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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096194
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】オンライン学習システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20230630BHJP
【FI】
G06Q50/20
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204690
(22)【出願日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】519330386
【氏名又は名称】アカメディア・ジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(72)【発明者】
【氏名】菊池 参
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】顔画像の印刷物を用いた不正受講を阻止できるオンライン学習システムを提供する。
【解決手段】オンライン学習システム100は、オンライン教材の配信中に受講者の顔認証を行う認証処理部14と、オンライン教材の配信中に受講者の顔認証の失敗が所定の条件を超えて続いた場合、前記受講者による当該オンライン教材の受講は未修了であるものとする受講進捗管理部13とを備える。認証処理部14は、受講者端末301により撮影された画像において認識枠で規定された範囲内の画像と認証用画像との対比に基づいて受講者の顔認証を行い、前記認証用画像は、(1)オンライン学習システムへのログイン認証用に登録されたマスター画像と、(2)オンライン学習システムへのログイン時に受講者端末で撮影された画像と、(3)オンライン教材の配信中に受講者端末で先に撮影された画像と、のうち少なくとも二種類を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受講者端末からアクセス可能なオンライン学習システムであって、
受講者端末からの配信要求を受け付けてオンライン教材を配信する配信制御部と、
受講者端末により撮影された顔画像に基づいて、前記オンライン教材の配信中に受講者の顔認証を行う認証処理部と、
前記認証処理部において、前記オンライン教材の配信中に受講者の顔認証の失敗が所定の条件を超えて続いた場合、前記受講者による当該オンライン教材の受講は未修了であるものとする受講進捗管理部とを備え、
前記認証処理部は、前記受講者端末により撮影された画像において認識枠で規定された範囲内の画像と認証用画像との対比に基づいて受講者の顔認証を行い、
前記認証用画像は、前記オンライン学習システムへのログイン認証用に登録されたマスター画像と、前記オンライン学習システムへのログイン時に前記受講者端末で撮影された画像と、前記オンライン教材の配信中に前記受講者端末で先に撮影された画像とのうち少なくとも二種類を含む、オンライン学習システム。
【請求項2】
前記認証用画像は、前記オンライン学習システムへのログイン認証用に登録されたマスター画像と、前記オンライン学習システムへのログイン時に前記受講者端末で撮影された画像と、前記講義動画の再生中に前記受講者端末で先に撮影された画像とのうち少なくとも二種類を含む画像からランダムに選択される、請求項1に記載のオンライン学習システム。
【請求項3】
前記認証処理部が、前記受講者端末により撮影された画像において認識枠で規定された範囲内の画像における人物の背景部分と、認証用画像における人物の背景部分との対比に基づいて、受講者の顔認証の成否を判断する、請求項1または2に記載のオンライン学習システム。
【請求項4】
前記認証処理部が、前記受講者端末で撮影された画像から受講者の視線の向きを検出することにより不適切受講を判断する、請求項1~3のいずれか一項に記載のオンライン学習システム。
【請求項5】
前記認証処理部が、前記受講者端末で撮影された画像中の受講者の顔部分の割合を検出することにより不適切受講を判断する、請求項1~4のいずれか一項に記載のオンライン学習システム。
【請求項6】
前記認証処理部が、前記受講者端末で撮影された画像中の受講者の顔の向きを検出することにより不適切受講を判断する、請求項1~5のいずれか一項に記載のオンライン学習システム。
【請求項7】
受講者端末からアクセス可能なコンピュータのプロセッサで実行されるプログラムであって、
前記コンピュータのプロセッサに、
受講者端末からの配信要求を受け付けてオンライン教材を配信する配信処理と、
受講者端末により撮影された顔画像に基づいて、前記オンライン教材の配信中に受講者の顔認証を行う認証処理と、
前記認証処理において、前記オンライン教材の配信中に受講者の顔認証の失敗が所定の条件を超えて続いた場合、前記受講者による当該オンライン教材の受講は未修了であるものとする受講進捗管理処理とを行わせ、
前記認証処理は、前記受講者端末により撮影された画像において認識枠で規定された範囲内の画像と認証用画像との対比に基づいて受講者の顔認証を行い、
前記認証用画像は、前記オンライン学習システムへのログイン認証用に登録されたマスター画像と、前記オンライン学習システムへのログイン時に前記受講者端末で撮影された画像と、前記講義動画の再生中に前記受講者端末で先に撮影された画像とのうち少なくとも二種類を含む画像である、
プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット等を介したオンライン学習システムに関し、特に、受講者本人が聴講すべき課目(項目)を確実に修了したことを保証可能なシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リアルタイム配信される講習または録画された講習を、インターネット等を介してオンライン学習させるいわゆるe-learningが広く用いられている。このようなオンライン学習において、受講者本人以外による成りすまし受講を防止するために、受講者の顔画像を予め登録させておき、この登録された顔画像と、受講中に受講端末のカメラで撮影された受講者の顔画像とを比較することによって、本人が受講していることを確認するシステムが知られている。しかし、登録された顔画像を印刷した紙を受講端末のカメラの前に置き、本人は離席するという不正受講を試みるケースも散見される。このような不正受講を行わせないために、ユーザ(受講者)がユーザデバイス(受講者端末)の前に物理的に存在しているかを確認するために、バイオメトリックセンサを用いるシステムが、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2018-511890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された技術によれば、オンラインでの受講中にバイオメトリックセンサから心拍数データ等を検出することにより、受講者が受講者端末の前に存在しているか否かを確認することができ、顔写真の印刷物を置いて本人は離席するといった不正受講を防止できる。しかし、特許文献1に記載されたシステムでは、受講者端末側にバイオメトリックセンサを設ける必要があるため、コストがかかる。
【0005】
したがって、本発明は、上記の課題を鑑み、バイオメトリックセンサ等の特別な装置を用いずとも、顔写真の印刷物を用いた不正受講を検出できるオンライン学習システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明のオンライン学習システムは、
受講者端末からアクセス可能なオンライン学習システムであって、
受講者端末からの配信要求を受け付けてオンライン教材を配信する配信制御部と、
受講者端末により撮影された顔画像に基づいて、前記オンライン教材の配信中に受講者の顔認証を行う認証処理部と、
前記認証処理部において、前記オンライン教材の配信中に受講者の顔認証の失敗が所定の条件を超えて続いた場合、前記受講者による当該オンライン教材の受講は未修了であるものとする受講進捗管理部とを備え、
前記認証処理部は、前記受講者端末により撮影された画像において認識枠で規定された範囲内の画像と認証用画像との対比に基づいて受講者の顔認証を行い、
前記認証用画像は、前記オンライン学習システムへのログイン認証用に登録されたマスター画像と、前記オンライン学習システムへのログイン時に前記受講者端末で撮影された画像と、前記オンライン教材の配信中に前記受講者端末で先に撮影された画像とのうち少なくとも二種類を含む画像である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、顔認証を行うための認証用画像が、オンライン学習システムへのログイン認証用に登録されたマスター画像と、前記オンライン学習システムへのログイン時に前記受講者端末で撮影された画像と、オンライン教材の配信中に前記受講者端末で先に撮影された画像とのうち少なくとも二種類を含むことにより、認証用画像が一種類である場合に比べて、予め撮影した顔画像の印刷物を用いた不正受講をより効果的に阻止することができる。このようなオンライン学習システムは、例えば、自動車運転免許証を取得するための学科教習や、各種の資格試験を受験するための前提条件となる講習等に、活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態にかかるオンライン学習システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】教習所サーバの概略構成を示すブロック図である。
図3】受講者端末の概略構成を示すブロック図である。
図4】受講者端末に表示されるログイン画面の一例を示す模式図である。
図5】受講者端末に表示される撮影画面の一例を示す模式図である。
図6】受講者端末に表示される撮影画面の一例を示す模式図である。
図7】受講者端末に表示される撮影画面の一例を示す模式図である。
図8】受講者端末(パーソナルコンピュータ等)に表示される講義動画の視聴画面の一例を示す模式図である。
図9】講義動画の視聴画面の一例であって、認識枠に受講者の顔が正しく配置されている例を示す模式図である。
図10】講義動画の視聴画面の一例であって、認識枠に受講者の顔が正しく配置されていない例を示す模式図である。
図11】認証用画像の適用例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0010】
図1は、本実施形態にかかるオンライン学習システム100の概略構成と、受講者端末および教習所サーバとの接続関係とを示す概要図である。ここに開示するオンライン学習システム100は、自動車運転免許証を取得するために必須の学科教習を、インターネット10を介して配信するものである。
【0011】
図1に示すように、オンライン学習システム100は、インターネット10を介して、受講者端末301a、301b、301c、・・・と、教習所サーバ201a、201b、201c、・・・と接続されている。以降、受講者端末のそれぞれを区別して説明する必要がない場合は、単に「受講者端末301」と表記する。教習所サーバについても同様に、それぞれを区別して説明する必要がない場合は、単に「教習所サーバ201」と表記する。受講者端末301は、オンライン学習システム100を利用して学科教習を受ける受講者が利用する端末である。受講者端末301としては、パーソナルコンピュータ、タブレット、またはスマートフォン等の、インターネット10に接続可能であってWebブラウザを利用可能な端末であれば、任意の端末を利用できる。教習所サーバ201は、道路交通法に基づいて各都道府県の公安委員会が指定した「指定自動車教習所」のそれぞれのサーバである。
【0012】
オンライン学習システム100が提供する学科教習(以下、「Web学科教習」と称する。)は、指定自動車教習所が満たすべき3つの基準((1)人的基準、(2)物的基準、(3)運営基準)に適合している。
【0013】
まず、(1)の人的基準については、オンライン学習システム100によって配信されるWeb学科教習は、公安委員会の審査を受けた教習指導員による講義の収録動画である。また、受講者との質疑応答については、各受講者が通う教習所の教官、すなわち各教習所の管理者(責任者)のもと配置された教官が対応する。
【0014】
(2)の物的基準については、オンライン学習システム100によるWeb学科教習は、後述する顔認証システムを取り入れたことにより、教習所の教室における実地講習と同等あるいはそれ以上のレベルで、不正や成りすまし受講の防止および受講状況の管理が可能である。Web学科教習を利用する受講者は、各教習所において、Web学科教習のためにオンライン学習システム100にアクセスするためのログインIDとパスワードの発行を受ける。受講者がWeb学科教習をオンラインで受講している間、バックグラウンドにて顔認証を一定期間またはランダムなタイミングで行うことで、本人確認及び受講管理を行うことができる。受講中に顔認証による本人確認ができない場合は、自動的に講義の初めに戻る仕組みになっている。この仕組みにより、従来、教習所の教室で行われている実地講習と同等の質を保ち、運転免許という命に係わる資格を取得するに際しての姿勢および心得を深く理解し、習熟度を向上させるための厳格な学習環境を提供することが可能になる。
【0015】
(3)の運営基準については、オンライン学習システム100によるWeb学科教習のコンテンツは、教習所の教室における実地講習と同様に、法令に定められた教習課程(教習時間・教習内容)に沿って提供されるものである。なお、受講者は、学科教習の全ての項目をWeb学科教習で受講しても良いし、その一部を教習所の教室で受講しても良い。例えば、受講者は、自動車運転の技能教習を受けるために教習所へ行った際に、空き時間等を利用して学科教習を受けることもできる。オンライン学習システム100では、教習所で受講した項目とWeb学科教習で受講した項目とを合わせて受講管理を行うようになっている(詳しくは後述する)。
【0016】
以下、オンライン学習システム100の構成および動作について説明する。図1に示すように、オンライン学習システム100は、講義データ記憶部11、受講進捗管理部12、受講者管理部13、認証処理部14、配信制御部15、および通信部16を備えている。講義データ記憶部11は、ハードディスク等の記憶装置として実現される。受講進捗管理部12、受講者管理部13、認証処理部14、配信制御部15、および通信部16は、サーバやコンピュータのプロセッサによって実現される。なお、これらの各部は、一つのコンピュータおよびその周辺装置によって実現されていても良いし、複数のコンピュータおよび周辺装置によって実現されていても良い。
【0017】
講義データ記憶部11は、Web学科教習のコンテンツとして、各教習所の教習指導員による講義を収録した動画データを記憶している。受講進捗管理部12は、各受講者の受講履歴(学科教習のどの項目の受講を修了したか)を記憶している。受講進捗管理部12は、さらに、認証処理部14と協働し、講義動画の再生中に、受講者がどこまで視聴したかを管理する。受講者管理部13は、受講者からのログイン処理等を管理する。認証処理部14は、講義動画の再生中に、受講者の本人確認および進捗確認を行う。配信制御部15は、講義動画の配信を制御する。通信部16は、インターネット10を介して、受講者端末301および教習所サーバ201と通信する。
【0018】
教習所サーバ201は、各教習所において生徒の管理を行うサーバである。教習所サーバ201は、各教習所内に設置されていても良いし、各教習所がアクセス可能なクラウドサーバとして設けられていても良い。教習所サーバ201は、図2に示すように、生徒データ記憶部21、進捗データ管理部22、予約管理部23、通信部26を備えている。生徒データ記憶部21は、その教習所に通う各生徒の情報として、例えば、氏名、住所、電
話番号、メールアドレス、生年月日等の基本情報の他に、学科教習および技能教習のそれぞれの進捗具合や成績等を表す進捗データを記憶する。Web学科教習の利用を申し込んだ生徒については、Web学科教習を利用するためのログインIDおよびパスワードが発行され、それらの情報も生徒データ記憶部21に記憶される。また、Web学科教習を受けるためには、受講中の本人確認のために顔画像を登録しておく必要がある。教習所において、Web学科学習の利用を申し込んだ生徒は、顔認証用の顔画像が撮影され、撮影された顔画像がログイン用マスター画像として生徒データ記憶部21に記憶される。進捗データ受付部22は、生徒が学科教習および技能教習の項目を修了する都度、その情報を受け付けて、教習の進捗データとして管理する。予約管理部23は、教習所における実地の学科教習および技能教習に対する生徒からの予約を管理する。通信部26は、受講者端末301およびオンライン学習システム100との通信を制御する。
【0019】
図3は、受講者端末301の構成を示すブロック図である。図3に示すように、受講者端末301は、動画再生部31、操作部32、カメラ33、ディスプレイ34、通信部36を備えている。動画再生部31は、Webブラウザにより実現される。操作部32は、例えばディスプレイ34に一体化されたタッチパネル等で実現され、受講者からの入力を受け付ける。カメラ33は、受講者端末301に内蔵されているカメラであり、いわゆるインカメラとして、受講者がディスプレイ34を見ている状態で、当該受講者の画像を撮影可能に構成されている。通信部36は、オンライン学習システム100および教習所サーバ201との通信を制御する。
【0020】
教習所の生徒は、Web学科教習のログインIDおよびパスワードの発行を受けた後は、自らの受講生端末301からオンライン学習システム100にログインすることにより、Web学科教習を受講することができる。なお、教習所から生徒に付与されたログインIDおよびパスワードは、その教習所の教習所サーバ201の生徒データ記憶部21に記憶されると共に、教習所サーバ201からオンライン学習システム100に送られ、受講者管理部13がアクセス可能なメモリに記憶される。また、前述のとおり教習所サーバ201の生徒データ記憶部21に記憶されたログイン用マスター画像も、ログインIDおよびパスワードと共に、オンライン学習システム100に送られ、受講者管理部13がアクセス可能なメモリに記憶される。
【0021】
以下、オンライン学習システム100における受講中の本人確認について説明する。前述したように、教習所の生徒(受講者)は、教習所から付与されたログインIDおよびパスワードの入力と顔認証とを用いて、オンライン学習システム100にログインすることができる。
【0022】
図4は、ログイン画面の一例を示す。なお、ログイン画面のURLは、教習所から受講者へURLまたはQRコード(登録商標)等によって通知される。図4は、受講者端末301に表示されるログイン画面の一例を示す模式図である。図4に示すように、ログイン画面には、ログインIDとパスワードの入力欄51a,51bが表示される。受講者がログインIDとパスワードを入力し、その下の「次へ」ボタン51cをタッチすると、入力されたログインIDとパスワードはオンライン学習システム100へ送られる。受講者管理部13が、ログインIDとパスワードが予め登録されたものと一致することを確認すると、受講者管理部13からの指示にしたがい、受講者端末301の画面が図5に示す写真撮影画面に遷移する。
【0023】
図5に示す写真撮影画面では、「正面を向いてください」とのメッセージが表示され、受講者端末301のカメラで撮影される画像が画像表示枠61a内に表示される。受講者が画像表示枠61a内の画像を確認して撮影ボタン61bを押すと、撮影された画像は受講者管理部13へ送られて記憶される。このように正面の顔画像が撮影されると、次に、図6に示すように、「少し右を向いてください」とのメッセージが表示され、受講者端末301のカメラで撮影される画像が画像表示枠61a内に表示される。受講者が画像表示枠61a内の画像を確認して撮影ボタン61bを押すと、撮影された画像は受講者管理部13へ送られて記憶される。次に、図7に示すように、「少し左を向いてください」とのメッセージが表示され、受講者端末301のカメラで撮影される画像が画像表示枠61a内に表示される。受講者が画像表示枠61a内の画像を確認して撮影ボタン61bを押すと、撮影された画像は受講者管理部13へ送られて記憶される。このように、正面からの顔画像に加えて、少し左を向いた状態や少し右を向いた状態の顔画像を撮影することにより、受講者本人がその場に存在して顔画像を撮影したことが担保される。例えば、受講者管理部13において、正面を向いた状態で撮影された画像からいくつかの特徴点を抽出し、左または右を向いた状態で撮影された画像における特徴点の位置の変化(または特徴点を結んだ図形の形状の変化)を検出することにより、撮影対象物が三次元物体であるか否かを判断することができる。これにより、例えば、予め撮影した顔画像の印刷物(二次元画像)を用いて不正なログイン認証を行うことを阻止することができる。
【0024】
なお、図5図7においては、正面と左向きおよび右向きの画像を撮影する例を示したが、少し上を向いた状態や少し下を向いた状態などをさらに加えても良い。また、ログインの都度、正面以外に撮影する顔の向きをランダムに異ならせるようにしても良い。また、ここでは受講者が撮影ボタン61bを押して撮影を行うものとしたが、画面が切り替わった後の所定のタイミングで自動的に撮影が行われるようにしても良い。
【0025】
以上のように、ログイン時に受講者の顔画像が撮影されると、受講者管理部13は、撮影された画像と予め登録されているログイン用マスター画像との対比を行い、ログインしようとしている受講者が、登録されている受講者であるか否かを判断する。ログインが承認されると、受講者は、受講者端末301に表示される講義一覧から希望する講義を選択することができる。受講者によって講義が選択されると、配信要求が受講者端末301からオンライン学習システム100へ送信される。
【0026】
オンライン学習システム100においては、通信部16が、受講者端末301から講義動画の配信要求を受け取り、配信制御部15に渡す。配信要求には、受講者のログインIDと、配信を希望する講義を特定する項目番号とが含まれている。配信制御部15は、受講者管理部13に照会し、受け取った配信要求に含まれるログインIDが正規に発行されたログインIDであるか否かを確認する。ログインIDが正しい場合、配信制御部15は、配信要求された項目番号の講義動画を講義データ記憶部11から抽出し、通信部16およびインターネット10を介して、受講者端末301へ配信する。
【0027】
図8は、受講者端末301に配信された講義動画の表示画面の一例である。なお、図8は、受講者端末301が、パーソナルコンピュータやタブレット等のように、比較的大きいディスプレイを有する場合の表示画面例である。スマートフォン等のようにディスプレイが小さい場合の講義動画の表示画面例については、後で説明する。図8に示すように、講義動画の表示画面には、配信中の講義の項目番号およびタイトルの表示欄54dと、受講ステータス欄54eが表示される。図8の例では、受講者は項目番号1-1の「運転者の心得」を初めて受講しているため、受講ステータス欄54eには「未受講」が表示されている。講義動画は、講義表示ウィンドウ54aに表示される。図8の例では、講義表示ウィンドウ54aの左上に、手話通訳動画が表示されている。また、講義表示ウィンドウ54aの下部には、日本語字幕が表示されている。手話通訳動画および日本語字幕を講義動画と同時に表示することにより、聴覚障害のある受講者も講義内容を十分に理解することができる。なお、字幕の言語を、日本語以外の言語から選択可能としても良い。講義表示ウィンドウ54aの下には、再生の一時停止や再開等を制御すると共に、現在の再生ポイントを表示する操作ウィンドウ54bが表示されている。さらにその下には、講座情報54cとして、講座で使用されている教本のタイトル、参照すべきページ数、講座の概要情報などが表示される。
【0028】
また、講義表示ウィンドウ54aの右横に、認証用ウィンドウ54fが表示されている。認証用ウィンドウ54fには、受講者端末301に内蔵されたカメラ33によって撮影された画像が、動画またはコマ送りの静止画として表示される。認証用ウィンドウ54fは、カメラ33によって撮影される範囲を示す。認証用ウィンドウ54fには、認識枠54gが表示されている。認識枠54gは、カメラ33で撮影されて認証用ウィンドウ54fに表示されている画像のうち、オンライン学習システム100に登録されている顔画像とのマッチング対象とされる領域を表している。したがって、受講者は、認識枠54g内に自分の顔が入るようにして、講義動画を視聴する必要がある。
【0029】
認証処理部14は、認識枠54g内の画像を一定の時間間隔でサンプリング(キャプチャ)し、認証用画像とマッチングを行う。マッチングに用いる認証用画像については後で詳しく説明する。マッチングの結果が一致していれば、認証処理部14は、受講者本人が聴講しているものと判断し、そのマッチングを行った時刻の情報を、受講進捗管理部12へ送る。受講進捗管理部12は、認証処理部14から受け取った時刻情報に基づき、動画の再生開始から受講者本人が聴講したことが確認できたポイントまでを、受講済みとする。例えば、認証処理部14が、10秒おきにマッチングを行う場合、認証処理部14は、10秒おきに、聴講中の動画における受講済みのポイントを更新することとなる。
【0030】
例えば、図9に示すように、受講者本人の顔部分が認識枠54gに入っていれば、認証処理部14によるマッチングの結果、受講者本人が聴講しているものと判断される蓋然性が高い。一方、受講者の顔部分が認識枠54gに入っていたとしても、受講者が本人でなければ、キャプチャされた顔画像が認証用画像とは異なるとして、本人認証が失敗する蓋然性が高い。また、図10に示すように、受講者が本人であったとしても、例えば居眠りをして俯いた結果、認識枠54g内に顔が入っていない場合は、本人認証は失敗する。また、受講者が離席している場合も、認識枠54g内に顔が入っていないので、本人認証は失敗する。認証処理部14は、1項目の講義の聴講中に本人認証の失敗が所定の回数以上発生した場合、または、本人認証の失敗が所定の回数以上連続して発生した場合に、受講が正しくなされていないものと判断する。その場合、受講進捗管理部12は、途中まであるいは最後まで聴講が進捗していたとしても、聴講されていた項目を「未受講」とし、当該項目については講義の最初から受講し直さなければならない。もしくは、最後の認証が成功した時点から再聴講する必要があるものとする。なお、1項目の講義の聴講中に本人認証の失敗が所定の回数以上発生した時点、または、本人認証の失敗が所定の回数以上連続して発生した時点で、配信制御部15が、講義動画の配信を中止するようにしても良い。
【0031】
受講者が講義に集中して聴講している場合は、認識枠54gに顔が入るように姿勢を維持することは比較的容易である。また、認識枠54gは、講義表示ウィンドウ54aのすぐ横に表示されているので、受講者にとっては、講義表示ウィンドウ54aを見つつ、認識枠54g内に顔が入っているか否かを確認することは、困難ではない。したがって、オンライン学習システム100によれば、配信動画を聴講している受講者が、本人か否かを容易にかつ確実に判断することができる。これにより、学科教習をオンライン講義で受講させたとしても、教習所の教室で受講している場合と同等の学習環境を提供でき、学習成果を保証することができる。また、講義動画の再生中に、受講者端末301に設けられたカメラ33で撮影した画像に基づき、バックグラウンドで顔認証を行うことにより、例えば受講者が受講中に自発的かつ意図的に何らかの操作(例えば、ポップアップで表示される在席確認ボタンの押下や質問への回答、または生体認証操作等)を行う必要がある従来のシステムと比較して、顔認証が講義動画の視聴の妨げにならず、講義に対する受講者の集中力が削がれることがない。
【0032】
このように学科教習をオンラインで受講できることにより、受講する時間や場所に制限が無く、受講者が自分の都合に合わせて学科教習を受けることが可能となり、受講者にとって非常に利便性が高い。例えば、24時間いつでも学科教習を受けることができるので、日中は職場や学校に行っている受講者や、海外出張中に時差のある地域から受講したい者にとって便利である。また、教習所にとっても、学科教習用の大きな会場を確保しなくても済む等のメリットがある。
【0033】
なお、上記の例では、一定の時間間隔(例えば10秒おき)で本人認証を行うものとしたが、本人認証を行うタイミングをランダムに設定しても良い。この場合、受講者が、本人認証が行われるタイミングを予測できないので、成りすまし等の不正をより確実に防止することが可能となる。
【0034】
また、顔写真を受講者端末301のカメラの前に置いて離席する不正受講を阻止するために、オンライン学習システム100においては、受講中の本人認証の都度、複数種類の認証用画像をランダムに切り替えて使用する点に特徴がある。認証用画像として用いられる顔画像は、(A)ログインIDとパスワードを発行する際に撮影されたログイン用マスター画像、(B)ログイン時に撮影された顔画像、(C)受講中に撮影された顔画像、のうち少なくとも二種類を含む。
【0035】
ここで、一例として、上記(A)~(C)の三種類の認証用画像を用いた本人認証の手順を図11に示す。図11の例では、講義が開始されてから1回目の本人認証時は、受講者端末301で画像C1を撮影し、認証処理部14が、この撮影画像C1をログイン用マスター画像Aと比較する。なお、撮影画像C1は、後に本人認証用画像として用いるために受講者管理部13に記憶されている。2回目は、画像C2を撮影し、認証処理部14が、これとログイン時撮影画像Bとを比較することで本人認証を行う。3回目は、画像C3を撮影し、認証処理部14が、受講者管理部13に記憶されている撮影画像C1を認証用画像として対比を行うことで、本人認証を行う。以下、認証用画像を、(A)~(C)の三種類からランダムに選択して用いる。
【0036】
このように、認証用画像として、受講当日のログイン時に撮影された画像(B)や、受講中に撮影された画像(C)を用いることにより、顔画像の印刷物を受講者端末301のカメラの前において離席するという不正受講を、効果的に阻止できる。
【0037】
なお、上記の例では、(A)~(C)の三種類の画像を認証用画像として用いる例を示したが、(A)~(C)のうち少なくとも二種類を用いれば、顔画像の印刷物を用いた不正受講を阻止する効果は得られる。
【0038】
また、特に上記の(B)および(C)の画像を認証用画像として用いる場合、画像中の人物の背景部分も比較対象とすることで、印刷物を用いた不正受講を阻止する効果が向上する。例えば、図5図7に示した背景に含まれる時計等の物体の存在の有無が変化した場合や、背景の色調や明暗の変化が所定の範囲を超えて生じた場合、受講者本人に変えて顔画像の印刷物がカメラの前に置かれたことを推認できる。また、背景の変化が大きい場合は、例えば、歩きながらのスマートフォンでの受講、または、電車移動中の受講などの、集中した学習に適さない環境での受講であると推認できる。このような場合は修了を認めないことにより、オンライン学習の効果を担保することができる。
【0039】
さらに、受講中に撮影された画像(C)を時系列で観察し、顔画像における顔の特徴点を繋いで形成される多角形の形状の変化率を算出することにより、撮影対象物が三次元物体(受講者本人の顔)であるか、あるいは顔写真の印刷物(二次元画像)であるかを判定することができる。これにより、顔画像の印刷物を用いた不正受講を検知することができる。
【0040】
また、受講者本人が受講していたとしても、講義に集中せずに他のこと(例えばゲームや化粧など)をしながら受講しているケースもある。このような不適切な受講態度を検出できる仕組みを備えることも望ましい。このようなケースにおいては、(1)受講者の視線がディスプレイの方を向いていない、(2)カメラから顔までの距離が離れている、または、(3)顔の向きがディスプレイの方を向いていない、といった共通の特徴が見受けられる。
【0041】
したがって、例えば上記(1)のケースであれば、認証処理部14が、視線検出技術を用いて、受講中に撮影された画像から受講者が見ている方向(視線)を検出する。視線検出技術としては、様々な方法が知られているが、例えば、目の動かない部分(例えば目頭や角膜反射など)を基準点とし、動く部分(例えば虹彩や瞳孔など)を動点として、基準点に対する動点の動きに基づいて受講者の視線を検出することができる。なお、視線検出方法はこれに限定されない。そして、例えば、ログイン時に検出された視線や、講義開始のためにディスプレイ上のボタン等をクリックする際の視線等に対して、講義中に検出された視線が所定の角度を超えて大きく離れた場合に、受講者の視線がディスプレイの方を向いていないと判断することができる。そして、受講者の視線がディスプレイの方を向いていないことが所定の回数を超えて連続して検出された場合、または、所定の時間を超えて検出された場合に、不適切受講であるものとして、認証処理部14から受講進捗管理部12へその情報を送る。受講進捗管理部12は、途中まであるいは最後まで聴講が進捗していたとしても、聴講されていた項目を「未受講」とし、当該項目については講義の最初から受講し直さなければならない。もしくは、最後の認証が成功した時点から再聴講する必要があるものとする。なお、1項目の講義の聴講中に不適切受講が所定の回数以上検出された時点、または、不適切受講が所定の回数以上連続して検出された時点で、配信制御部15が、講義動画の配信を中止するようにしても良い。
【0042】
また、上記(2)のケースであれば、認証処理部14が、受講中に撮影された画像から受講者の顔部分を検出し、画像全体に対して顔部分が占める面積の割合を算出すれば良い。そして、例えば、算出された面積割合が所定値を下回った場合に、受講者が講義に集中せずに他のことをしている不適切受講であると判断することができる。
【0043】
さらに、上記(3)のケースであれば、認証処理部14が、受講中に撮影された画像から、受講者の顔から複数の特徴点の位置座標を検出し、それらの特徴点の位置座標の変化に応じて、顔の向きを検出することができる。なお、顔の向きの判定方法はこの方法に限定されない。そして、例えば、ログイン時に検出された顔の向きや、講義開始のためにディスプレイ上のボタン等をクリックする際の顔の向き等に対して、講義中に検出された顔の向きが所定の角度を超えて大きく離れた場合に、受講者の顔がディスプレイの方を向いていないと判断することができる。そして、受講者の顔がディスプレイの方を向いていないことが所定の回数を超えて連続して検出された場合、または、所定の時間を超えて検出された場合に、不適切受講であるものとして、認証処理部14から受講進捗管理部12へその情報を送る。
【0044】
なお、上記(1)~(3)の不適切受講の検出は、いずれか1つのみを実施しても良いし、2つまたは3つを組み合わせて(あるいはランダムに)実施しても良い。
【0045】
また、受講者が大きく姿勢を変えたこと等により、受講者の顔が認識枠54gから一時的に外れてしまって顔が認識できない状態となった後、再度、認識枠54g内に顔が入った場合、ログイン時と同様に、顔を左右や上下に動かすよう受講者に指示して、認識枠54g内に入った顔が二次元画像でないことを確認することが望ましい。これにより、受講者が、二次元画像を置いて離席する不正受講を効果的に阻止することができる。
【0046】
[変形例]
上記の実施形態に例示した具体例は、あくまでも一例であって、本発明の実施形態をこれに限定する趣旨ではない。
【0047】
例えば、上記の実施形態においては、受講者端末301がカメラ33として内蔵カメラ(インカメラ)を有する構成を例示したが、受講中の受講者を撮影するためのカメラは内蔵カメラに限定されず、受講者端末301に接続して使用される外部カメラであっても良い。
【0048】
上記の実施形態においては、撮影された顔画像を記憶して認証に用いるものとしたが、顔画像そのものを用いるのではなく、撮影された顔画像から特徴データを抽出して照合に用いるようにしても良い。
【0049】
上記の実施形態においては、自動車運転免許取得のための学科教習をオンライン学習のコンテンツとした例を説明した。しかし、オンライン学習のコンテンツはこれに限定されず、厳密な受講管理が必要とされる様々なオンライン講義に、本発明を適用することが可能である。また、オンライン学習のコンテンツは、動画に限らず、テキストや問題集(ドリル)のような静止画教材であっても良い。さらに、オンライン学習のコンテンツは、録画されたものであっても良いし、リアル配信であっても良い。
【0050】
上記の実施形態においては、本発明の一例であるオンライン学習システム100を、1つまたは複数のコンピュータおよびその周辺装置として、すなわちハードウェアとして実施する例を説明した。しかし、本発明は、オンライン学習システム100の機能を1つまたは複数のコンピュータ等に実行させるためのプログラムまたはそのプログラムを記憶した記録媒体としても、実施することができる。
【0051】
なお、本発明は以下のように説明することもできる。
【0052】
[第1の構成]
第1の構成にかかるオンライン学習システムは、
受講者端末からアクセス可能なオンライン学習システムであって、
受講者端末からの配信要求を受け付けてオンライン教材を配信する配信制御部と、
受講者端末により撮影された顔画像に基づいて、前記オンライン教材の配信中に受講者の顔認証を行う認証処理部と、
前記認証処理部において、前記オンライン教材の配信中に受講者の顔認証の失敗が所定の条件を超えて続いた場合、前記受講者による当該オンライン教材の受講は未修了であるものとする受講進捗管理部とを備え、
前記認証処理部は、前記受講者端末により撮影された画像において認識枠で規定された範囲内の画像と認証用画像との対比に基づいて受講者の顔認証を行い、
前記認証用画像は、前記オンライン学習システムへのログイン認証用に登録されたマスター画像と、前記オンライン学習システムへのログイン時に前記受講者端末で撮影された画像と、前記オンライン教材の配信中に前記受講者端末で先に撮影された画像とのうち少なくとも二種類を含む画像である。
【0053】
第1の構成によれば、受講者端末におけるオンライン教材の配信中にバックグラウンドで顔認証が行われ、受講者の顔認証の失敗が所定の条件を超えて続いた場合、前記受講者による当該オンライン教材の受講は未修了であるものとされる。これにより、オンライン学習であっても、対面で行われる実地研修と同等あるいはそれ以上のレベルで、不正や成りすまし受講の防止および受講状況の管理が可能である。また、顔認証を行うための認証用画像が、オンライン学習システムへのログイン認証用に登録されたマスター画像と、前記オンライン学習システムへのログイン時に前記受講者端末で撮影された画像と、オンライン教材の配信中に前記受講者端末で先に撮影された画像とのうち少なくとも二種類を含むことにより、認証用画像が一種類である場合に比べて、予め撮影した顔画像の印刷物を用いた不正受講が困難となる。これにより、不正受講を効果的に阻止することができる。
【0054】
[第2の構成]
第2の構成にかかるオンライン学習システムは、第1の構成において、
前記認証用画像は、前記オンライン学習システムへのログイン認証用に登録されたマスター画像と、前記オンライン学習システムへのログイン時に前記受講者端末で撮影された画像と、前記講義動画の再生中に前記受講者端末で先に撮影された画像とのうち少なくとも二種類を含む画像からランダムに選択される。
【0055】
第2の構成によれば、認証のたびに認証用画像をランダムに選択することによって、顔認証に用いられる認証用画像を予想した不正行為を効果的に阻止できる。
【0056】
[第3の構成]
第3の構成にかかるオンライン学習システムは、第1または第2の構成において、
前記認証処理部が、前記受講者端末により撮影された画像において認識枠で規定された範囲内の画像における人物の背景部分と、認証用画像における人物の背景部分との対比に基づいて、受講者の顔認証の成否を判断する。
【0057】
第3の構成によれば、人物の背景部分も認証に用いることにより、予め撮影した写真の印刷物を用いた不正受講を効果的に阻止できる。
【0058】
[第4の構成]
第1~第3の構成にかかるオンライン学習システムにおいて、前記認証処理部が、前記受講者端末で撮影された画像から受講者の視線の向きを検出することにより不適切受講を判断する構成としても良い。
【0059】
[第5の構成]
第1~第4の構成にかかるオンライン学習システムにおいて、前記認証処理部が、前記受講者端末で撮影された画像中の受講者の顔部分の割合を検出することにより不適切受講を判断する構成としても良い。
【0060】
[第6の構成]
第1~第5の構成にかかるオンライン学習システムにおいて、前記認証処理部が、前記受講者端末で撮影された画像中の受講者の顔の向きを検出することにより不適切受講を判断する構成としても良い。
【0061】
ここに開示する発明は、受講者端末からアクセス可能なコンピュータのプロセッサで実行されるプログラム、または、そのプログラムを記録した記録媒体としても実施可能である。
【符号の説明】
【0062】
100…オンライン学習システム、11…講義データ記憶部、12…受講進捗管理部、13…受講者管理部、14…認証処理部、15…配信制御部、16…通信部、301…受講者端末、201…教習所サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-04-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受講者端末からアクセス可能なオンライン学習システムであって、
受講者端末からの配信要求を受け付けてオンライン教材を配信する配信制御部と、
受講者端末により撮影された顔画像に基づいて、前記オンライン教材の配信中に受講者の顔認証を行う認証処理部と、
前記認証処理部において、前記オンライン教材の配信中に受講者の顔認証の失敗が所定の条件を超えて続いた場合、前記受講者による当該オンライン教材の受講は未修了であるものとする受講進捗管理部とを備え、
前記認証処理部は、前記受講者端末により撮影された画像において認識枠で規定された範囲内の画像と認証用画像との対比に基づいて受講者の顔認証を行い、
前記認証用画像は、前記オンライン学習システムへのログイン認証用に登録されたマスター画像と、前記オンライン学習システムへのログイン時に前記受講者端末で撮影された画像と、前記オンライン教材の配信中に前記受講者端末で先に撮影された画像とのうち少なくとも二種類を含み、
前記認証用画像は、前記オンライン学習システムへのログイン認証用に登録されたマスター画像と、前記オンライン学習システムへのログイン時に前記受講者端末で撮影された画像と、前記講義動画の再生中に前記受講者端末で先に撮影された画像とのうち少なくとも二種類を含む画像からランダムに選択される、オンライン学習システム。
【請求項2】
受講者端末からアクセス可能なオンライン学習システムであって、
受講者端末からの配信要求を受け付けてオンライン教材を配信する配信制御部と、
受講者端末により撮影された顔画像に基づいて、前記オンライン教材の配信中に受講者の顔認証を行う認証処理部と、
前記認証処理部において、前記オンライン教材の配信中に受講者の顔認証の失敗が所定の条件を超えて続いた場合、前記受講者による当該オンライン教材の受講は未修了であるものとする受講進捗管理部とを備え、
前記認証処理部は、前記受講者端末により撮影された画像において認識枠で規定された範囲内の画像と認証用画像との対比に基づいて受講者の顔認証を行い、
前記認証用画像は、前記オンライン学習システムへのログイン認証用に登録されたマスター画像と、前記オンライン学習システムへのログイン時に前記受講者端末で撮影された画像と、前記オンライン教材の配信中に前記受講者端末で先に撮影された画像とのうち少なくとも二種類を含み、
前記認証処理部が、前記受講者端末により撮影された画像において認識枠で規定された範囲内の画像における人物の背景部分と、認証用画像における人物の背景部分との対比に基づいて、受講者の顔認証の成否を判断する、オンライン学習システム。
【請求項3】
前記認証処理部が、前記受講者端末で撮影された画像から受講者の視線の向きを検出することにより不適切受講を判断する、請求項1または2に記載のオンライン学習システム。
【請求項4】
前記認証処理部が、前記受講者端末で撮影された画像中の受講者の顔部分の割合を検出することにより不適切受講を判断する、請求項1~のいずれか一項に記載のオンライン学習システム。
【請求項5】
前記認証処理部が、前記受講者端末で撮影された画像中の受講者の顔の向きを検出することにより不適切受講を判断する、請求項1~のいずれか一項に記載のオンライン学習システム。
【請求項6】
受講者端末からアクセス可能なオンライン学習システムのコンピュータのプロセッサで実行されるプログラムであって、
前記コンピュータのプロセッサに、
受講者端末からの配信要求を受け付けてオンライン教材を配信する配信処理と、
受講者端末により撮影された顔画像に基づいて、前記オンライン教材の配信中に受講者の顔認証を行う認証処理と、
前記認証処理において、前記オンライン教材の配信中に受講者の顔認証の失敗が所定の条件を超えて続いた場合、前記受講者による当該オンライン教材の受講は未修了であるものとする受講進捗管理処理とを行わせ、
前記認証処理は、前記受講者端末により撮影された画像において認識枠で規定された範囲内の画像と認証用画像との対比に基づいて受講者の顔認証を行い、
前記認証用画像は、前記オンライン学習システムへのログイン認証用に登録されたマスター画像と、前記オンライン学習システムへのログイン時に前記受講者端末で撮影された画像と、前記講義動画の再生中に前記受講者端末で先に撮影された画像とのうち少なくとも二種類を含む画像であり、
前記認証用画像は、前記オンライン学習システムへのログイン認証用に登録されたマスター画像と、前記オンライン学習システムへのログイン時に前記受講者端末で撮影された画像と、前記講義動画の再生中に前記受講者端末で先に撮影された画像とのうち少なくとも二種類を含む画像からランダムに選択される、プログラム。
【請求項7】
受講者端末からアクセス可能なオンライン学習システムのコンピュータのプロセッサで実行されるプログラムであって、
前記コンピュータのプロセッサに、
受講者端末からの配信要求を受け付けてオンライン教材を配信する配信処理と、
受講者端末により撮影された顔画像に基づいて、前記オンライン教材の配信中に受講者の顔認証を行う認証処理と、
前記認証処理において、前記オンライン教材の配信中に受講者の顔認証の失敗が所定の条件を超えて続いた場合、前記受講者による当該オンライン教材の受講は未修了であるものとする受講進捗管理処理とを行わせ、
前記認証処理は、前記受講者端末により撮影された画像において認識枠で規定された範囲内の画像と認証用画像との対比に基づいて受講者の顔認証を行い、
前記認証用画像は、前記オンライン学習システムへのログイン認証用に登録されたマスター画像と、前記オンライン学習システムへのログイン時に前記受講者端末で撮影された画像と、前記講義動画の再生中に前記受講者端末で先に撮影された画像とのうち少なくとも二種類を含む画像であり、
前記認証処理は、前記受講者端末により撮影された画像において認識枠で規定された範囲内の画像における人物の背景部分と、認証用画像における人物の背景部分との対比に基づいて、受講者の顔認証の成否を判断する、プログラム。
【請求項8】
請求項6または7に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。