(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096097
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】過敏性腸症候群の軽減及び他の胃腸障害の軽減のためのラクトバチルスの組み合わせ
(51)【国際特許分類】
A61K 35/747 20150101AFI20230629BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20230629BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20230629BHJP
A61P 1/10 20060101ALI20230629BHJP
A61P 1/12 20060101ALI20230629BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230629BHJP
A23L 33/135 20160101ALI20230629BHJP
C12N 1/20 20060101ALN20230629BHJP
【FI】
A61K35/747
A61K9/48
A61P1/00
A61P1/10
A61P1/12
A61P43/00 121
A23L33/135
C12N1/20 A
【審査請求】有
【請求項の数】34
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081920
(22)【出願日】2023-05-17
(62)【分割の表示】P 2020570657の分割
【原出願日】2019-02-28
(31)【優先権主張番号】62/638,521
(32)【優先日】2018-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520345265
【氏名又は名称】バイオ-ケイ プラス インターナショナル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】カリエール、セルジュ
(57)【要約】
【課題】過敏性腸症候群(IBS)、腹痛、腹部膨満、便秘などの胃腸障害の軽減に効果的な細菌株の組み合わせの提供。
【解決手段】過敏性腸症候群(IBS)、腹痛、腹部不快感、腹部膨満、液状便、及び便秘などの望ましくない胃腸の健康問題を軽減するための、生菌ラクトバチルス、特に生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスの組み合わせの使用に関する組成物及び方法を本明細書に記載する。この生菌ラクトバチルスの組み合わせはまた、IBSを患う対象の生活の質を改善するため、IBSの軽減のため、及び/又はIBSの予防及び/又は治療のために使用することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胃腸障害の軽減を必要とする対象における胃腸障害の軽減のための組成物であって、生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスの組み合わせを含み、前記胃腸障害が、過敏性腸症候群(IBS)、腹痛、腹部膨満、及び便秘からなる群から選択される、胃腸障害の軽減のための組成物。
【請求項2】
前記ラクトバチルス・アシドフィルスがCNCMに寄託されたラクトバチルス・アシドフィルスCL1285(登録商標)であり、前記ラクトバチルス・カゼイがCNCMに寄託されたラクトバチルス・カゼイLBC80R(登録商標)であり、及び前記ラクトバチルス・ラムノサスがCNCMに寄託されたラクトバチルス・ラムノサスCLR2(登録商標)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が、ラクトバチルスの前記組み合わせを含む栄養的に許容される組成物である、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、ラクトバチルスの前記組み合わせを少なくとも100億個~2000億個含む、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスの前記組み合わせが、前記組み合わせのコロニー形成単位(CFU)の約1%~10%のL.アシドフィルス、70%~90%のL.カゼイ、及び約5%~20%のL.ラムノサスを含む、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、ラクトバチルスの前記組み合わせを少なくとも1日1回投与するために処方されている、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、ラクトバチルスの前記組み合わせを含むカプセルを含む、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、発酵物を含み、前記発酵物がラクトバチルスの前記組み合わせに加えて発酵タンパク質を含む、請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記発酵タンパク質が、発酵大豆タンパク質、発酵乳タンパク質、発酵米タンパク質、発酵エンドウ豆タンパク質、発酵麻タンパク質、発酵アーモンドタンパク質、及び発酵昆虫タンパク質からなる群から選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
過敏性腸症候群(IBS)の軽減を必要とするヒト対象における過敏性腸症候群(IBS)の軽減のための組成物であって、生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスの組み合わせを含む、IBSの軽減のための組成物。
【請求項11】
前記IBSが、便秘型IBS(IBS-C)、下痢型IBS(IBS-D)、及び混合型腸パターンIBS(IBS-M)のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
IBSの複数の症状の同時軽減を提供する、請求項10又は請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記症状が、腹痛、腹部膨満、及び便秘からなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、ラクトバチルスの前記組み合わせを含む栄養的許容される組成物である、請求項10~請求項13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、ラクトバチルスの前記組み合わせを少なくとも100億個~2000億個含む、請求項10~請求項14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスの前記組み合わせが、前記組み合わせのコロニー形成単位(CFU)の約1%~10%のL.アシドフィルス、70%~90%のL.カゼイ、及び約5%~20%のL.ラムノサスを含む、請求項10~請求項15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、ラクトバチルスの前記組み合わせを少なくとも1日1回投与するために処方されている、請求項10~請求項16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、ラクトバチルスの前記組み合わせを含むカプセルを含む、請求項10~請求項16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が、発酵物を含み、前記発酵物がラクトバチルスの前記組み合わせに加えて発酵タンパク質を含む、請求項10~請求項18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記発酵タンパク質が、発酵大豆タンパク質、発酵乳タンパク質、発酵米タンパク質、発酵エンドウ豆タンパク質、発酵麻タンパク質、発酵アーモンドタンパク質、及び発酵昆虫タンパク質からなる群から選択される、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
過敏性腸症候群(IBS)の予防及び/又は治療のための薬物療法を必要とするヒト対象における、IBSの予防及び/又は治療のための薬物療法の代替として、前記薬物療法に加えるか、又は前記薬物療法の代わりとなる、生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスを含む生菌微生物の組み合わせを含む栄養的に許容される組成物。
【請求項22】
前記ラクトバチルス・アシドフィルスがCNCMに寄託されたラクトバチルス・アシドフィルスCL1285(登録商標)であり、前記ラクトバチルス・カゼイがCNCMに寄託されたラクトバチルス・カゼイLBC80R(登録商標)であり、及び前記ラクトバチルス・ラムノサスがCNCMに寄託されたラクトバチルス・ラムノサスCLR2(登録商標)である、請求項21の組成物。
【請求項23】
前記組成物が、前記栄養的に許容される組成物を少なくとも1日1回投与するために処方されている、請求項21又は請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物が、前記栄養的に許容される組成物を含むカプセルを含む、請求項21~請求項23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
前記栄養的に許容される組成物が、ラクトバチルスの前記組み合わせを少なくとも100億個~2000億個含む、請求項21~請求項24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスの前記組み合わせが、前記組み合わせのコロニー形成単位(CFU)の約1%~10%のL.アシドフィルス、70%~90%のL.カゼイ、及び約5%~20%のL.ラムノサスを含む、請求項21~請求項25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
前記栄養的に許容される組成物が、ラクトバチルスの前記組み合わせに加えて発酵タンパク質を含む発酵物の形態である、請求項21~請求項26のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
前記発酵タンパク質が、発酵大豆タンパク質、発酵乳タンパク質、発酵米タンパク質、発酵エンドウ豆タンパク質、及び発酵麻タンパク質からなる群から選択される、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
胃腸障害の軽減を必要とする対象における胃腸障害の軽減のための組成物であって、生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスの組み合わせを含み、前記胃腸障害が、過敏性腸症候群(IBS)、腹痛、痛みの日数、膨満(distention)、便の硬さ及び排便回数からなる群から選択される、胃腸障害の軽減のための組成物。
【請求項30】
ラクトバチルスの前記組み合わせに加えて発酵タンパク質を含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
前記発酵タンパク質が、発酵大豆タンパク質、発酵乳タンパク質、発酵米タンパク質、発酵エンドウ豆タンパク質、発酵麻タンパク質、発酵アーモンドタンパク質、及び発酵昆虫タンパク質からなる群から選択される、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
ラクトバチルスの前記組み合わせを少なくとも100億個~2000億個含む、請求項29~請求項31のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
前記組み合わせのコロニー形成単位(CFU)の約1%~10%のL.アシドフィルス、70%~90%のL.カゼイ、及び約5%~20%のL.ラムノサスを含む、請求項2
9~請求項32のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項34】
栄養的に許容される組成物である、請求項29~請求項33のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、胃腸障害の分野に関し、より具体的には、過敏性腸症候群(IBS)、腹痛、腹部不快感、腹部膨満、液状便及び便秘などの望ましくない胃腸の健康問題を軽減するための生菌ラクトバチルスの組み合わせの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
過敏性腸症候群(IBS)は、アメリカ人の5~20%が罹患する慢性の再発性胃腸障害である。女性の性別、心理的問題、ストレス、耐食性、及び小腸の細菌の異常増殖など、IBSの多くのリスクが確認されている(Aagaardら、2013年)。IBSの主要な症状には、腹痛、腹部膨満、及び排便習慣の変化が含まれる(Aagaardら、2013年)。病態生理が定義されており、この症候群に伴う腸の構造的異常はない。IBS患者の生活の質は著しく低下し、ヘルスケアシステムに大きな影響を与え、プライマリケア医や消化器科医への訪問をもたらす(Coffinら、2004年)。実際、IBSは胃腸病診療における最も多い診断であり、プライマリケア診療における最も多い診断の1つである(Peeryら、2012年)。特定の症候学に基づいて、IBS患者は3つの主要な群:便秘型(IBS-C)、下痢型(IBS-D)、及び混合型腸パターン(IBS-M)に分類することができ、それぞれがほぼ均等に分布している。これらのIBS症状は患者にとって厄介であり、生活の質を低下させ、社会的交流を制限する(Coffinら、2004年)。
【0003】
IBSの最終的な治療目標は、忍容性の高い単一の薬剤を使用して、この状態の複数の症状を軽減することである。薬物療法は、この状態に関連するいくつかの症状を緩和し得るが、いずれも治療効果はない。したがって、現在の治療選択肢を考えると、長期的な治療効果の見込みは限られている。安全で有効で費用対効果の高いIBS軽減手順が明らかに必要である(Foxx-Orenstein、2006年)。
【0004】
プロバイオティクスは生きている微生物であり、適切な投薬量で投与した場合、宿主に健康上の利益をもたらす。近年、プロバイオティクスは、さまざまな胃腸障害の症状を緩和するために一般的に使用されている。腸内毒素症はIBSの多因性の病因の一部である可能性があるため、さまざまなプロバイオティクスが治験でテストされ、その効率が確認され、その結果がいくつかのメタ分析及び総説論文に含まれている(Fordら、2014年b;Hoveydaら、2009年;McFarland and Dublin、2008年;Ortiz-Lucasら、2013年;Whelan and Myers、2010年;Yoonら、2015年)。IBSの症状を緩和するための菌株特異的プロバイオティクスの有効性について、確固たる結論を出すことはできなかった。強力なプラセボ効果、心理的要因、及び性別効果により、研究結果の解釈が困難である(Ford及びMoayyedi、2010年;Lyraら、2016年;Moayyediら、2010年)。
【0005】
ラクトバチルス及びビフィズス菌を含むプロバイオティック製品は、IBSを改善するためにすでにテストされている(Nivら、2005年;O’Mahonyら、2005年)。いくつかのラクトバチルス株による肯定的な結果が認められており、例えば、Ducrotteらは、ラクトバチルス・プランタルム(L.plantarum)299Vで4週間治療した214人の患者において、腹痛を含むすべてのIBSの主要症状の解決を報告した(Ducrotteら、2012年)。Halpernらは、5×109の加熱殺菌されたラクトバチルス・アシドフィルス(L.acidophilus)を含むカプセルによるIBS症状指数の有意な減少を認めた(Halpernら、1996年)。ラクトバチルス・サリバリウス(L.salivarius)UCC4331などの他のラクトバチルス株は、75人の患者においてプラセボを超える治療効果比を示さず、(O’Mahonyら、2005年)、ラクトバチルス・ロイテリ(L.reuteri)ATCC55730もまた効果を示さなかった(Nivら、2005年)ため、この適応症では、ラクトバチルスの一部の菌株が他の菌株よりも有効であり得ることが示唆されている。
【0006】
ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)株、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)株及び/又はラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)株を含む製品は、過去の臨床研究でテストされているが(Beausoleilら、2007年;Gaoら、2010年;Maziadeら、2015年;Sampalisら、2010年)、これらの治験では、過敏性腸症候群(IBS)、腹痛、腹部膨満、及び/又は便秘の軽減におけるラクトバチルスの有効性が示されてもおらず、示唆されてもいない。
【0007】
したがって、過敏性腸症候群(IBS)、腹痛、腹部膨満、及び/又は便秘などの胃腸障害の軽減に効果的な細菌株の組み合わせが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以下の本発明の特徴の開示及び説明の検討から明らかになるように、これらの必要性及び他の必要性に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、過敏性腸症候群(IBS)、腹痛、腹部不快感、腹部膨満、液状便及び便秘などの望ましくない胃腸の健康問題を軽減するための生菌ラクトバチルスの組み合わせの使用に関する。
【0010】
特定の一態様によれば、本発明は、胃腸障害の軽減を必要とする対象における胃腸障害の軽減方法であって、生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスの組み合わせを前記対象に投与することを含み、前記胃腸障害が、過敏性腸症候群(IBS)、腹痛、腹部膨満、及び便秘からなる群から選択される、胃腸障害の軽減方法に関する。
【0011】
別の特定の態様によれば、本発明は、過敏性腸症候群(IBS)を患う対象の生活の質を改善する方法であって、生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスの組み合わせを前記対象に投与することを含み、前記投与が、排便習慣の満足、IBSによる正常活動の制限の最小化、ボディー・イメージの改善、食事回避の減少、社会生活の増加、性機能障害の低減、及び人間関係改善からなる群から選択される少なくとも1つの利益を前記対象に提供する、生活の質を改善する方法に関する。
【0012】
別の特定の態様によれば、本発明は、過敏性腸症候群(IBS)の軽減を必要とするヒト対象における過敏性腸症候群(IBS)の軽減方法であって、生菌ラクトバチルス・アシドフィルスCL1285(登録商標)、生菌ラクトバチルス・カゼイLBC80R(登録商標)、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスCLR2(登録商標)の組み合わせを前記対象に投与することを含む、IBSの軽減方法に関する。
【0013】
別の特定の態様によれば、本発明は、過敏性腸症候群(IBS)の予防及び/又は治療のための薬物療法の代替方法であって、(i)IBSの予防及び/又は治療のための薬物療法を必要とするヒト対象を特定すること;及び(ii)前記薬物療法に加えて、又は前記薬物療法の代わりに、生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスを含む生菌微生物の組み合わせを含む栄養的に許容される組成物を前記ヒト対象に投与すること、を含む、IBSの予防及び/又は治療のための薬物療法の代替方法に関する。
【0014】
別の特定の態様によれば、本発明は、胃腸障害の軽減を必要とする対象における胃腸障害の軽減のための組成物であって、生菌ラクトバチルス・アシドフィルスCL1285(登録商標)、生菌ラクトバチルス・カゼイLBC80R(登録商標)、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスCLR2(登録商標)の組み合わせを含み、前記胃腸障害が、過敏性腸症候群(IBS)、腹痛、痛みの日数、膨満(distention)、便の硬さ及び排便回数からなる群から選択される、胃腸障害の軽減のための組成物に関する。
【0015】
別の特定の態様によれば、本発明は、過敏性腸症候群(IBS)の軽減を必要とする対象における過敏性腸症候群(IBS)の軽減のための組成物であって、生菌ラクトバチルス・アシドフィルスCL1285(登録商標)、生菌ラクトバチルス・カゼイLBC80R(登録商標)、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスCLR2(登録商標)の組み合わせを含む、IBSの軽減のための組成物に関する。
【0016】
別の特定の態様によれば、本発明は、胃腸障害の軽減を必要とする対象における胃腸障害の軽減のための、生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスの組み合わせの使用であって、前記胃腸障害が、過敏性腸症候群(IBS)、腹痛、腹部膨満、及び便秘からなる群から選択される、胃腸障害の軽減のための使用に関する。
【0017】
別の特定の態様によれば、本発明は、過敏性腸症候群(IBS)の予防、治療及び/又は軽減を必要とする対象における過敏性腸症候群(IBS)の予防、治療及び/又は軽減のための、生菌ラクトバチルス・アシドフィルスCL1285(登録商標)、生菌ラクトバチルス・カゼイLBC80R(登録商標)、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスCLR2(登録商標)の組み合わせの使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、対象における胃腸障害の予防、治療及び/又は軽減に関する。
【0019】
本明細書で使用される場合、「胃腸障害」という用語は、腹痛、腹部膨満、及び便秘(例えば、便の硬さ及び排便回数)などの症状を特徴とする胃腸障害を指す。この用語には、限定するものではないが、便秘型IBS(IBS-C)、下痢型IBS(IBS-D)、及び混合型腸パターンIBS(IBS-M)を含む過敏性腸症候群(IBS)が含まれる。
【0020】
本明細書で使用される場合、「胃腸障害の軽減」又は「過敏性腸症候群の軽減」又は「IBSの軽減」という用語は、限定するものではないが、疾患若しくは状態、前記疾患若しくは状態の症状、又は前記疾患若しくは状態のリスク(又は感受性)の安定化、回復、治癒、緩和、軽減、改変、救済、悪化の軽減、向上、改善又は作用を含む健康上の利益を包含する。この用語は、限定するものではないが、少なくとも、腹痛、腹痛の持続時間の延長(連続的か又は不連続的か)、腹部膨満、便の硬さ及び/又は排便回数の問題(例えば、便秘)、上記の1又は複数に関連する生活の質(QOL)の低下、並びに薬物又はその他で治療した場合のこのような健康問題の不十分な軽減などを含む、望ましくない健康問題の軽減を包含する。
【0021】
本明細書で使用する場合、「対象」という用語は、胃腸障害が発生する可能性がある生物を含む。「対象」という用語は、動物(例えば、哺乳動物(例えば、ネコ、イヌ、ウマ、ブタ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、げっ歯類(例えば、マウス又はラット))、ウサギ、リス、クマ、霊長類(例えば、チンパンジー、サル、ゴリラ、及びヒト))、及び鳥類(例えば、ニワトリ、アヒル、北京アヒル、ガチョウ)、並びにそれらのトランスジェニック種を含む。好ましくは、対象は、ヒト又は非ヒト霊長類(例えば、チンパンジー、サル、マカク、ゴリラ)である。より好ましくは、対象はヒトである。さらにより好ましくは、対象は、治療を必要とし、腹痛、腹部膨満及び便秘などの望ましくない健康上の問題及び/又は症状の1又は複数を有する、又は有する可能性が高いヒトである。
【0022】
特定の一態様によれば、本発明は、胃腸障害、特にIBSの予防、治療及び/又は軽減のための生菌ラクトバチルスの組み合わせの使用を提供する。特定の一実施形態によれば、生菌ラクトバチルスの組み合わせは、生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスを含む。
【0023】
実施形態では、この組み合わせは、該組み合わせのコロニー形成単位(CFU)の約1%~10%のL.アシドフィルス、70%~90%のL.カゼイ、及び約5%~20%のL.ラムノサスを含む。
【0024】
特定の一実施形態では、ラクトバチルス・アシドフィルスは、パリの国立微生物培養物寄託機関(National Collection of Microorganisms Cultures)(CNCM)に寄託番号CNCM I-4099として寄託されたラクトバチルス・アシドフィルスCL1285(登録商標)であり、ラクトバチルス・カゼイは、寄託番号CNCM I-3989としてCNCMに寄託されたラクトバチルス・カゼイLBC80R(登録商標)であり、及びラクトバチルス・ラムノサスは、寄託番号CNCM I-3990としてCNCMに寄託されたラクトバチルス・ラムノサスCLR2(登録商標)である。
【0025】
実施形態では、本発明は、少なくとも100億個、又は少なくとも200億個、又は少なくとも300億個、又は少なくとも400億個、又は少なくとも500億個、又は少なくとも750億個、又は少なくとも1000億個、又は少なくとも1500億個、又は少なくとも2000億個のラクトバチルスの前記組み合わせを同時に投与することを含む。
【0026】
実施形態では、本発明は、生菌ラクトバチルスの組み合わせを1日1回、1日2回、1日3回又はそれ以上投与することを含む。
【0027】
実施形態において、生菌ラクトバチルスの組み合わせは、栄養的に許容される組成物として投与される。本明細書で使用する場合、「栄養的に許容される組成物」という用語は、摂取すると、炭水化物、脂肪、タンパク質、ビタミン、及び/又はミネラルなどの栄養補給及び栄養素を提供する物質、例えば食品を指す。摂取すると、健康上の利益(例えば、望ましくない胃腸の問題の軽減)に加えて、栄養的に許容される組成物は、任意の他の食品と同様にエネルギーも提供する。本発明による栄養的に許容される組成物は、薬物療法で使用される組成物とは実質的に異なり、該栄養的に許容される組成物は、安全で、ヒトにとって非毒性であり、典型的な処方薬に関連する副作用(例えば、頭痛、吐き気、アレルギーなど)が実質的にないと認められる食品成分(好ましくは天然成分)で構成される。
【0028】
それにもかかわらず、栄養的に許容される組成物は、保存剤、可溶化剤、安定剤、乳化剤、軟化剤、着色剤、臭気剤、抗酸化剤などの追加の安全で非毒性の成分をさらに含み得る。
【0029】
栄養的に許容される組成物は、経口投与用の固形形態、乾燥形態、又は液体形態として提示することができる。栄養的に許容される組成物は、限定するものではないが、牛乳、ヨーグルト、カード、発酵乳、牛乳ベースの発酵製品、大豆ベースの発酵製品、発酵穀物ベースの製品、牛乳ベースの粉末、乳児用調合乳、病院で使用されるようなタンパク質濃縮物などを含む、さまざまな摂取可能な形態の食品又は栄養補助食品で提供してもよい。
【0030】
実施形態では、栄養的に許容される組成物は、ラクトバチルスと、限定するものではないが、発酵大豆タンパク質、発酵乳タンパク質、発酵米タンパク質、発酵エンドウ豆タンパク質、発酵麻タンパク質、発酵アーモンドタンパク質、及び発酵昆虫タンパク質(例えば、幼虫タンパク質)を含む発酵タンパク質との組み合わせを含む。
【0031】
ラクトバチルスと栄養的に許容される組成物との組み合わせは、経口送達のための任意の適切な支持体、例えば、ゲル、カプセル、錠剤、懸濁液、又は当業者に公知の任意の他の適切な支持体に組み込まれ得る。好ましくは、単一のカプセル、単一の錠剤、特定の容量の懸濁液などに含まれるラクトバチルスの量は、約100億個~2,000億個の範囲内である。
【0032】
本発明はまた、例えば、一定量の組成物(例えば、25ml、50ml、100ml、又はそれ以上)、又は多数のカプセル若しくは錠剤(例えば、10、15、25、50、又はそれ以上)を含むブリスターパッケージ、再密閉可能なボトルなどを含む、栄養的に許容される組成物の複数用量を含むキット及び容器を包含する。そのようなキット又は容器は、投与される組成物の量、投与のための指示、成分を混合するための指示(例えば、粉末形態の場合)などを示す、パンフレット又は他の印刷物の形態の指示書を有利に含み得る。
【0033】
本発明による栄養的に許容される組成物の製造は、当業者の技能の範囲内である。例えば、ラクトバチルスは、適切な栄養的に許容されるビヒクルに組み込まれてもよい。又は、ラクトバチルスの組み合わせを含む栄養的に許容される組成物は、適切な培地中で生菌ラクトバチルスを発酵させて、ラクトバチルスと、発酵タンパク質(例えば、発酵大豆タンパク質、発酵乳タンパク質、発酵米タンパク質、発酵エンドウ豆タンパク質、発酵麻タンパク質など)とを含む発酵物を得ることによって得ることができる。
【実施例0034】
以下の実施例は、本発明の使用の範囲を例示するために機能し、その範囲を限定するものではない。本発明の意図及び範囲を逸脱することなく、修正及び変更を行うことができる。本発明をテスト又は実現するために、本明細書で見出されるものと同等の他の方法又は同等の製品を使用することはできるが、材料及び好ましい方法を記載する。
【0035】
実施例1:ラクトバチルス・アシドフィルスCL1285(登録商標)、L.カゼイLBC80R(登録商標)、及びL.ラムノサスCLR2(登録商標)は、IBS-C、IBS-DのQOL及び症状を改善する:二重盲検無作為化プラセボ対照試験
【0036】
この治験の目的は、便秘型(IBS-C)、下痢型(IBS-D)及び混合型(IBS-M)のサブタイプの過敏性腸症候群を有する、それ以外は健康な成人における、特定のIBS関連の症状の軽減、生活の質の改善、便の硬さ及び排便回数についての効果、及び十分な軽減(AR)の達成に対する、専有プロバイオティクス製品であるラクトバチルス・アシドフィルスCL1285(登録商標)+ラクトバチルス・カゼイLBC80R(登録商標)+ラクトバチルス・ラムノサスCLR2(登録商標)の有効性を評価することであった。
【0037】
材料及び方法
【0038】
実験計画、試験実施、及びデータ収集
【0039】
この前向きな二重盲検無作為化プラセボ対照試験のプロトコルは、独立したIRB、IntegReviewによって承認された。参加したすべての被験者は、インフォームドコンセントに署名した。18歳以上の被験者は、米国カリフォルニア州にある3つの臨床試験施設で募集された。
【0040】
被験者は、毎日朝食と一緒に2カプセルの治療薬製剤又はプラセボ製剤を摂取した。各治療薬カプセルには、500億c.f.u.の生菌(L.アシドフィルスCL1285(登録商標)、L.カゼイLBC80(登録商標)、及びL.ラムノサスCLR2(登録商標))、及び不活性成分が含まれていた。プラセボカプセルは不活性成分のみを含んでいた。
【0041】
被験者は、IBSのRome III基準を満たす必要があった(Shih and Kwan、2007)。Rome III基準では、過去3か月間、月に少なくとも3日にわたる腹痛又は腹部の不快感が繰り返し起こり、以下の2つ以上を伴う:排便により症状が改善、発症時に排便回数の変化がある、及び発症時に便の形状(外観)の変化がある。症状は、診断の少なくとも6か月前に発症している必要がある。
【0042】
被験者は、治験薬(IP)の摂取のコンプライアンスを実証するために7日間のプラセボ導入期間を完了し、IPの消費、Bristol Stool Chart(BSC)で定義された排便回数、便の硬さ、痛みの重症度、及び併用薬を記録した日記を完成させる必要があった。導入期間が正常に完了するには、少なくとも2日間にわたる腹痛が存在し、以下の少なくとも2つを伴う必要があった:排便により症状が改善、発症時に排便回数の変化がある、及び発症時に便の形状又は外観の変化がある。IBS以外の胃腸疾患と診断される可能性のある被験者、以前の腹部手術又は試験結果を混乱させ得る、若しくは安全性を損ない得る全身性疾患を有する可能性のある被験者、平均余命6か月未満、妊娠又は授乳中、乳糖不耐症、免疫不全、摂食障害、最近の抗生物質の使用、被験薬に対するアレルギーを有する可能性のある被験者、又はプロバイオティクス、発酵乳、若しくはヨーグルトを毎日摂取する可能性のある被験者は除外した。導入期間が正常に完了した後、113人の被験者を治療用被験薬又はプラセボに対して2:1の比率で無作為化した。
【0043】
被験者は6週間の間隔で合計12試験週にわたって試験施設に再来した。毎回のVisit時に、被験者は2つの質問票、IBS-SSS(症状重症度スケール(Symptom Severity Scale))、及びIBS-QOL(生活の質(Quality of Life)、総合スコア、及び8つの検証済みドメイン:憂鬱Dysphoria、活動制限(Interference with Activity)、ボディ-・イメージ(Body Image)、健康に対する心配(Health Worry)、食事回避(Food Avoidance)、社会生活(Social Reaction)、性的問題(Sexual)、及び人間関係(Relationship)におけるQOLの評価を含む;「Information Sheet on the Irritable Bowel Syndrome-Quality of Life Measure(IBS-QOL)」、University of Washington発行、Webで入手可能を参照されたい)に記入した。
【0044】
被験者は、毎回のVisit時にIBS症状が十分に軽減されたかどうかについて質問された。被験者は、便の硬さと排便回数、症状の重症度、IPの摂取、及び併用薬を日記に記録し続け、毎回のVisit時に収集し、読みやすさと完全性を確認された。返却されたIPはコンプライアンスを評価するためにカウントされ、新しいIPがVisit3で支給された。被験者は、発症日と回復日及び重症度を決定するために日記に記された全ての有害事象(AE)について質問された。報告されたAEは、その後、研究者によってIPとの関係(関連する、関連する可能性がある、関連する可能性が低い、関連しない)として分類された。
【0045】
試験のエンドポイント
【0046】
試験のエンドポイントには、腹痛スコアの変化、膨満スコアの変化、痛みのある日数の変化、IBS-SSS及びIBS-QOL(QOLドメインを含む)のスコアの改善、及びARが含まれた。試験期間中の排便回数の変化及び便の硬さの変化を、IBSサブタイプ内、並びにIBSサブタイプ及び性別のサブグループ内で調べた。安全性のエンドポイントは、報告された有害事象に対する発生率、重症度、及びIPとの関係であった。
【0047】
試験集団
【0048】
修正治療意図(mITT)集団を、ランダム化され、少なくとも1回のIP投与を受けた被験者として定義した;この集団を、有効性分析と安全性分析とに使用した。
【0049】
データ管理
【0050】
データを試験施設のハードコピーソースドキュメントで収集して、Webベースのリレーショナルデータベースに入力した。ソースドキュメントに対する臨床データフィールドの100%のオンサイト監視は、臨床研究員(CRA)によって完了した。クエリは、施設の臨床チームによる解決のために必要に応じて生成した。すべてのデータが入力され、すべてのクエリが解決された後、データベースを分析のためにハードロックした。次に、試験の生物統計学者がデータファイルを抽出し、被験者のID番号を処置の割り当てと照合して、試験のブラインドを解除した。
【0051】
統計分析
【0052】
スクリーニングされた被験者の数、無作為化された数、早期に中止された数、及び完了した数を、処置群ごとに表にした。
【0053】
mITT集団全体を、症状のエンドポイント及びQOLのエンドポイントについて分析し、並びにIBSサブタイプ及び性別の部分集団を分析した。便の硬さと排便回数の変化を、IBS-C及びIBS-Dサブタイプについて分析し、並びにサブタイプ内の性別ごとに分析した。
【0054】
記述統計をベースラインと人口統計学的特性について計算して、処置群ごとに表にした。記述統計には、各変数の形式によって規定された平均、標準偏差、中央値、範囲、及びパーセンテージが含まれる。推測法はベースライン特性には適用しなかった。
【0055】
コンプライアンスは、意図されたIPの使用率として計算し、6週目と12週目に返却されたボトル数と被験者の日記とによって決定し、群にわたって比較した。コンプライアンスは、意図されたIPの70%以上の摂取量としてさらに定義し、カイ2乗検定を使用して分析した。
【0056】
IBS-SSS、IBS-QOL全体及びドメイン、痛みの重症度、過去10日間の痛みのある日数、膨満の重症度、排便習慣の満足度、及びIBSによる生活全般の制限について2つの処置群におけるVisit2~Visit4の間のスコアの変化を分析した。便の硬さスコアは、BSCを使用して被験者によって割り当てられ、被験者の日記に毎日記録され、毎日の排便回数が、日記に入力された便の回数から決定された。7日間の導入期間中と、試験の最後の7日間との便の硬さ及び排便回数の中央値の変化を比較した。便の硬さスコアは1週間あたりのBSCスコアの中央値として表し、排便回数は1日あたりの便の回数の中央値として表した。
【0057】
データ分析により、有効性エンドポイントはIBSのサブタイプ内、及び性別ごとに個別に評価する必要があり、サブグループのサンプルサイズの多くは小さいことが明らかになった。多くのエンドポイントで大きなプラセボ効果が認められた。したがって、治療群とプラセボ群の変化を比較することによって、プラセボ効果を制御することを選択した。Visit2~Visit4までの平均改善を処置群ごとに計算して、その後、プラセボ値を治療薬値から減算し、プラセボ値で除算して、100倍した。例えば、治療群の腹痛重症度の平均変化15.0に対してプラセボ群の平均変化が10.0であれば、治療薬による改善がプラセボによる改善を50%上回るとして報告した。このアプローチを、IBS-SSS、IBS-QOL、及びドメインである痛みの重症度、痛みのある日数、膨満の重症度、排便習慣の満足度、IBSによる一般的生活の制限の変化を比較するために使用した。同じ方法を使用して、便の硬さと排便回数の変化を比較した。
【0058】
便の硬さと排便回数の変化の分析を、IBS-C及びIBS-Dサブタイプの被験者、及びそれらのサブタイプ内の男性及び女性の被験者に対して行った。各サブタイプ内で、「改善」パーセンテージを、そのサブタイプについての望ましい方向の変化パーセンテージとして定義した。したがって、結果の表では、両方のサブタイプで「改善」が肯定的な変化として報告されているが、定義が異なる。IBS-Cサブタイプでは、平均BSCスコアの増加(便の軟化に相当する)、及び排便回数の増加がそのエンドポイントの改善を示す肯定的なスコアであった。IBS-D被験者では、平均BSCスコアの低下(より硬い便を示す)及び排便回数の減少が、正の数値を使用した改善として報告された。
【0059】
プロトコルが作成された時点で、ARはIBS試験における共通の主要エンドポイントであり、この試験のエンドポイントとして採用された。エンドポイントIBS-ARは、アロセトロン(Camilleriら、1999年)、シランセトロン、及びテガセロド(Kellowら、2003年;Tackら、2005年)を用いた治療IBS試験において、臨床的及び統計的に関連する利益であることが示されていた。ARは1つの質問:「この1週間で、IBS症状は十分に軽減されましたか」で構成される。
【0060】
安全性は、治療群とプラセボ群において有害事象のある被験者の割合を計算し、それらを記述的に比較することによって評価した。有害事象の特定のカテゴリーを記述的に表にした。特定の有害事象のある被験者の比較は記述的であった。
【0061】
結果
【0062】
合計113人の被験者が登録され、そのうち86人の被験者(76.1%)が試験を完了した。完了率は、プラセボ群で73.0%、治療群で77.6%であった。早期中止の理由には、フォローアップの喪失(10.6%)、同意の撤回(7.1%)、及びその他/不明(6.1%)が含まれる。有害事象のために中止した被験者はいなかった。
【0063】
被験者の人口統計及びベースライン特性
【0064】
mITT集団の人口統計及びベースライン特性の分布を表1に示す。プラセボ群と治療群とは、年齢、性別、及び人種で同等であった。
【0065】
【0066】
IBSサブタイプの分布
【0067】
113人の患者を、各施設の調査員によって、試験の開始時の症状と病歴に基づいてIBS-C、IBS-D、又はIBS-Mとして分類した。表2に示すように、3つのサブタイプの被験者の分布は、臨床施設によって異なった。
【0068】
【0069】
コンプライアンス
【0070】
プラセボ群の被験者は意図した用量の87.0±17.8%を消費したが、治療群の消費は77.3±19.9%であった。プロトコルに基づいて、意図したIPの少なくとも70%の消費量、プラセボ群の被験者の84.4%、及び治療群の被験者の87.3%をコンプライアンスと定義した。
【0071】
IBS症状重症度スケール-IBS-SSS
【0072】
IBS-SSSは、腹痛の重症度、過去10日間の痛みのある日数、腹部膨満の重症度、排便習慣の満足度、及びIBSによる被験者の一般的生活の制限の程度に関する質問で構成されている。痛みのある日数を除くこれらすべては、0~100の範囲のリッカートスケールでスコア化された。総合スコアを計算したところ、治療群に有利となる30%以上の平均改善は示されなかった。
【0073】
患者のサブグループにおいて、治療群対プラセボ群で腹痛の重症度の変化が30%に達したサブグループはなかった。しかし、IBS-SSSを構成する個々の症状について多くのサブグループで臨床的改善が見られた。表3は、IBS-SSSの質問のスコア改善パーセンテージが最も高いのが、IBS-Dサブタイプ、特に女性で見られ、治療薬処置では改善のパーセンテージが50%~144%に変化したことを示している。下痢型サブタイプの男性は、「排便習慣の満足」(43%)、及び「活動制限」(39%)で改善が小さかった。IBS-Cサブタイプでの利点は、女性で「痛みのある日数」(42%)、男性及び女性の両方で「排便習慣の満足度」(30%及び33%)において示された。
【0074】
【0075】
多くのサブグループで、個々の質問について治療薬処置がプラセボより優れていたパーセンテージは、定義した閾値である30%をかなり上回っていた。
【0076】
生活の質-IBS QOLの総合スコア
【0077】
IBS-QOLの総合スコアを、全集団、IBS-C及びIBS-Dサブタイプ内、及び性別について、並びにサブタイプ内の性別ごとについて調べた。治療群とプラセボ群の改善パーセンテージ(表4)は、IBS-SSSで得られた結果に匹敵し、肯定的な応答はIBS-Dサブタイプ、及び女性に集中した。IBS-Dサブタイプの男性では、治療薬に関する改善の程度が低い(38%)ことがわかった。
【0078】
【0079】
生活の質IBS-QOLのドメインスコア
【0080】
プラセボに対する治療薬IPの治療効果を、総合QOLスコア(表4)及び8つのドメインそれぞれ(表5)について、女性被験者で実証した。女性サブグループにおける効果は、IBS-C及びIBS-Dサブタイプの両方で観察された。男性のIBS-Dサブグループでは、総合QOLスコア及び4つのドメインで治療効果が見られた。
【0081】
【0082】
十分な軽減
【0083】
試験集団全体として、Visit2、Visit3、及びVisit4でのIBS症状のARに関して2つの試験群間に差はなかった。強力なプラセボ効果が認められた。
【0084】
さらに、いずれかの試験Visitでサブタイプ内のIBSのARに差があったかどうかを発見するために、各IBSサブタイプのデータを分析した。3つのIBSサブタイプのいずれにおいても、2つの試験群間で差は見つからなかった。男性及び女性のサブグループ、並びに3つのIBSサブタイプのそれぞれの内の性別によるサブグループの分析により、同様の結果が得られた。
【0085】
便の硬さ
【0086】
便の硬さの分析では、肯定的な変化(「改善」)は、IBS-CではBSCスコアの増加、及びIBS-DではBSCスコアの減少を示している。表6は、治療薬による変化がプラセボによる変化を30%以上上回ったサブグループについての、プラセボに対する治療薬の変化%を示している。
【0087】
【0088】
便の硬さの中央値は、プラセボ群と治療薬処置群との両方で改善された。プラセボ群の変化中央値は典型的には約1BSCスケールポイントで、その範囲は0.88~1.50であり、治療群では約1.75 BSCスケールポイントで、その範囲は1.17~1.88であった。変化パーセントは、前に示したエンドポイントで見られたものと同じであり、治療薬のIBS-Dサブタイプの男性及び女性は、プラセボと比較して最大の応答を示した。IBS-Cサブタイプの男性では、プラセボよりも治療薬の方が有利であったが、IBS-C群全体でも、IBS-Cの女性でもこのことは見られなかった。処置群間の最大の差は、IBS-Dサブタイプにおいて男性と女性との両方で見られた。男性サブグループ及びIBS-Cの男性のサブグループも、プラセボと比較して便の硬さの改善を示した。
【0089】
排便回数
【0090】
排便回数の分析では、肯定的な変化(「改善」)は、IBS-Cでは回数の増加、及びIBS-Dでは回数の減少を示している。プラセボ群及び治療群の両方で、IBS-Cサブタイプ及びIBS-Dサブタイプの両方で排便回数が改善し、IBS-Cサブタイプの被験者は、試験の最後の週に導入期間よりも排便回数が多くなり、一方IBS-Dサブタイプの被験者は、その期間にわたって排便回数の減少が報告された。表7は、排便回数の改善について、治療薬がプラセボより30%以上優れていたIBSサブタイプ及びサブグループを示している。
【0091】
【0092】
施設固有の効果
【0093】
ガーデングローブの臨床施設には、特に興味深い被験者のサブグループがあり、ガーデングローブで処置された16人の被験者のうち、12人は処置に抵抗性の重篤な慢性便秘の女性であった。このサブグループでは、1日あたりの平均の排便回数(FDAガイダンスドキュメントによるIBS-Cの重要なエンドポイント)が、プラセボ群では平均0.25回の排便増加/日、治療薬サブグループでは平均0.75回の排便増加/日であり、治療薬がプラセボに対して200%増加した。この臨床施設では、治療薬処置に無作為化された被験者は、プラセボ群の被験者よりもベースラインで週あたりの平均排便回数が少なく(0.38回の排便/日対0.75回の排便/日)、治療群の便の増加が大きいことがさらに注目に値する。
【0094】
【0095】
安全性
【0096】
合計7人の被験者が試験中に1又は複数のAEを報告した。これらの被験者のうち3人はプラセボ群であり、4人は治療群であった。合計14のAEが7人の被験者から報告された。治療群の1人の被験者から報告された重篤なけいれんを除いて、すべて重症度は軽度又は中程度であった。4つの事象がおそらく被験薬に関連していると、治験責任医師により判定された:口渇と喉の渇きの増加、呼吸促迫、吐き気、及び疲労。これらの事象はすべて、プラセボ群の1人の被験者によって報告された。口渇と喉の渇きの増加は試験期間中続いたが、被験者の最後の試験Visitの前日に解決した。被験薬と明確に関連していると判定されたAEは存在せず、深刻なAEは存在しなかった。
【0097】
考察
【0098】
IBSの効果的な治療法の発見は、近年の薬物及びプロバイオティクス研究の目標となっている。多くのプロバイオティクス研究の被験者集団は小規模であるが、いくつかのメタ分析が発表されており、特定のプロバイオティクス種及び菌株は、IBS症状の緩和において他よりも効果的であることが示されている(McFarland及びDublin、2008年;Ortiz-Lucasら、2013年)。IBSの試験は、患者が不安とうつ病の心理的プロファイルを頻繁に示すという事実によって複雑になり(Fordら、2014年a);これらの心理的影響は、効果的な治療の欠如、及びIBSは軽い状態であるとの公衆の認識によって悪化する可能性がある。治療の評価では、人種、民族、食事、及び文化の影響も考慮する必要がある(Favaら、2013年;Hughes、2012年)。
【0099】
この試験では、L.アシドフィルスCL1285(登録商標)、L.カゼイLBC80R(登録商標)、及びL.ラムノサスCLR2(登録商標)を組み合わせた効果を、3つのIBSサブタイプのIBS-C、IBS-D、IBS-MにおいてIBSの症状及び生活の質について評価した。多くの試験で報告されているように、この試験で使用されたプラセボ製品はIBS症状の改善をもたらし、FDAガイダンスに記載されているような治療効果のレベルに達した。このガイダンスに沿って、プラセボを30%上回る治療薬製剤による改善を、試験エンドポイントであるQOL(全体及びドメイン)の変化、並びに腹痛、腹部膨満、痛みのある日数の変化、排便習慣の満足度、及び一般的生活の制限に対する有意な治療効果の増加として定義した。治療薬製剤中の菌株は、プラセボと比較して、IBS-C及びIBS-Dの臨床症状を男性と女性との両方でさまざまな程度に同時に軽減するのに効果的であった。排便回数は両方のサブタイプで改善され、BSCにより判定した便の硬さは、IBS-Dの男性と女性との被験者で改善し、及びIBS-Cサブタイプの男性の被験者で改善した。これらのエンドポイントは、現在、IBS-C及びIBS-Dの患者を対象とした薬物試験での有効性を実証するために、米国及びヨーロッパの規制当局によって推奨されているエンドポイントである。これらの結果は、これらの対症効果が、IBSのために特別に開発されたIBS-QOL指標の並行傾向を反映していることを示している(Drossmanら、2000年)。
【0100】
女性被験者、特にIBS-Dサブタイプは、排便回数および便の硬さの点で治療薬製剤に良好な応答を示し、症状及びQOLの改善の点で最も応答が高かった。男性の反応も排便回数及び便の硬さの点で良好であったが、プラセボを上回る治療薬製剤に対する応答は女性のサブグループほど顕著ではなかった。
【0101】
IBS-C及びIBS-Dの両方のサブタイプで観察された症候的応答は、3つのラクトバチルス株が症状の軽減とこの適応症のQOLの改善とに効果的であることを示唆している。
【0102】
この試験で使用された製品の安全性プロファイルは、以前の治験(Beausoleilら、2007年;Gaoら、2010年;Sampalisら、2010年)及び品質改善試験(Maziadeら、2015年)で実証されている。被験薬の作用機序は一部の腸の病理学で実証されているが、本試験では調査されていない(Auclairら、2015年)。興味深いことに、3つのラクトバチルス株で観察されたプラセボを上回る治療効果比は、薬物研究で見られたものを超えるが、これらの薬物研究には、重大な有害事象がないわけではない(Cremoniniら、2003年;Kellowら、2003年;Tackら、2005年)。承認薬は、プロバイオティックレジメンよりも安全性プロファイルが低く、このプロバイオティックレジメンは優れた安全性を示している。
【0103】
プロバイオティクスのQOLへの効果を評価した研究はほとんどなく、評価した研究の多くは有意な改善を認めなかった(Halpernら、1996年;Kellowら、2003年;Kimら、2003年;Moayyediら、2010年;Nivら、2005年)。少数の研究では、いくつかのドメインで改善が見られた(Guglielmettiら、2011年;Kajanderら、2008年;Lorenzo-Zunigaら、2014年;O’Mahonyら、2005年)が、本発明者らの知る限り、「活動制限」ドメインについて効果がないことは以前に実証されている。O’Mahonyらは、ラクトバチルス・サリバリウス亜種(L.salivarius ssp)及びビフィドバクテリウム・インファンティス(B.infantis)についてほとんどのドメインでIBS-QOLスコアが低いことを発見していた(O’Mahonyら、2005年)。
【0104】
この試験は、さまざまなエンドポイント:排便回数及び便の硬さ、生活の質、膨満の重症度の改善、痛みのある日数、及び排便習慣の満足度について一貫して見られた、特定のIBSサブタイプ及びサブグループにおける治療効果のエビデンスを提供する。本発明者らの調査結果は、プロバイオティクス及び薬物療法で実施された他の研究と一致している(Somberg、2012年)。
【0105】
被験薬を用いて実施された以前の研究では、AEの発生率は低いことが観察されている。このプロトコルは、製品の最適な投与量で、カナダと米国で行われた以前の臨床研究に基づいていた。被験薬は、抗生物質関連性下痢、及びクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の予防について成人で以前にも評価されており、中国におけるC.ディフィシルの集団発生の際の下痢リスクの大幅な低減を実証しているGaoら、2010年)。被験薬を含む過去10年間の臨床研究では、いずれの治験でも被験薬に関連する深刻な有害事象(SAE)はなかった(Beausoleilら、2007年;Gaoら、2010年;Maziadeら、2015年;Sampalisら、2010年)。
【0106】
結論
【0107】
この試験で使用された生細菌の特定の組み合わせは、性別及びサブタイプの間で異なる結果を生み出した。それにもかかわらず、重篤な有害事象なしに、両性において便の硬さ及び排便回数、生活の質、並びにIBS症状に明らかに肯定的な影響があった。これらの発見は、IBSを患う被験者のための有望な治療選択肢を提示する。
【0108】
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Ford,A.C.、Quigley,E.M.、Lacy,B.E.、Lembo,A.J.、Saito,Y.A.、Schiller,L.R.、Soffer,E.E.、Spiegel,B.M.及びMoayyedi,P.、2014年b。Efficacy of prebiotics,probiotics,and synbiotics in irritable bowel syndrome and chronic idiopathic constipation:systematic review and meta-analysis.American Journal
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【0109】
見出しは、参照のため、及び特定のセクションを見つけるのに役立つように、ここに含まれている。これらの見出しは、そこに記載されている概念の範囲を限定することを意図したものではなく、これらの概念は、本明細書全体を通して他のセクションにも適用可能であり得る。したがって、本発明は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図せず、本明細書に開示される原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
【0110】
単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に他のことを指示しない限り、対応する複数の言及を含む。したがって、例えば、「化合物」への言及は、そのような化合物の1又は複数を含み、「方法」への言及は、本明細書に記載の方法を修正、又は置き換えることができる、当業者に公知の同等の工程及び方法への言及を含む。
【0111】
特に明記しない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量、反応条件、濃度、特性などを表すすべての数は、「約」という用語によってすべての場合に修飾されるものとして理解されるべきである。少なくとも、各数値パラメータは、報告された有効数字の数を考慮して、通常の丸め手法を適用することによって、少なくとも解釈されるべきである。したがって、反対のことが示されない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲に示される数値パラメータは、得ようとする特性に応じて変動し得る近似値である。実施形態の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータは近似値であるが、特定の実施例に示される数値は、可能な限り正確に報告されている。ただし、どの数値にも、実験、テスト測定、統計分析などのばらつきから生じる特定の誤差が本質的に含まれている。
【0112】
本明細書に記載の実施例及び実施形態は、例示目的のみであり、その観点からさまざまな修正又は変更が当業者に示唆され、本発明及び添付の特許請求の範囲内に含まれることは理解されるべきである。
<付記>
本開示の態様は以下を含む。
<項1>
胃腸障害の軽減を必要とする対象における胃腸障害の軽減方法であって、生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスの組み合わせを前記対象に投与することを含み、前記胃腸障害が、過敏性腸症候群(IBS)、腹痛、腹部膨満、及び便秘からなる群から選択される、胃腸障害の軽減方法。
<項2>
過敏性腸症候群(IBS)を患う対象の生活の質を改善する方法であって、生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスの組み合わせを前記対象に投与することを含み、前記投与が、排便習慣の満足、IBSによる正常活動の制限の最小化、ボディー・イメージの改善、食事回避の減少、社会生活の増加、性機能障害の低減、及び人間関係改善からなる群から選択される少なくとも1つの利益を前記対象に提供する、生活の質を改善する方法。
<項3>
前記ラクトバチルス・アシドフィルスがCNCMに寄託されたラクトバチルス・アシドフィルスCL1285(登録商標)であり、前記ラクトバチルス・カゼイがCNCMに寄託されたラクトバチルス・カゼイLBC80R(登録商標)であり、及び前記ラクトバチルス・ラムノサスがCNCMに寄託されたラクトバチルス・ラムノサスCLR2(登録商標)である、項1又は項2に記載の方法。
<項4>
前記投与が、ラクトバチルスの前記組み合わせを含む栄養的に許容される組成物の投与を含む、項1~項3のいずれか一項に記載の方法。
<項5>
前記投与が、ラクトバチルスの前記組み合わせを少なくとも100億個~2000億個投与することを含む、項1~項4のいずれか一項に記載の方法。
<項6>
生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスの前記組み合わせが、前記組み合わせのコロニー形成単位(CFU)の約1%~10%のL.アシドフィルス、70%~90%のL.カゼイ、及び約5%~20%のL.ラムノサスを含む、項1~項4のいずれか一項に記載の方法。
<項7>
前記投与が、ラクトバチルスの前記組み合わせを少なくとも1日1回投与することを含む、項1~項6のいずれか一項に記載の方法。
<項8>
前記投与が、ラクトバチルスの前記組み合わせを含むカプセルを投与することを含む、項1~項7のいずれか一項に記載の方法。
<項9>
前記投与が、発酵物を投与することを含み、前記発酵物がラクトバチルスの前記組み合わせに加えて発酵タンパク質を含む、項1~項8のいずれか一項に記載の方法。
<項10>
前記発酵タンパク質が、発酵大豆タンパク質、発酵乳タンパク質、発酵米タンパク質、発酵エンドウ豆タンパク質、発酵麻タンパク質、発酵アーモンドタンパク質、及び発酵昆虫タンパク質からなる群から選択される、項9に記載の方法。
<項11>
過敏性腸症候群(IBS)の軽減を必要とするヒト対象における過敏性腸症候群(IBS)の軽減方法であって、生菌ラクトバチルス・アシドフィルスCL1285(登録商標)、生菌ラクトバチルス・カゼイLBC80R(登録商標)、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスCLR2(登録商標)の組み合わせを前記対象に投与することを含む、IBSの軽減方法。
<項12>
前記IBSが、便秘型IBS(IBS-C)、下痢型IBS(IBS-D)、及び混合型腸パターンIBS(IBS-M)のうちの少なくとも1つを含む、項11に記載の方法。
<項13>
IBSの複数の症状の同時軽減を提供する、項11又は項12に記載の方法。
<項14>
前記症状が、腹痛、腹部膨満、及び便秘からなる群から選択される、項13に記載の方法。
<項15>
前記投与が、ラクトバチルスの前記組み合わせを含む栄養的に許容される組成物の投与を含む、項11~項14のいずれか一項に記載の方法。
<項16>
前記投与が、ラクトバチルスの前記組み合わせを少なくとも100億個~2000億個投与することを含む、項11~項15のいずれか一項に記載の方法。
<項17>
生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスの前記組み合わせが、前記組み合わせのコロニー形成単位(CFU)の約1%~10%のL.アシドフィルス、70%~90%のL.カゼイ、及び約5%~20%のL.ラムノサスを含む、項11~項16のいずれか一項に記載の方法。
<項18>
前記投与が、ラクトバチルスの前記組み合わせを少なくとも1日1回投与することを含む、項11~項17のいずれか一項に記載の方法。
<項19>
前記投与が、ラクトバチルスの前記組み合わせを含むカプセルを投与することを含む、項11~項17のいずれか一項に記載の方法。
<項20>
前記投与が、発酵物を投与することを含み、前記発酵物がラクトバチルスの前記組み合わせに加えて発酵タンパク質を含む、項11~項19のいずれか一項に記載の方法。
<項21>
前記発酵タンパク質が、発酵大豆タンパク質、発酵乳タンパク質、発酵米タンパク質、発酵エンドウ豆タンパク質、発酵麻タンパク質、発酵アーモンドタンパク質、及び発酵昆虫タンパク質からなる群から選択される、項20に記載の方法。
<項22>
過敏性腸症候群(IBS)の予防及び/又は治療のための薬物療法の代替方法であって、(i)IBSの予防及び/又は治療のための薬物療法を必要とするヒト対象を特定すること;及び(ii)前記薬物療法に加えて、又は前記薬物療法の代わりに、生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスを含む生菌微生物の組み合わせを含む栄養的に許容される組成物を前記ヒト対象に投与すること、を含む、IBSの予防及び/又は治療のための薬物療法の代替方法。
<項23>
前記ラクトバチルス・アシドフィルスがCNCMに寄託されたラクトバチルス・アシドフィルスCL1285(登録商標)であり、前記ラクトバチルス・カゼイがCNCMに寄託されたラクトバチルス・カゼイLBC80R(登録商標)であり、及び前記ラクトバチルス・ラムノサスがCNCMに寄託されたラクトバチルス・ラムノサスCLR2(登録商標)である、項22の代替方法。
<項24>
前記投与が、前記栄養的に許容される組成物を少なくとも1日1回投与することを含む、項22又は項23に記載の代替方法。
<項25>
前記投与が、前記栄養的に許容される組成物を含むカプセルを投与することを含む、項22~項24のいずれか一項に記載の代替方法。
<項26>
前記栄養的に許容される組成物が、ラクトバチルスの前記組み合わせを少なくとも100億個~2000億個含む、項22~項25のいずれか一項に記載の代替方法。
<項27>
生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスの前記組み合わせが、前記組み合わせのコロニー形成単位(CFU)の約1%~10%のL.アシドフィルス、70%~90%のL.カゼイ、及び約5%~20%のL.ラムノサスを含む、項22~項26のいずれか一項に記載の方法。
<項28>
前記栄養的に許容される組成物が、ラクトバチルスの前記組み合わせに加えて発酵タンパク質を含む発酵物の形態である、項22~項27のいずれか一項に記載の代替方法。
<項29>
前記発酵タンパク質が、発酵大豆タンパク質、発酵乳タンパク質、発酵米タンパク質、発酵エンドウ豆タンパク質、及び発酵麻タンパク質からなる群から選択される、項28に記載の代替方法。
<項30>
前記投与が、排便習慣の満足、IBSによる正常活動の制限の最小化、ボディー・イメージの改善、食事回避の減少、社会生活の増加、性機能障害の低減、及び人間関係改善からなる群から選択される少なくとも1つの利益を前記対象に提供する、項22~項29のいずれか一項に記載の方法。
<項31>
胃腸障害の軽減を必要とする対象における胃腸障害の軽減のための組成物であって、生菌ラクトバチルス・アシドフィルスCL1285(登録商標)、生菌ラクトバチルス・カゼイLBC80R(登録商標)、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスCLR2(登録商標)の組み合わせを含み、前記胃腸障害が、過敏性腸症候群(IBS)、腹痛、痛みの日数、膨満(distention)、便の硬さ及び排便回数からなる群から選択される、胃腸障害の軽減のための組成物。
<項32>
過敏性腸症候群(IBS)の軽減を必要とする対象における過敏性腸症候群(IBS)の軽減のための組成物であって、生菌ラクトバチルス・アシドフィルスCL1285(登録商標)、生菌ラクトバチルス・カゼイLBC80R(登録商標)、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスCLR2(登録商標)の組み合わせを含む、IBSの軽減のための組成物。
<項33>
ラクトバチルスの前記組み合わせに加えて発酵タンパク質を含む、項31又は項32に記載の組成物。
<項34>
前記発酵タンパク質が、発酵大豆タンパク質、発酵乳タンパク質、発酵米タンパク質、発酵エンドウ豆タンパク質、発酵麻タンパク質、発酵アーモンドタンパク質、及び発酵昆虫タンパク質からなる群から選択される、項33に記載の組成物。
<項35>
ラクトバチルスの前記組み合わせを少なくとも100億個~2000億個含む、項31~項34のいずれか一項に記載の組成物。
<項36>
前記組み合わせのコロニー形成単位(CFU)の約1%~10%のL.アシドフィルス、70%~90%のL.カゼイ、及び約5%~20%のL.ラムノサスを含む、項31~項35のいずれか一項に記載の組成物。
<項37>
栄養的に許容される組成物である、項31~項36のいずれか一項に記載の組成物。
<項38>
胃腸障害の軽減を必要とする対象における胃腸障害の軽減のための、生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスの組み合わせの使用であって、前記胃腸障害が、過敏性腸症候群(IBS)、腹痛、腹部膨満、及び便秘からなる群から選択される、使用。
<項39>
前記ラクトバチルス・アシドフィルスが寄託番号CNCM I-4099のラクトバチルス・アシドフィルスCL1285(登録商標)であり、前記ラクトバチルス・カゼイが、寄託番号CNCM I-3989のラクトバチルス・カゼイLBC80R(登録商標)であり、及び前記ラクトバチルス・ラムノサスが、寄託番号CNCM I-3990のラクトバチルス・ラムノサスCLR2(登録商標)である、項38に記載の使用。
<項40>
前記投与が、排便習慣の満足、IBSによる正常活動の制限の最小化、ボディー・イメージの改善、食事回避の減少、社会生活の増加、性機能障害の低減、及び人間関係改善からなる群から選択される少なくとも1つの利益を前記対象に提供する、項38又は項39に記載の使用。
<項41>
過敏性腸症候群(IBS)の予防、治療及び/又は軽減を必要とする対象における過敏性腸症候群(IBS)の予防、治療及び/又は軽減のための、生菌ラクトバチルス・アシドフィルスCL1285(登録商標)、生菌ラクトバチルス・カゼイLBC80R(登録商標)、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスCLR2(登録商標)の組み合わせの使用。
<項42>
生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスの前記組み合わせが、前記組み合わせのコロニー形成単位(CFU)の約1%~10%のL.アシドフィルス、70%~90%のL.カゼイ、及び約5%~20%のL.ラムノサスを含む、項38~項41のいずれか一項に記載の使用。
<項43>
前記生菌ラクトバチルス・アシドフィルス、生菌ラクトバチルス・カゼイ、及び生菌ラクトバチルス・ラムノサスが、発酵タンパク質を含む組成物中に存在する、項38~項42のいずれか一項に記載の使用。
<項44>
前記発酵タンパク質が、発酵大豆タンパク質、発酵乳タンパク質、発酵米タンパク質、発酵エンドウ豆タンパク質、発酵麻タンパク質、発酵アーモンドタンパク質、及び発酵昆虫タンパク質からなる群から選択される、項43に記載の使用。
<項45>
前記対象が、ラクトバチルスの前記組み合わせを少なくとも100億個~2000億個、1日1回摂取する、項38~項44のいずれか一項に記載の使用。