(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096246
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】換気システム
(51)【国際特許分類】
F24F 7/06 20060101AFI20230630BHJP
F24F 7/08 20060101ALI20230630BHJP
F24F 13/02 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
F24F7/06 L
F24F7/08 Z
F24F13/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211866
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】水馬 一暢
(72)【発明者】
【氏名】棟保 義憲
(72)【発明者】
【氏名】野中 康司
【テーマコード(参考)】
3L058
3L080
【Fターム(参考)】
3L058BG01
3L080AA03
3L080AC01
(57)【要約】
【課題】構成の簡素化及びコストの低減を図りながら、1台のファンにて給排気を行う形態で1種換気を行うこと。
【解決手段】ファン2の作動により外気を室内に吸引する外気吸引ダクト4と、ファン2の作動により空気を室内に吹き出す吹出ダクト5と、ファン2の作動により空気を室外に排出する排気ダクト6とが備えられ、ファン2は、その上流側に外気吸引ダクト4が接続され、且つ、その下流側に排気ダクト6が接続され、外気吸引ダクト4の外気に室内空気を混合させる混合部7が備えられ、吹出ダクト5は、排気ダクト6の途中部位から分岐され、1台のファン2にて給排気を行う形態で1種換気を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンの作動により外気を室内に吸引する外気吸引ダクトと、
前記ファンの作動により空気を室内に吹き出す吹出ダクトと、
前記ファンの作動により空気を室外に排出する排気ダクトとが備えられ、
前記ファンは、その上流側に前記外気吸引ダクトが接続され、且つ、その下流側に前記排気ダクトが接続され、
前記外気吸引ダクトの外気に室内空気を混合させる混合部が備えられ、
前記吹出ダクトは、前記排気ダクトの途中部位から分岐され、
1台の前記ファンにて給排気を行う形態で1種換気を行う換気システム。
【請求項2】
前記外気吸引ダクト、前記吹出ダクト、及び、前記排気ダクトの夫々には、空気の通流量を調整自在な通流量調整部が備えられている請求項1に記載の換気システム。
【請求項3】
前記混合部は、前記ファンの作動により室内の空気を吸引する室内空気吸引ダクトが備えられ、
前記室内空気吸引ダクトが、前記外気吸引ダクトの途中部位に合流されている請求項1又は2に記載の換気システム。
【請求項4】
前記室内空気吸引ダクトには、空気の通流量を調整自在な室内空気通流量調整部が備えられている請求項3に記載の換気システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の換気を行う換気システムに関する。
【背景技術】
【0002】
室内の換気を1種換気にて行うに当たり、室内に外気を供給するための給気ファンと、室内の室内空気を屋外に排気するための排気ファンとの2つのファンを備えると、コストアップを招くことから、従来、1台のファンにて給排気を行う換気システムが提案されている。
【0003】
1台のファンにて給排気を行う換気システムとして、室内の部屋に接続された給気ダクトと、室内の部屋に接続された排気ダクトと、排気ダクト及び給気ダクトに接続された給排気ファン装置とが備えられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この特許文献1に記載のシステムでは、給排気ファン装置が屋外に設置され、給気ダクトの上流側端部に給排気ファン装置が接続され且つ給気ダクトの下流側端部が室内の部屋に接続され、給排気ファン装置にて屋外から吸引した外気を給気ダクトを通して室内の部屋に供給している。一方、排気ダクトの上流側端部が室内の部屋に接続され且つ排気ダクトの下流側端部が給排気ファン装置に接続され、給排気ファン装置の作動により室内の部屋から吸引した室内空気を排気ダクトを通して屋外に排気している。
【0005】
また、別の換気システムとして、冷暖房空調システム、床冷暖房システム、地中熱交換システムを組み合わせて、エアコン装置のファンを利用して給排気を行うものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
この特許文献2に記載のシステムでは、地中熱交換システムとして建物の地下に埋設された熱交換パイプが備えられ、建物外部から取り入れた外気と建物内の室内空気とを混合させた混合気を熱交換パイプに供給することで、混合気を予冷暖房空気として、エアコン装置に供給している。また、床冷暖房システムとして床下蓄熱層が備えられ、エアコン装置からの空調空気を床下蓄熱層に吹き出すことで、床の冷暖房を行っている。そして、床の冷暖房を行った後の空調空気をエアコン装置にて吸引し、その空調空気を浴室に供給して、浴室から建物外部に排気している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公平02-055692号公報
【特許文献2】特許第4599626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載のシステムでは、給排気ファン装置に対して、屋外から吸引した外気を室内の部屋に供給する給気ダクトだけでなく、室内の室内空気を吸引して屋外に排気する排気ダクトも接続されている。そのために、給排気ファン装置は、吸引した空気を供給先に供給するという2つの空気流通経路に対して搬送力を作用させることが必要となる。よって、給排気ファン装置としては、2つの空気流通経路に搬送力を作用させるための構成を備えなければならず、構成の複雑化を招くとともに、コストアップにも繋がる。
【0009】
特許文献2に記載のシステムでも、エアコン装置のファンは、熱交換パイプを通過した予冷暖房空気を吸引して床下蓄熱層に空調空気を吹き出すだけでなく、室内の空気を吸引して浴室に供給することが求められることから、2つの空気流通経路に搬送力を作用させるための構成を備えなければならず、ファンの構成の複雑化を招くとともに、コストアップにも繋がる。また、特許文献2に記載のシステムでは、エアコン装置から浴室に空気を供給し、浴室から屋外にその空気を排気しているので、空気を排気するための排気口等の構成を浴室に備えなければならず、給気と排気とをファンにて行う1種換気とは異なる換気形式のものと考えられる。
【0010】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、構成の簡素化及びコストの低減を図りながら、1台のファンにて給排気を行う形態で1種換気を行うことができる換気システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1特徴構成は、ファンの作動により外気を室内に吸引する外気吸引ダクトと、
前記ファンの作動により空気を室内に吹き出す吹出ダクトと、
前記ファンの作動により空気を室外に排出する排気ダクトとが備えられ、
前記ファンは、その上流側に前記外気吸引ダクトが接続され、且つ、その下流側に前記排気ダクトが接続され、
前記外気吸引ダクトの外気に室内空気を混合させる混合部が備えられ、
前記吹出ダクトは、前記排気ダクトの途中部位から分岐され、
1台の前記ファンにて給排気を行う形態で1種換気を行う点にある。
【0012】
本構成によれば、ファンは、その上流側に外気吸引ダクトが接続され、且つ、その下流側に排気ダクトが接続されているので、ファンを作動させることで、外気吸引ダクトに吸い込み力を作用させ、排気ダクトに押し込み力を作用させることができる。外気吸引ダクトについては、外気吸引ダクトの外気に室内の空気を混合させる混合部が備えられているので、外気吸引ダクトに作用される吸い込み力によって、混合部にて混合された外気と室内空気との混合気がファンに供給される。排気ダクトについては、排気ダクトの途中部位から吹出ダクトが分岐されているので、排気ダクトに作用される押し込み力によって、排気ダクトを通して空気を室外に排出できるとともに、吹出ダクトを通して空気を室内に供給することができる。
【0013】
このようにして、ファンを作動させることで、外気吸引ダクトに吸い込み力を作用させ、排気ダクトに押し込み力を作用させて、1台のファンにて給排気を行う形態で1種換気を行うことができる。しかも、ファンは、外気吸引ダクトを通して吸引した空気を排気ダクトを通して室外に排気させるという1つの空気流通経路に対して搬送力を作用させるだけでよく、構成の簡素化及びコストの低減を図ることができる。
【0014】
本発明の第2特徴構成は、前記外気吸引ダクト、前記吹出ダクト、及び、前記排気ダクトの夫々には、空気の通流量を調整自在な通流量調整部が備えられている点にある。
【0015】
本構成によれば、通流量調整部によって、外気吸引ダクト、吹出ダクト、及び、排気ダクトの夫々における空気の通流量を調整することができるので、各ダクトにおける空気の通流量を好適な通流量に調整して、室内の給排気を安定して行うことができる。
【0016】
本発明の第3特徴構成は、前記混合部は、前記ファンの作動により室内の空気を吸引する室内空気吸引ダクトが備えられ、
前記室内空気吸引ダクトが、前記外気吸引ダクトの途中部位に合流されている点にある。
【0017】
本構成によれば、混合部として、外気吸引ダクトの途中部位に合流する室内空気吸引ダクトを備えるだけでよく、構成の簡素化及びコストの低減を図りながら、混合部にて混合された外気と室内空気との混合気をファンに適切に供給することができる。
【0018】
本発明の第4特徴構成は、前記室内空気吸引ダクトには、空気の通流量を調整自在な室内空気通流量調整部が備えられている点にある。
【0019】
本構成によれば、室内空気通流量調整部によって、外気吸引ダクトの外気に混合させる室内空気の供給量を調整することができるので、1種換気を行うに当たり、室内への給気量だけでなく、室内排気の排気量も適切な量に調整することができ、好適な1種換気を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る換気システムの実施形態について図面に基づいて説明する。
この換気システム1は、
図1に示すように、1台のファン2にて室内等の換気対象空間3への給排気を行う形態で1種換気を行うものである。換気システム1は、ファン2に加えて、外気吸引ダクト4と吹出ダクト5と排気ダクト6と混合部7とが備えられている。
【0022】
外気吸引ダクト4は、その上流側端部が換気対象空間3の外部に開放されており、ファン2の作動により外気を換気対象空間3に吸引する空気流通路となっている。排気ダクト6は、その下流側端部が換気対象空間3の外部に開放されており、ファン2の作動により空気を換気対象空間3の外部に排出する空気流通路となっている。吹出ダクト5は、その下流側端部が換気対象空間3の内部に開放されており、ファン2の作動により空気を換気対象空間3に吹き出す空気流通路となっている。吹出ダクト5は、排気ダクト6の途中部位から分岐されている。
【0023】
混合部7は、ファン2の作動により換気対象空間3内の空気を外気吸引ダクト4の空気に混合させるものであり、吸引する室内空気を流通させる室内空気吸引ダクト8が備えられている。室内空気吸引ダクト8は、その上流側端部が換気対象空間3の内部に開放されており、外気吸引ダクト4の途中部位に合流されている。
【0024】
ファン2は、その上流側に外気吸引ダクト4が接続され、且つ、その下流側に排気ダクト6が接続されている。ファン2を作動させることで、外気吸引ダクト4に吸い込み力を作用させ、排気ダクト6に押し込み力を作用させることができる。外気吸引ダクト4に作用される吸い込み力によって、外気吸引ダクト4に外気が吸引されるとともに、室内空気吸引ダクト8にて吸引された室内空気が外気吸引ダクト4の外気に混合され、その室内空気と外気との混合気がファン2に供給される。排気ダクト6に作用される押し込み力によって、ファン2からの空気の一部を排気ダクト6を通して換気対象空間3の外部に排出できるとともに、ファン2からの空気の残りの一部を吹出ダクト5を通して換気対象空間3に供給することができる。
【0025】
このようにして、1台のファン2を作動させて、外気吸引ダクト4に吸い込み力を作用させ、排気ダクト6に押し込み力を作用させることで、外気吸引ダクト4を通して吸引された外気を吹出ダクト5を通して換気対象空間3に供給し、室内空気吸引ダクト8を通して吸引された室内空気を排気ダクト6を通して換気対象空間3の外部に排気することができ、換気対象空間3への給排気を行う形態で1種換気を行うことができる。
【0026】
外気吸引ダクト4には、空気の流通方向の上流側から、フィルター41、吸引する外気の通流量を調整自在な吸引外気通流量調整部42(通流量調整部に相当する)が備えられ、吸引外気通流量調整部42よりも下流側部位が室内空気吸引ダクト8の合流箇所となっている。排気ダクト6には、換気対象空間3の外部に排気する空気の通流量を調整自在な排気通流量調整部61(通流量調整部に相当する)が備えられ、排気通流量調整部61よりも上流側部位が吹出ダクト5の分岐箇所となっている。
【0027】
吹出ダクト5の途中部位には、換気対象空間3に吹き出す空気の通流量を調整自在な吹出空気通流量調整部51(通流量調整部に相当する)が備えられている。室内空気吸引ダクト8の途中部位には、吸引する室内空気の通流量を調整自在な室内空気通流量調整部81が備えられている。
【0028】
この換気システム1には、ファン2の作動状態、吸引外気通流量調整部42の開閉状態、排気通流量調整部61の開閉状態、吹出空気通流量調整部51の開閉状態、室内空気通流量調整部81の開閉状態の夫々等を制御する制御部9が備えられている。
【0029】
例えば、ユーザがリモートコントローラを操作することで、換気の開始指令があると、制御部9は、ファン2を作動させて換気運転を開始している。ユーザがリモートコントローラを操作することで、換気の停止指令があると、制御部9が、ファン2を作動停止させて換気運転を停止している。また、制御部9は、ファン2を作動させる換気運転を常時行うことで、換気対象空間3を常時換気する24時間換気モードを実行することもできる。
【0030】
制御部9は、換気運転中に、吸引外気通流量調整部42、排気通流量調整部61、吹出空気通流量調整部51、及び、室内空気通流量調整部81の開度が所定開度になるように、夫々の開閉状態を制御している。例えば、換気対象空間3の換気量を、3回/hで200m3/hとしている場合には、外気吸引ダクト4における吸引外気の通流量、排気ダクト6における排気の通流量、吹出ダクト5における吹出空気の通流量、室内空気吸引ダクト8における室内空気の通流量の夫々が、200m3/hとなるように、所定開度が設定されている。この場合に、ファン2の能力が400m3/hとなるように、ファン2を作動させている。
【0031】
このように、換気対象空間3の換気量として、200m3/hの通流量を必要としている場合には、ファン2の風量としては、その倍の400m3/hの能力を確保している。これにより、吸引外気(200m3/hの通流量)と室内空気(200m3/hの通流量)が1:1で混合されて、ファン2にて吸引外気と室内空気との混合気(400m3/hの通流量)を通風させる。ファン2から通風される混合気(400m3/hの通流量)は、1:1で吹出空気(200m3/hの通流量)と排気(200m3/hの通流量)とに分岐されるので、室内へ供給される吹出空気の通流量(みかけの換気量)が、200m3/hの通流量となり、室内空気が外気と交換される正味の換気量が、100m3/hとなる。
【0032】
各通流量調整部42、51、61、81における所定開度は、換気対象空間3の換気量に応じて設定することができる。例えば、外気吸引ダクト4における吸引外気の通流量、排気ダクト6における排気の通流量、吹出ダクト5における吹出空気の通流量、室内空気吸引ダクト8における室内空気の通流量の夫々が同じ通流量又は略同じ通流量になるように、各通流量調整部42、51、61、81における所定開度を設定することができる。これにより、各ダクト4、5、6、8における空気の通流を安定して行うことができるので、換気対象空間3への給排気も安定して行うことができ、適切な換気を行うことができる。
【0033】
換気システム1を建物に適用する場合に、各ダクト4、5、6、8をどのように配設させるかは、換気対象空間3の配設位置や建物の状況等、各種の条件に応じて適宜変更させることができる。そこで、
図2を用いて、各ダクト4、5、6、8の配設状態の一例について説明を加える。ちなみに、
図2は、建物10において換気システム1を適用させた場合の平面図を示しており、建物10の外壁部10aに沿う方向を第1方向X1とし、外壁部10aに直交する方向を第2方向X2として説明する。
【0034】
居室等の換気対象空間3は、第1方向X1に沿う辺と第2方向X2に沿う辺とを有する矩形状に形成されており、建物10には、換気対象空間3に隣接する隣接室11や階段12等が備えられている。各ダクト4、5、6、8は、換気対象空間3の天井裏空間等を利用して配設されている。
【0035】
外気吸引ダクト4における外気を吸引する外気吸引部43が、建物10の外壁部10aに配設され、排気ダクト6における空気を排出する排気部62も、建物10の外壁部10aに配設されている。外気吸引部43と排気部62とは、第1方向X1に間隔を隔てて配設されており、外気吸引部43が、第1方向X1で換気対象空間3の一端部に対応する位置に配設され、排気部62が、第1方向X1で換気対象空間3の他端部に対応する位置に配設されている。
【0036】
外気吸引ダクト4は、第1外気吸引ダクト部位4aと第2外気吸引ダクト部位4bとを有している。第1外気吸引ダクト部位4aは、第1方向X1で換気対象空間3の一端部に相当する位置に配設されている。第1外気吸引ダクト部位4aは、外気吸引部43から第2方向X2に沿って内方側に延びたのち、第1方向X1に沿う方向に直角状に屈曲され、更に、第2方向X2に沿う方向に直角状に屈曲された屈曲形状に形成されている。第2外気吸引ダクト部位4bは、第2方向X2で換気対象空間3の内方側端部に相当する位置に配設されている。第2外気吸引ダクト部位4bは、第1方向X1で換気対象空間3の一端部から他端部に沿って延びる直線状に形成され、その下流側端部が第2方向X2に沿う方向に直角状に屈曲されている。
【0037】
室内空気吸引ダクト8には、その上流側端部に、換気対象空間3から室内空気を吸引する室内空気吸引部82が備えられている。室内空気吸引部82は、例えば、換気対象空間3の天井部等に配設され、換気対象空間3内の室内空気を下方側から上方側への上向きに吸引している。室内空気吸引部82は、第1方向X1で換気対象空間3の一端部に相当する位置で、且つ、第2方向X2で換気対象空間3の内方側端部に相当する位置に配設されている。室内空気吸引ダクト8は、第1方向X1に沿う直線状に形成され、外気吸引ダクト4における第2外気吸引ダクト部位4bの上端部に合流されている。
【0038】
ファン2は、その上流側が第2外気吸引ダクト部位4bにおいて第2方向X2に沿う方向に屈曲された下流側端部に接続されている。ファン2の下流側が、排気ダクト6に接続されている。排気ダクト6は、第1方向X1で換気対象空間3の他端部に相当する位置において、第2方向X2で内方側から外方側に延びる形状に形成され、下流側部位のみが傾斜状に形成された第1排気ダクト部位6aとその全長に亘って直線状に形成された第2排気ダクト部位6bとを有している。
【0039】
吹出ダクト5には、その下流側端部に、換気対象空間3に空気を吹き出す吹出部52が備えられている。吹出部52は、例えば、換気対象空間3の天井部等に配設され、換気対象空間3内に上方側から下方側への下向きに空気を吹き出している。吹出部52は、第1方向X1で換気対象空間3の他端部に相当する位置で、且つ、第2方向X2で換気対象空間3の外方側端部に隣接する位置に配設されている。吹出ダクト5は、第1方向X1に沿う方向から第2方向X2に沿う方向に直角状に屈曲させた屈曲形状に形成され、排気ダクト6における第1排気ダクト部位6aの途中部位から分岐されている。
【0040】
このようにして、換気対象空間3の天井裏空間等を利用して、ダクト4、5、6、8の全体が平面視でコ字状になるように配設されている。室内空気吸引部82と吹出部52とは、平面視で矩形状の換気対象空間3の対角となる角部に配設されており、お互いの距離を大きく取ることができる。これにより、吹出部52から吹き出された空気がすぐに室内空気吸引部82から吸引される、いわゆるショートカットを防止しながら、換気対象空間3の換気を行うことができる。
【0041】
図2では、各ダクト4、5、6、8が、換気対象空間3の天井裏空間等を利用して配設されている例を示しているが、例えば、換気対象空間3の床下空間を利用して、各ダクト4、5、6、8を配設することもできる。この場合には、室内空気吸引部82が、換気対象空間3の床部等に配設され、換気対象空間3内の室内空気を上方側から下方側への下向きに吸引している。吹出部52が、換気対象空間3の床部等に配設され、換気対象空間3内に下方側から上方側への上向きに空気を吹き出している。
【0042】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0043】
(1)上記実施形態では、
図2を用いて、各ダクトの配設状態等について説明したが、各ダクトをどのように配設させるかは、換気対象空間3の配設位置や建物10の状況等、各種の条件に応じて適宜変更させることができる。
【0044】
(2)上記実施形態では、外気吸引ダクト4、吹出ダクト5、排気ダクト6、室内空気吸引ダクト8の複数のダクトの全てについて、吸引外気通流量調整部42、吹出空気通流量調整部51、排気通流量調整部61、室内空気通流量調整部81等の通流量調整部が備えられているが、例えば、複数のダクトの一部だけに通流量調整部を備えさせたり、複数のダクトの全てについて通流量調整部を備えずに実施することもできる。
【符号の説明】
【0045】
1 換気システム
2 ファン
4 外気吸引ダクト
5 吹出ダクト
6 排気ダクト
7 混合部
8 室内空気吸引ダクト
42 吸引外気通流量調整部(通流量調整部)
51 吹出空気通流量調整部(通流量調整部)
61 排気通流量調整部(通流量調整部)
81 室内空気通流量調整部