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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096176
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】受信装置及び受信処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/431 20110101AFI20230629BHJP
   H04N 21/436 20110101ALI20230629BHJP
   H04N 21/488 20110101ALI20230629BHJP
【FI】
H04N21/431
H04N21/436
H04N21/488
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023083744
(22)【出願日】2023-05-22
(62)【分割の表示】P 2021132628の分割
【原出願日】2014-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002332
【氏名又は名称】弁理士法人綾船国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 志昌
(72)【発明者】
【氏名】田宮 悟
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 伸一
(57)【要約】
【課題】
放送通信連携システムを使用する際に、利用者に対して、現在表示されている映像が通信コンテンツに基づくものであるかどうかを認識させる。
【解決手段】
通信コンテンツに基づく映像が表示ユニット170に表示されているときには、放送通信連携サービス実行部192は、通信映像表示中である旨の表示情報を提示処理部193へ送る。そして、提示処理部193は、通信コンテンツに基づく映像が表示されていることを示す通信情報映像データCDTを生成し、表示ユニット170へ送る。一方、通信コンテンツに基づく映像が表示されていないときには、放送通信連携サービス実行部192は、通信映像非表示中である旨の表示情報を提示処理部193へ送る。そして、提示処理部193は、通信コンテンツに基づく映像が表示されていないことを示す通信情報映像データCDTを生成し、表示ユニット170へ送る。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ放送及び番組放送を含むデジタル放送に基づく映像信号を生成する放送受信処理部と;
通信端末から通信コンテンツ情報を取得する通信コンテンツ取得部と;
前記データ放送に基づく映像及び前記通信コンテンツ情報に基づく映像の少なくとも一方を、前記番組放送に基づく映像と同時に表示部に表示させる制御を行う表示制御部と;
前記表示制御部が前記通信コンテンツ情報に基づく映像を前記表示部に表示させている旨を提示する提示部と;
を備える受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置、受信処理方法、受信処理プログラム、及び、当該受信処理プログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、放送局から放送されるデータ放送を含む放送コンテンツ(デジタル放送)を受信し、当該データ放送に基づく映像を、番組映像と同時に表示する受信装置の普及が進んでいる。また、近年、放送と通信とを組み合せた放送通信連携システムの実用化が開始された。この放送通信連携システムは、受信装置が、放送局から放送される放送コンテンツに加えて、サービス事業者からインターネット等の電気通信回線を介して配信される通信コンテンツを受信し、放送コンテンツと通信コンテンツとを連携して再生するサービスである。こうした通信コンテンツの内容としては、放送番組に関連する情報や、天気情報や株式情報といった放送番組とは関連しない情報が含まれている。
【0003】
そして、放送通信連携システムの実用化に伴い、デジタル放送における番組映像と同時に、データ放送に基づく映像や通信コンテンツに基づく映像を表示する技術が提案されている(特許文献1参照:以下、「従来例」と呼ぶ)。この従来例の技術では、番組映像と同時に通信コンテンツに基づく映像を表示している際に、放送コンテンツにより緊急警報信号や緊急地震速報などの緊急又は重要な情報を受信した場合には、通信コンテンツに基づく映像の表示を強制的に中止して、当該放送コンテンツに含まれる緊急又は重要な情報の映像を表示するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-257227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、放送通信連携システムでは、利用者が意図的に通信コンテンツに基づく映像を表示させるには、例えば、リモートコントロール装置(以下、「リモート入力装置」とも記す)の「d」ボタンを押下する等の操作を行ってデータ放送に基づく映像を表示させた後、当該映像に含まれるメニューからメニュー選択を行い、通信コンテンツに基づく映像に遷移させることがある。このため、利用者は、現在、表示されている映像が通信コンテンツに基づくものなのか、あるいは、データ放送に基づくものなのかを判断することができないことがある。
【0006】
さて、近年においては、スマートフォンやタブレット端末等の通信端末が広く普及し、移動体通信を行う環境が整備されてきている。こうした通信環境の整備に伴い、放送通信連携システムを活用する場合に、通信端末が移動体通信網と無線通信してサービス事業者のコンテンツサーバから通信コンテンツを取得し、当該取得した通信コンテンツ情報を受信装置へ送信する構成が採用されてきている。ここで、移動体通信においては、多くの利用者が良好な環境で通信できるように、通信事業者により、通信データ量に関して所定の条件を超えた場合に、使用制限(帯域制限)が課されることがある。こうした使用制限が課させる事態の発生は、放送通信連携システムを快適に利用することができなくなるため、好ましくない。したがって、利用者が移動体通信の使用制限を回避するようにする観点からも、現在、表示されている映像が通信コンテンツに基づくものか、あるいは、データ放送に基づくものかの認識は、重要である。
【0007】
しかしながら、上述した従来例の技術では、放送通信連携システムにおいて、番組映像と同時に表示される映像のコンテンツ源を利用者に認識させる対策を講じていない。したがって、従来例の技術において通信端末が移動体通信網を介して取得した通信コンテンツを利用する場合に、利用者は、突如として、移動体通信の使用制限が課させてしまうことがある。
【0008】
このため、放送通信連携システムを使用する際に、利用者に対して、現在表示されている映像が通信コンテンツに基づくものであるかどうかを認識させて、利用者の利便性を向上させることができる技術が望まれている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、データ放送及び番組放送を含むデジタル放送を受信し、前記デジタル放送に基づく映像信号を生成する放送受信処理部と;通信ネットワークを利用して通信コンテンツ情報を取得する通信端末から、前記通信コンテンツ情報を取得する通信コンテンツ取得部と;利用者により操作される操作部から、前記データ放送に基づく映像を表示部に表示させる第1指令、及び、前記通信コンテンツ情報に基づく映像を前記表示部に表示させる第2指令を取得する指令取得部と;前記指令取得部により取得された第1指令及び第2指令に基づいて、前記データ放送に基づく映像及び前記通信コンテンツ情報に基づく映像の少なくとも一方を、前記番組放送の映像信号に基づいて表示された映像と同時に前記表示部に表示させる表示制御部と;前記表示制御部が前記通信コンテンツ情報に基づく映像を前記表示部に表示させている場合には、前記通信コンテンツ情報に基づく映像を前記表示部に表示させている旨を利用者に提示する提示部と;を備えることを特徴とする受信装置である。
【0010】
請求項6に記載の発明は、データ放送及び番組放送を含むデジタル放送を受信し、前記デジタル放送に基づく映像信号を生成する放送受信処理部と;通信ネットワークを利用して通信コンテンツ情報を取得する通信端末から、前記通信コンテンツ情報を取得する通信コンテンツ取得部と;を備える受信装置において使用される受信処理方法であって、利用者により操作される操作部から、前記データ放送に基づく映像を表示部に表示させる第1指令、及び、前記通信コンテンツ情報に基づく映像を前記表示部に表示させる第2指令を取得する指令取得工程と;前記指令取得工程において取得された第1指令及び第2指令に基づいて、前記データ放送に基づく映像及び前記通信コンテンツ情報に基づく映像の少なくとも一方を、前記番組放送の映像信号に基づいて表示された映像と同時に前記表示部に表示させる表示制御工程と;前記表示制御工程において前記通信コンテンツ情報に基づく映像を前記表示部に表示されている場合には、前記通信コンテンツ情報に基づく映像を前記表示部に表示させている旨を利用者に提示する提示工程と;を備えることを特徴とする受信処理方法である。
【0011】
請求項7に記載の発明は、受信装置が有するコンピュータに、請求項6に記載の受信処理方法を実行させる、ことを特徴とする受信処理プログラムである。
【0012】
請求項8に記載の発明は、受信装置が有するコンピュータにより読み取り可能に、請求項7に記載の受信処理プログラムが記録されている、ことを特徴とする記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る受信装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図2図1の再生処理ユニットの構成を示すブロック図である。
図3図1の制御ユニットの構成を示すブロック図である。
図4図1の装置による提示制御処理を説明するためのフローチャートである。
図5】表示ユニットへの提示情報の表示例(その1)を説明するための図である。
図6】表示ユニットへの提示情報の表示例(その2)を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を、図1図6を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
[構成]
図1には、一実施形態に係る受信装置100の概略的な構成がブロック図にて示されている。本実施形態では、受信装置100は、移動体である車両内に配置され、地上デジタルテレビジョン放送波を受信して処理する。また、この車両には、通信端末210が配置され、受信装置100に接続されている。そして、受信装置100は、当該通信端末210を介して、サービス事業者から電気通信回線を介して配信される通信コンテンツを取得して処理する。
【0016】
すなわち、受信装置100は、放送サービス及び通信サービスを組み合せた放送通信連携サービスを実施する装置となっている。なお、放送通信連携サービスは、放送局及びサービス事業者から送信されるアプリケーションを実行することにより実現されるようになっている。そして、実行されるアプリケーションには、放送番組に関連する連動アプリケーションと、放送番組に関連しない非連動アプリケーションとに分類される。
【0017】
ここで、連動アプリケーションは、連動する放送番組の視聴中の間にのみ起動され、連動する放送番組が終了したとき、及び、連動する放送番組から他の放送番組に変更されたときに終了するようになっている。また、非連動アプリケーションは、利用者が任意のタイミングで、起動及び終了をすることができるようになっている。なお、本実施形態では、放送通信連携サービスのアプリケーションは、利用者が、リモート入力装置の「d」ボタンを押下することにより、起動するようになっているものとする。
【0018】
上記の通信端末210は、例えば、スマートフォンであり、移動体通信網と無線通信して、サービス事業者の通信コンテンツサーバ等にアクセス可能となっている。また、本実施形態では、通信端末210の利用者と通信事業者との間では使用制限契約が締結されており、毎月の通信データ量が所定のデータ量を超えた場合には、月末までの通信速度を低速化させるものとなっている。
【0019】
なお、通信端末210としては、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の通信端末であってもよい。
【0020】
<受信装置100の構成>
次に、上記の受信装置100の構成について、説明する。
【0021】
受信装置100は、図1に示されるように、アンテナ110と、RF処理ユニット120と、インターフェイス130と、再生処理ユニット140とを備えている。また、受信装置100は、入力ユニット150と、音出力ユニット160と、表示ユニット170と、制御ユニット190とを備えている。
【0022】
上記のアンテナ110は、放送局から送信されている地上デジタルテレビジョン放送波を受信する。アンテナ110による受信信号RFSは、RF処理ユニット120へ送られる。
【0023】
上記のRF処理ユニット120は、アンテナ110から送られた受信信号RFSを受ける。そして、RF処理ユニット120は、制御ユニット190から送られた選局指令CSLに従って、選局すべき希望放送局の信号を受信信号RFSから抽出する選局処理を行い、所定の中間周波数帯の成分を有する中間周波信号IFD(以下、単に「信号IFD」)に変換する。こうして得られた信号IFDは、再生処理ユニット140へ送られる。ここで、信号IFDは、デジタル信号となっている。RF処理ユニット120は、放送受信処理部の一部の機能を果たすようになっている。
【0024】
上記のインターフェイス130は、受信装置100と通信端末210との間におけるデータ授受に際して利用される。例えば、通信端末210が移動体通信網を介して受信した通信コンテンツ信号は、インターフェイス130を介して、再生処理ユニット140へ送られる。なお、インターフェイス130は、通信コンテンツ取得部の一部の機能を果たすようになっている。
【0025】
上記の再生処理ユニット140は、制御ユニット190による制御のもとで、RF処理ユニット120から送られる信号IFD及びインターフェイス130から送られる通信コンテンツ信号を処理して、表示ユニット170へ送る映像データIDTを生成する。また、再生処理ユニット140は、制御ユニット190による制御のもとで、RF処理ユニット120から送られる信号IFDを処理して、音出力ユニット160へ供給する音声データADTを生成する。再生処理ユニット140の構成の詳細については、後述する。
【0026】
上記の入力ユニット150は、受信装置100の本体部に設けられたキー部、及び/又はキー部を備えるリモート入力装置等により構成される。ここで、本体部に設けられたキー部としては、表示ユニット170の表示デバイスに設けられたタッチパネルを用いることができる。また、キー部を有する構成に代えて、又は併用して音声認識技術を利用して音声にて入力する構成を採用することもできる。
【0027】
なお、本実施形態では、入力ユニット150は、キー部を備えるリモート入力装置から構成されているものとする。
【0028】
この入力ユニット150を利用者が操作することにより、受信装置100の動作内容の設定や動作指令の入力が行われる。例えば、放送局を指定した選局指定、データ放送に基づく映像及び通信コンテンツに基づく映像の表示指定等の利用者による入力が、入力ユニット150を利用して行われる。入力ユニット150への入力内容は、入力データIPDとして、制御ユニット190へ送られる。すなわち、入力ユニット150は、操作部の機能を果たすようになっている。なお、データ放送に基づく映像の表示指令及び通信コンテンツに基づく映像の表示指定の方法については、後述する。
【0029】
上記の音出力ユニット160は、(i)再生処理ユニット140から送られた音声データADTをアナログ信号に変換するDA(Digital to Analogue)変換器と、(ii)当該DA変換器から出力されたアナログ信号を増幅する増幅器と、(iii)増幅されたアナログ信号を音声に変換するスピーカとを備えて構成されている。この音出力ユニット160は、選局されているチャンネルの放送波に対応する放送音声を再生出力する。
【0030】
上記の表示ユニット170は、例えば、(i)液晶パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル、PDP(Plasma Display Panel)等の表示デバイスと、(ii)再生処理ユニット140から送られた映像データIDT及び制御ユニット190から送られた通信情報映像データCDTに基づいて、当該表示デバイスに画像を表示させる表示制御回路とを備えている。この表示ユニット170は、映像データIDTに基づいて、選局されているチャンネルに対応する番組放送映像、データ放送に基づく映像、通信コンテンツに基づく映像を再生表示する。
【0031】
また、表示ユニット170は、通信情報映像データCDTに基づいて、通信端末210の通信情報を表示して利用者に提示する。なお、通信情報の提示態様については、後述する。本実施形態では、表示ユニット170の表示デバイスは、車両内のフロントパネル付近に装着される。なお、表示ユニット170は、提示部の一部及び表示部の機能を果たすようになっている。
【0032】
上記の制御ユニット190は、様々な処理を行うとともに、受信装置100の全体の動作を制御する。なお、制御ユニット190の構成の詳細については、後述する。
【0033】
《再生処理ユニット140の構成》
次に、再生処理ユニット140の構成について説明する。
【0034】
再生処理ユニット140は、図2に示されるように、復調部141と、復号部(デマルチプレクサ部)142と、音声処理部143と、番組映像処理部144と、データ放送処理部145とを備えている。また、再生処理ユニット140は、通信入出力部146と、通信コンテンツ処理部147と、通信管理部148と、表示映像作成部149とを備えている。
【0035】
上記の復調部141は、RF処理ユニット120から送られた信号IFDを受ける。そして、復調部141は、信号IFDに対してOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)復調を施す。こうして復調された信号は、復調信号として復号部142へ送られる。
【0036】
上記の復号部142は、復調部141から送られた復調信号を受ける。そして、復号部142は、復調信号の復号処理を行い、音声に関する復号結果を、復号音声データとして音声処理部143へ送る。また、復号部142は、番組映像に関する復号結果を、復号番組映像データとして番組映像処理部144へ送る。さらに、復号部142は、データ放送に関する復号結果を、復号データ放送データとしてデータ放送処理部145へ送る。なお、データ放送処理部145には、データ放送アプリケーションも送られるようになっている。
【0037】
また、復号部142は、音声、番組映像、データ放送以外の復号結果を、信号DBDとして制御ユニット190へ送る。かかる信号DBDに含まれる情報としては、アプリケーション情報テーブル、アプリケーションファイル等がある。このアプリケーション情報テーブルには、アプリケーション名、アプリケーションID、アプリケーションの起動及び終了などを制御する制御情報、アプリケーションファイルの配信用サーバのロケーション情報及びアプリケーションファイルを特定する情報等が含まれている。
【0038】
上記の音声処理部143は、復号音声データに基づいて音声データADTを生成する。生成された音声データADTは、音出力ユニット160へ送られる。
【0039】
上記の番組映像処理部144は、復号番組映像データに基づいて番組映像データを生成する。生成された番組映像データは、表示映像作成部149へ送られる。番組映像処理部144は、放送受信処理部の一部の機能を果たすようになっている。
【0040】
上記のデータ放送処理部145は、制御ユニット190による制御のもとで、データ放送アプリケーションを実行し、復号データ放送データに基づいてデータ放送映像データを生成する。生成されたデータ放送映像データは、表示映像作成部149へ送られる。データ放送処理部145は、放送受信処理部の一部の機能を果たすようになっている。
【0041】
上記の通信入出力部146は、制御ユニット190による制御のもとで、インターフェイス130、通信端末210及び移動体通信網を介した通信により、データの入出力を行う。通信入出力部146は、例えば、サービス事業者から送信されたアプリケーション情報テーブル、アプリケーションファイルを取得したときには、当該アプリケーション情報テーブル、アプリケーションファイルを制御ユニット190へ送る。
【0042】
また、通信入出力部146は、制御ユニット190により実行されるアプリケーションの指示に従って通信端末210を制御し、サービス事業者の通信コンテンツサーバから配信される通信コンテンツデータを受信する。そして、通信入出力部146は、受信した通信コンテンツデータを通信コンテンツ処理部147へ送る。なお、通信入出力部146は、通信コンテンツ取得部の一部の機能を果たすようになっている。
【0043】
上記の通信コンテンツ処理部147は、制御ユニット190による制御のもとで、通信入出力部146から送られた通信コンテンツデータを復号して、通信コンテンツ映像データを生成する。生成された通信コンテンツ映像データは、表示映像作成部149へ送られる。
【0044】
上記の通信管理部148は、カレンダ機構を内蔵しており、通信端末210による当月の通信データ量の累積値を導出して取得する。そして、通信管理部148は、当該通信データ量の累積値を、通信量情報CMIとして、逐次、制御ユニット190へ送る。なお、本実施形態では、通信データ量の累積値は、制御ユニット190による制御のもとで、月初又はユーザーが指定した日付にゼロにリセットされるようになっている。通信管理部148は、通信量取得部の機能を果たすようになっている。
【0045】
上記の表示映像作成部149は、番組映像処理部144から送られる番組映像データ、及び、データ放送処理部145から送られるデータ放送映像データを受ける。また、表示映像作成部149は、通信コンテンツ処理部147から送られる通信コンテンツ映像データを受ける。そして、表示映像作成部149は、制御ユニット190から送られた映像作成指令ICCに従って、映像データIDTを作成する。引き続き、表示映像作成部149は、生成された映像データIDTを表示ユニット170へ送る。
【0046】
《制御ユニット190の構成》
次いで、制御ユニット190の構成について説明する。
【0047】
制御ユニット190は、図3に示されるように、選局処理部191と、放送通信連携サービス実行部192と、提示処理部193とを備えている。
【0048】
上記の選局処理部191は、入力ユニット150から送られた入力データIPDの内容が選局指定であった場合には、指定された希望放送局に対応する選局指令CSLを生成する。そして、選局処理部191は、生成された選局指令CSLを、RF処理ユニット120へ送る。
【0049】
上記の放送通信連携サービス実行部192は、入力ユニット150から送られた入力データIPDの内容がデータ放送に基づく映像の表示指定である場合には、データ放送処理指令DECを生成して、データ放送処理部145へ送るとともに、番組映像とデータ放送に基づく映像とを同時に表示すべき旨の映像作成指令ICCを生成して、表示映像作成部149へ送る。
【0050】
また、放送通信連携サービス実行部192は、入力ユニット150から送られた入力データIPDの内容が通信コンテンツに基づく映像の表示指定である場合、又は、アプリケーションが自動起動された場合には、放送通信連携サービスのアプリケーションを実行する。かかるアプリケーションが実行されると、放送通信連携サービス実行部192は、実行しているアプリケーションに従って、通信コンテンツサーバから通信コンテンツデータを受信すべき旨の指令を通信入出力部146へ送るとともに、当該受信する通信コンテンツデータの処理を行うべき旨の通信コンテンツ処理指令CECを生成して、通信コンテンツ処理部147へ送る。また、放送通信連携サービス実行部192は、実行しているアプリケーションに従って、番組映像と通信コンテンツに基づく映像とを同時に表示すべき旨の映像作成指令ICCを生成して、表示映像作成部149へ送る。
【0051】
なお、本実施形態では、利用者がリモート入力装置の「d」ボタンを押下することにより、放送通信連携サービスのホーム画面が、表示ユニット170に表示されるようになっている。このホーム画面には、様々なメニューが表示されている。そして、放送通信関連サービスのホーム画面のメニューから、利用者がデータ放送を選択したときに、データ放送に基づく映像が表示ユニット170に表示されるようになっている。また、放送通信関連サービスのホーム画面のメニューから、利用者が通信コンテンツのメニューを選択したときに、当該選択された通信コンテンツに基づく映像が表示ユニット170に表示されるようになっている。このため、本実施形態では、通信コンテンツに基づく映像の表示指定の操作は、データ放送に基づく映像の表示指定の操作と同様になっている。
【0052】
また、放送通信連携サービス実行部192は、番組映像と通信コンテンツに基づく映像とを同時に表示している期間には、通信映像表示中である旨の表示情報を提示処理部193へ送る。また、放送通信連携サービス実行部192は、通信コンテンツに基づく映像を同時に表示していない期間には、通信映像非表示中である旨の表示情報を提示処理部193へ送る。
【0053】
すなわち、放送通信連携サービス実行部192は、指令取得部及び表示制御部の機能を果たすようになっている。そして、データ放送に基づく映像の表示指定が第1指令に対応し、通信コンテンツに基づく映像の表示指定が第2指令に対応するようになっている。
【0054】
上記の提示処理部193は、通信管理部148から送られる通信量情報CMIを受ける。そして、提示処理部193は、当該通信量情報CMIに基づいて、通信端末210の月初から現在までの累積通信データ量に基づいて情報映像データを生成する。
【0055】
また、提示処理部193は、放送通信連携サービス実行部192から送られる表示情報の内容が通信映像表示中であった場合には、情報映像データの生成とともに、現在通信コンテンツに基づく映像が表示ユニット170に表示されていることを示すアイコン映像データを生成する。そして、提示処理部193は、情報映像データ及びアイコン映像データに基づいて通信情報映像データCDTを生成し、表示ユニット170へ送る。
【0056】
また、提示処理部193は、放送通信連携サービス実行部192から送られる表示情報の内容が通信映像非表示中であった場合には、情報映像データの生成とともに、現在通信コンテンツに基づく映像が表示ユニット170に表示されていないことを示すアイコン映像データを生成する。そして、提示処理部193は、情報映像データ及びアイコン映像データに基づいて通信情報映像データCDTを生成し、表示ユニット170へ送る。
【0057】
ここで、提示処理部193は、提示部の一部の機能を果たすようになっている。
【0058】
[動作]
以上のようにして構成された受信装置100の動作について、制御ユニット190による通信関連情報の提示制御処理に主に着目して説明する。
【0059】
かかる通信関連情報の提示制御処理は、受信装置100の電源が投入され、利用者が入力ユニット150を利用して、希望放送局を指定した選局指定が行うことにより開始する。こうして希望放送局を指定した選局指定が入力ユニット150へ入力されると、制御ユニット190の選局処理部191は、希望放送局に対応する選局指令CSLを生成して、RF処理ユニット120へ送る(図1,3参照)。
【0060】
RF処理ユニット120は、当該選局指令CSLを受けると、希望放送局の信号を受信信号RFSから抽出する選局処理を行い、所定の中間周波数帯の成分を有する信号IFDに変換する。そして、RF処理ユニット120は、当該信号IFDを、再生処理ユニット140へ送る(図1参照)。
【0061】
再生処理ユニット140では、復調部141が、RF処理ユニット120から送られた信号IFDの復調処理を行い、復調信号を生成する。そして、復調部141は、生成された復調信号を復号部142へ送る。次いで、復号部142が、復調部141から送られた復調信号の復号処理を行い、復号音声データを生成して音声処理部143へ送るとともに、復号番組映像データを生成して番組映像処理部144へ送る(図2参照)。また、復号部142は、復号データ放送データを生成してデータ放送処理部145へ送るとともに、復調信号からアプリケーション情報テーブル等を分離して、制御ユニット190の放送通信連携サービス実行部192へ送る(図2,3参照)。
【0062】
引き続き、音声処理部143は、復号音声データを処理して音声データADTを生成し、音出力ユニット160へ送る。また、番組映像処理部144は、復号番組映像データを生成して表示映像作成部149へ送る。そして、表示映像生成部149は、制御ユニット190による制御のもとで、当該復号番組映像データを映像データIDTとして、表示ユニット170へ送る(図2参照)。
【0063】
また、提示制御処理が開始されると、再生処理ユニット140の通信管理部148から、通信端末210の当月の通信データ量の累積値が、通信量情報CMIとして、制御ユニット190の提示処理部193へ逐次送られる。
【0064】
このような状況のもとで、図4に示されるように、まず、ステップS11において、制御ユニット190の放送通信連携サービス実行部192が、通信コンテンツに基づく映像が表示ユニット170に表示されている否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS11:N)には、処理はステップS12へ進む。
【0065】
ステップS12では、放送通信連携サービス実行部192が、通信映像非表示中である旨の表示情報を提示処理部193へ送る。引き続き、ステップS13において、提示処理部193が、通信コンテンツに基づく映像が表示ユニット170に表示されていないことを示すアイコン映像データを生成する。そして、提示処理部193は、当該アイコン映像データ及び通信端末210の当月における現在の累積通信データ量の情報映像データから通信情報映像データCDTを生成し、表示ユニット170へ送る。この後、処理はステップS11へ戻る。
【0066】
一方、ステップS11における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS11:Y)には、処理はステップS14へ進む。このステップS14では、放送通信連携サービス実行部192が、通信映像表示中である旨の表示情報を提示処理部193へ送る。この後、処理はステップS15へ進む。
【0067】
ステップS15では、提示処理部193が、通信コンテンツに基づく映像が表示ユニット170に表示されていることを示すアイコン映像データを生成する。そして、提示処理部193は、当該アイコン映像データ及び通信端末210の当月における現在の累積通信データ量の情報映像データから通信情報映像データCDTを生成し、表示ユニット170へ送る。この後、処理はステップS11へ戻る。
【0068】
以後、ステップS11~S15の処理が繰り返されて、速報情報の表示制御処理が行われる。
【0069】
<表示ユニット170への提示情報の表示例>
図5には、ステップS11における判定の結果が否定的であった場合に、表示ユニット170に表示される表示例が示されている。ここで、表示ユニット170の領域171には、番組映像のみが表示され、領域172には通信情報映像が表示されている。なお、領域172に示されている「○」は、通信映像非表示中を示すアイコンとなっている。
【0070】
また、図6には、ステップS11における判定の結果が肯定的であった場合に、表示ユニット170に表示される表示例が示されている。ここで、表示ユニット170の領域171には、番組映像と同時に通信コンテンツに基づく天気情報映像が表示されている例が示されている。そして、表示ユニット170の領域172には通信情報映像が表示され、当該領域172に示されている「●」は、通信映像表示中を示すアイコンとなっている。
【0071】
以上説明したように、本実施形態では、制御ユニット190の放送通信連携サービス実行部192が、通信コンテンツに基づく映像が表示ユニット170に表示されているか否かを判定する。そして、通信コンテンツに基づく映像が表示ユニット170に表示されていると判定したときは、放送通信連携サービス実行部192は、通信映像表示中である旨の表示情報を提示処理部193へ送る。そして、提示処理部193は、当該表示情報を受けると、通信コンテンツに基づく映像が表示ユニット170に表示されていることを示す通信情報映像データCDTを生成し、表示ユニット170へ送る。
【0072】
一方、通信コンテンツに基づく映像が表示ユニット170に表示されていないと判定したときは、放送通信連携サービス実行部192は、通信映像非表示中である旨の表示情報を提示処理部193へ送る。そして、提示処理部193は、通信コンテンツに基づく映像が表示ユニット170に表示されていないことを示す通信情報映像データCDTを生成し、表示ユニット170へ送る。
【0073】
このため、通信コンテンツに基づく映像の表示指定が、データ放送に基づく映像の表示指定の操作と同様なときに、利用者に対して、現在表示されている映像が通信コンテンツに基づくものであるかどうかを認識させることができる。
【0074】
また、本実施形態では、通信コンテンツに基づく映像が表示ユニット170に表示されているか否かに関係なく、通信端末210の月初から現在までの累積通信データ量を利用者に提示する。このため、利用者に対して、移動体通信の使用制限を回避するための情報を提供することができ、利用者の利便性を向上させることができる。
【0075】
したがって、本実施形態によれば、放送通信連携システムを使用する際に、利用者に対して、現在表示されている映像が通信コンテンツに基づくものであるかどうかを認識させて、利用者の利便性を向上させることができる。
【0076】
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0077】
例えば、上記の実施形態では、表示ユニットに通信コンテンツに基づく映像が表示されているときには「●」アイコンを表示し、表示ユニットに通信コンテンツに基づく映像が表示されていないときには「○」アイコンを表示することとした。これに対して、通信端末の通信中に、例えば、アイコンを点滅させる等の他の表示態様で、通信中であることを提示するようにしてもよい。
【0078】
また、上記の実施形態では、通信端末の現在の累積通信データ量を利用者に提示するようにしたが、受信装置が予め使用制限の制限値を取得し、当該制限値とともに累積通信データ量を利用者に提示するようにしてもよい。この場合には、利用者が使用制限の制限値を認識していない場合に、利便性を向上させることができる。
【0079】
また、上記の実施形態では、利用者がリモート入力装置の「d」ボタンを押下することにより、放送通信連携サービスのホーム画面が起動され、当該ホーム画面のメニューから、利用者がデータ放送を選択したときに、データ放送に基づく映像が表示され、通信コンテンツのメニューを選択したときに、当該選択された通信コンテンツに基づく映像が表示されることとした。これに対して、他の操作態様で、データ放送に基づく映像、及び、通信コンテンツに基づく映像が表示されてもよい。
ようになっている。
【0080】
また、上記の実施形態では、通信端末の使用制限の内容は、毎月の通信データ量が所定のデータ量を超えた場合には、月末までの通信速度が低速するものとしたが、他の態様の使用制限であってもよい。
【0081】
また、上記の実施形態では、提示処理部は生成された通信情報映像データを表示ユニットへ送るようにしたが、表示映像作成部へ送るようにしてもよい。この場合には、表示映像作成部は、番組映像データ、データ放送映像データ、通信コンテンツ映像データ、及び、提示処理部から送られた通信情報映像データに基づいて、表示ユニットへ送る映像データを作成するようにすればよい。
【0082】
また、上記の実施形態においては、車両に搭載される受信装置に本発明を適用したが、車両以外の他の移動体に配置される受信装置にも本発明を適用することもできるし、家庭内に配置される受信装置にも本発明を適用することができる。
【0083】
なお、上記の制御ユニットの一部又は全部を中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)等を備えた演算手段としてのコンピュータとして構成し、予め用意されたプログラムを当該コンピュータで実行することにより、上記の実施形態における制御ユニットの機能を実現するようにしてもよい。このプログラムはハードディスク、CD-ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体から読み出されて実行される。また、このプログラムは、CD-ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0084】
100 … 受信装置
120 … RF処理ユニット(放送受信処理部の一部)
130 … インターフェイス(通信コンテンツ取得部の一部)
144 … 番組映像処理部(放送受信処理部の一部)
145 … データ放送処理部(放送受信処理部の一部)
146 … 通信入出力部(通信コンテンツ取得部の一部)
148 … 通信管理部(通信量取得部)
150 … 入力ユニット(入力部)
170 … 表示ユニット(提示部の一部、表示部)
192 … 放送通信連携サービス実行部(指令取得部、表示制御部)
193 … 提示処理部(提示部の一部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6