(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096292
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】サービス管理システム、取引サーバ及びサービス管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/00 20120101AFI20230630BHJP
【FI】
G06Q20/00
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211932
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】592052416
【氏名又は名称】株式会社 みずほ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 真
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA00
(57)【要約】
【課題】効率的に取引情報を表示するためのサービス管理システム、取引サーバ及びサービス管理方法を提供する。
【解決手段】サービス管理システムは、ユーザ端末10のポータルアプリ111を介して接続されるポータルサーバ30及び決済アプリ112を介して接続される決済サーバ20を備える。決済サーバ20が、ユーザ端末10のポータルアプリで選択された決済アプリ112から取引指示を取得し、取引指示に応じて取引処理を行ない、取引指示についての取引識別情報を、ポータルアプリ111のポータルサーバ30に提供する。ポータルサーバ30は、決済サーバ20から取得した取引識別情報を記録する。そして、ポータルサーバ30は、ポータルアプリ111から取引履歴の照会要求を取得した場合、取引識別情報に関する取引履歴を決済サーバ20から取得し、取引履歴をポータルアプリ111において出力させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末のポータルアプリを介して接続されるポータルサーバ及び取引アプリを介して接続される取引サーバを備えたサービス管理システムであって、
前記取引サーバが、
前記ユーザ端末のポータルアプリで選択された取引アプリから取引指示を取得し、前記取引指示に応じて取引処理を行ない、
前記取引指示についての取引識別情報を、前記ポータルサーバに送信し、
前記ポータルサーバが、
前記取引サーバから取得した取引識別情報を記録し、
前記ポータルアプリから取引履歴の照会要求を取得した場合、前記取引識別情報に関する取引履歴を前記取引サーバから取得し、
前記取引履歴を前記ポータルアプリにおいて出力させることを特徴とするサービス管理システム。
【請求項2】
前記取引指示には、前記ポータルサーバの識別情報と、前記ポータルアプリのユーザ特定情報とを含み、
前記取引サーバが、前記ポータルサーバに、前記ユーザ特定情報及び前記取引識別情報を提供することを特徴とする請求項1に記載のサービス管理システム。
【請求項3】
前記取引サーバが、前記ユーザ端末の取引アプリに、前記取引識別情報を送信し、
前記ポータルサーバは、前記取引アプリに連携された前記ポータルアプリから、前記取引識別情報を取得することを特徴とする請求項1に記載のサービス管理システム。
【請求項4】
前記取引サーバが、前記ユーザ端末において、前記ポータルアプリにおいて、アプリリンク機能により起動された取引アプリから、ポータル識別情報を含めた前記取引指示を取得することを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載のサービス管理システム。
【請求項5】
ユーザ端末の取引アプリを介して接続される取引サーバであって、
前記ユーザ端末のポータルアプリで選択された取引アプリから取引指示を取得し、前記取引指示に応じて取引処理を行ない、
前記取引指示についての取引識別情報を、前記ポータルアプリを提供するポータルサーバに送信し、
前記ポータルアプリからの取引履歴の照会要求に応じて、前記ポータルサーバから取引識別情報を取得し、
前記取引識別情報に関する取引履歴を、前記ポータルアプリにおいて出力させるために前記ポータルサーバに送信することを特徴とする取引サーバ。
【請求項6】
ユーザ端末のポータルアプリを介して接続されるポータルサーバ及び取引アプリを介して接続される取引サーバを備えたサービス管理システムを用いて、サービスを管理する方法であって、
前記取引サーバが、
前記ユーザ端末のポータルアプリで選択された取引アプリから取引指示を取得し、前記取引指示に応じて取引処理を行ない、
前記取引指示についての取引識別情報を、前記ポータルサーバに送信し、
前記ポータルサーバが、
前記取引サーバから取得した取引識別情報を記録し、
前記ポータルアプリから取引履歴の照会要求を取得した場合、前記取引識別情報に関する取引履歴を前記取引サーバから取得し、
前記取引履歴を前記ポータルアプリにおいて出力させることを特徴とするサービス管理方法。
【請求項7】
ユーザ端末の取引アプリを介して接続される取引サーバを用いて、サービスを管理する方法であって、
前記取引サーバが、
前記ユーザ端末のポータルアプリで選択された取引アプリから取引指示を取得し、前記取引指示に応じて取引処理を行ない、
前記取引指示についての取引識別情報を、前記ポータルアプリを提供するポータルサーバに送信し、
前記ポータルアプリからの取引履歴の照会要求に応じて、前記ポータルサーバから取引識別情報を取得し、
前記取引識別情報に関する取引履歴を、前記ポータルアプリにおいて出力させるために前記ポータルサーバに送信することを特徴とするサービス管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、取引情報を表示するためのサービス管理システム、取引サーバ及びサービス管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、インターネットを介して各種サービスが提供されている。このような各種サービスを一覧で把握できるようにするためにポータルサイトシステムが検討されている(例えば、特許文献1を参照)。この文献に記載された技術においては、ポータルサイトシステムは、複数のベンダのサーバと利用者のクライアント端末とがネットワークを介して接続される。そして、各ベンダが提供するアプリケーション、コンテンツ、サービスに利用者を誘導する。
【0003】
また、ユーザ端末に格納された決済アプリケーションによって、光学的に読み取り可能な情報コードを提示し、ユーザ間で電子的な送金を行なう技術が検討されている(例えば、特許文献2を参照)。この文献に記載された技術においては、アカウント識別情報と残高情報とを関連付けて記憶するサーバを用いる。そして、第1のユーザ端末は、送金元ユーザのアカウント識別情報に関連する情報、送金金額情報及び第1のユーザ端末の撮像装置を用いて、送金先ユーザの媒体から読み取られた送金先のアカウント識別情報を含む送金命令をサーバに送信する。サーバは、送金命令を受信すると、送金金額に基づいて、送金元ユーザのアカウント識別情報及び送金先のアカウント識別情報に紐付けられた残高情報を記憶して電子的送金を行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2014/196032号
【特許文献2】特開2019-125287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ポータルサービスを利用することにより、多様なサービスを一つの入り口から利用できる。しかしながら、取引場面は多様であり、決済サービス(取引サービス)を利用する場合にも、ポータルサービスを利用する場合や利用しない場合がある。ポータルサービスと決済サービスとは独立したサービスであるため、ポータルサービスで決済サービスの利用状況を把握できないことがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するサービス管理システムは、ユーザ端末のポータルアプリを介して接続されるポータルサーバ及び取引アプリを介して接続される取引サーバを備える。そして、前記取引サーバが、前記ユーザ端末のポータルアプリで選択された取引アプリから、取引指示を取得し、前記取引指示に応じて取引処理を行ない、前記取引指示についての取引識別情報を、前記ポータルアプリのポータルサーバに提供し、前記ポータルサーバが、前記取引サーバから取得した取引識別情報を記録する。そして、前記ポータルアプリから、取引履歴の照会要求を取得した場合、前記取引識別情報に関する取引履歴を、前記取引サーバから取得し、前記ポータルアプリにおいて出力させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、効率的に取引情報を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態のサービス管理システムの説明図である。
【
図2】実施形態のハードウェア構成の説明図である。
【
図3】実施形態の情報記憶部の説明図であって、(a)は決済ユーザ情報記憶部、(b)は加盟店情報記憶部、(c)は取引情報記憶部、(d)はポータルユーザ情報記憶部の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、
図1~
図5に従って、サービス管理システム、取引サーバ及びサービス管理方法を具体化した実施形態を説明する。本実施形態では、ポータルサイトを介して、取引を行なう場合を想定する。
【0010】
図1に示すように、本実施形態では、ネットワークを介して接続されたユーザ端末10、決済サーバ20、ポータルサーバ30等を用いる。
(ハードウェア構成)
図2を用いて、ユーザ端末10、決済サーバ20、ポータルサーバ30を構成する情報処理装置H10のハードウェア構成を説明する。情報処理装置H10は、通信装置H11、入力装置H12、表示装置H13、記憶部H14、プロセッサH15を備える。なお、このハードウェア構成は一例であり、他のハードウェアにより実現することも可能である。
【0011】
通信装置H11は、他の装置との間で通信経路を確立して、データの送受信を実行するインタフェースであり、例えばネットワークインタフェースや無線インタフェース等である。
【0012】
入力装置H12は、ユーザ等からの入力を受け付ける装置であり、例えばマウスやキーボード等である。表示装置H13は、各種情報を表示するディスプレイ等である。タッチパネルディスプレイ等は、入力装置H12、表示装置H13として機能する。
【0013】
記憶部H14は、ユーザ端末10、決済サーバ20、ポータルサーバ30の各種機能を実行するためのデータや各種プログラムを格納する記憶装置である。記憶部H14の一例としては、ROM、RAM、ハードディスク等がある。
【0014】
プロセッサH15は、記憶部H14に記憶されるプログラムやデータを用いて、ユーザ端末10、決済サーバ20、ポータルサーバ30における各処理を制御する。プロセッサH15の一例としては、例えばCPUやMPU等がある。このプロセッサH15は、ROM等に記憶されるプログラムをRAMに展開して、各処理のための各種プロセスを実行する。
【0015】
プロセッサH15は、自身が実行するすべての処理についてソフトウェア処理を行なうものに限られない。例えば、プロセッサH15は、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行う専用のハードウェア回路(例えば、特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。すなわち、プロセッサH15は、以下で構成し得る。
【0016】
(1)コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ
(2)各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは
(3)それらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)
プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0017】
(システム構成)
次に、
図1を用いて、ユーザ端末10、決済サーバ20、ポータルサーバ30の機能を説明する。
【0018】
ユーザ端末10は、ユーザが用いるコンピュータ端末(例えば、携帯端末)である。このユーザ端末10は、アプリ実行部11を備え、記憶部に格納されたアプリケーションを実行する。本実施形態では、ポータルアプリ111、決済アプリ112を実行する。
【0019】
ポータルアプリ111は、ユーザ端末10において各種サービスの入り口(ポータルサービス)のユーザインターフェースを提供するアプリケーションプログラムである。本実施形態では、ポータルサービスで提供される各種サービスの中に、決済サービスが含まれる。
【0020】
決済アプリ112は、取引アプリとして機能し、ユーザのアカウントを管理するアプリケーションプログラムである。本実施形態では、このアカウントの残高を用いることにより、ユーザは送金や決済を行なうことができる。
ポータルアプリ111、決済アプリ112は、それぞれユーザ端末10のユーザを特定するための情報(ポータルユーザID、決済ユーザID)を保持する。
【0021】
決済サーバ20は、取引サーバとして機能し、決済アプリ112を介して、決済サービスを提供するサービスプロバイダのコンピュータシステムである。この決済サーバ20は、決済アプリ112のユーザが保有するアカウントの残高を管理する。このユーザの中には、決済サービスを用いた決済により、商品やサービスを提供する加盟店も含まれる。この決済サーバ20は、制御部21、決済ユーザ情報記憶部22、加盟店情報記憶部23、取引情報記憶部24を備える。
【0022】
制御部21は、アカウント管理プログラムを実行することにより、アクセス管理部211、取引管理部212として機能する。
アクセス管理部211は、アクセス元を認証する処理を実行する。更に、アクセス管理部211は、ユーザに各種情報を提供するためのAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を備える。このアクセス管理部211は、ポータルサーバ30を認証するためのサーバID、認証情報を保持する。
取引管理部212は、ユーザのアカウントを用いた取引(例えば、決済)を管理する処理を実行する。
【0023】
図3(a)に示すように、決済ユーザ情報記憶部22には、決済ユーザ管理レコード220が記録される。この決済ユーザ管理レコード220は、ユーザによりアカウントが開設された場合に記録され、アカウントを用いた決済、送金やチャージが行なわれた場合に更新される。決済ユーザ管理レコード220には、決済ユーザID、ユーザ情報、認証情報、ユーザ口座、残高に関するデータが記録される。
【0024】
決済ユーザIDデータ領域には、決済アプリ112のユーザのアカウントを特定するための識別子に関するデータが記録される。
ユーザ情報データ領域には、アカウントを保有するユーザに関するデータ(氏名、住所、連絡先等)が記録される。
【0025】
認証情報データ領域には、ユーザを認証するためのデータが記録される。
ユーザ口座データ領域には、このユーザが保有している金融機関口座を特定するための識別子(金融機関コード、本支店コード、口座種別、口座番号等)に関するデータが記録される。このユーザ口座は、例えば、残高へのチャージを行なうために用いられる。
【0026】
残高データ領域には、このアカウントの残高に関するデータが記録される。
更に、決済ユーザ情報記憶部22には、決済ユーザ管理レコード220に関連付けて、取引履歴レコード221が記録されている。
【0027】
取引履歴レコード221は、ユーザのアカウントを利用して取引が行なわれた場合に記録される。取引履歴レコード221には、取引ID、取引日時、取引内容、金額に関するデータが記録される。
【0028】
取引IDデータ領域には、各取引を特定するための識別子(取引識別情報)に関するデータが記録される。
取引日時データ領域には、取引が行なわれた年月日及び時刻に関するデータが記録される。
【0029】
取引内容データ領域には、取引の種類(決済、送金等)、送金先に関するデータが記録される。
金額データ領域には、取引が行なわれた金額に関するデータが記録される。
【0030】
図3(b)に示すように、加盟店情報記憶部23には、加盟店管理レコード230が記録される。この加盟店管理レコード230は、加盟店によりアカウントが開設された場合に記録され、決済が行なわれた場合に更新される。加盟店管理レコード230には、加盟店ID、加盟店情報、認証情報、加盟店口座、売上に関するデータが記録される。
【0031】
加盟店IDデータ領域には、加盟店のアカウントを特定するための識別子に関するデータが記録される。
加盟店情報データ領域には、アカウントを保有する加盟店に関するデータ(氏名、住所、連絡先等)が記録される。
【0032】
認証情報データ領域には、加盟店を認証するためのデータが記録される。
加盟店口座データ領域には、この加盟店が保有している金融機関口座を特定するための識別子(金融機関コード、本支店コード、口座種別、口座番号等)に関するデータが記録される。この加盟店口座は、例えば、売上の送金を行なうために用いられる。
売上データ領域には、この加盟店の売上額に関するデータが記録される。
【0033】
更に、加盟店情報記憶部23には、加盟店管理レコード230に関連付けて、取引履歴レコード231が記録されている。
【0034】
取引履歴レコード231は、加盟店のアカウントを利用して取引が行なわれた場合に記録される。取引履歴レコード231には、取引ID、取引日時、取引内容、金額に関するデータが記録される。
【0035】
取引IDデータ領域には、各取引を特定するための識別子(取引識別情報)に関するデータが記録される。
取引日時データ領域には、取引が行なわれた年月日及び時刻に関するデータが記録される。
【0036】
取引内容データ領域には、取引の種類(決済等)、送金元に関するデータが記録される。
金額データ領域には、取引が行なわれた金額に関するデータが記録される。
【0037】
図3(c)に示すように、取引情報記憶部24には、ユーザの取引に関する取引管理レコード240が記録される。取引管理レコード240は、取引を行なう場合に記録される。取引管理レコード240には、取引ID、取引日時、送金元ID、送金先ID、金額に関するデータが含まれる。
【0038】
取引IDデータ領域には、各取引を特定するための識別子に関するデータが記録される。
取引日時データ領域には、この取引を受け付けた年月日及び時刻に関するデータが記録される。
【0039】
送金元IDデータ領域には、この取引における送金元のアカウントを特定するための識別子に関するデータが記録される。
送金先IDデータ領域には、この取引における送金先のアカウントを特定するための識別子に関するデータが記録される。
金額データ領域には、取引金額に関するデータが記録される。
【0040】
図1に示すポータルサーバ30は、ポータルアプリ111を介して、ユーザに対して各種サービスを提供するポータルサービスを提供するサービスプロバイダのコンピュータシステムである。ポータルサーバ30は、ポータルアプリ111を使用するユーザ情報を管理する。このポータルサーバ30は、制御部31、ポータルユーザ情報記憶部32を備える。
制御部31は、ユーザ管理プログラムを実行することにより、ユーザ管理部として機能する。
【0041】
図3(d)に示すように、ポータルユーザ情報記憶部32には、ポータルユーザ管理レコード320が記録される。このポータルユーザ管理レコード320は、ユーザ情報が登録された場合に記録される。ポータルユーザ管理レコード320には、ポータルユーザID、個人情報、利用サービス、取引履歴に関するデータが記録される。
【0042】
ポータルユーザIDデータ領域には、ポータルアプリ111の各ユーザを特定するための識別子(ユーザ特定情報)に関するデータが記録される。
個人情報データ領域には、このユーザの氏名や住所、属性等の個人情報に関するデータが記録される。
【0043】
利用サービスデータ領域には、このユーザが利用しているサービスを特定するための識別子に関するデータが記録される。この利用サービスには、決済サーバ20が提供する決済サービスも含まれる。この利用サービス識別子を用いることにより、各サービスを提供するサーバのアクセス先(決済サーバ20)を特定することができる。
取引履歴データ領域には、このユーザが行なった取引を特定するための識別子(取引ID)に関するデータが、取得日時に関連付けて記録される。
【0044】
(サービス管理方法)
次に、
図4~
図5を用いて、サービス管理方法を説明する。ここでは、決済時処理(
図4)、照会時処理(
図5)について説明する。決済時処理は、ポータルアプリ111によって指定された決済アプリ112を用いて、取引(例えば、決済)が行なわれた場合に実行される。照会時処理は、ポータルアプリ111を用いて取引履歴を取得する場合に実行される。
【0045】
(決済時処理)
まず、
図4を用いて、決済時処理を説明する。
ここでは、ユーザがユーザ端末10を利用し、決済手段のアカウントの残高を用いて、取引を行なう場合を想定する。
【0046】
ユーザ端末10のアプリ実行部11は、ポータルアプリ起動処理を実行する(ステップS101)。具体的には、ユーザは、ポータルアプリ111の起動を指示する。この場合、アプリ実行部11は、ポータルアプリ111を起動する。そして、ポータルアプリ111は、表示装置H13に、ポータル画面を出力する。
【0047】
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、決済手段の選択処理を実行する(ステップS102)。具体的には、ポータルアプリ111は、ポータル画面におけるユーザの指示に応じて、決済手段選択画面を表示装置H13に出力する。そして、決済手段選択画面を用いて、ユーザは所望の決済手段を選択する。この場合、ポータルアプリ111は、選択された決済手段の決済アプリ112の起動を指示する。この起動指示には、ポータル識別情報、ポータルユーザIDに関する情報を含める。このポータル識別情報により、ユーザが利用するポータルサービスを特定することができる。
【0048】
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、決済アプリ起動処理を実行する(ステップS103)。具体的には、アプリ実行部11は、ディープリンク(アプリリンク機能)により、決済アプリ112を起動する。
【0049】
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、決済入力処理を実行する(ステップS104)。具体的には、決済アプリ112は、表示装置H13に決済設定画面を出力する。そして、決済設定画面において、ユーザ端末10のカメラを起動し、店舗に配置された2次元コード画像を読み取る。この2次元コード画像には、加盟店の加盟店IDに関する情報が含まれる。そして、ユーザは、この決済設定画面に、支払金額(取引金額)を入力する。
【0050】
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、決済指示処理を実行する(ステップS105)。具体的には、決済アプリ112は、決済指示が入力された場合、決済依頼(取引指示)を決済サーバ20に送信する。この決済依頼には、ポータル識別情報、ポータルユーザID、送金元の決済ユーザID、加盟店の加盟店ID、金額に関する情報が含まれる。なお、送金元の決済ユーザIDは決済アプリ112が保持している決済ユーザIDである。
【0051】
次に、決済サーバ20の制御部21は、決済処理を実行する(ステップS106)。具体的には、制御部21の取引管理部212は、取得した決済依頼に対して、取引IDを付与する。そして、取引管理部212は、取引ID、取引日時(現在日時)、送金元ID(ユーザの決済ユーザID)、送金先ID(加盟店の加盟店ID)、金額を記録した取引管理レコード240を生成し、取引情報記憶部24に記録する。
【0052】
そして、取引管理部212は、送金元のアカウントの残高から取引金額を差し引くとともに、送金先のアカウントの残高に取引金額を加算する。次に、取引管理部212は、取引ID、取引日時(現在日時)、取引内容(加盟店の加盟店ID)、金額を記録した取引履歴レコード221を生成し、決済ユーザ情報記憶部22に記録する。
【0053】
次に、決済サーバ20の制御部21は、取引IDの提供処理を実行する(ステップS107)。具体的には、制御部21の取引管理部212は、取引情報をポータル識別情報によって特定されるポータルサーバ30に送信する。この取引情報には、ポータルユーザID、取引IDに関する情報を含める。
【0054】
次に、ポータルサーバ30の制御部31は、取引IDの記録処理を実行する(ステップS108)。具体的には、制御部31は、取得したポータルユーザIDを含むポータルユーザ管理レコード320の取引履歴データ領域に、取得日時(現在日時)に関連付けて取引IDを記録する。
【0055】
(照会時処理)
次に、
図5を用いて、照会時処理を説明する。
ここでは、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、ポータルアプリ起動処理を実行する(ステップS201)。具体的には、ユーザが、取引履歴を確認する場合、ポータルアプリ111を起動する。この場合、ポータルアプリ111は、表示装置H13に、ポータル画面を出力する。
【0056】
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、決済履歴の照会処理を実行する(ステップS202)。具体的には、ユーザの指示に応じて、ポータル画面において、決済履歴の表示を指示する。この場合、ポータルアプリ111は、ポータルサーバ30に取引履歴の照会要求を送信する。この照会要求には、ポータルユーザIDに関する情報を含める。
【0057】
次に、ポータルサーバ30の制御部31は、取引IDの特定処理を実行する(ステップS203)。具体的には、制御部31は、ポータルユーザ情報記憶部32から、取得したポータルユーザIDが記録されたポータルユーザ管理レコード320を取得する。そして、ポータルユーザ管理レコード320に記録されている取引IDのうち、取得日時が直近所定期間の取引IDを取得する。
【0058】
次に、ポータルサーバ30の制御部31は、API連携処理を実行する(ステップS204)。具体的には、制御部31は、決済サーバ20のAPIを用いる。このため、制御部31は、決済サーバ20のAPIに対して、ポータルサーバ30のサーバID、認証情報を含めた認証要求を送信する。この場合、決済サーバ20の制御部21のアクセス管理部211は、サーバIDを認証する。サーバIDを認証できた場合、制御部21は、ポータルサーバ30に対してアクセストークンを発行する。次に、制御部31は、取引情報要求を送信する。この取引情報要求には、ポータルユーザ管理レコード320において特定した取引ID及びアクセストークンを含める。
【0059】
次に、決済サーバ20の制御部21は、取引IDの決済履歴の提供処理を実行する(ステップS205)。具体的には、制御部21のアクセス管理部211は、アクセストークンを用いて、API連携元のポータルサーバ30を認証する。そして、認証を完了した場合には、アクセス管理部211は、取引IDが記録された取引管理レコード240を取引情報記憶部24から取得する。そして、アクセス管理部211は、ポータルサーバ30に対して取引履歴を提供する。
【0060】
次に、ポータルサーバ30の制御部31は、取引IDの決済履歴の送信処理を実行する(ステップS206)。具体的には、制御部31は、取得した取引履歴をユーザ端末10に提供する。
【0061】
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、表示処理を実行する(ステップS207)。具体的には、ポータルアプリ111は、取得した取引履歴を、表示装置H13に出力されたポータル画面において表示する。
【0062】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、決済指示処理を実行する(ステップS105)。具体的には、決済アプリ112は、決済指示が入力された場合、決済依頼を決済サーバ20に送信する。この決済依頼には、ポータル識別情報、ポータルユーザID、送金元の決済ユーザID、加盟店の加盟店ID、金額に関する情報が含まれる。これにより、決済サーバ20は、利用されたポータルサーバ30を把握することができる。
【0063】
(2)本実施形態では、決済サーバ20の制御部21は、取引IDの提供処理を実行する(ステップS107)。これにより、ポータルサーバ30は、ユーザが取引を行なった取引IDを把握することができる。
【0064】
(3)本実施形態では、ポータルサーバ30の制御部31は、取引IDの特定処理(ステップS203)、API連携処理(ステップS204)を実行する。決済サーバ20の制御部21は、取引IDの決済履歴の提供処理を実行する(ステップS205)。これにより、ポータルアプリ111内において、決済アプリ112の取引情報を出力することができる。
【0065】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、決済サーバ20の制御部21は、取引IDの提供処理を実行する(ステップS107)。具体的には、制御部21の取引管理部212は、取引情報をポータル識別情報によって特定されるポータルサーバ30に送信する。ポータルサーバ30は、ユーザ毎の取引IDを保持できれば、取引IDの提供方法は限定されない。
【0066】
図6を用いて、他の決済時処理を説明する。
ユーザ端末10のアプリ実行部11は、ステップS101,S102と同様に、ポータルアプリ起動処理(ステップS301)、決済手段の選択処理(ステップS302)を実行する。
【0067】
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、ステップS103~S105と同様に、決済アプリ起動処理(ステップS303)、決済入力処理(ステップS304)、決済指示処理(ステップS305)を実行する。
【0068】
次に、決済サーバ20の制御部21は、ステップS106と同様に、決済処理を実行する(ステップS306)。
次に、決済サーバ20の制御部21は、取引IDの提供処理を実行する(ステップS307)。具体的には、制御部21の取引管理部212は、取引情報をユーザ端末10に送信する。この取引情報には、ポータル識別情報、取引IDに関する情報を含める。
【0069】
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、ポータルアプリに取引IDの提供処理を実行する(ステップS308)。具体的には、決済アプリ112は、ディープリンクにより、ポータル識別情報に対応するポータルアプリ111に取引IDを提供する。
【0070】
次に、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、取引IDのアップロード処理を実行する(ステップS309)。具体的には、ポータルアプリ111は、ポータルサーバ30に、取引情報を送信する。この取引情報には、ポータルアプリ111が保持しているポータルユーザID、決済アプリ112から取得した取引IDを含める。
【0071】
次に、ポータルサーバ30の制御部31は、ステップS108と同様に、取引IDの記録処理を実行する(ステップS310)。
これにより、決済サーバ20は、ユーザ端末10を介して、ポータルサーバ30に取引IDを提供することができる。
【0072】
・上記実施形態では、ユーザ端末10のアプリ実行部11は、決済入力処理を実行する(ステップS104)。ここでは、店舗に配置された2次元コード画像を読み取る。決済方法は、店舗に配置された2次元コード画像を読み取る場合に限定されない。例えば、取引時に、店舗端末が、決済サーバ20にアクセスし、決済サーバ20において発行された取引IDを含めた2次元コード画像を取得してもよい。また、取引時に、ユーザ端末10の表示装置H13に表示された2次元コード画像を、店舗端末で読み取ってもよい。この場合も、取引時に、ユーザ端末10が、決済サーバ20にアクセスし、決済サーバ20において発行された取引IDを含めた2次元コード画像を取得してもよい。
【0073】
・上記実施形態では、決済時処理において、決済サーバ20の制御部21は、決済処理を実行する(ステップS106)。そして、ポータルサーバ30の制御部31は、取引IDの記録処理を実行する(ステップS108)。取引IDを記録できれば、決済時に限定されるものではなく、ポータルサーバ30を介して、決済サーバ20を用いた取引処理に適用できる。例えば、ポータルサーバ30を介しての決済サーバ20を用いた送金、入出金、チャージ、ポイント付与、ポータルサーバ30での他のサービスとの連携等での取引において、発行された取引IDを記録する。
【0074】
また、送金時に、受取人のユーザ端末10にも、ポータルアプリ111がインストールされている場合には、ポータルユーザ情報記憶部32において受取人のポータルユーザ管理レコード320にも取引IDを記録してもよい。この場合には、決済手段の選択処理(ステップS102)の起動指示に、送金人のポータルユーザID及び受取人のポータルユーザIDを含める。
【符号の説明】
【0075】
10…ユーザ端末、11…アプリ実行部、111…ポータルアプリ、112…決済アプリ、20…決済サーバ、21…制御部、211…アクセス管理部、212…取引管理部、22…決済ユーザ情報記憶部、24…取引履歴記憶部、30…ポータルサーバ、31…制御部、32…ポータルユーザ情報記憶部。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末のポータルアプリを介して接続されるポータルサーバ及び取引アプリを介して接続される取引サーバを備えたサービス管理システムであって、
前記取引サーバが、
前記ユーザ端末のポータルアプリで、前記ユーザ端末に格納されている取引アプリの中で選択された取引アプリから取引指示を取得し、前記取引指示に応じて、前記取引アプリの決済ユーザIDのアカウントを用いて取引処理を行ない、
前記取引指示についての取引識別情報を、前記決済ユーザIDに関連付けられたポータルユーザIDとともに、前記ポータルサーバに送信し、
前記ポータルサーバが、
前記取引サーバから取得した取引識別情報を前記ポータルユーザIDに関連付けて記録し、
前記ポータルアプリから前記ポータルユーザIDについての取引履歴の照会要求を取得した場合、前記取引識別情報に関する取引履歴を前記取引サーバから取得し、
前記取引履歴を前記ポータルアプリにおいて出力させることを特徴とするサービス管理システム。
【請求項2】
ユーザ端末のポータルアプリを介して接続されるポータルサーバ及び取引アプリを介して接続される取引サーバを備えたサービス管理システムであって、
前記取引サーバが、
前記ユーザ端末のポータルアプリで、前記ユーザ端末に格納されている取引アプリの中で選択された取引アプリから取引指示を取得し、前記取引指示に応じて、前記取引アプリの決済ユーザIDのアカウントを用いて取引処理を行ない、
前記取引指示についての取引識別情報を、前記ユーザ端末に格納されている前記取引アプリと前記ポータルアプリとを介して、前記ポータルアプリのポータルユーザIDとともに、前記ポータルサーバに送信し、
前記ポータルサーバが、
前記取引サーバから取得した取引識別情報を前記ポータルユーザIDに関連付けて記録し、
前記ポータルアプリから前記ポータルユーザIDについての取引履歴の照会要求を取得した場合、前記取引識別情報に関する取引履歴を前記取引サーバから取得し、
前記取引履歴を、前記ポータルアプリにおいて出力させることを特徴とするサービス管理システム。
【請求項3】
前記取引サーバが、前記ユーザ端末において、前記ポータルアプリにおいて、アプリリンク機能により起動された取引アプリから、ポータル識別情報を含めた前記取引指示を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載のサービス管理システム。
【請求項4】
ユーザ端末のポータルアプリを介して接続されるポータルサーバ及び取引アプリを介して接続される取引サーバを備えたサービス管理システムを用いて、サービスを管理する方法であって、
前記取引サーバが、
前記ユーザ端末のポータルアプリで、前記ユーザ端末に格納されている取引アプリの中で選択された取引アプリから取引指示を取得し、前記取引指示に応じて、前記取引アプリの決済ユーザIDのアカウントを用いて取引処理を行ない、
前記取引指示についての取引識別情報を、前記決済ユーザIDに関連付けられたポータルユーザIDとともに、前記ポータルサーバに送信し、
前記ポータルサーバが、
前記取引サーバから取得した取引識別情報を前記ポータルユーザIDに関連付けて記録し、
前記ポータルアプリから前記ポータルユーザIDについての取引履歴の照会要求を取得した場合、前記取引識別情報に関する取引履歴を前記取引サーバから取得し、
前記取引履歴を前記ポータルアプリにおいて出力させることを特徴とするサービス管理方法。
【請求項5】
ユーザ端末のポータルアプリを介して接続されるポータルサーバ及び取引アプリを介して接続される取引サーバを備えたサービス管理システムを用いて、サービスを管理する方法であって、
前記取引サーバが、
前記ユーザ端末のポータルアプリで、前記ユーザ端末に格納されている取引アプリの中で選択された取引アプリから取引指示を取得し、前記取引指示に応じて、前記取引アプリの決済ユーザIDのアカウントを用いて取引処理を行ない、
前記取引指示についての取引識別情報を、前記ユーザ端末に格納されている前記取引アプリと前記ポータルアプリとを介して、前記ポータルアプリのポータルユーザIDとともに、前記ポータルサーバに送信し、
前記ポータルサーバが、
前記取引サーバから取得した取引識別情報を前記ポータルユーザIDに関連付けて記録し、
前記ポータルアプリから前記ポータルユーザIDについての取引履歴の照会要求を取得した場合、前記取引識別情報に関する取引履歴を前記取引サーバから取得し、
前記取引履歴を、前記ポータルアプリにおいて出力させることを特徴とするサービス管理方法。