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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096422
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】風防装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 21/30 20060101AFI20230630BHJP
   G01G 21/28 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
G01G21/30
G01G21/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021212192
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】390041346
【氏名又は名称】新光電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100183081
【弁理士】
【氏名又は名称】岡▲崎▼ 大志
(72)【発明者】
【氏名】安原 一良
(57)【要約】
【課題】パネル部材の着脱操作に起因するパネル部材の損傷を抑制する。
【解決手段】風防装置1は、風防部材2と、フレーム部材3と、を備える。風防部材2の前面パネル21は、内面21aと、外面21bと、側縁21cと、貫通孔21dと、係止部材70と、を有する。係止部材70は、貫通孔21dに挿通される爪部71と、爪部71に係止される爪受部72と、貫通孔21dに挿通された爪部71が爪受部72に係止された係止状態において、内面21a上で内側に突出する第1凸部73と、外面21b上で外側に突出する第2凸部74と、内面21a、外面21b、及び側縁21cに沿って設けられ、爪部71と爪受部72とを接続する接続部75と、を有する。前面パネル21は、第1凸部73及び第2凸部74がフレーム部材3に挟持されることにより、フレーム部材3に支持されている。
【選択図】図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
秤本体に装着される風防装置であって、
前記秤本体において被計量物が配置される計量空間を包囲する風防部材と、
前記風防部材を支持する支持部材と、を備え、
前記風防部材は、少なくとも1つの矩形板状のパネル部材を有し、
前記パネル部材は、
前記計量空間に対向する内面と、
前記内面とは反対側の外面と、
前記内面と前記外面とを接続する側縁と、
前記内面から前記外面に貫通する貫通孔と、
前記貫通孔に挿通された状態で前記パネル部材に固定される係止部材と、を有し、
前記係止部材は、
前記貫通孔に挿通される爪部と、
前記爪部に係止される爪受部と、
前記貫通孔に挿通された前記爪部が前記爪受部に係止された係止状態において、前記内面上で前記計量空間側に突出する第1凸部と、
前記係止状態において、前記外面上で前記計量空間側とは反対側に突出する第2凸部と、
前記係止状態において、前記内面、前記外面、及び前記側縁に沿って設けられ、前記爪部と前記爪受部とを接続する接続部と、を有し、
前記パネル部材は、前記第1凸部及び前記第2凸部が前記支持部材に挟持されることにより、前記支持部材に支持されている、
風防装置。
【請求項2】
前記支持部材は、前記第1凸部に対応する第1取付用凹部と、前記第2凸部に対応する第2取付用凹部と、を有し、
前記パネル部材は、前記第1凸部が前記第1取付用凹部に挿入され、前記第2凸部が前記第2取付用凹部に挿入されることにより、前記支持部材に取り付けられている、
請求項1に記載の風防装置。
【請求項3】
前記貫通孔は、前記パネル部材の隅部に設けられている、
請求項1又は2に記載の風防装置。
【請求項4】
前記接続部は、可撓性部材であり、
前記接続部は、
前記係止状態において前記内面に対向する第1部分と、
前記係止状態において前記外面に対向する第2部分と、
前記係止状態において前記側縁に対向する第3部分と、
前記第1部分と前記第3部分との間に設けられた第1折り曲げ部と、
前記第2部分と前記第3部分との間に設けられた第2折り曲げ部と、を有し、
前記係止部材は、前記第1部分と前記第2部分とが対向するように前記第1折り曲げ部及び前記第2折り曲げ部が折り曲げられることにより、前記爪部と前記爪受部とが対向するように構成されており、
前記係止状態において、前記第3部分が前記側縁に当接するように構成されている、
請求項1~3のいずれか一項に記載の風防装置。
【請求項5】
前記第1部分のうち前記係止状態において前記内面に対向する側とは反対側の面には、薄肉化のための第1凹部が設けられており、
前記第2部分のうち前記係止状態において前記外面に対向する側とは反対側の面には、薄肉化のための第2凹部が設けられている、
請求項4に記載の風防装置。
【請求項6】
前記係止部材は、前記係止状態において、前記貫通孔の内側面に接触して前記パネル部材の面内方向における前記爪部及び前記爪受部の移動を抑制する抑制部を有する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の風防装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、秤用の風防装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子天秤等の精密な秤において、計量精度を確保するために、秤量皿を囲むように風防装置(風防ケース)を設置することが従来行われている。風防装置は、例えば、前後左右及び天面を覆うパネル部材を備える。パネル部材には、例えばガラス等の透明材が用いられる。特許文献1には、このようなパネル部材(前面パネル)の取付構造として、貫通孔を設けたパネル部材を樹脂フレームに設けられたスナップフィットに押し込み、スナップフィットの爪部を貫通孔に係止することによりパネル部材を樹脂フレームに固定する構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2015-526736号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されたパネル部材の取付構造では、パネル部材を樹脂フレームに対して着脱する度に、パネル部材に設けられた貫通孔の内周エッジにスナップフィットによる負荷がかかる。従って、例えば風防装置内の清掃等のためにパネル部材を着脱する操作が日常的に行われた場合、上記負荷が繰り返し発生することにより、パネル部材の損傷(例えば亀裂、ガラス欠け等)が生じるおそれがある。
【0005】
そこで、本開示の一側面は、パネル部材の着脱操作に起因するパネル部材の損傷を抑制することができる風防装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る風防装置は、秤本体に装着される風防装置である。この風防装置は、秤本体において被計量物が配置される計量空間を包囲する風防部材と、風防部材を支持する支持部材と、を備える。風防部材は、少なくとも1つの矩形板状のパネル部材を有する。パネル部材は、計量空間に対向する内面と、内面とは反対側の外面と、内面と外面とを接続する側縁と、内面から外面に貫通する貫通孔と、貫通孔に挿通された状態でパネル部材に固定される係止部材と、を有する。係止部材は、貫通孔に挿通される爪部と、爪部に係止される爪受部と、貫通孔に挿通された爪部が爪受部に係止された係止状態において、内面上で計量空間側に突出する第1凸部と、係止状態において、外面上で計量空間側とは反対側に突出する第2凸部と、係止状態において、内面、外面、及び側縁に沿って設けられ、爪部と爪受部とを接続する接続部と、を有する。パネル部材は、第1凸部及び第2凸部が支持部材に挟持されることにより、支持部材に支持されている。
【0007】
上記風防装置では、係止部材によって形成された第1凸部及び第2凸部を支持部材に挟持させることにより、パネル部材を支持部材に取り付けることができる。このような取付構造によれば、パネル部材に係止部材を固定した状態のまま、パネル部材を支持部材に対して着脱することができる。このため、例えば特許文献1に開示されているようなスナップフィット等の機構を用いる場合と比較して、パネル部材を支持部材に対して着脱する際にパネル部材(特に貫通孔の内周エッジ部分)に対する負荷が生じない。従って、上記風防装置によれば、パネル部材の着脱操作に起因するパネル部材の損傷を抑制することができる。
【0008】
支持部材は、第1凸部に対応する第1取付用凹部と、第2凸部に対応する第2取付用凹部と、を有してもよい。パネル部材は、第1凸部が第1取付用凹部に挿入され、第2凸部が第2取付用凹部に挿入されることにより、支持部材に取り付けられていてもよい。上記構成によれば、係止部材によって形成された第1凸部及び第2凸部を第1取付用凹部及び第2取付用凹部に挿入することにより、支持部材によるパネル部材の支持安定性を向上させることができる。
【0009】
貫通孔は、パネル部材の隅部に設けられていてもよい。上記構成によれば、係止部材を介したパネル部材の支持部材への取付を容易化できると共に、パネル部材の剛性を効果的に高めることができる。
【0010】
接続部は、可撓性部材であってもよい。接続部は、係止状態において内面に対向する第1部分と、係止状態において外面に対向する第2部分と、係止状態において側縁に対向する第3部分と、第1部分と第3部分との間に設けられた第1折り曲げ部と、第2部分と第3部分との間に設けられた第2折り曲げ部と、を有してもよい。係止部材は、第1部分と第2部分とが対向するように第1折り曲げ部及び第2折り曲げ部が折り曲げられることにより、爪部と爪受部とが対向するように構成されてもよい。係止状態において、第3部分が側縁に当接するように構成されてもよい。上記構成によれば、係止状態において、接続部の屈曲部の内側部分(すなわち第3部分における側縁に対向する面)がパネル部材の側縁に当接することにより、パネル部材に対する係止部材の位置ずれを好適に防止することができる。その結果、支持部材に対するパネル部材の取付精度を向上させることができる。
【0011】
第1部分のうち係止状態において内面に対向する側とは反対側の面には、薄肉化のための第1凹部が設けられてもよい。第2部分のうち係止状態において外面に対向する側とは反対側の面には、薄肉化のための第2凹部が設けられてもよい。第1凹部が設けられていることにより、係止状態において、第1部分がパネル部材の内面から離間するように膨らんでしまうことを効果的に防止することができる。同様に、第2凹部が設けられていることにより、係止状態において、第2部分がパネル部材の外面から離間するように膨らんでしまうことを効果的に防止することができる。従って、上記構成によれば、第1部分及び第2部分をパネル部材の内面及び外面に沿わせることができる。これにより、係止状態において第1凸部及び第2凸部の位置がずれてしまうことを抑制し、第1凸部及び第2凸部を第1取付用凹部及び第2取付用凹部に精度良く挿し込むことができる。その結果、支持部材に対するパネル部材の取付精度をより一層向上させることができる。
【0012】
係止部材は、係止状態において、貫通孔の内側面に接触してパネル部材の面内方向における爪部及び爪受部の移動を抑制する抑制部を有してもよい。上記構成によれば、爪部及び爪受部が面内方向に動くことを抑制できるため、パネル部材に対して係止部材を安定的に固定することができる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、パネル部材の着脱操作に起因するパネル部材の損傷を抑制することができる風防装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態に係る風防装置を前方から見た斜視図である。
図2】風防装置を後方から見た斜視図である。
図3】風防装置の分解斜視図である。
図4】側面パネルの斜視図である。
図5】側面パネルの(a)正面図及び(b)上面図である。
図6】外側パネルと内側パネルとが重なった状態を示す(a)正面図及び(b)上面図である。
図7】上面パネルの斜視図である。
図8】上面パネルの(a)平面図及び(b)A-A線断面図である。
図9】フレーム部材の斜視図である。
図10】ベースフレームと側板フレームとの結合形態を示す図である。
図11】ガイド形成部材と一体化された上方フレームの上面図である。
図12図11の上方フレームの(a)側面図及び(b)裏面図である。
図13】ガイド形成部材とガイド部材カバーとの結合形態を裏面側から見た図である。
図14】ガイド形成部材とガイド部材カバーとの結合形態を上面側から見た図である。
図15図11のフレーム部材の側面図である。
図16】(a)図15のA-A線に沿った断面図、及び(b)図15のB-B線に沿った断面図である。
図17】前面パネルの斜視図である。
図18】係止部材を爪部及び爪受部が設けられた側から見た斜視図である。
図19】係止部材を第1凸部及び第2凸部が設けられた側から見た斜視図である。
図20】係止部材の取付方法を示す図である。
図21】係止部材の取付方法を示す図である。
図22】(a)前面パネルのガイド形成部材への取付構造、及び(b)前面パネルのガイド部材カバーへの取付構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
【0016】
図1は、本実施形態に係る風防装置1を前方から見た斜視図である。図2は、風防装置1を後方から見た斜視図である。図3は、風防装置1の分解斜視図である。風防装置1は、秤本体100に装着される。風防装置1は、秤本体100において被計量物が配置される計量空間S(すなわち、秤量皿101が配置された空間)を包囲するための装置である。風防装置1は、風防部材2と、フレーム部材3(支持部材)と、を有する。
【0017】
風防部材2は、計量空間Sを包囲する部材である。風防部材2は、4つの透明なパネル部材を有する。各パネル部材は、例えば、ガラス又はプラスチックによって形成されている。4つのパネル部材は、計量空間Sの前方に配置される前面パネル21と、計量空間Sの左右両側に配置される一対の側面パネル22と、計量空間Sの上方に配置される上面パネル23と、計量空間Sの後方に配置される後面パネル24と、から構成されている。各側面パネル22は、外側パネル25及び内側パネル26の2枚のパネルによって構成されている。上面パネル23は、上側パネル27及び下側パネル28の2枚のパネルによって構成されている。側面パネル22は、前後方向(側面パネル22の摺動方向)に摺動可能にフレーム部材3(後述するガイドレール50,60)によって支持される。
【0018】
フレーム部材3は、風防部材2を支持する部材である。風防部材2は、フレーム部材3によって支持されると共に、フレーム部材3(後述するベースフレーム31)を介して秤本体100に固定される。フレーム部材3は、ベースフレーム31と、側板フレーム32と、上方フレーム33と、ガイド形成部材34と、ガイド部材カバー35と、を有する。
【0019】
図4は、計量空間Sの右側に配置される側面パネル22の斜視図である。図5は、上記側面パネル22の(a)正面図及び(b)上面図である。図6は、外側パネル25と内側パネル26とが重なった状態を示す(a)正面図及び(b)上面図である。図4図6を参照して、側面パネル22の取付構造について説明する。なお、計量空間Sの左側に配置される側面パネル22は、図4に示される側面パネル22と左右対称の構成を有する。
【0020】
外側パネル25の上端部には、前後方向に離間して配置される一対の回転輪251,252と、回転輪251,252を回転可能に保持する保持部材253と、が設けられている。回転輪251は保持部材253の後端部付近に取り付けられており、回転輪252は保持部材253の前端部付近に取り付けられている。すなわち、回転輪251は、回転輪252よりも後方に設けられている。
【0021】
内側パネル26の上端部には、前後方向に離間して配置される一対の回転輪261,262と、回転輪261,262を回転可能に保持する保持部材263と、が設けられている。回転輪261は保持部材263の後端部付近に取り付けられており、回転輪262は保持部材263の前端部付近に取り付けられている。すなわち、回転輪261は、回転輪262よりも後方に設けられている。
【0022】
外側パネル25における計量空間Sに面する側(内面)とは反対側の外面には、側面パネル22の開閉操作を行うための把持部22aが取り付けられている。ユーザは、把持部22aを保持して前後方向に引っ張ることにより、側面パネル22の開閉操作を行うことができる。外側パネル25の保持部材253は、回転輪251,252が外側パネル25よりも外側(計量空間S側とは反対側)に位置するように、外側パネル25の外面に固定されている。一方、内側パネル26の保持部材263は、回転輪261,262が内側パネル26よりも内側(計量空間S側)に位置するように、内側パネル26の内面に固定されている。
【0023】
図5の(b)に示されるように、保持部材253の前後方向の両端には、外側パネル25に対して回転輪251,252が位置する側(外側)とは反対側(すなわち内側)に突出する係合部254が設けられている。一方、保持部材263の前後方向の両端には、内側パネル26に対して回転輪261,262が位置する側(内側)とは反対側(すなわち外側)に突出する係合部264が設けられている。
【0024】
係合部254及び係合部264の突出高さは、外側パネル25と内側パネル26とが重なった状態において、係合部254及び係合部264が相互に接触しないように設定されている。外側パネル25の後方側の係合部254の内側には、内側パネル26の保持部材263の係合部264と係合するように係合部254よりも突出高さが大きくされた係合片255が固定されている。係合片255は、内側パネル26の保持部材263の2つの係合部264の間に配置されている。
【0025】
上記構成によれば、図5の状態から外側パネル25が後方(図示右方向)に移動しても、係合片255が固定された係合部254が、図6に示される位置に到達するまで、内側パネル26は移動しない。図6の状態から外側パネル25がさらに後方に移動すると、係合片255が内側パネル26の後方側の係合部264を後方に押すため、内側パネル26は、外側パネル25と共に後方に移動する。逆に、図6の状態から外側パネル25が前方(図示左方向)に移動するときは、係合片255の固定された係合部254が、図5に示される位置に到達するまで、内側パネル26は移動しない。図5の状態から外側パネル25がさらに前方に移動すると、係合片255が内側パネル26の前方側の係合部264を前方に引っ張るため、内側パネル26は、外側パネル25と共に前方に移動する。
【0026】
上述したような外側パネル25及び内側パネル26の連係動作により、風防装置1の側面(すなわち、側面パネル22)を全開にするときには、外側パネル25及び内側パネル26は、全開位置で重なり合い、図6の状態となる。一方、風防装置1の側面を封鎖するときには、外側パネル25及び内側パネル26は、図5の状態となり、計量空間Sの側面を塞ぐ。
【0027】
図7は、上面パネル23の斜視図である。図8の(a)は、上面パネル23の平面図であり、図8の(b)は、図8の(a)におけるA-A線に沿った断面図である。図7及び図8を参照して、上面パネル23の取付構造について説明する。
【0028】
図7に示されるように、上面パネル23には、上側パネル27及び下側パネル28の一端部(本実施形態では右側端部)を嵌め込むためのパネル枠体41と、上側パネル27及び下側パネル28の他端部(本実施形態では左側端部)を嵌め込むためのパネル枠体42と、が設けられている。上面パネル23の外面(上面)には、上面パネル23の開閉操作を行うための把持部23aが取り付けられている。上側パネル27をパネル枠体41,42内で移動させることで、計量空間Sの上方を開口させることができる。
【0029】
図8に示されるように、パネル枠体41,42には、上側パネル27及び下側パネル28の端部を嵌めるための溝が設けられている。この溝は、下側パネル28の端部が収容される位置では、上側パネル27が下側パネル28の上に移動できるように、その溝幅が広く設定されている。また、一方のパネル枠体(本実施形態ではパネル枠体41)の上側には、この溝の一部を切り開く切欠部43が設けられている。切欠部43の前後方向の長さは、上側パネル27及び下側パネル28の幅を多少上回るように設定されている。パネル枠体41,42に端部が嵌っている上側パネル27及び下側パネル28は、この切欠部43から一枚ずつ取り外すことができる。また、パネル枠体41,42の左右方向の外側面には、上面パネル23をガイド形成部材34で支持するために使用される突条片44が設けられている。
【0030】
図9は、フレーム部材3の斜視図である。図10は、ベースフレーム31と側板フレーム32との結合形態を示す図である。図11は、ガイド形成部材34と一体化された上方フレーム33の上面図である。
【0031】
図3図9、及び図10に示されるように、ベースフレーム31は、前方フレーム11と、左右一対の側方フレーム12と、後方フレーム13と、が一体化されることによって構成されている。図10に示されるように、ベースフレーム31は、前方フレーム11が側方フレーム12の前端に位置し、後方フレーム13が側方フレーム12の後端よりも前側に位置するように構成されている。
【0032】
前方フレーム11には、前面パネル21の下側縁部が挿入される挿入溝111が設けられている。また、図3及び図10に示されるように、前方フレーム11の内側には、風防装置1を秤本体100に装着するときに、秤本体100に固定されたシールド板102の前方側の立上り縁に設けられた係合穴103に嵌る爪部112が設けられている。
【0033】
側方フレーム12には、側面パネル22の下端を誘導するために前後方向に沿って間欠的に配置された誘導突起121が設けられている。また、側方フレーム12には、風防装置1を秤本体100に装着する際に、秤本体100の筐体側面に当接する垂下片122が設けられている。
【0034】
後方フレーム13には、後面パネル24の下側縁部が挿入される挿入溝131が設けられている。また、後方フレーム13の左右両端には、側板フレーム32の下端に設けられた結合部321が固定される側板固定部132が設けられている。後方フレーム13の後面には、風防装置1を秤本体100に装着したり、風防装置1を秤本体100から取り外したりする際に、シールド板102の後方側の立上り縁に設けられた係合穴にワンタッチで着脱できるワンタッチ係合手段(カムレバー)130(図2参照)が固定されている。
【0035】
図9は、後方フレーム13の側板固定部132に側板フレーム32の結合部321が結合された状態を示している。図10は、その結合方法を示している。なお、側板フレーム32は、その下端及び上端の各々に同一形状の結合部321を有している。
【0036】
図10に示されるように、側板固定部132は、結合部321の底面が当接する面の中心からズレた位置に2つの係合孔133を有し、その面と直交する面に貫通孔134を有している。一方、結合部321は、側板固定部132との当接面に2つの突起322を有し、その面と直交する面にネジ孔323を有している。後方フレーム13に側板フレーム32を固定するときは、結合部321の2つの突起322を側板固定部132の2つの係合孔133に嵌める。そうすると、側板固定部132の貫通孔134の位置と結合部321のネジ孔323の位置とが一致するので、ネジSCを貫通孔134の側から挿入してネジ孔323に螺合し、後方フレーム13に側板フレーム32を固定する。
【0037】
左右の側板フレーム32には、後面パネル24の左右の縁部が挿入される挿入溝324が設けられている。左右の側板フレーム32が後方フレーム13に固定されると、各側板フレーム32の挿入溝324が、後方フレーム13の挿入溝131と連結される。後方フレーム13に固定された左右の側板フレーム32の上端の結合部321には、ガイド形成部材34と一体化された上方フレーム33が結合される。
【0038】
図11は、ガイド形成部材34と一体化された上方フレーム33の上面図である。図12は、上方フレーム33の(a)側面図及び(b)裏面図である。図13は、ガイド形成部材34とガイド部材カバー35との結合形態を裏面側から見た図である。
【0039】
上方フレーム33は、その左右両端に、後方フレーム13の側板固定部132に類似する側板固定部332を有している。側板固定部332は、側板フレーム32の上端の結合部321に設けられた2つの突起322が嵌る2つの係合孔333と、結合部321のネジ孔323に対向する貫通孔334と、を有している。
【0040】
側板フレーム32と上方フレーム33との結合方法は、側板フレーム32と後方フレーム13との結合方法と同じである。すなわち、結合部321の2つの突起322を側板固定部332の2つの係合孔333に嵌め、ネジを貫通孔334の側から挿入して結合部321のネジ孔323に螺合し、上方フレーム33に左右の側板フレーム32を固定する。
【0041】
上方フレーム33には、後面パネル24の上側縁部が挿入される挿入溝331が設けられている。後方フレーム13及び左右の側板フレーム32の各挿入溝131,324に後面パネル24の下側及び左右の縁部を嵌め込んだ後、上方フレーム33と左右の側板フレーム32とを結合すれば、後面パネル24の全ての側縁が後方フレーム13、左右の側板フレーム32及び上方フレーム33によって保持される。
【0042】
図14は、ガイド形成部材34とガイド部材カバー35との結合形態を上面側から見た図である。図14に示されるように、ガイド部材カバー35は、貫通孔352を有する固定片351を有している。上方フレーム33の側板固定部332と側板フレーム32の結合部321とをネジで固定するとき、ガイド形成部材34に被せたガイド部材カバー35の貫通孔352の位置を上方フレーム33の側板固定部332の貫通孔334の位置に一致させて、貫通孔352及び貫通孔334に挿入したネジの先を結合部321のネジ孔323に螺合する。こうすることで、ガイド部材カバー35を、側板フレーム32に固定された上方フレーム33及びガイド形成部材34に結合することができる(図13参照)。
【0043】
また、ガイド形成部材34の前端と、その前端を覆うガイド部材カバー35と、によって前面パネル21の上端が挟持される。前面パネル21の下側縁部が前方フレーム11の挿入溝111に嵌まる。また、前面パネル21の上端がガイド部材カバー35とガイド形成部材34とで挟持される。これにより、前面パネル21は、フレーム部材3に対して安定して固定される。前面パネル21の取付構造の詳細は、後述する。
【0044】
ガイド形成部材34と結合されたガイド部材カバー35は、ガイド形成部材34と共働して、側面パネル22(外側パネル25及び内側パネル26)に取付けられた回転輪251,252,261,262を案内するガイドレールを構成すると共に、上面パネル23の突条片44を支持する支持部を構成する。
【0045】
図15は、図11のフレーム部材3の側面図である。図16の(a)は、図15のA-A線に沿った断面図であり、図16の(b)は、図15のB-B線に沿った断面図である。図15のA-A線の位置は、内側パネル26の前進を阻む制限部材353(図13参照)が設けられている位置に相当する。
【0046】
ガイド部材カバー35は、外側パネル25に設けられた回転輪251,252のガイドレール50(ガイド部)を、外側パネル25の移動可能範囲の全長(すなわち、ガイド部材カバー35の前端から後端までの間)に亘って形成している。ガイドレール50は、回転輪251,252が支持される下面部52と、下面部52に対向する上面部51と、を有している。回転輪251,252は、下面部52に支持されながら転がることによって、上面部51と下面部52との間に形成された空間を前後方向に移動可能とされている。すなわち、ガイドレール50は、回転輪251,252を支持することによって外側パネル25を吊り下げ支持し、回転輪251,252を前後方向に案内する。ガイドレール50の後端には、ガイドレール50に対して回転輪251,252を着脱するための開口部50aが設けられている。
【0047】
ガイド形成部材34及びガイド部材カバー35は、内側パネル26に設けられた回転輪261,262のガイドレール60(ガイド部)を、内側パネル26の移動可能範囲の全長(すなわち、制限部材353の位置からガイド形成部材34の後端までの間)に亘って形成している。ガイドレール60は、回転輪261,262が支持される下面部62と、下面部62に対向する上面部61と、を有している。上面部61はガイド部材カバー35によって形成されており、下面部62はガイド形成部材34によって形成されている。回転輪261,262は、下面部62に支持されながら転がることによって、上面部61と下面部62との間に形成された空間を前後方向に移動可能とされている。すなわち、ガイドレール60は、回転輪261,262を支持することによって内側パネル26を吊り下げ支持し、回転輪261,262を前後方向に案内する。ガイドレール60の後端には、ガイドレール60に対して回転輪261,262を着脱するための開口部(回転輪251,252を着脱するための開口部50aと共通)が設けられている。
【0048】
また、ガイド形成部材34は、上面パネル23の突条片44を支持する支持部342を有している。また、ガイド部材カバー35は、この支持部342に載る突条片44を上から抑える抑止部355を有している。
【0049】
次に、図17図22を参照して、前面パネル21のフレーム部材3(ガイド形成部材34及びガイド部材カバー35)への取付構造について説明する。図17は、前面パネル21の斜視図である。図18及び図19は、前面パネル21に取り付ける前の状態の係止部材70の斜視図である。図20及び図21は、係止部材70の取付方法を示す図である。図22の(a)は、前面パネル21のガイド形成部材34への取付構造を示す図である。図22の(b)は、前面パネル21のガイド部材カバー35への取付構造を示す図である。
【0050】
図17に示されるように、前面パネル21は、矩形板状のパネル部材である。上述したように、前面パネル21は、他のパネル部材と同様に、透明な材料(例えばガラス)によって形成されている。前面パネル21は、計量空間Sに対向する内面21aと、内面21aとは反対側の外面21bと、内面21aと外面21bとを接続する側縁21cと、内面21aから外面21bに貫通する貫通孔21d(図20参照)と、貫通孔21dに挿通された状態で前面パネル21に固定される係止部材70と、を有している。
【0051】
係止部材70は、例えばナイロン、ポリプロピレン等の樹脂によって形成されており、折り曲げ可能に構成されている。図18及び図19に示されるように、係止部材70は、爪部71と、爪受部72と、第1凸部73と、第2凸部74と、接続部75と、を有している。
【0052】
爪部71は、貫通孔21dに挿通される部分である。爪受部72は、爪部71に係止される部分である。第1凸部73は、貫通孔21dに挿通された爪部71が爪受部72に係止された状態(以下「係止状態」という。)において、内面21a上で内側(計量空間S側)に突出する部分である。第2凸部74は、係止状態において、外面21b上で外側(計量空間S側とは反対側)に突出する部分である。本実施形態では、係止部材70のうち爪部71及び爪受部72の各々が設けられた部分は、接続部75よりも肉厚に形成された部分を有している。この肉厚の部分が上述した第1凸部73及び第2凸部74として機能する。また、本実施形態では、爪部71は内面21a側から貫通孔21dに挿通される。この場合、爪部71が設けられた肉厚の部分(爪部71の突出方向とは反対側に突出する部分)が第1凸部73として機能し、爪受部72が設けられた肉厚の部分(爪受部72の突出方向とは反対側に突出する部分)が第2凸部74として機能する。なお、係止部材70は、爪部71を外面21b側から貫通孔21dに挿通することで前面パネル21に固定されてもよい。この場合、第1凸部73と第2凸部74とは、本実施形態とは逆になる。
【0053】
接続部75は、爪部71と爪受部72とを接続する部分である。すなわち、接続部75は、爪部71及び第1凸部73が設けられた部分81と爪受部72及び第2凸部74が設けられた部分82とを接続する部分である。接続部75は、可撓性部材によって形成されている。本実施形態では、上述したように、接続部75だけでなく係止部材70の全体が可撓性部材(樹脂)によって形成されている。
【0054】
図18及び図19に示されるように、係止部材70を前面パネル21に取り付ける前の状態では、接続部75は、直線状に延びている。なお、本実施形態では、接続部75の幅方向中央部に、接続部75の延在方向(取付前の状態において、部分81と部分82とが対向する方向)に延びるスリット75aが設けられている。これにより、接続部75は、幅方向に離間する一対の帯部76によって構成されている。各帯部76によって、部分81及び部分82が接続されている。
【0055】
接続部75(すなわち、各帯部76)は、第1部分761と、第2部分762と、第3部分763と、第1折り曲げ部764と、第2折り曲げ部765と、を有している。
【0056】
第1部分761は、係止状態において内面21aに対向する部分である。上述した通り、本実施形態では爪部71が内面21a側に配置されるため、第1部分761は、接続部75のうち部分81に隣接する部分である。第1部分761のうち係止状態において内面21aに対向する側とは反対側の面には、薄肉化のための第1凹部761aが設けられている。
【0057】
第2部分762は、係止状態において外面21bに対向する部分である。第2部分762は、接続部75のうち部分82に隣接する部分である。第2部分762のうち係止状態において外面21bに対向する側とは反対側の面には、薄肉化のための第2凹部762aが設けられている。
【0058】
第3部分763は、係止状態において側縁21cに対向する部分である。第3部分763は、第1部分761と第2部分762との間に位置している。
【0059】
第1折り曲げ部764は、第1部分761と第3部分763との間に設けられた部分である。第1折り曲げ部764は、隣接する第1部分761及び第3部分763よりも薄肉化されている。具体的には、第1折り曲げ部764のうち折り曲げた際に内側となる面に、薄肉化のための凹部764aが設けられている。第1折り曲げ部764は、このように薄肉化されていることにより、凹部764aを内側として容易に折り曲げることが可能とされている。凹部764aは、係止状態において、内面21aと側縁21cとの間の角部に対向するように配置される。
【0060】
第2折り曲げ部765は、第2部分762と第3部分763との間に設けられた部分である。第2折り曲げ部765は、隣接する第2部分762及び第3部分763よりも薄肉化されている。具体的には、第2折り曲げ部765のうち折り曲げた際に内側となる面に、薄肉化のための凹部765aが設けられている。第2折り曲げ部765は、このように薄肉化されていることにより、凹部765aを内側として容易に折り曲げることが可能とされている。凹部765aは、係止状態において、外面21bと側縁21cとの間の角部に対向するように配置される。
【0061】
図20に示されるように、係止部材70は、第1部分761と第2部分762とが対向するように第1折り曲げ部764及び第2折り曲げ部765が折り曲げられることにより、爪部71と爪受部72とが対向するように構成されている。また、係止状態(図20の下部に示される状態)において、第3部分763が側縁21cに当接するように構成されている。上記構成によれば、係止状態において、接続部75の屈曲部の内側部分(すなわち第3部分763における側縁21cに対向する面)が前面パネル21の側縁21cに当接することにより、前面パネル21に対する係止部材70の位置ずれを好適に防止することができる。その結果、フレーム部材3(ガイド形成部材34及びガイド部材カバー35)に対する前面パネル21の取付精度を向上させることができる。
【0062】
また、第1部分761に第1凹部761aが設けられていることにより、係止状態において、第1部分761が前面パネル21の内面21aから離間するように膨らんでしまうことを効果的に防止することができる。同様に、第2部分762に第2凹部762aが設けられていることにより、係止状態において、第2部分762が前面パネル21の外面21bから離間するように膨らんでしまうことを効果的に防止することができる。従って、上記構成によれば、第1部分761及び第2部分762を前面パネル21の内面21a及び外面21bに沿わせることができる。これにより、係止状態において第1凸部73及び第2凸部74の位置がずれてしまうことを抑制し、第1凸部73及び第2凸部74を後述するフレーム部材3の凹部34a及び凹部35aに精度良く挿し込むことができる。その結果、フレーム部材3に対する前面パネル21の取付精度をより一層向上させることができる。
【0063】
係止部材70は、係止状態において、貫通孔21dの内側面に接触して前面パネル21の面内方向(すなわち、貫通孔21dの延在方向(前後方向)に直交する方向)における爪部71及び爪受部72の移動を抑制する抑制部91,92を有する。
【0064】
抑制部91は、部分81において、爪部71の根元部分の周囲を円環状に包囲するように設けられている。図18に示されるように、本実施形態では、抑制部91は、90度間隔で配置された4つの部分に分割されている。抑制部91を構成する上記4つの部分のうちの1つは、爪部71と一体的に形成されている(図21参照)。
【0065】
抑制部92は、部分82において、爪受部72の根元部分の周囲を円環状に包囲するように設けられている。図18に示されるように、本実施形態では、抑制部92は、抑制部91と同様に、90度間隔で配置された4つの部分に分割されている。抑制部92を構成する上記4つの部分のうちの1つは、爪受部72と一体的に形成されている(図21参照)。
【0066】
図21の上部に示されるように、係止部材70を前面パネル21に取り付ける際には、まず、第1折り曲げ部764及び第2折り曲げ部765を折り曲げた状態で、爪部71(部分81)と爪受部72(部分82)とを前面パネル21を挟んで対向させ、爪部71を貫通孔21dに挿通させる。そして、部分81を内面21a側に押し込むと共に、部分82を外面21b側に押し込むことにより、爪部71の先端部が爪受部72に押し込まれる。その結果、図21の下部に示されるように、爪部71が爪受部72に係止される。図21の下部に示される状態(係止状態)において、抑制部91の外側面が、貫通孔21dの内側面に接触する。このように抑制部91が貫通孔21dの内面に嵌まることによって貫通孔21dに対して部分81が固定される。その結果、爪部71が前面パネル21の面内方向に動くことが抑制される。同様に、抑制部92の外側面が、貫通孔21dの内側面に接触する。このように抑制部92が貫通孔21dの内側面に嵌まることによって貫通孔21dに対して部分82が固定される。その結果、爪受部72が前面パネル21の面内方向に動くことが抑制される。従って、上記構成によれば、前面パネル21に対して係止部材70を安定的に固定することができる。
【0067】
なお、本実施形態(図21)では、抑制部91,92の外面(貫通孔21dの内側面に対向する面)は、貫通孔21dの内側面と略平行に形成されているが、抑制部91,92の外面の形状は、上記に限られない。例えば、抑制部91,92の貫通孔21d内への導入をスムーズにするために、抑制部91,92の外面は、根元部分から先端部分に向かうにつれて先細りとなるテーパ形状に形成されてもよい。
【0068】
次に、図22を参照して、前面パネル21のフレーム部材3への取付構造について説明する。
【0069】
図13及び図22の(a)に示されるように、ガイド形成部材34の前端部には、第1凸部73に対応する凹部34a(第1取付用凹部)が設けられている。第1凸部73が凹部34aに挿入(嵌合)されることにより、前面パネル21の内面21aが係止部材70(第1凸部73)を介してガイド形成部材34に取り付けられる。
【0070】
図13及び図22の(b)に示されるように、ガイド部材カバー35の前端部の裏側(第2凸部74に対向する側)には、第2凸部74に対応する凹部35a(第2取付用凹部)が設けられている。第2凸部74が凹部35aに挿入(嵌合)されることにより、前面パネル21の外面21bが係止部材70(第2凸部74)を介してガイド部材カバー35に取り付けられる。
【0071】
以上説明した風防装置1では、係止部材70によって形成された第1凸部73及び第2凸部74をフレーム部材3に挟持させることにより、前面パネル21をフレーム部材3に取り付けることができる。このような取付構造によれば、前面パネル21に係止部材70を固定した状態のまま、前面パネル21をフレーム部材3に対して着脱することができる。このため、例えば特許文献1に開示されているようなスナップフィット等の機構を用いる場合と比較して、前面パネル21をフレーム部材3に対して着脱する際に前面パネル21(特に貫通孔21dの内周エッジ部分)に対する負荷が生じない。従って、風防装置1によれば、前面パネル21の着脱操作に起因する前面パネル21の損傷を抑制することができる。
【0072】
また、風防装置1では、フレーム部材3(本実施形態では、ガイド形成部材34及びガイド部材カバー35)は、第1凸部73に対応する凹部34aと、第2凸部74に対応する凹部35aと、を有している。前面パネル21は、第1凸部73が凹部53aに挿入され、第2凸部74が凹部35aに挿入されることにより、フレーム部材3に取り付けられている。上記構成によれば、係止部材70によって形成された第1凸部73及び第2凸部74を凹部34a及び凹部35aに挿入することにより、フレーム部材3による前面パネル21の支持安定性を向上させることができる。
【0073】
また、係止部材70を取り付けるための貫通孔21dは、前面パネル21の隅部に設けられている。上記構成によれば、係止部材70を介した前面パネル21のフレーム部材3への取付を容易化できると共に、前面パネル21の剛性を効果的に高めることができる。
【0074】
なお、上述した第1凸部73及び第2凸部74に相当する凸部を前面パネル21の内面21a及び外面21bに形成する方法としては、矩形板状の樹脂部材を内面21a及び外面21bに接着する方法も考えられる。しかし、このような方法を採用した場合、風防装置1の製造工程における作業性が悪化してしまう。具体的には、樹脂部材の前処理を行ったり、接着剤が硬化するまで待機したりする必要が生じる。また、接着強度の不足、或いは前面パネル21の着脱時等に樹脂部材とフレーム部材3との間で摩擦が生じること等により、樹脂部材が内面21a又は外面21bから剥がれてしまうおそれもある。一方、前面パネル21の貫通孔21dに係止部材70を固定する方式が採用された風防装置1によれば、上記のような問題を回避することもできる。
【0075】
本開示に係る風防装置は、上記実施形態に限定されない。例えば、各部材の形状、材料等は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態では、側面パネル22が2枚の外側パネル25及び内側パネル26によって構成されたが、側面パネル22は1枚のパネルで構成されてもよいし、3枚以上のパネルで構成されてもよい。また、上記実施形態では、前面パネル21が係止部材70を介してフレーム部材3に固定されたが、前面パネル21以外のパネル部材(例えば、後面パネル24等)が、係止部材70を介してフレーム部材3に固定されてもよい。また、上記実施形態では、係止部材70の接続部75にスリット75aが形成されることで2つの帯部76が形成されたが、スリット75aは省略されてもよい。或いは、2つ以上のスリットが形成されることで3つ以上の帯部が形成されてもよい。また、上記実施形態では、前面パネル21の右上隅部及び左上隅部の2箇所に係止部材70が取り付けられたが、係止部材70が取り付けられる位置(すなわち、貫通孔21dが設けられる位置)は上記に限られず、前面パネル21が固定されるフレーム部材3の位置に応じて適宜変更され得る。
【符号の説明】
【0076】
1…風防装置、2…風防部材、3…フレーム部材(支持部材)、21…前面パネル(パネル部材)、21a…内面、21b…外面、21c…側縁、21d…貫通孔、34a…凹部(第1取付用凹部)、35a…凹部(第2取付用凹部)、70…係止部材、71…爪部、72…爪受部、73…第1凸部、74…第2凸部、75…接続部、91,92…抑制部、761…第1部分、761a…第1凹部、762…第2部分、762a…第2凹部、763…第3部分、764…第1折り曲げ部、765…第2折り曲げ部、S…計量空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図17
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図19
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図22