IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社立花工業の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096405
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】建築関連工事事務作業支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0631 20230101AFI20230630BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20230630BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021212148
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】513036158
【氏名又は名称】株式会社立花工業
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】立花 晋也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049CC07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】最適な事務作業を実行し、工事期間の短縮と、安全性の確保と、作業性の向上を支援することを可能にする建築関連工事事務作業支援システムを提供する。
【解決手段】建築関連工事事務作業支援システム1において、入出力部7は、現場情報を入出力するための入出力欄を含んだ画面部8に表示する。サーバ4の管理支援部5は、前記現場情報入出力欄に基づき入出力部7から入力される現場情報を管理しており、建築関連工事の事務作業に係る、画面部8に表示可能な複数の表示画面のうち、入力された現場情報に基づき選択された表示画面を画面部8に表示させるように入出力部7を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
元請より建築関連工事の依頼を受信者が受信し、当該建築関連工事を行うために必要な事務作業を支援する建築関連工事事務作業支援システムにおいて、
現場情報を入出力するための入出力欄を含んだ画面部に表示可能な現場情報入出力画面と、
前記現場情報入出力画面から入出力する前記現場情報を管理支援する管理支援部と、
前記建築関連工事の事務作業に係る、画面部に表示可能な複数の表示画面とを備え、
前記現場情報に基づき前記複数の表示画面の中から選択された表示画面を前記画面部に表示させることを特徴とする建築関連工事事務作業支援システム。
【請求項2】
前記建築関連工事の現場情報は、現場名、建築仕様、担当、元請、現場担当、住所、建物名、受注金額、単価、現場規模、残金、架時、払時、締日、支払日、及び支払方法の入出力欄から少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の建築関連工事事務作業支援システム。
【請求項3】
前記複数の表示画面は見積画面を含み当該見積画面に表示された見積表を前記元請に送信可能なことを特徴とする請求項1又は2に記載の建築関連工事事務作業支援システム。
【請求項4】
前記受信者は受注した建築関連工事を依頼する注文書を下請けに送信可能なことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の建築関連工事事務作業支援システム。
【請求項5】
建築関連工事計画画面を含み、施工データ入力画面より入力した人工の計画情報から前記建築関連工事計画画面を生成することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の建築関連工事事務作業支援システム。
【請求項6】
道具、前記人工は現場作業に貸出可能であり支払いのときに前記道具の使用料、前記人工の賃金と工事費とが相殺されることを特徴とする請求項5に記載の建築関連工事事務作業支援システム。
【請求項7】
前記管理支援部は資金繰りを管理し画面表示部が画面部に資金繰り管理画面を表示することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の建築関連工事事務作業支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築関連工事事務作業支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建築関連工事は、現場作業と事務作業とがある。建築関連工事の事務作業は、工程表の作成、予定表の作成、月別売上表の作成、現場情報の入力、見積書の発行、注文書の発行、発注書の発行、支払明細書の作成、請求書の作成、受注工事明細表の作成領収書の作成、送付状の作成、売掛・買掛、資金損、TOB支払管理等と非常に多くの種類・量がある。また、建築関連工事には法律によって定められた書類を所轄官庁に提出しなければならずその提出資料も膨大である。建築関連工事は、建築工事、電気配線工事、ガス配管工事、水道配管工事等種々あるが、本例では足場工事を代表例として説明する。足場工事では、手が届かない場所の建設工事を行う前に行われる工事で、建物周辺に足場を組み立てることで作業員が、安全に効率的に工事ができるようにするための工事である。足場の設置が完了すれば、作業時に物が外側に飛び出さないように、足場の外側をメッシュシートで覆う。一般的な足場工事にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なる。
【0003】
具体的には、次世代足場工事、枠組み足場工事、くさび式足場工事、単管足場工事、及び仮囲い足場工事等がある。一般的な足場工事とは異なる特殊仮設足場工事というものがある。これは一般的な足場が物理的、コスト的に組めない場合に行う工事で、特別な場合にのみ行われている足場工事である。場合によっては一般仮設足場と一緒に設置することもあり、工事期間を短くすることができる点と、安全性の確保と、作業性の向上とによりコストを削減できる点が大きなメリットになるものである。
【0004】
一方、特許文献1は対象物に対して足場を設置する足場工事の費用を算出する足場計画作成装置であって、対象物のエリアの情報を取得する制御部と、エリア情報に基づいて、エリアを単純エリアと複雑エリアに分離するエリア分類部と、単純エリアとエリアの内容に基づいて、演算で足場面積を算出する単純エリア解析部と、複雑エリアの3次元構造データを取得し、3次元構造データに対して足場を設置したデータを作成し、足場を設置したデータに基づいて足場面積を算出する複雑エリア解析部と、単純エリア解析部で算出した足場面積と複雑エリア解析部で算出した足場面積に対して、あらかじめ設定した足場の単価を乗算し、足場工事の費用を算出する足場費用算出部とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-014035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通常、建築関連工事の事務作業は膨大な量があり正確・迅速に処理することは困難だという問題がある。例えば建築関連事務作業の一例として足場計画表を作成することで、高い精度で足場を計画することができる。足場の計画と同様に、足場の設置に係る膨大な量の事務作業を正確に行うことができると、足場計画をより精査することが可能となる。しかし、足場の設置に係る膨大な量の事務作業を正確に行うことは難しい。
【0007】
また、塗装、修繕又は仮設工事に代表される施工物件に関する見積(詳しくは、予算策定)は、足場設置に始まる一連の作業工程において、図面作成をもって積算することを起点とし、かつ、その見積費用を最適なものにするまでには、膨大な時間と手間を要してきた。こうしたなかで、見積作成の合理化に関する幾つかの提案が知られている。
【0008】
一般的には、CADで作成した詳細図面から、必要な資材や作業人工(にんく)、工期等を推測し、工事の総予算を見積もるシステムが知られている。また、特許文献1の発明も3次元構造データを利用している。ここでは、CAD図面の作成が前提であり、その労力は無視できないものがある。
【0009】
これに対し、仮設足場工事に関し図面を必要とせず、これまでの実績(値)をデータファイルに格納し、いくつかの工事条件を設定するだけで、資材数量を基準とする積算処理を可能とする積算システムが提案されている。
【0010】
また、この積算システムの成果物を利用することにより、資材及び施工に係る外部業者への受発注の連係をコンピュータ支援可能な工事予算策定システムが提案されている。
【0011】
しかし、種々の情報を一元管理支援すると共に使いやすいシステムを構築しないと、様々なミスが出やすいという問題があった。
【0012】
ここでは、建築関連事務作業、及びこの種の足場工事物件に係る事務作業が大変であるという問題を解消し、正確で、かつ現在の建設物価水準に属し、最適な事務作業を実行し、工事期間の短縮と、安全性の確保と、作業性の向上を支援するため、基本データを一元管理支援するコンピュータを実行し、見積価格データ、発注データ等を包含するとともに、ネットワークを含む通信手段を介して少なくとも社外の特定の契約業者群に向けて配信し、契約業者に通知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様として、元請より建築関連工事の依頼を受信者が受信し、当該建築関連工事を行うために必要な事務作業を支援する建築関連工事事務作業支援システムにおいて、現場情報を入出力するための入出力欄を含んだ画面部に表示可能な現場情報入出力画面と、前記現場情報入出力画面から入出力する前記現場情報を管理支援する管理支援部と、前記建築関連工事の事務作業に係る、画面部に表示可能な複数の表示画面とを備え、前記現場情報に基づき前記複数の表示画面の中から選択された表示画面を前記画面部に表示させることを特徴とする。
【0014】
本発明の第2の態様として、前記建築関連工事の現場情報は、現場名、建築仕様、担当、元請、現場担当、住所、建物名、受注金額、単価、現場規模、残金、架時、払時、締日、支払日、及び支払方法の入出力欄から少なくとも一つを含むことを特徴としてもよい。
【0015】
本発明の第3の態様として、前記複数の表示画面は見積画面を含み当該見積画面に表示された見積表を前記元請に送信可能なことを特徴としてもよい。
【0016】
本発明の第4の態様として、前記受信者は受注した建築関連工事を依頼する注文書を下請けに送信可能なことを特徴としてもよい。
【0017】
本発明の第5の態様として、建築関連工事計画画面を含み、施工データ入力画面より入力した人工の計画情報から前記建築関連工事計画画面を生成することを特徴としてもよい。
【0018】
本発明の第6の態様として、道具、前記人工は現場作業に貸出可能であり支払いのときに道具の使用料、人工の賃金と工事費とが相殺されることを特徴としてもよい。
【0019】
本発明の第7の態様として、前記管理支援部は資金繰りを管理し画面表示部が画面部に資金繰り管理画面を表示することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0020】
このような建築関連工事事務作業支援システムにより、事務処理を簡単かつ迅速に行うことが可能になる。さらに、事務処理上の間違い等が低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施の形態の建築関連工事事務作業支援システムの概略構成図である。
図2】本実施の形態の図1の制御部のブロック図である。
図3】本実施の形態の建築関連工事事務作業支援システムの動作を示すフローチャートである。
図4】本実施の形態の建築関連工事事務作業支援システムの動作を示すフローチャートである。
図5】本実施の形態の建築関連工事事務作業支援システムの動作を示すフローチャートである。
図6】本実施の形態の初期画面を説明する説明図である。
図7】本実施の形態の元請画面を説明する説明図である。
図8】本実施の形態の現場情報画面を説明する説明図である。
図9】本実施の形態の施工データ画面を説明する説明図である。
図10】本実施の形態の発注画面を説明する説明図である。
図11】本実施の形態の支払明細書画面を説明する説明図である。
図12】本実施の形態の請求データ画面を説明する説明図である。
図13】本実施の形態の見積書及び注文書を選択する画面を説明する説明図である。
図14】本実施の形態の見積書画面を説明する説明図である。
図15】本実施の形態の注文書画面を説明する説明図である。
図16】本実施の形態の請求書画面を説明する説明図である。
図17】本実施の形態のスケジュール画面を説明する説明図である。
図18】本実施の形態の月別売上表画面を説明する説明図である。
図19】本実施の形態の工程表画面を説明する説明図である。
図20】本実施の形態の受注工事明細表画面を説明する説明図である。
図21】本実施の形態の相殺を説明する説明図である。
図22】本実施の形態の資金繰りを説明する説明図である。
図23】本実施の形態の資金繰りを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本例では既に公知である技術は説明を省略する。建築関連工事は、建築工事、電気配線工事、ガス配管工事、水道配管工事等種々ある。本例では建築関連工事の一例として足場工事として説明するが建築関連工事は足場工事に限定されるものでないことは勿論である。本例で足場工事とはビルディング等の建築物の外装の工事を行うときに足場を架ける工事であり、一般にビルディング等から他のビルディング等への架け替えが行われサイクルは早い。このため、現場の進捗状況を迅速に事務作業に反映できる本建築関連工事事務作業支援システム1は有効である。図1は、本発明の実施
形態に係る建築関連工事事務作業支援システム1の概略構成図である。建築関連工事事務作業支援システム1は足場工事専門業者のサーバ4にインストールされ、その他の協力会社の現場端末2にもインストールされている。元請が建築物を建てる時に足場工事を足場工事専門業者に依頼する。足場工事専門業者は依頼の情報をサーバ4で受信する。そして、当該足場工事専門業者が施工を行うか、他の業者に依頼するかを決定する。そして、足場工事を施工する業者はさらに、下請け業者に仕事を分担する。このような仕組みの建築関連事務作業支援システム1において、見積、請求書の発行等を入力した現場情報に基づき作成することを特徴とするものである。
【0023】
図1は本実施の形態の建築関連工事事務作業支援システム1の概略構成図である。図1に示すように建築関連工事事務作業支援システム1は、複数の現場端末2と、ネットワーク3とネットワーク3を介して複数の現場端末2に通信可能なサーバ4とを備えている。各現場端末2とサーバ4はコンピュータよりなるものであって、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random access memory)、ROM(Read Only Memory)及びマウス、入出力部、画面等を備えている。また、ネットワーク3はインターネットのような公衆網でもよいしLAN(Local Area Network)のような専用回線でもよい。ここで、サーバ4は足場工事を行う業者が所有するコンピュータシステムである。複数の現場端末2は、各現場作業者(下請け会社の作業者を含む)が所有する端末である。このように、現場端末2を各現場に配置することによりリアルタイムで現場情報を取得することが可能となる。そして、現場情報を迅速に各表示された表示画面に反映させることが可能となる。
【0024】
このサーバ4は足場工事に係る現場情報等を管理支援する管理支援部5と足場工事に係る現場情報等を記憶する共有情報記憶部6、入出力部7及び画面部8を備えている。
【0025】
図2は本実施の形態の図1の制御部のブロック図である。図2に示すように、管理支援部5は、入出力部7及び画面部8と接続されている。入出力部としてはキーボード等が挙げられる。画面部8としては、PC(パーソナルコンピュータ)の液晶モニタ等が挙げられる。
【0026】
さらに、管理支援部5は、情報登録部11と、元請情報登録部12と、現場情報登録部13とを備えている。情報登録部は、下請け会社名、人工(足場工事の作業を行う者)名等の情報を登録する機能を有する。元請情報登録部12は、元請会社名を登録する。元請とはビルディング等の建物を建築する事業者のことをいう。このビルディング等の外壁工事に足場が必要になる。現場情報登録部13は現場情報を管理者、又は現場の作業者等が登録する。登録は共有情報記憶部16に記憶することにより完了する。すなわち、元請情報は元請情報記憶部17に記憶され登録が完了する。現場情報は現場情報記憶部18に記憶され登録が完了する。これらは、現場作業者も内容を確認できる共有情報である。また、管理支援部5は人工の工事計画の管理を支援する。具体的には入力された人工の稼働日時から計画表を作成し画面8に表示することが可能である。また、管理支援部5は、請求書、支払明細書25等を作成するときに、各工賃等を計算して計算結果を請求書等に反映させることが可能である。
【0027】
画面情報作成部15は、共有情報記憶部16に記憶された元請情報と、元請情報に関連付けられた現場情報とを読み込み画面部8に表示する表示データを生成する。画面情報表示部14は、表示データを読み込み画面部8に表示画面として出力する。画面部8は入力された表示データを画面部8に表示する。この画面部8は入出力部7の機能も有している。すなわち、この画面部8に表示される表示画面(図8の現場情報表示画面22)は上記の現場情報を入力、出力及び編集する機能も有している。
【0028】
図3は建築関連工事事務作業支援システム1の動作の中で元請名等の初期情報を登録する動作を示しているフローチャートである。この処理は情報登録部11、元請情報登録部12が行う。初めに、ステップSA1では、登録用の表示画面を画面部8に表示してユーザが元請情報等を登録する。元請情報の他に、下請け会社名、人工(作業を行う者)名等も登録する。これにより、各種表示画面で入力する際に元請、下請け会社名、人工等は表示され選択するのみで簡単に入力できるようになる。
【0029】
ステップSA2では、登録画面を画面部8に表示する。そして、ステップSA3では図示しない入力欄より元請会社名、下請け会社名、人工名等を入力すると元請情報登録部12、及び情報登録部11が元請情報を元請情報記憶部17に記憶する。ここで、登録した元請会社名、下請け会社名、人工名等は後で一覧として画面部8に表示することが可能となる。
【0030】
ステップSA4、入力が終了したか否かを判断する。入力が終了した場合には、処理をステップSA5に移す。入力が終了していない場合には処理をステップSA3に戻し登録処理を続行する。ステップSA5では登録が完了する。
【0031】
図4は建築関連工事事務作業支援システム1の動作の中で元請会社からの受注動作を示しているフローチャートである。この処理は管理支援部5が行う。初めに、ステップSB1では、サーバ4は、元請会社より、新規の足場工事の依頼を受注する。
【0032】
ステップSB2では、サーバ4は、現場情報入力画面22(図8参照)を画面部8に表示する。そして、サーバ4の現場情報登録部13において現場情報を入力する。現場情報は後述するように現場の名前等である現場名、次世代足場工事、枠組み足場工事、くさび式足場工事、単管足場工事、及び仮囲い足場工事等である足場仕様、現場で実際の働く担当、建築物を建てる元請、現場の担当者の現場担当、住所、建物名、受注金額、1ヘーホーメートル当たりの値段の単価、建物の階数を表す現場規模、残金、足場を架けたときに支払う架時、足場を外した時に支払う払時、締日、支払日、及び支払方法等を含むものである。
【0033】
ステップSB3では、サーバ4の現場情報登録部13において入力処理を行う。入力情報は、入力欄は画面に示されているので該当欄をクリックして入力状態にして入力を行う。そして、入力された現場情報は現場情報登録部13により現場情報記憶部18に記憶される。
【0034】
ステップSB4では、サーバ4において、現場情報が全て入力されたか否かを判断する。サーバ4は、全ての現場情報が入力されたと判断された場合には処理はステップSB5に進む。サーバ4は、現場情報の入力が完了していない場合には処理はステップSB3に戻り現場情報の入力を続行する。
【0035】
ステップSB5では、登録が完了する。この現場情報を基準として後述する見積書等を作成する場合等様々な情報に使用される。なお、一旦、登録された現場情報は次回からは現場情報登録画面22に表示されるので現場情報を変更したい場合は簡単に変更可能である。
【0036】
図5は、建築関連工事事務作業支援システム1において各種表示画面を表示させるために実行する処理を示すフローチャートである。この処理は画面情報作成部15及び画面表示部14が行う。初めに、ステップSC1では、サーバ4や現場端末2において、表示したい表示画面を一覧(図6参照)から選択する。選択は一覧(図6参照)の表示したい欄にカーソルを当てマウスでクリックすることで行われる。
【0037】
ステップSC2では、選択された表示画面の画面データを読み込む処理を行う。ここでは、画面情報作成部15が選択された表示画面の画面データを読み込む。この際、現場情報が参照されるものとなっているので、現場情報を読み込み、画面データを作成することができる。
【0038】
ステップSC3では、選択された画面データの表示画面を画面部8に表示する。ここでは、画面表示部14が画面データを画面部8に出力することにより表示画面を表示する。
【0039】
ステップSC4では、表示された表示画面を閉じるか否かを判断する。表示された表示画面を閉じると判断した場合に処理はステップSC5に進む。表示された表示画面を引き続き使用する場合は処理をステップSC3に戻し続行する。ステップSC5では画面部8に表示されている表示画面を画面部8から消す処理を行う。
【0040】
図6は建築関連工事事務作業支援システム1のサーバ4の画面部8の初期表示画面20を示す。この初期表示画面は、ダッシュボード20A、工程表20B、予定表20C、月別売上表20D、現場20E、見積書20F、注文書20G、発注書20H、支払明細書20I、請求書20J、受注工事明細書20K、領収書20L、送付状20M、売掛20N、買掛20O、資金損表20P、その他20Q及びTOB支払管理支援20Rの項目を含む。この初期表示画面の項目をユーザが選択することで選択された項目の詳細な内容の表示画面へ移行する。各項目の内容については以下で説明する。
【0041】
図7に示すように、初期表示画面20(図6参照)の項目の現場20Eを選択すると、現在の工事に係る元請の会社名21Cと、受注か未受注を示す項目21A及び施工中か完了を示す項目21Bが全て表示される。これらの元請の内、閲覧したい元請21Cを選択すると現場情報が画面部8に表示される。これらの元請の会社名21Cは元請情報として、予め元請情報記憶部17に記憶されている。なお、これらの現場情報は予め現場情報表示画面22から入力されていることは勿論である。
【0042】
例えば、A株式会社を選択した場合には図8に示すような現場情報表示画面(又は現場情報入力画面ともいう)22が画面8に表示される。この現場情報表示画面(又は現場情報入力画面)22から現場情報が入出力される。すなわち、初めに、現場情報を入力し、その後、適宜のときに表示、編集することが可能である。
【0043】
現場情報表示画面(又は現場情報入力画面ともいう)22は、足場工事を行う現場の名前である現場名22A(例えば、NSビル足場工事等)、次世代足場工事、枠組み足場工事、くさび式足場工事、単管足場工事、及び仮囲い足場工事等である足場仕様22B、本足場工事の担当者(責任者等)である担当22C、足場工事の依頼を行った事業者である元請22D、現場の人工(作業者)である現場担当22E、足場工事を行う場所の郵便番号22F、足場工事を行う場所の住所22G、足場工事を行う場所の番地22H、足場工事の対象になる建物名22I及び備考22Jの入出力項目を含む。
【0044】
さらに、現場情報表示画面(又は現場情報入力画面ともいう)22は、足場工事を受注した金額である受注金額22K、足場工事の平方メートル単価であるm単価22R、足場工事を行う規模(平方メートル)の現場規模22L(本例ではビルディング等に架けられた足場の総面積をいう)、備考22S、受注金額から支払金額を差し引いた残金22M、受注した日付である受注日22N、足場工事を架けたときの金額の割合(通常60パーセント)である架時22O、足場工事が終り外した時の残りの金額の割合(通常40パーセント)である払時22S、締日22P、支払日22T、及び支払方法22Qの入出力項目を含む。これらの情報を入力することにより、現場情報記憶部18に記憶されて共有データをして様々に使用される。これにより、現場情報は現場端末2より刻々と入力されるので現場情報を迅速に他の表示画面に反映させることが可能となる。
【0045】
図9に示すように、施工データ画面23は現場情報表示画面(又は現場情報入力画面ともいう)22と同一の画面に表示されているので適宜スクロールすることにより画面に表示される。ここでは、図7で選択した元請の依頼に係る実際に施工する業者の施工データが表示される。施工データは足場工事を実際に行う会社等、人工等の情報を含む。
【0046】
施工データ画面23は、架予始23A、架予終23B、払予始23C、払予終23D、足場工事の施工者である施工者23E、工事を開始する日付である工事始23F、工事が終わる日付である工事終23G、施工内容23H、請求金額23I、発注原価23J、原価率・利益率23K、粗利益23L、見込出来高23M及び人工(実績・目標)23Nの項目を含む。ここで、人工の目標に対して、人工の実績は日々自動で変動するので現状を数値で把握することが可能である。
【0047】
図10に示すように、発注データ画面24は、発注内容の要旨を記載した発注書24A、施工行24B、足場工事の施工を行う施工者24C、足場工事の開始日である工事始24D、足場工事の終日である工事終24E、締日24F、足場工事の注文費用である注文金額24G、出来高24H、支払金額24I及び注文残高24Jの項目を含む。ここで発注データとは、元請から足場工事の依頼を受注した受注者(通常はサーバ4の管理支援者)が当該足場工事を施工する業者(下請け業者等)を選定し発注する相手に送るデータのことをいう。なお、元請から受注したサーバ4の管理者が施工を担当してもよい。この発注データは発注書として出力又は送信可能に構成されている。
【0048】
図11に示すように支払明細書画面25は、図6において支払明細書20Iを選択した場合に画面部8に表示されるものである。支払明細書20Iは、請求する金額である請求金額25A、相殺に係る金額である相殺25B、請求金額から相殺金額を引いた金額である支払金額25C、日付25E、品番・品名25F、数量25G、単位25H、単価25I、金額25J及び相殺25Kの項目を含む。支払明細書とは、元請から足場工事を受注した受注者(例えば、サーバ4の管理支援者)が足場工事を他の足場工事の事業者に発注した場合に当該足場工事の事業者に支払った金額の明細書をいう。これらのデータは現場情報(施工データを含む)の少なくとも一部に基づき作成されるものである。これにより、現場情報は現場端末2より刻々と入力されるので現場情報を迅速に反映させることが可能となる。
【0049】
図12に示すように、請求データ画面は図6において現場20Eの項目を選択した場合に画面部8に現場情報と共に表示されるものである。すなわち、現場情報からスクロールすることにより請求データを確認することが可能となる。請求データ画面26は、請求書26A、勘定科目26B、元請である請求先26C、工事の開始日である工事始26D、工事の終了日である工事終26E、締日26F、工事全体開始日26G、出来高26H、請求金額26I及び請求残高26Jの項目を含む。これらのデータは現場情報に基づき作成されるものである。この請求データは元請に対して、足場工事を行った事業者が請求するもので、サーバ4の管理支援者等が足場工事を行った場合はサーバ4の管理支援者が請求データを元請に送信し、サーバ4の管理支援者は他の事業者に足場工事を発注した場合でも代理してサーバ4の管理支援者が請求データを元請に送信してもよい。これらのデータは現場情報(施工データを含む))の少なくとも一部に基づき作成されるものである。これにより、現場情報は現場端末2より刻々と入力されるので現場情報を迅速に反映させることが可能となる。
【0050】
図13に示すように、見積書の選択項目(図13(a))と注文書の選択項目(図13(b))が表示されている。ここで、見積書を選択すると画面部8に見積書が表示される。また、注文書の項目を選択すると下請け会社に送信する注文書の表示画面が画面部8が表示される。これら表示された表示画面は出力又は送信することが可能に構成されている。
【0051】
図14に示すように、見積書画面27は、外部足場工事27A、メッシュシート27B、壁つなぎ(SUS製)、層間ネット27D、昇降設備(階段)27E、開口部コンパネ水平養生費27F、朝顔養成費27G、部材運搬費27H、場内小運搬費27I、進入防止金網27J及び図面作成費27Kの項目に対して数量、単位、金額備考の各情報を表示する。そして、これらの合計である費用を小計として表示し、消費税を足したものを合計として表示するように構成されている。これらのデータは現場情報(施工データを含む))の少なくとも一部に基づき作成されるものである。また、これらの見積書の見積書データは元請から工事を受注したサーバ4の管理者から元請業者に送信されるものである。これにより、現場情報は現場端末2より刻々と入力されるので現場情報を迅速に反映させることが可能となる。
【0052】
図15に示すように、元請から足場工事の依頼を受注した企業は下請けに工事を発注する場合がある。この場合の注文書28は、図13に示す注文書の箇所を選択すると表示される。この画面には足場位置28A、工事内容28B、架払28C、数量28D、単位28E、金額28F及び備考28Gの項目を含む。これらのデータは現場情報(施工データを含む)に基づき作成されるものである。これにより、現場情報は現場端末2より刻々と入力されるので現場情報を迅速に反映させることが可能となる。
【0053】
図16に示すように、図6において請求書20Jを選択すると請求書画面29が画面部8に表示される。請求書画面29は、品番品名29A、数量29B、単位29C、受注金額29D、金額29E及び備考29Fの項目が含まれている。この請求書は、元請に対して送信するものである。これらのデータは現場情報(施工データを含む)に基づき作成されるものである。これにより、現場情報は現場端末2より刻々と入力されるので現場情報を迅速に反映させることが可能となる。
【0054】
図17に示すように、現場名に対して、工事を行う人工を入力する表示画面において、例えば、早坂氏の稼働日は6月15日及び6月16日と入力する。また、加藤氏の稼働日を6月14日、6月15日及び6月16日と入力する。これにより、工程表が作成できるようになる。これらのデータは現場情報(施工データを含む)に基づき作成されるものである。これにより、現場情報は現場端末2より刻々と入力されるので現場情報を迅速に反映させることが可能となる。
【0055】
図18に示すように、図6において、月別売上表20Dを選択すると、月別売上表画面30が表示される。月別売上表画面30は、担当30A、工期30B、会社名(元請)30C、現場名30D、受注金額30E、出来高30F、出来高累計請求30G、当月売上30H、請求書30I、残金30J、施工者30K、発注金額30L、支払金額30M、支払出来高30N、発注残高30O、利益率30P、原価率30Q及び備考30Rの項目を含む。これらのデータは現場情報(施工データを含む)の少なくとも一部に基づき作成されるものである。これにより、現場情報は現場端末2より刻々と入力されるので現場情報を迅速に反映させることが可能となる。
【0056】
図19に示すように工程表31は、図6の工程表20Bを選択することにより工程表画面31が表示される。氏名31A、A現場31B、B現場31C及びC現場の各スケジュールが矢印線で示されている。さらに、氏名31E、D現場31F、E現場31G及びF現場31Hの各スケジュールが矢印線で示されている。これらのデータは現場情報(施工データを含む))の少なくとも一部に基づき作成されるものである。これにより、現場情報は現場端末2より刻々と入力されるので現場情報を迅速に反映させることが可能となる。
【0057】
図20に示すように、受注工事明細表は、図6の受注工事明細表20Kを選択すると受注工事明細表画面32が表示される。受注工事明細表画面31は足場工事の名称である工事名32A、締日・支払日32B、期間32C、契約金額32D、出来高32E、入金額32F、未収金額32G、契約残高32H及び入金予定32Iの項目が含まれる。これらのデータは現場情報(施工データを含む)の少なくとも一部に基づき作成されるものである。これにより、現場情報は現場端末2より刻々と入力されるので現場情報を迅速に反映させることが可能となる。
【0058】
ここで、相殺について、詳しく説明する。管理支援部5は、施工データ入力画面より入力した人工の計画情報から建築関連工事計画画面を生成する。人工(下請けに工事を発注した親会社の現場作業社員をいう)は現場作業に貸出可能であり、管理支援部5は支払いのときに人工の賃金と工費とが相殺する処理を行う。つまり、元請から足場工事を受注したサーバ4の管理者は当該受注した足場工事を下請けに発注する。このとき、管理者に所属する人工を貸し出し可能であり、貸し出した場合に下請け会社からの請求書の請求額(工事費)から人工の貸し出し賃金を差し引くことが可能に構成されている。
【0059】
図21は本実施の形態の相殺を説明する説明図である。図21に示すように、早坂氏の作業スケジュールは、12月6日にB工事をC.D氏を使い作業を実行する。12月7日にB工事をC.D氏を使い作業を実行する。さらに、12月8日にA工事をA.H氏、及びB.C氏を使い作業を実行する。
【0060】
加藤氏の作業スケジュールは、12月6日にC工事をH.B氏、及びI.J氏を使い作業を実行する。12月7日にC工事をH.B氏、及びI.J氏を使い作業を実行する。さらに、12月8日にC工事をH.B氏、及びI.J氏を使い作業を実行する。
【0061】
この場合、管理者は早坂氏にC.D氏、A.H氏、及びB.C氏を貸し出す場合がある。この貸し出す場合は、工賃を請求額から引いて相殺することができる。
【0062】
また、管理者は加藤氏にH.B氏、及びI.J氏を貸し出す場合がある。この貸し出す場合は、工賃を請求額から引いて相殺することができる。
【0063】
図22及び図23は本実施の形態の資金繰りを説明する説明図である。図6のTOB支払管理20Rを選択すると支払管理画面34、35等が画面部8に表示される。図22に示すように、支払カレンダー34において支払情報が表示されている。例えば、12月19日(金)では「9件」の支払がある。12月15日(水)では22件の支払がある。12月31日(金)では3件の支払がある。そして、12月15日(水)はA社、B社、C社等の取引、支済及び銀振等が分かるように構成されている。振込を行うには、カレンダー上の15日が選択され、右欄に15日に関する表示された振込前の取引先の全リストは表示され、取引先ごとにチエック選択され、次に振込のタブは選択され、一旦PCのディスクトップ画面上にチエックされた取引先データはコピーされ、ネットバンキングのサイトを経由し、チエックされた取引先データは、事前登録した取引先の振込先情報(銀行、口座番号)に紐づかれて、振込が実行される。
【0064】
上記の表示画面は、支払管理の中の支払カレンダー、請求書管理、自社管理の支払カレンダーを選択した場合である。
【0065】
図23に示すように、支払われた内容が画面部8に資金繰り管理画面34、35として表示されている。その内容は入金日35A、伝票日付35B、取引先35C、自社銀行35D、品目35E・内訳35F、入金35G、売上高35H、売掛金35I、割引手形35J、不動産収入35K、借入金35L、その他・借入金35M、取崩35N、その他35L、残高35O、銀行残高35P、支払35Q、処理内容35R、発注仕入35S、発注リース35T、外注費35U、未払金35V、長期借入金35W及び税金35Xの欄を含む。そして、支援管理部5が支払や収入を総合して資金繰りを管理する。これらのデータは現場情報(施工データを含む)の少なくとも一部に基づき作成されるものである。これにより、現場情報は現場端末2より刻々と入力されるので現場情報を迅速に反映させることが可能となる。
【0066】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 建築関連工事事務作業支援システム
2 現場端末
3 ネットワーク
4 サーバ
5 管理支援部
6 共有情報記憶部
7 入出力部
8 画面部
11 情報登録部
12 元請情報登録部
13 現場情報登録部
14 画面表示部
15 画面情報作成部
17 元請情報記憶部
18 現場情報記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23