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特開2023-96137太陽電池およびその製造方法、光起電力モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096137
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】太陽電池およびその製造方法、光起電力モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0216 20140101AFI20230629BHJP
   H01L 31/068 20120101ALI20230629BHJP
【FI】
H01L31/04 240
H01L31/06 300
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082684
(22)【出願日】2023-05-19
(62)【分割の表示】P 2022150968の分割
【原出願日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】202110989144.4
(32)【優先日】2021-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521376620
【氏名又は名称】上海晶科緑能企業管理有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】余丁
(72)【発明者】
【氏名】リ ウン チー
(72)【発明者】
【氏名】趙世傑
(72)【発明者】
【氏名】ヂァン シィアォ ウェン
(72)【発明者】
【氏名】柴嘉磊
(72)【発明者】
【氏名】ヂァン シン ウ
(72)【発明者】
【氏名】金浩
(72)【発明者】
【氏名】楊潔
(57)【要約】
【課題】本願は、太陽電池およびその製造方法、光起電力モジュールを提供する。
【解決手段】太陽電池は、対向する前面と裏面を有するベースと、前記前面に位置しかつ前記前面から離れる方向に順次設置されている、誘電体材料を含む第1パッシベーション層、第1窒化ケイ素Si(n/m∈[0.5、1])材料を含む第2パッシベーション層、及び酸窒化ケイ素SiO(j/i∈[0.1、0.6])材料を含む第3パッシベーション層と、前記裏面に位置しかつ前記裏面から離れる方向に順次設置されている、トンネル酸化層及び前記ベースと同じ導電型のドーパントを有するドープ導電層と、を備える。本願の実施例は、太陽電池の光吸収効率の向上に有利である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する前面と裏面を有するベースと、
前記前面に位置しかつ前記前面から離れる方向に順次設置されている、第1パッシベーション層、第2パッシベーション層、及び第3パッシベーション層と、を備え、
ここで、前記第1パッシベーション層の厚さは、3nm~10nmであり、前記第2パッシベーション層の厚さは、40nm~60nmであり、前記第3パッシベーション層の厚さは、20nm~50nmであり、
前記第1パッシベーション層の屈折率は1.6~1.7であり、前記第2パッシベーション層の屈折率は1.9~2.2であり、前記第3パッシベーション層の屈折率は1.45~1.8である、
ことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
前記誘電体材料は、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ガリウム、酸化ハフニウムのうちの一種または複数種を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記誘電体材料は、酸化アルミニウムAl材料であり、且つy/x∈[1.1、1.5]である、
ことを特徴とする請求項2に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記第1パッシベーション層は、誘電体材料を含み、前記第2パッシベーション層は、第1窒化ケイ素Si(n/m∈[0.5、1])材料を含み、前記第3パッシベーション層は、酸窒化ケイ素SiO(j/i∈[0.1、0.6])材料を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記太陽電池は、前記裏面に位置しかつ前記裏面から離れる方向に順次設置されている、トンネル酸化層及び前記ベースと同じ導電型のドーパントを有するドープ導電層、をさらに備え、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記第1パッシベーション層は、前記ベースと前記誘電体材料との間に介在している酸化ケイ素材料をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記ベースは、N型半導体ベースであり、
前記ドープ導電層は、N型ドープポリシリコン層、N型ドープ微結晶シリコン層、またはN型ドープアモルファスシリコン層のうちの少なくとも一種である、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記第1パッシベーション層と前記第2パッシベーション層との間に、第1中間層が設けられ、前記第1中間層の材料は、酸化ケイ素材料であり、前記第1中間層の厚さは0.5nm~3nmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項9】
前記第2パッシベーション層と前記第3パッシベーション層との間に、第2中間層が設けられ、前記第2中間層の材料は、酸炭窒化ケイ素材料であり、前記第2中間層の厚さは10nm未満である、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項10】
前記ドープ導電層における前記ベースから離反する側に位置する第4パッシベーション層をさらに備え、
前記第4パッシベーション層は、2~4層の窒化ケイ素のサブ層を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項11】
前記第4パッシベーション層の窒素原子数に対するケイ素原子数の比は3.5~6.8であり、厚さは60~100nmの範囲である、
ことを特徴とする請求項10に記載の太陽電池。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の太陽電池を複数接続してなるセルストリングと、
前記セルストリングの表面を覆うためのシーラントフィルムと、
前記シーラントフィルムにおける前記セルストリングから離反する表面を覆うためのカバープレートと、
を備えることを特徴とする光起電力モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、光起電力の分野に関し、特に太陽電池およびその製造方法、光起電力モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池技術の発展に伴い、太陽光の吸収効率は、太陽電池の変換効率のさらなる向上を制限する要因の一つとなっている。太陽電池の吸収効率はパッシベーション構造のパラメータに関しているため、パッシベーション構造のパラメータを最適化することは、太陽電池の変換効率を向上させる鍵となり、パッシベーション構造のパラメータは、積層構造、膜層の成分および膜層の厚さを含むがこれらに限られない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願は、太陽電池及び光起電力モジュールの吸収効率の向上に有利な太陽電池及びその製造方法、光起電力モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本願の実施例に提供される太陽電池は、対向する前面と裏面を有するベースと、前記前面に位置しかつ前記前面から離れる方向に順次設置されている、誘電体材料を含む第1パッシベーション層、第1窒化ケイ素Si(n/m∈[0.5、1])材料を含む第2パッシベーション層、及び酸窒化ケイ素SiO(j/i∈[0.1、0.6])材料を含む第3パッシベーション層と、前記裏面に位置しかつ前記裏面から離れる方向に順次設置されている、トンネル酸化層及び前記ベースと同じ導電型のドーパントを有するドープ導電層と、を備える。
【0005】
また、前記誘電体材料は、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ガリウム、酸化ハフニウムのうちの一種または複数種を含む。
【0006】
また、前記誘電体材料は、酸化アルミニウムAl材料であり、且つy/x∈[1.1、1.5]である。
【0007】
また、前記前面に垂直な方向において、前記第1パッシベーション層の厚さは、3nm~10nmである。
【0008】
また、前記前面に垂直な方向において、前記第2パッシベーション層の厚さは、40nm~60nmである。
【0009】
また、前記前面に垂直な方向において、前記第3パッシベーション層の厚さは、20nm~50nmである。
【0010】
また、前記第2パッシベーション層の第2屈折率は、前記第1パッシベーション層の第1屈折率及び前記第3パッシベーション層の第3屈折率よりも大きい。
【0011】
また、前記第1パッシベーション層の屈折率は1.6~1.7であり、前記第2パッシベーション層の屈折率は1.9~2.2であり、前記第3パッシベーション層の屈折率は1.45~1.8である。
【0012】
また、太陽電池は、前記ドープ導電層における前記ベースから離反する側に位置する第4パッシベーション層をさらに備え、前記第4パッシベーション層は、第2窒化ケイ素Si(a/b∈[3.5、6.8])材料を含む。
【0013】
また、前記第4パッシベーション層の屈折率は、2.04~2.2であり、前記裏面に垂直な方向において、前記第4パッシベーション層の厚さは、60nm~100nmである。
【0014】
また、前記第1パッシベーション層は、前記ベースと前記誘電体材料との間に介在している酸化ケイ素材料をさらに含む。
【0015】
また、前記ベースはN型半導体ベースであり、前記ドープ導電層は、N型ドープポリシリコン層、N型ドープ微結晶シリコン層、またはN型ドープアモルファスシリコン層のうちの少なくとも一つである。
【0016】
これに応じて、本願の実施例は、上記のいずれか1項に記載の太陽電池を複数接続してなるセルストリングと、前記セルストリングの表面を覆うためのシーラントフィルムと、前記シーラントフィルムにおける前記セルストリングから離反する表面を覆うためのカバープレートと、を備える光起電力モジュールをさらに提供する。
【0017】
これに応じて、本願の実施例は、対向する前面と裏面を有するベースを提供することと、前記前面において前記前面から離れる方向に、誘電体材料を含む第1パッシベーション層、第1窒化ケイ素Si(n/m∈[0.5、1])材料を含む第2パッシベーション層、及び酸窒化ケイ素SiO(j/i∈[0.1、0.6])材料を含む第3パッシベーション層が、順に設けられることと、前記裏面において前記裏面から離れる方向に、トンネル酸化層及び前記ベースと同じ導電型のドーパントを有するドープ導電層が順に設けられることと、を含む太陽電池の製造方法をさらに提供する。
【0018】
また、前記誘電体材料は、酸化アルミニウムAl材料であり、原子層堆積プロセスによって前記第1パッシベーション層が形成され、前記原子層堆積プロセスの前駆体が、トリメチルアルミニウム及び水を含み、堆積温度が150℃~250℃である。
【0019】
また、前記第1パッシベーション層を形成した後に、さらに、前記第1パッシベーション層に対して、プロセス温度が450℃~550℃で、プロセス時間が10min以上であるアニールプロセスを行うことを含む。
【0020】
また、第1プラズマ増強化学気相成長プロセスによって前記第2パッシベーション層が形成され、前記第1プラズマ増強化学気相成長プロセスの前駆体が、シラン及びアンモニアガスを含み、前記アンモニアガスと前記シランの流量比が、4~15であり、単位面積あたりのパルスパワーが、30~40mW/cmである。
【0021】
また、第2プラズマ増強化学気相成長プロセスによって前記第3パッシベーション層が形成され、前記第2プラズマ増強化学気相成長プロセスの前駆体が、シラン、亜酸化窒素及びアンモニアガスを含み、前記シランと前記亜酸化窒素の流量比が、1/10以上であり、単位面積あたりのパルスパワーが、25~40mW/cmである。
【0022】
従来技術に比べて、本願の実施例に提供される技術案は、以下の利点がある。
【0023】
上記技術案において、第2パッシベーション層におけるベースから離れる側に酸窒化ケイ素材料を含む第3パッシベーション層が設けられることにより、太陽電池に短波長光線に対する良い吸収効率を持たせることに有利であるとともに、酸窒化ケイ素材料の原子数比を制限することにより、第3パッシベーション層に高い屈折率を持たせ、外光をより小さい入射角でベース内に入射することに有利である。また、第2パッシベーション層における第1窒化ケイ素材料の原子数割合を制限することにより、第2パッシベーション層が第3パッシベーション層よりも高い屈折率を有するようにし、光の内反射および出射の低減に有利であるとともに、第2パッシベーション層に弱い正帯電性を持たせ、第1パッシベーション層に対する第2パッシベーション層のフィールドパッシベーション効果の回避、及びベースの光電効果に影響を与えないようにすることに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
一つ又は複数の実施例は、対応する添付の図面における図で例示的に説明されるが、特に断りのない限り、添付の図面における図は縮尺に制限されない。
図1図1は、本願の実施例に係る太陽電池の断面構造を示す図である。
図2図2は、本願の実施例に係る波長-反射率の対比模式図である。
図3図3は、本願の実施例に係る太陽電池の表面を示す図である。
図4図4は、本願の実施例に係る光起電力モジュールの構造を示す図である。
図5図5は、本願の実施例に係る光起電力モジュールの構造を示す図である
図6図6は、本願の実施例に係る太陽電池の製造方法の各ステップに対応する構造模式図である。
図7図7は、本願の実施例に係る太陽電池の製造方法の各ステップに対応する構造模式図である。
図8図8は、本願の実施例に係る太陽電池の製造方法の各ステップに対応する構造模式図である。
図9図9は、本願の実施例に係る太陽電池の製造方法の各ステップに対応する構造模式図である。
図10図10は、本願の実施例に係る太陽電池の製造方法の各ステップに対応する構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本願の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本願の各実施例について図面を結合して詳細に説明する。しかしながら、当業者は理解できるが、読者に本願をより良く理解させるために、本願の各実施例において多数の技術的細部が提案されているが、これらの技術的細部および以下の各実施例に基づく種々の変更や修正がなくても、本願が保護を要求している技術案を実現することができる。
【0026】
本願の実施例は、太陽電池およびその製造方法、光起電力モジュールを提供し、以下、図面を参照しながら本願の実施例に提供される太陽電池について詳細に説明する。図1は、本願の実施例に係る太陽電池の断面構造を示す図である。図2は、本願の実施例に係る波長-反射率の対比模式図である。図3は、本願の実施例に係る太陽電池の表面を示す図である。
【0027】
図1を参照して、太陽電池は、対向する前面10aと裏面10bを有するベース10と、前面10aに位置しかつ前面10aから離れる方向に順次設置されている、誘電体材料を含む第1パッシベーション層111、第1窒化ケイ素Si(n/m∈[0.5、1])材料を含む第2パッシベーション層112、及び酸窒化ケイ素SiO(j/i∈[0.1、0.6])材料を含む第3パッシベーション層113と、裏面10bに位置しかつ裏面10bから離れる方向に順次設置されている、トンネル酸化層121及びベース10と同じ導電型のドーパントを有するドープ導電層122と、を備えている。
【0028】
y/x、n/mもj/iも、対応する原子数比であることは理解できる。
【0029】
幾つかの実施例において、各膜層における原子数比は、X線エネルギースペクトル(EDS)または電子エネルギー損失スペクトル(EELS)を用いて求めることができる。また、幾つかの実施例において、第2パッシベーション層112はシリコンリッチ層であり、本願に提供される第1窒化ケイ素材料は、従来の窒化ケイ素材料と比べて、窒素原子数よりもケイ素原子数の割合が大きい。これに応じて、第3パッシベーション層113は、同様にシリコンリッチ層であって、即ち、第3パッシベーション層113における窒素原子数の割合及び酸素原子数の割合よりもケイ素原子数の割合が大きくてもよい。
【0030】
ここで、第2パッシベーション層112におけるベース10から離れる側に酸窒化ケイ素材料を含む第3パッシベーション層113が設けられることにより、太陽電池に短波長光に対する良い吸収効率を持たせることに有利であるとともに、酸窒化ケイ素材料の原子数比を制限することにより、第3パッシベーション層113に高い屈折率を持たせ、外光をより小さい入射角でベース10内に入射することに有利である。
【0031】
また、第2パッシベーション層112における第1窒化ケイ素材料の原子数の割合を制限することにより、第2パッシベーション層112が第3パッシベーション層113よりも高い屈折率を有するようにし、光の内反射および出射の低減に有利である。また、第2パッシベーション層112に弱い正帯電性を持たせるため、第1パッシベーション層111のフィールドパッシベーション効果及びベース10の光電効果に対する第2パッシベーション層112の影響を回避することに有利である。さらに、第2パッシベーション層112内に適量の水素イオンを持たせ、適量の水素イオンは、イオントランスファにより前面10aのダングリングボンドを効率的に飽和することができるとともに、それ自体とキャリアとの再結合を抑えることができ、キャリアの対応する電極への効果的な収束を確保するのに有利である。
【0032】
以下、図1に示す太陽電池について図面を参照してより詳細に説明する。
【0033】
幾つかの実施例において、ベース10はシリコンベース材料であり、例えば、単結晶シリコン、ポリシリコン、アモルファスシリコン、または微結晶シリコンのうちの一種または複数種である。また、その他の実施例において、ベースの材料は、炭素単体、有機材料、または多価化合物であってもよく、多価化合物は、ペロブスカイト、ガリウムヒ素、テルル化カドミウム、銅インジウムセレン等の材料を含み得るが、これらに限られない。また、前面10aは受光面であり、裏面10bは受光面に対向する背面であり、前面10aは、ピラミッドテクスチャーとして設けられることができ、これにより、前面10aの光反射を低減し、光線に対する吸収利用率を向上させ、太陽電池の変換効率を向上させる。幾つかの実施例において、裏面10bは、例えば積層した段差模様のような非ピラミッドテクスチャーとして設けられてもよく、これにより、裏面10bを覆うトンネル酸化層が高い緻密性および均一性を有することを確保し、裏面10bに対するトンネル酸化層の不動態化効果を良好にすることを確保する。
【0034】
ベース10は、N型半導体ベースである。そのうち、ベース10は、リン、ヒ素、アンチモンなどのN型ドーパントを含むベースエリア101と、P型ドーパントを含むエミッタ102とを備え、エミッタ102は、ベースエリア101とPN接合を形成している。幾つかの実施例において、第1パッシベーション層111は、エミッタ102を覆っている。エミッタ102は、ベースエリア101の表層にP型イオン(例えばボロンイオン)の拡散ドーピングを行うことによって得られ、ドーピングされた一部のベースエリア101がエミッタ102に変換されており、ドープ導電層122におけるドーピングイオン種がベース10のドーピングイオン種と同じであることは、実は、ドープ導電層122におけるドーピングイオン種がベース10の本体におけるドーピングイオン種と同じ、すなわち、ドープ導電層122におけるドーピングイオン種がベースエリア101におけるドーピングイオン種と同じであることを意味する。
【0035】
第1パッシベーション層111の材料の種類については、実現しようとする主なパッシベーション効果がフィールドパッシベーションであるか界面パッシベーションであるかに応じて、第1パッシベーション層111の材料を界面パッシベーション材料とフィールドパッシベーション材料とに分けることができ、界面パッシベーション材料が酸化ケイ素または酸窒化ケイ素の少なくとも一つを含み、フィールドパッシベーション材料が酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ガリウム、酸化ハフニウムのうちの一種または複数種を含む。以下では、第1パッシベーション層111の材料が主にフィールドパッシベーション材料、具体的には酸化アルミニウムAl材料であることを例として説明する。
【0036】
第1パッシベーション層111の材料の特性については、第1パッシベーション層111のフィールドパッシベーション効果を増強し、キャリアの選択的な輸送を実現する観点から、第1パッシベーション層111は、強い負帯電性を持つように設ける必要がある。第1パッシベーション層111を、ベース10への外部正イオンの移動侵入を抑制する観点から、第1パッシベーション層111は、弱い負帯電性を持つように設ける必要がある。第1パッシベーション層111と隣接膜層との間の応力を小さくする観点から、第1パッシベーション層111の硬度を低く設定する必要がある。また、太陽電池による短波長光線の吸収効率を向上させるために、第1パッシベーション層111による短波長光線の吸収作用も考慮する必要がある。上記の考慮から、第1パッシベーション層111における酸化アルミニウムAl材料のy/x比を、1.1~1.5、例えば1.2、1.3、又は1.4とすることができ、選択可能であるが、y/xは、1.1以上1.5未満である。
【0037】
第1パッシベーション層111の前面10aに垂直な方向における厚さについては、第1パッシベーション層111の厚さが厚いほど、フィールドパッシベーション効果が強くなることが分かる。同時に、酸化アルミニウムとシリコンとの材料特性の違いが大きいため、第1パッシベーション層111が厚いほど、第1パッシベーション層111がベース10に与える応力が大きくなる。さらに、いずれかの膜層自身が存在するバリア効果に基づいて、第1パッシベーション層111の厚さが厚いほど、第2パッシベーション層112における水素イオンが、第1パッシベーション層111を通過して前面10aののダングリングボンドを飽和し難くなることが分かる。上記の考慮から、第1パッシベーション層111の厚さを、3nm~10nm、例えば5nm、7nm又は9nmとすることができる。
【0038】
幾つかの実施例において、第1パッシベーション層111は酸化ケイ素材料をさらに含み、酸化ケイ素材料は前面10aを被覆し、または、N型のベース10と誘電体材料との間に介在しており、誘電体材料が酸化アルミニウムAl材料を含む。この酸化ケイ素材料は、自然酸化で形成されていてもよいし、熱酸素プロセスによって形成され、前面を不動化させてもよい。前面10aに垂直な方向において、酸化ケイ素材料からなる膜層の厚さは、0.5nm~2nm、例えば0.8nm、1.1nm、1.4nm、又は1.7nmとすることができ、膜層の厚さが厚すぎると、キャリアがトンネル効果によって薄膜を通過できなくなる可能性があり、膜層の厚さが薄すぎると、パッシベーション効果が劣る。
【0039】
幾つかの実施例において、第2パッシベーション層112において第1窒化ケイ素Si材料の原子数比率が決まっている場合、第2パッシベーション層112の屈折率範囲もほぼ決まる(屈折率は、第2パッシベーション層112内の他の不純物元素にも影響される)ので、第2パッシベーション層112を介して入射した太陽光がベース10の中心により近くなることを確保して、光線の出射を抑制するために、第2パッシベーション層112の前面10aに垂直な方向における厚さを40nm~60nm、例えば45nm、50nm、又は55nmとすることができる。第2パッシベーション層112の厚さが薄すぎると、第2パッシベーション層112の光線に対する屈折効果が悪く、入射光線が他のパッシベーション膜層を介して出射され、またはベース10に吸収される前に既にベース10を介して出射される可能性があり、太陽電池の光線に対する入射効率を向上させることに不利である。また、第2パッシベーション層112は弱い正帯電性しか持たなく、第2パッシベーション層112内の水素イオンは、前面10aのダングリングボンドを飽和させるのに十分ではない可能性があり、第3パッシベーション層113内の水素イオンによって補充する必要があるため、第2パッシベーション層112が厚すぎると、水素イオンの輸送を遮断し、さらに前面10aに多くの界面欠陥を引き起こす可能性があり、前面10aのキャリア再結合の抑制および前面10aの接触抵抗の低減に不利である。
【0040】
また、理解できるが、第2パッシベーション層112の厚さの設定は、第2パッシベーション層112の原子数比にも影響され、両者が相互に整合して、特定の波長域の光線を重点的に吸収し、例えば長波長光を重点的に吸収する。さらに、第2パッシベーション層112の厚さは、太陽電池の全体厚さによっても制限され、太陽電池の全体厚さが薄すぎると、太陽電池が外部応力の影響で破断しやすくなり、太陽電池の全体厚さが厚すぎると、全体の封止に不利であり、プロセスコストも高くなる。
【0041】
幾つかの実施例において、太陽電池の長波長光に対する吸収効率及び短波長光に対する吸収効率のいずれも良くなるように、第2パッシベーション層112で長波長光を重点的に吸収し、第3パッシベーション層113で短波長光を重点的に吸収している。一方、短波長光を重点的に吸収する酸窒化ケイ素材料の屈折率が相対的に低いため、異なる波長域の光線全体に対する屈折率が高くなるように、第2パッシベーション層112の屈折率が第3パッシベーション層113の屈折率よりも大きくなるように設定することができ、これにより、光線に対する太陽電池の吸収効率を向上する。
【0042】
幾つかの実施例において、第3パッシベーション層113における酸窒化ケイ素SiO材料の原子数比が決まっている場合、太陽電池が短波長光に対して高い吸収効率を有することを可能にするために、また第3パッシベーション層113における水素イオンで第2パッシベーション層112における水素イオンに対して補足できるために、第3パッシベーション層113の前面10aに垂直な方向における厚さを、20nm~50nm、例えば25nm、30nm、35nm、40nm、又は45nmとすることができる。場合によっては、従来の太陽電池は、通常水色を呈しており、その主な要因は、短波長光(例えば、紫外光の波長域)の反射率が高いことであるが、本願の実施例では、第3パッシベーション層113の厚さを特定の区間(例えば、20nm~50nm)に設定して短波長光を重点的に吸収することで、電池にくすんだ青色ひいては黒色を呈させるのに有利であり、前記電池が封止されてなる光起電力モジュールが黒色を呈しており、高い発電効率を有するとともに、マルチシーン(例えばBIPV、建材一体型太陽光発電)に適している見込みがある。
【0043】
幾つかの実施例において、第3パッシベーション層113の厚さが20nm未満であると、電池が水色を呈する可能性があり、第3パッシベーション層113の厚さが50nmよりも大きいと、電池が緑色を呈する可能性がある。
【0044】
なお、第2パッシベーション層112及び第3パッシベーション層113は、いずれも積層構造であってもよく、積層構造における異なるサブ層の屈折率は、ベース10の前面10aから離れる方向に徐々に低くなるため、隣接膜層の屈折率の差が大きすぎることによる内反射及び出射の低減に有利である。隣接膜層は、太陽電池内の膜層だけでなく、光起電力モジュールにおけるシーラントフィルム及びカバープレートも含む。
【0045】
幾つかの実施例において、第2パッシベーション層112の第2屈折率は、第1パッシベーション層111の第1屈折率及び第3パッシベーション層113の第3屈折率よりも大きく、そのうち、第2屈折率が第3屈折率よりも大きいことは、第3パッシベーション層113を介して入射した太陽光の反射及び出射の低減に有利である。さらに、幾つかの実施例では、第1屈折率が第3屈折率よりも大きく、これにより、第3パッシベーション層113を介して入射した太陽光の反射及び出射をより一層低減し、太陽電池の吸収効率を向上させることに有利である。上記の膜層が複数層のサブ膜層を含む場合、膜層に対応する屈折率は、複数層のサブ膜層の平均屈折率であると理解できる。
【0046】
第3パッシベーション層113については、外光の入射角を小さくする観点から、第3パッシベーション層113が高い屈折率を有するように設定する必要があり、内反射及び出射を抑制する観点から、第3パッシベーション層113が小さい屈折率を有するように設定する必要があり、かつ第3パッシベーション層113の屈折率と第2パッシベーション層112の屈折率との差が小さいことが必要である。短波長光を重点的に吸収する観点から、第3パッシベーション層113内の酸素原子数の割合が比較的大きくなるように設定する必要があり、原子数の割合の増大に伴い、第3パッシベーション層113の屈折率が漸減していることが分かる。太陽電池が短波長光に対して高い吸収効率を有するように、第3パッシベーション層113の原子数比j/iを0.43~0.46、例えば0.44又は0.45とすることができ、第3パッシベーション層113の屈折率を1.45~1.8、例えば1.55、1.6、1.65、1.7又は1.75とすることができる。
【0047】
また、第2パッシベーション層112の原子数比n/mを0.56~0.7、例えば0.60、0.64又は0.68とすることができ、第2パッシベーション層112の屈折率を1.9~2.2、例えば2.0、2.05又は2.1とすることができる。同時に、第1パッシベーション層111の屈折率を1.6~1.7、例えば1.63、1.65又は1.68とする。
【0048】
図2を参照して、従来のTOPCON電池(N型TOPCON電池)およびPERC電池(P型PERC電池)電池に比べて、本願の実施例に提供される太陽電池は、短波長(例えば、紫外光波長域)範囲においてより低い反射率を有しており、従来のTOPCON電池は、通常、酸化アルミニウム/窒化ケイ素積層体を用いて正面パッシベーション層とし、従来のPERC電池は、通常、窒化ケイ素層を用いて正面パッシベーション層とする。400nmおよび450nmを例にとれば、波長400nmの位置では、従来のPERC電池の反射率は12.2%程度であり、従来のTOPCON電池の反射率は11.1%程度であるが、本願の実施例に提供される太陽電池の反射率は、6.5%程度であり、半分程度に低下した。波長450nmの位置では、従来のPERC電池の反射率は5%程度であり、従来のTOPCON電池の反射率は4%程度であるが、本願の実施例に提供される太陽電池の反射率は、2.4%程度であり、同様に半分程度に低下した。本願の実施例に提供される太陽電池は、短波長域において光の反射率が低いため、従来の太陽電池または光起電力モジュールが青色を呈するのに対して、くすんだ青色ひいては黒色を呈することができ、これにより、黒色の光起電力モジュールを構成する。図3を参照して、図1に示す構造に基づく太陽電池は、くすんだ青色を呈するとともに黒色に近い。
【0049】
380nm~1050nmの波長区間の平均反射率からも、本願の実施例に提供される太陽電池は著しく低下する。具体的には、全体区間範囲において、従来のPERC電池とTOPCON電池は、反射率が2.1%~2.3%であり、例えば、従来のPERC電池の平均反射率が2.160%程度であり、従来のTOPCON電池の平均反射率が2.237%程度であるのに対して、本願の実施例に提供される太陽電池は、平均反射率が1.4%~1.7%であり、例えば1.552%程度であり、1/3近くに低下した。さらに、600nm~800nmの波長区間からも、本願の実施例に提供される太陽電池の平均反射率は、同様に1%未満である。上記のパッシベーション層の積層体(第1パッシベーション層111、第2パッシベーション層112、及び第3パッシベーション層113)をTOPCON電池に適用した場合、電池の短絡電流を30mA以上向上させることができる。
【0050】
幾つかの実施例において、第1パッシベーション層111と第2パッシベーション層112との間に、第1中間層が設けられてもよく、前記第1パッシベーション層111はフィールド効果パッシベーション層とし、前記第2パッシベーション層112は化学効果パッシベーション層とし、前記第1中間層は、両者間の導電性能又は光吸収性能を最適化するために用いられることができる。例えば、前記第1中間層は、前面のパッシベーション層全体における短波長帯域の入射光(例えば、紫外光)の反射性能(例えば、反射率)に影響を与え得る。前記第1中間層の材料は、酸化ケイ素材料であってもよく、第1中間層の厚さは0.5nm~3nmである。
【0051】
幾つかの実施例において、第2パッシベーション層112と第3パッシベーション層113との間に、第2中間層も設けられてもよく、前記第2中間層は、前面のパッシベーション層全体の反射性能に影響を与えるために使用できる。例えば、前記第2中間層は、前面のパッシベーション層全体における短波長帯域の入射光(例えば、紫外光)の反射性能(例えば、反射率)に影響を与え得る。前記第2中間層の材料は、酸炭窒化ケイ素材料であってもよく、第2中間層の厚さは10nm未満である。幾つかの実施例において、裏面10bにはパッシベーションコンタクト構造も設けられており、パッシベーションコンタクト構造は、少なくとも、ベース10から離れる方向に順次設置されているトンネル酸化層121とドープ導電層122とを備えている。そのうち、トンネル酸化層121の材料は、酸化ケイ素のような誘電体材料であり、裏面10bの界面パッシベーションを実現するために用いられる。ドープ導電層122の材料は、フィールドパッシベーションを形成するために用いられ、例えばドープシリコンであり、ドープ導電層122は、ベース10と同じ導電型のドーパントを有し、ドープシリコンは具体的に、N型ドープポリシリコン、N型ドープ微結晶シリコン、またはN型ドープアモルファスシリコンの一種又は複数種であってもよく、ドープ導電層122には、N型ドープイオンが含まれている。そのうち、幾つかの実施例において、ドープ導電層122は、ドープポリシリコン層であり、裏面10bに垂直な方向において、ドープ導電層122の厚さ範囲は、80nm~160nmであり、例えば100nm、120nm、又は140nmであり、ドープ導電層122の屈折率範囲は、3.5~4.5であり、例えば3.75、4、又は4.25である。
【0052】
幾つかの実施例において、ドープ導電層122には、入射光の電池背部での反射効果を高めるための第4パッシベーション層123がさらに設けられている。ここで、第4パッシベーション層123は、複数層のサブ層を含んでいてもよく、裏面10bがドープ導電層122に向かう方向において、異なるサブ層の屈折率が漸減しており、このように、内反射により入射光の電池背部での反射効果を増強させることに有利である。第4パッシベーション層123の材料が窒化ケイ素である場合、屈折率が高い窒化ケイ素サブ層は、より多くの水素イオンを有し、水素イオンは、濃度差によって形成される拡散動力または熱処理プロセスによって形成される熱動力下で裏面10bに移動して、ベース10とパッシベーションコンタクト構造との間の界面欠陥をを不動態化し、キャリアの再結合を抑制し、光電変換効率を向上させることができる。
【0053】
具体的には、第4パッシベーション層123は、順次設置されている下部パッシベーション層、中間パッシベーション層、及び上部パッシベーション層を含むことができ、下部パッシベーション層は、ドープ導電層122の表面を被覆し、下部パッシベーション層の屈折率は、2.12~2.2、例えば2.14、2.16、又は2.18とすることができ、裏面10bに垂直な方向において、厚さが10nm~20nm、例えば13nm、15nm又は18nmである。中間パッシベーション層の屈折率は、2.10~2.12、例えば2.13、2.15、又は2.18とすることができ、厚さは20nm~30nm、例えば23nm、25nm、又は28nmである。上部パッシベーション層の屈折率は、2.09~2.10とすることができ、厚さは30nm~50nm、例えば35nm、40nm、又は45nmである。要するに、第4パッシベーション層123は、第2窒化ケイ素Si材料を含み、a/b∈[3.5、6.8]であり、例えば4.2、4.9、5.6又は6.3であり、第4パッシベーション層123の全体の屈折率は、2.04~2.2、例えば2.08、2.12、又は2.16とすることができ、裏面10bに垂直な方向において、第4パッシベーション層123の厚さは60nm~100nm、例えば70nm、80nm、又は90nmとすることができる。
【0054】
また、太陽電池は、エミッタ102に電気的に接続された第1電極114と、第4パッシベーション層123を貫通してドープ導電層122に電気的に接続された第2電極124と、をさらに備えている。幾つかの実施例において、第1電極114および/または第2電極124は、導電ペースト(銀ペースト、アルミニウムペースト、または銀アルミニウムペースト)により焼成印刷されたものであってもよい。
【0055】
本願の実施例では、第2パッシベーション層におけるベースから離れる側に酸窒化ケイ素材料を含む第3パッシベーション層が設けられることにより、太陽電池に短波長光に対する良い吸収効率を持たせることに有利であるとともに、酸窒化ケイ素材料の原子数比を制限することにより、第3パッシベーション層に高い屈折率を持たせ、外光をより小さい入射角でベース内に入射することに有利である。また、第2パッシベーション層における第1窒化ケイ素材料の原子数の割合を制限することにより、第2パッシベーション層が第3パッシベーション層よりも高い屈折率を有するようにし、光の内反射および出射の低減に有利である。同時に、第2パッシベーション層に弱い正帯電性を持たせるため、第1パッシベーション層のフィールドパッシベーション効果及びベースの光電効果に対する第2パッシベーション層の影響を回避することに有利である。
【0056】
また、本願の実施例は、受光した光エネルギーを電気エネルギーに変換する光起電力モジュールをさらに提供する。図4を参照して、光起電力モジュールは、セルストリング(図示せず)と、シーラントフィルム2と、カバープレート3と、を備える。セルストリングは、複数の太陽電池1を接続することによって形成され、太陽電池1は、前述したいずれの太陽電池(図1の太陽電池を含むがそれに限られない)であってもよく、隣接する太陽電池1同士は、導電テープ(図示せず)により電気的に接続されているとともに、隣接する太陽電池1同士の位置関係は、部分的に積層されていてもよく、互いにつなぎ合わされていてもよい。シーラントフィルム2は、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)接着フィルム、ポリエチレンオクテン共エラストマー(POE)接着フィルム又はポリエチレンテレフタレート(PET)接着フィルムなどの有機シーラントフィルムであってもよく、シーラントフィルム2は、セルストリングの表面を覆って封止される。カバープレート3は、ガラスカバープレート又はプラスチックカバープレート等の透明または半透明のカバープレートであってもよく、カバープレート3は、シーラントフィルム2におけるセルストリングから離れる表面を覆っている。幾つかの実施例において、入射光の利用効率を高めるために、カバープレート3にはライトトラップ構造が設けられ、異なるカバープレート3のライトトラップ構造が異なっていてもよい。光起電力モジュールは、比較的高い電流収集能力と比較的低いキャリア再結合率を有し、高い光電変換効率を実現することができる。同時に、光起電力モジュールの正面は、くすんだ青色ひいては黒色を呈するため、より多くのシーンに適用することができる。
【0057】
幾つかの実施例において、シーラントフィルム2およびカバープレート3が太陽電池1の前面のみに位置されるが、裏面に位置するシーラントフィルム2およびカバープレート3が比較的弱い光をさらに遮断および減弱することを回避する。また、光起電力モジュールは、側方フル包囲型封止を用いてもよく、即ち、光起電力モジュールの側辺をシーラントフィルム2で完全に被覆し、ラミネート時にラミネートずれが生じる現象を防止し、水の侵入などの外部環境が光起電力モジュールの側辺を通じて太陽電池の性能に影響を及ぼすことを回避する。
【0058】
幾つかの実施例において、図5を参照して、光起電力モジュールは、少なくとも光起電力モジュールの側辺に固定的に封止されたエッジ封止部材6をさらに備える。さらに、エッジ封止部材6は、少なくとも光起電力モジュールの隅寄りの側辺に固定的に封止されている。エッジ封止部材6は、耐高温テープであってもよく、耐高温テープの耐高温特性により、太陽電池がラミネート中および使用中に分解や脱落することなく、光起電力モジュールに対する確実な封止を確保するのに有利である。幾つかの実施例において、耐高温テープは、光起電力モジュールの側面だけでなく、光起電力モジュールの前面および裏面にも貼り付けられているため、ラミネート時の光起電力モジュールのラミネートずれの発生および応力による光起電力モジュールの応力歪みの発生を抑制するのに有利である。
【0059】
本願の実施例は、太陽電池の製造方法をさらに提供する。図6図10および図1を参照して、図6図10および図1は本願の実施例に係る太陽電池の製造方法の各ステップに対応する構造模式図である。
【0060】
図6を参照して、ベースエリア101を提供して両面テクスチャリングを行う。
【0061】
具体的には、ベースエリア101を洗浄し、ウェット化学エッチングによってピラミッドテクスチャーを作製し、ピラミッドテクスチャーは、ベースエリア100の表面における光線の反射を低減することができ、ベースエリア100の光線に対する吸収利用率を高め、太陽電池の変換効率を向上することができる。幾つかの実施例において、ベースエリア101の材料は、単結晶シリコンであり、ベースエリア101の厚さは、60μm~240μmであり、具体的には、60μm、80μm、90μm、100μm、120μm、150μm、200μm、又は240μm等であってもよく、ベースエリア101の抵抗率範囲は、0.3~2ohm.cmである。また、ベースエリア101は、N型半導体またはP型半導体であってもよく、以下では、ベースエリア101がN型半導体であることを例として説明する。
【0062】
なお、本願はテクスチャリングの具体的な動作方式について限定するものではない。例えば、ウェットテクスチャリングプロセスを選用してテクスチャリングを行えるが、これに限らない。ベースエリア101がN型単結晶シリコンの場合、水酸化カリウムなどのアルカリ性溶液を用いてテクスチャリングを行うことができ、NaOH溶液の腐食に異方性があるので、ピラミッド状のミクロ構造を製造する上で有利である。ピラミッド状の微細構造は、四面体、略四面体、五面体、略五面体などの構造であってもよい。また、テクスチャリングプロセスは、化学的エッチング、レーザーエッチング、機械的エッチング、プラズマエッチングなどであってもよく、ピラミッド状の微細構造によって、金属ペーストをスクリーン印刷して電極を形成する際により良く前記微細構造に充填し、より優れた電極接触を得ることができ、電池の直列抵抗を効果的に低減してフィルファクターを向上させることができる。ピラミッド状の微細構造の模様を制御することで、太陽電池の全体の屈折率を10%未満にすることができる。
【0063】
図7を参照して、P型エミッタ102が形成される。
【0064】
両面テクスチャリングを行った後、ベースエリア101の前面10aに対してホウ素拡散処理を行ってP型エミッタ102を形成し、P型エミッタ102は、ベースエリア101における太陽光を向く側の一部の表層空間を占め、P型エミッタ102とN型ベースエリア101とでベース10を構成する。そのうち、P型エミッタ102の拡散シート抵抗(Diffusion sheet Resistance)の範囲は、130Ω~150Ωであり、表面拡散濃度は、E18~E19である。
【0065】
なお、ホウ素拡散処理は、ベースエリア101の前面(即ち、前面10a)、裏面及び側面に不要なホウ珪酸ガラスも同時に生成し、ホウ珪酸ガラスは、ベースエリア101に対して一定の保護作用を有し、何らかの製造プロセスによるベースエリア101の表面へのダメージの発生を回避することができ、すなわち、不要なホウ珪酸ガラスは、ベースエリア101のマスク層としてもよい。そのうち、ホウ素拡散処理に用いられるホウ素源は、液体の三臭化ホウ素を含み、ホウ素拡散処理を行うときに、微結晶シリコン相がポリシリコン相に転化する。
【0066】
図8を参照して、ベースエリア101の裏面に対して平坦化プロセス(例えば、アルカリ研磨)を行う。
【0067】
裏面は太陽電池の太陽光に背く面であり、平坦化プロセスは、裏面膜層の堆積に必要な平坦な面である裏面10bを形成することができる。平坦化プロセスを行う過程では、裏面のホウ珪酸ガラスが同時に除去される。
【0068】
幾つかの実施例において、研磨プロセスを行う前に、さらに以下の工程を含む。調製した混酸を用いて、ベースエリア101の裏面10bにおけるホウ珪酸ガラスを除去し、混酸は、質量分率0.1%~10%のフッ化水素酸溶液と、質量分率10%~20%の硫酸溶液と、25%~50%の硝酸溶液とを含み、酸洗い時間は10s~180sであり、酸洗い温度は7℃~20℃である。酸洗後の裏面10bに対して水洗、乾燥処理を行う。なお、酸洗後にベース10の裏面10bに多孔質構造が現れる。
【0069】
幾つかの実施例において、アルカリ溶液を用いて裏面10bを研磨処理することができる。具体的には、裏面10bを質量分率5%~15%のアルカリ溶液で洗浄し、多孔質シリコンを除去する。アルカリ溶液の微小液滴をスプレー方式により裏面10bに滴下して粗面化処理し、更に質量分率5%~10%のフッ化水素酸で前洗浄する。研磨液を用いて裏面10bを研磨し、研磨温度が70℃~80℃、研磨時間が260s未満であり、そのうち、研磨液には、質量分率1%~15%のNaOHと、質量分率1%~15%のKOHと、質量分率0.5%~2.5%の添加剤が含まれている。エッチング液中の有機成分を、質量分率5%~15%の水酸化カリウムと質量分率15%~40%の過酸化水素との混合液により除去する。研磨後のベース10に対して水洗、乾燥処理を行う。
【0070】
幾つかの実施例において、裏面10bのホウ素濃度が低いため、アルカリ溶液でエッチングすることは、エッチング効率を効果的に向上させることができる。アルカリ溶液は、有機塩基および/または無機塩基を含み、無機塩基は、NaOH、KOH、Ga(OH)2、NH3.H2Oであってもよく、有機塩基は、トリエチルアミン、ニトロフェノール、ピリジン、キニーネ、コルヒチン等であってもよい。研磨液中の添加剤は、スルホン酸ナトリウム、無水マレイン酸、アルキルグリコシド等からなる緩衝液であってもよい。幾つかの実施例において、ベース10の研磨減量は、0.3g未満であり、研磨時間と研磨温度を制御することにより、裏面10bはプリセット構造を有することができる。
【0071】
幾つかの実施例において、裏面10bの構造形態は、異なるレベルの形態によって太陽光の吸収を高めるように、前面10aの構造形態とは異なる。例えば、前面10aはピラミッド状の構造であってもよく、反射防止能力を重点的に向上する。裏面10bは、積層された階段状であってもよく、これにより、裏面10bを覆うトンネル酸化層の緻密性と均一性が高く保たれ、裏面10bに対するトンネル酸化層の不動態化効果が良好に保たれる。
【0072】
図9を参照して、トンネル酸化層121とドープ導電層122が形成される。
【0073】
幾つかの実施例において、トンネル酸化層121を堆積プロセスで形成し、具体的には、トンネル酸化層121の材料は酸化ケイ素を含み、堆積プロセスは化学気相堆積プロセスを含み、裏面10bに垂直な方向において、トンネル酸化層121の厚さは1nm~2nm、例えば1.2nm、1.4nm、1.6nm、又は1.8nmである。他の実施例において、In-situ(その場)生成プロセスでトンネル酸化層を形成することもでき、具体的には、シリコンベースに加えて、熱酸化プロセスおよび硝酸パッシベーションなどのプロセスによってトンネル酸化層をIn-situ生成することができる。
【0074】
幾つかの実施例において、温度可変プロセスおよび化学気相成長法を用いて、トンネル酸化層121を裏面10bに堆積させる。堆積過程において、昇温レートが0.5℃/min~3℃/min、例えば1.0℃/min、1.5℃/min、2.0℃/min又は2.5℃/min等となり、堆積温度が560℃~620℃、例えば570℃、590℃又は610℃等となり、堆積時間が3min~10min、例えば4min、6min又は8min等となるように制御する。
【0075】
また、幾つかの実施例において、トンネル酸化層121の形成後に、真性ポリシリコンを堆積させてポリシリコン層を形成し、イオン注入およびソース拡散によりリンイオンをドーピングしてN型のドープポリシリコン層を形成し、ドープポリシリコン層をドープ導電層122とする。裏面10bに垂直な方向において、ドープ導電層122の厚さは、80nm~160nm、例えば100nm、120nm又は140nmとすることができる。他の実施例において、ドープ導電層122は、ベース10と同じ導電型のドーパントを有しており、ベース10がN型半導体の場合、ドープ導電層122は、N型のドープポリシリコン層、N型のドープ微結晶シリコン層、またはN型のドープアモルファスシリコン層の少なくとも一種である。
【0076】
堆積プロセスによりトンネル酸化層121とドープ導電層122を形成する場合、ホウ珪酸ガラスがマスク層としてベースエリア101の前面10aを保護するため、堆積プロセスにおいて堆積領域をマスクにより裏面に限定する必要がなく、後で前面におけるホウ珪酸ガラスと、前面に堆積された酸化ケイ素およびポリシリコンとを同時に同一のプロセスにより除去することができる。このように、別途のマスクを設ける必要がなく、プロセス工程の削減、プロセスフローの短縮、プロセスコストの低減に有利である。他の実施例において、界面パッシベーション層をIn-situ生成プロセスで形成する場合、ベースの前面におけるホウ珪酸ガラスの表面に堆積されたのは、ポリシリコンのみである。
【0077】
幾つかの実施例において、トンネル酸化層121とポリシリコン層の堆積、及びポリシリコン層のドーピングは、いずれも低圧化学気相成長装置で形成される。具体的な工程は、以下のことを含む。まず、アルカリ研磨後のベース10を堆積装置中に置き、20L~60Lの酸素源(例えば、酸素、亜酸化窒素、オゾン)を導入し、昇温レート0.5℃/min~3℃/minで堆積装置内の温度を560℃~620℃まで加熱し、堆積時間を3min~10minとして、トンネル酸化層121を形成する。酸素の導入が完了した後、恒温段階を実行し、その後、適量のシランガスを導入し、ポリシリコン層を形成する。最後に、ポリシリコン層をIn-situドーピングしてドープ導電層122を形成する。
【0078】
図10を参照して、前面10aに第1パッシベーション層111、第2パッシベーション層112、及び第3パッシベーション層113が形成される。
【0079】
幾つかの実施例において、第1パッシベーション層を形成する前に、ベース10の前面10aに巻取りメッキされた余分なホウ珪酸ガラス、酸化ケイ素およびポリシリコンを除去する必要がある。他の実施例において、第1パッシベーション層を形成する前に、ベースの前面に巻取りメッキされた余分なホウ珪酸ガラスおよびポリシリコンを除去する必要がある。
【0080】
さらに、他の実施例において、余分な材料を除去した後に、ベースの前面にも薄い酸化ケイ素層を成長させた。薄い酸化ケイ素層の形成プロセスは、自然酸化、熱酸化、ウェット酸化、原子層堆積、プラズマ増強化学気相成長などのプロセスを含み、ベースの表面に垂直な方向において、薄い酸化ケイ素層の厚さは0~3nmであり、例えば1nm、1.5nmまたは2nmである。
【0081】
幾つかの実施例において、第1パッシベーション層111、第2パッシベーション層112及び第3パッシベーション層113は、化学気相成長、低圧化学気相成長プロセス、プラズマ増強化学気相成長(直接プラズマ堆積及び間接プラズマ堆積を含む)、マグネトロンスパッタプロセスなどを用いて形成することができるが、これらに限らない。ここで、第1パッシベーション層111は、誘電体材料を含み、第2パッシベーション層112は、第1窒化ケイ素Si材料(n/m∈[0.5、1])を含み、第3パッシベーション層113は、酸窒化ケイ素SiO材料(j/i∈[0.1、0.6])を含む。以下、原子層堆積プロセスと管型プラズマ増強化学気相成長プロセスとの組合せを製造経路として例示的に説明する。
【0082】
第1パッシベーション層111の材料の種類については、実現しようとする主なパッシベーション効果がフィールドパッシベーションであるか界面パッシベーションであるかに応じて、第1パッシベーション層111の材料を界面パッシベーション材料とフィールドパッシベーション材料とに分けることができ、界面パッシベーション材料が酸化ケイ素または酸窒化ケイ素の少なくとも一つを含み、フィールドパッシベーション材料が酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ガリウム、酸化ハフニウムのうちの一種または複数種を含む。以下では、第1パッシベーション層111の材料が主にフィールドパッシベーション材料、具体的には酸化アルミニウムAl材料であることを例として説明する。
【0083】
幾つかの実施例において、原子層堆積プロセスによって第1パッシベーション層111を形成し、その反応物がトリメチルアルミニウムと水を含み、堆積温度が150℃~250℃、例えば175℃、200℃又は225℃であり、第1パッシベーション層111の波長632nmにおける屈折率が1.6~1.7、例えば1.63、1.65又は1.67であり、前面10aに垂直な方向において、第1パッシベーション層111の厚さが3nm~10nm、例えば5nm、7nm又は9nmである。
【0084】
第1パッシベーション層111を形成した後、第1パッシベーション層111をシールドガス雰囲気に置いて高温アニール処理を行い、残留水分子及び有機官能基を除去する。そのうち、アニール温度は450℃~550℃、例えば475℃、500℃又は525℃であり、アニール時間は10minを超え、例えば12min、14min又は16minである。なお、上記「シールドガス」とは、反応に関与しない任意のガス、例えば不活性ガスでもよく、幾つかの実施例では、シールドガスとして窒素ガスを用いてもよい。
【0085】
幾つかの実施例において、第2パッシベーション層112は、プラズマ増強化学気相成長プロセスによって形成され、その反応物がシランとアンモニアガスであり、シランとアンモニアガスとの流量比が1/4~1/15、例えば1/6、1/9、又は1/12であり、単位面積あたりのパルスパワーが30~40mW/cm、例えば33mW/cm、35mW/cm、又は37mW/cmである。流量比および単位面積あたりのパルスパワーを制御することによって、第2パッシベーション層112における第1窒化ケイ素Si材料の原子数の割合をプリセットレベルとし、さらに第2パッシベーション層112にプリセットされた屈折率を持たせることに有利である。例示的に、第1窒化ケイ素Si材料を含む第2パッシベーション層112の波長632nmにおける全体の屈折率は1.9~2.2、例えば2.0、2.05または2.1であり、同時に、前面10aに垂直な方向において、第2パッシベーション層112の厚さは40nm~60nm、例えば45nm、50nmまたは55nmである。
【0086】
幾つかの実施例において、第3パッシベーション層113は、プラズマ増強化学気相成長プロセスによって形成され、その反応物がシラン、亜酸化窒素(笑気)およびアンモニアガスであり、シランと亜酸化窒素との流量比が1/10以上、例えば1/4、1/6または1/8であり、単位面積あたりのパルスパワーが25~40mW/cm、例えば28mW/cm、30mW/cm、33mW/cm、または36mW/cmである。流量比および単位面積あたりのパルスパワーを制御することによって、第3パッシベーション層113における酸窒化ケイ素SiO材料の原子数の割合をプリセットレベルとし、第3パッシベーション層113にプリセットされた屈折率を持たせることに有利である。例示的に、第3パッシベーション層113の波長632nmにおける全体の屈折率が1.45~1.8、例えば1.5、1.6または1.7であり、同時に、前面10aに垂直な方向において、第3パッシベーション層113の厚さが20nm~50nm、例えば25nm、30nm、35nm、40nmまたは45nmである。
【0087】
図1を参照して、ドープ導電層122に第4パッシベーション層123、第1電極114及び第2電極124が形成される。
【0088】
第4パッシベーション層123が窒化ケイ素層である場合、実際のニーズに応じて、2~4層のグレーデッド屈折層として設けることができ、すなわち、ベース10から離れる方向において、異なる窒化ケイ素サブ層の屈折率が徐々に低くなる。また、その反応物は、シランとアンモニアガスであってもよく、第4パッシベーション層123におけるケイ素原子数と窒素原子数との比は、3.5~6.8であってもよく、例えば4.2、4.9、5.7又は6.3であり、屈折率範囲は、2.04~2.2であってもよく、例えば2.08、2.12又は2.16であり、厚さの範囲は60nm~100nm、例えば70nm、80nm又は90nmである。
【0089】
第4パッシベーション層123を形成した後、金属化処理、スクリーン印刷及び高温焼成などのプロセスにより第1電極114及び第2電極124を形成することができる。また、電極を形成した後、さらに光アニール処理を行う必要があり、即ち、太陽電池セルを400℃~700℃の温度で1min~6min、例えば500℃又は600℃で例えば2min、3min、4min又は5minに加熱した後、150℃~400℃の温度下および1~6個の太陽光照射強度下で同時に1min~6minの処理を行い、例えば200℃、250℃、300℃及び350℃、および例えば1個、2個、3個、4個又は5個の太陽光強度である。
【0090】
当業者であれば、前記各実施形態は本願を実現する具体的な実施例であるが、実用上では本願の精神と範囲を逸脱することなく、形態及び細部において様々な変更が可能であることが理解できる。いずれの当業者は、本願の精神と範囲を逸脱しない限り、それぞれ変更及び修正を行うことが可能であるため、本願の保護範囲は、請求項に限定された範囲を基準にすべきである。
図1
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図10