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特開2023-96355判断方法、プログラム、及び判断システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096355
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】判断方法、プログラム、及び判断システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20230630BHJP
   G06Q 30/015 20230101ALI20230630BHJP
   G10L 15/10 20060101ALI20230630BHJP
   G10L 25/66 20130101ALI20230630BHJP
   G06Q 40/06 20120101ALI20230630BHJP
   G06Q 40/08 20120101ALI20230630BHJP
【FI】
G06Q40/02
G06Q30/02 470
G10L15/10 500Z
G10L25/66
G06Q40/06
G06Q40/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021212038
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】穗積 潤一
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB00
5L055BB13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】金融商品の取り引きに係るトラブルの発生の可能性を低減する判断方法、プログラム及び判断システムを提供する。
【解決手段】判断方法は、音声取得処理ST3と、評価処理ST4と、判定処理ST5と、出力処理ST6と、を含む。音声取得処理ST3は、金融商品の取り引きを金融機関へ申し込む申込者が発話した音声を示す音声データを取得することを含む。評価処理ST4は、音声取得処理ST3で取得された音声データに基づいて、申込者の認知機能の程度を評価することを含む。判定処理ST5は、評価処理ST4の結果に基づいて、申込者の金融商品の取り引きの可否を判定することを含む。出力処理ST6は、判定処理ST5で判定された可否の結果を含む通知情報を、金融機関における金融商品の取り引きの担当者へ通知されるように出力することを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融商品の取り引きを金融機関へ申し込む申込者が発話した音声を示す音声データを取得する音声取得処理と、
前記音声取得処理で取得された前記音声データに基づいて、前記申込者の認知機能の程度を評価する評価処理と、
前記評価処理の結果に基づいて、前記申込者の金融商品の取り引きの可否を判定する判定処理と、
前記判定処理で判定された可否の結果を含む通知情報を、前記金融機関における金融商品の取り引きの担当者へ通知されるように出力する出力処理と、
を含む、
判断方法。
【請求項2】
前記音声取得処理において、前記申込者が発話した音声は、予め決められた定型文を前記申込者が読み上げた音声を含む、
請求項1に記載の判断方法。
【請求項3】
前記音声取得処理において、前記申込者が発話した音声は、自動音声により前記申込者に問いかけを行い、前記問いかけに対して前記申込者が発話した音声を含む、
請求項1又は2に記載の判断方法。
【請求項4】
前記音声取得処理において、前記申込者が発話した音声は、前記金融商品に関連する質問に対して前記申込者が発話した音声を含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の判断方法。
【請求項5】
前記判定処理では、前記評価処理で評価された前記申込者の認知機能の程度に基づいて、前記申込者の金融商品の取り引きの可否を、取り引きが可能又は不可能の2段階で判定する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の判断方法。
【請求項6】
前記判定処理では、前記評価処理で評価された前記申込者の認知機能の程度に基づいて、前記申込者の金融商品の取り引きの可否を、3以上の複数段階で判定し、
前記3以上の複数段階は、
全ての金融商品の取り引きが可能な段階と、
一部の金融商品のみの取り引きが可能な段階と、
全ての金融商品の取り引きが不可能な段階と、
を含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の判断方法。
【請求項7】
前記通知情報は、前記評価処理で評価された前記申込者の認知機能の程度を示す情報を含まない、
請求項1~6のいずれか1項に記載の判断方法。
【請求項8】
前記出力処理である第1出力処理に加えて、前記評価処理で評価された前記申込者の認知機能の程度を示す情報を含む評価結果情報を、前記申込者又は前記申込者の関係者へ通知されるように出力する第2出力処理を、更に含む、
請求項1~7のいずれか1項に記載の判断方法。
【請求項9】
前記評価処理では、前記音声データから抽出される特徴量を用いて前記認知機能を評価する、
請求項1~8のいずれか1項に記載の判断方法。
【請求項10】
前記特徴量は、
前記音声データで示される前記申込者の音声に含まれる音節における母音の第一フォルマント周波数に関する量、
前記音声データで示される前記申込者の音声に含まれる音節における母音の第二フォルマント周波数に関する量、
前記音声データで示される前記申込者の音声に含まれる複数の母音それぞれについての、1以上のフォルマントの周波数及び振幅に関する量、
前記音声データの基本周波数の単位時間あたりの変動、
前記音声データの基本周波数の単位時間あたりの変動幅、
前記申込者の音声に含まれる開音節における子音の音圧と前記子音に後続する母音の音圧との間の音圧差、
前記申込者の音声に含まれる複数の開音節における、子音の音圧と前記子音に後続する母音の音圧との間の音圧差の、ばらつき、
定型文の読み上げに要した総時間、
前記定型文の複数回の前記読み上げにそれぞれ要した時間の変化量
からなる群から選択される1以上を含む、
請求項9に記載の判断方法。
【請求項11】
1以上のプロセッサに、請求項1~10のいずれか1項に記載の判断方法を実行させるためのプログラム。
【請求項12】
金融商品の取り引きを金融機関へ申し込む申込者が発話した音声を示す音声データを取得する音声取得部と、
前記音声取得部で取得された前記音声データに基づいて、前記申込者の認知機能の程度を評価する評価部と、
前記評価部による評価の結果に基づいて、前記申込者の金融商品の取り引きの可否を判定する判定部と、
前記判定部で判定された可否の結果を含む通知情報を、前記金融機関における金融商品の取り引きの担当者へ通知されるように出力する出力部と、
を備える、
判断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、判断方法、プログラム、及び判断システムに関する。本開示は、より詳細には、金融商品の取り引きを申し込む申込者の、金融商品の取引能力を判断するための判断方法、プログラム、及び判断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、保険料の算定を、保険加入者の運転能力、保険加入者の運転条件を評価して行う、自動車保険の料金設定システムが開示されている。
【0003】
特許文献1の自動車保険の料金設定システムは、以下のことを行う。すなわち、保険加入者が保険の対象項目と保険の補償内容とを特定して行った自動車保険の加入申込に基づいて、保険の補償内容によって一律に決定される基本保険料を算定する。また、保険加入者の運転能力の提示を求め、保険加入者から提示された運転能力を基に加算保険料を算定する。また、基本保険料と加算険保料とを合算して支払保険料として一旦徴収する。また、予め保険加入者から提示された運転能力を基準に提示内容に違反して運転した場合の運転能力ポイントと、予め提示した安全運転基準に違反した違反行為があった場合の安全運転ポイントとを算定する。そして、運転能力ポイントと安全運転ポイントとを合算した減点ポイントに相当する料金を加算保険料として積算し、保険満了時に精算する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-358425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
保険等の金融商品を購入した後で、購入者が認知症であったことが判明し、トラブルとなるケースが発生している。
【0006】
本開示の目的は、金融商品の取り引きに係るトラブルの発生の可能性を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様の判断方法は、音声取得処理と、評価処理と、判定処理と、出力処理と、を含む。前記音声取得処理は、金融商品の取り引きを金融機関へ申し込む申込者が発話した音声を示す音声データを取得することを含む。前記評価処理は、前記音声取得処理で取得された前記音声データに基づいて、前記申込者の認知機能の程度を評価することを含む。前記判定処理は、前記評価処理の結果に基づいて、前記申込者の金融商品の取り引きの可否を判定することを含む。前記出力処理は、前記判定処理で判定された可否の結果を含む通知情報を、前記金融機関における金融商品の取り引きの担当者へ通知されるように出力することを含む。
【0008】
本開示の一態様のプログラムは、1以上のプロセッサに、前記判断方法を実行させるためのプログラムである。
【0009】
本開示の一態様の判断システムは、音声取得部と、評価部と、判定部と、出力部と、を備える。前記音声取得部は、金融商品の取り引きを金融機関へ申し込む申込者が発話した音声を示す音声データを取得する。前記評価部は、前記音声取得部で取得された前記音声データに基づいて、前記申込者の認知機能の程度を評価する。前記判定部は、前記評価部による評価の結果に基づいて、前記申込者の金融商品の取り引きの可否を判定する。前記出力部は、前記判定部で判定された可否の結果を含む通知情報を、前記金融機関における金融商品の取り引きの担当者へ通知されるように出力する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、金融商品の取り引きに係るトラブルの発生の可能性を低減することが可能となる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態の判断システムのブロック図である。
図2図2は、同上の判断システムを模式的に示す模式図である。
図3図3は、同上の判断システムによる判断方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態の判断方法、及び判断方法の実行主体である判断システム100(図1参照)について、図面を用いて説明する。下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0013】
(1)概要
本実施形態の判断方法は、金融商品の取り引きを金融機関へ申し込む人(申込者H1;図2参照)の、金融商品についての取り引き能力の有無を判断(或いは、判断を補助)する方法である。本実施形態の判断方法は、例えば、金融機関の施設(店舗)において申込者H1が金融商品の取り引きを申し込む際に、金融商品の取り引きの申し込みの手続きの一環として行われることを想定する。金融商品は、例えば、株式、為替、債券、投資信託、保険加入、預貯金等である。金融商品は、例えば、株式、為替、保険加入を少なくとも含む。金融商品の取り引きの申し込みの手続きとは、例えば、申込者H1が金融商品の取り引きを開始するための手続きであって、金融機関の担当者H2による金融商品の説明、金融商品を取り引きするための口座の開設等の手続きを含む。本実施形態の判断方法は、全ての種類の金融商品の取り引きの申し込みの際に行われてもよいし、例えば、金融機関が予め選定した特定の種類の金融商品の取り引きの申し込みの際のみに行われてもよい。
【0014】
金融商品の取り引きを希望する場合、申込者H1は、例えば、金融機関の施設(店舗)へ赴いて、窓口等で金融商品の取り引きの申し込みを行う。金融機関の担当者H2は、申込者H1に対して希望する金融商品の説明を行い、取り引き内容について申込者H1から承諾を受ける。
【0015】
ここで、申込者H1の認知機能が低下していると、申込者H1は、金融商品のリスク等を十分に理解しないまま、取り引き内容を承諾してしまう場合がある。そして、申込者H1の認知機能が低下していることに金融機関の担当者H2が気付かずに、金融商品の取り引きの手続きを進めてしまうと、取り引き(売買契約)の成立後に、例えば不当契約等のトラブルとなる可能性がある。このようなトラブルは、金融機関側にとっては、金銭的な損失の発生、イメージダウン等の不利益につながる可能性がある。また、申込者H1側にとっても、トラブルへの対処のための労力が必要となるという不利益がある。
【0016】
このように、申込者H1の認知機能の低下に気付くことなく金融商品の取り引きが行われることは、金融機関側、申込者H1側の双方にとって、不利益となる。そのため、金融商品の取り引きの申し込みの手続きにおいて、申込者H1の認知機能の程度が金融商品の取り引きを行っても問題ないレベルであるかを確認することは、このようなトラブルの発生を防ぐためにも重要となる。
【0017】
申込者H1が認知症であるかについては、例えば、MoCA(Montreal Cognitive Assessment)テスト等の認知症の診断のためのバッチテストを申込者H1が受けることで確認することができる。しかしながら、MoCAテストは、15分程度の時間を要する。また、MoCAテストは、申込者H1の経時的な変化を診断するために、日をおいて複数回実行することで、申込者H1が認知症であるかどうかの判定を行う必要がある。そのため、このようなテストを金融商品の取り引きの申し込みの手続きに導入すると、手続きの完了までに多くの時間がかかることとなる。また、認知機能の程度を示す情報は、個人のプライバシーにかかわる情報であるため、金融機関の担当者H2に知られるのを申込者H1が望まないことも考えられる。
【0018】
上記の事情を鑑みて、本実施形態の判断方法は、以下の構成を採用している。
【0019】
図3に示すように、本実施形態の判断方法は、音声取得処理ST3と、評価処理ST4と、判定処理ST5と、出力処理ST6と、を含んでいる。音声取得処理ST3では、申込者H1に音声を発話させて、この音声を示す音声データを取得する。評価処理ST4では、音声取得処理ST3で取得された音声データに基づいて、申込者H1の認知機能の程度を評価する。判定処理ST5では、評価処理ST4の結果に基づいて、申込者H1の金融商品の取り引きの可否を判定する。出力処理ST6では、判定処理ST5で判定された可否の結果を含む通知情報を、担当者H2へ通知されるように出力する。
【0020】
このように、本実施形態の判断方法は、申込者H1が発話した音声を示す音声データに基づいて申込者H1の認知機能の程度を評価し、評価結果に基づいて金融商品の取り引き能力の有無(取り引きの可否)を判定し、判定結果を担当者H2へ通知している。そのため、例えばMoCAテスト等を用いる場合と比較して、短時間で、申込者H1の金融商品の取り引きの可否を判断することが可能となる。そして、金融商品の取り引きの手続きの一環としてこのような判断方法を取り入れることで、金融商品の取り引きに係るトラブルの発生の可能性を低減することが可能となる。もちろん、通知情報は申込者H1へも通知されてもよい。
【0021】
また、本実施形態の判断方法では、担当者H2へ通知されるのは、評価処理ST4で評価された申込者H1の認知機能の程度を示す情報そのものではなく、判定処理ST5で判定された可否を示す結果である。そのため、認知機能の程度を示す情報を担当者H2へ通知する場合と比較して、申込者H1の心理的な負担を軽減することが可能となる。これにより、金融商品の取り引きに係るトラブルの発生の可能性を更に低減することが可能となる。
【0022】
本実施形態の判断システム100は、上述の判断方法の実行主体である。判断システム100は、図1に示すように、音声取得部F3と、評価部F4と、判定部F5と、出力部F6と、を備える。
【0023】
音声取得部F3は、本実施形態の判断方法における音声取得処理ST3を実行する。音声取得部F3は、申込者H1が発話した音声を示す音声データを取得する。評価部F4は、本実施形態の判断方法における評価処理ST4を実行する。評価部F4は、音声取得部F3で取得された音声データに基づいて、申込者H1の認知機能の程度を評価する。判定部F5は、本実施形態の判断方法における判定処理ST5を実行する。判定部F5は、評価部F4による評価の結果に基づいて、申込者H1の金融商品の取り引きの可否を判定する。出力部F6は、本実施形態の判断方法における出力処理ST6を実行する。出力部F6は、判定部F5で判定された可否の結果を含む通知情報を、担当者H2へ通知されるように出力する。
【0024】
本実施形態の判断システム100でも、金融商品の取り引きに係るトラブルの発生の可能性を低減することが可能となる。
【0025】
(2)詳細
以下、本実施形態の判断方法、及び判断システム100の詳細について、図1図3を参照して説明する。
【0026】
(2.1)全体構成
図1図2に、本実施形態の判断方法を実行するための判断システム100の構成を示す。
【0027】
図2に示すように、判断システム100は、第1サーバ10を備えている。また、判断システム100は、第2サーバ20と端末装置30とを更に備えている。第1サーバ10は、電気通信回線NT1を介して端末装置30と通信可能である。第2サーバ20は、電気通信回線NT1を介して端末装置30と通信可能である。第1サーバ10は、電気通信回線NT1を介して第2サーバ20と通信可能であってもよい。なお、判断システム100は少なくとも第1サーバ10(が有する機能)を備えていればよく、第2サーバ20及び端末装置30は判断システム100の構成要素でなくてもよい。
【0028】
端末装置30は、ここでは、金融機関の担当者H2によって操作される装置を想定する。端末装置30は、例えば、携帯型の情報端末(タブレット端末、スマートフォン等)、パーソナルコンピュータ等である。端末装置30は、金融機関の施設(店舗等)に配置されている。端末装置30は、申込者H1によっても操作され得る。
【0029】
第1サーバ10は、本実施形態の判断方法を行う判断システム100の主体を構成する。第1サーバ10は、本実施形態の判断方法の少なくとも一部をサービスとして提供する団体(企業等)の施設、又はその団体に関連する施設に設置されている。
【0030】
第2サーバ20は、金融機関において端末装置30が配置されている施設(店舗等)、金融機関において端末装置30が配置されている施設以外の施設(本社等)、又は金融機関に関連する施設に設置されている。
【0031】
電気通信回線NT1は、例えば、移動体通信網、PSTN(公衆交換電話網)、インターネット等を含み得る。電気通信回線NT1は、単一の通信プロトコルに準拠したネットワークだけではなく、異なる通信プロトコルに準拠した複数のネットワークで構成され得る。通信プロトコルは、周知の様々な有線及び無線通信規格から選択され得る。図2では簡略化されているが、電気通信回線NT1は、リピータハブ、スイッチングハブ、ブリッジ、ゲートウェイ、ルータ等のデータ通信機器を含み得る。
【0032】
(2.2)端末装置
端末装置30は、例えば汎用の情報端末である。本実施形態では、図2に示すように、端末装置30が汎用のタブレット端末である場合を想定する。
【0033】
図1に示すように、端末装置30は、表示部31と、操作部32と、音声入力部33と、音声出力部34と、通信部35と、記憶部36と、処理部37と、を備える。
【0034】
表示部31は、種々の情報を表示する。表示部31は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)又は有機ELディスプレイを含んでいる。
【0035】
操作部32は、申込者H1及び/又は担当者H2によって操作される。操作部32は、申込者H1及び/又は担当者H2からの操作入力を受け付け、受け付けた操作に応じた信号を出力する。本実施形態では、端末装置30は汎用のタブレット端末であるので、例えばタッチパネルディスプレイのように、表示部31と操作部32とが一体化されている。タッチパネルディスプレイにおいては、端末装置30は、表示部31に表示される各画面上でのボタン等のオブジェクトの操作(タップ、スワイプ、ドラッグ等)が操作部32で検出されることをもって、ボタン等のオブジェクトが操作されたことと判断する。つまり、表示部31及び操作部32は、各種の表示に加えて、申込者H1及び/又は担当者H2からの操作入力を受け付けるユーザインタフェースとして機能する。なお、これに限らず、操作部32は、キーボード又はポインティングデバイス、メカニカルなスイッチ等を含んでもよい。
【0036】
音声入力部33は、マイクロホンを備えている。マイクロホンは、音響信号を受けてそれを電気信号に変換する。音声入力部33は、例えば、申込者H1が発話した音声を含む音を、音声データ(音声信号)へと変換する。得られた音声データは、通信部35を介して、第1サーバ10等の外部の装置へと出力される。
【0037】
音声出力部34は、スピーカを備えている。スピーカは、電気信号を音に変換する。音声出力部34は、例えば、第1サーバ10等の外部の装置から通信部35を介して取得された音声データを、音声に変換して出力する。
【0038】
通信部35は、通信インタフェースである。通信部35は、電気通信回線NT1に接続可能な通信インタフェースであり、電気通信回線NT1を通じた通信を行う機能を有する。これにより、端末装置30は、電気通信回線NT1を通じて第1サーバ10及び第2サーバ20と通信可能である(図2参照)。
【0039】
記憶部36は、情報を記憶するための装置である。記憶部36は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM等を含み得る。
【0040】
処理部37は、端末装置30の全体的な制御、すなわち、表示部31、操作部32、音声入力部33、音声出力部34、通信部35、及び記憶部36の動作を制御するように構成される。処理部37は、例えば、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。つまり、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上のプログラム(アプリケーション)を実行することで、処理部37として機能する。プログラムは、ここでは処理部37のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0041】
上述のように、端末装置30は、金融機関の施設(店舗)に配置されている。端末装置30は、主として金融機関の担当者H2によって操作される。
【0042】
担当者H2は、例えば、端末装置30を用い、表示部31に適宜の情報を表示させながら、申込者H1に対して金融商品の説明を行う。金融商品の説明を行う際に表示部31に表示される情報は、例えば、端末装置30の記憶部36に記憶されている情報、或いは第2サーバ20から送信された情報であり得る。
【0043】
また、端末装置30は、判断システム100が判断方法を行う際のユーザインタフェースとして機能する。端末装置30は、判断方法の実行主体である第1サーバ10から送信された情報を受け取って、担当者H2及び申込者H1へ情報を提示(表示、音声出力)する。また、端末装置30は、申込者H1及び担当者H2からの入力(操作入力、音声入力)を受け付け、受け付けた入力に対応する情報を第1サーバ10へ送信する。
【0044】
なお、申込者H1及び担当者H2は、端末装置30を用いて、金融商品の取り引きを行ってもよい。例えば、本実施形態の判断方法において金融商品の取り引きが「可能」と判断された場合、申込者H1及び担当者H2は、端末装置30をユーザインタフェースとして用いて、金融商品の取り引きについての契約(売買契約)の一部を行ってもよい。また、申込者H1は、金融機関が運営する会員サイトへの加入の手続き、会員サイトへのログイン及び会員サイトの閲覧等を、端末装置30を用いて行ってもよい。
【0045】
(2.3)第1サーバ
図1に示すように、第1サーバ10は、通信部11と、記憶部12と、処理部13と、を備えている。
【0046】
通信部11は、通信インタフェースである。通信部11は、電気通信回線NT1に接続可能な通信インタフェースであり、電気通信回線NT1を通じた通信を行う機能を有する。第1サーバ10は、電気通信回線NT1を通じて端末装置30と通信可能である。また、第1サーバ10は、電気通信回線NT1を通じて第2サーバ20と通信可能である。なお、通信部11が端末装置30と通信するための通信プロトコルは、通信部11が第2サーバ20と通信するための通信プロトコルと同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0047】
通信部11は、電気通信回線NT1を介して端末装置30と信号を送受信する。通信部11は、電気通信回線NT1を介して第2サーバ20と信号を送受信する。
【0048】
記憶部12は、情報を記憶するための装置である。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM等を含み得る。記憶部12には、端末装置30からの開始指示信号を受けて端末装置30へ送信される課題データが、記憶される。また、記憶部12には、学習済モデルM1(後述する)が記憶される。記憶部12は、端末装置30から送信される申込者H1の音声データを記憶するための領域を有していてもよい。
【0049】
処理部13は、例えば、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。つまり、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上のプログラム(アプリケーション)を実行することで、処理部13として機能する。
【0050】
処理部13は、第1サーバ10の全体的な制御、すなわち、通信部11及び記憶部12の動作を制御するように構成される。また、図1に示すように、処理部13は、受付部F1と、課題提示部F2と、音声取得部F3と、評価部F4と、判定部F5と、出力部F6と、を備えている。なお、受付部F1、課題提示部F2、音声取得部F3、評価部F4、判定部F5、及び出力部F6は、実体のある構成を示しているわけではなく、処理部13によって実現される機能を示している。
【0051】
受付部F1は、受付処理ST1を行う。受付処理ST1は、本実施形態の判断方法の開始の指示を受け付ける処理である。例えば、担当者H2又は申込者H1が端末装置30を操作することにより、端末装置30は、判断方法の開始を指示する開始指示信号を第1サーバ10へ送信する。受付部F1は、通信部11を介して開始指示信号を受信することで、判断方法の開始の指示を受け付ける。
【0052】
課題提示部F2は、課題提示処理ST2を行う。課題提示処理ST2は、申込者H1に提示されるべき課題を示す課題データを出力する処理である。課題提示部F2は、受付部F1にて開始指示信号を受信すると、課題データを出力する。ここでの課題データは、自動音声の音声データの形式であり得る。課題データは、通信部11を介して端末装置30へ送信される。端末装置30は、音声データ形式の課題データを受け取ると、課題データの音声データに基づいて、音声出力部34から自動音声を出力(発音)する。
【0053】
課題データは、申込者H1に発話を促す課題情報を含む。課題情報とは、申込者H1に発話させたい文章の内容を、課題として提示するための情報である。
【0054】
課題情報は、例えば、早口言葉等の定型文、複数の母音「え」「おえう」「いあえお」等を含むランダムな文、都道府県名等の申込者H1の記憶を問う文等を含み得る。
【0055】
課題情報は、例えば、申込者H1に定型文の読み上げを促す内容を含み得る。課題情報は、例えば、申込者H1に読み上げられるべき定型文と、この定型文の読み上げを行うべき期間の始点及び終点を示す音(例えば「ピ」音)と、を含み得る。
【0056】
課題情報は、異なる複数の定型文を含んでもよい。例えば、課題情報は、6種類の定型文を順次読み上げさせる内容を含み得る。
【0057】
定型文は、例えば、閉鎖子音と後続母音とからなる文字を、5以上含む文であり得る。定型文は、例えば、「きたからきたかたたたきき」等の文を含み得る。
【0058】
定型文は、所定の音節が繰り返されるフレーズを含み得る。所定の音節は、例えば、閉鎖子音、及び当該閉鎖子音に続く母音によって構成され得る。所定の音節は、例えば、「ぱ」、「た」、及び「か」のいずれかであり得る。つまり、定型文は、「ぱぱぱぱぱ・・・」、「たたたたた・・・」、「かかかかか・・・」等のフレーズであり得る。
【0059】
また、課題情報は、同一の定型文の複数回の読み上げを指示する内容を含み得る。この場合、課題情報は、定型文を読み上げるべき回数を含んでもよい。
【0060】
申込者H1は、提示された課題に対応する回答内容を、発話する。すなわち、申込者H1が発話する音声は、自動音声により申込者H1に問いかけを行い、問いかけに対して申込者H1が発話した音声であり得る。申込者H1が発話した音声は、予め決められた定型文を申込者H1が読み上げた音声を含み得る。
【0061】
申込者H1が発話した音声は、端末装置30の音声入力部33で音声データ(電気信号)に変換され、第1サーバ10へ送信される。
【0062】
音声取得部F3は、音声取得処理ST3を行う。音声取得処理ST3は、申込者H1が発話した音声を示す音声データを取得する処理である。音声取得部F3は、課題提示部F2からの自動音声に応答して申込者H1から発せられた音声を示す音声データを、端末装置30から取得する。音声取得部F3は、電気通信回線NT1を通じて音声データを取得する。
【0063】
評価部F4は、評価処理ST4を行う。評価処理ST4は、音声取得処理ST3で取得された音声データに基づいて、申込者H1の認知機能の程度を評価する処理である。評価部F4は、音声取得部F3で取得された音声データを演算処理することで、申込者H1の認知機能の程度を評価する。評価部F4は、例えば、音声データから抽出される特徴量を用いて、申込者H1の認知機能を評価する。
【0064】
本実施形態の判断システム100において、評価部F4は、学習済モデルM1を利用して申込者H1の認知機能を評価する。学習済モデルM1は、記憶部12に記憶されている。学習済モデルM1は、例えばロジスティック回帰モデルである。
【0065】
学習済モデルM1は、与えられた入力(特徴量)に対して、申込者H1の認知機能の程度を示す値を出力するように設計されている。評価部F4は、音声データから得られた特徴量を学習済モデルM1に与え、これによって学習済モデルM1から得られた値に基づいて、申込者H1の認知機能の程度を評価する。このような学習済モデルM1は、認知機能の程度を示す値と特徴量との関係を規定する学習用データ(データセット)を用いた教師あり学習により生成することができる。
【0066】
本実施形態において、認知機能の評価に用いられる特徴量は、音声データで示される申込者H1の音声に含まれる母音部分のスペクトルから得られるフォルマントに基づき得る。フォルマントとは、横軸が時間である音声データを横軸を周波数に変換して得られるスペクトルにおいて表われる、複数のピークを意味する。例えば、複数のピークのうち、周波数の最も低いピークを第一フォルマントと呼び、第一フォルマントの次に周波数の低いピークを第二フォルマントと呼ぶ。
【0067】
例えば、特徴量は、第一フォルマント周波数及び/又は第二フォルマント周波数に関する量(第1量)を含み得る。第一フォルマント周波数は、第一フォルマントの周波数であり、第二フォルマント周波数は、第二フォルマントの周波数である。
【0068】
一例において、上記第1量は、音声データで示される申込者H1の音声に含まれる複数の音節における複数の母音の、第一フォルマント周波数、第二フォルマント周波数、又は第一フォルマント周波数に対する第二フォルマント周波数の比のばらつきを含み得る。ばらつきは、例えば標準偏差である。
【0069】
一例において、上記第1量は、音声データで示される申込者H1の音声に含まれる複数の音節における複数の母音の、第一フォルマント周波数又は第二フォルマント周波数の変化量を含み得る。
【0070】
一例において、上記第1量は、音声データで示される申込者H1の音声に含まれる複数の音節における複数の母音の第一フォルマント周波数又は第二フォルマント周波数の変化にかかる所要時間を含み得る。
【0071】
一例において、上記第1量は、音声データで示される申込者H1の音声に含まれる複数の音節における複数の母音の第一フォルマント周波数又は第二フォルマント周波数の、所要時間に対する変化量の比である変化率を含み得る。
【0072】
一例において、上記第1量は、母音の第一フォルマント周波数に対する第二フォルマント周波数で形成される座標空間において、音声データで示される申込者H1の音声に含まれる複数の音節における複数の母音の第一フォルマント周波数に対する第二フォルマント周波数の値をプロットした場合の、プロットされた複数の点の間の位置関係、又はそれらの点で形成される多角形の形状又は面積を含み得る。
【0073】
例えば、特徴量は、1以上のフォルマントの周波数及び振幅に関する量(第2量)を含み得る。
【0074】
一例において、上記第2量は、第二フォルマントの周波数及び振幅を含み得る。
【0075】
一例において、上記第2量は、第二フォルマントの周波数及び振幅の標準偏差を含み得る。一例において、上記第2量は、第二フォルマントの周波数及び振幅の時間に対する変化量を含み得る。第二フォルマントの周波数及び振幅の標準偏差、及び第二フォルマントの周波数及び振幅の時間に対する変化量の各々は、申込者H1の音声のスペクトルにおける所定時間ごとの複数の第二フォルマントの周波数及び振幅から求められる。
【0076】
一例において、上記第2量は、第一フォルマント周波数に対する第二フォルマント周波数の比、及び第一フォルマントの振幅に対する第二フォルマントの振幅の比を含み得る。
【0077】
また、認知機能の評価に用いられる特徴量は、音声データの基本周波数の単位時間あたりの変動を含み得る。基本周波数とは、音源の振動数、つまり、申込者H1が発した音声の音程を意味する。基本周波数の単位時間あたりの変動とは、基本周波数の単位時間あたりの変化量を意味する。
【0078】
一例において、特徴量は、音声データの基本周波数の単位時間あたりの変動幅を含み得る。基本周波数の単位時間あたりの変動幅とは、ある単位時間における基本周波数の最大値と最小値との差を意味する。
【0079】
また、認知機能の評価に用いられる特徴量は、音声データで示される申込者H1の音声に含まれる開音節における子音の音圧と当該子音に後続する母音の音圧との間の音圧差を含み得る。
【0080】
認知機能の評価に用いられる特徴量は、音声データで示される申込者H1の音声に含まれる複数の開音節における、子音の音圧と当該子音に後続する母音の音圧との間の音圧差の、ばらつきを含み得る。
【0081】
認知機能の評価に用いられる特徴量は、定型文の読み上げに際し、申込者H1が読み上げに要した総時間を含み得る。
【0082】
認知機能の評価に用いられる特徴量は、同一の定型文の複数回の読み上げに際し、複数回の読み上げにそれぞれ要した時間の変化量を含み得る。
【0083】
また、評価部F4は、申込者H1の属性情報に更に基づいて、申込者H1の認知機能を評価してもよい。属性情報は、申込者H1の年齢、性別、学習歴等の、申込者H1の認知機能と関連性のある情報を含み得る。
【0084】
評価部F4は、申込者H1の認知機能の評価結果を生成する。評価結果は、例えば、申込者H1の認知機能の程度が、健常者(NC:Normal Control)のレベル、軽度の認知症患者(MCI:Mild Cognitive Inpairment)のレベル、或いは認知症患者(AD:Alzheimer’s disease)のレベルのいずれであるかを示す情報であり得る。つまり、評価部F4は、申込者H1の認知機能の程度を、3段階で評価する。ただし、これに限らず、評価部F4は、申込者H1の認知機能の程度を2又は4以上の段階で評価してもよい。例えば評価部F4は、MCIを複数段階(例えば、ADに近い重度のMCIと、NCに近い軽度のMCIとの2段階)に分けて評価してもよいし、ADを複数段階に分けて評価してもよい。また、評価結果は、申込者H1の認知機能の程度を示す数値であってもよい。
【0085】
判定部F5は、判定処理ST5を行う。判定処理ST5は、評価処理ST4の結果に基づいて、申込者H1の金融商品の取り引きの可否を判定する処理である。ここでは、判定部F5は、評価部F4で評価された申込者H1の認知機能の程度が健常者(NC)のレベルであれば、申込者H1に金融商品の取り引き能力が有ると判断して、金融商品の取り引きが「可能」であると判定する。一方、判定部F5は、それ以外のレベル(MCI又はADのレベル)であれば、申込者H1に金融商品の取り引き能力が無いと判断して、金融商品の取り引きが「不可能」であると判定する。すなわち、判定部F5は、申込者H1の認知機能の程度が健常者(NC)のレベルに無ければ、金融商品の取り引きの判断を行うための判断能力に懸念がある可能性があるとして、金融商品の取り引きを行わない方がよい、と判定する。要するに、判定部F5は、評価部F4で評価された申込者H1の認知機能の程度に基づいて、申込者H1の金融商品の取り引きの可否を、取り引きが可能又は不可能の2段階で判定する。
【0086】
出力部F6は、出力処理ST6を行う。出力処理ST6は、通知情報を出力する処理である。通知情報は、判定部F5で判定された可否の結果(「可能」又は「不可能」)を含んでいる。通知情報は、評価部F4で評価された申込者H1の認知機能の程度を示す情報を含まない。通知情報は、例えば画像データの形式であり得る。通知情報は、可否の結果を示す文章を含み得る。判定部F5の判定結果が「可能」の場合、通知情報は、例えば、「お取り引きできます」という文章を含み得る。判定部F5の判定結果が「不可能」の場合、通知情報は、例えば、「お取り引きできません」という文章を含み得る。通知情報は、可否の結果を婉曲的に示す文章を含み得る。判定部F5の判定結果が「不可能」の場合、通知情報は、例えば、「今回は残念ですがご遠慮いただきますようお願いします。またの機会に、次回は、医療機関での受診結果をお持ちいただきご来店をお願いします。」という文章を含み得る。
【0087】
通知情報は、電気通信回線NT1を介して端末装置30へ送信される。端末装置30は、通知情報を受け取ると、通知情報を表示部31に表示する。これにより、通知情報が、担当者H2及び申込者H1へ通知される。要するに、出力部F6は、担当者H2(及び申込者H1の双方)へ通知されるように、通知情報を出力する。
【0088】
このように、本実施形態の判断方法及び判断システム100では、通知情報は、担当者H2に提示(閲覧)される。本実施形態の判断方法では、通知情報は、申込者H1の認知機能の程度を示す情報そのものではなく、可否の結果を示す情報を含んでいる。そのため、通知情報が申込者H1の認知機能の程度を示す情報を含む場合と比較して、申込者H1の心理的負担を軽減することが可能となる。
【0089】
(2.4)第2サーバ
図1に示すように、第2サーバ20は、通信部21と、記憶部22と、処理部23と、を備えている。
【0090】
通信部21は、通信インタフェースである。通信部21は、電気通信回線NT1に接続可能な通信インタフェースであり、電気通信回線NT1を通じた通信を行う機能を有する。第2サーバ20は、電気通信回線NT1を通じて端末装置30と通信可能である。また、第2サーバ20は、電気通信回線NT1を通じて第1サーバ10と通信可能である。なお、通信部21が端末装置30と通信するための通信プロトコルは、通信部21が第1サーバ10と通信するための通信プロトコルと同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0091】
通信部21は、電気通信回線NT1を介して端末装置30と信号を送受信する。通信部21は、電気通信回線NT1を介して第1サーバ10と信号を送受信する。
【0092】
記憶部22は、情報を記憶するための装置である。記憶部22は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM等を含み得る。記憶部22には、金融機関で取り扱う金融商品の情報が記憶されている。
【0093】
処理部23は、例えば、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。つまり、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上のプログラム(アプリケーション)を実行することで、処理部23として機能する。
【0094】
処理部23は、第2サーバ20の全体的な制御、すなわち、通信部21及び記憶部22の動作を制御するように構成される。また、処理部23は、申込者H1との金融商品の取り引きの契約を行う機能を有する。例えば、処理部23は、金融機関が運営する会員サイトの登録者の情報を管理する。また、処理部23は、会員サイトの登録者が操作する情報端末からの要求に応じて、口座への入金、金融商品の購入等の処理を行う。
【0095】
(2.5)動作
以下、図3を参照して本実施形態の判断方法について簡単に説明する。
【0096】
金融商品の取り引きを希望する人(申込者H1)は、金融機関の店舗へ赴いて、窓口等で金融商品の取り引きを申し込む。金融機関の担当者H2は、金融商品の取り引きの申し込みの手続きにおいて、端末装置30を用いて金融商品の説明を行う。また、金融機関の担当者H2は、金融商品の取り引きの申し込みの手続きにおいて、申込者H1の金融商品の取り引き能力が十分であるか否かを判断するために、申込者H1の同意を取り付けた上で、本実施形態の判断方法を行う。
【0097】
具体的には、担当者H2は、端末装置30を操作して、第1サーバ10へ開始指示信号を送信させる。第1サーバ10は、開始指示信号を受信することで、判断方法の開始の指示を受け付ける(受付処理ST1)。
【0098】
開始の指示を受け付けると、第1サーバ10は、課題データを端末装置30へ送信し、端末装置30から課題を提示させる(課題提示処理ST2)。上述のように、課題は、自動音声の形式で音声出力部34から出力される。
【0099】
申込者H1は、提示された課題に対して、音声で回答する。端末装置30は、音声入力部33にて申込者H1の音声を音声データへと変換し、音声データを第1サーバ10へ送信する。第1サーバ10は、端末装置30から送信された音声データを取得する(音声取得処理ST3)。
【0100】
第1サーバ10は、取得した音声データから、特徴量を抽出する。また、第1サーバ10は、抽出した特徴量を用いて、申込者H1の認知機能の程度を評価する(評価処理ST4)。
【0101】
また、第1サーバ10は、評価処理ST4の結果に基づいて、申込者H1の金融商品の取り引きの可否を判定する(判定処理ST5)。第1サーバ10は、評価処理ST4で評価された申込者H1の認知機能の程度がNCのレベルであれば、「可能」と判定し、それ以外のレベルであれば、「不可能」と判定する。
【0102】
第1サーバ10は、判定処理ST5で判定された可否の結果を含む通知情報を、端末装置30へ出力する(出力処理ST6)。通知情報は、端末装置30にて、担当者H2及び申込者H1に対して提示(表示)される。申込者H1及び担当者H2は、端末装置30にて、通知情報の内容を確認する。
【0103】
通知情報で示される判定処理ST5の結果が「可能」の場合(ST7:Yes)、担当者H2は、申込者H1との金融商品の取り引きの手続きを継続し、例えば口座の開設等の手続きを行う(ST8)。一方、通知情報で示される判定処理ST5の結果が「不可能」の場合(ST7:No)、担当者H2は、申込者H1から同意を得て、取り引きの手続きを中止する(ST9)。
【0104】
(3)変形例
上記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。上記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、上記実施形態の判断方法と同様の機能は、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0105】
一態様に係る(コンピュータ)プログラムは、1以上のプロセッサに、上述の実施形態の判断方法を実行させるためのプログラムである。
【0106】
以下、実施形態の変形例を列挙する。以下では、上記実施形態を「基本例」と呼ぶこともある。上記の基本例及び以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0107】
本開示における判断システム100は、例えば、第1サーバ10、第2サーバ20、端末装置30等に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、第1サーバ10、第2サーバ20、端末装置30としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0108】
また、第1サーバ10及び第2サーバ20の各々における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは判断システム100に必須の構成ではなく、第1サーバ10及び第2サーバ20の各々の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、判断システム100の少なくとも一部の機能、例えば、第1サーバ10及び第2サーバ20の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0109】
反対に、上述の実施形態において、複数の装置に分散されている判断システム100の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、第1サーバ10と第2サーバ20とに分散されている判断システム100の一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
【0110】
一変形例において、課題提示処理ST2で出力される課題データは、画像データの形式であってもよい。その場合、端末装置30は、課題情報を、申込者H1に視覚的に提示する。例えば、端末装置30は、課題情報を示す文章、画像、映像等を、表示部31に表示させてもよい。
【0111】
一変形例において、課題情報は、解答が一義的に決まる質問を含んでもよい。質問は、金融商品に関連していてもよい。質問の例としては、例えば、金融商品の種類を答えさせる質問、購入時から所定機関経過後における金融商品の売却価格の計算結果を、提示された所定の情報に基づいて答えさせる質問等がある。すなわち、音声取得処理ST3において取得される、申込者H1が発話した音声は、金融商品に関連する質問に対して申込者H1が発話した音声であってもよい。申込者H1の認知機能の程度の評価結果の正確性の向上を図ることが可能となる。
【0112】
一変形例において、課題情報は、解答が一義的に決まらない質問を含んでもよい。質問の例としては、例えば、申込者H1の氏名、年齢、教育歴等を答えさせる質問がある。
【0113】
一変形例において、本開示の判断方法は、金融機関が運営する会員サイト上で行われてもよい。すなわち、端末装置3等を用いて申込者H1が会員サイトにログインした状態で所定の操作を行うことで、開始指示信号が第1サーバ10へ送信される。通知情報は、会員サイト内の所定領域に表示される。
【0114】
一変形例において、出力部F6から出力される通知情報は、第2サーバ20へも送信されてもよい。第2サーバ20は、例えば、第1サーバ10から、申込者H1の金融商品の取り引きが「不可能」であることを示す通知情報を受け取ると、この申込者H1から金融商品の取り引きの要請を受けたとしても、取り引きを中止してもよい。例えば、会員サイト上で本開示の判断方法が行われ、金融商品の取り引きが「不可能」と判断された場合、第2サーバ20は、会員サイト上での金融商品の取り引きの手続きを禁止してもよい。すなわち、判断方法は、金融商品の取り引きの手続きに、判定処理ST5の結果を反映させる反映処理を含んでいてもよい。
【0115】
一変形例において、通知情報は、申込者H1に医療機関への受診を促す情報を含んでいてもよい。
【0116】
一変形例において、通知情報は、端末装置30(申込者H1の音声が入力される装置)以外の装置へ送信されてもよい。例えば、通知情報は、金融機関の施設に配置されている、端末装置30以外の装置へ送信されてもよい。或いは、通知情報は、申込者H1が所有する情報端末、例えば申込者H1が所有するスマートフォンへ送信されてもよい。例えば、開始指示信号に通知情報の出力先を含ませることで、このような態様が実現可能である。いずれにせよ、出力処理ST6は、通知情報が、少なくとも担当者H2へ通知される態様であればよい。
【0117】
一変形例において、判定部F5は、申込者H1の金融商品の取り引きの可否を、3以上の複数段階で判定してもよい。3以上の複数段階としては、例えば、全ての金融商品の取り引きが可能な段階と、一部の金融商品例えば預貯金及び保険の取り引きのみが可能な段階と、全ての金融商品の取り引きが不可能な段階と、を含み得る。
【0118】
一変形例において、判断方法は、出力処理ST6である第1出力処理に加えて、第2出力処理を更に含んでもよい。第2出力処理は、評価処理ST4で評価された申込者H1の認知機能の程度を示す情報を含む評価結果情報を、申込者H1又は申込者H1の関係者(家族等)へ通知されるように出力する処理である。すなわち、申込者H1又は申込者H1の関係者(が所有する情報端末等)には、申込者H1の認知機能の評価結果について、第1出力処理ST6で出力される通知情報よりも詳細な情報(評価結果情報)が通知され得る。第2出力処理にて出力される評価結果情報は、申込者H1と申込者H1の関係者とで、異なっていてもよい。すなわち、第1サーバ10は、申込者H1の認知機能の程度の評価結果に基づいて、異なる内容を含む複数の情報を出力してもよい。
【0119】
一変形例において、第1サーバ10の所有者は、判断システム100による判断方法を実施する金融機関から、使用料を受け取ってもよい。使用料は、定額制(例えば月毎に一定料金を支払う方法)であってもよいし、従量制(例えば、判断方法を実施した回数におうじて料金を支払う方法)であってもよい。
【0120】
一変形例において、本開示の判断方法は、申込者H1の金融商品の取り引きの申し込み時以外のタイミング、例えば申し込み後に定期的/不定期に実施されてもよい。
【0121】
一変形例において、端末装置30は、第1サーバ10が出力する通知情報を担当者H2へそのまま提示しなくてもよく、例えば適宜婉曲な表現に変換して担当者H2へ提示してもよい。
【0122】
(4)態様
以上説明した実施形態及び変形例から明らかなように、本明細書には以下の態様が開示されている。
【0123】
第1の態様の判断方法は、音声取得処理(ST3)と、評価処理(ST4)と、判定処理(ST5)と、出力処理(ST6)と、を含む。音声取得処理(ST3)は、金融商品の取り引きを金融機関へ申し込む申込者(H1)が発話した音声を示す音声データを取得することを含む。評価処理(ST4)は、音声取得処理(ST3)で取得された音声データに基づいて、申込者(H1)の認知機能の程度を評価することを含む。判定処理(ST5)は、評価処理(ST4)の結果に基づいて、申込者(H1)の金融商品の取り引きの可否を判定することを含む。出力処理(ST6)は、判定処理(ST5)で判定された可否の結果を含む通知情報を、金融機関における金融商品の取り引きの担当者(H2)へ通知されるように出力することを含む。
【0124】
この態様によれば、金融商品の取り引きに係るトラブルの発生の可能性を低減することが可能となる。
【0125】
第2の態様の判断方法では、第1の態様において、音声取得処理(ST3)において、申込者(H1)が発話した音声は、予め決められた定型文を申込者(H1)が読み上げた音声を含む。
【0126】
この態様によれば、認知機能の程度の評価結果の正確性の向上を図ることが可能となる。
【0127】
第3の態様の判断方法では、第1又は第2の態様において、音声取得処理(ST3)において、申込者(H1)が発話した音声は、自動音声により申込者(H1)に問いかけを行い、問いかけに対して申込者(H1)が発話した音声を含む。
【0128】
この態様によれば、金融商品の取り引きに係るトラブルの発生の可能性を低減することが可能となる。
【0129】
第4の態様の判断方法では、第1~第3のいずれか1つの態様において、音声取得処理(ST3)において、申込者(H1)が発話した音声は、金融商品に関連する質問に対して申込者(H1)が発話した音声を含む。
【0130】
この態様によれば、認知機能の程度の評価結果の正確性の向上を図ることが可能となる。
【0131】
第5の態様の判断方法では、第1~第4のいずれか1つの態様において、判定処理(ST5)では、評価処理(ST4)で評価された申込者(H1)の認知機能の程度に基づいて、申込者(H1)の金融商品の取り引きの可否を、取り引きが可能又は不可能の2段階で判定する。
【0132】
この態様によれば、申込者(H1)の心理的負担を軽減することが可能となる。
【0133】
第6の態様の判断方法では、第1~第4のいずれか1つの態様において、判定処理(ST5)では、評価処理(ST4)で評価された申込者(H1)の認知機能の程度に基づいて、申込者(H1)の金融商品の取り引きの可否を、3以上の複数段階で判定する。3以上の複数段階は、全ての金融商品の取り引きが可能な段階と、一部の金融商品のみの取り引きが可能な段階と、全ての金融商品の取り引きが不可能な段階と、を含む。
【0134】
この態様によれば、申込者(H1)は、自身の認知機能の程度に応じた金融商品の取り引きが可能となる。
【0135】
第7の態様の判断方法では、第1~第6のいずれか1つの態様において、通知情報は、評価処理(ST4)で評価された申込者(H1)の認知機能の程度を示す情報を含まない。
【0136】
この態様によれば、申込者(H1)の心理的な負担を軽減することが可能となる。
【0137】
第8の態様の判断方法では、第1~第7のいずれか1つの態様において、出力処理(ST6)である第1出力処理に加えて、第2出力処理を更に含む。第2出力処理は、評価処理(ST4)で評価された申込者(H1)の認知機能の程度を示す情報を含む評価結果情報を、申込者(H1)又は申込者(H1)の関係者へ通知されるように出力することを含む。
【0138】
この態様によれば、申込者(H1)又はその関係者に、認知機能の程度の評価結果を通知することが可能となる。
【0139】
第9の態様の判断方法では、第1~第8のいずれか1つの態様において、評価処理(ST4)では、音声データから抽出される特徴量を用いて認知機能を評価する。
【0140】
この態様によれば、評価処理(ST4)における認知機能の程度の評価結果の正確性の向上を図ることが可能となる。
【0141】
第10の態様の判断方法では、第9の態様において、特徴量は、以下の群から選択される1以上を含む。上記群は、音声データで示される申込者(H1)の音声に含まれる音節における母音の第一フォルマント周波数に関する量を含む。上記群は、音声データで示される申込者(H1)の音声に含まれる音節における母音の第二フォルマント周波数に関する量を含む。上記群は、音声データで示される申込者(H1)の音声に含まれる複数の母音それぞれについての、1以上のフォルマントの周波数及び振幅に関する量を含む。上記群は、音声データの基本周波数の単位時間あたりの変動を含む。上記群は、音声データの基本周波数の単位時間あたりの変動幅を含む。上記群は、申込者(H1)の音声に含まれる開音節における子音の音圧と子音に後続する母音の音圧との間の音圧差を含む。上記群は、申込者(H1)の音声に含まれる複数の開音節における、子音の音圧と子音に後続する母音の音圧との間の音圧差の、ばらつきを含む。上記群は、定型文の読み上げに要した総時間を含む。上記群は、定型文の複数回の読み上げにそれぞれ要した時間の変化量を含む。
【0142】
この態様によれば、評価処理(ST4)における認知機能の程度の評価結果の正確性の向上を図ることが可能となる。
【0143】
第11の態様のプログラムは、第1~第10の態様のいずれか1つの判断方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0144】
この態様によれば、金融商品の取り引きに係るトラブルの発生の可能性を低減することが可能となる。
【0145】
第12の態様の判断システムは、音声取得部(F3)と、評価部(F4)と、判定部(F5)と、出力部(F6)と、を備える。音声取得部(F3)は、金融商品の取り引きを金融機関へ申し込む申込者(H1)が発話した音声を示す音声データを取得する。評価部(F4)は、音声取得部(F3)で取得された音声データに基づいて、申込者(H1)の認知機能の程度を評価する。判定部(F5)は、評価部(F4)による評価の結果に基づいて、申込者(H1)の金融商品の取り引きの可否を判定する。出力部(F6)は、判定部(F5)で判定された可否の結果を含む通知情報を、金融機関における金融商品の取り引きの担当者(H2)へ通知されるように出力する。
【0146】
この態様によれば、金融商品の取り引きに係るトラブルの発生の可能性を低減することが可能となる。
【符号の説明】
【0147】
F3 音声取得部
F4 評価部
F5 判定部
F6 出力部
H1 申込者
H2 担当者
ST3 音声取得処理
ST4 評価処理
ST5 判定処理
ST6 出力処理
図1
図2
図3