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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096260
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】吐出器
(51)【国際特許分類】
B65D 47/34 20060101AFI20230630BHJP
B05B 11/00 20230101ALI20230630BHJP
F04B 9/14 20060101ALI20230630BHJP
【ＦＩ】
B65D47/34 100
B05B11/00 102J
B05B11/00 102P
F04B9/14 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2021211882
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】中本 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大石 勇
(72)【発明者】
【氏名】先曽 洋一
(72)【発明者】
【氏名】阿部 孝之
【テーマコード（参考）】
3E084
3H075
【Ｆターム（参考）】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084CB02
3E084CC05
3E084DA01
3E084DB12
3E084DC05
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084KB01
3E084LB02
3E084LC01
3E084LD22
3E084LD25
3H075AA01
3H075AA09
3H075BB03
3H075CC16
3H075DA06
3H075DA11
3H075DB14
3H075DB39
3H075DB44
(57)【要約】
【課題】貯留空間内の正圧時に、貯留空間が供給孔を通して容器本体内に連通するのを抑制する。
【解決手段】貯留空間Ａを有するシリンダ１１と、ピストン１５と、吐出孔２５が形成された吐出ヘッド１４と、付勢部材１６と、下部弁体１７と、を備え、下部弁体は、貯留空間内に設けられ、供給孔２６を覆う有頂筒状の装着部３４と、装着部の内側に弾性変位可能に設けられ、供給孔の内周面に離反可能に当接した弁本体３５と、を備え、装着部の頂壁４１の上面は、付勢部材の下端部を支持し、装着部の頂壁において、弁本体の上面と上下方向で対向する部分に、上下方向に貫く貫通孔４８、４９が形成されている。
【選択図】図１
【解決手段】貯留空間Ａを有するシリンダ１１と、ピストン１５と、吐出孔２５が形成された吐出ヘッド１４と、付勢部材１６と、下部弁体１７と、を備え、下部弁体は、貯留空間内に設けられ、供給孔２６を覆う有頂筒状の装着部３４と、装着部の内側に弾性変位可能に設けられ、供給孔の内周面に離反可能に当接した弁本体３５と、を備え、装着部の頂壁４１の上面は、付勢部材の下端部を支持し、装着部の頂壁において、弁本体の上面と上下方向で対向する部分に、上下方向に貫く貫通孔４８、４９が形成されている。
【選択図】図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体内の内容物が貯留される貯留空間を有するとともに、上下方向に延びるシリンダと、
前記貯留空間を上下方向に拡縮するように前記シリンダ内に上下摺動可能に嵌合されたピストンと、
前記貯留空間からの内容物を吐出する吐出孔が形成された吐出ヘッドと、
前記ピストンを、前記貯留空間を上下方向に拡張する向きに付勢する付勢部材と、
前記容器本体内と前記貯留空間とを連通する供給孔を開放可能に閉塞する下部弁体と、を備え、
前記ピストンが前記貯留空間を上下方向に縮小する向きに移動したときに、前記貯留空間内が正圧になり、前記下部弁体が前記供給孔を閉塞した状態で、前記貯留空間内の内容物が前記吐出孔から吐出され、
前記ピストンが前記貯留空間を上下方向に拡張する向きに移動したときに、前記貯留空間内が負圧になり、前記下部弁体が前記供給孔を開放し、前記容器本体内の内容物が前記供給孔を通して前記貯留空間内に供給され、
前記下部弁体は、
前記貯留空間内に設けられ、前記供給孔を覆う有頂筒状の装着部と、
前記装着部の内側に弾性変位可能に設けられ、前記供給孔の内周面に離反可能に当接した弁本体と、を備え、
前記装着部の頂壁の上面は、前記付勢部材の下端部を支持し、
前記装着部の頂壁において、前記弁本体の上面と上下方向で対向する部分に、上下方向に貫く貫通孔が形成されている、吐出器。
前記貯留空間を上下方向に拡縮するように前記シリンダ内に上下摺動可能に嵌合されたピストンと、
前記貯留空間からの内容物を吐出する吐出孔が形成された吐出ヘッドと、
前記ピストンを、前記貯留空間を上下方向に拡張する向きに付勢する付勢部材と、
前記容器本体内と前記貯留空間とを連通する供給孔を開放可能に閉塞する下部弁体と、を備え、
前記ピストンが前記貯留空間を上下方向に縮小する向きに移動したときに、前記貯留空間内が正圧になり、前記下部弁体が前記供給孔を閉塞した状態で、前記貯留空間内の内容物が前記吐出孔から吐出され、
前記ピストンが前記貯留空間を上下方向に拡張する向きに移動したときに、前記貯留空間内が負圧になり、前記下部弁体が前記供給孔を開放し、前記容器本体内の内容物が前記供給孔を通して前記貯留空間内に供給され、
前記下部弁体は、
前記貯留空間内に設けられ、前記供給孔を覆う有頂筒状の装着部と、
前記装着部の内側に弾性変位可能に設けられ、前記供給孔の内周面に離反可能に当接した弁本体と、を備え、
前記装着部の頂壁の上面は、前記付勢部材の下端部を支持し、
前記装着部の頂壁において、前記弁本体の上面と上下方向で対向する部分に、上下方向に貫く貫通孔が形成されている、吐出器。
【請求項2】
前記弁本体の上面は、径方向の外側に向かうに従い下方に向けて延びる錐面状に形成されている、請求項１に記載の吐出器。
【請求項3】
前記貯留空間に、前記供給孔の内周面における上端縁から上方に向けて突出し、前記弁本体を径方向の外側から囲う囲繞筒が設けられている、請求項１または２に記載の吐出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば下記特許文献１に示されるように、容器本体内の内容物が貯留される貯留空間を有するとともに、上下方向に延びるシリンダと、貯留空間を上下方向に拡縮するようにシリンダ内に上下摺動可能に嵌合されたピストンと、貯留空間からの内容物を吐出する吐出孔が形成された吐出ヘッドと、ピストンを、貯留空間を上下方向に拡張する向きに付勢する付勢部材と、容器本体内と貯留空間とを連通する供給孔を開放可能に閉塞する下部弁体と、を備え、ピストンが貯留空間を上下方向に縮小する向きに移動したときに、貯留空間内が正圧になり、下部弁体が供給孔を閉塞した状態で、貯留空間内の内容物が吐出孔から吐出され、ピストンが貯留空間を上下方向に拡張する向きに移動したときに、貯留空間内が負圧になり、下部弁体が供給孔を開放し、容器本体内の内容物が供給孔を通して貯留空間内に供給される吐出器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開２０２１－２４５８６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の吐出器では、固形の添加物、固形の異物（以下、総称して、固形物という）を、内容物とともに吐出する場合、貯留空間内の正圧時に、供給孔の内周面と下部弁体との間に挟まれた固形物によって、貯留空間が供給孔を通して容器本体内に連通するおそれがあった。なお、固形の異物としては、例えば内容物の詰め替え時等に外部から容器本体内に侵入するゴミ等が挙げられる。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、貯留空間内の正圧時に、貯留空間が供給孔を通して容器本体内に連通するのを抑制することができる吐出器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明の吐出器は、容器本体内の内容物が貯留される貯留空間を有するとともに、上下方向に延びるシリンダと、前記貯留空間を上下方向に拡縮するように前記シリンダ内に上下摺動可能に嵌合されたピストンと、前記貯留空間からの内容物を吐出する吐出孔が形成された吐出ヘッドと、前記ピストンを、前記貯留空間を上下方向に拡張する向きに付勢する付勢部材と、前記容器本体内と前記貯留空間とを連通する供給孔を開放可能に閉塞する下部弁体と、を備え、前記ピストンが前記貯留空間を上下方向に縮小する向きに移動したときに、前記貯留空間内が正圧になり、前記下部弁体が前記供給孔を閉塞した状態で、前記貯留空間内の内容物が前記吐出孔から吐出され、前記ピストンが前記貯留空間を上下方向に拡張する向きに移動したときに、前記貯留空間内が負圧になり、前記下部弁体が前記供給孔を開放し、前記容器本体内の内容物が前記供給孔を通して前記貯留空間内に供給され、前記下部弁体は、前記貯留空間内に設けられ、前記供給孔を覆う有頂筒状の装着部と、前記装着部の内側に弾性変位可能に設けられ、前記供給孔の内周面に離反可能に当接した弁本体と、を備え、前記装着部の頂壁の上面は、前記付勢部材の下端部を支持し、前記装着部の頂壁において、前記弁本体の上面と上下方向で対向する部分に、上下方向に貫く貫通孔が形成されている。
【0007】
本発明によれば、貯留空間内が正圧になったときに、弁本体が供給孔の内周面に押し付けられることで、供給孔が閉塞された状態に保たれ、貯留空間内の内容物が吐出孔から吐出される。
貯留空間内が負圧になると、弁本体が上方に向けて弾性変位することで、供給孔が開放され、容器本体内の内容物が供給孔を通して貯留空間内に供給される。
装着部の頂壁において、弁本体の上面と上下方向で対向する部分に、上下方向に貫く貫通孔が形成されているので、ピストンが移動して貯留空間が正圧になるときに、貯留空間内の内容物を、貫通孔を通過させて弁本体の上面に押し当てることが可能になり、弁本体を供給孔の内周面に強く押し付けることができる。したがって、固形の添加物、固形の異物等の固形物を内容物とともに吐出する場合に、固形物が、弁本体と供給孔の内周面との間に挟まれていても、この固形物を、貯留空間内の正圧時に、弁本体により押し退けさせ、弁本体を供給孔の内周面に全周にわたって当接させることが可能になり、貯留空間が供給孔を通して容器本体内に連通するのを確実に抑制することができる。
貯留空間内が負圧になると、弁本体が上方に向けて弾性変位することで、供給孔が開放され、容器本体内の内容物が供給孔を通して貯留空間内に供給される。
装着部の頂壁において、弁本体の上面と上下方向で対向する部分に、上下方向に貫く貫通孔が形成されているので、ピストンが移動して貯留空間が正圧になるときに、貯留空間内の内容物を、貫通孔を通過させて弁本体の上面に押し当てることが可能になり、弁本体を供給孔の内周面に強く押し付けることができる。したがって、固形の添加物、固形の異物等の固形物を内容物とともに吐出する場合に、固形物が、弁本体と供給孔の内周面との間に挟まれていても、この固形物を、貯留空間内の正圧時に、弁本体により押し退けさせ、弁本体を供給孔の内周面に全周にわたって当接させることが可能になり、貯留空間が供給孔を通して容器本体内に連通するのを確実に抑制することができる。
【0008】
前記弁本体の上面は、径方向の外側に向かうに従い下方に向けて延びる錐面状に形成されてもよい。
【0009】
弁本体の上面が、径方向の外側に向かうに従い下方に向けて延びる錐面状に形成されているので、固形物を弁本体の上面に溜めにくくすることが可能になるとともに、貯留空間内の正圧が、弁本体の上面に加わりやすくなり、貯留空間内の正圧時に、貯留空間が供給孔を通して容器本体内に連通するのを確実に抑制することができる。
【0010】
前記貯留空間に、前記供給孔の内周面における上端縁から上方に向けて突出し、前記弁本体を径方向の外側から囲う囲繞筒が設けられてもよい。
【0011】
貯留空間に、供給孔の内周面における上端縁から上方に向けて突出し、弁本体を径方向の外側から囲う囲繞筒が設けられているので、固形物を、弁本体と供給孔の内周面との間に進入させにくくすることができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、貯留空間内の正圧時に、貯留空間が供給孔を通して容器本体内に連通するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照し、吐出器の第１実施形態について説明する。
吐出器１は、図１に示されるように、シリンダ１１と、閉塞壁１２と、吐出弁１３と、吐出ヘッド１４と、ピストン１５と、付勢部材１６と、下部弁体１７と、操作レバー１８と、を備え、内容物が充填された容器本体Ｗの口部Ｗ１に、装着キャップＣを介して取付けられる。なお、吐出器１は、閉塞壁１２、吐出弁１３、および操作レバー１８を備えなくてもよい。
吐出器１は、図１に示されるように、シリンダ１１と、閉塞壁１２と、吐出弁１３と、吐出ヘッド１４と、ピストン１５と、付勢部材１６と、下部弁体１７と、操作レバー１８と、を備え、内容物が充填された容器本体Ｗの口部Ｗ１に、装着キャップＣを介して取付けられる。なお、吐出器１は、閉塞壁１２、吐出弁１３、および操作レバー１８を備えなくてもよい。
【0015】
内容物としては、例えば、衣料用液体洗剤、柔軟剤、若しくは自動食洗機用液体洗剤、または、パウダーを含有する各種液体製品が好ましい。吐出ヘッド１４、吐出弁１３、閉塞壁１２、操作レバー１８、装着キャップＣ、シリンダ１１、および下部弁体１７は、例えばポリプロピレンで形成され、ピストン１５は、例えばポリエチレンで形成され、付勢部材１６は、例えば金属材料で形成されている。なお、付勢部材１６は、合成樹脂材料で形成されてもよい。
【0016】
シリンダ１１、ピストン１５、および付勢部材１６は、共通軸Ｏと同軸に配設されている。以下、共通軸Ｏに沿う方向を上下方向といい、上下方向から見て、共通軸Ｏに交差する方向を径方向といい、共通軸Ｏ回りに周回する方向を周方向という。
【0017】
シリンダ１１は、上下方向に延びる筒状に形成されている。シリンダ１１は、内容物が貯留される貯留空間Ａを有している。シリンダ１１の材質は、例えばポリプロピレンが好ましい。
シリンダ１１は、有底筒状の本体筒２１と、本体筒２１より小径に形成されるとともに、本体筒２１の底壁を上下方向に貫く供給筒２２と、を備えている。貯留空間Ａは、口部Ｗ１の上方に位置している。
本体筒２１は、口部Ｗ１から上方に向けて突出している。本体筒２１の下端部は、口部Ｗ１内に挿入されている。本体筒２１に、径方向の外側に向けて突出したフランジ部が形成されており、フランジ部が、容器本体Ｗの口部Ｗ１の上端開口縁と装着キャップＣとにより上下方向に挟まれることで、吐出器１が口部Ｗ１に固定される。
供給筒２２の上部は、本体筒２１の底壁から上方に突出している。供給筒２２の上部は、本体筒２１の上端部より下方に位置している。供給筒２２の上部の内周面に、上下方向の全長にわたって連続して延びる縦溝２２ｂが形成されている。供給筒２２の下部は、本体筒２１の底壁から下方に突出している。供給筒２２の上部の直径は、供給筒２２の下部の直径より大きくなっている。供給筒２２のうち、本体筒２１の底壁との接続部分には、供給筒２２内と容器本体Ｗ内とを連通する外気導入孔２２ａが形成されている。
シリンダ１１は、有底筒状の本体筒２１と、本体筒２１より小径に形成されるとともに、本体筒２１の底壁を上下方向に貫く供給筒２２と、を備えている。貯留空間Ａは、口部Ｗ１の上方に位置している。
本体筒２１は、口部Ｗ１から上方に向けて突出している。本体筒２１の下端部は、口部Ｗ１内に挿入されている。本体筒２１に、径方向の外側に向けて突出したフランジ部が形成されており、フランジ部が、容器本体Ｗの口部Ｗ１の上端開口縁と装着キャップＣとにより上下方向に挟まれることで、吐出器１が口部Ｗ１に固定される。
供給筒２２の上部は、本体筒２１の底壁から上方に突出している。供給筒２２の上部は、本体筒２１の上端部より下方に位置している。供給筒２２の上部の内周面に、上下方向の全長にわたって連続して延びる縦溝２２ｂが形成されている。供給筒２２の下部は、本体筒２１の底壁から下方に突出している。供給筒２２の上部の直径は、供給筒２２の下部の直径より大きくなっている。供給筒２２のうち、本体筒２１の底壁との接続部分には、供給筒２２内と容器本体Ｗ内とを連通する外気導入孔２２ａが形成されている。
【0018】
閉塞壁１２は、貯留空間Ａの上端開口を閉塞している。閉塞壁１２の材質は、例えばポリプロピレンが好ましい。閉塞壁１２の外周縁部には、下方に向けて延び、シリンダ１１の本体筒２１に外嵌された外嵌筒２４が形成されている。外嵌筒２４は、下端部同士が連結され、かつ上端が開口した二重筒状に形成されている。
閉塞壁１２には、上下方向に貫き、貯留空間Ａに連通する流出孔２３が形成されている。流出孔２３は、共通軸Ｏと同軸に配設されている。流出孔２３の内周面には、上方に向かうに従い流出孔２３の内径を大きくする第１弁座面２３ａが形成されている。第１弁座面２３ａは、流出孔２３の内周面のうちの上部に形成され、流出孔２３の内周面の下部は、上下方向に真直ぐ延びている。閉塞壁１２における径方向の中央部（以下、隆起筒１２ｂという）は、上方に向けて隆起した有頂筒状に形成されており、その頂壁に流出孔２３が形成されている。
閉塞壁１２には、上下方向に貫き、貯留空間Ａに連通する流出孔２３が形成されている。流出孔２３は、共通軸Ｏと同軸に配設されている。流出孔２３の内周面には、上方に向かうに従い流出孔２３の内径を大きくする第１弁座面２３ａが形成されている。第１弁座面２３ａは、流出孔２３の内周面のうちの上部に形成され、流出孔２３の内周面の下部は、上下方向に真直ぐ延びている。閉塞壁１２における径方向の中央部（以下、隆起筒１２ｂという）は、上方に向けて隆起した有頂筒状に形成されており、その頂壁に流出孔２３が形成されている。
【0019】
閉塞壁１２には、閉塞壁１２の下面が上方に向けて窪み、かつ頂壁が流出孔２３より上方に位置する有頂筒状のエア貯留部１２ａが形成されている。なお、閉塞壁１２にエア貯留部１２ａを形成しなくてもよい。
エア貯留部１２ａ内の上部には、貯留空間Ａ内に内容物が充填された状態でも、空気を残留させておくことが可能になり、後述のように操作レバー１８を操作してピストン１５を上昇させ、貯留空間Ａの内圧を上昇させる際、エア貯留部１２ａ内の空気が圧縮することにより、操作レバー１８の初動時の操作荷重を低減することができる。
エア貯留部１２ａ内の上部には、貯留空間Ａ内に内容物が充填された状態でも、空気を残留させておくことが可能になり、後述のように操作レバー１８を操作してピストン１５を上昇させ、貯留空間Ａの内圧を上昇させる際、エア貯留部１２ａ内の空気が圧縮することにより、操作レバー１８の初動時の操作荷重を低減することができる。
【0020】
吐出ヘッド１４は、有頂筒状に形成され、外嵌筒２４に嵌合されている。吐出ヘッド１４は、閉塞壁１２の上面を覆っている。吐出ヘッド１４の材質は、例えばポリプロピレンが好ましい。吐出ヘッド１４には、流出孔２３からの内容物を吐出する吐出孔２５が形成されている。吐出孔２５は、径方向のうち、共通軸Ｏに対してエア貯留部１２ａが位置している側の反対側に向けて開口している。
以下、径方向のうち、吐出孔２５が開口する向きを前方といい、この逆向きを後方といい、上下方向から見て、前後方向に直交する方向を左右方向という。
以下、径方向のうち、吐出孔２５が開口する向きを前方といい、この逆向きを後方といい、上下方向から見て、前後方向に直交する方向を左右方向という。
【0021】
吐出ヘッド１４には、閉塞壁１２の隆起筒１２ｂに外嵌され、かつ吐出孔２５に連通した連結筒１４ａが形成されている。連結筒１４ａは、吐出ヘッド１４の頂壁の下面から下方に向けて延びている。
吐出ヘッド１４の頂壁の下面において、連結筒１４ａの内側に位置する部分に、下方に向けて突出した規制突起１４ｂが形成されている。規制突起１４ｂには、図２に示されるように、上昇端位置に達した吐出弁１３が突き当たる。規制突起１４ｂは、表裏面が周方向を向く板状に形成されている。規制突起１４ｂは、周方向に間隔をあけて複数設けられている。規制突起１４ｂは、連結筒１４ａの内周面に連結されている。規制突起１４ｂのうち、径方向の外側部分は、径方向の内側部分より下方に向けて突出している。規制突起１４ｂのうち、径方向の外側部分は連結筒１４ａに連結され、径方向の内側部分は吐出弁１３と上下方向で対向している。
吐出ヘッド１４の頂壁の下面において、連結筒１４ａの内側に位置する部分に、下方に向けて突出した規制突起１４ｂが形成されている。規制突起１４ｂには、図２に示されるように、上昇端位置に達した吐出弁１３が突き当たる。規制突起１４ｂは、表裏面が周方向を向く板状に形成されている。規制突起１４ｂは、周方向に間隔をあけて複数設けられている。規制突起１４ｂは、連結筒１４ａの内周面に連結されている。規制突起１４ｂのうち、径方向の外側部分は、径方向の内側部分より下方に向けて突出している。規制突起１４ｂのうち、径方向の外側部分は連結筒１４ａに連結され、径方向の内側部分は吐出弁１３と上下方向で対向している。
【0022】
ピストン１５は、シリンダ１１の本体筒２１内に上下摺動可能に嵌合されるとともに、貯留空間Ａの下端開口を閉塞している。ピストン１５の材質は、例えばポリエチレンが好ましい。ピストン１５は、本体筒２１内を上下摺動するのに伴い、貯留空間Ａを上下方向に拡縮する。
図示の例では、ピストン１５は、下方に向かうに従い縮径した多段の筒状に形成されている。
図示の例では、ピストン１５は、下方に向かうに従い縮径した多段の筒状に形成されている。
【0023】
ピストン１５のうち、最も上方に位置する摺動筒部２７は、シリンダ１１内に上下摺動可能に嵌合され、最も下方に位置する下筒部３１は、外側シール筒３２および内側シール筒３３を有する二重筒状に形成されている。
内側シール筒３３は、外側シール筒３２の径方向の内側に設けられている。内側シール筒３３および外側シール筒３２それぞれにおける上下方向の中間部同士が、互いに周方向の全長にわたって連続して連結されている。内側シール筒３３は、外側シール筒３２から上下方向の両方向に突出している。外側シール筒３２は、供給筒２２の上部内に上下摺動可能に嵌合され、内側シール筒３３は、供給筒２２の下部内に上下摺動可能に嵌合されている。
ピストン１５は、摺動筒部２７と下筒部３１との間に位置する部分に設けられ、表裏面が上下方向を向く環板状の段部２８を備えている。段部２８は、供給筒２２の上端開口縁を径方向に跨いでいる。段部２８における径方向の内端部から外側シール筒３２が下方に向けて延びている。段部２８に、上方に向けて延びる固定筒２９が形成されている。固定筒２９は、共通軸Ｏと同軸に配設されている。
内側シール筒３３は、外側シール筒３２の径方向の内側に設けられている。内側シール筒３３および外側シール筒３２それぞれにおける上下方向の中間部同士が、互いに周方向の全長にわたって連続して連結されている。内側シール筒３３は、外側シール筒３２から上下方向の両方向に突出している。外側シール筒３２は、供給筒２２の上部内に上下摺動可能に嵌合され、内側シール筒３３は、供給筒２２の下部内に上下摺動可能に嵌合されている。
ピストン１５は、摺動筒部２７と下筒部３１との間に位置する部分に設けられ、表裏面が上下方向を向く環板状の段部２８を備えている。段部２８は、供給筒２２の上端開口縁を径方向に跨いでいる。段部２８における径方向の内端部から外側シール筒３２が下方に向けて延びている。段部２８に、上方に向けて延びる固定筒２９が形成されている。固定筒２９は、共通軸Ｏと同軸に配設されている。
【0024】
内側シール筒３３の上端開口は、容器本体Ｗ内と貯留空間Ａとを連通する供給孔２６となっている。供給孔２６およびピストン１５の段部２８それぞれの上下方向の位置は、互いに同等になっている。供給孔２６は、容器本体Ｗ内と貯留空間Ａとを上下方向に連通している。供給孔２６は、供給筒２２の下部内を通して容器本体Ｗ内に連通している。
供給孔２６の内周面に、径方向の内側に向かうに従い下方に向けて延びる第２弁座面３１ａが形成されている。供給孔２６は、下部弁体１７により閉塞され、貯留空間Ａの負圧時に開放される。
供給孔２６の内周面に、径方向の内側に向かうに従い下方に向けて延びる第２弁座面３１ａが形成されている。供給孔２６は、下部弁体１７により閉塞され、貯留空間Ａの負圧時に開放される。
【0025】
下部弁体１７は、装着部３４と、第２弁本体（弁本体）３５と、案内部３６と、を備えている。下部弁体１７の材質は、例えばポリプロピレンが好ましい。
【0026】
装着部３４は、有頂筒状に形成されるとともに、貯留空間Ａ内に固定され、供給孔２６を覆っている。装着部３４は、固定筒２９内に嵌合されて固定されている。装着部３４の頂壁４１は、固定筒２９より上方に位置している。
案内部３６は、有頂筒状に形成され、装着部３４の頂壁４１から上方に向けて延びている。案内部３６の頂壁４６は環状に形成されている。案内部３６の頂壁４６の内周縁部は、案内部３６の周壁の内周面より径方向の内側に張り出している。
案内部３６は、有頂筒状に形成され、装着部３４の頂壁４１から上方に向けて延びている。案内部３６の頂壁４６は環状に形成されている。案内部３６の頂壁４６の内周縁部は、案内部３６の周壁の内周面より径方向の内側に張り出している。
【0027】
第２弁本体３５は、装着部３４の内側に設けられ、装着部３４の周壁に弾性変位可能に連結され、供給孔２６の内周面に離反可能に当接している。なお、第２弁本体３５は、装着部３４の頂壁４１に連結されてもよい。第２弁本体３５は、弾性変形可能に形成された連結片１７ａを介して装着部３４の周壁の下端部に連結されている。図４に示されるように、連結片１７ａは、周方向に延びる帯状に形成され、周方向に間隔をあけて複数設けられている。なお、連結片１７ａは、適宜変更してもよい。図１および図３に示されるように、第２弁本体３５は、有頂筒状に形成され、その周壁の下端開口縁が、第２弁座面３１ａに上方に向けて離反可能に液密に当接している。第２弁本体３５の頂壁４５における径方向の中央部に、下方に向けて延びる突起が形成されている。突起および第２弁本体３５の周壁それぞれの下端部は、上下方向の同等の位置に位置している。第２弁本体３５の周壁の外周面、および装着部３４の周壁の下端部の内周面は、径方向で互いに対向している。
【0028】
図４に示されるように、装着部３４および案内部３６それぞれにおいて、共通軸Ｏを左右方向に挟む両側部分に、周壁を左右方向に貫通する切欠き部４７が各別に形成されている。
切欠き部４７は、装着部３４のうち、周壁の下端部を除く上下方向の全長にわたって形成されており、切欠き部４７によって、装着部３４の頂壁４１における左右方向の両端部は、前後方向に真直ぐ延びている。切欠き部４７は、案内部３６のうち、頂壁４６を除く上下方向の全長にわたって形成されている。
切欠き部４７は、装着部３４のうち、周壁の下端部を除く上下方向の全長にわたって形成されており、切欠き部４７によって、装着部３４の頂壁４１における左右方向の両端部は、前後方向に真直ぐ延びている。切欠き部４７は、案内部３６のうち、頂壁４６を除く上下方向の全長にわたって形成されている。
【0029】
そして、本実施形態では、装着部３４の頂壁４１において、第２弁本体３５の頂壁４５の上面と上下方向で対向する部分に、上下方向に貫く第１貫通孔（貫通孔）４８および第２貫通孔（貫通孔）４９が形成されている。
【0030】
第１貫通孔４８は、装着部３４の頂壁４１における径方向の中央部に形成されている。第１貫通孔４８は、共通軸Ｏと同軸に配設されている。第１貫通孔４８は、案内部３６より径方向の内側に設けられている。第１貫通孔４８は、案内部３６の頂壁４６の内側と上下方向で対向している。第１貫通孔４８は、第２弁本体３５の頂壁４５の上面における径方向の中央部に向けて開口している。
第２貫通孔４９は、図４に示されるように、切欠き部４７の一部である、装着部３４の頂壁４１における左右方向の両端部に設けられ、頂壁４１における前後方向の中央部を左右方向に括れさせている。第２貫通孔４９は、第２弁本体３５の頂壁４５の上面における左右方向の両端部と上下方向で対向している。
第２貫通孔４９は、図４に示されるように、切欠き部４７の一部である、装着部３４の頂壁４１における左右方向の両端部に設けられ、頂壁４１における前後方向の中央部を左右方向に括れさせている。第２貫通孔４９は、第２弁本体３５の頂壁４５の上面における左右方向の両端部と上下方向で対向している。
【0031】
図３に示されるように、第２弁本体３５の頂壁４５の上面は、径方向の外側に向かうに従い下方に向けて延びる錐面状に形成されている。なお、第２弁本体３５の頂壁４５の上面は、例えば平坦面等に形成されてもよい。第２弁本体３５の頂壁４５の上面は、装着部３４の頂壁４１から下方に離れている。
【0032】
貯留空間Ａに、供給孔２６の内周面における上端縁から上方に向けて突出し、第２弁本体３５を径方向の外側から囲う囲繞筒４０が設けられている。囲繞筒４０は、内側シール筒３３の上端開口縁から上方に向けて延びている。囲繞筒４０は、共通軸Ｏと同軸に配設されている。囲繞筒４０は、第２弁本体３５の周壁を径方向の外側から囲っている。囲繞筒４０の内周面は、第２弁本体３５の周壁から径方向の外側に離れている。囲繞筒４０は、第２弁本体３５および装着部３４を互いに連結する連結片１７ａ、並びに第２弁本体３５の頂壁４５より下方に位置している。囲繞筒４０は、ピストン１５の段部２８より上方に位置している。囲繞筒４０は、第２弁本体３５の周壁の外周面と、装着部３４の周壁の下端部の内周面と、の間に差し込まれている。
【0033】
付勢部材１６は、ピストン１５を、貯留空間Ａを上下方向に拡張する向きに付勢する。付勢部材１６の材質は、例えばステンレス鋼、若しくはポリアセタールコポリマーが好ましい。図示の例では、付勢部材１６は、ピストン１５を下方付勢状態で上方移動可能に支持している。付勢部材１６は、コイルスプリングとなっている。付勢部材１６の材質は、例えばステンレス、若しくはポリアセタールコポリマーが好ましい。付勢部材１６の上端部は、閉塞壁１２の隆起筒１２ｂ内に挿入され、かつ閉塞壁１２の下面に当接している。付勢部材１６の下部内に、下部弁体１７の案内部３６が挿入されている。付勢部材１６の下端部が、下部弁体１７における装着部３４の頂壁４１の上面に支持されている。
【0034】
吐出弁１３は、閉塞壁１２の流出孔２３に挿入された状態で上下動可能に設けられ、流出孔２３を開閉する。吐出弁１３は、軸部３７および第１弁本体３８を備え、共通軸Ｏと同軸に配設されている。吐出弁１３は、有底筒状に形成されている。なお、吐出弁１３は、中実の棒体であってもよい。吐出弁１３の材質は、例えばポリプロピレンが好ましい。
【0035】
軸部３７は、上下方向に延び、下部弁体１７の案内部３６内に上下動可能に挿入されている。軸部３７には、案内部３６の頂壁４６の内周縁部に、この頂壁４６の下方から当接した係止突起３７ａが形成されている。吐出弁１３は、係止突起３７ａおよび案内部３６を介して付勢部材１６により下方に付勢されている。
【0036】
第１弁本体３８は、閉塞壁１２の第１弁座面２３ａに対して上下方向に接近、および離反可能に設けられている。
第１弁本体３８の外周面は、上方に向かうに従い外径が大きくなる円錐面状に形成されている。第１弁本体３８の外周面に、全周にわたって連続して延び、第１弁座面２３ａに当接する突条状のシール突起が設けられている。第１弁本体３８の外周面における下端部は、流出孔２３の内周面より径方向の内側に位置している。第１弁本体３８の外周面、および流出孔２３の内周面それぞれの下端部は、径方向で対向している。
第１弁本体３８の上端部に、上方に向けて突出した環状突起３９が設けられている。環状突起３９の上端開口縁は、閉塞壁１２における隆起筒１２ｂの頂壁の上面より上方に位置している。環状突起３９の上端開口縁は、吐出弁１３が上昇端位置に位置したときに、吐出ヘッド１４の規制突起１４ｂに突き当たる。
第１弁本体３８の外周面は、上方に向かうに従い外径が大きくなる円錐面状に形成されている。第１弁本体３８の外周面に、全周にわたって連続して延び、第１弁座面２３ａに当接する突条状のシール突起が設けられている。第１弁本体３８の外周面における下端部は、流出孔２３の内周面より径方向の内側に位置している。第１弁本体３８の外周面、および流出孔２３の内周面それぞれの下端部は、径方向で対向している。
第１弁本体３８の上端部に、上方に向けて突出した環状突起３９が設けられている。環状突起３９の上端開口縁は、閉塞壁１２における隆起筒１２ｂの頂壁の上面より上方に位置している。環状突起３９の上端開口縁は、吐出弁１３が上昇端位置に位置したときに、吐出ヘッド１４の規制突起１４ｂに突き当たる。
【0037】
操作レバー１８は、シリンダ１１内において貯留空間Ａの外側に位置する部分に差し込まれ、ピストン１５を押上げる押上部４２と、押上部４２に連結されるとともに、シリンダ１１内から突出したレバー部４３と、を備え、操作レバー１８の回転軸４２ａ回りの回転移動に伴い、押上部４２およびピストン１５が互いに係合した状態で、ピストン１５が上下動する。操作レバー１８の材質は、例えばポリプロピレンが好ましい。
【0038】
押上部４２は、シリンダ１１の本体筒２１内において、貯留空間Ａより下方に位置する部分に前後方向に差し込まれ、ピストン１５を押上げる。押上部４２は、本体筒２１の後端部を前後方向に貫いている。押上部４２は、ピストン１５の下筒部３１を左右方向に挟む一対の板体を備えている。これらの板体は、表裏面が左右方向を向き、かつ前後方向に長い長方形状に形成されている。押上部４２は、ピストン１５の段部２８の下面に当接している。一対の板体における各後端部に、左右方向の外側に向けて突出した回転軸４２ａが形成されている。
レバー部４３は、押上部４２における一対の板体を左右方向に連結するとともに、シリンダ１１の本体筒２１内から閉塞壁１２の外嵌筒２４の後方に向けて突出している。レバー部４３は、後方に向かうに従い上方に向けて延びている。
レバー部４３は、押上部４２における一対の板体を左右方向に連結するとともに、シリンダ１１の本体筒２１内から閉塞壁１２の外嵌筒２４の後方に向けて突出している。レバー部４３は、後方に向かうに従い上方に向けて延びている。
【0039】
ここで、外嵌筒２４には、後方に向かうに従い下方に向けて延びるグリップ部４４が形成されている。
グリップ部４４は、レバー部４３を左右方向に挟む一対の側板４４ａと、一対の側板４４ａ同士を連結し、レバー部４３の下方からレバー部４３に対向するグリップ板４４ｂと、を備えている。側板４４ａにおける径方向の内端部に、操作レバー１８の回転軸４２ａが回転可能に嵌合された軸受孔が形成されている。レバー部４３の上面を親指で押し込む際、他の指を、グリップ板４４ｂのうちの前方を向く内面に沿わせる。
グリップ部４４は、レバー部４３を左右方向に挟む一対の側板４４ａと、一対の側板４４ａ同士を連結し、レバー部４３の下方からレバー部４３に対向するグリップ板４４ｂと、を備えている。側板４４ａにおける径方向の内端部に、操作レバー１８の回転軸４２ａが回転可能に嵌合された軸受孔が形成されている。レバー部４３の上面を親指で押し込む際、他の指を、グリップ板４４ｂのうちの前方を向く内面に沿わせる。
【0040】
次に、吐出器１の作用について説明する。
【0041】
レバー部４３の上面に親指を置き、かつ他の指をグリップ板４４ｂの内面に沿わせた状態で、親指によりレバー部４３を回転軸４２ａ回りに下方に向けて押し込むと、押上部４２が、ピストン１５の段部２８の下面を上方に突上げる。これにより、図２に示されるように、第２弁本体３５が第２弁座面３１ａに押し付けられた状態で、ピストン１５が、付勢部材１６を上下方向に圧縮させながら、下部弁体１７とともにシリンダ１１内を上方に向けて移動し、貯留空間Ａの内圧が上昇する。
【0042】
以上の過程において、吐出弁１３が上方に向けて移動し、第１弁本体３８が閉塞壁１２の第１弁座面２３ａから上方に離反する。これにより、貯留空間Ａの内容物が、流出孔２３から流出し、吐出ヘッド１４の連結筒１４ａ内を通して吐出孔２５から吐出される。
以上より、ピストン１５が貯留空間Ａを上下方向に縮小する向きに移動したときに、貯留空間Ａ内が正圧になり、下部弁体１７が供給孔２６を閉塞した状態で、貯留空間Ａ内の内容物が吐出孔２５から吐出される。
この際、外側シール筒３２および内側シール筒３３は、供給筒２２内に嵌合した状態に保たれ、シリンダ１１の本体筒２１内のうち、貯留空間Ａの外側に位置する部分は、供給筒２２における縦溝２２ｂおよび外気導入孔２２ａを通して、容器本体Ｗ内に連通する。
以上より、ピストン１５が貯留空間Ａを上下方向に縮小する向きに移動したときに、貯留空間Ａ内が正圧になり、下部弁体１７が供給孔２６を閉塞した状態で、貯留空間Ａ内の内容物が吐出孔２５から吐出される。
この際、外側シール筒３２および内側シール筒３３は、供給筒２２内に嵌合した状態に保たれ、シリンダ１１の本体筒２１内のうち、貯留空間Ａの外側に位置する部分は、供給筒２２における縦溝２２ｂおよび外気導入孔２２ａを通して、容器本体Ｗ内に連通する。
【0043】
そして、レバー部４３を開放すると、付勢部材１６の復元力によりピストン１５が下方移動し、ピストン１５の段部２８により押上部４２が押下げられ、操作レバー１８が回転軸４２ａ回りに回転する。
【0044】
以上の過程において、貯留空間Ａが拡張して負圧になり、吐出弁１３が下方に移動して第１弁本体３８が第１弁座面２３ａに当接し、下部弁体１７において、連結片１７ａが弾性変形しつつ、第２弁本体３５が第２弁座面３１ａから上方に離反する。これにより、供給孔２６が開放され、容器本体Ｗ内の内容物が、シリンダ１１の供給筒２２の下部内、および供給孔２６を通して貯留空間Ａに供給される。
以上より、ピストン１５が貯留空間Ａを上下方向に拡張する向きに移動したときに、貯留空間Ａ内が負圧になり、下部弁体１７が供給孔２６を開放し、容器本体Ｗ内の内容物が供給孔２６を通して貯留空間Ａ内に供給される。
この際、外気が、シリンダ１１の本体筒２１内のうち、貯留空間Ａの外側に位置する部分と、供給筒２２における縦溝２２ｂおよび外気導入孔２２ａと、を通して、容器本体Ｗ内に供給される。
以上より、ピストン１５が貯留空間Ａを上下方向に拡張する向きに移動したときに、貯留空間Ａ内が負圧になり、下部弁体１７が供給孔２６を開放し、容器本体Ｗ内の内容物が供給孔２６を通して貯留空間Ａ内に供給される。
この際、外気が、シリンダ１１の本体筒２１内のうち、貯留空間Ａの外側に位置する部分と、供給筒２２における縦溝２２ｂおよび外気導入孔２２ａと、を通して、容器本体Ｗ内に供給される。
【0045】
以上説明したように、本実施形態による吐出器１によれば、装着部３４の頂壁４１において、第２弁本体３５の頂壁４５の上面と上下方向で対向する部分に、上下方向に貫く第１貫通孔４８および第２貫通孔４９が形成されているので、ピストン１５が移動して貯留空間Ａが正圧になるときに、貯留空間Ａ内の内容物を、第１貫通孔４８および第２貫通孔４９を通過させて第２弁本体３５の頂壁４５の上面に押し当てることが可能になり、第２弁本体３５を供給孔２６の内周面に強く押し付けることができる。したがって、固形の添加物、固形の異物等の固形物を内容物とともに吐出する場合に、固形物が、第２弁本体３５と供給孔２６の内周面との間に挟まれていても、この固形物を、貯留空間Ａ内の正圧時に、第２弁本体３５により押し退けさせ、第２弁本体３５を供給孔２６の内周面に全周にわたって当接させることが可能になり、貯留空間Ａが供給孔２６を通して容器本体Ａ内に連通するのを確実に抑制することができる。
【0046】
第２弁本体３５の頂壁４５の上面が、径方向の外側に向かうに従い下方に向けて延びる錐面状に形成されているので、固形物を第２弁本体３５の頂壁４５の上面に溜めにくくすることが可能になるとともに、貯留空間Ａ内の正圧が、第２弁本体３５の頂壁４５の上面に加わりやすくなり、貯留空間Ａ内の正圧時に、貯留空間Ａが供給孔２６を通して容器本体Ｗ内に連通するのを確実に抑制することができる。
【0047】
貯留空間Ａに、供給孔２６の内周面における上端縁から上方に向けて突出し、第２弁本体３５を径方向の外側から囲う囲繞筒４０が設けられているので、固形物を、第２弁本体３５と供給孔２６の内周面との間に進入させにくくすることができるとともに、貯留空間Ａの内圧が、第２弁本体３５の周壁に及ぼされにくくなり、貯留空間Ａの内圧変動に伴い、第２弁本体３５を円滑に上下動させることができる。
【0048】
次に、第２実施形態に係る吐出器２を、図５を参照しながら説明する。
なお、第２実施形態においては、第１実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
なお、第２実施形態においては、第１実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0049】
吐出器２は、シリンダ５１と、ステム５２と、吐出ヘッド５３と、ピストン５４と、ピストンガイド５５と、下部弁体５６と、付勢部材１６と、を備えている。吐出器２は、操作レバー１８を有さず、ピストン５４が吐出ヘッド５３の上下動に連係する。
【0050】
シリンダ５１、ステム５２、ピストン５４、および付勢部材１６は、共通軸Ｏと同軸に配設されている。以下、共通軸Ｏに沿う方向を上下方向といい、上下方向から見て、共通軸Ｏに交差する方向を径方向といい、共通軸Ｏ回りに周回する方向を周方向という。
【0051】
シリンダ５１は、上下方向に延びる筒状に形成されている。シリンダ５１は、内容物が貯留される貯留空間Ａを有している。シリンダ５１の上部に、径方向の外側に向けて突出したフランジ部が形成されており、フランジ部が、容器本体Ｗの口部Ｗ１の上端開口縁と装着キャップＣとにより上下方向に挟まれることにより、吐出器２が口部Ｗ１に固定される。シリンダ５１には、径方向に開口し、容器本体Ｗ内とシリンダ５１内とを連通する導入孔５１ａが形成されている。
供給孔２６は、シリンダ５１の下端開口となっている。供給孔２６の内周面に第２弁座面３１ａが形成されている。
囲繞筒４０は、シリンダ５１の内面における供給孔２６の開口周縁部から上方に向けて延びている。
供給孔２６は、シリンダ５１の下端開口となっている。供給孔２６の内周面に第２弁座面３１ａが形成されている。
囲繞筒４０は、シリンダ５１の内面における供給孔２６の開口周縁部から上方に向けて延びている。
【0052】
ステム５２は、シリンダ５１から上方に突出し、上方付勢状態で下方移動可能に設けられている。
吐出ヘッド５３は、吐出孔２５を有し、ステム５２の上端部に装着されている。
吐出ヘッド５３は、吐出孔２５を有し、ステム５２の上端部に装着されている。
【0053】
ピストン５４は、ステム５２の上下動に連係し、貯留空間Ａを上下方向に拡縮するようにシリンダ５１内に上下摺動可能に嵌合されている。ピストン５４は筒状に形成されている。
ピストン５４は、シリンダ５１の内周面に摺接する外筒６１と、外筒６１の内側に配設された内筒６２と、外筒６１と内筒６２とを全周にわたって連結する環状の連結部６３と、を備えている。
連結部６３は、外筒６１および内筒６２それぞれにおける上端部と下端部との間に位置する中間部同士を連結している。内筒６２は、ステム５２の下端部内に上下摺動自在に嵌合されている。外筒６１は、吐出ヘッド５３およびステム５２が上昇端位置に位置する待機状態で導入孔５１ａを閉塞する。
ピストン５４は、シリンダ５１の内周面に摺接する外筒６１と、外筒６１の内側に配設された内筒６２と、外筒６１と内筒６２とを全周にわたって連結する環状の連結部６３と、を備えている。
連結部６３は、外筒６１および内筒６２それぞれにおける上端部と下端部との間に位置する中間部同士を連結している。内筒６２は、ステム５２の下端部内に上下摺動自在に嵌合されている。外筒６１は、吐出ヘッド５３およびステム５２が上昇端位置に位置する待機状態で導入孔５１ａを閉塞する。
【0054】
ピストンガイド５５は、ステム５２の上下動に連係し、ピストン５４の内側に挿通されている。ピストンガイド５５は、ステム５２の下部内に嵌合された嵌合部６４を備えている。嵌合部６４は、ステム５２の下端開口から下方に突出している。嵌合部６４は、周方向に間隔をあけて配置されるとともに、ステム５２の下部内に嵌合された複数の分割周壁と、複数の分割周壁における周方向の中央部から各別に径方向の内側に向けて突出し、共通軸Ｏ上で互いに連結されたリブと、を備える。リブは、分割周壁における上下方向の全域にわたって配設されている。
【0055】
ピストンガイド５５は、嵌合部６４の下端部から下方に向けて突出する栓部６５を備えている。栓部６５は有頂筒状に形成されている。なお栓部６５は、中実に形成されてもよい。栓部６５の周壁部は、嵌合部６４の分割周壁より径方向の外側に位置している。
栓部６５の周壁部の外周面に、シリンダ５１の内周面に近接する近接突起６５ａが周方向に間隔をあけて複数形成されている。ピストンガイド５５が下降端位置に位置した状態で、近接突起６５ａは、シリンダ５１の内周面に設けられた、上方を向く段部に当接する。近接突起６５ａは、栓部６５の周壁部における上下方向の中間部に配設されている。
栓部６５内に付勢部材１６の上端部が配設されている。内容物の吐出後、ステム５２を上方に復元移動させる際に、栓部６５の天壁部が、ピストン５４の内筒６２の下端部に係合し、ピストン５４を上方に復元移動させる。シリンダ５１内において、栓部６５およびピストン５４より下方に位置する部分が貯留空間Ａとなっている。栓部６５の天壁部の上面に、ピストン５４の内筒６２の下端部が当接し、貯留空間Ａとステム５２内との連通が遮断されている。
栓部６５の周壁部の外周面に、シリンダ５１の内周面に近接する近接突起６５ａが周方向に間隔をあけて複数形成されている。ピストンガイド５５が下降端位置に位置した状態で、近接突起６５ａは、シリンダ５１の内周面に設けられた、上方を向く段部に当接する。近接突起６５ａは、栓部６５の周壁部における上下方向の中間部に配設されている。
栓部６５内に付勢部材１６の上端部が配設されている。内容物の吐出後、ステム５２を上方に復元移動させる際に、栓部６５の天壁部が、ピストン５４の内筒６２の下端部に係合し、ピストン５４を上方に復元移動させる。シリンダ５１内において、栓部６５およびピストン５４より下方に位置する部分が貯留空間Ａとなっている。栓部６５の天壁部の上面に、ピストン５４の内筒６２の下端部が当接し、貯留空間Ａとステム５２内との連通が遮断されている。
【0056】
付勢部材１６は、栓部６５を介してピストン５４を上方付勢状態で下方移動可能に支持している。
下部弁体５６は、装着部３４と、第２弁本体（弁本体）３５と、案内部３６と、を備えている。
下部弁体５６は、装着部３４と、第２弁本体（弁本体）３５と、案内部３６と、を備えている。
【0057】
装着部３４および案内部３６それぞれの内側において、装着部３４の周壁より上方に位置する部分を左右方向に仕切る仕切壁３６ａが設けられている。仕切壁３６ａは、表裏面が左右方向を向く板状に形成されている。仕切壁３６ａは、装着部３４の第１貫通孔４８の内周面、案内部３６の周壁の内周面、および案内部３６の頂壁４６の下面に一体に連結されている。
仕切壁３６ａに、上下方向に貫いて案内部３６の頂壁４６の内側、および装着部３４の周壁の内側を互いに上下方向に連通する連絡孔６７が形成されている。連絡孔６７は、共通軸Ｏと同軸に配設されている。連絡孔６７は、装着部３４の周壁の内側を通して、第２弁本体３５の頂壁４５の上面における径方向の中央部に向けて開口している。
仕切壁３６ａに、上下方向に貫いて案内部３６の頂壁４６の内側、および装着部３４の周壁の内側を互いに上下方向に連通する連絡孔６７が形成されている。連絡孔６７は、共通軸Ｏと同軸に配設されている。連絡孔６７は、装着部３４の周壁の内側を通して、第２弁本体３５の頂壁４５の上面における径方向の中央部に向けて開口している。
【0058】
以上のように構成された吐出器２の作用について説明する。
【0059】
吐出ヘッド５３を押下して、ステム５２およびピストンガイド５５を下降移動させると、まず、ピストンガイド５５の栓部６５における天壁部が、ピストン５４の内筒６２の下端部から下方に離れて、貯留空間Ａとステム５２内とが連通し、また、ステム５２の下端部が、ピストン５４の連結部６３に当接する。さらに、この下降移動を継続すると、第２弁本体３５が第２弁座面３１ａに押し付けられた状態で、ピストンガイド５５が付勢部材１６を上下方向に圧縮させながら、ピストン５４が下方に移動し、貯留空間Ａの内圧が上昇する。これにより、シリンダ５１内の内容物が、ピストンガイド５５における周方向で互いに隣り合う近接突起６５ａ同士の間を通して、ステム５２内に流入し、吐出孔２５から吐出される。
以上より、ピストン５４が貯留空間Ａを上下方向に縮小する向きに移動したときに、貯留空間Ａ内が正圧になり、下部弁体１７が供給孔２６を閉塞した状態で、貯留空間Ａ内の内容物が吐出孔２５から吐出される。
以上より、ピストン５４が貯留空間Ａを上下方向に縮小する向きに移動したときに、貯留空間Ａ内が正圧になり、下部弁体１７が供給孔２６を閉塞した状態で、貯留空間Ａ内の内容物が吐出孔２５から吐出される。
【0060】
次に、吐出ヘッド５３の押下を解除すると、付勢部材１６の復元力によって、ピストンガイド５５、ステム５２、および吐出ヘッド５３が一体に上昇する。この過程において、ピストンガイド５５の栓部６５における天壁部が、ピストン５４の内筒６２の下端部に係合し、ピストン５４も上昇する。
これにより、貯留空間Ａが拡張して負圧になり、下部弁体１７において、連結片１７ａが弾性変形しつつ、第２弁本体３５が第２弁座面３１ａから上方に離反し、供給孔２６が開放され、容器本体Ｗ内の内容物が供給孔２６を通して貯留空間Ａに供給される。この際、外気が、導入孔５１ａを通して容器本体Ｗ内に供給される。
以上より、ピストン５４が貯留空間Ａを上下方向に拡張する向きに移動したときに、貯留空間Ａ内が負圧になり、下部弁体１７が供給孔２６を開放し、容器本体Ｗ内の内容物が供給孔２６を通して貯留空間Ａ内に供給される。
これにより、貯留空間Ａが拡張して負圧になり、下部弁体１７において、連結片１７ａが弾性変形しつつ、第２弁本体３５が第２弁座面３１ａから上方に離反し、供給孔２６が開放され、容器本体Ｗ内の内容物が供給孔２６を通して貯留空間Ａに供給される。この際、外気が、導入孔５１ａを通して容器本体Ｗ内に供給される。
以上より、ピストン５４が貯留空間Ａを上下方向に拡張する向きに移動したときに、貯留空間Ａ内が負圧になり、下部弁体１７が供給孔２６を開放し、容器本体Ｗ内の内容物が供給孔２６を通して貯留空間Ａ内に供給される。
【0061】
以上説明したように、本実施形態による吐出器２によれば、第１実施形態の吐出器１と同様の装着部３４、第２弁本体３５、および囲繞筒４０を備えているので、第１実施形態の吐出器１と同様の作用効果を奏する。
装着部３４および案内部３６それぞれの内側に設けられた仕切壁３６ａに、案内部３６の頂壁４６の内側、および装着部３４の周壁の内側を互いに上下方向に連通し、かつ第２弁本体３５の頂壁４５の上面における径方向の中央部に向けて開口した連絡孔６７が形成されているので、ピストン５４が移動して貯留空間Ａが正圧になるときに、内容物を、連絡孔６７を通過させて第２弁本体３５の頂壁４５の上面に確実に押し当てることができる。
装着部３４および案内部３６それぞれの内側に設けられた仕切壁３６ａに、案内部３６の頂壁４６の内側、および装着部３４の周壁の内側を互いに上下方向に連通し、かつ第２弁本体３５の頂壁４５の上面における径方向の中央部に向けて開口した連絡孔６７が形成されているので、ピストン５４が移動して貯留空間Ａが正圧になるときに、内容物を、連絡孔６７を通過させて第２弁本体３５の頂壁４５の上面に確実に押し当てることができる。
【0062】
なお、本発明の技術範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0063】
例えば、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記実施形態および変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0064】
１、２ 吐出器
１１、５１ シリンダ
１３ 吐出弁
１４、５３ 吐出ヘッド
１５、５４ ピストン
１６ 付勢部材
１７、５６ 下部弁体
２５ 吐出孔
２６ 供給孔
３４ 装着部
３５ 第２弁本体（弁本体）
３８ 弁本体
４０ 囲繞筒
４１ 装着部の頂壁
４８ 第１貫通孔（貫通孔）
４９ 第２貫通孔（貫通孔）
Ａ 貯留空間
Ｗ 容器本体
１１、５１ シリンダ
１３ 吐出弁
１４、５３ 吐出ヘッド
１５、５４ ピストン
１６ 付勢部材
１７、５６ 下部弁体
２５ 吐出孔
２６ 供給孔
３４ 装着部
３５ 第２弁本体（弁本体）
３８ 弁本体
４０ 囲繞筒
４１ 装着部の頂壁
４８ 第１貫通孔（貫通孔）
４９ 第２貫通孔（貫通孔）
Ａ 貯留空間
Ｗ 容器本体
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】