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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096232
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】形態玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/36 20060101AFI20230630BHJP
   A63H 3/00 20060101ALI20230630BHJP
   A63H 33/08 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
A63H3/36 B
A63H3/00 Z
A63H33/08 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211828
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】入澤 英明
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA13
2C150BB01
2C150CA01
2C150CA21
2C150CA22
(57)【要約】
【課題】取付け面の嵌合突起に簡単に取り付けることができる形態玩具を提供すること。
【手段】取付け面60に立設した嵌合突起63に嵌合することで取り付けられる形態玩具100であって、取付け状態で取付け面60に互いに独立して接する接地面を先端部に有する隣接された複数の脚部40,40を有し、複数の脚部40,40の各々の接地面には、嵌合突起63の一部を受容する凹部46aが形成され、複数の凹部46aが互いに合わさって嵌合突起63に嵌合する1つの嵌合部46を構成している。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付け面に立設した嵌合突起に嵌合することで前記取付け面に取り付けられる形態玩具であって、
取付け状態で前記取付け面に互いに独立して接する接地面を先端部に有する隣接された複数の脚部を有し、
前記複数の脚部の各々の前記接地面には、前記嵌合突起の一部を受容する凹部が形成され、複数の前記凹部が互いに合わさって前記嵌合突起に嵌合する1つの嵌合部を構成している、
ことを特徴とする形態玩具。
【請求項2】
前記形態玩具は人形であって、前記複数の脚部は前記人形の左右の脚である、ことを特徴とする請求項1に記載の形態玩具。
【請求項3】
前記脚の付け根は、前記人形の胴体に枢着され、前記脚は前記胴体に対して屈伸可能となっている、ことを特徴とする請求項2に記載の形態玩具。
【請求項4】
前記胴体の下端部の左右には、対応する前記左右の脚の付け根が配置される切欠き部が形成され、前記切欠き部によって、前記脚は、前記胴体に対して前方と下方との間で回動可能となっている、ことを特徴とする請求項3に記載の形態玩具。
【請求項5】
前記左右の脚の間には隙間が形成され、前記左右の脚には、前記嵌合部よりも上の部分を互いに繋ぐブリッジが設けられている、ことを特徴とする請求項2~請求項4のいずれか一項に記載の形態玩具。
【請求項6】
前記左右の脚の間には、先端から前記嵌合部よりも上の部分に亘る隙間が形成され、前記隙間には、前記取付け面に立設した所定厚さの取付け板が挿入可能となっており、前記左右の脚によって、前記左右の脚の間に挿入した前記取付け板を挟持することで前記取付け面に取付け可能となっている、ことを特徴とする請求項2~請求項5のいずれか一項に記載の形態玩具。
【請求項7】
前記左右の脚は開閉する方向に弾性を有しており、前記凹部の壁面が弾性力により前記嵌合突起に当接可能となっている、ことを特徴とする請求項2~請求項6のいずれか一項に記載の形態玩具。
【請求項8】
前記嵌合突起は円柱状である、ことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の形態玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付け面に立設した嵌合突起に篏合させることで取り付けられる形態玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人形の左右の靴に嵌合穴を形成しておき、この嵌合穴を、取付け面に立設した嵌合突起と嵌合させることにより、取付け面に人形を取り付けるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2001-500758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1の人形の場合、取付け面への人形の取付けにあたり、取付け面に接地する部分(靴)毎に嵌合穴を形成しておき、この嵌合穴を1つずつ取付け面の嵌合突起と嵌合させることとしている。
そのため、人形の取付け面への取付けが面倒であり、取り付ける人形の数が多くなると多くの時間を要するという問題があった。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたもので、取付け面の嵌合突起に簡単に取り付けることができる形態玩具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の手段は、
取付け面に立設した嵌合突起に嵌合することで前記取付け面に取り付けられる形態玩具であって、
取付け状態で前記取付け面に互いに独立して接する接地面を先端部に有する隣接された複数の脚部を有し、
前記複数の脚部の各々の前記接地面には、前記嵌合突起の一部を受容する凹部が形成され、複数の前記凹部が互いに合わさって前記嵌合突起に嵌合する1つの嵌合部を構成している、
ことを特徴とする形態玩具である。
【0007】
第2の手段は、第1の手段であって、前記形態玩具は人形であって、前記複数の脚部は前記人形の左右の脚である、ことを特徴とする。
【0008】
第3の手段は、第2の手段であって、前記脚の付け根は、前記人形の胴体に枢着され、前記脚は前記胴体に対して屈伸可能となっている、ことを特徴とする。
【0009】
第4の手段は、第3の手段であって、前記胴体の下端部の左右には、対応する前記左右の脚の付け根が配置される切欠き部が形成され、前記切欠き部によって、前記脚は、前記胴体に対して前方と下方との間で回動可能となっている、ことを特徴とする。
【0010】
第5の手段は、第2~第4の手段のいずれかであって、前記左右の脚の間には隙間が形成され、前記左右の脚には、前記嵌合部よりも上の部分を互いに繋ぐブリッジが設けられている、ことを特徴とする。
【0011】
第6の手段は、第2~第5の手段のいずれかであって、前記左右の脚の間には、先端から前記嵌合部よりも上の部分に亘る隙間が形成され、前記隙間には、前記取付け面に立設した所定厚さの取付け板が挿入可能となっており、前記左右の脚によって、前記左右の脚の間に挿入した前記取付け板を挟持することで前記取付け面に取付け可能となっている、ことを特徴とする。
【0012】
第7の手段は、第2~第6の手段のいずれかであって、前記左右の脚は開閉する方向に弾性を有しており、前記凹部の壁面が弾性力により前記嵌合突起に当接可能となっている、ことを特徴とする。
【0013】
第8の手段は、第1~第7の手段であって、前記嵌合突起は円柱状である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
第1の手段によれば、各脚部の接地面には凹部が形成され、各脚部に形成された凹部が互いに合わさって1つの嵌合部が形成されるので、1つの嵌合部を1つの嵌合突起に嵌合させることで、複数の脚部を同時に取付け面に嵌着させることができる。
そのため、形態玩具の取付け面への取付けが容易となる。
また、小さい人形等形象物を作る場合、外観を損ねるような作りとなるか(1つの突起に嵌めるために脚の下に土台が形成されたり、脚部の間に1本線を入れたりすることで両脚を表現したりなど)、または嵌合突起側を小さくしたりするなどの工夫が必要であった。
しかし、第1の手段によれば、外観を損ねたり、嵌合突起側を小さくしたりすることなく、取付け面に形態玩具を取り付けることができる。
【0015】
第2の手段によれば、形態玩具は人形であり、複数の脚部は前記人形の左右の脚であるので、1つの嵌合部を1つの嵌合突起に嵌合させることで、左右の脚をまとめて取付け面に嵌着させることができる。
【0016】
第3の手段によれば、脚の付け根は、人形の胴体に枢着され、脚に対して屈伸可能となっているので、嵌合部を嵌合突起に嵌合させることで、取り付けた人形に直立状態、お辞儀状態又は長座状態とを取らせることができ、興趣性の高い玩具が実現できる。
【0017】
第4の手段によれば、胴体の下端部の左右には、対応する左右の脚の付け根が配置されるので、枢着部が側方からは視認できず、見栄えの良い形態玩具が実現できる。
【0018】
第5の手段によれば、隙間がある左右の脚の長さ方向の中間部には、左右の脚を互いに繋ぐブリッジが設けられているので、人形を支持する左右の脚の強度が増すとともに、嵌合部の形を保持することが容易となる。
【0019】
第6の手段によれば、さらに、左右の脚によって、取付け面に立設した取付け板を左右の脚の間で挟持することで取付け面に取付け可能となっているので、遊びの幅を拡大することができる。
【0020】
第7の手段によれば、凹部の壁面が嵌合突起に弾性力により当接可能となっているので、形態玩具をガタなく取付け面に取り付けることができる。
【0021】
第8の手段によれば、嵌合突起は円柱状であるので、1つの嵌合突起に1つの嵌合部を篏合させて形象玩具を取付け面に取り付ける場合、形態玩具の向きを簡単に変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態に係る人形(形態玩具)の正面図である。
図2】人形の側面図である。
図3】人形の分解斜視図である。
図4】胴体を断面とした人形の側面図である。
図5】腰部を断面とした人形の正面図である。
図6】下肢を屈曲させた状態とした人形の正面図である。
図7】取付け面に一例を示した斜視図である。
図8】嵌合突起と嵌合部とが嵌合した状態の人形の正面図である。
図9】ベンチに座った人形を後面側から見た斜視図である。
図10】ベンチに座った人形の正面図である。
図11】他の実施形態に係る人形の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
(人形100)
図1は人形100の正面図、図2は人形100の側面図、図3は人形100の分解斜視図である。
人形100は、合成樹脂、例えばプラスチックで形成され、胴体10と、頭20と、左右の上肢(腕部及び手部)30,30と、左右の下肢(脚)40,40とを備えている。そして、左右の下肢40,40は胴体10に対して着脱可能に構成されている(図3参照)。
【0025】
頭20は胴体10と一体に形成されている。また、左右の上肢30,30も胴体10と一体に形成されている。ただし、頭20が胴体10に対して別体とされ、身体の軸を中心に回動可能に胴体10に取り付けられていてもよい。また、左右の上肢30,30も胴体10に対して別体とされ、その付け根で前後方向に回動可能に胴体10に取り付けられていてもよい。
【0026】
胴体10は、正面視で、縦長の略長方形となっているが、腰の部分が胸の部分に対して多少外側に膨らんだ形状となっている。また、胴体10は、側面視で、背側の面が平らで鉛直面となっており、腹側の面の腹の部分が弓状に前方に向けて膨らんだ形状となっている。また、胴体10の上面及び下面は略水平面となっている。
【0027】
胴体10の下端部つまり腰の部分には左右に切欠き部11、11が形成されている。各切欠き部11は、正面視で縦長の略長方形となっており、図4に示すように、腰の部分の後壁面に至るまで奥深く形成され、胴体10の前方及び下方の双方に亘って開口している。各切欠き部11を画成する上壁面は水平面となっており、左右壁面及び後壁面は鉛直面となっている。各切欠き部11は、対応する下肢40の大腿41の差込み口を構成している。
【0028】
また、胴体10の左右の切欠き部11、11の間の部分(股の部分)は支持部12を構成している。そして、左右の下肢40,40の胴体10への取付けの際、支持部12は、後述の左右の大腿41,41の間に挿入され、この支持部12には左右の大腿41,41が枢着されている。すなわち、支持部12の左右の各面には、図4に示すように、軸受け用の溝13が形成されている。各溝13は前端が半円弧状で後方に延び、後端が矩形孔14(図9参照)にまで達している。各矩形孔14は溝13を成形するための孔である。
【0029】
図3に示すように、各下肢(脚)40は大腿41、下腿42及び足43から構成され、正面視で、大腿41、下腿42及び足43の内側面はそれぞれ鉛直面となっており、そのうち、大腿41及び下腿42の内側面は一の面上にあり、足43の上面が下腿42の下端よりも内側に僅かに張り出している。一方、正面視で、大腿41、下腿42及び足43の外側面はそれぞれ鉛直面となっており、下腿42の上面は大腿41の下端よりも外側に張り出し、さらに、足43の上面は下腿42の下端よりも外側に張り出している。つまり、足43の外面は、正面視で、大腿41、下腿42及び足43が階段状に形成されている。
【0030】
また、側面視で、大腿41、下腿42及び足43の前面及び後面はそれぞれ略鉛直面となっており、そのうち、大腿41及び下腿42の前面及び後面は一の面上にあり、足43の上面が下腿42の下端よりも前後に張り出している。
【0031】
この左右の下肢40,40は、所定の隙間を持って対峙しており、左右の下腿42,42の上端部同士が互いにブリッジ44で繋がれた形となっている。このように左右の下腿42,42が互いにブリッジ44で繋がれることにより、左右の下肢40,40が補強される。また、各大腿41の上端は円弧状に形成され、各大腿41の内側面の上端部には短円柱状の軸45が形成されている。
なお、左右の下肢40,40のブリッジ44の下側部分は開閉方向に弾性を有している。そして、ブリッジ44の下側部分が開閉方向に動作したとき、それに連れてブリッジ44の上側部分も反対方向に弾性変形する。この場合、嵌合部46より上で、ブリッジ44の下側で左右の下肢40,40が分離されているので、弾性変形し易い。
【0032】
この左右の下肢40,40の胴体10への取付けは、各切欠き部11に、対応する下肢40の大腿41を差し入れ、各溝13に、対応する軸45を係合させることによってなされる(図4及び図5参照)。この取り付けた各下肢40は、対応する軸45を中心に回動することで胴体10に対して屈伸可能となっている。そして、左右の下肢40,40の屈伸によって、人形100は、図1に示す直立状態と、図6に示す長座状態とを取り得る。また、人形100は、胴部10と左右の下肢40,40との渋みにより、中間のお辞儀状態を取ることもできる。
この左右の下肢40,40の回動の際、各大腿41の上端の円弧状部分は、対応する切欠き部11の上壁面及び後壁面に摺接する。また、各大腿41は、胴体10に対して下肢40を伸長させたときには、各大腿41の後面が、各切欠き部11の後壁面に当接し、胴体10に対して下肢40を直角に屈曲させたときには、各大腿41の前面が、各切欠き部11の上壁面に当接する。
なお、上記のように、胴体10は、側面視で、腹側の面の腹の部分が弓状に前方に向けて膨らんだ形状となっているので、各下肢40が対応する軸45を中心に回動しても、ブリッジ44が胴体10に当たり邪魔されることはない。
【0033】
また、図6に示すように、各足43の裏には凹部46aが形成されている。各凹部46aは下側及び内側に向けて開口している。左右の足43,43の凹部46a,46aは2つ合わさって、後述の1つの嵌合突起63に嵌合する1つの嵌合部46を構成している。この嵌合部46が後述の嵌合突起63と嵌合することで、人形100は後述の取付け面60に取り付けられる。
なお、左右の凹部46a,46aの左右方向の壁面までの最大幅は嵌合突起63の径よりも僅かに小さく形成されている。そして、嵌合部46に嵌合突起63が嵌合する際に、左右の下肢40が開脚方向に弾性変形することで、嵌合部46と嵌合突起63とが嵌合する。つまり、嵌合部46の壁面が嵌合突起63に強く当接する。このようにしたのは、嵌合部46と嵌合突起63とを嵌合させたときのガタをなくすためである。
【0034】
(取付け面60)
図7は、取付け面60の一例を示している。この取付け面60には、バス停が設けられている。このバス停には時刻表付き標識61が立てられているとともに、歩道奥にはベンチ62が設置されている。また、このバス停には歩道に沿って嵌合突起63が等間隔に複数設けられている。嵌合突起63は円柱状に形成されている。各嵌合突起63は人形100の嵌合部46に嵌合可能となっている。
【0035】
また、取付け面60に設置されたベンチ62は複数の人形100が座れるような長さ及び幅となっており、ベンチ62の前には、ベンチ62の長手方向に等間隔に複数の取付け板66が立設されている。この取付け板66は人形100の左右の下肢40,40で挟持可能となっている。
【0036】
(遊び方)
バス停の嵌合突起63に人形100の嵌合部46を篏合させる(図8参照)。その際、人形100の向きを変えて取り付けることで、人形100の向きを自由に変えることができる。また、取付け面60に一旦人形100を取り付けた後でも、嵌合突起63を中心に人形100をその場回転させることにより、人形100の向きを自由に変えることができる。
【0037】
また、人形100の下肢40を胴体10に対して屈曲させることで、人形100をベンチに62に座らせることができる。この場合、図9及び図10に示すように、人形100を安定的に取り付けるため、長座状態の左右の下肢40,40の間で取付け板66を挟み込むようにする。このとき、取付け板66の一辺がブリッジ44に当たることが好ましい。
【0038】
このようにして、取付け面60に人形100を取り付けた玩具は、例えば、自動車玩具の走行路の脇に設置することで、走行路脇の情景を構成するのに利用される。
【0039】
(効果)
以上のように構成された人形100によれば、次のような主たる効果を得ることができる。
【0040】
左右の下肢40,40が同時に、1つの嵌合部46を1つの嵌合突起63に嵌合させるだけで取付け面60に取り付けられるので、取付け作業が容易となる。
【0041】
また、嵌合部46及び嵌合突起63は横断面が円形であるので、色々な向きに人形100を取り付けることができる。また、取付け後も、その場回転させるだけで、人形100の向きを変えることができる。
【0042】
さらに、1つの嵌合部46を2つの凹部46a,46aから構成しているので、足43が小さい人形100にも嵌合部46を形成することができる。
【0043】
また、左右の下肢40,40はブリッジ44で繋がれ開閉する方向に弾性を有し、弾性力で篏合突起63が保持されるため、ガタなく嵌合突起63を嵌合部46に嵌合させることができる。
【0044】
また、この場合、左右の下肢40,40は中間部がブリッジ44で繋がれているとともに、支持部12に枢着されているので、左右の下肢40,40のブリッジ44の下側部分が弾性変形して開脚する方向に動作したとき、ブリッジ44の上側部分が閉脚方向に動作することになり、軸51が溝13から外れることが防止される。
【0045】
(他の実施形態)
図11は、他の実施形態の人形玩具200の分解斜視図である。
この人形200では、前胴部10a及び前頭部20aのブロックと、後胴部10b及び後頭部20bのブロックと、左右の上肢30,30のブロックと、髪部20cのブロックと、左右の下肢40,40のブロックとによって構成されている。が別体とされている。また、左右の下肢40の大腿41,41同士が軸45で連結されている。この場合の軸45も左右の下肢40の大腿41,41同士を繋ぐブリッジである。
この人形200の左右の下肢40の足43には、上記人形100と同様の凹部46aが形成されている。
【0046】
この人形200は、前胴部10a及び前頭部20aのブロックと、後胴部10b及び後頭部20bのブロックとを嵌着させることで、左右の上肢30,30のブロックと、左右の下肢40,40のブロックとを挟み込み、さらに、髪部20cのブロックを、重ね合わせた前胴部10a及び前頭部20aのブロックと、後胴部10b及び後頭部20bのブロックと、に嵌着させることにより組み上がる。
【0047】
この人形200によれば、上記人形100の効果に加えて、髪部20cの交換により髪型を変更したり、左右の上肢30,30を動かしたりすることができる。
【0048】
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。
【0049】
例えば、上記実施形態では、嵌合部46及び嵌合突起63の横断面は、円形状としたが、一方が正多角形状で、他方が円形状であってもよい。また、横断面が楕円その他の形状であってもよい。要は、各脚部に形成される凹部の壁面が嵌合突起の一部に当接して嵌合できる形状の嵌合部となっていることである。
【0050】
また、上記実施形態では、嵌合突起63を、バス停を構成する取付け面60に設けたが、駅のプラットホーム、デパートのレジ、信号機等が形成された取付け面などに設けてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、取付け板66をベンチ62前に設けたが、取付け板66を駅の待合室の椅子の前、自動車のダッシュボードの下、テーブルの下のように人形100が座る場所に設けることができる。また、取付け板66を跨ぐようにして人形100を取り付ければ、人形100が起立する場所でも設けることができる。
【0052】
さらに、実施形態では、形態玩具の一例として人形100について説明したが、2つ以上の脚部が隣設された形態玩具一般に適用できる。例えば、テーブルや椅子等の玩具に適用ができるとともに、1つの支持部分を複数に脚部に分割させた玩具、木の根元部分を複数に分岐させた玩具にも適用できる。
【符号の説明】
【0053】
10 胴体
11 切欠き部
12 支持部
13 溝
14 矩形孔
20 頭
30 上肢
40 下肢
40 下肢
41 大腿
42 下腿
43 足
44 ブリッジ
45 軸
46 嵌合部
46a 凹部
62 ベンチ
63 嵌合突起
66 取付け板
100 人形
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
第1の手段は、
取付け面に立設した嵌合突起に嵌合することで前記取付け面に取り付けられる形態玩具であって、
互いが所定の隙間を持って対峙するように構成され、取付け状態で前記取付け面に接する接地面を先端部に有する隣接する複数の脚部を有し、
前記形態玩具は人形であって、前記複数の脚部は前記人形の左右の脚であり、
前記左右の脚の各々の前記接地面には、前記嵌合突起の一部を受容する凹部が形成され、前記左右の脚の前記凹部が互いに合わさって前記嵌合突起に嵌合する1つの嵌合部を構成しているとともに、
前記隙間には、前記取付け面に立設した所定厚さの取付け板が挿入可能となっており、前記左右の脚によって、前記左右の脚の間に挿入した前記取付け板を挟持することで前記取付け面に取付け可能となっている
ことを特徴とする形態玩具である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
第2の手段は、第1の手段であって、前記脚の付け根は、前記人形の胴体に枢着され、前記脚は前記胴体に対して屈伸可能となっている、ことを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
第3の手段は、第2の手段であって、前記胴体の下端部の左右には、対応する前記左右の脚の付け根が配置される切欠き部が形成され、前記切欠き部によって、前記脚は、前記胴体に対して前方と下方との間で回動可能となっている、ことを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
第4の手段は、第1~第3の手段のいずれかであって、前記左右の脚の間には隙間が形成され、前記左右の脚には、前記嵌合部よりも上の部分を互いに繋ぐブリッジが設けられている、ことを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
第5の手段は、第1~第4の手段のいずれかであって、前記左右の脚は開閉する方向に弾性を有しており、前記凹部の壁面が弾性力により前記嵌合突起に当接可能となっている、ことを特徴とする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
第6の手段は、第1~第5の手段のいずれかであって、前記嵌合突起は円柱状である、ことを特徴とする。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
また、第1の手段によれば、形態玩具は人形であり、複数の脚部は前記人形の左右の脚であるので、1つの嵌合部を1つの嵌合突起に嵌合させることで、左右の脚をまとめて取付け面に嵌着させることができる。さらに、左右の脚によって、取付け面に立設した取付け板を左右の脚の間で挟持することで取付け面に取付け可能となっているので、遊びの幅を拡大することができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
第2の手段によれば、脚の付け根は、人形の胴体に枢着され、脚に対して屈伸可能となっているので、嵌合部を嵌合突起に嵌合させることで、取り付けた人形に直立状態、お辞儀状態又は長座状態とを取らせることができ、興趣性の高い玩具が実現できる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
第3の手段によれば、胴体の下端部の左右には、対応する左右の脚の付け根が配置されるので、枢着部が側方からは視認できず、見栄えの良い形態玩具が実現できる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
第4の手段によれば、隙間がある左右の脚の長さ方向の中間部には、左右の脚を互いに繋ぐブリッジが設けられているので、人形を支持する左右の脚の強度が増すとともに、嵌合部の形を保持することが容易となる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
第5の手段によれば、凹部の壁面が嵌合突起に弾性力により当接可能となっているので、形態玩具をガタなく取付け面に取り付けることができる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
第6の手段によれば、嵌合突起は円柱状であるので、1つの嵌合突起に1つの嵌合部を篏合させて形象玩具を取付け面に取り付ける場合、形態玩具の向きを簡単に変えることができる。
【手続補正16】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付け面に立設した嵌合突起に嵌合することで前記取付け面に取り付けられる形態玩具であって、
互いが所定の隙間を持って対峙するように構成され、取付け状態で前記取付け面に接する接地面を先端部に有する隣接する複数の脚部を有し、
前記形態玩具は人形であって、前記複数の脚部は前記人形の左右の脚であり、
前記左右の脚の各々の前記接地面には、前記嵌合突起の一部を受容する凹部が形成され、前記左右の脚の前記凹部が互いに合わさって前記嵌合突起に嵌合する1つの嵌合部を構成しているとともに、
前記隙間には、前記取付け面に立設した所定厚さの取付け板が挿入可能となっており、前記左右の脚によって、前記左右の脚の間に挿入した前記取付け板を挟持することで前記取付け面に取付け可能となっている
ことを特徴とする形態玩具。
【請求項2】
前記脚の付け根は、前記人形の胴体に枢着され、前記脚は前記胴体に対して屈伸可能となっている、ことを特徴とする請求項1に記載の形態玩具。
【請求項3】
前記胴体の下端部の左右には、対応する前記左右の脚の付け根が配置される切欠き部が形成され、前記切欠き部によって、前記脚は、前記胴体に対して前方と下方との間で回動可能となっている、ことを特徴とする請求項2に記載の形態玩具。
【請求項4】
前記左右の脚の間には隙間が形成され、前記左右の脚には、前記嵌合部よりも上の部分を互いに繋ぐブリッジが設けられている、ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の形態玩具。
【請求項5】
前記左右の脚は開閉する方向に弾性を有しており、前記凹部の壁面が弾性力により前記嵌合突起に当接可能となっている、ことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の形態玩具。
【請求項6】
前記嵌合突起は円柱状である、ことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の形態玩具。