(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096324
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】ネット保持具
(51)【国際特許分類】
E03C 1/262 20060101AFI20230630BHJP
【FI】
E03C1/262 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211986
(22)【出願日】2021-12-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】512064099
【氏名又は名称】株式会社シンカテック
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】山田 常雄
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061DA01
2D061DE13
2D061DE18
(57)【要約】
【課題】本発明は、異物を堰き止めることと容易に掃除できることとを両立しうるヘアキャッチャーを実現しうるネット保持具を提供しようとするものである。
【解決手段】排水口に装着可能なネット保持具1であって、椀状の陥没部と、陥没部の周縁から外方に延びるフランジ部3と、を備え、陥没部に、複数の通水孔部4が設けられ、排水口に設けられている突起物を回避するための構造物として、フランジ部3の内周32が外周31側に引退する引退部分33、および、フランジ部3の一部を除去可能な離脱部分、の少なくとも一つが、フランジ部3の内周32の、通水孔部4aに接する箇所の一つまたは複数に設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水口に装着可能なネット保持具であって、
椀状の陥没部と、前記陥没部の周縁から外方に延びるフランジ部と、を備え、
前記陥没部に、複数の通水孔部が設けられ、
前記排水口に設けられている突起物を回避するための構造物として、前記フランジ部の内周が外周側に引退する引退部分、および、前記フランジ部の一部を除去可能な離脱部分、の少なくとも一つが、前記フランジ部の内周の、前記通水孔部に接する箇所の一つまたは複数に設けられているネット保持具。
【請求項2】
前記構造物として、前記引退部分が設けられている請求項1に記載のネット保持具。
【請求項3】
前記構造物として、前記離脱部分が、前記引退部分に隣接する位置にさらに設けられている請求項2に記載のネット保持具。
【請求項4】
前記フランジ部の内周の直径が105mm以上130mm以下である請求項1~3のいずれか一項に記載のネット保持具。
【請求項5】
前記通水孔部の数が20箇所以下である請求項1~4のいずれか一項に記載のネット保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水口に装着可能なネット保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、浴室などの排水口には、髪の毛などの異物が排水口に流入することを防ぐ部材であるヘアキャッチャーが設置される。ヘアキャッチャーは、典型的には複数の孔を有する目皿状の部材であり、排水口の開口部を閉鎖して設置され、髪の毛などの異物を堰き止めるとともに、水を通過させる役割を果たす。たとえば特許文献1および2を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-177542号公報
【特許文献2】特開2018-3576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ヘアキャッチャーは、水回りで使用されるため、水垢などが付着しやすい部材である。そのため、清潔な使用状態を保つためには、定期的に目皿を掃除して水垢などを除去する必要がある。ここで、排水口への異物の流入を効果的に抑制するためには、孔の大きさを小さくすることが有効であるが、この場合は掃除が難しくなる。反対に、孔の大きさを大きくすると、掃除が容易になる一方で、排水口への異物の流入を十分に防止できないおそれがある。このように、従来のヘアキャッチャーでは、異物を堰き止めることと、容易に掃除できることとを両立することが難しかった。
【0005】
上記の事情に鑑み、本発明は、異物を堰き止めることと容易に掃除できることとを両立しうるヘアキャッチャーを実現しうるネット保持具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るネット保持具は、排水口に装着可能なネット保持具であって、椀状の陥没部と、前記陥没部の周縁から外方に延びるフランジ部と、を備え、前記陥没部に、複数の通水孔部が設けられ、前記排水口に設けられている突起物を回避するための構造物として、前記フランジ部の内周が外周側に引退する引退部分、および、前記フランジ部の一部を除去可能な離脱部分、の少なくとも一つが、前記フランジ部の内周の、前記通水孔部に接する箇所の一つまたは複数に設けられていることを特徴とする。
【0007】
上記の構成のネット保持具に使い捨てネットを装着して排水口に設置すれば、異物を堰き止めることができ、ヘアキャッチャーとして機能する。また、使い捨てネットを交換するだけの簡単な作業により、蓄積した水垢などを除去できるので、掃除が容易である。
【0008】
さらに、排水口に設けられている突起物を回避するための構造物が設けられているので、種々の形状の排水口に設置できる。すなわち、既設の排水口の形状の影響を受けにくい汎用性が高いヘアキャッチャーを提供できる。
【0009】
以下、本発明の好適な態様について説明する。ただし、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定されるわけではない。
【0010】
本発明に係るネット保持具は、一態様として、前記構造物として、前記引退部分が設けられていることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、ネット保持具に加工を加えることなく突起物を回避できるので、ネット保持具の設置が容易である。
【0012】
本発明に係るネット保持具は、一態様として、前記構造物として、前記離脱部分が、前記引退部分に隣接する位置にさらに設けられていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、引退部分を利用して突起物を回避できる場合と、離脱部分を除去して突起物を回避する必要がある場合と、に応じて、離脱部分を除去するかどうかを決定できる。これによって、ネット保持具の汎用性が一層高まる。
【0014】
本発明に係るネット保持具は、一態様として、前記フランジ部の内周の直径が105mm以上130mm以下であることが好ましい。
【0015】
一般に流通している排水口の直径が概ね70mm以上100mm以下の範囲にあるので、上記の構成のネット保持具は、一般に流通している排水口の多くに設置可能である。
【0016】
本発明に係るネット保持具は、一態様として、前記通水孔部の数が20箇所以下であることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、ひとつひとつの通水孔部が小さくなりにくいので、ネット保持具の掃除が比較的容易である。
【0018】
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係るネット保持具の平面図である。
【
図2】実施形態に係るネット保持具の正面図である。
【
図3】実施形態に係るネット保持具の表面側の斜視図である。
【
図4】実施形態に係るネット保持具の裏面側の斜視図である。
【
図5】実施形態に係るネット保持具の裏面側の斜視図である。
【
図6】実施形態に係るネット保持具の底面図である。
【
図7】実施形態に係るネット保持具の使用状態を示す図である。
【
図8】第一の変形例に係るネット保持具の平面図および底面図である。
【
図9】第二の変形例に係るネット保持具の平面図および斜視図である。
【
図10】第三の変形例に係るネット保持具の平面図、正面図、および底面図である。
【
図11】第三の変形例に係るネット保持具の裏面側の斜視図および表面側の斜視図である。
【
図12】第四の変形例に係るネット保持具の平面図および斜視図である。
【
図13】第五の変形例に係るネット保持具の平面図、正面図、および底面図である。
【
図14】第五の変形例に係るネット保持具の裏面側の斜視図および表面側の斜視図である。
【
図15】第六の変形例に係るネット保持具の平面図、正面図、および底面図である。
【
図16】第六の変形例に係るネット保持具の裏面側の斜視図および表面側の斜視図である。
【
図17】第七の変形例に係るネット保持具の平面図および底面図である。
【
図18】第七の変形例に係るネット保持具の表面側の斜視図である。
【
図19】第八の変形例に係るネット保持具の平面図および正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係るネット保持具の実施形態について、図面を参照して説明する。以下では、本発明に係るネット保持具を、浴室の排水口Dに装着可能なネット保持具1(
図1~
図7)に適用した例について説明する。
【0021】
〔ネット保持具の構成〕
ネット保持具1は、使い捨てネット(不図示)を装着した状態で、排水口Dに装着可能なヘアキャッチャーとして機能する治具である。ネット保持具1は、椀状の陥没部2と、陥没部2の周縁から外方に延びるフランジ部3と、を備える。なお、陥没部2が陥没している側をネット保持具1の表側と称し、陥没部2が突出している側をネット保持具1の裏側と称する。
【0022】
ネット保持具1を排水口Dに装着するときには、陥没部2を排水口Dに突入させ、フランジ部3を排水口Dの縁に係止させる。本実施形態に係るネット保持具1では、フランジ部3が円環状に設けられており、ネット保持具1を排水口Dに装着した状態において、フランジ部3と排水口Dとが同心円状に配置されるようになっている。したがって、フランジ部3の直径は、排水口Dの直径より大きい。典型的には、フランジ部3の外周31の直径は120mm以上150mm以下であり、内周32の直径は105mm以上130mm以下である。これは、一般に流通している排水口Dの直径が概ね70mm以上100mm以下の範囲にあることに対応している。
【0023】
陥没部2には、十三の通水孔部4が設けられている。ネット保持具1を排水口Dに装着した状態であっても、通水孔部4を通じて排水が可能である。本実施形態では、通水孔部4の面積が500mm2以上1500mm2以下である。
【0024】
本実施形態では、十三の通水孔部4のうちの八つが、フランジ部3の内周32に接して設けられている。このうち四つの通水孔部4(以下では区別のため、第一通水孔部4aと称する。)とフランジ部3とが接する箇所において、フランジ部3の内周32が外周31側に引退する引退部分33が設けられている。
図1では、内周32の仮想円Cを二点鎖線で示しており、引退部分33においてフランジ部3が当該仮想円Cより引退していることを示している。
【0025】
また、フランジ部3の裏面(陥没部2が突出している側の面である。)の引退部分33に接する箇所に、二つの溝34によって画定される離脱部分35が設けられている。溝34がフランジ部3の他の部分より薄肉に形成されているので、離脱部分35の両側の溝34においてフランジ部3を折ることによって、離脱部分35を除去できる。溝34においてフランジ部3を折る操作は、手作業により簡単に実施できる。本実施形態では、四つの引退部分33のうちの二つに対応する二箇所に、離脱部分35が設けられている。
【0026】
陥没部2は、椀状の形状の底にあたる底部分21と、底部分21とフランジ部3とを連接する斜面部分22と、からなり、底部分21および斜面部分22の双方に通水孔部4が設けられている。第一通水孔部4aは、斜面部分22に設けられている十二の通水孔部4のうちの四つである。
【0027】
底部分21は、ネットが装着された状態において、ネットにかかる荷重を支える役割と果たす。特に、排水口Dに水が流入するときに、ネットが下方に押し込まれるが、これを底部分21で支えることによって、ネット保持具1からネットが脱落することを防ぐ。また、斜面部分22を設けて陥没部2を椀状に形成していることによって、排水口Dに水が流入するときに、陥没部2に水を受け入れることができ、排水口Dから水が溢れ出すことを防ぐ。
【0028】
陥没部2の実体部分は、通水孔部4に比して幅が狭いフレーム部分23として設けられており、フレーム部分23およびフランジ部3によって通水孔部4が画定されている。フレーム部分23は、底部分21に設けられている底部フレーム部分23a、フランジ部3と底部フレーム部分23aとを接続する斜面フレーム部分23b、および、隣接する二つの斜面フレーム部分23bを架橋する架橋フレーム部分23cを含む。
【0029】
底部分21では、四つの底部フレーム部分23aが四角形を形成している。なお、当該四角形の各頂点の外方に、引退部分33が配置されている。
【0030】
また、椀状に陥没する斜面部分22の形状が底部フレーム部分23aおよび斜面フレーム部分23bによって画定され、当該形状が架橋フレーム部分23cによって補強されているといえる。なお、本実施形態では、斜面フレーム部分23bおよび架橋する架橋フレーム部分23cの表側に面取り加工が施されている。
【0031】
ネット保持具1を構成する素材は、水回りでの使用に適した素材である限りにおいて特に限定されず、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどの樹脂材料や、ステンレスやアルミニウムなどの金属材料が例示される。また、ネット保持具1の製造は、使用される素材をネット保持具1の形状に加工しうる公知の方法によって実施できる。たとえば、樹脂材料を使用する場合は、典型的には射出成形または三次元印刷を適用できる。
【0032】
〔ネット保持具の使用方法〕
ネット保持具1を使用するときは、あらかじめ使い捨てネット(不図示)が装着された状態のネット保持具1を、排水口Dに装着する。本実施形態に係るネット保持具1では、フランジ部3の内周32の直径を、排水口Dの直径より大きくしてあり、これによって、排水口Dの縁にフランジ部3を係止させる態様でネット保持具1を設置できる。また、排水口Dの縁とフランジ部3との間にネットを挟み込んで、ネットを固定する。
【0033】
排水口Dは、排水口Dと、当該排水口Dに装着可能な目皿(不図示)と、を含む排水口ユニットとして、浴室に装備されている。排水口ユニットを設置した当初の状態では、初期装備の目皿がヘアキャッチャーとして機能するが、清潔な使用状態を保つためには、定期的に目皿を掃除して水垢などを除去する必要がある。本実施形態では、目皿に替えて、使い捨てネットが装着された状態のネット保持具1をヘアキャッチャーとして用いるので、使い捨てネットを交換するだけの簡単な操作によって、水垢などを除去できる。
【0034】
図7に、本実施形態に係るネット保持具1を排水口Dに装着した状態を示す。ただし、簡単のため、使い捨てネットの図示を省略してある。排水口Dには、初期装備の目皿を係止するための突起物Pが設けられている。本実施形態に係るネット保持具1を排水口Dに装着するときは、目皿に替えてネット保持具1を設置するため、突起物Pとネット保持具1とが干渉しないようにする必要がある。本実施形態では、引退部分33と突起物Pとを位置合わせすれば、突起物Pとネット保持具1(フランジ部3)との干渉を回避できる。
【0035】
また、前述のように、溝34を手作業により折ることで、離脱部分35をフランジ部3から除去できる。フランジ部3から離脱部分35を除去すれば突起物Pの回避が一層容易になるので、排水口Dにおける突起物Pの位置および形状を考慮して、必要に応じて離脱部分35を除去すればよい。
【0036】
すなわち、引退部分33および離脱部分35は、いずれも、排水口Dに設けられている突起物Pを回避するための構造物として設けられている。
【0037】
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係るネット保持具のその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0038】
上記の実施形態では、フランジ部3に引退部分33および離脱部分35が設けられている構成を例として説明した。しかし、本発明に係るネット保持具において、排水口に設けられている突起物を回避するための構造物として、引退部分および離脱部分の少なくとも一つが設けられていればよい。たとえば、当該構造物として離脱部分35のみを設けたネット保持具1A(第一の変形例)を
図8に示す。
【0039】
上記の実施形態では、フランジ部3の外周31の直径が120mm以上150mm以下であり、内周32の直径が105mm以上130mm以下であり、通水孔部4の面積が500mm2以上1500mm2以下である構成を例として説明した。しかし、本発明に係るネット保持具の各部の寸法は特に限定されず、設置先の排水口の寸法に応じて適宜選択されうる。ただし、通水孔部4の面積が400mm2以上であると、ひとつひとつの通水孔部が小さすぎないので、ネット保持具の掃除が比較的容易である。
【0040】
上記の実施形態では、十三の通水孔部4が設けられている構成を例として説明した。しかし、本発明に係るネット保持具において、通水孔部の数は限定されない。ただし、一般に流通している排水口の直径が概ね70mm以上100mm以下の範囲にあり、当該排水口に設置しうる寸法でネット保持具を構成することに鑑みると、通水孔部の数が20箇所以下であると、ひとつひとつの通水孔部が小さすぎないので、ネット保持具の掃除が比較的容易である。
【0041】
上記の実施形態では、斜面フレーム部分23bおよび架橋する架橋フレーム部分23cの表側に面取り加工が施されている構成を例として説明した。しかし、本発明において、面取り加工の有無は任意である。斜面フレーム部分23bおよび架橋フレーム部分23cの表裏のいずれにも面取り加工が施されていないネット保持具1B(第二の変形例)を
図9に示す。
【0042】
上記の実施形態では、フランジ部3が円形である構成を例として説明した。しかし、本発明において、フランジ部の形状は任意である。フランジ部3が、四隅に丸め加工を施した四角形であるネット保持具1C(第三の変形例)を
図10および
図11に示す。なお、フランジ部3が円形である場合と同様に、円周状の内周32(仮想円C)を有する。
【0043】
上記の実施形態では、底部分21において四つの底部フレーム部分23aが四角形を形成している構成を例として説明した。しかし、本発明において底部分21の形状は任意である。底部分21が円形に形成されているネット保持具1D(第四の変形例)を
図12に示す。この例では、底部フレーム部分23aの形状が円環状である。
【0044】
上記の実施形態では、架橋フレーム部分23cが設けられている構成を例として説明したが、架橋フレーム部分23cが設けられていなくてもよい。架橋フレーム部分23cを有さないネット保持具1E(第五の変形例)を
図13および
図14に示す。
【0045】
上記の実施形態では、四つの引退部分33が設けられている構成を例として説明した。しかし、本発明において、引退部分33の数は任意である。引退部分33が三か所設けられているネット保持具1F(第六の変形例)を
図15および
図16に示す。なお、この例では、三つの底部フレーム部分23aが三角形の底部分21を画定しており、当該三角形の各頂点の外方に、引退部分33が配置されている。また、この例では、二つの離脱部分35のうちの一方が第一通水孔部4aに隣接して設けられ、他方が第一通水孔部4aとは異なる通水孔部4に隣接して(すなわち、引退部分33が設けられていない箇所に)設けられている。
【0046】
また、
図17および
図18に示すネット保持具1G(第七の変形例)では、引退部分33が二か所設けられている。この例では、二つの離脱部分35が、引退部分33に隣接する第一通水孔部4aとは異なる通水孔部4に隣接して(すなわち、引退部分33が設けられていない箇所に)、それぞれ設けられている。
【0047】
上記の実施形態では、側面図において斜面フレーム部分23bが頂点を有する構成を例示した。しかし、
図19に示すネット保持具1H(第八の変形例)のように、斜面フレーム部分23bが曲線状に設けられていてもよい。
【0048】
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、たとえば浴室の排水口に装着可能なネット保持具として利用できる。
【符号の説明】
【0050】
1 :ネット保持具
2 :陥没部
21 :底部分
22 :斜面部分
23 :フレーム部分
23a :底部フレーム部分
23b :斜面フレーム部分
23c :架橋フレーム部分
3 :フランジ部
31 :外周
32 :内周
33 :引退部分
34 :溝
35 :離脱部分
4 :通水孔部
4a :第一通水孔部
C :内周32を示す仮想円
D :排水口
P :突起物
【手続補正書】
【提出日】2022-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水口に装着可能なネット保持具であって、
椀状の陥没部と、前記陥没部の周縁から外方に延びるフランジ部と、を備え、
前記陥没部に、複数の通水孔部が設けられ、
前記排水口に設けられている突起物を回避するための構造物として、前記フランジ部の一部を除去可能な離脱部分が、前記フランジ部の内周の前記通水孔部に接する箇所の一つまたは複数に設けられているネット保持具。
【請求項2】
平面図において、前記陥没部の中心からの前記周縁の距離が一定ではなく、
前記周縁のうち、前記陥没部の前記中心からの距離が前記周縁の他の部分より大きい部分である引退部分が、前記構造物としてさらに設けられ、
前記離脱部分が、前記引退部分に隣接する位置に設けられている請求項1に記載のネット保持具。
【請求項3】
前記フランジ部の内周の直径が105mm以上130mm以下である請求項1または2に記載のネット保持具。
【請求項4】
前記通水孔部の数が20箇所以下である請求項1~3のいずれか一項に記載のネット保持具。
【請求項5】
排水口に装着可能なネット保持具であって、
椀状の陥没部と、前記陥没部の周縁から外方に延びるフランジ部と、を備え、
前記陥没部に、複数の通水孔部が設けられ、
平面図において、前記陥没部の中心からの前記周縁の距離が一定ではなく、
前記周縁のうち、前記陥没部の前記中心からの距離が前記周縁の他の部分より大きい部分である引退部分が、前記排水口に設けられている突起物を回避するための構造物として、前記フランジ部の内周の前記通水孔部に接する箇所の一つまたは複数に設けられているネット保持具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に係る第一のネット保持具は、排水口に装着可能なネット保持具であって、椀状の陥没部と、前記陥没部の周縁から外方に延びるフランジ部と、を備え、前記陥没部に、複数の通水孔部が設けられ、前記排水口に設けられている突起物を回避するための構造物として、前記フランジ部の一部を除去可能な離脱部分が、前記フランジ部の内周の前記通水孔部に接する箇所の一つまたは複数に設けられていることを特徴とする。
本発明に係る第二のネット保持具は、排水口に装着可能なネット保持具であって、椀状の陥没部と、前記陥没部の周縁から外方に延びるフランジ部と、を備え、前記陥没部に、複数の通水孔部が設けられ、平面図において、前記陥没部の中心からの前記周縁の距離が一定ではなく、前記周縁のうち、前記陥没部の前記中心からの距離が前記周縁の他の部分より大きい部分である引退部分が、前記排水口に設けられている突起物を回避するための構造物として、前記フランジ部の内周の前記通水孔部に接する箇所の一つまたは複数に設けられていることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明に係る第一のネット保持具は、一態様として、平面図において、前記陥没部の中心からの前記周縁の距離が一定ではなく、前記周縁のうち、前記陥没部の前記中心からの距離が前記周縁の他の部分より大きい部分である引退部分が、前記構造物としてさらに設けられ、前記離脱部分が、前記引退部分に隣接する位置に設けられていることが好ましい。