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特開2023-96025中心部が充填された菓子製品、コーティングされた製品、及び製造方法
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  • 特開-中心部が充填された菓子製品、コーティングされた製品、及び製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096025
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】中心部が充填された菓子製品、コーティングされた製品、及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23G 3/54 20060101AFI20230629BHJP
   A23G 3/34 20060101ALI20230629BHJP
   A23G 3/52 20060101ALI20230629BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20230629BHJP
【FI】
A23G3/54
A23G3/34 101
A23G3/52
A23G3/34 109
A23L5/00 F
A23L5/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023080733
(22)【出願日】2023-05-16
(62)【分割の表示】P 2021542095の分割
【原出願日】2019-10-17
(31)【優先権主張番号】62/751,141
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】508351303
【氏名又は名称】インターコンチネンタル グレート ブランズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヨルン ホルム ハンセン
(72)【発明者】
【氏名】アンナ ヴァシレヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】マクシ ツィア
(72)【発明者】
【氏名】アレクシス デタベルニア
(57)【要約】
【課題】中心部が充填された菓子製品、コーティングされた製品、及び製造方法の提供。
【解決手段】増強された風味放出プロファイル及び多感覚効果を示す、任意選択的にコーティングされた中心部が充填されたハード菓子製品を開示する。中心部が充填されたハード菓子製品は、発泡性組成物を含む中心部充填領域と、ハードボイルドキャンディを含む少なくとも1つのハード菓子シェル領域と、少なくともコーティング領域と、を含み、ハード菓子シェル領域、及び任意選択的に中心部充填領域、コーティング領域、又はこれらの組み合わせが、少なくとも1つの風味剤を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、複数の相、複数の構成成分、及び複数のテクスチャを有する、任意選択的にコーティングされた中心部が充填された菓子、並びにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードボイルドキャンディは、低含水量を含有する本質的に非晶質又は「ガラス状」形態の硬い固形菓子として知られている。糖をベースとしたハードボイルドキャンディは、砂糖、グルコースシロップ及び水の混合物を煮沸して、約3パーセントの含水量にすることによって作製される。無糖のハードボイルドキャンディは、糖ポリオールと水との混合物を、任意選択的に糖ポリオールシロップと煮沸することによって調製することができる。
【0003】
当該技術分野において、特有の風味放出プロファイル、複数の風味、複数のテクスチャ、及び従来のハードボイルドキャンディによって達成されない追加の属性を有するハードボイルドキャンディを提供する技術の必要性が依然として存在する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
以降、図を参照し、これらの図は、例示的実施形態であり、類似の要素に同様の番号がつけられている。
【0005】
図1】インビトロPTR-MS分析のセットアップ及び例示的な時間-強度曲線(風味化合物の強度m/zに対する秒単位の時間)を示す。
【0006】
図2】コーティングの溶解の前及び後の試料製品のコーティング領域、中心部充填領域、及びシェル領域から放出された風味化合物の正規化PTR-MS濃度を示す。
【0007】
図3】コーティングの溶解の前及び後、並びに中心部充填の溶媒への曝露の前及び後の試料製品のコーティング領域、中心部充填領域、及びシェル領域から放出された風味化合物の正規化PTR-MS濃度を示す。
【0008】
図4】中心部充填領域のない試料製品のコーティング領域及びシェル領域から放出された風味化合物の正規化PTR-MS濃度を示し、風味放出は、コーティングの溶解の前及び後、並びにシェルの中心が溶媒に曝露されることが予想される時点について報告されている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
概要
一実施形態では、中心部が充填されたハード菓子製品は、少なくとも1つの発泡性組成物を含む中心部充填領域と、ハードボイルドキャンディを含む少なくとも1つのハード菓子シェル領域と、ソフトパンニングコーティング(soft panned coating)を含む少な
くとも1つのコーティング領域と、を含み、ハード菓子シェル領域、及び任意選択的に中心部充填領域、コーティング領域、又はこれらの組み合わせが、少なくとも1つの風味剤を含む。
【0010】
別の実施形態では、中心部が充填されたハード菓子製品は、少なくとも1つの発泡性組成物を含む中心部充填領域と、ハードボイルドキャンディを含む少なくとも1つのハード菓子シェル領域と、ハードボイルドキャンディを除く少なくとも1つのコーティング領域と、を含み、ハード菓子シェル領域、及び任意選択的に中心部充填領域、コーティング領域、又はこれらの組み合わせが、少なくとも1つの風味剤を含み、中心部充填領域を溶媒に曝露すると、少なくともシェル領域の風味剤又はコーティング領域の風味剤が、風味放出の増加を呈し、風味放出は、中心部充填領域の曝露前のベースラインよりも少なくとも225%大きい。
【0011】
別の実施形態では、中心部が充填されたハード菓子製品を調製する方法は、ハード菓子組成物溶融物の中心部が充填されたロープを押出すことであって、ロープが、中心部充填組成物を含む、押出すことと、中心部が充填されたロープをサイズ決定することと、サイズ決定された中心部が充填されたロープを形成機構に供給することと、サイズ決定された中心部が充填されたロープの個々の小片を形成することと、個々の小片の表面の少なくとも一部分をコーティングして、コーティングされた中心部が充填されたハード菓子製品を形成することと、を含み、中心部が充填されたハード菓子製品は、少なくとも1つの発泡性組成物又は少なくとも1つの粉末若しくは微粒子組成物を含む中心部充填領域と、ハードボイルドキャンディを含む少なくとも1つのハード菓子シェル領域と、具体的にはソフトパンニングコーティングを含む、ハードボイルドキャンディを除く少なくとも1つのコーティング領域と、を含み、ハード菓子シェル領域、及び任意選択的に中心部が充填された領域、コーティング領域、又はこれらの組み合わせが、少なくとも1つの風味剤を含む。この実施形態では、少なくともシェル領域の風味剤又はコーティング領域の風味剤が、中心部充填領域を溶媒に曝露すると、風味放出の増加を呈し、風味放出は、中心部充填領域の曝露前のベースラインよりも少なくとも225%大きいか、あるいはこの実施形態では、少なくともシェル領域の風味剤又はコーティング領域の風味剤が、中心部充填領域を溶媒に曝露すると、風味放出の増加を呈し、中心部充填曝露前及び後の風味放出速度比が、コーティング領域又はハード菓子シェル領域に含有される風味剤について中心部充填組成物により少なくとも150%増加する。
【0012】
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
中心部が充填されたハード菓子製品であって、
少なくとも1つの発泡性組成物を含む中心部充填領域と、
ハードボイルドキャンディを含む少なくとも1つのハード菓子シェル領域と、
ソフトパンニングコーティング(soft panned coating)を含む少なくとも1つのコーティング領域と、を含み、
前記ハード菓子シェル領域、及び任意選択的に前記中心部充填領域、前記コーティング領域、又はこれらの組み合わせが、少なくとも1つの風味剤を含む、中心部が充填されたハード菓子製品。
(項目2)
中心部が充填されたハード菓子製品であって、
少なくとも1つの発泡性組成物を含む中心部充填領域と、
ハードボイルドキャンディを含む少なくとも1つのハード菓子シェル領域と、
ハードボイルドキャンディを除く少なくとも1つのコーティング領域と、を含み、
前記ハード菓子シェル領域、及び任意選択的に前記中心部充填領域、前記コーティング領域、又はこれらの組み合わせが、少なくとも1つの風味剤を含み、
前記中心部充填領域を溶媒に曝露すると、少なくとも前記シェル領域の風味剤又は前記コーティング領域の風味剤が、風味放出の増加を呈し、
前記風味放出が、中心部充填領域の曝露前のベースラインよりも少なくとも225%大きい、中心部が充填されたハード菓子製品。
(項目3)
中心部が充填されたハード菓子製品であって、
少なくとも1つの発泡性組成物を含む中心部充填領域と、
ハードボイルドキャンディを含む少なくとも1つのハード菓子シェル領域と、
ハードボイルドキャンディを除く少なくとも1つのコーティング領域と、を含み、
前記ハード菓子シェル領域、及び任意選択的に前記中心部充填領域、前記コーティング領域、又はこれらの組み合わせが、少なくとも1つの風味剤を含み、
前記中心部充填領域を溶媒に曝露すると、少なくとも前記シェル領域の風味剤又は前記コーティング領域の風味剤が、風味放出の増加を呈し、
前記中心部充填領域を溶媒に曝露すると、少なくとも前記シェル領域の風味剤又は前記コーティング領域の風味剤が、風味放出の増加を呈し、中心部充填曝露前及び後の風味放出速度比が、前記コーティング領域又はハード菓子シェル領域に含有される風味剤について前記中心部充填組成物により少なくとも150%増加する、中心部が充填されたハード菓子製品。
(項目4)
中心部が充填されたハード菓子製品であって、
少なくとも1つの粉末又は微粒子組成物を含む中心部充填領域と、
ハードボイルドキャンディを含む少なくとも1つのハード菓子シェル領域と、
ハードボイルドキャンディを除く少なくとも1つのコーティング領域と、を含み、
前記ハード菓子シェル領域、及び任意選択的に前記中心部充填領域、前記コーティング領域、又はこれらの組み合わせが、少なくとも1つの風味剤を含み、
前記中心部充填領域を溶媒に曝露すると、少なくとも前記シェル領域の風味剤又は前記コーティング領域の風味剤が、風味放出の増加を呈し、中心部充填曝露前及び後の風味放出速度比が、前記コーティング領域又はハード菓子シェル領域に含有される風味剤について、前記中心部充填組成物により少なくとも150%増加する、中心部が充填されたハード菓子製品。
(項目5)
前記中心部充填領域が、粉末組成物又は微粒子組成物を含む、項目1~4のいずれか一項に記載の菓子。
(項目6)
前記中心部充填領域が、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、ポリグリシトール、イソマルト、糖、グルコース、アルロース、タガトース、ラクトース、フルクトース、若しくはこれらの組み合わせ、植物又は果実粉末、粒子、若しくは脱水物を含む、項目1~5のいずれか一項に記載の菓子。
(項目7)
前記発泡性組成物が、食用酸、具体的にはクエン酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、又はこれらの組み合わせを含み、
発泡性組成物が、アルカリ、アルカリ土類金属、若しくは8族金属の炭酸塩若しくは重炭酸塩、具体的には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、若しくは鉄の炭酸塩若しくは重炭酸塩、又はこれらの組み合わせを含む、項目1~6のいずれか一項に記載の菓子。
(項目8)
前記中心部充填領域、ハード菓子シェル領域、及びコーティング領域が、負の溶解エンタルピーを有する糖ポリオールを含む、項目1~7のいずれか一項に記載の菓子。
(項目9)
前記ハード菓子シェル領域が、前記中心部充填領域を完全に取り囲む、項目1~8のいずれか一項に記載の菓子。
(項目10)
前記コーティング領域が、前記ハード菓子シェル領域を部分的に又は完全に取り囲む、項目1~9のいずれか一項に記載の菓子。
(項目11)
前記ハード菓子シェル領域が、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビオール配糖体、モンクフルーツ抽出物、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、ポリグリシトール、イソマルト、スクロース、ハチミツ、植物又はフルーツ系シロップ、ジュース、粉末若しくは濃縮物、グルコース、アルロース、キシロース、アラビノース、タガトース、ラクトース、フルクトース、ケストース、イソマルツロース、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、セロデキストリン、ラフィノース、マルトデキストリン、β-グルカン、オリゴデキストラン、ポリデキストロース、又はこれらの組み合わせを含む、項目1~10のいずれか一項に記載の菓子。
(項目12)
前記中心部充填領域又は前記コーティング領域が、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビオール配糖体、モンクフルーツ抽出物、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、ポリグリシトール、イソマルト、スクロース、グルコース、アルロース、キシロース、アラビノース、タガトース、ラクトース、フルクトース、ケストース、イソマルツロース、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、セロデキストリン、ラフィノース、マルトデキストリン、β-グルカン、オリゴデキストラン、ポリデキストロース、又はこれらの組み合わせを含む、項目1~11のいずれか一項に記載の菓子。
(項目13)
シェル領域の風味剤、コーティング領域の風味剤、又はこれらの組み合わせが、前記菓子製品と前記溶媒との接触中に前記中心部充填領域を曝露すると、溶媒又は前記溶媒の上の気相で測定したときに、風味放出速度の増加を呈す、項目1~12のいずれか一項に記載の菓子。
(項目14)
前記風味放出速度が、前記コーティング領域又はハード菓子シェル領域に含有される風味剤について、中心部充填曝露前よりも中心部充填曝露後に少なくとも225%大きい、項目13に記載の菓子。
(項目15)
中心部充填暴露前及び後の前記風味放出速度比が、前記コーティング領域又はハード菓子シェル領域に含有される風味剤について前記中心部充填組成物により少なくとも150%増加する、項目13に記載の菓子。
(項目16)
中心部が充填されたハード菓子製品を調製する方法であって、
ハード菓子組成物溶融物の中心部が充填されたロープを押出すことであって、前記ロープが中心部充填組成物を含む、押出すことと、
前記中心部が充填されたロープをサイズ決定することと、前記サイズ決定された中心部が充填されたロープを形成機構に供給することと、
前記サイズ決定された中心部が充填されたロープの個々の小片を形成することと、
前記個々の小片の表面の少なくとも一部分をコーティングして、項目1~15のいずれか一項に記載のコーティングされた中心部が充填されたハード菓子製品を形成することと、を含む方法。
上記及び他の特徴は、以下の図面及び詳細な説明により例示される。
詳細な説明
【0013】
少なくとも1つの発泡性組成物を含む中心部充填領域と、ハードボイルドキャンディを含む少なくとも1つのハード菓子シェル領域と、任意選択的に、ハードボイルドキャンディではない、少なくとも1つのコーティング領域と、を含む、水溶性で、任意選択的にコーティングされた中心部が充填されたハード菓子製品が、本明細書に開示される。中心部充填領域、ハード菓子シェル領域、コーティング領域、又はこれらの組み合わせのうちのいずれか1つは、風味剤を含む。中心部充填領域内の発泡性組成物を有する多層製品は、消費者に新規な多感覚経験を提供するように設計される。製品は、噛まれるのではなく消費者の口内で溶解されるように設計された単一の菓子形式で、風味、テクスチャ、及び/又は色変化を含む3つ以上の別個の多感覚経験を届けることができる。既知の菓子を超えるこのハード菓子製品の更なる利点としては、
発泡性組成物を含む中心部充填領域が、製品の周囲領域における風味化合物の風味放出速度を増加させることが示され、
1つの製品の領域間に(例えば、中心部充填領域内の粗いコーティング領域と微粒子状又は粉末発泡性組成物、対照的なテクスチャ及び外観が存在し、各々が、シェル領域のハードボイルドキャンディのガラス状マトリックスに対照的なテクスチャ及び外観を提供し、それによって、一連の対照的なテクスチャ及び外観を提供し、
不透明コーティングの使用は、コーティングされていない半透明のハードボイルドキャンディシェル領域に対して、微粒子状又は粉末状の中心部充填領域を隠すことができ、
少なくとも3つの領域は、各領域から風味の連続的に風味放出するための送達ビヒクルとして使用することができ、独特の風味経験を提供することができ、
柔らかく、したがって噛まれるコーティングされた粉末が充填されたチューインガム又はコーティングされた粉末が充填されたソフトキャンディとは異なり、ハード菓子シェル領域は、「噛むこと」に対しガラス状の硬いバリアを提供し、消費者の口内でゆっくりと溶解させ、
上記の各々が、単一の製品を消費する際に、拡張された一連の複数の風味、色、及びテクスチャ遷移を容易にする。
【0014】
一実施形態では、中心部充填領域は、粉末又は微粒子状発泡性組成物を含む。
【0015】
一実施形態では、ハード菓子シェル領域は、中心部充填領域を完全に取り囲む。
【0016】
一実施形態では、コーティング領域は、ハード菓子シェル領域を部分的に又は完全に取り囲む。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「ハード菓子組成物」は、水溶性であり、口内でゆっくりと溶解することによって消費されることを意味する、非晶質ハードキャンディ又はガラス状マトリックスとも呼ばれる食用のハードボイルドキャンディを意味する。ハードスイーツ又はボイルドスイーツとしても知られるハードボイルドキャンディは、炭水化物又は糖ポリオールシロップの広範囲な脱水によって得られる固体及び本質的に非晶質の菓子製品である。ハードボイルドキャンディは、糖ベース又は無糖であり得る。ハード菓子組成物は、チューインガムを除外し、ガムベース又はチューインガムエラストマーなどの不溶性、ポリマー性、又はエラストマー性チューインガム構成成分を含有しない。ハード菓子組成物はまた、ローボイルドスイーツ(low boiled sweets)、トフィ、キャラメル、
タフィ、ヌガー、ゼリー、及びグミなどの噛みごたえのある菓子(chewy confectionery)も除外する。ハード菓子組成物は、中心部充填ハード菓子製品のシェル構成成分として使用することができる。中心部充填ハード菓子製品は、任意選択的に、例えば、ソフトコーティング、ハードコーティング、又はサンディングコーティング(sanded coating)
でコーティングされてもよい。
【0018】
一実施形態では、コーティング領域は、ハードボイルドキャンディ又はガラス状マトリックスではない。
【0019】
一実施形態では、ハード菓子組成物は、コーティングされた中心部充填ハード菓子製品のシェル構成成分である。
【0020】
ハード菓子組成物シェル領域は、コーティングされた中心部が充填されたハード菓子製品の総重量に基づいて約70重量パーセント(重量%)~約98重量%、具体的には約79重量%~約95重量%、より具体的には約88重量%~約92重量%の量でハード菓子製品中に存在する。
【0021】
一般に、シェル領域に使用されるハード菓子組成物は、糖類又は糖ポリオールの混合物からなるベースを有し、非晶質又はガラス状の形態を有する。この形態は、一般に少量の水分を有する糖又は糖アルコールの固形シロップであると考えられる。ハード菓子製品中のシェル構成成分として使用されるハード菓子組成物は、糖ベース又は無糖であり得る。ハード菓子組成物は、糖類、糖ポリオール、又はこれらの組み合わせ、及び任意選択の追加の成分を含み得る。糖類及び糖ポリオールは、調理前に乾燥形態又はシロップ/溶液形態であってもよく、又は乾燥及びシロップ/溶液形態のブレンドであってもよい。ハードキャンディシェル領域は、中心部充填組成物領域を完全に取り囲むことができる。
【0022】
糖類は、スクロース(砂糖)、デキストロース、麦芽糖、デキストリン、キシロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース(レブロース)、ラクトース、転化糖、フラクトオリゴ糖、部分的に加水分解されたデンプン、イソマルツロース、高フルクトースコーンシロップ、ポリデキストロース、アルロース、ハチミツ、アラビノース、ケストース、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、セロデキストリン、ラフィノース、マルトデキストリン、β-グルカン、オリゴデキストラン、又はこれらの組み合わせなどの、単糖類、二糖類及び多糖類が挙げられ得る。
【0023】
糖ポリオール(あるいは「糖アルコール」と称される)は、エリスリトール、ガラクチトール、水素添加デンプン加水分解物、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ポリグリシトール、ポリグルシトール、ソルビトール、タガトース、キシリトール、又はこれらの組み合わせであってもよく、糖ポリオールはシロップの形態であってもよい。一実施形態では、糖ポリオールは、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、又はこれらの組み合わせである。一実施形態では、ハード菓子組成物の糖ポリオールは、イソマルト、キシリトール、非結晶化ソルビトールシロップ、マルチトールシロップ、又はこれらの組み合わせを含む。
【0024】
一実施形態では、糖ポリオールは、イソマルト、二糖類アルコールであり得る。イソマルトは、イソマルツロースを水素化することにより調製することができる。水素化の生成物は、6-O-α-D-グルコピラノシル-D-ソルビトール(1,6-GPS);1-O-α-D-グルコピラノシル-D-ソルビトール(1,1-GPS);1-O-α-D-グルコピラノシル-D-マンニトール(1,1-GPM);6-O-α-D-グルコピラノシル-D-マンニトール(1,6-GPM);及びこれらの混合物を含むことができる。いくつかの市販のイソマルトは、1,6-GPS及び1,1-GPMのほぼ等モルの混合物を含む。他のイソマルト物質は、純粋な1,6-GPS、1,1-GPS、1,6-GP、及び1,1-GPMを含み得る。更に他のイソマルト物質は、任意の割合で、1,6-GPS、1,1-GPS、1,6-GPM、及び1,1-GPMを含み得る。
【0025】
一実施形態では、糖アルコールは、例えばキシリトール又はエリスリトールなどの、高い負の溶解エンタルピー(別名、負の溶解熱)を有するものである。糖ポリオールは、-20Kcal/kg~-50Kcal/kgの負の溶解熱を有し得る。
【0026】
ハード菓子組成物は、ハード菓子組成物の総重量に基づいて、約90~約100重量%、具体的には約92~約99重量%、更により更に具体的には約96~約99重量%の量で、糖類又は糖ポリオールを含むことができる。
【0027】
ハード菓子組成物は、風味剤、食用酸若しくはその塩、感覚惹起剤(sensate)、高甘
味度甘味料、着色剤、機能性成分、保湿剤、緩衝剤、薬剤、酸化防止剤、防腐剤、加工助剤、又はこれらの組み合わせなどの任意選択の追加成分を更に含むことができる。
【0028】
ハード菓子組成物において使用される風味剤の量及び種類は、目標とする放出プロファイル及び所望の風味強度に基づいて選択することができる。風味剤は、ハード菓子組成物の総重量に基づいて、約0.001~約6重量%、具体的には約0.01~約3重量%、更により具体的には約0.1~約0.6重量%の量で、ハード菓子組成物中に存在し得る。
【0029】
感覚惹起剤は、ハード菓子組成物の総重量に基づいて、約0.001~約2重量%、具体的には約0.01~約1重量%、更により具体的には約0.1~約0.5重量%の量で、ハード菓子組成物中に存在し得る。
【0030】
高甘味度甘味料は、ハード菓子組成物の総重量に基づいて、約0.001~約2重量%、具体的には約0.01~約0.7重量%、更により具体的には約0.1~約0.5重量%の量で、ハード菓子組成物中に存在し得る。
【0031】
任意選択の食用酸は、ハード菓子組成物の総重量に基づいて、約0.001~約3重量%、具体的には約0.01~約1.5重量%、更により具体的には約0.1~約0.8重量%の量で、ハード菓子組成物中に存在し得る。
【0032】
ハード菓子組成物領域の含水量は、ハード菓子組成物領域の総重量に基づいて約0~約5重量%、具体的には約0.5~約4重量%、更により具体的には約1~約3重量%であり得る。
【0033】
ハード菓子組成物領域の加工助剤は、ワックス(例えば、カルナバワックス、パラフィンワックス、蜜蝋など)、脂肪又は油(例えば、中鎖トリグリデリド)、変性セルロース(例えばカルボキシメチルセルロース)、これらの組み合わせなどであり得る。
中心部充填領域
【0034】
ハード菓子製品の中心部充填領域は、固体又は半固体材料、具体的には粉末又は微粒子状中心部充填材料であり得る。
【0035】
中心部充填領域は、コーティングされた中心部充填ハード菓子製品の総重量に基づいて約2重量%~約25重量%、具体的には約3重量%~約17重量%、より具体的には約4重量%~約6重量%の量でハード菓子製品中に存在する。
【0036】
中心部充填領域は、バルク甘味料(例えば、本明細書に記載の糖類又は糖ポリオール)、発泡性組成物、及び風味剤、食用酸又はその塩、感覚惹起剤、高甘味度甘味料、着色剤、機能性成分、湿潤剤、緩衝剤、薬剤、酸化防止剤、防腐剤、加工助剤、植物若しくは果実(例えば、粉末、粒子、若しくは脱水物の形態)、又はこれらの組み合わせを含み得る。一実施形態では、糖ポリオールバルク甘味料は、キシリトール及びエリスリトールなどの負の溶解エンタルピーを有するものである。
【0037】
中心部充填領域は、中心部充填領域の総重量に基づいて約65重量%~約95重量%、具体的には約68重量%~約91重量%、より具体的には約71重量%~約88重量%の量でバルク甘味料を含み得る。一実施形態では、バルク甘味料は、糖類を含む。別の実施形態では、バルク甘味料は、イソマルト、キシリトール、又はこれらの組み合わせである。
【0038】
発泡性組成物は、一般に、食用酸及び塩基性成分を含み、これらは、水分(例えば、消費者の口内の唾液)と接触すると反応して発泡を生成する。
【0039】
塩基性成分は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又は8族金属の炭酸塩、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又は8族金属の重炭酸塩、又はこれらの組み合わせであり得る。例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、若しくは鉄の炭酸塩若しくは重炭酸塩、又はこれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、塩基性成分は、炭酸水素ナトリウムである。いくつかの実施形態では、食用酸は、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、及びこれらの組み合わせを含むことができる。一実施形態では、食用酸は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、又はこれらの組み合わせである。
【0040】
一実施形態では、発泡性組成物の成分をカプセル化することができる。カプセル化は、構成成分に更なる耐湿性をもたらし、それにより酸及び塩基性構成成分の早期反応を防止するので、カプセル化が望ましい場合がある。酸及び塩基性成分は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2004/064544号に記載されているように、マイクロカプセル又は微粒子としてカプセル化されてもよい。例示的な好適なカプセル化剤としては、脂肪、ポリマー、炭水化物、ヒドロコロイド(例えばアラビアガム)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0041】
中心部充填領域に使用される発泡性組成物は、発泡中に二酸化炭素を放出し得る。中心部充填領域中に発泡性組成物を含む、任意選択的にコーティングされた中心部が充填されたハード菓子製品は、中心部充填領域を取り囲むシェル領域及び/又はシェル領域を取り囲むコーティング領域を含む、残りの製品領域の風味剤の放出を補助することにより、シェル又はコーティング中の風味剤の風味放出の増強をもたらすことが発見された。
【0042】
中心部充填領域は、中心部充填領域の総重量に基づいて約0.2重量%~約35重量%、具体的には約4重量%~約27重量%、より具体的には約8重量%~約20重量%の量で発泡性組成物を含み得る。発泡性組成物の食用酸は、中心部充填領域の総重量に基づいて、約0.1重量%~約15重量%、具体的には約0.4重量%~約12重量%、より具体的には約0.8重量%~約8重量%の量で存在し得る。発泡性組成物の塩基性成分は、中心部充填領域の総重量に基づいて約0.1重量%~約20重量%、具体的には約4重量%~約15重量%、より具体的には約8重量%~約11重量%の量で存在し得る。
【0043】
中心部充填領域は、中心部充填領域の総重量に基づいて約0.1重量%~約5重量%、具体的には約0.5重量%~約4重量%、より具体的には約1重量%~約3重量%の量で風味剤を含み得る。
【0044】
中心部充填領域の含水量は、中心部充填領域の総重量に基づいて約0~約7重量%、具体的には約0.5~約6重量%、更により具体的には約1~約5重量%であり得る。
【0045】
中心部充填領域の加工助剤は、ワックス(例えば、カルナバワックス、パラフィンワックス、蜜蝋など)、脂肪又は油(例えば、中鎖トリグリデリド)、変性セルロース(例えばカルボキシメチルセルロース)、これらの組み合わせなどであり得る。
【0046】
ハード菓子製品の風味を増強するための方法は、発泡性中心部充填物を使用することを含み、それによって、ハード菓子シェル中に位置する風味料と、存在する場合には、コーティング中に位置する風味料の、風味放出を増強することを含む。
コーティング領域
【0047】
ハード菓子製品のコーティング領域は、ソフトコーティング、ハードコーティング、又はサンディングされた表面であり得る。一実施形態では、コーティングはソフトコーティングである。コーティング領域は、ハード菓子シェル領域を部分的から完全まで取り囲むことができる。
【0048】
コーティング領域は、コーティングされた中心部が充填されたハード菓子製品の総重量に基づいて、約1重量%~約20重量%、具体的には約2重量%~約13重量%、より具体的には約4重量%~約6重量%の量でハード菓子製品中に存在する。
【0049】
コーティング組成物は、一般に、糖類又は糖ポリオール、結合剤、並びに風味剤、食用酸若しくはその塩、感覚惹起剤、高甘味度甘味料、着色剤、機能性成分、緩衝剤、薬剤、酸化防止剤、保存剤、加工助剤、又はこれらの組み合わせなどの任意選択の追加成分を含む。コーティング領域は、カルナバワックス、蜜蝋などのグレーズ又は艶出し剤を更に含むことができる。
【0050】
コーティング組成物は、コーティング組成物の総重量に基づいて、約70重量%~約99重量%、具体的には約75重量%~約95重量%、より具体的には約79重量%~約90重量%の量で、糖類又は糖ポリオールを含み得る。一実施形態では、コーティング組成物の糖ポリオールは、イソマルト、キシリトール、又はこれらの組み合わせである。一実施形態では、糖アルコールは、例えばキシリトール又はエリスリトールなどの、負の溶解エンタルピーを有するものである。
【0051】
コーティング結合剤は、アラビアガムなどのヒドロコロイド又は植物ガムであり得る。コーティング組成物は、コーティング組成物の総重量に基づいて、約1重量%~約15重量%、具体的には約3重量%~約12重量%、より具体的には約7重量%~約9重量%の量で、結合剤を含み得る。
【0052】
コーティング組成物領域の含水量は、ハード菓子組成物領域の総重量に基づいて約0~約7重量%、具体的には約0~約5重量%、更により具体的には約0~約3重量%であり得る。
菓子製品成分:風味剤
【0053】
各領域(例えば、ハード菓子シェル領域、中心部充填領域、コーティング領域、追加領域、又はこれらの組み合わせ)は、風味剤を含むことができる。各領域において2つ以上の風味剤を使用することができ、各領域中の風味剤(複数可)は、製品の別の領域中の風味剤(複数可)と異なるか又は同じであってもよい。
【0054】
使用され得る例示的な風味剤(風味料、風味付与剤)は、当該技術分野で既知の人工又は天然風味、例えば、合成風味油、天然風味付与芳香油及び/若しくは油、オレオレジン、植物、葉、花、果実などからの由来抽出物、又はこれらの組み合わせを含む。「風味剤」は、1つ以上の風味化合物を含むことができる。例えば、天然ペパーミントは、メントール、メントン、メンチルアセテート、β-ピネンなどを含む多くの構成成分を含有する。本明細書で使用するとき、「風味化合物」は、天然ペパーミントのメントール又はメントン構成成分などの別個の分子風味化合物を意味する。風味化合物としては、米国国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology、NIST)の
Mass Spectral Libraryに報告されているものを挙げることができる。
【0055】
非限定的な代表的な風味料は、スペアミント油、シナモン油、冬緑油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ニクズク油、オールスパイス、セージ油、メース、苦扁桃油、ケイヒ油、及びレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツを含む柑橘油などの油;バニラ;リンゴ、ナシ、モモ、ブドウ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、アプリコット、バナナ、メロン、熱帯果実、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤを含む果実エキス/風味料;ハチミツレモンなど;又はこれらの組み合わせを含む。
【0056】
他の種類の風味剤としては、様々なアルデヒド及びエステル、例えば、酢酸シンナミル、シンナムアルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル、p-メチルアミソール、アセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、アニスアルデヒド(カンゾウ、アニス)、ケイ皮アルデヒド(シナモン)、シトラール、即ち、アルファ-シトラール(レモン、ライム)、ネラール、即ち、ベータ-シトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープ、即ち、ピペロナール(バニラ、クリーム)、バニリン(バニラ、クリーム)、アルファ-アミルシンナムアルデヒド(スパイシーなフルーツ様の風味)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラール(変性、多くの型)、デカナール(柑橘類)、アルデヒドC-8(柑橘類)、アルデヒドC-9(柑橘類)、アルデヒドC-12(柑橘類)、2-エチルブチルアルデヒド(液果)、ヘキセナール、即ち、トランス-2(液果)、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、ベラトルアルデヒド(バニラ)、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、即ち、メロナール(メロン)、2,6-ジメチルオクタナール(青玉果)及び2-ドデセナール(柑橘類、マンダリン)が挙げられる。
感覚惹起剤
【0057】
各領域(例えば、ハード菓子シェル領域、中心部充填領域、コーティング領域、追加領域、又はこれらの組み合わせ)は、感覚剤を任意選択的に含むことができる。各領域において2つ以上の感覚惹起剤を使用することができ、各領域中の感覚惹起剤(複数可)は、製品の別の領域中の感覚惹起剤(複数可)と異なるか又は同じであってもよい。例示的な感覚惹起剤は、冷感剤、温感剤、刺痛剤、発泡剤、又はこれらの組み合わせを含む。冷感剤は、口内、鼻腔内、又は皮膚上で冷却効果又は清涼化効果を提供する添加物である。例えば、有用な冷感剤の中でも、メントール、メンタン、メントン、ケタール、メントンケタール、メントングリセロールケタール、置換p-メンタン、非環状カルボキサミド、モノメンチルグルタレート、置換シクロヘキサナミド、置換シクロヘキサンカルボキサミド、置換尿素及びスルホンアミド、置換メンタノール、p-メンタンのヒドロキシメチル及びヒドロキシメチル誘導体、2-メルカプト-シクロ-デカノン、2~6個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸、シクロヘキサナミド、酢酸メンチル、サリチル酸メンチル、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタンアミド(WS-23)、N-エチル-2,2-ジイソプロピルブタンアミド、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド(WS-3)、N-[[5-メチル-2-(1-メチルエチル)シクロヘキシル]カルボニル]グリシン(WS-5)のエチルエステル、並びに参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Ermanらによる米国特許第7,189,760号に開示される、N-[[5-メチル-2-(1-メチルエチル)シクロヘキシル]カルボニル]グリシンの実質的に純粋なエチルエステル、イソプレゴール、メンチルオキシプロパンジオール、3-(1-メントキシ)プロパン-1,2-ジオール、3-(1-メントキシ)-2-メチルプロパン-1,2-ジオール、p-メンタン-2,3-ジオール、p-メンタン-3,8-ジオール、6-イソプロピル-9-メチル-1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカン-2-メンタノール、コハク酸メンチル及びそのアルカリ土類金属塩、トリメチルシクロヘキサノール、N-エチル-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミド、N-(4-シアノメチルフェニル)p-メンタンカルボキサミド(G-180)、ハッカ油、ペパーミント油、3-(1-メントキシ)エタン-1-オール、3-(1-メントキシ)プロパン-1-オール、3-(1-メントキシ)ブタン-1-オール、1-メンチル酢酸N-エチルアミド、1-メンチル-4-ヒドロキシペンタノエート、1-メンチル-3-ヒドロキシブチレート、N,2,3-トリメチル-2-(1-メチルエチル)-ブタンアミド、n-エチル-t-2-c-6ノナジエナミド、N,N-ジメチルメンチルコハク酸アミド、置換p-メンタン、置換p-メンタン-カルボキサミド、2-イソプロパニル-5-メチルシクロヘキサノール(Hisamitsu Pharmaceuticals製、以下「イソプレゴール」);メントングリセロールケタール(FEMA3807、商標名FRESCOLAT(登録商標)タイプMGA);3-1-メントキシプロパン-1,2-ジオール(Takasago製、FEMA3784);及び乳酸メンチル;(Haarman & Reimer社製、FEMA3748、商標名FRESCOLAT(登録商標)タイプML)、WS-30、WS-14、ユーカリ抽出物(p-メータ(Mehtha)-3,8-ジオール)、メントール(その天然又は合成誘導体)、メントールPGカーボネート、メントールEGカーボネート、メントールグリセリルエーテル、N-tertブチル-p-メンタン-3-カルボキサミド、P-メンタン-3-カルボン酸グリセロールエステル、メチル-2-イソプリル-ビシクロ(2.2.1)、ヘプタン-2-カルボキサミド;メントールメチルエーテル、メンチルピロリドンカルボキシレート;2,5-ジメチル-4-(1-ピロリジニル)-3(2H)-フラノン;環状α-ケトエナミン、3-メチル-2-(1-ピロリジニル)-2-シクロペンテン-1-オン及び5-メチル-2-(1-ピロリジニル)-2-シクロペンテン-1-オンを含むシクロペンテン等のシクロテン誘導体、次式の化合物、が挙げられ、
【化1】
式中、Bは、H、CH、C、OCH、OC及びOHから選択され、Aは、式-CO-Dの部分であり、Dは、以下の部分:(i)-NR(式中、R及びRは、独立して、H及びC~C直鎖又は分岐鎖脂肪族、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、芳香脂肪族及びシクロアルキル基から選択されるか、あるいはR及びRが、それらが結合する窒素原子と共に、任意選択的に置換される5員若しくは6員複素環式環を形成する);(ii)-NHCHCOOCHCH、-NHCHCONH、-NHCHCHOCH、-NHCHCHOH、-NHCHCH(OH)CHOH、並びに(iii)
【化2】
(とりわけ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBellらによるPCT特許出願第WO2006/125334号で開示されるような)からなる群から選択される部分;又はこれらの組み合わせから選択される。他の化合物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Hofmannらによる米国特許第6,592,884号で開示されるアルファ-ケトエナミンを含む。これら及び他の好適な冷感剤は、以下の米国特許に更に記載されており、これらは全て参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる:米国特許第4,230,688号、同第4,032,661号、同第4,459,425号、同第4,178,459号、同第4,296,255号、同第4,136,163号、同第5,009,893号、同第5,266,592号、同第5,698,181号、同第6,277,385号、同第6,627,233号、同第7,030,273号。更に他の好適な冷感剤は、以下の米国特許出願公開に更に記載されており、これらは全て参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる:米国特許出願公開第2005/0222256号、同第2005/0265930号。
【0058】
温感剤は、使用者に温感の感覚信号をもたらすことが知られている多種多様な化合物から選択してもよい。これらの化合物は、特に口腔内で、温感の感知感覚を与え、多くの場合、風味剤、甘味料及びその他の感覚刺激性構成成分の感知を向上させる。有用な温感剤の中でも、Takasago Perfumary Company Limited(Tokyo,Japan)によって供給されるバニリルアルコールn-ブチルエーテル(TK-1000)、バニリルアルコールn-プロピルエーテル、バニリルアルコールイソプロピルエーテル、バニリルアルコールイソブチルエーテル、バニリルアルコールn-アミノエーテル、バニリルアルコールイソアミルエーテル、バニリルアルコールn-ヘキシルエーテル、バニリルアルコールメチルエーテル、バニリルアルコールエチルエーテル、ジンゲロール、ショウガオール、パラドール、ジンゲロン、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、エタノール、イソプロポールアルコール、イソ-アミルアルコール、ベンジルアルコール、グリセリン、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0059】
一実施形態では、刺痛剤を用いて、使用者に打診痛、刺痛、又は麻痺の感覚を与えてもよい。刺痛剤としては、ジャンブオレオレジン又はパラクレス(スピランテス属)(活性成分はスピラントールである);サンショオール-I、サンショオール-II、及びサンショアミドとして知られる成分を含む、日本の山椒抽出物(サンショウ(Zanthoxylum peperitum));ペリラルチン;4-(1-メントキシメチル)-2-フェニル-1,3-ジオキソラン;活性成分チャビシン及びピペリンを含む、黒コショウ抽出物(コショウ(piper nigrum));エキナセア抽出物;アメリカサンショウ抽出物;トランス-ペリト
リン、及びトウガラシオレオレジン;又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、ジャンブ又はサンショオール等の物質から抽出したアルキルアミドを含んでもよい。
高甘味度甘味料
【0060】
各領域(例えば、ハード菓子シェル領域、中心部充填領域、コーティング領域、追加領域、又はこれらの組み合わせ)は、高甘味度甘味料を任意選択的に含むことができる。各領域において2つ以上の高甘味度甘味料を使用することができ、各領域中の高甘味度甘味料(複数可)は、製品の別の領域中の高甘味度甘味料(複数可)と異なるか又は同じであってもよい。本明細書で使用する場合、「高甘味度甘味料」とは、スクロースの甘味より強い甘味を有する剤を意味する。一実施形態では、高甘味度甘味料は、1重量当たり、砂糖(スクロース)の甘味の少なくとも100倍、具体的には1重量当たり、砂糖の甘味の少なくとも500倍の甘味を有する。一実施形態では、高甘味度甘味料は、1重量当たり、砂糖の甘味の少なくとも1,000倍、より具体的には1重量当たり、砂糖の甘味の少なくとも5,000倍である。高甘味度甘味料は、水溶性甘味料、水溶性人工甘味料、天然水溶性甘味料由来の水溶性甘味料、ジペプチド系甘味料、及びタンパク質系甘味料を含む、広範囲の物質から選択することができる。1種類以上の甘味料を含む組み合わせ、又は前述の種類の甘味料のうちの1種類以上を使用することができる。特定の甘味料に限定されず、代表的な部類及び例としては、
水溶性甘味剤、例えば、ジヒドロカルコン、モネリン、ステビオシド、レバウジオシド、グリチルリジン、ジヒドロフラベノール、モナチン、及びL-アミノジカルボン酸アミノアルケン酸エステルアミド、例えば、米国特許第4,619,834号に開示されるもの、又はこれらの組み合わせ;
水溶性人工甘味料、例えば、可溶性サッカリン塩、即ち、サッカリンナトリウム又はカルシウム塩、チクロ塩、アセスルファム塩、例えば、3,4-ジヒドロ-6-メチル-1,2,3-オキサチアジン-4-オン-2,2-ジオキシドのナトリウム、アンモニウム、又はカルシウム塩、3,4-ジヒドロ-6-メチル-1,2,3-オキサチアジン-4-オン-2,2-ジオキシドのカリウム塩(Acesulfame-K)、サッカリンの遊離酸形、又はこれらの組み合わせ;ジペプチド系甘味料、例えば、L-アスパラギン酸由来甘味料、例えば、L-アスパルチル-L-フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)及び米国特許第3,492,131号で説明される物質、L-アルファ-アスパルチル-N-(2,2,4,4-テトラメチル-3-チエタニル)-D-アラニンアミド水和物(アリテーム)、L-アスパルチル-L-フェニルグリセリン及びL-アスパルチル-L-2,5-ジヒドロフェニル-グリシンのメチルエステル、L-アスパルチル-2,5-ジヒドロ-L-フェニルアラニン;L-アスパルチル-L-(1-シクロヘキセン)-アラニン、ネオテーム、又はこれらの組み合わせ;
天然水溶性甘味料由来の水溶性甘味料、例えば、ステビオシド及びステビア由来化合物、例えば、非限定的にステビオール配糖体、例えば、レバウジオシドAを含むレバウジオシドなど、モンクフルーツ抽出物、羅漢果及び羅漢果由来化合物、例えば、イソ-モグロシドVなど、普通の砂糖(スクロース)の塩素化誘導体、例えば、クロロデオキシスクロース又はクロロデオキシガラクトスクロースの誘導体などのクロロデオキシ糖誘導体、例えば、スクラロースの品名で知られているもの;(クロロデオキシスクロース及びクロロデオキシガラクトスクロース誘導体の例としては、非限定的に、1-クロロ-1’-デオキシスクロース;4-クロロ-4-デオキシ-アルファ-D-ガラクトピラノシル-アルファ-D-フルクトフラノシド又は4-クロロ-4-デオキシガラクトスクロース;4-クロロ-4-デオキシ-アルファ-D-ガラクトピラノシル-1-クロロ-1-デオキシ-ベータ-D-フルクト-フラノシド、若しくは4,1’-ジクロロ-4,1’-ジデオキシガラクトスクロース;1’,6’-ジクロロ1’,6’-ジデオキシスクロース;4-クロロ-4-デオキシ-アルファ-D-ガラクトピラノシル-1,6-ジクロロ-1,6-ジデオキシ-ベータ-D-フルクトフラノシド又は4,1’,6’-トリクロロ-4,1’,6’-トリデオキシガラクトスクロース;4,6-ジクロロ-4,6-ジデオキシ-アルファ-D-ガラクトピラノシル-6-クロロ-6-デオキシ-ベータ-D-フルクトフラノシド又は4,6,6’-トリクロロ-4,6,6’-トリデオキシガラクトスクロース;6,1’,6’-トリクロロ-6,1’,6’-トリデオキシスクロース;4,6-ジクロロ-4,6-ジデオキシ-アルファ-D-ガラクト-ピラノシル-1,6-ジクロロ-1,6-ジデオクスy-ベータ-D-フルクトフラノシド又は4,6,1’,6’-テトラクロロ4,6,1’,6’-テトラデオキシガラクトスクロース;4,6,1’,6’-テトラデオキシ-スクロース又はこれらの組み合わせを含む);
タンパク質系甘味料、例えば、タウマッコスダニエリ、タリン、又はこれらの組み合わせ;並びに、
アミノ酸系甘味料、が挙げられる。
着色剤
【0061】
各領域(例えば、ハード菓子シェル領域、中心部充填領域、コーティング領域、追加領域、又はこれらの組み合わせ)は、着色剤を任意選択的に含むことができる。各領域おいて2つ以上の着色剤を使用することができ、各領域中の着色剤(複数可)は、製品の別の領域中の着色剤(複数可)と異なるか又は同じであってもよい。着色剤(着色料、色素、染色料)は、特定の製品領域に所望の色を生成するのに有効な量で使用することができる。好適な着色料としては、食品、薬物、及び化粧品に好適な、顔料、天然の食品色素及び染料が挙げられる。好適な色素は、アナトー抽出物(E160b)、ビキシン、ノルビキシン、アスタキサンチン、脱水テンサイ(テンサイ粉末)、テンサイ根赤色/ベタニン(E162)、ウルトラマリンブルー、カンタキサンチン(E161g)、クリプトキサンチン(E161c)、ルビキサンチン(E161d)、ビオランキサンチン(E161e)、ロドキサンチン(E161f)、キャラメル(E150(a~d))、β-アポ-8’-カロテナール(E160e)、β-カロチン(E160a)、αカロチン、ガンマカロチン、β-アポ-8カロテナールのエチルエステル(E160f)、フラボキサンチン(E161a)、ルテイン(E161b)、コチニール抽出物(E120)、カーマイン(E132)、カルモイシン/アゾルビン(E122)、銅クロロフィリンナトリウム(E141)、クロロフィル(E140)、焼き部分脱脂料理済み綿実粉、グルコン酸第一鉄、乳酸第一鉄、ブドウ色素抽出物、ブドウ果皮抽出物(エノシアニナ)、アントシアニン(E163)、ヘマトコッカス藻粗粉、合成酸化鉄、酸化鉄及び水酸化鉄(E172)、果汁、野菜汁、乾燥藻粗粉、マンジュギク(Aztec marigold)粗粉及び抽出物、ニンジン油、トウモロコシ胚乳油、パプリカ、パプリカオレオレジン、ファフィア属酵母、リボフラビン(E101)、サフラン、二酸化チタン、ウコン(E100)、ウコンオレオレジン、アマランス(E123)、カプサンシン/カプソルビン(E160c)、リコピン(E160d)、FD&C青色1号、FD&C青色2号、FD&C緑色3号、FD&C赤色3号、FD&C赤色40号、FD&C黄色5号及びFD&C黄色6号、タートラジン(E102)、キノリン黄色(E104)、サンセットイエロー(E110)、ポンソー(E124)、エリトロシン(E127)、パテントブルーV(E131)、二酸化チタン(E171)、アルミニウム(E173)、銀(E174)、金(E175)、顔料ルビン/リソールルビンBK(E180)、炭酸カルシウム(E170)、カーボンブラック(E153)、ブラックPN/ブリリアントブラックBN(E151)、グリーンS/アシッドブリリアントグリーンBS(E142)、又はこれらの組み合わせを含む。一実施形態では、公認の色素は、FD&Cアルミニウムレーキ、又はこれらの組み合わせを含み得る。全てのFD&C着色剤及びそれらの対応する化学構造の完全な詳細説明は、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical
Technology、第4版1巻、492~494頁で見ることができ、その本文は参照により本明細書に組み込まれる。
【0062】
着色料はまた、食品グレードの光沢剤又は食品グレードの真珠光沢顔料を含むことができる。食用光沢剤は、食品グレードの着色剤及び担体、例えば、糖、糖アルコール、糖類、二糖類、多糖類、ヒドロコロイド物質、又はこれらの組み合わせを含むことができる。例示的な光沢剤は、Watson Inc.(West Haven,CT)から市販されるEdible Glitter(登録商標)を含む。着色料は、マイカから調製した食品グレードの真珠光沢顔料であって、任意選択的に二酸化チタン、酸化鉄などでコーティングしたものを含むことができる。
【0063】
ハード菓子シェル領域は、中心部充填組成物領域がシェル領域を通して視覚的に知覚することができる量の着色剤を、任意選択的に更に含むことができる。一実施形態では、ハード菓子シェル領域は、光沢剤又は他の斑点(speckle)を含む。一実施形態では、ハー
ド菓子シェル領域は、透明、半透明、又は無色透明であってもよい。一実施形態では、ハード菓子シェル領域は、中心部充填領域を可視にすることを可能にする量の着色剤を含有する。
食用酸又はその塩
【0064】
中心部充填領域は、食用酸を含む発泡性組成物を含有する。更に、ハード菓子シェル領域及びコーティング領域、又はこれらの組み合わせの各々は、食用酸又はその塩を任意選択的に含み得る。各領域において2つ以上の食用酸又はその塩を使用することができ、各領域中の食用酸又はその塩は、製品の別の領域中の食用酸又はその塩と異なるか又は同じであってもよい。
【0065】
食用酸は、遊離形態又は緩衝化形態であり得る。例示的な食用酸及び食用酸塩は、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、及びこれらのアルカリ又はアルカリ土類金属塩(例えば、クエン酸ナトリウム二水和物)、又はこれらの組み合わせを含む。
機能性成分
【0066】
調理済みキャンディで使用するための例示的な機能性成分は、息清涼剤、歯科若しくはオーラルケア剤、ハーブ、食欲抑制剤、ビタミン、微量栄養素、口腔湿潤剤、咽喉ケア剤、エネルギー刺激剤、集中力刺激剤、又はこれらの組み合わせを含む。
シェル領域のハード菓子を製造するためのプロセス
【0067】
ハード菓子製品は、ハード菓子類、例えば、ハードボイルド菓子類の当該技術分野において既知の方法によって調製することができる。ハード菓子組成物領域を製造するための特定の装置は、菓子製造技術分野において既知の調理及び混合装置を含み、適切な装置が当業者には明らかとなるであろう。
【0068】
一般に、シェル領域のハード菓子組成物の調製は、混合及び加熱することと、糖類又は実質的に非吸湿性糖ポリオールのハード菓子組成物溶融物、並びに任意選択的に、他の糖構成成分及び/又は水などの希釈剤を形成することと、を含み溶融物を調理することと、溶融物から過剰な水分を除去すること、例えば、溶融物の総重量に基づいて約2~約3重量パーセント未満まで含水量を減少させることと、溶融物がプラスチック様の稠度を有する加工可能な塊になるまで、混合により溶融物を冷却することと、溶融物がプラスチック様の塊である間に、風味料、色素などの任意選択の追加成分を組み込むことと、プラスチック様混合物を所望のサイズ及び形状を有するハード菓子製品に形成することと、を含む。プロセスは、シェルの形態でハード菓子組成物によって取り囲まれたハード菓子製品内に中心部充填領域を形成する工程を更に含んでもよい。
【0069】
ハード菓子組成物溶融物の含水量は、ハード菓子組成物溶融物の総重量に基づいて約0~約5重量%、具体的には約0.5~約4重量%、更により具体的には約1~約3重量%であり得る。
【0070】
ハードボイルド菓子類を製造する技術分野において既知の方法としては、高速大気調理器(atmospheric cooker)としても知られる、火調理器、真空調理器、及びスクレープ
ドサーフェース(scraped-surface)調理器を利用するものが挙げられる。
【0071】
火調理器を利用する1つの方法では、所望の量の糖類又は実質的に非吸湿性糖ポリオール及び任意の他の糖構成成分は、溶解するまでケトル内でそれらを加熱することによって水に溶解される。追加の糖類及び/又は糖ポリオール構成成分を添加し、摂氏約145~約165度の最終温度が達成されるまで調理を継続することができる。次いで、混合物を冷却し、プラスチック様の塊に加工し、風味料、着色剤、緩衝剤、高甘味度甘味料、及び他の任意選択の追加成分などの任意選択成分と混合する。
【0072】
真空調理器を利用する方法の好適な例は、糖類構成成分を摂氏約125~約132度の温度で沸騰させ、真空が適用され、追加の水は、追加の加熱なしで沸騰される。調理が完了すると、プラスチック様の稠度を有する塊は半固体の塊になる。任意選択の追加成分を、従来の方法によって塊に混合する。
【0073】
スクレープドサーフェース調理器を使用する方法では、糖類構成成分の混合物のフィルムを熱交換面上に広げ、数分以内に摂氏約165~約170度まで加熱する。次いで、組成物を摂氏約100~約120度まで急速に冷却し、プラスチック様の塊に加工し、任意選択の追加成分を塊に混合する。
【0074】
前述の方法では、調理温度は、混合物から水を排除するのに十分な高さであるべきである。真空が使用される場合、通常はより低い温度を使用することができる。前述の方法では、添加剤(複数可)は、材料の均一な分布を提供するのに有効な時間、例えば、約4~約10分にわたって具体的に混合される。組成物が適切に硬さ調節される(tempered)と、加工可能な部分に切断するか、又は当該技術分野において既知のものなどの成形技術を使用して、所望の形状及びサイズに形成することができる。得られたハード菓子組成物溶融物は、任意選択的に、中心部が充填された製品を調製するためのプロセスに直接供給することができる。
【0075】
調製プロセスは、当業者によって適合されて、単一層、2つ以上の層(例えば、3つの層)を有する多層、及び中心部が充填されたコアを有する形態を含む、所望の構成を有するハード菓子製品を提供することができる。
中心部が充填された菓子を製造するためのプロセス
【0076】
一実施形態では、中心部が充填されたハード菓子製品を調製する方法は、ハード菓子組成物溶融物の中心部が充填されたロープを押出すことであって、ロープは、中心部充填組成物を含む、押出すことと、中心部が充填されたロープをサイズ決定することと、サイズ決定された中心部が充填されたロープを形成機構に供給することと、サイズ決定された中心部が充填されたロープの個々の小片を形成することと、任意選択的に、個々の小片の表面の少なくとも一部をコーティングして、コーティングされた中心部が充填されたハード菓子製品を形成することと、を含む。
コーティングプロセス
【0077】
中心部充填ハード菓子製品は、任意選択的に、例えば、ソフトコーティング、ハードコーティング、又はサンディングでコーティングされてもよい。当該技術分野において既知のソフトパンニング、ハードパンニング(hard panned)、及びサンディングプロセスを、中心部充填ハード菓子製品小片をコーティングするプロセスに使用することができる。一実施形態では、ソフトパンニングコーティングされた中心部充填ハード菓子製品を形成するためのコーティングプロセスは、ソフトパンニングプロセスを含む。
【0078】
一実施形態では、中心部が充填されたハード菓子製品は、少なくとも1つの発泡性組成物を含む中心部充填領域と、ハードボイルドキャンディを含む少なくとも1つのハード菓子シェル領域と、ハードボイルドキャンディを除く少なくとも1つのコーティング領域であって、具体的にはソフトパンニングコーティング、ハードパニングコーティング、又はサンディングコーティングである、少なくとも1つのコーティング領域と、を含み、ハード菓子シェル領域、及び任意選択的に中心部充填領域、コーティング領域、又はこれらの組み合わせが、少なくとも1つの風味剤を含む。更なる実施形態では、少なくともシェル領域の風味剤又はコーティング領域の風味剤は、中心部充填領域を水などの溶媒に曝露すると、風味放出の増加を呈し、風味放出は、中心部充填領域の溶媒への曝露前のベースラインよりも、少なくとも225%大きく、具体的には約250%~約500%、より具体的には約275%~約450%、更により具体的には約300%~約400%大きい。更なる実施形態では、風味放出は、プロトン移動反応-飛行時間型質量分析法(Proton-transfer-reaction Time of Flight mass spectrometry、PTR-MS)を使用して測定され得る。
【0079】
一実施形態では、中心部が充填されたハード菓子製品は、少なくとも1つの発泡性組成物を含むか、又は少なくとも1つの粉末若しくは微粒子組成物を含む中心部充填領域と、ハードボイルドキャンディを含む少なくとも1つのハード菓子シェル領域と、ハードボイルドキャンディを除く少なくとも1つのコーティング領域と、を含み、ハード菓子シェル領域、及び任意選択的に中心部充填領域、コーティング領域、又はこれらの組み合わせが、少なくとも1つの風味剤を含み、中心部充填領域を溶媒に曝露すると、少なくともシェル領域の風味剤又はコーティング領域の風味剤が、風味放出の増加を呈し、中心部充填領域を溶媒に曝露すると、少なくともシェル領域の風味剤又はコーティング領域の風味剤が、風味放出の増加を呈し、中心部充填曝露前及び後の風味放出速度比は、コーティング領域又はハード菓子シェル領域に含有される風味剤について中心部充填組成物により、少なくとも150%、具体的には約225%~約800%、より具体的には約250%~約700%、更により具体的には約300%~約600%、更にまたより具体的には約400%~約500%増加する。更なる実施形態では、風味放出は、プロトン移動反応-飛行時間型質量分析法(PTR-MS)を使用して測定され得る。
【0080】
特徴及び利点は、以下の実施例により、より完全に示されるが、これらの実施例は、例示の目的のために提供され、いかなる形であれ、本発明を限定すると解釈されるべきではない。前述及び他の実施形態を以下の実施例で更に説明するが、これらは特許請求の範囲の有効範囲を限定することを意図するものではない。実施例中並びに本明細書及び特許請求の範囲にわたって、全ての部及び百分率は、特に指定しない限り最終組成物の重量に基づく。
【実施例0081】
実施例1:
ソフトパンニングコーティング粉末の中心部が充填されたハード菓子製品を、ハードボイルドキャンディシェルで調製する。中心部充填組成物は、発泡性組成物を含有する。コーティング:シェル:中心部充填物の重量比は5.1:90.2:4.7であった。シェル組成物を表1に、中心部充填組成物を表2に、及びコーティング組成物を表3に記載する。
【表1】
【表2】
【表3】
【0082】
ハード菓子シェル組成物を、上記の表1の組成物に従って調製した。シェルは、一般に、イソマルトと水との混合物を約155℃で、任意選択的に真空下で調理して、含水量3重量%以下を達成することによって調製される。調理された混合物をわずかに冷却し、使用される場合、高甘味度甘味料、風味料、食用酸、色素などが、冷却された混合物に添加されて、中心部充填プロセスのための溶融物として維持されるシェル溶融物を形成する。
【0083】
表2の中心部充填組成物は、一般に、中心部充填成分を均質にブレンドすることによって調製される。
【0084】
コーティングシロップは、一般に、表3に記載の成分を加熱して組み合わせてシロップを形成することによって調製される。
【0085】
表3のコーティング粉末ブレンドは、一般に、成分を一緒に添加し、均質なブレンドを形成することによって調製される。
【0086】
中心部が充填されたハード菓子製品は、一般に、溶融シェル材料のロープが中心部充填組成物の粉末中心部充填で形成される押出プロセスによって調製される。ロープはサイズ決定され、次いで、形成機構に供給されて、コーティングされていない中心部が充填されたハード菓子小片を形成する。次に、コーティングシロップと、コーティング粉末組成物又は微粒子状キシリトールの交互層でこの小片をソフトパンニングコーティングして、表3に従ったソフトパンニングコーティングを達成する。
実施例2:構造分析
【0087】
顕微鏡検査による最終菓子製品の構造分析は、製品の3つの別個の領域を成功裏に製造することを示し、ソフトパンニングされた外側コーティング領域がハードボイルドキャンディシェル領域を取り囲み、それは順に粉末中心部充填領域を取り囲む。分析には、切断された菓子製品の走査型電子顕微鏡法、光学顕微鏡法、及びマイクロCT走査法、及び写真が含まれた。コーティング領域は、光学顕微鏡並びに電子走査型顕微鏡法の両方において、ハードボイルドキャンディシェル領域と明確な境界を有するものとして示された。粉末中心部充填領域は、光学顕微鏡としてマイクロCTで容易に示され得る。
実施例3:風味放出分析
【0088】
最終菓子製品の別個の領域はまた、異なる風味放出プロファイルをもたらす。以下に示されるのは、消費中に異なる時点で制御された方法で風味を導入するための、様々な製品領域の使用である。プロトン移動反応-飛行時間型質量分析法(PTR-MS)を使用して試験を完了し、風味放出プロファイルを確立した。
【0089】
PTR-MS実験の前に、菓子製品の領域のガスクロマトグラフィ-質量分析(gas chromatography-mass spectrometry、GC-MS)分析を最初に使用して、各領域中の風味化合物を同定した。1つの菓子製品試料又は菓子製品の1つの領域を、マグネチックスターラーを使用して撹拌しながら、20mlのMilli Q(登録商標)(精製)水及び20mlのジクロロメタン中に90分間溶解した。次いで、ジクロロメタン層をGCバイアルにろ過し、GC-MSを使用して分析した。風味化合物は、NISTライブラリを使用する、それらの質量スペクトルを介して同定された。
【0090】
PTR-MS実験は、以下の手順を使用して行われた。4つ口丸底フラスコ(1L体積)を水浴(37℃)中で加熱した。30mLのMilli Q(登録商標)水をフラスコに注入し、磁気撹拌機を使用して撹拌しながら5分間温めた。1つの菓子製品試料をフラスコに入れ、磁気撹拌機を使用して撹拌しながら菓子が完全に溶解するまで(約8分間)、測定を行った。揮発性風味化合物の濃度を、菓子製品を含有する水の表面の上のガスから測定した。測定は、2回行われた。各揮発性化合物からバックグラウンド(30mLのMilli Q(登録商標)水を含むフラスコを平均30秒測定する)を差し引き、2つの測定値の平均として、放出曲線を描いた。図1は、インビトロPTR-MS分析セットアップ及び例示的な時間-強度曲線(風味化合物の強度m/zに対する秒単位の時間)を示す。風味化合物は、PTR-MS及び/又はGC-MSの結果に見られるm/z値として定義される。これらは、NISTライブラリを使用して、対応する化合物に質量スペクトルを帰属させることによって、1つ以上の風味化学物質に対応することができる。
【0091】
図2は、コーティングが完全に溶解した時点における濃度に正規化された場合の、最終製品のシェル領域及びコーティング領域中の風味化合物を示す。コーティングが完全に溶解する前の十分な時間で、図は、コーティングとシェルからの風味化合物の正規化されたPTR-MS濃度がほぼ同等であり、シェルが平均して低いことを示す。コーティングが完全に溶解した後、シェルの風味化合物のPTR-MSの正規化された濃度は、コーティングの風味化合物よりも十分に高い組成を示す。
【0092】
ハード菓子シェル領域が曝露された後、全PTR-MS測定期間にわたって最終濃度に正規化された場合、ハード菓子シェル領域の風味化合物はコーティング領域及び中央部充填領域風味化合物よりも十分に高くなる。次に、中心部充填領域が水に曝露されると、ハード菓子シェル領域に含有される風味化合物は、中心部充填曝露前と比較してそれらの放出を加速する。これは、中心部充填領域が水に曝露された後の風味化合物濃度の平均勾配(図3)が、中心部充填領域なしで製造された製品(図4)と比較して増加していることから示され得る。増強された放出を示す風味化合物が中心部充填領域に含まれないという事実を考えると、増強された風味化合物の放出結果は予想外であった。これらの結果は、中心部充填領域の発泡性組成物が、周囲領域(シェル領域及び/又はコーティング領域)からの風味化合物の放出速度を加速させることを示唆する。加えて、コーティング領域内の風味化合物は、中心部充填領域と同じように配合することができ、それによって風味化合物の放出速度を更に加速させることができる。対照的に、製品中に中心部充填がない場合、全ての風味化合物(シェル及びコーティング)の平均勾配は、放出速度の増加を示さなかった。図4を参照されたい。
【0093】
PTR-MSを使用して測定した対象となる風味化合物を、化合物が位置する製品の領域と共に下の表4に示す。
【0094】
コーティングされた中心部が充填されたハード菓子製品の風味化合物放出速度は、溶媒の上のガス中の、PTR-MS測定された正規化風味化合物濃度対溶解時間に適合する線形最小二乗曲線から生成された線の勾配として測定された。2つの期間を、最小二乗法によって線形に適合させた:溶解の4 1/2~5 1/2分(溶媒系への中心部充填領域の曝露のかなり前)及び7~8分(溶媒系への中心部充填領域の曝露のかなり後)。中心部充填領域のないコーティングされたハード菓子製品を、コーティングされた中心部が充填されたハード菓子製品と比較したが、ここで中心部充填領域の不在が、2つの製品間の唯一の違いであった。風味化合物濃度を0~100%から正規化した、この100%は試験期間にわたって観察される最大濃度である。勾配は、%毎分ppmで反映される。
【0095】
中心部充填領域のないコーティングされたハード菓子製品では、中心部充填が曝露されたであろう時点後の風味放出の勾配と比較した、「中心部充填曝露」前の風味化合物の放出速度比は、検査された風味化合物に応じて64~221%の範囲であった。これは、コーティングされた中心部が充填されたハード菓子製品と比較され、これは、研究された風味化合物に応じて226~800%の比を示した。結果には、コーティング領域にのみ含有される、シェル領域にのみ含有される、又はコーティング領域及びシェル領域にのみ含有される、風味化合物が含まれる。これらの結果は、発泡性組成物を含む中心部充填領域が、中心部充填領域に含まれない風味化合物の放出速度を著しく増加させることができることを示す。この比率が勾配の増加として定義される場合、コーティングされた中心部が充填された菓子製品と中央部が充填されない製品との勾配の増加比率は、158~782%で変化し、中心部充填領域に含まれない風味に関しても、勾配の有意な増加があることがわかった。コーティングされた中心部が充填されていないハード菓子製品「中心部充填なし」及びコーティングされた中心部が充填されたハード菓子製品「中心部充填」について、分析結果を表4に示す。
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【0096】
2つの比較の中心部が充填されたキャンディ比較例A及びBについて、同じインビトロPTR-MS実験を繰り返した。比較試料Aは、ゼリー層、不透明な噛みごたえのあるキャンディ層、及び外側サンディング層を含む3層状可溶性菓子である。PTR-MS分析の結果は、比較試料の異なる層に含有される風味化合物からの、風味化合物の放出の間に識別可能な傾向はなかったことが明らかになった。同様に、風味化合物の放出速度の急激かつ一貫した増加はない。同じ2つの時間間隔で勾配を測定すると、比較Aの勾配の増加率は、22~110%の間で変動し、試験された本発明の実施例よりも著しく小さかった。分析の結果を以下の表5に示す。
【0097】
比較例Bは、コーティング層のない、酸味料粉末が中心部に充填されたハードキャンディである。PTR-MS分析の結果は、1つを除く全ての風味化合物が主にシェルで検出されたため、異なる領域から放出された風味化合物の間に識別可能な傾向がないことを明らかにした。同様に、溶媒への中心部充填の完全曝露後に、風味化合物の放出速度の急激かつ一貫した増加はない。同じ時間間隔で勾配を測定すると、中心部充填曝露後の勾配の増加率は133~214%の間で変動し、試験された本発明の実施例よりも小さかった。比較B試料の中心部充填曝露は、およそ6分半で生じた。分析の結果を以下の表6に示す。
【表5】
【表6】
【0098】
「含む(comprising)」(「含む(comprises)」等も)、「有する(having)」及び
「含む(including)」という用語は、本明細書で使用する場合、包括的(上限なし)で
あり、追加の列挙されていない要素又は方法の工程を除外しない。
【0099】
文脈が明らかに既定しない限り、「a」、「an」、及び「the」という単数形は、複数の指示対象を含む。例えば、語句「[要素]のうちの少なくとも1つ」及び語句「a/an[要素]」の両方は、1つ以上の要素を含むことができる。
【0100】
同じ特徴又は構成成分を目的とする全ての範囲の端点は、独立して組み合わせ可能であり、列挙された端点を包含する。
【0101】
用語「これらの組み合わせ」は、列挙された群の2つ以上の要素が組み合わせ中に存在することを意味する。
【0102】
「又は、若しくは」という語は、「及び(並びに)/若しくは(又は)」を意味する。
【0103】
本発明は、例示的な実施形態を参照して説明されているが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ、均等物をその要素と置き換えることができることを理解するであろう。加えて、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は物質を本発明の教示に適合させるために、多くの改変がなされ得る。したがって、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は添付の特許請求の範囲の範疇の全ての実施形態を含むように意図される。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】