(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096391
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】牽引支援装置及び牽引支援方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/26 20060101AFI20230630BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20230630BHJP
B60R 11/04 20060101ALI20230630BHJP
B60D 1/24 20060101ALI20230630BHJP
B62D 53/00 20060101ALI20230630BHJP
G01B 11/00 20060101ALI20230630BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
G01B11/26 H
B60R11/02 C
B60R11/04
B60D1/24
B62D53/00 Z
G01B11/00 H
H04N7/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021212109
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮下 彩乃
【テーマコード(参考)】
2F065
3D020
5C054
【Fターム(参考)】
2F065AA03
2F065AA17
2F065AA24
2F065AA32
2F065AA46
2F065AA51
2F065BB28
2F065CC11
2F065DD06
2F065FF04
2F065QQ31
2F065SS13
3D020BA04
3D020BA20
3D020BB06
5C054CA04
5C054CC02
5C054FC12
5C054FC15
5C054FD03
5C054FE14
5C054HA26
(57)【要約】
【課題】折れ角を演算するために必要なパラメータを取得する際、メジャー測定作業やシステムへの手入力作業の手間を省き、システム使用者の負担を軽減すること。
【解決手段】牽引支援装置のパラメータ入力受付部32は、画像上の連結軸120の回転軸位置の情報と、マーカー220の中心位置の情報と、を受け付け、画像上のマーカー220の外周に合せるように形成された外枠マークM3を用いてマーカー220の大きさに関する情報を受け付ける。実距離換算部34は、受け付けた情報を用いて、マーカー220の地上からの高さを算出し、車載カメラ10と連結軸120との間の画像上の距離と、連結軸120とマーカー220の間の画像上の距離と、を算出して、実距離に換算する。記憶部35は、算出したマーカー220の地上からの実際の高さと、車載カメラ10から連結軸120までの第1距離と、連結軸120からマーカー220までの第2距離と、を保存する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
牽引支援装置であって、
牽引車に設置され、前記牽引車と被牽引車との連結軸と、前記被牽引車に取り付けられたマーカーと、を含む連結部分の画像情報を取得する車載カメラと、
前記車載カメラからの前記連結部分の画像を表示画面に表示する表示部と、
前記表示画面に表示されている前記連結部分への画面入力操作による情報を受け付けるパラメータ入力受付部と、
前記パラメータ入力受付部で受け付けた前記情報を用いて、画像上の距離から実距離へ換算する実距離換算部と、
前記実距離換算部で換算された情報を記憶する記憶部と、
を備え、
前記パラメータ入力受付部は、画面入力操作により、前記画像上の前記連結軸の回転軸位置の情報と、前記マーカーの中心位置の情報と、を受け付け、前記画像上の前記マーカーの外周に合せるように形成された外枠マークを用いて、前記マーカーの大きさに関する情報を受け付け、
前記実距離換算部は、前記パラメータ入力受付部で受け付けた情報を用いて、前記マーカーの地上からの高さを算出し、前記車載カメラと前記連結軸との間の画像上の距離と、前記連結軸と前記マーカーの間の画像上の距離と、を算出して、実距離に換算し、
前記記憶部は、前記実距離換算部で算出した、前記マーカーの地上からの実際の高さと、前記車載カメラから前記連結軸までの第1距離と、前記連結軸から前記マーカーまでの第2距離と、を保存する
ことを特徴とする牽引支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載された牽引支援装置において、
前記入力受付部は、第1パラメータ入力受付部と、第2パラメータ入力受付部と、第3パラメータ入力受付部と、を有し、前記連結部分が表示されている前記表示画面に対し、第1画面入力操作と第2画面入力操作と第3画面入力操作とを受け付け、
前記第1画面入力操作は、前記連結軸の回転軸位置マークを指定するタップ操作と、指定した前記回転軸位置マークを連結軸画像の回転軸位置に合わせる微調整操作であり、
前記第2画面入力操作は、前記マーカーの中心位置マークを指定するタップ操作と、指定した前記中心位置マークをマーカー画像の中心位置に合わせる微調整操作であり、
前記第3画面入力操作は、前記マーカーの外枠マークを指定するタップ操作と、指定した前記外枠マークの大きさをマーカー画像の大きさに合わせる調整操作である
ことを特徴とする牽引支援装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載された牽引支援装置において、
画面入力操作による前記連結軸の前記回転軸位置マークと前記マーカーの前記中心位置マークの指定に基づき、前記連結軸の中心軸位置と前記マーカーの中心位置を探索する位置探索部を備え、
前記位置探索部は、
前記連結軸の画像位置を画面入力操作により指定すると、指定位置を中心とする探索処理領域を設定し、領域内での位置探索により前記連結軸の回転軸位置座標を求め、
前記マーカーの画像位置を画面入力操作により指定すると、指定位置を中心とする探索処理領域を設定し、領域内での位置探索により前記マーカーの基準位置座標を求める
ことを特徴とする牽引支援装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか一項に記載された牽引支援装置において、
前記パラメータ入力受付部は、前記折れ角の演算に用いる高さパラメータと距離パラメータの書き替え要求があると、要求に応じて前記表示画面への画面入力操作によるパラメータ入力受付処理を実施する
ことを特徴とする牽引支援装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までの何れか一項に記載された牽引支援装置において、
前記車載カメラで撮影した前記連結部分のカメラ画像を、前記連結部分を上方から視た俯瞰画像に視点変換する視点変換処理部を備え、
前記パラメータ入力受付部は、前記表示画面に表示される前記俯瞰画像に対する画面入力操作によりパラメータ入力を受け付ける
ことを特徴とする牽引支援装置。
【請求項6】
車載カメラと、牽引車と被牽引車との連結軸と、前記被牽引車に取り付けられたマーカーと、を備える牽引支援方法であって、
前記車載カメラからの前記牽引車と前記被牽引車との連結部分の画像を表示部の表示画面に表示し、
前記表示画面への画面入力操作により、前記画像上の前記連結軸の回転軸位置の情報と、前記マーカーの中心位置の情報と、を受け付け、前記画像上の前記マーカーの外周に合せるように形成された外枠マークを用いて、前記マーカーの大きさに関する情報を受け付け、
受け付けた情報を用いて、前記マーカーの地上からの実際の高さを算出し、前記車載カメラと前記連結軸との間の画像上の距離と、前記連結軸と前記マーカーの間の画像上の距離と、を算出して、実距離に換算し、
前記マーカーの地上からの実際の高さと、前記車載カメラから前記連結軸までの第1距離と、前記連結軸から前記マーカーまでの第2距離と、を保存する
ことを特徴とする牽引支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、牽引支援装置及び牽引支援方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、牽引車(トラクタ)と被牽引車(トレーラー)とを連結した連結軸の中心位置である回転中心位置を精度良く設定することで、折れ角を精度よく求める牽引支援装置が知られている。従来の牽引支援装置は、被牽引車が、連結軸の回りの少なくとも3つの回転角度位置にあるときにそれぞれ車載カメラで撮影された画像におけるマーカーの位置に基づいて、連結軸の中心の位置である回転中心の位置を設定する。そして、設定された回転中心の位置と、マーカーの中心の位置と、に基づいて、折れ角を求めている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、牽引車と被牽引車とは、これらを連結する連結軸の中心回りに回転する。そして、牽引車に対する被牽引車の向きの差異を表す折れ角は、被牽引車に取り付けられたマーカーを用い、連結軸の中心回りにマーカーの中心位置が回転する回転角度で求められる。このとき、必要なパラメータである距離パラメータや高さパラメータなどは、使用前にドライバーなどの使用者が測定し、その数値をシステムへ登録しなければならない。よって、距離を測定するためのメジャーを用意しておく必要があるし、メジャーによる測定作業とシステムへの手入力作業を要し、トレーラーアシスト(牽引支援)を気軽に使用できないという課題がある。
【0005】
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、折れ角を演算するために必要なパラメータを取得する際、メジャー測定作業やシステムへの手入力作業の手間を省き、システム使用者の負担を軽減することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、牽引支援装置であって、車載カメラと、表示部と、パラメータ入力受付部と、実距離換算部と、記憶部と、を備える。パラメータ入力受付部は、画像上の連結軸の回転軸位置の情報と、マーカーの中心位置の情報と、を受け付け、画像上のマーカーの外周に合せるように形成された外枠マークを用いて、マーカーの大きさに関する情報を受け付ける。実距離換算部は、パラメータ入力受付部で受け付けた情報を用いて、マーカーの地上からの高さを算出し、車載カメラと連結軸との間の画像上の距離と、連結軸とマーカーの間の画像上の距離と、を算出して、実距離に換算する。記憶部は、実距離換算部で算出した、マーカーの地上からの実際の高さと、車載カメラから連結軸までの第1距離と、連結軸からマーカーまでの第2距離と、を保存する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、上記構成を採用したため、折れ角を演算するために必要なパラメータを取得する際、メジャー測定作業やシステムへの手入力作業の手間を省き、システム使用者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例1の牽引支援装置及び牽引支援方法が適用された牽引支援システムを示すブロック図である。
【
図2】実施例1の牽引支援装置及び牽引支援方法が適用された牽引車と被牽引車との連結構造を模式的に示す斜視図である。
【
図3】
図2に示した牽引車と被牽引車との折れ角を示す連結部平面図である。
【
図4】被牽引車の被連結部材に取り付けられたマーカーを示す平面図である。
【
図5】蛇行走行をすると連結軸の回転軸位置を中心として被連結部材に設けられたマーカー中心位置が円弧上に移動することを模式的に示す平面図である。
【
図6】モニタ画面に表示される連結部分の俯瞰画像への画面入力操作を説明する入力受付画面の一例を示すモニタ画面正面図である。
【
図7】折れ角演算部による牽引車に対して被牽引車がなす折れ角の演算手法を示す連結部平面図である。
【
図8】カメラECU(Electronic Control Unit)において実行される高さパラメータ及び距離パラメータの画面入力から保存処理までの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図9】被牽引車の被連結部材の形状がI字形状であるときの連結部分を示す連結部平面図である。
【
図10】被牽引車の被連結部材の形状がY字形状であるときの連結部分を示す連結部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明による牽引支援装置及び牽引支援方法を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
【実施例0010】
実施例1の牽引支援装置及び牽引支援方法が適用された牽引支援システムAは、トレーラー特有のジャックナイフ現象に至るのを未然に防止することを目的とし、折れ角情報を牽引車のドライバーに対して提示するトレーラー向け運転支援システムの一つである。
【0011】
ここで、「ジャックナイフ現象」とは、駐車時の旋回後退走行などにおいて、牽引車と被牽引車とが大きく折れ曲がるトレーラーに特有の現象をいう。また、ドライバーに対する提示は、画面表示とアナウンス音声や警報音などにより視角と聴覚に訴える提示としている。なお、ハンドル振動などによる触覚に訴える提示を加えても良い。
【0012】
まず、
図1~
図7を参照し、実施例1の牽引支援システムAの詳しい構成を説明する。
【0013】
図1は、実施例1の牽引支援装置及び牽引支援方法が適用された牽引支援システムAを示すブロック図である。牽引支援システムAは、
図1に示すように、車載カメラ10と、カメラECU30と、モニタ90(表示部)と、を備え、これらはトラクタなどの牽引車100に搭載されている。
【0014】
図2は、牽引車100と被牽引車200とを模式的に示す斜視図、
図3は、
図2に示した牽引車100と被牽引車200との折れ角θを説明する平面図である。
【0015】
牽引車100は、その後部に、後方に延びた連結部材110を備えている。連結部材110は、後方側の先端部に鉛直方向に延びた連結軸120を備えている。被牽引車200は、その前部に、前方に延びた被連結部材210を備えている。連結軸120は、被連結部材210の前方側の先端部に形成された連結孔(図示省略)に挿入し、被連結部材210と連結部材110と、を連結する。そして、連結部材110に被連結部材210が連結された状態で、被牽引車200は牽引車100に連結されて、連結軸120の回転軸位置130の回りに回転可能な状態で牽引される。
【0016】
被牽引車200は、
図3に示すように、連結軸120の回転軸位置130の回りに回転することによって、被牽引車200の向きが牽引車100の向きに対してずれる。「折れ角θ」とは、被牽引車200の向きが牽引車100の向きに対してずれている状態を、連結軸120の回転軸位置130の回りの角度として表したものをいう。また、「折れ角がゼロ度」とは、牽引車100と被牽引車200とが連結して直進しているときの折れ角であり、厳密にゼロ度をいうのではなく、直進走行での横振れによるゼロ度前後の許容角度範囲を含む略ゼロ度となっている状態をいう。
【0017】
図4は被連結部材210に設けられたマーカー220を示す平面図である。被連結部材210の上面には、
図4に示すように、マーカー220が取り付けられている。マーカー220は、略正方形状の外形である。マーカー220は、互いに直交するx軸及びy軸にそれぞれ平行に延びた仮想の直線により、4つの矩形の領域221,222,223,224に仕切られている。x軸に平行に延びた仮想の直線とy軸に平行に延びた仮想の直線とは、マーカー220の中心位置225をそれぞれ通過する。なお、水平面上にx軸とy軸との直交座標で定義された世界座標(xy座標)の原点は、例えば、車載カメラ10の中心とする。
【0018】
マーカー220の4つの領域221~224のうち、領域221及び領域224は白色、領域222及び領域223は黒色で形成されている。したがって、4つの領域221~224は、同色の領域がx軸方向及びy軸方向にそれぞれ隣接しない配置の市松模様(a checkered pattern)状の柄となっている。なお、マーカー220の中心位置225を特定して検出し得るようなものであれば、市松模様の柄に限定されず、他の模様等を適用することも可能である。
【0019】
車載カメラ10は、
図2に示すように、牽引車100の後部の、連結部材110よりも上方の部位に、その光軸が牽引車100の後方斜め下方を向いた状態で取り付けられている。これにより、車載カメラ10は、
図2の破線で示すように、連結部材110及び被連結部材210の上面の略全面を撮影範囲とし、被連結部材210の上面に設けられたマーカー220も車載カメラ10により撮影される。即ち、車載カメラ10は、牽引車100に設置され、牽引車100と被牽引車200との連結軸120と、被牽引車200に取り付けられたマーカー220と、を含む連結部分の画像情報を取得する。
【0020】
カメラECU30は、
図1に示すように、視点変換処理部31と、パラメータ入力受付部32と、位置探索部33と、実距離換算部34と、記憶部35と、を備える。以下、カメラECU30の各構成要素について詳しく説明する。
【0021】
視点変換処理部31は、車載カメラ10で撮影した連結部分のカメラ画像を、連結部分を上方から平面視で視たと想定される俯瞰画像に変換する視点変換処理を行う。そして、視点変換処理部31において視点変換処理された俯瞰画像は、モニタ90のモニタ画面91(表示画面)に表示される。モニタ画面91は、画面に指を接触させるタッチ操作を、カメラECU30への入力操作として受け付けるタッチパネル式ディスプレイである。
【0022】
パラメータ入力受付部32は、折れ角θがゼロ度での停車中、モニタ画面91に表示されている連結部分への画面入力操作(画面タッチ操作)による情報を受け付ける。パラメータ入力受付部32は、俯瞰画像による連結部分が表示されているモニタ画面91に対する画面入力操作の受け付け部として、第1パラメータ入力受付部32aと第2パラメータ入力受付部32bと第3パラメータ入力受付部32cとを有する。なお、画面入力操作を受け付けるパラメータ入力受付画面には、
図6に示すように、第1パラメータ入力受付画面として、連結部分の俯瞰画像に連結軸120の回転軸位置マークM1を重畳させた画像が表示される。また、第2パラメータ入力受付画面として、連結部分の俯瞰画像にマーカー220の中心位置マークM2を重畳させた画像が表示される。また、第3パラメータ入力受付画面として、連結部分の俯瞰画像にマーカー220の外枠マークM3を重畳させた画像が表示される。
【0023】
第1パラメータ入力受付部32aは、第1パラメータ入力受付画面に対する第1画面入力操作を受け付ける。第1画面入力操作とは、
図6に示すように、連結軸120の回転軸位置マークM1を指定するタップ操作と、指定した回転軸位置マークM1を連結軸画像の回転軸位置130に合わせる微調整操作とをいう。ここで、第1パラメータ入力受付画面には、回転軸位置マークM1と共に十字キー92が表示される。よって、回転軸位置マークM1の位置微調整操作は、十字キー92へのタッチ操作により、指定した回転軸位置マークM1の位置を4方向への移動方向のうち何れかの方向に調整移動させることで行われる。
【0024】
第2パラメータ入力受付部32bは、第2パラメータ入力受付画面に対する第2画面入力操作を受け付ける。第2画面入力操作とは、
図6に示すように、マーカー220の中心位置マークM2を指定するタップ操作と、指定した中心位置マークM2をマーカー画像の中心位置225に合わせる微調整操作とをいう。ここで、第2パラメータ入力受付画面には、中心位置マークM2と共に十字キー92が表示される。よって、中心位置マークM2の位置微調整操作は、十字キー92へのタッチ操作により、指定した中心位置マークM2の位置を調整移動させることで行われる。
【0025】
第3パラメータ入力受付部32cは、第3パラメータ入力受付画面に対する第3画面入力操作を受け付ける。第3画面入力操作とは、
図6に示すように、マーカー220の外枠マークM3を指定するタップ操作と、指定した外枠マークM3の大きさをマーカー画像の大きさに合わせる調整操作とをいう。ここで、第3パラメータ入力受付画面には、外枠マークM3と共に拡大/縮小ボタン93が表示される。よって、外枠マークM3の大きさ調整操作は、拡大/縮小ボタン93へのタッチ操作により、外枠マークM3の大きさを拡大、又は、縮小することによりマーカー画像の大きさに合わせる調整が行われる。なお、拡大/縮小ボタン93は、プラスボタン部93aが外枠マークM3を拡大操作ボタンであり、マイナスボタン部93bが外枠マークM3の縮小操作ボタンである。
【0026】
ここで、画面入力操作を受け付ける入力受付画面には、
図6に示すように、パラメータ入力受け付け操作が開始されると画面入力操作を段階的に実施するため、1つの画面入力操作が終了する毎に押下する入力完了ボタン94が表示されている。よって、回転軸位置マークM1に対する第1画面入力操作を行い、操作終了を確認して入力完了ボタン94を押下すると、中心位置マークM2に対する第2画面入力操作へ移行する。続いて、中心位置マークM2に対する第2画面入力操作を行い、操作終了を確認して入力完了ボタン94を押下すると、外枠マークM3に対する第3画面入力操作へ移行する。続いて、外枠マークM3に対して第3画面入力操作を行い、操作終了を確認して入力完了ボタン94を押下すると、入力受け付け操作終了へと移行する。
【0027】
位置探索部33は、連結軸120とマーカー220の画像位置情報の取得に基づく探索により、連結軸120の回転軸位置座標[Pc(xc,yc)]とマーカー220の基準位置座標[Po(xo,yo)]を求める。具体的に位置探索部33は、連結軸120の画像位置の第1画面入力操作を完了すると、回転軸位置マークM1を中心として連結軸120の周りが含まれる最小限域の範囲による探索処理領域を設定する。そして、探索処理領域内での位置探索により連結軸120の回転軸位置座標[Pc(xc,yc)]を求める。また、マーカー220の画像位置の画面入力操作を完了すると、中心位置マークM2を中心としてマーカー220の周りが含まれる最小限域の範囲による探索処理領域を設定する。そして、探索処理領域内での位置探索によりマーカー220の基準位置座標[Po(xo,yo)]を求める。なお、位置探索は、探索処理領域を走査し、形状を特定するエッジ検出により行われる。
【0028】
実距離換算部34は、パラメータ入力受付部32での入力受け付け操作が終了すると、マーカー220の高さパラメータH(地面からマーカー位置までの高さ:
図2を参照)を実際の高さに換算して推定し、記憶部35に保存する。そして、位置探索部33からの連結軸120の回転軸位置座標[Pc(xc,yc)]に基づいて、車載カメラ10から連結軸120までの第1距離パラメータL1を、画像上の距離から実距離への換算により計算する。また、位置探索部33からのマーカー220の基準位置座標[Po(xo,yo)]に基づいて、連結軸120の位置からマーカー220までの第2距離パラメータL2を、画像上の距離から実距離への換算により計算する。
【0029】
ここで、第1距離パラメータL1と第2距離パラメータL2の画像上の距離から実距離への換算処理について説明する。まず、マーカー220の大きさは既知であるので、記憶部35にマーカー220の大きさを保存しておくと、俯瞰画像上のマーカーの大きさも既知である。また、俯瞰画像の特性上、1pix(画像上の距離)=Xmm(実距離)と換算することができる。よって、俯瞰画像上のマーカーの大きさが既知の大きさになるように、外枠マークM3の大きさ調整操作によりマーカー220の高さパラメータHを調整することで、第1距離パラメータL1と第2距離パラメータL2を、画像上の距離から実距離へ換算できる。また、画像上の距離から実距離へ換算する理由は、第1距離パラメータL1と第2距離パラメータL2と地面からマーカー220までの高さパラメータHは、実距離、実高さとして手入力されることを前提として構築されたカメラECU30のロジックを変えないでパラメータ入力受付部32を導入していることによる。
【0030】
記憶部35は、パラメータ入力受付部32及び実距離換算部34で取得された折れ角θの演算に用いる位置情報と距離情報を記憶しておく。記憶部35に記憶される位置情報は、連結軸120の回転軸位置130を表す回転軸位置座標[Pc(xc,yc)]と、折れ角θがゼロ度でのマーカー220の中心位置225を表す基準位置座標[Po(xo,yo)]である。記憶部35に記憶される距離情報は、車載カメラ10から連結軸120の回転軸位置130までの第1距離パラメータL1と、回転軸位置130からマーカー220の中心位置225までの第2距離パラメータL2と、地面からマーカー220までの高さパラメータHである。なお、第2距離パラメータL2は、
図5に示すように、マーカー220の中心位置225が、連結軸120の回転軸位置130を中心とする円弧上の移動軌跡を描く回転半径に相当する。
【0031】
ここで、パラメータ入力受付部32は、被牽引車200の変更などにより折れ角θの演算に用いる位置情報と距離情報の書き替え要求があると、要求に応じてモニタ画面91への画面入力操作による位置情報と距離情報の取得を受け付ける情報取得処理を実施する。そして、パラメータ入力受付部32、位置探索部33及び実距離換算部34で取得された位置情報と距離情報を記憶部35に書き替え保存する。
【0032】
なお、折れ角θの演算は、運転中に取得されるマーカー22の中心位置座標[Pn(xn,yn)]に基づいて、牽引車100と被牽引車200とがなす折れ角θを演算する。折れ角θを演算するとき、連結軸120の回転軸位置130を表す回転軸位置座標[Pc(xc,yc)]と、折れ角θがゼロ度でのマーカー220の中心位置225を表す基準位置座標[Po(xo,yo)]と、を記憶部35から読み出す。即ち、折れ角θは、
図7に示すように、回転軸位置座標[Pc(xc,yc)]と、基準位置座標[Po(xo,yo)]と、中心位置座標[Pn(xn,yn)]と、を用いて演算される。
【0033】
次に、実施例1のカメラECU30による動作を説明する。
図8は、カメラECU30において実行される高さパラメータH及び距離パラメータL1,L2の画面入力から保存処理までの動作の流れを示すフローチャートである。
パラメータ入力受付を開始すると(S0)、第1パラメータ入力受付画面を表示する(S1)。そして、ユーザーが入力完了ボタン94を押下したか否かが判断される(S2)。NO(押下無し)と判断されている間はS1へ戻り、第1パラメータ入力受付画面の表示が維持される。YES(押下有り)と判断されると、第2パラメータ入力受付画面を表示する(S3)。そして、ユーザーが入力完了ボタン94を押下したか否かが判断される(S4)。NO(押下無し)と判断されている間はS3へ戻り、第2パラメータ入力受付画面の表示が維持される。YES(押下有り)と判断されると、第3パラメータ入力受付画面を表示する(S5)。そして、ユーザーが入力完了ボタン94を押下したか否かが判断される(S6)。NO(押下無し)と判断されている間はS5へ戻り、第3パラメータ入力受付画面の表示が維持される。YES(押下有り)と判断されると、S7以降へ進む。
【0034】
S6にてユーザーが入力完了ボタン94を押下すると、マーカー220の高さパラメータHを推定し(S7)、高さパラメータHを保存する(S8)。S7でのマーカー高さ推定に続き、車載カメラ10と連結軸120との間の第1距離パラメータL1を計算し(S9)、続いて、回転半径(第2距離パラメータL2)を計算する(S10)。そして、第1距離パラメータL1と第2距離パラメータL2を保存する(S11)。S10の回転半径計算を終えると、パラメータ入力受付終了(S12)へと進む。
【0035】
このように、パラメータ入力受付を終了し、保存された距離パラメータL1,L2と高さパラメータHに基づいて演算された折れ角θは、モニタ90に出力されてのモニタ画面91に表示される。また、折れ角θが所定角より大きくなったり、折れ角θの上昇変化速度が所定速度以上になったりすると、アナウンス音声や警報音が加えられる。これにより、運転者が被牽引車200を牽引した牽引車100を運転する際(特に、駐車のために旋回しながら後退する際)に、モニタ90に表示された折れ角θを考慮し、大きな折れ角θに移行するのを未然に防止する運転操作を行うことができる。
【0036】
図9は、被牽引車の被連結部材の形状がI字形状であるときの連結部分を示す連結部平面図である。
図10は、被牽引車の被連結部材の形状がY字形状であるときの連結部分を示す連結部平面図である。以下、背景技術の課題、及び、課題を解決する必要なパラメータの入力作用を説明する。
【0037】
折れ角情報を取得するために用いられるトレーラーのマーカーを検出するために必要とされるパラメータは、使用前にドライバーなどの使用者が測定し、その数値をシステムへ登録しなければならない。このとき、距離を測定するためのメジャーを用意しておく必要があるし、メジャーによる測定作業と測定した数値をシステムへ入力する手入力作業を要する。
【0038】
よって、マーカー位置などの各種認識に必要なパラメータを、使用者が測定し、その数値をシステムへ手入力する手間を無くしたい、という要求がある。ここで、各種認識に必要なパラメータを例示すると、主に下記の3種類である。
(a) 車載カメラから連結軸までの第1距離パラメータ
(b) 連結軸からマーカーまでの第2距離パラメータ
(c) 地面からマーカーまでの高さパラメータ
【0039】
例えば、
図9に示すように、被牽引車の被連結部材の形状がI字形状である場合、第1距離パラメータがL1、第2距離パラメータがL2、高さパラメータがHであるとする。
図9に示す牽引車はそのままで、被牽引車を被連結部材の形状がY字形状である
図10に示す被牽引車に変更した場合、第1距離パラメータはL1のままで変わらないが、第2距離パラメータがL2からL2’に変わり、高さパラメータがHからH’に変わる。よって、
図9に示す被牽引車から
図10に示す被牽引車に変更された場合には、これらのパラメータ(L1,L2’,H’)を、システムへ書き替え登録するため、メジャーによる測定作業と測定した数値をシステムへ入力する手入力作業を要する。
【0040】
これに対し、
図9に示す被牽引車から
図10に示す被牽引車に変更された場合、例えば、被牽引車変更後の最初に走行する前の停車中にパラメータ入力ボタンをタップ操作により選択する。この選択操作によって
図8のフローチャートに沿って、パラメータ入力受付開始からパラメータ入力受付終了まで進む。
【0041】
このように、メジャーにより測定する代わりに、モニタ画面91に表示されているマークM1,M2,M3に対してタップと微調整によるタッチ入力操作を行うと、微調整後のタッチ座標情報に基づく位置探索と実距離換算により、必要なパラメータが推測される。そして、S8とS11において、第1距離パラメータL1,第2距離パラメータL2’,高さパラメータH’が、手入力ではなく自動で記憶部35に書き替え保存される。
【0042】
このため、折れ角θを演算するために必要なパラメータを取得する際、メジャー測定作業やシステムへの手入力作業の手間が省かれ、システム使用者の負担を軽減することができる。このとき、探索処理領域の設定により、連結軸120とマーカー220の位置探索負担も軽減される。そして、手間となっていたパラメータの入力作業が省かれた結果、トレーラー運転をアシストする牽引支援システムAを気軽に使用できる。
【0043】
以上説明したように、実施例1の牽引支援装置及び牽引支援方法にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
【0044】
(1)牽引支援装置であって、車載カメラ10と、表示部(モニタ90)と、パラメータ入力受付部32と、実距離換算部34と、記憶部35と、を備える。パラメータ入力受付部32は、画像上の連結軸120の回転軸位置の情報と、マーカー220の中心位置の情報と、を受け付け、画像上のマーカー220の外周に合せるように形成された外枠マークM3を用いて、マーカー220の大きさに関する情報を受け付ける。実距離換算部34は、パラメータ入力受付部32で受け付けた情報を用いて、マーカー220の地上からの高さを算出し、車載カメラ10と連結軸120との間の画像上の距離と、連結軸120とマーカー220の間の画像上の距離と、を算出して、実距離に換算する。記憶部35は、実距離換算部34で算出した、マーカー220の地上からの実際の高さと、車載カメラ10から連結軸120までの第1距離と、連結軸120からマーカー220までの第2距離と、を保存する。即ち、モニタ画面91に表示される連結部分の画像上の距離と、連結部分の実距離とが対応関係にある点に着目し、測定作業や数値入力作業を無くす代わりに、モニタ画面91への画面入力操作によって必要なパラメータの取得を受け付ける構成を採用した。このため、折れ角θを演算するために必要なパラメータを取得する際、メジャー測定作業やシステムへの手入力作業の手間が省かれ、システム使用者の負担を軽減する牽引支援装置を提供することができる。この結果、トレーラー運転をアシストする牽引支援システムAを気軽に使用できる。
【0045】
(2)パラメータ入力受付部32は、第1パラメータ入力受付部32aと、第2パラメータ入力受付部32bと、第3パラメータ入力受付部32cと、を有する。連結部分が表示されている表示画面(モニタ画面91)に対し、画面入力操作として、第1画面入力操作と第2画面入力操作と第3画面入力操作とを受け付ける。第1画面入力操作は、連結軸120の回転軸位置マークM1を指定するタップ操作と、指定した回転軸位置マークM1を連結軸画像の回転軸位置130に合わせる微調整操作である。第2画面入力操作は、マーカー220の中心位置マークM2を指定するタップ操作と、指定した中心位置マークM2をマーカー画像の中心位置225に合わせる微調整操作である。第3画面入力操作は、マーカー220の外枠マークM3を指定するタップ操作と、指定した外枠マークM3の大きさをマーカー画像の大きさに合わせる調整操作である。即ち、画面入力操作は、3つのマークM1,M2,M3のそれぞれを指定するタップ操作と、3つのマークM1,M2,M3の位置や大きさを画像に合わせる微調整操作又は調整操作としている。このため、簡単な画面入力操作としながら、折れ角θを演算するために必要なパラメータを取得することができる。
【0046】
(3)画面入力操作による連結軸120の回転軸位置マークM1とマーカー220の中心位置マークM2の指定に基づき、連結軸120の中心軸位置とマーカー220の中心位置を探索する位置探索部33を備える。位置探索部33は、連結軸120の画像位置を画面入力操作により指定すると、指定位置を中心とする探索処理領域を設定し、領域内での位置探索により連結軸120の回転軸位置座標[Pc(xc,yc)]を求める。マーカー220の画像位置を画面入力操作により指定すると、指定位置を中心とする探索処理領域を設定し、領域内での位置探索によりマーカー220の基準位置座標[Po(xo,yo)]を求める。このため、3つの画面入力操作により、高さパラメータHと距離パラメータL1,L2の取得に加え、連結軸120の回転軸位置座標[Pc(xc,yc)]と、マーカー220の基準位置座標[Po(xo,yo)]とを取得することができる。
【0047】
(4)パラメータ入力受付部32は、折れ角θの演算に用いる高さパラメータHと距離パラメータL1,L2の書き替え要求があると、要求に応じて表示画面(モニタ画面91)への画面入力操作によるパラメータ入力受付処理を実施する。このため、運転を開始する毎にパラメータ入力受付部32での情報取得処理を実施する場合に比べ、画面入力操作の頻度が減少して画面入力操作の負担を軽減できる。なお、書き替え要求は、牽引車に対して連結する被牽引車を変更するとき、マーカーを新しいマーカーに交換するとき、連結軸を新しい連結軸に交換するときなど、折れ角の演算に用いる位置情報や距離情報の変更が予測されるときにおいて要求が出される。
【0048】
(5)車載カメラ10で撮影した連結部分のカメラ画像を、連結部分を上方から視た俯瞰画像に視点変換する視点変換処理部31を備える。パラメータ入力受付部32は、表示画面(モニタ画面91)に表示される俯瞰画像に対する画面入力操作により、パラメータ入力を受け付ける。例えば、車載カメラ10で撮影した斜めからのカメラ画像を用いて画像位置情報の取得を受け付けると、取得される座標データに対し座標変換処理を行う必要がある。これに対し、カメラ画像そのものを俯瞰画像に視点変換処理すると、俯瞰画像に描かれるx軸とy軸による二次元座標面で位置や距離を特定できる。このため、パラメータ入力受付部32において、表示画面(モニタ画面91)に表示される俯瞰画像に対する画面入力操作を容易に行うことができると共に、連結軸120の画像位置とマーカー220の画像位置を容易に把握することができる。
【0049】
(6)車載カメラ10と、牽引車100と被牽引車200との連結軸120と、被牽引車200に取り付けられたマーカー220と、を備える牽引支援方法であって、車載カメラ10からの牽引車100と被牽引車200との連結部分の画像を表示部(モニター90)の表示画面(モニター画面91)に表示する。表示画面への画面入力操作により、画像上の連結軸120の回転軸位置の情報と、マーカー220の中心位置の情報と、を受け付け、画像上のマーカー220の外周に合せるように形成された外枠マークM3を用いて、マーカー220の大きさに関する情報を受け付ける。受け付けた情報を用いて、マーカー220の地上からの実際の高さを算出し、車載カメラ10と連結軸120との間の画像上の距離と、連結軸120とマーカー220の間の画像上の距離と、を算出して、実距離に換算する。マーカー220の地上からの実際の高さと、車載カメラ10から連結軸120までの第1距離と、連結軸120からマーカー220までの第2距離と、を保存する。このため、折れ角θを演算するために必要なパラメータを取得する際、メジャー測定作業やシステムへの手入力作業の手間が省かれ、システム使用者の負担を軽減する牽引支援方法を提供することができる。
【0050】
以上、本発明の牽引支援装置及び牽引支援方法を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではない。特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加などは許容される。
【0051】
実施例1では、パラメータ入力受付部32として、停車中に取得される連結軸120の回転軸位置マークM1とマーカー220の中心位置マークM2のタッチ位置座標情報を、必要なパラメータを取得情報として用いる以外に、折れ角θの演算情報として用いる例を示した。しかし、入力受付部としては、実施例1に限られるものではない。つまり、停車中に取得される連結軸の回転軸位置マークとマーカーの中心位置マークのタッチ位置座標情報を、必要なパラメータを取得情報としてのみ用いる例としても良い。この場合、タッチ位置座標情報を取得する条件として、折れ角がゼロ度での停車中という条件が緩和され、折れ角がゼロ度以外での停車中にもタッチ位置座標情報の取得が許容される。
【0052】
実施例1では、記憶部35として、折れ角がゼロ度での停車中に取得される連結軸120の回転軸位置マークM1のタッチ位置座標情報を、連結軸120の回転軸位置130を表す回転軸位置座標[Pc(xc,yc)]として記憶保存する例を示した。しかし、記憶部としては、実施例1に限られるものではない。つまり、入力受付部とは別に連結軸の回転軸位置算出処理部を設け、先行技術のように少なくとも3つの回転角度位置にあるときのマーカー位置に基づいて連結軸の回転軸位置を表す回転軸位置座標を設定する例としても良い。また、所定時間蛇行走行しているときに取得される多数の座標データに基づいて連結軸の回転軸位置を表す回転軸位置座標を設定する例としても良い。
【0053】
実施例1では、記憶部35として、折れ角がゼロ度での停車中に取得されるマーカー220の中心位置マークM2のタッチ位置座標情報を、マーカー220の中心位置225を表すマーカー基準位置座標[Po(xo,yo)]として記憶保存する例を示した。しかし、記憶部としては、実施例1に限られるものではない。つまり、入力受付部とは別にマーカー中心位置算出処理部を設け、所定時間直進走行しているときに取得される多数の座標データに基づいて折れ角がゼロ度でのマーカーの中心位置を表すマーカー基準位置座標を設定する例としても良い。
【0054】
実施例1では、パラメータ入力受付部32として、ドライバーのボタン操作などによる情報書き替え要求があると、要求に応じてモニタ画面91への画面入力操作による位置情報と距離情報の取得を受け付ける情報取得処理を実施する例を示した。しかし、入力受付部としては、ドライバー要求により画面入力操作による位置情報と距離情報の取得を受け付ける情報取得処理を実施する例に限られない。例えば、被牽引車の変更を検出すると処理状態フラグを書き替え、システム要求により自動的に画面入力操作による位置情報と距離情報の取得を受け付ける情報取得処理を実施する例としても良い。
【0055】
実施例1では、牽引支援装置及び牽引支援方法を、一般にトレーラーと呼ばれる牽引自動車に搭載した牽引支援システムAに適用する例を示した。しかし、本発明の牽引支援装置及び牽引支援方法は、牽引車と被牽引車とが軸連結された車両であれば、例えば、カーゴトラック、コンテナトラック、トレーラーを牽引する乗用車などにおいても適用することができる。