(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096341
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】ポイント管理装置、ポイント管理システム、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/06 20120101AFI20230630BHJP
【FI】
G06Q40/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021212015
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】517031339
【氏名又は名称】STOCK POINT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】土屋 清美
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB57
(57)【要約】
【課題】ポイントを所有する強い動機を利用者に与える。
【解決手段】ポイント管理装置10は、利用者が利用する利用者端末20と通信ネットワークNWを介して接続され、利用者に配布されたストックポイントの残高を管理する。ポイント管理装置10は、ストックポイントの残高をそのストックポイントに予め対応付けられた株式の株価に応じて更新することにより、前記の残高を株価と連動させるポイント管理部17と、利用者端末20から、前記の残高の少なくとも一部を前記の株式と交換する交換指示を受け付ける端末処理部16と、を備える。ポイント管理部17は、端末処理部20により受け付けられた交換指示に基づいて、前記の残高のうちの株式の株価に応じたポイントと、当該株式とを交換する交換処理を行う。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が利用する利用者端末と通信ネットワークを介して接続され、前記利用者に配布されたポイントの残高を管理するポイント管理装置であって、
前記残高を、前記ポイントに予め対応付けられた商品の経時的に変化する価格に応じて更新することにより、前記残高を前記価格と連動させるポイント管理部と、
前記利用者端末から、前記ポイントを前記商品と交換する交換指示を受け付ける端末処理部と、を備え、
前記ポイント管理部は、前記端末処理部により受け付けられた前記交換指示に基づいて、前記ポイントの前記残高のうちの前記商品の前記価格に応じたポイントと、前記商品とを交換する交換処理を行う、
ポイント管理装置。
【請求項2】
前記商品は、株式である、
請求項1に記載のポイント管理装置。
【請求項3】
前記商品は、仮想通貨である、
請求項1に記載のポイント管理装置。
【請求項4】
前記商品は、外国通貨である、
請求項1に記載のポイント管理装置。
【請求項5】
前記交換処理は、前記ポイントの前記残高から、前記商品の前記価格に応じたポイント数を減じる第1処理と、前記価格に応じた前記ポイント数分の前記商品の所有権を前記利用者に移すための第2処理と、を含む、
請求項1から4のいずれか1項に記載のポイント管理装置。
【請求項6】
前記ポイント管理装置は、前記ポイントを用いたサービスを提供するサービス提供者の口座であるサービス提供者口座を管理する口座管理装置と通信可能であり、
前記ポイント管理部は、前記第2処理として、前記口座管理装置に対して、前記サービス提供者の口座に預けられている前記商品を前記利用者の口座に移すことを指示する処理を行う、
請求項5に記載のポイント管理装置。
【請求項7】
前記利用者の口座は、前記口座管理装置により管理されている、
請求項6に記載のポイント管理装置。
【請求項8】
前記ポイント管理部は、前記交換処理中には、前記残高を前記価格と連動させる処理を実行しない、
請求項1から7のいずれか1項に記載のポイント管理装置。
【請求項9】
前記ポイント管理部は、通貨を介在させないで前記交換処理を行う、
請求項1から8のいずれか1項に記載のポイント管理装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載のポイント管理装置と、
前記利用者端末と、
を備えるポイント管理システム。
【請求項11】
利用者が利用する利用者端末と通信ネットワークを介して接続され、前記利用者に配布されたポイントの残高を管理するコンピュータに、
前記残高を、前記ポイントに予め対応付けられた商品の経時的に変化する価格に応じて更新することにより、前記残高を前記価格と連動させるポイント管理ステップと、
前記利用者端末から、前記ポイントを前記商品と交換する交換指示を受け付ける端末処理ステップと、を実行させ、
前記ポイント管理ステップは、前記端末処理部により受け付けられた前記交換指示に基づいて、前記ポイントの前記残高のうちの前記商品の前記価格に応じたポイントと、前記商品とを交換する交換処理を行う、
プログラム。
【請求項12】
利用者が利用する利用者端末と通信ネットワークを介して接続され、前記利用者に配布されたポイントの残高を管理するポイント管理装置であって、
前記残高を、前記ポイントに予め対応付けられた仮想通貨又は外国通貨の価格に応じて更新することにより、前記残高を前記価格と連動させるポイント管理部と、
前記残高の照会を示す前記利用者端末からの残高照会要求に応じて、前記ポイント管理部により更新された前記利用者の新たな残高を前記利用者端末へ通知する端末処理部と、
を備えるポイント管理装置。
【請求項13】
請求項12に記載のポイント管理装置と、
前記利用者端末と、
を備えるポイント管理システム。
【請求項14】
利用者が利用する利用者端末と通信ネットワークを介して接続され、前記利用者に配布されたポイントの残高を管理するコンピュータに、
前記残高を、前記ポイントに予め対応付けられた仮想通貨又は外国通貨の価格に応じて更新することにより、前記残高を前記価格と連動させるポイント管理ステップと、
前記残高の照会を示す前記利用者端末からの残高照会要求に応じて、前記ポイント管理ステップにより更新された前記利用者の新たな残高を前記利用者端末へ通知する端末処理ステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者に配布されたポイントに関するポイント残高を管理するポイント管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、企業が取り扱っている商品を購入したりサービスを利用した利用者に対してポイントを配布し、そのポイントのポイント残高に応じて、特定の景品と交換や割引サービスなどの特典を受けることができる、いわゆるポイントサービスが提供されている。これにより、利用者は所望の特典を受けるべく、ポイントが貯まるよう商品を購入したりサービスを利用するようになり、利用者の購入意欲や利用意欲を向上させることができる(例えば、非特許文献1など参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「ポイントサービス」、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9、ウィキペディア
【非特許文献2】「ブロックチェーンの仕組みとその可能性」、Finance Information Technology Focus 2015.10、野村総合研究所
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のポイントサービスでは、利用者にポイントを所有してみようと思わせる工夫が十分でなく、ポイントを所有する強い動機を利用者に与えることが難しい。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、ポイントを所有する強い動機を利用者に与えることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)このような目的を達成するために、本発明にかかるポイント管理装置は、利用者が利用する利用者端末と通信ネットワークを介して接続され、前記利用者に配布されたポイントの残高を管理するポイント管理装置であって、前記残高を、前記ポイントに予め対応付けられた商品の経時的に変化する価格に応じて更新することにより、前記残高を前記価格と連動させるポイント管理部と、前記利用者端末から、前記ポイントを前記商品と交換する交換指示を受け付ける端末処理部と、を備え、前記ポイント管理部は、前記端末処理部により受け付けられた前記交換指示に基づいて、前記ポイントの前記残高のうちの前記商品の前記価格に応じたポイントと、前記商品とを交換する交換処理を行う。
【0007】
前記商品は、株式であってもよい。
【0008】
前記商品は、仮想通貨であってもよい。
【0009】
前記商品は、外国通貨であってもよい。
【0010】
前記交換処理は、前記ポイントの前記残高から、前記商品の前記価格に応じたポイント数を減じる第1処理と、前記価格に応じた前記ポイント数分の前記商品の所有権を前記利用者に移すための第2処理と、を含む、ようにしてもよい。
【0011】
前記ポイント管理装置は、前記ポイントを用いたサービスを提供するサービス提供者の口座であるサービス提供者口座を管理する口座管理装置と通信可能であり、前記ポイント管理部は、前記第2処理として、前記口座管理装置に対して、前記サービス提供者の口座に預けられている前記商品を前記利用者の口座に移すことを指示する処理を行う、ようにしてもよい。
【0012】
前記利用者の口座は、前記口座管理装置により管理されている、ようにしてもよい。
【0013】
前記ポイント管理部は、前記交換処理中には、前記残高を前記価格と連動させる処理を実行しない、ようにしてもよい。
【0014】
前記ポイント管理部は、通貨を介在させないで前記交換処理を行う、ようにしてもよい。
【0015】
(2)本発明にかかるポイント監視システムは、上記ポイント管理装置と上記利用者端末とを備える。
【0016】
(3)本発明にかかるプログラムは、利用者が利用する利用者端末と通信ネットワークを介して接続され、前記利用者に配布されたポイントの残高を管理するコンピュータに、前記残高を、前記ポイントに予め対応付けられた商品の経時的に変化する価格に応じて更新することにより、前記残高を前記価格と連動させるポイント管理ステップと、前記利用者端末から、前記ポイントを前記商品と交換する交換指示を受け付ける端末処理ステップと、を実行させ、前記ポイント管理ステップは、前記端末処理部により受け付けられた前記交換指示に基づいて、前記ポイントの前記残高のうちの前記商品の前記価格に応じたポイントと、前記商品とを交換する交換処理を行う。
【0017】
(4)本発明にかかるポイント管理装置は、利用者が利用する利用者端末と通信ネットワークを介して接続され、前記利用者に配布されたポイントの残高を管理するポイント管理装置であって、前記残高を、前記ポイントに予め対応付けられた仮想通貨又は外国通貨の価格に応じて更新することにより、前記残高を前記価格と連動させるポイント管理部と、前記残高の照会を示す前記利用者端末からの残高照会要求に応じて、前記ポイント管理部により更新された前記利用者の新たな残高を前記利用者端末へ通知する端末処理部と、を備える。
【0018】
(5)本発明にかかるポイント監視システムは、上記ポイント管理装置と上記利用者端末とを備える。
【0019】
(6)本発明にかかるプログラムは、利用者が利用する利用者端末と通信ネットワークを介して接続され、前記利用者に配布されたポイントの残高を管理するコンピュータに、前記残高を、前記ポイントに予め対応付けられた仮想通貨又は外国通貨の価格に応じて更新することにより、前記残高を前記価格と連動させるポイント管理ステップと、前記残高の照会を示す前記利用者端末からの残高照会要求に応じて、前記ポイント管理ステップにより更新された前記利用者の新たな残高を前記利用者端末へ通知する端末処理ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0020】
上記(1)~(3)の発明によれば、ポイントが連動対象の商品と交換可能となり、当該ポイントを所有する強い動機が利用者に与えられる。さらに上記(4)~(6)の発明によれば、ポイントの残高が仮想通貨又は外国通貨と連動するため、当該ポイントを所有する強い動機が利用者に与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1の実施の形態にかかるポイント管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施の形態にかかるポイント管理システムの概略図である。
【
図4】第1の実施の形態にかかるポイント残高テーブルの構成例である。
【
図5】第1の実施の形態にかかるポイント管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図6】第1の実施の形態にかかるポイント管理システムの動作例を示す説明図である。
【
図8】第2の実施の形態にかかるポイント残高テーブルの構成例である。
【
図9】第2の実施の形態にかかるポイント管理システムの動作例を示す説明図である。
【
図10】第3の実施の形態にかかるポイント管理システムの概略図である。
【
図11】第4の実施の形態にかかるポイント管理システムの概略図である。
【
図12】第4の実施の形態にかかるポイント管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図13】ストックポイントと株式との交換の際に利用者端末に表示される画面例である。
【
図14】第4の実施の形態において、株式をサービス提供者口座から利用者口座に移動させる様子を示す図である。
【
図15】ポイント管理装置のハードウェア構成の主要部の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下、ポイント管理の技術に関する実施の形態を第1~第3の実施の形態として説明し、第1~第3の実施の形態で説明したポイント管理技術で管理されるポイント残高と、価格が経時的に変化する商品の一例である株式との交換の技術に関する実施の形態を第4実施の形態として説明する。
【0023】
[第1の実施の形態]
まず、
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるポイント管理システム1について説明する。
図1は、第1の実施の形態にかかるポイント管理システムの構成を示すブロック図である。
図2は、第1の実施の形態にかかるポイント管理システムの概略図である。
【0024】
このポイント管理システム1は、利用者が利用する複数の利用者端末20と、通信ネットワークNWを介して利用者端末20と接続されたポイント管理装置10とを備え、企業から利用者に配布されたポイントに関するポイント残高を管理するサービスシステムである。このうち、利用者端末20は、スマートホン、タブレット、パソコンなどの情報処理端末からなり、ポイント管理装置10は、サーバなどの情報処理装置からなる。
【0025】
本実施の形態にかかるポイントは、企業が取り扱っている商品を購入したりサービスを利用した利用者に対して配布されるポイントであるが、ポイント残高が、例えばポイントを配布した配布企業や配布企業と関連する関連企業や提携企業など、予め指定された指定企業の株価と連動する株価連動型ポイントであることを特徴としている。以下では、本実施の形態にかかる株価連動型ポイントをストックポイント(stock point)と呼び、その数量をspという。
【0026】
図2に示すように、企業Aがプロモーションを企画して利用者にポイントを配布する場合、まず、企業Aからポイント管理システム1に対してストックポイントの発行を依頼する。この際、ストックポイントの原資となる株式を購入するための購入資金Wと、1sp当たりの金額を示すポイントレートRとが指定される。なお、購入資金Wについては、プロモーションの規模に応じてプロモーションごとに変更されるが、ポイントレートRについては、企業(株式銘柄)ごとに一定である。
【0027】
これに応じて、ポイント管理システム1から信託会社に対して、購入資金Wによる企業Aの株式購入が信託会社に依頼され、信託会社により株式マーケットから購入資金W分の企業Aの株式が購入される。この後、購入した株式の株価を示す基準株価Pと購入できた購入株数Nとが、信託会社からポイント管理システム1へ購入結果として通知され、この購入結果に基づいて、購入株式を原資とするストックポイントがポイント管理システム1から企業Aに発行される。
【0028】
この際、購入株式を原資として発行されるストックポイントのポイント発行数Mは、基準株価Pおよび購入株数NとポイントレートRとに基づいて計算される。例えば、
図2に示すように、購入資金W=100万円で、企業Aの株価が8000円であった場合、手数料や端数を無視すれば125株(=W/P=100万円/8000円)を購入できることになる。したがって、ポイントレートRが1sp当たり1円であった場合、ポイント発行数Mは、100万sp(=P×N/R=8000円×125株/1)となる。
【0029】
企業Aは、このようにしてポイント管理システム1から発行されたストックポイントを、商品やサービスに付与して利用者に配布する。例えば、ペットボトルに付与する場合には、キャップに張り付けたシールにQRコード(登録商標)で、ストックポイントを識別するためのポイントIDや配布するポイント数を暗号化して付与してもよく、オンラインサービスに付与する場合には、ポイントIDやポイント数を含む暗号化データを電子メールで配信してもよい。配布したストックポイントに関するポイントIDやポイント数を暗号化しておくことにより、不正なポイント登録が排除される。
【0030】
利用者は、商品やサービスに付与されているストックポイントに関する暗号化データを利用者端末20で取得し、利用者端末20ポイント管理システム1のポイント管理装置10に対して、暗号化データを含むポイント情報をHTTPなどのプロトコルで送信することにより、ストックポイントの登録を要求する。
【0031】
これにより、商品やサービスに付与されているストックポイントが、利用者のストックポイントとして登録されることになる。
【0032】
この後、利用者のストックポイントは、ポイント管理装置10により、株価連動タイミングの到来に応じてポイント残高が更新される。株価連動タイミングとしては、一定時間ごとに設定してもよいが、利用者数に応じて処理負担が増大するため、例えば1日、1週間、1か月に1回、その期間の終値が特定された後に処理実行するようにしてもよい。
【0033】
これにより、利用者のストックポイントのポイント残高が指定企業Aの株価Pに連動することになり、利用者は、利用者端末20での残高照会操作により、ポイント管理装置10との間でポイント情報をHTTPなどのプロトコルでやり取りすることにより、ポイント残高を確認することができる。
【0034】
[ポイント管理装置]
次に、
図1を参照して、本実施の形態にかかるポイント管理装置10の構成について詳細に説明する。
【0035】
図1に示すように、ポイント管理装置10には、主な機能部として、通信I/F部11、操作入力部12、画面表示部13、ポイントDB14、株価取得部15、端末処理部16、およびポイント管理部17が設けられている。
【0036】
通信I/F部11は、通信ネットワークNWを介して利用者端末20や株価提供サーバ30とデータ通信を行う機能を有している。
【0037】
操作入力部12は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの操作入力装置からなり、オペレータの操作を検出する機能を有している。
【0038】
画面表示部13は、LCDなどの画面表示装置からなり、操作メニュー、設定データ、管理データを画面表示する機能を有している。
【0039】
ポイントDB14は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、ストックポイントの管理に用いる各種処理情報を記憶するデータベースである。ポイントDB14で記憶する主な処理情報として、ポイント発行テーブルとポイント残高テーブルがある。
【0040】
図3は、ポイント発行テーブルの構成例である。ポイント発行テーブルは、企業から依頼されたポイント発行に関する内容を示す情報が登録されるテーブルである。ポイント管理部17は、操作入力部12でのオペレータ操作や、外部装置から通知された各種指示に応じて、発行するストックポイントに関する情報をポイント発行テーブルに登録する。
【0041】
図3の例では、ストックポイントを識別するポイントIDごとに、指定企業を識別するための企業ID、ストックポイントに関する購入資金W、ポイントレートR、基準日時T0、基準株価P(T0)、基準株数N、ポイント発行数Mが組として登録されている。このうち、基準日時T0は指定企業の株式を購入した日時を示し、基準株価P(T0)および基準株数Nは、基準日時T0において株式を購入した際の購入株価および購入株数を示している。
【0042】
図4は、第1の実施の形態にかかるポイント残高テーブルの構成例である。ポイント残高テーブルは、利用者が保持するストックポイントのポイント残高に関する情報が登録されるテーブルである。ポイント管理部17は、利用者端末20からの各種要求や株価連動タイミングの到来に応じて、ポイント残高に関する情報を登録・更新する。
【0043】
図4の例では、利用者を識別するための利用者IDごとに、ポイントID、ポイント残高X(t)、ポイント残高X(t)を更新した更新日時t、ポイント残高X(t)に対応する配布株数Qが組として登録されている。
【0044】
株価取得部15は、株価連動タイミングTの到来に応じて、通信I/F部11から通信ネットワークNWを介して株価提供サーバ30へアクセスし、ポイントDB14で管理している各ストックポイントが連動する企業の新たな株価P(T)をそれぞれ取得する機能を有している。
【0045】
端末処理部16は、HTTPなどの通信プロトコルに基づいて、通信I/F部11および通信ネットワークNWを介して利用者端末20のWebブラウザからの各種要求を受け付ける機能と、利用者端末20からの新規登録要求に応じて、指定されたストックポイントの新規登録をポイント管理部17へ指示する機能と、利用者端末20からの残高照会要求に応じて、ポイント管理部17での更新により得られた利用者の新たなポイント残高X(T)をポイントDB14から取得して利用者端末20へ通知する機能とを有している。
【0046】
ポイント管理部17は、株価連動タイミングTの到来に応じて、ポイントDB14に登録されている、1sp(単位ポイント)当たりの金額を示すポイントレートRと、利用者に配布したポイント数に対応する配布株数Qと、指定企業の新たな株価P(T)とに基づいて、Tにおける新たなポイント残高X(T)を計算して更新することにより、ポイント残高を株価と連動させる機能を有している。この際、Tにおける新たなポイント残高X(T)は、次の式(1)で求められる。
X(T)=Q×P(T)/R …(1)
【0047】
[第1の実施の形態の動作]
次に、
図5を参照して、本実施の形態にかかるポイント管理システム1の動作について説明する。
図5は、第1の実施の形態にかかるポイント管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【0048】
ここでは、ストックポイントの新規登録処理、ポイント残高の株価連動処理、およびポイント残高の残高照会処理について説明する。
【0049】
[新規登録処理]
まず、ストックポイントの新規登録処理について説明する。この新規登録処理は、利用者が、それまで登録したことのないポイントIDを有する配布ポイントを新規に登録する際に実行される。
【0050】
利用者が、配布ポイントに関するポイントIDおよび新規ポイント数ΔXの暗号化データを利用者端末20で取得した後、利用者端末20のWebブラウザでポイント管理装置10にアクセスし、ストックポイントの新規登録操作を行った場合(ステップ100)、配布ポイントに関する暗号化データと利用者の利用者IDとを含む新規登録要求が、利用者端末20からポイント管理装置10へ送信される(ステップ101)。
【0051】
ポイント管理装置10の端末処理部16は、利用者端末20からの新規登録要求に応じて、ポイント管理部17へストックポイントの新規登録を指示する。
【0052】
これに応じて、ポイント管理部17は、新規登録要求に含まれる暗号化データからポイントIDおよび新規ポイント数ΔX(T0)を抽出し、ポイントDB14のポイント発行テーブルから、ポイントIDと対応するレートR、基準日時T0および基準株価P(T0)を取得する。
【0053】
続いて、ポイント管理部17は、新規ポイント数ΔX(T0)、レートR、および基準株価P(T0)に基づいて、新規登録するストックポイントに対応する配布株数Qを、次の式(2)に基づき計算する。
Q=ΔX(T0)×R/P(T0) …(2)
【0054】
そして、ポイント管理部17は、ポイントDB14のポイント残高テーブルに、新規ポイント数ΔX(T0)、基準日時T0、および配布株数Qを、利用者IDのポイントIDと対応するポイント残高X(T0)、更新日時T0、および配布株数Qとして登録する(ステップ102)。
【0055】
この後、端末処理部16は、ポイントDB14のポイント残高テーブルから、新規登録要求の要求元である利用者IDのポイント残高X(T0)を取得し、対応する利用者端末20へポイント残高X(T0)を含む新規登録完了を通知する(ステップ103)。
これにより、利用者端末20のWebブラウザで、ポイント残高X(T0)が画面表示されるものとなり、利用者は、配布されたストックポイントの新規登録が完了したことを確認する(ステップ104)。
【0056】
[株価連動処理]
次に、ポイント残高の株価連動処理について説明する。この株価連動処理は、株価連動タイミングに応じて間欠的に実行される。
【0057】
ポイント管理装置10のポイント管理部17は、株価連動タイミングが到来した場合(ステップ110)、株価取得部15に対して株価の取得を指示し、これに応じて株価取得部15が、株価提供サーバ30からポイントDB14で管理している各ストックポイントが連動する企業の新たな株価P(T)をそれぞれ取得する(ステップ111)。
【0058】
続いて、ポイント管理部17は、ポイントDB14で管理している各利用者のストックポイントごとに、新たな株価P(T)に基づきポイント残高X(T)を計算して更新する(ステップ112)。
【0059】
具体的には、ポイントDB14のポイント残高テーブルに登録されている利用者IDとポイントIDとの組み合わせごとに、前述した式(1)に基づきポイント残高X(T)を計算して更新する。これにより、各利用者の残高ポイントが指定企業の株価に連動して株価連動タイミングごとに自動更新されることになる。
【0060】
[残高照会処理]
次に、ポイント残高の残高照会処理について説明する。この残高照会処理は、利用者からの残高照会要求に応じて実行される。
【0061】
利用者が、利用者端末20のWebブラウザでポイント管理装置10にアクセスし、ストックポイントの残高照会操作を行った場合(ステップ120)、利用者が保持するストックポイントに関する残高照会要求が、利用者端末20からポイント管理装置10へ送信される(ステップ121)。
【0062】
ポイント管理装置10の端末処理部16は、利用者端末20からの残高照会要求に応じて、ポイントDB14のポイント残高テーブルから、残高照会要求で指定された利用者IDと対応するポイント残高X(t)を取得し(ステップ122)、対応する利用者端末20へポイント残高X(t)を含む残高照会結果を通知する(ステップ123)。
【0063】
これにより、利用者端末20のWebブラウザで、ポイント残高X(t)が画面表示されるものとなり、利用者は、指定企業の株価に連動するストックポイントのポイント残高を確認する(ステップ124)。
【0064】
[第1の実施の形態の動作例]
次に、
図6を参照して、本実施の形態にかかるポイント管理システム1の動作例について説明する。
図6は、第1の実施の形態にかかるポイント管理システムの動作例を示す説明図である。
【0065】
ここでは、
図2に示したように、企業Aから日時T0において、基準株価P(T0)=8000円で購入した125株分を担保として、100万sp分のストックポイントが配布されているものとする。
【0066】
利用者Uが企業Aの商品を購入し、日時T1において、商品に付与されている100sp分のストックポイントを新規に登録する新規登録操作を利用者端末20で行った場合、利用者ID=U、ポイントID=A、および登録ポイント数ΔX(T0)=100spを含む新規登録要求が、利用者端末20からポイント管理装置10へ送信される。
【0067】
これに応じて、ポイント管理装置10のポイント管理部17は、ポイントDB14のポイント発行テーブルから、ポイントID=Aに関するレートR、配布日時t=T0、および基準株価P(T0)=8000円/株を取得して、前述した式(2)に基づいて、新規登録するストックポイントに対応する配布株数Q=100×1/8000=0.0125株を計算する。
【0068】
そして、ポイント管理部17は、新規登録要求で指定された登録ポイント数ΔX(T0)=100sp、配布日時t=T0、および配布株数Q=0.0125株を、ポイントDB14のポイント残高テーブルのうち、新規登録要求で指定された利用者ID=UのポイントID=Aに関する、ポイント残高X(T0)=100sp、更新日時t=T0、および配布株数Q=0.0125株として登録する。
【0069】
この後、日時T2において、株価連動タイミングが到来した場合、ポイント管理部17は、株価取得部15で取得された日時T2に関する各企業の新たな株価P(T2)に基づき、ポイントDB14のポイント残高テーブルに登録されている各ストックポイントのポイント残高P(t)を更新する。
【0070】
例えば、利用者ID=UのポイントID=Aに関するストックポイントについては、ポイント残高テーブルから配布株数Q=0.0125株が取得され、このストックポイントの指定企業である企業Aの新たな株価P(T2)=10000円/株に基づいて、前述した式(1)により、新たなポイント残高X(T2)=0.0125×10000/1=125spが計算される。
【0071】
これにより、ポイント残高テーブルのうち、利用者ID=UのポイントID=Aに関するポイント残高X(t)および更新日時tとして、新たなポイント残高X(T2)=125spおよびT2が登録される。
【0072】
したがって、この後、利用者端末20から、利用者ID=UのポイントID=Aに関する残高照会要求が通知された場合、ポイント残高テーブルから対応するポイント残高P(T2)=10000円/株が取得されて、利用者端末20へ通知される。
【0073】
図7は、ストックポイントの残高照会画面例である。ここでは、利用者Uが企業A,B,Cの3種類のストックポイントを保持している場合の残高照会画面が例として示されており、ストックポイントごとに、新規登録日時における登録ポイント数を示す取得時合計ポイント数と、残高照会日時における指定企業の株価に応じて更新した最新のポイント残高を示す現在ポイント数とが、指定企業を示すアイコンとともに、それぞれ表示されている。
【0074】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、利用者に配布するポイントとして、ポイント残高がポイントを配布した指定企業の株価と連動する株価連動型のポイントを用い、ポイント管理部17が、利用者のポイント残高を更新した際に用いた指定企業の更新時株価と、指定企業の新たな株価とに基づいて、ポイント残高を更新することにより、ポイント残高を株価と連動させ、端末処理部16が、ポイント残高の照会を示す利用者端末20からの残高照会要求に応じて、更新により得られた利用者の新たなポイント残高を利用者端末20へ通知するようにしたものである。
【0075】
したがって、本実施の形態にかかるポイント(ストックポイント)は、ポイント残高が指定企業の株価と連動して変化するため、ポイントを保持している利用者は、指定企業の株価を意識するようになる。このため、利用者が指定企業の株価が上昇すること、さらには指定企業の業績が上がるよう応援しようという動機や意思を持つようになり、結果として、企業自体に対する利用者のロイヤリティを高めることが可能となる。
【0076】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態にかかるポイント管理システム1について説明する。
【0077】
前述した第1の実施の形態では、利用者Uのストックポイントごとに、配布株数を管理しておく場合を例として説明した。本実施の形態では、残高株価に代えてポイント残高更新時における更新時株価を管理しておく場合について説明する。
【0078】
本実施の形態において、ポイント管理部17は、株価連動タイミングTの到来に応じて、ポイントDB14に登録されている、T直前の株価連動タイミングT-1に更新した利用者のポイント残高P(T-1)と、その更新に用いた指定企業の更新時株価P(T-1)と、指定企業の新たな株価P(T)とに基づいて、Tにおける新たなポイント残高X(T)を計算して更新することにより、ポイント残高を株価と連動させる機能を有している。この際、Tにおける新たなポイント残高X(T)は、次の式(3)で求められる。
X(T)=X(T-1)×P(T)/P(T-1) …(3)
【0079】
図8は、第2の実施の形態にかかるポイント残高テーブルの構成例である。ポイント残高テーブルは、利用者が保持するストックポイントのポイント残高に関する情報が登録されるテーブルである。ポイント管理部17は、利用者端末20からの各種要求や株価連動タイミングの到来に応じて、ポイント残高に関する情報を登録・更新する。
【0080】
図8の例では、利用者を識別するための利用者IDごとに、ポイントID、ポイント残高X(t)、ポイント残高X(t)を更新した更新日時t、更新日時tにおいてポイント残高X(t)の更新に用いた更新時株価P(t)が組として登録されている。
【0081】
本実施の形態にかかるポイント管理システム1およびポイント管理装置10にかかるこのほかの構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0082】
[第2の実施の形態の動作]
次に、本実施の形態にかかるポイント管理システム1の動作について説明する。
【0083】
本実施の形態にかかるポイント管理システム1の動作は、前述した
図5のシーケンスとほぼ同じであるが、ポイント管理装置10での処理内容が一部異なるため、ここでは、ストックポイントの新規登録処理、ポイント残高の株価連動処理、およびポイント残高の残高照会処理について、異なる部分を説明する。
【0084】
[新規登録処理]
まず、ストックポイントの新規登録処理について説明する。この新規登録処理は、利用者が、それまで登録したことのないポイントIDを有する配布ポイントを新規に登録する際に実行される。
【0085】
この際、本実施の形態では、
図5のステップ102において、配布株数Qに代えて、更新時株価P(T0)をポイントDB14のポイント残高テーブルに登録する点が異なる。
【0086】
すなわち、ポイント管理部17は、新規登録要求に含まれる暗号化データからポイントIDおよび新規ポイント数ΔX(T0)を抽出し、ポイントDB14のポイント発行テーブルから、ポイントIDと対応する基準日時T0および基準株価P(T0)を取得し、ポイントDB14のポイント残高テーブルに、利用者IDのポイントIDと対応する更新日時T0および更新時株価P(T0)として登録するとともに、新規ポイント数ΔX(T0)を利用者IDのポイントIDと対応するポイント残高X(T0)として登録する(ステップ102)。
【0087】
[株価連動処理]
次に、ポイント残高の株価連動処理について説明する。この株価連動処理は、株価連動タイミングに応じて間欠的に実行される。
【0088】
この際、本実施の形態では、
図5のステップ112において、ポイントレートRと配布株数Qを用いる式(1)に代えて、更新時株価P(T0)を用いる式(3)に基づいて、ポイント残高X(T2)を計算する点が異なる。
【0089】
すなわち、ポイント管理部17は、ポイントDB14のポイント残高テーブルに登録されている利用者IDとポイントIDとの組み合わせごとに、前述した式(3)に基づきポイント残高X(T)を計算して更新する。これにより、各利用者の残高ポイントが指定企業の株価に連動して株価連動タイミングごとに自動更新されることになる。
【0090】
[第2の実施の形態の動作例]
次に、
図9を参照して、本実施の形態にかかるポイント管理システム1の動作例について説明する。
図9は、第2の実施の形態にかかるポイント管理システムの動作例を示す説明図である。
【0091】
ここでは、
図2に示したように、企業Aから日時T0において、基準株価P(T0)=8000円で購入した125株分を担保として、100万sp分のストックポイントが配布されているものとする。
【0092】
利用者Uが企業Aの商品を購入し、日時T1において、商品に付与されている100sp分のストックポイントを新規に登録する新規登録操作を利用者端末20で行った場合、利用者ID=U、ポイントID=A、および登録ポイント数ΔX(T0)=100spを含む新規登録要求が、利用者端末20からポイント管理装置10へ送信される。
【0093】
これに応じて、ポイント管理装置10のポイント管理部17は、ポイントDB14のポイント発行テーブルから、ポイントID=Aに関する配布日時t=T0および基準株価P(T0)=8000円/株を取得して、ポイントDB14のポイント残高テーブルに、新規登録要求で指定された利用者ID=UのポイントID=Aに関する更新日時t=T0および更新時株価(T0)=8000円/株として登録するとともに、新規登録要求で指定された登録ポイント数ΔX(T0)=100spを、利用者ID=UのポイントID=Aに関するポイント残高X(T0)=100spとして登録する。
【0094】
この後、日時T2において、株価連動タイミングが到来した場合、ポイント管理部17は、株価取得部15で取得された日時T2に関する各企業の新たな株価P(T2)に基づき、ポイントDB14のポイント残高テーブルに登録されている各ストックポイントのポイント残高P(t)を更新する。
【0095】
例えば、利用者ID=UのポイントID=Aに関するストックポイントについては、ポイント残高テーブルからポイント残高X(T0)=100spおよび更新時株価P(T0)=8000円/株が取得され、このストックポイントの指定企業である企業Aの新たな株価P(T2)=10000円/株に基づいて、前述した式(1)により、新たなポイント残高X(T2)=100×10000/8000=125spが計算される。
【0096】
これにより、ポイント残高テーブルのうち、利用者ID=UのポイントID=Aに関するポイント残高X(t)、更新日時t、および更新時株価P(t)として、新たなポイント残高X(T2)=125sp、T2、およびP(T2)=10000円/株が登録される。
【0097】
したがって、この後、利用者端末20から、利用者ID=UのポイントID=Aに関する残高照会要求が通知された場合、ポイント残高テーブルから対応するポイント残高P(T2)=10000円/株が取得されて、利用者端末20へ通知される。
【0098】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、利用者に配布するポイントとして、ポイント残高がポイントを配布した指定企業の株価と連動する株価連動型のポイントを用い、ポイント管理部17が、利用者のポイント残高を更新した際に用いた指定企業の更新時株価と、指定企業の新たな株価とに基づいて、ポイント残高を更新することにより、ポイント残高を株価と連動させ、端末処理部16が、ポイント残高の照会を示す利用者端末20からの残高照会要求に応じて、更新により得られた利用者の新たなポイント残高を利用者端末20へ通知するようにしたものである。
【0099】
したがって、本実施の形態にかかるポイント(ストックポイント)は、ポイント残高が指定企業の株価と連動して変化するため、ポイントを保持している利用者は、指定企業の株価を意識するようになる。このため、利用者が指定企業の株価が上昇すること、さらには指定企業の業績が上がるよう応援しようという動機や意思を持つようになり、結果として、企業自体に対する利用者のロイヤリティを高めることが可能となる。
【0100】
また、利用者Uのストックポイントごとに、更新時株価P(t)を管理しておけばよく、この株価は異なる利用者U間で共通するデータであることから、例えばポイントIDに対応する企業IDと更新日時tとから株価を一意に特定することができる。したがって、異なる利用者U間において一元的に管理することができ、特に、株価終値を用いる場合には、ポイント管理装置10で管理することなく、必要に応じて株価提供サーバ30から逐次取得することも可能である。このため、第1の実施の形態のように、利用者Uのストックポイントごとに、個別の配布株数を管理する必要がなくなるため、ポイントDB14のポイント残高テーブルの規模を大幅に削減することができる。
【0101】
[第3の実施の形態]
次に、
図10を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかるポイント管理システム1について説明する。
図10は、第3の実施の形態にかかるポイント管理システムの概略図である。
【0102】
前述した第1および第2の実施の形態では、ポイント管理装置10で各利用者のポイント残高を一元的に管理し、利用者端末20へポイント残高を通知する場合、HTTPなどの通信プロトコルを用いて通知する場合を例として説明した。
本実施の形態は、ブロックチェーン技術を利用して、ポイント管理装置10で各利用者のポイント残高を一元的に管理するのではなく、各利用者端末20が、ポイント管理装置10とともにポイント残高を分散管理する場合について説明する。
【0103】
ブロックチェーン技術とは、例えば、非特許文献2に記載されているように、ある金融業務に関する取引内容を示すトランザクションを、連続性が担保されているブロックと呼ばれる情報に格納し、参加者全員にブロードキャストし、受け取ったブロックをそれまでのブロックで構成されるブロックチェーンに基づき検証し、正当性が得られたブロックに含まれるトランザクションに基づき、取引を実行する技術である。
【0104】
本実施の形態は、前述したHTTPなどのプロトコルではなく、このようなブロックチェーン技術を用いて、
図10に示すように、ポイント管理装置10と利用者端末20との間でポイント残高をやり取りするようにしたものである。なお、ポイント発行までの手順については、前述した
図2と同様である。
【0105】
具体的には、端末処理部16は、更新した利用者のポイント残高を利用者端末20へ通知する際、ポイント残高の更新に関するトランザクションの内容を、通信ネットワークNW下で仮想的に構築されているブロックチェーンの新たなブロックに記述して、通信ネットワークNWへブロードキャストする機能を有している。
【0106】
利用者端末20は、通信ネットワークNWから受信したブロックを前記ブロックチェーンに基づき検証し、正当性が得られたブロックに含まれるトランザクションの内容に基づいて、更新された利用者のポイント残高を利用者に提示する機能を有している。
【0107】
これら端末処理部16および利用者端末20におけるブロックチェーン処理については、一般的な処理モジュールを用いて実現すればよい。
【0108】
[第3の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態では、ブロックチェーン技術を用いて、ポイント管理装置10と利用者端末20との間でポイント残高をやり取りするようにしたので、高いセキュリティ性を確保しつつ、ポイント残高をやり取りすることができ、より安全に株価連動型のポイントを流通させることが可能となる。
【0109】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態に係るポイント管理システム1Aは、第1~第3の実施の形態のポイント管理システム1の機能などに加え、利用者Uのポイント残高を、そのストックポイントに対応する指定企業の株式に交換する機能も有する。当該交換は、利用者Uの希望により行われる。指定企業の株式は、上述のように、交換対象のストックポイントの原資となっている株式である。ストックポイントと株式との交換に必要な1株当たりのポイント数は、その交換の際の株式の価格つまり株価による。以下、第4の実施の形態を、ストックポイントと株式との交換を中心に説明する。第4の実施の形態の要素のうち、第1~第3の実施の形態と同様の要素については、同じ符号が付されている。
【0110】
図11に示すように、ポイント管理システム1Aは、ポイント管理装置10及び複数の利用者端末20の他、証券会社SCに管理されている証券口座管理装置40を備える。証券会社SCは、適宜、上記の信託会社に変更されてもよい。上記の株式の購入など、上記で説明された信託会社の機能は、証券会社SCの機能により実現されてもよい。ポイント管理装置10は、ストックポイントを用いたポイントサービスを提供するサービス提供者SMにより直接又は委託者を介して管理されている。
【0111】
証券口座管理装置40は、サーバコンピュータなどであり、証券会社SCに開設された証券口座及び当該証券口座に預けられている株式を電子的に管理する。証券口座管理装置40には、サービス提供者SMの証券口座であるサービス提供者口座と、ストックポイントを所有する利用者Uの証券口座である利用者口座と、が開設されている。証券口座管理装置40は、ポイント管理装置10とネットワークNWを介して通信可能に構成されている。
【0112】
第1~第3の実施の形態で購入された株式は、購入当初はサービス提供者SMにより所有される。つまり、当該株式は、サービス提供者口座に預けられる。利用者Uの所有するストックポイントとサービス提供者SMが所有する株式との交換では、この株式が、サービス提供口座から前記利用者Uの利用者口座に移動する。この移動により、株式の所有権が利用者Uに移転する。
【0113】
ポイント管理装置10の端末処理部16は、ストックポイントと株式との交換を指示する交換指示を利用者Uから受け付ける。
【0114】
ポイント管理部17は、端末処理部16が受け付けた上記の交換指示に基づいて、その利用者Uの交換対象のストックポイントのポイント残高のうちの、交換対象の株式の価格に応じたポイントと、当該交換対象の株式と、を交換する交換処理を行う。
【0115】
ポイント管理部17は、ストックポイントにより商品などが購入されたとき、又は、ストックポイントが他の現金的価値を有する他ポイントに交換されたときに、ポイント残高を更新する処理を行ってもよい。このように、ストックポイントは、買い物などで商品又はサービスの購入に使用されてもよい、及び又は、他の現金的価値を有する他ポイントへの交換に使用されてもよい。購入又は交換に使用されたストックポイントの使用ポイント数Yの情報は、利用者端末20、又は、ストックポイントの使用を処理する不図示のサーバからポイント管理装置10に供給される。使用ポイント数Yの情報は、使用ポイント数、利用者の利用者ID、ポイントIDを含む。ポイント管理装置10のポイント管理部17は、供給された情報に基づいて、
図4又は
図8のポイント残高テーブルのうちの、取得した利用者ID及びポイントIDに対応するポイント残高X(t)を、当該X(t)から使用ポイント数Yを減じた値に更新する。
図4のポイント残高テーブルが使用される場合(第1の実施の形態によるポイント管理の場合)、ポイント管理部17は、利用者ID及びポイントIDに対応する配布株数Qを、Q×(X(t)-Y)/X(t)で求められる新たな配布株数に更新する。
【0116】
ストックポイントと株式との交換の際、端末処理部16及びポイント管理部17は協働して、携帯端末20とともに
図12の処理を実行する。
【0117】
図12の処理において、携帯端末20は、利用者Uからの、自身が所有するストックポイントと株式との交換希望の入力を受け付ける(ステップS11)。以下、この利用者Uを特に利用者UAともいう。利用者端末20は、交換希望が入力されると、利用者UAが所有している各ストックポイントのポイント残高及び各ストックポイントの対象となる株式の1株当りのストックポイント数の情報要求をポイント管理装置10に送信する(ステップS12)。この情報要求は、利用者UAの利用者IDを含む。利用者IDは、利用者UAの利用者端末20に設定されているものとする。
【0118】
利用者端末20からの情報要求は、端末処理部16により受信される。この受信後、ポイント管理部17が、ポイント残高テーブルを参照し、端末処理部16が受信した情報要求に含まれる利用者IDに対応する、ポイントIDと、ポイント残高X(t)と、配布枚数Q(
図4のテーブルが使用される第1の実施の形態でポイントが管理される場合)又は更新時株価P(t)(
図8のテーブルが使用される第2の実施の形態でポイントが管理される場合)とを取得する(ステップS21)。この取得後、ポイント管理部17は、当該利用者IDについては、ポイント残高X(t)と株価とを連動させる株価連動処理の実行を禁止する禁止設定を行う(ステップS22)。
【0119】
その後、ポイント管理部17は、取得したポイントIDごと(つまり、株式ごと)に、1株当たりのポイント数Xrを導出する(ステップS23)。
図4のテーブルが使用されている場合、ポイント管理部17は、例えば下記式(4)により1株当たりのポイント数Xrを算出する。
図8のテーブルが使用されている場合、ポイント管理部17は、例えば下記式(5)により1株当たりのポイント数Xrを算出する。
Xr=X(t)/Q・・・(4)
Xr=P(t)/R・・・(5)
【0120】
その後、端末処理部16は、ポイント管理部17が取得又は導出した、ポイントIDと、当該ポイントIDに対応するポイント残高X(t)、及び、当該ポイントIDに対応する1株当たりのポイント数Xrの各組を利用者端末20に返信する(ステップS24)。ポイントIDに加えて、
図3のポイント発行テーブルの企業IDが用いられてもよい。
【0121】
利用者端末20は、端末処理部16からの上記各組の情報に基づいて、ストックポイントのポイント残高X(t)及び1株当たりのポイント数Xrを、ポイントID又は企業IDごと、つまり、株式ごとに報知する報知画像を生成して表示する(ステップS13)。この画像の例を
図13に示す。
図13の例では、企業A~Cの株式それぞれに対応するストックポイントについて、ポイント残高X(t)(「ポイント残高1000SP」など)及び1株当たりのポイント数Xr(「1株当り900SP」など)が表示されている。企業ないし株式については、例えば、ポイントIDにより特定されればよい(ストックポイントと株式(企業)とは一対一に対応しているため)。企業などは、企業IDにより特定されてもよい。
【0122】
利用者UAは、利用者端末Uに表示された報知画像を参照して、交換したい株式及び株数を指定する指定操作を行う。利用者端末20は、この指定操作を受け付ける(ステップS14)。なお、利用者端末20は、ポイント残高X(t)が1株当たりのポイント数Xrよりも少ない株式については指定できないようにするとよい。さらに、利用者端末20は、ポイント残高X(t)を1株当たりのポイント数Xrで割った数よりも多い株数については指定できないようにするとよい。
【0123】
利用者端末20は、前記の指定操作を受け付けると、ストックポイント(残高X(t)の少なくとも一部)と株式との交換指示を生成し、ポイント管理装置10に送信する(ステップS15)。交換指示は、ここでは、ユーザUAのユーザID、交換対象の株式に対応するポイントID、交換株数Z、及び、1株当たりのポイント数Xrを含む。
【0124】
利用者端末20からの交換指示は、端末処理部16により受け付けられる(ステップS25)。ポイント管理部17は、端末処理部16が交換指示を受け付けると、これに基づいて、ポイント残高X(t)のうちの交換対象の株式の株価に応じたポイントと、当該交換対象の株式と、を交換する交換処理を実行する(ステップS26)。
【0125】
ステップS26の交換処理は、交換対象の株式に対応するポイント残高X(t)から、当該交換対象の株式の株価に応じたポイント数を減じる第1処理と、前記株価に応じたポイント数分の前記株式の所有権を利用者UAに移すための第2処理と、を含む。なお、第1処理と第2処理の順番は任意である。
【0126】
ポイント管理部17は、前記の第1処理として、例えば、ポイント残高テーブルの利用者ID及びポイントIDに対応するポイント残高P(t)を、交換対象の株式1株当たりのポイント数Xrに交換株数Zを乗じたポイント数で減じる処理を行う。この処理により、交換対象の株式の株価に応じたポイントがポイント残高P(t)から減じられる。なお、
図4のポイント残高テーブルが用いられる場合、ポイント管理部17は、さらに、ポイント残高テーブルの利用者ID及びポイントIDに対応する配布株数Qを交換株数Zで減じる。
【0127】
ポイント管理部17は、前記の第2処理として、交換対象の交換株数Z分の株式を、つまり、上記第1処理で減じるポイント数分の株式を、サービス提供者口座から利用者UAの利用者口座に移す指示を証券口座管理装置40に送信する処理を含む。株式の種類は、交換指示に含まれるポイントIDにより特定される。サービス提供者口座及び利用者口座をそれぞれ特定する口座情報は、ポイント管理装置10に例えば利用者IDなどに対応付けられて登録され使用されるものとする。ポイント管理部17から証券口座管理装置40に送信される前記の指示には、移転元及び移転先の口座の口座情報、交換対象の株式の種類、及び交換株数Zなどの株式の口座移動に必要な情報が含まれる。
【0128】
証券口座管理装置40は、ポイント管理部17つまりポイント管理装置10からの上記口座移動に必要な情報に基づいて、
図14に示すように交換対象の株式を交換株数Zだけサービス提供者口座から利用者UAの利用者口座に移動させる口座移動処理を実行する(ステップS31)。この口座移動処理は、例えば、株式の名義変更を含む。株式の口座間の移動により、株式の所有権が移転される。
図12に戻り、証券口座管理装置40は、移動終了後にその旨をポイント管理装置10に通知する(ステップS32)。
【0129】
移動終了の旨の通知は、ポイント管理部17により受信される。ポイント管理部17は、この通知を受信すると、ストックポイントと株式との交換が完了した旨を、ポイント減算後のポイント残高X(t)、交換した株式などの情報とともに利用者UAの利用者端末20に送信する(ステップS27)。利用者端末20は、交換完了の旨を前記の情報とともにその表示部に表示することで、交換完了の旨と、交換後のポイント残高X(t)と、交換された株式及び株数と、を報知する(ステップS16)。
【0130】
ポイント管理部17は、ステップS27のあとは、株価連動処理の禁止を解除する(ステップS28)。ポイント管理部17は、株価連動処理を禁止している間に、他のユーザIDに対応するポイント残高X(t)などについて株価連動処理を実行した場合には、禁止の対象としていたポイント残高X(t)についても株価連動処理を実行するとよい。これにより、ユーザUAのポイント残高X(t)が最新の株価を反映したものに更新される。
【0131】
以上のように、この実施の形態では、ポイント管理部17が、利用者に配布されたストックポイントの残高であるポイント残高X(t)を、当該ストックポイントに予め対応付けられた株式の経時的に変化する株価に応じて更新することにより、ポイント残高X(t)を株価と連動させる(第1~第3の実施形態参照)。そして、端末処理部16は、利用者端末20から、利用者UAの所有するストックポイント(つまりポイント残高X(t)の少なくとも一部)を、当該ポイント残高X(t)に対応する株式と交換する交換指示を受け付ける。さらに、ポイント管理部17が、端末処理部16により受け付けられた交換指示に基づいて、ポイント残高X(t)のうちの交換対象の株式の株価に応じたポイントと、当該株式とを交換する交換処理を行う。従って、利用者Uは、ストックポイントを株価の連動対象の株式に交換することができ、この交換によって株式を実際に所有することができる。このため、利用者Uは、株式への交換が可能となることにより、このような交換ができないポイントよりも、ストックポイントを所有してみようという動機を強くもつ。このように、本実施の形態によれば、ポイントを所有する強い動機が利用者Uに与えられる。
【0132】
交換処理の詳細は、任意である。この実施の形態のように、交換処理は、ポイント残高X(t)から、交換対象の株式の株価に応じたポイント数(例えば、1株当りのポイント数Xrに交換株数Zを乗じたポイント数)を減じる第1処理と、前記の株価に応じたポイント数分の前記株式の所有権を利用者に移すための第2処理と、を含むとよい。これら処理により、ストックポイントと株式との交換がスムーズに行われる。
【0133】
この実施の形態のように、ポイント管理部17が、各国の通貨のいずれ(特に、ストックポイントのサービスが提供される国の通貨)をも介在させないで前記交換処理を行うことにより、ストックポイントと株式との直接交換が可能となり、交換の際の処理が簡便となる。
【0134】
さらに、ポイント管理部17は、上記交換処理の第2処理として、証券口座管理装置40に対して、サービス提供者口座に預けられている株式を、当該株式への交換を申し込んだ利用者UAの利用者口座に移すことを指示する処理を行う。これにより、株式の所有権の移転がスムーズかつ容易に行われる。また、利用者口座が、サービス提供者口座とともに、同じ証券口座管理装置40により管理されている。これにより、口座間の株式の移動が容易に行われる。なお、同じ証券口座管理装置40とは、同じ証券会社SCにより管理される複数のサーバからなってもよい。なお、ポイント管理装置10が交換対象の株式の名義を管理し、ポイント管理部17は、第2処理として、株式の名義をサービス提供者SMから利用者UAに変更する処理を行ってもよい。
【0135】
また、この実施の形態のように、ポイント管理部17は、少なくとも上記の交換処理中に、ポイント残高X(t)を株価と連動させる株価連動処理を実行しないとよい。これにより、ストックポイントと株式との交換中に、1株当たりのストックポイントのポイント数が変化してしまうことが防止される。ポイント管理部17は、1株当りのポイント数を導出してから、又は、導出した1株当りのポイント数を利用者端末20に送信してから、交換処理の終了(第1処理及び第2処理の終了)まで株価連動処理を実行しないとよい。これにより、利用者UAに報知された1株当たりのストックポイントのポイント数とは異なるポイント数での交換が防止される。なお、前記の態様として、株価連動処理の実行中の期間においては上記の交換処理の実行が禁止されてもよい。このような場合、株価連動処理は、株価の終値確定時などの所定の時刻において定期的に実行され、当該時刻では、上記交換の受け付け(例えば、ステップS11の実行)が禁止されるようにしてもよい。
【0136】
[第1~第4の実施の形態に係るポイント管理装置10のハードウェア構成]
ポイント管理装置10のハードウェア構成は任意である。ポイント管理装置10の主要部は、例えば、
図15に示すように、プロセッサ901、メインメモリ及び不揮発性記憶装置を含む記憶部902、及び、通信ネットワークNWに接続されたネットワークカード903を備える。プロセッサ901は、1又は複数のCPU(Central Processing Unit)などからなっていればよい。記憶部902の不揮発性記憶装置には、上記ポイント発行テーブル及びポイント残高テーブルが記憶される。プロセッサ901は、記憶部902の不揮発性記憶装置に記憶されているプログラムを実行することにより、上記株価取得部15、端末処理部16、及び、ポイント管理部17として動作する。前記プログラムは、例えば、不揮発性記憶装置を含む、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記憶媒体に記録されればよい。前記各部15~17の少なくとも1つの部の少なくとも一部は、1以上の論理回路により構成されてもよい。論理回路としては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などが挙げられる。ポイント管理装置10などの各装置は、1つの筐体に入った1つの装置として構成されてもよいし、各機能の部品が複数の筐体に分散して収容された複数の装置から構成されてもよい。
【0137】
[第1~第4の実施の形態の変形例]
[変形例1]
ポイント管理装置10は、利用者に配布されたポイントに関するポイント残高を指定企業の株式の株価に連動させるものであればよい。この連動の方法は、上記実施の形態以外の方法で行われてもよい。つまり、ポイント管理部17によるポイント残高の更新方法や、ポイント残高テーブルの内容などは、適宜変更可能である。ポイント管理部17は、交換対象の株式の所有権を利用者UAに移転させる処理として、例えば、証券保管振替機構が保管している交換対象の株式の名義を利用者UAに変更するための処理(例えば、証券保管振替機構の前記名義を管理する装置に対して名義を変更する指示を出す処理)を実行してもよい。
【0138】
[変形例2]
上記各実施の形態では、ストックポイントの連動対象を株価としているが、ストックポイントの連動対象は、株価以外の、経時的に価格(より具体的には取引価格)が変化する他の商品のいずれかの前記価格(特に、ポイントサービスの提供国を自国としたときの自国通貨の価格)であってもよい。この場合、利用者口座及びサービス提供者口座は、その商品が預けられる口座となる。証券口座管理装置40は、例えば、前記口座を管理するサーバコンピュータなどの各種コンピュータであればよい。さらに、株式と同様に、サービス提供者などにより、ストックポイントの原資として商品が購入され、購入された商品が、サービス提供者口座に預けられてもよい。商品としては、金融商品及び金融派生商品などがある。金融商品としては、仮想通貨(暗号資産とも呼ばれる)及び外国通貨(例えば、ポイントサービスの提供国を自国としたときの外国の通貨)などがある。この場合、ストックポイントのポイント残高X(t)は、仮想通貨又は外国通貨の価格に連動して増減する。口座は、仮想通貨又は外国通貨が預けられる口座となる。金融商品として、株式の一種であるETF(上場投資信託)が採用されてもよい。商品として、各種債権又は投資信託などの他の金融商品が採用されてもよい。
【0139】
ストックポイントは、予め対応付けられた連動対象の商品と交換可能とされるとよい。つまり、第4の実施の形態における上記交換処理の対象は、ストックポイントが連動する、仮想通貨又は外国通貨などの各種商品であればよい。このような変形例によっても、ストックポイントと商品との交換により、上記実施の形態と同様に、ストックポイントを所有する強い動機が利用者Uに与えられる。
【0140】
上記第1~第3の実施の形態の株式を仮想通貨又は外国通貨に変更したものとして、ポイント管理装置10は、利用者が利用する利用者端末と通信ネットワークを介して接続され、前記利用者に配布されたポイントの残高を管理するポイント管理装置であって、前記残高を前記ポイントに予め対応付けられた仮想通貨又は外国通貨の価格に応じて更新することにより、前記残高を前記価格と連動させるポイント管理部と、前記残高の照会を示す前記利用者端末からの残高照会要求に応じて、前記ポイント管理部により更新された前記利用者の新たな残高を前記利用者端末へ通知する端末処理部と、を備えてもよい。このような構成によれば、ポイントの残高が仮想通貨又は外国通貨の価格に連動するので、利用者はポイントを所有してみようという気になり、ポイントを所有する強い動機が利用者Uに与えられる。
【0141】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0142】
1,1A…ポイント管理システム、10…ポイント管理装置、11…通信I/F部、12…操作入力部、13…画面表示部、14…ポイントDB、15…株価取得部、16…端末処理部、17…ポイント管理部、20…利用者端末、30…株価提供サーバ、NW…通信ネットワーク。