツールのデータを格納することが可能である。追加ツールのデータは、メモリの最新のリストに格納することが可能であり、既知のツールタイプに関連するツールのデータは、プロセッサのメモリの元のリストに格納することが可能である。ツール識別子が両方の元のメモリにリストされている(例えば、プロセッサのソフトウェアリビジョンがプロセッサにロードされた場合に、ツールが既知となるように)が、ツールデータが後に更新される(例えば、現場でそのツールを使用する場合の経験を基にして、安全マージンの増加させるための握力の限度を下げるために)場合、同じツールタイプを両方のリストに含めることが可能である。当該の状況下では、例えば最新リストを最初に確認することによって、最新リストを優先させることに好都合となりうる。また、ツール識別子に最新リストに見つかった場合は、その情報を使用し、元のリストの確認は行わない。これによって、ツールのデータは、修正されたツールデータを有する適切な追加ツールを割り当てることによって、有効に更新することができる。付加的なオプションには、プロセッサメモリの拒否リストが挙げられ、プロセッサは、拒否ツールリストに含まれるツール識別子を有するツールの使用を禁止する。
【0022】
本発明は、既存のロボットシステムおよび他の主要な装置での使用を意図するツールの割り当てを容易にすることができるが、そのツールは、システムが現場に組み込まれた後に開発されたものである。しかし、以前に組み込まれた全てのシステムが、新しく開発されたツールを利用する機能を有することが可能であるというわけではない。例えば、組み込まれたロボット手術システムは、遠位エンドエフェクタにおいて、スライド式ジョイントに対応するように構成されていないソフトウェアを有する場合がある。当該のスライド式ジョイントを使用する新しいツールが開発された場合に、外科的処置の途中で、ロボット手術システムに接続された外科用ロボットツールを介した、膨大なソフトウェアリビジョンのダウンロードに時間を費やすのではなく、磁気または光記録媒体、ネットワーク、または他の従来の方法を使用して、組み込まれたロボット手術システムのソフトウェアの更新をさらに容易にすることが可能である。また、一部のロボットシステムには組み込まれていない、超音波ツール用の超音波ドライバのようなハードウェアを必要とする新しいツールが開発された場合も同様である。好都合に、プロセッサメモリはシステム能力のデータを格納することができ、追加ツールのデータは最小のシステム能力を識別することが可能である。プロセッサは、システム能力のデータが第1の追加ツールの最小システム能力と非互換であれば、第1の追加ツールの使用を禁止することができる。例えば、プロセッサのメモリはソフトウェアリビジョン識別子を格納することが可能であり、追加ツールのデータは最小のソフトウェアリビジョンを含むことが可能である。
【0023】
あるツールが長期間にわたって現場のシステムに割り当てられた後に、様々な理由で、組み込まれたシステムにソフトウェアリビジョンが行われる場合がある。これは、プロセッサのプログラミングを更新する場合に、追加ツールのデータをシステムのソフトウェアリビジョンに含めることによって、ツールのデータのプロセッサメモリへのダウンロードに伴うあらゆる時間遅延の回避に好都合である。プロセッサのメモリは、ソフトウェアリビジョン識別子を格納することが可能であり、第2のツールは、最新のソフトウェアリビジョンを含むツールのデータを有するツールメモリを有することが可能である。ツールメモリは、ツールに動きを命令するために使用するデータも含むことが可能であるが、プロセッサは、第2のツールの最新のソフトウェアリビジョンよりも古いプロセッサのソフトウェアリビジョン識別子に応答して、プロセッサメモリからのツールのデータを使用して、第2のツールの動きを命令することが可能である。これによって、例えば、古いツールのメモリに格納されている不用のツールのデータの使用を回避することが可能である。
【0024】
複数のツールのうちの少なくともいくつかは、レガシーツールを備えることが可能である。当該のレガシーツールは、ツールがロボットシステムにおいて既知でない場合は、ツールの使用に十分なツールのデータを有するツールメモリを必ずしも含む必要はない。それでもなお、ツールタイプ識別子を、アームに装着された各レガシーツールからプロセッサに送信することが可能である。プロセッサは、送信されたツールタイプ識別子を使用して、プロセッサメモリのツールのデータを識別することが可能である。状況に応じて、プロセッサは、ツールから送信されるデータに基づいて、レガシーツールと完全なダウンロードが可能な追加ツールのデータを有するツールとを識別することが可能である。レガシーツールの後に販売されたシステムには、なおも初期に割り当てられたレガシーツールと互換性があり、古いシステムがダウンロード可能なデータを完全に活用することができない場合でも、そのダウンロード可能なツールのデータを有する新しく割り当てられたツールには、なおも古いシステムと互換性があることが理想的である。
【0025】
別の側面では、本発明は、第1のロボットツールをロボットアームに装着するステップを有する方法を提供する。装着された第1のツールの動きは、第1のツールのデータを使用して、プロセッサによって命令される。第1のツールのデータは、第1のツールを装着する前にプロセッサのメモリに格納される。第2のロボットツールは、ロボットアームに装着される。第2のロボットツールは、第2のロボットツールに関連するデータを有するメモリを有する。第2のツールのデータは、第2のツールからプロセッサに送信される。装着された第2のツールの動きは、送信された第2のツールのデータを使用して、プロセッサによって命令される。
【0026】
第2のツールのデータは、第2のツールを装着する前にプロセッサのメモリに格納する必要がない。第3のロボットツールは、ロボットアームに装着することが可能である。第3のロボットツールは、第2のツールの識別子に対応するツール識別子を有することが可能である。第3のツールの動きは、送信された第2のツールのデータを使用して、プロセッサによって命令される。これによって、同じタイプのツールからプロセッサに、類似したツールのデータをダウンロードすることによって課される場合のある繰り返し遅延を回避することができる。
【0027】
第3のツールは、第2のツールを装着する前にロボットアームに装着することが可能である。第3のツールの動きは、第3のツールのデータを使用して、第2のツールを装着する前に命令される。第2のツールが装着された後、第2のツールのデータは、第2のツールとして同じツールタイプ識別子を有するデータに対して、第3のツールのデータに優先させることが可能である。
【0028】
別の側面では、本発明は、複数の医療機器をプロセッサに逐次的に接続するステップを含み、各機器は、組織治療提供面およびインターフェースを有する、医療機器システムのリビジョン方法を提供する。逐次的に接続される機器の組織治療提供面によって提供される治療は、プロセッサのメモリに格納されたデータを使用して制御することが可能である。第1の追加機器は、プロセッサに接続することが可能である。第1の追加機器は、組織治療提供面および機器メモリを有することが可能である。最新のデータは、追加機器のメモリからプロセッサに送信することが可能である。送信された最新のデータは、プロセッサのメモリに格納することが可能であり、第2の追加ツールの組織治療提供面から提供される処理は、格納された最新のデータを使用して制御することが可能である。
【0029】
最新のデータは、ツールの組織治療提供面を使用して組織を治療する方法を実行するためのプログラム命令を取り入れた、機械可読コードを任意に定義することが可能である。状況に応じて、最新のデータは、治療ツールタイプのデータを表す物理的パラメータを備えることが可能である。例えば、外科用ロボットシステムで使用する場合、最新のデータは、幾何学的なジョイントの位置、ツールの強さ限界、オフセット、などを表すことが可能である。
【0030】
追加機器は、プロセッサから分離させ、後にプロセッサに再接続することが可能である。治療の提供は、追加機器のメモリからの最新のデータの繰り返しのダウンロードを回避するために、格納された最新のデータを使用して、再接続された追加機器によって制御することが可能である。
【0031】
別の側面では、本発明は、複数のシステムを提供するステップを含む、方法を提供する。各システムはプロセッサを有し、システムは複数の顧客に提供される。複数の周辺機器または限定使用の装置は、顧客に割り当てられる。主要機能を実行するように、各装置をシステムに接続することができる。プロセッサのプログラミングコードまたはデータは、装置がシステムから分離された後に、主要機能の実行を変更するために、接続された装置のメモリを使用して更新される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
ロボットシステムであって、
ツールホルダおよび信号インターフェースを有するロボットアームと、
複数のロボットツールであって、上記ツールのそれぞれは、上記ロボットアームによって操作するために上記ツールホルダで受けることができる、複数のロボットツールと、
メモリを有しており、上記ロボットアームに接続されるプロセッサであって、上記メモリは、上記複数のツールに関連するロボットツールのデータを有し、上記プロセッサは、上記プロセッサメモリからの関連するツールのデータを使用して、上記ツールホルダが受けるロボットツールの動きを命令する、プロセッサと、
追加ツールのデータまたはコードを有するメモリを有する第1の追加ツールであって、上記第1のツールは、ツール信号インターフェースを介して上記プロセッサに上記追加ツールのデータを送信し、上記プロセッサは、上記追加ツールのデータまたはコードを上記プロセッサメモリに格納し、上記第1の追加ツールが上記ツールホルダから取り外された後に、上記追加ツールのデータまたはコードを使用して上記ロボットアームの動きを命令する、第1の追加ツールと
を備える、ロボットシステム。
(項目2)
上記ツールは、複数の異なる外科用エンドエフェクタを有する外科用ロボット機器を備え、上記ロボットシステムは外科用ロボットシステムを備える、項目1に記載のロボットシステム。
(項目3)
上記第1の追加ツールは、ツールタイプ識別子を有し、上記ロボットシステムは、上記ツールタイプ識別子を有する第2の追加ツールをさらに備え、上記プロセッサは、上記第1の追加ツールからの追加ツールのデータを上記メモリに格納し、上記プロセッサは、上記第2の追加ツールの上記ツールタイプ識別子に応答して、上記ツールホルダが上記第2の追加ツールを受けたときに、上記プロセッサメモリからの上記追加ツールのデータを使用して上記ロボットアームの動きを命令する、項目1に記載のロボットシステム。
(項目4)
上記プロセッサは、上記追加ツールのデータをプロセッサメモリの最新のリストに格納し、上記最新のリストは、異なるタイプの複数の追加ツールに関連するデータを有し、上記プロセッサメモリは、上記複数のツールに関連するデータの元のリストも有する、項目3に記載のロボットシステム。
(項目5)
上記プロセッサは、上記ツールのデータの有効なリビジョンが行えるように、上記最新のリストおよび上記元のリストの両方に含まれる装着ツール識別子に応答して、上記元のリストの上記ツールのデータよりも上記最新のリストの上記追加ツールのデータを優先的に取り扱う、項目4に記載のロボットシステム。
(項目6)
上記メモリは、拒否ツールリストをさらに有し、上記プロセッサは、上記拒否ツールリストに含まれる拒否ツール識別子を有する第2の追加ツールの使用を禁止する、項目4に記載のロボットシステム。
(項目7)
上記プロセッサは、上記ツールの動きを命令するための機械可読コードを有し、上記プロセッサの上記機械可読コードは、上記第1の追加ツールを先行させ、ソフトウェアリビジョン識別子を取り入れ、上記追加ツールのデータは、最小のソフトウェアリビジョンを有し、上記プロセッサは、上記ソフトウェアが上記最小のソフトウェアリビジョンを先行させる場合に上記第1の追加ツールの使用を禁止する、項目1に記載のロボットシステム。
(項目8)
上記プロセッサは、上記ツールの動きを命令するための機械可読コードを有し、上記機械可読コードは、ソフトウェアリビジョン識別子を取り入れ、第2のツールはツールの動きを命令するデータおよび最大のソフトウェアリビジョンを含むツールのデータを取り入れ、上記プロセッサは、上記第2のツールの最大のソフトウェアリビジョンよりも古い上記プロセッサの上記ソフトウェアリビジョン識別子に応答して、上記メモリからのツールのデータを使用して、上記第2のツールの動きを命令する、項目1に記載のロボットシステム。
(項目9)
上記複数のツールのうちの少なくともいくつかは、レガシーツールを備え、上記追加ツールは、対応するツール命令データが上記レガシーツールに格納されていないツール命令データを有する、項目1に記載のロボットシステム。
(項目10)
上記プロセッサは、上記追加ツールのデータのインジケータに応答して、上記追加ツールのデータを使用する、項目1に記載のロボットシステム。
(項目11)
上記プロセッサに接続されており、入力動作を受ける入力装置をさらに備え、上記プロセッサは、上記ロボットシステムがマスタスレーブロボットシステムを備えるように、上記入力された動きに対応する上記ツールホルダによって受けるツールの出力動作を生じさせる、項目1に記載のロボットシステム。
(項目12)
第1の設定時間は、上記メモリからの上記ツールのデータを使用して動きを命令するための上記プロセッサの設定に対応し、第2の設定時間は、上記装着ツールからダウンロードされた追加ツールのデータを使用して動きを命令するための上記プロセッサの設定に対応し、上記第2の設定時間は、上記第1の設定時間より長く、上記プロセッサは、上記第1のツールからの上記追加ツールのデータを上記メモリに格納し、そして上記第1の追加ツールおよび第2の追加ツールのうちの少なくとも1つの取り外しおよび以降の再取り付けのために格納された追加データを使用することによって、累積設定時間を制限するように構成される、項目1に記載のロボットシステム。
(項目13)
医療機器システムであって、
各機器が組織治療提供面およびインターフェースを有する複数の医療機器と、
上記機器のインターフェースと逐次的に接続可能なインターフェースを有するプロセッサであって、コードまたはデータを格納するメモリを有し、上記格納されたコードまたはデータを使用して上記機器の上記組織治療提供面によって提供される治療を制御するプロセッサと、
第1の追加機器であって、組織治療提供面と、機器メモリと、追加機器のインターフェースが上記プロセッサのインターフェースに接続されたときに、上記機器メモリと上記プロセッサとの間に通信を提供するように、上記機器メモリに接続されるインターフェースとを有し、上記プロセッサは、上記プロセッサの上記メモリの上記機器メモリからの最新のコードまたはデータを格納するように構成される、第1の追加機器と、
組織治療提供面およびインターフェースを有する第2の追加機器であって、上記プロセッサは、上記第1の追加機器の上記機器メモリと通信する最新のコードまたはデータを使用して、上記第2の追加機器の上記組織治療提供面によって提供される治療を制御する、第2の追加機器と
を備える医療機器システム。
(項目14)
上記複数の医療機器は、複数のタイプの医療機器を備え、各医療機器は、上記インターフェースに接続される機器メモリを有し、上記機器メモリは、タイプ識別子を格納し、機器タイプのそれぞれは、関連する機器タイプを有し、上記プロセッサは、上記接続された機器の上記タイプ識別子に応答して、関連する機器データを使用して、上記プロセッサに接続された機器の組織治療面を介して治療を命令し、上記第2の追加機器は、上記第1の追加機器と同じタイプ識別子を有する、項目13に記載の医療機器。
(項目15)
ロボットを使用した方法であって、
ロボットアームに異なるタイプの複数のロボットツールを逐次的に装着するステップと、
装着された上記ロボットツールのタイプに関連するデータまたはコードを使用して、逐次的に装着されたロボットツールのそれぞれの動きをプロセッサによって命令するステップであって、上記複数のツールのための上記データまたはコードは、上記プロセッサのメモリに格納される、ステップと、
第1の追加ロボットツールをロボットアームに装着するステップと、
上記第1のツールのメモリから上記プロセッサに最新のツールのデータまたはコードを送信するステップと、
上記最新のツールのデータまたはコードを使用して、上記ロボットアームの動きを上記プロセッサによって命令するステップと
を含む、ロボットを使用した方法。
(項目16)
上記ツールは、複数の異なる外科用エンドエフェクタを有する外科用ロボットツールを備え、上記外科用エンドエフェクタの動きは、外科的処置を行うように外科医が入力装置を動かすことによって命令され、上記ロボットアームおよび入力装置は、マスタスレーブ型外科用ロボットシステムの構成要素である、項目15に記載のロボットを使用した方法。
(項目17)
第1の設定時間は、上記メモリからの上記ツールのデータを使用して動きを命令するための上記プロセッサの設定に対応し、第2の設定時間は、装着ツールからダウンロードされた追加ツールのデータを使用して動きを命令するための上記プロセッサの設定に対応し、上記第2の設定時間は、上記第1の設定時間より長く、上記ロボットアームから上記第1の追加ツールを取り外し、第2の追加ツールを上記ロボットアームに装着するステップをさらに含み、上記第1の追加ツールと上記第2の追加ツールとが同じツールタイプを有し、上記プロセッサは、上記プロセッサの上記メモリに上記第1の追加ツールからの上記追加ツールのデータを格納し、上記プロセッサは、上記プロセッサの上記メモリからの記追加ツールのデータを使用して、上記第2の追加ツールの動きを命令する、項目15に記載のロボットを使用した方法。
(項目18)
上記メモリの最新のリストに上記追加ツールのデータを格納するステップをさらに含み、上記最新のリストは、複数の追加ツールのタイプに関連するデータを有し、上記メモリは、上記複数のツールのタイプに関するデータの元のリストも有する、項目17に記載のロボットを使用した方法。
(項目19)
上記ツールのデータの有効なリビジョンが行えるように、装着ツール識別子が上記最新のリストおよび上記元のリストの両方に含まれる場合に、上記元のリストの上記ツールのデータよりも上記最新のリストの上記追加ツールのデータを優先的に取り扱うステップをさらに含む、項目18に記載のロボットを使用した方法。
(項目20)
上記プロセッサメモリの拒否ツールリストに含まれる拒否ツール識別子を有する、第2の追加ツールの使用を禁止するステップをさらに含む、項目15に記載のロボットを使用した方法。
(項目21)
上記プロセッサは、システム能力のデータを格納するメモリを備え、上記追加ツールのデータは、最小のシステム能力を備え、上記プロセッサは、上記システム能力のデータが上記第1の追加ツールの上記最小のシステム能力と互換であれば、上記第1の追加ツールの使用を禁止する、項目15に記載のロボットを使用した方法。
(項目22)
上記プロセッサの上記メモリは、ソフトウェアリビジョン識別子を格納し、第2のツールは、最大のソフトウェアリビジョンを含むツールのデータを有するツールメモリを有し、上記プロセッサは、上記第2のツールの最大のソフトウェアリビジョンよりも古い上記プロセッサの上記ソフトウェアリビジョン識別子に応答して、上記メモリからのツールのデータを使用して、上記第2のツールの動きを命令する、項目15に記載のロボットを使用した方法。
(項目23)
上記複数のツールのうちの少なくともいくつかは、レガシーツールを備え、上記方法は、上記アームに装着された各レガシーツールから上記プロセッサにツールタイプ識別子を送信するステップをさらに含み、上記プロセッサは、送信された上記ツールタイプ識別子を使用して、上記プロセッサメモリの関連するツールのデータを識別する、項目15に記載のロボットを使用した方法。
(項目24)
第1のロボットツールをロボットアームに装着するステップと、
第1のツールのデータを使用して、装着された上記第1のツールの動きをプロセッサによって命令するステップであって、上記第1のツールのデータは、上記第1のツールを装着する前に上記プロセッサのメモリに格納されるステップと、
第2のロボットツールを上記ロボットアームに装着するステップであって、上記第2のロボットツールは、上記第2のロボットツールに関連するデータを有するメモリを有するステップと、
上記第2のツールから上記プロセッサに上記第2のツールのデータを送信するステップと、
送信された上記第2のツールのデータを使用して、プロセッサによって装着された上記第2のツールの動きを命令するステップと
を含む、方法。
(項目25)
上記第2のツールのデータは、上記第2のツールを装着する前には上記プロセッサの上記メモリに格納されない、項目24に記載の方法。
(項目26)
第3のロボットツールを上記ロボットアームに装着するステップと、上記第3のロボットツールが、上記第2のツールの識別子に対応するツール識別子を有することを判断するステップと、送信された上記第2のツールのデータを使用して、装着された上記第3のツールの動きをプロセッサによって命令するステップとを有する、項目25に記載の方法。
(項目27)
上記第2のツールを装着する前に上記第3のツールを上記ロボットアームに装着するステップと、第3のツールのデータを使用して、上記第3のツールの動きを命令するステップとを有し、上記第2のツールが装着された後、上記第2のツールのデータは、上記ツール識別子を有するデータに対して、上記第3のツールのデータに優先する、項目26に記載の方法。
(項目28)
医療機器システムのリビジョン方法であって、
複数の医療機器をプロセッサに逐次的に接続するステップであって、各機器は、組織治療提供面およびインターフェースを有するステップと、
上記プロセッサのメモリに格納されたデータを使用して、逐次的に接続される機器の組織治療提供面によって提供される治療を制御するステップと、
第1の追加機器を上記プロセッサに接続するステップであって、上記第1の追加機器は、組織治療提供面および機器メモリを有するステップと、
上記追加機器のメモリからプロセッサに最新のデータを送信するステップと、
送信された上記最新のデータを上記プロセッサの上記メモリに格納するステップと、
格納された上記最新のデータを使用して、第2の追加ツールの組織治療提供面から提供される治療を制御するステップと
を含む、医療機器システムのリビジョン方法。
(項目29)
上記追加機器を上記プロセッサから分離させ、上記追加機器を上記プロセッサに再接続するステップと、上記追加機器の上記メモリからの最新のデータの繰り返しのダウンロードを回避するために、格納された上記最新のデータを使用して、再接続された上記追加機器によって提供される治療を制御するステップと、をさらに含む、項目28に記載の医療機器システム。
(項目30)
それぞれがプロセッサを有する複数のシステムを複数の顧客に提供するステップと、
それぞれが主要機能を実行するように、システムに接続可能な複数の周辺機器または限定使用の装置を上記顧客に割り当てるステップと、
上記装置が上記システムから分離された後に、上記主要機能の実行を変更するために、接続された上記装置のメモリからの上記プロセッサのプログラミングコードまたはデータを更新するステップと
を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1A図1Aおよび図1Bは、それぞれ外科的処置を入力するための主外科医コンソール、および手術部位においてロボット動作で外科用機器を動かすための患者側のロボットカートを示す斜視図である。
図1B図1Aおよび図1Bは、それぞれ外科的処置を入力するための主外科医コンソール、および手術部位においてロボット動作で外科用機器を動かすための患者側のロボットカートを示す斜視図である。
図2図2は、図1Aの主制御ステーションとともに使用する例示的な入力装置を示す側面図である。
図3図3は、メモリおよびデータインターフェースを有する例示的なロボット手術用機器またはツールの斜視図である。
図4図4は、図2の入力装置の動きに応答して、図3のツールのエンドエフェクタの動きを生じさせる、最小侵襲的外科用ロボット装置の制御システムによる制御ステップを示すブロック図である。
図5図5は、本発明の原理による、ロボット手術システムの構成要素を概略的に示す機能ブロック図である。
図6図6Aおよび図6Bは、それぞれ図5のシステムで使用するロボット手術用ツールに格納されたときの、追加または「新しい」ツールのデータ、およびレガシーツールのデータを概略的に示す。
図7図7は、図5のシステムで使用する方法を組み込んだソフトウェアのプログラムを示すフローチャートであり、ツールまたは外科用機器は、ロボット手術システムのソフトウェアの更新に使用することができる。
図8図8は、図5のシステムを使用するために、別の方法を取り入れたソフトウェアのプログラムを示すフローチャートである。
図8-1】図8A図8Fは、異なるタイプのツールのための様々な異なるエンドエフェクタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、概してロボットおよび/または医療機器システム、装置、および方法を提供する。本発明は、ロボットおよび医療機器用プロセッサのための再構成可能な制御システムの更新に特に有用であり、様々な機器またはツールとともに使用するようにプログラムされたプロセッサを有するシステムにおいて、しばしば更新を行うことができる。新しい機器またはツールを有するメモリを含むことによって、また、機器またはツールとシステムプロセッサとの間の接続処理におけるデータインターフェースを含むことによって、機器またはツールをソフトウエアの更新を配布する機構として使用することが可能である。これによって、システムのメーカーは、設置された機器をサポート要員が個人的に出張することなく、また、インターネットのような電気通信リンクに完全に依存することなく、米国内および/または世界中の顧客に販売されるロボットまたは医療機器のソフトウェアの能力を増強することができる。
【0034】
本発明のための最新のアプリケーションには、ロボット手術システムが挙げられるが、本願明細書に記述される本発明はまた、他のロボットシステムにおけるアプリケーションも見出すことが可能である。本発明は、マスタスレーブの遠隔ロボットシステムに加えて、より従来型の自立型産業用ロボットなどにおけるアプリケーションを見出すことが可能である。本発明はまた、特に、再プログラム可能なプロセッサおよび使い捨てまたは他の限定使用の治療プローブを有する、他の医療機器システムで使用するための好都合なアプリケーションを見出すことが可能である。本発明は、インクジェット式(または他の)印刷カートリッジなどを使用するプリンタまたはコンピュータの更新を含めた、いくつかの他の主要な目的を有する周辺機器または使い捨ての構成要素を使用して、プログラミングを更新できるようにする計算および電気通信システムにおけるアプリケーションを見出すことが可能である。
【0035】
システムソフトウェアの再プログラムに使用するツールまたは機器は、「最新の」ツールまたは機器、「追加」ツールまたは機器、および/または「新しい」ツールまたは機器と称されることがある。本願明細書で使用されるように、「ツール」という用語は、ロボットシステムに接続するためのロボットエンドエフェクタを有するロボットツールを包含する。「機器」という用語は、(グラスパ、外科用メス、電気外科的プローブ、超音波プローブ、などの形態の外科用エンドエフェクタのような)治療面を有するものを含む医療機器を包含する。例示的な実施態様において、ロボット手術システムは、エンドエフェクタアセンブリツールおよび機器の両方となるように、ロボットアームによって支持されるあらゆる一連の着脱可能および交換可能なエンドエフェクタを使用する。非外科的アプリケーションで使用されるロボットの実施態様では、エンドエフェクタアセンブリは、医療機器ではないロボットツールを備えることが可能である。同様に、ロボットではない医療機器の実施態様では、治療面を有する機器のアセンブリを折れ曲がり可能なロボットツールとする必要はない。それでもなお、当業者は、医療用ではないロボットシステムおよびロボットではない医療機器システムが、本願明細書に記述される多くの構成要素、プログラミング、および情報のやりとりを含むことが可能であることを理解されたい。
【0036】
本願明細書に記述されるデータ、プログラム可能なソフトウェア、プログラムの方法ステップ、および方法ステップは、機械可読コードに取り入れることが可能であり、また、有形の媒体として、ランダムアクセスメモリ、不揮発性メモリ、追記型メモリ、磁気記録媒体、光記録媒体、などを含む様々な異なる形態に格納することが可能である。したがって、「コード」という用語は、プログラミング命令およびデータを包含することができる。ソフトウェアに加えて、少なくともいくつかのプログラミングおよびデータは、ハードウェアまたはファームウェアの形態で取り入れることが可能である。「追加データ」という用語は、新しいパラメータなどとともに、更新された、修正された、または異なるパラメータあるいは他の情報を包含する。
【0037】
図1Aを参照する。最小侵襲的遠隔手術システムのオペレータワークステーション、すなわち外科医のコンソールを、通常は参照番号200で示す。ワークステーション200は、使用中に手術部位の画像が表示される、ビューア202を含む。支持ツール4は、オペレータ(一般的に外科医)が2つの主制御装置(図2を参照のこと)をそれぞれの手に1つずつ握持しながら、前腕を置くことができるように備えられる。主制御装置、すなわち入力装置は、空間206の内部で支持体204の向こう側に配置される。制御ワークステーション200を使用する場合、外科医は、一般的に制御ステーションの前の椅子に座り、ビューア202の前で目の位置を定めて、前腕を支持体204に置いた状態で主制御装置をそれぞれの手に1つずつ握持する。
【0038】
図1Bにおいて、遠隔手術システムのカート、すなわち外科用ステーションを、通常は参照番号300で示す。使用時に、カート300は、手術を行う患者の近くに配置され、カートのベースは、外科的処置が完了するまで固定位置に保持される。カート300は、移動できるように一般的に車輪またはキャスタを有する。ワークステーション200は、一般的にカート300からある程度離して配置されるが、状況に応じて、手術室内で数フィート離されることもある。なお、別様には、カート300とワークステーション200をかなり離すことも可能である。
【0039】
カート300は、一般的に3つのロボットアームアセンブリを担持する。参照番号302で示されるロボットアームアセンブリのうちの1つは、例えば内視鏡などの画像キャプチャ装置304を保持するように構成される。2つの別のアームアセンブリ10のそれぞれは、外科用機器14を備える。内視鏡304は、細長いシャフトの遠位端に観察端部306を有する。内視鏡304は、観察端部306が入口を通って患者の体内の手術部位に挿入できるように、細長いシャフトを有する。内視鏡304は、観察端部306で取り込んだ画像をビューアに表示するために、ビューア202に動作可能に接続される。各ロボットアームアセンブリ10は、通常は主制御装置のうちの1つに動作可能に接続される。したがって、ロボットアームアセンブリ10の動きは、主制御装置の操作によって制御される。ロボットアームアセンブリ10の機器14は、手首部分に装着されるエンドエフェクタを有し、それらはまた、機器14の細長いシャフトの遠位端に枢動可能に装着される。機器14は、エンドエフェクタも入口を通って患者の体内の手術部位に挿入できるように、細長いシャフトを有する。機器14のシャフトの端部に関連するエンドエフェクタの動きもまた、主制御装置によって制御される。
【0040】
ロボットアーム10および302は、キャリッジ97上にセットアップジョイントリンケージ95によって装着される。キャリッジ97は、矢印Kで示されるように、カート300のベース99対する高さを変化させるために、選択的に調整することができる。セットアップジョイントリンケージ95は、ロボットアーム10および302の水平位置および方向を、垂直方向に延在するカート300のコラム93に対して変化させられるように構成される。それに応じて、機器14の細長いシャフトおよび内視鏡304が入口を通って手術部位に関連する所望の位置に通りやすくなるように、アーム10および302の位置、方向、および高さを調整することができる。外科用機器14および内視鏡304をそのように配置したときに、セットアップジョイントアーム95およびキャリッジ97は、一般的に所定の位置に固定される。ワークステーション200およびカート300は、米国特許第6,424,885号に詳述されており、その開示は参照することによりその全体が組み込まれる。
【0041】
例示的な入力装置220および外科用機器14を、図2および3にそれぞれ示す。入力装置220は、ワークステーション200の構造に対して、入力ハンドル226を位置的および方向的に動かすことができるアーム222および手首224を備える(図1Aを参照のこと)。ハンドル226は、一般的にワークステーション構造に対して複数の自由度で移動するが、例示的な入力装置220では、ハンドル226の動きに6自由度を提供する。ハンドルを支持するリンケージは、6程度の自由度を備えることが可能である。
【0042】
図3を参照する。外科用機器14は、一般的にハウジング53に関連する細長いシャフト14.1によって支持される、外科用エンドエフェクタ50を備える。エンドエフェクタ50は、体内の外科的作業空間でのエンドエフェクタの方向合わせを容易にするように、シャフトに関連する遠位ジョイントまたは手首によって支持することが可能である。近位ハウジング53は、一般的にロボットアームのホルダで支持されるように構成される。
【0043】
米国特許第6,331,181号に詳述されるように、機器14は、しばしばメモリ230を有し、該メモリは、一般的にハウジング53のホルダ係合面232のデータインターフェースに電気的に接続され、その開示は参照することによりその全体が組み込まれる。これによって、メモリ232とワークステーション200のロボット手術用プロセッサとの間の通信が行える。より詳しくは、図1A乃至4を参照することで理解できよう。図1Aに示されるワークステーション200は、一般的にプロセッサ210を備える。プロセッサ210は、入力ハンドル226の動きに応答して、ロボットアーム10に装着された外科用作動部14に対応する動きを生じさせる。
【0044】
例示的な実施態様において、プロセッサ210は、制御ロジック212を取り入れたソフトウェアを備える(概略的に図4に示す)。この制御ロジックは、機器シャフト14.1を最小侵襲的挿入位置の周囲を旋回させることによって、体内の手術部位のエンドエフェクタ50の動きを生じさせる。プロセッサ210によって用いられる制御ロジック212は、入力ハンドルの動きに応じてモーター駆動信号を生成する。これらのモーター駆動信号はロボットアームに送信され、入力ハンドルでの動きに対応するエンドエフェクタでの動きを生じさせる。これは、米国特許第6,424,885号に詳述されており、すでにその開示は参照することにより組み込まれている。図4に示される制御ロジック図を参照して理解できるように、ロボットアーム10および外科用機器14の両方のジョイントの運動は、制御器においてシミュレートされる。
【0045】
様々なタイプのロボット手術用機器が、特許文献に開示されている。これらの異なるタイプのロボットのツールは、外科医が異なる作業を行えるように、しばしばロボットによる処置中に取り外し、および交換が行われる。例えば、シザー構造体は、取り外して電気メスと交換することが可能である。このような異なるタイプのツールは、ジョイント軸間の距離が異なるような、異なるジオメトリの手首または他のツールジョイントを有することが可能である。異なるタイプのツールはまた、各軸における異なる可動域、異なるジョイントの位置または単独性、および/またはジョイントジオメトリにおける他の差異も有する場合がある。それらは、図8A乃至8Fを参照することによって理解できよう。加えて、2つの異なる外科用機器のエンドエフェクタ構造は、しばしば異なる強度、異なる慣性、それらの軸における動きと関連する駆動要素との間の異なる有効なギア比、などを有することがある。異なるタイプのツール間の更なる差異には、電気外科的機能の有無、ツールの耐用年数、エンドエフェクタ要素を交換する能力、などが挙げられる。プロセッサ210のロジック212は、現在ロボットアーム10に装着されているツールタイプをプロセッサで利用できるようにさせる場合に、これらの異なるツールの運動および特性に対応することができる。
【0046】
図5を参照する。ロボット手術システム500は、ロボットツール506を動かすために、スレーブロボットアーム504に接続される主制御器502を備えるものとして、概略的に示す。ツール506は、ロボットアーム504のツールホルダ508によって保持される。ツール506をホルダ508から取り外して、代わりに複数のツールの中から選択したツールをロボットアームに係合させることによって、逐次的にツール506を交換すれば、複数の代替ツール510を利用することが可能である。制御器のプロセッサ508のロジックが、スレーブ504、ホルダ508に現在接続されているツールを調整できるように、装着されたツールからのデータは、ホルダを介してスレーブおよびプロセッサ502に送信される。送信されたツールデータは、一般的にツールタイプ識別子を含む。
【0047】
複数のツール510には、「既知の」または「レガシー」ツール512、および、「新しい」または「追加」ツール514、の2つの異なるグループを含むことが可能である。既知のツール512は、主制御器プロセッサ502がプログラムされたとき、プロセッサ502にダウンロードされた最後のソフトウェアリビジョンが書き込まれたとき、などに開発されて既知であるツールタイプを含むことが可能である。既知のツール512には、プロセッサ502のメモリ516含まれるツールタイプ識別子(ツール固有の識別子(Tool Unique Identifiers;TUID)と称することもある)を有するツールを含む。いくつかの実施形態では、プラグアンドプレイまたはシステム更新ツールおよび非プラグアンドプレイツールの両方を平行して供給することが望ましい場合がある。これは、本願明細書に開示される多くの機能を可能にしながら、ツールの平均コストを抑えることが可能である。
【0048】
好都合に、既知のツール(ツールタイプ110など)がスレーブロボットアーム504に装着された場合、ツールホルダ508を介したマスタコントローラ502へのツールタイプ識別子(TUID110)の送信は、主制御器プロセッサがそのソフトウェアを、スレーブ、機器、および、エンドエフェクタの動きを適切に制御するように再構成するための十分な情報を主制御器プロセッサに提供する。より詳しくは、ツールタイプ識別子は、プロセッサ502が、プロセッサメモリ516の元のリスト518からツールの運動データを調べるには十分である。これは、外科医によるロボットツールの使用を遅延させずに非常に迅速に行うことができる。
【0049】
対照的に、新しいツール514は、エンドエフェクタ、駆動システム、ツール強度、または、プロセッサ502のプログラミングにより開発または修正された他のツール特性を含むことが可能である。当該の新しいツールタイプ(ツールTUID306など)をプロセッサ502によって制御できるように、プロセッサは、所望のツールの運動データをプロセッサのメモリ516で利用できないツールタイプ識別子から判断することが可能である。プロセッサは、次いでホルダ508(またはいくつかの代替データインターフェース)を介して、所望のツールの運動情報をダウンロードし、この新しい情報をプロセッサメモリ516の最新のリスト520に格納する。これによって、事実上プロセッサを、新しいツールに対応するように再プログラムすることができる。
【0050】
ツールメモリ230に含まれる新しいツールタイプの情報を、図6Aに概略的に示す。既知のツールのメモリに常駐するレガシーツールのデータ232を、図6Bに概略的に示す。本願明細書で使用されるように、「プラグアンドプレイ」およびそのイニシャル「PNP」という用語は、ツールまたは機器のメモリからシステムのプログラミングを更新する、ロボットまたは医療用機器および/またはシステムの機能を包含する。
【0051】
例示的な実施態様において、レガシーツールのデータ232は、機器14のメモリ230に取り入れることが可能であり(図3および6Bを参照のこと)、例示的なメモリは、ダラス(Dallas)部品DS2505を備える。機器のメモリを機器インターフェースに接続する回路、および該機器インターフェースに関する詳細は、米国特許第6,331,181号に見出すことができる。代替となる機器、回路、およびインターフェースも公知であり、COMPUTER MOTION社(Santa Barbara、Calif)が以前に商業化したZeusTMロボット手術システムで使用されるものを含む。
【0052】
例示的なレガシーツールのデータは、ツールタイプ識別子のデータとともに特定のツールの識別に使用することができるツール識別子を有する、レガシー情報を含む。一意のダラス(Dallas)チップの番号はツール識別子として使用することが可能であり、このツール識別子によって、複数の異なるロボットアームおよび/またはロボットシステムでの多数の異なる外科的処置を通して、寿命を超えた特定のツールの使用を追跡することができる。全てのレガシーツールを通して一貫するレガシー情報の一部分は、ロボットシステム500が、レガシーツールは追加ツールのデータを含まないことを判断できるように、「負のPNPフラグ」として使用することが可能である。
【0053】
図6Aを参照する。追加の、すなわちPNPツールのデータ230は、図6Bのレガシーデータ232のものと類似したレガシー情報を含む。これは、逆互換性、およびプラグアンドプレイ機能を持たないシステム500での新しいツールの使用を容易にする。しかし、新しいツールデータ230のレガシー情報は、PNPフラグを含む。これによって、プラグアンドプレイ機能を有するシステムは、新しいツールが追加ツールの情報を含むことを識別すること、およびその情報を使用することができる。
【0054】
レガシー情報とともに、新しいツールのデータ230は、概して、システム500が、外科的処置における新しいツールの動きを安全かつ有効に命令するのに十分なツールのパラメータのリストを有する、ツールの最新の情報234を含む。複数のツールのパラメータをリストすることが可能であり、リストにはしばしば10以上のパラメータ、および状況に応じて100以上、またはさらに1000以上のパラメータが含まれる。例示的な実施態様において、新しいツールのデータ230は、2K、8K、または64K以上のデータを有することが可能であり、追加ツールのデータ230が格納される例示的なメモリは、DALLAS SEMICONDUCTOR社の部品番号DS2505、DS2505V、またはDS2505SPを備える。
【0055】
レガシー情報およびツールの最新の情報234の両方に加えて、新しいツールのデータ230は、古いロボット手術システムに対して限定されたプラグアンドプレイ機能が許容されるように、限定されたPNP情報を含むことが可能である。この例示的な実施態様では、図8を参照して後述するが、情報は、これらのツールのパラメータがツールのメモリで反復されるように、全ての新しいツールデータに含まれる関連するツールのパラメータに対応する各パラメータを有する、限られた数のパラメータを含むことが可能である。古いロボット手術システムは、状況に応じて装着ツールでのみ使用するために、ツールからプロセッサ500のメモリ516に、限定されたPNPデータにリストされたあらゆるパラメータをダウンロードすることが可能である。
【0056】
図5を参照する。プロセッサ502のメモリ516は、磁気記録媒体、光記録媒体、RAM、ROM、などを含む様々な様々な代替となる有形の媒体にツールのデータを格納することが可能である。例示的な実施態様において、ツールデータは、少なくとも部分的に、NVRAM(最新のリスト用)に、およびフラッシュメモリ(元のリストおよび拒否リスト用)に格納することが可能である。ツールデータはまた、使用中に少なくとも部分的に、主制御器プロセッサ502のランダムアクセスメモリに格納することも可能である。同じツールタイプの最新のツールが、システムの異なるアームに装着される場合であっても、ツールが装着されている間にそのツールに対するシステムの動作が変更されることを回避するのに有効である。装着ツールが取り外され、再装着されると、システムは新しいデータを利用することが可能である。ツールの運動および強度の情報の使用については、米国特許第6,424,885号に詳述されており、すでにその開示は参照することにより組み込まれている。
【0057】
本願明細書で使用されるように、装着ツールが取り外され、複数のツール510の代替ツールのうちのいずれかと交換されたときに、システムプロセッサに接続されたままであるシステム500の有形の媒体にツールのデータが取り入れられる場合、ツールのデータはプロセッサ502の「メモリ」に格納される。したがって、ツールからダウンロードされ、磁気または光学記録媒体に記録されるか、EEPROMに取り入れられるか、またはプロセッサ502のRAMまたはプロセッサ502の他の任意の周辺記憶装置に一時的に格納されるデータは、プロセッサのメモリに格納されるものとみなされる。
【0058】
プロセッサ502は、一般的に、本発明の方法を行うために、機械可読のコードに取り入れられたプログラムステップを実行することができるソフトウェアおよび/またはハードウェアを備える。例示的な実施態様において、プロセッサ502は、制御器ワークステーション200のプロセッサ210を備えるが(図1Aを参照のこと)、メモリなどとともに、ANALOG DEVICES社から入手可能なSharcプロセッサ、MOTOROLLA社から入手可能なPower PCプロセッサを含む、複数の市販のプロセッサを有するボードを備えることが理想的である。例示的なプログラミングコードは、主に「C」プログラミング言語で書かれているが、他の様々な言語を使用することも可能である。プロセッサ502はまた、アーム10およびカート300、また、様々な分散処理装置のうちのいずれかにおけるローカル処理機能をしばしば有するホルダ508(図5および1Bを参照のこと)を備えた、ロボット手術システムの全体にわたって配信されるソフトウェアおよび/またはハードウェアを備える。本発明の方法および装置を使用するように構成することが可能な代替となるプロセッサアーキテクチャには、COMPUTER MOTION社が以前に商業化したZeusTMロボット手術システムのものが挙げられる。
【0059】
図7を参照する。本発明を取り入れた方法600は、ステップ602でツールがロードされるか、またはツールがロボットシステムのロボットアームに装着されたときに開始する。レガシー情報は、ツールのメモリからダウンロードされ、ステップ604で、ツールメモリがツール情報を更新したかどうかを判断できるようにする。最初にツールからダウンロードされたデータは、単なるレガシーデータではない。実際に、レガシー情報のみが利用可能である場合、最初にダウンロードした情報の残りはブランクである場合があり、そのツールがレガシーツールであるというインジケータとして使用することが可能である。この最初の情報のツールからシステムのプロセッサへのダウンロードは、ツールホルダまたはインターフェースを介して、ツールの機械的な係合を確立する動作中に行うことが可能であり、それによって、必ずしも外科的処置が遅延するとは限らない。ダウンロードされたレガシー情報は、システムが、ステップ606で、ツールタイプを識別するのにも十分である。例示的なシステムにおいて、ツールタイプ識別子は、レガシーデータの1つ以上のレガシーフィールドから計算される。代替システムは、単純にツールメモリからツールタイプ識別子を読み込むことが可能である。
【0060】
まず、装着ツールは、追加ツールのデータを含まないレガシーツールであると仮定する。プロセッサは、ステップ606で、ツールタイプの識別子を計算した後に、ステップ608で、そのツールが以前に更新されたタイプのものであるかどうかを(例えば、ロボットアームに装着されたものと同じタイプのプラグアンドプレイツールを予めロードすることによって)判断する。プロセッサは、プロセッサ502のメモリ516の最新のリスト520と比較することによって(図5を参照のこと)、ツールタイプのデータが、すでに更新されているかどうかを判断する。ツールタイプが最新のリストに実際に含まれている場合、プロセッサ502は、メモリ516にすでに常駐しているデータを使用して、ロボットアームおよび装着ツールの動きを制御することが可能であり、それによって、追加ツールのデータのダウンロードのために遅延させずに、ステップ610で装着機器をサポートする。機器のサポートは、例えば、ツールのツールタイプ識別子のためのメモリ516からのパラメトリックツールのデータを使用して、プロセッサのソフトウェアを再構成するステップを含むことが可能である。
【0061】
ツールタイプが最新のリストに含まれていない場合、次いでプロセッサ502は、ステップ612で、そのツールタイプ識別子が、プロセッサメモリ516の元のリスト518にすでに含まれているかどうかを判断することが可能である。そのツール識別子が元のリスト518に含まれている場合、プロセッサは、ツールから追加データをダウンロードすることなく、ステップ614で、装着機器を再びサポートすることができる。特に、プロセッサ502は、ツールがロボットアームに装着されたときに、ツールのメモリ516に再び常駐する、元のリストのツールのパラメトリック情報を使用して再構成される。したがって、再ダウンロードによる遅延を回避することができる。
【0062】
プロセッサ502は、既存のツールタイプ(既知のツールのツール識別子を有する)のツールを割り当てることによって、ツールのパラメトリック情報が有効に修正されるように、元のリストよりも最新のリストを優先する。例えば、既知のツールタイプを見つけて、以前のインフェクタトルク(infector torque)の強さが減じられたかどうかをより確実に行う場合は、これによって、これらの既存のツールがどのくらい現場で使用されているかを更新することができる。状況に応じて、メーカーは、単一のツール(または同時に2つのツール)が、更新の前後で異なった反応をしたり、プラグアンドプレイツールがシステムで使用されることを回避するために、以前に販売されたツールのツールタイプを更新しないようにすることが可能である。ステップ604で、装着ツールはプラグアンドプレイ機能を持たないと、上記仮定したように、機器をサポートするための所望のツールのパラメトリック情報がプロセッサメモリ516において(元のリスト518、または更新リスト520でも)入手できない場合、システムは、十分なツールのデータを持たないツールの動きを制御しようとすることを回避するように、ステップ616で、装着ツールを拒否することが可能である。その機器はプラグアンドプレイができないと仮定したフローチャートに沿って、プロセッサ502は、元のリスト518のツール識別子を確認する前に、まず最新のリスト520のツール情報を確認することに留意されたい。
【0063】
上記の説明は、ステップ604で、装着ツールはプラグアンドプレイ機能を持たない、すなわち、装着ツールがレガシーツールであると仮定した。この代わりに、ステップ602でロボットアームに装着されたツールは、システムプロセッサの更新に使用することが可能な追加ツールのデータを有すると仮定すると、システムプロセッサは、ステップ604で、ツールからダウンロードしたレガシーデータによって、そのツールがプラグアンドプレイ機能を持つと判断することが可能である。この追加ツールの情報がツールのメモリに存在するにもかかわらず、ツール交換中の遅延を制限するように、一部または全ての追加ツールのデータのダウンロードを回避することに好都合となりうる。方法600において、プロセッサは、装着されたプラグアンドプレイ機能を持つツールが拒否リスト618に含まれるかどうかを判断する。拒否ツールには、例えば、ロボットシステムでサポートされていないタイプのツール、どのロボットシステムでもすでにサポートされなくなったタイプのツール、または割り当てた後に使用に適さないものと判断された特定のツール、が含まれる。したがって、ツールの拒否は、ツールタイプ識別子または特定のツール識別子とプロセッサ502のメモリ516の拒否リスト522との比較に基づくことが可能である。拒否リスト522に含まれるあらゆるツールまたはツールタイプは、システムが状況に応じてシステムのオペレータおよび/または外科医に表示すること、システムがツールの動きまたは患者へのツールエンドエフェクタの挿入を禁止すること、などによって、ステップ620で拒否される。
【0064】
ロードされたプラグアンドプレイツールが拒否リストにない場合、プロセッサ502は、ステップ622で、プロセッサ502のシステムソフトウェアがツールのメモリよりも新しいかどうかを判断することが可能である。これは、新しいツールが最初に割り当ての準備ができたときに、ツールのメモリに最新のシステムプロセッサのソフトウェアリビジョンを格納することによって行うことが可能である。以降のあらゆるソフトウェアは、プロセッサメモリの元のリストにこの新しいツールのデータを含むことになるので、ツールのメモリに格納されたシステムのリビジョン情報よりも新しい、あらゆるシステムソフトウェアのリビジョンは、ツールのメモリに格納された追加ツールのデータを利用する必要がない。事実上、これは、ツールのメモリおよびツールのプラグアンドプレイ機能にもかかわらず、そのツールが既知のツール512のように扱われ、追加ツールのデータが不用であることを意味する。方法600において、プロセッサが、ツールメモリの追加ツールのデータが、ステップ622で不要であると判断した場合、そのツールは、プラグアンドプレイ機能のないツールとして扱われる。以降のシステムソフトウェアのリビジョンに含まれるツールのパラメトリック情報は、そのツール自体に格納された追加ツールのデータとは異なる(およびそれよりも新しい)ものとなりうるので、追加ツールの情報のダウンロードにおける遅延、およびツール自体からの不要なツール情報の使用が回避される。
【0065】
プロセッサのソフトウェアのリビジョンが、ツールのメモリの追加ツールのデータの日付を超過していない場合、次いでプロセッサは、システムがステップ624においてそのツールを使用するのに十分な能力を有するかどうかを確認する。いくつかの実施態様では、これは、プロセッサの現在のソフトウェアのリビジョンがツールのメモリに指定される最小のソフトウェアのリビジョン以上であるかどうかを判断する。そうでない場合、ツールは、例えばシステムプロセッサが現在使用できないソフトウェアのサブルーチンを有するシステムによってのみ使用されるように構成されている場合がある。
【0066】
追加ツールのデータは、パラメータのリンク長さ、パラメータの最大トルク情報、パラメータの可動域情報、などのようなパラメトリックデータをしばしば備える。動きのタイプが全く新しいアセンブリが新しいツールに含まれる場合、新しいサブルーチンがなければ、プロセッサのソフトウェアの当該のパラメータの更新は、不十分となりうる。当該の新しいサブルーチンをツールのメモリへのロードが可能である一方で、パラメトリックデータに対する追加ツールのデータの制限は、ダウンロードの時間を制限し、それによってツール交換を遅延させる。
【0067】
他の実施態様では、ステップ624で、システムは、ツールのメモリからの最小システム能力の情報とロボットシステム502の実際のシステムの情報の比較に基づき、システムのハードウェア能力がツールのサポートに十分であるかどうかを判断する。例えば、超音波外科用ツールを超音波駆動装置を有するロボットアームに装着しようとする場合、ツールとシステム能力との不適合性は、ステップ624において判断することが可能である。搭載ツールがシステム能力に適合しないことが見出された場合、方法600は、そのツールのタイプが最新のリストまたは元のリストのいずれかに含まれるかどうかを判断し(場合により、ツールのメモリにおける不適合な情報が無効であることを示す)、ツールのタイプが上記のいずれにもリストされていない場合は、搭載ツールはステップ616において拒否される。
【0068】
システムのプロセッサが、現在のソフトウェアのリビジョンはツールのメモリの情報よりも新しくないと判断し、システムが、ツールの適正な使用に必要な全ての能力有すると仮定すると、次いでプロセッサは、搭載ツールのタイプが、ステップ626においてすでに最新のリストに含まれているかどうかを判断する。ツールのタイプがプロセッサメモリ516の最新のリスト520にある場合、プロセッサは、この既存の追加ツールのデータをそのメモリで使用して、そのツール自体から追加ツールのデータをダウンロードするために遅延させずに、ステップ610で、機器をサポートすることができる。プロセッサメモリの最新のリストは、ツールの追加ツールのデータと同じ追加ツールのデータを含むか、またはプラグアンドプレイ機能を有する同じタイプのその後に割り当てられるツールからの、より新しい追加ツールのデータを含むことが可能であることに留意されたい。
【0069】
最新のリストが、ロードしたツールのタイプを含まない場合、またはロードしたツールのデータが、そのツールのタイプのための最新のリストのデータよりも新しい場合、システムプロセッサは、ステップ628において、元のリスト518が、ツールメモリからの追加ツールのデータよりも新しい(または同じく最新)であるデータを含むかどうかの確認を始める。元のリストが、少なくともツールメモリからの追加ツールのデータと同じく最新であるツールのタイプの情報を含む場合、システムは、元のリストのデータを使用して搭載ツールをサポートする。現在の追加ツールの情報が、最新のリストまたは元のリストのいずれかですでに利用可能である場合、システムプロセッサは、ステップ630で、最新のリストへの追加ツールのデータのダウンロードを命令する。
【0070】
例示的な実施態様において、プロセッサ502のメモリに常駐するツールのデータを使用することが、異なるツールのタイプにツール交換するためにプロセッサを再構成する最速の方法である。ツールのメモリからの追加ツールのデータのダウンロードでは、一般的に、1秒以上の遅延を伴い、いくつかの実施態様では10秒以上の遅延を伴い、また少なくとも1つの実施態様では、プロセッサのメモリにすでに格納されている情報を使用する場合と比較して、(システムの状態に依存するが)約14秒の遅延を伴う。装着ツールの動きは、ANALOG DEVICES社(Massachusetts)が販売するSharcTMプロセッサを6つ使用して命令するが、CTP(controller transformation processor;制御器変換プロセッサ)を使用することが理想的である。図7に示される方法600は、多くが管理者(Supervisor)コードのデータによって開始される方法によって、コード仲介者(Middleman)コードを使用して行われる。到着ツールから送られたデータは、状況に応じてスレーブのロボットアームの回路で前処理される。様々な特定の実現例は、本発明の範囲内で用いることが可能である。
【0071】
図8を参照する。いくつかのプロセッサは、方法600に関するあらゆる側面(またはその側面に必要な全てを有するシステムに取り入れられた)の全ての機能を含むというわけではない。簡略化したプラグアンドプレイの方法700では、ツールがロボットアームにロードされ、プロセッサが、ステップ704で、そのツールのタイプが既知のツールのリストに含まれるかどうかを判断できるように、ツールのメモリからシステムプロセッサへの少なくともいくつかのデータの送信が開始される。ツールタイプおよび/またはツール識別子が既知のリストに含まれている場合、およびステップ706でプラグアンドプレイ機能を持たないツールであるとされた場合、そのツールは、ステップ708で、システムプロセッサ708のデータを使用してサポートすることができる。
【0072】
プロセッサが、ステップ704で、そのツールが既知のリストには無いと判断した場合、プロセッサは、ステップ710でその機器を単純に拒否することが可能である。従って、本発明の方法は、必ずしも新しいツールのタイプを使用できるようにするために使用されるものではない。代わりに、システムプロセッサが、そのツールが既知のタイプであるがプラグアンドプレイ機能を持つと判断した場合、プロセッサは、追加ツールの情報の少なくとも一部分をダウンロードし、ダウンロードした情報を使用することによってそのツールをサポートして、ある条件に一致した場合に、ステップ712で、プロセッサを構成することが可能である。例示的なシステムでは、図6Aに示されるように、ツールデータ230の制限されたPNPパラメータをダウンロードする。プロセッサは、ステップ714で、ヘッダストリーム(制限されたPNPデータを含む)を確認することによって、ダウンロードしたデータの整合性が許容可能であることを確認することが可能である。プロセッサは、次いでステップ716で、プロセッサの現在のソフトウェアのリビジョンが、ダウンロードした追加ツールのデータごとに、そのツールと互換であることを確認することが可能である。ツールの整合性が不十分であるか、または現在のソフトウェアのリビジョンが互換ではない場合、そのツールは拒否される。データの整合性が許容可能であり、かつソフトウェアが互換である場合、ツールのメモリからダウンロードした追加ツールのデータは、そのツールの動きを命令するために使用される。
【0073】
簡略化したプラグアンドプレイの方法700では、ツールメモリに関する全ての利用可能な追加ツールの情報が、必ずしもダウンロードされる、および/またはシステムによって使用されるというわけではない。図6Aに関して上述したように、追加ツールの情報は、制限されたPNP情報230を含むことが可能である。例示的な実施態様において、制限されたPNP情報は、一連のパラメータを備える。システムが(全てまたは無いのではなく)制限されたラグアンドプレイ機能を有し、パラメータが制限されたPNPデータにリストされている場合、システムは、更新したパラメータを使用してプロセッサのソフトウェアを再構成することによって、(元のリストではなく)ツールの最新のデータからのパラメータを使用する。例示的な実施態様において、制限されたPNPデータは、ツール先端部長さ、グリップ開トルク、グリップ閉トルク、およびグリップ角度のためのパラメトリック値を有する。
【0074】
代替ツールのための様々な代替エンドエフェクタを、図8A乃至8Fに示す。ドベーキ(DEBAKEY)鉗子56i、マイクロ鉗子56ii、ポッツ(Potts)シザー56iii、およびクリップアプライヤ56ivを含むこれらの複数のエンドエフェクタは、一対のエンドエフェクタの顎板を画定するように、相対的に旋回する第1および第2のエンドエフェクタ56aおよび56bを備える。外科用メス56vおよび電気メスプローブ56viを含む他のエンドエフェクタは、単一のエンドエフェクタ要素を有する。
【0075】
ツールのデータは、状況に応じて、特定の装着ツールおよび/またはツールタイプの許容可能な使用に関する制限に相関させることが可能である。ツールおよび/またはツールタイプ識別子は、システムメモリの1つ以上のツール使用リストに格納することが可能であり、プロセッサは、ダウンロードしたツールまたはツールタイプ識別子に対する使用リストの比較に応答して、ツールの使用を変更または制限することが可能である。いくつかの実施形態では、ツール使用データは、ツールのメモリに格納することが可能である。いずれにせよ、ツールの使用規制は、ツールの訓練/デモのみ、エンジニアリングまたはプロトタイプ開発、臨床的な医療試験に制限することが可能であり、または人間の手術における使用を許容することが可能である。ツールの寿命は、これらの用途によって変化し、ツールの使用可能範囲は、ツール使用データを修正することによって変化しうる。ツールの規制は、許容されないツールを拒否すること、システムのディスプレイに示される赤色または他の適切なアイコン、などによって課される。
【0076】
明確に理解するために、また一例として例示的な実施態様を詳述したが、様々な変更、改作、および改良が行えることは、当業者に明らかであろう。例えば、例示的な実施態様は、ロボット手術用ツールの運動の変化などに関して記述されているが、別の実施態様では、既存の超音波システムを備えた最新の超音波撮像プローブ、RF切除システムを備えた代替の心臓切除カテーテル、または既存の産業用ロボットを備えた新しいロボットツールの使用を容易にすることが可能である。したがって、本発明の範囲は、添付の請求の範囲によってのみ限定される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図8-1】
【外国語明細書】